WO2013047838A1 - 床構造用接着剤及び床構造 - Google Patents

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Abstract

 本発明は、床基盤1 上に敷設された床下地材30上に、床仕上げ材20を接着一体化するための床構造用接着剤であって、 トリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体、炭酸カルシウム、及びシラノール縮合触媒を含有し、且つアミノシランカップリング剤を含有しないことを特徴とする床構造用接着剤を提供する。 床構造用接着剤によれば、床鳴りや目隙を生じることがなく、且つ床仕上げ材の改修時には床下地材から容易に剥離することが可能な床構造用接着剤を提供することができる。

Description

床構造用接着剤及び床構造
 本発明は、床基盤上に敷設された床下地材上に床仕上げ材を接着一体化するための床構造用接着剤に関し、特に、床鳴りや目隙の発生が低減され、且つ床仕上げ材の改修時には床仕上げ材を床下地材から容易に剥離することが可能な床構造用接着剤、及びこれを用いてなる床構造に関する。
 近年の建築物では、コンクリート製床スラブなどの床基盤上に脚部材を介して床下地材が敷設され、この床下地材に接着剤を介して床仕上げ材が接着一体化された床構造が採用されている。床構造では、複数の床仕上げ材が相互に隙間なく並べられる。そして、木目模様などの模様を有する床仕上げ材を用いることにより、床の外観性や意匠性を向上させている。
 床構造に用いられる接着剤としては、エポキシ系接着剤やウレタン系接着剤が用いられている。しかしながら、エポキシ系接着剤やウレタン系接着剤を用いた床構造では、接着剤の硬化膜が硬い。そのために、床仕上げ材上を人が歩行した際に床仕上げ材から軋む音が発生する。このように床仕上げ材に荷重の移動や衝撃などが加わることにより、軋む音などの不快な音が床構造から発生する現象は、一般的に「床鳴り」と呼ばれている。
 このような床鳴りを防止するために、変成シリコーン系接着剤を用いた床構造が知られている(特許文献1)。しかしながら、変成シリコーン系接着剤を用いた床構造では、変成シリコーン系接着剤の硬化膜が柔軟である。そのため、周囲環境の温度変化により床仕上げ材が乾燥収縮を生じた際に、隣接する床仕上げ材同士の間に隙間が発生する。このように床構造において床仕上げ材同士の間に隙間が発生する現象は、一般的に「目隙」と呼ばれている。
 また、床仕上げ材に傷が付いてしまった場合などは、傷が付いた床仕上げ材を床下地材から剥がして、新しい床仕上げ材を床下地材に接着し、このように床仕上げ材を張り替えることにより、床仕上げ材の改修が行われている。しかしながら、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、及び変成シリコーン系接着剤などの従来の接着剤では、床仕上げ材が接着剤を介して床下地材に強固に接着されているため、床仕上げ材を床下地材から容易に剥離することができない場合があった。このような場合、床仕上げ材を床下地材から無理に剥離しようとすると、床下地材の一部が床仕上げ材と共に剥離して床下地材を損傷させるため、床仕上げ材のみを剥がして張り替えることができない。
特開2000-154637号公報
 そこで、本発明は、床基盤上に敷設された床下地材上に床仕上げ材を接着一体化するための床構造用接着剤であって、床鳴りや目隙の発生が低減された床構造を提供することができ、且つ床仕上げ材の改修時には床仕上げ材を床下地材から容易に剥離することが可能な床構造用接着剤を提供することを目的とする。
 さらに、本発明は、床鳴りや目隙の発生が低減され、床仕上げ材の改修時には床仕上げ材を床下地材から容易に剥離することが可能な床構造を提供することを目的とする。
 本発明の床構造用接着剤は、トリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体、炭酸カルシウム、及びシラノール縮合触媒を含有し、且つアミノシランカップリング剤を含有しないことを特徴とする。
 [ポリオキシアルキレン系重合体]
 トリメトキシシリル基(-Si(OCH33)を有するポリオキシアルキレン系重合体は、主鎖が、一般式:-(R-O)n-(式中、Rは炭素数が1~14のアルキレン基を表し、nは、繰り返し単位の数であって正の整数である。)で表される繰り返し単位を含有する重合体が好ましく挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格は一種のみの繰り返し単位からなっていてもよいし、二種以上の繰り返し単位からなっていてもよい。
 ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖骨格としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体、及びポリオキシプロピレン-ポリオキシブチレン共重合体などが挙げられる。なかでも、ポリオキシプロピレンが好ましい。
 ポリオキシアルキレン系重合体は、トリメトキシシリル基の他に、ウレタン結合をさらに有していることが好ましい。ウレタン結合は、ポリオキシアルキレン系重合体に極性を付与することができ、これにより床構造用接着剤を硬化させてなる接着剤層に適度な接着力を付与することができる。
 ポリオキシアルキレン系重合体は、ポリオキシアルキレン鎖の両末端にウレタン結合を介してトリメトキシシリル基を有していることが好ましい。トリメトキシシリル基の近傍にウレタン結合を有しているポリオキシアルキレン系重合体によれば、床構造用接着剤を硬化させてなる接着剤層に良好なゴム弾性を付与することができる。
 ポリオキシアルキレン鎖の両末端にウレタン結合を介してトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、例えば、ポリオキシアルキレン鎖の両末端にヒドロキシル基を有するプレポリマーと、トリメトキシシリル基及びイソシアネート基を有する化合物とを反応させることにより得られる。
 ポリオキシアルキレン鎖の両末端にヒドロキシル基を有するプレポリマーとしては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレングリコール、及びポリオキシプロピレン-ポリオキシブチレングリコールなどが挙げられる。
 トリメトキシシリル基及びイソシアネート基を有する化合物としては、1-イソシアネートメチルトリメトキシシラン、2-イソシアネートエチルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートブチルトリメトキシシラン、3-イソシアネートペンチルトリメトキシシラン、及び1-イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
 ポリオキシアルキレン鎖の両末端にウレタン結合を介してトリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体を合成するには、ポリオキシアルキレン鎖の両末端にヒドロキシ基を有するプレポリマーと、トリメトキシシリル基及びイソシアネート基を有する化合物とを混合して混合物を得、この混合物を撹拌して上記プレポリマーのヒドロキシ基と、上記化合物のイソシアネート基とを反応させてウレタン結合を形成させることにより行うことができる。また、上記混合物を加熱しながら撹拌することにより、反応を促進させることができる。
 ポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量は、3,000~50,000が好ましく、10,000~20,000がより好ましい。ポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量が大き過ぎると、得られる床構造用接着剤の粘度が高くなり、上記床構造用接着剤の塗工性などが低下する虞れがある。また、ポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量が小さ過ぎると、床構造用接着剤を硬化させてなる接着剤層が脆くなり、接着剤層の機械的強度、接着力やゴム弾性が低下する虞れがある。
 なお、本発明において、ポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定されたポリスチレン換算した値である。具体的には、ポリオキシアルキレン系重合体6~7mgを採取し、採取したポリオキシアルキレン系重合体を試験管に供給した上で、試験管に0.05重量%のBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)を含むo-DCB(オルトジクロロベンゼン)溶液を加えてポリオキシアルキレン系重合体の濃度が1mg/mLとなるように希釈して希釈液を作製する。
 溶解濾過装置を用いて145℃にて回転速度25rpmにて1時間に亘って上記希釈液を振とうさせてポリオキシアルキレン系重合体をBHTを含むo-DCB溶液に溶解させて測定試料とする。この測定試料を用いてGPC法によってポリオキシアルキレン系重合体の数平均分子量を測定することができる。
 ポリオキシアルキレン系重合体における数平均分子量は、例えば、下記測定装置及び測定条件にて測定することができる。
測定装置 TOSOH社製 商品名「HLC-8121GPC/HT」
測定条件 カラム:TSKgelGMHHR-H(20)HT×3本
         TSKguardcolumn-HHR(30)HT×1本
     移動相:o-DCB 1.0mL/分
     サンプル濃度:1mg/mL  
     検出器:ブライス型屈折計
     標準物質:ポリスチレン(TOSOH社製 分子量:500~8420000)
     溶出条件:145℃
     SEC温度:145℃
 ポリオキシアルキレン系重合体の25℃における粘度は、1000~30000mPa・sが好ましく、4000~25000mPa・sがより好ましく、5000~15000mPa・sが特に好ましい。ポリオキシアルキレン系重合体の粘度が高過ぎると、得られる床構造用接着剤の粘度が高くなり、上記床構造用接着剤の塗工性などが低下する虞れがある。また、ポリオキシアルキレン系重合体の粘度が低過ぎると、床構造用接着剤を硬化させてなる接着剤層が脆くなり、接着剤層の機械的強度、接着力やゴム弾性が低下する虞れがある。
 なお、本発明において、ポリオキシアルキレン系重合体の25℃における粘度の測定は、JIS K1557に準拠した方法により測定することができる。
 トリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、市販されているものを用いることができる。例えば、主鎖骨格がポリオキシプロピレンであり、主鎖骨格の末端にトリメトキシシリル基を有し且つウレタン結合を有していないポリオキシアルキレン系重合体としては、旭硝子株式会社製 エクセスターA2551が挙げられる。また、主鎖骨格がポリオキシプロピレンであり、主鎖骨格の末端にウレタン結合を介してトリメトキシシリル基を有しているポリオキシアルキレン系重合体としては、バイエル社製 Desmoseal(登録商標)XP2749が挙げられる。
 [炭酸カルシウム]
 本発明の床構造接着剤では、上述したポリオキシアルキレン系重合体と炭酸カルシウムとを組み合わせて用いることにより、適度な接着力を有する接着剤層を形成することができる。このような接着剤層によれば、床下地材と床仕上げ材とを接着一体化できる一方で、上記接着剤層を用いてなる床構造において床仕上げ材を改修する時には床下地材を損傷させることなく床仕上げ材を床下地材から容易に剥離することができる。さらに、本発明の床構造接着剤では、上述したポリオキシアルキレン系重合体と炭酸カルシウムとを組み合わせて用いることにより、上記接着剤層が柔軟になり過ぎないようにして、上記接着剤層に適度な機械的強度及び適度なゴム弾性を付与することも可能となる。したがって、このような接着剤層を用いてなる床構造における床鳴りや目隙の発生を高く低減することができる。
 炭酸カルシウムとしては、重質炭酸カルシウム、及び沈降炭酸カルシウムが好ましく挙げられる。重質炭酸カルシウムは、例えば、天然のチョーク(白亜)、大理石、石灰石などの天然の炭酸カルシウムを微粉状に粉砕することにより得ることができる。また、沈降炭酸カルシウムは、例えば、石灰石を原料として用い、化学的反応を経て製造することができる。
 また、沈降炭酸カルシウムとしては、軽質炭酸カルシウム、及び膠質炭酸カルシウムが挙げられる。軽質炭酸カルシウムの一次粒子径は1~3μmが好ましい。また、軽質炭酸カルシウムは、紡錘形状又は柱状の形状を有することが好ましい。膠質炭酸カルシウムの一次粒子径は、0.02~0.1μmが好ましい。また、膠質炭酸カルシウムは、立方体状を有することが好ましい。
 炭酸カルシウムとしては、重質炭酸カルシウム又は沈降炭酸カルシウムのうちいずれか一方を用いてもよく、双方を用いてもよい。なかでも、重質炭酸カルシウム及び膠質炭酸カルシウムを用いることが好ましい。重質炭酸カルシウムと膠質炭酸カルシウムとを組み合わせて用いることにより、床構造用接着剤にチキソ性を付与することができる。
 重質炭酸カルシウム又は膠質炭酸カルシウムを用いる場合、床構造用接着剤中における重質炭酸カルシウムの含有量は、トリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して、30~500重量部が好ましく、50~350重量部がより好ましく、50~150重量部が特に好ましい。
 また、重質炭酸カルシウム又は膠質炭酸カルシウムを用いる場合、床構造用接着剤中における膠質炭酸カルシウムの含有量は、トリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して、10~300重量部が好ましく、10~100重量部がより好ましい。
 炭酸カルシウムは、脂肪酸や脂肪酸エステルなどにより表面処理されていることが好ましい。炭酸カルシウムを脂肪酸や脂肪酸エステルなどにより表面処理することにより、炭酸カルシウムの凝集を抑制することができる。
 [シラノール縮合触媒]
 本発明の床構造用接着剤は、シラノール縮合触媒を含有している。シラノール縮合触媒とは、ポリオキシアルキレン系重合体が含有するトリメトキシシリル基が加水分解することなどにより形成されたシラノール基同士の脱水縮合反応を促進させるための触媒である。なお、シラノール基とは、ケイ素原子に直接結合しているヒドロキシ基(≡Si-OH)を意味する。
 シラノール縮合触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジオクチル錫ジラウレート、ビス(ジブチル錫ビストリエトキシシリケート)オキサイド、及びジブチル錫オキシビスエトキシシリケートなどの有機錫系化合物;テトラ-n-ブトキシチタネート、及びテトライソプロポキシチタネートなどの有機チタン系化合物;1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカー5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカー5-エン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、6-ジブチルアミノ-1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナー5-エンなどのシクロアミジン系化合物;ジブチルアミン-2-エチルヘキソエートなどが挙げられる。また、他の酸性触媒や塩基性触媒もシラノール縮合触媒として用いることができる。これらのシラノール縮合触媒は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
 なかでも、シラノール縮合触媒としては、有機錫系化合物及びシクロアミジン系化合物が好ましく挙げられ、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンがより好ましく挙げられる。
 床構造用接着剤中におけるシラノール縮合触媒の含有量は、ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して、0.1~5重量部が好ましく、0.5~3重量部がより好ましい。床構造用接着剤中におけるシラノール縮合触媒の含有量が低過ぎると、床構造用接着剤の硬化速度が低く、床構造用接着剤の硬化に要する時間が長くなる虞れがある。また、床構造用接着剤中におけるシラノール縮合触媒の含有量が高過ぎると、床構造用接着剤硬化速度が速くなり過ぎ、床構造用接着剤貯蔵安定性や取扱性が低下する虞れがある。
 [アミノシランカップリング剤]
 本発明の床構造用接着剤は、アミノシランカップリング剤を含有しない。アミノシランカップリング剤を床構造用接着剤が含んでいると、床構造用接着剤の接着性が高くなり過ぎ、床仕上げ材を床構造から剥離することが困難となる。
 アミノシランカップリング剤とは、一分子中にアルコキシ基が結合した珪素原子と、窒素原子を含有する官能基とを含む化合物を意味する。アミノシランカップリング剤として、具体的には、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’-ビス-〔3-(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(トリエトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(メチルジメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(トリメトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン、N,N’-ビス-〔3-(トリエトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
 本発明の床構造用接着剤は、アミノシランカップリング剤を含有しない。床構造用接着剤中におけるアミノシランカップリング剤の含有量は、ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して、0.001重量部未満、特に0重量部とする。
 [エポキシシランカップリング剤]
 本発明の床構造用接着剤は、エポキシシランカップリング剤を含んでいることが好ましい。エポキシシランカップリング剤を含む床構造用接着剤を硬化させてなる接着剤層によれば、上記接着剤層を用いてなる床構造において床鳴りや目隙が発生することを高く低減できる。
 エポキシシランカップリング剤とは、一分子中にアルコキシ基が結合した珪素原子と、エポキシ基を有する官能基とを含む化合物を意味する。エポキシシランカップリング剤として、具体的には、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、及び2-(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらのエポキシシランカップリング剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なかでも、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
 床構造用接着剤中におけるエポキシシランカップリング剤の含有量は、ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して、0.1~10重量部が好ましく、1~5重量部がより好ましい。床構造用接着剤中におけるエポキシシランカップリング剤の含有量が低過ぎると、エポキシシランカップリング剤を添加したことによって充分な効果が得られない虞れがある。また、床構造用接着剤中におけるエポキシシランカップリング剤の含有量が高過ぎると、床構造用接着剤の接着性が高くなり過ぎて、床下地材を床仕上げ材から剥離することが困難となる虞れがある。
 [中空状充填材]
 本発明の床構造用接着剤は、中空状充填材を含んでいることが好ましい。中空状充填材によれば、これを含む床構造用接着剤を硬化させてなる接着剤層により適度な機械的強度及び適度なゴム弾性を付与することが可能となり、上記接着剤層を用いてなる床構造における床鳴りや目隙の発生を高く低減できる。
 中空状充填材としては、フィライト、ガラスバルーン、シリカバルーン、セラミックバルーン、シラスバルーン、及びフライアッシュバルーンなどの中空状無機系充填剤、ポリフッ化ビニリデン、又はポリフッ化ビニリデン共重合体などからなる中空状有機系充填剤などが挙げられる。なかでも、ガラスバルーン、シラスバルーン、及びフライアッシュバルーンが好ましく、シラスバルーン、及びフライアッシュバルーンがより好ましい。これらの中空状充填材は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
 ガラスバルーンは、ガラス製の中空球状を有する充填材であり、「ガラス中空充填材」とも呼ばれる。このようなガラスバルーンは、例えば、住友スリーエム社製グラスバブルズS及びKシリーズにより市販されている。
 中空状充填剤の平均一次粒子径は、15~200μmが好ましく、30~200μmがより好ましく、30~150μmが特に好ましく、50~150μmが最も好ましい。平均一次粒子径が上記範囲内である中空状充填剤によれば、これを含む床構造用接着剤を硬化させてなる接着剤層により適度な機械的強度及び適度なゴム弾性を付与することが可能となり、上記接着剤層を用いてなる床構造における床鳴りや目隙の発生を高く低減できる。
 なお、中空状充填剤の平均一次粒子径は、レーザー回折・散乱式の粒度分析測定装置を用いて測定した値とする。例えば、中空状充填剤をその濃度が10重量%となるようにメタノールに投入した後、超音波ホモジナイザーを用いて1kwの出力で超音波を10分間照射して懸濁液を得、この懸濁液についてレーザー回折・散乱式の粒度分析測定装置(例えば、島津製作所製 SACD-2100)により中空状充填剤の体積粒度分布を測定し、この体積粒度分布の累積50%の値を中空状充填剤の平均一次粒子径として算出することができる。
 中空状充填剤の真密度は、0.1~0.9g/cm3が好ましく、0.5~0.9g/cm3がより好ましく、0.6~0.8g/cm3が特に好ましい。真密度が上記範囲内である中空状充填剤によれば、これを含む床構造用接着剤を硬化させてなる接着剤層に、より適度な機械的強度及びゴム弾性を付与することができる。
 なお、中空状充填剤の真密度は、例えば、密度測定器(例えば、島津製作所製 アキピックII 1340)を用い、気体置換法により測定することができる。
 床構造用接着剤中における中空状充填材の含有量は、ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して、1~30重量部が好ましく、5~20重量部がより好ましい。床構造用接着剤中における中空状充填材の含有量が低過ぎると、床構造用接着剤を硬化させてなる接着剤層に適度な機械的強度及びゴム弾性を付与できない虞れがある。また、床構造用接着剤中における中空状充填材の含有量が高過ぎると、得られる床構造用接着剤の粘度が高くなり、上記床構造用接着剤の塗工性などが低下する虞れがある。
 [薄片状無機充填剤]
 本発明の床構造用接着剤は、薄片状無機充填剤を含んでいることが好ましい。薄片状無機充填剤を用いることにより、床構造用接着剤を硬化させてなる接着剤層に、より適度な機械的強度及びゴム弾性を付与することが可能となり、接着剤層を用いてなる床構造における床鳴りや目隙の発生を高く低減できる。
 薄片状無機充填剤を構成する材料としては、マイカ、タルク、シリカ、バーミキュライト、アルミナ、雲母などが挙げられる。なかでも、タルクが好ましい。
 薄片状無機充填剤の平均粒子径は、1~50μmが好ましく、10~30μmがより好ましい。薄片状無機充填剤の平均粒子径が小さ過ぎると、接着剤層に十分な機械的強度やゴム弾性を付与できない虞れがある。また、薄片状無機充填剤の平均粒子径が大き過ぎると、接着剤層のゴム弾性が却って低下する虞れがある。
 なお、本発明において薄片状無機充填剤の平均粒子径は、レーザー回折・散乱式の粒度分析測定装置を用いて測定した値とする。例えば、薄片状無機充填剤をその濃度が10重量%となるようにメタノールに投入した後、超音波ホモジナイザーを用いて1kwの出力で超音波を10分間照射して懸濁液を得、この懸濁液についてレーザー回折・散乱式の粒度分析測定装置(例えば、島津製作所製 SACD-2100)により薄片状無機充填剤の体積粒度分布を測定し、この体積粒度分布の累積50%の値を薄片状無機充填剤の平均粒子径として算出することができる。
 床構造用接着剤中における薄片状無機充填剤の含有量は、ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して、30~200重量部が好ましく、50~150重量部がより好ましく、100~150重量部が特に好ましい。床構造用接着剤中における薄片状無機充填剤の含有量が低過ぎると、床構造用接着剤を硬化させてなる接着剤層に適度な機械的強度及びゴム弾性を付与できない虞れがある。また、床構造用接着剤中における薄片状無機充填剤の含有量が高過ぎると、得られる床構造用接着剤の粘度が高くなり、上記床構造用接着剤の塗工性などが低下する虞れがある。
 [脱水剤]
 本発明の床構造用接着剤は、脱水剤をさらに含んでいることが好ましい。脱水剤によれば、床構造用接着剤を保存している際に、空気中などに含まれている水分によって床構造用接着剤が硬化することを抑制することができる。
 脱水剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、及びジフェニルジメトキシシランなどのシラン化合物;並びにオルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、及びオルト酢酸エチル等のエステル化合物などを挙げることができる。これらの脱水剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なかでも、ビニルトリメトキシシランが好ましい。
 床構造用接着剤中における脱水剤の含有量は、ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して、0.5~20重量部が好ましく、1~15重量部がより好ましく、1~5重量部が特に好ましい。床構造用接着剤中における脱水剤の含有量が低過ぎると、脱水剤により得られる効果が十分ではない虞れがある。また、床構造用接着剤中における脱水剤の含有量が高過ぎると、床構造用接着剤の貯蔵安定性や取扱性が低下する虞れがある。
 [他の添加剤]
 本発明の床構造用接着剤は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、沈降防止剤、及び溶剤など他の添加剤を含んでいてもよい。なかでも、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤が好ましく挙げられる。
 酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、及びポリフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。床構造用接着剤中における酸化防止剤の含有量は、ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して、0.1~20重量部が好ましく、0.3~10重量部がより好ましい。
 紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられ、及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。床構造用接着剤中における紫外線吸収剤の含有量は、ポリオキシアルキレン系重合体100重量部に対して、0.1~20重量部が好ましく、0.1~10重量部がより好ましい。
 本発明の床構造用接着剤の製造は、トリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体、炭酸カルシウム、シラノール縮合触媒、及び必要に応じて他の添加剤をそれぞれ所定の重量比となるように混合する方法により行うことができる。混合は減圧下で行うことが好ましい。
 [床構造]
 本発明の床構造用接着剤は、床構造に用いられる。床構造は、床基盤上に敷設された床下地材上に、接着剤層を介して床仕上げ材が接着一体化されることによって構築される。本発明の床構造は、床基盤と、上記床基盤上に敷設されている床下地材と、上記床下地材上に形成されており且つ上記床下地材と接着一体化している接着剤層と、上記接着剤層上に敷設されており且つ上記接着剤層と接着一体化している床仕上げ材とを含んでいる。
 本発明の床構造は、トリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体、炭酸カルシウム、及びシラノール縮合触媒を含有し、且つアミノシランカップリング剤を含有しない床構造用接着剤を硬化させてなる接着剤層を用いている。そして、床仕上げ材及び床下地材はそれぞれ接着剤層と接着一体化している。このように接着剤層を使用することにより、床鳴りや目隙の発生が低減され、床仕上げ材の改修時には床仕上げ材を床下地材から容易に剥離することが可能な床構造を提供することができる。
 本発明の床構造用接着剤が用いられた床構造の模式断面図の一例を図1に示す。図1に示す床構造は、床基盤1上にスペーサー2を介して敷設された床下地材30と、床下地材30上に形成されており且つ床下地材30と接着一体化している接着剤層10と、接着剤層10上に敷設されており且つ接着剤層10と接着一体化している床仕上げ材20とを有する。
 図1の床構造では、床基盤1と床下地材30とを非接触状態に保つために、床基盤1上にスペーサー2を介して床下地材30が敷設されている。しかしながら、床基盤1上にスペーサー2を介さずに床下地材30が直接敷設されていてもよい。
 このような床構造の構築は、例えば、次の通りにして行われる。まず、床基盤1上に、必要に応じてスペーサー2を介して、床下地材30を敷設する。次に、床下地材30の上に床構造用接着剤を塗工した後、塗工した床構造用接着剤上に床仕上げ材20を敷設することにより、積層体を得る。その後、床構造用接着剤を硬化させることにより、接着剤層10が形成されると共に、この接着剤層10によって床下地材30と床仕上げ材20とを接着一体化させることにより、床構造の構築が行われる。床構造用接着剤の硬化は、特に制限されないが、例えば、積層体を放置することにより行われる。
 床基盤としては、特に制限されず、土間コンクリートやコンクリート製床スラブなどが挙げられる。
 床仕上げ材を構成する部材としては、例えば、合板、ミディアム・デンシティ・ファイバーボード(MDF:Medium Density Fiberboard)、タイル、塩化ビニルシート、及び石材などが挙げられる。なお、床構造では、複数の床仕上げ材が相互に隙間なく並べられる。
 床下地材を構成する部材としては、例えば、合板、パーチクルボード、木根太、石膏ボード、スレート板、及びコンクリート板などが挙げられる。なかでも、合板、パーチクルボードなどの木質部材からなる床下地材を使用することが好ましい。従来の接着剤によって木質部材からなる床下地材に床仕上げ材を接着一体化した場合、床仕上げ材を床下地材から剥離することが困難となり、床仕上げ材を床下地材から無理に剥離しようとすると床下地材の一部が床仕上げ材と共に剥離して床下地材を損傷させる問題が特に生じやすい。しかしながら、本発明の床構造用接着剤によれば、これを用いて床下地材と床仕上げ材とを接着一体化しても、床仕上げ材の改修時に床下地材を損傷させずに床仕上げ材を床下地材から容易に剥離することが可能なことから、本発明の床構造用接着剤は木質部材からなる床下地材と床仕上げ材とを接着させるために好ましく用いられる。
 また、床下地材としては、図2に示すように、制振シート42と下地基材43とが接着剤層41により接着一体化されてなる制振性複合体40を用いることもできる。なお、図2に示す、床構造は、図1に示す床構造において床下地材30に代えて制振性複合体40を用いた以外は、同様の構成を有する。
 制振シート42としては、例えば、高比重物質が合成樹脂やアスファルトに混入されてなるシートなどが挙げられる。高比重物質としては、例えば、硫酸バリウム等の無機質粉末、並びに鉛、鉄等の金属粉末などが挙げられる。また、合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリウレタン及び塩化ビニルなどが挙げられる。下地基材を構成する部材としては、例えば、合板、パーチクルボード、木根太、石膏ボード、スレート板、及びコンクリート板などが挙げられる。また、接着剤層41としては、エポキシ系接着剤やウレタン系接着剤など従来公知の接着剤を硬化させてなるものなどが用いられる。
 本発明の床構造用接着剤は、空気中の湿気や、床仕上げ材及び床下地材に含まれている湿気によって硬化し、床仕上げ材を床下地材に接着一体化させることができる。また、床構造用接着剤が硬化してなる接着剤層は適度な機械的強度とゴム弾性を有していることから、床構造用接着剤を硬化させてなる接着剤層を用いることによって、床構造における目隙や床鳴りの発生を高く低減することができる。さらに、床構造用接着剤を硬化させてなる接着剤層を用いている床構造では、床下地材を損傷させることなく床下地材から容易に剥離することができる。したがって、床仕上げ材の改修時に、床仕上げ材の張り替えを効率的に行うことができる。
本発明の好適な一実施形態である床構造の模式断面図である。 本発明の好適な他の実施形態である床構造の模式断面図である。 実施例の目隙試験において、一面に接着剤がビード状に塗布された床下地材の模式図である。 実施例の目隙試験において、一面に接着剤がビード状に塗布された床下地材上に床仕上げ材が固定された状態を示す模式図である。 床鳴り試験において、一面に接着剤がビード状に塗布された床下地材の模式図である。 床鳴り試験において、一面に接着剤がビード状に塗布された床下地材上に床仕上げ材が接着一体化された状態を示す模式図である。
 以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
 (実施例1~14、比較例1~3)
 主鎖骨格がポリオキシプロピレンであり、且つ主鎖骨格の末端にウレタン結合を介してトリメトキシシリル基を有しているポリオキシアルキレン系重合体(25℃における粘度5,000mPa・s、バイエル社製 製品名「Desmoseal(登録商標)XP2749」)、重質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製 製品名「ホワイトンSB」)、膠質炭酸カルシウム(白石カルシウム社製 製品名「カルファイン200M」)、シラノール縮合触媒1(ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート) 日東化成社製 製品名「ネオスタンS-303」)、シラノール縮合触媒2(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、サンアプロ社製 製品名「DBU」)、アミノシランカップリング剤(N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製 製品名「KBM-603」)、エポキシシランカップリング剤(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製 製品名「KBM-403」)、ガラスバルーン(平均一次粒子径45μm、真密度0.37g/cm3、住友スリーエム社製 製品名「グラスバブルズ K37」)、フライアッシュバルーン(平均一次粒子径130μm、真密度0.75g/cm3、オメガ社製 製品名「オメガスフィアーズ SG」)、薄片状無機充填剤(薄片状タルク、平均粒子径25μm、日本タルク株式会社製 製品名「MS-KY」)、脱水剤(ビニルトリメトキシシラン)、及びヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF社製 製品名「IRGANOX(登録商標)1010」)を、それぞれ表1に示した配合量となるようにして、密封した攪拌機中で減圧しながら均一になるまで混合することにより接着剤を調製した。
 (評価)
 接着剤について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
 (目隙試験)
 床下地材70(針葉樹合板:縦300mm×横1800mm×厚み20mm)を80℃で1週間加熱することにより乾燥させた後、図3に示すように、床下地材70の短手方向に接着剤60' をビード状(幅6mm、厚さ5mm)に相互の間隔が6mmとなるようにして6本塗布した。その後、図4に示すように、床下地材70の接着剤60'が塗布された面上に、2枚の床仕上げ材80(針葉樹合板:縦303mm×横900mm×厚み12mm)を、一方の床仕上げ材80の短手方向一端面と、他方の床仕上げ材80の短手方向他端面とが接触するようにして積層することにより積層体を得た。次に、積層体の床仕上げ材80の四隅部に釘81を打ち、床仕上げ材80を床下地材70に固定した後、積層体を温度23℃、相対湿度55%の雰囲気下で2週間養生させることにより、接着剤60' を硬化させて接着剤層60とし、床下地材70及び床仕上げ材80がそれぞれ接着剤層60と接着一体化している接合体(I)を得た。そして、この接合体(I)を温度80℃、相対湿度2%の雰囲気下で1週間、乾燥させた。乾燥後の接合体(I)における2枚の床仕上げ材間に生じた目隙の寸法(mm)を測定した。
 (床鳴り試験)
 図5に示すように、床下地材70(針葉樹合板:縦300mm×横450mm×厚み20mm)の短手方向に接着剤60' をビード状(幅6mm、厚さ5mm)に相互の間隔が300mmとなるようにして2本塗布した。その後、床下地材70の接着剤60' が塗布された面上に、床仕上げ材80(針葉樹合板:縦300mm×横450mm×厚み12mm)を積層し、床仕上げ材80に圧力を加えて床下地材70と床仕上げ材80との間の接着剤60' を押し広げた後、床仕上げ材80の中央部に10kgの重りを乗せて床下地材70と床仕上げ材80とを圧着させることにより積層体を得た。この積層体を温度23℃、相対湿度55%の雰囲気下で2週間養生させることにより、接着剤60' を硬化させて接着剤層60とし、床下地材70及び床仕上げ材80が接着剤層60とそれぞれ接着一体化している接合体(II)を得た。接合体(II)の床下地材70の長手方向の両端部を、図6に示すように、2本の支持台90で支持した後、接合体(II)の床仕上げ材80の長手方向における中央部b に床仕上げ材80の短手方向に向かって500mm/分の速度で3mmの変位(たわみ)が生じるように曲げ応力を加えて、床仕上げ材80の剥離又は割れによる床鳴りの発生を評価した。なお、表1における「良(good)」及び「不良(bad)」はそれぞれ下記の通りである。
  良:床鳴りの発生がなかった。
  不良:床鳴りの発生があった。
 (引き剥がし試験1)
 針葉樹合板(縦300mm×横1800mm×厚み20mm)に接着剤をビード状(幅6mm、厚さ5mm、長さ1800mm)に塗布し、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下に7日間放置させることにより硬化させて、硬化物を得た。そして、スクレーパーにより硬化物をその長さ方向における一端部から他端部へ向かって針葉樹合板から引き剥がし、全ての硬化物を針葉樹合板から引き剥がすことに要した時間(秒)を測定した。
 (引き剥がし試験2)
 上記床鳴り試験における手順と同様にして、床下地材70及び床仕上げ材80が接着剤層60と接着一体化している接合体(II)を得た。そして、この接合体(II)における床下地材70から床仕上げ材80をバールによって剥離させた。この時、床下地材70を損傷させることなく、床下地材70から床仕上げ材80を剥離させることが可能であったものを「良(good)」とし、床下地材70から床仕上げ材80を剥離させる際に、床下地材70の少なくとも一部が床仕上げ材80と共に剥離して床下地材70に損傷が発生したものを「不良(bad)」とした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 本発明によれば、床鳴りや目隙の発生が低減され、且つ床仕上げ材の改修時には床仕上げ材を床下地材から容易に剥離することが可能な床構造を提供することができる。
  1  床基盤
  2  スペーサー
  10 接着剤層
  20 床仕上げ材
  30 床下地材
  40 制振性複合体
  41 接着剤
  42 下地基材
  43 制振シート

Claims (8)

  1.  床基盤上に敷設された床下地材上に、床仕上げ材を接着するための床構造用接着剤において、
     トリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体と、炭酸カルシウムと、シラノール縮合触媒とを含有し、且つアミノシランカップリング剤を含有しないことを特徴とする床構造用接着剤。
  2.  シラノール縮合触媒が、有機錫系化合物及び/又はシクロアミジン系化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の床構造用接着剤。
  3.  中空状充填材を含有することを特徴とする請求項1に記載の床構造用接着剤。
  4.  薄片状無機充填剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の床構造用接着剤。
  5.  床基盤と、上記床基盤上に敷設されている床下地材と、上記床下地材上に形成されており且つ上記床下地材と接着一体化している接着剤層と、上記接着剤層上に敷設されており且つ上記接着剤層と接着一体化している床仕上げ材とを含み、
     上記接着剤層が、トリメトキシシリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体、炭酸カルシウム、及びシラノール縮合触媒を含有し、且つアミノシランカップリング剤を含有しない床構造用接着剤を硬化させてなるものであることを特徴とする床構造。
  6.  シラノール縮合触媒が、有機錫系化合物及び/又はシクロアミジン系化合物を含むことを特徴とする請求項5に記載の床構造。
  7.  床構造用接着剤が、中空状充填材を含有することを特徴とする請求項5に記載の床構造。
  8.  床構造用接着剤が、薄片状無機充填剤を含有することを特徴とする請求項5に記載の床構造。
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