JP2009102679A - インジウムの回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】その内部に微量のインジウムを含有する固体からインジウムを高純度で回収する方法を提供する。
【解決手段】インジウム含有固体の粉砕物から、塩酸を用いてインジウムを始めとする金属分を溶出させる。この金属分含有溶液から、4級アンモニウム化合物の含浸樹脂を充填したカラムと酸化トリアルキルホスフィンの含浸樹脂を充填したカラムとを直列に連結した装置を用いることにより、インジウムを高純度、高濃度で回収する。
【選択図】図1
【解決手段】インジウム含有固体の粉砕物から、塩酸を用いてインジウムを始めとする金属分を溶出させる。この金属分含有溶液から、4級アンモニウム化合物の含浸樹脂を充填したカラムと酸化トリアルキルホスフィンの含浸樹脂を充填したカラムとを直列に連結した装置を用いることにより、インジウムを高純度、高濃度で回収する。
【選択図】図1
Description
本発明は、使用済みフラットパネルディスプレイ等、その内部に微量のインジウムを含有する固体中からインジウムを選択的に吸着することにより、インジウムを高純度に分離・回収・精製する技術に関するものである。
インジウムは錫と共にインジウム錫酸化物(ITO)透明電極として液晶パネル等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の原料として広く使用されている。近年の液晶テレビ等の急速な普及により、ITO用のインジウムの需要も急激に伸びており、2003年から2005年の間の僅か2年間でインジウムの価格は10倍にも高騰している。
ITO透明電極製造時における使用済みのスパッタリングターゲット、ならびにスパッタリング時における装置の壁等への付着物、使用済みエッチング液からのインジウムの回収、再利用はほぼ確立されている。しかし、非特許文献1にも述べられているように、液晶パネル等の製品中からのインジウムの回収、リサイクルは未だ手付かずの状態にある。
インジウムは亜鉛や鉛の鉱石中に微量の不純物として含まれており、これらの鉱石の製錬残渣中から回収されている。既存の製錬残渣からの回収においては硫酸や塩酸を用いて金属分を抽出した後、金属置換によりインジウムを精製スポンジとして回収し、これをさらに電解精製して99.99%のインジウムが回収されている。また使用済みのスパッタリングターゲット等のITOスクラップからの回収も類似の方法により行われている。これらの回収プロセスについては非特許文献2に要約されている。
しかしながら、使用済みフラットパネルディスプレイに含まれるインジウムの含有量は亜鉛の製錬残渣等に含まれるものと比較すると僅かであり、これらの技術は経済性の点からも適用することはできない。したがってこれらとは全く異なる技術の開発が求められる。
千崎博久「電子・機能性材料の開発とそれらに用いられる金属資源の確保」、資源・素材学会平成19年度春季大会講演集、企画―117(2007) 小野浩之、高柳和弘、天間毅「工業系廃棄物リサイクルモデルに関する研究(II)―FPD(フラットパネルディスプレイ)リサイクル技術に関する研究―」、平成15年度版青森県工業総合研究センター事業報告書、275-278 (2003)
千崎博久「電子・機能性材料の開発とそれらに用いられる金属資源の確保」、資源・素材学会平成19年度春季大会講演集、企画―117(2007) 小野浩之、高柳和弘、天間毅「工業系廃棄物リサイクルモデルに関する研究(II)―FPD(フラットパネルディスプレイ)リサイクル技術に関する研究―」、平成15年度版青森県工業総合研究センター事業報告書、275-278 (2003)
インジウムは亜鉛鉱石中に微量不純物として含まれており、その産出は中国等の特定地域に偏在している。需要の拡大と供給体制の不安定性から、インジウムはタングステンやディスプロシウムと共に安定供給の確保が強く望まれている金属である。インジウムを亜鉛等の他の豊富に存在する金属に代替した材料の研究・開発も活発に行われているが、実用化までには未だ長期間を要すると予想されている。したがって当面はインジウムの徹底した回収、リサイクルが強く求められている。
本発明は、このような社会の要望に対応すべく、使用済みフラットパネルディスプレイ等インジウムを使用した製品の廃棄物から、インジウムを高純度のインジウムとして効率的に回収する方法を提供することをその課題とする。
本発明者等は、以前の研究において酸化トリオクチルホスフィン等の酸化トリアルキルホスフィンによる酸性水溶液からのインジウムの溶媒抽出に関する研究を行い、その抽出機構に関する基礎的知見を得た。その研究成果は後記する非特許文献3に述べられている。
本発明者等は、この研究成果を基に前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、上記の溶媒抽出試薬を含浸させた多孔性樹脂を用いることにより、塩酸または塩化物を含む硫酸中に希薄濃度で存在するインジウムが効率的に分離、回収できることを見出した。
また、インジウムと共に上記の酸水溶液中に共存する亜鉛、錫、鉄等のインジウムの抽出を妨害する金属を4級アンモニウム化合物の抽出試薬を含浸させた多孔性樹脂を用いることにより、インジウムの抽出に先立って選択的に抽出することにより、インジウムの回収はより一層効率的に行われることを見出した。これらの研究の成果に基づき、本発明を完成するに至った。
K.Inoue, K.Yoshizuka, S.Yamaguchi, "Solvent extraction of indium with trialkylphosphine oxide from sulfuric acid solutions containing chloride ion", Journal of Chemical Engineering of Japan, 27(6), 737-741 (1994)
K.Inoue, K.Yoshizuka, S.Yamaguchi, "Solvent extraction of indium with trialkylphosphine oxide from sulfuric acid solutions containing chloride ion", Journal of Chemical Engineering of Japan, 27(6), 737-741 (1994)
本発明により提供される技術を用いれば、使用済みフラットパネルディスプレイ等のインジウムを比較的低濃度で含有する固体中からインジウムを高純度のインジウムとして回収することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、使用済みフラットパネルディスプレイからのインジウム回収を例として、図面を参照しながら詳しく説明する。
フラットパネルディスプレイの透明電極膜はガラス基板上に設けられた透明の電極であり、インジウムの回収のためにはこれを破砕してガラスカレットとし、この中からの酸抽出を行うことにより、インジウムを始めとする金属分が抽出される。
金属分を抽出した水溶液(原料水溶液)中からインジウムを選択的に回収するためには、図1に示す充填カラムの装置を用いる。
フラットパネルディスプレイの透明電極膜はガラス基板上に設けられた透明の電極であり、インジウムの回収のためにはこれを破砕してガラスカレットとし、この中からの酸抽出を行うことにより、インジウムを始めとする金属分が抽出される。
金属分を抽出した水溶液(原料水溶液)中からインジウムを選択的に回収するためには、図1に示す充填カラムの装置を用いる。
図2は、使用済み液晶パネルをハンマーで粉砕して得られたガラスカレット1gと4種類の酸水溶液10mLとを振り混ぜた場合の振り混ぜ時間(横軸)とその時の酸水溶液中のインジウムの濃度(縦軸)との関係をプロットしたものである。この図よりインジウムの抽出は王水を用いることにより最も効率的に行われることがわかるが、3M(=mol/L)の塩酸を用いても同様の抽出効率が得られることが分かる。これに対して同じく3Mの硫酸や硝酸を用いた場合には効率的な抽出は行われない。
図3は、上記のようにして得られたガラスカレット2gと3Mの濃度の塩酸5mLとを24時間振り混ぜた後の塩酸中に抽出された様々な金属の濃度を示したものである。インジウムの他に、少量のアルミニウム、バリウム、鉄、亜鉛、クロム、カルシウム、珪素、錫ならびにマグネシウムが存在していることが分かる。
このように多種の金属が共存する塩酸中からインジウムを選択的に回収するための抽出試薬のスクリーニングテストを以下のように行った。すなわち80mMの濃度の様々な抽出試薬のトルエン溶液10mLと4mMの濃度のインジウムを含む0.1〜6Mの濃度の塩酸10mLとを30℃で3時間振り混ぜた後、塩酸中に残ったインジウムの濃度を測定することによりインジウムの抽出百分率と塩酸の濃度との関係を調べた。その結果を図4に示す。図4において縦軸はインジウムの抽出百分率であり、最初塩酸中に存在していたインジウムが油相中に抽出された百分率を示す。また横軸はmol/Lの単位で表示した塩酸濃度の対数値を示す。
図5にここで使用された抽出試薬の化学構造を示す。
図4の結果より、Cyanex923(商品名:酸化トリアルキルホスフィン)やTOPO(酸化トリオクチルホスフィン)では塩酸の高濃度領域ではインジウムがほぼ100%近く抽出されるのに対して、TBP(燐酸トリブチル)ではこれらと化学構造が類似しているにもかかわらず全ての塩酸濃度において全く抽出されていない。
図5にここで使用された抽出試薬の化学構造を示す。
図4の結果より、Cyanex923(商品名:酸化トリアルキルホスフィン)やTOPO(酸化トリオクチルホスフィン)では塩酸の高濃度領域ではインジウムがほぼ100%近く抽出されるのに対して、TBP(燐酸トリブチル)ではこれらと化学構造が類似しているにもかかわらず全ての塩酸濃度において全く抽出されていない。
図6に、80mMの濃度のCyanex923のトルエン溶液を用いて図4の場合と同様の条件下で塩酸の他、様々な濃度の硫酸及び0.2Mの濃度の塩化ナトリウムを添加した様々な濃度の硫酸からインジウムの抽出を行った場合のインジウムの抽出百分率(縦軸)と酸濃度の対数値(横軸)との関係を示す。図6に示す結果から硫酸からはインジウムは全く抽出されないことが分かる。したがって、インジウムの抽出後の剥離液としては硫酸が適していることが分かる。しかし硫酸に塩化アンモニウム等の塩化物を添加すると塩酸の場合と同等の抽出が見られることが分かる。
上記のように使用済みパネルのガラスカレットの粉砕物中のインジウムは塩酸を用いて水溶液中に固−液抽出され、さらにCyanex923またはTOPOのトルエン溶液に液―液抽出することにより分離・回収できる。また抽出溶媒中からは硫酸を用いて高濃度に剥離可能である。
しかしながら水溶液中に希薄濃度で存在する金属の分離・回収は通常の液―液抽出では非効率である。希薄濃度で存在する金属の回収は抽出剤を多孔性の樹脂に含浸させた吸着剤(以後含浸樹脂と呼ぶ)をカラムに充填し、その中に処理液を通液させることによる固−液接触により分離・回収する方が効率的である。
しかしながら水溶液中に希薄濃度で存在する金属の分離・回収は通常の液―液抽出では非効率である。希薄濃度で存在する金属の回収は抽出剤を多孔性の樹脂に含浸させた吸着剤(以後含浸樹脂と呼ぶ)をカラムに充填し、その中に処理液を通液させることによる固−液接触により分離・回収する方が効率的である。
そこで以下に述べる方法により調製した含浸樹脂を用いてインジウムの分離・回収試験を行った。すなわちアクリル酸エステルの共重合体の多孔性樹脂であるXAD-7樹脂(ローム・アンド・ハース社製)2gと2gのCyanex923を含むアセトン20mLとを12時間振り混ぜた後、減圧留去によりアセトンを除去してCyanex923の含浸樹脂を得た。
図7はこのようにして調製したCyanex923の含浸樹脂により、30℃で3Mの濃度の塩酸中からインジウムの吸着を行った場合のインジウムの吸着等温線、すなわち含浸樹脂1kgあたりのインジウムの吸着量(吸着モル数)と吸着後に液中に残ったインジウムの濃度との関係である。インジウムの吸着はその濃度が小さい領域では濃度と共に吸着量も増加するが、濃度が大きい領域では濃度によらず一定値になるというLangmuir型の吸着となっている。この一定値より本含浸樹脂へのインジウムの飽和吸着量は0.47 mol/kgと求められた。
図7はこのようにして調製したCyanex923の含浸樹脂により、30℃で3Mの濃度の塩酸中からインジウムの吸着を行った場合のインジウムの吸着等温線、すなわち含浸樹脂1kgあたりのインジウムの吸着量(吸着モル数)と吸着後に液中に残ったインジウムの濃度との関係である。インジウムの吸着はその濃度が小さい領域では濃度と共に吸着量も増加するが、濃度が大きい領域では濃度によらず一定値になるというLangmuir型の吸着となっている。この一定値より本含浸樹脂へのインジウムの飽和吸着量は0.47 mol/kgと求められた。
図8に、上記のようにして調製したCyanex923の含浸樹脂30mgと0.2mMの濃度の錫(IV)または亜鉛(II)または鉄(III)またはアルミニウム(III)またはインジウム(III)イオンを含む様々な濃度の塩酸とを、30℃で3時間振り混ぜた場合のそれらの金属の吸着百分率(縦軸)と塩酸濃度の対数値(横軸)との関係を示す。アルミニウムは全く吸着されていないが、錫、亜鉛、鉄はインジウムより選択的に吸着されている。このことよりCyanex923の含浸樹脂を用いてインジウムの回収を行う場合には、これら3種の金属をインジウムの吸着・回収に先立って除去しておくべきであることが分かる。
図9に、同様な方法で調製したAliquat336(商品名:4級アンモニウム化合物)の含浸樹脂30mgと0.2mMの濃度の錫(IV)または亜鉛(II)または鉄(III)またはアルミニウム(III)またはインジウム(III)イオンを含む様々な濃度の塩酸とを30℃で3時間振り混ぜた場合の、それらの金属の吸着百分率(縦軸)と塩酸濃度の対数値(横軸)との関係を示す。
図8に示したCyanex923の含浸樹脂と比較するとこの樹脂ではインジウムの吸着は非常に僅かである。これに対して錫(IV),亜鉛(II),鉄(III)の吸着はCyanex923の含浸樹脂の場合と同じかそれ以上である。またアルミニウムはこの樹脂にも全く吸着しない。
したがって、Aliquat336の含浸樹脂を用いることにより、インジウムの回収に先立ってこれらの共存金属を吸着・除去することが可能となる。
図8に示したCyanex923の含浸樹脂と比較するとこの樹脂ではインジウムの吸着は非常に僅かである。これに対して錫(IV),亜鉛(II),鉄(III)の吸着はCyanex923の含浸樹脂の場合と同じかそれ以上である。またアルミニウムはこの樹脂にも全く吸着しない。
したがって、Aliquat336の含浸樹脂を用いることにより、インジウムの回収に先立ってこれらの共存金属を吸着・除去することが可能となる。
以下に実施例により本発明の実施の形態を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
実施例では、フラットパネルディスプレイを粉砕したガラスカレットから3Mの濃度の塩酸を用いて金属を抽出した水溶液を原料水溶液として、それからインジウムを選択的に回収するための装置としては図1に示す装置を用いた。
実施例では、フラットパネルディスプレイを粉砕したガラスカレットから3Mの濃度の塩酸を用いて金属を抽出した水溶液を原料水溶液として、それからインジウムを選択的に回収するための装置としては図1に示す装置を用いた。
原料水溶液中には図3に示した各金属イオンが図3に示した濃度で含まれている。この原料水溶液はポンプにより5mL/hの流量で0.72cm3のAliquat336の含浸樹脂を充填したカラム(カラムI)に送られる。ここでは一部のインジウムは吸着されるが大部分はそのまま吸着されることなくカラムを通過する。鉄、錫、及び亜鉛は全てこのカラムに吸着される。またマグネシウム、珪素、バリウム、カルシウム、クロム、アルミニウムは全く吸着されずにそのまま通過する。したがって、このカラムIの出口ではインジウム、マグネシウム、珪素、バリウム、カルシウム、クロム、およびアルミニウムのみを含む水溶液がえられる。
この水溶液はさらにポンプにより1.4cm3のCyanex923の含浸樹脂を充填したカラム(カラムII)に送られる。ここではインジウムのみが吸着され、マグネシウム、珪素、バリウム、カルシウム、クロム、およびアルミニウムはそのまま吸着されることなく流出する。このカラムに吸着されたインジウムは硫酸水溶液を通液することにより高濃度で溶離される。
次に、Aliquat336の含浸樹脂を充填したカラムIを用いて不純物金属の除去を行った。
図10にカラムIからの流出液中に含まれる各金属の濃度(縦軸)とベッド体積(B.V.、横軸)との関係を示す。ここでベッド体積はある時間までのカラムより流出した液の体積を充填した吸着剤の体積で割った値で、通液を開始してからの時間に相当する。
鉄、亜鉛、錫の出口濃度は100BVまでは0であり、少なくともこの時間まではこれらの金属は全てカラムに吸着していることが分かる。これに対してアルミニウム、バリウム、カルシウム、珪素、クロム、マグネシウムは全く吸着されず、通液直後から原料水溶液と同じ濃度で流出している。一方インジウムは通液直後は流出していないが、短時間の内に破過が起こり原料濃度と同じ濃度で流出している。
図10にカラムIからの流出液中に含まれる各金属の濃度(縦軸)とベッド体積(B.V.、横軸)との関係を示す。ここでベッド体積はある時間までのカラムより流出した液の体積を充填した吸着剤の体積で割った値で、通液を開始してからの時間に相当する。
鉄、亜鉛、錫の出口濃度は100BVまでは0であり、少なくともこの時間まではこれらの金属は全てカラムに吸着していることが分かる。これに対してアルミニウム、バリウム、カルシウム、珪素、クロム、マグネシウムは全く吸着されず、通液直後から原料水溶液と同じ濃度で流出している。一方インジウムは通液直後は流出していないが、短時間の内に破過が起こり原料濃度と同じ濃度で流出している。
更に、Cyanex923の含浸樹脂を充填したカラムIIを用いてインジウムの吸着と溶離を行った。
図11にカラムIIからの流出液中に含まれる各金属の濃度(縦軸)とベッド体積(B.V.、横軸)との関係を示す。50B.Vまではインジウムは全てカラムに吸着され、出口から流出していない。これに対してアルミニウム、バリウム、カルシウム、珪素、クロム、マグネシウムは全く吸着されず、通液直後から原料水溶液と同じ濃度で流出している。50B.Vにおいて液の供給を止め、代わりに0.1Mの濃度の硫酸水溶液を通液したところ、インジウムは約550ppmの濃度に濃縮されて溶離された。
図11にカラムIIからの流出液中に含まれる各金属の濃度(縦軸)とベッド体積(B.V.、横軸)との関係を示す。50B.Vまではインジウムは全てカラムに吸着され、出口から流出していない。これに対してアルミニウム、バリウム、カルシウム、珪素、クロム、マグネシウムは全く吸着されず、通液直後から原料水溶液と同じ濃度で流出している。50B.Vにおいて液の供給を止め、代わりに0.1Mの濃度の硫酸水溶液を通液したところ、インジウムは約550ppmの濃度に濃縮されて溶離された。
以上のように、一例を図1に示すようなAliquat336の含浸樹脂を充填したカラムとCyanex923の含浸樹脂を充填したカラムとを直列に連結した装置を用いることにより、フラットパネルディスプレイを粉砕したガラスカレットから塩酸を用いて金属を抽出した水溶液中から、インジウムを高純度、高濃度で回収することができる。
Claims (2)
- その内部に微量のインジウムを含有する固体中のインジウムを塩酸を用いて浸出し、しかる後に内部に酸化トリアルキルホスフィンを含浸させた多孔性樹脂を吸着剤として使用して希薄濃度で存在するインジウムを吸着・回収することを特徴とするインジウムの回収方法。
- インジウムの吸着・回収に先立って4級アンモニウム化合物を含浸させた多孔性樹脂を吸着剤として使用して、請求項2の酸水溶液中に不純物として共存する亜鉛、錫、鉄等の金属を予め吸着・除去することを特徴とするインジウムの回収方法。
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