WO2012131846A1

WO2012131846A1 - 栓抜き

Info

Publication number: WO2012131846A1
Application number: PCT/JP2011/057377
Authority: WO
Inventors: 伸二斎藤
Original assignee: 東洋ガラス株式会社
Priority date: 2011-03-25
Filing date: 2011-03-25
Publication date: 2012-10-04
Also published as: JPWO2012131846A1; JP4986254B1

Abstract

　筒状の栓抜きで王冠を抜く動作を安定して容易に行えるようにする。　筒状本体を切り欠いて王冠係合部を開口し、王冠係合部の上辺に支点部、下辺に係合爪部を形成した筒状栓抜きにおいて、筒状本体の少なくとも一部に、水平断面がスーパー楕円形状となっているスーパー楕円部を有し、このスーパー楕円部を切り欠いて王冠係合部を形成し、支点部及び係合爪部をスーパー楕円部の最も曲率半径が大きい部分に形成する。支点部及び係合爪部の曲率半径をきわめて大きくできるので、王冠を抜くときに栓抜きがぐらつきにくく、びん口部のガラスを傷つけにくい。

Description

栓抜き

　本発明は、びんの王冠を抜く、筒状の栓抜きに関する。

　栓抜きは、板状体の先端部に王冠を抜くための開口を形成したものが一般的であり、例えば下記特許文献には、王冠を抜くときにびん口部を損傷するおそれのない板状の栓抜きが開示されている。

　また、携帯に便利なものとして、筒状の栓抜きが知られている。図１４～２０に示すのは、従来の一般的な筒状の栓抜き１１である。栓抜き１１は、筒状本体１２の一部を切り欠いて王冠係合部１３を形成したものである。筒状本体１２は円筒状をなし、上端が天板１２ａで閉塞されている。王冠係合部１３の上辺は支点部１４、下辺は係合爪部１５となっている。

　びん６を封緘した王冠７を抜くときは、図１６，１７に示すように、王冠係合部１３を王冠７に係合する。このとき、支点部１４は王冠７の天面に接し、係合爪部１５は王冠外周部の下側に係合する。そして、図１８に示すように、支点部１４を支点とし、栓抜き１１を矢印方向に回動して王冠７を開栓する。

特開２００９－２４１９９９号公報特開２００９－２５５９９１号公報

　このような筒状の栓抜きは、例えば携帯電話のストラップとして、またキーホルダー用として用いることができるように小型に製作されるので、図１８の開栓動作が不安定でやりにくいという問題がある。そして、図１８のように栓抜き１１を回動した後、図１９に示すように係合爪部１５をびん６のリップ部６ａの下まで深く差し込み（いわゆる「２度差し」）、更に支点部１４を支点として栓抜き１１を回動することが行われる。すると、係合爪部１５は、図１９に矢印に示すように移動し、リップ部６ａと衝突し、びん口部が損傷する可能性がある。

　本発明は、筒状の栓抜きで王冠を抜く動作を、安定して容易に行えるようにすることを課題とする。また、王冠を抜く動作が容易になることにより、２度差しを不要としてびん口部が損傷するのを防止することも課題とする。

　従来の筒状の栓抜きによる開栓動作を検討したところ、開栓動作が不安定になる原因は、主に次の二つであることが分かった。第１に、図１６，１７に示すように、王冠係合部１３を王冠７に係合したとき、支点部１４は１点で王冠７の天面に接するので、開栓動作中に栓抜きがぐらつきやすく、安定しない。第２に、図２０に示すように、王冠係合部１３を王冠７に係合したとき係合爪部１５が王冠７に引っ掛かる範囲が狭いので、開栓動作中に係合爪部１５が王冠７から外れやすい。本発明の栓抜きは、このような問題点を解決したものである。

　本発明は、筒状本体を切り欠いて王冠係合部を開口し、該王冠係合部の上辺に支点部、下辺に係合爪部を形成した筒状栓抜きにおいて、前記筒状本体の少なくとも一部に、水平断面がスーパー楕円形状となっているスーパー楕円部を有し、前記王冠係合部が該スーパー楕円部を切り欠いて形成され、前記支点部及び係合爪部がスーパー楕円部の最も曲率半径が大きい部分に形成されていることを特徴とする栓抜きである。

　支点部がスーパー楕円部の最も曲率半径が大きい部分に形成されているので、開栓動作中に栓抜きがぐらつきにくく、安定する。また、係合爪部もスーパー楕円部の最も曲率半径が大きい部分に形成されているので、開栓時に係合爪部がガラスと接触する部分の曲率半径が大きく、ガラスが傷つきにくい。また、王冠係合部を王冠に係合したとき係合爪部が王冠に引っ掛かる範囲が広くなって開栓動作中に係合爪部１５が王冠７から外れにくい。

　図８～１０はスーパー楕円の説明図である。
　スーパー楕円は、
（ｘ／Ａ）^ｎ＋（ｙ／Ｂ）^ｎ＝１
となる曲線で、ｘ軸の径は２Ａ、ｙ軸の径は２Ｂとなり、図８～１０に示すように、ｎ（スーパー楕円指数）が大きくなると長方形に近くなる。ｎ＝２のときが通常の楕円であるので、スーパー楕円はｎ＞２である。
　なお、図８はＡ＝３ｍｍ、Ｂ＝２ｍｍ、図９はＡ＝３０ｍｍ、Ｂ＝２０ｍｍ、図１０はＡ＝１０ｍｍ、Ｂ＝６．６７ｍｍの場合である。
　スーパー楕円の特徴は、曲率半径が、全周において、連続的かつ滑らかに変化することで、デザイン性に優れ、見た目の心地よさや美しさで癒しを有する形状となり、また使いやすさなどの機能面でも優れている。

　また本発明は、筒状本体を切り欠いて王冠係合部を開口し、該王冠係合部の上辺に支点部、下辺に係合爪部を形成した筒状栓抜きにおいて、前記筒状本体の少なくとも一部に、水平断面がスーパー楕円形状となっているスーパー楕円部を有し、前記王冠係合部が該スーパー楕円部を切り欠いて形成され、前記上辺に２個所、下方に突出する支点部を設け、前記係合爪部がスーパー楕円部の最も曲率半径が大きい部分に形成されていることを特徴とする栓抜きである。

　王冠係合部の上辺に２個所の支点部を設けたので、開栓動作中に栓抜きがぐらつきにくく、安定する。係合爪部はスーパー楕円部の最も曲率半径が大きい部分に形成されているので、開栓時に係合爪部がガラスと接触する部分の曲率半径が大きく、ガラスが傷つきにくい。また、王冠係合部を王冠に係合したとき係合爪部が王冠に引っ掛かる範囲が広くなって開栓動作中に係合爪部１５が王冠７から外れにくい。

　本発明の栓抜きは、開栓時に栓抜きがぐらつきにくく、安定して使用することができる。また、係合爪部の曲率半径を非常に大きくすることができるので、王冠係合部を王冠に係合したとき係合爪部が王冠に引っ掛かる範囲が広くなって開栓動作中に係合爪部１５が王冠７から外れにくく、更に開栓時にびん口部のガラスを傷つけにくく、びん口部の損傷を防止できる。

実施例の栓抜き１の要部斜視図である。栓抜き１の要部側面図である。図２におけるＡＡ線断面図である。栓抜き１の使用状態の説明図である。栓抜き１の使用状態の説明図である。栓抜き１の係合爪部と王冠の関係の説明図である。筒状本体２の形状の斜視図である。スーパー楕円の説明図である。ｎが変化したときのスーパー楕円の形状変化の説明図である。ｎが変化したときのスーパー楕円の曲率半径の説明図である。実施例の栓抜き１’の要部斜視図である。栓抜き１’の要部側面図である。栓抜き１’の使用状態の説明図である。従来の栓抜き１１の斜視図である。栓抜き１１の要部正面図である。栓抜き１１の使用状態の説明図である。栓抜き１１の使用状態の説明図である。栓抜き１１の使用状態の説明図である。栓抜き１１の使用状態の説明図である。栓抜き１１の爪部と王冠の関係の説明図である。

　次に、実施例の栓抜き１に関する図１～７に基づいて本発明を詳細に説明する。
　栓抜き１は、筒状本体２の一部を切り欠いて、王冠係合部３を開口したものである。筒状本体２は金属製で、水平断面の外周の形状がスーパー楕円となっているスーパー楕円部２ｂを有し、王冠係合部３はこのスーパー楕円部２ｂを切り欠いて形成されている。また、筒状本体２の上端は天板２ａで閉塞している。

　王冠係合部３の上辺が支点部４、下辺が係合爪部５となっており、これらはスーパー楕円部の最も曲率半径が大きい部分に形成されている。すなわち、図３に示されるように、王冠係合部３は、スーパー楕円の短径軸（図８のｙ軸）を中心にして形成されている。

　図４に示されるように、栓抜き１の王冠係合部３を王冠７に係合したとき、支点部４が王冠７の上面に接触して支点となるが、支点部４はスーパー楕円の最も大きい曲率半径であるため、開栓時の安定性に優れる。スーパー楕円では、円や楕円に比べて、最大曲率半径をきわめて大きくすることができるからである。

　この点を、図１０に基づいて説明する。図１０の下段に示すのは、長半径１０ｍｍで長短径比が１．５：１の楕円（ｎ＝２．０）とスーパー楕円（ｎ＝２．５及びｎ＝３．０）で、上段に示すのは、これら楕円及びスーパー楕円のＸ軸の位置と曲率半径の関係で、いずれもＸ＝０で曲率半径が最大となる。

　ｎ＝２．０の楕円では、Ｘ＝０における最大曲率半径は１５ｍｍであるが、ｎ＝２．５のスーパー楕円では７２５ｍｍ、ｎ＝３．０のスーパー楕円では４７，４５０ｍｍときわめて大きくなる。

　図５，６に示されるように、栓抜き１の王冠係合部３を王冠７に係合し、栓抜き１を回動して開栓するときに、係合爪部５がびん口部のリップ部６ａに接触したとしても、係合爪部５はスーパー楕円の最大曲率となっているので、ガラスが傷つきにくい。例えば、ｎ＝２．５のスーパー楕円の場合、ｎ＝２．０の楕円に比べてガラスに生じる応力は約３０％減少し、ガラスの強度は約２倍（応力の２乗倍：１／(１－０.３)²）となる。

　また、図６に示すように、係合爪部５はスーパー楕円の最大曲率となっているので、栓抜き１の王冠係合部３を王冠７に係合したとき、図２０と比較して、係合爪部５が王冠７に引っ掛かる範囲が広くなり、開栓動作中に係合爪部５が王冠７から外れにくく、開栓が容易となる。

　本発明において、スーパー楕円指数ｎは２．１以上、３．０以下が望ましい。３．０を越えると長方形のイメージが強くなり、デザイン的な面白味が少なくなる。長短径比率は（１．３～１．７）：１が望ましい。デザイン的及び機能的に最も優れているのは、ｎ＝２．５で、長短径比率１．５：１である。また、スーパー楕円の長径（直径）は１５～２５ｍｍ、栓抜きの全長は７０～１４０ｍｍが適当である。最も適当なのは、長径２０ｍｍ、短径１３．３ｍｍ、全長１２０ｍｍである。

　筒状本体２の形状は、図７に例示するように、下端の径ｄ２（長径）を上端の径ｄ１（長径）よりも大きくすることができる。図７の左側は下方に向かって直線的に径が大きくなり、右側は下方に向かって曲線的に径が大きくなるデザインである。これにより、開栓時に筒状本体が握りやすくなり、また、机の上に立てた状態で安定して常設することができる。ｄ２／ｄ１は１．２～２．０が適当である。

　図１１～１３に示す実施例の栓抜き１’は、王冠係合部３の上辺の形状が異なっている以外、前記の栓抜き１と全く同じである。栓抜き１’において、王冠係合部３の上辺中央はアーチ形に形成され、その両側に２つの支点部４，４が下方に向かって突出形成されている。このため、図１３に示されるように、王冠係合部３を王冠７に係合したとき、２個の支点部４，４が王冠７の天面に接するので、開栓動作中に栓抜きがぐらつきにくく、安定して王冠を抜くことができる。

　１　栓抜き
　２　筒状本体
　２ａ　天板
　２ｂ　スーパー楕円部
　３　王冠係合部
　４　支点部
　５　係合爪部
　６　びん
　６ａ　リップ部
　７　王冠
　１１　栓抜き
　１２　筒状本体
　１２ａ　天板
　１３　王冠係合部
　１４　支点部
　１５　係合爪部

Claims

筒状本体を切り欠いて王冠係合部を開口し、該王冠係合部の上辺に支点部、下辺に係合爪部を形成した筒状栓抜きにおいて、
前記筒状本体の少なくとも一部に、水平断面がスーパー楕円形状となっているスーパー楕円部を有し、前記王冠係合部が該スーパー楕円部を切り欠いて形成され、前記支点部及び係合爪部がスーパー楕円部の最も曲率半径が大きい部分に形成されていることを特徴とする栓抜き。
筒状本体を切り欠いて王冠係合部を開口し、該王冠係合部の上辺に支点部、下辺に係合爪部を形成した筒状栓抜きにおいて、
前記筒状本体の少なくとも一部に、水平断面がスーパー楕円形状となっているスーパー楕円部を有し、前記王冠係合部が該スーパー楕円部を切り欠いて形成され、前記上辺に２個所、下方に突出する支点部を設け、前記係合爪部がスーパー楕円部の最も曲率半径が大きい部分に形成されていることを特徴とする栓抜き。