WO2014002169A1

WO2014002169A1 - ナビゲーション装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体

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Publication number: WO2014002169A1
Application number: PCT/JP2012/066173
Authority: WO
Inventors: 宏平伊藤
Original assignee: パイオニア株式会社
Priority date: 2012-06-25
Filing date: 2012-06-25
Publication date: 2014-01-03

Abstract

　ナビゲーション装置は、案内手段と、取得手段と、制御手段とを備える。案内手段は、料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つの条件で検索された目的地への推奨ルートを案内する。取得手段は、推奨ルート上の前方の信号機の現在の状態を取得する。制御手段は、信号機の現在の状態に応じて、推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートを案内手段に案内させる。

Description

ナビゲーション装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体

　本発明は、ルート案内を行う際の案内技術に関する。

　従来から、交通情報に応じて現在案内中のルートとは異なるルートを提示する技術が知られている。例えば特許文献１には、受信機を介して通行状況の情報を受信し、通行一時停止状態が発生すると認識されたときに、迂回路を案内するナビゲーション装置が記載されている。さらに、特許文献１には、赤信号及び青信号の点灯時間に基づいて一時停止状態となる確率を演算する技術が開示されている。また、特許文献２には、信号機及び信号機の各灯火部の表示領域を車両の前方を撮影した画像から検出し、各灯火部の表示領域の輝度値等に基づき信号機の灯火状態を検出する技術が開示されている。

特開平１１－３２５９３６号公報国際公開ＷＯ２０１１／０７４０８７

　特許文献１に記載のナビゲーション装置は、通行状況を示す情報を受信機から受信することで、通行状況を把握しているため、前方の信号機のリアルタイムの状態に応じて迂回ルートを案内することができない。従って、特許文献１に記載の技術では、信号待ちなどを精度よく抑制することができない。

　本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、案内中のルートとは別のルートを信号の状態に応じて適切に案内することが可能なナビゲーション装置を提供することを主な目的とする。

　請求項１に記載の発明は、目的地までのルート案内を行うナビゲーション装置であって、料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つの条件で検索された目的地への推奨ルートを案内する案内手段と、前記推奨ルート上の前方の信号機の現在の状態を取得する取得手段と、前記信号機の現在の状態に応じて、前記推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートを前記案内手段に案内させる制御手段と、を備えることを特徴とする。

　請求項７に記載の発明は、目的地までのルート案内を行い、料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つの条件で検索された目的地への推奨ルートを案内する案内手段を有するナビゲーション装置が実行する制御方法であって、前記推奨ルート上の前方の信号機の現在の状態を取得する取得工程と、前記信号機の現在の状態に応じて、前記推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートを前記案内手段に案内させる制御工程と、を備えることを特徴とする。

　請求項８に記載の発明は、目的地までのルート案内を行い、料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つの条件で検索された目的地への推奨ルートを案内する案内手段を有するナビゲーション装置が実行するプログラムであって、前記推奨ルート上の前方の信号機の現在の状態を取得する取得手段と、前記信号機の現在の状態に応じて、前記推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートを前記案内手段に案内させる制御手段として前記ナビゲーション装置を機能させることを特徴とする。

ナビゲーション装置の概略構成を示す。ナビゲーション装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。図２のステップＳ１０６の実行時のディスプレイの表示画面例を示す。迂回ルートに従い車両が右折した後のディスプレイの表示画面を示す。図２のステップＳ１０７の実行時のディスプレイの表示画面例を示す。変形例２に係る表示画面例を示す。

　本発明の好適な実施形態によれば、目的地までのルート案内を行うナビゲーション装置であって、料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つの条件で検索された目的地への推奨ルートを案内する案内手段と、前記推奨ルート上の前方の信号機の現在の状態を取得する取得手段と、前記信号機の現在の状態に応じて、前記推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートを前記案内手段に案内させる制御手段と、を備えることを特徴とする。

　上記のナビゲーション装置は、案内手段と、取得手段と、制御手段とを備える。案内手段は、料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つの条件で検索された目的地への推奨ルートを案内する。ここで、上述の所要時間は、現在の渋滞状況を元に推測される時間であってもよい。取得手段は、推奨ルート上の前方の信号機の現在の状態を取得する。ここで、取得手段は、後述するように撮影手段により撮影された前方の信号機を含む風景の画像情報から信号機の現在の状態を取得してもよく、放送又は通信により信号機又は信号機の状態を管理するサーバから信号機の現在の状態を示す情報を取得してもよい。制御手段は、信号機の現在の状態に応じて、推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートを案内手段に案内させる。この態様により、ナビゲーション装置は、案内中のルートとは別のルートを信号の状態に応じて好適に案内することができる。

　上記のナビゲーション装置の一態様では、前記取得手段は、撮影手段により撮影された前記前方の信号機を含む風景の画像情報から前記信号機の現在の状態を取得する。この態様により、ナビゲーション装置は、好適に信号機の灯火状態を検出し、他の案内ルートを案内すべきか否か的確に判定することができる。

　上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記案内手段は、前記推奨ルートを表示で案内すると同時に、前記他の案内ルートを前記推奨ルートより目立たない形態で表示しておく。この態様により、ナビゲーション装置は、好適に、他の案内ルートの存在を運転者に認識させることができる。

　上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記ナビゲーション装置と共に移動する車両が走行中のレーンを検出する検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記他の案内ルートへの進行が危険なレーンを前記車両が走行中の場合には、前記他の案内ルートを前記案内手段に案内させない。ここで、「他の案内ルートへの進行が危険なレーン」とは、車両が安全に他の案内ルートへ進行することができないレーンを指し、例えば他の案内レーンに進行するために必要な車線変更の数や車速等や車線変更禁止などの交通規制に基づき決定される。この態様により、表示装置は、安全に他の案内ルートに進行可能な場合にのみ当該他の案内ルートを案内し、安全性を確保することができる。

　上記ナビゲーション装置の他の一態様では、前記制御手段は、料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つに関するコストの案内ルートごとの合算値であるトータルコストが前記推奨ルートのトータルコストと所定の差以内となる案内ルートを、前記推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートであるとみなす。この態様により、ナビゲーション装置は、推奨ルートと同等の案内ルートを信号機の灯火状態に応じて好適に案内することができる。

　上記ナビゲーション装置の他の一態様では、前記制御手段は、前記信号機の現在の状態が、前記推奨ルートへの進行方向に対して停止すべき旨を示し、かつ、前記推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートへの進行方向に対して進行可能である旨を示す状態の場合に、当該他の案内ルートを前記案内手段に案内させる。この態様により、ナビゲーション装置は、不要な信号待ちを好適に回避することができる。

　本発明の好適な他の実施形態によれば、目的地までのルート案内を行い、料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つの条件で検索された目的地への推奨ルートを案内する案内手段を有するナビゲーション装置が実行する制御方法であって、前記推奨ルート上の前方の信号機の現在の状態を取得する取得工程と、前記信号機の現在の状態に応じて、前記推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートを前記案内手段に案内させる制御工程と、を備える。ナビゲーション装置は、この制御方法を実行することで、案内中のルートとは別のルートを信号の状態に応じて好適に案内することができる。

　本発明の他の好適な実施形態によれば、目的地までのルート案内を行い、料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つの条件で検索された目的地への推奨ルートを案内する案内手段を有するナビゲーション装置が実行するプログラムであって、前記推奨ルート上の前方の信号機の現在の状態を取得する取得手段と、前記信号機の現在の状態に応じて、前記推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートを前記案内手段に案内させる制御手段として前記ナビゲーション装置を機能させる。ナビゲーション装置は、このプログラムを実行することで、案内中のルートとは別のルートを信号の状態に応じて好適に案内することができる。好適には、上述のプログラムは、記憶媒体に記憶される。

　以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。

　［概略構成］
　図１は、ナビゲーション装置１の概略構成を示す。ナビゲーション装置１は、例えば据置型のナビゲーション装置やルート案内を行う携帯端末であって、図１に示すように、自立測位装置１０、カメラ１４、ＧＰＳ受信機１８、システムコントローラ２０、ディスクドライブ３１、データ記憶ユニット３６、通信用インタフェース３７、通信装置３８、表示ユニット４０、音声出力ユニット５０及び入力装置６０を備える。

　自立測位装置１０は、加速度センサ１１、角速度センサ１２及び距離センサ１３を備える。加速度センサ１１は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ１２は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ１３は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。

　カメラ１４は、車両の前方に向けられた状態で固定され、所定の間隔ごとに車両前方を撮影した画像を生成する。カメラ１４は、生成した画像をシステムコントローラ２０に供給する。

　ＧＰＳ受信機１８は、複数のＧＰＳ衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波１９を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。

　システムコントローラ２０は、インタフェース２１、ＣＰＵ（Ｃｅｎｔｒａｌ　Ｐｒｏｃｅｓｓｉｎｇ　Ｕｎｉｔ）２２、ＲＯＭ（Ｒｅａｄ　Ｏｎｌｙ　Ｍｅｍｏｒｙ）２３及びＲＡＭ（Ｒａｎｄｏｍ　Ａｃｃｅｓｓ　Ｍｅｍｏｒｙ）２４を含んでおり、ＲＯＭ２３などに記憶された制御プログラムを実行することで、ナビゲーション装置１全体の制御を行う。

　例えば、システムコントローラ２０は、入力装置６０により目的地が設定された場合に、ＧＰＳ受信機１８が検出した現在地を出発地として、目的地までのルート探索を行う。このとき、システムコントローラ２０は、ルート上の各道路の通過のしやすさの指標であるリンクコストを用いる。具体的には、システムコントローラ２０は、ユーザが指定した条件を満たす出発地から目的地までのルートの候補のうち、当該ルート上の各道路に対応するリンクコストの合算値（「トータルコスト」とも呼ぶ。）が最小となるルートを探索する。このとき、システムコントローラ２０は、対象の各道路について、当該道路を通過する時間（所要時間）に関するコスト、当該道路の距離に関するコスト、有料道路などの料金に関するコスト、燃費に関するコスト、幹線道路や車幅などの道路種別に関するコストなどの各コストに対し、それぞれ定められた割合を乗じて合算したリンクコストを算出する。なお、時間優先、距離優先などのルート探索条件が定められていた場合には、システムコントローラ２０は、優先する旨の指定があった項目のコストに乗じる割合を大きく設定した上で、リンクコストを算出する。また、所要時間のコストは、現在の渋滞状況をもとに予測される時間であってもよい。この場合、システムコントローラ２０は、ルート案内中に、例えば後述する通信装置３８から渋滞情報を受信し、当該渋滞情報に基づき、所定の間隔ごとにトータルコストが最小となるルートを再探索し、案内対象となるルートを定める。

　インタフェース２１は、加速度センサ１１、角速度センサ１２及び距離センサ１３並びにＧＰＳ受信機１８とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、ＧＰＳ測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ２０に入力する。ＣＰＵ２２は、システムコントローラ２０全体を制御する。ＲＯＭ２３は、システムコントローラ２０を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。ＲＡＭ２４は、入力装置６０を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、ＣＰＵ２２に対してワーキングエリアを提供したりする。

　システムコントローラ２０、ＣＤ－ＲＯＭドライブ又はＤＶＤ－ＲＯＭドライブなどのディスクドライブ３１、データ記憶ユニット３６、通信用インタフェース３７、表示ユニット４０、音声出力ユニット５０及び入力装置６０は、バスライン３０を介して相互に接続されている。

　ディスクドライブ３１は、システムコントローラ２０の制御の下、ＣＤ又はＤＶＤといったディスク３３から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ３１は、ＣＤ－ＲＯＭドライブ又はＤＶＤ－ＲＯＭドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、ＣＤ及びＤＶＤコンパチブルのドライブとしてもよい。

　データ記憶ユニット３６は、例えば、ＨＤＤなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。地図データは、道路に相当するリンクと、道路の接続部分（交差点）に相当するノードとにより表された道路データや、各施設に関する施設情報などを含む。また、地図データには、各信号機の位置を特定する情報が記憶されている。

　通信装置３８は、例えば、ＦＭチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、通信用インタフェース３７を介して、ＶＩＣＳ（登録商標、Ｖｅｈｉｃｌｅ　Ｉｎｆｏｒｍａｔｉｏｎ　Ｃｏｍｍｕｎｉｃａｔｉｏｎ　Ｓｙｓｔｅｍ）センタから配信される渋滞や交通情報などの道路交通情報、その他の情報を受信する。

　表示ユニット４０は、システムコントローラ２０の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ２０は、データ記憶ユニット３６から地図データを読み出す。表示ユニット４０は、システムコントローラ２０によってデータ記憶ユニット３６から読み出された地図データなどを表示画面上に表示する。表示ユニット４０は、バスライン３０を介してＣＰＵ２２から送られる制御データに基づいて表示ユニット４０全体の制御を行うグラフィックコントローラ４１と、ＶＲＡＭ（Ｖｉｄｅｏ　ＲＡＭ）等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ４２と、グラフィックコントローラ４１から出力される画像データに基づいて、液晶、ＣＲＴ（Ｃａｔｈｏｄｅ　Ｒａｙ　Ｔｕｂｅ）等のディスプレイ４４を表示制御する表示制御部４３と、ディスプレイ４４とを備える。ディスプレイ４４は、画像表示部として機能し、例えば対角５～１０インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。

　音声出力ユニット５０は、システムコントローラ２０の制御の下、ＣＤ－ＲＯＭドライブ３１又はＤＶＤ－ＲＯＭ３２、若しくはＲＡＭ２４等からバスライン３０を介して送られる音声デジタルデータのＤ／Ａ（Ｄｉｇｉｔａｌ　ｔｏ　Ａｎａｌｏｇ）変換を行うＤ／Ａコンバータ５１と、Ｄ／Ａコンバータ５１から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器（ＡＭＰ）５２と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ５３とを備えて構成されている。

　入力装置６０は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置６０は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ４４の周囲に配置される。また、ディスプレイ４４がタッチパネル方式の場合、ディスプレイ４４の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置６０として機能する。

　なお、表示ユニット４０又は／及び音声出力ユニット５０は本発明における「案内手段」、カメラ１４及びシステムコントローラ２０は本発明における「取得手段」、システムコントローラ２０は本発明における「制御手段」として機能する。

　［制御方法］
　次に、システムコントローラ２０が実行する制御方法について説明する。概略的には、システムコントローラ２０は、ルート案内時に、案内対象のルート（「推奨ルートＲＲ」とも呼ぶ。）を案内すると共に、推奨ルートＲＲと同等のトータルコストとなる目的地への他のルート（「迂回ルートＲＡ」とも呼ぶ。）を、検出した信号機の灯火状態に応じて案内する。これにより、システムコントローラ２０は、リアルタイムでの通行状況に応じて最適なルートをユーザに提示する。

　（１）処理概要
　まず、システムコントローラ２０が実行する処理概要を説明する。図２は、システムコントローラ２０が実行する処理手順を示すフローチャートである。システムコントローラ２０は、図２に示すフローチャートの処理を、所定の周期に従い繰り返し実行する。

　まず、システムコントローラ２０は、車両前方に向けられたカメラ１４が生成した画像を取得する（ステップＳ１０１）。そして、システムコントローラ２０は、画像から信号機を検出できたか否か判定する（ステップＳ１０２）。この場合、システムコントローラ２０は、例えば公知の画像認識技術を用いて、画像から信号機の表示領域が存在するか否か判定する。

　そして、システムコントローラ２０は、画像から信号機を検出した場合（ステップＳ１０２；Ｙｅｓ）、信号機の灯火状態を検出する（ステップＳ１０３）。具体的には、まず、システムコントローラ２０は、画像に表示された信号機の表示領域から赤灯火部、黄灯火部、青灯火部、及び矢印信号の灯火部の表示領域をそれぞれ公知の画像処理技術などを用いて検出する。次に、システムコントローラ２０は、検出した各灯火部の表示領域における輝度差に基づき、いずれの灯火部が点灯しているか判定する。

　次に、システムコントローラ２０は、推奨ルートＲＲでは信号待ちが発生するか否か判定する（ステップＳ１０４）。即ち、システムコントローラ２０は、検出した信号機の灯火状態に基づき、推奨ルートＲＲの進行方向が通過可能であるか否か判定する。

　そして、システムコントローラ２０は、推奨ルートＲＲでは信号待ちが発生すると判断した場合（ステップＳ１０４；Ｙｅｓ）、進行可能な迂回ルートＲＡが存在するか否か判定する（ステップＳ１０５）。即ち、システムコントローラ２０は、信号機がある交差点で推奨ルートＲＲと分岐する分岐道路を含む迂回ルートＲＡであって、信号機の灯火状態に基づき進行可能な方向にある迂回ルートＲＡが存在するか否か判定する。

　ここで、上述の迂回ルートＲＡが存在するか否かの判定方法の具体例について説明する。まず、システムコントローラ２０は、信号機の灯火状態に基づき進行可能な方向にある推奨ルートＲＲの分岐道路を認識する。そして、システムコントローラ２０は、当該分岐道路を含む目的地までのルートのうち、トータルコストが最小となるルートを探索し、探索したルートと推奨ルートＲＲとのトータルコストの差が所定差以内の場合、探索したルートを進行可能な迂回ルートＲＡとして定める。ここで、上述の所定差は、推奨ルートＲＲのトータルコストと実質的に同等と判断される差に設定される。例えば、所定差は、推奨ルートＲＲに対するトータルコストの所定割合（例えば１％～１５％）に相当する値に設定される。なお、上述の例に代えて、システムコントローラ２０は、後述する変形例２と同様、信号機の灯火状態を検出する前に、当該信号機の分岐道路が迂回ルートＲＡとなり得るか否か予め判定しておいてもよい。

　そして、システムコントローラ２０は、進行可能な迂回ルートＲＡが存在すると判断した場合（ステップＳ１０５；Ｙｅｓ）、推奨ルートＲＲと共に迂回ルートＲＡを案内する（ステップＳ１０６）。この場合、システムコントローラ２０は、迂回ルートＲＡを地図画面上に表示させてもよく、迂回ルートＲＡの存在を示す音声を音声出力ユニット５０に出力させてもよい。この具体例については、図３を参照して後述する。このように、システムコントローラ２０は、推奨ルートＲＲでは信号待ちをすることが予想される場合に、信号待ちが発生しない迂回ルートＲＡをユーザに提示することで、信号待ちを回避することができる。

　一方、システムコントローラ２０は、ステップＳ１０２において画像から信号機を検出できなかった場合（ステップＳ１０２；Ｎｏ）、推奨ルートＲＲのみを案内する（ステップＳ１０７）。即ち、この場合、システムコントローラ２０は、迂回ルートＲＡを案内しない。ステップＳ１０７の具体例については、図５を参照して後述する。同様に、システムコントローラ２０は、ステップＳ１０４において推奨ルートＲＲでは信号待ちが発生しないと判断した場合（ステップＳ１０４；Ｎｏ）、又は、ステップＳ１０５において進行可能な迂回ルートＲＡがないと判断した場合（ステップＳ１０５；Ｎｏ）、推奨ルートＲＲのみを案内する（ステップＳ１０７）。これにより、システムコントローラ２０は、不要に迂回ルートＲＡを提示することを防ぎ、表示の煩雑化を防ぐことができる。

　（２）案内例
　ここで、図２のステップＳ１０６、ステップＳ１０７における案内例について図３乃至図５を参照して説明する。ここでは、一例として、検出した信号機の灯火状態に基づき、迂回ルートＲＡを地図画面上に表示する例について説明する。なお、図３乃至図５では、説明便宜上、ディスプレイ４４に表示される地図の表示範囲が固定されている。

　図３は、図２のステップＳ１０６の実行時のディスプレイ４４の表示画面例を示す。図３において、自車位置マーク７０は、ナビゲーション装置１が案内する車両の現在地を示す。また、信号機マーク７１は、道路８１と道路８４との交差点に設けられた右折専用の矢印信号がある信号機を示し、目的地マーク７２は、道路８２沿いに存在するルート案内の目的地を示す。また、太線７３は推奨ルートＲＲを示し、細線７４Ａは迂回ルートＲＡを示す。

　図３では、信号機マーク７１の信号機は、赤灯火部７１Ｒが点灯すると共に、矢印灯火部７１ＡＲが点灯している。従って、この場合、システムコントローラ２０は、推奨ルートＲＲに従って進んだ場合には信号待ちが発生すると判断し、現在の信号機の灯火状態で進行可能な迂回ルートＲＡを探索する。ここでは、信号機マーク７１の信号機は右折可能である旨を表示していることから、システムコントローラ２０は、当該信号機がある交差点で道路８１から右折する道路８４を含むルートが迂回ルートＲＡに該当するか否か判断する。そして、システムコントローラ２０は、道路８１から道路８４、道路８５、道路８２へと順に通るルートを、進行可能な迂回ルートＲＡであると認識し、細線７４Ａによりその入口部分を表示する。このように、システムコントローラ２０は、信号機の灯火状態に応じて、進行可能な迂回ルートＲＡを表示することで、信号待ちを好適に抑制可能なルートをユーザに提示することができる。

　ここで、図３では、システムコントローラ２０は、推奨ルートＲＲを目立つ太線７３により表示すると共に、迂回ルートＲＡを推奨ルートＲＲより目立たない細線７４Ａにより入口部分だけ表示している。具体的には、システムコントローラ２０は、表示対象となる迂回ルートＲＡのうち、推奨ルートＲＲから当該迂回ルートＲＡが分岐した地点から次に右左折すべき地点までを細線７４Ａにより表示している。このように、システムコントローラ２０は、迂回ルートＲＡを入口部分のみ表示させ、かつ、当該迂回ルートＲＡを推奨ルートＲＲよりも細く表示することで、表示が煩雑化するのを抑制しつつ、迂回ルートＲＡの存在を運転者に容易に把握させる。従って、システムコントローラ２０は、ユーザの利便性を高めることができる。

　図４は、図３の細線７４Ａが示す迂回ルートＲＡに従い車両が道路８１から道路８４へ右折した後のディスプレイ４４の表示画面を示す。

　図４に示すように、この場合、システムコントローラ２０は、図３の細線７４Ａが示す迂回ルートＲＡを推奨ルートＲＲとして設定し、太線７３Ａにより表示する。また、システムコントローラ２０は、信号機マーク７１の信号機を直進する図３における推奨ルートＲＲを示す太線７３の表示を消去する。このように、システムコントローラ２０は、推奨ルートＲＲから迂回ルートＲＡへ車両が進入した場合に、当該迂回ルートＲＡを推奨ルートＲＲに設定し、目立つ態様により表示する。これにより、運転者は、車両が迂回ルートＲＡへ進入するように運転した場合であっても、迷うことなく目的地へ到着することができる。

　図５は、図２のステップＳ１０７の実行時のディスプレイ４４の表示画面例を示す。

　図５では、信号機マーク７１の信号機では、青灯火部７１Ｂが点灯していることから、車両は当該信号機がある交差点を推奨ルートＲＲに従い進行することが可能である。従って、この場合、システムコントローラ２０は、迂回ルートＲＡを表示せずに、推奨ルートＲＲのみを表示する。このように、システムコントローラ２０は、推奨ルートＲＲに従い信号待ちが発生することなく走行可能な場合には、迂回ルートＲＡの表示を抑制することで、不要に表示が煩雑化するのを抑制することができる。

　なお、図３乃至図５に示す例では、目的地と現在地とが近い場合について説明し、表示された地図上に目的地を示す目的地マーク７２が表示されていた。しかし、本発明が適用可能な表示態様は、これに限定されず、地図上に目的地が表示されていなくてもよい。また、地図の縮尺についても、ユーザが指定した任意の縮尺であってもよい。

　また、システムコントローラ２０は、迂回ルートＲＡを図３に示すように地図画面上に表示する処理に代えて、又はこれに加えて、迂回ルートＲＡを音声によりユーザに通知してもよい。これによっても、システムコントローラ２０は、信号待ちを好適に抑制可能なルートをユーザに提示することができる。

　［変形例］
　以下、実施例の各変形例について説明する。なお、これらの各変形例は、組み合わせて上述の実施例に適用してもよい。

　（変形例１）
　システムコントローラ２０は、図２のステップＳ１０５において進行可能な迂回ルートＲＡがあると判断した場合であっても、車両が当該迂回ルートＲＡへ進行するのに危険なレーンを走行中と判断した場合には、当該迂回ルートＲＡを表示しなくてもよい。

　例えば、システムコントローラ２０は、図２のステップＳ１０５において、交差点で右折又は左折する進行可能な迂回ルートＲＡがあると判断したとする。この場合、システムコントローラ２０は、さらに、車両が走行中のレーンの位置を認識する。例えば、システムコントローラ２０は、地図データに含まれる走行中の道路の各レーンの位置情報と、ＧＰＳ受信機１８が出力する位置情報、カメラ１４が撮影した前方風景に含まれるレーン画像などに基づき、現在車両が走行しているレーンの位置を認識する。そして、システムコントローラ２０は、認識したレーンの位置は、車両が迂回ルートＲＡへ進入するのに危険なレーンの位置にあるか否か判定する。例えば、システムコントローラ２０は、車両が迂回ルートＲＡへ進入するのに所定回数（例えば２回）以上車線変更が必要である場合や車線変更禁止レーンを横切らなければならない場合は、現在の走行レーンは車両が迂回ルートＲＡへ進入するのに危険なレーンであると判断する。そして、この場合には、システムコントローラ２０は、推奨ルートＲＲのみを表示し、迂回ルートＲＡを表示しない。

　また、好適には、システムコントローラ２０は、上述した車線変更の回数の閾値である所定回数を、車速に基づき定めてもよい。即ち、システムコントローラ２０は、車速が高い程、上述の所定回数を小さく設定してもよい。この場合の所定回数と車速との具体的な関係は、例えば実験等に基づき定められ、メモリに予め記憶される。

　このように、システムコントローラ２０は、安全に進入することが可能な迂回ルートＲＡのみを表示することで、安全性を高めることができる。

　（変形例２）
　システムコントローラ２０は、図２のステップＳ１０６で案内対象となり得る迂回ルートＲＡを、対応する信号機を検出する前から予め表示してもよい。これについて、図６を参照して具体的に説明する。

　図６は、変形例２に係るディスプレイ４４の表示画面例を示す。図６では、自車位置が信号機と離れていることから、システムコントローラ２０は、当該信号機の状態を認識することができていない。一方、システムコントローラ２０は、道路８１から道路８４へ分岐するルートが迂回ルートＲＡであることを認識し、当該ルートが信号機の灯火状態によっては案内対象となり得る迂回ルートＲＡであると判断する。従って、この場合、システムコントローラ２０は、道路８１から道路８４へ分岐するルートの入口部分を破線７４Ｂにより表示する。

　このように、システムコントローラ２０は、図２のステップＳ１０２で未検出の信号機がある交差点で推奨ルートＲＲと分岐する迂回ルートＲＡを表示する。これにより、システムコントローラ２０は、信号状態によっては有効な案内ルートとなり得る迂回ルートＲＡを予めユーザに認識させることができる。従って、システムコントローラ２０は、交差点に近づいたときに迂回ルートＲＡを突然案内することに起因して、運転者を動揺させるのを防ぐことができる。

　ここで、変形例２における迂回ルートＲＡの表示態様について補足説明する。システムコントローラ２０は、図３では迂回ルートＲＡを実線７４Ａで表示したのに対し、図６では迂回ルートＲＡを実線７４Ａより目立たない破線７４Ｂにより表示している。このように、システムコントローラ２０は、好適には、ステップＳ１０６で表示対象となる迂回ルートＲＡの表示よりも、ステップＳ１０６で表示対象となり得る迂回ルートＲＡを目立たない態様で表示するとよい。また、図３及び図６に示す表示態様の他、システムコントローラ２０は、ステップＳ１０６で表示する際の迂回ルートＲＡを濃く又は／及び太く表示し、図２のステップＳ１０６で案内対象となり得る迂回ルートＲＡを薄く又は／及び細く表示してもよい。このようにすることで、システムコントローラ２０は、ステップＳ１０６で表示対象となる迂回ルートＲＡと、ステップＳ１０６で表示対象となり得る迂回ルートＲＡとをユーザに判別させることができる。なお、これらの場合であっても、システムコントローラ２０は、推奨ルートＲＲをいずれの迂回ルートＲＡよりも目立つ態様で表示する。

　次に、変形例２における迂回ルートＲＡの算出タイミングについて具体的に説明する。第１の例では、システムコントローラ２０は、地図の表示範囲内に存在する信号機がある交差点での推奨ルートＲＲの分岐道路の各々を対象に、当該分岐道路を含むルートのトータルコストを計算する。そして、システムコントローラ２０は、上述のトータルコストが最小となるルートの各々について、迂回ルートＲＡに該当するか否か判定する。従って、この場合、システムコントローラ２０は、信号機がある交差点での推奨ルートＲＲの分岐道路が地図の表示領域内に表示される毎に、当該分岐道路を含むルートを対象にトータルコストを計算し、推奨ルートＲＲのトータルコストと所定差以内のトータルコストとなるルートを、ステップＳ１０６で案内対象となり得る迂回ルートＲＡとして定める。

　第２の例では、システムコントローラ２０は、推奨ルートＲＲを決定した場合に、信号機がある交差点での推奨ルートＲＲの分岐道路の各々について、迂回ルートＲＡを構成する道路になり得るか否か判定する。この場合、システムコントローラ２０は、上述の分岐道路を通過した場合にトータルコストが最小となるルートをそれぞれ算出し、推奨ルートＲＲのトータルコストと所定差以内のトータルコストとなるルートを、ステップＳ１０６で案内対象となり得る迂回ルートＲＡとして定める。

　（変形例３）
　システムコントローラ２０は、図２のステップＳ１０５で進行可能な迂回ルートＲＡがある場合であっても、当該迂回ルートＲＡが渋滞中であると判断した場合には、推奨ルートＲＲのみを案内し、迂回ルートＲＡを案内しなくてもよい。この場合、システムコントローラ２０は、例えば、ＶＩＣＳセンタから配信される渋滞情報に基づき迂回ルートＲＡの渋滞の有無を判定する。これにより、システムコントローラ２０は、案内した迂回ルートＲＡに進んだことで却って到着時刻が遅くなるのを回避することができる。

　同様に、システムコントローラ２０は、図２のステップＳ１０５で進行可能な迂回ルートＲＡがある場合であっても、自車が渋滞に巻き込まれている場合には、推奨ルートＲＲのみを案内し、迂回ルートＲＡを案内しなくてもよい。この場合、システムコントローラ２０は、迂回ルートＲＡに進行した場合であっても同様に渋滞していると判断し、迂回ルートＲＡを案内しない。この場合、システムコントローラ２０は、例えば、ＶＩＣＳセンタから配信される渋滞情報に基づき自車が渋滞に巻き込まれているか判定する。他の例では、システムコントローラ２０は、信号機から所定距離以上離れた場所で車速が所定速度以下である状態が所定時間幅だけ続いた場合、自車が渋滞に巻き込まれていると判断する。上述の所定距離、所定速度、及び所定時間幅は、例えばそれぞれ実験等に基づき予め適合値に定められる。

　このように、変形例３によれば、システムコントローラ２０は、迂回ルートＲＡを不要に表示することにより運転者に運転上の負荷をかけるのを抑制することができる。

　（変形例４）
　図３等に示す画面表示例では、システムコントローラ２０は、迂回ルートＲＡを、推奨ルートＲＲよりも細く表示していた。しかし、本発明が適用可能な迂回ルートＲＡの表示態様は、これに限定されない。

　これに代えて、又は、これに加えて、システムコントローラ２０は、例えば、推奨ルートＲＲを実線により表示し、迂回ルートＲＡを破線により表示してもよい。他の例では、システムコントローラ２０は、推奨ルートＲＲを目立つ色により表示し、迂回ルートＲＡを目立たない色により表示してもよい。これらの場合であっても、好適に、システムコントローラ２０は、迂回ルートＲＡを推奨ルートＲＲよりも目立たない態様により表示し、表示の煩雑化を抑制することができる。

　また、図３等に示す表示画面例では、システムコントローラ２０は、迂回ルートＲＡを、推奨ルートＲＲとの分岐地点から迂回ルートＲＡの次の右左折地点まで表示した。これに代えて、システムコントローラ２０は、迂回ルートＲＡの表示する長さを、所定の長さに設定してもよい。この場合、上述の所定の長さは、ユーザが当該地図画面を見た場合に、迂回ルートＲＡの存在を視認可能な長さに設定される。この場合であっても、システムコントローラ２０は、迂回ルートＲＡの存在を好適にユーザに認識させつつ、表示が煩雑化するのを好適に抑制することができる。

　本発明は、車載用ナビゲーション装置、ＰＮＤ（Ｐｏｒｔａｂｌｅ／Ｐｅｒｓｏｎａｌ　Ｎａｖｉｇａｔｉｏｎ　Ｄｅｖｉｃｅ）、携帯型端末などのナビゲーション機能を有する装置に好適に適用される。

　１　ナビゲーション装置
　１０　自立測位装置
　１４　カメラ
　１８　ＧＰＳ受信機
　２０　システムコントローラ
　２２　ＣＰＵ
　３６　データ記憶ユニット
　３８　通信装置
　４０　表示ユニット
　４４　ディスプレイ
　６０　入力装置

Claims

　目的地までのルート案内を行うナビゲーション装置であって、
　料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つの条件で検索された目的地への推奨ルートを案内する案内手段と、
　前記推奨ルート上の前方の信号機の現在の状態を取得する取得手段と、
　前記信号機の現在の状態に応じて、前記推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートを前記案内手段に案内させる制御手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
　前記取得手段は、撮影手段により撮影された前記前方の信号機を含む風景の画像情報から前記信号機の現在の状態を取得することを特徴とする請求項１に記載のナビゲーション装置。
　前記案内手段は、前記推奨ルートを表示で案内すると同時に、前記他の案内ルートを前記推奨ルートより目立たない形態で表示しておくことを特徴とする請求項１または２に記載のナビゲーション装置。
　前記ナビゲーション装置と共に移動する車両が走行中のレーンを検出する検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記他の案内ルートへの進行が危険なレーンを前記車両が走行中の場合には、前記他の案内ルートを前記案内手段に案内させないことを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
　前記制御手段は、料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つに関するコストの案内ルートごとの合算値であるトータルコストが前記推奨ルートのトータルコストと所定の差以内となる案内ルートを、前記推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートであるとみなすことを特徴とする請求項１乃至４のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
　前記制御手段は、前記信号機の現在の状態が、前記推奨ルートへの進行方向に対して停止すべき旨を示し、かつ、前記推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートへの進行方向に対して進行可能である旨を示す状態の場合に、当該他の案内ルートを前記案内手段に案内させることを特徴とする請求項１乃至５のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
　目的地までのルート案内を行い、料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つの条件で検索された目的地への推奨ルートを案内する案内手段を有するナビゲーション装置が実行する制御方法であって、
　前記推奨ルート上の前方の信号機の現在の状態を取得する取得工程と、
　前記信号機の現在の状態に応じて、前記推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートを前記案内手段に案内させる制御工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
　目的地までのルート案内を行い、料金、距離、道幅、燃費、または所要時間の少なくともいずれか一つの条件で検索された目的地への推奨ルートを案内する案内手段を有するナビゲーション装置が実行するプログラムであって、
　前記推奨ルート上の前方の信号機の現在の状態を取得する取得手段と、
　前記信号機の現在の状態に応じて、前記推奨ルートと同一の条件で検索された他の案内ルートを前記案内手段に案内させる制御手段
として前記ナビゲーション装置を機能させることを特徴とするプログラム。
　請求項８に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。