WO2013031723A1

WO2013031723A1 - ガゼット袋及び口部材付ガゼット袋、並びにそれらの製造方法

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Publication number: WO2013031723A1
Application number: PCT/JP2012/071573
Authority: WO
Inventors: 一博梅中
Original assignee: 株式会社細川洋行
Priority date: 2011-08-31
Filing date: 2012-08-27
Publication date: 2013-03-07
Also published as: US20140185966A1; JP2013049458A

Abstract

　このガゼット袋（１０，１０Ｃ）は、対向する一対の平面部（１１，１２）と、内部側に折り込まれた対向する一対の側面部（１３，１４）とを備える。また、前記一対の平面部（１１，１２）及び前記一対の側面部（１３，１４）が、第１の平面部（１１）及び少なくとも第１の側面部（１４）を形成する第１のフィルム材（１０Ａ）と、それらの残りの部分を形成する第２のフィルム材（１０Ｂ）とから構成されている。また、前記第１のフィルム材（１０Ａ）の側縁部と、前記第２のフィルム材（１０Ｂ）の側縁部とがシールされた側縁シール部（１５）が形成されている。

Description

ガゼット袋及び口部材付ガゼット袋、並びにそれらの製造方法

　本発明は、ガゼット袋及び口部材付ガゼット袋、並びにそれらの製造方法に関する。
　本願は、２０１１年８月３１日に日本に出願された特願２０１１－１８８３０９号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

　ゼリー飲料等の液体状又は半液体状の内容物の包装袋としては、スタンディングパウチや、フラットボトムタイプのガゼット袋が用いられている。特にゼリー飲料等を収容する用途の場合、手で握りつぶすようにして内容物を容易に押し出せるガゼット袋が広く用いられている。

　例えば、図１２及び図１３に示すように、内容物を収容するガゼット袋１１０と、ガゼット袋１１０に取り付けられ、ガゼット袋１１０から内容物を排出する口部材１２０とを具備する口部材付ガゼット袋１０１が知られている（例えば、特許文献１参照）。ガゼット袋１１０は、対向する一対の平面部１１１、１１１と、平面部１１１、１１１の両方の側縁を接続する、それぞれ対応するように内部側に折り込まれた一対の側面部１１２、１１２とを備える。
　口部材付ガゼット袋１０１では、平面部１１１の側縁部と側面部１１２の側縁部がヒートシールされることで４本の側縁シール部１１３が形成されている。

特開２００４－１９６４１４号公報

　しかし、口部材付ガゼット袋１０１では、手で強く握ったときに、側縁シール部１１３が手に当たって利用者が痛みを感じる場合がある。すなわち、側縁シール部１１３はガゼット袋１１０の外部方向に向かって張り出した形態となっており、側縁シール部１１３の剛性は高く、その末端１１３ａが比較的鋭い。そのため、手で握ったときに末端１１３ａが手に食い込むことで利用者が痛みを感じる場合がある。特に、内容物がゼリー飲料等の場合、通常、利用者はガゼット袋１１０を手で握りつぶすようにして内容物を押し出して食べる。そのため、ガゼット袋１１０を手で握りつぶすときに感じる痛みを低減することが望まれる。

　本発明は、手で握りつぶすときに利用者が感じる痛みを低減できるガゼット袋、及びこのガゼット袋に口部材が取り付けられた口部材付ガゼット袋の提供を目的とする。
　また、本発明は、手で握りつぶすときに利用者が感じる痛みを低減できるガゼット袋の製造方法、及びこのガゼット袋に口部材が取り付けられた口部材付ガゼット袋の製造方法の提供を目的とする。

　本発明の第１の態様によれば、ガゼット袋は、対向する一対の平面部と、内部側に折り込まれた対向する一対の側面部とを備える。また、前記一対の平面部及び前記一対の側面部が、第１の平面部及び少なくとも第１の側面部を形成する第１のフィルム材と、それらの残りの部分を形成する第２のフィルム材とから構成されている。また、前記第１のフィルム材の側縁部と、前記第２のフィルム材の側縁部とがシールされた側縁シール部が形成されている。
　本発明の第２の態様によれば、上記第１の態様において、前記第１のフィルム材が、前記第１の平面部及び前記一対の側面部を形成し、前記第２のフィルム材が、第２の平面部を形成する。
　本発明の第３の態様によれば、口部材付ガゼット袋は、上記第１又は第２の態様におけるガゼット袋に口部材が取り付けられている。
　本発明の第４の態様によれば、ガゼット袋の製造方法は、上記第２の態様におけるガゼット袋を連続的に製造する方法であって、下記工程（α１）及び（α２）を有する。
　（α１）第１の平面部及び一対の側面部を形成するための長尺の第１のフィルム材を、複数の前記第１の平面部及び複数の前記一対の側面部が並行して長手方向に沿って形成されるように折り込んだ状態で、第２の平面部を形成するための長尺の第２のフィルム材と共に搬送し、
　前記第１のフィルム材における隣り合う側面部の間の部分と前記第２のフィルム材とを長手方向に沿って溶着して切断すると共に、前記第１フィルム材の両端側に位置する側面部から側端側の部分のそれぞれと前記第２のフィルム材とを長手方向に沿って溶着して切断し、前記側縁シール部が２本形成された前記平面部と前記側面部を有する筒状のフィルム材を複数得る工程。
　（α２）前記筒状のフィルム材に対して、幅方向に沿った溶着及び切断を行い、前記筒状のフィルム材を長手方向において複数に分断する工程。
　本発明の第５の態様によれば、口部材付ガゼット袋の製造方法は、上記第４の態様におけるガゼット袋の製造方法を用いており、長手方向において複数に分断された前記筒状のフィルム材の上部を封じる際に口部材を取り付ける。

　本発明のガゼット袋及び口部材付ガゼット袋によれば、手で握りつぶすときに利用者が感じる痛みを低減できる。
　また、本発明のガゼット袋の製造方法によれば、手で握りつぶすときに利用者が感じる痛みを低減できるガゼット袋が得られる。
　また、本発明の口部材付ガゼット袋の製造方法によれば、手で握りつぶすときに利用者が感じる痛みを低減できるガゼット袋に、口部材が取り付けられた口部材付ガゼット袋が得られる。

本発明の一実施形態における口部材付ガゼット袋を示した正面図である。図１の口部材付ガゼット袋の背面図である。図１の口部材付ガゼット袋の直線Ｉ－Ｉ’における断面図である。図１の口部材付ガゼット袋に内容物を収容した様子を示した斜視図である。図１の口部材付ガゼット袋の上部シール部近傍を拡大した正面図である。図５の口部材付ガゼット袋の直線II－II’における断面図である。本発明の一実施形態における口部材付ガゼット袋の製造工程を示した斜視図である。本発明の一実施形態における口部材付ガゼット袋の製造工程を示した断面図である。本発明の一実施形態における口部材付ガゼット袋の製造工程を示した斜視図である。本発明の一実施形態における口部材付ガゼット袋の製造工程を示した断面図である。本発明の一実施形態におけるガゼット袋の変形例を示した断面図である。従来の口部材付ガゼット袋を示した正面図である。図１２の口部材付ガゼット袋の直線III－III’における断面図である。

　本発明のガゼット袋及び口部材付ガゼット袋は、口部材の有無以外は、いずれも同様の形態を有している。すなわち、本発明のガゼット袋は、口部材を有さない以外は口部材付ガゼット袋と同様の形態を有している。以下、本発明のガゼット袋及び口部材付ガゼット袋の実施形態として、口部材を有する口部材付ガゼット袋の一例を示して詳細に説明する。

　本実施形態の口部材付ガゼット袋１は、図１に示すように、ガゼット袋１０と、ガゼット袋１０の上部に液密に取り付けられた口部材２０とを有する。すなわち、口部材２０は、ガゼット袋１０の上下方向（例えば、図１での上下方向）における一端側に取り付けられている。なお、以下の説明では、上記上下方向に直交する方向（例えば、図１での横方向）におけるガゼット袋１０や後述する平面部、側面部の端縁を、「側縁」と称する場合がある。
　ガゼット袋１０は、図１～３に示すように、対向する一対の平面部１１、１２と、平面部１１、１２の向かい合う側縁をそれぞれ接続する、対向する一対の側面部１３、１４とを備える。平面部１１（第１の平面部）と一対の側面部１３、１４は、１枚のフィルム材から形成されている。つまり、このガゼット袋１０は、平面部１１及び一対の側面部１３、１４を形成する第１のフィルム材と、平面部１２（第２の平面部）を形成する第２のフィルム材の２枚のフィルム材から構成されている。
　側面部１３、１４は、それぞれの折込線１３ａ、１４ａが互いに対応するようにガゼット袋１０の内部側に折り込まれている。

　図２及び図３に示すように、ガゼット袋１０には、第２のフィルム材により形成される平面部１２の両方の側縁部と、第１のフィルム材により形成される側面部１３及び側面部１４のそれぞれの側縁部とがヒートシール（熱溶着）された側縁シール部１５が２本形成されている。また、図１及び図２に示すように、ガゼット袋１０の上部において、平面部１１、１２及び側面部１３、１４がシールされた上部シール部１６が形成されている。さらに、ガゼット袋１０の下部において、平面部１１、１２及び側面部１３、１４の対向する内面がヒートシールされた下部シール部１７が形成されている。これにより、ガゼット袋１０が形成されている。
　従って、口部材付ガゼット袋１は、図４に示すように、ガゼット袋１０内に内容物を収容できる。

　上部シール部１６においては、平面部１１、１２及び側面部１３、１４の対向する内面がヒートシールされている。また、上部シール部１６においては、側面部１３、１３及び側面部１４、１４の接触面がシールされることが好ましい。上部シール部１６における側面部１３、１３及び側面部１４、１４の接触面のシールは、例えば、図５及び図６に示すように、シール部１８を形成して行ってもよい。シール部１８では、側面部１３及び側面部１４のそれぞれの側縁近傍における対向する位置に各々２つのパンチ穴が形成され、これらのパンチ穴内で平面部１１、１２の内面１１ａ、１２ａがヒートシールされている。また、上部シール部１６における側面部１３、１３及び側面部１４、１４の接触面は、接着剤、ヒートシール性を有するフィルムを使用したヒートシール、又は両面粘着テープにより直接接着されていてもよい。

　口部材付ガゼット袋１のガゼット袋１０は、第１のフィルム材の側縁部と第２のフィルム材の側縁部とがシールされるので、２本の側縁シール部が形成されている。これにより、従来の４本の側縁シール部が形成されたガゼット袋に比べて、手に当たる側縁シール部の数が少なく、手で握りつぶすときに利用者が感じる痛みを低減できる。
　また、口部材付ガゼット袋１では、ガゼット袋１０の平面部１１及び側面部１３、１４が１枚のフィルム材で形成されている。よって、図４に示すように、ガゼット袋１０の平面部１１側には側縁シール部が形成されておらず、張り出した部分が存在しない。そのため、ガゼット袋１０を平面部１１側から手で把持した場合に、ガゼット袋１０の手の平に触れる部分が滑らかであるので利用者が感じる痛みをさらに低減できる。

　第２のフィルム材により形成される平面部１２の幅ｄ_１（図３参照）は、第１のフィルム材により形成される平面部１１の幅ｄ_２（図３参照）に対して、±５ｍｍの範囲内であることが好ましい。これにより、握ったときに利用者が感じる痛みを低減できるガゼット袋１０をより簡便に製造できる。

　対向する一対の平面部１１、１２は、口部材付ガゼット袋１の前面と背面をそれぞれ構成している。本発明では、平面部１１を前面、平面部１２を背面として使用してもよく、平面部１２を前面、平面部１１を背面として使用してもよい。

　平面部１１及び側面部１３、１４を形成する第１のフィルム材としては、単層フィルム、又は多層構造を有する積層フィルムが挙げられる。第１のフィルム材は、様々な機能を付与できる点から、積層フィルムであることが好ましく、ヒートシールが可能な最内層と、機能層と、最外層とを有する積層フィルムがより好ましい。

　最内層として用いるフィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン（ＰＰ）、直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）等のポリオレフィン樹脂、又はこれらの混合樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン－酢酸ビニル共重合体、エチレン－アクリル酸共重合体、エチレン－アクリル酸メチル共重合体、及びエチレン－メタクリル酸共重合体からなる群から選ばれる１種以上からなる未延伸フィルムが挙げられる。
　最内層の厚さは、３０～２００μｍが好ましい。

　最外層として用いるフィルムとしては、機械適性、印刷適性が高いフィルムが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタール等の合成樹脂からなるフィルムが挙げられる。これらのフィルムは、未延伸フィルムであってもよく、一軸方向又は二軸方向に延伸した延伸フィルムであってもよい。最外層として用いるフィルムは、印刷適性の点から、一軸方向又は二軸方向に延伸した延伸フィルムを用いることが好ましい。
　具体的には、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、二軸延伸ポリアミド（ＯＮＹ）、二軸延伸ポリプロピレン（ＯＰＰ）等の延伸プラスチックフィルム等が挙げられる。
　また、必要に応じて合成紙、セロハン、紙、不織布等を使用することもできる。
　最外層の厚さは、１２～２５μｍが好ましい。

　機能層は、気体遮断性、機械的強靱性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等、要求される機能に応じて適宜選択できる。
　機能層に用いるフィルムとしては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫等の金属箔、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、エチレン－酢酸ビニル共重合体ケン化物等のフィルム、又はこれらにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルム若しくはアルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機物を蒸着したフィルム、ポリ塩化ビニリデン等のフィルムや、断熱性を有する不織布や発泡フィルムが挙げられる。
　機能層は、１層であってもよく、２層以上であってもよい。
　機能層の厚さは、ガセット袋１０に要求される機能を満たすことができる厚さであればよく、６～２０μｍが好ましい。

　また、第１のフィルム材は、機能層を設ける代わりに、最外層に用いるフィルムとして、蒸着層を設けた蒸着フィルムを用いてもよい。
　蒸着層としては、例えば、アルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機物が挙げられる。
　第１のフィルム材の具体例としては、例えば、最外層から順に、ＰＥＴ（１２μｍ）／Ａｌ（７μｍ）／ＯＮＹ（１５μｍ）／ＬＬＤＰＥ（６０μｍ）からなるフィルムが挙げられる。

　平面部１２を形成する第２のフィルム材としては、平面部１１及び側面部１３、１４を形成する第１のフィルム材として挙げたフィルムが同様に使用できる。第２のフィルム材の少なくとも最内層は、シール性の点から、第１のフィルム材の最内層と同一であることが好ましい。

　口部材２０は、図１及び図２に示すように、ガゼット袋１０内に挿入され、内容物を注出する注出管２１と、注出管２１の上部に螺合して注出管２１の注出口（開口部）を密閉するキャップ２２とを有する。口部材２０は、注出管２１が平面部１１、１２の各上縁部で挟持された状態で、ヒートシールにより上部シール部１６に液密に取り付けられている。

　口部材２０の材質としては、少なくとも注出管２１において平面部１１の内面とシールされる部分（シール部分）は合成樹脂である。
　口部材２０の注出管２１の少なくとも上記シール部分を形成する合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、（メタ）アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエーテルサルホン、エチレン－ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。これらのうち、加工性に優れ、低コストである点から、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
　ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン－酢酸ビニル共重合体等のポリエチレン系樹脂、エチレン－α－オレフィン共重合体等のオレフィン系エラストマー、ポリプロピレン、エチレン－プロピレンランダム共重合体、α－オレフィン－プロピレンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂や、環状ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、性能向上のためにブレンドされていてもよく、耐熱性向上等を目的として一部架橋されていてもよい。

　口部材２０は単一の材料から形成されていてもよく、あるいは種々の樹脂層からなる多層構造が形成されていてもよい。
　口部材２０の注出管２１の少なくともシール部分を形成する樹脂は、シール性の点から、平面部１１の最内層及び平面部１２の最内層を形成する樹脂と同種の樹脂で形成されていることが好ましい。

（製造方法）
　本発明のガゼット袋の製造方法としては、下記工程（α１）及び工程（α２）を有する方法が挙げられる。この製造方法は、第１のフィルム材が一方の平面部（第１の平面部）及び一対の側面部を形成し、第２のフィルム材がガゼット袋における残りの部分のフィルム材（他方の平面部、第２の平面部）を形成する場合に好適である。
　（α１）第１の平面部及び一対の側面部を形成するための長尺の第１のフィルム材を、複数の前記第１の平面部及び複数の一対の側面部が並行して長手方向に沿って形成されるように折り込んだ状態で、第２の平面部を形成するための長尺の第２のフィルム材と共に搬送し、
　前記第１のフィルム材における隣り合う側面部の間の部分と前記第２のフィルム材とを長手方向に沿って溶着して切断すると共に、前記第１のフィルム材の両端側に位置する側面部から側端側の部分のそれぞれと前記第２のフィルム材とを長手方向に沿って溶着して切断し、前記側縁シール部が２本形成された前記平面部と前記側面部を有する筒状のフィルム材を複数得る工程。
　（α２）前記筒状のフィルム材に対して、幅方向（上記長手方向に直交し且つ上記平面部に平行する方向）に沿ったヒートシール及び切断を行い、この筒状のフィルム材を長手方向において複数に分断する工程。
　口部材付ガゼット袋を製造する場合は、工程（α２）において、複数に分断された前記筒状のフィルム材の上部を封じる際にこの上部に口部材を取り付ける。
　以下、ガゼット袋１０を有する口部材付ガゼット袋１の場合を例にして詳細に説明する。

　工程（α１）：
　図７に示すように、平面部１１及び一対の側面部１３、１４を形成するための長尺の第１のフィルム材１０Ａを、複数の平面部１１及び複数の一対の側面部１３、１４が並行して長手方向に沿って形成されるように折り込んだ状態で、平面部１２を形成するための長尺の第２のフィルム材１０Ｂと共に、ロール等で搬送する。
　次いで、図８に示すように、第１のフィルム材１０Ａにおける隣り合う側面部１３と側面部１４の間の部分と、第２のフィルム材１０Ｂとを、長手方向に沿ってヒートシールする。また、第１のフィルム材１０Ａの一方の側端側に位置する側面部１３から側端側の部分と、第２のフィルム材１０Ｂとを、長手方向に沿ってヒートシールする。また、第１のフィルム材１０Ａの他方の側端側に位置する側面部１４から側端側の部分と、第２のフィルム材１０Ｂとも、長手方向に沿ってヒートシールする。これにより、側縁シール部１５となる複数のヒートシール部１５Ａを形成する。さらに、第１のフィルム材１０Ａと第２のフィルム材１０Ｂのヒートシール部１５Ａを、図８の直線Ｘに沿って、すなわちヒートシール部１５Ａの幅方向中央部分で長手方向に沿って切断する。これにより、図９に示すように、側縁シール部１５が２本形成された平面部１１、１２及び側面部１３、１４を有する複数の筒状のフィルム材を切り出す。

　工程（α２）：
　工程（α１）で得られた筒状のフィルム材に対して、幅方向に延びる図９の直線Ｙに沿って、すなわち第１のフィルム材１０Ａと第２のフィルム材１０Ｂの長手方向に一定の間隔を空けて、下部シール部１７となる部分の平面部１１、１２及び側面部１３、４のそれぞれの内面をヒートシールしていく。その後、第１のフィルム材１０Ａと第２のフィルム材１０Ｂを、直線Ｙに沿って、すなわち第１のフィルム材１０Ａと第２のフィルム材１０Ｂの長手方向に一定の間隔を空けて切断し、長手方向に複数に分断して、平面部１１、１２及び側面部１３、１４の下部に下部シール部１７が形成された袋状のフィルム材を得る。なお、この切断操作後、袋状のフィルム材の下部には下部シール部１７が形成されているが、その上部は開口している。

　次いで、複数に分断された袋状のフィルム材の平面部１１、１２及び側面部１３、１４の上部において、ヒートシールにより、平面部１１、１２の対向する内面のシール及び平面部１１、１２と側面部１３、１４の接触面のシールと、口部材２０の取り付けを行う。さらに、側面部１３、１３及び側面部１４、１４の接触面をシールして上部シール部１６を形成する。
　上部シール１６において側面部１３、１３及び側面部１４、１４の接触面をシールする方法は、例えば、下記の方法が挙げられる。
　図１０に示すように、側面部１３の側縁近傍に、対向するように２つのパンチ穴１３ｂ、１３ｂをそれぞれ形成する。同様に、側面部１４の側縁近傍に、対向するように２つのパンチ穴１４ｂ、１４ｂをそれぞれ形成する。図５及び図６に示すように、形成したパンチ穴１３ｂ、１３ｂの内部で、対向する平面部１１の内面１１ａと平面部１２の内面１２ａを接触させてヒートシールし、シール部１８を形成する。同様に、形成したパンチ穴１４ｂ、１４ｂの内部で、対向する平面部１１の内面１１ａと平面部１２の内面１２ａを接触させてヒートシールし、シール部１８を形成する。これにより、側面部１３、１３と側面部１４、１４の接触面をシールする。
　また、上部シール部１６において側面部１３、１３及び側面部１４、１４の接触面をシールする方法は前記方法には限定されず、側面部１３、１３及び側面部１４、１４の接触面を、接着剤、ヒートシール性を有するフィルム、又は両面粘着テープを使用して接着固定してもよい。
　以上の工程により口部材付ガゼット袋１が得られる。

　尚、本発明のガゼット袋の製造方法及び口部材付ガゼット袋の製造方法は、製造が容易な点で前述した方法が好ましいが、前述した方法には限定されない。
　工程（α１）において、側縁シール部１５が２本形成された平面部１１、１２及び側面部１３、１４を有する筒状のフィルム材を複数切り出すために、長手方向に沿ってヒートシールした後に切断している。しかしながら、長手方向に沿った溶断シール（熱による材料の溶着を行いながら、同時に溶着部分の切断を行うシール方法）を行うことにより溶着と切断を同時に行ってもよい。
　また、工程（α２）における、下部シール部１７を形成する操作、筒状のフィルム材を幅方向に沿って切断して長手方向において複数に分断する操作、及び口部材２０を取り付けて上部シール部１６を形成する操作のうち、いずれを先に行ってもよく、また、これらの操作を同時に行ってもよい。例えば、筒状のフィルム材を幅方向に沿って切断して長手方向に複数に分断した後に、その分断したそれぞれの筒状のフィルム材の下部を封じ、最後に口部材を取り付けて上部を封じてもよい。

　以上説明した本発明のガゼット袋及び口部材付ガゼット袋は、ガゼット袋の一対の平面部と一対の側面部が、第１のフィルム材と第２のフィルム材の２枚のフィルム材で形成され、形成される側縁シール部の数が２本と少ないため、手で握ったときに利用者が感じる痛みを低減できる。特に、第１のフィルム材が一方の平面部と一対の側面部を形成する場合は、この第１のフィルム材によって形成される平面部の側面に側縁シール部が形成されず、手の平に触れる部分が滑らかである。そのため、ガゼット袋を手で握りつぶすようにして内容物を押し出すときでも、利用者が感じる痛みをより低減できる。

　尚、本発明のガゼット袋及び口部材付ガゼット袋は、前述したガゼット袋１０及び口部材付ガゼット袋１には限定されない。例えば、本発明のガゼット袋及び口部材付ガゼット袋には、袋を開封するノッチや切り取り線が形成されていてもよい。
　また、本発明のガゼット袋は、図１１に示すような、ガゼット袋１０Ｃであてもよい。ガゼット袋１０Ｃでは、第１のフィルム材が平面部１１（第１の平面部）と側面部１４（第１の側面部）を形成し、第２のフィルム材が平面部１２（第２の平面部）と側面部１３（第２の側面部）を形成している。すなわち、ガゼット袋１０ｃの幅方向断面における対角位置に２本の側縁シール部１５が形成されていてもよい。

　本発明は、内容物を収容するガゼット袋及び口部材付ガゼット袋、並びにそれらの製造方法に広く利用できる。

　１　口部材付ガゼット袋
　１０，１０Ｃ　ガゼット袋
　１０Ａ　第１のフィルム材
　１０Ｂ　第２のフィルム材
　１１，１２　平面部
　１３，１４　側面部
　１５　側縁シール部
　２０　口部材

Claims

　対向する一対の平面部と、内部側に折り込まれた対向する一対の側面部とを備えるガゼット袋であって、
　前記一対の平面部及び前記一対の側面部が、第１の平面部及び少なくとも第１の側面部を形成する第１のフィルム材と、それらの残りの部分を形成する第２のフィルム材とから構成され、
　前記第１のフィルム材の側縁部と、前記第２のフィルム材の側縁部とがシールされた側縁シール部が形成されているガゼット袋。
　前記第１のフィルム材が、前記第１の平面部及び前記一対の側面部を形成し、
　前記第２のフィルム材が、第２の平面部を形成する請求項１に記載のガゼット袋。
　請求項１に記載のガゼット袋に口部材が取り付けられた口部材付ガゼット袋。
　請求項２に記載のガゼット袋に口部材が取り付けられた口部材付ガゼット袋。
　請求項２に記載のガゼット袋を連続的に製造する方法であって、
　（α１）第１の平面部及び一対の側面部を形成するための長尺の第１のフィルム材を、複数の前記第１の平面部及び複数の前記一対の側面部が並行して長手方向に沿って形成されるように折り込んだ状態で、第２の平面部を形成するための長尺の第２のフィルム材と共に搬送し、
　前記第１のフィルム材における隣り合う側面部の間の部分と前記第２のフィルム材とを長手方向に沿って溶着して切断すると共に、前記第１のフィルム材の両端側に位置する側面部から側端側の部分のそれぞれと前記第２のフィルム材とを長手方向に沿って溶着して切断し、前記側縁シール部が２本形成された前記平面部と前記側面部を有する筒状のフィルム材を複数得る工程、
　（α２）前記筒状のフィルム材に対して、幅方向に沿った溶着及び切断を行い、前記筒状のフィルム材を長手方向において複数に分断する工程、
　を有するガゼット袋の製造方法。
　請求項５に記載のガゼット袋の製造方法を用いた口部材付ガゼット袋の製造方法であって、長手方向において複数に分断された前記筒状のフィルム材の上部を封じる際に口部材を取り付ける、口部材付ガゼット袋の製造方法。