WO2014020827A1 - 発振検出装置、負荷機器およびプログラム - Google Patents
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Abstract
発振検出装置は、定電力負荷へ給電するための給電系に生じる発振を検出する装置である。発振検出装置において、電流制御部は、電源回路の通常動作が停止しているときに、通常動作時において最大消費電力となるときと同じ大きさの電流を定電力負荷に引き込ませる。電圧検出部は、電流制御部によって定電力負荷が電流を引いているときに電源回路に印加される入力電圧を検出する。異常検出判断部の判定部は、電圧検出部の検出電圧がしきい値電圧よりも大きいか否かを判定する。検出電圧がしきい値電圧よりも大きいと判定部で判定された場合、出力部は、判定部の判定結果に応じた信号を出力する。
Description
本発明は、定電力負荷へ直流電力を供給するための給電系に生じる発振を検出する発振検出装置、負荷機器およびプログラムに関する。
従来から、負荷へ直流電力を供給する直流給電システムにおいて、給電系の安定性を維持しながら、負荷への給電を行うことが求められている。
図9に示すように、負荷機器91の定電力負荷92へ給電するための給電系を考えた場合、給電系の配線上には、配線抵抗93と、配線インダクタンス94とが存在する。また、負荷機器91は、入力容量95を有している。定電力負荷92は、負性抵抗特性を有している。
このような給電系の場合、負荷機器91に直流電力を供給したときに、配線インダクタンス94と入力容量95とによって発振が発生することがある。定電力負荷92の負性抵抗が存在するため、上記発振は、時間が経過しても減衰せずに継続し、給電系の安定性を低下させることになる。
このような給電系において、給電系の安定性を維持したままで定電力負荷92が引き込むことができる最大電力(限界負荷電力)Plimは、数1で表わされる(例えばYasunobu Yokomizu et al.、"Formulated Representation for Upper Limitation of Deliverable Power in Low-Voltage DC Distribution System"、電気学会論文誌B、一般社団法人電気学会、2011年4月1日、第131巻、第4号、p.362-367(文献1)参照)。限界負荷電力Plimは、負荷機器91が安定に駆動できる限界電力を示す。数1において、Rは配線抵抗93の抵抗値、Lは配線インダクタンス94のインダクタンス値、Cは入力容量95の容量値、VRは、負荷機器91(定電力負荷92)に印加される入力電圧の電圧値を示す。αは定電力性を示すパラメータである。αが小さいほど定電力性が強い。なお、限界負荷電力Plimは、電源電圧VSには依存しない。
限界負荷電力Plimを超えた電力を定電力負荷92に引き込んで発振が起こった場合、負荷機器91の部品に想定を超える電圧振幅が連続的に印加されることになり、負荷機器91にとって好ましくない。
そこで、日本国公開特許第2000-267745号公報(以下「文献2」という)には、第1の定電力負荷へ直流電力を供給する給電系の発振を検出する発振検出装置が開示されている。文献2に記載された発振検出装置は、装置内部の正極と負極との間に必要に応じて発振を起動できる第2の定電力負荷を内蔵し、この第2の定電力負荷を必要に応じて電力線に接続し、上記発振を起動する。これにより、文献2に記載された発振検出装置は、給電系の発振条件が臨界付近であって明らかな発振状態ではない場合でも、発振状態を意図的に発生させて明らかな発振状態とすることができる。その結果、給電系が発振状態または発振直前の状態であることを報知可能とする。
ところで、文献2で開示された従来の装置では、第1の定電力負荷とは別の第2の定電力負荷を接続することによって、安定性を評価している。これは実際の負荷の状態を示すのではなく、接続される負荷の条件より厳しい条件を配電に課しており、過大品質となってしまう。
本発明は上記の点に鑑みて為された発明であり、本発明の目的は、定電力負荷へ給電するための給電系の安定性を精度よく検出することができる発振検出装置、負荷機器およびプログラムを提供することにある。
本発明の発振検出装置は、入力容量および定電力負荷を有する負荷機器の当該定電力負荷へ給電するための給電系に生じる発振を検出する発振検出装置であって、前記定電力負荷の通常動作が停止しているときに、当該通常動作時において最大消費電力となるときと同じ大きさの電流を前記定電力負荷に引き込ませる電流制御部と、前記電流制御部によって前記定電力負荷が前記電流を引いているときに当該定電力負荷に印加される入力電圧を検出する電圧検出部と、前記電圧検出部の検出値が予め決められたしきい値よりも大きいか否かを判定する判定部と、前記検出値が前記しきい値よりも大きいと前記判定部で判定された場合に当該判定部の判定結果に応じた信号を出力する出力部とを備えることを特徴とする。
この発振検出装置において、前記出力部から前記信号を受け取ると、警告を発するように報知手段を制御する報知制御部をさらに備えることが好ましい。
この発振検出装置において、前記出力部から前記信号を受け取ると、前記定電力負荷を用いた機能の実行を禁止するように前記負荷機器を制御する負荷制御部をさらに備えることが好ましい。
この発振検出装置において、前記負荷機器は、前記通常動作のモードとして、前記定電力負荷を用いた複数の動作モードを有し、前記電流制御部は、前記定電力負荷の前記通常動作が停止しているときに、前記複数の動作モードの各々において、最大消費電力となるときと同じ大きさの電流を前記定電力負荷に引き込ませ、前記しきい値は、前記複数の動作モードの各々について予め設定され、前記判定部は、前記複数の動作モードの各々について、前記検出値が前記しきい値よりも大きいか否かを判定することが好ましい。
この発振検出装置において、前記複数の動作モードの少なくとも1つにおいて前記検出値が前記しきい値よりも大きい場合、当該検出値が当該しきい値よりも大きいときの動作モードの実行を禁止するように前記負荷機器を制御する負荷制御部をさらに備えることが好ましい。
この発振検出装置において、前記複数の動作モードの少なくとも1つにおいて前記検出値が前記しきい値よりも大きい場合、当該検出値が当該しきい値よりも大きいときの動作モードの実行時に、前記検出値が前記しきい値以下となる範囲まで最大消費電力が下がるように前記負荷機器を制御する負荷制御部をさらに備えることが好ましい。
この発振検出装置において、前記負荷機器に内蔵されていることが好ましい。
本発明の負荷機器は、前記発振検出装置と、前記定電力負荷とを備えることを特徴とする。
本発明のプログラムは、入力容量および定電力負荷を有する負荷機器の当該定電力負荷へ給電するための給電系に生じる発振を検出する発振検出装置に、前記定電力負荷に印加される入力電圧を検出する電圧検出部とともに用いられるコンピュータを、前記定電力負荷の通常動作が停止しているときに、当該通常動作時において最大消費電力となるときと同じ大きさの電流を前記定電力負荷に引き込ませる電流制御部、前記電流制御部によって前記定電力負荷が前記電流を引いているときに前記電圧検出部で検出された検出値が予め決められたしきい値よりも大きいか否かを判定する判定部、および、前記検出値が前記しきい値よりも大きいと前記判定部で判定された場合に当該判定部の判定結果に応じた信号を出力する出力部として機能させるためのプログラムである。本発明は、プログラムに限らず、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
本発明の発振検出装置、負荷機器およびプログラムによれば、定電力負荷の入力電圧の振動の程度を検出することができ、その結果、定電力負荷へ給電するための給電系の安定性を精度よく検出することができる。
本発明の好ましい実施形態をより詳細に記載する。本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な記載および添付図面に関連して一層よく理解される。
実施形態1に係る発振検出装置およびパソコンの構成を示す概略図である。
実施形態1に係るパソコンの駆動電流の推移を示す図である。
実施形態1に係る発振検出装置の動作を示すフローチャートである。
実施形態2に係る発振検出装置およびパソコンの構成を示す概略図である。
実施形態2に係る発振検出装置の動作のうちステップS11~S20を示すフローチャートである。
実施形態2に係る発振検出装置の動作のうちステップS21~S29を示すフローチャートである。
実施形態2に係るパソコンの動作の一例を示す図である。
実施形態2に係るパソコンの動作の他の例を示す図である。
図8A~8Cは、実施形態1,2に係るパソコンの駆動電流の推移を示す図である。
負荷機器の定電力負荷へ給電するための給電系の回路図である。
以下の実施形態1,2に係る発振検出装置は、入力容量および定電力負荷を有する負荷機器の定電力負荷へ給電するための給電系に生じる発振を検出する装置である。この発振検出装置は、定電力負荷の通常動作が停止しているときに、通常動作時において最大消費電力となる時点の電流と同じ大きさの電流を定電力負荷に引き込ませる(流す)。そして、定電力負荷が電流を引いている(流している)ときに定電力負荷に印加されている入力電圧の検出電圧がしきい値電圧よりも大きい場合に、発振検出装置は、その旨を含む情報を出力する。これにより、定電力負荷の給電系に生じる発振を検出することができ、給電系の安定性を精度よく検出することができる。以下、実施形態1,2について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
実施形態1に係る発振検出装置1は、図1に示すように、負荷機器であるノートパソコン(以下「パソコン」という)6の筐体(図示せず)に内蔵されている。
実施形態1に係る発振検出装置1は、図1に示すように、負荷機器であるノートパソコン(以下「パソコン」という)6の筐体(図示せず)に内蔵されている。
パソコン6は、発振検出装置1と、直流入力部71と、スピーカ(報知手段)72と、パソコン電源回路(以下「電源回路」という)8とを備えている。直流入力部71は、直流電力を供給する外部電源(図示せず)が接続される端子であり、外部電源から直流電力が供給される。スピーカ72は、後述の報知制御部44の指示に従って動作する。
電源回路8は、定電力負荷82と、定電力負荷82よりも入力側に設けられた入力容量81とを備えている。この電源回路8は、バッテリ(図示せず)を充電するための充電電圧を生成したり、パソコン6の各部(例えばCPU(Central Processing Unit)など)に電力を供給したりする。定電力負荷82は、例えばDC/DCコンバータなどであり、負性抵抗特性を有している。入力容量81は、例えばコンデンサなどであり、定電力負荷82に並列に接続されている。
パソコン6は、図8A~8Cに示すように、電源回路8(定電力負荷82)の通常動作のモードとして、電源回路8を用いた複数の動作モードを有している。パソコン6が有する動作モードとしては、パソコン6の起動を行う起動モード(図8A参照)と、バッテリ(図示せず)の充電を行う充電モード(図8B参照)と、パソコン6の起動とバッテリの充電とを同時に行う同時モード(図8C参照)とがある。起動モードでは、起動に必要なソフトウェア処理の負荷が大きくなったときに消費電力が一時的に大きくなる。充電モードでは、バッテリの充電量(残量)が少ない場合に充電を行う。この充電モードでは、バッテリの充電に2つの電流モードが存在し、駆動電流がステップ的に大きくなるように変化する。同時モードは、バッテリへの充電を実行しながら、パソコン6の起動も実行するモードである。したがって、同時モードでは、充電の電力と起動の電力とが加算されるため、最も消費電力が大きくなる。電圧が一定であるから、同時モードの最大電流I3は、起動モードの最大電流I1と充電モードの最大電流I2との総和である。
パソコン6の駆動電流(駆動電力)の推移は、図8Cに示すようになっている。バッテリの充電が不十分である場合、電源接続後、起動スイッチへの操作に関係なく、パソコン6は充電モードを実行し、バッテリへの充電が始まる。その後、起動スイッチ(図示せず)が操作されると、パソコン6は充電モードから同時モードに切り替わり、起動処理のために消費電力が増加する。起動処理が終了すると、消費電力はパソコン6の待機電力と充電電力との総和で一定となる。さらに、充電が終了すると、消費電力はパソコン6の待機電力で一定となる。
上述したように、パソコン6は、定電力負荷82および入力容量81を含んでいるので、パソコン6の定電力負荷82へ給電するための給電系の回路は、図9に示す回路と等価である。
続いて、図1に示す発振検出装置1の構成について説明する。発振検出装置1は、電流制御部2と、電圧検出部3と、異常検出判断部4と、電源回路制御部5とを備えている。
電流制御部2は、電源回路8(定電力負荷82)の通常動作が停止しているときに、電源回路8の通常動作時において最大消費電力となるときと同じ大きさの電流(最大電流)を、所定時間が経過するまで定電力負荷82に引き込ませる(流す)。すなわち、電流制御部2は、上記電流を電源回路8に供給する。具体的には、電流制御部2は、図2に示すように、電源接続後(時刻t1)、時刻t2~時刻t3の間、パルス電流を定電力負荷82に引き込ませる。この電流制御部2は、図1に示すように、スイッチング素子21と抵抗22との直列回路と、スイッチング制御部23とを備えている。上記直列回路は、定電力負荷82の出力側に設けられている。
抵抗22の抵抗値は、最大消費電力となるときの最大電流(波高値)に相当するパルス電流を引き込むように設定された値である。スイッチング制御部23の指示に従って、スイッチング素子21がパルス状にオンすることによって、定電力負荷82にパルス電流が引き込まれる。
スイッチング制御部23は、後述のインタフェース部51で配電安定信号が受け取られると、スイッチング素子21をオン制御し、定電力負荷82にパルス電力を引き込ませる。
電圧検出部3は、電流制御部2によって定電力負荷82がパルス電流を引き込んでいる所定時間の間(図2の時刻t2~時刻t3の間)、電源回路8(定電力負荷82)に印加されている入力電圧V1を検出する。この電圧検出部3は、直列抵抗部31と、アナログ-デジタル変換回路(Analog to Digital Converter、以下「ADC」という)32とを備えている。
直列抵抗部31は、正極側(図1の+側)と負極側(図1の-側)との間に第1分圧抵抗311と第2分圧抵抗312とが直列に接続されて構成されている。この直列抵抗部31は、直流入力部71から機器内部直流電線(以下「直流電線」という)61に印加された入力電圧V1をADC32の入力レンジになるように分圧し、第2分圧抵抗312の両端電圧を検出電圧V2としてADC32の差動入力端子に入力する。検出電圧V2は、入力電圧V1と比例関係にあり、第1分圧抵抗311の抵抗値をR1、第2分圧抵抗312の抵抗値をR2とすると、検出電圧V2の電圧値は、入力電圧V1の電圧値のR2/(R1+R2)倍となる。
ADC32は、アナログ値の検出電圧V2をデジタル変換し、デジタル値に変換された検出電圧V2を異常検出判断部4に出力する。すなわち、ADC32は、サンプリングクロックごとに検出電圧V2の電圧値を異常検出判断部4に出力する。
異常検出判断部4は、直流電線61に直流電圧が印加されたことを検出する電圧印加検出部41と、電圧検出部3の検出電圧V2がしきい値電圧よりも大きいか否かを判定する判定部42とを備えている。また、異常検出判断部4は、判定部42の判定結果に応じた判定結果信号を出力する出力部43と、スピーカ72を制御する報知制御部44と、電源回路制御部5と信号の授受を行うインタフェース部45とを備えている。さらに、異常検出判断部4は、各種の情報およびプログラムを記憶している記憶部46を備えている。この異常検出判断部4は、電源回路制御部5から検出開始信号(後述)を受け取ると、異常検出を開始する。
電圧印加検出部41は、外部電源(図示せず)から直流電線61に直流電圧が印加された場合に、電圧検出部3から出力された検出電圧V2の振幅値を用いて、直流電線61に印加された入力電圧V1の振幅値が安定したことを検出する配電安定性検出制御を行う。
判定部42は、電圧検出部3から出力された検出電圧(検出値)V2としきい値電圧とを比較し、検出電圧V2がしきい値電圧よりも大きいか否かを判定する。
しきい値電圧は、定電力負荷82の入力電圧V1の振動を許容できる限界値になるように予め設定された電圧値である。しきい値電圧に関する情報は、記憶部46に記憶されている。
出力部43は、検出電圧V2がしきい値電圧よりも大きいと判定部42で判定された場合に、判定部42の判定結果に応じた判定結果信号を報知制御部44とインタフェース部45とに出力する。一方、検出電圧V2がしきい値電圧以下であると判定部42で判定された場合、異常検出判断部4は、異常検出を終了する。
報知制御部44は、検出電圧V2がしきい値電圧より大きい場合に、出力部43から判定結果信号を受け取ると、警告を発するようにスピーカ72を制御する。スピーカ72は、報知制御部44の指示に従って警告を発する。
インタフェース部45は、電圧印加検出部41が配電安定性検出制御を行った後、配電安定信号を電源回路制御部5に出力する。また、インタフェース部45は、判定結果信号を出力部43から受け取ると、この判定結果信号を電源回路制御部5に出力する。
記憶部46は、パソコン6の最大消費電力に関する情報と、判定部42で用いられるしきい値電圧に関する情報とを記憶している。
電源回路制御部5は、上述したスイッチング制御部23と、異常検出判断部4と信号の授受を行うためのインタフェース部51と、電源回路8を制御する電源制御部(負荷制御部)52とを備えている。
インタフェース部51は、異常検出判断部4から配電安定信号および判定結果信号を受け取る。また、インタフェース部51は、スイッチング制御部23がスイッチング素子21をオン制御した後、異常検出判断部4に検出開始信号を出力する。
電源制御部52は、検出電圧V2がしきい値電圧よりも大きい場合に、インタフェース部51を介して出力部43から判定結果信号を受け取ると、電源回路8を用いた機能の実行を禁止するようにパソコン6を制御する。すなわち、電源制御部52が出力部43の指示に従って電源回路8の動作を制限し、パソコン6の起動を不許可とする。言い換えると、電源制御部52は、インタフェース部51から判定結果信号を受け取ると、電源回路8の動作制限を行う。一方、検出電圧V2がしきい値電圧以下である場合、電源制御部52は、電源回路8の動作制限を行わず、パソコン6の起動を許可する。
本実施形態の発振検出装置1がパソコン6に設けられた結果、パソコン6の駆動電流は、図2に示すようになる。図2は、電源接続からパルス電流の引き込み、バッテリ(図示せず)の充電、パソコン6の起動に至るまでの駆動電流の推移を示している。まず、電源接続後(時刻t1)、駆動電流は、時刻t2~時刻t3の間にパルス状になる。この期間に、発振検出装置1が異常検出を行う。異常がなければ、時刻t4において、バッテリを充電するための電流が発生し、その後、起動スイッチ(図示せず)が操作されると(時刻t5)、バッテリを充電するための電流だけではなく、パソコン6を起動するのに必要な電流が発生する。その後、起動が終了すると(時刻t7)、定常状態に切り替わる。なお、時刻t2~時刻t3のパルス電流の電流値は、時刻t6のときの駆動電流の大きさに相当する値である。
ところで、図1に示す異常検出判断部4の記憶部46は、発振検出装置1に電圧検出部3とともに用いられる異常検出判断部(コンピュータ)4が各種の機能を実行するためのプログラムを格納している。すなわち、記憶部46は、異常検出判断部4を電圧印加検出部41、判定部42、出力部43、報知制御部44、インタフェース部45および記憶部46として機能させるためのプログラムとを格納している。
さらに、記憶部46は、発振検出装置1に電圧検出部3とともに用いられる電源回路制御部(コンピュータ)5が各種の機能を実行するためのプログラムを格納している。すなわち、記憶部46は、電源回路制御部5をスイッチング制御部23、インタフェース部51および電源制御部52として機能させるためのプログラムを格納している。
上記2つのプログラムは、発振検出装置1の出荷時に記憶部46に予め格納されている。ただし、発振検出装置1が上記プログラムを出荷後に取得する場合、発振検出装置1が上記プログラムを取得する手法の一例としては、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いる手法がある。記録媒体を用いる手法の場合、発振検出装置1は、記録媒体のデータを読み取るための読取装置(図示せず)を備えていればよい。記録媒体としては、例えば光ディスクやメモリカードなどがある。読取装置としては、光ディスクの情報を読み出すドライブ装置や、メモリカードの情報を読み出すメモリカードリーダなどがある。また、発振検出装置1が上記プログラムを取得する他の手法としては、ネットワークを用いて上記プログラムを他の装置(例えばサーバ)からダウンロードする手法がある。上記プログラムをダウンロードする手法の場合、発振検出装置1は、ネットワークを用いて他の装置と通信するための通信機能(図示せず)を有していればよい。
次に、本実施形態に係る発振検出装置1が内蔵されたパソコン6の動作について図3を用いて説明する。
まず、外部電源(図示せず)に接続されている電力線62がパソコン6の直流入力部71に接続され、この直流入力部71を介して外部電源から直流電線61に直流電圧(16V)が印加される(S1)。直流電線61に直流電圧が印加されると、電圧検出部3が入力電圧V1を検出し、電圧印加検出部41が配電安定性検出制御をオンにする(S2)。配電安定性検出制御がオンになった後、インタフェース部45が配電安定性検出信号を電源回路制御部5に出力する。
電源回路制御部5において、インタフェース部51が配電安定性検出信号を受け取ると、スイッチング制御部23は、スイッチング素子21をオン制御し、最大電流と同じ大きさのパルス電流を電源回路8(定電力負荷82)に引き込ませる(S3)。すなわち、スイッチング制御部23は、最大消費電力と同じ大きさのパルス電力を定電力負荷82に引き込ませる。スイッチング制御部23がスイッチング素子21をオン制御した後、インタフェース部51が異常検出判断部4に検出開始信号を出力する。
異常検出判断部4は、電源回路制御部5から検出開始信号を受け取ると、異常検出を開始する(S4)。まず、判定部42が検出電圧V2としきい値電圧とを比較し(S5)、検出電圧V2がしきい値電圧よりも大きいか否かを判定する(S6)。出力部43がインタフェース部45を介して判定結果信号を電源回路制御部5に出力する。その後、異常検出判断部4は異常検出を終了する。
電源回路制御部5において、インタフェース部51が判定結果信号を受け取ると、スイッチング制御部23がスイッチング素子21をオフ制御して、パソコン6へのパルス電力の引き込みを停止する。
ステップS6において、検出電圧V2がしきい値電圧以下である場合(S6のNO)、電源制御部52は、電源回路8の動作制限を行わず、パソコン6の起動を許可する(S8)。一方、検出電圧V2がしきい値電圧よりも大きい場合(S6のYES)、スピーカ72が報知制御部44の指示に従って警告を発し、かつ、電源回路制御部5が電源回路8の動作を制限し、パソコン6の起動を不許可とする(S7)。
以上説明した本実施形態の発振検出装置1は、電源回路8(定電力負荷82)の通常動作が停止しているときに、電源回路8の通常動作時において最大消費電力となるときと同じ大きさの電流を定電力負荷82に引き込ませる。さらに、発振検出装置1は、電源回路8に印加される入力電圧V1に対応する検出電圧V2がしきい値電圧よりも大きいか否かを判定する。これにより、電源回路8の入力電圧V1の振動を許容できる限界値にしきい値電圧を設定することによって、電源回路8の入力電圧V1の振動の程度を検出することができ、その結果、給電系の安定性を精度よく検出することができる。
また、本実施形態の発振検出装置1は、電源回路8の入力電圧V1に対応する検出電圧V2がしきい値電圧よりも大きい場合に、警告を発するようにスピーカ72を制御することによって、給電系に発振が発生することをユーザに知らせることができる。
さらに、本実施形態の発振検出装置1は、電源回路8の入力電圧V1に対応する検出電圧V2がしきい値電圧よりも大きい場合に、パソコン6に対して、電源回路8を用いた機能の実行を禁止する。これにより、実際に電源回路8を動作させた際に発振を防止することができる。
また、本実施形態では、発振検出装置1がパソコン6に内蔵されていることによって、パソコン6とは別に発振検出装置1のための設置スペースを確保する必要がない。
(実施形態2)
図4に示す実施形態2に係る発振検出装置1aは、パソコン6の有する複数の動作モードに対して、動作モードごとに発振の有無を検出する点で、実施形態1に係る発振検出装置1(図1参照)と相違する。すなわち、本実施形態の発振検出装置1aは、動作モードごとに、最大消費電力と同じ大きさのパルス電力を引き込むことによって発振を検出する。なお、実施形態1の発振検出装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示す実施形態2に係る発振検出装置1aは、パソコン6の有する複数の動作モードに対して、動作モードごとに発振の有無を検出する点で、実施形態1に係る発振検出装置1(図1参照)と相違する。すなわち、本実施形態の発振検出装置1aは、動作モードごとに、最大消費電力と同じ大きさのパルス電力を引き込むことによって発振を検出する。なお、実施形態1の発振検出装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の発振検出装置1aは、パソコン6がバッテリ(図示せず)の充電を始める前に、各動作モードを実行したときの最大消費電力と同じ大きさのパルス電力を順番に引き込み、パルス電力を引き込んでいる間に入力電圧V1を検出する。まず、発振検出装置1aは、消費電力が最大となる動作モード(同時モード)の最大消費電力と同じ大きさのパルス電力を引き込んで入力電圧V1を検出する。検出電圧V2がしきい値電圧を超えて振動が続く場合、発振検出装置1aは、給電系が不安定になると判断し、次に消費電力の大きい動作モード(起動モード)の最大消費電力と同じ大きさのパルス電力を引き込んで入力電圧V1を検出する。以下、消費電力の大きな動作モードから順に、パルス電力を引き込んで、給電系の安定性を評価するという手順を繰り返す。
本実施形態の電流制御部2aは、電源回路8の通常動作が停止しているときに、複数の動作モードの各々について、電源回路8の通常動作時において最大消費電力となるときと同じ大きさの電流を定電力負荷82に引き込ませる。すなわち、本実施形態の電流制御部2aは、複数の動作モードの各々に対するパルス電流を電源回路8に供給する。電流制御部2aは、図4に示すように、第1スイッチング素子211および第1抵抗221が直列に接続された第1直列回路と、第2スイッチング素子212および第2抵抗222が直列に接続された第2直列回路と、第3スイッチング素子213および第3抵抗223が直列に接続された第3直列回路とを備えている。第1の直列回路と第2直列回路と第3直列回路とは、互いに並列接続になるように電源回路8(定電力負荷82)の出力側に設けられている。
第1抵抗221の抵抗値は、起動と充電とを同時に行う同時モードでの最大電流(波高値)に相当する第1パルス電流を引き込むように調整された値である。第2抵抗222の抵抗値は、起動モードでの最大電流(波高値)に相当する第2パルス電流を引き込むように調整された値である。第3抵抗223の抵抗値は、低電力起動モードでの最大電流(波高値)に相当する第3パルス電流を引き込むように調整された値である。
スイッチング制御部23の指令に従って、第1スイッチング素子211と第2スイッチング素子212と第3スイッチング素子213とを順にパルス状にオンにすることによって、異なる大きさのパルス電流が定電力負荷82に引き込まれる。例えば、第1スイッチング素子211がオンすることによって第1パルス電流が引き込まれ、第2スイッチング素子212がオンすることによって第2パルス電流が引き込まれ、第3スイッチング素子213がオンすることによって第3パルス電流が引き込まれる。
本実施形態の判定部42は、複数の動作モードの各々について、電圧検出部3の検出電圧V2としきい値電圧とを比較し、検出電圧V2がしきい値電圧よりも大きいか否かを判定する。しきい値電圧は、複数の動作モードの各々について予め設定されている。
本実施形態の記憶部46は、パソコン6の最大消費電力に関する情報と、判定部42で用いられるしきい値電圧に関する情報とを動作モードごとに記憶している。
本実施形態の電源制御部52は、複数の動作モードの少なくとも1つにおいて検出電圧V2がしきい値電圧よりも大きい場合、検出電圧V2がしきい値電圧よりも大きいときの動作モードの実行を禁止するようにパソコン6を制御する。すなわち、本実施形態の電源制御部52は、検出電圧V2がしきい値電圧を超えた動作モードに移行することを許可しないようにパソコン6を制御する。
さらに、本実施形態の電源制御部52は、複数の動作モードの中で、検出電圧V2がしきい値電圧よりも大きい動作モードがある場合、この動作モードの実行時において最大消費電力となるときの電流が下がるようにパソコン6を制御する。電源制御部52は、電圧検出部3で検出された検出電圧V2がしきい値電圧以下となる範囲まで最大電流すなわち最大消費電力が下がるようにパソコン6を制御する。
次に、本実施形態に係る発振検出装置1aが内蔵されたパソコン6の動作について図5A,5Bを用いて説明する。以下の説明において、第1しきい値電圧は、同時モードにおいて定電力負荷82の入力電圧V1の振動を許容できる限界値になるように予め設定された電圧値である。第2しきい値電圧は、起動モードにおいて定電力負荷82の入力電圧V1の振動を許容できる限界値になるように予め設定された電圧値である。第3しきい値電圧は、低電力起動モードにおいて定電力負荷82の入力電圧V1の振動を許容できる限界値になるように予め設定された電圧値である。なお、図5Aの「A」は図5Bの「A」と接続し、図5Aの「B」は図5Bの「B」と接続する。
まず、外部電源(図示せず)に接続されている電力線62がパソコン6の直流入力部71に接続され、この直流入力部71を介して外部電源から直流電線61に直流電圧(16V)が印加される(S11)。直流電線61に直流電圧が印加されると、電圧検出部3が入力電圧V1を検出し、電圧印加検出部41が配電安定性検出制御をオンにする(S12)。配電安定性検出制御がオンになった後、インタフェース部45が配電安定性検出信号を電源回路制御部5に出力する。
電源回路制御部5において、インタフェース部51が配電安定性検出信号を受け取ると、スイッチング制御部23は、第1スイッチング素子211をオン制御し、同時モードでの最大電流と同じ大きさの第1パルス電流を定電力負荷82に引き込ませる(S13)。すなわち、スイッチング制御部23は、同時モードでの最大消費電力と同じ大きさの第1パルス電力を定電力負荷82に引き込ませる。スイッチング制御部23が第1スイッチング素子211をオン制御した後、インタフェース部51が異常検出判断部4に検出開始信号を出力する。
異常検出判断部4は、電源回路制御部5から検出開始信号を受け取ると、異常検出を開始する(S14)。まず、判定部42が検出電圧V2と第1しきい値電圧とを比較し(S15)、検出電圧V2が第1しきい値電圧よりも大きいか否かを判定する(S16)。出力部43がインタフェース部45を介して判定結果信号を電源回路制御部5に出力する。その後、異常検出判断部4は異常検出を終了する。
電源回路制御部5において、インタフェース部51が判定結果信号を受け取ると、スイッチング制御部23が第1スイッチング素子211をオフ制御して、定電力負荷82への第1パルス電力の引き込みを停止する。
ステップS16において、検出電圧V2が第1しきい値電圧以下である場合(S16の「No」)、電源制御部52は、電源回路8の動作制限を行わず、全ての動作モードの実行を許可する(S17)。
一方、ステップS16において、検出電圧V2が第1しきい値電圧よりも大きい場合(S16の「Yes」)、スイッチング制御部23は、第2スイッチング素子212をオン制御し、起動モードでの最大電流と同じ大きさの第2パルス電流を定電力負荷82に引き込ませる(S18)。すなわち、スイッチング制御部23は、起動モードでの最大消費電力と同じ大きさの第2パルス電力を定電力負荷82に引き込ませる。スイッチング制御部23が第2スイッチング素子212をオン制御した後、インタフェース部51が異常検出判断部4に検出開始信号を出力する。
異常検出判断部4は、電源回路制御部5から検出開始信号を受け取ると、異常検出を開始する(S19)。まず、判定部42が検出電圧V2と第2しきい値電圧とを比較し(S20)、検出電圧V2が第2しきい値電圧よりも大きいか否かを判定する(S21)。出力部43がインタフェース部45を介して判定結果信号を電源回路制御部5に出力する。その後、異常検出判断部4は異常検出を終了する。
電源回路制御部5において、インタフェース部51が判定結果信号を受け取ると、スイッチング制御部23が第2スイッチング素子212をオフ制御して、定電力負荷82への第2パルス電力の引き込みを停止する。
ステップS21において、検出電圧V2が第2しきい値電圧以下である場合(S21の「No」)、電源制御部52は、電源回路8の動作制限を行い、充電モードと起動モードとを単独でのみ実行することを許可する(S22)。
一方、ステップS21において、検出電圧V2が第2しきい値電圧よりも大きい場合(S21の「Yes」)、電源制御部52は、起動モードの起動シーケンスを変更し、電力レベルを下げる(S23)。その後、スイッチング制御部23は、第3スイッチング素子213をオン制御し、低電力起動モードの最大電流と同じ大きさの第3パルス電流を定電力負荷82に引き込ませる(S24)。すなわち、スイッチング制御部23は、低電力起動モードの最大消費電力と同じ大きさの第3パルス電力を定電力負荷82に引き込ませる。スイッチング制御部23が第3スイッチング素子213をオン制御した後、インタフェース部51が異常検出判断部4に検出開始信号を出力する。
異常検出判断部4は、電源回路制御部5から検出開始信号を受け取ると、異常検出を開始する(S25)。まず、判定部42が検出電圧V2と第3しきい値電圧とを比較し(S26)、検出電圧V2が第3しきい値電圧よりも大きいか否かを判定する(S27)。出力部43がインタフェース部45を介して判定結果信号を電源回路制御部5に出力する。その後、異常検出判断部4は異常検出を終了する。
電源回路制御部5において、インタフェース部51が判定結果信号を受け取ると、スイッチング制御部23が第3スイッチング素子213をオフ制御して、定電力負荷82への第3パルス電力の引き込みを停止する。
ステップS27において、検出電圧V2が第3しきい値電圧以下である場合(S27の「No」)、電源制御部52は、電源回路8の動作制限を行い、充電モードと低電力起動モードとを単独でのみ実行することを許可する(S28)。
一方、ステップS27において、検出電圧V2が第3しきい値電圧よりも大きい場合(S27の「Yes」)、電源制御部52は、起動モードの起動シーケンスを変更し、電力レベルをさらに下げる(S29)。
本実施形態の一例として、図6に示すような場合について説明する。電源回路8に電圧が印加された後(時刻t31)、発振検出装置1aは、最初に、消費電力が最も大きくなる同時モードでの最大消費電力と同じ大きさの第1パルス電力を定電力負荷82に引き込ませて安定性を評価する(時刻t32~時刻t33)。安定性が低かった場合(NGであった場合)、発振検出装置1aは、次に消費電力の大きな起動モードでの最大消費電力と同じ大きさの第2パルス電力を定電力負荷82に引き込ませて安定性を評価する(時刻t34~時刻t35)。起動モードでの安定性も低かった場合、発振検出装置1aは、パソコン6の起動シーケンスを低消費電力にした低電力起動モードとし、低電力起動モードでの最大消費電力と同じ大きさの第3パルス電力を定電力負荷82に引き込ませて安定性を評価する(時刻t36~時刻t37)。ここで、安定性に問題がなければ、パソコン6の動作モードの実行方法としては、充電モードと低電力起動モードとを同時に実行しないようにする必要がある。パソコン6は、まず低電力起動モードを実行し(時刻t38~時刻t39)、シャットダウン後に充電モードを実行する(時刻t40~時刻t41)。その後、パソコン6を起動する場合、パソコン6は、充電モードを終了させてから低電力起動モードを実行する必要がある(時刻t42)。低電力起動モードは、起動スイッチ(図示せず)を入れている(オンにしている)のに起動できないことをユーザに知らせるためのモードである。すなわち、低電力起動モードは、バッテリ残量が少ないことを警告するためにとりあえず起動するモードである。なお、起動すらできないほどバッテリ残量が少ない場合は、充電中であることを示すLEDの表示が行われる。
以上説明した本実施形態の発振検出装置1aは、電源回路8を用いた複数の動作モードの各々について、しきい値電圧(第1しきい値電圧、第2しきい値電圧、第3しきい値電圧)を設定する。すなわち、発振検出装置1aは、電源回路8の入力電圧V1の振動を許容できる限界値にしきい値電圧(第1しきい値電圧、第2しきい値電圧、第3しきい値電圧)を設定する。これにより、複数の動作モードの各々について、給電系に発振が発生するか否かを判定することができる。
この際に、本実施形態の発振検出装置1aは、パソコン6が有する複数の動作モードの各々について、消費電力が最大となるときの電流と同じ大きさのパルス電流を定電力負荷82に引き込ませて入力電圧V1の発振の有無を検出する。これにより、複数の動作モードを、実行許可できる動作モードと、実行許可できない動作モードとに分けることができる。すなわち、本実施形態の発振検出装置1aは、発振が発生する動作モード(例えば同時モード)の実行のみを禁止することによって、発振が発生しない動作モードの実行を許可しながら、発振を防止することができる。
また、本実施形態の発振検出装置1aは、入力電圧V1に対応する検出電圧V2がしきい値電圧よりも大きい動作モード(起動モード)について、検出電圧V2がしきい値電圧以下になる範囲まで実行時の最大消費電力が下がるようにパソコン6を制御する。これにより、上記動作モードの実行を完全に禁止するのではなく、発振が起こらない範囲で許容することができる。
なお、本実施形態の変形例として、発振検出装置1aは、第1パルス電流、第2パルス電流および第3パルス電流の全てを順に定電力負荷82に引き込ませてから、許可する動作モードを決定してもよい。図7に示すように、電源接続後(時刻t11)、まず、発振検出装置1aは、第1パルス電流を定電力負荷82に引き込ませた場合の異常検出を行う(時刻t12~時刻t13)。続いて、第2のパルスを定電力負荷82に引き込ませた場合の異常検出を行い(時刻t14~時刻t15)、第3パルス電流を定電力負荷82に引き込ませた場合の異常検出を行う(時刻t16~時刻t17)。その後、全ての場合において異常がなかった場合、発振検出装置1aは、全ての動作モードを許可する。これにより、時刻t18において、バッテリを充電するための電流が発生し、その後、起動スイッチが操作されると(時刻t19)、パソコン6を起動するのに必要な電流が発生する。その後、起動が終了すると(時刻t21)、定常状態に切り替わる。最初のパルス電流の電流値は、時刻t20のときの駆動電流の大きさに相当する値である。
なお、各実施形態において、直流入力部71に接続される外部電源(図示せず)は、ACアダプタなど交流電源を直流電源に変換する機器であってもよい。この場合、外部電源が交流電力を直流電力に変換し、直流入力部71には、外部電源で変換された直流電力が供給される。
なお、各実施形態では、発振検出装置1,1aがパソコン6(負荷機器)に設けられた場合について説明したが、発振検出装置1,1aとパソコン6とは別体であってもよい。また、発振検出装置1,1aは、パソコン6だけではなく、例えばLED(Light Emitting Diode)照明装置、エアコン、冷蔵庫または蓄電池など、定電力負荷を備える他の負荷機器に用いられてもよい。
本発明をいくつかの好ましい実施形態によって記載したが、本発明の本来の精神および範囲、すなわち請求の範囲を逸脱することなく、当業者によってさまざまな修正および変形が可能である。
Claims (9)
- 入力容量および定電力負荷を有する負荷機器の当該定電力負荷へ給電するための給電系に生じる発振を検出する発振検出装置であって、
前記定電力負荷の通常動作が停止しているときに、当該通常動作時において最大消費電力となるときと同じ大きさの電流を前記定電力負荷に引き込ませる電流制御部と、
前記電流制御部によって前記定電力負荷が前記電流を引いているときに当該定電力負荷に印加される入力電圧を検出する電圧検出部と、
前記電圧検出部の検出値が予め決められたしきい値よりも大きいか否かを判定する判定部と、
前記検出値が前記しきい値よりも大きいと前記判定部で判定された場合に当該判定部の判定結果に応じた信号を出力する出力部と
を備えることを特徴とする発振検出装置。 - 前記出力部から前記信号を受け取ると、警告を発するように報知手段を制御する報知制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の発振検出装置。
- 前記出力部から前記信号を受け取ると、前記定電力負荷を用いた機能の実行を禁止するように前記負荷機器を制御する負荷制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載の発振検出装置。
- 前記負荷機器は、前記通常動作のモードとして、前記定電力負荷を用いた複数の動作モードを有し、
前記電流制御部は、前記定電力負荷の前記通常動作が停止しているときに、前記複数の動作モードの各々において、最大消費電力となるときと同じ大きさの電流を前記定電力負荷に引き込ませ、
前記しきい値は、前記複数の動作モードの各々について予め設定され、
前記判定部は、前記複数の動作モードの各々について、前記検出値が前記しきい値よりも大きいか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1または2記載の発振検出装置。 - 前記複数の動作モードの少なくとも1つにおいて前記検出値が前記しきい値よりも大きい場合、当該検出値が当該しきい値よりも大きいときの動作モードの実行を禁止するように前記負荷機器を制御する負荷制御部をさらに備えることを特徴とする請求項4記載の発振検出装置。
- 前記複数の動作モードの少なくとも1つにおいて前記検出値が前記しきい値よりも大きい場合、当該検出値が当該しきい値よりも大きいときの動作モードの実行時に、前記検出値が前記しきい値以下となる範囲まで最大消費電力が下がるように前記負荷機器を制御する負荷制御部をさらに備えることを特徴とする請求項4記載の発振検出装置。
- 前記負荷機器に内蔵されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の発振検出装置。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の発振検出装置と、
前記定電力負荷と
を備えることを特徴とする負荷機器。 - 入力容量および定電力負荷を有する負荷機器の当該定電力負荷へ給電するための給電系に生じる発振を検出する発振検出装置に、前記定電力負荷に印加される入力電圧を検出する電圧検出部とともに用いられるコンピュータを、
前記定電力負荷の通常動作が停止しているときに、当該通常動作時において最大消費電力となるときと同じ大きさの電流を前記定電力負荷に引き込ませる電流制御部、
前記電流制御部によって前記定電力負荷が前記電流を引いているときに前記電圧検出部で検出された検出値が予め決められたしきい値よりも大きいか否かを判定する判定部、および、
前記検出値が前記しきい値よりも大きいと前記判定部で判定された場合に当該判定部の判定結果に応じた信号を出力する出力部
として機能させるためのプログラム。
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