WO2015020131A1 - バイオセンサ - Google Patents

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Abstract

 非侵襲的に人体から採取した試料に基づき解析することができるバイオセンサを提供する。バイオセンサは、検出対象物質(40)と結合する識別物質(38)と、前記識別物質(38)の電荷を帯電する電極(16)とを備え、非検出対象物質(42)が前記識別物質(38)又は前記電極(16)の少なくとも一方に付着すること、を抑制する阻害物質(39)を有し、前記検出対象物質(40)が前記識別物質(38)に結合することにより生じる前記電極(16)の電荷密度の変化を検出することを特徴とする。

Description

バイオセンサ
 本発明は、バイオセンサに関するものである。
 近年、バイオセンサとしては、生きている細胞を非侵襲で解析に利用できる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、負電荷の物理的特性の変化を検出する検出表面が、シアル酸試料(細胞そのもの又は細胞由来の糖鎖)と結合するフェニルボロン酸基で被覆された構造を有するバイオセンサが開示されている。
特開2010-107496号公報
 しかしながら、上記特許文献1に記載されたバイオセンサでは、細胞等に対する侵襲がないものの、細胞を採取する際の人体に対し侵襲がないとはいえない。すなわち、より人体への負担を軽減することができるバイオセンサ、例えば、涙、汗、唾液などに基づき検出対象物を検出することができるバイオセンサが望まれる。因みに涙などには、検出対象物質としてのグルコースのほかに、アルブミン等のタンパク質が含まれており、当該タンパク質がノイズとなって測定感度を低下させてしまう、という懸念がある。
 そこで本発明は、非侵襲的に人体から採取した試料に基づき解析することができるバイオセンサを提供することを目的とする。
 本発明に係るバイオセンサは、検出対象物質と結合する識別物質と、前記識別物質の電荷を帯電する電極とを備えるバイオセンサにおいて、非検出対象物質が前記識別物質又は前記電極の少なくとも一方に付着すること、を抑制する阻害物質を有し、前記識別物質が前記電極に接触しており、前記阻害物質は、分子鎖が前記識別物質より長い高分子化合物で形成され、前記識別物質と前記阻害物質とにより、前記電極表面に自己組織化単分子膜が形成されており、前記検出対象物質が前記識別物質に結合することにより生じる前記電極の電荷密度の変化を検出することを特徴とする。
 また本発明に係るバイオセンサは、検出対象物質と結合する識別物質と、前記識別物質の電荷を帯電する電極とを備えるバイオセンサにおいて、非検出対象物質が前記識別物質又は前記電極の少なくとも一方に付着すること、を抑制する阻害物質を有し、前記電極上に設けられ、前記識別物質で形成された薄膜と、前記薄膜上に形成され、前記阻害物質を含む1又は2以上の阻害物質層とを備え、前記検出対象物質が前記識別物質に結合することにより生じる前記電極の電荷密度の変化を検出することを特徴とする。
 さらに本発明に係るバイオセンサは、検出対象物質と結合する識別物質と、前記識別物質の電荷を帯電する電極とを備えるバイオセンサにおいて、非検出対象物質が前記識別物質又は前記電極の少なくとも一方に付着すること、を抑制する阻害物質を有し、前記識別物質が、前記阻害物質と結合しており、前記検出対象物質が前記識別物質に結合することにより生じる前記電極の電荷密度の変化を検出することを特徴とする。
 本発明によれば、阻害物質によって、非検出対象物質が識別物質と結合したり、電極表面に付着したりすることを抑制できるので、より測定感度を向上することができる。したがってバイオセンサは、非侵襲的に人体から採取した試料に基づきグルコース濃度をより確実に測定することができる。
第1実施形態に係るバイオセンサの全体構成を示す概略図である。 第1実施形態に係るバイオセンサにおける識別部の構成を示す概略図である。 第1実施形態に係るバイオセンサのグルコース濃度とゲート電圧変化との関係を示すグラフである。 第2実施形態に係るバイオセンサにおける識別部の構成を示す概略図である。 第2実施形態の変形例に係るバイオセンサにおける識別部の構成を示す概略図である。 第2実施形態に係るバイオセンサにおける識別部の説明に用いる概略図である。 第2実施形態に係るバイオセンサのグルコース濃度とゲート電圧変化との関係(1)を示すグラフである。 第2実施形態に係るバイオセンサのグルコース濃度とゲート電圧変化との関係(2)を示すグラフである。 第2実施形態に係るバイオセンサのグルコース濃度とゲート電圧変化との関係(3)を示すグラフである。 第2実施形態に係るバイオセンサのグルコース濃度とゲート電圧変化との関係(4)を示すグラフである。 第3実施形態の変形例に係るバイオセンサにおける識別部の構成を示す概略図である。 第3実施形態に係るバイオセンサのグルコース濃度とゲート電圧変化との関係を示すグラフである。
 以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
1.第1実施形態
(1-1)全体構成
 図1に示すバイオセンサ10は、識別部12Aと、検出部としての電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)14とを備える。バイオセンサ10は、識別部12Aにおいて試料中に含まれる検出対象物質としてのグルコースを識別し、識別された情報をFET14において電気的な信号に変換することにより、試料中のグルコース濃度を検出する。ここで試料とは、非侵襲的に採取した試料、すなわち血液以外の生体液として、汗、涙、唾液を挙げることができる。これら試料には、グルコースのほか、非検出対象物質としてのアルブミン等のタンパク質が含まれている。
 識別部12Aは、電極16と、電極16上に設けられた受容体20Aとを備える。本実施形態の場合、識別部12Aは、電極16の一側表面上に円筒状の壁部を設けて容器18が形成されており、当該容器18内に識別物質及び阻害物質が収容されている。電極16は、Auで形成することができるが、例えばAgやCuで形成することもできる。受容体20Aは、識別物質と、阻害物質とを含む自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayers:SAMs)で形成されている。SAMsとは、通常、固体と液体の界面又は固体と気体の界面で、有機分子同士が自発的に集合して、自発的に単分子膜を形作っていく有機薄膜をいう。
 識別物質は、試料中に含まれるグルコースと結合する機能を有する。識別物質は、フェニルボロン酸を用いることができるほか、例えば、その誘導体(例えば、ビニル基を有するフェニルボロン酸等)、グルコース結合タンパク質(GBP)及びその誘導体等を用いることができる。例えばフェニルボロン酸は、グルコースと結合すると負電荷を生じる。
 阻害物質は、非検出対象物質であるアルブミン等のタンパク質が、フェニルボロン酸と結合したり、電極16表面に付着したりすることを抑制する。本実施形態の場合、阻害物質は、高分子化合物で形成される。高分子化合物は、分子鎖が識別物質より長いオリゴエチレングリコールを用いることができるほか、例えばポリエチレングリコールなども用いることができる。
 図2に示すように、識別物質38と阻害物質39とは、一方の末端が電極16の一側表面に吸着してSAMsを形成している。識別物質38と阻害物質39は、チオール基(-SH)やジスルフィド基(-S-S-)を導入し、チオールやジスルフィドの誘導体とする。このようなチオールやジスルフィドの誘導体は、Au、AgやCuなどの金属表面に高密度な薄膜を形成することができる。例えば、チオール基が導入されたフェニルボロン酸は、Au-Sのような強い結合を形成する。識別物質38は、他方の末端において、グルコースと結合する。阻害物質39は他方の末端において非検出対象物質と特異的に結合する。
 FET14は、半導体基板22の表面に形成されたソース24及びドレイン26と、半導体基板22、ソース24及びドレイン26上に形成されたゲート絶縁膜28とを備える(図1)。FET14は、n-MOS、p-MOSのいずれも使用することができる。ゲート絶縁膜28上には、金属電極30が形成されている。金属電極30は、配線31を介して、電極16と電気的に接続されている。金属電極30は、Au、Ag、Cu等で形成することができる。
 半導体基板22は、Si、Ga、As、ITO、IGZO、IZO等で形成してもよいし、有機半導体、炭素半導体(例えば、カーボンナノチューブ、グラフェン半導体、ダイヤモンド半導体等)等を用いてもよい。ゲート絶縁膜28は、SiO、Si(SiN)、Ta、Al等の酸化物又は窒化物で形成することができる。
 ソース24とドレイン26は、電源34及び電流計36が電気的に接続されており、ソース24からドレイン26へ流れるドレイン電流を計測するように形成されている。ゲート絶縁膜28上の電荷密度が変化すると、ドレイン電流の大きさが変化する。すなわちドレイン電流を一定に保つためには、ゲート絶縁膜28上の電荷密度の変化に伴いゲート電圧を変化させる必要がある。FET14は、このゲート電圧の変化を計測することにより、ゲート絶縁膜28上の電荷密度の変化を電気的に計測する。
 この際、本図に示すように参照電極32を用いてもよい。参照電極32は、FET14における基準電位となる電極16であり、識別部12Aにおいて識別物質38と電気的に接続される。
(1-2)製造方法
 図2に示す識別部12Aは、以下の手順により製造することができる。まず、スパッタリング装置を用いてガラス基板上にCr、Auの順で堆積し、電極16を形成する。次いでガラスで形成された円筒状の壁部を電極16上にエポキシ樹脂で固定する。その後、硫酸と過酸化水素の混合溶液を用いて洗浄処理をし、さらに純水、エタノールの順に洗浄する。
 次いで、1mMのオリゴエチレングリコール(Hydroxy - EG6 - undecanethiol)を含むエタノール溶媒と、1mMの4-メルカプトフェニルボロン酸を含むエタノール溶媒とを9:1の比率で混合した混合液を容器18に収容する。この状態で所定時間保持することにより、オリゴエチレングリコールとフェニルボロン酸が電極16表面に化学吸着して自己組織化単分子膜が形成される。最後に混合液を除去し、エタノール、純水の順に洗浄する。このようにして識別部12Aを製造することができる。
(1-3)作用及び効果
 上記のように構成されたバイオセンサ10において、まず、識別部12Aに試料を加える(図2)。試料に含まれるグルコース40は、受容体20Aの下方へ到達し、識別物質38と結合する。これにより識別物質38は、負電荷を生じる。当該負電荷は、電極16表面に帯電する。一方、試料に含まれるアルブミン等のタンパク質42は、阻害物質39と結合し、受容体20Aの下方、すなわち識別物質38や電極16表面まで到達することが抑制される。
 電極16はFET14の金属電極30と電気的に接続されているので、電極16表面に負電荷が帯電することにより、ゲート絶縁膜28上の電荷密度が変化する。FET14は、ゲート絶縁膜28上の電荷密度の変化に伴うゲート電圧の変化を計測する。これによりバイオセンサ10は、試料に含まれるグルコース濃度を検出することができる。
 因みにタンパク質42は、負電荷を有しているので、識別物質38と結合したり、電極16表面に付着したりすることにより、電極16表面に帯電する負電荷を増加させてしまう。これにより従来のバイオセンサでは、測定感度が著しく低下するという問題があった。
 本実施形態の場合、バイオセンサ10は、受容体20Aに含まれる阻害物質39によって、タンパク質42が識別物質38や電極16表面に到達することを抑制することとした。これによりバイオセンサ10は、タンパク質42が識別物質38と結合したり、電極16表面に付着したりすることを抑制できるので、電極16に不要な負電荷が帯電することを抑制することができる。したがってバイオセンサ10は、より測定感度を向上することができるので、非侵襲的に人体から採取した試料に基づきグルコース濃度をより確実に測定することができる。
(1-4)グルコース濃度とゲート電圧変化の関係
 次に、図2に示した識別部を備えたバイオセンサを、上記「(1-2)製造方法」に示した手順で製造した。識別部は、識別物質としてフェニルボロン酸を用い、阻害物質としてオリゴエチレングリコールを用いた。そして、識別部にアルブミンを含む試料を入れ、さらにグルコース濃度を徐々に変えた時の電界効果トランジスタのゲート電圧の変化を測定した。
 試料は、pH7.4、4g/Lのアルブミンを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS:Phosphate buffered saline)を用意し、これにグルコースを100μM~10mMの範囲で段階的に加え、グルコース濃度を段階的に高くした。その結果を図3に示す。
 図3は、縦軸がゲート電圧変化(mV)を示し、横軸がグルコース濃度の対数(log)を示す。相関係数0.992、傾きは19.761であり、グルコース濃度の対数とゲート電圧変化の間には直線関係が見られることが確認できた。すなわち、バイオセンサでは、タンパク質によるノイズの影響を受けていないため、グルコース濃度に対応しゲート電圧変化量が増加しているといえる。上記結果より、識別物質と阻害物質とを含む単分子膜で形成した受容体を用いることで、タンパク質によって負電荷が増加することを抑制できることが確認できた。
2.第2実施形態
 図2との対応部分に同様の符号を付した図4を参照して、第2実施形態に係る識別部12Bについて説明する。本実施形態に係る識別部12Bは、識別物質38が電極16の一側表面に固定されていない点が、上記第1実施形態と異なる。
(2-1)識別部の構成
 識別部12Bに収容された受容体20Bは、識別物質38が阻害物質41と結合した共重合体で形成されている。本実施形態の場合、受容体20Bは、さらに分解促進剤、架橋剤を含む。
 阻害物質41は、親水性ポリマーで形成されている。親水性ポリマーとは親水性の官能基(水酸基、カルボキシル基)を有するポリマーであり、ハイドロゲル、紙、高吸水性ポリマー(SAP:Superabsorbent Polymer)等である。本実施形態の場合、阻害物質41は、ハイドロゲルを用いる。
 ハイドロゲルは、親水性高分子鎖間が架橋されて多量の水を保持し、吸水性に優れるゲル状材料であり、例えば、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(Poly-HEMA、ポリメタクリル酸2-ヒドロキシエチルとも称する。)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。Poly-HEMAは、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のホモポリマーであってもよく、他のモノマー(例えば、2,3-ジヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセロールメタクリレート(GMA)等)とのコポリマーであってもよい。なお、Poly-HEMAは、コポリマーとした方がより含水率が高くなる傾向にある。また、PVPとしては、N-ビニル-2-ピロリドン(NVP)のホモポリマーであってもよく、NVPを主成分として、HEMA、メチルメタクリレート(MMA)等と架橋剤を加えて重合したコポリマーであってもよい。
 紙は、植物繊維その他の繊維を膠着させて製造される。植物繊維は、セルロース、ヘミセルロース、リグニンから構成される。セルロースは、多数有する水酸基同士が水素結合により結合する性質を有しており、これにより紙を構成する植物繊維同士がくっつき合う。また、その他の繊維としては、鉱物、金属、合成樹脂等を繊維状にしたもの等が挙げられるが、識別物質38をより強固に固定するという観点から、植物繊維(セルロース)で形成された紙が好ましい。
 SAPは、自重の数百倍から数千倍までの水を吸収及び保持することができる高分子である。SAPとしては、アクリル酸の重合体を用いることができる。アクリル酸の重合体は、カルボキシル基を多数有するため、親水性が高く、さらに細目構造に架橋させ、ナトリウム塩の形とすると高い吸水性を持つゲルとなる。
 その他の親水性ポリマーとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)などのセルロース誘導体;アルギン酸、ヒアルロン酸、アガロース、デンプン、デキストラン、プルラン等の多糖類及びその誘導体;カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸等のホモポリマー、当該ホモポリマーと多糖類等との共重合体、及び当該ホモポリマーを構成するモノマーと他のモノマーとの共重合体;コラーゲン、ゼラチン等のタンパク質及びその誘導体;ヘパリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、デキストラン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸等のグリコサミノグリカン、キチン、キトサン等の多糖類やムコ多糖類を挙げることができる。
 さらには、1-ビニル-2-ピロリジノン、プロぺノン酸2-メチルエステル、モノメタクリロイルオキシエチルフタレート、アンモニウムスルファトエチルメタクリレート、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチルアクリルアミド、2-(メタクリロイルオキシエチル)-2-(トリメチルアンモニオエチル)ホスフェート等の親水性ポリマーを用いてもよい。
 上記例示した親水性ポリマーは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
 重合開始剤としては、公知のラジカル重合促進剤を適時選択して用いることができる。好ましくは水溶性または水分散性を有し、系全体に均一に含まれるものが好ましく用いられる。具体的には、重合開始剤として、水溶性の過酸化物、例えばペルオキソ二硫酸カリウムやペルオキソ二硫酸アンモニウム、水溶性のアゾ化合物、例えばVA-044、V-50、V-501(いずれも和光純薬工業株式会社製)の他、Fe2+と過酸化水素との混合物等を用いることができる。
 架橋剤としては、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート、メタクリル酸ビニル等を用いることができる。
(2-2)製造方法
 図4に示す識別部12Bは、以下の手順により製造することができる。まず、4-ビニルフェニルボロン酸0.15g、ヒドロキシエチルメタクリレート1.0g、N-(3-ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド0.5g、架橋剤としてN,N’-メチレンビスアクリルアミドを0.05g用意し、6.7重量%アクリル酸ナトリウム水溶液(pH7.3)6.0gを超純水にて全量10gとし容器18内において混合し、溶解する。その後、重合開始剤としてテトラメチルエチレンジアミンを25μl、ペルオキソ二硫酸カリウム7.5mgを加え、重合を開始する。この状態で、窒素雰囲気下、室温にて2時間保持する。重合反応終了後、生成された共重合体を含む溶液を超純水に浸漬し、未反応成分を除去することにより、識別物質38と阻害物質41を共重合させた受容体20Bを得ることができる。このようにして識別部12Bを製造することができる。
(2-3)作用及び効果
 上記のように構成された識別部12Bは、阻害物質である親水性ポリマーがその周囲に水分子を吸着させ溶媒親和性が高い。そのため、グルコースは水分子を介して親水性ポリマーと接触するため吸着されることなく溶媒中に溶け込む。これにより、試料に含まれるグルコースが受容体20B中のフェニルボロン酸と結合することにより、負電荷が生じ、電極16に帯電する。したがって識別部12Bは、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
 また、本実施形態に係る受容体20Bは、識別物質38が親水性ポリマーで形成された阻害物質41と結合し、共重合体を形成している。親水性ポリマーはその周囲に水分子を吸着させ溶媒親和性が高い。そのため、タンパク質は水分子を介して親水性ポリマーと接触するため吸着されることなく溶媒中に溶け込む。これにより識別部12Bは、阻害物質41によって試料に含まれるタンパク質が識別物質38と結合したり、電極16表面に付着したりすることを遮るので、より測定感度を向上することができる。したがってバイオセンサは、非侵襲的に人体から採取した試料に基づきグルコース濃度をより確実に測定することができる。
 阻害物質41は、グルコースの分子構造と同じ構造を有する分子鋳型(図示しない)を有することとしてもよい。分子鋳型を有する阻害物質41は、試料に含まれるグルコースを選択的に取り込むことができるので、測定感度をより向上することができる。
(2-4)変形例
 図4との対応部分に同様の符号を付した図5を参照して、第2実施形態の変形例に係る識別部12Cについて説明する。本実施形態に係る識別部12Cは、識別物質38が担体44に担持されている点が、上記第2実施形態と異なる。
 受容体20Cは、担体44と、担体44に担持された識別物質38と、阻害物質41とを備え、識別物質38が阻害物質41と結合した共重合体で形成されている。
 担体44は、導電性粒子、非導電性粒子を用いることができる。導電性粒子は、金属粒子、例えばAu、Pt、Ag、Cu等の粒子や、非金属粒子、例えば酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)、導電性ポリマー等の粒子を用いることができる。また、非導電性粒子は、例えばSiO2等の粒子を用いることができる。例えば、識別物質としてのフェニルボロン酸にチオール基(-SH)やジスルフィド基(-S-S-)を導入し、チオールやジスルフィドの誘導体とすることにより、Au粒子の表面にフェニルボロン酸を担持することができる。
 受容体20Cを製造する手順について説明する。具体的には、まず金ナノコロイド溶液(5nm径、)9mlと10mM 4-メルカプトフェニルボロン酸(シグマアルドリッチ社製)/エタノール溶液を1ml混合させ、24時間、25℃にて静置させることでフェニルボロン酸―金ナノ粒子溶液とする。次にヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)1.0gと、上記フェニルボロン酸―金ナノ粒子溶液5gと、N-3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド0.5gと、6.7重量%アクリル酸ナトリウム水溶液(pH7.3)3gと、N,N’-メチレンビスアクリルアミド0.05gとを混合し超純水で全量が10gになるように調整する。その後、重合開始剤としてペルオキソ二硫酸カリウム5mg、テトラメチレンジアミン5μl加えることで重合を開始する。この状態で、窒素雰囲気下、室温にて2時間保持する。重合反応終了後、生成された共重合体を含む溶液を超純水に浸漬し、未反応成分を除去することにより、識別物質38と阻害物質41を共重合させた受容体20Cを得ることができる。このようにして識別部12Cを製造することができる。
 担体44に担持された識別物質38の一部は、図6に示すように、阻害物質41と結合し(図中、符号45)、共重合体を形成している。そして担体44に担持された残りの識別物質38が、試料に含まれるグルコース40と結合する。試料に含まれるグルコース40が識別物質38と結合することにより、負電荷が生じ、電極16に帯電するので、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
 また、本変形例に係る識別部12Cは、識別物質38が親水性ポリマーで形成された阻害物質41と結合し、共重合体を形成しているので、試料に含まれるタンパク質が識別物質38と結合したり、電極16表面に付着したりすることを遮ることができる。したがって本変形例に係る識別部12Cでも、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
 さらに、本変形例に係る識別部12Cは、識別物質38を担体44に担持することとしたから、特に紙にも容易に識別物質38を固定することができる。
(グルコース濃度とゲート電圧変化の関係)
 次に、図4に示した識別部を備えたバイオセンサを、上記「(2-2)製造方法」に示した手順で製造した。試料は、pH7.4、4g/Lのアルブミンを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS:Phosphate buffered saline)を用意し、これにグルコースを50μM~1.25mMの範囲で段階的に加え、グルコース濃度を段階的に高くした。その結果を図7に示す。
 図7より、相関係数0.9959、傾きは6.438であり、グルコース濃度の対数とゲート電圧変化の間には直線関係が見られることが確認できた。上記結果より、識別物質が親水性ポリマーで形成された阻害物質と結合した共重合体を用いることで、タンパク質によって負電荷が増加することを抑制できることが確認できた。
 次に、図5に示した識別部を備えたバイオセンサを、上記「(2-4)変形例」に示した手順で製造した。この場合の阻害物質は、ヒドロキシエチルメタクリレートを用いた。試料は、pH7.4、4g/Lのアルブミンを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS:Phosphate buffered saline)を用意し、これにグルコースを50μM~1.25mMの範囲で段階的に加え、グルコース濃度を段階的に高くした。その結果を図8に示す。
 図8より、相関係数0.9959、傾きは6.438であり、図7とほぼ同じ結果が得られた。上記結果より、担体に担持された識別物質が親水性ポリマーで形成された阻害物質と結合した共重合体を用いても、タンパク質によって負電荷が増加することを抑制できることが確認できた。
 さらに、図5に示した識別部において阻害物質をセルロースに変えたバイオセンサを以下に示す手順で製造した。具体的にはまず、金ナノコロイド溶液(5nm径)9mlと10mM 4-メルカプトフェニルボロン酸(シグマアルドリッチ社製)/エタノール溶液を1ml混合させ、24時間、25℃にて静置させることでフェニルボロン酸―金ナノ粒子溶液とした。次に縦40mm、横10mmに切断したキムワイプ(登録商標)上に上記フェニルボロン酸―金ナノ粒子溶液500μlを滴下し、60℃で乾燥させた。乾燥後のキムワイプ(登録商標)は、ポリジメチルシロキサン溶液(東レダウコーニング社製)を用いてゲート電極部と接着させることで、紙とフェニルボロン酸―金ナノ粒子が混合した分子識別部材を得た。
 試料は、pH7.4、4g/Lのアルブミンを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS:Phosphate buffered saline)を用意し、これにグルコースを10μM~2mMの範囲で段階的に加え、グルコース濃度を段階的に高くした。その結果を図9に示す。
 図9より、相関係数0.9846、傾きは20.123であり、グルコース濃度の対数とゲート電圧変化の間には直線関係が見られることが確認できた。上記結果より、担体に担持された識別物質をセルロースで形成された阻害物質に固定した場合でも、タンパク質によって負電荷が増加することを抑制できることが確認できた。
 また、図4に示した識別部において阻害物質に分子鋳型を形成したバイオセンサを以下に示す手順で製造した。まず、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)0.2gと、N-3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド0.1gと、ビニルフェニルボロン酸0.01gと、N,N′-メチレンビスアクリルアミド0.02gと、6.7重量%アクリル酸ナトリウム(pH7.3)300μlと、グルコース0.009gとを100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH10.0)で全量1gに調整、溶解した後、重合開始剤としてペルオキソ二硫酸カリウム(50mg/ml、和光純薬工業社製)を10μl、テトラメチレンジアミン(東京化成社製)を2μl加え、モノマー溶液を作製した。
 次に、金で形成した5mm角の電極上にモノマー溶液を15μl滴下し、PET(polyethyleneterephtalate)フィルムで覆い、窒素雰囲気下、室温にて12時間重合反応させることで電極上にハイドロゲルを作製した。重合反応終了後、ゲート電極を0.1M塩酸/メタノール溶液に一晩浸漬し、モノマー成分およびグルコースを除去することで、識別物質と阻害物質が共重合した受容体を形成した。このようにして、電極表面が受容体で覆われた実施形態に係るバイオセンサを作製した。
 比較として、金で形成した10mm角の電極上の5mm角の範囲に上記と同じ受容体を形成し、電極の一部が露出しているバイオセンサを作製した。
 作製したバイオセンサの受容体に100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)1500μlを滴下し、FETリアルタイム計測装置にてゲート電圧1V、ソース-ドレイン電流700μAを一定とした。この状態で、受容体に、1Mグルコースを15μlおよび100mg/mlアルブミン溶液を15μl加えたときのゲート電極表面電位の変化を測定した。
 その結果を図10に示す。図10は、縦軸がゲート電圧(V)を示し、横軸が時間(秒)を示す。本図中、実線は上記実施形態に係るバイオセンサの結果であり、破線は比較として作製したバイオセンサの結果である。
 本図より、実施形態に係るバイオセンサは、グルコースを10mM添加したときのゲート表面電位が負方向に変化している。このことから、実施形態に係るバイオセンサは、グルコースに対する応答が得られることが確認できた。また、実施形態に係るバイオセンサは、アルブミンを添加しても、ゲート表面電位が変化しなかった。このことから、実施形態に係るバイオセンサは、阻害物質がタンパク質による負電荷の増加を抑制したことが確認できた。一方、比較として作製したバイオセンサは、アルブミンを添加した場合、ゲート表面電位が変化した。これは、当該アルブミンが電極に結合したことによると考えられる。
3.第3実施形態
 図2との対応部分に同様の符号を付した図11を参照して、第3実施形態に係る識別部12Dについて説明する。本実施形態に係る識別部12Dは、識別物質38上に阻害物質が層状に形成されている点が、上記第1実施形態と異なる。
 受容体20Dは、識別物質38で形成された薄膜46と、当該薄膜46上に形成され阻害物質で形成された阻害物質層47とを備える。
 薄膜46は、識別物質38の一方の末端が電極16の一側表面に吸着して形成されたSAMsである。阻害物質層47は、ハイドロゲル、SAP等からなる親水性ポリマーで形成されている。本実施形態の場合、阻害物質層47は、ヒドロキシエチルメタクリレートで形成されている。
 薄膜46は、上記第1実施形態の「(1-2)製造方法」に示した手順と同様に自己組織化単分子膜を形成することにより作製することができる。具体的には、1mM 4-メルカプトフェニルボロン酸(シグマアルドリッチ社製)/エタノール溶液に金基板を24時間、25℃下にて浸漬させることで自己組織化単分子膜を作製する。
 阻害物質層47は、以下の手順で作製する。ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)1.0gと、N-3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリルアミド0.5gと、6.7重量%アクリル酸ナトリウム水溶液(pH7.3)6gと、N,N’-メチレンビスアクリルアミド0.05gとを混合し超純水で全量が10gになるように調整する。その後、重合開始剤としてペルオキソ二硫酸カリウム5mg、テトラメチレンジアミン5μl加えることで重合を開始する。この状態で、窒素雰囲気下、室温にて2時間保持する。重合反応終了後、生成された共重合体を含む溶液を超純水に浸漬し、未反応成分を除去することにより、阻害物質層47を製造することができる。
 最後に識別物質38で形成された薄膜46上に、ヒドロキシエチルメタクリレートで形成された阻害物質層47を重ねることにより、識別部12Dを製造することができる。
 上記のように構成された識別部12Dは、阻害物質である親水性ポリマーがその周囲に水分子を吸着させ溶媒親和性が高い。そのため、グルコース40は、水分子を介して親水性ポリマーと接触するため、吸着されることなく溶媒中に溶け込む。これによりグルコース40が識別物質38と結合し、負電荷が生じ、電極16に帯電する。したがって識別部12Dは、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
 また、本実施形態に係る受容体20Dは、電極16上に形成された識別物質38の薄膜46が阻害物質層47で覆われている。阻害物質層47を形成する親水性ポリマーはその周囲に水分子を吸着させ溶媒親和性が高い。そのため、タンパク質は水分子を介して親水性ポリマーと接触するため吸着されることなく溶媒中に溶け込む。これにより識別部12Dは、阻害物質層47によって試料に含まれるタンパク質42が識別物質38と結合したり、電極16表面に付着したりすることを遮るので、より測定感度を向上することができる。したがってバイオセンサは、非侵襲的に人体から採取した試料に基づきグルコース濃度をより確実に測定することができる。
(変形例)
 上記第3実施形態では、阻害物質層が1層である場合について説明したが、本発明はこれにかぎらず、分子量が異なる親水性ポリマーで形成した阻害物質層を2層以上形成してもよい。
(グルコース濃度とゲート電圧変化の関係)
 次に、図11に示した識別部を備えたバイオセンサを、上記した手順で製造した。試料は、pH7.4、4g/Lのアルブミンを含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS:Phosphate buffered saline)を用意し、これにグルコースを10μM~2mMの範囲で段階的に加え、グルコース濃度を段階的に高くした。その結果を図12に示す。
 図12より、相関係数0.9877、傾きは25.94であり、グルコース濃度の対数とゲート電圧変化の間には直線関係が見られることが確認できた。上記結果より、識別物質で形成された薄膜上に親水性ポリマーで形成された阻害物質を層状に重ねることで、タンパク質によって負電荷が増加することを抑制できることが確認できた。
4.変形例
 本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。例えば上記実施形態の場合、検出部は、FETである場合について説明したが、本発明はこれに限らず、フォトダイオード、光電子倍増管等の受光素子、サーミスタ、水晶振動子マイクロバランス(QCM:Quartz Crystal Microbalance)、表面プラズモン共鳴を利用した素子等を使用することもできる。
 また、識別部と検出部は配線で電気的に接続されている場合について説明したが、本発明はこれに限らず、識別部と検出部を一体に形成することとしてもよい。すなわち、検出部としてのFETのゲート絶縁膜上に直接電極を形成することとしてもよい。
10  バイオセンサ
12A、12B、12C、12D 識別部
14 FET(検出部)
16  電極
28  ゲート絶縁膜
30  金属電極
31  配線
38  識別物質
39、41 阻害物質
40  グルコース(検出対象物質)
42  タンパク質(非検出対象物質)
44  担体
46  薄膜
47  阻害物質層

Claims (9)

  1. 検出対象物質と結合する識別物質と、
    前記識別物質の電荷を帯電する電極と
    を備えるバイオセンサにおいて、
    非検出対象物質が前記識別物質又は前記電極の少なくとも一方に付着すること、を抑制する阻害物質を有し、
    前記識別物質が、前記電極に接触しており、
    前記阻害物質は、分子鎖が前記識別物質より長い高分子化合物で形成され、
    前記識別物質と前記阻害物質とにより、前記電極表面に自己組織化単分子膜が形成されており、
    前記検出対象物質が前記識別物質に結合することにより生じる前記電極の電荷密度の変化を検出する
    ことを特徴とするバイオセンサ。
  2. 前記検出対象物質が、グルコースであることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサ。
  3. 検出対象物質と結合する識別物質と、
    前記識別物質の電荷を帯電する電極と
    を備えるバイオセンサにおいて、
    非検出対象物質が前記識別物質又は前記電極の少なくとも一方に付着すること、を抑制する阻害物質を有し、
    前記電極上に設けられ、前記識別物質で形成された薄膜と、
    前記薄膜上に形成され、前記阻害物質を含む1又は2以上の阻害物質層とを備え、
    前記検出対象物質が前記識別物質に結合することにより生じる前記電極の電荷密度の変化を検出する
    ことを特徴とするバイオセンサ。
  4. 検出対象物質と結合する識別物質と、
    前記識別物質の電荷を帯電する電極と
    を備えるバイオセンサにおいて、
    非検出対象物質が前記識別物質又は前記電極の少なくとも一方に付着すること、を抑制する阻害物質を有し、
    前記識別物質が、前記阻害物質と結合しており、
    前記検出対象物質が前記識別物質に結合することにより生じる前記電極の電荷密度の変化を検出する
    ことを特徴とするバイオセンサ。
  5. 前記識別物質が、粒子に担持されていることを特徴とする請求項4記載のバイオセンサ。
  6. 前記阻害物質が、前記検出対象物質の分子構造と相補的な構造を有する分子鋳型を有することを特徴とする請求項4又は5記載のバイオセンサ。
  7. 前記電極が、電界効果トランジスタのゲート絶縁膜に接続されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項記載のバイオセンサ。
  8. 前記識別物質が、フェニルボロン酸であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項記載のバイオセンサ。
  9. 前記電極が、前記電界効果トランジスタから離れて配置されており、前記ゲート絶縁膜上に設けた金属電極と配線を介して電気的に接続されていることを特徴とする請求項7記載のバイオセンサ。
     
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