JP6980813B2 - 振動伝達部材及び超音波処置具 - Google Patents

振動伝達部材及び超音波処置具 Download PDF

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Description

本発明は、超音波振動を伝達する振動伝達部材、及び、超音波振動を用いて処置対象を処置する超音波処置具に関する。
US2015/0018726A1には、超音波振動を用いて生体組織等の処置対象を処置する超音波処置具が開示されている。このエネルギー処置具は、超音波トランスデューサで発生した超音波振動が伝達される振動伝達部材(超音波プローブ)を備える。振動伝達部材は、エンドエフェクタの先端処置部を形成する。振動伝達部材に伝達された超音波振動が先端処置部から処置対象に付与されることにより、処置対象の処置が行われる。
US2015/0018726A1の振動伝達部材は、分離可能な2部材によって形成されている。振動伝達部材は、別々に形成された2部材を接合することにより形成されている。2部材間は、ネジ締結によって接合されている。ネジ締結を用いた接合では、2部材の製造時の加工精度によって、接合後の2部材の間の位置関係が規定される。このため、接合時において、接合後の2部材の間の位置関係を調整することが難しい。
本発明は前記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、別々に形成された2部材によって形成される振動伝達部材の接合時において、2部材の間の位置関係を調整可能な、振動伝達部材及び超音波処置具を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明のある態様の振動伝達部材は、先端と、振動を発生させるトランスデューサを接続可能に構成された基端とを有し、長手軸に沿って延設され、前記先端から前記基端側に向かって前記長手軸に沿って延設される嵌合穴を有する第1棒状部材と、前記長手軸に沿って延設され、前記第1棒状部材の先端側に取り付けられ、前記嵌合穴から圧縮面圧を受ける状態で前記嵌合穴に嵌合する嵌合部を有する、第2棒状部材と、を備え、前記第1棒状部材は、前記嵌合穴に前記嵌合部が嵌合した第1領域と、前記第1領域よりも前記基端側に位置する第2領域と、を備え、前記第1棒状部材の前記第1領域では、前記第1棒状部材の前記第2領域に比べて、結晶粒径が大きい。所定の共振周波数で振動した状態では、前記第2棒状部材の基端に対して最も近接した振動の腹は、前記第2棒状部材の前記基端より先端側に位置する。
また、本発明のある態様の超音波処置具は、超音波振動を発生させるトランスデューサと、前記トランスデューサが内部に設けられるハウジングと、先端と基端とを有し、長手軸に沿って延設され、前記トランスデューサを基端部に接続し、前記先端から基端側に向かって前記長手軸に沿って延設される嵌合穴を有する第1棒状部材と、前記長手軸に沿って延設され、前記第1棒状部材の先端側に取り付けられ、前記嵌合穴の内周面から圧縮面圧を受ける状態で前記嵌合穴に嵌合する嵌合部を有する、第2棒状部材とを備えるとともに、前記トランスデューサで発生させた所定の共振周波数の振動を前記長手軸に沿って前記第1棒状部材の基端部から前記第2棒状部材の先端まで伝達可能な振動伝達部材とを備え、前記振動伝達部材が前記所定の共振周波数で振動した状態では、前記第2棒状部材の基端に対して最も近接した振動の腹は、前記第2棒状部材の前記基端より先端側に位置し、前記第1棒状部材は、前記嵌合穴に前記嵌合部が嵌合した第1領域と、前記第1領域よりも基端側に位置する第2領域とを備え、前記第1棒状部材の前記第1領域では、前記第1棒状部材の前記第2領域に比べて、結晶粒径が大きい。
図1は、第1の実施形態に係る超音波処置具を概略的に示す図である。 図2は、第1の実施形態に係る振動伝達部材を一部断面で概略的に示す図である。 図3は、図2のX−X線断面図である。 図4は、第1の実施形態に係る振動伝達部材における、第1棒状部材と第2棒状部材との接合部の構成と振動に起因する応力の長手方向についての分布を、長手軸を通る断面で概略的に示す図である。 図5は、第1の実施形態の第1の変形例に係る振動伝達部材における第1棒状部材と第2棒状部材との嵌合部分の構成を、長手軸を通る断面で概略的に示す図である。 図6は、第1の実施形態の第2の変形例に係る振動伝達部材における、第1棒状部材と第2棒状部材との嵌合部分の構成と振動に起因する応力の長手方向についての分布を、長手軸を通る断面で概略的に示す図である。 図7は、第1の実施形態の第3の変形例に係る振動伝達部材における第1棒状部材と第2棒状部材との嵌合部分の構成を、長手軸を通る断面で概略的に示す図である。 図8は、第1の実施形態の第4の変形例に係る図2のX−X線断面図である。 図9は、第1の実施形態の第5の変形例に係る図2のX−X線断面図である。 図10は、第2の実施形態に係る超音波処置具を概略的に示す図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。
図1は、本実施形態の超音波処置具である処置具1を示す図である。図1に示すように、処置具1は、ハウジング4と、ハウジング4に連結される筒状のシャフト5と、を備える。ハウジング4は、保持可能である。ハウジング4には、ケーブル7の一端が接続されている。ケーブル7の他端は、電源装置3に着脱可能に接続される。
シャフト5は、長手軸Cを規定する。ここで、長手軸Cに沿う方向を長手方向とする。長手方向の一方側を先端側(図1の矢印C1側)とし、先端側とは反対側を基端側(図1の矢印C2側)とする。シャフト5は、ハウジング4の先端側に連結され、基端側から先端側へ長手軸Cに沿って延設されている。
シャフト5の先端部には、エンドエフェクタ6が設けられている。エンドエフェクタ6は、第1の把持片13と、第2の把持片14とを備える。第1の把持片13と第2の把持片14との間は、開閉可能である。第1の把持片13は、シャフト5に支持され、第2の把持片14は、第1の把持片13に対して回動可能にシャフト5に取付けられている。
第1の把持片13は、第2の把持片14に対して対向し、処置対象に処置エネルギーを付与する処置面(対向面)17を備える。第2の把持片14は、第1の把持片13の処置面17に対して対向し、処置対象に処置エネルギーを付与する処置面(対向面)18を備える。
エンドエフェクタ6の開閉方向は、長手軸Cに対して交差する(垂直又は略垂直となる)。エンドエフェクタ6の開閉方向のうち、第2の把持片14が第1の把持片13に対して開く側を第2の把持片14の開方向(矢印Y1)とし、第2の把持片14が第1の把持片13に対して閉じる側を第2の把持片14の閉方向(矢印Y2)とする。また、長手軸Cに対して交差し(垂直又は略垂直で)、かつ、エンドエフェクタ6の開閉方向に対して交差する(垂直又は略垂直な)方向を、エンドエフェクタ6の幅方向とする。
図1に示すように、ハウジング4は、ハウジング本体10と、グリップ(固定ハンドル)11とを備える。ハウジング本体10は、長手軸Cに沿って延設されている。グリップ11は、長手軸Cから離れる側へ向かってハウジング本体10から延設されている。シャフト5は、ハウジング本体10に先端側から連結されている。
ハウジング本体10には、可動ハンドル12が回動可能に取付けられている。可動ハンドル12は、長手軸Cに対してグリップ11の近傍に位置し、本実施形態ではグリップ11に対して先端側に位置している。可動ハンドル12がハウジング本体10に対して回動することにより、可動ハンドル12がグリップ11に対して開く又は閉じる。可動ハンドル12がグリップ11に対して開く又は閉じることにより、エンドエフェクタ6を前述のように開動作又は閉動作させる操作が、可動ハンドル12において、入力される。すなわち、可動ハンドル12は、開閉操作入力部である。
可動ハンドル12と第2の把持片14との間は、可動部材16を介して、連結されている。可動部材16は、シャフト5の内部において長手軸Cに沿って延設されている。可動ハンドル12をグリップ11に対して開く又は閉じることにより、可動部材16がシャフト5及びハウジング4に対して長手軸Cに沿って移動し、第2の把持片14がシャフト5に対して回動する。これにより、把持片13,14の間が開く又は閉じる。把持片13、14の間に処置対象が配置された状態で把持片13、14の間が閉じることにより、把持片13、14の間で処置対象が把持される。
電源装置3は、一例として、高周波電源と超音波電源とを備える。本実施形態では、電源装置3が高周波電源及び超音波電源の両方を備える例について説明するが、本実施形態に係る電源装置3は、少なくとも超音波電源を備えていれば良い。高周波電源は、波形生成器、変換回路及び変圧器等を備え、バッテリー電源又はコンセント電源等からの電力を高周波電力に変換する。また、第1の把持片13及び第2の把持片14のそれぞれは、少なくとも一部が金属などの導電材料によって形成される。高周波電源は、ケーブル7の内部、ハウジング4の内部及びシャフト5の内部を通って設けられる電気経路を介して、第1の把持片13及び第2の把持片14のそれぞれの導電材料に電気的に接続される。高周波電源は、変換した高周波電力を前述の電気経路を通して出力し、第1の把持片13及び第2の把持片14に高周波電力を電気エネルギーとして供給する。第1の把持片13及び第2の把持片14の間で処置対象が把持された状態で、第1の把持片13及び第2の把持片14に高周波電力が供給されることにより、処置対象を介して、第1の把持片13と第2の把持片14との間で高周波電流が流れる。これにより、処置対象に高周波電流が処置エネルギーとして付与される。
超音波電源は、波形生成器、変換回路及び変圧器等を備え、バッテリー電源又はコンセント電源等からの電力を交流電力に変換する。また、ハウジング本体10の内部には、超音波トランスデューサ9と、超音波トランスデューサ9の先端側に着脱可能に接続される振動伝達部材(超音波プローブ)8とが設けられている。超音波電源は、ケーブル7の内部及びハウジング4の内部を通って設けられる電気経路を介して、超音波トランスデューサ9に電気的に接続される。超音波電源から超音波トランスデューサ9に電気エネルギー(交流電力)が供給されることにより、超音波トランスデューサ9において、超音波振動が発生する。超音波トランスデューサ9で発生した超音波振動は、振動伝達部材8に伝達される。本実施形態では、超音波トランスデューサ9で発生する超音波振動は、長手方向に沿って変位する縦振動であり、振動伝達部材8の基端から先端に向かって長手方向に沿って伝達される。
振動伝達部材8は、振動伝達性が高く、超音波振動の伝達に適した材料から形成されることが好ましい。振動伝達部材8は、例えば、チタン合金、アルミ合金、ステンレス鋼、セラミック、金属ガラス等から形成される。超音波トランスデューサ9及び振動伝達部材8は、1つの振動体(超音波処置具)を形成する。超音波トランスデューサ9及び振動伝達部材8を含む振動体は、超音波トランスデューサ9で発生した超音波振動が振動伝達部材8の先端まで伝達されることにより、一体的に振動する。
振動伝達部材8は、ハウジング本体10の内部から先端側へ延設され、シャフト5の内部を通って、シャフト5の先端から先端側へ突出している。そして、振動伝達部材8のシャフト5から先端側への突出部分によって、第1の把持片13が形成される。超音波トランスデューサ9で発生した超音波振動は、第1の把持片13を形成する振動伝達部材8の先端部まで伝達される。これにより、超音波振動が処置エネルギーとして第1の把持片13に伝達される。第1の把持片13と第2の把持片14との間に処置対象が把持された状態で第1の把持片13に超音波振動が伝達されることにより、処置対象に超音波振動が処置エネルギーとして付与される。
ハウジング本体10には、操作ボタン15が設けられている。操作ボタン15は、エネルギー操作入力部である。把持片13,14の間で処置対象が把持された状態で、操作ボタン15で操作が入力されることにより、例えば、高周波電源及び超音波電源のそれぞれから処置具1に電気エネルギーが供給される。そして、把持された処置対象に高周波電流及び超音波振動が処置エネルギーとして付与される。なお、ある実施例では、操作ボタン15の代わりに、又は、操作ボタン15に加えて、電源装置3に電気的に接続されるフットスイッチが、処置具1とは別体で設けられる。
ある実施例では、ハウジング本体10に複数の操作ボタン15が設けられる。処置対象が把持された状態で、複数の操作ボタン15のうちのある1つで操作が入力されることにより、例えば、高周波電流のみが、処置エネルギーとして処置対象に付与される。また、処置対象が把持された状態で、複数の操作ボタン15のうちの別のある1つで操作が入力されることにより、例えば、高周波電流と超音波振動とが、処置エネルギーとして処置対象に付与される。
また、別のある実施例では、ハウジング本体10に回転ノブ等の操作部材が取付けられる。この場合、操作部材をハウジング4に対して長手軸Cの軸回りに回転することにより、シャフト5及びエンドエフェクタ6が操作部材と一緒に、ハウジング4に対して長手軸Cの軸回りに回転する。
図2は、振動伝達部材8を示す図である。振動伝達部材8は、所定の共振周波数fで振動するように、長さ、径、断面形状を含む形状や素材が適宜に設定される。所定の共振周波数fは、例えば、20kHz〜60kHzのいずれかの周波数であり、ある実施例では、43kHz〜50kHzのいずれかの周波数である。超音波トランスデューサ9及び振動伝達部材8を含む振動体の全長は、伝達される超音波振動の半波長(λ/2)の整数倍の長さである。超音波振動の半波長(λ/2)は、超音波トランスデューサ9及び振動伝達部材8を含む振動体の共振周波数f、及び、超音波トランスデューサ9及び振動伝達部材8を含む振動体の材料物性値等によって決定される。
超音波トランスデューサ9及び振動伝達部材8を含む振動体が所定の共振周波数fで振動した状態では、振動伝達部材8には、振動の腹と振動の節とが、長手軸Cに沿って交互に位置する。振動伝達部材8の先端、及び、振動伝達部材8の基端は、腹位置Aとなる。また、シャフト5の内部では、振動伝達部材8は、節位置となる位置の外周において、例えばゴム材などを介して、シャフト5に支持される。
隣接する振動の節の間の距離は、振動の半波長、すなわち、λ/2になる。同様に、隣接する振動の腹の間の距離は、振動の半波長、すなわち、λ/2になる。また、隣接する振動の腹と振動の節との間の距離は、振動の波長の4分の1、すなわち、λ/4になる。λ/4は、振動体の共振周波数fにより変化する。λ/4は、共振周波数fが43kHz〜50kHzの場合、20mm〜30mmである。
振動伝達部材8は、第1棒状部材31と、第2棒状部材51とを備える。第2棒状部材51は、第1棒状部材31に対して長手方向について先端側に位置する。第1棒状部材31及び第2棒状部材51は、別体の部材である。第1棒状部材31の先端部と第2棒状部材51の基端部は、接合されている。第1棒状部材31と第2棒状部材51は、例えば、焼き嵌め、圧入、かしめ、鍛造によって接合されている。ある実施例ではこれらの接合方法に加えて、接着剤等による補強を実施することもある。第1棒状部材31は、第2棒状部材51よりも太く形成されている。すなわち、第1棒状部材31の径は、第2棒状部材51の径よりも大きい。第1棒状部材31の最外縁の内側の断面積は、第2棒状部材51の最外縁の内側の断面積よりも大きい。
第1棒状部材31は、長手軸Cに沿って延設されている。第1棒状部材31の基端は、振動伝達部材8の基端を形成する。第1棒状部材31は、振動伝達性が高く、超音波振動の伝達に適した材料から形成されることが好ましい。第1棒状部材31は、例えば、アルミ合金から形成され、アルミ合金としては、Al−Cu系合金、Al−Mg系合金、超ジュラルミン、超々ジュラルミン等が用いられる。
第1棒状部材31は、フランジ部21を備える。フランジ部21は、振動伝達部材8のうち最も太径に形成された部分である。フランジ部21は、振動体を振動させたときに振動の節位置となる位置の外周に設けられている。このため、フランジ部21では、長手方向についての振動の変位が生じ難い。振動伝達部材8は、フランジ部21において、ハウジング本体10の内部に支持されている。フランジ部21は、長手軸Cに交差する(垂直又は略垂直な)断面が略多角形状に形成され、長手軸Cに対して略平行に延設される平面部22を備える。
第2棒状部材51は、長手軸Cに沿って延設されている。第2棒状部材51の先端は、振動伝達部材8の先端を形成する。第2棒状部材51は、振動伝達性が高く、超音波振動の伝達に適した材料から形成されることが好ましい。第2棒状部材51は、例えば、チタン合金から形成される。チタン合金は、アルミ合金に比べて、強度が高い。すなわち、第2棒状部材51は、第1棒状部材31を形成する材料よりも強度が高い材料によって形成されている。
第2棒状部材51は、第1の把持片13を形成する先端処置部23を備える。先端処置部23は、第2棒状部材51の先端部を形成する。先端処置部23の形状は、処置具1を用いて行われる処置によって決定され、行われる処置に適した形状に形成される。本実施形態では、先端処置部23は、長手軸Cに沿って延設される真直部24と真直部24に対して先端側に設けられる湾曲部25とを備える。湾曲部25は、真直部24及び長手軸Cに対して、エンドエフェクタ6の幅方向(図2の矢印B1側及び矢印B2側)の一方側へ、湾曲している。湾曲部25は、長手軸Cに対して傾斜した曲面を少なくとも1つ備える。湾曲部25は、1つ以上の曲面と1つ以上の平面との組み合わせにより、形成されている。
第2棒状部材51は、最大外径部27を少なくとも1つ備える。最大外径部27は、第2棒状部材51の中で最も太い部分、すなわち、最も外径が大きい部分である。このため、最大外径部27は、第2棒状部材51において、長手軸Cに直交する(略垂直な)断面の面積(断面積)が最も大きい最大断面積部となる。最大外径部27は、第1棒状部材31のフランジ部21とは異なり、ハウジング本体10によって直接的に保持される部分としては形成されていない。最大外径部27は、第2棒状部材51における超音波振動の振動速度及び変性比の調整に用いられる。本実施形態では、最大外径部27は、第2棒状部材51の基端部に設けられ、第2棒状部材51の基端面53から先端側へ延設されている。
図3は、図2のX−X線断面図である。図3は、長手軸Cに交差する(略垂直な)断面を示す図である。図4は、第1棒状部材31と第2棒状部材51との接合部の構成を示す図である。図4は、長手軸Cを通る断面を示している。
図3及び図4に示すように、第1棒状部材31は、嵌合穴35を備える。嵌合穴35は、第1棒状部材31の先端面33から基端側に向かって長手軸Cに沿って延設される溝である。嵌合穴35は、長手軸Cに交差する底面36と、長手軸Cの軸回りに沿って延設される内周面37とを備える。本実施形態では、嵌合穴35は、長手軸Cに交差する(垂直な又は略垂直な)断面形状が略円形である。
第2棒状部材51は、嵌合部55を備える。嵌合部55は、第2棒状部材51の基端部に設けられ、第1棒状部材31の嵌合穴35に嵌合している。嵌合部55の外径は、嵌合穴35に嵌合された状態では、嵌合穴35の内径dと略同じである。嵌合部55は、長手方向について、第1棒状部材31の先端面33から第2棒状部材51の基端面53までの範囲に渡って形成される。本実施形態では、嵌合部55は、長手軸Cに交差する(垂直な又は略垂直な)断面形状が略円形である。本実施形態では、嵌合部55は、最大外径部27の一部によって形成されている。すなわち、最大外径部27の一部が、嵌合部55を形成している。
ここで、図2に示すように、振動伝達部材8において、第2棒状部材51の嵌合部55が第1棒状部材31の嵌合穴35に嵌合している領域を嵌合領域(第1領域)29とし、嵌合領域29以外の部分を非嵌合領域(第2領域)30とする。長手方向についての嵌合領域(接合領域)29の長さ(嵌合長)L1は、第1棒状部材31の先端面33と第2棒状部材51の基端面53との間の距離となる。嵌合領域29の長さ(嵌合長)L1は、例えば、2mm〜10mmである。
嵌合領域29では、第2棒状部材51の嵌合部55の外周面56に第1棒状部材31の嵌合穴35の内周面37が外側から密着している。また、長手方向についての嵌合部55の長さL1は、長手方向についての嵌合穴35の長さよりも小さい。このため、第2棒状部材51の基端面53と嵌合穴35の底面36との間には、隙間が形成されている。すなわち、第2棒状部材51の嵌合部55の基端面53と第1棒状部材31の嵌合穴35の底面36は、接触しない。
前述のように、嵌合領域29では、第2棒状部材51の嵌合部55の外周面56と第1棒状部材31の嵌合穴35の内周面37とが接触し、嵌合部55の基端面53と嵌合穴35の底面36とは接触しない。したがって、第1棒状部材31と第2棒状部材51とは、嵌合領域29において、長手軸Cに対して略平行に延設された部分においてのみ、接触している。
嵌合領域29での第1棒状部材31の外径Dは、処置具1を用いた外科処置に用いられるトロッカーの内径よりも小さいことが好ましい。トロッカーの内径は、例えば10mmである。また、嵌合領域29での第1棒状部材31の外径Dは、振動の波長λの1/4以下、すなわち、λ/4以下に形成されることが好ましい。
ここで、振動伝達部材8の製造方法の一例を簡単に説明する。振動伝達部材8を製造する際には、作業者は、まず、第1棒状部材31及び第2棒状部材51のそれぞれを、切削加工等によって成形する。
次に、作業者は、第1棒状部材31と第2棒状部材51とを接合する。第1棒状部材31と第2棒状部材51との接合は、焼き嵌め、圧入等によって行われる。ここでは、第1棒状部材31と第2棒状部材51との接合方法の一例として、焼き嵌めによる接合について簡単に説明する。
焼き嵌めによる接合では、作業者は、まず、第1棒状部材31を接合装置内に固定し、第1棒状部材31の嵌合領域29を加熱する。第1棒状部材31は、加熱されることにより熱膨張する。これにより、嵌合穴35の内径が拡径し、嵌合穴35の内周面37が外側へ移動する。第1棒状部材31は、嵌合穴35の内径が第2棒状部材51の嵌合部55の外径よりも大きくなるまで加熱される。
そして、接合装置内に固定された第2棒状部材51を移動させ、嵌合穴35に嵌合部55を先端側から挿入する。このとき、嵌合穴35は前述のように拡径されているため、嵌合部55を嵌合穴35の内部に容易に挿入することができる。
次に、第1棒状部材31と第2棒状部材51との間の位置関係を調整する。ある実施例では、第1棒状部材31に、基準位置を規定する基準指標(第1指標)が設けられ、第2棒状部材51に、基準指標との位置関係を示す指標(第2指標)が設けられる。そして、第1棒状部材31の第1指標と、第2棒状部材51の第2指標とを対応させることにより、長手方向、及び、長手軸Cの軸回りの回転方向についての、第1棒状部材31と第2棒状部材51との間の位置関係が調整される。
ある実施例では、第1棒状部材31の嵌合穴35は、Dカット形状に形成され、長手方向に沿って延設される平面を備える。また、第2棒状部材51の嵌合部55は、嵌合穴35のDカット形状に対応したDカット形状に形成される。この場合、嵌合部55が嵌合穴35に嵌合することにより、第1棒状部材31と第2棒状部材51との間の長手軸Cの軸回り(回転方向)についての位置関係が調整される。この場合、Dカット形状によって嵌合穴35の内周面37に形成される平面部(第1基準面)が第1指標となり、Dカット形状によって嵌合部55の外周面56に形成される平面部(第2基準面)が第2指標となる。
また、ある実施例では、フランジ部21の平面部22のうちの1つが、第1指標(第1基準面)として用いられ、第2棒状部材51の湾曲部25の曲面又は平面のうち1つが、第2指標(第2基準面)として用いられる。
次に、第1棒状部材31と第2棒状部材51との間の位置関係が調整された状態で、作業者は、第1棒状部材31を冷却する。第1棒状部材31は、加熱された状態から冷却されることにより、収縮する。第1棒状部材31が収縮することにより、嵌合穴35の内周面37が縮径する。これにより、嵌合穴35の内周面37が第2棒状部材51の嵌合部55の外周面56に外側から密着する。嵌合部55の外周面56は、嵌合穴35の内周面37によって内側へ押圧され、嵌合部55の外周面56には、圧縮面圧(接合応力)Pmが作用する。
焼嵌めによる接合方法では、前述したように、嵌合領域29において、第1棒状部材31に加熱処理が行われる。加熱処理が行われた部分では、組織中の結晶が再結晶化されることにより、組織が粗大化し、結晶粒径が大きくなる。また、加熱処理が行われた部分では、強度が低くなる。このため、第1棒状部材31において嵌合領域29及び嵌合領域29の近傍では、加熱処理が行われない部分に比べて、強度が低くなり、結晶粒径が大きくなる。
なお、ある実施例では、第1棒状部材31と第2棒状部材51との間の位置関係を調整する工程の後において、第1棒状部材31を冷却する工程の前に、第1棒状部材31を再加熱する工程が行われる。この場合、嵌合領域29及び嵌合領域29の近傍では、第1棒状部材31と第2棒状部材51の両方が、熱によって加熱される。このため、第2棒状部材51においても、嵌合領域29(嵌合部55)及び嵌合領域29の近傍において、強度が低下し、組織中の結晶粒径が大きくなる。このため、第2棒状部材51においても、嵌合領域29(嵌合部55)及び嵌合領域29の近傍では、他の部分に比べて、強度が低く、結晶粒径が大きくなる。
第1棒状部材31の嵌合穴35は、内径が略一定に形成されている。また、嵌合穴35では、先端が開口している。このため、嵌合穴35の開口付近では、剛性、強度等が低下する。嵌合穴35の開口付近では、剛性、強度等が低下することにより、嵌合部55を押圧する圧縮面圧Pmが小さくなる。したがって、圧縮面圧Pmは、底面36から開口側へ向かうにつれて、すなわち、基端側から先端側に向かうにつれて、減少する。このように、圧縮面圧Pmの大きさは、長手方向について変化する。
長手方向についての圧縮面圧Pmの変化を無視した場合、嵌合部55の外周面56に作用する圧縮面圧Pm(MPa)の大きさは、式(1)を用いて近似的に算出することができる。
Figure 0006980813
ここで、miは、第1棒状部材31のポアソン数であり、msは、第2棒状部材51のポアソン数である。また、Ei(MPa)は、第1棒状部材31の縦弾性係数であり、Es(MPa)は、第2棒状部材51の縦弾性係数である。d(mm)は、嵌合穴35の内径及び嵌合部55の外径であり、D(mm)は、嵌合領域29における第1棒状部材31の外径であり、kは、d/Dで表される係数である。Δd(mm)は、締め代であり、接合前の嵌合穴35の内径と接合前の嵌合部55の外径との間の寸法差である。
なお、式(1)は、第2棒状部材51が中実の場合の計算式である。第2棒状部材51が中空の場合の圧縮面圧Pm(MPa)の大きさは、式(2)を用いて近似的に算出することができる。
Figure 0006980813
ここで、k0は、第2棒状部材51の中空部の内径d0(mm)を用いて、d0/dで表される係数である。
振動伝達部材8は、嵌合領域29において、V/Pm≦Rth、を満たすように形成される。ここで、V(m/s)は、嵌合領域29における振動伝達部材8の振動速度である。閾値Rth((m/s)/MPa)は、第1棒状部材31及び第2棒状部材51が共振可能(発振可能)に接合されるための境界値(発振限界値)である。本実施形態では、閾値Rthは、0.176である。閾値Rthは、例えば、圧縮面圧Pmを調整することによって、調整される。また、圧縮面圧Pmは、例えば、締め代Δdを調整することによって、調整される。
また、第1棒状部材31及び第2棒状部材51の接合強度(接合トルク)Sは、S=F・μ・(d/2)、の式を用いて、近似的に算出される。ここで、μは、嵌合部55の外周面56と嵌合穴35の内周面37との間の摩擦係数である。F(N)は、嵌合部55の外周面56にかかる荷重である。荷重Fは、F=Pm・π・d・L1の式で算出される。したがって、接合強度Sは、S=Pm・π・d・L1・μ・d/2の式で算出される。
振動伝達部材8は、嵌合領域29において、接合強度Sが閾値Sthよりも大きくなるように形成されている。接合強度Sは、例えば、嵌合部55の長さL1を調整することにより閾値Sth以上の大きさに調整される。閾値Sthは、例えば、処置具1を用いた外科手術中に処置具1に加わる可能性のあるトルクの最大の値である。閾値Sthは、例えば、0.020(N・m)である。この場合、嵌合領域29の長さ(嵌合長)L1は、以下の式(3)の関係式を満たす。
Figure 0006980813
本実施形態では、第1棒状部材31の先端面33よりも僅かに先端側にずれた位置に、振動の腹位置Ajが位置する。すなわち、嵌合領域29よりも僅かに先端側にずれた位置に、振動の腹位置Ajが位置する。腹位置Ajは、第1棒状部材31の先端面33及び嵌合領域29に対して最も近接した振動の腹である。腹位置Ajから基端側に隣接した節位置Njは、第1棒状部材31の先端面33及び嵌合領域29に対して最も近接した振動の節となる。
振動伝達部材8では、超音波振動による変位は、振動の節位置(例えばNj)では0であり、振動の腹(例えばAj)に向かうにつれて、大きくなる。そして、超音波振動による変位は、振動の腹(例えばAj)において最も大きくなる。ただし、長手方向についての各位置における変位の大きさは、振動伝達部材8の形状や材質によって変化し、上記に限定されない。
図4の波形図は、超音波振動に起因して振動伝達部材8に作用する応力(振動応力)Pvの長手方向についての変化を示す。図4の波形図の横軸は、長手方向についての位置を示す。図4の波形図の縦軸は、振動伝達部材8に作用する応力Pvを示す。本実施形態では、超音波振動は縦振動であるため、応力Pvは、長手方向の一方側を向く力になる。ここでは、長手方向について一方側へ作用する力(例えば引っ張り応力)を正の応力Pvとし、他方側へ作用する力(例えば圧縮応力)を負の応力とする。応力Pvの大きさは、応力Pvの絶対値で表される。
図4に示すように、超音波振動に起因して振動伝達部材8に作用する応力Pvの大きさは、振動の腹(例えばAj)では0であり、振動の節(例えばNj)に向かうにつれて大きくなる。そして、応力Pvの大きさは、振動の節(例えばNj)において、最大(Pv=Pvmax)となる。ただし、長手方向についての各位置における応力Pvの大きさは、振動伝達部材8の形状や材質によって変化し、上記に限定されない。
第2棒状部材51の嵌合部55の基端面53は、腹位置Ajよりも基端側で、かつ、節位置Njよりも先端側に位置する。すなわち、基端面53は、長手方向について腹位置Ajと節位置Njの間に位置する。腹位置Ajと基端面53との間の距離L2は、λ/4よりも小さい。腹位置Ajは、基端面53に対して最も近接した腹位置であり、節位置Njは、基端面53に対して最も近接した節位置である。
前述のように、腹位置Ajは、嵌合領域29に対して最も近接した腹位置であり、節位置Njは、嵌合領域29に対して最も近接した節位置である。したがって、基端面53及び嵌合領域29に対して最も近接した腹位置Ajは、基端面53よりも先端側に位置する。
また、第1棒状部材31の嵌合穴35の底面36は、腹位置Ajよりも基端側で、かつ、節位置Njよりも先端側に位置する。すなわち、底面36は、長手方向について腹位置Ajと節位置Njの間に位置する。このため、第2棒状部材51の基端面53に対して最も近接した腹位置Ajと底面36との距離は、λ/4よりも小さくなる。また、第1棒状部材31の先端面33は、腹位置Ajよりも基端側で、かつ、節位置Njよりも先端側に位置する。すなわち、第1棒状部材31の先端面33は、長手方向について腹位置Ajと節位置Njの間に位置する。したがって、長手方向についての嵌合部55の長さL1は、λ/4よりも小さくなる。
前述のように、本実施形態では、嵌合部55は、最大外径部27の一部によって形成されている。このため、最大外径部27は、嵌合領域29の範囲内に少なくとも一部が位置する。
次に、本実施形態の処置具1の作用及び効果について説明する。処置具1を用いて処置を行う際には、まず、腹腔等の体腔内にエンドエフェクタ6を挿入する。そして、血管等の処置対象を一対の把持片13,14の間に配置し、エンドエフェクタ6を閉動作させる。これにより、把持片13,14の間で処置対象が把持される。処置対象が把持片13,14の間で把持された状態で、電源装置3から処置具1に電気エネルギーを供給させる操作入力が行われることにより、高周波電流と超音波振動のうち少なくとも一方が、把持された処置対象に処置エネルギーとして付与される。
本実施形態では、振動伝達部材8は、フランジ部21を有する第1棒状部材31と、先端処置部23を有する第2棒状部材51とを備え、第1棒状部材31と第2棒状部材51の2部材が接合されることにより製造される。このため、振動伝達部材8の製造時には、外径の大きい第1棒状部材31と外径の小さい第2棒状部材51とを別々に形成することができる。このとき、第1棒状部材31及び第2棒状部材51のそれぞれの製造時には、第1棒状部材31及び第2棒状部材51のそれぞれの外径と同じかそれよりも僅かに大径の材料を切削することにより、製造時の切削量を少なくすることができる。また、ハウジング本体10の内部に支持されるフランジ部21は、第1棒状部材31に形成され、第2棒状部材51に形成する必要がない。このため、第2棒状部材51にフランジ部が形成される場合に比べて、第2棒状部材51において長手軸Cに略垂直な断面の面積が最大となる領域と最小となる領域との断面積の差(外径の差)を小さくすることができる。これにより、特に、第2棒状部材51の製造時の切削量を少なくすることができ、振動伝達部材8の製造コストを削減することができる。
ここで、本実施形態とは異なり、ネジ締結によって第1棒状部材と第2棒状部材とが接合される構成では、長手方向についての第1棒状部材と第2棒状部材との位置関係を調整する場合には、例えば第2棒状部材を第1棒状部材に対して長手軸Cの軸回りに回転させる必要がある。また、長手軸Cの軸回り(回転方向)についての第1棒状部材と第2棒状部材との位置関係を調整する場合には、第2棒状部材が第1棒状部材に対して長手軸Cの軸回りに回転するとともに、長手方向について第2棒状部材が第1棒状部材に対して移動する。このため、ネジ締結による接合方法では、第1棒状部材及び第2棒状部材において、長手方向についての位置関係と長手軸Cの軸回り(回転方向)についての軸回りのそれぞれを別々に調整することが難しい。
一方、本実施形態では、第1棒状部材31及び第2棒状部材51は、圧入、焼き嵌め等によって接合され、圧縮面圧Pmによって接合されている。圧入、焼き嵌め等による接合方法では、第1棒状部材31及び第2棒状部材51を接合する際に、長手方向についての位置関係、及び、長手軸Cの軸回り(回転方向)についての位置関係のそれぞれを、別々に調整することができる。
したがって、本実施形態の構成によれば、ネジ締結によって第1棒状部材と第2棒状部材とを接合する場合に比べて、第1棒状部材31と第2棒状部材51との間の位置決めを容易に行うことができる。このため、ネジ締結によって第1棒状部材31と第2棒状部材51とを接合する場合に比べて、部品による寸法誤差を容易に吸収することができる。
本実施形態では、第1棒状部材31と第2棒状部材51との接合には、径方向について作用する圧縮面圧Pmが用いられる。ここで、縦振動である超音波振動に起因して振動伝達部材8に作用する応力Pvは、圧縮応力又は引っ張り応力であり、長手方向(縦振動の振動方向)に作用し、径方向(縦振動に交差する方向)にはほとんど作用しない。このため、本実施形態では、振動伝達部材8に超音波振動に起因する応力が作用しない方向への圧縮面圧Pmを用いることにより、第1棒状部材31と第2棒状部材51との接合を効率的に行うことができる。また、第1棒状部材31と第2棒状部材51との間の超音波振動の伝達性が向上する。
また、ネジ締結によって接合される場合は、第1棒状部材の嵌合穴の内周面及び第2棒状部材の嵌合部の外周面は、互いに対して螺合可能なネジ山が形成され、表面が凸凹形状に形成される。この場合、嵌合穴と嵌合部とが接触した部分では、位置によって、例えば圧縮面圧等の接合応力の、向きや大きさがばらつく。本実施形態では、焼嵌めや圧入によって第1棒状部材31と第2棒状部材51とが接合される。このため、第1棒状部材31の嵌合穴35の内周面37及び第2棒状部材51の嵌合部55の外周面56は、滑らかに形成され、凸凹形状を有さない。このため、ネジ締結によって第1棒状部材と第2棒状部材とを接合する場合に比べて、圧縮面圧Pmの向きや大きさが均一になり、圧縮面圧Pmの位置に応じた変化が小さくなる。
また、第1棒状部材31と第2棒状部材51との接合強度Sは、閾値Sthよりも大きくなるように形成されている。本実施形態では、閾値Sthには、処置具1を用いた外科処置において振動伝達部材8に作用するトルクの最大値が用いられる。このため、接合強度Sが閾値Sthよりも大きく形成されることにより、第1棒状部材31に対する第2棒状部材51の嵌合をより確実に維持でき、処置における処置具1の安全性が確保される。
また、振動伝達部材8の先端処置部23では、基端部に比べて、超音波振動による振動速度Vが大きくなる。このため、先端処置部23を備える第2棒状部材51は、第1棒状部材31に比べて強度が高い材料から形成されることが好ましい。本実施形態では、第2棒状部材51は、チタン合金から形成され、第1棒状部材31を形成するアルミ合金よりも強度の高い材料で形成されている。
本実施形態では、嵌合領域29は、振動の腹である腹位置Ajの近傍に位置する。腹位置Ajの近傍では、超音波振動に起因して振動伝達部材8に作用する応力Pvが小さくなる。このため、嵌合領域29が腹位置Ajの近傍に形成されることにより、第1棒状部材31と第2棒状部材51を、超音波振動による応力Pvが小さい部分で接合することができる。これに加え、腹位置Ajの近傍では、径方向についての超音波振動の変位が小さくなり、これにより、締め代Δdの変動が小さくなる。結果として、腹位置Ajの近傍では、圧縮面圧Pmの変動が小さくなる。これにより、第1棒状部材31と第2棒状部材51との接合部におけるすべりが抑制され、超音波振動の伝達性がさらに向上する。
本実施形態では、振動の腹である腹位置Ajよりも基端側に嵌合領域29がある。このため、嵌合領域29では、先端側から基端側、すなわち腹位置Ajから節位置Njに向かうにつれて、超音波振動に起因して振動伝達部材8に作用する応力Pv及び径方向の変位は、大きくなる。また、嵌合領域29では、第2棒状部材51に作用する圧縮面圧Pmは、先端側から基端側に向かうにつれて、大きくなる。したがって、本実施形態では、嵌合領域29では、超音波振動に起因して振動伝達部材8に作用する応力Pv及び径方向の変位が大きくなるほど、第2棒状部材51に作用する圧縮面圧Pmが大きくなる。超音波振動による応力Pv及び径方向の変位が大きい部分において、圧縮面圧Pmを大きくしていることにより、嵌合領域29における第1棒状部材31と第2棒状部材51との接合部におけるすべりが抑制され、超音波振動の伝達性がさらに向上する。
また、焼き嵌めによって第1棒状部材31と第2棒状部材51とが接合される場合は、嵌合領域29では、非嵌合領域30に比べて、強度が低下する。本実施形態では、嵌合領域29が振動の腹の近傍に配置されることにより、嵌合領域29が振動の節の近傍に配置される場合に比べて、嵌合領域29において振動伝達部材8に作用する応力Pvが小さくなる。このため、強度が低くなる部分において、応力Pvが小さくなる部分が配置されることにより、応力過大による部材の損傷を防ぐことができる。
また、焼き嵌めによって第1棒状部材31と第2棒状部材51とが接合される場合は、嵌合領域29では、非嵌合領域30に比べて、結晶が粗大化され、結晶粒径が大きくなる。ここで、結晶が粗大化している部分では、横振動の発生等の、意図しない振動の発生が抑制される。また、振動の腹位置では、振動の節位置に比べて、横振動の発生等の、意図しない振動が発生しやすいと考えられている。本実施形態では、嵌合領域29は、腹位置Ajの近傍に位置する。このため、意図しない振動の発生が抑制される部分において、意図しない振動が発生しやすい部分が設けられることにより、意図しない振動の発生が効果的に抑制され、超音波振動の伝達性がさらに向上する。
また、嵌合穴35では、底面36と内周面37の間の角部又は湾曲部において、応力集中によって応力Pvが大きくなり得る。本実施形態では、底面36は、節位置Njから離れた位置に位置する。このため、本実施形態では、底面36が節位置Njから離れた位置に設けられることにより、底面36が節位置Njに設けられる場合に比べて、応力Pvが小さい部分に応力集中が生じる部分が配置される。これにより、底面36と内周面37の間における応力集中の影響が効果的に低減される。
また、本実施形態では、嵌合部55は、第2棒状部材51における最大外径部27である。このため、第2棒状部材51の製造時において、嵌合部55を形成する際の切削量を削減することができる。これにより、第2棒状部材51の製造コストをさらに削減することができる。
また、本実施形態では、振動伝達部材8に伝達される超音波振動は、長手軸に沿って変位する縦振動である。縦振動の伝達では、振動伝達部材8の外径がλ/4より大きくなると、横振動等の意図しない振動が発生しやすくなると考えられている。本実施形態では、嵌合領域29における第2棒状部材51の外径Dは、λ/4以下に形成されている。このため、嵌合領域29では、横振動の発生が効果的に抑制され、横振動の発生による影響が低減される。
(第1の実施形態の第1の変形例)
本実施形態の第1の変形例について、図5を参照して説明する。本変形例は、第1の実施形態の構成を次の通り変形したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図5に示すように、本変形例では、嵌合穴35は、第1棒状部材31の先端面33から基端面39までの範囲に渡って、長手軸Cに沿って形成されている。すなわち、嵌合穴35は、第1棒状部材31を長手方向について貫通している。嵌合穴35は、長手方向について全体に渡って、略同一形状に形成されている。
本変形例では、嵌合穴35は、長手方向に沿って第1棒状部材31の全体に渡って、略同一形状に形成される。したがって、嵌合穴35には、角部又は湾曲面等のように、応力集中が生じる部分が形成されない。このため、嵌合穴35での応力集中の発生が抑制される。
(第1の実施形態の第2の変形例)
本実施形態の第2の変形例について、図6を参照して説明する。本変形例は、第1の実施形態の構成を次の通り変形したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図6に示すように、本変形例では、嵌合領域29に最も近接した腹位置Ajは、第1棒状部材31の先端面33と第2棒状部材51の基端面53との間に位置している。すなわち、腹位置Ajは、嵌合領域29の範囲内に位置する。また、本変形例においても、第2棒状部材51の基端面53及び嵌合穴35の底面36のそれぞれは、腹位置Ajと節位置Njの間において、節位置Njよりも先端側に位置する。このため、腹位置Ajと第2棒状部材51の基端面53との間の距離L2は、λ/4よりも小さくなる。
嵌合領域29の内部では、腹位置Ajを挟んで基端側と先端側とでは、超音波振動に起因して作用する応力Pvの力の向きが逆になる。例えば、嵌合領域29において腹位置Ajよりも基端側では、応力Pvは圧縮応力となり、嵌合領域29において腹位置Ajよりも先端側では、応力Pvは引張り応力となる。
本変形例では、嵌合領域29の内部に腹位置Ajが位置する。このため、第1棒状部材31及び第2棒状部材51は、振動の腹を含む位置の外周において、接合される。振動の腹の近傍では、振動に起因して振動伝達部材8に作用する応力Pvは、小さくなる。このため、振動に起因する応力Pvが小さい部分で第1棒状部材31及び第2棒状部材51が接合されることにより、第1棒状部材31と第2棒状部材51との間の振動伝達性が向上する。
本変形例では、嵌合領域29では、長手方向について互いに反対側を向く2つの向きの応力Pvが振動伝達部材8に作用する。このため、嵌合領域29では、振動伝達部材8には、圧縮応力及び引っ張り応力の両方が作用する。嵌合領域29の全範囲における長手方向の力のつり合いを考えると、圧縮応力と引っ張り応力が打ち消しあうことで、嵌合領域29の全体に加わる長手方向の力は小さくなる。このため、嵌合領域29において圧縮応力及び引っ張り応力の両方が振動伝達部材8に作用することにより、圧縮応力及び引っ張り応力の一方のみが振動伝達部材8に作用する場合に比べて、第1棒状部材31及び第2棒状部材51の接合が外れにくくなる。すなわち、本変形例では、嵌合領域29において、超音波振動に起因する応力が長手方向について両側から振動伝達部材8に作用することにより、第1棒状部材31及び第2棒状部材51の接合が外れにくくなる。
(第1の実施形態の第3の変形例)
本実施形態の第3の変形例について、図7を参照して説明する。本変形例は、第1の実施形態の構成を次の通り変形したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図7に示すように、本変形例では、第2棒状部材51の嵌合部55は、最大外径部27の基端61から基端側へ延出する突出部62の一部によって形成されている。突出部62は、最大外径部27よりも細く形成され、最大外径部27よりも外径が小さい。突出部62の外径は、嵌合穴35に嵌合された状態では、第1棒状部材31の嵌合穴35の内径と略同じである。本変形例では、突出部62の基端部が嵌合部55となり、嵌合穴35に嵌合している。
突出部62は、長手方向について、基端面53から最大外径部27の基端61までの範囲にわたって設けられている。最大外径部27の基端61は、第1棒状部材31の先端面33よりも先端側に位置する。最大外径部27の基端61と腹位置Ajとの間の距離L3は、1波長以下(λ以下)である。また、最大外径部27の基端61は、第1棒状部材31の先端面33からの距離が振動の1波長以下(λ以下)となる範囲内に位置する。すなわち、最大外径部27の基端61は、嵌合領域29からの距離が振動の1波長以下(λ以下)となる範囲内に位置する。
突出部62は、第2棒状部材51の製造時において、例えば、最大外径部27と略同径の材料を切削することにより形成される。このため、突出部62は、長手方向における長さ(延設長)ができるだけ小さいことが好ましい。すなわち、突出部62の先端位置となる最大外径部27の基端61は、できるだけ基端側に位置することが好ましい。突出部62の延設長ができるだけ小さく形成されることにより、突出部62を形成する際の切削量を削減することができる。これにより、第2棒状部材51の製造コストを削減することができる。
(第1の実施形態の第4の変形例)
本実施形態の第4の変形例について、図8を参照して説明する。本変形例は、第1の実施形態の構成を次の通り変形したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図8は、本変形例における、嵌合領域29における第1棒状部材31及び第2棒状部材51の断面図を示す。図8に示すように、第2棒状部材51は、嵌合部55の外周面56に設けられる複数の凸部(嵌合突起)58を備える。凸部58は、外周面56から径方向の外側に向かって突出している。凸部58のそれぞれは、長手方向に沿って延設されている。凸部58は、長手軸Cの軸回りに沿って並設されている。凸部58は、例えば、ブラスト加工によって、形成される。凸部58をブラスト加工で形成することにより、凸部58の硬度が向上する。凸部58の外周面56から外側への突出長は、例えば、0.5mm以下である。
第1棒状部材31及び第2棒状部材51が接合された状態では、第1棒状部材31の嵌合穴35の内周面37から第2棒状部材51の嵌合部55の外周面56への圧縮面圧Pmにより、凸部58は、嵌合穴35の内周面37にめり込んだ状態で、内周面37に嵌合している。凸部58が内周面37に嵌合することにより、嵌合部55の嵌合穴35に対する移動が規制され、第1棒状部材31と第2棒状部材51との接合が強化される。第1棒状部材31は、第2棒状部材51よりも強度が低い材料から形成されることが好ましい。
なお、嵌合突起58は、第1棒状部材31の嵌合穴35の内周面37に設けられてもよい。
(第1の実施形態の第5の変形例)
本実施形態の第5の変形例について、図9を参照して説明する。本変形例は、第1の実施形態の構成を次の通り変形したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図9は、本変形例における、嵌合領域29における第1棒状部材31及び第2棒状部材51の断面図を示す。図9に示すように、本変形例においても、第1の実施形態の第の変形例と同様に、第2棒状部材51の嵌合部55の外周面56には、複数の凸部(嵌合突起)58が設けられている。
本変形例では、第1棒状部材31は、嵌合穴35の内周面37に設けられる複数の凹部(嵌合溝)40を備える。凹部40は、内周面37から径方向の内側に向かって凹む溝である。凹部40のそれぞれは、長手方向に沿って延設されている。凹部40は、長手軸Cの軸回りに沿って並設されている。凹部40は、第2棒状部材51の凸部58と同数設けられている。
凹部40のそれぞれには、凸部58の中の対応する1つが、嵌合している。凸部58と対応する凹部40が嵌合することにより、嵌合部55の嵌合穴35に対する移動がさらに規制され、第1棒状部材31と第2棒状部材51との接合がさらに強化される。
なお、本変形例では、第1棒状部材31の嵌合穴35の内周面37に嵌合溝40が設けられ、第2棒状部材51の嵌合部55の外周面56に嵌合突起58が設けられているが、これに限るものではない。第1棒状部材31の嵌合穴35の内周面37に嵌合突起が設けられ、第2棒状部材51の嵌合部55の外周面56に嵌合溝が設けられてもよい。
(第2の実施形態)
2の実施形態について、図10を参照して説明する。本実施形態は、第1の実施形態の構成を次の通り変形したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図10は、本実施形態の超音波処置具である処置具71を示す図である。本実施形態の処置具71は、関節鏡下において、骨等を処置対象とする外科処置に用いられる。この処置では、例えば、超音波振動が伝達された処置部を骨に接触させることにより、骨を削る、及び/又は、骨に穴を形成する。
図10に示すように、処置具71は、保持可能なハウジング74を備える。ハウジング74には、ケーブル77の一端が接続されている。ケーブル77の他端は、電源装置73に着脱可能に接続される。
ハウジング74は、長手軸C´を規定する。ここで、長手軸C´に沿う方向を長手方向とする。長手方向の一方側を先端側(図10の矢印C´1側)とし、先端側とは反対側を基端側(図10の矢印C´2側)とする。ハウジング74は、基端側から先端側へ長手軸C´に沿って延設されている。
ハウジング74の内部には、超音波トランスデューサ79と、超音波トランスデューサ79に先端側から接続される振動伝達部材(超音波プローブ)78とが設けられている。振動伝達部材(超音波プローブ)78は、長手軸C´に沿って延設されている。振動伝達部材78の先端部は、ハウジング74の先端から先端側に向かって突出している。振動伝達部材78のハウジング74からの突出部分によって、処置対象を処置するエンドエフェクタ76が形成される。
第1の実施形態及び第1の実施形態の各変形例に係る振動伝達部材8の構成は、本実施形態の処置具71に用いられる振動伝達部材78にも適用可能である。振動伝達部材78が振動伝達部材8と同様の構成を有することにより、本実施形態の処置具71は、第1の実施形態及び第1の実施形態の各変形例に係る処置具1と同様の効果を有する。
(実施形態等の共通構成)
超音波処置具(1:71)は、先端(33)と基端(39)とを有し、長手軸(C:C´)に沿って延設され、超音波振動を発生させるトランスデューサ(9:79)を基端部に接続可能で、前記先端(33)から基端側に向かって前記長手軸(C:C´)に沿って延設される嵌合穴(35)を有する第1棒状部材(31)と、前記長手軸(C:C´)に沿って延設され、前記第1棒状部材(31)の先端側に取り付けられ、前記嵌合穴(35)の内周面(37)から圧縮面圧(Pm)を受ける状態で前記嵌合穴(35)に嵌合する嵌合部(55)を有する、第2棒状部材(51)と、を備え、前記トランスデューサ(9:79)で発生させた所定の共振周波数(f)の振動を前記長手軸(C:C´)に沿って前記第1棒状部材(31)の基端部から前記第2棒状部材(51)の先端まで伝達可能な振動伝達部材(8:78)を備え、前記振動伝達部材(8:78)が前記所定の共振周波数(f)で振動した状態では、前記第2棒状部材(51)の基端(53)に対して最も近接した振動の腹(Aj)は、前記第2棒状部材(51)の前記基端(53)より先端側に位置する。
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。

Claims (13)

  1. 先端と、振動を発生させるトランスデューサを接続可能に構成された基端とを有し、長手軸に沿って延設され、前記先端から前記基端側に向かって前記長手軸に沿って延設される嵌合穴を有する第1棒状部材と、
    前記長手軸に沿って延設され、前記第1棒状部材の先端側に取り付けられ、前記嵌合穴から圧縮面圧を受ける状態で前記嵌合穴に嵌合する嵌合部を有する、第2棒状部材と、を備え、
    前記第1棒状部材は、前記嵌合穴に前記嵌合部が嵌合した第1領域と、
    前記第1領域よりも前記基端側に位置する第2領域と、を備え、
    前記第1棒状部材の前記第1領域では、前記第1棒状部材の前記第2領域に比べて、結晶粒径が大きく、
    所定の共振周波数で振動した状態では、前記第2棒状部材の基端に対して最も近接した振動の腹は、前記第2棒状部材の前記基端より先端側に位置する、
    振動伝達部材。
  2. 前記第2棒状部材は、前記嵌合穴に前記嵌合部が嵌合した第1領域と、前記第1領域よりも先端側に位置する第2領域とを備え、
    前記第2棒状部材の前記第1領域では、前記第2棒状部材の前記第2領域に比べて、結晶粒径が大きい、請求項1の振動伝達部材。
  3. 前記第1棒状部材は、基準位置を規定する第1指標を備え、
    前記第2棒状部材は、前記第1指標に対する位置関係を規定する第2指標を備える、請求項1の振動伝達部材。
  4. 前記第2指標は、前記長手軸に沿う方向についての前記第1指標に対する位置関係を規定する、請求項3の振動伝達部材。
  5. 前記嵌合穴は、前記長手軸に沿って前記第1棒状部材を貫通している、請求項1の振動伝達部材。
  6. 前記嵌合部は、前記嵌合部の内周面から径方向の外側に向かって突出する突出部を備える、請求項1の振動伝達部材。
  7. 超音波振動を発生させるトランスデューサと、
    前記トランスデューサが内部に設けられるハウジングと、
    先端と基端とを有し、長手軸に沿って延設され、前記トランスデューサを基端部に接続し、前記先端から基端側に向かって前記長手軸に沿って延設される嵌合穴を有する第1棒状部材と、前記長手軸に沿って延設され、前記第1棒状部材の先端側に取り付けられ、前記嵌合穴の内周面から圧縮面圧を受ける状態で前記嵌合穴に嵌合する嵌合部を有する、第2棒状部材とを備えるとともに、前記トランスデューサで発生させた所定の共振周波数の振動を前記長手軸に沿って前記第1棒状部材の基端部から前記第2棒状部材の先端まで伝達可能な振動伝達部材とを備え、
    前記振動伝達部材が前記所定の共振周波数で振動した状態では、前記第2棒状部材の基端に対して最も近接した振動の腹は、前記第2棒状部材の前記基端より先端側に位置し、 前記第1棒状部材は、前記嵌合穴に前記嵌合部が嵌合した第1領域と、前記第1領域よりも基端側に位置する第2領域とを備え、
    前記第1棒状部材の前記第1領域では、前記第1棒状部材の前記第2領域に比べて、結晶粒径が大きい、
    超音波処置具。
  8. 前記第2棒状部材は、前記長手軸に直交する断面の面積が第2棒状部材において最大となる最大断面積部を備え、
    前記最大断面積部の少なくとも一部は、前記第2棒状部材の基端に対して最も近接した前記振動の腹から先端側への距離が前記振動の1波長以下となる範囲内に位置する、請求項の超音波処置具。
  9. 前記長手軸に沿う方向についての前記嵌合部の長さは、前記振動の波長の1/4以下である、請求項の超音波処置具。
  10. 前記嵌合穴の底面は、前記第2棒状部材の基端に対して最も近接した前記振動の腹よりも基端側へ位置し、
    前記嵌合穴の前記底面と前記振動の腹との間の距離は、前記振動の波長の1/4以下である、請求項の超音波処置具。
  11. 前記圧縮面圧の単位がMPaであり、前記振動の振動速度の単位がm/sである場合、前記圧縮面圧に対する前記振動の振動速度の比は、0.176以下となる、請求項の超音波処置具。
  12. 前記第1棒状部材と前記第2棒状部材との接合強度は、外科手術中に前記超音波処置具に加えられる可能性のあるトルクよりも大きい、請求項の超音波処置具。
  13. 前記振動伝達部材が前記所定の共振周波数で振動した状態では、前記第2棒状部材の基端に対して最も近接した振動の腹は、前記第1棒状部材の前記先端より基端側に位置する、請求項の超音波処置具。
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