WO2012111090A1 - 放射性物質を伴う樹脂減容処理装置およびその動作方法 - Google Patents

放射性物質を伴う樹脂減容処理装置およびその動作方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 プラズマの点弧を容易化し、プラズマの消弧を防止する。 【解決手段】 本発明のいくつかの態様の減容処理装置110は、被処理樹脂22を載置するステージ112と、CCP用電源180と、ICP用電源190とを備えている。本発明のある態様の減容処理装置110には供給機構122が備わっており、CCP用電源180が、被処理樹脂を真空容器114に減圧状態で供給する際に動作を続けている。また、本発明のある態様の減容処理装置110では、真空容器114にガスを供給するガス条件を変更する際に、CCP用電源180が動作を続けている。

Description

[規則37.2に基づきISAが決定した発明の名称] 放射性物質を伴う樹脂減容処理装置およびその動作方法
 本発明はイオン交換樹脂減容処理装置およびその動作方法に関する。さらに詳細には、本発明は、主として原子力関連施設において用いられた使用済のイオン交換樹脂を減容するイオン交換樹脂減容処理装置およびその動作方法に関する。
 近年、放射性廃棄物の低レベル廃棄物の減容処理の効率を高める手法が開発されている。特許文献1(特開2001-153998号公報)には、酸素プラズマを用いて炭化および灰化処理を行うことによって低レベル放射性廃棄物である原子力施設から排出されるイオン交換樹脂を減容する手法が開示されている。特許文献1には、被処理樹脂を真空容器内のステージに載置してその上方空間に酸素プラズマを励起することにより、ステージ上の被処理樹脂を炭化および灰化する処理が開示されている。
 また、特許文献2(特開2000-275393号公報)には、高密度のプラズマを生成するために誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma、以下、「ICプラズマ」と略記する)を励起すること、および、ICプラズマを停止した後に、容器内に付着したタールを分解するために、容量結合プラズマを励起することを減容処理に採用することが開示されている。
 特許文献1および特許文献2に開示されているように、樹脂を処理する際には、通常、酸素プラズマの生成のために高周波電源を利用するICプラズマが採用される(特許文献1、段落[0012]、および、特許文献2、段落[0012])。これは、樹脂を処理する減容処理の手法において、単位時間あたりの処理量すなわち処理速度を高めることが求められ、その結果、酸素プラズマとしてプラズマ密度を高めやすいICプラズマが選択されるためである。ICプラズマを励起するための電源を以下「ICP用電源」と記す。ICP用電源は、酸素プラズマを最初に点火するすなわち点弧するために利用されるとともに、特許文献1および特許文献2を始め従来の減容処理の手法では、酸素プラズマの励起状態を維持するためにも利用されている。
特開2001-153998号公報、例えば段落0012 特開2000-275393号公報、例えば段落0012
 減容処理を実施するための手法においてはいくつかの問題点が生じ、従来からそれらに対する対策がとられている。第1の問題点は、ICプラズマとして酸素プラズマを点弧しにくいという点孤についての問題点である。第2の問題点は、真空容器内部の圧力や、減容処理のために真空容器に供給されるガスの供給方向を変更する際に、ICプラズマとしての酸素プラズマが消弧しやすいというガスの圧力や供給方向の変更に対する耐性の問題点である。そして、第3の問題点は、ICプラズマとして励起されている酸素プラズマが安定性を欠き、酸素プラズマが不意に消弧してしまうという安定性の問題点である。これらの各問題点に対し、以下のような対策が従来から行なわれている。
 まず、点弧に関連する上記第1の問題点への対策として、従来は、ICプラズマの点弧を容易化するために、減容処理に用いられる際に比べて低い圧力に真空容器の圧力を一旦低下させ、その低下された圧力でICプラズマを点弧した後に圧力を高めるように調整する手法が採用されている。しかし、この対策には依然として課題が残されている。このような圧力の調整は、それ自体が複雑な条件変更作業である。というのは、減容処理に適する圧力が、酸素プラズマをICプラズマとして点弧するための圧力よりも高いため、プラズマを点弧するだけを目的に、真空容器を処理に適する圧力よりも低い圧力にまで排気することを意味するからである。加えて、点弧に成功した後にも、減容処理に適した圧力に調整する際には、圧力を徐々に高める必要がある。これらの理由から、点弧のために一旦圧力を低下させることは、複雑な条件変更を要する作業である。しかも、これらの条件変更作業により、ICプラズマが消弧する可能性は、低減はするものの皆無となるわけではない。
 また、真空容器の圧力や真空容器への供給ガスの向きを変更することに対する耐性についての上記第2の問題点は、減容処理を効率よく行なうために、相対的に低温の第1フェーズと相対的に高温の第2フェーズという二つのフェーズに分けて減容処理が実施されることに関連している。イオン交換樹脂を減容処理するためには、例えば400℃程度の相対的低温の温度による第1フェーズの処理と、700℃程度の相対的高温の温度における第2フェーズの処理とがこの順に行なわれる。そして、第1フェーズと第2フェーズでは、処理に適する圧力と、供給ガスの向きとがともに異なっている。より具体的には、圧力は、第1フェーズと第2フェーズでは第2フェーズにおいて第1フェーズよりも高く設定されることが好ましい。また、供給ガスの向きは、真空容器が鉛直方向に軸を有する円筒形である場合に、相対的に低温の第1フェーズでは、その軸の周りに旋回するような酸素ガスの流れ(旋回流)が好ましいのに対して、相対的に高温の第2フェーズにおいては、その旋回流のパターンと、軸の向きに向かう流れ(集中流)とを組み合わせるようなパターンに酸素ガスの向きを定めることが好ましい。第1フェーズから第2フェーズへの移行に応じて、圧力を変更する際や、酸素の供給の向きをこれらの具体例のように変更する際に、圧力の変更やガスの供給のパターンの変更が急激であると、それまでICP用電源によって励起されている酸素プラズマが消弧してしまう現象が散見される。その対策として、従来は、圧力については、例えば真空容器内の圧力を段階的または連続的に変更するという対策が取られている。また、ガス供給パターンについても、例えば旋回流と集中流の総流量を可能な限り保って旋回流の流量を低下させて集中流の流量を増大させるようにガスの供給方向のパターンを段階的または連続的に変更するという対策がとられている。このような段階的または連続的な圧力またはガス供給パターンの変更によってICプラズマの消弧の可能性は低減するものの、これらの対策は、それら自体が複雑な処理である。
 そして、プラズマの安定性についての上記第3の問題点は、真空容器内部で被処理樹脂からガスが生成される際の不意のプラズマの消弧として顕在化している。例えば、ICプラズマによって酸素プラズマを励起している状態で被処理樹脂を投入すると、プラズマの点弧状態が不安定となって消弧しかねない。これに関係しているのは、被処理樹脂がある程度(例えば約5%程度)の水分を含んでいることである。被処理樹脂は、例えば冷却水などの水の浄化に用いられるイオン交換樹脂であるため、乾燥されていても水分が完全に除去されているわけではない。その水分を含む樹脂が、減圧されている真空容器内の400℃等の高温に加熱されているステージ上に投入されると、短時間に多量の水蒸気がガスとして生成される。そのため、酸素プラズマをICプラズマとして励起し続けることが可能な条件に調整されていたとしても、水蒸気によってその条件が崩れてしまい、プラズマを安定して励起し続けることが難しくなる。この水蒸気によってプラズマの安定性が低下する場合には、プラズマが消弧しかねず、消弧した場合の再点弧処理のためにプラズマの状態を監視する必要が生じてしまう。
 ここで、点弧の容易化を目的として、または、圧力の変更・ガスの向きの変更といったプラズマ条件の変更、樹脂の投入といった環境条件の変更を伴う場合において、酸素プラズマをICプラズマとして安定して励起させ続けることを目的として、別の対策、すなわち、例えばアルゴンやヘリウムといった補助ガスを導入してプラズマを点弧しやすくしたり、励起されているプラズマの安定性を高めることも行われている。しかし、酸素に加えて、アルゴンガスやヘリウムガスを用いることは、減容処理のために複数の種類のガスを供給する必要が生じるため、避けることが望ましい。
 本発明はこれらの課題の少なくともいくつかを解決するためになされたものである。本発明は、ICプラズマとしての酸素プラズマの点弧しやすさを改善することにより、原子力関連設備から排出される被処理樹脂の処理の容易化に貢献する。また、本発明は、圧力の変更やガスの向きといったガスの供給条件を変更する際、および、被処理樹脂の追加投入の際といったプラズマにとっての条件変更となる際に、ICプラズマとしての酸素プラズマの励起状態を安定させることにより、原子力関連設備から排出される被処理樹脂の処理の安定化に貢献する。
 本願の発明者は、上述した各課題が、プラズマが形成される空間に対して容量結合により高周波の電圧または電界を印加することにより解決されることを見出した。通常、真空容器内にて励起されている酸素プラズマを利用して樹脂を減容処理するためには、上述したようにICP用電源が用いられている。本発明のある態様においては、樹脂の処理を行なう酸素プラズマに対して、ICP用電源とは別の電源も必要に応じて利用する。この別の電源は、プラズマが点弧または励起される空間に対して、電圧または電界を生成することつまり容量結合によってエネルギーを供給する。このエネルギーによって、プラズマの点弧のしやすさ(点弧容易性)を高めることが可能となり、また、励起されているプラズマを安定化させることが可能となる。
 すなわち、本発明のある態様においては、放射性物質を伴う被処理樹脂を載置するようになっており、真空容器内に配置されている昇温可能なステージと、前記真空容器内の前記ステージの上方の空間に容量結合により電圧または電界を供給するためのCCP用電源と、前記空間に励起される酸素プラズマに対して誘導結合により電力を供給するためのICP用電源とを備え、前記CCP用電源が、前記酸素プラズマを点弧させる電圧または電界を前記空間に供給するものである減容処理装置が提供される
 また、本発明の別の態様においては、放射性物質を伴う被処理樹脂を載置するようになっており、真空容器内に配置されている昇温可能なステージと、前記真空容器内の前記ステージの上方の空間に容量結合により電圧または電界を供給するためのCCP用電源と、前記空間に励起されている酸素プラズマに対して誘導結合により電力を供給するためのICP用電源と、前記真空容器の減圧状態を維持したまま前記ステージに前記被処理樹脂を供給するようになっている供給機構とを備え、前記被処理樹脂が前記供給機構によって前記ステージに供給される際に、前記CCP用電源が前記電圧または電界を供給する減容処理装置が提供される。
 ここで、減容処理装置は、被処理樹脂を加熱処理し、該被処理樹脂それ自体と該被処理樹脂から放出されるガスとの少なくともいずれかまたは両方を酸素プラズマによって酸化処理するような処理を行うことが可能である。
 CCP用電源とは、真空容器内のステージの上方の空間に容量結合により電圧または電界を供給するように設けられている電源をいう。CCP用電源は、例えば13.56MHzなどの高周波電力を出力し、その高周波電力すなわちCCP用電力は、真空容器のステージの上方の空間における減圧下での酸素に対して電圧または電界として作用する。このCCP用電力は、酸素をプラズマ化して点弧するため、および、励起されている酸素プラズマを安定化するために利用される。なお、CCP用電源とともに上記態様の減容処理装置に備わっているICP用電源による出力すなわちICP用電力は、誘導結合によって酸素プラズマの密度を高めるように作用する。そのため、この際のICP用電力のプラズマに対する作用は、プラズマの電荷に対する電磁誘導によるものである。これに対し、CCP用電源によるCCP用電力は、空間に対して電圧または電界を生成して、プラズマを構成する酸素分子を電離させイオン化するように作用する。
 上述した各態様において供給機構が被処理樹脂を供給する際とは、被処理樹脂を減圧状態で供給する場合、プラズマの消弧が起りやすい時点またはその時点を含む期間を指している。そのため、CCP用電源は、その被処理樹脂が供給される際のプラズマの消弧が生じやすい時点、またはその時点を含む期間において、ステージの上方の空間に電圧または電界によるエネルギーを供給するように動作する。
 加えて、本発明のさらに別の態様においては、放射性物質を伴う被処理樹脂を載置するようになっており、真空容器内に配置されている昇温可能なステージと、前記真空容器内の前記ステージの上方の空間に容量結合により電圧または電界を供給するためのCCP用電源と、前記空間に励起されている酸素プラズマに対して誘導結合により電力を供給するためのICP用電源と、前記真空容器内の前記空間に供給されるガスの供給条件を、第1ガス条件から、該第1ガス条件とは別の第2ガス条件へと変更するためのガス条件制御部とを備え、前記供給条件が該ガス条件制御部によって変更される際に、前記CCP用電源が前記電圧または電界を供給する減容処理装置が提供される。
 本態様においても、ICP用電源、CCP用電源の作用は先に述べた態様のものと同様である。本態様において供給条件が変更される際とは、ガスの供給条件が変更されることによってプラズマの消弧が生じやすい時点およびその時点を含む期間を指している。この態様においても、CCP用電源は、その被処理樹脂が供給される際のプラズマの消弧が起りやすい時点またはその時点を含む基幹を通じて、ステージの上方の空間に電圧を継続的に供給するように動作する。
 本発明は、減容処理装置の動作方法の態様によっても実施される。すなわち、本発明のある態様においては、真空容器内に配置されており、放射性物質を伴う被処理樹脂を載置するステージによって該被処理樹脂を加熱するステップと、前記真空容器内の前記ステージの上方の空間に容量結合により電圧または電界を供給するステップと、CCP用電源が、酸素プラズマを点弧させる電圧または電界を容量結合により前記空間に供給するステップと、ICP用電源が、前記空間に励起されている酸素プラズマに対して誘導結合により電力を供給するステップとを含む減容処理装置の動作方法が提供される。
 また、本発明の別の態様において、真空容器内に配置されており、放射性物質を伴う被処理樹脂を載置するステージによって該被処理樹脂を加熱するステップと、前記真空容器内の前記ステージの上方の空間に容量結合により電圧または電界を供給するステップと、ICP用電源により、前記空間に励起されている酸素プラズマに対して誘導結合により電力を供給するステップと、供給機構により、減圧状態に維持されている前記真空容器の前記ステージに、前記被処理樹脂を供給するステップとを含んでおり、前記被処理樹脂が前記供給機構によって前記ステージに供給される際に、前記CCP用電源が前記電圧または電界を供給する減容処理装置の動作方法が提供される。
 また本発明のさらに別の態様として、真空容器内に配置されおり、放射性物質を伴う被処理樹脂を載置するステージによって該被処理樹脂を加熱するステップと、前記真空容器内の前記ステージの上方の空間に容量結合により電圧または電界を供給するステップと、ICP用電源により、前記空間に励起されている酸素プラズマに対して誘導結合により電力を供給するステップと、ガス条件制御部により、前記真空容器内の前記空間に供給されるガスの供給条件を、第1ガス条件から、該第1ガス条件とは別の第2ガス条件へと変更するステップとを含んでおり、前記供給条件が前記ガス条件制御部により変更される際に、前記CCP用電源が前記電圧または電界を供給する減容処理装置の動作方法が提供される。
 本発明の上記いずれかの態様によれば、プラズマの点弧が容易になり、また、励起されているプラズマの安定性を高めることが可能となる。
本発明のある実施形態における減容処理装置を含む減容処理システムの構成を示す概略断面図である。 本発明のある実施形態におけるCCP用電力供給系とICP用電力供給系との構成例を示す回路図である。 本発明のある実施形態における減容処理システムの状態を示す指標(温度と二酸化炭素濃度)のグラフ(図3(a))と、樹脂の減容の様子を示す推定減重率のグラフ(図3(b))である。 本発明のある実施形態において、真空容器の水平断面図によって、旋回流(図4(a))と、集中流(図4(b))と、第1フェーズの気流(図4(c))と、第2フェーズの気流(図4(d))とを説明する説明図である。 本発明のある実施形態において、頂部壁の大気側の面に配置される複数の電極の構成と、それらに対するCCP用電力供給系およびICP用電力供給系の接続の様子とを示す説明図である。図5(a)は、高周波コイルの中心部に円板電極を配置する例を、また、図5(b)は、高周波コイルの外周部にリング電極を配置する例を示している。
 以下、本発明の実施形態について説明する。以下の説明に際し特に言及がない限り、全図にわたり共通する部分または要素には共通する参照符号が付されている。また、図中、各実施形態の要素のそれぞれは、必ずしも互いの縮尺比を保って示されてはいない。
<第1実施形態>
[1 システム構成]
 図1は、本実施形態における減容処理装置110を含む減容処理システム1000の構成を示す概略断面図である。
[1-1 減容処理装置の構成]
 減容処理システム1000の減容処理装置110には、ステージ112が真空容器114内に備えられている。このステージ112は、放射性物質を伴っている被処理樹脂20の供給されたもの(被処理樹脂22)を載置するようになっている。また、ステージ112の被処理樹脂22が置かれる平板部分の内部には、ヒーター116が設けられており、そのヒーター116によってステージ112自体の温度が昇温可能となるようにされている。ステージ112によって加熱されている被処理樹脂22それ自体や、被処理樹脂22から放出されるガスは、少なくともいずれかまたは両方が酸素プラズマPによって酸化される。その酸素プラズマPを点弧させるために、CCP用電力供給系180を利用することができる。このCCP用電力供給系180により供給される電力(CCP用電力)は、真空容器114内のステージ112の上方の空間Sに容量結合により電圧または電界を生じさせる。また、減容処理装置110には、酸素プラズマPに対して誘導結合により電力を供給するために、ICP用電力供給系190も装備されている。さらに、減容処理装置110には、空容器の減圧状態を維持したままステージに被処理樹脂を供給するようになっている供給機構122も備わっている。
 ここで、減容処理装置110のCCP用電力供給系180は、被処理樹脂20がステージ112に対して供給機構122によって供給される際に継続して上記CCP用電力を供給することにより、空間Sに電圧または電界を継続して作用させることもできる。
 また、真空容器114の頂部壁114Rの大気側の外面には、高周波コイル142が配置されている。この高周波コイル142は、真空容器114の頂部壁114Rの内側の空間Sにプラズマを励起するために用いられる。
 真空容器114には、内部を減圧状態に保つための排気ライン150も接続されている。この排気ライン150には、排気バルブ152と真空ポンプ154が接続されている。排気バルブ152の開度は圧力制御部158によって制御されており、その圧力制御部158は、真空容器114の内部空間の圧力を測定する圧力センサー160の信号に基づいて制御を継続的に行なっている。したがって、圧力制御部158は、APC(Automatic Pressure Controller)として真空容器114の圧力を自動制御している。
 真空ポンプ154の出口側経路には二酸化炭素センサー156が接続されている。二酸化炭素センサー156からは、真空容器114からの排気経路において測定された二酸化炭素ガスの濃度に応じた濃度データまたは濃度信号が出力される。なお、本実施形態では、二酸化炭素センサー156に代えて、炭素含有ガスの濃度を測定する目的を達成する任意の種類のガスセンサーを用いることができる。例えば、二酸化炭素センサーではなく一酸化炭素センサーを用いることによっても同一の目的が達成される。さらに、二酸化炭素センサー156等のガスセンサーは、真空ポンプ154の出口側経路ではなく、例えば、真空容器114の壁面や、排気ライン150のうちの真空ポンプ154までの経路に装備されていてもよい。
 減容処理装置110には、放射能計102が備えられている。この放射能計102は、減容処理装置110に供給される前の被処理樹脂20の放射能を測定するようになっている任意の放射能計である。典型的な放射能計102としては、エネルギー分解してγ線を測定する半導体検出器を挙げることができる。放射能計102は、処理対象の被処理樹脂20の放射能の値を示す放射能データまたは放射能信号を出力する。放射能計102をγ線のエネルギー分解能を有する放射能計とした場合には、例えば放出されるγ線のエネルギーによって放射性核種を特定しながら、その特定された核種における放射能を測定することが可能となる。放射能計102の配置は、図1に示した位置に限られず、処理対象の被処理樹脂20の放射能の値を取得可能な任意の位置に配置される。
[1-1-1 電極コイル]
 高周波コイル142は、例えば銅などの線状部材を渦巻き状に形成したよるコイルである。高周波コイル142は、渦巻き状の中心部と周縁部とに接続部を有している。
 高周波コイル142には、酸素を供給しながら電力が供給されるため励起されるプラズマは主に酸素プラズマとなる。また、真空容器114の頂部壁114Rは、高周波コイル142による高周波電磁界を空間Sに生成するために絶縁体とされている。最も端的には、頂部壁114Rは溶融石英ガラスによって作製されている。なお、本実施形態において採用可能な高周波コイルの構成や配置は特段この高周波コイル142の配置に限定はされない。例えば、酸素プラズマの励起に適する任意の形状と配置の高周波コイルを用いることによって、本実施形態の減容処理を実施することが可能である。
[1-2 プラズマ用電源]
 減容処理システム1000の減容処理装置110には、プラズマ用電源として、CCP用電力供給系180と、ICP用電力供給系190とが備えられている。図2は、CCP用電力供給系180とICP用電力供給系190との構成例を示す回路図である。CCP用電力供給系180は、ICP周波数阻止回路188(直列共振回路188Aおよび並列共振回路188B)と組み合わせて高周波コイル142に接続されているのに対し、ICP用電力供給系190は、CCP周波数阻止回路198(並列共振回路198Aおよび並列共振回路198B)と組み合わせて高周波コイル142に接続されている。
[1-2-1 CCP用電源]
 CCP用電力供給系180は、例えば13.56MHzであるCCP用周波数の高周波電源であるCCP用高周波電力源186と、その出力を高周波コイル142にマッチングさせるためのCCP用マッチング回路184とを備えている。CCP用電力供給系180の二つの出力のうち、一方のCCP出力180Pは、ICP周波数阻止回路188の並列共振回路188Bを介して高周波コイル142に接続されている。これに対し、他方のCCP出力180Nは、GNDに接地されている。なお、真空容器114もGND接地されて接地レベルの電位に保たれているため(図1)、CCP用電力供給系180の出力は、頂部壁114Rを通じて高周波コイル142と真空容器114との間の空間Sに対する電圧または電界を与える。つまり、高周波コイル142は、真空容器114と等しい電位にある導電性の部材との間で空間Sに電界をつくるキャパシターをなしており、CCP用電力による電圧または電界が、点弧時のプラズマの点弧容易性や、励起されているプラズマの安定性を向上させるように作用する。
 CCP用マッチング回路184には、可変キャパシターCV1およびCV2、リアクタンスL1が備わっている。CCP用マッチング回路184では、回路定数として、例えば可変キャパシターCV1およびCV2の容量を変化させることによって、CCP用高周波電力源186の電流出力を高周波コイル142に効率よく伝達するように作用する。
 ICP周波数阻止回路188は、直列共振回路188Aと並列共振回路188Bとから構成されている。このうち、直列共振回路188Aにおいては、キャパシターC1とリアクタンスL2とが直列に接続されている。また、並列共振回路188Bにおいては、可変キャパシターCV4とリアクタンスL3とが並列に接続されている。直列共振回路188Aは、直列共振によって2MHzの周波数成分すなわちICP用周波数成分の電流を短絡させるのに対して、並列共振回路188Bは、並列共振によってICP用周波数成分(2MHz)の電流の通過を阻止する作用を持つ。このため、直列共振回路188Aおよび並列共振回路188Bを含むICP周波数阻止回路188は、ICP用電力供給系190からCCP用電源182やCCP用電力供給系180に向かう例えば2MHzのICP用周波数成分の電力を減衰させて阻止する回路となる。ICP周波数阻止回路188は、例えば13.56MHzなどのICP用周波数のCCP用電力に対しては実質的には作用しない。つまり、CCP用電力にとって、直列共振回路188Aは開放路、並列共振回路188Bは短絡路と同様である。なお、並列共振回路188Bの阻止周波数は、可変キャパシターCV4の容量を変更することによって調整される。そして、リアクタンスL2およびリアクタンスL3は、現実のリアクタンス素子であるため寄生抵抗を伴っており、共振状態にある2MHzの電力のエネルギーはその寄生抵抗によってジュール熱として放散される。こうして、ICP周波数阻止回路188は、CCP用電力供給系180に向かうICP用電力供給系190からのICP用周波数成分の電力を減衰させる。
[1-2-2 ICP用電源]
 これに対して、ICP用電力供給系190は、例えば2MHzのICP用周波数の高周波電源であるICP用高周波電力源196と、その出力を高周波コイル142にマッチングさせるためのICP用マッチング回路194とを備えている。ICP用電力供給系190の二つの出力のうち、一方のICP出力190Pおよび他方のICP出力190Nは、それぞれ、CCP周波数阻止回路198に含まれている並列共振回路198Aおよび198Bを通じて高周波コイル142の二つの端子部に接続されている。ICP用電力供給系190の出力は、頂部壁114Rを通じて高周波コイル142と真空容器114との間の空間Sに対して高周波電磁界を生成する。
 ICP用マッチング回路194には、可変キャパシターCV3、キャパシターC2、可変リアクタンスLV1が備わっている。ICP用マッチング回路194では、ICP用高周波電力源196の電流出力が高周波コイル142に効率よく伝達するマッチングのために、例えば可変リアクタンスLV1の容量が調整される。
 CCP周波数阻止回路198には、ICP出力190Pにつながる並列共振回路198Aと、ICP出力190Nにつながる並列共振回路198Bとが備わっている。並列共振回路198Aは、可変キャパシターCV5とリアクタンスL4とによるCCP用周波数、例えば13.56MHzの成分の電力減衰させるための並列共振フィルターである。同様に、並列共振回路198Bも、可変キャパシターCV6とリアクタンスL5とによるCCP用周波数の成分を減衰させるための並列共振フィルターである。並列共振回路198Aおよび並列共振回路198Bそれぞれの阻止周波数は、可変キャパシターCV4と可変キャパシターCV5の容量を変更することによって調整される。リアクタンスL4およびL5は寄生抵抗を伴っている。このため、ICP周波数阻止回路188の場合と同様に、並列共振回路198Aおよび並列共振回路198Bによって阻止されたCCP用周波数(13.56MHz)の電力のエネルギーは、リアクタンスL4およびL5によってジュール熱として放散される。こうしてCCP周波数阻止回路198は、ICP用電力供給系190に向かうCCP用電力供給系180からの電力を減衰させる。CCP周波数阻止回路198は、ICP用電力にとっては、実質的には作用しない。つまり、例えば2MHzなどのICP用周波数であるICP用電力にとっては、並列共振回路198Aおよび198Bはともに短絡路として動作する。
[1-2-3 CCP用電源とICP用電源の接続とそれらの作用]
 上述したように、本実施形態の減容処理装置110においては、高周波コイル142に対し、CCP用電力供給系180とICP用電力供給系190との両者が接続されている。したがって、高周波コイル142は、一つの作用として、接地されている真空容器114との間の空間S(図1)に対してCCP用電力供給系180からの13.56MHzの高周波電力を容量結合させるための電極として作用する。この場合の高周波コイル142が接地されている真空容器114に対する電極となって、容量結合により電圧または電界を上記空間Sに生じさせる。CCP用電力供給系180の作用は、電圧または電界による容量結合により、上記空間に対してプラズマの点弧容易性を高めたり、励起されているプラズマの安定性を高めたりする作用である。なお、図2に示したキャパシターC3およびC4は、高周波コイル142を接地GNDから高周波コイル142をフローティングさせて電圧を測定するために設けられている。すなわち、CCP用電力供給系180による出力の電圧は、フローティング用のキャパシターC3の接地している電極とは反対の電極の接地GNDに対するピーク・トゥー・ピークでの電圧振幅VPPをモニターすれば、高周波コイル142の電極が空間に与えている電圧の目安を測定することが可能となる。
 さらに、高周波コイル142は、もう一つ別の作用として、ICP用電力供給系190からの2MHzの高周波電力による電流を流し、電界と磁界とを上記空間Sに発生させるコイルとしても作用している。この際の高周波コイル142の作用はその空間に発生する導電体としてのプラズマに対する誘導結合による作用である。ICP用電力供給系190の作用は、誘導結合により、上記空間Sに対してプラズマの密度を高めるための電力を供給する作用である。ICP出力190Nには、電流測定端子が設けられている。ここからピーク電流IPを測定することによって、ICP用電力供給系190の出力電流の目安を得ることができる。
[1-2-4 阻止回路の機能]
 上述したように、CCP用電力供給系180にはICP周波数阻止回路188が、また、ICP用電力供給系190にはCCP周波数阻止回路198が接続されている。これらの阻止回路は、互いに他の電力が電源に及ぼす影響を軽減するように機能する。つまり、ICP周波数阻止回路188は、ICP用電力供給系190からの電力によってCCP用高周波電力源186が破損したり、CCP用マッチング回路184によるマッチングが脱調したりすることを防止する。同様に、CCP周波数阻止回路198は、CCP用電力供給系180からの電力によってICP用高周波電力源196が破損したり、ICP用マッチング回路194によるマッチングが脱調したりすることを防止する。
[1-3 供給機構]
 本実施形態の典型的な減容処理装置110(図1)には供給機構122が備わっている。被処理樹脂20は、供給機構122によって供給側ゲートバルブG1を通ってステージ112に供給される。その供給動作を行うために、供給機構122は所定の容積に作製された定量マス124を備えている。被処理樹脂20を供給するためには、まず、開かれた供給側ゲートバルブG1を通ってステージ112の上方空間の位置にまで定量マス124がアーム126によって届けられる。次に、その位置で定量マス124をアーム126の軸回りに回転させることにより、定量マス124内の被処理樹脂20をステージ112の上面に落下させる。このような動作を可能にする定量マス駆動機構128がアーム126には接続されている。
[1-4 ガス供給条件の制御]
 減容処理装置110は、概して円筒形状に作製されている真空容器114を備えている。その真空容器114には、真空容器114の内部空間に対して酸素を供給するためのガス供給ライン130Aおよび130Bが接続されている。このガス供給ライン130Aおよび130Bからは、それぞれ、レギュレータバルブ134Aおよび134Bを通じて、酸素ボンベ132からの酸素が真空容器114の内部空間へと制御された流量によって供給される。したがって、少なくともレギュレータバルブ134Aおよび134Bは、真空容器114の内部空間へと供給される酸素の供給条件を制御するガス条件制御部として動作している。また、本実施形態の減容処理装置110を含む減容処理システム1000では、レギュレータバルブ134Aおよび134Bが、コンピューター176によって直接またはシーケンス制御部174を通じて制御しているように校正することも可能である。その場合、コンピューター176やシーケンス制御部174も、ガス条件制御部として動作することとなる。
[1-5 他の構成]
 ステージ112は、円形皿の形状に作製されており、その上面に被処理樹脂22を載置することができるようになっている金属製のトレイである。このステージ112は、真空容器114の気密を維持したまま、円形皿の中心を通り平板部分に垂直な軸の周りに回転動作が可能となるように構成されている。ステージ駆動機構118は、例えば数分間に1回から一分間に数回程度のゆっくりした回転動作をステージ112に行なわせることが可能である。また、ステージ112は、図示しない駆動機構によって、図1の紙面の上下方向の位置つまり高さを変更することができるように作製されている。ステージ112には、制御した電力をヒーター116に供給する加熱用電源120が接続されている。温度制御のため、ステージ112には、ステージ112自体の温度を測定する温度センサー(図示しない)を装備している。この温度センサーからの温度測定信号に応じて、ヒーター116へ供給される電力が制御される。特に限定するものではないが、ステージ112の温度は、例えば400℃、あるいは、700℃といった減容処理に適する温度に制御することが可能である。
 また、コンピューター176は、上述した制御以外にも、真空容器114の排気動作の起動および停止、圧力制御部158が自動制御に用いる圧力指令値の変更、加熱用電源120の起動、出力の調整または停止、排出機構162の駆動指令といった各種の制御を行なう。このために、コンピューター176は、減容処理装置110、放射能計102、二酸化炭素センサー156、および追加の放射能計172からのデータまたは信号を受信して、上記各制御にこれらのデータまたは信号を利用する。
[2 処理動作]
 次に、上述した減容処理システム1000の減容処理装置110の動作について説明する。図3は、減容処理システム1000の状態を示す指標の説明図(図3(a))と、樹脂の減容の様子を減重率(weight reduction ratio)によって示す説明図(図3(b))である。減容処理システム1000の状態の指標として図3(a)に示したものは、ステージ112の温度(曲線202)と、二酸化炭素センサー156から得られる二酸化炭素濃度の値(曲線204)である。また、図3(b)に示したものは、樹脂の減容の様子を推定した推定減重率(曲線214)である。
 曲線202により示されるステージ112の温度は、図示しないステージ112に備えられた温度センサーの示す温度指示値であり、縦軸に数値を目安として明示している。これに対し、二酸化炭素センサー156が出力する二酸化炭素濃度の値を示す曲線204は、時間的な振る舞いだけを示しており値の目盛は任意単位である。ただし、曲線204により示される二酸化炭素濃度の値は、線形にプロットされ横軸が濃度0がとなるように描かれている。図3の横軸は、被処理樹脂22の最初のサブバッチ(第1サブバッチ)をステージ112に載置して供給側ゲートバルブG1を閉じた瞬間から計時を開始した時間つまり処理時間である。図3(a)に示された全処理は、概ね24時間程度の時間を要している。なお、サブバッチとは、減容処理の単位処理量である被処理樹脂20のバッチをさらに細分化した処理単位である。
[2-1 全体動作・概要]
 図3(a)に示すように、減容処理システム1000による減容処理は、大別して、二つの処理フェーズ、すなわち第1フェーズ(第1処理)と第2フェーズ(第2処理)とに分かれている。第1フェーズでは、ステージ112が概ね400℃程度に加熱されるのに対し、第2フェーズではステージ112が概ね700℃程度に加熱される。なお、これらの温度は、曲線202に示したように、より細かい時間的な変動を示す。ここで、例えば減容処理システム1000の処理対象物が原子力発電設備などによって利用されたイオン交換樹脂である場合、被処理樹脂22は、イオン交換樹脂と、そのイオン交換樹脂が伴っている放射性物質と、残留している水分との混合物である。また、原子力発電設備において利用されるイオン交換樹脂は、放射性同位元素を含む放射性物質を、イオンまたは腐食性生物(クラッド)の形態でそれ自体に吸着または保持することにより伴っている。
 上記各フェーズにおける処理の概要を以下説明する。まず、第1フェーズでは、被処理樹脂22がいくつかのサブバッチに分けて真空容器114に投入されてステージ112に載置される。第1フェーズでは、400℃程度に加熱されて被処理樹脂22の炭化処理が行われる。この処理は、被処理樹脂22に対して最初に施される処理である。被処理樹脂22の各サブバッチは、ステージ112に載置され加熱が開始されると、400℃程度の温度になるまでに多量の水蒸気を放出する。その後400℃付近にまで温度が上昇すると、被処理樹脂22は分解ガスも多量に放出しはじめる。この分解ガスの放出は、一般の有機物が熱によって分解ガスを放出する現象に近いものである。その状態で高周波コイル142には、プラズマPを励起するための電力が投入されている。この電力は、CCP用電力供給系180によって供給される容量結合のための13.56MHzの高周波電力と、ICP用電力供給系190によって供給される誘導結合のための2MHzの高周波電力とを組み合わせたものである。
 被処理樹脂22から放出された分解ガスは、ステージ112上方の空間に励起されている酸素プラズマPによって酸化されて、分解ガス中の酸化を受けやすい成分、例えば炭素成分が酸化される。酸素プラズマPによって分解ガスが酸化されて生じるガスすなわち処理ガスには、二酸化炭素や一酸化炭素が含まれている。この処理ガスは、排気ライン150を通じて排気されてゆく。この処理における分解は、処理の開始直後は激しく、ある程度の時間継続すると弱まり始める。これは、その温度によって分解される成分が消費されることに対応している。ステージ112には、被処理樹脂22から分解ガス成分が抽出され炭化したものが残されてゆく。この炭化した被処理樹脂22は、第1フェーズでは十分に処理されたとしても、炭化された状態までしか進行しない。このため、被処理樹脂22には、この時点で炭素成分が残存している。こうして、第1フェーズでは、ステージ112の加熱と、酸素プラズマPによる酸化とを組み合わせることによって、被処理樹脂22の分解処理と、炭化処理と、分解ガスの酸化処理とが実行される。
 第1フェーズにおける分解ガスの炭素成分は、酸化された処理ガス中の二酸化炭素または一酸化炭素のガスとして排気ライン150から排出され、二酸化炭素センサー156によってその濃度が測定される。第1フェーズの二酸化炭素濃度は、各サブバッチにおいて温度の上昇とともに上昇し、高い値がある時間維持された後、分解される成分の消費につれて低下してゆく。この二酸化炭素濃度の値は、被処理樹脂22において酸化される単位時間あたりの炭素量を示す直接的な指標となる。そればかりか、この二酸化炭素濃度の値は、被処理樹脂22において酸化される全成分に対する間接的な指標でもある。なお、被処理樹脂22において酸化される全成分は、炭素成分以外に、窒素成分、硫黄成分、水素成分を含んでいる場合がある。
 第1フェーズでは、被処理樹脂22が減容処理装置110の処理能力の範囲に小分けされたサブバッチを単位として被処理樹脂22が処理される。図2(a)には、4つのサブバッチに分けて被処理樹脂22が投入される場合の様子が示されている。第1フェーズでは、被処理樹脂22の第1サブバッチに対する加熱による炭化および分解処理の進行する様子が二酸化炭素濃度の値として監視される。そして二酸化炭素濃度の値から第1サブバッチの処理がある程度進んだと判断されると供給側ゲートバルブG1が開かれて次のサブバッチすなわち第2サブバッチの被処理樹脂22が追加して投入される。このとき、ステージ112には第1サブバッチとして処理が進んだ被処理樹脂22が残存したままである。その状態のステージ112に第2サブバッチの被処理樹脂22が追加して供給される。したがって、被処理樹脂22は、新たに投入された第2サブバッチと、処理途中の第1サブバッチの両方が処理される。以降、第3サブバッチ、第4サブバッチについても同様に処理される。なお、このように小分けされて被処理樹脂22の第1フェーズが進められるのは、第2フェーズの処理に比べて第1フェーズでは被処理樹脂22から多量の分解ガスが発生し、分解ガスを処理する能力が不足しかねないためである。
 次いで第2フェーズについて説明する。第1フェーズから第2フェーズへ移行する際、真空容器114は大気開放されることなく減圧されたままである。ただし、第1フェーズと第2フェーズの間で圧力すなわち真空度は変更される。第2フェーズの処理対象は、ステージ112に残されている被処理樹脂22の第1~第4サブバッチとして第1フェーズの処理を経て炭化された半処理物である。ここでは、この半処理物も被処理樹脂22と記す。第2フェーズでは、その状態でステージ112の温度が700℃に昇温される。第1フェーズの処理によって炭化された被処理樹脂22の温度が上昇すると、炭化していた被処理樹脂22に対して酸素プラズマが作用して、炭素成分が酸化して除去されてゆく。すなわち、第2フェーズは、加熱処理と酸素プラズマとを組み合わせた灰化によって炭化していた被処理樹脂22の炭素成分を減少させることによりさらに減容する処理である。第2フェーズにおいても第1フェーズと同様に酸素プラズマPが用いられる。このため、高周波コイル142には、誘導結合によってプラズマPを励起するための電力が投入される。ただし、第1フェーズでは分解ガスを酸化することが酸素プラズマPに期待される作用であったのに対し、第2フェーズでは、炭化した被処理樹脂22を灰化する作用を期待して酸素プラズマPが励起される。この期待する作用の相異のために、一般には、酸素プラズマPを励起する条件(プラズマ条件)のうち、ガスの供給条件は、第1フェーズと第2フェーズとで別々のものとされる。最も典型的には、第2フェーズのガスの供給条件では、第1フェーズよりも高い圧力が選択される。また、酸素の供給方向も、第2フェーズでは頂部壁114Rからステージ112に向かう気流が第1フェーズに比して多くなるように選択される。
 第2フェーズを通じて被処理樹脂22が灰化されると、被処理樹脂22に残存していた炭素成分等は、二酸化炭素または一酸化炭素のガスのような処理ガスとなって排気ライン150から排出される。第2フェーズの二酸化炭素濃度も、温度の上昇とともに上昇し、高い値がある時間維持された後、酸化される成分の消費に応じて低下してゆく。第2フェーズにおいても、第1フェーズと同様に、二酸化炭素センサー156から得られる二酸化炭素濃度の値は、被処理樹脂22において酸化される単位時間あたりの炭素量を示す直接的な指標であり、被処理樹脂22において酸化される全成分に対する間接的な指標である。
 こうして、被処理樹脂20の供給されたもの(被処理樹脂22)は、ステージ112に載置された状態で減容処理される。この減容処理は、ステージ112による加熱処理と、酸素プラズマPによる酸化処理とによって行われる。すなわち、減容処理装置110は、被処理樹脂22を加熱処理し、被処理樹脂22それ自体と被処理樹脂22から放出されるガスとの少なくともいずれかまたは両方を、酸素プラズマPによって酸化処理する。第2フェーズによって減容処理されると、被処理樹脂22からはステージ112に載置された状態の固形分(残渣固形物)が得られる。
 そして、第2フェーズを終えると、CCP用電力供給系180とICP用電力供給系190が停止されてプラズマの励起が停止され、ステージ加熱も停止されることによって、減容処理を停止させる。処理終了後、残渣固形物は排出機構162によってステージ112から除去されて真空容器114の外部に排出される。排出機構162には、回収ノズル166を備える吸引パイプ164が配置されている。吸引パイプ164は、排出側ゲートバルブG2が開いている状態で回収ノズル166の位置をステージ112上の残渣固形物の吸引に適する位置に駆動するための排出駆動機構168に接続されている。吸引パイプ164によって吸引された残渣固形物は、気流中から残渣固形物を回収するためのバグフィルターやサイクロン(いずれも図示しない)を通して飛散を防止しながら回収され、残渣固形物容器170に一時的に貯留される。この残渣固形物容器170には、最終的な残渣固形物に残留している放射能を測定するための追加の放射能計172が備えられている。残渣固形物容器170の残渣固形物は、その後に、例えばセメントによって封じられたり、または、砂をかぶせられたりして安全性が高められ、例えば最終処分地などの適当な設備に運搬されて半永久的な保管によって処分される。
 以上に説明した各処理は、コンピューター176によって直接またはシーケンス制御部174によって各処理が指示される。最後に、必要に応じて、処理後の残渣固形物の放射能が追加の放射能計172によって測定される。
 次に、本実施形態の減容処理装置110の動作において、CCP用電力供給系180とICP用電力供給系190とを同時に用いる動作について詳述する。
[2-2 プラズマの点弧と励起]
 上述した全体的な動作を実現するために、減容処理装置110においては、第1フェーズの開始時にプラズマを点弧する必要がある。また、励起されているプラズマの消弧を防止するためには、プラズマの励起状態を安定させる必要がある。本実施形態に採用されるCCP用電力供給系180とICP用電力供給系190とによる動作をこれらに関連して説明する。
[2-2-1 CCP用電源の作用]
 まず、本願の発明者が考えるCCP用電力供給系180の作用について説明する。上述したように、CCP用電力供給系180は、容量結合によって真空容器114内の空間Sに電圧または電界を生じさせるように動作する。この電圧または電界は、酸素プラズマの点弧を容易にする点弧容易化の効果を有している。また、この電圧または電界は、励起されている酸素プラズマの消弧を防止する消弧防止の効果をも有している。具体的には、空間Sに電圧または電界が生成されると、減圧状態にある酸素は容易に電離してイオン化する。このため酸素は容易にプラズマ化する。この減圧状態は、後述する減圧処理に適する程度の圧力、例えば、10Torr程度の圧力であっても構わない。つまりCCP用電力供給系180を動作させれば、プラズマの点弧を容易にする目的で真空容器114の圧力を低下させる必要はない。なお、仮にCCP用電力供給系180を利用せず、ICP用電力供給系190のみによってプラズマを点弧しようとした場合には、同じ電力では同等の電圧つまり電界が生成されない。また、通常これらの装置が動作する圧力領域は、パッシェンカーブの最小値より右側の領域、つまり、放電のために要する電圧または電界が圧力の上昇とともに上昇する領域である。これらの理由から、ICP用電力供給系190のみを用いた場合には、酸素プラズマを容易に点弧するために、より低い圧力とする必要がある。さらに、消弧防止性についても、空間Sに対してCCP用電力供給系180がもたらす電圧または電界による電離作用が役に立っている。
[2-2-2 ICP用電源の作用]
 次に、ICP用電力供給系190の作用について説明する。このICP用電力供給系190は、酸素プラズマPを高密度化するように働く。ICP用電力供給系190による電力によって高周波コイル142の近傍つまり頂部壁114Rの直下には電磁誘導によって高い密度の酸素プラズマPが生成されるため、減容処理における単位時間あたりの処理量すなわち処理速度を高めることが可能である。
[2-2-3 CCP用電源とICP用電源の同時使用による効果]
 そして、CCP用電力供給系180とICP用電力供給系190とを同時に動作させると、高周波コイル142には、CCP用電力供給系180からの電力(CCP用電力)と、ICP用電力供給系190からの電力(ICP用電力)とが重畳して投入される。これは、最終的には、CCP用電力による電圧または電界と、ICP用電力による電磁誘導とが空間Sに対して同時に作用する状態を作り出す。ここで、空間Sにおいて誘導結合のみによって励起されるICプラズマが生成されている従来の場合、ICP用電力は、プラズマを高密度化する作用を持つ。ところがその高密度化は、プラズマ中の電離したイオンの示す導電性がICP用電力と誘導的に結合して達成される。逆に、プラズマが点弧されていない状態や消弧してしまった状態では、ICP用電力を高めても、高周波コイル142における電流を増大させるばかりとなってしまう。これに対し、本実施形態のようにCCP用電力をICP電力に重畳して投入すると、プラズマ化していない酸素分子に対しても電離作用をもたらす。そのため、CCP用電力をICP用電力に重畳させると、酸素プラズマの点弧を助けるとともに、一旦励起されたプラズマの消弧を防止する役割を果たす。
[2-2-3-1 プラズマの点弧動作]
 プラズマを点弧するタイミングは、図3(a)の時間Aに示すタイミング、すなわち、第1フェーズの処理を開始するタイミングである。そのタイミングを詳細に説明すると、まず減容処理の最初の処理として、放射能計102によって、初期の放射能を測定する処理が実行される。次いで、供給側ゲートバルブG1を開放して初期に投入されるサブバッチ(第1サブバッチ)の被処理樹脂22が供給され、再び供給側ゲートバルブG1が閉止される。これは、定量マス124によって定容積の被処理樹脂22を供給する処理であり、第1サブバッチとしてあらかじめ真空容器114のステージ112に被処理樹脂22を載置する処理である。その後、真空容器114内が減圧される。その圧力は、例えば、第1フェーズの減容処理に適する圧力として、10Torr(1.3kPa)程度の圧力が選択される。目的の圧力に到達すると、第1フェーズの減容処理を開始するために、ステージ112がヒーター116によって400℃に昇温される。次いで、二酸化炭素センサー156による二酸化炭素ガス濃度の計測が開始される。なお、ステージの昇温と二酸化炭素ガスの計測開始の順序は逆であっても構わない。その後プラズマが点弧される。本実施形態の減容処理装置110においては、上述した第1フェーズの処理に適する圧力に自動制御したままプラズマを点弧することが可能である。
 より具体的には、このプラズマの点弧の際には、まず、CCP用電力供給系180によって高周波コイル142に13.56MHzなどのCCP用周波数の電力(CCP用電力)の供給が開始される。この際、この電力は、真空容器114やステージ112など、接地されている導体部分に対して高周波コイル142の電圧を振動させるように作用する。その電圧は、空間Sに対する電界となって作用し、導入されている酸素をプラズマ化する。このようにして酸素プラズマが点弧される。このために必要なCCP用電力供給系180の出力は、例えば1kW程度の出力である。本実施形態の減容処理装置110においては、この点弧するためには、従来の減容処理装置のように、圧力を減容処理に適する圧力よりも低下させたり、その後に減容処理のための圧力に戻すような操作は必要ない。その後、プラズマの密度を高めるために役立つ誘導結合による電力供給を行なうために、ICP用電力供給系190からICP用電力を出力する。なお、CCP用電力供給系180のCCP用電力の出力は、よりプラズマの励起状態を安定させるために、例えば2kW程度まで高める。また、ICP用電力供給系190のICP用電力の出力は、任意の出力とすることが可能である。
[2-2-3-2 第1フェーズの樹脂投入時におけるプラズマの安定化]
 処理を開始すると、二酸化炭素ガスの濃度は、図3(a)の曲線204に示したように変化する。時間A以降は、供給された被処理樹脂22の第1サブバッチが処理されている。この処理を開始すると、二酸化炭素ガスの濃度が次第に増加し、その後、最大値となった後、今度は当該濃度が低下し始める。ここで、二酸化炭素ガスの濃度が増加する段階である時間B1においては、供給された被処理樹脂22の第1サブバッチから多量の水分(図示しない)が水蒸気となって放出されており、この水分が励起されている酸素プラズマPの安定性に悪影響を与える。本実施形態においては、この際にも、CCP用電力供給系180からCCP用電力を出力して空間Sに電圧または電界を生成させておき、同時に、ICP用電力供給系190からのICP用電力による作用を空間Sに作用させる。こうして、供給された被処理樹脂22の第1サブバッチから放出される水分が存在しても、高い密度の酸素プラズマは安定してプラズマ状態を維持することが可能となる。
 時間B1におけるこの作用は、被処理樹脂20の第2サブバッチ、第3サブバッチ、そして第4サブバッチが追加投入される時点でも同様に作用する。これらのタイミングを図3(a)において時間B2、B3およびB4として明示している。被処理樹脂20を追加投入するいずれのタイミングにおいても、CCP用電力供給系180からのCCP用電力を出力し、同時に、ICP用電力供給系190からもICP用電力を出力することにより、高密度の酸素プラズマを安定して励起し続けることが可能となる。
 なお、第2~第4サブバッチの投入の際には、供給側ゲートバルブG1が開放され、各サブバッチとなる被処理樹脂20が投入され、その後に再び供給側ゲートバルブG1を閉止する処理によって行なわれる。供給側ゲートバルブG1の両側は排気されているため、供給側ゲートバルブG1の開放が行なわれても、真空容器114の圧力の変化は生じない。
 減容処理装置110の処理を行う際には、二酸化炭素センサー156の出力が監視されている。例えば、二酸化炭素ガスの濃度の測定値が最大値から90%程度まで低下するまでは、最大値のままであると判断して監視が継続される。そして、例えば90%を下回ることによってその最大値から低下したと判断されると、処理中のサブバッチの次のサブバッチの樹脂が追加投入される。本実施形態の減容処理装置110の動作においては、このように監視されている二酸化炭素センサー156の出力に基づく処理の進行に合せて、CCP用電力供給系180によるCCP用電力の出力を制御することも可能である。というのは、追加のサブバッチを投入した後に水蒸気が発生する期間は、追加のサブバッチの投入後のある期間であることが経験的に確認されているためである。このような制御を行なう場合、CCP用電力供給系180によるCCP用電力の出力は、追加のサブバッチを投入する時点までに開始され、実験に基づいて決まる所定期間の間その出力が継続され、その所定期間が過ぎると、CCP用電力供給系180によるCCP用電力の出力が停止される。
 同様の処理がすべてのサブバッチに対して行なわれると、第1フェーズの処理が完了する。
[2-3 第2フェーズへの移行におけるガスの供給条件の変更]
 第1フェーズの処理が完了すると、ステージ112には、供給された被処理樹脂22の炭化したものが配置された状態になっている。本実施形態の減容処理装置110においては、第2フェーズの処理としてこれを灰化する処理が行われる。そのためには、まず、ステージの温度が700℃に昇温される。次に、ガスの供給条件が、第1フェーズのものから第2フェーズの処理条件にあわせたものに変更される。このガスの供給条件の変更には、真空容器114内部の圧力変更といった各種の条件の変更と、酸素ガスの流量や供給方向の変更とを含んでいる。なお、ガスの供給条件は、プラズマ条件のうち、プラズマの安定性に影響するようなガスに関する任意の条件を含むことができる。
[2-3-1 圧力変更]
 本実施形態において、第1フェーズと第2フェーズとにおいて変更されるガスの供給条件には、真空容器114の内部の圧力が含まれている。これは第1フェーズと第2フェーズのそれぞれの減容処理に適する圧力が異なるためである。本実施形態においては、第2フェーズの圧力は、例えば約10Torr(1.3kPa)に設定される。これに対して、第2フェーズの圧力は、例えば30~50Torr(約4.0~6.7kPa)に設定される。
 このように、第1フェーズと第2フェーズの間で圧力が異なる場合に急激に圧力を変化させると、ICP用電力のみによって酸素プラズマを励起している従来の手法であればプラズマが消弧してしまう確率が高まる。従来は圧力の変化による消弧を防止するために、第1フェーズの圧力から第2フェーズの圧力へと段階的または連続的に変化させている。これに対して本実施形態においては、この第1フェーズの圧力から第2フェーズの圧力へ変更するタイミングにおいて、CCP用電力供給系180によるCCP用電力の出力をICP用電力供給系190によるICP用電源の出力とともに利用する。このCCP用電力とICP用電源との併用の動作によって、圧力が急に変更されたとしてもプラズマの励起状態を安定して維持することが可能になる。このために必要なCCP用電力供給系180の出力は、例えば1kW程度の出力である。なお、真空容器114の圧力の制御は、圧力制御部158がAPCとして自動制御を行なう圧力指令値を変化させることによって行なう。
[2-3-2 ガス供給パターン変更]
 第1フェーズと第2フェーズとにおけるガスの供給条件では、酸素ガスの供給方向のパターンが互いに異なっている。つまり、第1フェーズでは、主として旋回流のパターンにより酸素が供給されるのに対し、第2フェーズでは、その旋回流成分と、軸に向かって集まる集中流成分とを組み合わせたパターンにより酸素が供給される。ここで、旋回流とは、概して、ステージ112の中心軸と同軸の円筒形状に作製されている真空容器114において、円筒の内側壁に沿い、ほぼステージ112含まれる面に沿うような向きであり、その円筒形の空間Sにおいて酸素ガスの渦が生成されるように向かう向きである。また、軸に向かって集まる集中流成分とは、真空容器114の内壁からステージ112の軸に向かう向きの成分である。図4は、真空容器114の水平断面図によって、旋回流(図4(a))と集中流(図4(b))と、第1フェーズの気流(第1パターン、図4(c))と、第2フェーズの気流(第2パターン、図4(d))とを説明する説明図である。これらのガスの導入のために、真空容器114の内壁には、旋回流のために周に沿った一方向周りに回る向きに向けて、また、集中流のためには軸に向けて、いくつかのガス導入口が設けられている。図1においては、ガス供給ライン130Aからの導入方向が、真空容器114の左側内側面で紙面に向かう向きに、また、真空容器114の右側内側面で紙面から飛び出す向きに描かれている。また、ガス供給ライン130Bからの導入方向は、真空容器114の内側面から中央に向かう向きに描かれている。また、各ガス導入口に対する流量は、ガス供給ライン130Aまたは130Bに含まれている旋回流のためのレギュレータバルブ134Aおよび集中流のためのレギュレータバルブ134Bそれぞれの開閉状態と流量と調整することによって実現される。
 これらのパターンにより酸素ガスが供給される理由は次の通りである。まず第1フェーズでは、供給された被処理樹脂22から放出された分解ガスを酸化する処理を行なうことが主な減容処理となる。このため、第1フェーズの酸素プラズマでは分解ガスをできる限り効率よく酸化するための処理が行なわれる。そのためには、ステージ112に載置されている供給された被処理樹脂22に対して酸素ガスを向けるよりは、空間Sに向かう酸素ガスを増やす必要がある。そのため、第1フェーズでは酸素ガスの向きが旋回流とされる(図4(c))。これに対して第2フェーズでは、供給された被処理樹脂22が炭化した状態になっており、その炭化した残渣固形物を灰化する処理が主な処理である。このためには、酸素プラズマによって活性化された酸素を効率良く供給された被処理樹脂22に供給する必要がある。というのも、炭化した残渣固形物に対してステージ112から熱を加え続けるだけでは灰化は灰化が進みにくく、その灰化のために必要な活性化された酸素ガスを「送風」するような向きが好ましいいからである。集中流の成分を含むようなパターンを採用すると、ステージ112の上方の空間に酸素が供給され、供給された被処理樹脂22に向かうダウンフローとして酸素プラズマから活性化された酸素が供給され、同時に、供給された被処理樹脂22から発生した二酸化炭素などの炭素含有ガスが除去される。したがって、この目的に適うように、旋回流に集中流を組み合わせた気流(図4(d))が供給される。なお、第2フェーズのパターンにおいて旋回流の成分を残しているのは、集中流のみによって減容処理に適する流量の酸素を供給すると、ダウンフローが強くなりすぎるためである。いわば、集中流に旋回流を組み合わせることによって、減容処理に適する流量の酸素を供給しつつ、適度なダウンフローを実際しているのである。このように酸素の供給パターンを設定するためには、集中流と旋回流の比率が調整される。
 上述したように、ICP用電力供給系190のみによるICP用電源の出力によってICプラズマとして酸素プラズマを励起している場合には、酸素の供給のパターンを急激に変化させるとICプラズマとして励起されている酸素プラズマは消弧しかねない。また、従来の段階的または連続的に酸素の供給のパターンを変更する処理を行なっても、プラズマの消弧の可能性が皆無となるものではない。本実施形態においては、ICP用電力供給系190からのICP用電源の出力に加えてCCP用電力供給系180からのCCP用電力の出力も利用するため、酸素の供給の向きを変化するタイミングにおいてプラズマが消弧する可能性を低下させることが可能である。したがって、従来のように段階的または連続的な酸素の供給の向きの変更といった処理は必要ではない。例えば第1フェーズに適する旋回流のパターンから、第2フェーズに適する旋回流と集中流との組み合わせのパターンへと酸素の供給のパターンを急激に変化させても、プラズマは安定して励起された状態を維持することが可能である。
[2-4 オプション:定常動作時の同時使用]
 上述した本実施形態において、CCP用電力供給系180からCCP用電力が出力されるのは、プラズマの点弧のタイミング、第1フェーズにおける被処理樹脂の追加投入のタイミング、そして、第1フェーズから第2フェーズへの移行のタイミングのうちのいずれかまたはすべてにおいてである。これらのいずれかのタイミングにおいて出力されるCCP用電力供給系180からのCCP用電力は、空間Sに電圧または電界として作用して、プラズマの点弧を容易にし、また、消弧を防止する効果を発揮する。必要に応じ、これらのタイミングのうちの一部または全部を適宜に選択してCCP用電力供給系180を動作させることは、本実施形態に含まれている。
 本実施形態においては、任意選択として、CCP用電力供給系180からのCCP用電力を継続して出力するように動作させることもできる。その効果は、一つには、上述の各タイミングにおける作用と同様に不意の酸素プラズマの消弧を未然に防止することができる点にある。もう一つ別の効果として、ICP用電力供給系190からのICP用電源の出力のみを用いる場合に比べて、処理速度を高めることが可能となる効果もある。この処理速度を高める効果は、従来、ICプラズマのみでは酸素流量が制限されることと関係している。本実施形態のCCP用電力供給系180からのCCP用電力の出力を利用すれば、プラズマの安定性が高まるため、従来採用することが難しかった増大された酸素流量によって減容処理装置110を動作させることが可能となる。その結果、分解ガスの酸化または供給された被処理樹脂22の残渣固形物の酸化の速度を高めることが可能となって、減容処理装置110による処理速度を増大させることができる。
 このような効果を期待してCCP用電力供給系180からのCCP用電力を出力するタイミングは、第1フェーズおよび第2フェーズの処理を行なう任意のタイミングである。例えば、CCP用電力供給系180からのCCP用電力を出力するのは、図3(a)に示した時間B1から時間B2に至る任意の期間、時間B2から時間B3に至る任意の期間、そして時間B3から時間B4に至る任意の期間において、任意の一部または全部の期間である。これらのうちのいずれかの期間においてCCP用電力供給系180からCCP用電力を出力すれば、第1フェーズにおける分解ガスを酸化する際の処理速度を高めることが可能になる。また、別の期間として、時間C以降の任意のタイミングにCCP用電力供給系180からのCCP用電力を出力することも有用である。時間C以降の任意の期間においてCCP用電力供給系180からCCP用電力を出力すれば、第2フェーズにおいて供給された被処理樹脂22の残渣固形物を酸化する際の処理速度を高めることが可能になる。
[実施例]
 上述した実施形態に従う動作可能な減容処理装置110の実施例を作製した。具体的には、図2に示したCCP用電力供給系180およびICP用電力供給系190を、表1に示す回路部材によって作製した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
なお、表1に記載の構成部品の回路定数は、実際の部品では単独ではなく組み合わせることによって必要な回路定数に適合させるものが含まれている。例えば、ICP用マッチング回路194に用いるキャパシターC2(2500pF)は、1000pFのキャパシター2個と500pFのキャパシター1個を並列接続して実現される合成の容量によって実装することができる。
 以上のようにして作製されたCCP用電力供給系180およびICP用電力供給系190によって、実際に減容処理装置110の酸素プラズマPの点弧の容易性と、励起した酸素プラズマPの安定性を評価した。その結果、CCP用電力供給系180を利用せずにICP用電力供給系190のみを用いた場合に比べて、酸素プラズマPを容易に点弧することかできた。具体的には、真空容器114の圧力を点弧のために低下させる必要なく、10Torr(1.3kPa)の圧力に保ったまま、CCP用電力供給系180から高周波コイル142に出力される13.56MHzの出力を約1kWとすることにより、酸素プラズマPを点弧することができた。その後、より高い安定性を得るためにCCP用電力供給系180からの出力を約2kWに上昇させ、ICP用電力供給系190から高周波コイル142に出力される2MHzの出力を約3kWにまで高めその出力を維持したところ、高密度のプラズマが生成して減容処理を行なうことができた。このプラズマは、第1フェーズの時間A(図3)において容易に点弧されたばかりか、時間B1、B2、B3およびB4のいずれの際にも消弧せず安定して励起されていた。
 さらに、第1フェーズから第2フェーズに移行する際に、真空容器114の圧力を50Torr(約6.7kPa)に高めるとともに、レギュレータバルブ134Aとレギュレータバルブ134Bとを制御して旋回流から、旋回流と集中流との組み合わせへと変更した。その時間Cの際にも、励起されていたプラズマは消弧せず、安定したプラズマを励起し続けることが可能であった。
<第1実施形態:変形例>
 本発明の上述した第1実施形態はその趣旨を保って種々変形することが可能である。特に、容量結合による電圧または電界を空間Sにおいて生成するために、高周波コイル142とは別の電極を通じてCCP用電力供給系180からのCCP用電力の出力を空間S(図1)に作用させるように構成することも可能である。図5は、真空容器114の頂部壁114Rの大気側の面に配置される複数の電極の構成と、それらに対するCCP用電力供給系およびICP用電力供給系の接続の様子とを示す説明図である。図5(a)は、ICP用電力供給系190Aに接続された高周波コイル142の中心部に円板電極144を配置し、その円板電極144にCCP用電力供給系180AからのCCP用電力を出力する例を示している。また、図5(b)は、ICP用電力供給系190Bに接続された高周波コイル142の外周部にリング電極146を配置し、そのリング電極146にCCP用電力供給系180BからのCCP用電力を出力する例を示している。
 図5(a)および(b)に示すいずれの場合においても、高周波コイル142にICP用電力供給系190Aおよびら190BからのICP用電源192Aおよび192Bの出力としての電流が流れることにより、空間Sには、プラズマの密度を高める作用がもたらされる。これらの場合、高周波コイル142はICP用電力を空間Sに誘導結合するためにのみ用いられるため、ICP用コイルとしてのみ機能する。図5(a)に示した円板電極144を用いる場合、CCP用電力供給系180AのCCP用電源182AからのCCP用電力の出力は、円板電極144と真空容器114との間の空間Sに電圧または電界として作用し、プラズマの点弧を容易にする作用や、プラズマを安定化する作用が実現する。また、図5(b)に示したリング電極146を用いる場合にも、CCP用電力供給系180BのCCP用電源182BからのCCP用電力の出力は、リング電極146と真空容器114との間の空間Sに電圧または電界として作用し、プラズマの点弧を容易にする作用や、プラズマを安定化する作用が実現する。真空容器114もGND接地されて接地レベルの電位に保たれているため(図1)、円板電極144またはリング電極146は、真空容器11と等しい電位にある導電性の部材との間で空間Sに電界をつくるキャパシターをなしている。
 図5に示したように、CCP用電力供給系180Aまたは180BからのCCP用電力が高周波コイル142とは別の電極に出力される場合、CCP用電力供給系180Aまたは180Bと、ICP用電力供給系190Aまたは190Bとの両方の出力が互いに直接接続されなくなる。これらのように、高周波コイル142とは別の電極が利用される場合、高周波コイル142と円板電極144の具体的な構成や、高周波コイル142とリング電極146の具体的な構成によっては、CCP用電源182Aまたは182BとICP用電源192Aまたは192Bとが相互に及ぼす影響が低減される。そのような場合、図2に示していたICP周波数阻止回路188やCCP周波数阻止回路198は、省略されたり簡易な構成のものに変更されたりする。ただし、高周波コイル142と円板電極144の具体的な構成や、高周波コイル142とリング電極146の具体的な構成によっては、CCP用電源182Aまたは182BとICP用電源192Aまたは192Bが互いに及ぼす影響が依然として問題となる場合がある。そのような場合には、図2に示していたICP周波数阻止回路188やCCP周波数阻止回路198と同様の互いの周波数成分を阻止する阻止回路を装備しておく。
 なお、図5に示した例では円板電極144とリング電極146とのうちの一方のみを用いる変形例を示していた。これらのうちのいずれを用いるかは、例えば空間Sに生じる電界強度や、プラズマに対して投入されるCCP用電力の強さなどを勘案して適宜に選択される。また、円板電極144とリング電極146との両者を設けてこれらに対してCCP用電力を供給することや、空間Sに電界を生じさせるような他の位置に、別の形態の電極を設けてCCP用電力を供給するようにすることも本実施形態には含まれている。
 以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。上述の各実施形態および実施例は、発明を説明するために記載されたものであり、本出願の発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきものである。また、各実施形態の他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
 本発明は、樹脂の処理を安定して実行しうる減容処理装置およびその動作方法を提供することにより、原子力関連設備の運転から排出される廃棄物の減容処理を容易にする。
 1000 減容処理システム
 20 被処理樹脂
 22 供給された被処理樹脂
 102 放射能計
 110 減容処理装置
 112 ステージ
 114 真空容器
 114R 頂部壁
 116 ヒーター
 118 ステージ駆動機構
 120 加熱用電源
 122 供給機構
 124 定量マス
 126 アーム
 128 定量マス駆動機構
 130A、130B ガス供給ライン
 132 酸素ボンベ
 134A、134B レギュレータバルブ
 142 高周波コイル
 144 円板電極
 146 リング電極
 150 排気ライン
 152 排気バルブ
 154 真空ポンプ
 156 二酸化炭素センサー
 158 圧力制御部
 160 圧力センサー
 162 排出機構
 166 回収ノズル
 164 吸引パイプ
 170 残渣固形物容器
 172 追加の放射能計
 174 シーケンス制御部
 176 コンピューター
 180、180A、180B CCP用電力供給系
 180P、180N CCP出力
 182、182A、182B CCP用電源
 184 CCP用マッチング回路
 186 CCP用高周波電力源
 188 ICP周波数阻止回路
 188A 直列共振回路
 188B 並列共振回路
 190、190A、190B ICP用電力供給系
 190P、190N ICP出力
 192、192A、192B ICP用電源
 194 ICP用マッチング回路
 196 ICP用高周波電力源
 198 CCP周波数阻止回路
 198A、198B 並列共振回路
 202 曲線(ステージの温度)
 204 曲線(二酸化炭素濃度の値)
 214 曲線(推定減重率)
 C1~C3 キャパシター
 CV1~CV5 可変キャパシター
 L1~L5 リアクタンス
 LV1 可変リアクタンス
 G1 供給側ゲートバルブ
 G2 排出側ゲートバルブ
 P プラズマ
 S 空間
 GND 接地
 VPP 電圧振幅(ピーク・トゥー・ピーク)
 IP ピーク電流

Claims (14)

  1.  放射性物質を伴う被処理樹脂を載置するようになっており、真空容器内に配置されている昇温可能なステージと、
     前記真空容器内の前記ステージの上方の空間に容量結合により電圧または電界を供給するためのCCP用電源と、
     前記空間に励起される酸素プラズマに対して誘導結合により電力を供給するためのICP用電源と
     を備え、
     前記CCP用電源が、前記酸素プラズマを点弧させる電圧または電界を前記空間に供給するものである
     減容処理装置。
  2.  放射性物質を伴う被処理樹脂を載置するようになっており、真空容器内に配置されている昇温可能なステージと、
     前記真空容器内の前記ステージの上方の空間に容量結合により電圧または電界を供給するためのCCP用電源と、
     前記空間に励起されている酸素プラズマに対して誘導結合により電力を供給するためのICP用電源と、
     前記真空容器の減圧状態を維持したまま前記ステージに前記被処理樹脂を供給するようになっている供給機構と
     を備え、
     前記被処理樹脂が前記供給機構によって前記ステージに供給される際に、前記CCP用電源が前記電圧または電界を供給する
     減容処理装置。
  3.  前記被処理樹脂が水分を含んでおり、前記供給機構により前記ステージに供給された該被処理樹脂が水蒸気を放出する
     請求項2に記載の減容処理装置。
  4.  放射性物質を伴う被処理樹脂を載置するようになっており、真空容器内に配置されている昇温可能なステージと、
     前記真空容器内の前記ステージの上方の空間に容量結合により電圧または電界を供給するためのCCP用電源と、
     前記空間に励起されている酸素プラズマに対して誘導結合により電力を供給するためのICP用電源と、
     前記真空容器内の前記空間に供給されるガスの供給条件を、第1ガス条件から、該第1ガス条件とは別の第2ガス条件へと変更するためのガス条件制御部と
     を備え、
     前記供給条件が該ガス条件制御部によって変更される際に、前記CCP用電源が前記電圧または電界を供給する
     減容処理装置。
  5.  前記真空容器内の前記ステージの上方の空間に対して直接的または前記真空容器の絶縁壁を介して間接的に面する位置に配置されており、前記ICP用電源と前記CCP用電源との両者に接続されているコイル
     をさらに備える
     請求項1、請求項2、請求項4のいずれか1項に記載の減容処理装置。
  6.  前記ICP用電源の出力と前記CCP用電源の出力とがともに前記コイルに電気的に接続されており、
     該ICP用電源は、ICP用周波数の電力を出力し、該ICP用電源には、該CCP用電源からの出力を阻止するCCP周波数阻止回路が接続されており、
     該CCP用電源は、CCP用周波数の電力を出力し、該CCP用電源には、該ICP用電源からの出力を阻止するICP周波数阻止回路が接続されている
     請求項5に記載の減容処理装置。
  7.  前記真空容器内の前記ステージの上方の空間に対して直接的または前記真空容器の絶縁壁を介して間接的に面する位置に配置されている、前記ICP用電源に電気的に接続されたICP用コイルと、
     該ICP用コイルによって囲まれた中心部と該ICP用コイルを取り囲む周辺部とのうちの少なくともいずれかの位置に配置されている、前記CCP用電源に電気的に接続されたCCP用電極と
     をさらに備える
     請求項1、請求項2、請求項4のいずれか1項に記載の減容処理装置。
  8.  真空容器内に配置されており、放射性物質を伴う被処理樹脂を載置するステージによって該被処理樹脂を加熱するステップと、
     前記真空容器内の前記ステージの上方の空間に容量結合により電圧または電界を供給するステップと、
     CCP用電源が、酸素プラズマを点弧させる電圧または電界を容量結合により前記空間に供給するステップと、
     ICP用電源が、前記空間に励起されている酸素プラズマに対して誘導結合により電力を供給するステップと
     を含む
     減容処理装置の動作方法。
  9.  真空容器内に配置されており、放射性物質を伴う被処理樹脂を載置するステージによって該被処理樹脂を加熱するステップと、
     前記真空容器内の前記ステージの上方の空間に容量結合により電圧または電界を供給するステップと、
     ICP用電源により、前記空間に励起されている酸素プラズマに対して誘導結合により電力を供給するステップと、
     供給機構により、減圧状態に維持されている前記真空容器の前記ステージに、前記被処理樹脂を供給するステップと
     を含んでおり、
     前記被処理樹脂が前記供給機構によって前記ステージに供給される際に、前記CCP用電源が前記電圧または電界を供給する
     減容処理装置の動作方法。
  10.  真空容器内に配置されおり、放射性物質を伴う被処理樹脂を載置するステージによって該被処理樹脂を加熱するステップと、
     前記真空容器内の前記ステージの上方の空間に容量結合により電圧または電界を供給するステップと、
     ICP用電源により、前記空間に励起されている酸素プラズマに対して誘導結合により電力を供給するステップと、
     ガス条件制御部により、前記真空容器内の前記空間に供給されるガスの供給条件を、第1ガス条件から、該第1ガス条件とは別の第2ガス条件へと変更するステップと
     を含んでおり、
     前記供給条件が前記ガス条件制御部により変更される際に、前記CCP用電源が前記電圧または電界を供給する
     減容処理装置の動作方法。
  11.  前記第1ガス条件は、前記真空容器内の圧力を第1圧力へと設定することを含んでおり、
     前記第2ガス条件は、前記真空容器内の圧力を、前記第1圧力よりも高い圧力である第2圧力へと設定することを含んでいる
     請求項10に記載の減容処理装置の動作方法。
  12.  前記第1ガス条件は、前記真空容器内へのガスの供給方向のパターンを第1パターンへと設定することを含んでおり、
     前記第2ガス条件は、前記真空容器内へのガスの供給方向のパターンを、前記第1パターンとは別の第2パターンへと設定することを含んでいる
     請求項10に記載の減容処理装置の動作方法。
  13.  前記被処理樹脂が加熱分解を起こす第1温度に前記ステージの温度を設定し、分解または炭化によって前記被処理樹脂から放出されたガスを前記酸素プラズマによって酸化する第1処理ステップと、
     該第1処理ステップの後に、前記第1温度よりも高い温度である第2温度に前記ステージの温度を設定し、前記第1処理を経た前記被処理樹脂それ自体を前記酸素プラズマによって分解または酸化することによって前記被処理樹脂を灰化する第2処理ステップと
     を含み、
     前記第1処理から前記第2処理へと動作が切り替えられる際に、前記ガス条件制御部が、前記第1ガス条件から前記第2ガス条件へと前記供給条件を変更する
     請求項12に記載の減容処理装置の動作方法。
  14.  前記CCP用電源を作動させないとした場合に前記酸素プラズマを安定して励起させることが可能な酸素流量の上限値よりも増大された酸素流量で前記減容処理装置が動作しており、
     該増大された酸素流量によって前記減容処理装置が動作している間、前記CCP用電源による前記電圧の出力が継続されている
     請求項8乃至請求項10のいずれか1項に記載の減容処理装置の動作方法。
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