WO2013105147A1 - ベーン型圧縮機 - Google Patents

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関屋 慎
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高橋 真一
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Abstract

 ベーンの先端部の摩耗を抑制し、回転軸部を小径で支持できることで軸受摺動損失を低減し、かつローター部の外径及び回転中心の精度を向上させるベーン型圧縮機を得る。ベーン先端部5bとシリンダー内周面1bとの間の隙間をδ、シリンダー内周面1bの半径をrc、ベーンアライナー軸受部2b、3bの半径をraとし、式rv=rc-ra-δとなるように、ベーンアライナー部5c、5dの外周側とベーン先端部5bとの間の距離rvを設定することで、第1ベーン5のベーン先端部5bはシリンダー内周面1bに接触することなく、回転することとなる。

Description

ベーン型圧縮機
 本発明は、ベーン型圧縮機に関する。
 従来、ローターシャフト(シリンダー内で回転運動する円柱形のローター部と、ローター部に回転力を伝達するシャフトとが一体化されたものをローターシャフトという)のローター部内に一箇所又は複数箇所形成されたベーン溝内にベーンが嵌入され、そのベーンの先端がシリンダーの内周面と当接しながら摺動する構成の一般的なベーン型圧縮機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
 また、ローターシャフトの内側を中空に構成しその中にベーンの固定軸を配し、ベーンはその固定軸に回転可能に取り付けられ、さらに、ローター部の外周部付近に半円棒形状の一対の挟持部材(ブッシュ)を介してベーンがローター部に対して回転自在に保持されているベーン型圧縮機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平10-252675号公報(第4頁、第1図) 特開2000-352390号公報(第6頁、第1図)
 特許文献1に記載の従来の一般的なベーン型圧縮機は、ベーン先端の曲率半径とシリンダーの内周面の曲率半径が大きく異なるため、シリンダーの内周面とベーン先端との間に油膜は形成されず、流体潤滑状態とはならず境界潤滑状態で摺動する。一般に潤滑状態による摩擦係数は、流体潤滑状態においては0.001~0.005程度であるのに対し、境界潤滑状態においては非常に大きくなり、概ね0.05以上となる。
 このため、従来の一般的なベーン型圧縮機の構成では、ベーン先端とシリンダーの内周面とが境界潤滑状態で摺動することによって摺動抵抗が大きくなり、機械損失の増大による圧縮機効率の大幅な低下が発生してしまうという問題点があった。それと同時に、ベーン先端及びシリンダーの内周面が摩耗しやすく、長期の寿命を確保することが困難であるという問題点もあった。
 そこで、上記の問題点を改善するものとして、ローター部の内部を中空にし、その中にベーンをシリンダーの内周面の中心にて回転可能に支持する固定軸を有し、かつ、ベーンがローター部に対し回転可能となるようにローター部の外周部近傍で挟持部材を介してベーンを保持する方法(例えば、上記特許文献2)が提案された。
 この構成によって、ベーンがシリンダー内周面の中心にて回転支持されることになる。これにより、ベーンの長手方向は常にシリンダー内周面の中心に向かうため、ベーン先端はシリンダー内周面に沿うように回転することとなる。このため、ベーン先端とシリンダーの内周面との間に微小な隙間を保ち、非接触にして運転することが可能となり、ベーン先端での摺動による損失が発生せず、また、ベーン先端及びシリンダーの内周面の摩耗を抑制することが可能なベーン型圧縮機を得ることができる。
 しかしながら、特許文献2に記載された方法では、ローター部内部の中空に構成することにより、ローター部への回転力の付与、及び、ローター部の回転支持が難しくなる。また、特許文献2では、ローター部の両端面に端板を設けている。片側の端板は、回転軸からの動力を伝達する必要があるため円盤状であり、端板の中心に回転軸が接続される構成となっている。また、他側の端板は、ベーン固定軸及びベーン軸支持材の回転範囲と干渉しないように構成する必要があるため、中央部に穴の開いたリング状に構成する必要がある。このため、端板を回転支持する部分は、回転軸に比べて大径に構成する必要があり、軸受摺動損失が大きくなるという問題点があった。
 また、ローター部とシリンダーの内周面との間は、圧縮したガスが漏れないように狭い隙間を形成するため、ローター部の外径及び回転中心部は高い精度が必要とされる。しかし、ローター部と端板とは別々の部品で構成されるため、ローター部と端板との締結により発生する歪み、及び、ローター部と端板との同軸ずれ等、ローター部の外径及び回転中心部の精度を悪化させる要因となってしまうという問題点もあった。
 本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ベーンの先端部の摩耗を抑制し、回転軸部を小径で支持できることで軸受摺動損失を低減し、かつローター部の外径及び回転中心の精度を向上させるベーン型圧縮機を得ることを目的とする。
 本発明に係るベーン型圧縮機は、円筒状の内周面が形成されたシリンダーと、該シリンダーの内部において、前記内周面の中心軸と所定の距離ずれた回転軸を中心に回転する円筒形状のローター部、及び、該ローター部に回転力を伝達する回転軸部を有したローターシャフトと、前記シリンダーの前記内周面の一方の開口部を閉塞し、主軸受部によって前記回転軸を支承するフレームと、前記シリンダーの前記内周面の他方の開口部を閉塞し、主軸受部によって前記回転軸を支承するシリンダーヘッドと、前記ローター部に設けられ、前記ローター部内から突出する先端部が外側に凸となる円弧形状に形成された少なくとも1枚のベーンと、を備えたベーン型圧縮機において、前記ベーンの前記先端部の前記円弧形状の法線と、前記シリンダーの前記内周面の法線とが常にほぼ一致する状態で、前記ベーン、前記ローター部の外周部、及び前記シリンダーの前記内周面によって囲まれる空間で冷媒を圧縮するように前記ベーンを支持し、前記ベーンを前記ローター部に対して回転可能かつ移動可能に支持するベーン支持手段を備え、前記ローターシャフトは、前記ローター部と前記回転軸部とが一体に形成されて構成され、前記ベーンの前記先端部の前記円弧形状の曲率半径は、前記シリンダーの前記内周面の曲率半径と略同一であり、前記ベーン支持手段は、前記ローター部の外周部近傍に、前記ローター部の中心軸方向に垂直な断面が略円形となるように該中心軸方向に貫通したブッシュ保持部と、該ブッシュ保持部の中に挿入される一対の略半円柱状物であり、前記ブッシュ保持部内で前記ベーンを挟持するブッシュと、前記ベーンにおける、前記シリンダーの前記内周面の中心である内周面中心側の端面が、前記ローター部に接触しないように、前記ローター部において該ローター部の中心軸方向に貫通して形成されたベーン逃がし部と、によって構成され、前記ベーンは、前記フレーム側かつ前記ローター部の中心側の端面近傍、及び、前記シリンダーヘッド側かつ前記ローター部の中心側の端面近傍に設けられた一対の円弧形状のベーンアライナー部を有し、前記フレーム及び前記シリンダーヘッドの前記シリンダー側の端面に、前記シリンダーの前記内周面と同心の凹部又は溝部が形成され、前記ベーンアライナー部は、前記凹部又は前記溝部内に嵌入され、該凹部又は該溝部の外周面であるベーンアライナー軸受部で支承され、前記ベーンの先端部側の面に、前記ベーンの長さ方向に垂直な平面部が形成されたものである。
 本発明によれば、ベーンの先端部とシリンダーの内周面との間に所定の適正な間隙を設けることによって、先端部からの冷媒の漏れを抑制しつつ、機械損失の増大による圧縮機効率の低下を抑制し、かつ、先端部の摩耗をゼロにすることができる。
 また、ベーンの先端部の円弧形状及びシリンダーの内周面の法線が常にほぼ一致するように圧縮動作を行うために必要なベーンがシリンダーの内周面の中心を回転中心として回転運動する機構を、ローター部と回転軸部とを一体にした構成で実現できるため、回転軸部を小径で支持できることで軸受摺動損失を低減し、かつローター部の外径及び回転中心の精度を向上させることができ、ローター部とシリンダーの内周面との間を狭い隙間で形成して漏れ損失を低減することが可能となる。
 また、ベーンアライナー部に平面部を形成することによって、ベーンの上下端面の平面研磨加工を実施する際、回転する砥石がベーンアライナー部に干渉することを回避することができる。これによって、ベーンと、フレーム及びシリンダーヘッドとのそれぞれの隙間を小さく保持することができるので、ベーンと、フレーム及びシリンダヘッドとの間のそれぞれの摺動損失を抑制することができ、耐焼付き性、耐摩耗性を向上させると同時に、高効率化を実現できる。
本発明の実施の形態1に係るベーン型圧縮機200の縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係るベーン型圧縮機200の圧縮要素101の分解斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るベーン型圧縮機200の第1ベーン5及び第2ベーン6の平面図及び正面図である。 本発明の実施の形態1に係るベーン型圧縮機200において図1のI-I断面図である。 本発明の実施の形態1に係るベーン型圧縮機200の圧縮動作を示す図である。 本発明の実施の形態1に係るベーン型圧縮機200のベーンアライナー部5c、6cの回転動作を示す図1におけるJ-J断面図である。 本発明の実施の形態1に係るベーン型圧縮機200の第1ベーン5のベーン部5a周りの要部断面図である。 本発明の実施の形態1に係るベーン型圧縮機200の別形態の圧縮要素101の分解斜視図である。 本発明の実施の形態2において相対運動する固体二面間の微小隙間内の流れを示す図である。 本発明の実施の形態2に係るベーン型圧縮機200のベーンアライナー部5cとベーンアライナー軸受部2bとの関係を示した模式図である。 本発明の実施の形態2における解析モデルである。 本発明の実施の形態2に係るベーン型圧縮機200においてベーンアライナー軸受部2bにベーンアライナー部5cが嵌入した状態を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るベーン型圧縮機200において偏心率ε=0.9の場合のゾンマーフェルト数Sとβ/αとの関係を示した解析結果図である。
実施の形態1.
 図1は、本発明の実施の形態1に係るベーン型圧縮機200の縦断面図であり、図2は、同ベーン型圧縮機200の圧縮要素101の分解斜視図であり、そして、図3は、同ベーン型圧縮機200の第1ベーン5及び第2ベーン6の平面図及び正面図である。このうち、図1において、実線で示す矢印はガス(冷媒)の流れ、そして、破線で示す矢印は冷凍機油25の流れを示している。以下、図1~図3を参照しながら、ベーン型圧縮機200の構造について説明する。
 本実施の形態に係るベーン型圧縮機200は、外形を形成する密閉容器103、その密閉容器103内に収納された圧縮要素101、その圧縮要素101の上部に位置し、圧縮要素101を駆動する電動要素102、及び、密閉容器103内の底部に設けられ、冷凍機油25を貯溜する油溜め104によって構成されている。
 密閉容器103は、ベーン型圧縮機200の外形を形成するものであり、その内部に、圧縮要素101及び電動要素102を収納し、冷媒及び冷凍機油を密閉するものである。密閉容器103の側面には、冷媒を密閉容器103内部に吸入する吸入管26が設置され、密閉容器103の上面には、圧縮された冷媒を外部に吐出するための吐出管24が設置されている。
 圧縮要素101は、吸入管26から密閉容器103内に吸入された冷媒を圧縮するものであり、シリンダー1、フレーム2、シリンダーヘッド3、ローターシャフト4、第1ベーン5、第2ベーン6、及び、ブッシュ7、8によって構成されている。
 シリンダー1は、全体形状が略円筒状で、軸方向に円筒状の円の中心とは偏心した位置が中心となるように略円形状の貫通部1fが形成されている。また、その貫通部1fの内周面であるシリンダー内周面1bの一部に、貫通部1fの中心から外側に向かってR形状に抉られた切欠き部1cが設けられ、その切欠き部1cには吸入ポート1aが開口している。この吸入ポート1aは、吸入管26に連通しており、この吸入ポート1aから貫通部1f内に冷媒が吸入されることになる。また、後述する最近接点32を挟んで吸入ポート1aと反対側に位置し、その最近接点32の近傍、かつ、後述するフレーム2に面した側に吐出ポート1dが切り欠いて設けられている(図2参照)。また、シリンダー1の外周部には軸方向に貫通し、貫通部1fの中心と対称となる位置に2つの油戻し穴1eが設けられている。
 フレーム2は、縦断面形状が略T字状で、シリンダー1に接する部分が略円板形状であり、シリンダー1の貫通部1fの一方の開口部(図2における上側)を閉塞するものである。また、フレーム2の中央部は円筒形状になっており、この円筒形状部は中空であり、ここに主軸受部2cが形成されている。また、フレーム2のシリンダー1側の端面、かつ、主軸受部2c部分には、外周面がシリンダー内周面1bと同心円の凹部2aが形成されている。この凹部2aに、後述する第1ベーン5のベーンアライナー部5c、及び、第2ベーン6のベーンアライナー部6cが嵌入される。このとき、ベーンアライナー部5c、6cは、凹部2aの外周面であるベーンアライナー軸受部2bで支承される。また、フレーム2において、シリンダー1に設けた吐出ポート1dと連通し、軸方向に貫通した吐出ポート2dが設けられており、この吐出ポート2dのシリンダー1と反対側の開口部には、吐出弁27及びその吐出弁27の開度を規制するための吐出弁押え28が取り付けられている。
 シリンダーヘッド3は、縦断面形状が略T字状で、シリンダー1に接する部分が略円板形状であり、シリンダー1の貫通部1fの他方の開口部(図2では下側)を閉塞するものである。また、シリンダーヘッド3の中央部は円筒形状になっており、この円筒形状は中空であり、ここに主軸受部3cが形成されている。また、シリンダーヘッド3のシリンダー1側の端面、かつ、主軸受部3c部分には、外周面がシリンダー内周面1bと同心円の凹部3aが形成されている。この凹部3aに、後述する第1ベーン5のベーンアライナー部5d、及び、第2ベーン6のベーンアライナー部6dが嵌入される。このとき、ベーンアライナー部5d、6dは、凹部3aの外周面であるベーンアライナー軸受部3bで支承される。
 ローターシャフト4は、シリンダー1内でシリンダー1の貫通部1fの中心軸とは偏心した中心軸上に回転運動を行う略円筒形状のローター部4a、そのローター部4aの上面である円の中心からその上面の垂直上向きに延設された回転軸部4b、及び、ローター部4aの下面である円の中心からその下面の垂直下向きに延設された回転軸部4cが一体となった構造となっている。この回転軸部4bは、フレーム2の主軸受部2cに挿通して支承され、回転軸部4cは、シリンダーヘッド3の主軸受部3cに挿通して支承されている。ローター部4aには、円筒形状のローター部4aの軸方向に対して垂直の断面が略円形でその軸方向に貫通してブッシュ保持部4d、4e及びベーン逃がし部4f、4gが形成されている。ブッシュ保持部4d、4eは、それぞれ、ローター部4aの中心に対して対称となる位置に形成されており、ブッシュ保持部4d、4eの内側方向にそれぞれ、ベーン逃がし部4f、4gが形成されている。すなわち、ローター部4a、ブッシュ保持部4d、4e、及び、ベーン逃がし部4f、4gの中心は略直線状に並ぶように形成されている。また、ブッシュ保持部4dとベーン逃がし部4fとは連通しており、ブッシュ保持部4eとベーン逃がし部4gとは連通している。また、ベーン逃がし部4f、4gの軸方向端部は、フレーム2の凹部2a及びシリンダーヘッド3の凹部3aに連通している。また、ローターシャフト4の回転軸部4cの下端部には、例えば、特開2009-264175号公報に記載されているようなローターシャフト4の遠心力を利用した油ポンプ31が設けられている。この油ポンプ31は、ローターシャフト4の回転軸部4cの下端の軸中央部に設けられ、回転軸部4cの下端からローター部4a及び回転軸部4bの内部にかけて上方向に延在する給油路4hと連通している。また、回転軸部4bには、給油路4hと凹部2aとを連通させる給油路4i、そして、回転軸部4cには、給油路4hと凹部3aとを連通させる給油路4jが設けられている。さらに、回転軸部4bの主軸受部2cの上方の位置には、密閉容器103内部空間に連通させる排油穴4kが設けられている。
 第1ベーン5は、略四角形の板形状の部材であるベーン部5a、このベーン部5aのフレーム2側、かつ、回転軸部4b側の上端面に設けられた円弧形状、すなわち部分リング形状のベーンアライナー部5c、及び、ベーン部5aのシリンダーヘッド3側、かつ、回転軸部4c側の下端面に設けられた円弧形状、すなわち部分リング形状のベーンアライナー部5dによって構成されている。また、ベーン部5aのシリンダー内周面1b側の端面であるベーン先端部5bは、外側に凸の円弧形状に形成され、その円弧形状の曲率半径は、シリンダー内周面1bの曲率半径と略同一となるように形成されている。また、第1ベーン5は、図3で示されるように、ベーン部5aの長さ方向及びベーン先端部5bの円弧の法線方向が、ベーンアライナー部5c、5dの円弧の中心を通るように形成されている。また、円弧形状のベーンアライナー部5cにおけるベーン先端部5b側の面には、ベーン部5aの長さ方向に垂直な平面部5eが形成されている。同様に、円弧形状のベーンアライナー部5dにおけるベーン先端部5b側の面には、ベーン部5aの長さ方向に垂直な平面部5fが形成されている。
 第2ベーン6は、略四角形の板形状の部材であるベーン部6a、このベーン部6aのフレーム2側、かつ、回転軸部4b側の上端面に設けられた円弧形状、すなわち部分リング形状のベーンアライナー部6c、及び、ベーン部6aのシリンダーヘッド3側、かつ、回転軸部4c側の下端面に設けられた円弧形状、すなわち部分リング形状のベーンアライナー部6dによって構成されている。また、ベーン部6aのシリンダー内周面1b側の端面であるベーン先端部6bは、外側に凸の円弧形状に形成され、その円弧形状の曲率半径は、シリンダー内周面1bの曲率半径と略同一となるように形成されている。また、第2ベーン6は、図3で示されるように、ベーン部6aの長さ方向及びベーン先端部6bの円弧の法線方向が、ベーンアライナー部6c、6dの円弧の中心を通るように形成されている。また、円弧形状のベーンアライナー部6cにおけるベーン先端部6b側の面には、ベーン部6aの長さ方向に垂直な平面部6eが形成されている。同様に、円弧形状のベーンアライナー部6dにおけるベーン先端部6b側の面には、ベーン部6aの長さ方向に垂直な平面部6fが形成されている。
 ブッシュ7、8は、それぞれ略半円柱状に形成された一対の物体で構成されている。ブッシュ7は、ローターシャフト4のブッシュ保持部4dに嵌入され、その一対のブッシュ7の内側に板形状のベーン部5aが挟持される。このときベーン部5aは、ローター部4aに対して回転自在、かつ、ベーン部5aの長さ方向に移動可能に保持される。ブッシュ8は、ローターシャフト4のブッシュ保持部4eに嵌入され、その一対のブッシュ8の内側に板形状のベーン部6aが挟持される。このときベーン部6aは、ローター部4aに対して回転自在、かつ、ベーン部5aの長さ方向に移動可能に保持される。
 電動要素102は、例えば、ブラシレスDCモーターで構成され、図1で示されるように、密閉容器103の内周に固定される固定子21、及び、その固定子21の内側に配置され、永久磁石によって形成された回転子22によって構成されている。固定子21は、密閉容器103の上面に固定されたガラス端子23から電力が供給され、この電力によって回転子22が回転駆動する。また、この回転子22には、前述のローターシャフト4の回転軸部4bが挿通して固定されており、回転子22が回転することによって、その回転力が回転軸部4bに伝達し、ローターシャフト4全体が回転駆動することになる。
(ベーン型圧縮機200の圧縮動作)
 図4は、本発明の実施の形態1に係るベーン型圧縮機200において図1のI-I断面図であり、図5は、同ベーン型圧縮機200の圧縮動作を示す図である。以下、図4及び図5を参照しながら、ベーン型圧縮機200の圧縮動作について説明する。
 この図4においては、ローターシャフト4のローター部4aが、シリンダー内周面1bの一箇所(最近接点32)において最近接している状態が示されている。ここで、ベーンアライナー軸受部2b、3bの半径をra(後述する図6参照)、そして、シリンダー内周面1bの半径をrcとした場合、第1ベーン5のベーンアライナー部5c、5dの外周側とベーン先端部5bとの間の距離rv(図3参照)は、下記の式(1)で表される。
 rv=rc-ra-δ      (1)
 ここで、δはベーン先端部5bとシリンダー内周面1bとの間の隙間を表すものであり、式(1)のようにrvを設定することで、第1ベーン5のベーン先端部5bはシリンダー内周面1bに接触することなく、回転することとなる。ここで、δが極力小さくなるようにrvを設定すると、ベーン先端部5bからの冷媒の漏れが極力少なくなる。また、式(1)の関係は、第2ベーン6においても同様で、第2ベーン6のベーン先端部6bとシリンダー内周面1bとの間は狭い隙間を保ちつつ、第2ベーン6は回転することとなる。
 以上の構成によって、シリンダー内周面1bと近接する最近接点32、第1ベーン5のベーン先端部5b、及び、第2ベーン6のベーン先端部6bによって、シリンダー1の貫通部1f内に、3つの空間(吸入室9、中間室10及び圧縮室11)が形成される。吸入室9には、切欠き部1cの吸入ポート1aを介して、吸入管26から吸入されてくる冷媒が入り込む。この切欠き部1cは、図4(このローターシャフト4の回転角の位置を90°とする)で示されるように、最近接点32の近傍から、第1ベーン5のベーン先端部5bとシリンダー内周面1bとの近接点Aの範囲まで形成されている。圧縮室11は、シリンダー1の吐出ポート1dを介して、冷媒の吐出時以外は吐出弁27によって閉塞されるフレーム2に設けた吐出ポート2dに連通している。したがって、中間室10は、回転角度90°までは吸入ポート1aと連通するが、その後、吸入ポート1a及び吐出ポート1dのいずれとも連通しない回転角度範囲において形成される空間であり、その後、吐出ポート1dと連通して、圧縮室11となる。また、図4において、ブッシュ中心7a、8aは、それぞれ、ブッシュ7、8の回転中心であり、ベーン部5a、6aの回転中心でもある。
 次に、ベーン型圧縮機200のローターシャフト4の回転動作について説明する。
 ローターシャフト4の回転軸部4bが電動要素102の回転子22からの回転力を受け、ローター部4aは、シリンダー1の貫通部1f内で回転する。このローター部4aの回転に伴い、ローター部4aのブッシュ保持部4d、4eは、ローターシャフト4の中心を中心とする円の円周上を移動する。そして、ブッシュ保持部4d、4e内にそれぞれ保持されている一対のブッシュ7、8、並びに、その一対のブッシュ7、8それぞれの間に回転可能に挟持されている第1ベーン5のベーン部5a、及び、第2ベーン6のベーン部6aもローター部4aの回転と共に回転する。第1ベーン5及び第2ベーン6は、ローター部4aの回転による遠心力を受け、ベーンアライナー部5c、6c及びベーンアライナー部5d、6dは、ベーンアライナー軸受部2b、3bにそれぞれ押し付けられて摺動しながら、ベーンアライナー軸受部2b、3bの中心を回転中心として回転する。ここで、ベーンアライナー軸受部2b、3bとシリンダー内周面1bとは同心であるため、第1ベーン5及び第2ベーン6はシリンダー内周面1bの中心を回転中心として回転することになる。そうすると、第1ベーン5のベーン部5a、及び、第2ベーン6のベーン部6aの長さ方向がシリンダー内周面1bの中心を通るように、ブッシュ7、8が、それぞれブッシュ保持部4d、4e内で、ブッシュ中心7a、8aを回転中心として回転することになる。すなわち、ベーン先端部5b、6bの円弧形状及びシリンダー内周面1bの法線が常にほぼ一致する状態で、ローター部4aが回転することになる。
 以上の動作において、ブッシュ7及び第1ベーン5のベーン部5aの側面は、互いに摺動を行い、ブッシュ8及び第2ベーン6のベーン部6aの側面も、互いに摺動を行う。また、ローターシャフト4のブッシュ保持部4d及びブッシュ7は、互いに摺動を行い、ローターシャフト4のブッシュ保持部4e及びブッシュ8も、互いに摺動を行う。
 次に、図5を参照しながら、吸入室9、中間室10及び圧縮室11の容積が変化する様子を説明する。なお、図5においては簡単のため、吸入ポート1a、切欠き部1c及び吐出ポート1dの図示を略し、吸入ポート1a及び吐出ポート1dを矢印でそれぞれ吸入及び吐出として示している。まず、ローターシャフト4の回転に伴い、吸入管26を経由して低圧のガス冷媒が吸入ポート1aから流入する。ここで、図5における回転角度を、ローターシャフト4のローター部4aとシリンダー内周面1bとが最近接している最近接点32と、ベーン部5aとシリンダー内周面1bとが相対する一箇所とが一致するときを、「角度0°」と定義する。図5では、「角度0°」、「角度45°」、「角度90°」及び「角度135°」の場合におけるベーン部5a及びベーン部6aの位置、並びに、それぞれの場合における吸入室9、中間室10及び圧縮室11の状態を示している。また、図5の「角度0°」の図においては、ローターシャフト4の回転方向(図5では時計方向)を矢印で示している。ただし、他の角度の図においては、ローターシャフト4の回転方向を示す矢印は略している。なお、「角度180°」以降の状態を示していないのは、「角度180°」になると、「角度0°」において、第1ベーン5と第2ベーン6が入れ替わった状態と同じになり、それ以降は「角度0°」から「角度135°」までと同じ圧縮動作を示すためである。
 図5における「角度0°」では、最近接点32と第2ベーン6のベーン部6aとで仕切られた右側の空間は中間室10であり、切欠き部1cを介して吸入ポート1aと連通しており、ガス冷媒を吸入する。最近接点32と第2ベーン6のベーン部6aとで仕切られた左側の空間は吐出ポート1dに連通した圧縮室11となる。
 図5における「角度45°」では、第1ベーン5のベーン部5aと最近接点32とで仕切られた空間は吸入室9となる。第1ベーン5のベーン部5aと第2ベーン6のベーン部6aとで仕切られた中間室10は、切欠き部1cを介して吸入ポート1aと連通しており、中間室10の容積は「角度0°」のときより大きくなるので、ガス冷媒の吸入が継続される。また、第2ベーン6のベーン部6aと最近接点32とで仕切られた空間は圧縮室11であり、圧縮室11の容積は「角度0°」のときより小さくなり、ガス冷媒は圧縮されて徐々にその圧力が高くなる。
 図5における「角度90°」では、第1ベーン5のベーン先端部5bがシリンダー内周面1b上の近接点Aと重なるので、中間室10は吸入ポート1aと連通しなくなる。これによって、中間室10へのガス冷媒の吸入は終了する。また、この状態で、中間室10の容積は略最大となる。圧縮室11の容積は「角度45°」のときよりさらに小さくなり、ガス冷媒の圧力は上昇する。吸入室9の容積は「角度45°」のときより大きくなり、切欠き部1cを介して吸入ポート1aと連通して、ガス冷媒が吸入される。
 図5における「角度135°」では、中間室10の容積は「角度90°」のときより小さくなり、冷媒の圧力は上昇する。また、圧縮室11の容積も「角度90°」のときより小さくなり、冷媒の圧力は上昇する。吸入室9の容積は「角度90°」のときより大きくなるので、ガス冷媒の吸入が継続される。
 その後、第2ベーン6のベーン部6aが吐出ポート1dに近づくが、圧縮室11内のガス冷媒の圧力が、冷凍サイクルの高圧(吐出弁27を開くのに必要な圧力も含む)を上回ると、吐出弁27が開く。そして、圧縮室11内のガス冷媒は、吐出ポート1d及び吐出ポート2dを通って、図1で示されるように、密閉容器103内に吐出される。密閉容器103内に吐出されたガス冷媒は、電動要素102を通過して、密閉容器103の上部に固定された吐出管24を通って、外部(冷凍サイクルの高圧側)に吐出される。したがって、密閉容器103内の圧力は高圧である吐出圧力となる。
 また、第2ベーン6のベーン部6aが吐出ポート1dを通過すると、圧縮室11には高圧のガス冷媒が若干残る(ロスとなる)。そして、「角度180°」(図示せず)で圧縮室11が消滅したとき、この高圧のガス冷媒は吸入室9において低圧のガス冷媒に変化する。なお、「角度180°」において、吸入室9が中間室10に移行し、中間室10が圧縮室11に移行して、以後、上記の圧縮動作を繰り返すことになる。
 このように、ローターシャフト4のローター部4aの回転によって、吸入室9は徐々に容積が大きくなり、ガス冷媒の吸入を継続する。以後、吸入室9は中間室10に移行するが、その途中まで(吸入室9と中間室10とを仕切るベーン部(ベーン部5a又はベーン部6a)が近接点Aと相対するまで)徐々に容積が大きくなり、さらにガス冷媒の吸入が継続される。その途中において、中間室10の容積は最大となり、吸入ポート1aに連通しなくなるので、ここでガス冷媒の吸入が終了する。以後、中間室10の容積は徐々に小さくなり、ガス冷媒を圧縮することになる。その後、中間室10は圧縮室11に移行して、ガス冷媒の圧縮が継続される。所定の圧力まで圧縮されたガス冷媒は、吐出ポート1d及び吐出ポート2dを通って吐出弁27を押し上げて、密閉容器103内に吐出される。
 図6は、本発明の実施の形態1に係るベーン型圧縮機200のベーンアライナー部5c、6cの回転動作を示す図1におけるJ-J断面図である。図6の「角度0°」の図においては、ベーンアライナー部5c、6cの回転方向(図6では時計方向)を矢印で示している。ただし、他の角度の図においては、ベーンアライナー部5c、6cの回転方向を示す矢印は略している。
 ローターシャフト4の回転により、第1ベーン5のベーン部5a及び第2ベーン6のベーン部6aがシリンダー内周面1bの中心を回転中心として回転する。これによって、ベーンアライナー部5c、6cは、図6で示されるように、凹部2a内を、ベーンアライナー軸受部2bに支持されてシリンダー内周面1bの中心を回転中心として回転する。また、同様に、ベーンアライナー部5d、6dは、凹部3a内を、ベーンアライナー軸受部3bに支持されてシリンダー内周面1bの中心を回転中心として回転する。
(冷凍機油25の挙動)
 以上の動作において、図1で示されるように、ローターシャフト4の回転によって、油ポンプ31により油溜め104から冷凍機油25が吸い上げられ、給油路4hに送り出される。この給油路4hに送り出された冷凍機油25は、給油路4iを通ってフレーム2の凹部2aに、かつ、給油路4jを通ってシリンダーヘッド3の凹部3aに送り出される。凹部2a、3aに送り出された冷凍機油25は、ベーンアライナー軸受部2b、3bを潤滑すると共に、凹部2a、3aと連通したベーン逃がし部4f、4gに供給される。ここで、密閉容器103内の圧力は高圧である吐出圧力になっているため、凹部2a、3a及びベーン逃がし部4f、4g内の圧力も吐出圧力となる。また、凹部2a、3aに送り出された冷凍機油25の一部は、フレーム2の主軸受部2c及びシリンダーヘッド3の主軸受部3cに供給され潤滑する。
 図7は、本発明の実施の形態1に係るベーン型圧縮機200の第1ベーン5のベーン部5a周りの要部断面図である。
 図7で示されるように、実線の矢印は冷凍機油25の流れを示している。ベーン逃がし部4f内の圧力は吐出圧力であり、吸入室9及び中間室10内の圧力よりも高いため、冷凍機油25は、ベーン部5aの側面とブッシュ7との間の摺動部を潤滑しながら、圧力差及び遠心力によって吸入室9及び中間室10に送り出される。また、冷凍機油25は、ブッシュ7とローターシャフト4のブッシュ保持部4dとの間の摺動部を潤滑しながら、圧力差及び遠心力によって吸入室9及び中間室10に送り出される。また、中間室10に送り出された冷凍機油25の一部は、ベーン先端部5bとシリンダー内周面1bとの間の隙間をシールしながら吸入室9に流入する。
 また、上記では、第1ベーン5のベーン部5aで仕切られる空間が吸入室9及び中間室10である場合について示したが、ローターシャフト4の回転が進んで、第1ベーン5のベーン部5aで仕切られる空間が中間室10及び圧縮室11である場合でも同様である。すなわち、圧縮室11内の圧力がベーン逃がし部4fの圧力と同じ吐出圧力に達した場合でも、遠心力によって、冷凍機油25は、圧縮室11に向かって送り出されることになる。
 なお、以上の動作は第1ベーン5に対して示したが、第2ベーン6においても同様である。
 また、図1で示されるように、主軸受部2cに供給された冷凍機油25は、主軸受部2cと回転軸部4bとの隙間を通って、フレーム2の上方の空間に吐き出された後、シリンダー1の外周部に設けた油戻し穴1eを通って、油溜め104に戻される。また、主軸受部3cに供給された冷凍機油25は、主軸受部3cと回転軸部4cとの隙間を通って、油溜め104に戻される。また、ベーン逃がし部4f、4gを介して吸入室9、中間室10及び圧縮室11に送り出された冷凍機油25も、最終的にガス冷媒と共に吐出ポート2dからフレーム2の上方の空間に吐出された後、シリンダー1の外周部に形成された油戻し穴1eを通って、油溜め104に戻される。また、油ポンプ31により給油路4hに送り出された冷凍機油25のうち、余剰な冷凍機油25は、ローターシャフト4の上方の排油穴4kから、フレーム2の上方の空間に吐き出された後、シリンダー1の外周部に形成された油戻し穴1eを通って、油溜め104に戻される。
(ベーン部5a、6aの上下端面の研磨加工)
 前述のように、第1ベーン5及び第2ベーン6は、シリンダー1の貫通部1f内に形成される3つの空間である吸入室9、中間室10及び圧縮室11を間仕切りする部材である。これらの空間からのガス冷媒の漏れを抑制するためには、ベーン部5a、6aとフレーム2との隙間、及び、ベーン部5a、6aとシリンダーヘッド3との隙間が小さいほど効果的である。さらに、ベーン部5a、6aとフレーム2との間、及び、ベーン部5a、6aとシリンダーヘッド3との間の摺動損失を抑制するためにはベーン部5a、6aの上下端面を研磨することによって、十点平均粗さで0.8[μm]以下に仕上げることが望ましい。
 以下、ベーン部5a、6aの上下端面の平面研磨加工について、第1ベーン5のベーンアライナー部5cが取り付けられたベーン部5aの上端面を加工する場合を例として説明する。図3で示されるベーン部5aの上端面の距離rvの範囲に平面研磨加工を実施するためには、回転する砥石がベーンアライナー部5cに干渉しないように、図3で示されるように、逃がしとして平面部5eが形成されている。ここで、ベーン部5aの上端面を研磨する方法として、例えば、円筒体の端面に多数の切れ刃を設け、これを回転させながら工作物を切削するエンドミルと呼ばれる工具を使用する方法がある。エンドミルの端面をベーン部5aの上端部に垂直に接触させ、回転させながらベーン部5aの上端部を図3(a)で示される距離rvの方向に往復移動させることで研磨することが可能である。また、別の方法として、例えば、平面研削盤がある。回転砥石を、その軸が距離rvの方向と平行になるように配し、回転砥石の端面をベーン部5aの上端部に接触させ、回転砥石を軸周りに回転させると同時に距離rvの方向に往復移動させることで研磨することが可能である。このとき、ベーン部5aの上端面を研磨するために、平面部5eのベーン部5aの上端面の幅方向と同方向の幅は、ベーン部5aの上端面の幅よりも大きくすることが望ましい。本実施の形態においては、ベーンアライナー部5cに平面部5eが形成されていることによって、ベーン部5aの上端面の平面研磨加工を実施する際、回転する砥石がベーンアライナー部5cに干渉することを回避することができる。これは、ベーン部5aの下端面及びベーン部6aの上下端面の加工についても同様である。また、ベーンアライナー部5c、6cに平面部5e、6eが形成されていることによって、ベーン部5a、6aの上下端面は、十点平均粗さ0.8[μm]以下となるように加工することができる。それに対して、ベーン部5a、6aの上下端面の研磨を行わない場合の十点平均粗さは、少なくとも3[μm]以上となる。ベーン部5a、6aの上下端面の研磨を行った場合は、行わない場合と比較すると、ベーン部5a、6aとフレーム2との間、及び、ベーン部5a、6aとシリンダーヘッド3との間の摺動面における機械損失が、3割程度抑制される。さらに、ベーン部5a、6aとフレーム2との隙間、及び、ベーン部5a、6aとシリンダーヘッド3との隙間を小さくしておくことができるため、高効率化を実現できる。
(実施の形態1の効果)
 以上の構成のように、ベーンアライナー部5c、5d、6c、6dのそれぞれに、平面部5e、5f、6e、6fを形成することによって、ベーン部5a、6aの上下端面の平面研磨加工を実施する際、回転する砥石がそれぞれベーンアライナー部5c、5d、6c、6dに干渉することを回避することができる。
 また、これによって、ベーン部5a、6aの上下端面を十点平均粗さ0.8[μm]以下となるような加工が可能となり、ベーン部5a、6aとフレーム2との間、及び、ベーン部5a、6aとシリンダーヘッド3との間の摺動損失を抑制することができ、かつ、ベーン部5a、6aとフレーム2との隙間、及び、ベーン部5a、6aとシリンダーヘッド3との隙間を小さく保持することができるため、耐焼付き性、耐摩耗性を向上させると同時に、高効率化を実現できる。
 また、上記の式(1)の関係を有するように、ベーン先端部5b、6bとシリンダー内周面1bとの間に所定の適正な隙間δを設けることによって、ベーン先端部5b、6bからの冷媒の漏れを抑制しつつ、機械損失の増大による圧縮機効率の低下を抑制し、かつ、ベーン先端部5b、6bの摩耗をゼロにすることができる。
 また、ベーン先端部5b、6bの円弧形状及びシリンダー内周面1bの法線が常にほぼ一致するように圧縮動作を行うために必要なベーン(第1ベーン5、第2ベーン6)がシリンダー内周面1bの中心を回転中心として回転運動する機構を、ローター部4aと回転軸部4b、4cとを一体にした構成で実現できる。このため、回転軸部4b、4cを小径で支持できることで軸受摺動損失を低減し、かつローター部4aの外径及び回転中心の精度を向上させることができ、ローター部4aとシリンダー内周面1bとの間を狭い隙間で形成して漏れ損失を低減することが可能となる。
 なお、本実施の形態において、ローターシャフト4のローター部4aに設置されるベーンとして第1ベーン5及び第2ベーン6の2枚としているが、これに限定されるものではなく、1枚又は3枚以上のベーンが設置される構成としてもよい。例えば、図8は、ベーンが3枚で構成された場合の圧縮要素101の分解斜視図であり、第1ベーン5及び第2ベーン6の他、3枚目のベーンとして、第3ベーン70が設置されたものである。この第3ベーン70のベーン部を挟持するためのブッシュ90がローター部4aに設置されている。
 また、図4、図5及び図7で示されるように、ベーン逃がし部4f、4gの断面を略円形状としているが、これに限定されるものではなく、ベーン部5a、6aがそれぞれ、ベーン逃がし部4f、4gの内周面に接触しなければ、任意の形状(例えば、長穴形状又は矩形状等)にしてもよい。
 また、図1で示されるように、フレーム2及びシリンダーヘッド3に、それぞれの外周面であるベーンアライナー軸受部2b、3bがシリンダー内周面1bと同心円の凹部2a、3aが形成される構成としているがこれに限定されるものではない。すなわち、ベーンアライナー軸受部2b、3bがシリンダー内周面1bと同心円であり、かつ、ベーンアライナー部5c、6c、5d、6dが嵌入できるのであれば任意の形状としてもよく、例えば、ベーンアライナー部5c、6c、5d及び6dが嵌入できるようなリング状の溝で形成するものとしてもよい。
 また、第1ベーン5及び第2ベーン6の材質として、焼付き及び摩耗を抑制するために、油を含浸させた焼結材、鋳鉄又は高速度工具鋼等を用いるものとすればよい。また、焼付き及び摩耗を抑制するために、固定潤滑被膜として、二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホウ素、二硫化タングステン、滑石、雲母、リン酸マンガン又は軟質金属のメッキとして金メッキ、銀メッキ、鉛メッキ又は銅メッキ等を施してもよい。さらに、耐摩耗性向上のための高硬度化の方法として、硬質クロムメッキ、Ni-Wメッキ、Fe-Wメッキ、Co-Wメッキ、Fe-Cメッキ、Ni-Coメッキ、Cu-Snメッキ若しくはNi-Moメッキ等のメッキ処理、PVD法若しくはCVD法によるTiC、TiN、Al、WC等のセラミック被膜処理、浸炭処理、窒化処理、又は、表面焼入れ等の表面処理を施してもよい。
実施の形態2.
 本実施の形態に係るベーン型圧縮機200について、実施の形態1に係るベーン型圧縮機200と相違する点を中心に説明する。
(流体潤滑状態で摺動するための平面部5e、5f、6e、6fの形成)
 平面部5e、5f、6e、6fの形成について、ベーンアライナー部5cの平面部5eを代表として以下に説明する。ベーンアライナー部5cの平面部5eの面積が、ベーンアライナー部5cの外曲面部の面積に対して大きくなるにつれて油膜のくさび効果が減少するため、ベーンアライナー部5cとベーンアライナー軸受部2bとが流体潤滑状態で摺動できなくなる。そこで、ベーンアライナー部5cとベーンアライナー軸受部2bとが流体潤滑状態で摺動できるための条件について以下に説明する。
 図9は、本発明の実施の形態2において相対運動する固体二面間の微小隙間内の流れを示す図であり、図10は、実施の形態2に係るベーン型圧縮機200のベーンアライナー部5cとベーンアライナー軸受部2bとの関係を示した模式図であり、そして、図11は、実施の形態2における解析モデルである。以下、図9~図11を参照しながらレイノルズの流体潤滑理論について述べる。
 図9は相対運動する固体二面間の微小隙間内の流れを示している。相対運動する固体二面間の微小隙間内を水又は油のような非圧縮性流体が流れていることを想定した場合に、流体に発生する圧力Pに関する偏微分方程式は下記の式(2)で表され、この式(2)を非圧縮性レイノルズ方程式という。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
 ここで、x、yは図9で示されるように、紙面に平行で互いに垂直な座標を示している。zは紙面に垂直で、かつ、x軸及びy軸に垂直な座標を示している。hは固体二面間の隙間でありxの関数である。ηは冷凍機油25の粘性係数である。u、v及びwはそれぞれx、y及びz軸方向の流体の速度を表している。U1は図9における下面のx軸方向速度、U2は図9における上面のx軸方向速度、そして、Vは図9における上面のy軸方向速度を表している。
 式(2)をベーンアライナー部5cとベーンアライナー軸受部2bとの隙間の流れに適用する。本来、ベーンアライナー部5cは、図10で示されるような形状であるが、数値解析においては解析モデルを簡略化するため、図11で示されるように、ベーンアライナー軸受部2b内に仮想軸を配している。図11において、ベーンアライナー部5cと仮想軸との隙間に流れる流体は、図9で示される固体二面間の流れと同等に扱うことができる。ここで、図9のx軸を図11におけるθに置換する。θは最大油膜厚さから図中の反時計回りに正の角度である。xとθとの関係は下記の式(3)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000002
 ここで、Rcはベーンアライナー軸受部2bの内周面の半径である。そして、式(3)を式(2)に代入すると、下記の式(4)が得られる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000003
 本来、固定されたベーンアライナー軸受部2b内をベーンアライナー部5cが回転運動するが、解析モデルにおいては、ベーンアライナー部5cを固定し、ベーンアライナー軸受部を回転させる。ここで、図11における任意の点A、Bにおけるそれぞれの円周方向速度U1、U2、及び、点Bにおける半径方向速度Vは、それぞれ下記の式(5)、(6)及び(7)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000005
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000006
 ここで、ωはベーンアライナー軸受部2bの角速度、eはベーンアライナー軸受部2bの中心から仮想軸の中心までの距離、そして、φはY軸と、ベーンアライナー軸受部2bの内周面の中心と仮想軸の中心とを結んだ線との角度である。tは時間を表す。ベーンアライナー部5cは固定されているため回転はしないが、荷重の大きさ及び方向が変動するためベーンアライナー軸受部2b内を平行移動する。この平行移動による速度が上記の式(6)及び(7)のように表現される。また、各変数を以下のとおりに無次元化する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000008
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000009
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000010
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000011
 ここで、Cはベーンアライナー軸受部2bと仮想軸との半径隙間、Lは紙面垂直方向のベーンアライナー軸受部2bの幅、εは仮想軸のベーンアライナー軸受部2bに対する偏心率であり、そして、Aは定数であり、その意味は後述する。そして、式(5)~式(12)を式(4)に代入すると、下記の式(13)及び(14)が導出される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000012
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000013
 ここで、C/Rc<<1より式(14)は、下記の式(15)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000014
 上記の式(13)及び(15)より、下記の式(16)を得る。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000015
 ここで、定数Aを下記の式(17)とおき、また、式(18)の関係がある。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000016
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000017
 また、式(16)~(18)から、下記の式(19)が導出される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000018
 そして、式(19)を有限要素法により解くことによって、θとzの平面における油膜圧力分布を算出することができる。ただし、平面部5eに対応する部分の油膜圧力pは「0」であるものとして解析している。
 図12は、本発明の実施の形態2に係るベーン型圧縮機200においてベーンアライナー軸受部2bにベーンアライナー部5cが嵌入した状態を示す図である。
 ここで、図12で示されるように、ベーンアライナー部5cの円弧角をα、ベーンアライナー部5cの平面部5eに対応する部分の円弧角をβ、そして、図12においてベーンアライナー部5cの外曲面とベーン部5aとが交わる交点間に対応する部分の円弧角をγとする。
 なお、円弧角αは、ベーンが1枚の場合は最大で360°とすることができるが、ベーンが2枚の場合は最大で180°未満、そして、ベーンが3枚の場合は最大で120°未満とする。特に望ましい角度はベーンが2枚の場合は、最大で155°、ベーンが3枚の場合は、最大で95°である。これは、例えば、ベーンが2枚の場合、図6における「角度45°」及び「角度90°」の図で示されるように、ベーン部5a、6aのそれぞれの長さ方向は一致しないので、円弧角を180°とするとベーンアライナー部5c、6cが互いに干渉してしまうからである。
 そして、ベーンアライナー軸受部2bとベーンアライナー部5cとの潤滑特性を把握するために、偏心率が0.9の場合に、β/αをパラメーターとし、油膜圧力を解析的に算出した。また、この油膜圧力pは、後述するベーンアライナー部5cに作用する押付面圧Pと等しい。すなわち、ベーンアライナー部5cからベーンアライナー軸受部2bに作用する押付面圧Pと釣り合うだけの油膜圧力pが発生する。この押付面圧Pに基づいて、それぞれのβ/αに対応する下記の式(20)で示されるゾンマーフェルト数Sが算出される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000019
 上記の式(20)のうち、ηは冷凍機油25の粘性係数、Nはベーンアライナー部5cの回転数、Pは前述したようにベーンアライナー部5cに作用する押付面圧、そして、Rcはベーンアライナー軸受部2bの軸受半径である。式(20)で示されるゾンマーフェルト数Sが決まることによって、ベーンアライナー軸受部2bとベーンアライナー部5cとの潤滑特性が一義的に決定される。
 図13は、本発明の実施の形態2に係るベーン型圧縮機200において偏心率ε=0.9の場合のゾンマーフェルト数Sとβ/αとの関係を示した解析結果図である。
 図13で示されるグラフは、偏心率ε=0.9の場合におけるゾンマーフェルト数Sとβ/αとの関係を示すグラフであり、下記の式(21)で表される。
 β/α=0.1224ln(S)+0.2536     (21)
 図13のグラフの線よりも右側の条件であれば、偏心率εは0.9未満となり、安定的な流体潤滑状態を確保することができる。すなわち、少なくともβ≧γの条件において、下記の式(22)を満たせば、ベーンアライナー部5c及びベーンアライナー軸受部2bが流動潤滑状態で摺動することが可能となる。
 β/α<0.1224ln(S)+0.2536     (22)
 例えば、ゾンマーフェルト数S=0.4の場合、β/αを0.14以下に設定することによって、ベーンアライナー部5cとベーンアライナー軸受部2bとが流体潤滑状態で摺動することが可能となる。
 次に、円弧角α=150、円弧角β=27.1としてβ/α=0.18の条件において、偏心率εが0.9未満の場合と0.9以上の場合とを比較する。偏心率εが0.9のとき、最小油膜厚さは、0.9μmとなる。一般的に、ベーンアライナー部5cとベーンアライナー軸受部2bとの表面粗さは1μm程度であるため、最小油膜厚さが、1μmより小さくなると、ベーンアライナー部5cとベーンアライナー軸受部2は、直接接触しはじめることとなる。このため摩擦係数は急激に上昇し、摩耗量が増大する。すなわち偏心率εを0.9以上にすると、最小油膜厚さが、1μmより小さくなり、摩耗量が増える。それに対して、偏心率εを0.9未満にすると、ベーンアライナー部5cとベーンアライナー軸受部2bとの直接接触が抑制され、流体潤滑状態での摺動が可能となる。
 なお、以上の内容は、ベーンアライナー部5cとベーンアライナー軸受部2bとの関係において説明したが、ベーンアライナー部6cとベーンアライナー軸受部2bとの関係、ベーンアライナー部5dとベーンアライナー軸受部3bとの関係、及び、ベーンアライナー部6dとベーンアライナー軸受部3bとの関係においても同様である。
 また、以上の内容はベーンが2枚の場合について述べたが、3枚又は4枚の場合でも式(22)が成り立てば、ベーンアライナー部5cとベーンアライナー軸受部2bとが流体潤滑状態で摺動することが可能となる。
(実施の形態2の効果)
 以上のような条件に従って、ベーンアライナー部5c、5d、6c、6dにおいてそれぞれ平面部5e、5f、6e、6fを形成することによって、実施の形態1における効果を有するのはもちろんのこと、ベーンアライナー部5c、6cとベーンアライナー軸受部2bとの摺動、及び、ベーンアライナー部5d、ベーンアライナー部6dとベーンアライナー軸受部3bとの摺動を常に流体潤滑状態に維持することが可能となり、耐焼付き性、耐摩耗性を向上させると同時に、高効率化を実現できる。
 1 シリンダー、1a 吸入ポート、1b シリンダー内周面、1c 切欠き部、1d 吐出ポート、1e 油戻し穴、1f 貫通部、2 フレーム、2a 凹部、2b ベーンアライナー軸受部、2c 主軸受部、2d 吐出ポート、2f、2g ストッパー、3 シリンダーヘッド、3a 凹部、3b ベーンアライナー軸受部、3c 主軸受部、3f、3g ストッパー、4 ローターシャフト、4a ローター部、4b、4c 回転軸部、4d、4e ブッシュ保持部、4f、4g ベーン逃がし部、4h~4j 給油路、4k 排油穴、5 第1ベーン、5a ベーン部、5b ベーン先端部、5c、5d ベーンアライナー部、5e、5f 平面部、6 第2ベーン、6a ベーン部、6b ベーン先端部、6c、6d ベーンアライナー部、6e、6f 平面部、7 ブッシュ、7a ブッシュ中心、8 ブッシュ、8a ブッシュ中心、9 吸入室、10 中間室、11 圧縮室、21 固定子、22 回転子、23 ガラス端子、24 吐出管、25 冷凍機油、26 吸入管、27 吐出弁、28 吐出弁押え、31 油ポンプ、32 最近接点、70 第3ベーン、90 ブッシュ、101 圧縮要素、102 電動要素、103 密閉容器、104 油溜め、200 ベーン型圧縮機。

Claims (7)

  1.  円筒状の内周面が形成されたシリンダーと、
     該シリンダーの内部において、前記内周面の中心軸と所定の距離ずれた回転軸を中心に回転する円筒形状のローター部、及び、該ローター部に回転力を伝達する回転軸部を有したローターシャフトと、
     前記シリンダーの前記内周面の一方の開口部を閉塞し、主軸受部によって前記回転軸を支承するフレームと、
     前記シリンダーの前記内周面の他方の開口部を閉塞し、主軸受部によって前記回転軸を支承するシリンダーヘッドと、
     前記ローター部に設けられ、前記ローター部内から突出する先端部が外側に凸となる円弧形状に形成された少なくとも1枚のベーンと、
     を備えたベーン型圧縮機において、
     前記ベーンの前記先端部の前記円弧形状の法線と、前記シリンダーの前記内周面の法線とが常にほぼ一致する状態で、前記ベーン、前記ローター部の外周部、及び前記シリンダーの前記内周面によって囲まれる空間で冷媒を圧縮するように前記ベーンを支持し、前記ベーンを前記ローター部に対して回転可能かつ移動可能に支持し、前記ベーンの前記先端部が前記シリンダーの前記内周面側に最大限移動した場合に、該先端部と該内周面との所定の間隙を有するように保持するベーン支持手段を備え、
     前記ローターシャフトは、前記ローター部と前記回転軸部とが一体に形成されて構成され、
     前記ベーンの前記先端部の前記円弧形状の曲率半径は、前記シリンダーの前記内周面の曲率半径と略同一であり、
     前記ベーン支持手段は、
     前記ローター部の外周部近傍に、前記ローター部の中心軸方向に垂直な断面が略円形となるように該中心軸方向に貫通したブッシュ保持部と、
     該ブッシュ保持部の中に挿入される一対の略半円柱状物であり、前記ブッシュ保持部内で前記ベーンを挟持するブッシュと、
     前記ベーンにおける、前記シリンダーの前記内周面の中心である内周面中心側の端面が、前記ローター部に接触しないように、前記ローター部において該ローター部の中心軸方向に貫通して形成されたベーン逃がし部と、
     によって構成され、
     前記ベーンは、前記フレーム側かつ前記ローター部の中心側の端面近傍、及び、前記シリンダーヘッド側かつ前記ローター部の中心側の端面近傍に設けられた一対の円弧形状のベーンアライナー部を有し、
     前記フレーム及び前記シリンダーヘッドの前記シリンダー側の端面に、前記シリンダーの前記内周面と同心の凹部又は溝部が形成され、
     前記ベーンアライナー部は、前記凹部又は前記溝部内に嵌入され、該凹部又は該溝部の外周面であるベーンアライナー軸受部で支承され、前記ベーンの先端部側の面に、前記ベーンの長さ方向に垂直な平面部が形成された
     ことを特徴とするベーン型圧縮機。
  2.  前記ベーンアライナー部の円弧形状において、前記ベーンアライナー部に形成された前記平面部に対応する部分の円弧角をβとし、前記ベーンアライナー部における前記ベーンの先端部側の面と、該ベーンアライナー部が設けられた前記ベーンの端面とが交わる部分に対応する部分の円弧角をγとした場合、β≧γを満たすように前記平面部が形成された
     ことを特徴とする請求項1記載のベーン型圧縮機。
  3.  前記ベーンアライナー部の円弧形状の円弧角をαとし、ゾンマーフェルト数をSとした場合、β/α<0.1224ln(S)+0.2536を満たすように前記平面部が形成された
     ことを特徴とする請求項2記載のベーン型圧縮機。
  4.  前記ベーンの前記フレーム及び前記シリンダーヘッドに対向する端面の十点平均粗さが0.8[μm]以下である
     ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のベーン型圧縮機。
  5. 前記ベーンアライナー部に前記平面部が形成された後に、前記ベーンの上端又は下端のいずれか一方が研磨されたことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のベーン型圧縮機。
  6. 前記ベーンの上端又は下端のいずれか一方がエンドミルによって研磨されたことを特徴とする請求項5記載のベーン型圧縮機。
  7. 前記ベーンの上端又は下端のいずれか一方が平面研削盤によって研磨されたことを特徴とする請求項5記載のベーン型圧縮機。
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