WO2013027341A1 - 現像部材とその製造方法、および、電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
圧縮永久歪みが生じにくい現像部材の提供。基体と、該基体上に弾性層が設けられ、該弾性層上に被覆層が設けられた現像部材であって、該弾性層は下記(A)乃至(D)を含有する混合物の硬化物を含む現像部材。(A)一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有し、25℃における粘度が10Pa・s以上100Pa・s以下のオルガノポリシロキサン。(B)SiO4/2単位およびR1R2R3SiO1/2単位を構成単位とし、R1,R2,R3はメチル基またはビニル基であり、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、(C)一分子中に珪素原子に結合した水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(D)カーボンブラック。
Description
本発明は、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ、印刷機のような電子写真方式を利用した電子写真画像形成装置に使用される現像部材および電子写真画像形成装置に関する。
近年の電子写真装置おいて、本体の小型化、カラー化に伴い非磁性一成分接触現像方式を採用した装置が用いられることが多くなっている。非磁性一成分接触現像方式は非磁性一成分トナーを用い、現像ローラに当接したトナー供給ローラによって現像部材上にトナーを供給し、トナー規制部材である現像ブレードとトナーとの摩擦および現像部材とトナーとの摩擦によりトナーに電荷を与える。同時に、現像ブレードにより現像部材上に薄く均一にトナーを塗布する。現像ローラの回転により、トナーを現像部材と感光ドラムとが接触対向した現像領域に搬送し、感光ドラム上の静電潜像を現像し、トナー画像として顕像化する方法である。
上記のように、現像部材は現像ブレード、および感光ドラムと一定の接触領域(ニップ幅)を保持しながら回転するため低硬度である必要がある。一方、現像部材と現像ブレードは常に当接している。このため、画像形成装置が長期間プリントされずに放置された場合、現像ブレードが現像ローラの同一箇所を圧接することより現像部材の一部に容易に回復しない変形(圧縮永久歪み)が生じることがある。
そして、このような現像部材を電子写真画像の形成に供した場合、現像部材上に形成されるトナー層の厚みに部分的なムラが生じる。その結果、電子写真画像の、現像部材の圧縮永久歪みの生じている部分に対応した位置にムラやスジ等の欠陥が発生することがある。そのため、圧縮永久歪みが発生しにくい現像部材が求められている。
そして、このような現像部材を電子写真画像の形成に供した場合、現像部材上に形成されるトナー層の厚みに部分的なムラが生じる。その結果、電子写真画像の、現像部材の圧縮永久歪みの生じている部分に対応した位置にムラやスジ等の欠陥が発生することがある。そのため、圧縮永久歪みが発生しにくい現像部材が求められている。
かかる要求に対して、特定の物性を有する無機充填剤を添加することで永久変形の改良を図ったシリコーンゴム組成物および現像ローラが提案されている(特許文献1)。また、低分子ポリシロキサンの含有量を規定することで永久変形の改良を図った現像ローラ用シリコーンゴム組成物が提案されている(特許文献2)。また、構成単位が四官能性または三官能性の少なくとも一方を含むレジンセグメントと二官能性のオイルセグメントとを含有するレジン状オルガノシロキサンを有するポリシロキサン混合物の硬化物を有する弾性体が提案されている(特許文献3)。
しかしながら、近年画像形成装置のカラー化が一段と進み、所謂テキスト画像と呼ばれる文字画像以外の、グラフィックパターンの出力が多くなってきている。そのため、現像ローラの圧縮永久歪みに起因する欠陥が、画像上において、より視認されやすくなってきている。
そして、本発明者らの検討によれば、上記特許文献1および3に係るシリコーンゴム組成物を用いた現像ローラは、このような課題に対しては未だ改善の余地があった。
そして、本発明者らの検討によれば、上記特許文献1および3に係るシリコーンゴム組成物を用いた現像ローラは、このような課題に対しては未だ改善の余地があった。
一方、現像部材の弾性層の硬度を高くすることで圧縮永久歪みの発生を抑えることができる。しかし、高硬度の現像部材は、感光体ドラムの表面の摩耗を促進する。
そこで、本発明の目的は、柔軟でありながら、圧縮永久歪みが生じにくい現像部材およびその製造方法の提供にある。
また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像を安定して提供することのできる電子写真画像形成装置の提供にある。
また、本発明の他の目的は、高品位な電子写真画像を安定して提供することのできる電子写真画像形成装置の提供にある。
本発明によれば、基体と、該基体上に弾性層が設けられ、該弾性層上に被覆層が設けられた現像部材であって、該弾性層は下記(A)乃至(D)を含有する混合物の硬化物を含む現像部材が提供される:
(A)一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有し、25℃における粘度が10Pa・s以上100Pa・s以下のオルガノポリシロキサン、
(B)SiO4/2単位およびR1R2R3SiO1/2単位の構成単位からなり、R1、R2、R3はメチル基またはビニル基であり、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(C)一分子中に珪素原子に結合した水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(D)カーボンブラック。
また、本発明によれば、基体と、該基体上に弾性層が設けられ、該弾性層上に被覆層が設けられた現像部材の製造方法であって、下記(A)乃至(D)を含有する混合物を硬化させて弾性層を形成する工程を含む現像部材の製造方法が提供される:
(A)一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有し、25℃における粘度が10Pa・s以上100Pa・s以下のオルガノポリシロキサン、
(B)SiO4/2単位およびR1R2R3SiO1/2単位の構成単位からなり、R1、R2、R3はメチル基またはビニル基であり、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(C)一分子中に珪素原子に結合した水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(D)カーボンブラック。
更に本発明によれば、感光ドラムと、該感光ドラムの表面に形成された静電潜像をトナーで現像するための現像装置とを備えている画像形成装置であって、該現像装置は、該感光ドラムに接触配置されている現像ローラを具備し、該現像ローラが、上記の現像部材である画像形成装置が提供される。
(A)一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有し、25℃における粘度が10Pa・s以上100Pa・s以下のオルガノポリシロキサン、
(B)SiO4/2単位およびR1R2R3SiO1/2単位の構成単位からなり、R1、R2、R3はメチル基またはビニル基であり、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(C)一分子中に珪素原子に結合した水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(D)カーボンブラック。
また、本発明によれば、基体と、該基体上に弾性層が設けられ、該弾性層上に被覆層が設けられた現像部材の製造方法であって、下記(A)乃至(D)を含有する混合物を硬化させて弾性層を形成する工程を含む現像部材の製造方法が提供される:
(A)一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有し、25℃における粘度が10Pa・s以上100Pa・s以下のオルガノポリシロキサン、
(B)SiO4/2単位およびR1R2R3SiO1/2単位の構成単位からなり、R1、R2、R3はメチル基またはビニル基であり、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(C)一分子中に珪素原子に結合した水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(D)カーボンブラック。
更に本発明によれば、感光ドラムと、該感光ドラムの表面に形成された静電潜像をトナーで現像するための現像装置とを備えている画像形成装置であって、該現像装置は、該感光ドラムに接触配置されている現像ローラを具備し、該現像ローラが、上記の現像部材である画像形成装置が提供される。
本発明によれば、柔軟でありながら、圧縮永久歪みが生じにくい現像部材を得ることができる。また、本発明によれば、高品位な電子写真画像が安定して形成可能な電子写真画像形成装置を得ることができる。
以下、本発明に関して詳しく説明する。図1Aおよび1Bは本発明に係るローラ形状の現像部材、すなわち、現像ローラの一例を示す概略図である。図1Aおよび1Bは各々、基体であるところの軸芯体の長手方向に平行な概略断面図、および軸芯体の長手方向に垂直な概略断面図である。そして、本発明に係る現像ローラは、軸芯体1上に弾性層2が設けられ、該弾性層2上に被覆層3が設けられた構成を有する。
<弾性層>
弾性層は、下記(A)乃至(D)を含有する混合物を硬化させてなる導電性シリコーンゴムを含む:
(A)一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有し、25℃における粘度が10Pa・s以上100Pa・s以下のオルガノポリシロキサン、
(B)SiO4/2単位およびR1R2R3SiO1/2単位を構成単位とし、R1、R2、R3はメチル基またはビニル基であり、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(C)一分子中に珪素原子に結合した水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(D)カーボンブラック。
弾性層は、下記(A)乃至(D)を含有する混合物を硬化させてなる導電性シリコーンゴムを含む:
(A)一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有し、25℃における粘度が10Pa・s以上100Pa・s以下のオルガノポリシロキサン、
(B)SiO4/2単位およびR1R2R3SiO1/2単位を構成単位とし、R1、R2、R3はメチル基またはビニル基であり、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(C)一分子中に珪素原子に結合した水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(D)カーボンブラック。
上記(A)に記載される、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有し、25℃における粘度が10Pa・s以上100Pa・s以下のオルガノポリシロキサンは、弾性層を形成する導電性シリコーンゴムのベースポリマーである。このビニル基含有オルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(1)で示されるものを用いることができる。
RaSiO(4-a)/2
・・・(1)
・・・(1)
式(1)中、Rは互いに同一または異種の炭素数1~10の一価炭化水素基であり、好ましくは1~8の非置換または置換一価炭化水素基である。aは1.5~2.8の範囲の正数であり、好ましくは1.8~2.5、より好ましくは1.95~2.02の範囲の正数である。
ここで、上記Rで示される珪素原子に結合した非置換または置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基のようなアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基のようなアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基のようなアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基のようなアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部または全部をフッ素、臭素、塩素のようなハロゲン原子、シアノ基などで置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基などが挙げられるが、全R個数の90%以上がメチル基であることが好ましい。また、Rのうち少なくとも2個はビニル基であることが必要である。
(A)に記載されるオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は10Pa・s以上100Pa・s以下である必要がある。25℃における粘度が、10Pa・s以上であることにより現像ローラの柔軟性を確保することができ、30Pa・s以上が好ましい。一方、25℃における粘度が、100Pa・s以下であることにより圧縮永久歪みを抑制することができ、70Pa・s以下が好ましい。
(A)に記載されるオルガノポリシロキサンは公知の方法によって得ることができる。一般的な製造方法を挙げると、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルビニルシクロポリシロキサンのようなオルガノシクロポリシロキサンと、ヘキサメチルジシロキサン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンのようなヘキサオルガノジシロキサンとをアルカリ触媒または酸触媒の存在下で平衡化反応を行うことによって得ることができる。
(B)に記載されるオルガノポリシロキサンは、上記(A)乃至(D)を含有する混合物の硬化物を含む弾性層の圧縮永久歪みを改善するための成分である。
弾性層の圧縮永久歪みを改善するためには、弾性層が外力による変形を受けても外力が除かれるとすぐに、もとの分子構造に復元する弾性材料を含む必要がある。このような特性をもつ弾性材料としては、分子中に剛性が高い構造を有していればよいと本発明者等は考えた。そして、弾性層をなす硬化物の原料の1つとして、下記平均組成式(2)で示される(B)に記載されるオルガノポリシロキサンを用いることが、上記の目的の達成に向け、有効であることを見出した。
(R1R2R3SiO1/2)X(SiO4/2)1.0
・・・(2)
・・・(2)
(B)に記載されるオルガノポリシロキサンは、SiO4/2単位およびR1R2R3SiO1/2単位の構成単位からなり、R1、R2、R3はメチル基またはビニル基であり、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンである。上記Xは0より大きく4.0より小さい。この(B)に記載されるオルガノポリシロキサンは、SiO4/2単位を有しかつ、オイルセグメントと呼ばれるSiO2/2単位を有していないことから、分子として剛性が高い構造を有している。このような剛性の高い構造の分子を弾性体中に有することで、弾性体が外力による変形を受けても外力が除かれるとすぐに、もとの分子構造に復元できると考えられる。このような理由から、圧縮永久歪みの発生を抑制できるものと推測する。
この(B)に記載されるオルガノポリシロキサンの添加量としては、前記(A)に記載されるオルガノポリシロキサン100質量部に対して2質量部以上10質量部以下であること、および、上記Xが0.5以上2.0以下であることにより、柔軟性と圧縮永久歪みの抑制効果とを、より高いレベルで満たした弾性層を得ることができる。
この(B)に記載されるオルガノポリシロキサンの添加量としては、前記(A)に記載されるオルガノポリシロキサン100質量部に対して2質量部以上10質量部以下であること、および、上記Xが0.5以上2.0以下であることにより、柔軟性と圧縮永久歪みの抑制効果とを、より高いレベルで満たした弾性層を得ることができる。
(B)に記載されるオルガノポリシロキサンは公知の方法で得ることができる。例えばR1R2R3SiClとSiCl4とを適当なモル比となるように配合し、共加水分解縮合を行うことで容易に得ることができる。
(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは所謂架橋剤であり、一分子中に珪素原子に結合した水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。分子中の珪素原子に結合した水素原子が、前記(A)に記載されるオルガノポリシロキサンおよび(B)に記載されるオルガノポリシロキサン中の珪素原子に結合したビニル基とのヒドロシリル付加反応により架橋し、組成物を硬化させるための架橋剤として作用するものである。
(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例としては、両末端トリメチルシロキシ-メチルハイドロジェンシロキサン、両末端トリメチルシロキシ-メチルハイドロジェンシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ-メチルハイドロジェンシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体などが挙げられる。上記(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造としては直鎖状、分岐状、環状のものなど特に制限することなく使用することができる。また、上記(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの平均分子量は300~10000の範囲にあることが好ましい。
(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量としては、(A)に記載されるオルガノポリシロキサンおよび(B)に記載されるオルガノポリシロキサン中のビニル基の合計1モルに対して、(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン中の珪素原子に結合した水素原子が0.8モル以上3.0モル以下であることが、柔軟で十分な圧縮永久歪み改善効果が得られることから好ましい。特に好ましくは1.0モル以上2.0モル以下である。
この(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは公知の方法によって得ることができる。例えば、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラハイドロシクロテトラシロキサン(場合によっては、該シクロテトラシロキサンとオクタメチルシクロテトラシロキサンとの混合物)とヘキサメチルジシロキサン、1,3-ジハイドロ-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンのような末端基源となるシロキサン化合物との混合物、あるいは、オクタメチルシクロテトラシロキサンと1,3-ジハイドロ-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンとの混合物を、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸などの触媒の存在下に-10~+40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることができる。
(D)に記載されるカーボンブラックは弾性層に導電性を付与するためのカーボンブラックである。カーボンブラックとしては、通常導電性ゴム組成物に常用されているものが使用できる。例えばアセチレンブラック、ファーネスブラック、コンダクティブチャンネルブラック、1500℃程度の高温で熱処理されたファーネスブラックやチャンネルブラックなどを挙げることができる。特に、これらの中から硫黄含有率の低いカーボンブラックを使用することが硬化阻害を起こしにくいことから好ましい。具体的に硫黄含有率の低いカーボンブラックとしては、デンカブラック粉状品(電気化学社製),旭#35、旭#65(何れも旭カーボン社製)、#750B、MA600(何れも三菱化学社製)、トーカブラック#3855、トーカブラック#3845、トーカブラック#3800(何れも東海カーボン社製)を挙げることができる。ここで、抵抗安定性の観点から、アセチレンブラックとアセチレンブラック以外の上記各カーボンブラックの1種または2種以上とを混合して用いることが好ましい。
(D)に記載されるカーボンブラックの添加量は本発明の現像ローラの弾性層にどの程度の導電性を要求するかによって変化するが、通常前記(A)に記載されるオルガノポリシロキサン、(B)に記載されるオルガノポリシロキサン、(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの合計100質量部に対して1~20質量部程度が添加される。
弾性層に導電性を付与するために、必要に応じて他の導電剤を(D)に記載されるカーボンブラックと併せて使用することができる。例えば、グラファイト、アルミニウム、銅、錫、ステンレス鋼のような各種導電性金属または合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫-酸化アンチモン固溶体などを各種導電化処理した金属酸化物が挙げられる。
上記(A)~(D)に記載される成分を含む混合物に対して、硬化反応を促進させるために、(E)成分としての触媒を含有させることが好ましい。
すなわち、ここでの触媒は、上記(A)に記載されるオルガノポリシロキサンと(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび(B)に記載されるオルガノポリシロキサンと(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン間におけるヒドロシリル化付加反応を促進させるための触媒である。
このような触媒の具体例としては、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等が挙げられる。中でも、白金系触媒が好ましい。
この白金系触媒としては、白金微粉末、白金黒、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体のような白金系化合物が例示される。(E)に記載される触媒の含有量は触媒量であり、通常前記(A)に記載されるオルガノポリシロキサン、(B)に記載されるオルガノポリシロキサン、(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの合計質量に対して、この触媒中の金属原子が質量単位で0.5~1,000ppm程度である。
すなわち、ここでの触媒は、上記(A)に記載されるオルガノポリシロキサンと(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび(B)に記載されるオルガノポリシロキサンと(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン間におけるヒドロシリル化付加反応を促進させるための触媒である。
このような触媒の具体例としては、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等が挙げられる。中でも、白金系触媒が好ましい。
この白金系触媒としては、白金微粉末、白金黒、白金担持シリカ微粉末、白金担持活性炭、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体のような白金系化合物が例示される。(E)に記載される触媒の含有量は触媒量であり、通常前記(A)に記載されるオルガノポリシロキサン、(B)に記載されるオルガノポリシロキサン、(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの合計質量に対して、この触媒中の金属原子が質量単位で0.5~1,000ppm程度である。
本発明に係る弾性層には、これら以外に各種の無機充填剤を配合することができる。このような無機充填剤としては、粉砕石英、溶融石英粉、珪藻土、パーライト、マイカ、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、中空フィラー、ヒュームドシリカ、沈降性シリカなどの無機粒子が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
またこれら無機充填剤は、シラン系カップリング剤またはその部分加水分解物、アルキルアルコキシシランまたはその部分加水分解物、有機シラザン類、チタネート系カップリング剤、オルガノポリシロキサンオイル、加水分解性官能基含有オルガノポリシロキサンなどにより表面処理されたものであってもよい。これら処理は、無機充填剤自体を予め処理しても、あるいはオイルとの混合時に処理を行ってもよい。
無機充填剤の添加量は特に制限されるものではないが、弾性層の圧縮永久歪みを小さくするためには添加量は少ない方が好ましい。具体的には、前記(A)に記載されるオルガノポリシロキサン、(B)に記載されるオルガノポリシロキサン、(C)に記載されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの合計100質量部に対して20質量部以下であることが好ましく、特には無機充填剤を配合しないことが好ましい。
本発明に係る混合物は、前記(A)乃至(E)以外に、本発明の目的を損なわない範囲で各種添加剤を含んでいてもよい。
例えば、当該混合物の硬化速度を調節するために、2-メチル-3-ブチン-2-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、フェニルブチノールのようなアルキンアルコール;3-メチル-3-ペンテン-1-イン、3,5-ジメチル-3-ヘキセン-1-インのようなエンイン化合物;1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、ベンゾトリアゾールのような反応抑制剤を含有してもよい。
また、ジフェニルシランジオールなどの分散剤、酸化鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄などの耐熱性向上剤、接着性や成形加工性を向上させるための各種カーボンファンクショナルシラン、難燃性を付与させるハロゲン化合物などを混合してもよい。
また、ジフェニルシランジオールなどの分散剤、酸化鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄などの耐熱性向上剤、接着性や成形加工性を向上させるための各種カーボンファンクショナルシラン、難燃性を付与させるハロゲン化合物などを混合してもよい。
上記(A)乃至(E)および、その他無機充填剤、添加剤の混合方法は特に限定されるものではなく、プラネタリーミキサー、ニーダー、ロールのような公知の混合装置を用いることができる。
軸芯体上に本発明に係る弾性層を形成する製造方法としては、公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、上記(A)乃至(E)を含有する混合物が液状であることから、上記(A)乃至(E)を含有する混合物は、円筒状のパイプとパイプ両端に配設された軸芯体を保持するための駒とを配設した金型に注入し、加熱硬化する方法などが好ましい。なお、硬化するための加熱条件は混合物の硬化速度に合わせて選択することができる。
また、混合物中に含まれる低分子成分の除去や混合物の反応を完結させるために、混合物を一度加熱硬化した後、さらに加熱することもできる。加熱条件は170℃~230℃条件下で30分~8時間加熱するのが好ましい。
また、混合物中に含まれる低分子成分の除去や混合物の反応を完結させるために、混合物を一度加熱硬化した後、さらに加熱することもできる。加熱条件は170℃~230℃条件下で30分~8時間加熱するのが好ましい。
基体としては、導電性部材の電極および弾性層や被覆層を支持する部材として機能するものであれば本発明に適用できる。その材料として、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、鉄の如き金属または合金、導電性合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。これらの材料にクロムやニッケルで鍍金処理を施した物でも良い。なお、基体とその表面に形成される弾性層とを接着するために、プライマーを基体表面に塗布することができる。通常使用されているプライマーとして、例えばシランカップリング系プライマーが挙げられる。
本発明に係る現像部材は、弾性層上に被覆層を有している。被覆層として用いる樹脂は特に制限されるものではなく、具体的には、フッ素樹脂,ポリアミド樹脂,アクリルウレタン樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,シリコーン樹脂,ウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリビニルアセタール樹脂,エポキシ樹脂,ポリエーテル樹脂,アミノ樹脂,アクリル樹脂,尿素樹脂など、およびこれらの混合物が挙げられるが、トナーへの電荷付与性などを考慮して、ウレタン樹脂が好ましい。
被覆層には樹脂に抵抗調整剤を添加したものを用いることができる。抵抗調整剤としては、例えばアセチレンブラックのような導電性カーボンブラック、SAF,ISAF,HAF,FEF,GPF,SRF,FT,MTのようなゴム用カーボンブラック、酸化処理などを施したカラー(インク)用カーボンブラック、銅、銀、ゲルマニウムのような金属および金属酸化物などの導電性粉体が挙げられる。また、抵抗調整剤として用いられるイオン導電性物質を例示すれば、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウムのような無機イオン性導電物質、変性脂肪族ジメチルアンモニウムエトサルフェート、ステアリルアンモニウムアセテートの有機イオン性導電物質などが用いられるが、少量の添加量で導電性を制御できることからカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの配合量は樹脂成分100質量部に対して3質量部以上30質量部以下とすることが好ましい。
また、被覆層には現像部材の表面粗さを制御するための粗し粒子を添加することができる。粗し粒子種としては特に制限されるものではないが、アクリル樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、フェノール樹脂粒子などの樹脂粒子が好ましい。
弾性層上に被覆層を形成する方法としては、特に制限されるものではなく公知の方法を用いることができるが、安定した表面形状を得ることができることから、図3に示す浸漬塗工機などにより被覆層用塗料を弾性層上にコートする方法が好ましい。図3において20は円筒形の浸漬槽であり、弾性部材の外形よりも大きな内径を有し、弾性部材の軸方向長さよりも大きな深さを有している。浸漬槽20の上縁外周には環状の液受け部が設けられており、液受け部は撹拌タンク21と接続されている。また浸漬槽20の底部は撹拌タンク21と接続されており、撹拌タンク21内の塗料は、液送ポンプ22により浸漬槽20の底部に送り込まれる。浸漬槽20の底部に送り込まれた塗料は、浸漬槽の上端部からオーバーフローして浸漬槽20の上縁外周の液受け部を介して撹拌タンク21に戻る。軸芯体1上に弾性層2を設けた弾性ローラ部材は、昇降装置23に垂直に固定され、浸漬槽20内の被覆層用塗料中に浸漬し、引き上げることで被覆層3が形成される。
被覆層を形成する塗料中への前記抵抗調整剤や粗し粒子の分散方法としては特に制限されるものではない。例えば、樹脂材料を適当な有機溶剤に溶解させた樹脂溶液中に前記抵抗調整剤や前記粗し粒子などを添加し、サンドグラインダー、サンドミル、ボールミルのような公知の装置を用いて分散することができる。
被覆層の厚みは、4μm以上50μm以下、特には、5μm以上45μm以下が好ましい。被覆層の厚みを上記範囲内とすることによって、弾性層中の低分子量成分の現像部材の表面へのブリードをより確実に抑制することができる。
図2は、本発明に係る現像部材を具備した電子写真画像形成装置の概略構成の一例を示す断面図である。図2の画像形成装置には、本発明に係る現像ローラ4、トナー供給ローラ6、トナー7および現像ブレード8からなる現像装置9を有している。また、感光ドラム5、クリーニングブレード13、廃トナー収容容器12、帯電装置11を有している。感光ドラム5は矢印方向に回転し、感光ドラム5の表面は感光ドラム5を帯電処理するための帯電部材11によって一様に帯電され、感光ドラム5に静電潜像を書き込む露光手段であるレーザー光10により、感光ドラム5の表面に静電潜像が形成される。上記静電潜像は、感光ドラム5に対して接触配置されている現像ローラ4によってトナーを付与されることにより現像され、トナー像として可視化される。
現像は露光部に負帯電性トナー像を形成する所謂反転現像を行っている。可視化された感光ドラム5上のトナー像は、中間転写ベルト14上に一次転写ローラ15によって転写される。中間転写ベルト上のトナー像は、給紙ローラ17から給紙された紙18上に二次転写ローラ16によって転写される。トナー像を転写された紙18は、定着装置19により定着処理され、装置外に排紙されプリント動作が終了する。
現像は露光部に負帯電性トナー像を形成する所謂反転現像を行っている。可視化された感光ドラム5上のトナー像は、中間転写ベルト14上に一次転写ローラ15によって転写される。中間転写ベルト上のトナー像は、給紙ローラ17から給紙された紙18上に二次転写ローラ16によって転写される。トナー像を転写された紙18は、定着装置19により定着処理され、装置外に排紙されプリント動作が終了する。
一方、転写されずに感光ドラム5上に残存した転写残トナーは、感光ドラム表面をクリーニングするためのクリーニングブレード13により掻き取られ、クリーニングされた感光ドラム5は上述動作を繰り返し行う。
現像装置9は、トナー7を収容した現像容器と、現像容器内の長手方向に延在する開口部に位置し感光ドラム5と対向設置された現像ローラ4とを備え、感光ドラム5上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。
現像装置9における現像プロセスを以下に説明する。回転可能に支持されたトナー供給ローラ6により現像ローラ4上にトナーが塗布される。現像ローラ4上に塗布されたトナーは、現像ローラ4の回転により現像ブレード8と摺擦される。現像ローラ4は感光ドラム5と回転しながら接触し、感光ドラム5上に形成された静電潜像を現像ローラ4上にコートされたトナーにより現像することにより画像が形成される。
トナー供給ローラ6の構造としては、発泡骨格状スポンジ構造や軸芯体上にレーヨン、ポリアミドのような繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、現像ローラ4へのトナー7の供給および未現像のトナーの剥ぎ取りの点から好ましい。例えば、軸芯体上にポリウレタンフォームを設けた弾性ローラを用いることができる。
このトナー塗布部材6の現像ローラ4に対する当接幅としては、1~8mmが好ましく、また、トナー塗布部材6は、現像ローラ4に対してその当接部において相対速度をもたせることが好ましい。
以下に、本発明の現像ローラを具体的に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
[弾性ローラ1の作製]
鉄の表面にニッケルメッキを施した直径6mmの軸芯体上に、プライマー(商品名:DY35-051、東レダウコーニング社製)を塗布後、温度170℃で、20分間焼付けした。次に、内径12mmの円筒状のパイプとパイプの両端に配設された軸芯体を固定するための駒とを配設した金型に軸芯体を組み込み、一端の駒から下記表1の材料で調製した弾性層形成用の液状材料を注入し、130℃、20分加熱した。
冷却後、金型から脱型することにより、軸芯体の周りに厚さ3.0mmの弾性層を有する一次硬化弾性ローラを得、更に200℃のオーブンで、2時間加熱することで弾性ローラ1を得た。
[弾性ローラ1の作製]
鉄の表面にニッケルメッキを施した直径6mmの軸芯体上に、プライマー(商品名:DY35-051、東レダウコーニング社製)を塗布後、温度170℃で、20分間焼付けした。次に、内径12mmの円筒状のパイプとパイプの両端に配設された軸芯体を固定するための駒とを配設した金型に軸芯体を組み込み、一端の駒から下記表1の材料で調製した弾性層形成用の液状材料を注入し、130℃、20分加熱した。
冷却後、金型から脱型することにより、軸芯体の周りに厚さ3.0mmの弾性層を有する一次硬化弾性ローラを得、更に200℃のオーブンで、2時間加熱することで弾性ローラ1を得た。
〔被覆層塗料1の作製〕
下記配合の材料を混合し、ディスパーを用いてプレミックスを行った。その後、1.5mmの粒径のガラスビースを使用したサンドミルで4時間分散することで被覆層塗料1を得た。
・ポリオール(商品名:ニッポラン5120、日本ポリウレタン社製):87質量部
・イソシアネート(商品名:コロネートL-55E、日本ポリウレタン社製):13質量部
・カーボンブラック(商品名:MA100、三菱化学社製):8質量部
・ウレタン樹脂粒子(商品名:アートパールC-600透明、根上工業社製):10質量部
・メチルエチルケトン(MEK):塗料固形分が35質量%になる量
下記配合の材料を混合し、ディスパーを用いてプレミックスを行った。その後、1.5mmの粒径のガラスビースを使用したサンドミルで4時間分散することで被覆層塗料1を得た。
・ポリオール(商品名:ニッポラン5120、日本ポリウレタン社製):87質量部
・イソシアネート(商品名:コロネートL-55E、日本ポリウレタン社製):13質量部
・カーボンブラック(商品名:MA100、三菱化学社製):8質量部
・ウレタン樹脂粒子(商品名:アートパールC-600透明、根上工業社製):10質量部
・メチルエチルケトン(MEK):塗料固形分が35質量%になる量
〔弾性層上への被覆層の形成〕
上記のようにして得られた被覆層塗料1を、図3に示すオーバーフロー方式の浸漬塗工装置を用いて前記弾性ローラ1の弾性層上に浸漬塗工した。その後、室温で30分風乾し、140℃の熱風循環オーブンにて2時間加熱処理することで、弾性層表面に厚さ12μmの被覆層を有する現像ローラ1を得た。得られた現像ローラに関して、以下の測定および評価を行った。結果を表2に示す。
上記のようにして得られた被覆層塗料1を、図3に示すオーバーフロー方式の浸漬塗工装置を用いて前記弾性ローラ1の弾性層上に浸漬塗工した。その後、室温で30分風乾し、140℃の熱風循環オーブンにて2時間加熱処理することで、弾性層表面に厚さ12μmの被覆層を有する現像ローラ1を得た。得られた現像ローラに関して、以下の測定および評価を行った。結果を表2に示す。
<表面粗さ(Ra)の測定>
表面粗さRaは、JIS B 0601:1994表面粗さの規格に準じ、接触式表面粗さ計サーフコム480A(東京精密製)を用いて測定した。具体的な測定条件は、半径2μmの触針を用い、押し付け圧0.7mN、測定速度0.3mm/sec、測定倍率5000倍、カットオフ波長0.8mm、測定長さ2.5mmとした。この測定を、現像ローラの軸方向3点のそれぞれの周方向3点の合計9点について行い、それらの平均値を表面粗さRaとした。
表面粗さRaは、JIS B 0601:1994表面粗さの規格に準じ、接触式表面粗さ計サーフコム480A(東京精密製)を用いて測定した。具体的な測定条件は、半径2μmの触針を用い、押し付け圧0.7mN、測定速度0.3mm/sec、測定倍率5000倍、カットオフ波長0.8mm、測定長さ2.5mmとした。この測定を、現像ローラの軸方向3点のそれぞれの周方向3点の合計9点について行い、それらの平均値を表面粗さRaとした。
<アスカーC硬度の測定>
アスカーC硬度は、日本ゴム協会標準規格SRIS0101に準拠したアスカーC型スプリング式ゴム硬度計(高分子計器社製)を用いて23℃、55%RHの環境で測定した。23℃、55%RHの環境中に12時間以上放置した現像ローラに対して、上記硬度計を10Nの力で当接させてから30秒後の値を測定値とした。測定位置は、弾性層軸方向中心部と、弾性層両端部から長手中央部側に各30mmの位置との3点を周方向に角度90°刻みで合計12点に関して測定し、その相加平均値をアスカーC硬度とした。
アスカーC硬度は、日本ゴム協会標準規格SRIS0101に準拠したアスカーC型スプリング式ゴム硬度計(高分子計器社製)を用いて23℃、55%RHの環境で測定した。23℃、55%RHの環境中に12時間以上放置した現像ローラに対して、上記硬度計を10Nの力で当接させてから30秒後の値を測定値とした。測定位置は、弾性層軸方向中心部と、弾性層両端部から長手中央部側に各30mmの位置との3点を周方向に角度90°刻みで合計12点に関して測定し、その相加平均値をアスカーC硬度とした。
<電気抵抗の測定>
電気抵抗は、図4に示す電気抵抗測定装置を用いて測定した。現像ローラ4を軸芯体の両端にそれぞれ4.9Nの荷重をかけて直径50mmの金属ドラム24に当接させて設置した。金属ドラム24を表面速度50mm/secで回転させ、現像ローラ4を従動回転させた。金属ドラム24とグランドとの間に、現像ローラの電気抵抗に対して2桁以上低い既知の電気抵抗を有する抵抗器Rを接続した。
高圧電源HVから現像ローラの軸芯体に+50Vの電圧を印加し、抵抗器Rの両端の電位差をデジタルマルチメーターDMM(例えばFLUKE社製 189TRUE RMS MULTIMETER)を用いて計測した。電位差の計測値と抵抗器Rの電気抵抗から、現像ローラを介して金属ドラムに流れた電流を計算により求め、その電流と印加電圧50Vから計算することにより現像ローラの電気抵抗値を求めた。デジタルマルチメーターでの測定は、電圧印加2秒後から3秒間サンプリングを行い、その平均値から計算される値を現像ローラの抵抗値とした。
電気抵抗は、図4に示す電気抵抗測定装置を用いて測定した。現像ローラ4を軸芯体の両端にそれぞれ4.9Nの荷重をかけて直径50mmの金属ドラム24に当接させて設置した。金属ドラム24を表面速度50mm/secで回転させ、現像ローラ4を従動回転させた。金属ドラム24とグランドとの間に、現像ローラの電気抵抗に対して2桁以上低い既知の電気抵抗を有する抵抗器Rを接続した。
高圧電源HVから現像ローラの軸芯体に+50Vの電圧を印加し、抵抗器Rの両端の電位差をデジタルマルチメーターDMM(例えばFLUKE社製 189TRUE RMS MULTIMETER)を用いて計測した。電位差の計測値と抵抗器Rの電気抵抗から、現像ローラを介して金属ドラムに流れた電流を計算により求め、その電流と印加電圧50Vから計算することにより現像ローラの電気抵抗値を求めた。デジタルマルチメーターでの測定は、電圧印加2秒後から3秒間サンプリングを行い、その平均値から計算される値を現像ローラの抵抗値とした。
<圧縮永久歪み量の測定>
得られた現像ローラの外径寸法を図5に示すような装置を用いて測定した。本測定装置は、導電性軸芯体を基準に回転する導電性軸芯体受け(不図示)、導電性軸芯体の回転を検知するエンコーダー(不図示)、基準板25、レーザー発光部27およびレーザー受光部28からなる寸法測定機(商品名:LS-7000、キーエンス社製)を備えている。現像ローラを回転しつつ、現像ローラの表面と基準板との隙間量26を測定することにより、現像ローラの外径寸法を算出した。なお、現像ローラの表面と基準板との隙間量の測定は、弾性層長手方向中央部、および弾性層の両端部から長手方向中央部側に各20mmの位置の合計3点に関して行い、現像ローラ1周に対して1°ピッチで360点の測定を行った。測定は、23℃、55%RHの環境中に6時間以上放置した現像ローラを用いて、23℃、55%RHの環境で行った。
上記のようにして予め外径形状測定を行った現像ローラを、キヤノン製プリンターLBP7700C用ブラックカートリッジ(商品名:トナーカートリッジ323II(ブラック)、キヤノン社製)に組み込んだ。ただし、該カートリッジは現像ローラと現像ブレードの当接圧力を、圧縮永久歪みの発生に対して厳しい0.5N/cmに変更した。該カートリッジを40℃/95%RHの環境に30日間放置後に、現像ローラを23℃、55%RHの環境に取り出し、23℃、55%RHの環境で6時間放置後の現像ローラの外径形状を、23℃、55%RHの環境で測定した。外径形状測定は40℃/95%RH環境に放置する前と同じ位置に関して行い、現像ブレードとの当接位置において放置前後での現像ローラの外径寸法の変化を求め、変化量の最大値を圧縮永久歪み量とした。
得られた現像ローラの外径寸法を図5に示すような装置を用いて測定した。本測定装置は、導電性軸芯体を基準に回転する導電性軸芯体受け(不図示)、導電性軸芯体の回転を検知するエンコーダー(不図示)、基準板25、レーザー発光部27およびレーザー受光部28からなる寸法測定機(商品名:LS-7000、キーエンス社製)を備えている。現像ローラを回転しつつ、現像ローラの表面と基準板との隙間量26を測定することにより、現像ローラの外径寸法を算出した。なお、現像ローラの表面と基準板との隙間量の測定は、弾性層長手方向中央部、および弾性層の両端部から長手方向中央部側に各20mmの位置の合計3点に関して行い、現像ローラ1周に対して1°ピッチで360点の測定を行った。測定は、23℃、55%RHの環境中に6時間以上放置した現像ローラを用いて、23℃、55%RHの環境で行った。
上記のようにして予め外径形状測定を行った現像ローラを、キヤノン製プリンターLBP7700C用ブラックカートリッジ(商品名:トナーカートリッジ323II(ブラック)、キヤノン社製)に組み込んだ。ただし、該カートリッジは現像ローラと現像ブレードの当接圧力を、圧縮永久歪みの発生に対して厳しい0.5N/cmに変更した。該カートリッジを40℃/95%RHの環境に30日間放置後に、現像ローラを23℃、55%RHの環境に取り出し、23℃、55%RHの環境で6時間放置後の現像ローラの外径形状を、23℃、55%RHの環境で測定した。外径形状測定は40℃/95%RH環境に放置する前と同じ位置に関して行い、現像ブレードとの当接位置において放置前後での現像ローラの外径寸法の変化を求め、変化量の最大値を圧縮永久歪み量とした。
<画像出力試験>
レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン製)の専用ブラックカートリッジ(商品名:トナーカートリッジ323II(ブラック)、キヤノン社製)に、上記の圧縮永久歪み量の測定を終えた現像ローラを組み込み、画像出力試験用カートリッジを作製した。
作製した画像出力試験用カートリッジを、キヤノン製プリンターLBP7700Cに組み込み、画像出力試験を行った。ハーフトーン画像の出力を行い、以下のようにランク付けを行った。なお、圧縮永久歪み量の測定から画像出力までは1時間とした。結果を表2に示す。
A:均一な画像が得られるもの
B:現像ローラの変形に起因する濃度ムラが極めて軽微に見られるもの
C:現像ローラの変形に起因する濃度ムラが軽微に見られるもの
D:現像ローラの変形に起因する濃度ムラが顕著に見られるもの
レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン製)の専用ブラックカートリッジ(商品名:トナーカートリッジ323II(ブラック)、キヤノン社製)に、上記の圧縮永久歪み量の測定を終えた現像ローラを組み込み、画像出力試験用カートリッジを作製した。
作製した画像出力試験用カートリッジを、キヤノン製プリンターLBP7700Cに組み込み、画像出力試験を行った。ハーフトーン画像の出力を行い、以下のようにランク付けを行った。なお、圧縮永久歪み量の測定から画像出力までは1時間とした。結果を表2に示す。
A:均一な画像が得られるもの
B:現像ローラの変形に起因する濃度ムラが極めて軽微に見られるもの
C:現像ローラの変形に起因する濃度ムラが軽微に見られるもの
D:現像ローラの変形に起因する濃度ムラが顕著に見られるもの
<感光ドラム摩耗評価>
上記画像出力試験用カートリッジを、レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン製)に組み込み、連続画像出力試験を行った。
ただし、感光ドラム表面の移動速度に対する現像ローラ表面の移動速度を180%に変更し、感光ドラム摩耗に対して厳しい設定に変更した。印字率が1%の画像を40000枚出力した後、感光ドラムにおいて現像ローラが当接する領域を目視により観察した。また、連続画像出力試験中に帯電バイアスリーク画像の有無を確認し、以下のようにランク付けを行った。結果を表2に示す。
A:端部を含めて感光ドラム表面の摩耗が確認できず、帯電バイアスリーク画像の発生がないもの
B:感光ドラム端部に極めて軽微な摩耗が確認できるが、帯電バイアスリーク画像の発生がないもの
C:感光ドラム端部に摩耗が確認できるが、帯電バイアスリーク画像の発生がないもの
D:感光ドラム端部に摩耗が確認でき、帯電バイアスリーク画像が発生したもの
上記画像出力試験用カートリッジを、レーザープリンター(商品名:LBP7700C、キヤノン製)に組み込み、連続画像出力試験を行った。
ただし、感光ドラム表面の移動速度に対する現像ローラ表面の移動速度を180%に変更し、感光ドラム摩耗に対して厳しい設定に変更した。印字率が1%の画像を40000枚出力した後、感光ドラムにおいて現像ローラが当接する領域を目視により観察した。また、連続画像出力試験中に帯電バイアスリーク画像の有無を確認し、以下のようにランク付けを行った。結果を表2に示す。
A:端部を含めて感光ドラム表面の摩耗が確認できず、帯電バイアスリーク画像の発生がないもの
B:感光ドラム端部に極めて軽微な摩耗が確認できるが、帯電バイアスリーク画像の発生がないもの
C:感光ドラム端部に摩耗が確認できるが、帯電バイアスリーク画像の発生がないもの
D:感光ドラム端部に摩耗が確認でき、帯電バイアスリーク画像が発生したもの
〔実施例2〕
実施例1において、疎水性シリカ(商品名:RX200、日本アエロジル社製)1.5質量部を、実施例1の弾性層形成用の液状材料を構成する材料に追加して添加した以外は実施例1と同様にして現像ローラ2を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
実施例1において、疎水性シリカ(商品名:RX200、日本アエロジル社製)1.5質量部を、実施例1の弾性層形成用の液状材料を構成する材料に追加して添加した以外は実施例1と同様にして現像ローラ2を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例3〕
実施例2において、(B1)に代えて下記(B2)を用いた以外は、実施例2と同様にして現像ローラ3を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(B2)CH2=CH(CH3)2SiO1/2単位、(CH3)3SiO1/2単位、およびSiO4/2単位の構成単位からなり、SiO4/2単位に対するCH2=CH(CH3)2SiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位との合計量のモル比が0.5、重量平均分子量6600、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を平均4個有するオルガノポリシロキサン
実施例2において、(B1)に代えて下記(B2)を用いた以外は、実施例2と同様にして現像ローラ3を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(B2)CH2=CH(CH3)2SiO1/2単位、(CH3)3SiO1/2単位、およびSiO4/2単位の構成単位からなり、SiO4/2単位に対するCH2=CH(CH3)2SiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位との合計量のモル比が0.5、重量平均分子量6600、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を平均4個有するオルガノポリシロキサン
〔実施例4〕
実施例2において、(B1)に代えて下記(B3)を用いた以外は、実施例2と同様にして現像ローラ4を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(B3)CH2=CH(CH3)2SiO1/2単位、(CH3)3SiO1/2単位、およびSiO4/2単位の構成単位からなり、SiO4/2単位に対するCH2=CH(CH3)2SiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位との合計量のモル比が2.0、重量平均分子量2100、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を平均4個有するオルガノポリシロキサン
実施例2において、(B1)に代えて下記(B3)を用いた以外は、実施例2と同様にして現像ローラ4を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(B3)CH2=CH(CH3)2SiO1/2単位、(CH3)3SiO1/2単位、およびSiO4/2単位の構成単位からなり、SiO4/2単位に対するCH2=CH(CH3)2SiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位との合計量のモル比が2.0、重量平均分子量2100、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を平均4個有するオルガノポリシロキサン
〔実施例5〕
実施例2において、(B1)の配合量を2質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして現像ローラ5を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
実施例2において、(B1)の配合量を2質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして現像ローラ5を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例6〕
実施例2において、(B1)の配合量を10質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして現像ローラ6を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
実施例2において、(B1)の配合量を10質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして現像ローラ6を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例7〕
実施例2において、(A1)に代えて下記(A2)を用い、(C1)の配合量を8質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして現像ローラ7を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(A2)両末端ジメチルビニルシロキシ-ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度10Pa・s)
実施例2において、(A1)に代えて下記(A2)を用い、(C1)の配合量を8質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして現像ローラ7を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(A2)両末端ジメチルビニルシロキシ-ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度10Pa・s)
〔実施例8〕
実施例2において、(A1)に代えて下記(A3)を用い、(C1)の配合量を3質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして現像ローラ8を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(A3)両末端ジメチルビニルシロキシ-ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度100Pa・s)
実施例2において、(A1)に代えて下記(A3)を用い、(C1)の配合量を3質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして現像ローラ8を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(A3)両末端ジメチルビニルシロキシ-ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度100Pa・s)
〔実施例9〕
実施例7において、(B1)に代えて下記(B4)を用い、(B4)の配合量を12質量部に変更した以外は、実施例7と同様にして現像ローラ9を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(B4)CH2=CH(CH3)2SiO1/2単位、(CH3)3SiO1/2単位、およびSiO4/2単位の構成単位からなり、SiO4/2単位に対するCH2=CH(CH3)2SiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位との合計量のモル比が0.4、重量平均分子量8000、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を平均4個有するオルガノポリシロキサン
実施例7において、(B1)に代えて下記(B4)を用い、(B4)の配合量を12質量部に変更した以外は、実施例7と同様にして現像ローラ9を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(B4)CH2=CH(CH3)2SiO1/2単位、(CH3)3SiO1/2単位、およびSiO4/2単位の構成単位からなり、SiO4/2単位に対するCH2=CH(CH3)2SiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位との合計量のモル比が0.4、重量平均分子量8000、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を平均4個有するオルガノポリシロキサン
〔実施例10〕
実施例8において、(B1)に代えて下記(B5)を用い、(B5)の配合量を1質量部に変更した以外は、実施例8と同様にして現像ローラ10を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(B5)CH2=CH(CH3)2SiO1/2単位、(CH3)3SiO1/2単位、およびSiO4/2単位の構成単位からなり、SiO4/2単位に対するCH2=CH(CH3)2SiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位との合計量のモル比が2.2、重量平均分子量1900、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を平均4個有するオルガノポリシロキサン
実施例8において、(B1)に代えて下記(B5)を用い、(B5)の配合量を1質量部に変更した以外は、実施例8と同様にして現像ローラ10を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(B5)CH2=CH(CH3)2SiO1/2単位、(CH3)3SiO1/2単位、およびSiO4/2単位の構成単位からなり、SiO4/2単位に対するCH2=CH(CH3)2SiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位との合計量のモル比が2.2、重量平均分子量1900、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を平均4個有するオルガノポリシロキサン
〔比較例1〕
実施例2において(B1)を配合しなかった以外は実施例2と同様にして現像ローラ11を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
実施例2において(B1)を配合しなかった以外は実施例2と同様にして現像ローラ11を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
〔比較例2〕
実施例2において、(A1)に代えて下記(A4)を用い、(C1)の配合量を10質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして現像ローラ12を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(A4)両末端ジメチルビニルシロキシ-ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度7Pa・s)
実施例2において、(A1)に代えて下記(A4)を用い、(C1)の配合量を10質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして現像ローラ12を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(A4)両末端ジメチルビニルシロキシ-ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度7Pa・s)
〔比較例3〕
実施例2において、(A1)に代えて下記(A5)を用い、(C1)の配合量を2質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして現像ローラ13を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(A5)両末端ジメチルビニルシロキシ-ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度120Pa・s)
実施例2において、(A1)に代えて下記(A5)を用い、(C1)の配合量を2質量部に変更した以外は、実施例2と同様にして現像ローラ13を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・(A5)両末端ジメチルビニルシロキシ-ジメチルポリシロキサン(25℃における粘度120Pa・s)
〔比較例4〕
実施例2において、(B1)に代えてオイルセグメントを有する下記シロキサン化合物を用いた以外は、実施例2と同様にして現像ローラ14を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・CH2=CH(CH3)2SiO1/2単位、(CH3)3SiO1/2単位、(CH3)2SiO2/2単位およびSiO4/2単位の構成単位からなり、SiO4/2単位に対するCH2=CH(CH3)2SiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2とCH3)2SiO2単位との合計量のモル比が1.0、重量平均分子量4000、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を平均4個有するオルガノポリシロキサン
実施例2において、(B1)に代えてオイルセグメントを有する下記シロキサン化合物を用いた以外は、実施例2と同様にして現像ローラ14を作製し、実施例1と同様に測定および評価を行った。結果を表2に示す。
・CH2=CH(CH3)2SiO1/2単位、(CH3)3SiO1/2単位、(CH3)2SiO2/2単位およびSiO4/2単位の構成単位からなり、SiO4/2単位に対するCH2=CH(CH3)2SiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2とCH3)2SiO2単位との合計量のモル比が1.0、重量平均分子量4000、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を平均4個有するオルガノポリシロキサン
※2はオイルセグメントであるR1R2SiO2/2と、SiO4/2単位およびR1R2R3SiO1/2単位とから構成されるシロキサン化合物を配合したものである。
表2から明らかなように、本発明に係る現像ローラでは、現像ローラと現像ブレードを長期間当接した状態で放置した際の圧縮永久歪みの発生を抑制することができ、それにより圧縮永久歪みに起因する画像不良を改善することができた。それと同時に、本発明の現像ローラでは、感光ドラムの摩耗を抑制できた。
比較例1においては、本発明の必須成分である(B)に記載されるオルガノポリシロキサンを含有していない。それにより圧縮永久歪みが大きくなり、当該圧縮永久歪みに起因する画像不良が発生したと考えられる。
比較例2においては、(A)に記載されるオルガノポリシロキサンの粘度が小さすぎる、すなわち分子量が小さすぎることにより、現像ローラの硬度が高くなっている。それにより感光ドラムの摩耗が顕著に進行し、帯電バイアスリーク画像も発生したと考えられる。
比較例3においては、(A)に記載されるオルガノポリシロキサンの粘度が大きすぎる、すなわち分子量が大きすぎることにより、架橋点間の分子量が大きくなっている。そのことにより、圧縮永久歪み量が大きく、圧縮永久歪みに起因する画像不良が発生したと考えられる。
比較例4においては、(B)に記載されるオルガノポリシロキサンの代わりにオイルセグメントであるR1R2SiO2/2単位と、SiO4/2単位およびR1R2R3SiO1/2単位とから構成されるシロキサン化合物を配合している。このシロキサン化合物はオイルセグメントを有していることから、分子構造の自由度が大きくなり、圧縮永久歪みを抑制できなかったと考えられる。一方、実施例1から実施例10においては、SiO4/2単位およびR1R2R3SiO1/2の構成単位からなる(B)に記載されるオルガノポリシロキサンを配合することで、圧縮永久歪みの発生を有効に抑制できたものと考えられる。
以上のことから、本発明に規定した条件を満たすことで、柔軟であることにより感光ドラムの摩耗が小さく、現像ブレードと当接した状態で長期間放置しても圧縮永久歪みを生じにくい現像部材を得ることができることは明らかである。
1 軸芯体
2 弾性層
3 被覆層
4 現像ローラ
5 感光ドラム
6 トナー供給ローラ
7 トナー
8 現像ブレード
9 現像装置
10 レーザー光
11 帯電部材
12 廃トナー収容容器
13 クリーニングブレード
14 中間転写ベルト
15 一次転写ローラ
16 二次転写ローラ
17 給紙ローラ
18 紙
19 定着装置
20 浸漬槽
21 撹拌タンク
22 液送ポンプ
23 昇降装置
24 金属ドラム
R 抵抗器
HV 高圧電源
DMM デジタルマルチメーター
25 基準板
26 隙間量
27 レーザー発光部
28 レーザー受光部
2 弾性層
3 被覆層
4 現像ローラ
5 感光ドラム
6 トナー供給ローラ
7 トナー
8 現像ブレード
9 現像装置
10 レーザー光
11 帯電部材
12 廃トナー収容容器
13 クリーニングブレード
14 中間転写ベルト
15 一次転写ローラ
16 二次転写ローラ
17 給紙ローラ
18 紙
19 定着装置
20 浸漬槽
21 撹拌タンク
22 液送ポンプ
23 昇降装置
24 金属ドラム
R 抵抗器
HV 高圧電源
DMM デジタルマルチメーター
25 基準板
26 隙間量
27 レーザー発光部
28 レーザー受光部
この出願は2011年8月25日に出願された日本国特許出願第2011-183826からの優先権を主張するものであり、その内容を引用してこの出願の一部とするものである。
Claims (10)
- 基体と、該基体上に弾性層が設けられ、該弾性層上に被覆層が設けられた現像部材であって、
該弾性層は下記(A)乃至(D)を含有する混合物の硬化物を含むことを特徴とする現像部材:
(A)一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有し、25℃における粘度が10Pa・s以上100Pa・s以下のオルガノポリシロキサン、
(B)SiO4/2単位およびR1R2R3SiO1/2単位の構成単位からなり、R1、R2、R3はメチル基またはビニル基であり、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(C)一分子中に珪素原子に結合した水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(D)カーボンブラック。 - 前記(A)が、下記平均組成式(1)で示されるオルガノポリシロキサンである請求項1に記載の現像部材:
RaSiO(4-a)/2
・・・(1)
(式(1)中、Rは炭素数1~10の一価の炭化水素基を表す。aは、1.5~2.8の範囲の正数である。)。 - 前記aが、1.8~2.5の範囲の正数である請求項2に記載の現像部材。
- 前記(B)が、下記平均組成式(2)で示され、かつ、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンである請求項1~3のいずれか一項に記載の現像部材:
(R1R2R3SiO1/2)X(SiO4/2)1.0
・・・(2)
(式(2)中、R1、R2、およびR3は各々独立にメチル基またはビニル基を表す。Xは0より大きく、4.0より小さい正数を表す。)。 - 前記(B)において、SiO4/2単位に対するR1R2R3SiO1/2単位のモル比が0.5以上2.0以下である請求項4に記載の現像部材。
- 前記(A)100質量部に対して前記(B)が2質量部以上10質量部以下である請求項1~5のいずれか一項に記載の現像部材。
- 前記硬化物が無機粒子を含有していない請求項1~6のいずれか1項に記載の現像部材。
- 前記被覆層がウレタン樹脂を含む請求項1~7のいずれか一項に記載の現像部材。
- 基体と、該基体上に弾性層が設けられ、該弾性層上に被覆層が設けられた現像部材の製造方法であって、
下記(A)乃至(D)を含有する混合物を硬化させて弾性層を形成する工程を有する現像部材の製造方法:
(A)一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有し、25℃における粘度が10Pa・s以上100Pa・s以下のオルガノポリシロキサン、
(B)SiO4/2単位およびR1R2R3SiO1/2単位の構成単位からなり、R1、R2、R3はメチル基またはビニル基であり、一分子中に珪素原子に結合したビニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(C)一分子中に珪素原子に結合した水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(D)カーボンブラック。 - 感光ドラムと、
該感光ドラムの表面に形成された静電潜像をトナーで現像するための現像装置とを備えている画像形成装置であって、
該現像装置は、該感光ドラムに接触配置されている現像ローラを具備し、
該現像ローラが、請求項1~8のいずれか一項に記載の現像部材であることを特徴とする画像形成装置。
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