WO2014196577A1

WO2014196577A1 - 男性性不全者用陰圧式補助器具

Info

Publication number: WO2014196577A1
Application number: PCT/JP2014/064875
Authority: WO
Inventors: 市郎海谷
Original assignee: KAIYA Ichirou
Priority date: 2013-06-04
Filing date: 2014-06-04
Publication date: 2014-12-11
Also published as: EP3005994A4; EP3005994A1; CN105358102A; CN105358102B; JP2014233621A; KR20160003854A; KR101792126B1; JP5503783B1; US10105279B2; EP3005994B1; US20160095786A1

Abstract

　男性性不全者用補助器具について、種々の先行技術では陰茎を勃起の状態にして云々とあるが限りなく不可能に近い。故に全然勃起しなくとも装着でき目的を達成できる手段として必然的に勃起した陰茎を模した硬質のサック状のものを採用せざるを得ない。サック状のものの欠点を排除する仕組みを考案すべきである。さらに、形状・素材及び機能において、使用者及び女性パートナー共に違和感なく装着でき受け入れられるものでなければならない。そこで、勃起した陰茎を模して先端に空気抜き孔を設けた硬質サックと、この硬質サック全体を被覆すると共に、先端に上記硬質サックの空気抜き孔からややずらした位置に空気抜き孔を配した軟質スキンとで構成し、２つの空気抜き孔によるバルブ機能を付加する。陰茎自体の様態及び陰圧応用の理論を最大限に活用し、限りなく違和感なく装着でき、受け入れられる補助器具である。

Description

男性性不全者用陰圧式補助器具

　本発明は、性機能障害を持つ人のために開発された補助器具に関し、特に陰圧を利用する事で陰茎からの脱落を防止した男性性不全者用陰圧式補助器具に関する。

　性機能障害者においても、医学的治療によらず、例えば眼鏡・補聴器・義手や義足等々と同様に、なんらかの補助器具を使用して肉体的不全や生理現象を補い本来の目的を達成することに、性不全者用補助器具の意義がある。

　従来、性機能障害を持つ人のために開発された補助器具に類するものとして、使用者の陰茎に装着して勃起の状態に偽装するサック状の器具が種々知られている。また陰茎を、陰圧吸引器をもって勃起の状態にして、基部に締め付けリングを装着し、陰圧吸引器を取り外し性行為に及ぶとするものも提供されている。さらにまた、筒状ゴムをもって陰茎を締め付けて勃起の状態とし、この勃起の状態を維持しつつ、それらを被覆する外筒を被せることで陰圧応用により性行為を持続させようとするものがある。

　上記の内、サック状のものについてはベルトを用いて身体に固着させようとするものもある。しかしこれら等を含めて、使用者の陰茎との一体感がないために、使用時における違和感を否めず、かつ外れやすいという問題があった。

　また、陰茎部を締め付けて勃起の状態を起こさせるものにおいては、いずれの締め付け器具も勃起の状態を満足するものではなかった。よって勃起の状態を維持しつつ、それらを被覆する外筒を被せることで陰圧応用により性行為を持続させようとするものであっても、陰茎との一体化の達成度において疑問がある。

　以上のような問題点を解決するとして、先に特開平５－１０３８０５号公報(特許文献１参照)、特開平５－１０３８０６号公報（特許文献２参照）特開平５－１０３８０７号公報（特許文献３参照）に記載された発明が提案されている。例えば特開平５－１０３８０６号公報に記載の発明は筒状本体を巻き取って使用者の陰茎にはめ込んだ上で、巻き戻して使用者の亀頭を筒状本体の先端から露出させようとしたものである。

　また、特開平５－１０３８０７号公報に記載の発明は、先端から亀頭固定室、亀頭固定室の頚部に径を小さく形成した亀頭固定環及び複数片に分離した陰茎固定翼を備えた内筒と、先端から上記内筒の亀頭固定室を被覆する亀頭部と陰茎固定翼を被覆する陰茎部とを備えた巻き取り可能な柔軟素材からなる外筒とを有し、上記内筒の陰茎固定翼を拡げて使用者の亀頭を亀頭固定室に収納したのち、陰茎固定翼を閉じて亀頭固定環で陰茎に内筒を固着し、さらに巻き取った外筒を内筒の先端から巻き戻して順　
次装着するようにしたものである。

特開平５－１０３８０５号公報特開平５－１０３８０６号公報特開平５－１０３８０７号公報特許第１６１０７２６号特許第４３８１８４３号特表２０１０－５１５４７３号

　上記、種々の背景技術では、陰茎を勃起の状態にすることは開示されているが、勃起状態を持続的に維持するのは限りなく不可能に近い。故に全然勃起しなくとも装着することが可能であり、性行為の目的を達成できることを前提とすべきである。したがって、必然的に勃起した陰茎を模した硬質のサック状のものを採用すべきである。更に、サック状のものの欠点を排除する仕組みを考案すべきである。そして形状・素材及び機能において、使用者及び女性パートナー共に違和感なく装着でき、且つ受け入れられるものでなければならない。さらに男性自身も正常な性行為が意識できるよう締め付け行為を伴わないような工夫が望まれる。

　上記課題を解決するべく、本発明では、男性の勃起した陰茎を模した形状であって、陰茎が挿入される硬質サックと、当該硬質サックの外側全体を被覆するシリコンゴムからなる軟質スキンとからなり、前記硬質サックの先端に空気抜き孔を配すると共に、前記軟質スキンの先端にも上記空気抜き孔からややずらした位置に空気抜き孔を配することにより、硬質サック内の空気は、前記硬質サックの先端に配された空気抜き孔から軟質スキンの先端に配された空気抜き孔を通って外に排出される一方で、硬質サック内が陰圧の状態では、前記硬質サックの先端に配された空気抜き孔が軟質スキンによって閉塞されて外の空気が侵入しないようにしたバルブ機能を付加した、男性性不全者用陰圧式補助器具を提供する。

　また、本発明では男性の勃起した陰茎を模した形状であって、陰茎が挿入される硬質サックと、当該硬質サックの外側全体を被覆するシリコンゴムからなる軟質スキンとからなり、前記硬質サックの先端に空気抜き孔を配すると共に、前記軟質スキンにおける、前記空気抜き孔に対向する位置に、当該空気抜き孔を開閉自在とする栓を設け、硬質サック内の空気は前記硬質サックの先端に配された空気抜き孔から排出されると共に、当該空気抜き孔を栓で閉塞した状態においては、この空気抜き孔が閉塞されて外の空気が侵入しないようにしたバルブ機能を付加した、男性性不全者用陰圧式補助器具を提供する。

　かかる発明の男性性不全者用陰圧式補助器具では、本体として、勃起した陰茎を模した硬質サックを用いる。この硬質サックは、勃起した陰茎を模した硬質の材料からなる外殻部と、この外殻部の内側に設けた軟質ゴム状の材質で形成するのが望ましい。この軟質ゴム状の材質は、女性の膣内部に似た感触で、基部には陰茎の挿入を容易にしつつ空気の流入を阻止するものとして構成する。つまり本体となる硬質サックは二層構造となり、その先端に空気抜き孔を配しているのが望ましい。また、硬質サック全体を被覆する軟質スキンは、男性の陰茎に似た感触である。この軟質スキンの先端には、前記硬質サックの空気抜き孔からややずらした位置に空気抜き孔を配しており、これによって硬質サック内の空気を外に排出するバルブ機能を実現している。

　勃起の状態にない陰茎でも、その質量又は容積は勃起した陰茎と、それ程変わりはない。そこで硬質サックの大きさは、その標準的容量を満たすだけの大きさとしている。よって、軟体動物の様な状態の陰茎でも、硬質サックを身体に押し付けるようにして挿入し、先端空気抜き孔近くに到達すると同時に陰茎は硬質サックと密着して、両者は一体化の状態を維持する。すなわち、ひとたび陰茎を硬質サック内に挿入すれば、挿入した陰茎が萎縮しようとするときは陰圧・吸引を伴なうことから、仮にでも脱落することはなく、益々身体に密着し一体化する。

　この発明にかかる補助器具と取り付ける際には、ベルトなどを必要とせず、陰茎を締め付けることもないので男性自身も正常な性行為を意識するものである。硬質サック全体を被覆する軟質スキンはシリコンゴムが良く、女性パートナー側としても違和感は極めて少ないために異物としてではなく男性パートナーの陰茎として受け入れることができる。

　本発明は、主に老齢を原因とする勃起不全に悩む男性のために工夫した陰圧応用の性不全者用補助器具に関するが、更に糖尿病・高血圧症及びストレス等による勃起不能の状態にある若年男性についても効果が期待される。

　ここで本発明の特徴について記述する。即ち本発明は、前記した幾つかの課題の内、勃起の状態にない陰茎の挿入を容易にすることについての課題を解明するものである。陰茎とは、ゴム紐に似る。つまり伸縮性に富み、織り込まれた布の許容するところ、最長1.5～2倍のとき収縮し、復元しようとする力も最大となる。陰茎の勃起を担うとされる海綿体は、スポンジ状の勃起性組織である。男性の陰茎の勃起中には、陰茎海綿体のほとんどが、血液で占められる。本発明の補助器具を構成する硬質サックに陰茎を挿入しようとするときは、亀頭部から挿入し、硬質サックの基部周りを押圧しながら、軟体動物の様な状態の陰茎を押し込むように挿入する。ゆえに硬質サックは、陰茎の容積を上回るだけの許容内容量を要する、特に長さにおいては約１５cm程度は必要である。

　よって先端の空気抜き孔まで約１５cm程度挿入したとき、陰茎は伸ばし得る最長の状態となる。この状態においても陰茎自体は勃起しておらず、むしろ収縮し、復元しようとする力が働き硬質サック全体を身体に引き寄せることとなる。それ故に、本発明の硬質サックを装着した男根は根があるがごとく身体に密着し一体化する。

　この発明は、主として老齢を原因とする勃起不全に悩む男性のために工夫した陰圧応用の性不全者用補助器具である。一方で、本発明の効果として全くの勃起不能の状態にあっても性行為が可能となる補助器具である。すなわち、糖尿病・高血圧症及びストレス等による勃起不能の状態にある若年男性についても性行為を可能とする補助器具となる。特に、夫婦においては、性行為ができないために不仲となり離婚する例もある事を鑑みれば、これらを未然に防ぎ、円滑な性行為を実現可能とする本発明の役割は極めて甚大である。

　この発明において、勃起した陰茎を模した硬質サックは、勃起した陰茎を模した硬質の材料からなる外殻部と、その内側に一体的に設けられる軟質ゴム状の材質とからなり、軟質ゴム状の材質は、女性の膣内部に似た感触で、基部は陰茎の挿入を容易にしつつ空気の流入を阻止するように構成されている。つまり本体である硬質サックは二層構造となり、その先端に空気抜き孔を配する。そして、この硬質サックを、男性の陰茎に似た感触の軟質スキンで被覆する。この軟質スキンの先端に上記硬質サックの空気抜き孔からややずらした位置に空気抜き孔を配しており、これによって硬質サック内の空気を外に排出するバルブ機能を達成している。すなわち、本発明の補助器具の取り付けに際しては、ベルトなどを必要とせず、陰茎を締め付けることもないので男性自身も正常な性行為を意識するものである。

　また、硬質サックの先端に設けた空気抜き孔を、陰茎挿入後に線で閉じる事によっても、装着することができる。この時、陰茎は委縮しようとすることにより、この硬質サック内は陰圧となり、よって陰茎との一体感を高めることができる。

　硬質サック全体を被覆する軟質スキンはシリコンゴムで形成されるのが良く、女性パートナーとしても違和感は極めて少ないために異物としてではなく男性パートナーの陰茎として受け入れることができる。

　本発明は、陰圧応用の利点を最大限に引き出しながらも、その構造や仕組みは一切の無駄を省いており、よって諸々の補助器具における最大の懸念事由とされる違和感を最小限にしている。けだし本発明の物理的機能とそれによる生理的効果は、共に懸念事由はなくほぼ完成の域にある。

硬質サックの長さ方向に沿う縦断面図である。硬質サックを被覆する軟質スキンの長さ方向に沿う縦断面図である。本実施の形態にかかる男性性不全者用陰圧式補助器具の長さ方向に沿う縦断面図である。硬質サック内の陰圧状態を示す縦断面略図であり、（Ａ）陰圧状態、（Ｂ）陽圧状態を示している。他の実施の形態にかかる男性性不全者用陰圧式補助器具のバルブ機構を示す（Ａ）要部平面図、（Ｂ）要部縦断面図を示している。

　１　硬質サックの外郭部
　２　硬質サックの空気抜き孔
　３　硬質サックの内側及び基部のシリコンゴム部
　４　基部のシリコンゴムの内径部
　５　軟質スキン
　６　軟質スキンの空気抜き孔

　使用者は、本発明にかかる補助器具を使用するにあたり、安全かつ不快感や違和感なく造られたものであることをパートナーに対して説明し、その同意を得ることが必要である。

　使用に際しては、先ず硬質サック（１及び３）を軟質スキン（５）で被覆する。硬質サック（１及び３）の内側及び陰茎にはスキンクリームを塗布し、潤滑と気密性を与えるのが望ましい。そして手指をもって亀頭部に包皮を摘みかぶせて硬質サック（１及び３）に押し込み、もって陰茎基部を支えながら硬質サックに挿入する。基部周りを押圧しながら硬質サックを数回、力みながら陰茎に押し付けることで、陰茎は硬質サック基部のシリコンゴム部（４）を押し拡げつつ、かつ先端の空気抜き孔（２，６）より空気を排出しながら挿入される。硬質サック（１及び３）の先端まで、即ち、ほぼ空気抜き孔まで亀頭が到達した状態で挿入完了となる。

　硬質サック（１及び３）と陰茎は密着し、両者は、あたかも根があるがごとく一体化していることを確認する。そして被覆する軟質スキン（５）に、潤滑ローションを塗布して性行為を行う事ができる。一方で取り外す際は、軟質スキン（５）の空気抜き孔（６）辺りを、手指をもって摘みあげ、バルブ機能を解除することにより硬質サック内の陰圧は減衰し、容易に取り外しが可能となる。

　次に図面を参照しながら、本実施の形態にかかる男性性不全者用陰圧式補助器具を具体的に説明する。図１は硬質サック12の長さ方向に沿う縦断面図である。この硬質サック12は、一定の硬さを有して、使用時においても成形した形状を維持できる硬さに形成した外殻部1と、この外殻部1の内側を覆うと共に、当該外殻部1の基部を覆っているシリコンゴム部（3,4）とで構成している。この内、外殻部1は、男性の陰茎を模した形状であって、ポリプロピレンや、ポリエチレン、ウレタンなどの樹脂を使用して、一定の形状を保つことができるような厚さに形成されている。また、シリコンゴム部（3,4）は、原則としてシリコン樹脂を用いて、膣内と同等の柔らかさに形成する事が望ましい。但し、シリコンゴムに限らず、その他の材料で形成しても良い。この硬質サック12の長さや内径及び外径は、人種、年齢、体形等に応じて適宜変更することができ、当該人種や年齢などにおいて平均的な大きさにすることができる。

　この硬質サック12の先端側には、前記外殻部1及びシリコンゴム部（3,4）を貫通する空気抜き孔2が形成されている。この空気抜き孔2は、特に大きさに制限は内が、約２ｍｍ程度の孔であることができる。また、この空気抜き孔2は、必ずしも常に開口する孔として形成するばかりでなく、例えば外殻部1及びシリコンゴム部（3,4）に形成した切れ目とする事もできる。空気抜き孔2を切れ目として形成した場合であっても、硬質サック12から空気を排出する際には、当該切れ目が開いて空気抜き孔2として機能する。

　またシリコンゴム部（3,4）を外殻部1の基部に設ける事により、陰茎の根本部における密着性を高め、陰茎の根本側からの、硬質サック12内への空気の侵入を阻止することができる。また、装着時において、着用者に柔らかい印象を与え、着用による違和感を無くすことができる。

　また、図２は硬質サック12を被覆する軟質スキン5の長さ方向に沿う縦断面図を示している。この軟質スキン5は、主として膣内に挿入した時の違和感を無くすと共に、前記硬質サック12に形成した空気抜き孔2を、使用時には閉塞する為の物として機能する。更に、当該軟質スキン5は、陰茎における細かな凹凸を表現し、更に男性の陰茎に近い形状を実現するものとして機能する事もできる。本実施の形態において、この軟質スキン5は、先端を塞いだ筒状に形成されており、先端側には空気抜き孔6を形成している。この軟質スキン5は、シリコンなどの様に十分に柔軟性を有する樹脂を用いて形成することができ、前記硬質サック12の外面に被さることのできる大きさに形成される。本実施の形態においては、筒状に形成されている部分は、特に凹凸なく形成しているが、前記硬質サック12の外形に沿うような形状であっても良く、当該軟質スキン5の外面に凹凸などを形成しても良い。特に使用時において、陰茎と同じ感覚を実現する為に、その表面には微細な凹凸やローレット加工などを施しても良い。この軟質スキン5の先端側にも空気抜き孔6が形成されているが、当該空気抜き孔6は少なくとも前記硬質サック12に形成された空気抜き孔2と重ならない位置に形成される必要がある。但し、この軟質スキン5に形成される空気抜き孔6も切れ目として形成しても良い。

　そして図３は、前記硬質サック12に軟質スキン5を被せた状態を示しており、即ち、本実施の形態にかかる男性性不全者用陰圧式補助器具の長さ方向に沿う縦断面図である。この図に示す様に、本実施の形態にかかる男性性不全者用陰圧式補助器具は、硬質サック12の外殻部1で形作られた形状であって、その外側には軟質スキン5が設けられている。また外殻部1の内側にはシリコンゴム部（3,4）が設けられている。その結果、男性が着用した時には、陰茎はシリコンゴム部（3,4）に接触し、膣内には軟質スキン5が接触することになる。よって何れも柔らかく形成することにより、着用時における違和感を無くすことができる。

　そして、この図３に示す様に、硬質サック12に形成した空気抜き孔2と、軟質スキン5に形成した空気抜き孔6とは、相互にズレた位置に形成している、その結果、図４（Ａ）に示す様に、硬質サック12の内部空間が陰圧の状態では、当該硬質サック12の空気抜き孔2は軟質スキン5によって閉じられ、外気の侵入を阻止することができる。一方で、図４（Ｂ）に示す様に、装着時などにおいて硬質サック12内の内部空間が陽圧の状態では、硬質サック12の空気抜き孔2から排出された空気は、前記軟質スキン5を押し広げながら硬質サック12と軟質スキン5との間を移動し、そして軟質スキン5に形成された空気抜き孔6から外部に排出されることになる。

　よって、装着時には硬質サック12内の余分な空気を排出し、使用時には硬質サック12内への空気の侵入が阻止されることがら、挿入した男性陰茎が委縮しようとする場合であっても、当該硬質サック12内は陰圧状態が保たれ、よって確実に当該補助器具を陰茎に保持することができる。

　そして図５は、他の実施の形態にかかる男性性不全者用陰圧式補助器具のバルブ機構を示す（Ａ）平面図、（Ｂ）縦断面図を示している。この図に示す補助器具では、硬質サック12の先端側に、厚さ方向に貫通する空気抜き孔2を形成すると共に、軟質スキン5には、この空気抜き孔2を閉塞できるようにした栓10を形成した例を示している。かかる補助器具では、陰茎への装着時には、空気抜き孔を解放状態にしており、装着後において、当該空気抜き孔を栓10で閉塞して、外部から硬質サック12内に空気が流入する恐れを無くし、バルブ機能を確保している。即ち、この態様にかかる男性性不全者用陰圧式補助器具においても、装着時に硬質サック12内の空気を排出し、使用時には当該硬質サック12内を陰圧状態に保つことにより、陰茎と補助器具との一体性を高め、使用時における違和感を無くしている。

　特に、図５に示した実施の形態では、硬質サック12に形成した空気抜き孔を閉塞する栓10を、軟質スキン5と一体化して形成している。より具体的には、軟質スキンに３方に切れ目を入れたフラップ部11を形成し、このフラップ部11に栓12を形成している。その結果、仮に使用中において、何らかの理由で当該栓10が外れたとしても、当該栓10は軟質スキン5に保持されるので、脱落を回避することができる。また、この図５に示した栓10と併用して、前記図１～４で説明したバルブ機構を設けても良い。

　以上、本実施の形態では、図面に基づいて幾つかの具体例を示してきたが、本発明は此れ等に限定されるものでは無く、本発明の主旨を逸脱しない限りにおいて、適宜変更することができる。

　この発明の性不全者用補助器具は、主に老齢を原因とする勃起不全に悩む男性のために工夫したものであるが、糖尿病・高血圧症及びストレス等による勃起不能の状態にある若年男性についても使用可能である。
　本発明にかかる補助器具を装着した陰茎は、なお勃起不全の状態にあっても差し支えなく、先ず男性自身が正常な性行為を意識しつつ女性パートナーに正常な性生活を与えるために使用することができる。　特に、夫婦においては、性行為ができないために不仲となり離婚する例もある事を鑑みれば、これらを未然に防ぎ、円滑な性行為を実現可能とする本発明の役割は極めて甚大である。

Claims

　男性性不全者用陰圧式補助器具であって、
　男性の勃起した陰茎を模した形状であって、陰茎が挿入される硬質サックと、当該硬質サックの外側全体を被覆するシリコンゴムからなる軟質スキンとからなり、
　前記硬質サックの先端に空気抜き孔を配すると共に、前記軟質スキンの先端にも上記空気抜き孔からややずらした位置に空気抜き孔を配することにより、
　硬質サック内の空気は、前記硬質サックの先端に配された空気抜き孔から軟質スキンの先端に配された空気抜き孔を通って外に排出される一方で、硬質サック内が陰圧の状態では、前記硬質サックの先端に配された空気抜き孔が軟質スキンによって閉塞されて外の空気が侵入しないようにしたバルブ機能を付加した、男性性不全者用陰圧式補助器具。
　男性性不全者用陰圧式補助器具であって、
　男性の勃起した陰茎を模した形状であって、陰茎が挿入される硬質サックと、当該硬質サックの外側全体を被覆するシリコンゴムからなる軟質スキンとからなり、
　前記硬質サックの先端に空気抜き孔を配すると共に、
　前記軟質スキンにおける、前記空気抜き孔に対向する位置に、当該空気抜き孔を開閉自在とする栓を設け、
　硬質サック内の空気は前記硬質サックの先端に配された空気抜き孔から排出されると共に、当該空気抜き孔を栓で閉塞した状態においては、この空気抜き孔が閉塞されて外の空気が侵入しないようにしたバルブ機能を付加した、男性性不全者用陰圧式補助器具。
　前記硬質サックは、外郭部と、当該外郭部の内側及び基部に一体形成された軟質ゴム状材質とからなる二層構造である、請求項１又は２に記載の男性性不全者用陰圧式補助器具。