JP6018657B2 - 直流給電系のシミュレーションによる安定性判別方法および装置 - Google Patents

直流給電系のシミュレーションによる安定性判別方法および装置 Download PDF

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本発明は直流給電系の回路シミュレーションにより、その安定性を判定・判別する技術に関する。
従来、直流電源(以下、単に「電源」と称する。)、負荷とDC−DCコンバータなどで構成される負荷装置およびそれらを接続する配線で構成される直流給電システム(直流給電系)では、DC−DCコンバータが直流給電側から見ると負性抵抗特性を持つため、DC−DCコンバータの入力フィルタのコンデンサと配線のインダクタンスにより、電源や配線で構成される給電側と負荷側のインピーダンスが不整合となり発振することが知られている。このような発振現象が起きると、負荷装置への安定した電力供給の保証ができない上に負荷の故障の原因となるため、システム構成要件における発振に対する安定性評価が必要になる。
しかし、実際の直流給電系では電源や負荷装置以外の装置が含まれたり、複数の負荷が接続される場合も有り、装置内部の回路ではノイズを除去するためのフィルタが装置ごとに異なったり、使用する素子の種類も無数に存在することから、回路構成が極めて複雑になるため、理論式を用いた代数的解析による安定性の判別は困難であり、回路シミュレーションによる判定が必要となっていた。
"System oscillations from negative input resistance at power input port of switching-mode regulator、 amplifier、 DC/DC converter、 or DC/AC converter"、 O. Socal、 PESC ’73 record、 pp138-140、1973. "直流給電システムの発振条件・発振領域に関する解析"、 田中徹、 山崎幹夫、 (社)電子情報通信学会、信学技報、 EE2004-17、 pp23-28、 2004.
従来の回路シミュレーションでは、回路の電流、電圧を時間的変化に沿って数値解析し、最終的な電圧または電流波形の振動の有無により安定性を判別するため、抵抗、インダクタンス、キャパシタ等の回路パラメータに加えて、代数的解析では考慮されていないシミュレーションの初期値パラメータ(時刻ゼロにおけるコンデンサ初期電圧、インダクタ初期電流、配線初期電圧など)の設定が必要となる。
これらの初期値パラメータは系が安定状態(一定時間が経過して系の電流や電圧が一定に収束した状態)にあるときの値を用いるべきであるが、回路構成により安定状態にあるときの各々のパラメータは異なるため正確に見積もることは困難であり、見込みの値を入力して回路シミュレーションを行っていた。また、見込みの値を入力し直して精度を高めていたため、評価に時間がかかっていた。
そのため、初期値パラメータの入力値と安定状態における値との誤差によりシミュレーションの際に初期電圧振動が発生し、これをきっかけとしてパラメータの組み合わせ条件によっては本来は安定な条件においても発振が起こり、正確な安定性評価が行えないという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、直流給電系の回路シミュレーションにより安定性の境界線(発振条件)を判定・判別するにあたり、初期電圧振動の影響を排除し、定量的に正確なシミュレーションを行うことを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明による方法は、
電源、負荷装置およびそれらを接続する配線から構成される直流給電系のシミュレーションによる安定性判別方法において、
電源を段階的に電圧変化することができる多段電圧電源として設定するステップと、
初期電圧として本来の電源電圧より高い初期電源電圧を設定してシミュレーションを開始するステップと、
初期電圧変動の振れ幅が一定の値より小さくなった後に電源電圧を本来の電圧値に下げて求めた波形の最終的な振動の有無から安定性の判定を行うステップを有することを特徴とする、
直流給電系のシミュレーションによる安定性判別方法である。
また、本発明による装置は、
電源、負荷装置およびそれらを接続する配線から構成される直流給電系のシミュレーションにより安定性判別を行う安定性判別装置であって、
電源を段階的に電圧変化することができる多段電圧電源として設定する初期状態安定化手段と、
初期電圧として本来の電源電圧より高い初期電源電圧を設定してシミュレーションを開始する手段と、
初期電圧変動の振れ幅が一定の値より小さくなった後に電源電圧を本来の電圧値に下げて求めた波形の最終的な振動の有無から安定性の判定を行う手段を有することを特徴とする、
直流給電系のシミュレーションによる安定性判別装置である。
本発明は上述した構成によって、シミュレーション初期に発生する初期電圧変動の影響が収束した状態で直流給電系の発振安定性の判定評価を行うことができるため、高い精度での評価が実現され、これまでの評価誤差に基づく直流給電系の過剰な設備対策が抑制され、シミュレーションの手間を増やすことなく正確な評価結果に基づき費用対効果の高い対策を施した直流給電系を設計することが可能となる。
直流給電系の(a)ブロック図と(b)回路図 安定性判定図 安定性の判別フロー図 多段電圧電源の設定フロー図 初期状態安定化装置の構成 電源電圧の設定方法(実施例) シミュレーションによる安定性判定の結果 初期電圧変動の説明図
(直流給電系で起きる発振現象)
まず、図1(a)のブロック図に示すように、検討対象である直流給電系システム100を単純化すると、電源101、負荷装置102、および、それらを接続する配線103で構成される。負荷装置102は前述のように、例えばDC−DCコンバータと実際の負荷からなる。
これを回路図で表すと、図1(b)の様になる。なお、回路図では、電源電圧はE,負荷装置は定電力負荷PおよびDC−DCコンバータの入力フィルタの平滑用コンデンサCおよび等価直列抵抗Rcで表し、計測点で計測される定電力負荷Pの両端の電圧をV,流れる電流をIとする。また、配線ケーブルは分布インダクタンスLと分布抵抗R1とで表す。従って、配線長が長くなるとインダクタンス値と抵抗値が配線長に比例して大きくなる。
直流給電系は交流給電系と比較して高効率・高信頼・低コストであるが、前述のように、負荷装置を構成するDC−DCコンバータなどが直流給電側から見ると負性抵抗特性を持つため、DC−DCコンバータの入力フィルタのコンデンサと配線のインダクタンスにより、電源や配線で構成される給電側と負荷側のインピーダンスが不整合となり発振することが知られている。
直流給電系における発振現象とは、交流振動電流が流れることであり、配線インダクタンスLと負荷装置の入力端近傍のノイズフィルタを構成するコンデンサCとの共振現象に起因して発生する。
一般的に直流給電系では、配線インダクタンスを含むインダクタンス値が大きくなるほど、また、定電力負荷の消費電力値が大きくなるほど、発振しやすくなる。
発振現象が起きると、負荷装置への安定した電力供給が保証できなくなり、負荷装置の故障、破損にもつながる。したがって、発振現象が起きるか否かの発振条件の解析、すなわち安定性判別が重要となる。
(解析とシミュレーションの誤差)
図1の様な単純な直流給電系の場合は、以下の式(1)より解析的に正確な安定条件の算出が可能である。
しかし、実際の直流給電系では電源や負荷装置以外の装置が含まれたり、複数の負荷が接続されたりするため、回路が複雑になり、解析的に発振条件を算出して安定条件を判別することができない。このため、解析的な安定条件判別の替わりに回路シミュレーションによって、発振が起きない安定状態と発振の起きる不安定状態の境界線を求める必要がある。
しかしながら、回路シミュレーションでは、初期条件の設定値によっては発振の条件を正確に導き出せない場合があり、例えば図1の単純な回路であっても、解析による安定性の境界線とシミュレーションによる境界線を求め比較すると、図2のようにずれが生じる場合がある。
なお、図2の安定性判定図では、配線のインダクタンス値Lと負荷のコンデンサ容量Cについて境界線を求めているが、配線のインダクタンス値Lと負荷出力Pに対して境界線を求めることもできる。
(誤差の原因)
回路シミュレーションによる発振条件が解析による値と異なるのは、次の原因が考えられる。
すなわち、解析による場合は、安定な定常状態として安定性を判別するため、初期の電圧変動を考慮する必要がない。一方で、シミュレーションでは初期値に基づき時刻ゼロから時間順に数値計算を行うため、初期電圧変動が含まれている。
式(1)に示す通り、電圧が高いほど直流給電系は安定であるが、シミュレーション開始時に、本来の電源電圧を初期条件とすると、初期電圧変動でいったん電圧が下がり、不安定な条件に一時的に入る場合がある。これが原因となり、正確にシミュレーションが行えなかった。
ここで初期電圧変動とは、シミュレーション開始時に過渡現象として、あらかじめコンデンサに充電された電荷などが負荷装置に流れることでコンデンサの電圧が減少し、図8に示すような電圧変動を引き起こすことをいう。
そこで、本発明では初期電圧変動が回路シミュレーション上で安定性の判別に影響を与えないように、初期電圧変動を安定性の判別と切り分けてシミュレーションする方法を考案した。
(本発明の基本構成)
初期電圧変動を安定性の判別と切り分けてシミュレーションするためには、初期の電圧変動が通常ある程度の時間が経過すれば収束することを利用する。
具体的には例えば、シミュレーションにおける時刻ゼロの初期パラメータとして、電源電圧を十分高い電圧に設定し、予め計算した初期電圧変動が収束する時間(初期電圧変動の持続時間)よりも長い時間をかけて段階的に本来の電源電圧に下げるように電源を(いわば可変電圧電源として)設定し、シミュレーションを行って、最終的に初期電圧変動の影響が無くなった時点において波形の振動の有無を判定し安定性の判別を行う。
なお、以下の例では初期の電圧と本来の電圧の二段で電源電圧を下げる例を示したが、多段の可変電圧電源(多段電圧電源)にすることもできる。これは初期の電圧と本来の電圧の差が大きい時に用いる。
また、シミュレーションで他のパラメータ項目(例えば、コンデンサ容量、抵抗値、インダクタ電流、負荷電力など)を設定することでも同様の効果を得ることができるが、電源電圧において設定変更を行う方法が最も容易に行えるため、本発明では電源電圧を多段で設定して行う方法とした。
本発明の方法によれば、初期の電源電圧から初期電圧変動が収束する時間(初期電圧変動の持続時間)よりも長い時間をかけて漸近的に本来の電源電圧に近づけていくため、安定か不安定かの判定を正確にシミュレートすることができる。正確なシミュレーションを行うことで、電源電圧以外の初期値パラメータを種々変更するなどの手間をかけることなく、全体としてのシミュレーションにかける時間を短縮することができ、また、精度の低いシミュレーション結果を用いて発振を抑制するためにマージンとして必要となっていた余分な抵抗やコンデンサにかかる費用とスペースを削減することが可能となる。
(シミュレーション演算フロー)
図3に、シミュレーションにおいて安定性を判別するフローを示す。
まず、図3のSTEP1において、判定対象の直流給電系システムの構成を基に、その回路接続や素子定数をシミュレーションシステムに入力する。
つぎに、STEP2において、電源電圧を充分高い電圧に設定し、初期電圧変動が収束する時間よりも長い時間をかけて本来の電源電圧に下げるように、シミュレーション対象の直流給電系システムの電源を多段電圧電源として設定する。
(多段電圧電源の設定フロー)
このSTEP2の多段電圧電源の設定は詳細には、図4の多段電圧電源の設定フローにおいて、
まずループ制御変数m=1として、初期電源電圧を本来の電源電圧に設定(STEP2−1)し、シミュレーションを実行(STEP2−2)し、初期電圧変動が所定期間で収束するか否かを判定する(STEP2−3)。電源電圧以外の初期値パラメータは各パラメータに応じた標準的なものを設定すればよい。
初期電圧変動が収束しない場合(STEP2−3でNO)は、ループ制御変数mを1増加(STEP2−4)し、mが所定整数値(例えば5程度)以上となったか否かを判定する(STEP2−5)。
このような判定を行うのは、これまでのシミュレーション実績から初期電源電圧を3〜4倍程度にすると初期電圧変動が収束することを経験的に確認しているためである。
したがって、このmが5以上に設定されても収束しない場合(STEP2−5でYES)は、エラーを出力して不安定な条件と判定して本発明によるシミュレーション自体は終了する(STEP2−7)。
mが5を超えない場合は、初期電源電圧を本来の電源電圧のm倍に設定(STEP2−6)し、電源電圧以外の初期値パラメータは同じ値で再度シミュレーションを実行する(STEP2−2)。
このようにして初期電圧変動が収束する条件を求め(STEP2−3でYES)、初期電圧変動の条件(初期電圧変動の振幅と持続時間、例えば振幅が1%以下に収まるまでの時間)を導出し(STEP2−8)、ついで、求めた条件より初期電源電圧の大きさを決定する(STEP2−9)。
初期電源電圧の大きさは具体的には、m=1の場合は、例えば図6に後述のように初期電源電圧に初期電圧変動を加えた場合の振幅の下限値が本来の電源電圧よりも上になるように初期電源電圧を設定し、mが1を超える場合は本来の電源電圧のm倍された初期電源電圧をもとに同様に設定することが考えられる。
また、電源電圧変更の段数やタイミング、周期は、上記で決定された初期電源電圧の大きさや初期電圧変動の持続時間に基づき決定することができ(STEP2−10)、多段電圧電源の設定として出力される。
例えば電源電圧変更の段数は、上記で決定した初期電源電圧と本来の電源電圧の比に応じて決定することが考えられ、簡易的に上記mないしm+1程度とすることもできる。電源電圧変更のタイミング、周期は、初期電圧変動の持続時間の10倍程度の余裕を取って初期電源電圧を維持し、その後、2次的な電圧変動が発生しないように、同程度の時間を取って本来の電源電圧程度の単位で段階的に反復し下げてゆくことが考えられる。
(シミュレーション演算フローの続き)
図3に戻ると、STEP3において、STEP2で設定された多段電圧電源の条件の下で、安定判別すべきパラメータ(例えば、LとC、あるいはLとP)を設定し、STEP4でシミュレーションを実行する。
そして、STEP5において、求めた電圧波形の最終的な振動の有無から安定性を判別し、STEP6において、判定結果を安定性判定図にプロットする。
STEP7で全てのパラメータ(LとC、あるいはLとPなど)範囲についてシミュレーションが実行されたかを判定し、NOであれば必要とされる分解能に当たる刻み幅でパラメータの値を順次変更し、上記STEP3〜7が反復実行される。
全てのパラメータ範囲でシミュレーションが終了した場合は、STEP8に進み、プロットされた判定結果をもとに、安定と不安定の境界線を引くことができ、STEP9として判定結果の安定性判定図が出力される。
(初期状態安定化装置)
図5は、上記図4の多段電圧電源の設定フローを実行するシミュレーションによる安定性判別装置の初期状態安定化手段としての初期状態安定化装置400のブロック図である。
図5左側より、電源パラメータ(例えば本来の電源電圧)と回路構成、R,L,Cの値などが、電源パラメータ入力装置401、回路パラメータ入力装置402に入力され、入力された値に基づきシミュレーション実行部403で図4に述べたような初期電圧振動のシミュレーションが実行され、その結果をもとに電源パラメータ決定部404において初期電源電圧、その変更の段数と周期(タイミング)等が決定され、出力装置405より初期状態安定化パラメータとして出力され、多段電圧電源が設定されて図3のSTEP4のシミュレーションに用いられる。
(電源電圧設定の具体例)
図6は、図1(b)と同様な直流給電系システムの回路(図6(a))のシミュレーションにおいて、2段で電源電圧を変更する場合の初期電源電圧の設定および電源電圧を変更する時刻、タイミングの設定例である。
図6(b)(図4のSTEP2−1〜3相当)では、まず電源を本来の電圧に設定し、初期電圧変動の振幅および持続時間をシミュレーションにより計測する。
この場合は、所定時間内で初期電圧振動は収束しているので、m=1として導出された初期電圧変動の振幅および持続時間(図4のSTEP2−8相当)が多段電圧電源の設定に用いられる。
図6(c)(図4のSTEP2−9〜10相当)では、電圧に関しては、計測点の初期電圧変動の振幅の下限値(一点鎖線)を本来の電圧(点線)より上になる様に初期電源電圧を設定する。
時刻に関しては、0秒から電圧を下げ始める時刻までの時間T1は、0秒から初期電圧変動の振幅が初期の電圧の1%以下になった時刻までの時間(持続時間)を例えば10倍した時間とする。
また、電圧を下げ始めてから本来の電圧に到達するまでの時間T2は、T1と同等の時間とする。
このように設定された多段電圧電源を用いて個別の求めるパラメータ条件ごとに回路シミュレーションを行い(図3のSTEP4)、最終的に、本来の電源電圧に達した後(例えば図6(c)の時間0.15ms以降)における、シミュレーションにより求められた計測点の波形の振動の有無により、求めるパラメータ条件における安定/不安定の判別(図3のSTEP5)がなされる。
(具体例の条件)
以下にシミュレーションに用いた具体的な条件を示す。
・パワーエレクトロニクス回路シミュレータ
・回路:図1(b)に示す.
・時間分解能:1us
・定電力負荷容量P:1100W
・入力電圧E:48VのDC voltage sourceまたは電圧が段階的に変化する多段電圧電源
・配線抵抗R1:10mΩ
・コンデンサの寄生直列抵抗(ESR):10mΩ
・コンデンサ容量C:100uF
・コンデンサの初期電圧:48V
・定電力負荷の電流制限値:0.1A-60A
(シミュレーション結果)
本発明のシミュレーションによる安定性判定の結果を図7に示す。
図7から分かるように、本発明を使用した場合は、シミュレーション値による境界線が実際の値(解析解)とほぼ重なることがわかる。
課題1〜3の結果は次の通りである.初期電圧変動の影響が無い場合は、
1.インダクタンスLのシミュレーション値は実際の値と比較しておよそ0.03%の差に収まる。
2.コンデンサCのシミュレーション値は実際の値と比較しておよそ0.06%の差に収まる。
3.シミュレーションの初期値を変更してもシミュレーション値に影響は出ない。
以上のように本発明の直流給電系のシミュレーション方法によれば、本来の電源電圧より高い初期電源電圧から初期電圧変動が収束する時間よりも長い時間をかけて漸近的に本来の電源電圧に近づけていくため、初期電圧変動の影響を排除することができ、システムが安定か不安定かの判定を正確に行うことができる。
正確なシミュレーションを行うことで、シミュレーションの手間を増やすことなく、直流給電系の発振対策(発振を抑制するためには、マージンを考慮して抵抗やコンデンサを余分に搭載する必要がある)にかかる余分な費用とスペースを削減することが可能となる。
100:直流給電系システム
101:電源
102:負荷装置
103:配線
400:初期状態安定化装置
401:電源パラメータ入力装置
402:回路パラメータ入力装置
403:シミュレーション実行部
404:電源パラメータ決定部
405:出力装置

Claims (6)

  1. 電源、負荷装置およびそれらを接続する配線から構成される直流給電系のシミュレーションによる安定性判別方法において、
    電源を段階的に電圧変化することができる多段電圧電源として設定するステップと、
    初期電圧として本来の電源電圧より高い初期電源電圧を設定してシミュレーションを開始するステップと、
    初期電圧変動の振れ幅が一定の値より小さくなった後に電源電圧を本来の電圧値に下げて求めた波形の最終的な振動の有無から安定性の判定を行うステップを有することを特徴とする、
    直流給電系のシミュレーションによる安定性判別方法。
  2. 請求項1に記載の安定性判別方法において、
    前記電源を段階的に電圧変化することができる多段電圧電源として設定するステップは、
    本来の電源電圧の初期値でシミュレーションを実行し、初期電圧変動が収束しない場合は初期電源電圧を増加しながらシミュレーションを反復実行するステップと、
    初期電圧変動が収束した場合は初期電圧変動の振幅と持続時間の条件を導出するステップと、
    前記導出した条件より初期電源電圧の高さと電源電圧を変更する段数、および電圧変更のタイミング周期を決定し多段電圧電源を設定するステップ
    からなることを特徴とする安定性判別方法。
  3. 請求項2に記載の安定性判別方法において、
    前記導出した条件より初期電源電圧の高さと電源電圧を変更する段数、および電圧変更のタイミング周期を決定し多段電圧電源を設定するステップは、
    初期電源電圧に初期電圧変動を加えた場合の振幅の下限値が本来の電源電圧よりも上になるように初期電源電圧の高さを決定し、
    前記決定した初期電源電圧と本来の電源電圧に応じて電源電圧を変更する段数を決定し、
    初期電圧変動の持続時間に基づき電圧変更のタイミングを決定する
    ことを特徴とする安定性判別方法。
  4. 電源、負荷装置およびそれらを接続する配線から構成される直流給電系のシミュレーションにより安定性判別を行う安定性判別装置であって、
    電源を段階的に電圧変化することができる多段電圧電源として設定する初期状態安定化手段と、
    初期電圧として本来の電源電圧より高い初期電源電圧を設定してシミュレーションを開始する手段と、
    初期電圧変動の振れ幅が一定の値より小さくなった後に電源電圧を本来の電圧値に下げて求めた波形の最終的な振動の有無から安定性の判定を行う手段を有することを特徴とする、
    直流給電系のシミュレーションによる安定性判別装置。
  5. 請求項4に記載の安定性判別装置において、
    前記初期状態安定化手段は、
    本来の電源電圧の初期値でシミュレーションを実行し、初期電圧変動が収束しない場合は初期電源電圧を増加しながらシミュレーションを反復実行する手段と、
    初期電圧変動が収束した場合は初期電圧変動の振幅と持続時間の条件を導出する手段と、
    前記導出した条件より初期電源電圧の高さと電源電圧を変更する段数、および電圧変更のタイミング周期を決定し多段電圧電源を設定する手段
    からなることを特徴とする安定性判別装置。
  6. 請求項5に記載の安定性判別装置において、
    前記導出した条件より初期電源電圧の高さと電源電圧を変更する段数、および電圧変更のタイミング周期を決定し多段電圧電源を設定する手段は、
    初期電源電圧に初期電圧変動を加えた場合の振幅の下限値が本来の電源電圧よりも上になるように初期電源電圧の高さを決定し、
    前記決定した初期電源電圧と本来の電源電圧に応じて電源電圧を変更する段数を決定し、
    初期電圧変動の持続時間に基づき電圧変更のタイミング周期を決定する
    ことを特徴とする安定性判別装置。
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