WO2012053547A1 - 美容器 - Google Patents

Abstract

　ハンドル（１２）には、マッサージ用のボール（２３）が設けられている。ハンドル（１２）には、ボール（２３）の直径より小さい開口（２１ｂ）が設けられている。ボール（２３）は、その一部を開口（２１ｂ）から露出させると共に、回転可能にかつハンドル（１２）の軸線に沿って移動可能に設けられている。ハンドル（１２）の内部には、ボール（２３）を受けるためのボール受け面（２２ａ）を有するボール支持部材（２２）が設けられている。ボール受け面（２２ａ）の曲率は、ボール（２３）の球面の曲率よりも大きい。ボール（２３）がハンドル（１２）の開口（２１ｂ）の周縁部に係合した状態で、ボール（２３）とボール受け面（２２ａ）との間には、隙間（Ｓ１）が形成される。

Description

美容器

　この発明は、マッサージ用のボールにより血流等を促して美しい肌を実現する美容器に関する。

　従来より、ハンドルに設けられたマッサージ用のボールによって、顔や腕等の肌をマッサージするようにした美容器が提案されている。例えば、特許文献１に記載のローラ装置は、ハンドルと、ハンドルに設けられた円柱状のボールホルダとを備えている。ボールホルダの外周面には、軸線方向に延びる複数の溝が形成されている。各溝内には、複数のボールがその外周面の一部を露出させて収容されている。特許文献２に記載の美顔ローラは、ほぼ半球状のハンドルを備えている。ハンドルの端面には、複数のボール取付孔が形成されている。各ボール取付孔には、ツメを有するボール支え体が一つずつ取り付けられている。各ボール支え体には、一つのボールが回転自在に支持されている。

　ところが、特許文献１に記載の構成では、以下のような問題があった。即ち、図６（ａ）に示すように、ボールホルダ４１には、ボール４２の球面と同一の曲率を有するボール受け面４１ａが形成されている。この場合、ボール受け面４１ａとボール４２の外周面との接触面積が広くなる。このため、ボール４２の回転時に大きな摩擦抵抗が作用し、ボールが回転し難くなることがあった。また、ボールを摩擦抵抗に抗して無理に回転させると、ボール４２の外周面とボール受け面４１ａとが擦れ合う。このため、ボール４２の外周面に傷が発生し易かった。

　また、特許文献２に記載の構成でも、以下のような問題があった。即ち、各ボールを複数のボール支え体のそれぞれに回転自在に取り付けてから、各ボール支え体を複数のボール取付孔のそれぞれに取り付ける必要がある。そのため、ボールの支持構造が複雑になり、製造コストが高くなるという問題があった。

　さらに、美容器におけるボールの支持構造として、例えば、図６（ｂ）に示す構造も知られている。この構造によれば、ボール４２が、円錐筒状のボール支持部材４３の先端縁に対し回転自在に支持されている。このため、ボール支持部材４３の先端縁には、ボール４２の外周面と摺接する球面凹状のボール受け面４３ａが形成されている。しかしながら、この構造においても、ボール受け面４３ａの曲率は、ボール４２の球面の曲率と同じである。このため、特許文献１に記載の構成と同様に、ボール４２が回転し難く、ボール４２の外周面に傷が発生し易かった。

実用新案登録第３１３６０６８号公報 実用新案登録第３１５１５９８号公報

　この発明の目的は、ボールが円滑に回転し、ボールの外周面における傷の発生を抑制でき、かつボールの支持構造が簡略化された美容器を提供することにある。

　上記課題を解決するため、本発明の第一の態様によれば、ハンドルと、ハンドルに設けられたマッサージ用のボールとを備える美容器が提供される。ハンドルには、ボールの直径よりも小さい開口が設けられている。ボールは、その一部を開口から露出させると共に、回転可能にかつハンドルの軸線に沿って移動可能に設けられている。ハンドルの内部には、ボールを受けるためのボール受け面を有する支持部材が設けられている。ボール受け面の曲率は、ボールの球面の曲率よりも大きい。

　この構成によれば、支持部材のボール受け面は、ボールの球面の曲率より大きな曲率を有するように形成されている。このため、ボール受け面とボールの外周面とが接触する面積は狭くなる。よって、使用者がボールを顔等の肌に接触させて回転させた場合、ボール受け面とボールの外周面との間の摩擦抵抗が小さくなる。従って、ボールが円滑に回転する。このため、ボールを摩擦抵抗に抗して無理に回転させる必要はない。よって、ボールの外周面とボール受け面とが擦れ合ってボールの外周面に傷が発生することを抑制できる。更に、支持部材に支持ツメ等を設ける必要もない。つまり、ボール受け面を、ボールの球面の曲率より大きな曲率で形成すればよい。このため、ボールの支持構造が簡略化されて、製造コストが低減される。

　上記の美容器において、ボールがハンドルの開口の周縁部に係合した状態で、ボールとボール受け面との間には、隙間が形成されることが好ましい。

　上記の美容器において、ボール及びボール受け面の両方が導電材料によって形成され、ボール受け面が電源に接続されていることが好ましい。

　上記の美容器において、電源は、ハンドルに設けられた太陽電池パネルであることが好ましい。

本発明の一実施形態に係る美容器の平面図。 図１の２－２線に沿った断面図。 図２の３－３線に沿った断面図。 ボール付近を拡大して示す図２の４－４線に沿った断面図。 美容器の回路構成を示すブロック図。 （ａ）及び（ｂ）は従来の美容器を示す部分断面図。

　以下に、この発明を具体化した美容器の一実施形態を、図１～図４に従って説明する。

　図１～図３に示すように、美容器１１は、細長いハンドル１２を備えている。ハンドル１２は、第１ハンドル片１３と、第２ハンドル片１４とに分割されている。第１ハンドル片１３は、ハンドル１２の軸線に沿って延びると共に、例えば、ＡＢＳ：アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂より形成されている。また、第２ハンドル片１４も、第１ハンドル片１３と同じく合成樹脂より形成されている。従って、ハンドル１２は、電気絶縁性を有している。第１ハンドル片１３の上側開口縁には、凹凸部１３ａが形成されている。凹凸部１３ａは、第１ハンドル片１３の両側部のそれぞれに形成されている。第２ハンドル片１４の下側開口縁には、凹凸部１３ａに係合される凹凸部１４ａが形成されている。凹凸部１４ａは、第２ハンドル片１４の両側部のそれぞれに形成されている。凹凸部１３ａと凹凸部１４ａとが互いに係合された状態で、第１及び第２ハンドル片１３，１４の両端部のそれぞれには、円環状の止め輪１５，１６が装着されている。こうして、ハンドル１２が組み付けられている。

　ハンドル１２は、図２に示す左端部に支持軸１７を有している。支持軸１７は、第１及び第２ハンドル片１３，１４間に挟持されている。支持軸１７の先端部は、ハンドル１２内から外方に突出している。支持軸１７の先端部には、支持筒１９及び一対の軸受メタル２０と共に、マッサージ用の回転ローラ１８が装着されている。回転ローラ１８は、円筒状に形成され、かつ支持軸１７に対して回転可能である。回転ローラ１８の外周面には、複数の突条１８ａが形成されている。各突条１８ａは、回転ローラ１８の軸線に沿って延びている。

　回転ローラ１８は、合成樹脂からなる。回転ローラ１８の外周面には、プラチナメッキが施されている。このため、回転ローラ１８の外周面は、導電性を有している。つまり、回転ローラ１８において、外周面は導電材料により形成され、それ以外の部分は電気絶縁材料により形成されている。使用者は、ハンドル１２を把持して美容器１１を以下のように使用する。使用者は、回転ローラ１８の外周面を顔等の肌に接触させて回転ローラ１８をその円周方向に沿って移動させる。こうして、回転ローラ１８は、支持軸１７を中心に回転する。

　図１、図２及び図４に示すように、ハンドル１２は、図２に示す右端にボール収容体２１を有している。ボール収容体２１は、ハンドル１２の一部を構成すると共にテーパ状に形成されている。ボール収容体２１の内周面には、円環状の凹部２１ａが形成されている。一方、ハンドル１２の右端部の外周面には、ボール収容体２１の凹部２１ａに係合される円環状の突部１２ａが形成されている。突部１２ａと凹部２１ａとが係合することにより、ボール収容体２１がハンドル１２の右端に固定されている。ボール支持部材２２は、第１及び第２ハンドル片１３，１４間に挟持されている。ボール支持部材２２の外端面には、球面凹状のボール受け面２２ａが形成されている。ボール収容体２１内には、マッサージ用のボール２３が回転可能に収容されている。ボール２３は、鋼球からなる。ボール２３は、ボール収容体２１の開口２１ｂとボール支持部材２２のボール受け面２２ａとの間に配置されている。ボール２３は、ボール収容体２１内において、ハンドル１２の軸線に沿って移動可能に収容されている。ボール収容体２１の開口２１ｂの直径は、ボール２３の直径よりも小さい。ボール２３は、ボール収容体２１の開口２１ｂから部分的に露出している。

　図２及び図４に示すように、ボール支持部材２２のボール受け面２２ａは、ボール２３の球面より大きな曲率を有するように形成されている。ボール支持部材２２は、例えば、ＡＢＳ：アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂からなる。ボール支持部材２２の外面には、クロムメッキが施されている。このため、ボール受け面２２ａは、導電性を有している。つまり、ボール２３及びボール受け面２２ａの両方が、導電材料によって形成されている。ボール２３の外周面には、ゲルマニウムコーティングが施されている。

　また、図４に実線で示すように、ボール２３は、開口２１ｂから外側へ移動すると、開口２１ｂの周縁部に係合される。この状態で、ボール２３の外周面とボール受け面２２ａとの間には、隙間Ｓ１が形成される。さらに、図４に鎖線で示すように、ボール２３は、ボール支持部材２２のボール受け面２２ａに向けて移動すると、ボール受け面２２ａに接触される。この状態で、ボール２３の外周面と開口２１ｂの周縁部との間には、隙間Ｓ２が形成される。使用者は、ハンドル１２を把持して美容器１１を以下のように使用する。使用者は、ボール２３の外周面を顔等の肌に接触させる。そして、使用者は、ボール２３を横方向に、即ち、ハンドル１２の軸線と直交する方向に沿って移動させる。こうして、ボール２３は、ボール受け面２２ａと接触した状態で回転する。

　図１～図３に示すように、第２ハンドル片１４の上面には、ハンドル１２の軸線に沿って延びる長孔状の取付孔１４ｂが形成されている。取付孔１４ｂ内には、合成樹脂製の保持部材２４が嵌合されている。保持部材２４は、上面に開口を有する略箱形状に形成されている。保持部材２４の開口縁部２４ａは、ハンドル１２の外周面上において露出されている。保持部材２４は、複数のネジ２５により、第１ハンドル片１３に対して固定されている。保持部材２４の開口縁部２４ａや内周面を含む外側面には、クロムメッキが施されている。これにより、保持部材２４の外側面は、導電性を有している。つまり、保持部材２４の外側面及び開口縁部２４ａの両方が、導電材料によって形成されている。保持部材２４の開口には、透明な合成樹脂製のカバー２６が取り付けられている。カバー２６の底面には、透孔２４ｂが形成されている。

　図１～図３に示すように、保持部材２４の下面には、電源としての太陽電池パネル２７が取り付けられている。太陽電池パネル２７は、透孔２４ｂと対応するように配置されている。図５に示すように、太陽電池パネル２７の＋側の端子２７ａには、保持部材２４の外側面が、リード線２８Ａを介して接続されている。一方、太陽電池パネル２７の－側の端子２７ｂには、回転ローラ１８の外周面及びボール支持部材２２のボール受け面２２ａのそれぞれが、リード線２８Ｂを介して接続されている。図４に示すように、リード線２８Ｂの端部には、端子２９が接続されている。端子２９は、ネジ３０により、ボール支持部材２２の内端部に固定されている。

　次に、上記の美容器１１の作用を説明する。

　図５から明らかなように、使用者が美容器１１を把持しない場合、太陽電池パネル２７で発電されても、保持部材２４のメッキ面と回転ローラ１８のメッキ面及びボール２３との間の電気的な接続が遮断されている。一方、使用者がハンドル１２を把持して美容器１１を使用する場合、使用者は、回転ローラ１８の外周面を顔等の肌に接触させて、回転ローラ１８を移動させる。こうして、回転ローラ１８が支持軸１７を中心に回転することにより、回転ローラ１８の外周面にある突条１８ａによって顔等の肌がマッサージされる。これにより、肌の血流が促進される。このとき、図５に示すように、使用者の人体３１における顔等の肌３１ａは、回転ローラ１８の外周面に接触している。それと同時に、人体３１の指や掌３１ｂも、ハンドル１２上の保持部材２４の開口縁部２４ａに接触している。この場合、使用者の人体３１が導電路となる。このため、太陽電池パネル２７で発電した電力により、回転ローラ１８から肌３１ａへと微弱電流が流れる。こうして、血流の促進効果が高められる。

　また、使用者がハンドル１２を把持した状態で、使用者は、ボール２３の外周面を顔等の肌に押し当てる。すると、ボール２３は、ボール支持部材２２のボール受け面２２ａに向けて移動する。この移動により、図４に鎖線で示すように、ボール２３がボール受け面２２ａに接触する。それと共に、ボール２３の外周面と開口２１ｂの周縁部との間には、隙間Ｓ２が形成される。この状態で、使用者は、ハンドル１２を横方向に移動させる。これにより、ボール２３が軽く回転し、顔等の肌がマッサージされる。こうして、血流が促進される。

　この場合にも、図５に示すように、使用者の人体３１における顔等の肌３１ａが、ボール２３の外周面に接触している。それと同時に、人体３１の指３１ｂが、ハンドル１２上の保持部材２４の開口縁部２４ａに接触している。この場合、使用者の人体３１が導電路となる。このため、太陽電池パネル２７から、ボール支持部材２２のボール受け面２２ａ及びボール２３を介して、肌３１ａに微弱電流が流れる。こうして、血流の促進効果が高められる。

　従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。

　（１）ボール支持部材２２のボール受け面２２ａは、ボール２３の球面より大きな曲率を有するように形成されている。このため、ボール受け面２２ａとボール２３の外周面とが接触する面積は狭くなる。よって、使用者がボール２３を顔等の肌に接触させて回転させた場合、ボール受け面２２ａとボール２３の外周面との間の摩擦抵抗が小さくなる。従って、ボール２３が円滑に回転する。このため、ボール２３を摩擦抵抗に抗して無理に回転させる必要はない。よって、ボール２３の外周面とボール受け面２２ａとが擦れ合ってボール２３の外周面に傷が発生することを抑制できる。更に、ボール支持部材２２に支持ツメ等を設ける必要もない。つまり、ボール受け面２２ａを、ボール２３の球面の曲率より大きな曲率で形成すればよい。このため、ボール２３の支持構造が簡略化されて、製造コストが低減される。また、ボール受け面２２ａ及びボール２３の外周面はいずれも同じ方向に湾曲している。このため、ボール受け面２２ａとボール２３とを容易に接触させることができる。よって、ボール受け面２２ａとボール２３との間に電流を安定的に流すことができる。

　（２）ボール２３は、ハンドル１２の開口２１ｂの周縁部に係合される。この状態で、ボール２３とボール受け面２２ａとの間には、隙間Ｓ１が形成される。このため、使用者がボール２３を顔等の肌に接触させて使用する際、ボール２３は、ボール受け面２２ａに向けて移動する。そして、ボール２３は、ボール受け面２２ａに対し狭い接触面積で当接される。それと共に、ボール２３の外周面とハンドル１２の開口２１ｂの周縁部との間には、隙間Ｓ２が形成される。このようにすることで、ボール２３を一層円滑に回転させることができる。

　（３）ボール２３及びボール受け面２２ａの両方が、導電材料によって形成されている。ボール受け面２２ａは、電源としての太陽電池パネル２７に接続されている。よって、使用者がボール２３を顔等の肌に接触させて使用する際、太陽電池パネル２７から、ボール受け面２２ａ及びボール２３を介して、肌に微弱電流が流れる。こうして、血流の促進効果が高められる。

　（４）電源は、ハンドル１２に設けられた太陽電池パネル２７より構成されている。このため、美容器１１に、乾電池等の電源を設ける必要はない。つまり、太陽電池パネル２７で発電された電力を利用して、ボール２３から肌に微弱電流を流すことができる。

　（５）太陽電池パネル２７は、保持部材２４により保持されている。保持部材２４の内周面には、クロムメッキが施されている。このため、外部からの光は、メッキ面で反射されて、太陽電池パネル２７に到達する。よって、太陽電池パネル２７に対して光が十分に照射されるため、効率良く発電することができる。しかも、保持部材２４の露出面に施されたクロムメッキが電極として機能するため、電極や導電路のための専用部品が不要になり、構成を簡素化することもできる。

　なお、この実施形態は、次のように変更してもよい。

　・電源としての太陽電池パネル２７に代えて、乾電池又は二次電池を用いてもよい。

　・合成樹脂製の球の表面を金属メッキしたものを、ボール２３として用いてもよい。

Claims (4)

1. ハンドルと、前記ハンドルに設けられたマッサージ用のボールとを備える美容器であって、前記ハンドルには、前記ボールの直径よりも小さい開口が設けられ、前記ボールは、その一部を前記開口から露出させると共に、回転可能にかつ前記ハンドルの軸線に沿って移動可能に設けられ、前記ハンドルの内部には、前記ボールを受けるためのボール受け面を有する支持部材が設けられている美容器において、
   　前記ボール受け面の曲率は、前記ボールの球面の曲率よりも大きいことを特徴とする美容器。
2. 請求項１記載の美容器において、
   　前記ボールが前記ハンドルの開口の周縁部に係合した状態で、前記ボールと前記ボール受け面との間には、隙間が形成されることを特徴とする美容器。
3. 請求項１又は２記載の美容器において、
   　前記ボール及びボール受け面の両方が導電材料によって形成され、
   　前記ボール受け面が前記電源に接続されていることを特徴とする美容器。
4. 請求項３記載の美容器において、
   　前記電源は、前記ハンドルに設けられた太陽電池パネルであることを特徴とする美容器。

Images