(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図1乃至図12を参照して説明する。図1は、本実施形態の超音波処置装置1を示す図である。図1に示すように、超音波処置装置1は、長手軸Cを有する。ここで、長手軸Cに平行な2方向の一方を先端方向(図1の矢印C1の方向)とし、先端方向と反対方向を基端方向(図1の矢印C2の方向)とする。超音波処置装置1は、振動子ケース2と、長手軸Cに沿って延設される超音波伝達ユニット3と、を備える。
振動子ケース2には、ケーブル6の一端が接続されている。ケーブル6の他端は、電源ユニット7に接続されている。電源ユニット7は、電流供給部8と、入力部9とを備える。
図2は、振動子ケース2の内部構成を示す図である。図2に示すように、振動子ケース2の内部には、電流を超音波振動に変換する圧電素子11A~11Dを備える超音波発生部である超音波振動子12が設けられている。超音波振動子12は、超音波伝達ユニット3に取付けられる。超音波振動子12には、電気配線13A,13Bの一端が接続されている。電気配線13A,13Bは、ケーブル6の内部を通って、他端が電源ユニット7の電流供給部8に接続されている。電流供給部8から電気配線13A,13Bを介して超音波振動子12に電流を供給することにより、超音波振動子12で超音波振動が発生する。
図3及び図4は、超音波伝達ユニット3を示す図である。図3及び図4に示すように、超音波伝達ユニット3は、第1の振動伝達部材21と、第2の振動伝達部材22と、を備える。第2の振動伝達部材22は、いわゆる超音波プローブであり、第2の振動伝達部材22の基端は、超音波伝達ユニット3の基端となる。また、第2の振動伝達部材22の先端は、超音波伝達ユニット3の先端となる。第1の振動伝達部材21の基端部には、雌ネジ部23が形成されている。そして、第2の振動伝達部材22には、雄ネジ部25が形成されている。雌ネジ部23が雄ネジ部25と螺合することにより、第1の振動伝達部材21が第2の振動伝達部材22に取付けられる。また、第1の振動伝達部材21は、振動子ケース2に取付けられている。
第1の振動伝達部材21には、振動子装着部27が設けられている。圧電素子11A~11D等の超音波振動子12となる部材が振動子装着部27に装着されることにより、超音波発生部である超音波振動子12が第1の振動伝達部材21に取付けられる。超音波振動子12が第1の振動伝達部材21に取付けられることにより、超音波振動子12で発生した超音波振動が超音波伝達ユニット3に伝達される。そして、超音波伝達ユニット3において、第1の振動伝達部材21から第2の振動伝達部材22へ超音波振動が伝達される。超音波伝達ユニット3は、長手軸Cに平行な方向に超音波振動を伝達可能である。超音波伝達ユニット3において超音波振動が伝達されることにより、超音波伝達ユニット3は振動方向及び伝達方向が長手軸Cに対して平行な縦振動を行う。
超音波伝達ユニット3は、超音波振動が伝達されることにより所定の周波数f0で第1の振動を行う第1の振動部31と、超音波振動が伝達されることにより第1の振動と同一の所定の周波数f0で第2の振動を行う第2の振動部32と、を備える。本実施形態では、第1の振動伝達部材21が第1の振動部31となり、第2の振動伝達部材22が第2の振動部32となる。したがって、超音波発生部である超音波振動子12は、第1の振動部31に取付けられている。
超音波伝達ユニット3に超音波振動子12が取付けられた状態では、超音波振動子12で発生した超音波振動が第1の振動部31に伝達される。そして、第1の振動部31で、先端方向から基端方向へ超音波振動が伝達される。これにより、第1の振動部31は、第1の腹位置(first antinode positions)A1,A2及び第1の節位置(first node position)N1を有する第1の振動を行う。超音波振動は、第1の振動部31から第2の振動部32に伝達される。そして、第2の振動部32では、基端方向から先端方向へ超音波振動が伝達される。これにより、第2の振動部32は、第2の腹位置(second antinode positions)A´1~A´3及び第2の節位置(second node positions)N´1,N´2を有する第2の振動を行う。
なお、第1の振動部31と同様の形状の第1の振動伝達部材21は、超音波振動が伝達されることにより、第2の振動伝達部材22が取付けられていない状態でも、所定の周波数f0で振動する。また、第2の振動部32と同様の形状の第2の振動伝達部材22は、超音波振動が伝達されることにより、第1の振動伝達部材21に取付けられていない状態でも、所定の周波数f0で振動する。
第1の振動部31は、第1の振動本体部35を備える。第1の振動本体部35は、振動子装着部27の基端方向側に、連続している。第1の振動本体部35には、先端側中継部36が設けられている。先端側中継部36は、第1の振動本体部35の基端(本実施形態では、第1の振動部31の基端)に位置している。また、第1の振動部31の内部には、長手軸Cに沿って空洞部37が形成されている。したがって、第1の振動部31は、内部に空洞部37が形成される筒状の中空部である。
第2の振動部32は、第2の振動本体部41を備える。本実施形態では、第2の振動本体部41の基端が、第2の振動部32の基端となる。第2の振動本体部41には、基端側中継部42が設けられている。基端側中継部42は、第2の振動本体部41の先端に位置している。第1の振動伝達部材21に第2の振動伝達部材22が取付けられた状態では、基端側中継部42は、第1の振動部31の先端側中継部36に当接している。すなわち、長手軸Cに平行な方向について先端側中継部36の位置及び基端側中継部42の位置は、一致している。基端側中継部42が先端側中継部36に当接することにより、第1の振動部31から第2の振動部32に超音波振動が伝達可能となる。なお、第2の振動部32において基端側中継部42より基端方向側の第2の振動本体部41の外径は、第1の振動部31の第1の振動本体部35の外径と略同一である。
また、第2の振動部32は、基端側中継部42より先端方向側に延設される非接触振動部43を備える。非接触振動部43の先端が、第2の振動部32の先端となる。すなわち、第2の振動部32の先端は、非接触振動部43に位置している。非接触振動部43の基端方向側には、第2の振動本体部41が連続している。
基端側中継部42が先端側中継部36に当接する状態では、非接触振動部43は、第1の振動部(中空部)31に挿通されている。すなわち、非接触振動部43は、第1の振動部31の空洞部37を通って延設される柱状部である。非接触振動部(柱状部)43は、第1の振動部31の基端に位置する先端側中継部36より先端方向側に、延設されている。そして、第1の振動部31の空洞部37を通って、第1の振動部31の先端より先端方向側まで延設されている。第1の振動部(中空部)31に挿通された状態では、非接触振動部43は、第1の振動部31と接触していない。
図5は図3のV-V線断面図であり、図6は図3のVI-VI線断面図である。図3及び図4に示すように、第2の振動部32は、断面積変化部45を備える。断面積変化部45により、基端側中継部42で第2の振動部32の長手軸Cに垂直な断面積が変化する。このため、基端側中継部42より基端方向側での第2の振動本体部41(第2の振動部32)の長手軸Cに垂直な第1の断面積D1(図5参照)より、基端側中継部42より先端方向側での非接触振動部43(第2の振動部32)の長手軸Cに垂直な第2の断面積D2(図6参照)が、小さくなる。
次に、超音波伝達ユニット3及び超音波処置装置1の作用及び効果について説明する。超音波伝達ユニット3を用いて生体組織等の処置対象の処置を行う際には、入力部9での操作により、電流供給部8から電気配線13A,13Bを介して所定の大きさ及び所定の周波数の電流を超音波振動子12に供給する。これにより、超音波振動子(超音波発生部)12で超音波振動が発生し、超音波伝達ユニット3の第1の振動部31に超音波振動が伝達される。そして、第1の振動部31において先端方向から基端方向へ超音波振動が伝達されることにより、第1の振動部31は所定の周波数f0で第1の振動を行う。
第1の振動部31に伝達された超音波振動は、第2の振動部32に伝達される。そして、第2の振動部32において基端方向から先端方向へ超音波振動が伝達されることにより、第2の振動部32は、第1の振動と同一の所定の周波数f0で第2の振動を行う。超音波伝達ユニット3を振動させた状態で、超音波伝達ユニット3(第2の振動部32)の先端部が処置対象の処置を行う。この際、超音波伝達ユニット3(第2の振動部32)の先端での超音波振動の振幅が大きくなることにより、超音波振動を用いて効率的に処置対象の処置が行われる。
ここで、第1の振動部31と同様の形状の第1の振動伝達部材21は、超音波振動が伝達されることにより、第2の振動伝達部材22が取付けられていない状態でも、所定の周波数f0で振動する。すなわち、第1の振動部31(第1の振動伝達部材21)は、単体でも、所定の周波数f0で第1の振動を行う。
図7は、第1の振動部31が単体で振動する場合の、第1の振動部31での長手軸Cに沿った位置Sの変化に対する第1の振動(v1)の変化を示す図である。なお、図7では、時間t=t1,t2,t3,t4での第1の振動(v1)を示している。図3、図4及び図7に示すように、所定の周波数f0の第1の振動では、第1の振動本体部35の基端(第1の振動部31の基端)である位置S1が、第1の腹位置A1となる。また、第1の振動では、振動子装着部27の先端(第1の振動部31の先端)である位置S3が、第1の腹位置A2となる。第1の振動部31では、基端が第1の腹位置A1となり、先端が第1の腹位置A2となるため、所定の周波数f0で振動可能となる。そして、位置S1と位置S3の中間位置に位置する位置S2が、第1の振動の第1の節位置N1となる。
ここで、長手軸Cに沿った第1の振動部31のそれぞれの位置(S)での第1の振動の振幅を、第1の振幅とする。第1の振動部31の単体での第1の振動では、第1の腹位置A1,A2での第1の振幅は、大きさV1となる。また、第1の振動部31では、先端側中継部36は、第1の腹位置A1に位置している。ここで、第1の腹位置A1は、第1の腹位置A1,A2の1つで、先端側中継部36が位置する中継腹位置となる。
また、第2の振動部32と同様の形状の第2の振動伝達部材22は、超音波振動が伝達されることにより、第1の振動伝達部材21に取付けられていない状態でも、所定の周波数f0で振動する。すなわち、第2の振動部32(第2の振動伝達部材22)は、単体でも、所定の周波数f0で第2の振動を行う。
図8は、第2の振動部32が単体で振動する場合の、第2の振動部32での長手軸Cに沿った位置S´の変化に対する第2の振動(v2)の変化を示す図である。なお、図8では、時間t=t1,t2,t3,t4での第2の振動(v2)を示している。図3、図4及び図8に示すように、所定の周波数f0の第2の振動では、第2の振動本体部41の基端(第2の振動部32の基端)である位置S´1が、第2の腹位置A´1となる。また、第2の振動では、第2の振動部32の先端(非接触振動部43の先端)である位置S´5が、第2の腹位置A´3となる。第2の振動部32では、先端が第2の腹位置A´3となり、基端が第2の腹位置A´1となるため、所定の周波数f0で振動可能となる。
また、第2の振動部32では、長手軸Cに平行な方向について位置S´1と位置S´5との間に位置S´2~S´4が位置している。第2の振動では、位置S´3が第2の腹位置A´2となる。そして、第2の振動では、位置S´2が第2の節位置N´1となり、位置S´4が第2の節位置N´2となる。ここで、第2の腹位置A´1~A´3の中で最も先端方向側に位置する第2の腹位置A´3が、最先端腹位置となる。
また、基端側中継部42は、第2の振動の第2の腹位置A´1~A´3及び第2の節位置N´1,N´2とは異なる中途位置Mに位置している。本実施形態では、中途位置Mは、第2の節位置N´1と第2の腹位置A´1との間に位置している。
ここで、長手軸Cに沿った第2の振動部32のそれぞれの位置(S´)での第2の振動の振幅を、第2の振幅とする。第2の振動部32の単体での第2の振動では、第2の腹位置A´1での第2の振幅は、大きさV2aとなる。また、第2の腹位置A´2,A´3での第2の振幅は、大きさV2bとなる。第2の振動部32が単体で振動する場合の第2の腹位置A´1の第2の振幅の大きさV2aは、第1の振動部31が単体で振動する場合の第1の腹位置A1,A2の第1の振幅の大きさV1と、同一である。
また、第2の振動部32の基端側中継部42では、断面積変化部45によって、長手軸Cに垂直な第2の振動部32の断面積が変化する。すなわち、基端側中継部42より基端方向側での第2の振動本体部41(第2の振動部32)の長手軸Cに垂直な第1の断面積D1より、基端側中継部42より先端方向側での非接触振動部43(第2の振動部32)の長手軸Cに垂直な第2の断面積D2が、小さくなる。第2の振動部32では、基端方向から先端方向へ超音波振動が伝達される。このため、断面積変化部45(基端側中継部42)で、超音波振動の振幅が拡大される。したがって、断面積変化部45より基端方向側の第2の腹位置A´1での第2の振幅の大きさV2aより、断面積変化部45より先端方向側の第2の腹位置A´2,A´3での第2の振幅の大きさV2bが、大きくなる。
また、第2の振動伝達部材22が第1の振動伝達部材21に取付けられた超音波伝達ユニット3も、超音波振動が伝達されることにより所定の周波数f0で振動する。この際、第1の振動部31は所定の周波数f0で第1の振動を行い、第2の振動部32は所定の周波数f0で第2の振動を行う。
図9は、第2の振動伝達部材22が第1の振動伝達部材21に取付けられた超音波伝達ユニット3が振動する場合の、超音波伝達ユニット3での長手軸Cに沿った位置(S,S´)の変化に対する第1の振動(v1)の変化及び第2の振動(v2)の変化を示す図である。なお、図9では、時間t=t1,t2,t3,t4での第1の振動(v1)及び第2の振動(v2)を示している。また、図9では、第1の振動部31の第1の振動を点線で示し、第2の振動部32の第2の振動を実線で示している。
図3、図4及び図9に示すように、超音波伝達ユニット3が振動する場合も、第1の振動部31が単体で第1の振動を行う場合と同様に、第1の振動部31は所定の周波数f0で第1の振動を行う。このため、長手軸Cに平行な方向について第1の腹位置A1,A2及び第1の節位置N1は、第1の振動部31が単体で第1の振動を行う場合の第1の腹位置A1,A2及び第1の節位置N1と、同一の位置になる。また、超音波伝達ユニット3が所定の周波数f0で振動する場合も、第1の振動部31が単体で振動する場合と同様に、第1の腹位置A1,A2での第1の振幅は、大きさV1となる。
また、超音波伝達ユニット3が振動する場合も、第2の振動部32が単体で第2の振動を行う場合と同様に、第2の振動部32は所定の周波数f0で第2の振動を行う。このため、長手軸Cに平行な方向について第2の腹位置A´1~A´3及び第2の節位置N´1,N´2は、第2の振動部32が単体で第2の振動を行う場合の第2の腹位置A´1~A´3及び第2の節位置N´1,N´2と、同一の位置になる。
ここで、超音波伝達ユニット3では、第1の振動部31から先端側中継部36及び基端側中継部42を介して、第2の振動部32に超音波振動が伝達される。先端側中継部36は第1の振動の第1の腹位置A1に位置し、基端側中継部42は第2の振動の中途位置Mに位置している。超音波伝達ユニット3では、基端側中継部42が先端側中継部36に当接し、長手軸Cに平行な方向について第1の腹位置A1及び中途位置Mは一致している。
図10は、超音波伝達ユニット3が所定の周波数f0で振動する場合の、中継腹位置(A1)での第1の振動の経時的変化を示す図である。また、図11は、超音波伝達ユニット3が所定の周波数f0で振動する場合の、中途位置Mでの第2の振動の経時的変化を示す図である。図9乃至図11に示すように、超音波伝達ユニット3が振動する場合、中継腹位置(A1)での第1の振動の第1の振幅は、大きさV1となる。また、中途位置Mでの第2の振動の第2の振幅は、大きさV2cとなる。
ここで、基端側中継部42は先端側中継部36に当接し、長手軸Cに平行な方向について第1の腹位置A1及び中途位置Mは一致している。このため、中途位置Mでの第2の振振幅の大きさV2cは、第1の腹位置A1(,A2)での第1の振幅の大きさV1と、同一となる。また、中継腹位置(第1の腹位置)A1での第1の振動及び中途位置Mでの第2の振動は、互いに対して同位相となる。
超音波伝達ユニット3が振動する場合、第2の腹位置A´1~A´3とは異なる中途位置Mでの第2の振幅の大きさV2cが、第1の腹位置A1,A2での第1の振幅の大きさV1と、同一になる。超音波伝達ユニット3が振動する場合、第2の腹位置A´1での第2の振幅は大きさV2dとなり、第2の腹位置A´2,A´3での第2の振幅は大きさV2eとなる。第2の振動では、第2の腹位置A´1~A´3の第2の振幅は、中途位置Mの第2の振幅より、大きくなる。このため、超音波伝達ユニット3が所定の周波数f0で振動する場合、第2の振動の第2の腹位置A´1~A´3での第2の振幅の大きさV2d,V2eは、第1の振動の第1の腹位置A1,A2での第1の振幅大きさV1より、大きくなる。
前述のようにして、超音波伝達ユニット3の長手軸Cに垂直な断面積を変化させる以外の構成によって、第2の振動部32の先端(超音波伝達ユニット3の先端)での超音波振動の第2の振幅を拡大することが可能となる。また、第2の振動部32において基端側中継部42より基端方向側の第2の振動本体部41の外径は、第1の振動部31の第1の振動本体部35の外径と略同一である。このため、第2の振動本体部41の外径は太くならない。したがって、超音波伝達ユニット3の外径を太くすることなく、超音波振動の振幅が有効に拡大される。これにより、超音波伝達ユニット3の外径を太くすることなく、超音波伝達ユニット3の先端で超音波振動を用いて効率的に処置対象の処置が行われる。
また、超音波振動は、第1の振動部31では、先端方向から基端方向に伝達される。そして、先端側中継部36及び基端側中継部42を通って第2の振動部32に、超音波振動が伝達される。そして、第2の振動部32では、基端方向から先端方向に超音波振動が伝達される。前述のように、超音波振動が伝達されるため、超音波伝達ユニット3の長手軸Cに平行な方向についての寸法を大きくする必要がない。したがって、超音波伝達ユニット3の長手軸Cに平行な方向についての寸法を大きくすることなく、超音波振動の振幅が有効に拡大される。これにより、超音波伝達ユニット3の長手軸Cに平行な方向についての寸法を大きくすることなく、超音波伝達ユニット3の先端で超音波振動を用いて効率的に処置対象の処置が行われる。
また、第2の振動部32には、第1の振動部31の先端側中継部36が当接する基端側中継部42、及び、第1の振動部(中空部)31の空洞部37に挿通される非接触振動部43が、設けられている。このため、第2の振動部32の基端側中継部42では、断面積変化部45によって、長手軸Cに垂直な第2の振動部32の断面積が変化する。すなわち、基端側中継部42より基端方向側での第2の振動本体部41(第2の振動部32)の長手軸Cに垂直な第1の断面積D1より、基端側中継部42より先端方向側での非接触振動部43(第2の振動部32)の長手軸Cに垂直な第2の断面積D2が、小さくなる。
第2の振動部32では、基端方向から先端方向へ超音波振動が伝達される。このため、断面積変化部45(基端側中継部42)で、超音波振動の振幅がさらに拡大される。すなわち、断面積変化部45より基端方向側の第2の腹位置A´1での第2の振幅の大きさV2dより、断面積変化部45より先端方向側の第2の腹位置A´2,A´3での第2の振幅の大きさV2eが、大きくなる。したがって、超音波振動の振幅がさらに有効に拡大される。なお、前述のように、断面積変化部45より基端方向側の第2の振動本体部41の外径は、第1の振動部31の第1の振動本体部35の外径と略同一である。このため、断面積変化部45によって、超音波伝達ユニット3の外径が太くなることはない。
図12は、第2の振動部32において中途位置Mの位置を長手軸Cに沿って変化させた場合の、第1の振動の第1の腹位置A1,A2での第1の振幅の大きさV1に対する第2の振動の最先端腹位置A´3での第2の振幅の大きさV2eの拡大比率Eを示している。すなわち、第2の節位置N´1と第2の腹位置A´1との間で中途位置Mの位置を変化させた場合の、第1の腹位置A1,A2での第1の振幅の大きさV1に対する最先端腹位置(A´3)での第2の振幅の大きさV2eの拡大比率Eを示している。ここで、第2の節位置N´1は、第2の節位置(N´1,N´2)の中で中途位置Mの最も近くに位置する近設節位置となる。また、第2の腹位置A´1は、第2の腹位置(A´1~A´3)の中で中途位置Mの最も近くに位置する近設腹位置となる。
前述したように、中途位置Mでの第2の振幅の大きさV2cは、中継腹位置である第1の腹位置A1での第1の振幅の大きさV1と、同一である。このため、長手軸Cに沿った中途位置Mの位置の変化に関係なく、中途位置Mでの第2の振幅の大きさV2cは、第1の腹位置A1,A2での第1の振幅の大きさV1と、同一である。すなわち、長手軸Cに沿った中途位置Mの位置変化によって、中途位置Mでの第2の振幅の大きさV2cは変化しない。
一方、中途位置Mの位置が近設節位置(N´1)に近くなるにつれて、中途位置Mでの第2の振幅の大きさV2cに対する最先端腹位置(第2の腹位置)A´3での第2の振幅の大きさV2eの比率E´は、大きくなる。第1の腹位置A1,A2での第1の振幅の大きさV1は中途位置Mでの第2の振幅の大きさV2cと、同一である。このため、図12に示すように、中途位置Mの位置が近設節位置(N´1)に近くなるにつれて、第1の腹位置A1,A2での第1の振幅に対する最先端腹位置A´3での第2の振幅の拡大比率Eは、大きくなる。ここで、近設節位置(N´1)と中途位置Mとの間での長手軸Cに沿った寸法を第1の軸平行寸法L1とし、近設腹位置(A´1)と中途位置Mとの間での長手軸Cに沿った寸法を第2の軸平行寸法L2とする。第1の軸平行寸法L1を第2の軸平行寸法L2より小さくすることにより、第1の腹位置A1,A2での第1の振幅に対する最先端腹位置A´3での第2の振幅の拡大比率Eが、大きくなる。本実施形態では、拡大比率Eが3以上となる状態に、第1の軸平行寸法L1及び第2の軸平行寸法L2を設定することが望ましい。したがって、超音波振動を用いてさらに効率的に処置対象の処置が行われる。
なお、中途位置Mが近設節位置である第2の節位置N´1と一致する場合は、第1の腹位置A1,A2での第1の振幅に対する最先端腹位置A´3での第2の振幅の拡大比率Eが無限大に大きくなり、第2の腹位置A´1~A´3での超音波振動の第2の振幅が無限大に大きくなる。第2の振幅が無限大に大きくなる箇所が超音波伝達ユニット3に発生することにより、超音波伝達ユニット3での超音波振動の伝達性が低下してしまう。一方、中途位置Mが第2の腹位置A´1と一致する場合は、断面積変化部45によってのみ超音波振動の振幅が拡大される。このため、第2の腹位置A´1での第2の振幅の大きさV2dが、第1の腹位置A1,A2での第1の振幅の大きさV1と、同一となる。すなわち、第1の腹位置A1,A2での第1の振幅に対する最先端腹位置A´3での第2の振幅の拡大比率Eは、第2の断面積D2に対する第1の断面積D1の比率D1/D2と同一になる。前述のように、第2の振動の中途位置Mが第2の腹位置A´1~A´3及び第2の節位置N´1,N´2とは異なることにより、第2の振動部32の先端(超音波伝達ユニット3の先端)での超音波振動の第2の振幅が有効に拡大される。
前述のように、超音波伝達ユニット3では、外径を太くすることなく、かつ、長手軸Cに平行な方向についての寸法を大きくすることなく、第2の振動部32の先端(超音波伝達ユニット3の先端)での超音波振動の第2の振幅を大きくすることができる。これにより、超音波伝達ユニット3の外径を太くすることなく、かつ、超音波伝達ユニット3の長手軸Cに平行な方向についての寸法を大きくすることなく、超音波振動を用いて効率的に処置対象の処置を行うことができる。
(第1の実施形態の変形例)
また、第1の実施形態では、第1の振動部31と同様の形状の第1の振動伝達部材21及び第2の振動部32と同様の形状の第2の振動伝達部材22から、第1の振動部31及び第2の振動部32が形成されているが、これに限るものではない。例えば、第1の変形例として図13に示すように、第3の振動伝達部材51及び第4の振動伝達部材52から、第1の振動部31及び第2の振動部32が形成されてもよい。本変形例では、第3の振動伝達部材51に係合溝53が設けられ、第4の振動伝達部材52に係合突起55が設けられている。そして、係合溝53に係合突起55が係合することにより、第4の振動伝達部材52が第3の振動伝達部材51に取付けられ、超音波伝達ユニット3が形成される。
本変形例では、係合突起55は、先端側中継部36及び基端側中継部42より先端方向側に位置している。このため、先端側中継部36及び基端側中継部42より先端方向側の位置で、第4の振動伝達部材52が第3の振動伝達部材51に取付けられる。したがって、本変形例では、第3の振動伝達部材51が第1の振動部31の一部となる。そして、第4の振動伝達部材52が第2の振動部32及び第3の振動伝達部材51以外の第1の振動部31の一部となる。また、本変形例では、先端側中継部36及び基端側中継部42より先端方向側の位置で、第4の振動伝達部材52が第3の振動伝達部材51に取付けられるため、基端側中継部42は先端側中継部36と連続している。
また、本変形例では、第3の振動伝達部材51の基端は先端側中継部36より先端方向側に位置しているため、第3の振動伝達部材51の基端は第1の振動の第1の腹位置(中継腹位置)A1とは異なる位置となる。このため、第4の振動伝達部材52が取付けられていない状態では、超音波振動が伝達された場合も、第3の振動伝達部材51は所定の周波数f0で振動しない。第4の振動伝達部材52が取付けられていない状態で第3の振動伝達部材51は振動しないため、超音波を用いた処置において誤作動が有効に防止される。
なお、第4の振動伝達部材52は、先端が第2の振動の第2の腹位置A´3に位置し、基端が第2の振動の第2の腹位置A´1に位置している。このため、第4の振動伝達部材52は、超音波振動が伝達されることにより、第3の振動伝達部材51に取付けられていない状態でも、所定の周波数f0で振動する。
本変形でも、第3の振動伝達部材51に第4の振動伝達部材52が取付けられることにより、第1の実施形態と同様の第1の振動部31及び第2の振動部32が形成される。このため、第2の振動の第2の腹位置A´1~A´3での第2の振幅は、第1の振動の第1の腹位置A1,A2での第1の振幅より大きくなる。
また、第2の変形例として図14に示すように、第1の振動部31及び第2の振動部32が第5の振動伝達部材57から一体に形成されてもよい。本変形例では、第5の振動伝達部材57から第1の振動部31及び第2の振動部32が一体に形成されるため、基端側中継部42は先端側中継部36と連続している。本変形例でも、第1の実施形態と同様の第1の振動部31及び第2の振動部32が形成されるため、第2の振動の第2の腹位置A´1~A´3での第2の振幅は、第1の振動の第1の腹位置A1,A2での第1の振幅より大きくなる。
また、第3の変形例として図15に示すように、第1の振動本体部35に、長手軸Cに垂直な断面積が変化するホーン部59が設けられてもよい。ホーン部59では、先端方向から基端方向に向かうにつれて、長手軸Cに垂直な第1の振動部31の断面積が減少する。
図16は、本変形例の超音波伝達ユニット3が所定の周波数f0で振動する場合の、第1の振動部31での長手軸Cに沿った位置Sの変化に対する第1の振動(v1)の変化を示す図である。図16に示すように、ホーン部59を設けることにより、ホーン部59より先端方向側の第1の腹位置A2での第1の振幅V1aより、ホーン部59より基端方向側の第1の腹位置(中継腹位置)A1での第1の振幅V1bが大きくなる。したがって、本変形例では、超音波伝達ユニット3の先端(第2の振動部32の先端)での超音波振動の振幅が、さらに有効に拡大される。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図17乃至図21を参照して説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態の構成を次の通り変形したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図17は本実施形態の超音波処置装置1を示す図であり、図18は超音波伝達ユニット3を示す図である。図17及び図18に示すように、超音波伝達ユニット3は、第1の振動伝達部材21´と、第2の振動伝達部材22´と、を備える。第2の振動伝達部材22´の基端は、超音波伝達ユニット3の基端となる。また、第2の振動伝達部材22´の先端は、超音波伝達ユニット3の先端となる。第1の振動伝達部材21´の基端部には、雌ネジ部23´が形成されている。そして、第2の振動伝達部材22´には、雄ネジ部25´が形成されている。雌ネジ部23´が雄ネジ部25´と螺合することにより、第1の振動伝達部材21´が第2の振動伝達部材22´に取付けられる。また、第2の振動伝達部材22´は、振動子ケース2に取付けられている。
超音波伝達ユニット3は、超音波振動が伝達されることにより所定の周波数f0で第1の振動を行う第1の振動部31´と、超音波振動が伝達されることにより第1の振動と同一の所定の周波数f0で第2の振動を行う第2の振動部32´と、を備える。本実施形態では、第1の振動伝達部材21´が第1の振動部31´となり、第2の振動伝達部材22´が第2の振動部32´となる。超音波発生部である超音波振動子12は、第1の振動部31´に取付けられている。
第1の実施形態の第1の振動部31と同様に、第1の振動部31´では、先端方向から基端方向へ超音波振動が伝達される。これにより、第1の振動部31´は、第1の腹位置(first antinode positions)A1,A2及び第1の節位置(first node position)N1を有する第1の振動を行う。また、第1の実施形態の第2の振動部32と同様に、第2の振動部32´では、基端方向から先端方向へ超音波振動が伝達される。これにより、第2の振動部32´は、第2の腹位置(second antinode positions)A´1~A´3及び第2の節位置(second node positions)N´1,N´2を有する第2の振動を行う。
第1の実施形態の第1の振動部31と同様に、第1の振動部31´は、第1の振動本体部35´と、振動子装着部27´と、を備える。そして、第1の振動本体部35´の基端(本実施形態では、第1の振動部31´の基端)に、先端側中継部36´が位置している。ただし、本実施形態では第1の実施形態の第1の振動部31とは異なり、第1の振動部31´の内部には、空洞部37が形成されていない。したがって、第1の振動部31´は、柱状部である。
また、第1の実施形態の第2の振動部32と同様に、第2の振動部32´は、第2の振動本体部41´と、非接触振動部43´と、を備える。本実施形態では、第2の振動本体部41´の基端が、第2の振動部32´の基端となる。そして、第2の振動本体部41´の先端に、基端側中継部42´が位置している。第1の振動伝達部材21´に第2の振動伝達部材22´が取付けられた状態では、基端側中継部42´は、第1の振動部31´の先端側中継部36´に当接している。基端側中継部42´が先端側中継部36´に当接することにより、第1の振動部31´から第2の振動部32´に超音波振動が伝達可能となる。
また、第2の振動部32´でも、第1の実施形態の第2の振動部32と同様に、非接触振動部43´の先端が、第2の振動部32´の先端となる。非接触振動部43´では、第1の実施形態の非接触振動部43とは異なり、内部に空洞部37´が形成されている。すなわち、非接触振動部43´は、内部に空洞部37´が形成される中空部である。そして、柱状部である第1の振動部31´は、空洞部37´に設けられている。本実施形態でも、第1の実施形態の非接触振動部43と同様に、非接触振動部(中空部)43´は、第1の振動部31´の先端より先端方向側まで延設されている。また、非接触振動部43´は、第1の振動部31´と接触していない。なお、第2の振動部32´において基端側中継部42´より基端方向側の第2の振動本体部41´の外径は、第2の振動部32´の非接触振動部43´の外径と略同一である。
図19は図18の19-19線断面図であり、図20は図18の20-20線断面図である。図16及び図17に示すように、第2の振動部32´は、断面積変化部45´を備える。断面積変化部45´により、基端側中継部42´で第2の振動部32の長手軸Cに垂直な断面積が変化する。このため、基端側中継部42´より基端方向側での第2の振動本体部41´(第2の振動部32´)の長手軸Cに垂直な第1の断面積D´1(図19参照)より、基端側中継部42´より先端方向側での非接触振動部43´(第2の振動部32´)の長手軸Cに垂直な第2の断面積D´2(図20参照)が、小さくなる。
図21は、図17を先端方向から視た図である。図17、図18及び図21に示すように、第2の振動部32´は、超音波伝達ユニット3(第2の振動部32´)の先端となる先端面61を備える。先端面61には、第2の振動部32´の外部と空洞部37´とを連通させる開口部62が形成されている。開口部62の面積は、空洞部37´の長手軸Cに垂直な断面積より、小さい。このため、先端面61の表面積Pは、基端側中継部42´より先端方向側での非接触振動部43´(第2の振動部32´)の長手軸Cに垂直な第2の断面積D´2より、大きくなる。
また、非接触振動部43´の外周部には、第2の振動部32´の外部と空洞部37´とを連通させる開口孔63A,63Bが形成されている。一端が超音波振動子12に接続される電気配線13A,13Bは、空洞部37´から開口孔63Aを通って、第2の振動部32´の外部に延出される。そして、振動子ケース2の内部及びケーブル6の内部を通って、電気配線13A,13Bの他端が電源ユニット7の電流供給部8に接続される。
また、第2の振動部32´の先端面61の開口部62には、吸引チューブ65の一端が接続されている。吸引チューブ65は、空洞部37´に延設され、開口孔63Bを通って、第2の振動部32´の外部に延出される。そして、吸引チューブ65の他端は、吸引ユニット(図示しない)に接続されている。
次に、超音波伝達ユニット3及び超音波処置装置1の作用及び効果について説明する。超音波伝達ユニット3を用いて生体組織等の処置対象の処置を行う際には、入力部9での操作により、電流供給部8から電気配線13A,13Bを介して超音波振動子12に電流を供給する。これにより、超音波振動子(超音波発生部)12で超音波振動が発生し、超音波伝達ユニット3の第1の振動部31´に超音波振動が伝達される。そして、第1の実施形態と同様に、第1の振動部31´において先端方向から基端方向へ超音波振動が伝達されることにより、第1の振動部31´は所定の周波数f0で第1の振動を行う。
第1の振動部31´に伝達された超音波振動は、第2の振動部32´に伝達される。そして、第1の実施形態と同様に、第2の振動部32´において基端方向から先端方向へ超音波振動が伝達されることにより、第2の振動部32´は、第1の振動と同一の所定の周波数f0で第2の振動を行う。超音波伝達ユニット3を振動させた状態で、超音波伝達ユニット3(第2の振動部32´)の先端部が処置対象の処置を行う。すなわち、第2の振動部32´の先端面61で、キャビテーション現象を用いて、生体組織が破砕及び乳化される(shattered and emulsified)。この際、超音波伝達ユニット3(第2の振動部32´)の先端面61での超音波振動の振幅が大きくなることにより、生体組織が効率的に破砕及び乳化され、超音波振動を用いて効率的に処置対象の処置が行われる。
そして、吸引ユニット(図示しない)を駆動し、先端面61の開口部62から破砕及び乳化された生体組織を吸引する。吸引された生体組織は、吸引チューブ65の内部を通って、吸引ユニットまで吸引回収される。前述のようにして、超音波吸引処置が行われる。
本実施形態でも第1の実施形態と同様に、第1の振動部31´では、先端側中継部36´は、第1の腹位置A1,A2の1つである中継腹位置A1に、位置している。そして、第1の振動において第1の腹位置A1,A2での第1の振幅は、大きさV1となる。また、第1の実施形態と同様に、第2の振動部32´では、基端側中継部42´は、第2の振動の第2の腹位置A´1~A´3及び第2の節位置N´1,N´2とは異なる中途位置Mに、位置している。そして、第2の振動において、第2の腹位置A´1での第2の振幅は大きさV2dとなり、第2の腹位置A´2,A´3での第2の振幅は大きさV2eとなる。
また、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、中途位置M(第1の腹位置A1)で、基端側中継部42´が先端側中継部36´に当接し、第1の振動部31´から第2の振動部32´に超音波振動が伝達される。このため、中途位置Mでの第2の振幅の大きさV2cは、第1の腹位置A1(,A2)での第1の振幅の大きさV1と、同一となる。また、中継腹位置(第1の腹位置)A1での第1の振動及び中途位置Mでの第2の振動は、互いに対して同位相である。これにより、第2の振動では、第2の腹位置A´1~A´3とは異なる中途位置Mでの第2の振幅の大きさV2cが、第1の振動の第1の腹位置A1,A2での第1の振幅の大きさV1と、同一になる。このため、第2の振動の第2の腹位置A´1~A´3での第2の振幅は、第1の振動の第1の腹位置A1,A2での第1の振幅より大きくなる。
前述のようにして、長手軸Cに垂直な断面積を変化させる以外の構成によって、第2の振動部32´の先端面61(超音波伝達ユニット3の先端)での超音波振動の第2の振幅を大きくすることが可能となる。また、第2の振動部32´において基端側中継部42´より基端方向側の第2の振動本体部41´の外径は、第2の振動部32´の非接触振動部43´の外径と略同一である。このため、第2の振動本体部41´の外径は太くならない。したがって、超音波伝達ユニット3の外径を太くすることなく、超音波振動の振幅が有効に拡大される。これにより、超音波伝達ユニット3の外径を太くすることなく、超音波伝達ユニット3の先端で超音波振動を用いて効率的に処置対象の処置が行われる。
また、第1の実施形態と同様に、超音波振動は、第1の振動部31´では、先端方向から基端方向に伝達される。そして、先端側中継部36´及び基端側中継部42´を通って第2の振動部32´に、超音波振動が伝達される。そして、第2の振動部32´では、基端方向から先端方向に超音波振動が伝達される。前述のように、超音波振動が伝達されるため、超音波伝達ユニット3の長手軸Cに平行な方向についての寸法を大きくする必要がない。したがって、超音波伝達ユニット3の長手軸Cに平行な方向についての寸法を大きくすることなく、超音波振動の振幅が有効に拡大される。これにより、超音波伝達ユニット3の長手軸Cに平行な方向についての寸法を大きくすることなく、超音波伝達ユニット3の先端で超音波振動を用いて効率的に処置対象の処置が行われる。
また、第2の振動部32´の基端側中継部42´では、断面積変化部45´によって、長手軸Cに垂直な第2の振動部32´の断面積が変化する。すなわち、基端側中継部42´より基端方向側での第2の振動本体部41´(第2の振動部32´)の長手軸Cに垂直な第1の断面積D´1より、基端側中継部42´より先端方向側での非接触振動部43´(第2の振動部32´)の長手軸Cに垂直な第2の断面積D´2が、小さくなる。第2の振動部32´では、基端方向から先端方向へ超音波振動が伝達される。このため、断面積変化部45´(基端側中継部42´)で、超音波振動の振幅がさらに拡大される。すなわち、断面積変化部45´より基端方向側の第2の腹位置A´1での第2の振幅の大きさV2dより、断面積変化部45´より先端方向側の第2の腹位置A´2,A´3での第2の振幅の大きさV2eが、大きくなる。したがって、超音波振動の振幅がさらに有効に拡大される。
また、超音波伝達ユニット3の先端面61の表面積Pは、基端側中継部42´より先端方向側での非接触振動部43´(第2の振動部32´)の長手軸Cに垂直な第2の断面積D´2より、大きくなる。先端面61の表面積Pが大きくなることにより、超音波振動によるキャビテーション現象が効率的に発生する。これにより、生体組織がさらに効率的に破砕及び乳化され、超音波振動を用いてさらに効率的に処置対象の処置が行われる。
前述のように、超音波伝達ユニット3では、外径を太くすることなく、かつ、長手軸Cに平行な方向についての寸法を大きくすることなく、第2の振動部32´の先端面61(超音波伝達ユニット3の先端)での超音波振動の第2の振幅の大きさV2eを大きくすることができる。これにより、超音波伝達ユニット3の外径を太くすることなく、かつ、超音波伝達ユニット3の長手軸Cに平行な方向についての寸法を大きくすることなく、超音波振動を用いて効率的に処置対象の処置を行うことができる。
(その他の変形例)
また、前述の実施形態では、第1の振動部(31;31´)は2つの第1の腹位置A1,A2及び1つの第1の節位置N1を有し、第2の振動部(32;32´)は3つの第2の腹位置A´1~A´3及び2つの第2の節位置N´1,N´2を有するが、第1の腹位置A1,A2、第1の節位置N1、第2の腹位置A´1~A´3、及び、第2の節位置N´1,N´2の数は、これに限るものではない。すなわち、第1の振動部(31;31´)では、先端及び基端が第1の振動の第1の腹位置(A1,A2)となればよい。そして、第2の振動部(32;32´)では、先端及び基端が第2の振動の第2の腹位置(A´1~A´3)となればよい。これにより、第1の振動部(31;31´)及び第2の振動部(32;32´)は、超音波振動が伝達されることにより、所定の周波数f0で振動する。
前述の実施形態及び変形例から、第1の振動部(31;31´)の第1の振動本体部(35;35´)に先端側中継部(36;36´)が設けられ、第1の振動の第1の腹位置(A1,A2)の1つである中継腹位置A1に先端側中継部(36;36´)が位置すればよい。そして、第2の振動部(32;32´)の第2の振動本体部(41;41´)に第1の振動部(31;31´)の先端側中継部(36;36´)と連続する、又は、先端側中継部(36;36´)に当接する状態で、基端側中継部(42;42´)が設けられ、第2の振動の第2の腹位置(A´1~A´3)及び第2の節位置(N´1,N´2)とは異なる中途位置Mに基端側中継部(42;42´)が位置すればよい。そして、第2の振動部(32;32´)に第2の振動部(32;32´)の先端が位置する非接触振動部(43;43´)が設けられ、非接触振動部(43;43´)は第1の振動部(31;31´)と接触しない状態で基端側中継部(42;42´)より先端方向側に延設されていればよい。そして、非接触振動部(43;43´)は、第1の振動部(31;31´)の先端より先端方向側まで、延設されていればよい。
前述のような構成にすることにより、第1の振動部(31;31´)では、先端方向から基端方向へ超音波振動が伝達される。そして、先端側中継部(36;36´)及び基端側中継部(42;42´)を介して、第1の振動部(31;31´)から第2の振動部(32;32´)に超音波振動が伝達される。そして、第2の振動部(32;32´)では、基端方向から先端方向へ超音波振動が伝達される。この際、第1の振動部(31;31´)の第1の腹位置(A1,A2)での第1の振動の第1の振幅より、第2の振動部32の第2の腹位置(A´1~A´3)での第2の振動の第2の振幅が、大きくなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形ができることは勿論である。