WO2012008105A1

WO2012008105A1 - 食器洗い機

Info

Publication number: WO2012008105A1
Application number: PCT/JP2011/003665
Authority: WO
Inventors: 新海　清恭; 啓明宮瀬; 中野　博之
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2010-07-12
Filing date: 2011-06-28
Publication date: 2012-01-19
Also published as: KR101441259B1; JP2012019807A; EP2594184A4; TWI513444B; CN103002786A; CN103002786B; TW201204303A; EP2594184B1; JP5445366B2; EP2594184A1; KR20130031328A

Abstract

　食器洗い機（５０）であって、前方に開口する筐体（１０）内に設けられ、収容した食器類（３）を洗浄する洗浄槽（１１）と、洗浄槽（１１）の両側に取り付けられ、洗浄槽（１１）を前後方向に移動可能に支持するスライド機構（１２）と、スライド機構（１２）と筐体（１０）とを固定するレール取付部材（１３）とを備えている。レール取付部材（１３）を筐体（１０）に取り付けた状態で、レール取付部材（１３）と筐体（１０）の側壁（１０ａ）とで形成される断面形状が長方形または箱状になるよう構成されている。

Description

食器洗い機

　本発明は、洗浄ノズルより食器類に向けて洗浄水を噴射して食器類を洗浄する、ビルトイン型の食器洗い機に関する。

　従来の食器洗い機１００の構成について説明する。

　図６は、従来の食器洗い機１００の内部構成を示す側面図であり、図７は、その正面図である。図６および図７に示すように、食器洗い機１００は、システムキッチンに収容されており、前方に開口部を有する金属製の筐体１０１の内部に、洗浄槽１０２を備えている。

　洗浄槽１０２は、上方に開口部１０２ａを有し、内部に食器類１０３を収納する洗浄かご１０４を配置している。洗浄かご１０４の下方には、洗浄ノズル１０５が回転自在に設けられており、洗浄槽１０２内に溜めた洗浄水を洗浄ポンプ１０６によって循環させ、洗浄ノズル１０５より噴射して食器類１０３を洗浄する。

　また、洗浄槽１０２の側方には、レール等で構成されるスライド機構１０７が固定され、洗浄槽１０２は、前後方向に平行移動可能に支持されている。

　食器類１０３の出し入れを行う際には、使用者は、洗浄槽１０２を筐体１０１から前方に引き出し、開口部１０２ａから食器類１０３を収容する。次に、使用者は、洗浄槽１０２を筐体１０１内に戻して収納する。これとともに、筐体１０１内の上部空間に待機していた蓋体１０８が、筐体１０１内側面に配置したリンク機構１０９等により、後方へ移動しつつ降下して、洗浄槽１０２の開口部１０２ａを閉塞する。

　金属製の筐体１０１は、薄肉の圧延鋼板からなる。筐体１０１の左右の側壁に段押し加工を施すことでレール保持部１０１ａを形成する。このレール保持部１０１ａによって、スライド機構１０７を介して、食器類１０３を収容した洗浄槽１０２を保持する構成である（例えば、特許文献１参照）。

　しかしながら、食器洗い機１００の大型化にしたがって、収容できる食器類の数量が増える。従来の構成においては、洗浄槽１０２の重量が増加した場合、従来の筐体１０１では、スライド機構１０７を介して洗浄槽１０２を支える部分の強度が不足する。このため、洗浄槽１０２が下方に移動し、洗浄槽１０２上方の開口部１０２ａを蓋体１０８で閉塞する部分の水密性が低下するおそれがある。洗浄槽１０２を支える部分を補強することが必要であるが、筐体１０１の肉厚を上げれば、コストがかかってしまうという課題を有している。

　また、筐体１０１の側壁の段押し加工の深さにも限界がある。段押しを深くすることで、加工が困難になったり、変形が生じやすくなったりし、外郭構造としての機能を損なうという課題も有している。

特開２００４－１５４２２３号公報

　本発明は、大型化する食器洗い機において、その筐体の必要な部分だけを補強する。また、コストをかけずに強度を確保しつつ、加工を容易にした筐体構造を備えた食器洗い機を提供するものである。

　本発明の食器洗い機は、前方に開口する筐体内に設けられ、収容した食器類を洗浄する洗浄槽と、洗浄槽の両側に取り付けられ、洗浄槽を前後方向に移動可能に支持するスライド機構と、スライド機構と筐体とを固定するレール取付部材とを備えている。レール取付部材を筐体に取り付けた状態で、レール取付部材と筐体の側壁とで形成される断面形状が長方形または箱状になるよう構成されている。

　これによって、大型化する食器洗い機の筐体に必要な部分だけ補強し、コストをかけずに強度を確保しつつ、加工を容易にした筐体構造を実現することができる。

図１は、本発明の実施の形態における食器洗い機の内部構成を示す側面図である。図２は、本発明の実施の形態における食器洗い機の内部構成を示す正面図である。図３は、本発明の実施の形態における食器洗い機の洗浄槽を支持する部分の詳細な構成を示す正面図である。図４は、本発明の実施の形態における、同じ底部構成部材を用いた他の食器洗い機の内部構成を示す側面図である。図５は、本発明の実施の形態における、同じ底部構成部材を用いた他の食器洗い機の内部構成の要部を示す正面図である。図６は、従来の食器洗い機の内部構成を示す側面図である。図７は、従来の食器洗い機の内部構成を示す正面図である。

　以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

　まず、本発明の実施の形態における食器洗い機５０の構成について説明する。

　図１は、本発明の実施の形態における食器洗い機５０の内部構成を示す側面図であり、図２は、同食器洗い機５０の内部構成を示す正面図であり、図３は、同食器洗い機５０の洗浄槽１１を支持する部分の詳細な構成を示す正面図である。

　図１から図３に示すように、食器洗い機５０は、被洗浄物である食器類３を収容し、前方に開口部を設けた金属製の筐体１０の内部に収納される洗浄槽１１を備えている。洗浄槽１１は、上方に開口部１１ａを有している。

　洗浄槽１１は、両側下方に固定されたスライド機構１２により、前後方向に移動可能に保持され、スライド機構１２は、筐体１０の左右の側壁１０ａの内側に設けられたレール取付部材１３によって、支持されている。

　スライド機構１２は、レール取付部材１３に固定された固定レール部１２ａと、洗浄槽１１に固定された可動レール部１２ｂとを有する。固定レール部１２ａと可動レール部１２ｂとの間にあって、転動する複数の転動体３０によって、可動レール部１２ｂが、固定レール部１２ａに対して長手方向（食器洗い機５０に組み込んだ状態で前後方向）に移動可能となる。

　食器類３の出し入れを行う際には、使用者は、洗浄槽１１を筐体１０から前方に引き出し、開口部１１ａより食器類３を収容または取り出しする。次に、使用者は、洗浄槽１１を筐体１０内に戻して、収納する。これとともに、筐体１０内の上部空間に待機していた蓋体１４が、筐体１０内側面に配置したリンク機構１５によって後方へ移動しつつ降下する。そして、蓋体１４が、蓋体１４の内面外周に設けたシール部材２３を介して、洗浄槽１１の開口部１１ａを水密に閉塞する。

　金属製の筐体１０は、薄肉の圧延鋼板に曲げ加工を施すことにより、左右の側壁１０ａおよび底面１０ｆが一体に形成されている。左右の側壁１０ａの同じ高さの位置の複数箇所には、段押し加工（より詳しくは上方が開放されたルーバ加工）を施すことにより、内方に突出させたレール取付部材支持部１０ｂが形成されている。レール取付部材支持部１０ｂが、レール取付部材１３とスライド機構１２とを介して、食器類３を収容した洗浄槽１１を下方から保持する。食器洗い機５０は、従来よりも、幅、高さ共に大きく構成しているものとする。

　レール取付部材１３は、筐体１０と同じ、薄肉の圧延鋼板を曲げ加工等することによって、断面が実質的にコの字状（ギリシャ文字のΠ字状）になるように、長尺に形成される。レール取付部材１３は、筐体１０の側壁１０ａに取り付けられた状態で、筐体１０内方に位置する段部１３ａを有する。レール取付部材１３は、筐体１０に取り付けられた状態で、断面形状が長方形または箱状になるように構成されている。

　段部１３ａの最下部の複数箇所には、スライド機構１２の固定レール部１２ａを下方から支えて保持するレール保持部１３ｂを、段押し加工（より詳しくは上方が開放されたルーバ加工）によって内方に突出させて一体形成している。

　また、レール取付部材１３は、断面が実質的にコの字状の部分の上側と下側に、それぞれ上部フランジ部１３ｃおよび下部フランジ部１３ｄを有している。レール取付部材１３は、上部フランジ部１３ｃおよび下部フランジ部１３ｄにおいて、筐体１０の側壁１０ａに対して数本のネジにより固定されている。

　筐体１０の側壁１０ａの上部フランジ部１３ｃに対向する上部取付部１０ｃと、下部フランジ部１３ｄに対向する下部取付部１０ｄとは、それぞれ段押し加工を施して、奥行方向のほぼ全長に亘って、内方に凹めて形成している。これにより、側壁１０ａの強度を向上させている。

　さらに、上部取付部１０ｃと下部取付部１０ｄとでは、内方への突出の度合いに段差を持たせてある。すなわち、上部取付部１０ｃを下部取付部１０ｄよりも内側になるようにしている。これに合わせて、レール取付部材１３は、上部フランジ部１３ｃを下部フランジ部１３ｄより内側になるように構成している。

　また、上部取付部１０ｃと下部取付部１０ｄとの間には、段押し加工を施さないことによって形成される外方凸部１０ｅを設けてある。この外方凸部１０ｅも、奥行方向のほぼ全長に亘って、外方に突出させて形成してある。

　洗浄槽１１は、少なくとも側面を構成する樹脂製の洗浄槽部材１６と、少なくとも底部を構成する樹脂製の底部構成部材１７とで構成されている。底部構成部材１７は有底トレー状に構成され、その外周上端部１７ａには、ゴム等の弾性体によりなるシール部材１８が配置されている。

　また、外周上端部１７ａには、シール部材１８を保持するための、上方に開口された溝部１７ｂが環状に構成されている。また、底部構成部材１７は、スライド機構１２の可動レール部１２ｂ、洗浄ノズル１９、洗浄ポンプ２０等の、食器洗い機５０の動作制御に必要な電装部品、および機構部品の大半を搭載してユニット化されている。これにより、底部構成部材１７に大きさを変えた洗浄槽部材１６を取り付けても、食器洗い機５０として機能するよう構成している。

　洗浄槽部材１６の前後左右の外周下端部１６ａには、シール部材１８を上方から押さえ、底部構成部材１７の溝部１７ｂと共働して水密性を発揮するシールリブ１６ｂがそれぞれ設けられている。

　底部構成部材１７の外周上端部１７ａと洗浄槽部材１６の外周下端部１６ａとは上下方向で接合されている。この接合部には、溝部１７ｂ、シールリブ１６ｂおよびシール部材１８で構成されるシール部２１を設けて、水密にシールしている。

　また、洗浄槽部材１６の左右の側壁部１６ｃは、シール部２１が、上方から幅方向にスライド機構１２の取り付け位置を覆うように、下方に延設している。

　また、内部に食器類３を収納する洗浄かご２２を、洗浄槽１１内のシール部２１よりも上方に配置している。洗浄かご２２の下方には洗浄ノズル１９を回転自在に配置し、洗浄槽１１内に溜めた洗浄水を洗浄ポンプ２０によって循環させ、洗浄ノズル１９より噴射して食器類３を洗浄する。

　次に、以上のように構成された食器洗い機５０について、その動作および作用を説明する。

　まず、筐体１０内に洗浄槽１１を前後方向に移動可能に組み付ける方法について説明する。前述したように、レール取付部材１３は、上部フランジ部１３ｃと下部フランジ部１３ｄとで幅方向の段差を持たせてあるので、左右対称の物を一対準備する。このレール取付部材１３に、同じく左右対称の一対のスライド機構１２を、固定レール部１２ａの底面をレール取付部材１３のレール保持部１３ｂの上端面に当接させて位置決めをする。この状態で、固定レール部１２ａの側面をレール取付部材１３の段部１３ａにネジで固定する。

　次に、このスライド機構１２を取り付けた左右一対のレール取付部材１３を、筐体１０の左右の側壁１０ａに対し、上部フランジ部１３ｃを上部取付部１０ｃに、下部フランジ部１３ｄを下部取付部１０ｄに、それぞれ複数箇所でネジ固定する。

　この際、レール取付部材１３の上面の内側面を、筐体１０の側壁１０ａに設けたレール取付部材支持部１０ｂの上端面に載置した状態でネジ固定する。これにより、スライド機構１２の高さ方向の位置決めを行う。このようにして、左右のスライド機構１２を、筐体１０の左右の側壁１０ａに取り付けする。

　一方、洗浄槽１１の組み立ては、以下のように行う。洗浄槽部材１６を、シール部材１８をセットした底部構成部材１７の上方より挿着する。これにより、側壁部１６ｃの下方延設部に設けた係合部１６ｄが、それ自身の弾性によって一時的に変形する。そして、係合孔１６ｅが底部構成部材１７に設けた凸部１７ｃに係合し、上下方向の規制がされ、洗浄槽部材１６と底部構成部材１７とが結合一体化して、洗浄槽１１が完成する。このとき、洗浄槽部材１６のシールリブ１６ｂが、シール部材１８を上方から押圧して規定の締め位置まで変形させ、シール部２１が形成されて、接合部分を水封する。

　さらに、組み立てが完成した洗浄槽１１を、筐体１０に組み付けた左右のスライド機構１２の可動レール部１２ｂ上に載置し、奥行方向の位置決めを行った状態で可動レール部１２ｂにネジ等により固定する。これによって、洗浄槽１１が筐体１０に対して、前後方向に移動可能に支持される。

　この状態において、断面を実質的にコの字状に形成したレール取付部材１３と、筐体１０の側壁１０ａとで、断面形状が長方形または箱状に形成される。さらに、その断面形状が長方形または箱状部分の側壁１０ａ部分に外方凸部１０ｅを形成する。これによって、筐体１０の側壁１０ａの、食器類３を収容した洗浄槽１１の荷重が掛かる部分について、限定的かつ集中的に補強し、下方への変形強度を向上させて、洗浄槽１１が下方に移動することを抑制している。

　ビルトイン型の食器洗い機５０が市場に普及するに従って、大型化のニーズが高まっている。これに対応するために、食器洗い機５０は、外郭を大きくするか、洗浄槽１１に収納できる食器類３の容量を増やす必要がある。システムキッチンにおいては、食器洗い機５０をビルトインするための、決められたスペース（例えば、幅４５０ｍｍ、高さ８００ｍｍ）が確保されている。このため、食器洗い機５０を大型化するに当たっては、まず、外郭の幅を、決められたスペースの中で最大にし、高さをできるだけ高くする。さらに、その中で、洗浄槽１１の幅と、高さとを高くすることにより、容量を大きくする。

　食器洗い機５０の外郭を構成する筐体１０の左右の側壁１０ａは、薄肉の圧延鋼板に曲げ加工を施して形成されている。この側壁１０ａには、スライド機構１２を介して、食器容量の増加分、および、増加した食器類３の洗浄性能を確保するために必要な洗浄水量分の重量増加に対応するだけの強度が必要になる。

　食器洗い機５０においては、断面を実質的にコの字状に形成されたレール取付部材１３を側壁１０ａに取り付けて、レール取付部材１３と筐体１０の側壁１０ａとで断面形状を長方形または箱状に形成する。これにより、重量を増した洗浄槽１１を支えるために必要な部分だけを補強することができる。よって、材料の圧延鋼板の肉厚を厚くする等のコストをかけずに、荷重に対する強度を向上させることができる。

　このとき、レール取付部材１３が存在することによって、側壁１０ａに対して、スライド機構１２が内方に位置している。しかしながら、洗浄槽１１は、洗浄槽部材１６の左右の側壁部１６ｃを、シール部２１の最外周から上方に立ち上げている。これにより、シール部２１より上方の内部容量を拡大し、そこに洗浄かご２２を配置するので、収容する食器類３の容量を大きくすることができる。

　また、筐体１０の側壁１０ａに対して、レール取付部材１３の幅に相当する深い段押し加工を無理に行う必要がないため、成型の際にひずみや破損が生じる心配がない。これにより、加工を容易にすることができるとともに、形状寸法の安定した筐体１０を得ることができる。

　また、レール取付部材１３は、曲げ加工だけの簡単な工程で形成することができ、筐体１０の側壁１０ａに取り付けた状態で、断面形状が長方形または箱状になるように構成されている。これにより、容易に強度を確保できる構造体を実現することができる。

　また、レール取付部材１３の側部は、筐体１０に取り付けた状態において内方に突出し、スライド機構１２を下方から支持するレール保持部１３ｂを備えている。これにより、食器類３を収容した洗浄槽１１の荷重を、ネジ固定した筐体１０の側壁１０ａの上部取付部１０ｃおよび下部取付部１０ｄに集中させずに、レール保持部１３ｂと、上部取付部１０ｃおよび下部取付部１０ｄとに分散することができる。よって、ネジ固定による取付部の構成を簡略化できる。

　また、筐体１０に、レール取付部材１３の取り付け高さ位置を決定し、レール取付部材１３を下方から支持するレール取付部材支持部１０ｂを、左右の側壁１０ａから内方に突出させて設けている。これにより、左右のスライド機構１２の高さ位置のばらつきを少なくし、洗浄槽１１の前後方向への移動をスムーズにすることができる。また、食器類３を収容した洗浄槽１１の荷重をレール取付部材支持部１０ｂの上端面で支え、レール取付部材１３の下方への変形を抑制している。これにより、洗浄槽１１の下方への移動を抑制し、洗浄槽１１上方の開口部１１ａを蓋体１４で閉塞する部分の水密性を確保することができる。

　さらに、食器類３を収容した洗浄槽１１の荷重を、レール取付部材支持部１０ｂと、上部取付部１０ｃおよび下部取付部１０ｄとに分散させることができるので、ネジ固定による取付部の構成を簡略化できる。

　また、筐体１０の左右の側壁１０ａの内方へ突出させて形成した、上部取付部１０ｃと下部取付部１０ｄとは、内方への突出の度合いに段差を有している。これにより、筐体１０の側壁１０ａの、レール取付部材１３を取り付ける部分を集中的、かつ、コストをかけずに、簡単な加工で効果的に補強することができる。

　また、筐体１０の左右の側壁１０ａの、上部取付部１０ｃと下部取付部１０ｄとの間に、上部取付部１０ｃおよび下部取付部１０ｄよりも外方に突出させた外方凸部１０ｅを設けている。これにより、筐体１０の側壁１０ａのレール取付部材１３と断面形状を長方形または箱状に形成する部分を、集中的に、かつ、コストをかけずに、簡単な加工で補強することができる。

　なお、左右の側壁１０ａに形成したレール取付部材支持部１０ｂ、および、レール取付部材１３の段部１３ａの最下部に形成したレール保持部１３ｂは、いずれも食器洗い機５０の奥行方向に複数個設けられている。しかしながら、レール取付部材支持部１０ｂおよびレール保持部１３ｂの少なくとも一方を、奥行方向に長い１個の突出部として形成してもよい。特に、レール取付部材支持部１０ｂを、奥行方向に長い１個の突出部として形成すれば、食器類３を収容した洗浄槽１１の荷重による、レール取付部材１３上面の下方への変形を抑制する効果を増すことができる。

　さらに、食器洗い機５０は、洗浄槽１１を、洗浄槽部材１６と底部構成部材１７とに分割して構成している。また、底部構成部材１７に電装部品および機構部品の大半を搭載してユニット化している。これにより、洗浄槽部材１６のシール部２１より上方の部分を大型化したり、小型化したりすることで、底部構成部材１７として単一のものを使用しても、容量の異なる洗浄槽を得ることができる。このため、洗浄槽容量の異なる食器洗い機５０の生産に容易に対応することができ、製造効率を向上させることができる。

　ここで、本実施の形態の食器洗い機５０のさらなる特徴を、同じ底部構成部材１７を用いた他の食器洗い機５１と比較対照して説明する。

　図４は、本発明の実施の形態における、同じ底部構成部材１７を用いた他の食器洗い機５１の内部構成を示す側面図であり、図５は、同他の食器洗い機５１の内部構成の要部を示す正面図である。なお、底部構成部材１７等の、食器洗い機５０と同じ構成のものは、同一符号を付してその説明を省略する。

　食器洗い機５１は、図４に示すように、前述の食器洗い機５０よりも洗浄槽の深さが浅い、浅型のものであり、食器洗い機５１の下方のシステムキッチン空間に、キッチン用品等を収納する引出し２５が設けられている。このような浅型の食器洗い機５１と、前述した、洗浄槽の深さが深い、深型の食器洗い機５０を機種揃えし、システムキッチンのプランニングに際して使用者が好みのものを選択できるようにして、システムキッチンの使い勝手の向上を図っている。

　深型の食器洗い機５０は、洗浄槽１１内に収容できる食器類３の量が大きいことを特徴として訴求するものである。よって、浅型の食器洗い機５１と比較して、深さが深いのみならず、幅寸法も可能な限り広いことが必要とされる。筐体１０の幅寸法および洗浄槽１１の幅寸法は、いずれも浅型の食器洗い機５１よりも広く設定される。

　具体的には、食器洗い機５０は、図３に示したように、洗浄槽部材１６の左右の側壁部１６ｃを、シール部２１の最外周から上方に立ち上げ、洗浄槽１１の幅寸法を可能な限り大きくしている。これにより、洗浄槽１１の内部容積を、最大限大きくしてある。使用時には、洗浄槽部材１６の最上部の、食器類３を出し入れする開口部１１ａを、蓋体１４で閉塞する必要がある。

　このとき、食器類３の出し入れの利便性と、洗浄槽部材１６の樹脂成型の加工性とを実現することが必要となる。よって、食器洗い機５０では、蓋体１４がシール部材２３を介して当接し閉塞する部分に、フランジ部１６ｆを、側壁部１６ｃよりも外側に張り出させて設ける必要がある（図２参照）。

　すなわち、深型の食器洗い機５０に底部構成部材１７を共用するに際しては、このフランジ部１６ｆのための幅寸法を確保しつつ、スライド機構１２の固定レール部１２ａを筐体１０の側壁１０ａに取り付けるための構成が必要となる。

　一方、浅型の食器洗い機５１の場合には、図５に示すように、底部構成部材１７と接合して洗浄槽２９を構成する洗浄槽部材４０は、左右の側壁部４０ａをシール部５４の最内周から上方に立ち上げている。これにより、洗浄槽部材４０の最上部の開口部周りに張り出したフランジ部のための幅寸法を確保できる。よって、スライド機構１２の固定レール部１２ａを筐体２７の側壁２７ａに直接取り付けることができる。なお、溝部１７ｂ、シールリブ４０ｂおよびシール部材１８よりなるシール部５４の構成は、前述した深型の食器洗い機のシール部２１と同様である。

　レール取付部材１３は、深型の食器洗い機５０における、高さが高い左右の側壁１０ａの必要部分を集中的に補強する。さらに、レール取付部材１３は、浅型の食器洗い機５１と、底部構成部材１７を共用するに際し、フランジ部１６ｆのための幅寸法を確保しつつ、スライド機構１２の固定レール部１２ａを、筐体１０の側壁１０ａに取り付けるための構成として、大きな効果を発揮する。

　以上のように、本発明によれば、大型化する食器洗い機の筐体に必要な部分だけ補強し、コストをかけずに強度を確保しつつ、加工を容易にした筐体構造とすることが可能となる。よって、洗浄槽を引き出して食器類の出し入れを行うビルトイン型の食器洗い機等として有用である。

　３　　食器類
　１０，２７　　筐体
　１０ａ，２７ａ　　側壁
　１０ｂ　　レール取付部材支持部
　１０ｃ　　上部取付部
　１０ｄ　　下部取付部
　１０ｅ　　外方凸部
　１０ｆ　　底面
　１１，２９　　洗浄槽
　１１ａ　　開口部
　１２　　スライド機構
　１２ａ　　固定レール部
　１２ｂ　　可動レール部
　１３　　レール取付部材
　１３ａ　　段部
　１３ｂ　　レール保持部
　１３ｃ　　上部フランジ部
　１３ｄ　　下部フランジ部
　１４　　蓋体
　１５　　リンク機構
　１６，４０　　洗浄槽部材
　１６ａ　　外周下端部
　１６ｂ，４０ｂ　　シールリブ
　１６ｃ，４０ａ　　側壁部
　１６ｄ　　係合部
　１６ｅ　　係合孔
　１６ｆ　　フランジ部
　１７　　底部構成部材
　１７ａ　　外周上端部
　１７ｂ　　溝部
　１７ｃ　　凸部
　１８，２３　　シール部材
　１９　　洗浄ノズル
　２０　　洗浄ポンプ
　２１，５４　　シール部
　２２　　洗浄かご
　２５　　引出し
　３０　　転動体
　５０，５１　　食器洗い機

Claims

前方に開口する筐体内に設けられ、収容した食器類を洗浄する洗浄槽と、
前記洗浄槽の両側に取り付けられ、前記洗浄槽を前後方向に移動可能に支持するスライド機構と、
前記スライド機構と前記筐体とを固定するレール取付部材と
を備え、
前記レール取付部材を前記筐体に取り付けた状態で、前記レール取付部材と前記筐体の側壁とで形成される断面形状が長方形または箱状になるよう構成された
食器洗い機。
前記レール取付部材は、断面を実質的にコの字状（ギリシャ文字のΠ字状）に形成し、側部に、前記筐体に取り付けた状態において内方に突出し、前記スライド機構を下方から支持するレール保持部を有する
請求項１に記載の食器洗い機。
前記筐体は、前記レール取付部材の取り付け高さ位置を決定するとともに、前記レール取付部材を下方から支持するレール取付部材支持部を有し、
前記レール取付部材支持部は、左右の側壁から内方に突出させて設けられる
請求項１に記載の食器洗い機。
前記筐体の左右の前記側壁に、内方へ突出させて形成した、前記レール取付部材を取り付ける、上部取付部および下部取付部を有し、
前記上部取付部と前記下部取付部とで、内方への突出の度合いに段差を持たせた
請求項１に記載の食器洗い機。
前記筐体の左右の前記側壁の、前記上部取付部と前記下部取付部との間に、前記上部取付部および前記下部取付部よりも外方に突出させた外方凸部を有する
請求項４に記載の食器洗い機。
前記洗浄槽は、少なくとも前記洗浄槽の底部を構成する底部構成部材と、前記洗浄槽の少なくとも側面を構成する洗浄槽部材とを有し、前記スライド機構は前記底部構成部材に取り付けられる
請求項１から請求項５までのいずれか１項に記載の食器洗い機。