WO2015002227A1 - 携帯端末 - Google Patents

Abstract

スマートフォン（１）の感知領域と、ユーザが接触しているか否かを判定する接触判定部（５３）と、スマートフォンの姿勢を判定する姿勢判定部（５１）と、ユーザが接触している場合は筐体の姿勢に関わらず画像の向きを維持する表示制御部（５５）を備えるスマートフォン。

Description

携帯端末

　本発明は、筐体の姿勢に応じて画像の向きを回転させて表示する機能を備えた携帯端末に関する。

　近年、スマートフォンやタブレット型ＰＣ（Personal Computer）などの携帯端末が広く普及している。このような携帯端末の技術分野では、携帯端末の姿勢に応じて画像の向きを回転させて表示する機能が実用化されている。

　特許文献１には、接触を検出する複数のセンサを携帯端末の複数個所に設け、接触が検出されたセンサの位置に応じて携帯端末の状態を判断し、判断された状態に応じて画像の表示方向を切り替える技術が記載されている。また、同文献には、上記の接触を検出するセンサの代わりに重力方向を検出する重力センサを設け、検出した重力方向に応じて携帯端末の状態を検出し、検出した状態に応じて表示方向を切り替える技術が開示されている。

日本国公開特許公報「特開平１０－３０１６９５号公報（１９９８年１１月１３日公開）」

　しかしながら、上記の接触を検知する複数のセンサを使用する技術では、複数個所に設置された各センサに対する指の接触の有無が変化すると、携帯端末の把持状態を誤判定してしまう可能性があるという問題点がある。

　さらに、上記の重力センサを使用する技術では、寝転がった状態で携帯端末を使用すると、携帯端末の把持状態を誤判定してしまう可能性もある。以上のように携帯端末が自装置の把持状態を誤判定してしまうと、携帯端末の姿勢の変化に応じて画像の向きが思わぬ向きに変化してしまい、ユーザが所望する表示方向とは異なる表示方向に画像の向きが切り替わってしまうという問題点もある。

　本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、自端末の把持状態の誤判定を抑制することが可能な携帯端末を提供することにある。

　上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る携帯端末は、筐体に形成された感知領域と、上記感知領域から出力される情報に基づいて、上記感知領域への接触を判定する接触判定手段と、上記筐体の姿勢を判定する姿勢判定手段と、表示部に表示された画像の向きを変化させる表示制御手段とを備え、上記表示制御手段は、上記接触判定手段が接触していると判定した場合、上記姿勢判定手段の判定結果に関わらず表示部に表示された画像の向きを変化させないで維持する制御を行う。

　本発明の一態様によれば、自端末の把持状態の誤判定を抑制することが可能になるという効果を奏する。

本発明の一態様に係る携帯端末の一例としてのスマートフォンの構成を示すブロック図である。 （ａ）は、上記スマートフォンに設置される重力センサおよび側面センサの位置を示す図であり、（ｂ）は、ユーザが上記スマートフォンを使用する様子を示す図である。 上記スマートフォンが表示部に表示する画像の向きを決定する処理の流れを示すフローチャートである。 （ａ）は、上記スマートフォンを把持する第１の例を示す図であり、（ｂ）は上記スマートフォンを把持する第２の例を示す図であり、（ｃ）は、上記スマートフォンを把持する第３の例を示す図であり、（ｄ）は、上記スマートフォンを把持する第４の例を示す図であり、（ｅ）は、上記スマートフォンの表示部の電源がＯＦＦ状態になった例を示す図である。 上記スマートフォンの表示部の短手方向に沿った各側面に側面センサを設置した形態を示す図である。

　以下、本発明の実施の形態について、図１～図４を用いて、詳細に説明する。以下の特定の実施形態で説明する構成以外の構成については、必要に応じて説明を省略する場合があるが、他の実施形態で説明されている場合は、その構成と同じである。また、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。なお、本実施形態に係る携帯端末はスマートフォンであるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、本発明は、タブレット型ＰＣなど、他の携帯端末に適用することができる。

　〔実施形態１〕
　（スマートフォン１の構成）
　図１は、本発明の一態様に係るスマートフォン１（携帯端末）の構成を示すブロック図である。本実施形態のスマートフォン１の構成について、図１を用いて説明する。なお、図１においては、スマートフォン１が備えている部材のうち、本発明に直接的に関係するもののみを示している。すなわち、図１に示すもの以外の部材をスマートフォン１が備えることを排除するものではない。

　スマートフォン１は、その筐体のユーザによる把持状態に応じて、表示する画像の向きを回転させて変化させる機能を有している。この機能は、表示部（タッチパネル）６に表示される画像の上下方向をスマートフォン１の表示部６の長手方向に沿う向きに表示するか（以下、「縦画面表示」という）、表示部６の短手方向に沿う向きに表示するか（以下、「横画面表示」という）を切り替える機能である。ここで、本明細書では、例えば、画像が静止画像（アイコンなどを含む）または動画像を含むとき、静止画像または動画像の上下方向に沿う方向をその画像の上下方向と定義する。また、画像がテキストデータ（横書きまたは縦書き）を含むとき縦書きの文字列が並ぶ方向に沿う方向（または、横書きの文字列が並ぶ方向に対して垂直方向に沿う方向）をその画像の上下方向と定義する。

　また、図１に示すように、本実施形態のスマートフォン１は、重力センサ２、側面センサ（感知領域および面状感知領域を含む）３、記憶部４、制御部５、表示部６、および操作部８を備えている。

　重力センサ２は、角速度（傾き）センサおよび加速度センサを備えている。重力センサ２は、角速度（傾き）センサおよび加速度センサを使って、スマートフォン１の筐体の姿勢を示す情報と、スマートフォン１の筐体の動き（運動状態または静止状態）を示す情報とを、制御部５に出力する。なお、スマートフォン１の筐体の姿勢を検出するためのセンサとしては、この他、ジャイロセンサ、傾斜センサなどを例示できる。

　側面センサ３は、スマートフォン１の筐体の側面に面状に設置され、面状感知領域を形成し、ユーザの手が面状感知領域の少なくとも一部に接触しているか否かを示す情報を、制御部５に出力する。なお、本明細書では、感知領域が面状に設置されている面状感知領域について説明するが、感知領域の形状については限定されない。

　記憶部４は、補助記憶装置として利用される不揮発性メモリである。記憶部４には、アプリケーションプログラムに加えて、アプリケーションプログラムによって生成された各種データ、および、アプリケーションプログラムによって参照される各種データが格納される。なお、記憶部４には、フラッシュメモリを用いることができるが、これに限定されるものではない。

　制御部５は、上述した記憶部４に格納されている各種アプリケーションプログラムを実行し、スマートフォン１の全体を制御する。本実施形態の主なアプリケーションプログラムには、重力センサ２から取得した情報および側面センサ３から取得した情報に基づいて、表示部６に表示する画像を決定して出力するアプリケーションプログラムがある。

　また、図１に示すように、制御部５は、センサ制御部５０、ユーザ操作受付部５４（指令受付判定手段）、および表示制御部５５（表示制御手段）を備えている。

　センサ制御部５０は、スマートフォン１が備える各種センサの出力を取得し、取得したセンサの出力に応じた判定結果を出力する。センサ制御部５０は、姿勢判定部５１（姿勢判定手段）、状態判定部５２（状態判定手段）、および接触判定部５３（接触判定手段）を備えている。

　姿勢判定部５１は、重力センサ２から出力されるスマートフォン１の筐体の姿勢を示す情報に基づいて、スマートフォン１の筐体の姿勢（以下、「筐体」を省略する）が縦方向であるか横方向であるかを判定する。姿勢判定部５１は、判定した結果を、表示制御部５５に出力する。具体的には、重力センサ２は、重力方向に対するスマートフォン１の姿勢を検出することで表示部６の表示画面の傾きを検出し、姿勢判定部５１は、重力方向に対する表示部６の表示画面の傾きが、スマートフォン１の姿勢が通常の使用状態における縦方向として予め定められた傾きの範囲内であれば、縦方向と判定する（例えば、図４（ａ）の姿勢で紙面の上下が略鉛直方向の場合）。一方、姿勢判定部５１は、重力方向に対する表示部６の表示画面の傾きが、スマートフォン１の姿勢が通常の使用状態における横方向として予め定められた傾きの範囲内であれば、横方向と判定する（例えば、図４（ｄ）の姿勢で紙面の上下が略鉛直方向の場合）。

　状態判定部５２は、重力センサ２から出力されるスマートフォン１の筐体の動きを示す情報（例えば、加速度が０か否かなど）に基づいて、スマートフォン１の筐体の状態が静止状態であるか否かを判定する。状態判定部５２は、判定した結果を、表示制御部５５に出力する。

　接触判定部５３は、側面センサ３から出力されるユーザの手が面状感知領域に接触しているか否かを示す情報に基づいて、ユーザの手が面状感知領域の少なくとも一部（または、面状感知領域のどこか）に接触しているか否かを判定する。接触判定部５３は、判定した結果を、表示制御部５５に出力する。

　ユーザ操作受付部５４は、表示部６および操作部８から取得したユーザの操作に関する情報を取得し、取得した情報が後述する許可指令であるか否かを判定する。ユーザ操作受付部５４は、判定した結果を、表示制御部５５に出力する。

　表示制御部５５は、センサ制御部５０およびユーザ操作受付部５４から取得した各種判定結果に基づいて、表示部６に表示する画像の向きを維持または回転させ、表示部６に出力する。また、表示部６の制御を停止する、つまり、表示部６の電源（または表示）をＯＦＦ状態にするという制御も行う。

　表示部６は、表示制御部５から取得した画像を表示する。表示部６には、バックライトを有した透過型の液晶パネルを用いることができるが、これに限られるものではなく、有機ＥＬディスプレイなど、他のディスプレイも用いることができる。

　また、表示部６は、物体（ユーザの手指など）の接触を感知するタッチセンサを有している。タッチセンサは、感知した接触位置を示す位置情報（例えば、接触位置の座標）をユーザ操作受付部５４に出力する。なお、タッチセンサには、従来周知の構成を用いることができ、例えば、表示部６が液晶パネルである場合などには、当該液晶パネルの電極をタッチパネル用の電極として共用してもよい。

　操作部８は、ユーザの操作を受け付けるものであり、ハードキー、スイッチなどである。操作部８は、受け付けたユーザの操作を示す情報をユーザ操作受付部５４に出力する。なお、操作部８は、表示部６に設けられたタッチセンサの所定の領域としてもよい。

　（重力センサ２および側面センサ３の設置位置）
　図２（ａ）は、上記スマートフォン１に設置される重力センサ２および側面センサ３の位置を示す図である。重力センサ２および側面センサ３が設置される位置について、図２（ａ）を用いて説明する。

　図２（ａ）に示すように、スマートフォン１は長方形状の筐体を有しており、この筐体の一方の主面に同じく長方形状の表示部６が実装されている。表示部６の短手方向の両端側の筐体の側面であり、表示部６の長手方向に沿った側面に側面センサ３が設置されており、面状感知領域を形成している。なお、側面センサ３が設置される位置はこれに限定されず、筐体において互いに対向しあう少なくとも二つの側面に面状に設置されていればよい。例えば、表示部６の長手方向の両端側の筐体の側面に、表示部６の短手方向に沿った側面に設置されてもよい。また、側面センサは当該側面の一部にあってもよいし、当該側面の全面に設けられてもよい。換言すると、側面センサ３が設置される位置は、筐体において少なくとも表示部６に表示された画像の上下方向に沿った側面に設置されていればよい。

　重力センサ２は、スマートフォン１の中心から下端寄りに設置された例を示している。重力センサ２は、スマートフォン１の筐体の姿勢およびスマートフォン１の筐体の動きを検出できればよく、設置される位置については、限定されない。

　（スマートフォン１の把持状態と表示する向き）
　図２（ｂ）は、ユーザが上記スマートフォン１を使用する様子を示す図である。ユーザがスマートフォン１を使用する場合、把持する状態は２種類ある。２種類の把持状態について、図２（ｂ）を用いて説明する。

　図２（ｂ）に示す把持状態は、ユーザの両目を結ぶ方向を示す矢印１１と、スマートフォン１の長手方向を示す矢印１２とが、略垂直になっている。このような把持状態を、縦持ちと称する。また、ユーザの両目を結ぶ方向を示す矢印１１と、スマートフォン１の長手方向を示す矢印１２とが、略平行になる把持状態を、横持ちと称する。

　この縦持ちおよび横持ちと、上述した縦画面表示および横画面表示との関係は、ユーザがスマートフォン１を縦持ちしている場合、スマートフォン１は縦画面表示すると、ユーザは違和感を覚えず、ユーザがスマートフォン１を横持ちしている場合、スマートフォン１は横画面表示すると、ユーザは違和感を覚えない。

　（スマートフォン１の処理）
　図３は、上記スマートフォン１が表示部６に表示する画像の向きを決定する処理の流れを示すフローチャートである。また、図４（ａ）は、上記スマートフォン１を把持する第１の例を示す図である。図４（ｂ）は上記スマートフォン１を把持する第２の例を示す図である。図４（ｃ）は、上記スマートフォン１を把持する第３の例を示す図である。図４（ｄ）は、上記スマートフォン１を把持する第４の例を示す図である。図４（ｅ）は、上記スマートフォン１の表示部６の電源がＯＦＦ状態になった例を示す図である。スマートフォン１の処理の流れについて、図３および図４を用いて説明する。

　まず、制御部５は、重力センサ２からスマートフォン１の筐体の姿勢を示す情報と、スマートフォン１の筐体の動きを示す情報とを取得する。制御部５の姿勢判定部５１は、重力センサ２から取得したスマートフォン１の筐体の姿勢を示す情報から、スマートフォン１の筐体の姿勢が縦方向か横方向かを判定する。また、状態判定部５２は、スマートフォン１の筐体が静止状態であるか否かを判定する（ステップＳ１）。

　ステップＳ１において、「スマートフォン１の筐体の姿勢は縦方向である」と判定された場合、姿勢判定部５１は、スマートフォン１の筐体が縦方向であることを示す判定結果を、表示制御部５５に出力する。表示制御部５５は、スマートフォン１の筐体が縦方向であることを示す判定結果を取得すると、縦画面表示するために画像の向きを維持または回転させ、表示部６に出力する。表示部６は、取得した画像を表示する（ステップＳ２）。

　上記は、図４（ａ）に示すように、ユーザが両方の側面センサ３に接触する縦持ちをしている場合や、図４（ｂ）に示すように、ユーザが側面センサ３に接触せず、スマートフォン１の上側のみを把持する縦持ちをしている場合や、図４（ｃ）に示すように、ユーザが側面センサ３の片側のみに接触する縦持ちをしている場合に、スマートフォン１が実行する処理である。このように、様々な方法で縦持ちをしている場合でも、縦画面表示されるので、ユーザは違和感を覚えない。

　一方、ステップＳ１において、「スマートフォン１の筐体の姿勢は横方向である」と判定された場合、姿勢判定部５１は、スマートフォン１の筐体が横方向であることを示す判定結果を、表示制御部５５に出力する。また、制御部５は、側面センサ３からユーザの手が接触しているか否かを示す情報を取得する。接触判定部５３は、側面センサ３から取得したユーザの手が接触しているか否かを示す情報から、面状感知領域にユーザの手が接触しているか否かを判定する（ステップＳ３）。

　ステップＳ３において、「面状感知領域にユーザの手が接触している」と判定された場合、接触判定部５３は、面状感知領域にユーザの手が接触していることを示す判定結果を、表示制御部５５に出力する。表示制御部５５は、スマートフォン１の筐体が横方向であり、面状感知領域にユーザの手が接触しているという判定結果を取得すると、縦画面表示をするために、ステップＳ２に進む。

　上記は、スマートフォン１の筐体が横方向だが、面状感知領域にユーザの手が触れているので、図４（ａ）または（ｃ）に示す縦持ちをしながら、例えばユーザが寝転んだ状態になってスマートフォン１を使用している場合に、スマートフォン１が実行する処理である。つまり、ユーザは、スマートフォン１を縦持ちしながら起き上ったり寝転んだりしても、スマートフォン１は縦画面表示で維持されるため、ユーザが表示された画像に対して違和感を覚える可能性を低減させることができる。また、把持状態を面状感知領域の少なくとも一部にユーザの手が接触しているか否かによって判定するため、ユーザが把持状態をある程度変化させても誤判定が生じる可能性は低い。よって、スマートフォン１の把持状態の自由度を高めることができる。

　一方、ステップＳ３において、「面状感知領域にユーザの手が接触していない」と判定された場合、接触判定部５３は、面状感知領域にユーザの手が接触していないことを示す判定結果を、表示制御部５５に出力する。表示制御部５５は、スマートフォン１の筐体が横方向であり、面状感知領域にユーザの手が接触していないという判定結果を取得すると、横画面表示をするために画像の向きを維持または回転させ、表示部６に出力する。表示部６は、取得した画像を表示する（ステップＳ４）。

　上記は、スマートフォン１の筐体が横方向であり、面状感知領域にユーザの手が触れていないので、ユーザは図４（ｄ）に示す横持ちをしている場合に、スマートフォン１が実行する処理である。つまり、横持ちをしている場合は、横画面表示されるので、ユーザが表示された画像に対して違和感を覚える可能性を低減させることができる。

　また、ステップＳ１において、「スマートフォン１の筐体は静止している」と判定された場合、状態判定部５２は、スマートフォン１の筐体は静止していることを示す判定結果を、表示制御部５５に出力する。また、制御部５は、側面センサ３からユーザの手が接触しているか否かを示す情報を取得する。接触判定部５３は、側面センサ３から取得したユーザの手が接触しているか否かを示す情報から、面状感知領域にユーザの手が接触しているか否かを判定する（ステップＳ５）。

　ステップＳ５において、「面状感知領域にユーザの手が接触している」と判定された場合、接触判定部５３は、面状感知領域にユーザの手が接触していることを示す判定結果を、表示制御部５５に出力する。表示制御部５５は、スマートフォン１の筐体が静止しており、面状感知領域にユーザの手が接触していることを示す判定結果を取得すると、縦画面表示をするために、ステップＳ２に進む。

　上記は、スマートフォン１の筐体が静止しており、面状感知領域にユーザの手が触れているので、スマートフォン１をテーブルなどに置いてユーザが操作している場合に、スマートフォン１が実行する処理である。スマートフォン１が静止していても、面状感知領域にユーザの手が触れている場合、ユーザはスマートフォン１を使用中なので、縦画面表示をすることにより、ユーザはスマートフォン１を把持しなくても使用することができる。

　一方、ステップＳ５において、「面状感知領域にユーザの手が接触していない」と判定された場合、接触判定部５３は、面状感知領域にユーザの手が接触していないことを示す判定結果を、表示制御部５５に出力する。表示制御部５５は、スマートフォン１の筐体が静止しており、面状感知領域にユーザの手が接触していないことを示す判定結果を取得すると、表示部６の電源をＯＦＦ状態にする（ステップＳ６）。

　上記は、スマートフォン１が静止しており、面状感知領域にユーザの手が触れていないので、ユーザはスマートフォン１を使用していない場合に、スマートフォン１が実行する処理である。この場合、図４（ｅ）に示すように、表示部６の電源をＯＦＦ状態にすることにより、スマートフォン１の無駄な電力消費を抑えることができる。

　＜上記特許文献１について＞
　上記特許文献１に記載の技術のように、重力センサのみで表示画面の表示方向（向き）を判定すると、寝転んだ状態で縦向きに携帯端末を保持（把持）していた場合でも横画面表示されることがあるという問題点があるが、上述したスマートフォン１では、縦持ち（側面センサ３の面状感知領域に指が接触）していれば、表示部６に表示される画像は、縦画面表示になる蓋然性が高い。

　また、上記特許文献１に記載の技術のように、接触センサのみでの判別では携帯端末を保持しているのかどうかが判別できず、どのセンサにも接触しない状態が発生すると表示ＯＦＦになってしまうという問題点があるが、上述したスマートフォン１では、停止状態にならない限り、表示ＯＦＦとなってしまうことはない。

　上記特許文献１に記載の技術では、複数のセンサの配置箇所に柔軟性（または自由度）がなく、指を置くための溝も必要となるため、デザイン面／コスト面／ユーザビリティの低下が懸念されるという問題点があるが、上記の本実施形態のスマートフォン１によれば、面状感知領域を用いているので、このような問題点も解決できる。

　〔実施形態２〕
　本発明の他の実施形態について、以下に説明する。スマートフォン１は、ユーザの把持状態に依らず、後述するユーザの許可指令によりスマートフォン１の筐体の姿勢の変化に対応して画像の向きを維持または回転するように、切り替え可能であってもよい。ユーザが以下の予め決められた操作を行うことにより、この切り替えを可能とする。この予め決められた操作を、許可指令と称する。以下、許可指令の例を挙げて、説明する。

　（許可指令の例１）
　許可指令を、専用のハードキーまたはスイッチを押す、とする。この場合、操作部８は、専用のハードキーまたはスイッチが押されたことを示す情報を、ユーザ操作受付部５４に出力する。ユーザ操作受付部５４は、取得した情報が、許可指令であるか否かを判定し、判定結果を表示制御部５５に出力する。表示制御部５５は、取得した情報が、許可指令であるという判定結果だった場合、姿勢判定部５１からの判定結果に基づいて、画像の向きを維持または回転させる。

　（許可指令の例２）
　許可指令を、スマートフォン１をシェイクする、とする。この場合、状態判定部５２は、重力センサ２からスマートフォン１の筐体の動きを示す情報を取得し、判定結果をユーザ操作受付部５４に出力する。ユーザ操作受付部５４は、取得した情報が、許可指令であるか否かを判定し、判定結果を表示制御部５５に出力する。表示制御部５５は、取得した情報が、許可指令であるという判定結果だった場合、姿勢判定部５１からの判定結果に基づいて、画像の向きを維持または回転される。なお、センサを使った許可指令は、スマートフォン１をシェイクすることに限られず、例えば端末をたたく（加速度センサを反応させる）、側面センサ３を上下になぞる、を許可指令としてもよい。

　（許可指令の例３）
　許可指令を、表示部６の画面内において特定のジェスチャーをする（例えば、指を回転する）、とする。この場合、表示部６は、感知した位置情報を、ユーザ操作受付部５４に出力する。ユーザ操作受付部５４は、取得した情報が、許可指令であるか否かを判定し、判定結果を表示制御部５５に出力する。表示制御部５５は、取得した情報が、許可指令であるという判定結果だった場合、姿勢判定部５１からの判定結果に基づいて、画像の向きを維持または回転させる。なお、表示部６の画面内の操作による許可指令は、ジェスチャーに限らず、例えば画面内のタッチボタンを押すことを許可指令としてもよい。

　〔実施形態３：ソフトウェアによる実現例〕
　スマートフォン１の制御ブロックは、集積回路（ＩＣチップ）等に形成された論理回路（ハードウェア）によって実現してもよいし、ＣＰＵ（Central Processing Unit）を用いてソフトウェアによって実現してもよい。

　後者の場合、スマートフォン１は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するＣＰＵ、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ（またはＣＰＵ）で読み取り可能に記録されたＲＯＭ（Read Only Memory）または記憶装置（これらを「記録媒体」と称する）、上記プログラムを展開するＲＡＭ（Random Access Memory）などを備えている。そして、コンピュータ（またはＣＰＵ）が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体（通信ネットワークや放送波等）を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。

　なお、上記各実施の形態の説明において、携帯端末の一例としてスマートフォンを例に説明しており、その使用状態は、表示部（タッチパネル）６に表示される画像の上下方向をスマートフォン１の表示部６の長手方向に沿う向きに表示する使用状態を基本に説明しているが、本発明はこれに限られるものではなく、携帯端末としてタブレット装置のように表示される画像の上下方向をスマートフォン１の表示部６の短手方向に沿う向きに表示する使用状態を基本とする場合もある。この場合、上記説明において「長手方向」を「短手方向」に、「短手方向」を「長手方向」に、また「縦」を「横」に、「横」を「縦」に読み替えることによって、本発明が表示部（タッチパネル）６に表示される画像の上下方向を表示部６の短手方向に沿う向きに表示する使用状態を基本とした場合にも適用できることが理解されるであろう。

　図５は、上記スマートフォン１の表示部６の短手方向に沿った各側面に側面センサ３を設置した図である。図５に示すように、スマートフォン１の表示部６の短手方向に沿った側面に側面センサ３を設置することにより、ユーザがスマートフォン１を横持ちすると、面状感知領域にユーザの手が接触する。つまり、面状感知領域にユーザの手が接触していると判定された場合、通常の使用状態ではユーザはスマートフォン１を横持ちしており、横画面表示された場合に、ユーザが表示された画面に対して違和感を覚える可能性を低減させることができる。

　〔まとめ〕
　本発明の態様１に係る携帯端末（スマートフォン１）は、筐体に形成された感知領域と、上記感知領域から出力される情報に基づいて、上記感知領域への接触を判定する接触判定手段（接触判定部５３）と、上記筐体の姿勢を判定する姿勢判定手段（姿勢判定部５１）と、表示部（６）に表示された画像の向きを変化させる表示制御手段（表示制御部５５）とを備え、上記表示制御手段は、上記接触判定手段が接触していると判定した場合、上記姿勢判定手段の判定結果に関わらず表示部に表示された画像の向きを変化させないで維持する制御を行う。

　上記の構成によれば、携帯端末の筐体に形成された感知領域のどこかにユーザが接触していれば、ユーザがどのような体勢、例えば寝転んだ状態になっても、表示制御手段は、表示される画像の向きを変化させない。このため、ユーザによる携帯端末（筐体）の把持状態に応じて予め感知領域の設置位置を決定しておくことにより、把持状態の誤判定を抑制することができる。この場合、感知領域は当該側面の一部にあってよいし、当該側面の全面に設けられていてもよい。また、上記感知領域が筐体の側面に面状にある程度の拡がりをもって形成されると、面状感知領域のどこに接触してもユーザの接触状態を感知するため、上記特許文献１に記載の技術と比較してユーザの携帯端末の把持状態をある程度変化させても誤判定が生じる可能性は低い。よって、携帯端末の把持状態の自由度を高めることができる。以上により、自端末の把持状態の自由度を高めつつ把持状態の誤判定を抑制することが可能になるという効果を奏する。

　本発明の態様２に係る携帯端末は、上記態様１において、上記筐体において、少なくとも上記表示部に表示された画像の上下方向に沿った側面に、上記感知領域が形成され、上記表示制御手段は、上記接触判定手段が接触していると判定した場合、上記表示部に表示された画像の上下方向を、維持する制御を行ってもよい。上記の構成によれば、一例として、感知領域が表示部の短手方向の両端側の筐体の側面に形成されている場合、感知領域がユーザの手の接触を感知した場合、通常の使用状態において、ユーザは縦持ちしている蓋然性が高い。

　また、上記の構成によれば、表示制御手段は、感知領域がユーザの接触を感知した場合、画像の上下方向を維持する。このため、寝転がったような場合でも、画像の向きは維持されるため、ユーザが表示された画像に対して違和感を覚える可能性を低減させることができる。

　本発明の態様３に係る携帯端末は、上記態様１または２において、上記筐体が静止状態であるか否かを判定する状態判定手段（状態判定部５２）を備え、上記表示制御手段は、上記状態判定手段によって上記筐体が静止状態であると判定された場合、上記表示部に画像を表示する制御を停止してもよい。上記の構成によれば、筐体が静止状態、つまりユーザが携帯端末を使用していない場合は、携帯端末に画像は表示されない。したがって、無駄な電力消費を抑え、省電力化された携帯端末を実現できる。

　本発明の態様４に係る携帯端末は、上記態様１～３において、上記接触判定手段の判定結果に関わらず、上記表示部に表示された画像の向きを上記筐体の姿勢に応じて変化させることを許可する許可指令を受け付けたか否かを判定する指令受付判定手段（ユーザ操作受付部５４）を備え、上記表示制御手段は、上記指令受付判定手段によって上記許可指令を受け付けたと判定された場合、上記接触判定手段の判定結果に関わらず、上記表示部に表示された画像の向きを上記筐体の姿勢の変化に応じて変化させる制御を行ってもよい。上記の構成によれば、ユーザの把持状態に依らず、携帯端末の姿勢の変化に対応して画像の向きを変化させることができる携帯端末を実現できる。

　なお、本発明に係る携帯端末（スマートフォン１）は、以下のように表現することもできる。すなわち、本発明の別態様（態様５）に係る携帯端末（スマートフォン１）は、筐体において互いに対向しあう少なくとも二つの側面に面状の領域として形成され、ユーザの手による接触を感知する面状感知領域にユーザの手が接触しているか否かを判定する接触判定手段（接触判定部５３）と、上記筐体の姿勢を判定する姿勢判定手段（姿勢判定部５１）と、上記接触判定手段によって上記面状感知領域にユーザの手が接触していると判定された場合、上記姿勢判定手段による上記筐体の姿勢の判定結果に関わらず表示部（６）に表示された画像の向きを回転させないで維持する制御を行う表示制御手段（表示制御部５５）と、を備えている。

　上記の構成によれば、携帯端末の筐体に形成された面状感知領域のどこかにユーザの手が接触していれば、ユーザがどのような体勢、例えば寝転んだ状態になっても、表示制御手段は、表示される画像の向きを変化させない。このため、ユーザの手による携帯端末（筐体）の把持状態に応じて予め面状感知領域の設置位置を決定しておくことにより、把持状態の誤判定を抑制することができる。この場合、面状感知領域は当該側面の一部にあってよいし、当該側面の全面に設けられていてもよい。また、上記構成によれば、面状感知領域は、筐体の側面に面状にある程度の拡がりをもって形成され、面状感知領域のどこに接触してもユーザの手の接触状態を感知するため、上記特許文献１に記載の技術と比較してユーザの携帯端末の把持状態をある程度変化させても誤判定が生じる可能性は低い。よって、携帯端末の把持状態の自由度を高めることができる。以上により、自端末の把持状態の自由度を高めつつ把持状態の誤判定を抑制することが可能になるという効果を奏する。

　本発明の態様６に係る携帯端末は、上記態様５において、上記筐体において互いに対向しあう少なくとも二つの側面が上記表示部の短手方向の両端側の筐体の側面であり、上記面状感知領域が上記表示部の長手方向に沿った面状の領域として形成され、上記表示制御手段は、上記接触判定手段によって上記面状感知領域にユーザの手が接触していると判定された場合、上記表示部に表示された画像の上下方向を、上記表示部の長手方向に沿う向きに維持する制御を行ってもよい。上記の構成によれば、面状感知領域は、筐体において互いに対向しあう少なくとも二つの側面が表示部の短手方向の両端側の筐体の側面に形成されている。このため、面状感知領域がユーザの手の接触を感知した場合、通常の使用状態において、ユーザは縦持ちしている蓋然性が高い。

　また、上記の構成によれば、表示制御手段は、面状感知領域がユーザの手の接触を感知した場合、画像の上下方向を、表示部の長手方向に沿う向きに維持する（すなわち、画像の向きをいわゆる縦画面表示で維持する）。この画像の向きは、通常、縦持ちしている場合にユーザが違和感を覚えない画像の向きである。このため、縦持ちで寝転がったような場合でも、画像の向きはいわゆる縦画面表示で維持されるため、ユーザが表示された画像に対して違和感を覚える可能性を低減させることができる。

　本発明の態様７に係る携帯端末は、上記態様５または６において、上記筐体が静止状態であるか否かを判定する状態判定手段（状態判定部５２）を備え、上記表示制御手段は、上記状態判定手段によって上記筐体が静止状態であると判定された場合、上記表示部に画像を表示する制御を停止してもよい。上記の構成によれば、筐体が静止状態、つまりユーザが携帯端末を使用していない場合は、携帯端末に画像は表示されない。したがって、無駄な電力消費を抑え、省電力化された携帯端末を実現できる。

　本発明の態様８に係る携帯端末は、上記態様５～７において、上記接触判定手段の判定結果に関わらず、上記表示部に表示された画像の向きを上記筐体の姿勢に応じて変化させることを許可する許可指令を受け付けたか否かを判定する指令受付判定手段（ユーザ操作受付部５４）を備え、上記表示制御手段は、上記指令受付判定手段によって上記許可指令を受け付けたと判定された場合、上記接触判定手段の判定結果に関わらず、上記表示部に表示された画像の向きを上記筐体の姿勢の変化に応じて回転させて変化させる制御を行ってもよい。上記の構成によれば、ユーザの把持状態に依らず、携帯端末の姿勢の変化に対応して画像の向きを変化させることができる携帯端末を実現できる。

　本発明の各態様に係る携帯端末（スマートフォン１）は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記携帯端末が備える各手段として動作させることにより上記携帯端末をコンピュータにて実現させる携帯端末の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。

　本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。

　本発明は、本発明は、携帯端末において利用することができる。スマートフォン、タブレット型ＰＣ（Personal Computer）において、好適に利用することができる。

　１　スマートフォン（携帯端末）
　３　側面センサ（感知領域および面状感知領域を含む）
　６　表示部（タッチパネル）
　５１　姿勢判定部（姿勢判定手段）
　５２　状態判定部（状態判定手段）
　５３　接触判定部（接触判定手段）
　５４　ユーザ操作受付部（指令受付判定手段）
　５５　表示制御部（表示制御手段）

Claims (4)

1. 　筐体に形成された感知領域と、
   　上記感知領域から出力される情報に基づいて、上記感知領域への接触を判定する接触判定手段と、
   　上記筐体の姿勢を判定する姿勢判定手段と、
   　表示部に表示された画像の向きを変化させる表示制御手段と
   　を備え、
   　上記表示制御手段は、上記接触判定手段が接触していると判定した場合、上記姿勢判定手段の判定結果に関わらず表示部に表示された画像の向きを変化させないで維持することを特徴とする携帯端末。
2. 　上記筐体において、少なくとも上記表示部に表示された画像の上下方向に沿った側面に上記感知領域が形成され、
   　上記表示制御手段は、上記接触判定手段が接触していると判定した場合、上記表示部に表示された画像の上下方向を、維持する制御を行うことを特徴とする請求項１に記載の携帯端末。
3. 　上記筐体が静止状態であるか否かを判定する状態判定手段を備え、
   　上記表示制御手段は、上記状態判定手段によって上記筐体が静止状態であると判定された場合、上記表示部に画像を表示する制御を停止することを特徴とする請求項１または２に記載の携帯端末。
4. 　上記接触判定手段の判定結果に関わらず、上記表示部に表示された画像の向きを上記筐体の姿勢に応じて変化させることを許可する許可指令を受け付けたか否かを判定する指令受付判定手段を備え、
   　上記表示制御手段は、上記指令受付判定手段によって上記許可指令を受け付けたと判定された場合、上記接触判定手段の判定結果に関わらず、上記表示部に表示された画像の向きを上記筐体の姿勢の変化に応じて変化させる制御を行うことを特徴とする請求項１から３までのいずれか１項に記載の携帯端末。

Images