WO2013024782A1 - インジウムの回収方法 - Google Patents

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Abstract

 本発明は、インジウム含有製品からインジウムを回収する方法であって、上記インジウム含有製品から、浸出剤として塩酸水溶液を用いた水熱浸出法により、インジウムを上記塩酸水溶液中に浸出させ、インジウムを含有する塩酸水溶液からなる浸出液を得る浸出工程と、上記浸出液にInイオン吸着用細菌を添加することにより、上記浸出液からインジウムを分離する分離工程とを含むことを特徴とする、インジウムの回収方法である。

Description

インジウムの回収方法
 本発明は、インジウム含有製品からインジウムを回収する方法に関する。
 インジウムは、LCD(液晶パネル ディスプレイ)に用いられる透明電極膜材となるITO(インジウム-スズ酸化物)の製造-に不可欠なレアメタルである。インジウムの天然資源埋蔵量は中国に偏在しており、中国がインジウムの天然資源をほぼ占有する状況のなか、日本は地金需要が世界全体の8割強(年間)を占める消費大国となっている。
 我が国では、インジウムの大半はLCD用ITOの製造に使用されており、LCDの大型化と急速な市場拡大により、その需要が急激に高まっている。近年、使用済みITOターゲット材、スパッタ治具付着物などの製造工程で生じるスクラップについては、リサイクル化が進んでいる。しかしながら、使用済みLCDなど家電品、LCD工場での不良パネルに対しては、インジウム回収は行われていないと考えられ、かかる使用済みLCDや不良LCDなどのインジウム含有製品からインジウムを回収することが重要な課題となっている。特に、LCDテレビ等が家電リサイクル法の対象品目に追加されたことから、使用済みLCD等からのインジウム再資源化技術の確立は、レアメタル資源の安定供給ならびに無機系廃棄物の減量・無害化を図るうえで重要な課題である。
 使用済みLCD製品からのインジウム回収に関する研究は、幾つか報告されている。塩酸によるLCD浸出液に対してイオン交換樹脂を用いる吸着・脱着法がLCD製造業者によって提案されている(非特許文献1:T. Honma and T. Muratani: Sharp Gihoh 92(2005) 17-22、非特許文献2:M. Tsujiguchi and H. Doi: Haikibutu Shigen Junkan Gakkaishi 20(2009) 77-84)。また、使用済みLCDパネルの無機酸による浸出と、その浸出液を対象に試薬含浸型樹脂(イオン交換樹脂に溶媒抽出試薬を含浸させて調製)によるインジウムの吸着分離について、基礎研究が行われている(非特許文献3:K. Inoue, M. Nishiura H. Kawakita, K. Ohto and H. Harada: Kagaku Kogaku Ronbunshu 34(2008) 282-286)。
 これら従来法には、微量のインジウムを含む希薄溶液からの効率的なインジウム回収、インジウム回収プロセスとしての経済性、その下流工程における廃水処理の必要性などに関する課題が残されている。
 このような状況のなか、希薄溶液からの金属の除去方法として、微生物などの安価な生物素材を吸着剤として利用するバイオソープション(生物吸着)は、使用済みLCDからのインジウム回収法として有望な手段になると考えられる。バイオソープションでは、微生物の細胞表層に存在するリン脂質やリポ多糖類(官能基としてはカルボキシル基、リン酸基など)がイオン交換体として作用し、金属イオンが液相から除去される。
 これまでに、有害金属を含む廃水の処理や重金属で汚染された水環境の浄化を目的に、各種有害金属の吸着分離に関する数多くの研究結果が報告されている(非特許文献4:S. Schiewer and B. Volesky: Biosorption Processes for Heavy Metal Removal, (Environmental Microbe-Metal Interactions, D.R. Lovley (ed.), ASM Press, Washindton, D.C., 2000) pp. 329-362)。また、希薄溶液からの貴金属の分離・回収方法として、各種の微生物を利用するバイオソープションに関心が寄せられている(非特許文献5:N. Das: Hydrometallurgy, 103(2010) 180-189、特許文献6:J. Cui and L. Zhang: J. Hazard. Mater. 158(2008) 228-256)。
 レアメタルであるインジウムのバイオソープションに関して、特許文献1(特開2011-26701号公報)には、インジウム、ガリウム、スズを含む金属含有物から、鉄還元細菌を用いた処理によりインジウム、ガリウム、スズを回収する方法が開示されている。しかし、特にインジウムを選択的に回収する方法については開示されていない。
 また、特許文献2(特許第4843491号公報)には、インジウムを含有する塩酸を主成分とする酸溶液から、アニオン交換樹脂を用いてインジウムを回収する方法が開示されている。しかし、アニオン交換樹脂は、塩酸由来の塩化物イオンを含め、FPD浸出液中の全ての陰イオンを吸着することから、インジウムに対する選択性がない。また、例えば実施例1では、比較的緩和な条件(80℃、大気圧)下ではあるが、高濃度の塩酸溶液(3.5%:1.2M)を浸出剤として用い、60分間という長時間の浸出を行っても、回収率は55%程度(図9参照)と低いものであった。また、浸出液のpHが1以下であるため、スズが浸出液中に溶解し、スズの分離工程が必要となるという問題もあった。
特開2011-26701号公報 特許第4843491号公報
T. Honma and T. Muratani: Sharp Gihoh 92(2005) 17-22 M. Tsujiguchi and H. Doi: Haikibutu Shigen Junkan Gakkaishi 20(2009) 77-84 K. Inoue, M. Nishiura H. Kawakita, K. Ohto and H. Harada: Kagaku Kogaku Ronbunshu 34(2008) 282-286 S. Schiewer and B. Volesky: Biosorption Processes for Heavy Metal Removal, (Environmental Microbe-Metal Interactions, D.R. Lovley (ed.), ASM Press, Washindton, D.C., 2000) pp. 329-362 N. Das: Hydrometallurgy, 103(2010) 180-189 J. Cui and L. Zhang: J. Hazard. Mater. 158(2008) 228-256
 本発明は、インジウム含有製品(使用済みLCDなど)から効率的にインジウムを回収できる方法を提供することを目的とする。
 本発明は、インジウム含有製品からインジウムを回収する方法であって、
 上記インジウム含有製品から、浸出剤として塩酸水溶液を用いた水熱浸出法により、インジウムを上記塩酸水溶液中に浸出させ、インジウムを含有する塩酸水溶液からなる浸出液を得る浸出工程と、
 上記浸出液にInイオン吸着用細菌を添加することにより、上記浸出液からインジウムを分離する分離工程と
 を含むことを特徴とする、インジウムの回収方法である。
 上記塩酸水溶液の濃度は0.05~0.5Mであることが好ましい。また、上記浸出工程において、上記塩酸水溶液の温度が110~130℃に維持されることが好ましい。上記浸出工程の圧力条件は0.143~0.270MPaであることが好ましい。上記浸出工程における処理時間は3~60分であることが好ましい。
 上記分離工程において、上記Inイオン吸着用細菌を添加する前または添加した後の上記浸出液のpHが2.2~3.0であることが好ましい。
 上記Inイオン吸着用細菌は、Shewanella algae、または、Shewanella oneidensisであることが好ましい。
 上記分離工程の後に、上記Inイオン吸着用細菌を乾燥処理するか、または、焼成することにより、インジウムを回収することが好ましい。
 本発明によれば、インジウム含有製品(使用済みLCDなど)から効率的にインジウムを回収することができる。特に、微量のインジウムを含む希薄溶液から高い選択性でインジウムをバイオ吸着分離することにより、使用済みインジウム含有製品から効率的にインジウムを回収することができる。
実施例1の実験結果を示すグラフである。 実施例2の実験結果を示すグラフである。 実施例3の実験結果を示すグラフである。 実施例4の実験結果を示すグラフである。 実施例7の実験結果を示すグラフである。 実施例7の実験結果を示す別のグラフである。
 <浸出工程>
 使用済みLCDからのIn浸出において、公知の方法(特許文献2)では濃度3M(3000mol/m3)の塩酸水溶液を浸出剤として使用している。このような高濃度の塩酸水溶液を使用する理由は、一般に塩酸濃度が高い方がInの浸出量が多くなると考えられているためである。しかしながら、S.algae細胞による吸着操作の上流工程で3Mの塩酸水溶液を浸出剤に使用した場合には、浸出液に高濃度塩酸が残存することになり、バイオ吸着操作の前処理として高濃度アルカリ溶液を消費するpH調整工程が必要になる。その上、アルカリ溶液の添加によって、浸出液が希釈されてIn(III)濃度が低下するとともに、In(III)回収後に発生する廃液量が増加することになる。
 これらの問題点を考慮すれば、インジウム含有製品(使用済みのLCD等)からInを浸出させる際に用いる浸出剤としては、希薄塩酸水溶液を用いることが望ましいが、単に塩酸水溶液の濃度を低くすれば、インジウムの回収率が低下してしまうと考えられる。
 かかる課題を解決すべく、本発明者らは、インジウム含有製品からInを浸出させる方法として、水熱浸出法を採用することにより、希薄塩酸水溶液を用いた場合でも、効率的なInの回収が可能であることがを見出した。ここで、本発明における水熱浸出法とは、高温高圧状態にある浸出剤(塩酸水溶液)にインジウム含有製品の粉砕物等を添加して、浸出剤中にインジウムを浸出させる方法である。
 すなわち、本発明の浸出工程においては、インジウム含有製品から、浸出剤として0.05~0.5Mの塩酸水溶液を用いた水熱浸出法により、インジウムを塩酸水溶液中に浸出させる。塩酸水溶液の濃度は、より好ましくは0.1M前後である。このような従来よりも低濃度の塩酸水溶液を使用することにより、上述の浸出工程後の浸出液の処理における問題が解消される。なお、本発明において、浸出液とは、インジウムを塩酸水溶液中に浸出させることによって得られる、インジウムを含有する塩酸水溶液を意味する。
 具体的には、例えば、インジウム含有製品を粉砕し、所定の温度に加熱した0.05~0.5Mの塩酸水溶液中に添加することにより、インジウムを該塩酸水溶液中に浸出させることができる。該浸出工程における塩酸水溶液の温度は、好ましくは、110~130℃であり、より好ましくは115~125℃である。この場合、スズの浸出を抑制して、インジウムを選択的に浸出液に回収することができる。
 なお、浸出工程の圧力条件は、かかる温度条件に応じて調整されるものであり、好ましくは0.143~0.270MPaの範囲内で温度条件に応じて調整されることが好ましい。
 浸出工程における処理時間は、回収作業全体としてのインジウムの回収効率の観点からは、好ましくは3~60分、より好ましくは5~10分である。
 インジウム含有製品とは、インジウムを含有する製品であれば特に限定されないが、例えば、使用済みのLCDが挙げられる。インジウム含有製品は、インジウムおよびアルミニウムと、Cu、Sn、Sr、MgおよびSiからなる群から選択される少なくとも1種とを含有する製品であることが好ましい。本発明によれば、このようにインジウム以外の金属を含有する製品からインジウムを選択的に回収することが可能である。なお、この場合、浸出工程は、インジウム含有製品から、浸出剤としての塩酸水溶液を用いた水熱浸出法により、インジウムおよびアルミニウムと、Cu、Sn、Sr、MgおよびSiからなる群から選択される少なくとも1種とを前記塩酸水溶液中に浸出させ、インジウムおよびアルミニウムと、Cu、Sn、Sr、MgおよびSiからなる群から選択される少なくとも1種とを含有する塩酸水溶液からなる浸出液を得る工程となる。
 <分離工程>
 上記浸出工程の後、上記浸出液にInイオン吸着用細菌を添加することにより、上記浸出液からインジウムを分離する。ここで、インジウムを分離するとは、具体的には、インジウムをInイオン吸着用細菌の表面に吸着させることなどを意味する。
 (Inイオン吸着用細菌)
 本発明で用いるInイオン吸着用細菌は、電子供与体から電子の供給を受けて、金属イオンを還元する細菌のうち、還元作用を行わずに、溶液中のインジウムを細胞に吸着できる細菌である。このようなInイオン吸着用細菌としては、例えば、ゲオバクター属(代表種:Geobacter metallireducens:ゲオバクター メタリレデューセンス、ATCC(American Type Culture Collection)53774株)、デスルフォモナス属(代表種:Desulfuromonas palmitatis:ATCC51701株)、デスルフォムサ属(代表種:Desulfuromusa kysingii:DSM(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen)7343株)、ペロバクター属(代表種:Pelobacter venetianus:ATCC2394株)、シワネラ属(Shewanella algae:ATCC51181株(以下、「S.algae」と略す。)、Shewanella oneidensis:ATCC700550株(以下、「S.oneidensis」と略す))、フェリモナス属(Ferrimonas balearica:DSM9799株)、エアロモナス属(Aeromonas hydrophila:ATCC15467株)、スルフロスピリルム属(代表種:Sulfurospirillum barnesii:ATCC700032株)、ウォリネラ属(代表種:Wolinella succinogenes:ATCC29543株)、デスルフォビブリオ属(代表種:Desulfovibrio desulfuricans:ATCC29577株)、ゲオトリクス属(代表種:Geothrix fermentans:ATCC700665株)、デフェリバクター属(代表種:Deferribacter thermophilus:DSM14813株)、ゲオビブリオ属(代表種:Geovibrio ferrireducens:ATCC51996株)、ピロバクルム属(代表種:Pyrobaculum islandicum:DSM4184株)、テルモトガ属(代表種:Thermotoga maritimaDSM3109株)、アルカエグロブス属(代表種:Archaeoglobus fulgidus:ATCC49558株)、ピロコックス属(代表種:Pyrococcus furiosus:ATCC43587株)、ピロディクティウム属(代表種:Pyrodictium abyssi:DSM6158株)などが例示できる。
 本発明で用いるInイオン吸着用細菌は、当該細菌に適した培地を用いて、増殖・維持を行えばよい。例えばS.algaeは、例えば、pHが7.0で、電子供与体として乳酸ナトリウム(32mol/m3)が、電子受容体としてFe(III)イオン(56mol/m3)が含まれている、クエン酸第二鉄培地(ATCC No.1931)を用いて、回分培養して増殖させ、維持することができる。鉄イオンの塩は、この例では、クエン酸塩であるが、使用する培地、使用するInイオン吸着用細菌の種類により、適宜選択すればよい。S.algaeなどの嫌気的条件および好気的条件のいずれでも生育するInイオン吸着用細菌については、培養効率の点から、好気的条件下で培養を行うことが好ましい。
 本発明で用いるInイオン吸着用細菌のうち、特に好ましいものは、S.algaeまたはS.oneidensisである。S.oneidensisの細胞を吸着剤として用いることで、S.algaeと同様にIn(III)イオンを分離できる。
 グラム陰性細菌であるShewanella algaeの細胞表層にはタンパク質等が存在しており(V.R. Phoenix, A.A. Korenevsky, F.G. Ferris, Y.A. Gorby and T.J. Beveridge: Current Microbiol. 55(2007) 152-157.)、これら生体物質が金属イオンの吸着に有効に作用すると考えられる。本発明においては、S.algae細胞をIn(III)イオンの吸着剤として用いる。なお、S.algaeは、金属イオン還元細菌としても知られ、嫌気的環境下で有機酸塩(乳酸酸塩など)を電子供与体に用いて、Fe(III)イオンや貴金属イオン(Au(III)、Pd(II)、Pt(IV))を還元できる機能を有する(J.R. Lloyd and L.E. Macaskie: Adv. Appl. Microbiol. 53(2003) 85-128、
 Y. Konishi, T, Tsukiyama, K. Ohno, N. Saitoh, T. Nomura and S. Nagamine: Hydrometallurgy 81(2006) 24-29、
 Y. Konishi, K. Ohno, N. Saitoh, T. Nomura, S. Nagamine, H. Hishida, Y. Takahashi and T. Uruga: J. Biotechnol. 128(2007) 648-653、
 Y. Konishi, T. Tsukiyama, N. Saitoh, T. Nomura, S. Nagamine, Y. Takahashi and T. Uruga: J. Biosci. Bioeng. 103(2007) 568-571、
 Y. Konishi, T. Tsukiyama, T. Tachimi, N. Saitoh, T. Nomura and S. Nagamine: Electrochimica Acta 53(2007) 186-192、
 K. Tamaoki, N. Saito, T. Ogi, T. Nomura and Y. Konishi: Kagaku Kogaku Ronbunshu 36(2010) 288-292)。
 これら金属イオン等の標準電極電位(例えば、Fe3++e⇔Fe2+;0.77V)に比べて、インジウム(III)の標準電極電位(In3++3e⇔In;-0.34V)はかなり低く、S.algaeの作用によってIn(III)イオンを還元することは難しい。このため、S.algae細胞を吸着剤として用いてIn(III)イオンを分離する。
 Inイオン吸着用細菌を浸出液に添加した後における浸出液中の細胞濃度は、好ましくは1.0×1014~1.0×1017cells/m3であり、より好ましくは1.0×1015~1.5×1016cells/m3である。なお、Inイオン吸着用細菌は、通常は生菌の状態で浸出液に添加される。
 Inイオン吸着用細菌を添加する前または添加した後の浸出液のpHは、浸出液に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性物質を添加することにより、2.2~3.0の範囲内になるよう調整されることが好ましい。より好ましくは、Inイオン吸着用細菌を添加した後の浸出液のpHが、2.2~3.0の範囲内になるよう調整される。このような範囲でpHを調整した場合、Inイオン吸着用細菌によってIn(III)イオンだけをより選択的に吸着分離することができ、本発明のインジウム回収方法におけるインジウムの回収率をより向上させることができる。
 上記分離工程の後に、インジウムを内部に取り込んだInイオン吸着用細菌や、表面にインジウムが結合したInイオン吸着用細菌を、例えば、乾燥や焼成することにより、最終的にインジウムを回収することができる。Inイオン吸着用細菌を乾燥する場合、例えば、50℃程度の乾燥器内で12時間程度放置し、細菌細胞の水を蒸発させ、In濃縮物として回収してもよい。さらに、細菌細胞を大幅に減量するために、800°C程度の高温炉内で熱処理してInを回収するようにしてもよい。
 以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例においては、次のようにして培養し調製したS.algae細胞懸濁液を用いた。
 (微生物培養と細胞懸濁液の調製)
 Inイオン吸着用細菌として、ATCC(American Type Culture Collection)から分譲されたATCC 51181株のS.algaeを準備した。S.algaeの培養は、好気環境下において、TSB(トリプトソイブロス)液体培地(pH7.2)を用いて室温で行った。12~16hの回分培養を行った後、培養液を遠心分離(15,880×g)することにより細菌細胞を収穫し、これをイオン交換水で洗浄した。この洗浄細胞をイオン交換水で再懸濁させて、S.algae細胞懸濁液を調製した。
 [実施例1]
 本実施例では、S.algae細胞によるInCl3水溶液中のInイオンの吸着実験を回分法で行った。
 具体的には、3種類の濃度のInCl3水溶液に、上記S.algae細胞懸濁液を混合し、Inイオンの吸着実験を行った。この混合液において、In(III)イオンの初期濃度は0.08、0.40、0.80mol/m3であり、pHはいずれも2.9、細胞濃度はいずれも4.0×1015cells/mとした。なお、本実施例においては、全ての操作を好気的環境下(室温、大気圧下)で行った。
 吸着実験を開始した後(細胞懸濁液を混合した後)、所定の時間(3分、30分、60分)が経過した時点で上記混合液を採取した。In(III)イオンの細菌細胞への吸着を停止させるために、採取した混合液を直ちにフィルター(孔径0.2μm、セルロース混合エステル製)でろ過して、液相とS.algae細胞に分離した。そして、液相中のIn(III)イオン濃度を、マルチタイプICP発光分光分析装置(ICPE-9000、島津製作所)を用いて測定した。
 また、無菌対照として、上記3種類の混合液の初期In(III)イオン濃度と同じ濃度のInCl3水溶液(細胞懸濁液を混合していないInCl3水溶液)についても、InCl3水溶液調製後、所定の時間(0分、3分、30分、60分)が経過した時点でのIn(III)イオンの濃度の測定を行った。図1に、本実施例の測定結果を示す。
 図1に示す結果から、S.algae細胞の存在下では、時間の経過に伴い液相In(III)イオンの濃度が減少したことから、In(III)イオンのバイオ吸着現象が起こっていることがわかる。また、S.algae細胞によってIn(III)イオンは迅速に吸着され、30分以内の回分操作で吸着平衡に達することもわかる。したがって、初期のIn(III)イオン濃度が0.08、0.40、0.80mol/m3の希薄InCl3溶液に対して、S.algae細胞(ATCC51181株)が有効なバイオ吸着剤であることが明らかになった。なお、S.algae細胞の細胞懸濁液を混合しなかった無菌対照では、In(III)濃度が変化しなかった。
 [実施例2]
 本実施例では、In(III)イオン、Sn(IV)イオンおよびAl(III)イオンの各々のバイオ吸着に及ぼす溶液pHの影響を調べる実験を行なった。すなわち、InCl3水溶液、SnCl4水溶液およびAlCl3水溶液のそれぞれについて、S.algae細胞(ATCC 51181株)を用いた吸着実験を行い、混合液(上記3種類のイオン水溶液に細胞懸濁液を混合したもの)のpHを変化させることにより、In(III)イオン、Sn(IV)イオンおよびAl(III)イオンの各々に対する吸着率の平衡値と混合液のpHとの関係を調べた。
 具体的には、InCl3水溶液、SnCl4水溶液およびAlCl3水溶液のそれぞれに対して、上記S.algae細胞懸濁液を混合し、回分法で、In(III)イオン、Sn(IV)イオンおよびAl(III)イオンの各々に対する吸着実験を行った。また、pHを図2に示すように適宜変化させた。この混合液において、In(III)イオンの初期濃度は0.50mol/m3であり、細胞濃度はいずれも4.0×1015cells/mとした。なお、本実施例においては、全ての操作を好気的環境下(室温、大気圧下)で行った。
 細胞懸濁液を混合した後(吸着実験を開始した後)、60分が経過した時点で上記混合液を採取した。実施例1の結果から、この時点での吸着率は平衡値に達していると考えられるためである。その後は実施例1と同様に、混合液中の各金属イオン濃度を測定し、混合液中の細胞濃度を求めた。さらに、本実施例では、この混合液中の各金属イオン濃度の初期濃度(pH調整した直後の混合液中の各金属イオン濃度)に対する減少率を算出し、その減少率を各金属イオンの吸着率とした。図2に、本実施例の実験結果として、In(III)イオン、Sn(IV)イオンおよびAl(III)イオンの各々に対する吸着率と、混合液のpHとの関係を示す。
 図2に示されるように、S.algae細胞によるIn(III)イオンの吸着は、溶液pH2.2以上で起こり、pHの増加に伴ってIn(III)吸着率が著しく増加し、溶液pH3.5ではIn(III)吸着率がほぼ100%に達することがわかる。このように、溶液pHは、In(III)イオンのバイオ吸着挙動を制御するうえで、重要な操作因子である。
 また、各金属イオンの吸着挙動を比較すると、Sn(IV)、In(III)、Al(III)の順で、より低いpH領域でも吸着が顕著に起こることがわかる。図2に示すように、S.algae細胞が吸着剤として作用する好ましいpH値は、価数が最大のSn(IV)イオンに対してはpH1.0以上、In(III)イオンではpH2.2以上(より好ましくはpH2.5以上)、Al(III)イオンではpH2.9以上である。したがって、金属イオン混合溶液において、S.algae細胞によるIn(III)イオンの選択的吸着を達成するためには、溶液pHの選定が鍵になると考えられる。
 [実施例3]
 本実施例では、インジウムのバイオ吸着に及ぼす細胞濃度の影響を調べる実験を行なった。すなわち、InCl3水溶液について、S.algae細胞(ATCC 51181株)を用いた吸着実験を行い、InCl3水溶液に細胞懸濁液を混合した後の混合液中の細胞濃度を2.0×1015~10.0×1015cells/m3の範囲で変化させることにより、In(III)イオンの吸着率(平衡値)と混合液中の細胞濃度との関係を調べた。
 具体的には、InCl3水溶液に対して、3種類の濃度のS.algae細胞懸濁液を混合し、回分法で、In(III)イオンに対する吸着実験を行った。この混合液において、S.algae細胞濃度は、それぞれ2.0×1015、4.0×1015、10.0×1015cells/m3であり、In(III)イオンの初期濃度はいずれも0.50mol/m3、pHは3.0であった。なお、本実施例においては、全ての操作を好気的環境下(室温、大気圧下)で行った。
 InCl3水溶液に細胞懸濁液を混合した後(吸着実験を開始した後)、60分が経過した時点で上記混合液を採取した。その後は実施例1と同様に、混合液中のIn(III)イオン濃度を測定し、混合液中の細胞濃度を求めた。さらに、実施例2と同様に、混合液中のIn(III)イオン濃度の初期濃度(pH調整した直後の混合液中のIn(III)イオン濃度)に対する減少量を算出し、このIn(III)イオン濃度の減少量から細菌細胞によるIn(III)イオンの吸着量を求めた。図3に、本実施例の実験結果として、In(III)イオンの吸着量と混合液中の細胞濃度との関係を示す。
 図3に白丸で示されるように、細胞濃度が増加するに伴い、液相からS.algae細胞に吸着分離されたIn(III)の総量(図3の左側の数値参照)が増加している。この結果は、本実施例の細胞濃度の範囲(2.0×1015~10.0×1015cells/m3)においては、細胞濃度(溶液に接種する細胞数)を高くするほど、In(III)吸着総量が増加することを示している。すなわち、本実施例の細胞濃度の範囲においては、高い濃度の細胞懸濁液を使用することにより、インジウムの回収効率が高められることが分かる。
 なお、細胞濃度が2.0×1015~10.0×1015cells/m3である範囲において、乾燥細胞の単位重量あたりに換算したIn(III)吸着量を算出したところ、図3に黒四角で示すように、細胞濃度によらず略一定の値(41±2mg/g-dry cells)となった(右側の数値参照)。このことからも、本実施例の細胞濃度の範囲(2.0×1015~10.0×1015cells/m3)においては、細胞あたりのIn(III)吸着量は減少しておらず、細胞濃度に比例してIn(III)吸着総量が増加することが分かる。
 なお、乾燥細胞重量は、細胞数と乾燥細胞重量との量論関係が、50°C、12hの乾燥を行った細胞について、8.58×1012cells/g-dry cellsであること(K. Tamaoki, N. Saito, T. Ogi, T. Nomura and Y. Konishi: Kagaku Kogaku Ronbunshu 36(2010) 288-292)に基づいて算出した。すなわち、各細胞濃度に上記混合液の体積(15cm3)をかけることにより全体の細胞数を算出し、この細胞数から乾燥細胞重量を算出した。そして、吸着分離されたIn(III)の総量を乾燥細胞重量で割ることにより、上記単位重量あたりのIn(III)吸着量を求めた。
 (吸着分離された細胞内インジウムの濃縮)
 上述のIn(III)吸着量(41±2mg/g-dry cells)から、乾燥細胞のIn濃度は3.9wt%(39000ppm)になる。吸着実験における出発溶液の初期In(III)濃度が0.5mol/m3(57ppm)であったことから、S.algae細胞によるIn(III)イオンの吸着操作と湿潤細胞の乾燥操作(50℃、12h)によって、In(III)濃度が約680倍(39000/57≒684)に増加した濃縮物が回収できることが明らかになった。In含有細胞自体を減量することができれば、In濃縮率をさらに増大させることができる。
 本実施例とは別に、細菌細胞を大幅に減量するために、In含有細胞をルツボに入れ、これを800°Cの高温炉内で熱処理した。細菌細胞の大部分が燃焼した結果、In含有率62wt%(620000ppm)の化合物が生成することがわかった。この場合、出発溶液(初期In(III)濃度が0.9mol/m3(103.3ppm)に対するIn濃縮率が約6000倍(620000/103.3=6002)にも達した。
 [実施例4]
 上述の単一金属塩水溶液における実験結果を踏まえて、二成分金属塩水溶液を対象に、S.algae細胞(ATCC 51181株)による吸着実験を行い、各金属の吸着挙動を調べる実験を行なった。
 本実施例では、後述するLCD浸出液の金属濃度を考慮し、二成分金属塩水溶液として、In(III)-Al(III)溶液(0.08mol/m3(9.2ppm)のIn(III)イオンおよび0.90mol/m3(24ppm)のAl(III)イオンを含有する水溶液)を使用した。
 上記二成分金属塩水溶液に対して、上記S.algae細胞懸濁液を混合し、回分法で、In(III)イオンおよびAl(III)イオンに対する吸着実験を行った。混合液のpHを2.7、2.8、3.3に調整した。なお、本実施例においても、全ての操作を好気的環境下(室温、大気圧下)で行った。
 二成分金属塩水溶液に細胞懸濁液を混合した後(吸着実験を開始した後)、3分、30分、60分、120分が経過した時点で上記混合液を採取した。その後は実施例1と同様に、混合液中の各金属イオンの濃度を測定した。吸着実験において混合液中の細胞濃度はいずれも4.0×1015cells/m3であった。図4に、本実施例の実験結果として、In(III)イオンおよびAl(III)イオンの各々の濃度の経時変化を示す。
 図4に示されるように、S.algae細胞による吸着により、時間の経過に伴い液相In(III)イオンの濃度は急激に減少し、30分以内の回分操作でバイオ吸着は平衡状態に達した。混合液のpHが2.7の場合には、S.algae細胞によるIn(III)の平衡吸着率は56%であるが、Al(III)イオンは細菌細胞に吸着されないことがわかる。溶液pH2.8の場合には、In(III)平衡吸着率は69%にまで増加するが、Al(III)イオンも少量が吸着されてAl(III)平衡吸着率が4%となる。さらに、溶液pH3.3では、In平衡吸着率は93%に、Al(III)平衡吸着率は20%に増加する。この二成分系における金属吸着率のpH依存性は、単一金属イオン系での結果(図2)と一致している。したがって、実施例2の結果から、S.algae細胞がIn(III)イオンの吸着剤として作用するpH値はpH2.2以上であると考えられることから、In(III)-Al(III)溶液において、S.algae細胞を用いてIn(III)イオンだけを選択的に吸着分離できる好ましいpH領域は、pH2.2~3.0であり、より好ましいpH領域はpH2.5~2.7であると考えられる。
 なお、In(III)イオンの吸着率を高めるために、最適pH2.6の条件下で、In(III)-Al(III)溶液に接種するS.algae細胞量を増加させる実験も行った。混合液中の細胞濃度を4.0×1015から1.0×1016cells/m3に増加させた結果、In(III)平衡吸着率は54%から80%に増加した。この場合、Al(III)イオンはバイオ吸着されないことが確認できた。したがって、80%の高い吸着率でIn(III)イオンを選択的に分離できる操作条件が明確になった。
 [実施例5]
 本実施例では、実際の使用済みLCDから得たLCD浸出液を対象に、S.algae細胞によるIn(III)の吸着実験を行った。
 (浸出工程)
 まず、(株)バファロー製ディスプレイ(FTD-G732AS)を手解体して液晶パネルを取り出し、その両面の偏光フィルターを取り除いた後、これをハンマーで粉砕した。この粉砕物をイオン交換水で洗浄した後、自動乳鉢を用いて粒子径1mm程度まで粉砕し、これを使用済みLCD試料とした。
 上記LCD試料の一部について、あらかじめインジウム含有量を化学浸出法を用いて測定しておいた。具体的には、非特許文献2に記載の方法と同様に、LCD試料を3Mの塩酸水溶液中に添加し、該塩酸溶液(浸出液)中のインジウム濃度をマルチタイプICP発光分光分析装置(ICPE-9000、島津製作所製)を用いて測定した。測定の結果、LCD試料中のインジウム含有量は、0.31mg/gであった。また、LCD試料の浸出液中には、ITOとしてインジウムと酸化物を形成するスズ、また遷移金属としてアルミニウムが存在することも確認された。
 次に、希薄塩酸水溶液を用いた水熱浸出法により、上記LCD試料からインジウムを浸出させた。すなわち、浸出剤である100mol/m3(0.1M)の塩酸水溶液に、0.1g/cm3-塩酸水溶液のLCD試料を添加し、表1に示す100℃(0.101MPa)~160℃(0.618MPa)の条件下において水熱処理した。このとき、各水熱条件での処理について、処理時間を5~60分の間で変化させた。水熱処理後の塩酸水溶液中の各金属(In、Al、Sn、Sr)濃度を、マルチタイプICP発光分光分析装置(ICPE-9000、島津製作所)を用いて測定した。
 その結果、全ての水熱条件下において、5分間の回分操作(水熱処理)でIn(III)の浸出が完了することが明らかになった。表1に、5分間の回分操作におけるLCD試料からの各金属の塩酸水溶液中への浸出量と、水熱条件(温度、圧力)との関係を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示されるように、120℃(0.198MPa)~160℃(0.618MPa)の水熱条件下で、インジウム浸出量は0.31mg/g-LCD前後のほぼ一定の値を示している。この測定値は、化学浸出法を用いてあらかじめ測定しておいたLCDインジウム含有量(3000mol/m3の塩酸水溶液を用いた測定値)に一致する。一方、AlおよびSrの浸出量は、温度・圧力の上昇とともに増加することから、Inを選択的に浸出させるための最適な水熱浸出条件は、120℃(0.198MPa)を含む所定範囲の条件であることがわかる。
 なお、本実験の条件下では、浸出液からSnは検出されず、浸出液中にSnは存在しないと見なすことができる。これは、浸出実験後の浸出液のpHが1.7~2.0の範囲にあったことから、LCD試料から液相に浸出されたSn(IV)が水酸化物として再沈殿したことによるものと推測される。
 また、表1には示していないが、120℃/0.198MPaの水熱条件において、Caの浸出量は0.677mg/g-LCD、Mgの浸出量は0.262mg/g-LCD、Siの浸出量は0.192mg/g-LCDであった。このように、塩酸水溶液中にはCa、Mg、Siも浸出していた。これらの成分は後述の分離工程後もS.algae細胞には吸着されないことが分かっている。
 (分離工程)
 上記120℃(0.198MPa)の水熱浸出条件での浸出工程後、塩酸水溶液(LCD浸出液)にNaOH水溶液を添加し、pHを2.6に調整した。なお、このpH値は、実施例2および実施例4の結果から、In(III)の選択的吸着が達成できるpH領域がpH2.5~2.7であると考えられることに基づいて設定した。
 このLCD浸出液に、上記S.algae細胞懸濁液を混合し、回分法でIn(III)イオンの吸着実験を行った。細胞懸濁液を混合した後の混合液において、pHは2.6、細胞濃度は6.7×1015cells/m3であった。なお、本実施例においても、全ての操作を好気的環境下(室温、大気圧下)で行った。
 吸着実験を開始した後(細胞懸濁液を混合した後)、所定の時間(3分、30分、60分、120分)が経過した時点で上記混合液を採取した。実施例1と同様にして、採取した混合液中の各金属(In、Al、Sn、Sr)イオンの濃度を測定した。また、各金属イオンの吸着率(混合液中の各金属イオン濃度の初期濃度に対する減少率)を求めた。表2に、LCD浸出液の各金属イオンの初期濃度と、3分経過時点での各金属イオンの吸着率を示す。なお、30分、60分、120分経過時点で採取した混合液についての測定結果は、3分経過時点での結果とほぼ同様であったため、表2には記載していない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2に示すように、Al(III)イオンおよびSr(II)イオンの吸着率を4.8%以下に抑制しつつ、70%の高い吸着率でIn(III)イオンをS.algae細胞に吸着分離することができた。この場合、S.algae細胞に吸着分離されたIn(III)量は、液相In(III)濃度の減少により、4.1mg/g-dry cellsとなり、上述の細胞数と乾燥細胞重量との量論関係から乾燥細胞に対するIn濃度は0.41wt%(4100ppm)になる。LCD浸出液のIn(III)イオンの初期濃度が4.6ppmであることから、In濃縮率は約890倍(4100/4.6≒891)になる。
 以上のように、希薄塩酸によるLCD試料の水熱浸出液を対象に、溶液pH2.6および細胞濃度6.7×1015cells/m3の条件下で、In(III)イオンを高い選択率でS.algae細胞に吸着させ、In(III)を分離できることが実証された。さらに、細胞濃度を増加させるなど操作条件を改善することにより、In(III)吸着率を70%以上に、In濃縮率を890倍以上に高めることも可能であると考えられる。
 (実施例6)
 実施例5では塩酸水溶液の濃度を0.1Mとしたが、本実施例では、水熱浸出法を用いてLCD試料中の金属を浸出させた場合における金属浸出量と、塩酸濃度との関係を調べる実験を行なった。
 すなわち、実施例5の上記浸出工程において、水熱条件を120°C/0.198MPaとして、5分間の水熱処理を行う場合において、塩酸水溶液の濃度を0.01M(10mol/m3)、0.1M(100mol/m3)、1M(1000mol/m3)に変化させたときのLCD試料からの各金属浸出量を測定した。表3に、LCD試料からの各金属浸出量と塩酸濃度との関係を表3に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 表3に示されるように、水熱浸出法を用いてLCD試料中の金属を浸出させた場合、使用する塩酸水溶液中の塩酸濃度を1Mから0.1Mに低下させても、In(III)の浸出量はほぼ変化せず、AlおよびSrの浸出量だけが半分程度にまで減少することがわかる。しかし、さらに使用する塩酸水溶液中の塩酸濃度を0.1Mから0.01Mに低下させると、AlおよびSrの浸出量だけでなくIn(III)の浸出量も低下してしまうことがわかる。これらの結果から、インジウム含有製品からインジウムを浸出させるために用いる塩酸水溶液の塩酸濃度は、0.05~0.5Mとすることが好ましく、0.1M前後とすることがより好ましいと考えられる。
 (実施例7)
 本実施例では、LCDから浸出工程を経て得たLCD浸出液からのインジウムの選択的吸着に及ぼすpHの影響を調べるための試験を行った。
 すなわち、浸出工程後のLCD浸出液のpHを変化させ、吸着実験を開始した後120分が経過した時点で混合液を採取した以外は、実施例5と同様にして、細菌細胞によるインジウム、アルミニウムおよびストロンチウムについての細菌細胞による吸着率を求めた。ここで、pHを変化させた各LCD浸出液に細胞懸濁液を添加した直後における混合液のpHは、2.58、2.63、2.64、2.72、2.85であった。なお、細胞懸濁液の添加直後の混合液中のインジウム濃度は6.9ppm、アルミニウム濃度は18.4ppm、ストロンチウム濃度は12.3ppm、スズ濃度は0.0ppmであった。得られた各種金属の吸着率を図5に示す。
 図5に示す結果から、混合液のpHが2.58~2.85の範囲において、アルミニウム(III)イオンおよびストロンチウム(II)イオンに比べて、インジウム(III)イオンの吸着が優先的に起こることがわかる。特に、混合液のpHが2.63の場合には、アルミニウム(III)イオンやストロンチウム(II)イオンの吸着を完全に抑制して、インジウム(III)のみを選択的に56%吸着できることがわかった。なお、混合液のpHが2.72以上の場合は、アルミニウム(III)イオンの吸着が若干起こる。このため、混合液のpHが2.2~3.0の範囲内にある場合、LCD浸出液からインジウム(III)をより選択的に分離・回収できると考えられる。
 (実施例8)
 本実施例では、LCDから浸出工程を経て得たLCD浸出液からのインジウムの選択的吸着に及ぼす細胞濃度の影響を調べるための試験を行った。
 すなわち、LCD浸出液に細胞懸濁液を添加した直後の混合液中の細胞濃度を0.5×1016~2.4×1016cells/m3の範囲で変化させ、吸着実験を開始した後120分が経過した時点で混合液を採取した以外は、実施例5と同様にして、細菌細胞によるインジウム、アルミニウムおよびストロンチウムについての細菌細胞による吸着率を求めた。なお、細胞懸濁液の添加直後の混合液中のインジウム濃度は40.2ppm、アルミニウム濃度は107ppm、ストロンチウム濃度は71.6ppm、スズ濃度は0.0ppmであった。得られた各種金属の吸着率を図6に示す。
 図6に示される結果から、LCD浸出液に細胞懸濁液を添加した直後の混合液中の細胞濃度を0.5×1016から2.4×1016cells/m3に増加させることに伴い、インジウム吸着率が14%から54%まで増加することがわかる。
 今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (8)

  1.  インジウム含有製品からインジウムを回収する方法であって、
     前記インジウム含有製品から、浸出剤としての塩酸水溶液を用いた水熱浸出法により、インジウムを前記塩酸水溶液中に浸出させ、インジウムを含有する塩酸水溶液からなる浸出液を得る浸出工程と、
     前記浸出液にInイオン吸着用細菌を添加することにより、前記浸出液からインジウムを分離する分離工程と
     を含むことを特徴とする、インジウムの回収方法。
  2.  前記塩酸水溶液の濃度は0.05~0.5Mである、請求項1に記載のインジウムの回収方法。
  3.  前記浸出工程において、前記塩酸水溶液の温度が110~130℃に維持される、請求項1または2に記載のインジウムの回収方法。
  4.  前記浸出工程の圧力条件は0.143~0.270MPaである、請求項1~3のいずれかに記載のインジウムの回収方法。
  5.  前記浸出工程における処理時間は3~60分である、請求項1~4のいずれかに記載のインジウムの回収方法。
  6.  前記分離工程において、前記Inイオン吸着用細菌を添加する前または添加した後の前記浸出液のpHが2.2~3.0である、請求項1~5のいずれかに記載のインジウムの回収方法。
  7.  前記Inイオン吸着用細菌は、Shewanella algae、または、Shewanella oneidensisである、請求項1~6のいずれかに記載のインジウムの回収方法。
  8.  前記分離工程の後に、前記Inイオン吸着用細菌を乾燥処理するか、または、焼成することにより、インジウムを回収する、請求項1~7のいずれかに記載のインジウムの回収方法。
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