WO2013129034A1

WO2013129034A1 - 携帯型超音波診断装置

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Publication number: WO2013129034A1
Application number: PCT/JP2013/052493
Authority: WO
Inventors: 啓悟二宮; 雅山本; 美雪加賀
Original assignee: 日立アロカメディカル株式会社
Priority date: 2012-02-27
Filing date: 2013-02-04
Publication date: 2013-09-06
Also published as: CN104135942A; US20150025386A1; JP6067673B2; JPWO2013129034A1; CN104135942B

Abstract

　携帯型超音波診断装置において、ユーザの負担を増加させることなく、ハードウェアの劣化を抑制する技術を提供するため、モニタが配置される蓋筐体の開閉に応じて携帯型超音波診断装置内部の処理を制御する。特に、蓋筐体が閉じられた場合、超音波の出力を停止させるだけでなく、装置内部で実行中の処理を適切に終了させ、電源を切る。このとき、実行中の処理を中断してキャンセルし、実行待ちの処理はキャンセルする。キャンセルした情報は、記憶装置に記憶する。

Description

携帯型超音波診断装置

　本発明は、携帯型超音波診断装置に係り、特に、モニタの開閉に呼応した制御技術に関する。

　超音波診断装置は、生体の軟部組織の断層像や生体内を流れる血流像等をほぼリアルタイムでモニタに表示して観察できるため、医療の分野で広く用いられている。往診などの出張検査や、入院被検者のベッドサイドでの診断などのため、ハンドキャリー型またはハンドヘルド型などのバッテリを搭載した携帯型モデルが普及している。携帯型モデルの超音波診断装置は、一般に、本体筐体と、モニタを備える蓋筐体とからなる、いわゆるノートパソコン型の構成を有する(例えば、特許文献1参照)。このようなノートパソコン型の超音波診断装置(以下、携帯型超音波診断装置と呼ぶ。)では、使用時は蓋筐体を開けてモニタを観察しながら処理を行う。また、不使用時は蓋筐体を閉じ、モニタを本体筐体に収納する。

　一般に、超音波診断装置は、一定時間操作されない場合、自動的に超音波の打ち出しを停止する自動フリーズと呼ばれる機能を備える(例えば、特許文献2参照)。これは、継続的な超音波出力による超音波探触子の劣化を防ぐためである。

特開2011-72584号公報特開平1-68239号公報

　超音波診断装置内では、超音波探触子からの超音波の出力以外に種々の処理が行われる。このため、たとえ自動フリーズ機能により超音波探触子からの超音波の出力が停止したとしても、超音波探触子以外の多くのハードウェアは動作し続ける。特許文献1に記載の携帯型超音波診断装置の場合、モニタが本体に収納されるため、モニタに出力される映像から携帯型超音波診断装置の電源の状態、実行中の全ての処理が終了したか否か、を確認することが難しい。その結果、通電された状態で放置され、ハードウェアの劣化が進みやすい。

　本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、携帯型超音波診断装置において、ユーザの負担を増加させることなく、ハードウェアの劣化を抑制する技術を提供することを目的とする。

　本発明は、携帯型超音波診断装置において、モニタが配置される蓋筐体の開閉に応じて携帯型超音波診断装置内部の処理を制御する。特に、蓋筐体が閉じられた場合、超音波の出力を停止させるだけでなく、装置内部で実行中の処理を適切に終了させ、電源を切る。

　このとき、実行中の処理を中断してキャンセルし、実行待ちの処理はキャンセルする。キャンセルした情報は、記憶装置に記憶する。

　具体的には、超音波を生成して超音波探触子に送信するとともに当該超音波探触子から超音波を受信する超音波送受信部、前記超音波送受信部で受信した超音波に基づいて超音波画像を形成する超音波画像形成部、および、制御部を備える本体筐体と、前記超音波画像を表示する表示装置を備え、前記本体筐体に対し開閉可能に取り付けられる蓋筐体とを備え、前記制御部は、前記蓋筐体が閉じられると、当該携帯型超音波診断装置を終了させる自動終了部と、当該携帯型超音波診断装置において実行中および実行予定の処理を安全に終了させる安全終了処理を行う安全終了部と、を備えることを特徴とする携帯型超音波診断装置を提供する。

　本発明によれば、携帯型超音波診断装置において、ユーザの負担を増加させることなく、ハードウェアの劣化を抑制できる。

(a)は、第一の実施形態の携帯型超音波診断装置の外観図、(b)は、第一の実施形態の携帯型超音波診断装置のブロック図第一の実施形態の制御部の機能ブロック図第一の実施形態の自動終了処理のフローチャート第一の実施形態の安全終了処理のフローチャート第一の実施形態の自動終了後起動処理のフローチャート第二の実施形態の自動終了処理のフローチャート第二の実施形態の検査情報記憶処理のフローチャート第二の実施形態の自動終了後起動処理のフローチャート第三の実施形態の携帯型超音波診断装置のブロック図第三の実施形態の制御部の機能ブロック図第三の実施形態の自動終了処理のフローチャート第四の実施形態の制御部の機能ブロック図第四の実施形態の自動終了処理のフローチャート第五の実施形態の自動終了処理のフローチャート第六の実施形態の制御部の機能ブロック図第六の実施形態の自動終了処理のフローチャート第六の実施形態の転送準備処理のフローチャート (a)および(b)は、第六の実施形態の警告メッセージ例を説明するための説明図本発明の実施形態の自動終了処理の変形例のリセット処理関連箇所のフローチャート本発明の実施形態の自動終了処理の変形例のフローチャート

　<<第一の実施形態>>
　本発明を適用する第一の実施形態を説明する。以下では、同一機能を有するものは同一符号を付し、繰り返しの説明は省略する。本実施形態では、表示装置であるモニタが開閉可能に装着される携帯型超音波診断装置において、モニタが閉じられてから所定時間後に自動的に安全に装置への通電を停止する。このとき、実行中の処理を記憶し、再起動時に再開できるようにする。

　まず、本実施形態の携帯型超音波診断装置100について図1(a)および(b)を用いて説明する。図1(a)は、携帯型超音波診断装置100の外観図であり、図1(b)は、携帯型超音波診断装置100のブロック図である。携帯型超音波診断装置100は、被検体101内に超音波を送信し受信して得られたエコー信号を用いて診断部位の2次元超音波画像、3次元超音波画像或いは各種ドプラ画像を構成して表示する。図1(a)に示すように、携帯型超音波診断装置100は構造体として、主な処理機能を持つ処理装置、操作者から指示を受け付けるインタフェイスである操作部(コントロールパネル)111、各部に電力を供給する電源112を格納する本体筐体110と、画像、情報、メッセージ等を表示するモニタ121を備える蓋筐体120と、被検体101に超音波を送信して反射したエコーを受信する超音波探触子130と、を備える。超音波探触子130は、本体筐体110にケーブル131を介して接続される。

　また、モニタ121を備える蓋筐体120は、本体筐体110に対して開閉可能に取り付けられる。なお、モニタ121は、蓋筐体120が閉じられた際、本体筐体110側になるよう配置される。従って、本実施形態では、蓋筐体120が閉じられると、映像出力を確認するモニタ121が操作部111と向かい合わせになるよう伏せられ、目視により瞬時に携帯型超音波診断装置100が通電状態であるか否かの確認が難しくなる。

　処理装置は、被検体101に送信する超音波信号を発生するためのパルス状の電気信号を発生し、これを超音波探触子130に送信するとともに、超音波探触子130で受信したエコー信号を電気信号に変換する超音波送受信部113と、超音波送受信部113で受診した電気信号から2次元超音波画像、3次元超音波画像或いは各種ドプラ画像を形成する超音波画像形成部114と、各部を制御する制御部200と、を備える。超音波画像形成部114で形成された画像は、モニタ121に表示される。

　なお、処理装置は、CPUとメモリと記憶装置とを備え、記憶装置に格納されたプログラムをメモリにロードしてCPUが実行することにより、超音波送受信部113、超音波画像形成部114、制御部200の各部の処理を実現する。

　超音波探触子130は、複数の振動子素子をアレイ化して該超音波探触子の長軸方向に1～mチャンネル分配列されて成る。超音波送受信部113は、前述したように、超音波探触子130に送波パルスを供給すると共に受信したエコー信号を処理するもので、その内部には、超音波探触子130を制御して超音波ビームの送信を行なう送信部と、送信された超音波ビームの被検体101内からのエコー信号を受信する受信部と、受信部で受信したエコー信号を直交検波して複素信号に変換する複素信号変換部と、これらの各部を制御する超音波送受信制御部とを備える。

　超音波画像形成部114は、超音波送受信部113の複素信号変換部で変換した複素信号を用いて超音波断層像を形成するもので、複素信号を用いて検査対象の超音波画像情報を生成する超音波画像情報生成部と、生成された超音波画像情報をテレビ表示画像パターンに走査変換して超音波画像データを生成するディジタルスキャンコンバータ部(Digital Scan Converter；以下、DSC部と記す)と、DSC部で走査変換して得られた画像データに基づく画像に付帯するためのスケールやマーク及び文字等のグラフィックデータを生成するグラフィックデータ生成部と、DSC部で生成した超音波画像データとグラフィックデータ生成部で生成したグラフィックデータとを合成して記憶する合成記憶部と、制御部200からの指示に従って、超音波画像情報を生成する超音波画像情報生成部、DSC部、グラフィックデータ生成部及び合成記憶部の各種処理に必要な初期値や制御パラメータ等を読み出して該超音波画像情報生成部、DSC部、グラフィックデータ生成部及び合成記憶部に設定するためのインタフェィスである超音波画像形成部のインタフェィスと、を備える。

　モニタ121は、例えば、CRTモニタ、液晶モニタなどにより構成される。操作部111は、各種キーを有するキーボードと、トラックボール等を備える。

　電源112は、ACケーブル接続時はAC電源を供給し、ACケーブル非接続時は、バッテリから電源を装置に供給する。バッテリは電源を供給するだけでなく、バッテリ残容量、使用可能推定時間等、バッテリに関する情報を制御部200に通知する。

　蓋筐体120、本体筐体110、モニタ121または操作部111のいずれかは、蓋筐体120が閉じられ、モニタ121が本体110に収納されたことを検出するセンサ(不図示)を備える。センサは、蓋体が閉じられたことを検出すると、閉信号を制御部200に出力し、開けられたことを検出すると、開信号を制御部200に出力する。なお、センサは、所定の時間毎に、現在蓋筐体120が閉じられているか、開けられているかを示す信号を、制御部200に出力するよう構成してもよい。

　記憶部230は、ハードディスク等のストレージデバイス、一時記憶メモリRAM等から構成される。

　次に、本実施形態の制御部200について説明する。
　本実施形態の制御部200は、操作部111からの指示に従って、または、予め記憶装置に格納された設定に従って、携帯型超音波診断装置100の各部の動作を制御するとともに、蓋筐体120が閉じられ、モニタ121が本体筐体110に収納された際、携帯型超音波診断装置100を、自動的に安全に終了させる。

　以後、本明細書では、蓋筐体120が閉じられ、モニタ121が本体筐体110に収納されることを、モニタ121が閉じられる、と呼ぶ。また、蓋筐体120が閉じられた状態から開けられた状態となることを、モニタ121が開けられると呼ぶ。また、携帯型超音波診断装置100を終了させるとは、携帯型超音波診断装置100への電力の供給を断つ、すなわち、携帯型超音波診断装置100の電源をOFFにする(電源を切る、シャットダウンする。)ことを意味する。

　携帯型超音波診断装置100では、超音波を送受信し、画像を形成する以外に、画像を表示する処理、表示されている画像にコメントを入力する処理、表示されている画像の計測を行う処理、形成した画像および計測結果等を携帯型超音波診断装置100が備えるハードディスク等のストレージデバイスに保存する処理、ストレージデバイスに保存されている画像および計測結果等を外部メディア等に転送する処理などが実行される。

　これらの処理には、処理が完了するまで時間を要するものがある。また、実行途中に不用意に電力の供給を断つ(電源をOFFする)と、データが破損したり、エラーが発生したりするものもある。本実施形態の制御部200は、これを踏まえ、モニタ121が閉じられてから所定の時間経過後に、データの破損やエラーの発生無く、安全に実行中の処理を終了させ、携帯型超音波診断装置100の電源をOFFにする。

　図2は、本実施形態の制御部200の機能ブロック図である。本図に示すように、本実施形態の制御部200は、各部の動作を制御する動作制御部210と、モニタ121が閉じられてから所定時間経過後、携帯型超音波診断装置100を自動的に安全に終了させる自動終了処理を行う自動終了部220と、動作の制御に必要なデータ、各種の処理に必要なデータ、動作の結果得られたデータ、各種の処理の結果得られたデータ等を記憶する記憶部230と、を備える。

　自動終了部220は、モニタ開閉監視部221と、時間計測部222と、終了条件設定部223と、安全終了部224と、電源制御部225と、を備える。また、記憶部230は、終了条件記憶部231と、キャンセル処理記憶部232と、検査情報記憶部233と、検査結果記憶部234と、を備える。

　検査情報記憶部233には、携帯型超音波診断装置100で、超音波画像を取得する、取得した超音波画像を用いて計測を行う、等のために必要な各種の検査情報が記憶される。検査情報は、例えば、被検体101に関する情報(被検体情報)と、携帯型超音波診断装置100の設定情報(装置設定情報)と、などである。被検体情報は、被検体101の患者情報、検査対象部位の情報、検査種別情報などである。また、装置設定情報は、画質パラメータの設定値などである。

　検査結果記憶部234には、携帯型超音波診断装置100で取得した超音波画像、取得した超音波画像を用いた計測結果、等が記憶される。

　動作制御部210は、検査情報記憶部233に記憶される検査情報の中から、ユーザから実行を指定された検査に用いる検査情報を抽出し、抽出した検査情報を用い、携帯型超音波診断装置100の各部を制御して超音波診断画像を取得し、検査結果記憶部234に記憶する。

　モニタ開閉監視部221は、モニタ121の開閉を監視する。本実施形態では、モニタ121に備えられるセンサからの、閉信号または開信号を受信する。

　時間計測部222は、モニタ開閉監視部221が閉信号を受信すると、経過時間の計測を開始する。経過時間の測定は、後述する終了遅延時間として設定された時間が経過するまで、または、モニタ開閉監視部221から開信号を受信するまで行う。

　終了条件設定部223は、操作部111を介した操作者からの、自動終了処理に係る各種の設定を受け付け、終了条件記憶部231に保存する。終了条件記憶部231に記憶される終了条件は、例えば、モニタ121が閉じられてから、携帯型超音波診断装置100全体の電源をOFFするまでの時間である終了遅延時間T、自動終了時設定、自動終了後の起動時の通知の有無がある。なお、終了条件は、予め初期値を保持しておいてもよい。
　初期値が保存されている場合、操作者からの設定が無い場合、初期値を用いる。

　自動終了時設定は、モニタ121が閉じられてから終了遅延時間T経過後に、その時点で実行中の処理を中断してキャンセルするか、実行を終えるまで待つ(待機)かの否かの設定である。なお、自動終了時設定は、全ての処理について、同じ条件としてもよいし、処理毎に設定してもよい。例えば、表示画像の計測を行う処理の場合、処理完了まで待機し、外部メディアへのデータ転送処理の場合、処理途中でキャンセルするといった設定を行っても良い。この場合、携帯型超音波診断装置100で実行される可能性のある処理毎に、操作者から指定を受け付ける。また、予め処理毎に、自動終了時設定の初期値を登録しておいてもよい。

　例えば、終了遅延時間Tとして30分が設定され、モニタ121が閉じられる直前に、データ転送完了まで1時間を要するデータの転送が開始されている場合、モニタ121が閉じられてから30分が経過した時点で強制的に携帯型超音波診断装置100の電源をOFFすると、データの破損や損失などが発生する可能性がある。このような事態を避けるため、本実施形態では、データの退避などのキャンセル処理を行う、または、全ての転送が終わるまで待つ、といった安全終了処理を行ってから、電源をOFFする。

　自動終了後の起動時の通知の有無は、直前の終了が、本実施形態の自動終了部220による自動終了処理によるものであることを操作者に通知するか否かの設定である。通知する、と設定されると、操作者は、直前の終了が、操作者の電源OFFによるものか、自動終了であるかを識別することができる。なお、本実施形態では、自動終了の場合、前回の終了時にキャンセルされた処理が再開される。

　なお、終了遅延時間Tは、操作者が操作部111から設定する場合、その上限値を予め設けておいてもよい。これにより、予め定めた時間内に確実に自動終了処理を行うことができる。

　安全終了部224は、自動終了時設定に従って、実行中の処理および実行待ちの処理を安全に終了させる安全処理を行う。具体的には、自動終了時設定が、実行中の処理および実行待ちの処理をキャンセルするものであれば、その時点で実行している処理を中断してキャンセルする。このとき、キャンセルした処理を特定する情報等をキャンセル情報として、キャンセル処理記憶部232に記憶し、通常の終了処理を行い、電源制御部225に処理終了を通知する。一方、実行中および実行待ちの全ての処理の終了を待つものであれば、全ての処理の終了を待ち、通常の終了処理を行い、電源制御部225に処理終了を通知する。

　ここで、キャンセル情報としてキャンセル処理記憶部232に記憶する情報は、実行中であった処理については、例えば、処理を特定可能な情報に対応づけた進捗状況を示す情報、などである。進捗状況を示す情報は、具体的には、データ転送処理を途中でキャンセルする場合、どこまで転送が完了したかを示す情報、転送されていないデータを特定する情報、などである。また、実行待ちの処理については、処理を特定可能な情報に対応づけた実行されなかったことを示す情報とする。

　実行中の処理のキャンセル処理は、一般の処理のキャンセル同様、中断可能な処理ステップまで実行し、必要に応じて処理に用いる各種データの退避などを行うものとする。

　また、通常の終了処理は、携帯型超音波診断装置100内で、定常的に実行されているアプリケーション、例えば、画像データ管理のために使用するデータベースエンジンなどを停止し、超音波診断装置駆動用ソフトウェアを終了させ、処理装置のオペレーティングシステム(Operating System；以後OSと記述する。)を終了させるものである。

　電源制御部225は、電源112から携帯型超音波診断装置100内の各部への電源112からの電源の供給を制御する。例えば、モニタ開閉監視部221が閉信号を受信すると、超音波送受信部113への電力の供給を停止し、超音波の出力を停止させる。また、同じくモニタ開閉監視部221が閉信号を受信すると、モニタ121および操作部111への電力の供給を停止する。さらに、安全終了部224から処理終了の通知を受信すると、携帯型超音波診断装置100全体の電源をOFFする。

　次に、本実施形態の自動終了部220による自動終了処理の流れを説明する。図3は、本実施形態の自動終了処理の処理フローである。本実施形態の自動終了処理は、モニタ開閉監視部221が、モニタ121から閉信号を受信したことを契機に開始される。また、各種の終了条件は、予め終了条件設定部223を介して設定され、終了条件記憶部231に保持される。なお、予め初期値が終了条件記憶部231に保持されていてもよい。

　モニタ開閉監視部221が閉信号を受信すると、時間計測部222は、時間の計測を開始する(ステップS1001)。そして、電源制御部225は、超音波送受信部113、モニタ121、操作部111への電力の供給を停止し、超音波の出力を停止し、モニタ121および操作部111の電源をOFFする(ステップS1002)。これにより、モニタ121の映像出力と、操作部111のLEDとをOFFにし、携帯型超音波診断装置100の電力消費を低減させる、また、超音波探触子130からの超音波の送受信を停止し、超音波像をフリーズ状態にする。

　その後、自動終了部220は、終了条件記憶部231に記憶された、終了遅延時間Tの経過を待つ(ステップS1004)。なお、この間、蓋筐体120が開けられ、モニタ開閉監視部221が開信号を受信すると(ステップS1003)、自動終了部220は、時間計測部222に、時間の計測を停止させ、電源制御部225に、モニタ121と操作部111への電源112からの電力の供給を再開させ(ステップS1009)、自動終了処理を終了する。

　なお、終了遅延時間T間に、蓋筐体120が開けられた場合、超音波送受信部113への電力の供給は再開しない。従って、超音波像のフリーズ状態が維持されたまま、モニタ121の映像出力と操作部111のLEDがONになる。超音波送受信部113における超音波の送受信の停止を解除するには、操作部111を介して手動で行う。

　開信号を受信することなく、終了遅延時間Tが経過すると、自動終了部220は、実行中の処理および／または実行待ちの処理があるか否かを判別する(ステップS1005)、あると判別した場合、安全終了部224に安全終了処理を実行させる(ステップS1006)。そして、キャンセル処理記憶部232に、直前の終了が自動終了処理であることを記憶する(ステップS1007)。ここでは、例えば、自動終了フラグなどを設定する。そして、電源制御部225に、携帯型超音波診断装置100全体の電源をOFFさせ(ステップS1008)、自動終了処理を終了する。なお、ステップS1005で無し、と判別された場合、ステップS1006の安全終了処理を行わずに、ステップS1007の処理に移行する。

　次に、ステップS1006の、安全終了部224による安全終了処理について説明する。図4は、本実施形態の安全終了処理の処理フローである。上述のように、本処理は、終了遅延時間T経過後、実行中または実行待ちの処理がある場合に実行される。

　安全処理部は、終了条件記憶部231を参照し、自動終了時設定が、キャンセルであるか、待機であるかを判別する(ステップS1101)。

　キャンセルである場合、実行中の処理を中断し、キャンセル処理記憶部232に上述のキャンセル情報を記憶する(ステップS1102)。そして、記憶した実行中であった処理および実行待ちの処理をキャンセルし(ステップS1103)、処理を終了する。

　一方、自動終了時設定が、待機である場合、実行中の処理および実行待ちの処理の実行が完了するまで待つ(ステップS1105)。そして、処理を終了する。

　なお、自動終了時設定が待機である場合、実行中の処理のみ完了させ、実行待ちの処理はキャンセルするよう構成してもよい。この場合、ステップS1105において、実行をキャンセルした実行待ちの処理を特定する情報を、キャンセル情報としてキャンセル処理記憶部232に記憶する。

　なお、自動終了時設定は、個々の処理について、異なる設定としてもよい。個々の処理について異なる終了時設定がなされている場合、の安全終了部224による安全終了処理は、以下のとおりとする。

　実行中の処理および実行待ちの処理全てについて、その設定を判断する。そして、キャンセル設定の処理については、キャンセルし、キャンセル情報をキャンセル処理記憶部232に記憶する。一方、待機の処理については、順次実行する。そして、待機と設定されている全ての処理の終了を待ち、安全終了処理を終了する。

　次に、直前の終了が、上述の自動終了の場合の、本実施形態の携帯型超音波診断装置100の起動時の処理(自動終了後起動処理)を説明する。図5は、本実施形態の自動終了後起動処理の処理フローである。なお、制御部200は、直前の終了が自動終了であるか否かを、キャンセル処理記憶部232内の自動終了処理フラグの有無で判別する。すなわち、制御部200は、起動直後にキャンセル処理記憶部232を参照し、自動終了処理フラグが設定されていれば、自動終了後起動処理を行う。なお、制御部200は、自動終了後起動処理の開始直後に、自動終了フラグの設定をはずす。

　制御部200は、終了条件設定部223を参照し、自動終了であることを通知するか否かを判別する(ステップS1201)。通知するものである場合、直前の終了が自動終了であることを示すメッセージをモニタ121に表示させる(ステップS1202)。メッセージは予め作成し、記憶部230に保持しておく。通知するとの設定がない場合は、そのままステップS1203へ進む。

　そして、制御部200は、キャンセル処理記憶部232を参照し、直前の自動終了においてキャンセルした処理があるか否かを判別する(ステップS1203)。そして、キャンセルした処理がある場合、当該処理を中断箇所から再開する(ステップS1204)。
　そして、自動終了後起動処理を終了する。なお、ステップS1203でキャンセルした処理がない場合は、そのまま自動終了後起動処理を終了する。

　なお、ここでは、自動終了処理フラグの有無により、自動終了後起動処理を行うか否かを判別しているが、これに限られない。例えば、キャンセルした処理の有無により判別してもよい。この場合、制御部200は、起動時にキャンセル処理記憶部232を参照し、キャンセルした処理があれば、自動終了後起動処理を行う。なお、この場合、自動終了フラグを設定する処理は不要である。

　また、自動終了後起動処理において、キャンセルした処理がある場合、キャンセルした処理をモニタ121に表示し、再開するか否か、実行するか否かの選択をユーザから受け付けるよう構成してもよい。提示は、モニタ121に、キャンセルされた処理を特定する情報を表示する等により行う。

　以上説明したように、本実施形態の携帯型超音波診断装置100は、超音波を生成して超音波探触子に送信するとともに当該超音波探触子から超音波を受信する超音波送受信部113、超音波送受信部113で受信した超音波に基づいて超音波画像を形成する超音波画像形成部114、および、制御部200を備える本体筐体110と、超音波画像を表示する表示装置(モニタ121)を備える蓋筐体120と、を備える携帯型超音波診断装置100であって、蓋筐体120は、本体筐体110に対し開閉可能に取り付けられ、制御部200は、蓋筐体120が閉じられると、当該超音波診断装置100を終了させる(当該携帯型超音波診断装置100への電源の供給を遮断させる)自動終了部220と、当該携帯型超音波診断装置100において実行中および実行予定の処理を安全に終了させる安全終了処理を行う安全終了部224と、を備える。

　安全終了部224は、蓋筐体120と本体筐体110とが閉じられてから予め定めた時間である終了遅延時間経過後、安全終了処理を行ってもよい。また、安全終了部224は、実行中の処理および実行予定の処理をキャンセルするとともに、当該キャンセルした処理に対応づけて、キャンセル時の進捗状況を保持してもよい。

　さらに、制御部200は、前回の終了が自動終了部による終了の場合、当該携帯型超音波診断装置起動時に、進捗状況に対応付けられて保持される処理を、キャンセル時の状態から再開してもよい。

　また、自動終了部220は、蓋筐体120が閉じられると、超音波送受信部113および表示装置(モニタ121)への電力の供給を遮断するよう構成してもよい。また、自動終了部220は、終了遅延時間の間に蓋筐体120が開けられた場合、表示装置(モニタ121)への電力の供給を再開するよう構成してもよい。

　さらに、安全終了部224は、ユーザの設定に応じて、実行中の処理については、当該処理が終了するまで待つよう構成してもよい。

　このように、本実施形態によれば、モニタ121の開閉を監視し、モニタ121が閉じられてから所定時間経過後、実行中の処理および実行待ちの処理を安全にキャンセルし、携帯型超音波診断装置100の電源をOFFする。従って、本実施形態によれば、モニタ121が閉じられ、モニタ121に出力される映像が確認できない状態においても、長時間、携帯型超音波診断装置100に通電されることがない。このため、長時間通電によるハードウェアの劣化を防止することができる。また、自動終了時に実行中の処理を安全に終了させるため、データの破損や損失を防止することができる。すなわち、確実に検証を実施した範囲内でのみ超音波診断装置が使用されるようになるため、超音波診断装置使用における安全性を向上することができる。

　また、直前の終了が自動終了であった場合、次に起動時にキャンセルされた処理を再開する。従って、処理がキャンセルされたまま放置されることなく、実行される。従って、本実施形態によれば、ユーザが意図した処理を放棄することなく、携帯型超音波診断装置100の不使用時に安全かつ適切に電源をOFFすることができる。

　なお、上記実施形態では、自動終了のタイミングを、設定した所定の時間(終了遅延時間T)経過後としたが、これに限られない。例えば、実行中の処理が全て終了した場合、としてもよい。この場合、時間計測部222は不要である。また、上記自動終了処理のフローにおいて、ステップS1004における設定時間の経過を判別する処理も不要となる。その代わり、実行中の処理の実行の終了を判別する処理終了判別部を設ける。そして、処理終了判別部は、ステップS1005で実行中の処理があると判別された場合、当該処理の進捗を監視し、終了後、装置電源をOFFする。なお、この進捗監視中に、安全終了部224に、実行待ちの処理を記憶させるとともに、安全にキャンセルさせる。

　<<第二の実施形態>>
　次に、本発明を適用する第二の実施形態について説明する。本実施形態では、自動終了を行った場合、実行中および／または実行待ちの処理の情報に加え、自動終了時の検査情報を記憶する。

　本実施形態の携帯型超音波診断装置100の構成および制御部200の機能ブロックは、第一の実施形態と基本的に同様である。ただし、本実施形態では、上述のように自動終了時に記憶する情報が第一の実施形態と異なる。従って、自動終了部220の処理、終了条件記憶部231に記憶される終了条件およびキャンセル処理記憶部232に記憶される情報が異なる。以下、本実施形態について、第一の実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。

　本実施形態の自動終了部220は、安全終了処理後、または、終了遅延時間T経過後、自動終了時に行っていた検査の、または、自動終了直前に行っていた検査の、検査情報をキャンセル処理記憶部232に記憶する。記憶する検査情報は、上述のように、モニタ121が閉じられた際、または、直前に、携帯型超音波診断装置100で実行されていた検査に関するものとする。従って、本実施形態では、キャンセル処理記憶部232に、第一の実施形態で記憶されるキャンセル情報に加え、上記検査情報が記憶される。

　また、終了条件記憶部231には、第一の実施形態で記憶される終了条件に加え、検査情報を記憶するか否か、自動終了後起動処理時に、自動終了時と同条件で検査を再開するか否か、また、再開の意思を確認するダイアログを表示するか否か、等が記憶される。

　これらの終了条件も、操作者から操作部111を介して入力された条件を、終了条件設定部223が終了条件記憶部231に記憶する。なお、予め終了条件記憶部231に初期値を設定しておいてもよい。この場合、操作者からの入力がない場合は、初期値を使用し、操作者から入力された場合は、入力された最新の条件を使用する。

　なお、終了条件として、検査情報の記憶の有無について、情報種毎に、記憶するか否かを設定してもよい。以下、本実施形態では、被検体情報と装置設定情報との記憶の有無が、それぞれ別個に設定されるものとする。

　本実施形態の自動終了部220による自動終了処理の流れを説明する。図6は、本実施形態の自動終了処理の処理フローである。本実施形態の自動終了処理は、モニタ開閉監視部221が、モニタ121から閉信号を受信したことを契機に開始される。また、各種の終了条件は、予め終了条件記憶部231に記憶される。

　本実施形態の自動終了処理は、基本的に図3を用いて説明した第一の実施形態の自動終了処理と同様である。すなわち、モニタ開閉監視部221が閉信号を受信すると、時間計測部222は、時間の計測を開始する(ステップS1001)。そして、電源制御部225は、超音波送受信部113、モニタ121、操作部111への電力の供給を停止し、超音波の出力を停止し、モニタと操作部の電源をOFFする(ステップS1002)。その後、自動終了部220は、終了条件設定部223により設定された、終了遅延時間Tの経過を待つ(ステップS1004)。この間、モニタ開閉監視部221が開信号を受信すると、自動終了部220は、蓋筐体120が開けられたと判断し(ステップS1003)、時間計測部222に、時間の計測を停止させ、電源制御部225に、モニタ121と操作部111への電源112からの電力の供給を再開させ(ステップS1009)、自動終了処理を終了する。

　開信号を受信することなく、終了遅延時間Tが経過すると、自動終了部220は、実行待ちの処理も含め、実行中の処理があるか否かを判別する(ステップS1005)、あると判別した場合、安全終了部224に安全終了処理を実行させる(ステップS1006)。そして、キャンセル処理記憶部232に、直前の終了が自動終了処理であることを記憶する(ステップS1007)。そして、電源制御部225に、携帯型超音波診断装置100全体の電源をOFFさせ(ステップS1008)、自動終了処理を終了する。

　ただし、本実施形態では、ステップS1007の直前に、自動終了部220は、検査情報をキャンセル処理記憶部232に記憶する、検査情報記憶処理を行う(ステップS2001)。すなわち、ステップS1006の安全終了処理後、または、ステップS1005で実行中の処理がないと判断された場合は、ステップS1005の後に、検査情報記憶処理を行う。

　なお、ステップS1006の、安全終了部224による安全終了処理では、図4で説明した第一の実施形態の安全終了処理と同様である。

　次に、本実施形態の自動終了部220による検査情報記憶処理について説明する。図7は、本実施形態の検査情報記憶処理の処理フローである。

　自動終了部220は、終了条件記憶部231を参照し、終了条件として、被検体情報を記憶するよう設定されているか否かを判別する(ステップS2101)。記憶するよう設定されている場合、検査情報記憶部233に記憶されている被検体情報の中で、直前の検査で用いられていた被検体情報をキャンセル処理記憶部232に記憶し(ステップS2102)、次のステップへ進む。未設定の場合、そのままステップS2103へ進む。

　自動終了部220は、終了条件記憶部231を参照し、終了条件として、装置設定情報を記憶するよう設定されているか否かを判別する(ステップS2103)。記憶するよう設定されている場合、検査情報記憶部233に記憶されている装置設定情報の中で、直前の検査で用いられていた被検体情報をキャンセル処理記憶部232に記憶し(ステップS2104)、処理を終了する。未設定の場合、そのまま処理を終了する。

　なお、ここでは、被検体情報、装置設定情報の順に検査情報の記憶の有無の判別および記憶の処理を行っているが、処理順はこれに限られない。

　次に、本実施形態の制御部200による自動終了後起動処理を説明する。図8は、本実施形態の自動終了後起動処理の処理フローである。本実施形態の自動終了後起動処理は、基本的に図5を用いて説明した第一の実施形態の自動終了後起動処理と同様である。すなわち、設定に応じて直前の処理が自動終了であることを通知し、キャンセルした処理があれば、再開する(ステップS1201～S1204)。

　その後、本実施形態では、自動終了処理時と同条件で検査を再開するか否かを決定する。以後の処理は、以下のとおりである。まず、制御部200は、終了条件記憶部231を参照し、復元の意思を問う設定となっているか否かを判別する(ステップS2201)。

　意思を問う設定となっている場合、確認ダイアログをモニタ121に表示し、操作者からの指示を受け付ける(ステップS2202)。なお、確認ダイアログの表示に用いるデータは、予め記憶部に保持しておく。また、問う設定と成っていない場合は、そのままステップS2203へ進む。

　そして、制御部200は、操作者から復元の指示があった場合、または、操作者の意思を問わず、終了条件記憶部231に、再開時に復元するよう設定されている場合(ステップS2203)、キャンセル処理記憶部232に記憶されている検査情報を復元し(ステップS2204)、処理を終了する。一方、その他の場合、キャンセル処理記憶部232に記憶されている検査情報を破棄し(ステップS2205)、処理を終了する。

　なお、上記ステップS1201～S1204の処理は行わなくても良い。

　さらに、自動終了部220は、蓋筐体120が閉じられた直前に当該携帯型超音波診断装置において実行された検査の検査情報を記憶してもよい。そして、制御部200は、当該携帯型超音波診断装置起動時に自動終了部220が記憶した検査情報を復元し、復元した検査情報に従って、検査を行ってもよい。

　このため、本実施形態によれば、第一の実施形態同様、ユーザの負担を増加させることなく、連続通電によるハードウェアの劣化を抑えることができる。このため、装置の安全性も高まる。

　さらに、本実施形態では、任意のタイミングでそのときに行っている検査の状態を示す情報、例えば、被検者名や被検者の生年月日などを記憶する。このように、本実施形態によれば、自動終了直前に行っていた検査の検査情報が記憶され、次起動時に当該検査情報を復元できるため、自動終了前と同条件で検査を再開することができる。検査継続時に設定をやり直す必要がなく、操作者の負担を低減できるとともに、誤検査の発生も抑えることができる。

　<<第三の実施形態>>
　次に、本発明を適用する第三の実施形態を説明する。本実施形態では、モニタ121が閉じられた際の向きに応じて、その後の自動終了処理を変える。

　一般に、モニタ121(蓋筐体120)は、携帯型超音波診断装置100の本体筐体110に垂直もしくは垂直に近い状態に開いて使用される。そして、本体筐体110は、一般に水平に配置し、使用される。このとき、モニタ121(蓋筐体120)が本体筐体110側に閉じられる場合は、操作者が一時的に使用を中断するものである場合が多い。一方、モニタ121(蓋筐体120)が閉じられた後、鉛直状態となった場合、ユーザは、携帯型超音波診断装置100を持ち運ぶことが目的であることが多い。

　本実施形態では、この特徴に着目し、モニタ121が閉じられたことを検出後、モニタ121(蓋筐体120)の向きを検出し、水平であれば、一定時間経過後に実行中の処理を安全に終了させ、装置の電源をOFFする。一方、鉛直であれば、直後に実行中の処理を安全に終了させ、装置の電源をOFFする。

　これを実現する、本実施形態の携帯型超音波診断装置100について説明する。本実施形態の携帯型超音波診断装置100は、基本的に第一の実施形態と同様の構成を有する。
　ただし、図9に示すように、本実施形態の携帯型超音波診断装置100は、蓋筐体120(モニタ121)の姿勢(向き)を検出する姿勢検出装置122を備える。ここでは、姿勢検出装置122が、蓋筐体120に配置されている場合を例示する。

　姿勢検出装置122には、例えば、ジャイロなどを用いる。姿勢検出装置122は、所定の時間間隔で、その時点の蓋筐体120(モニタ121)の向き(姿勢)を示す信号を制御部200出力する。ここでは、蓋筐体120(モニタ121)の向きが水平の場合に出力する信号を水平信号、鉛直の場合に出力する信号を垂直信号と呼ぶ。

　本実施形態の制御部200の機能ブロックを図10に示す。本図に示すように、本実施形態の制御部200は、図2に示す第一の実施形態の構成に、蓋筐体120(モニタ121)の姿勢を監視するモニタ姿勢監視部226をさらに備える。

　モニタ姿勢監視部226は、姿勢検出装置122からの水平信号、垂直信号を受信し、モニタ121の姿勢を判別する。本実施形態では、モニタ姿勢監視部226は、モニタ開閉監視部221が閉信号を受信後、所定の時間Δt経過後に、水平信号を受信した場合、自動終了部220に、上記各実施形態同様、終了遅延時間Tだけ待ち、安全終了処理を行う指示をする。一方、垂直信号を受信すると、終了遅延時間Tの経過を待たず、安全終了処理を行うよう指示する。

　本実施形態の自動終了部220は、モニタ姿勢監視部226からの指示に従って、実行処理の有無を判別後、必要に応じて安全終了部224に安全終了処理を行わせる。

　本実施形態の、自動終了部220による自動終了処理の流れを説明する。図11は、本実施形態の自動終了処理の処理フローである。本実施形態の自動終了処理は、モニタ開閉監視部が、モニタ121から閉信号を受信したことを契機に開始される。また、各種の終了条件は、予め終了条件記憶部231に記憶される。

　本実施形態の自動終了処理は、基本的に図3を用いて説明した第一の実施形態の自動終了処理と同様である。すなわち、モニタ開閉監視部221が、閉信号を受信すると、時間計測部222は、時間の計測を開始する(ステップS1001)。そして、電源制御部225は、超音波送受信部113、モニタ121、操作部111への電力の供給を停止し、超音波の出力を停止し、モニタと操作部の電源をOFFする(ステップS1002)。

　その後、本実施形態では、モニタ姿勢監視部226は、モニタ121が水平であるか否かを判別する(ステップS3001)ここでは、水平信号を受信しているか否かにより判別する。そして、水平信号を受信している場合、自動終了部220は、第一の実施形態の自動終了処理と同様、終了遅延時間Tだけ待ち(ステップS1004)、実行中の処理があれば(ステップS1005)、安全終了処理を行い(ステップS1006)、自動終了処理フラグを設定し(ステップS1007)、装置の電源をOFFし(ステップS1008)、処理を終了する。なお、終了遅延時間Tだけ待機している間、モニタ121が開けられた場合も、第一の実施形態同様、時間の計測を停止し、モニタ121と操作部111との電源をONし、処理を終了する。

　一方、ステップS3001において、水平信号を受信していない場合は、自動終了部220は、終了遅延時間Tの待機無しで、ステップS1005へ移行する。

　なお、本実施形態の安全終了部224による安全終了処理は、第一の実施形態と同様である。また、自動終了後起動処理は、第一の実施形態と同様である。

　なお、ここでは、本実施形態で行う自動終了処理として、第一の実施形態の処理を行う場合を例にあげて説明したが、これに限られない。第二の実施形態の処理であってもよい。この場合は、自動終了直後の起動時の処理も、第二の実施形態と同様とする。

　また、蓋筐体120が閉じられた後の、当該蓋筐体120の姿勢を検出する姿勢検出装置122をさらに備え、蓋筐体120の姿勢が水平以外と検出された場合、安全終了部224は、終了遅延時間の経過を待たず、当該検出直後に安全終了処理を行ってもよい。

　このため、本実施形態によれば、第一の実施形態または第二の実施形態のように、ユーザの負担を増加させることなく、連続通電によるハードウェアの劣化を抑えることができる。このため、装置の安全性も高まる。

　また、本実施形態によれば、モニタ121(蓋筐体120)を閉じた後の、携帯型超音波診断装置100の向きに応じて、自動終了処理の手順が変わる。すなわち、一時的な使用中断と考えられる、モニタ121(蓋筐体120)が水平向きとなる閉じ方の場合、終了遅延時間T後、安全終了処理を行い、終了する。また、移動のための使用中断と考えられるモニタ121(蓋筐体120)が垂直向きとなる閉じ方の場合、終了遅延時間Tを待たず、安全終了処理を行い、終了する。従って、ユーザの意図に沿った態様で適切な自動終了処理を実現できる。

　<<第四の実施形態>>
　次に、本発明を適用する第四の実施形態を説明する。本実施形態では、自動終了する際、自動終了をすることをユーザに通知する。

　本実施形態の携帯型超音波診断装置100の構成は、基本的に第一の実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、上述のような通知機能を有するため、制御部200の構成が異なる。本実施形態の制御部200の機能ブロックを図12に示す。本図に示すように、本実施形態の制御部200は、図2に示す第一の実施形態の構成に加え、自動終了部220内に自動終了通知部227を備える。

　また、本実施形態の時間計測部222は、自動終了通知部227に、所定の時間間隔ΔTで、計測時間を通知する。ここで、時間間隔ΔTは、遅延終了時間Tに比べて大幅に短いものとする。自動終了通知部227は、時間計測部222からの通知を受けると、自動終了処理中であることを示す通知を行う。通知は、例えば、携帯型超音波診断装置100が備えるサブモニタに行う、携帯型超音波診断装置100が備えるLEDを点滅させる、携帯型超音波診断装置100が備えるスピーカからビープ音を出力する、等とする。

　なお、自動終了通知部227は、自動終了までの時間を計算し、操作者に通知するよう構成してもよい。自動終了までの時間LTは、終了遅延時間をT、ΔTを受け取った回数をmとすると、LT＝T－m×ΔTにより算出する。この場合、算出した時間LTは、ΔT毎にサブモニタに表示する。

　本実施形態の自動終了部220による自動終了処理の流れを、図13を用いて説明する。本実施形態の自動終了処理は、基本的に上記各実施形態のいずれかと同様である。ここでは、一例として、第一の実施形態と基本的に同様な場合を例にあげて説明する。

　第一の実施形態同様、モニタ開閉監視部221が閉信号を受信すると、時間計測部222は、時間の計測を開始する(ステップS1001)。そして、電源制御部225は、超音波送受信部113、モニタ121、操作部111への電力の供給を停止し、超音波の出力を停止し、モニタと操作部の電源をOFFする(ステップS1002)。その後、自動終了部220は、終了条件設定部223により設定された、終了遅延時間Tの経過を待つ(ステップS1004)。この間、モニタ開閉監視部221が開信号を受信すると、自動終了部220は、蓋筐体120が開けられたと判断し(ステップS1003)、時間計測部222に、時間の計測を停止させ、電源制御部225に、モニタ121と操作部111への電源112からの電力の供給を再開させ(ステップS1009)、自動終了処理を終了する。

　また、本実施形態では、この間、すなわち、閉信号を受信後、時間計測開始から、終了遅延時間T経過までの間、ΔT毎に(ステップS4001)、自動終了通知部227は、自動終了処理中であることを示す通知を行う(ステップS4002)。

　なお、開信号を受信することなく、終了遅延時間Tが経過後の処理は第一の実施形態と同様である。すなわち、自動終了部220は、実行待ちの処理も含め、実行中の処理があるか否かを判別する(ステップS1005)、あると判別した場合、安全終了部224に安全終了処理を実行させる(ステップS1006)。そして、キャンセル処理記憶部232に、直前の終了が自動終了処理であることを記憶する(ステップS1007)。そして、電源制御部225に、携帯型超音波診断装置100全体の電源をOFFさせ(ステップS1008)、自動終了処理を終了する。

　なお、ステップS1006の、安全終了部224による安全終了処理は、第一の実施形態と同様である。また、自動終了後起動処理も、第一の実施形態と同様である。

　また、本実施形態において、自動終了することを通知するか否かを、ユーザが終了条件として設定可能なように構成してもよい。

　また、本実施形態において基本とする自動終了処理は、第二の実施形態、第三の実施形態の自動終了処理であってもよい。この場合、自動終了後起動処理も、それぞれ、当該実施形態のものと同様とする。

　自動終了部220は、終了遅延時間中、所定の時間間隔で自動終了することを通知する自動終了通知部227をさらに備えてもよい。

　さらに、本実施形態によれば、自動終了処理を行う場合、ユーザにその旨通知する。従って、ユーザは自動終了が成されている場合、それを容易に把握することができる。

　<<第五の実施形態>>
　次に、本発明を適用する第五の実施形態について説明する。本実施形態では、携帯型超音波診断装置100がバッテリ駆動の場合、バッテリ残量も考慮して、終了遅延時間Tを調整する。

　本実施形態の携帯型超音波診断装置100の構成は、第一の実施形態と基本的に同様である。ただし、本実施形態では、上述のように、バッテリ駆動時に、バッテリ残量に応じて終了遅延時間Tを調整する。従って、本実施形態の電源制御225および自動終了部220の処理が異なる。

　本実施形態の電源制御部225は、電源112がバッテリ駆動であるか否かを判別し、バッテリから電力を供給している場合、ユーザが蓋筐体120を閉じた際、その時点でのバッテリ残容量(バッテリ残量データ)を終了条件設定部223に通知する。バッテリ駆動であることは、例えば、ACケーブルが接続されているか否かにより判別する。

　自動終了部220は、モニタ開閉監視部221から閉信号受信後に、電源制御部225からバッテリ残量データを受信すると、当該バッテリ残量による駆動可能時間BTを算出する。駆動可能時間BTの算出は、負荷量を用いて行う。負荷量は、予め定めて記憶部230に記憶しておく。

　そして、駆動可能時間BTと設定された終了遅延時間Tとを比較し、駆動可能時間BTのほうが小さい場合(T＞BT)、終了遅延時間Tを変更する。変更する時間は、駆動可能時間BTから安全終了に必要な時間を差し引いた値とする。安全終了に必要な時間は、予め定めて終了条件記憶部231に記憶しておく。そして、置き換え後の終了遅延時間T経過後、安全終了する。なお、駆動可能時間BTの方が大きい場合(T≦BT)、終了遅延時間Tは、設定されたままとする。

　本実施形態の自動終了部220による自動終了処理の流れを、図14を用いて説明する。本実施形態の自動終了処理は、基本的に上記各実施形態のいずれかと同様である。ここでは、一例として、第一の実施形態と基本的に同様な場合を例にあげて説明する。

　本実施形態の自動終了部220は、時間計測部222が時間の計測を開始する(ステップS1001)。そして、電源制御部225が、超音波の出力を停止し、モニタと操作部の電源をOFFする(ステップS1002)と、携帯型超音波診断装置100がバッテリ駆動であるか否かを判別する(ステップS5001)。自動終了部220は、この判別を、電源制御部225から、バッテリ残量データを得るか否かにより行う。すなわち、バッテリ残量データを受信すると、バッテリ駆動であると判別する。

　そして、バッテリ駆動である場合、自動終了部220は、駆動可能時間BTを算出し(ステップS5002)、終了遅延時間Tと比較する(ステップS5003)。駆動可能時間BTの方が小さい場合(T＞BT)、終了遅延時間Tを、変更する(ステップS5004)。

　ステップS5003において、終了遅延時間Tの方が小さい場合、ステップS5004の処理を、また、ステップS5001において、バッテリ駆動でない場合、ステップS5002～S5004の処理を行わず、ステップS1003へと移行する。

　以降の処理は、第一の実施形態と同様である。安全終了処理、自動終了後起動処理も同様である。また、本実施形態において、基礎とする自動終了処理は、第二の実施形態、第三の実施形態、第四の実施形態の自動終了処理であってもよい。

　また、携帯型超音波診断装置100は、当該携帯型超音波診断装置に電力を供給するバッテリを備え、制御部200は、バッテリの残量を検出する残量検出部(電源制御部225)をさらに備え、自動終了部220は、当該携帯型超音波診断装置がバッテリにより駆動されている場合、バッテリの残量による駆動時間と終了遅延時間とを比較し、駆動時間のほうが短い場合、終了遅延時間を当該駆動時間に応じて変更してもよい。

　さらに、本実施形態によれば、バッテリ駆動の場合、バッテリ残量に応じて、終了遅延時間Tを調整する。従って、携帯型超音波診断装置100の自動終了処理時の安全終了処理の実行可能性が高まり、より安全性が高まる。

　<<第六の実施形態>>
　次に、本発明を適用する第六の実施形態を説明する。本実施形態では、ユーザの設定に応じて、モニタ121(蓋筐体120)が閉じられたことを契機に、携帯型超音波診断装置100の記憶部230に保持されたデータ(検査結果)の、外部メディアまたは外部の装置への転送を開始する。データの転送は、終了遅延時間Tが経過するまでの間、行う。

　本実施形態の携帯型超音波診断装置100の構成は、基本的に第一の実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、上述のように、モニタ121を閉じたことを契機に、データの転送を行う。このため、本実施形態の制御部200の構成が異なる。本実施形態の制御部200の機能ブロックを図15に示す、本図に示すように、本実施形態の制御部200は、図2に示す第一の実施形態の構成に加え、データ転送部240を備える。

　なお、モニタ121を閉じた際、データを転送するか否かの設定は、ユーザが、操作部111を介して設定する。終了条件設定部223は、操作部111を介してなされた設定を、終了条件記憶部231に記憶する。なお、終了条件記憶部231に、データ転送の実行の有無に関し、予め初期値を設定しておいてもよい。

　本実施形態のデータ転送部240は、モニタ121が閉じられたことを掲記に、検査結果記憶部234に記憶される検査結果を、外部に転送する。具体的には、モニタ121が閉じられた場合、終了条件において、データ転送を行う設定となっているか否かを判別する。そして、データ転送を行う設定の場合、転送準備処理を行う。そして、転送準備処理において、転送を行うものと判別された場合、データの転送を開始する。

　本実施形態のデータ転送部240は、転送準備処理において、電源112がバッテリ駆動であるか否かの情報を用いる。従って、本実施形態では、電源制御部225は、モニタ121が閉じられた際、電源112がバッテリ駆動であるか否かを第五の実施形態と同様に判別し、判別結果をデータ転送部140に転送する。なお、判別結果がバッテリ駆動である場合、バッテリ残量も併せて、データ転送部240に転送する。

　本実施形態の自動終了部220による、自動終了処理の流れを、図16を用いて説明する。本実施形態の自動終了処理は、基本的に上記各実施形態のいずれかと同様である。ここでは、一例として、第一の実施形態と基本的に同様な場合を例にあげて説明する。

　本実施形態では、時間計測部222が時間の計測を開始し(ステップS1001)、電源制御部225が、超音波の出力を停止し、モニタと操作部の電源をOFFする(ステップS1002)と、データ転送部240は、転送準備処理を行う(ステップS6001)。

　転送準備処理の結果、データ転送を行うものと決定された場合(ステップS6002)、データ転送部240は、データ転送を開始する(ステップS6003)。

　以後、自動終了部220は、終了遅延時間T経過するまで待ち、(ステップS1004)、安全処理を行う処理は、第一の実施形態と同様である。この時点でデータ転送部240によるデータ転送が継続している場合、ステップS1005において、実行中の処理として判断する。また、終了遅延時間Tの経過を待つ間、モニタ121が開けられた場合、データ転送中であれば(ステップS6004)、自動終了部220は、その旨、ユーザに通知する(ステップS6005)。

　次に、本実施形態のステップS6001のデータ転送部240による転送準備処理の詳細について説明する。図17は、本実施形態の転送準備処理の処理フローである。

　データ転送部240は、まず、終了条件として、モニタ121を閉じた際にデータを転送する設定となっているか否かを判別する(ステップS6101)。転送する設定となっている場合、検査結果記憶部234に転送待ちデータが保持されているか否かを判別する(ステップS6102)。転送待ちデータがある場合、転送先が接続されているか否かを判別する(ステップS6103)。

　そして、転送先が接続されている場合、データ転送部240は、携帯型超音波診断装置100がバッテリ駆動であるか否かを判別する(ステップS6104)。ここでは、電源制御部225からの情報により判別する。

　バッテリ駆動でなければ、データ転送部240は、データ転送を行うよう設定する(ステップS6105)。例えば、転送フラグを設定する。

　一方、ステップS6104において、バッテリ駆動であると判別された場合、データ転送部240は、バッテリ残量が予め定めた閾値以上であるか否かを判別する(ステップS6106)。閾値は、終了遅延時間T間に転送可能なデータ量に応じて、予め定めておく。固定値であってもよいし、複数の終了遅延時間T毎に設定しておいて、終了遅延時間Tに応じて選択もよい。さらには、転送待ちデータの量および終了遅延時間Tの両方に対応付けて、複数設定しておき、両者に合致する閾値を選択するよう構成してもよい。

　バッテリ残量が閾値以上である場合、ステップS6105へ移行する。

　ステップS6101において、転送設定がなされていない場合、ステップS6102において、転送待ちデータがない場合、ステップS6103において、転送先が接続されていない場合、および、ステップS6106において、残量が閾値より少ない場合、データ転送部240は、データ転送を行わないよう設定する(ステップS6109)、例えば、非転送フラグを設定する。なお、このとき、ステップS6103において、転送先が接続されていない場合、および、ステップS6106において、残量が閾値より少ない場合、データ転送部240は、サブモニタに、警告を行う(ステップS6107、S6108)。警告は、サブモニタにメッセージを表示する、LEDを点滅させる、ビープ音を出力する、等、いずれの手法であってもよい。

　図18に、サブモニタに表示する警告の一例を示す。図18(a)は、ステップS6107で表示されるメッセージ例、図18(b)は、ステップS6108で表示されるメッセージ例である。なお、これらのメッセージは、例えば、自動終了直後にモニタ121を開けた際、表示するよう構成してもよい。

　なお、本実施形態では、モニタ121が閉じられた場合、携帯型超音波診断装置100の記憶部230に記憶される全データを転送する場合を例にあげて説明したが、これに限られない。例えば、予め、転送量を定めておいてもよい。例えば、1日分、1検査分などである。

　また、終了遅延時間Tに応じて、転送量を決定するよう構成してもよい。この場合、例えば、転送準備処理において、データ転送部240は、転送すべきデータを全て転送するための時間(転送時間)TrTと、終了遅延時間Tと、を比較する。そして、転送時間TrTが終了遅延時間Tより長い場合(TrT＞T)、終了遅延時間T内に転送可能なデータ量を算出し、算出されたデータ量のみ転送するようにする。

　なお、本実施形態において、安全終了処理、自動終了後起動処理は、第一の実施形態と同様である。また、本実施形態において、基礎とする自動終了処理は、第二の実施形態、第三の実施形態、第四の実施形態、第五の実施形態の自動終了処理であってもよい。

　当該携帯型超音波診断装置で取得したデータを保持する検査結果記憶部234をさらに備え、制御部200は、蓋筐体120が閉じられたことを契機に、検査結果記憶部234に保持されるデータを、外部に転送するデータ転送部240をさらに備えてもよい。

　さらに、本実施形態によれば、モニタ121が閉じられたことを契機に、終了遅延時間Tの間に、データ転送を行うよう構成されているため、携帯型超音波診断装置100で取得した画像、計測結果を、ユーザの負担なく、確実に、保存用の外部メディアに転送できる。携帯型超音波診断装置100では、必須のデータの外部転送を、自動終了時の終了遅延時間T内に行うため、検査効率も向上する。

　なお、上記各実施形態において、検査情報記憶部233に記憶される検査情報を、蓋筐体120が閉じられてから所定時間(リセット時間RT)経過後、リセットするようにしてもよい。この場合、終了条件として、蓋筐体120が閉じられリセット時間RT経過後に当該検査の検査情報をリセットするか否かの設定およびリセット時間RTを設定する。

　本設定は、予め終了条件記憶部231に登録しておいてもよいし、操作者が操作部111を介して入力し、終了条件設定部223が終了条件記憶部231に記憶するよう構成してもよい。なお、リセット時間RTの上限は、終了遅延時間Tである。

　この場合の自動終了処理について、リセット処理に係る部分のみ抜き出して、図19をもちいて説明する。

　自動終了処理として、自動終了部220は、上記各実施形態と同様に、モニタ開閉監視部221が閉信号を受信すると、時間計測部222が時間の計測を開始し、電源制御部225は、超音波の出力を停止し、モニタ121と操作部111との電源をOFFにする。
その後、自動終了部220は、検査情報をリセットするよう、終了条件に設定されているか否かを判別する(ステップS7001)。そして、設定されていない場合は、そのまま、ステップS1003へ進む。

　一方、設定されている場合は、リセット時間RTの経過を待ち(ステップS7002)、リセット処理(ステップ7003)を行い、リセット処理後、ステップS1003へ復帰する。なお、この間、モニタ121(蓋筐体120)が開けられた場合は、通常どおり、ステップS1009へ進む。

　このように、本発明の各実施形態では、自動終了部220は、ユーザの指示に従って、蓋筐体120が閉じられた際に当該携帯型超音波診断装置に登録されている検査情報を、蓋が閉じられてから所定の時間経過後にリセットするよう構成してもよい。

　また、逆に、終了遅延時間T中に、モニタ121(蓋筐体120)が開けられた際、検査情報記憶部233に記憶されている検査情報をリセットするよう構成してもよい。この場合の自動終了処理の流れを、図20を用いて説明する。

　この場合の自動終了処理の流れは、基本的に第一の実施形態と同様である。ただし、ステップS1003において、モニタ121(蓋筐体120)が開けられた場合、自動終了部220は、検査情報をリセットするよう、終了条件に設定されているか否かを判別する(ステップS7101)。そして、設定されていない場合は、そのまま、ステップS1009へ進む。

　一方、設定されている場合は、リセット時間RTの経過を待ち(ステップS7102)、リセット処理(ステップ7103)を行い、リセット処理後、ステップS1009へ移行する。

　なお、上記各実施形態および変形例は、携帯型の超音波診断装置に限らず、モニタが蓋筐体に配置され、不使用時にモニタが本体筐体に収納されるタイプの超音波診断装置全てに適用可能である。

　100　携帯型超音波診断装置、101　被検体、110　本体筐体、111　操作部、112　電源、113　超音波送受信部、114　超音波画像形成部、120　蓋筐体、121　モニタ、122　姿勢検出装置、130　超音波探触子、131　ケーブル、140　データ転送部、200　制御部、210　動作制御部、220　自動終了部、221　モニタ開閉監視部、222　時間計測部、223　終了条件設定部、224　安全終了部、225　電源制御部、227　時間通知部、230　記憶部、231　終了条件記憶部、232　キャンセル処理記憶部、233　検査情報記憶部、234　検査結果記憶部、240　データ転送部

Claims

　超音波を生成して超音波探触子に送信するとともに当該超音波探触子から超音波を受信する超音波送受信部、前記超音波送受信部で受信した超音波に基づいて超音波画像を形成する超音波画像形成部、および、制御部を備える本体筐体と、前記超音波画像を表示する表示装置を備え、前記本体筐体に対し開閉可能に取り付けられる蓋筐体とを備え、
　前記制御部は、
　前記蓋筐体が閉じられると、当該携帯型超音波診断装置を終了させる自動終了部と、
　当該携帯型超音波診断装置において実行中および実行予定の処理を安全に終了させる安全終了処理を行う安全終了部と、を備えることを特徴とする携帯型超音波診断装置。
　請求項1記載の携帯型超音波診断装置であって、
　前記安全終了部は、前記蓋筐体が閉じられてから予め定めた時間である終了遅延時間経過後、前記安全終了処理を行うこと
　を特徴とする携帯型超音波診断装置。
　請求項2記載の携帯型超音波診断装置であって、
　前記安全終了部は、前記実行中および実行予定の処理をキャンセルするとともに、当該キャンセルした処理に対応づけて、キャンセル時の進捗状況を保持すること
　を特徴とする携帯型超音波診断装置。
　請求項3記載の携帯型超音波診断装置であって、
　前記制御部は、当該携帯型超音波診断装置起動時に、前記進捗状況に対応付けられて保持される処理を、キャンセル時の状態から再開すること
　を特徴とする携帯型超音波診断装置。
　請求項3記載の携帯型超音波診断装置であって、
　前記自動終了部は、前記蓋筐体が閉じられた直前に当該携帯型超音波診断装置において実行された検査の検査情報を記憶すること
　を特徴とする携帯型超音波診断装置。
　請求項5記載の携帯型超音波診断装置であって、
　前記制御部は、当該携帯型超音波診断装置起動時に、前記自動終了部が記憶した検査情報を復元し、復元した検査情報に従って、検査を行うこと
　を特徴とする携帯型超音波診断装置。
　請求項2記載の携帯型超音波診断装置であって、
　前記蓋筐体が閉じられた後の、当該蓋筐体の姿勢を検出する姿勢検出装置をさらに備え、
　前記蓋筐体の姿勢が水平以外と検出された場合、前記安全終了部は、前記終了遅延時間の経過を待たず、当該検出直後に前記安全終了処理を行うこと
　を特徴とする携帯型超音波診断装置。
　請求項2記載の携帯型超音波診断装置であって、
　前記自動終了部は、前記終了遅延時間中、所定の時間間隔で自動終了することを通知する自動終了通知部をさらに備えること
　を特徴とする携帯型超音波診断装置。
　請求項1記載の携帯型超音波診断装置であって、
　当該携帯型超音波診断装置に電力を供給するバッテリを備え、
　前記制御部は、前記バッテリの残量を検出する残量検出部をさらに備え、
　前記自動終了部は、当該携帯型超音波診断装置が前記バッテリにより駆動されている場合、前記バッテリの残量による駆動時間と前記終了遅延時間とを比較し、駆動時間のほうが短い場合、終了遅延時間を当該駆動時間に応じて変更すること
　を特徴とする携帯型超音波診断装置。
　請求項2記載の携帯型超音波診断装置であって、
　当該携帯型超音波診断装置で取得したデータを保持する検査結果記憶部をさらに備え、　前記制御部は、前記蓋筐体が閉じられたことを契機に、前記検査結果記憶部に保持されるデータを、外部に転送するデータ転送部をさらに備えること
　を特徴とする携帯型超音波診断装置。
　請求項1記載の携帯型超音波診断装置であって、
　前記自動終了部は、ユーザの指示に従って、前記蓋筐体が閉じられた際に当該携帯型超音波診断装置に登録されている検査情報を、前記蓋筐体が閉じられてから所定の時間経過後にリセットすること
　を特徴とする携帯型超音波診断装置。
　請求項1記載の携帯型超音波診断装置であって、
　前記自動終了部は、前記蓋筐体が閉じられると、前記超音波送受信部および前記表示装置への電力の供給を遮断すること
　を特徴とする携帯型超音波診断装置。
　請求項12記載の携帯型超音波診断装置であって、
　前記自動終了部は、前記終了遅延時間の間に前記蓋筐体が開けられた場合、前記表示装置への電力の供給を再開すること
　を特徴とする携帯型超音波診断装置。
　請求項3記載の携帯型超音波診断装置であって、
　前記安全終了部は、ユーザの設定に応じて、前記実行中の処理については、当該処理が終了するまで待つこと
　を特徴とする携帯型超音波診断装置。
　超音波を生成して超音波探触子に送信するとともに当該超音波探触子から超音波を受信する超音波送受信部、前記超音波送受信部で受信した超音波に基づいて超音波画像を形成する超音波画像形成部、および、制御部を備える本体筐体と、前記超音波画像を表示する表示装置を備え、前記本体筐体に対し開閉可能に取り付けられる蓋筐体とを備え、
　前記制御部は、
　前記蓋筐体が閉じられると、当該携帯型超音波診断装置への電源の供給を遮断させる自動終了部と、
　当該携帯型超音波診断装置において実行中および実行予定の処理を安全に終了させる安全終了処理を行う安全終了部と、を備えることを特徴とする携帯型超音波診断装置。