WO2011105399A1 - 含フッ素ラクトンモノマー化合物、含フッ素ラクトンポリマー化合物とそのレジスト液およびトップコート用組成物、およびそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物が重合した構造単位を含むポリマー化合物をレジスト材料に用いると、撥水性、溶剤溶解性および現像液溶解性が向上したレジストが得られる。さらに、前記ポリマー化合物をトップコート液に用いると、極めて微細且つ高精度なパターン形状を得ることができる。(式(1)中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1~6の直鎖状アルキル基、炭素数3~6の分枝鎖状アルキル基または炭素数3~6の環状アルキル基であり、R5は水素原子もしくはフッ素原子、またはフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~6の直鎖状アルキル基、炭素数3~6の分岐鎖状アルキル基もしくは炭素数3~6の環状アルキル基であり、Rfは炭素数1~4の直鎖状パーフルオロアルキル基である。)
Description
本発明は、フォトリソグラフィー等で使用するレジスト液に有用な化合物、およびそれを用いたレジスト液およびそのパターン形成方法に関する。特に、本発明のレジスト液は、波長300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を用いた乾式リソグラフィー、液浸リソグラフィー、およびEUV(Extreme Ultra Violet)リソグラフィーに適する。
また、本発明は、フォトリソグラフィーによるパターン形成時に、レジスト膜上に形成するトップコート用組成物およびそれを用いたパターン形成方法に関する。特に、本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物、含フッ素ラクトンポリマー化合物を用いたトップコート用組成物は、波長300nm以下の紫外線を用いた液浸リソグラフィー、即ち液浸露光プロセスに適する。
近年、コンピューターを始めとするデジタル機器の発展により、二次元、三次元画像データ等の膨大な量のデータの演算処理が可能となり、その単位時間当たりの処理量は増大し、このような高速処理に見合う大容量且つ高速転送が可能なメモリ、およびより高速なマイクロプロセッサが要求され、その性能は益々高度のものとなりつつある。また、インターネット等のネットワークのブロードバンド化が加速し、デジタル機器に要求される演算処理能力は益々高まっていくものと予想される。
これら要求を満たすために、半導体素子および各種デバイス機器には、より一層の素子および回路の高密度、高集積化が求められる。高密度、高集積化に伴い微細且つ高精度なパターン加工を可能とするフォトリソグラフィー技術は益々高度なものとなり、より高精度なパターンを与える露光装置の検討がなされてきた。尚、フォトリソグラフィーとは、感光性の物質(フォトレジスト)を塗布した基板表面を、所望のパターンに露光することである。フォトリソグラフィー技術は、フォトレジストの露光された部分と露光されていない部分の現像液による溶解度の差異によりレジストからなるパターンを基板上に形成させる技術である。
このような、フォトリソグラフィー技術において、短波長の紫外光を用いることによって、より微細且つ高精度なパターンが得られるようになってきた。例えば、波長248nmのフッ化クリプトンエキシマレーザー(以下、KrFレーザーと呼ぶ)、波長193nmのフッ化アルゴンエキシマレーザー(以下、ArFレーザーと呼ぶ)がフォトリソグラフィーに使用され、次いで、波長13.5nmの極紫外光を用いるEUVリソグラフィーが開発された。
半導体素子製造装置であるステッパー型露光装置(縮小投影型露光装置)に用いられる縮小投影レンズにおいては、レンズの光学設計技術の進歩により解像度が大きく向上し、フォトリソグラフィー技術による半導体素子の高密度、高集積化に大いに貢献している。ステッパー型露光装置は、極精細フォトマスクの一種であるレチクルのパターンを縮小投影レンズにて縮小させ、ウェハー上のレジストに露光する。ステッパー型露光装置に使用されるレンズの分解能は、NA(開口数)で表されるが、空気中でのNAは0.9程度が物理的な限界とされており、すでに達成されている。
一方で、ArFレーザー(波長:193nm)を使用したフォトリソグラフィーにおいては、レンズとウェハーの間の空間を空気よりも屈折率の高い媒体で満たすことによって、NAを1.0以上に引き上げる試みがなされており、特に媒体として純水(以下、単に水という場合もある)を使った液浸方式による露光、即ち、液浸リソグラフィーが注目される。
しかしながら、液浸リソグラフィーにおいて、レジスト膜が媒体(例えば水)と接触することから以下の問題が指摘されてきた。
例えば、露光によってレジスト膜中に発生した酸や、クエンチャーとして加えたアミン化合物が水に溶解することに起因して、レジストの現像液溶解性が変化し、パターン加工精度が低くなることで、意図したパターン形状と差異が生じる問題、レジストの膨潤による露光済みのレジストパターンの倒れ(パターン倒れ)の問題が生じる。このように、液浸リソグラフィーにおいて意図したパターン形状を得るためには、レジストに優れた現像液溶解性が求められる。尚、本発明において、レジストの溶剤溶解性とは、レジスト材料(レジスト組成物)に溶剤を加えたレジスト液を調製する際のレジスト材料の溶剤に対する溶解性を言う。レジストの現像液溶解性とは、レジスト液を基板に塗布しレジスト膜とした後、露光し露光部を溶解させる際のレジストの現像液に対する溶解性を言う。
また、液浸リソグラフィーにおいて、露光後に媒体(水)が残存すると欠陥の原因になるため、レジストは撥水性を有することも必要である。
このように、液浸リソグラフィー用のレジストには、現像液溶解性と撥水性の相反する性質を併せ持つことが要求される。
レジストとして使用する際、ラクトンユニットは基板への密着性がよく、特に脂環ラクトンは透明性およびドライエッチング耐性に優れることが、例えば、非特許文献1に記載されている。しかしながら、ラクトンユニットを用いたレジストは、一般的に溶剤溶解性または現像液溶解性が不十分であって、液浸および乾式の両リソグラフィーに用いるには、さらなる改善が求められる。
一方、次世代の半導体微細加工技術として注目されているEUVリソグラフィーにおいては、光源の強い出力が確保できない状況が続いており、これを補うために、レジスト材料の感度向上が求められている。レジスト材料の感度向上は、材料がEUV光を吸収した後に生じる二次電子の発生量が大きく関与することが知られている。また、フッ素原子はEUV光を高効率で吸収する原子として知られており、フッ素系材料により構成されたレジスト材料は、レジスト材料の感度向上には有用である。フッ素系材料により構成されたレジスト材料として、例えば、特許文献1に電子線、X線またはEUV光を用いたリソグラフィー法に用いられるレジスト組成物が開示されている。
また、意図したパターン形状と差異が生じること、またレジストの膨潤による露光済みのレジストパターンの倒れ(パターン倒れ)等の上述した問題の別の解決手段として、レジスト膜と水とを完全に分離すべく、レジスト膜上にトップコート層を設けることが有効である。
従って、トップコート用組成物には、透明性、良好な現像液溶解性、溶剤溶解性および純水に対する耐性(撥水性)が要求される。尚、本発明において、トップコートの溶剤溶解性とは、トップコート組成物を溶剤に溶解させてトップコート液を調製する際の、トップコート組成物の溶剤に対する溶解性を言う。トップコートの現像液溶解性とは、レジスト膜上にトップコート液を塗布しトップコート膜となし、露光した後にトップコート膜および露光部のレジスト膜を溶解させるが、その際のトップコート膜の現像液に対する溶解性をいう。
かかる要求を満たすトップコート用組成物として、例えば、特許文献2には、ヘキサフルオロイソプロパノール基を2個以上含むユニット(構造単位)を含む繰り返し単位を有するトップコート組成物が開示されている。本トップコート用組成物は、現像液溶解性に優れ、且つレジストの膨潤を抑制できる。
長谷川悦雄、前田克己「ラクトン骨格を有するポリマーの研究開発動向」、高分子学会編「高分子」2008年10月号 vol.57 P850~855
本発明は、波長300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を用いてフォトリソグラフィー、特に液浸リソグラフィーにてパターン形成を行う好適な撥水性、溶剤溶解性および現像液溶解性、またはEUVリソグラフィーにてパターン形成を行う際に好適な、EUV光の高い吸収効率を有するレジストを得るためのレジスト材料としての、新規なモノマー化合物またはポリマー化合物、およびそれらを用いたレジストを提供することを目的とする。
尚、300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を用いてのリソグラフィーとしては、例えば、波長248nm(KrFレーザー)、波長193nm(ArFレーザー)を用いてのフォトリソグラフィー、波長13.5nmの極紫外光を用いてのEUVリソグラフィーが挙げられる。
また、液浸リソグラフィー用のレジストには、現像液溶解性と撥水性の相反する性質を併せ持つことが要求される。ラクトンユニットを材料に使用したレジストは、基板への密着性がよく、また脂環ラクトンは透明性に優れることが知られている(例えば、前記非特許文献1を参照)。しかしながら、ラクトンユニットを用いたレジストは、一般的に溶剤溶解性および現像液溶解性が不十分なので、液浸リソグラフィーに用いるには、さらなる改善が求められている。本発明は、ラクトンユニットを用いたレジストの当該問題を解決するものである。
また、液浸リソグラフィーでトップコート用組成物を用いる場合、露光後に媒体(水)が残存すると欠陥の原因になるため、トップコート用組成物に撥水性があることが要求されるようになってきた。トップコート用組成物は、相反する性質である撥水性と現像液溶解性とを併せ持つことが好ましい。
しかしながら、その繰り返しユニットにヘキサフロオルイソプロパノール基を2個以上有する、特許文献2に記載のトップコート用組成物は、複数のOH基を有し、撥水性に優れるとは言い難かった。
上述したように脂環ラクトンは透明性、ドライエッチング耐性に優れていることが知られているが、その溶剤溶解性および現像液溶解性はトップコート用途に適しているとは言えなかった。
よって、特許文献2に記載のトップコート用組成物、非特許文献1に記載のレジストを、波長300nm以下の紫外線を用いるフォトリソグラフィー、特に液浸リソグラフィーによってパターン形成を行う際にレジスト膜に塗布するトップコート用組成物に使用するには、撥水性または現像液溶解性のいずれかに問題があった。
本発明は、かかる問題を解決し、波長300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を用いるフォトリソグラフィー、特に液浸リソグラフィーによってパターン形成を行う際にレジスト膜に塗布するトップコート用組成物であって、好適な撥水性および現像液溶解性を備えることで、極めて微細且つ高精度なパターンを与える有用なトップコート用組成物を提供することをもう1つの課題とする。
本発明において、レジストを構成する新規な含フッ素ポリマー化合物の化学構造中の繰り返し単位として、新規の含フッ素ラクトンモノマー化合物を導入した。
即ち、本発明において、フォトリソグラフィーに適用させるために、含フッ素ラクトンモノマー化合物を重合させた含フッ素ラクトンポリマー化合物を材料に用いレジストを調製したところ、レジストに微細且つ高精度のパターンを得るに適した溶剤溶解性、現像液溶解性および撥水性が得られた。
ラクトン化合物は透明性に優れるので、光の照射によって酸を発生する酸発生剤とともにレジスト材料に用いることで、微細且つ高精度なパターンが得られる。
本発明者らは鋭意検討し、フッ素原子をラクトン構造に導入することを試み、ラクトン化合物に特定の含フッ素アルキル基を付加させた含フッ素ラクトンモノマー化合物、それを重合させてなる含フッ素ラクトンポリマー化合物を得、レジスト材料に用いた。その結果、液浸リソグラフィーにおいては、従来よりも、レジストの溶剤溶解性、現像液溶解性および撥水性を著しく向上させることができ、一方、EUVリソグラフィーにおいては、紫外光の吸収効率を向上させ感度を高めることができた。
また、本発明において、トップコート用組成物に用いる含フッ素ポリマー化合物の化学構造中の繰り返し単位として、含フッ素ラクトンモノマー化合物を導入した。このことで、相反する性質である撥水性および現像液溶解性を併せ持つトップコート用組成物が得られた。
即ち、本発明において、フォトリソグラフィーに適用させるために、含フッ素ラクトンモノマー化合物を重合させた含フッ素ラクトンポリマー化合物を材料に用いて、トップコート用組成物を調製した。その結果、液浸リソグラフィーに用いるに好適な、微細且つ高精度のパターンを得るに有用な現像液溶解性および撥水性を持つトップコート用組成物が得られた。
具体的には、ラクトン化合物は透明性に優れるので、レジスト膜に塗布するためのトップコート用組成物として用いることで、微細且つ高精度なパターンが得られる可能性がある。さらに、ラクトン化合物に、特定の含フッ素アルキル基を付加させたことで、フォトリソグラフィー、特に液浸リソグラフィーにてパターン形成を行う際に、好適な撥水性および現像液溶解性を備えるトップコート用組成物が得られた。
即ち、本発明は以下の発明より構成される。
[発明1]
一般式(1):
(式(1)中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1~6の直鎖状アルキル基、炭素数3~6の分枝鎖状アルキル基または炭素数3~6の環状アルキル基であり、R5は水素原子もしくはフッ素原子、またはフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~6の直鎖状アルキル基、炭素数3~6の分岐鎖状アルキル基もしくは炭素数3~6の環状アルキル基であり、Rfは炭素数1~4までの直鎖状パーフルオロアルキル基である。)
で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物。
[発明1]
一般式(1):
で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物。
[発明2]
R5が、水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基及びシクロヘキシル基からなる群から選択される1つであることを特徴とする、発明1の含フッ素ラクトンモノマー化合物。
R5が、水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基及びシクロヘキシル基からなる群から選択される1つであることを特徴とする、発明1の含フッ素ラクトンモノマー化合物。
[発明3]
R1、R2およびR5がメチル基であり、R3およびR4が水素原子であることを特徴とする、発明1または発明2の含フッ素ラクトンモノマー化合物。
R1、R2およびR5がメチル基であり、R3およびR4が水素原子であることを特徴とする、発明1または発明2の含フッ素ラクトンモノマー化合物。
[発明4]
Rfがトリフルオロメチル基であることを特徴とする、発明1乃至発明3のいずれか1つの含フッ素ラクトンモノマー化合物。
Rfがトリフルオロメチル基であることを特徴とする、発明1乃至発明3のいずれか1つの含フッ素ラクトンモノマー化合物。
即ち、本発明の含フッ素モノマー化合物は、以下、3点の特徴を兼ね備える。
その1.エステル結合のアルコール部位の1位炭素が3級になっている点。即ち、酸分解性を持つ繰り返し単位の特徴を有する。
その2.前記アルコール部位がラクトン構造になっている点。即ち、密着性を持つ繰り返し単位の特徴を有する。
その3.前記ラクトン構造にパーフルオロアルキル基であるRfが付加している点。即ち、パーフルオロアルキル基の導入効果により、従来よりも、撥水性および溶剤溶解性を向上させた。
その1.エステル結合のアルコール部位の1位炭素が3級になっている点。即ち、酸分解性を持つ繰り返し単位の特徴を有する。
その2.前記アルコール部位がラクトン構造になっている点。即ち、密着性を持つ繰り返し単位の特徴を有する。
その3.前記ラクトン構造にパーフルオロアルキル基であるRfが付加している点。即ち、パーフルオロアルキル基の導入効果により、従来よりも、撥水性および溶剤溶解性を向上させた。
本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物を重合させてなる含フッ素ラクトンポリマー化合物は、レジスト材料またはトップコート用組成物として要求される酸分解性を有するのみならず、いわゆる基板密着性に優れており、別途に密着性を高めるためのモノマーを用いる必要がないという特徴を有する。即ち、パーフルオロアルキル基の導入効果により、従来よりも、レジスト膜またはトップコート膜の撥水性、溶剤溶解性および現像液溶解性を向上させ、また、EUV光の吸収効率を向上させ高感度とした。
[発明5]
(発明1乃至発明4のいずれか1つの含フッ素ラクトンモノマー化合物が重合した構造単位を繰り返し単位として含む)下記一般式(2):
(式(2)中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1~6の直鎖状アルキル基、炭素数3~6の分枝鎖状アルキル基または炭素数3~6の環状アルキル基であり、R5はそれぞれ独立に水素原子もしくはフッ素原子、またはフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~6の直鎖状アルキル基、炭素数3~6の分岐鎖状アルキル基もしくは炭素数3~6の環状アルキル基であり、Rfはそれぞれ独立に炭素数1~4の直鎖状パーフルオロアルキル基である。)
で表される繰り返し単位を構造中に含有することを特徴とする含フッ素ラクトンポリマー化合物。
(発明1乃至発明4のいずれか1つの含フッ素ラクトンモノマー化合物が重合した構造単位を繰り返し単位として含む)下記一般式(2):
で表される繰り返し単位を構造中に含有することを特徴とする含フッ素ラクトンポリマー化合物。
[発明6]
R5が、水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基及びシクロヘキシル基からなる群から選択される1つであることを特徴とする、発明5の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
R5が、水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基及びシクロヘキシル基からなる群から選択される1つであることを特徴とする、発明5の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
[発明7]
R1、R2およびR5がメチル基であり、R3およびR4が水素原子であることを特徴とする、発明5または発明6の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
R1、R2およびR5がメチル基であり、R3およびR4が水素原子であることを特徴とする、発明5または発明6の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
[発明8]
Rfがトリフルオロメチル基であることを特徴とする、発明5乃至発明7のいずれか1つの含フッ素ラクトンポリマー化合物。
Rfがトリフルオロメチル基であることを特徴とする、発明5乃至発明7のいずれか1つの含フッ素ラクトンポリマー化合物。
[発明9]
発明1乃至発明4のいずれか1つの含フッ素ラクトンモノマー化合物と、他の重合性単量体とが共重合してなることを特徴とする、発明5乃至発明8のいずれか1つの含フッ素ラクトンポリマー化合物。
発明1乃至発明4のいずれか1つの含フッ素ラクトンモノマー化合物と、他の重合性単量体とが共重合してなることを特徴とする、発明5乃至発明8のいずれか1つの含フッ素ラクトンポリマー化合物。
また、一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物は、種々の重合性単量体と重合可能である。中でも、(メタ)アクリル酸エステルが重合性が高く、特にヘキサフルオロイソプロピル基を有するものが好適に使用される。
ヘキサフルオロイソプロピル基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、レジストの極性向上に寄与し、レジスト液を調製する際の溶剤溶解性を向上させ、レジスト膜の現像液溶解性も向上させる。
また、前記含フッ素モノマー化合物は酸分解性を有しているものの、別途、酸分解性の重合性単量体をさらに加えてもよい。それによって、レジスト露光部の現像液溶解性が向上する。
[発明10]
前記他の重合性単量体が、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルを含むことを特徴とする、発明9の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
前記他の重合性単量体が、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルを含むことを特徴とする、発明9の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
好ましくは、前記他の重合性単量体が、少なくともヘキサフルオロイソプロピル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むことを特徴とする、発明9に記載の含フッ素ラクトンポリマー化合物である。
以上のことから、発明1乃至発明4のいずれかの含フッ素ラクトンモノマー化合物、ヘキサフルオロイソプロピル基を有する(メタ)アクリル酸エステルおよび酸分解性重合性単量体を有する3成分以上が重合した含フッ素ラクトンポリマー化合物が、レジスト原料用組成物としては、特に好ましい。即ち、前記他の重合性単量体が、ヘキサフルオロイソプロピル基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは酸分解性重合性単量体であることが好ましい。
[発明11]
前記他の重合性単量体が、ヘキサフルオロイソプロピル基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは酸分解性重合性単量体であることを特徴とする、発明9の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
前記他の重合性単量体が、ヘキサフルオロイソプロピル基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは酸分解性重合性単量体であることを特徴とする、発明9の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
[発明12]
質量平均分子量が1,000以上、1,000,000以下であることを特徴とする、発明5乃至発明11のいずれか1つの含フッ素ラクトンポリマー化合物。
質量平均分子量が1,000以上、1,000,000以下であることを特徴とする、発明5乃至発明11のいずれか1つの含フッ素ラクトンポリマー化合物。
当該質量平均分子量が1000以上であると、レジスト膜としたときの強度が得られ、1,000,000以下であるとレジスト液とする際に、好適な溶媒への溶剤溶解性が得られ、平坦なレジスト膜を得やすい。
また、当該質量平均分子量が1000以上であると、トップコート膜としたときの強度が得られ、1,000,000以下であるとトップコート液とする際に、好適な溶媒への溶剤溶解性が得られ、平坦なレジスト膜を得やすい。
[発明13]
酸発生部位を構造中に含有させた発明5乃至発明12のいずれか1つの含フッ素ラクトンポリマー化合物と、溶剤とを含むことを特徴とするレジスト液。
酸発生部位を構造中に含有させた発明5乃至発明12のいずれか1つの含フッ素ラクトンポリマー化合物と、溶剤とを含むことを特徴とするレジスト液。
[発明14]
発明5乃至発明12のいずれか1つの含フッ素ラクトンポリマー化合物、酸発生剤および溶剤を含むことを特徴とするレジスト液。
発明5乃至発明12のいずれか1つの含フッ素ラクトンポリマー化合物、酸発生剤および溶剤を含むことを特徴とするレジスト液。
[発明15]
発明5乃至発明12のいずれか1つの含フッ素ラクトンポリマー化合物、酸発生剤、界面活性剤および溶剤を含むことを特徴とするレジスト液。
発明5乃至発明12のいずれか1つの含フッ素ラクトンポリマー化合物、酸発生剤、界面活性剤および溶剤を含むことを特徴とするレジスト液。
[発明16]
発明13乃至発明15のいずれか1つのレジスト液を基板に塗布する第1の工程と、当該基板を加熱し基板上にレジスト膜を形成する第2の工程と、波長300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を用いてフォトマスクを介してレジスト膜を露光する第3の工程と、現像液を用いて露光部位のレジスト膜を溶解しパターン形成する第4の工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
発明13乃至発明15のいずれか1つのレジスト液を基板に塗布する第1の工程と、当該基板を加熱し基板上にレジスト膜を形成する第2の工程と、波長300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を用いてフォトマスクを介してレジスト膜を露光する第3の工程と、現像液を用いて露光部位のレジスト膜を溶解しパターン形成する第4の工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
次いで、トップコート用組成物について言えば、ヘキサフルオロイソプロピル基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、トップコート用組成物の極性向上に寄与し、トップコート液を調製する際の溶剤溶解性を向上させる。
また、前記含フッ素ラクトンモノマー化合物は酸分解性を有しているものの、別途、酸分解性の重合性単量体をさらに加えてもよい。それによって、トップコート膜の現像液溶解性が向上する。
以上のことから、一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物、ヘキサフルオロイソプロピル基を有する(メタ)アクリル酸エステルおよび酸分解性重合性単量体を有する3成分以上が重合した含フッ素ラクトンポリマー化合物が、トップコート用組成物として特に好ましい。即ち、前記重合性単量体が、ヘキサフルオロイソプロピル基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは酸分解性重合性単量体であることが好ましい。
[発明17]
発明5乃至発明12のいずれか1つの含フッ素ラクトンポリマー化合物と溶剤とを含むことを特徴とするトップコート液。
発明5乃至発明12のいずれか1つの含フッ素ラクトンポリマー化合物と溶剤とを含むことを特徴とするトップコート液。
[発明18]
発明17のトップコート液をレジスト塗布済の基板に塗布する第1の工程と、当該基板を加熱する第2の工程と、波長300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を用いてフォトマスクを介してレジストを露光する第3の工程と、現像液を用いて露光部位のレジストを溶解しパターン形成する第4の工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
発明17のトップコート液をレジスト塗布済の基板に塗布する第1の工程と、当該基板を加熱する第2の工程と、波長300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を用いてフォトマスクを介してレジストを露光する第3の工程と、現像液を用いて露光部位のレジストを溶解しパターン形成する第4の工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
本発明において、フッ素原子をラクトン構造に導入することを試み、ラクトン化合物に特定の含フッ素アルキル基を付加させた新規の含フッ素ラクトンモノマー化合物、それを重合させてなる新規の含フッ素ラクトンポリマー化合物が得られた。この化合物をレジスト材料に用いると、従来よりも、撥水性、溶剤溶解性および現像液溶解性が向上したレジスト、且つEUV光の吸収効率のよい高感度なレジストが得られた。
即ち、本発明のレジストはKrFレーザー(波長248nm)、ArFレーザー(波長193nm)を用いてのフォトリソグラフィー、または波長13.5nmの極紫外光を用いてのEUVリソグラフィーに有効である。
また、本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物を重合させた含フッ素ラクトンポリマー化合物に、酸発生剤を加え、さらに溶剤を加えてなるレジストは、好適な撥水性、溶剤溶解性および現像液溶解性を備える。その結果、波長300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を用いてフォトリソグラフィー、特に液浸リソグラフィー、またはEUVリソグラフィー用のレジストに好適である。
また本発明により、特定の含フッ素ラクトンモノマー化合物を重合させた含フッ素ラクトンポリマーを用いたトップコート用組成物、含フッ素ラクトンモノマーと他の重合性単量体を重合させた含フッ素ラクトンポリマーを用いたトップコート用組成物、これらトップコート用組成物に溶剤を加えてなる本発明のトップコート液が得られた。トップコート液とした際に、従来より撥水性および現像液溶解性が増す。その結果、波長300nm以下の高エネルギー線としての紫外光を用いるフォトリソグラフィー、特に液浸リソグラフィーにて、レジスト膜上に塗布した後にパターン形成を行うと、極めて微細且つ高精度なパターン形状を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。なお、本明細書は、本明細書において引用された全ての刊行物、例えば先行技術文献、および公開公報、特許公報その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込まれる。
本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物が重合した構造単位を含むポリマーは、レジスト材料またはトップコート用組成物の基本性能として要求される酸分解性と、基板への密着性を発揮する。このため、本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物によるホモポリマーであっても、レジストまたはトップコートとしての使用は十分可能である。
一方、酸発生、酸分解性、密着性および親水性等の機能を有する他の重合性単量体を当該含フッ素ラクトンモノマーと共重合させるか、もしくはそれぞれの単量体の単独重合体を混合することにより、リソグラフィー用のレジストまたはトップコートに求められる様々な要求性能を満たすことも可能である。
以下、それぞれの項目に分けて本発明を構成する各要素を説明する。
[含フッ素ラクトンモノマー化合物]
前記一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物は、重合性アクリル酸のカルボン酸部位と含フッ素ラクトンのアルコール部位とがエステル結合したものである。
[含フッ素ラクトンモノマー化合物]
前記一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物は、重合性アクリル酸のカルボン酸部位と含フッ素ラクトンのアルコール部位とがエステル結合したものである。
従来のフッ素を持たないラクトンモノマー化合物を用いて調製したレジスト組成物と比較して、レジスト材料に用いれば、撥水性、溶剤溶解性、現像液溶解性およびEUV光の吸収効率の向上を果たすことができる。
また、当該含フッ素ラクトンモノマー化合物を用いて調製したトップコート用組成物は、従来のフッ素を持たないラクトンモノマーを用いて調製したトップコート用組成物と比較して、撥水性および現像液溶解性の向上を果たすことができる。
即ち、一般式(1)に示すように、さらに含フッ素基を導入することにより、当該含フッ素ラクトンモノマー化合物を用いて調製したレジスト材料の、撥水性、溶剤溶解性、現像液溶解性およびEUV光の吸収効率を向上させることができる。
同様に、さらに含フッ素基を導入することにより、当該含フッ素ラクトンモノマー化合物を用いて調製したトップコート用組成物に撥水性および現像液溶解性の向上を果たすことができる。
一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物において、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1~6の直鎖状アルキル基、炭素数3~6の分枝鎖状アルキル基または炭素数3~6の環状アルキル基であり、R5は水素原子もしくはフッ素原子、またはフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~6の直鎖アルキル基、炭素数3~6の分岐鎖アルキル基もしくは炭素数3~6の環状アルキル基であり、Rfは炭素数1~4の直鎖状パーフルオロアルキル基である。
レジストの撥水性、溶剤溶解性、現像液溶解性およびEUV光の吸収効率の向上のためには、一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物において、R5が水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基及びシクロヘキシル基からなる群から選択される1つであることが好ましく、さらに、R1、R2およびR5がメチル基であり、R3およびR4が水素原子であることが好ましく、さらに、Rfがトリフルオロメチル基であることが好ましい。
これらの含フッ素ラクトンモノマー化合物の中で、例えば、R1、R2およびR5がメチル基、R3およびR4が水素原子、Rfがトリフルオロメチル基である化合物は、例えば、含フッ素ラクトニルアルコールとメタクリル酸との脱水縮合反応、含フッ素ラクトニルアルコールとメタクリル酸無水物またはメタクリル酸クロリドとのカップリング反応、または含フッ素ラクトニルアルコールとメタクリル酸メチルとのエステル交換反応により合成することができる。
これらの反応により得られた含フッ素ラクトンモノマー化合物は、必要に応じて再結晶、クロマトグラフィー、蒸留等の方法により精製する。
[含フッ素ラクトンポリマー化合物]
前記一般式(2)で表される含フッ素ラクトンポリマー化合物は、一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物の有する重合性二重結合が開裂して単独で、または、他の重合性二重結合を有する単量体と重合して高分子の骨格を形成しているものである。
前記一般式(2)で表される含フッ素ラクトンポリマー化合物は、一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物の有する重合性二重結合が開裂して単独で、または、他の重合性二重結合を有する単量体と重合して高分子の骨格を形成しているものである。
一般式(2)で表される含フッ素ラクトンポリマー化合物において、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1~6の直鎖状アルキル基、炭素数3~6の分枝鎖状アルキル基または炭素数3~6の環状アルキル基であり、R5はそれぞれ独立に水素原子もしくはフッ素原子、またはフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1~6の直鎖状アルキル基、炭素数3~6の分岐鎖状アルキル基もしくは炭素数3~6の環状アルキル基であり、Rfはそれぞれ独立に炭素数1~4の直鎖状パーフルオロアルキル基である。
一般式(2)で表される含フッ素ラクトンポリマー化合物をレジスト膜とした際の撥水性、溶剤溶解性および現像液溶解性の向上のためには、または、当該一般式(2)で表される含フッ素ラクトンポリマー化合物をトップコート用組成物に用い、レジスト上にトップコート膜を形成した際の撥水性と現像液溶解性の向上のためには、該含フッ素ラクトンポリマー化合物において、R5が水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基及びシクロヘキシル基からなる群から選択される1つであることが好ましく、さらに、R1、R2およびR5がメチル基であり、R3およびR4が水素原子であることが好ましく、さらにRfがトリフルオロメチル基であることが好ましい。
[含フッ素ラクトンポリマー化合物の製造]
本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物を製造する際の含フッ素ラクトンモノマー化合物の重合方法としては、ラジカル重合、イオン重合が好ましく、配位アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、開環メタセシス重合、ビニレン重合、ビニル付加重合も可能である。
本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物を製造する際の含フッ素ラクトンモノマー化合物の重合方法としては、ラジカル重合、イオン重合が好ましく、配位アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、開環メタセシス重合、ビニレン重合、ビニル付加重合も可能である。
ラジカル重合は、ラジカル重合開始剤あるいはラジカル開始源の存在下で、塊状重合、溶液重合、懸濁重合または乳化重合等の重合方法により、回分式、半連続式または連続式のいずれかの操作で行う。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系化合物、過酸化物系化合物、レドックス系化合物が挙げられ、特にアゾビスイソブチロニトリル、tert-ブチルパーオキシピバレート、ジ-tert-ブチルパーオキシド、i-ブチリルパーオキシド、ラウロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキシド、ジシンナミルパーオキシド、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、tert-ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、過酸化ベンゾイル、過酸化水素または過硫酸アンモニウムを用いることが好ましい。
重合反応に用いる反応容器は特に限定されない。また、重合反応においては、重合溶媒を用いてもよい。重合溶媒としては、ラジカル重合を阻害しないものが好ましく、エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルイソブチルケトン、炭化水素系溶媒としては、シクロヘキサン、アルコール系溶剤としては、メタノール、イソプロピルアルコールまたはエチレングリコールモノメチルエーテル、芳香族系溶媒としてはトルエン、他には、水、エーテル系溶媒、環状エーテル系溶媒、フロン系溶媒を使用することも可能である。これらの溶剤は単独で、あるいは2種類以上を混合しても使用できる。また、メルカプタンのような分子量調整剤を併用してもよい。
共重合反応の反応温度はラジカル重合開始剤あるいはラジカル重合開始源により適宜変更され、通常は20℃以上、200℃以下が好ましく、特に30℃以上、140℃以下が好ましい。
得られる含フッ素ラクトンポリマー化合物の溶液または分散液から有機溶媒または水を除去する方法として、再沈殿、ろ過、減圧下での加熱留出等の方法が可能である。
[重合性単量体]
本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物は、他の重合性単量体との間で、良好に共重合体ポリマーとしての含フッ素ラクトンポリマー化合物を形成し、このような含フッ素ラクトンポリマー化合物をレジスト原料またはトップコート用組成物に使用することができる。尚、以下において、重合性単量体とは、本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物を除く他の単量体である。
本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物は、他の重合性単量体との間で、良好に共重合体ポリマーとしての含フッ素ラクトンポリマー化合物を形成し、このような含フッ素ラクトンポリマー化合物をレジスト原料またはトップコート用組成物に使用することができる。尚、以下において、重合性単量体とは、本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物を除く他の単量体である。
本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物は、一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物が単独重合、あるいは他の重合性単量体と共重合したものである。一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物のR5に隣接する炭素-炭素間の二重結合の開裂によって、含フッ素ラクトンポリマー化合物の骨格が形成されるが、その他の構造は重合反応において変化しない。
レジスト材料として使用する際に、含フッ素ラクトンポリマー化合物は、一般式(2)で表される繰り返し単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにレジストに必要な一般的特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し単位を含有することができる。
また、トップコート用組成物として使用する際に、含フッ素ラクトンポリマー化合物は、一般式(2)で表される繰り返し単位以外に、液浸リソグラフィー用のトップコートに必要な一般的特性である溶剤溶解性、現像液溶解性、成膜性(ガラス転移点)、撥水性、解像力、耐熱性、レジスト膜との密着性または膜減り(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)等を調節する目的で様々な繰り返し単位を含有することができる。
このような繰り返し単位としては、下記の幅広い重合性単量体が重合した構造単位としての繰り返し構造単位を挙げることができる。これにより、樹脂に要求される性能、特に、(1)塗布溶剤に対する溶剤溶解性、(2)成膜性(成膜の容易さ、ガラス転移点が低いこと)、(3)アルカリ現像液への現像液溶解性、(4)未露光部の基板への密着性、(5)ドライエッチング耐性等の微調整が可能となる。
このような、本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物と共重合可能な重合性単量体を、例示すれば、無水マレイン酸、アクリル酸エステル、含フッ素アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、含フッ素スチレン系化合物、ビニルエーテル類、含フッ素ビニルエーテル類、アリルエーテル類、含フッ素アリルエーテル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、アリルエステル類、オレフィン類、含フッ素オレフィン類、ノルボルネン化合物、含フッ素ノルボルネン化合物、二酸化硫黄およびビニルシランからなる群から選ばれた少なくとも一種類以上の重合性単量体が挙げられる。
以下、重合性単量体について説明する。
<(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体>
前記種々の重合性単量体が一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物と共重合可能であり、幅広いものが使用可能である。中でも(メタ)アクリル酸エステルの重合性が高く、特にヘキサフルオロイソプロピル基を有するものが好適に使用される。
<(メタ)アクリル酸エステル系重合性単量体>
前記種々の重合性単量体が一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物と共重合可能であり、幅広いものが使用可能である。中でも(メタ)アクリル酸エステルの重合性が高く、特にヘキサフルオロイソプロピル基を有するものが好適に使用される。
ヘキサフルオロイソプロピル基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、レジストの極性向上に寄与し、レジスト液を調製する際の溶剤溶解性およびレジスト膜の現像液溶解性を向上させる。
また、ヘキサフルオロイソプロピル基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、トップコート用組成物の極性向上に寄与し、トップコート液を調製する際の溶剤溶解性を向上させる。
前記含フッ素ラクトンモノマー化合物は酸分解性を有しているものの、別途、酸分解性の重合性単量体をさらに加えてもよい。それによって、レジスト露光部の現像液溶解性を向上させること、又は、トップコート膜の現像液溶解性を向上させることが可能である。
以上のことから、一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物、ヘキサフルオロイソプロピル基を有する(メタ)アクリル酸エステルおよび酸分解性重合性単量体を有する3成分以上が重合した含フッ素ラクトンポリマー化合物が、レジスト原料としては、特に好ましい。
本発明において、重合性単量体には、一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物と共重合反応することが容易であることより、アクリル酸エステル、含フッ素アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよび含フッ素メタクリル酸エステルからなる群から選ばれた重合性単量体が、特に好ましく、本発明の含フッ素ポリマー化合物およびそれを用いてなるレジストまたはトップコートに好適に用いられる。
前記重合性単量体としてのアクリル酸エステルには、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、3-オキソシクロヘキシルアクリレート、アダマンチルアクリレート、アルキルアダマンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートまたはトリシクロデカニルアクリレート、あるいはエチレングリコール、プロピレングリコールもしくはテトラメチレングリコール基を含有したアクリレートが挙げられる。加えて、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはテトラメチレングリコール基を含有したアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリルもしくはアルコキシシラン含有のアクリル酸エステル、tert-ブチルアクリレート3-オキソシクロヘキシルアクリレート、アダマンチルアクリレート、メチルアダマンチルアクリレート、エチルアダマンチルアクリレート、ヒドロキシアダマンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、またはラクトン環もしくはノルボルネン環の環構造を有したアクリレートあるいはアクリル酸が挙げられる。
また、前記重合性単量体としてのメタクリル酸エステルには、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレートまたは2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、あるいはエチレングリコール、プロピレングリコールもしくはテトラメチレングリコール基を含有したメタクリレートが挙げられる。加えて、エチレングリコール、プロピレングリコールもしくはテトラメチレングリコール基を含有したメタクリレート、またはアクリロニトリル、メタクリロニトリルもしくはアルコキシシラン含有のメタクリル酸エステル、tert-ブチルメタクリレート、3-オキソシクロヘキシルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、メチルアダマンチルメタクリレート、エチルアダマンチルメタクリレート、ヒドロキシアダマンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、トリシクロデカニルメタクリレート、またはラクトン環もしくはノルボルネン環の環構造を有したメタクリレートまたはメタクリル酸が挙げられる。
また、前記重合性単量体としての、含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステルには、フッ素原子またはフッ素原子を有する基がアクリル酸エステルのα位に含有した単量体、またはエステル部位にフッ素原子を含有した置換基からなるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルであって、α位とエステル部位ともにフッ素を含有した含フッ素化合物が挙げられ、本発明に使用できる。
さらに、重合性単量体のα位にシアノ基が導入されていてもよい。上述した非フッ素系のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのα位にトリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ノナフルオロ-n-ブチル基等が付与された重合性単量体が好適に採用される。
一方、エステル部位にフッ素を含有する重合性単量体としては、エステル部位としてパーフルオロアルキル基、フルオロアルキル基であるフッ素アルキル基、またはエステル部位に環状構造とフッ素原子が共存する単位であって、その環状構造が例えばフッ素原子、トリフルオロメチル基、ヘキサフルオロカルビノール基等で置換された含フッ素ベンゼン環、含フッ素シクロペンタン環、含フッ素シクロヘキサン環または含フッ素シクロヘプタン等を有するアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルが挙げられる。
また、重合性単量体には、エステル部位が含フッ素のt-ブチルエステル基であるアクリル酸またはメタクリル酸のエステルが使用可能である。
前述の含フッ素の官能基は、α位の含フッ素アルキル基と併用した重合性単量体を用いることが可能である。
従って、重合性単量体には、2,2,2-トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルアクリレート、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート、ヘプタフルオロイソプロピルアクリレート、1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-n-ブチルアクリレート、1,1,5-トリヒドロオクタフルオロ-n-ペンチルアクリレート、1,1,2,2-テトラヒドロトリデカフルオロ-n-オクチルアクリレート、1,1,2,2-テトラヒドロヘプタデカフルオロ-n-デシルアクリレート、パーフルオロシクロヘキシルメチルアクリレート、6-[3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプチル-2-イルアクリレート、6-[3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプチル-2-イル2-(トリフルオロメチル)アクリレート、1,4-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシイソプロル)シクロヘキシルアクリレート、または1,4-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシイソプロピル)シクロヘキシル2-トリフルオロメチルアクリレートが挙げられる。また、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレート、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、ヘプタフルオロイソプロピルメタクリレート、1,1-ジヒドロヘプタフルオロ-n-ブチルメタクリレート、1,1,5-トリヒドロオクタフルオロ-n-ペンチルメタクリレート、1,1,2,2-テトラヒドロトリデカフルオロ-n-オクチルメタクリレート、1,1,2,2-テトラヒドロヘプタデカフルオロ-n-デシルメタクリレート、パーフルオロシクロヘキシルメチルアクリレート、パーフルオロシクロヘキシルメチルメタクリレート、6-[3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)プロピル]ビシクロ[2.2.1]ヘプチル-2-イルメタクリレート、または1、4-ビス(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-ヒドロキシイソプロピル)シクロヘキシルメタクリレートが挙げられる。
また、重合性単量体には、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミドまたはジアセトンアクリルアミドに代表される不飽和アミドが挙げられる。
また、重合性単量体として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル含有のビニルシランが挙げられる。
<その他の重合性単量体>
アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル以外のその他の重合性単量体としては、マレイン酸、フマル酸または無水マレインが挙げられ、アルコキシシラン含有のビニルシランが挙げられる。
アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル以外のその他の重合性単量体としては、マレイン酸、フマル酸または無水マレインが挙げられ、アルコキシシラン含有のビニルシランが挙げられる。
また、重合性単量体としてのスチレン系化合物または含フッ素スチレン系化合物には、スチレン、フッ素化スチレン、ヒドロキシスチレンの他、ヘキサフルオロカルビノール基もしくはその水酸基を修飾した官能基が一つまたは複数個結合した化合物が挙げられる。より具体的には、ペンタフルオロスチレン、トリフルオロメチルスチレンまたはビストリフルオロメチルスチレン等のフッ素原子あるいはトリフルオロメチル基で芳香環の水素を置換したスチレン、ヘキサフルオロイソプロピル水酸基、またはその水酸基を保護した官能基で芳香環の水素を置換したスチレンが挙げられる。また、α位にハロゲン、アルキル基または含フッ素アルキル基が結合した上記スチレン、パーフルオロビニル基含有スチレンが挙げられる。フッ素原子またはトリフルオロメチル基で水素を置換したスチレンまたはヒドロキシスチレン、α位にハロゲン、アルキル基または含フッ素アルキル基が結合した上記スチレン、パーフルオロビニル基含有のスチレンが好ましく、本発明に使用可能である。
また、重合性単量体には、ビニルエーテル、含フッ素ビニルエーテル、アリルエーテルまたは含フッ素アリルエーテルが使用でき、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヒドロキシエチル基またはヒドロキシブチル基を含有するアルキルビニルエーテルまたはアルキルアリルエーテルが好ましく、使用可能である。
また、重合性単量体には、シクロヘキシル基、ノルボルネル基、芳香環およびその環状構造内に、水素原子もしくはカルボニル結合を有した環状型ビニルまたはアリルエーテル、あるいは上記官能基の水素の一部もしくは全部がフッ素原子で置換された含フッ素ビニルエーテルまたは含フッ素アリルエーテルが使用できる。
尚、本発明には、ビニルエステル、ビニルシラン、オレフィン、含フッ素オレフィン、ノルボルネン化合物、含フッ素ノルボルネン化合物、またはその他の重合性不飽和結合を含有した化合物も重合性単量体として使用することが可能である。
重合性単量体としてのオレフィンには、エチレン、プロピレン、イソブテン、シクロペンテンまたはシクロヘキセンが、含フッ素オレフィンには、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンまたはヘキサフルオロイソブテンが挙げられる。
また、重合性単量体としてのノルボルネン化合物には、含フッ素ノルボルネン化合物または複数の核構造を有するノルボルネン単量体が挙げられる。
以上、重合性単量体には、含フッ素オレフィン、アリルアルコール、含フッ素アリルアルコール、ホモアリルアルコール、含フッ素ホモアリルアルコール、アクリル酸、α-フルオロアクリル酸、α-トリフルオロメチルアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステル、2-(ベンゾイルオキシ)ペンタフルオロプロパン、2-(メトキシエトキシメチルオキシ)ペンタフルオロプロペン、2-(テトラヒドロキシピラニルオキシ)ペンタフルオロプロペン、2-(ベンゾイルオキシ)トリフルオロエチレン、2-(メトキメチルオキシ)トリフルオロエチレンが挙げられる。シクロペンタジエンまたはシクロヘキサジエンとのDiels-Alder付加反応で生成するノルボルネン化合物である、3-(5-ビシクロ[2.2.1]ヘプテン-2-イル)-1,1,1-トリフルオロ-2-(トリフルオロメチル)-2-プロパノールが挙げられる。尚、以上の重合性単量体は、本発明において、単独使用しても、2種以上を併用してもよい。
以下、レジスト材料における各要素について説明する。
[酸発生部位を構造中に含有させた重合性単量体(レジスト材料)]
次に構造中に酸発生部位としての酸不安定性基を有した重合性単量体について説明する。
本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物を製造するために、上記重合性単量体以外に、酸発生部位を構造中に含有させた重合性単量体を加えてもよい。これによって、現像液に対する現像液溶解性が向上する。
[酸発生部位を構造中に含有させた重合性単量体(レジスト材料)]
次に構造中に酸発生部位としての酸不安定性基を有した重合性単量体について説明する。
本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物を製造するために、上記重合性単量体以外に、酸発生部位を構造中に含有させた重合性単量体を加えてもよい。これによって、現像液に対する現像液溶解性が向上する。
重合性単量体の構造中にアルコール置換基等の親水性基を酸不安性基で保護した部位を含有させる目的は、300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を露光した後にレジストの露光部位のおけるアルカリ水溶液、即ち、現像液への現像液溶解性を発現させることである。その官能基にフッ素原子を持つものは透明性を向上させる、環状構造を含むものはエッチング耐性を向上させる、または高ガラス転移温度(Tg)点等の特徴をさらに付与するため、本発明の応用分野ごとに使い分けることが可能である。
構造中の親水性発現部位として酸不安定性基を有する重合性単量体とは、以下に示した酸不安定性基と重合性基とを併せ持つ化合物であり、酸不安定性基としては光酸発生剤や加水分解等の効果で脱離が起きる基であり、例示するならば、アルキコキシカルボニル基、アセタール基、シリル基、アシル基等を挙げることができる。三級アルコールの重合性エステルまたは重合性エーテルを挙げることができる。
アルコキシカルボニル基としては、tert-ブトキシカルボニル基、tert-アミルオキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基またはi-プロポキシカルボニル基を例示できる。
アセタール基としては、メトキシメチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、シクロヘキシルオキシエチル基、ベンジルオキシエチル基、フェネチルオキシエチル基、エトキシプロピル基、ベンジルオキシプロピル基、フェネチルオキシプロピル基、エトキシブチル基またはエトキシイソブチル基が挙げられる。
シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、メチルジエチルシリル基、トリエチルシリル基、i-プロピルジメチルシリル基、メチルジ-i-プロピルシリル基、トリ-i-プロピルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、メチルジ-t-ブチルシリル基、トリ-t-ブチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基またはトリフェニルシリル基が挙げられる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、バレリル基、ピバロイル基、イソバレリル基、ラウリロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オキサリル基、マロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、ピペロイル基、スベロイル基、アゼラオイル基、セバコイル基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、オレオイル基、マレオイル基、フマロイル基、メサコノイル基、カンホロイル基、ベンゾイル基、フタロイル基、イソフタロイル基、テレフタロイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基またはイソニコチノイル基が挙げられる。
さらに、これら酸不安定性基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたものも、重合性単量体として使用することもできる。
重合性基を有する化合物としてはアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、含フッ素スチレン系化合物、ビニルエーテル、含フッ素ビニルエーテル、アリルエーテル、含フッ素アリルエーテル、オレフィン、含フッ素オレフィン、ノルボルネン化合物、含フッ素ノルボルネン化合物等が挙げられる。
また、三級アルコールの重合性エステルまたは重合性エーテルとしては、アルコール部位がメチルシクロヘキシル基、t-ブチル基、2-メチルアダマンチル基または1-アダマンチル基である化合物を挙げることができ、また重合性エステルとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステル、また、重合性エーテルとしては、ビニルエーテル、含フッ素ビニルエーテル、アリルエーテルまたは含フッ素アリルエーテルが挙げられる。
上記酸不安定性基と重合性基とを併せ持つ重合性単量体と、一般式(1)で表される含フッ素ラクトンモノマー化合物とを共重合させて含フッ素ラクトンポリマー化合物を製造することができる。
[酸発生部位を有した重合性単量体(レジスト材料)]
酸発生剤は本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物とは別に添加してもよいが、本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物と、重合性基を有する酸発生化合物とを共重合させることによって、酸発生剤を含フッ素ラクトンポリマー化合物の構造中に含有させてもよい。これによって、光照射により発生する酸がレジスト膜中で拡散する距離を抑制することができるため解像度が向上する。
酸発生剤は本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物とは別に添加してもよいが、本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物と、重合性基を有する酸発生化合物とを共重合させることによって、酸発生剤を含フッ素ラクトンポリマー化合物の構造中に含有させてもよい。これによって、光照射により発生する酸がレジスト膜中で拡散する距離を抑制することができるため解像度が向上する。
このような重合性基を有する光酸発生剤の例としては、ジアゾメタン類、グリオキシム誘導体類、ニトロベンジル誘導体類、オニウム塩類、ハロゲン含有トリアジン化合物類、β-ケトスルホン酸誘導体類、ジスルホン誘導体類、シアノ基含有オキシムスルホネート化合物類、イミドイルスルホネート誘導体類、その他のオキシムスルホネート化合物が挙げられる。
重合性基を有する重合性単量体としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、含フッ素アクリル酸エステル、含フッ素メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、含フッ素スチレン系化合物、ビニルエーテル、含フッ素ビニルエーテル、アリルエーテル、含フッ素アリルエーテル、オレフィン、含フッ素オレフィン、ノルボルネン化合物または含フッ素ノルボルネン化合物が例示できる。
[酸発生剤(レジスト材料)]
本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物をレジスト材料とするために、別に酸発生剤を添加する場合、酸発生剤については特に制限はなく、化学増幅型レジストの酸発生剤が使用される。このような酸発生剤として、例えば、ビススルホニルジアゾメタン類、ニトロベンジル誘導体類、オニウム塩類、ハロゲン含有トリアジン化合物類、シアノ基含有オキシムスルホネート化合物類、その他のオキシムスルホネート化合物が挙げられる。これらの光酸発生剤は単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。前述のように高解像のパターン形成を目的とするならば、露光により発生した酸の移動距離を制限することが可能な重合性部位を有する酸発生剤を用いても良い。
本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物をレジスト材料とするために、別に酸発生剤を添加する場合、酸発生剤については特に制限はなく、化学増幅型レジストの酸発生剤が使用される。このような酸発生剤として、例えば、ビススルホニルジアゾメタン類、ニトロベンジル誘導体類、オニウム塩類、ハロゲン含有トリアジン化合物類、シアノ基含有オキシムスルホネート化合物類、その他のオキシムスルホネート化合物が挙げられる。これらの光酸発生剤は単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。前述のように高解像のパターン形成を目的とするならば、露光により発生した酸の移動距離を制限することが可能な重合性部位を有する酸発生剤を用いても良い。
単体としての酸発生剤および重合性部位を有する酸発生剤のどちらの場合においても、含有量は、含フッ素ラクトンポリマー化合物100質量部に対して、通常0.5質量部以上、20質量部以下の範囲内に調整される。この量が0.5質量部未満では像形成性が不十分であるし、20質量部を超えると均一な溶液が形成されにくく、保存安定性が低下する傾向がみられる。
[酸発生剤への塩基性化合物の配合(レジスト材料)]
塩基性化合物を上記酸発生剤に配合することにより、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイルを向上できる。
塩基性化合物を上記酸発生剤に配合することにより、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイルを向上できる。
このような塩基性化合物としては、アンモニア、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシル基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、またはアルコール性含窒素化合物が挙げられる。
これら塩基性化合物は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は全ベース樹脂100質量部に対して0.01質量部以上、2質量部以下、特に0.01質量部以上、1質量部以下が好適である。配合量が0.01質量部未満であると添加剤としての効果が十分に得られない場合があり、2質量部を超えると解像度や感度が低下する場合がある。
溶解抑制剤とは酸の作用によりアルカリ水溶液、即ち、現像液に対する現像液溶解性を変化させるもので、つまり酸不安定性基を有した化合物であり、本発明のレジストに使用できる。
一般的な酸不安定性基としては前述した酸不安定性基であり、酸によって切断される官能基である。
このような溶解抑制剤を用いた高分子化合物は、エネルギー線が照射され活性化される前にはアルカリ性水溶液に不溶もしくは難溶である。エネルギー線を照射し活性化すると、酸発生剤から発生した酸により加水分解されアルカリ性水溶液、即ち、現像液に対して現像液溶解性を示すようになる。
溶解阻止剤は、酸の作用により、現像液溶解性が変化する分子量3,000以下の化合物、特に分子量2,500以下のフェノール、カルボン酸誘導体、ヘキサフルオロイソプロパノールを含む化合物のヒドロキシ基の一部あるいは全部を酸不安定性基で置換した化合物が適しており、本発明のレジストに使用可能である。これら溶解阻止剤の添加量としては、レジスト材料中のベース樹脂100質量部に対して20質量部以下、好ましくは15質量部以下である。20質量部より多いとレジスト材料の耐熱性が低下する。
以下、トップコート用組成物における要素について説明する。
[酸不安定性基の導入(トップコート用組成物)]
本発明のトップコート用組成物に使用される含フッ素ラクトンポリマー化合物には、含フッ素ラクトンモノマー化合物と酸不安定基を有する重合性単量体とを共重合させた含フッ素ラクトンポリマー化合物を使用してもよい。
[酸不安定性基の導入(トップコート用組成物)]
本発明のトップコート用組成物に使用される含フッ素ラクトンポリマー化合物には、含フッ素ラクトンモノマー化合物と酸不安定基を有する重合性単量体とを共重合させた含フッ素ラクトンポリマー化合物を使用してもよい。
本発明のトップコート用組成物に酸不安定基を導入する目的は、波長300nm以下のエキシマレーザーによる紫外線、X線等の高エネルギー線または電子線の露光によりレジスト膜中で発生してトップコート膜へ拡散して来た酸を捕捉しつつ、露光部位近傍のトップコート膜のアルカリ現像液への現像液溶解性を向上させることである。
本発明のトップコート用組成物に使用される酸不安定基を有する重合性単量体は、酸不安定基が光酸発生剤から発生した酸により加水分解して脱離するものであればよく、重合性基としてはアルケニル基またはシクロアルケニル基であればよく、ビニル基、1-メチルビニル基または1-トリフルオロメチルビニル基であるものが好ましい。また、酸不安定基を有する重合性単量体を例示するならば、三級アルコールのエステル部位、三級アルコールの炭酸エステル部位、アルコキシメチレンエーテル部位から選ばれる少なくとも一種の酸不安定基を有する重合性単量体を好ましく使用できる。
次いで、レジスト材料およびトップコート組成物に共通な要素について説明する。
[含フッ素ラクトンモノマー化合物および重合性単量体を重合した含フッ素ラクトンポリマー化合物]
一般式(2)で表される繰り返し単位を含む含フッ素ラクトンポリマー化合物における、一般式(2)で表される繰り返し単位(a)と、前述の重合性単量体に基づく繰り返し単位(b)とのモル比(共重合比)は、レジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。また、トップコートの一般的な必要性能である溶剤溶解性、成膜性(ガラス転移点)、撥水性、解像力、耐熱性、レジスト膜との密着性、または膜減り(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)等を調節するために適宜設定される。
[含フッ素ラクトンモノマー化合物および重合性単量体を重合した含フッ素ラクトンポリマー化合物]
一般式(2)で表される繰り返し単位を含む含フッ素ラクトンポリマー化合物における、一般式(2)で表される繰り返し単位(a)と、前述の重合性単量体に基づく繰り返し単位(b)とのモル比(共重合比)は、レジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。また、トップコートの一般的な必要性能である溶剤溶解性、成膜性(ガラス転移点)、撥水性、解像力、耐熱性、レジスト膜との密着性、または膜減り(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)等を調節するために適宜設定される。
本発明にかかる含フッ素ラクトンポリマー化合物は、繰り返し単位(a)単独の重合体でもよいが、一般式(2)で表される繰り返し単位(a)と、前述の重合性単量体に基づく繰り返し単位(b)との質量比は、質量%により、(a):(b)で表して、それぞれ(0.1%~99.9%):(99.9%~0.1%)であってもよいし、または(1%~99%):(99%~1%)であってもよい。また、(10%~90%):(90%~10%)とすることができ、(30%~70%):(70%~30%)とすることが好ましい。繰り返し単位(a)の含有が0.1%未満においては、現像時の現像液溶解性に劣り、99.9%を超えると現像液溶解性の調節が困難になりあまり好ましくない。
前述の繰り返し単位は、ラクトン基を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルが重合した繰り返し単位(a)と極性基を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステが重合した繰り返し単位(b)であることが好ましい。その場合、ラクトン基含有単量体が重合した繰り返し単位を10質量%以上、60質量%以下含むものが好ましく、20質量%以上、50質量%以下含有するものがさらに好ましい。
さらに、レジスト材料においては、酸性基含有単量体に由来する繰り返し単位を1質量%以上、50質量%以下含むものも好ましく、その場合、5質量%以上、30質量%以下含有するものがより好ましい。さらに、酸不安定性保護基を有しない繰り返し単位として、極性基およびラクトン基の何れをも有しないアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルに由来する繰り返し単位を含むことができる。その場合、このような重合性単量体が重合した繰り返し単位を1質量%以上、70質量%以下含むものがより好ましく、5質量%以上、60質量%以下含有するものがより好ましい。
レジスト材料として使用する場合における、本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した質量平均分子量で1,000~1,000,000であり、2,000~500,000が好ましい。質量平均分子量が1000以上であると、レジスト膜としたときの強度が得られ、1,000,000以下であると好適な溶媒への溶剤溶解性が得られ平坦なレジスト膜を得やすい。質量平均分子量1,000未満では、レジスト膜とした際の十分な強度を得がたく、1,000,000を超えると溶媒への溶解性が低下し、平滑な塗膜を得るのが難しい。分散度(質量平均分子量/数平均分子量=Mw/Mn)は小さい方が好ましく、1.01以上、5.00以下が好ましく、より好ましくは4.00以下、さらに好ましくは3.00以下、さらに好ましくは2.50以下である。
トップコート用組成物として使用する場合における、本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した質量平均分子量で1,000~1,000,000であり、2,000~500,000が好ましい。質量平均分子量1,000未満では、塗布膜の強度が不十分であり、1,000,000を超えると溶媒への溶解性が低下し、平滑な塗膜を得るのが困難になり好ましくない。分散度(Mw/Mn)は、1.01~5.00が好ましく、1.01~4.00がより好ましく、1.01~3.00が特に好ましく、1.10~2.50が最も好ましい。また、前記含フッ素ラクトンポリマー化合物は、5員環ラクトン構造とその環に結合したトリフルオロメチル基を含むので、300nm以下の波長における吸光度が非常に低いという特性を有する。したがって、トップコート膜への露光においては、300nm以下の高エネルギー線を使用することが可能である。
また、前記含フッ素ラクトンポリマー化合物は、環状構造を有しているため、比較的高いガラス転移温度(Tg)を与える。ガラス転移温度(Tg)が低いとレジスト構成成分がトップコート層へ拡散するので好ましくない。本発明にかかる含フッ素ラクトンポリマーは、共重合する成分(共単量体)にも依存するが、概ね120℃以上のTgを有するので、ベーク温度(100℃)よりも高いため、かかる拡散を抑えることができる。
以下、本発明のレジスト液、レジスト液に使用する溶剤およびパターン形成方法について説明する。
[レジスト]
本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物は、レジスト、特に化学増幅型、とりわけ化学増幅ポジ型レジストのベース樹脂として使用することができるが、アルカリ可溶性やその他の物性を変える目的で他の高分子化合物と混合して用いることもできる。
本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物は、レジスト、特に化学増幅型、とりわけ化学増幅ポジ型レジストのベース樹脂として使用することができるが、アルカリ可溶性やその他の物性を変える目的で他の高分子化合物と混合して用いることもできる。
その際、混合する他の高分子化合物の範囲は特に限定されないが、レジスト用の公知の高分子化合物等と任意の範囲で混合することができる。
本発明のレジストは、本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物をベース樹脂とする以外は公知の成分を用いて調製し得るが、特に化学増幅ポジ型レジスト材料に使用する際は、他の高分子化合物、有機溶剤、酸発生剤を含有させる。
これらレジストに、さらに塩基性化合物、溶解阻止剤、可塑剤、安定剤、着色剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、相溶化剤、密着剤、酸化防止剤等の種々添加剤を配合してもよい。
[溶剤(レジスト)]
本発明のレジストに使用できる有機溶剤としては、本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物および他の高分子化合物等のベース樹脂、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能であればいずれでもよい。
本発明のレジストに使用できる有機溶剤としては、本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物および他の高分子化合物等のベース樹脂、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能であればいずれでもよい。
このような有機溶剤としては、例えば、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトンもしくは2‐ヘプタノン、多価アルコールおよびその誘導体としては、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、またはジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルもしくはモノフェニルエーテル、環式エーテル、例えば、ジオキサン、またはエステル類としての乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチルもしくはエトキシプロピオン酸エチル、芳香族系溶媒としてのキシレン、トルエン、他にフッ素系溶剤として、フロン、代替フロン、パーフルオロ化合物もしくはヘキサフルオロイソプロピルアルコール、または塗布性を高める目的で高沸点弱溶剤であるターペン系の石油ナフサ溶媒やパラフィン系溶媒が挙げられ、これらの溶媒は1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。
なお、上記溶剤の使用量は、ベース樹脂100質量部に対し、300質量部以上、10,000質量部以下、特に500質量部以上、5,000質量部以下が好ましい。
[パターン形成方法(レジスト)]
本発明において、フォトリソグラフィー技術におけるパターン形成方法が用いられる。先ず、シリコンウェハ等の基板に、レジスト液をスピンナー等により塗布し、加熱乾燥させてレジスト膜、即ち、感光層を形成し、これに露光装置より300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を所望のマスクパターンを有するレチクルを介してレジスト膜に照射する。次いでこれを現像液、例えば0.1質量%以上、10質量%以下の濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液等のようなアルカリ性の現像液を用いて、酸発生剤により酸が発生した光照射部のレジスト膜を溶解し現像処理する。この形成方法でマスクパターンに忠実なパターンが得られる。
本発明において、フォトリソグラフィー技術におけるパターン形成方法が用いられる。先ず、シリコンウェハ等の基板に、レジスト液をスピンナー等により塗布し、加熱乾燥させてレジスト膜、即ち、感光層を形成し、これに露光装置より300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を所望のマスクパターンを有するレチクルを介してレジスト膜に照射する。次いでこれを現像液、例えば0.1質量%以上、10質量%以下の濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液等のようなアルカリ性の現像液を用いて、酸発生剤により酸が発生した光照射部のレジスト膜を溶解し現像処理する。この形成方法でマスクパターンに忠実なパターンが得られる。
即ち、本発明のパターン形成方法は、レジスト液を基板に塗布する第1の工程と、当該基板を加熱し基板上にレジスト膜を形成する第2の工程と、波長300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子を用いてフォトマスクを介してレジスト膜を露光する第3の工程と、現像液を用いて露光部位のレジスト膜を溶解しパターン形成する第4の工程からなる。
本発明のパターン形成方法に用いる光源は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUVレーザー等の波長300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線の発生源を備えた露光装置を用いることが有効である。また、光路の一部に水等、使用する紫外線の吸収が少ない媒質を用い、開口数や有効波長においてより効率的な微細加工を可能とする液浸露光装置を使用することが有効であり、本レジストは、特に液浸露光装置に用いる場合に好適である。
以下、本発明のトップコート液、トップコート液に使用する溶剤およびパターン形成方法について説明する。
[トップコート液]
本発明においては、上記で製造した含フッ素ラクトンポリマー化合物を有機溶剤、または水と有機溶媒の混合液に溶解しトップコート液とする。本発明のトップコート液は、基板上に成膜したレジスト上に塗布後、乾燥させることによってトップコート膜とする。
本発明においては、上記で製造した含フッ素ラクトンポリマー化合物を有機溶剤、または水と有機溶媒の混合液に溶解しトップコート液とする。本発明のトップコート液は、基板上に成膜したレジスト上に塗布後、乾燥させることによってトップコート膜とする。
トップコート液において、分子量により、溶解性およびキャスティングの特性が変わり得る。分子量が高いポリマーは現像液への溶解速度が遅くなり、分子量が低い場合は溶解速度が速くなる可能性があるが、分子量はこの技術分野の常識に基づいて重合条件を適宜調整することにより制御可能である。
[溶剤(トップコート)]
また、含フッ素ラクトンポリマー化合物の溶解に使用する有機溶剤としては、その溶剤が下層のレジスト膜を浸食しにくく、かつ、レジスト膜から添加剤等を抽出しにくい溶剤であることが必須の要件になる。
また、含フッ素ラクトンポリマー化合物の溶解に使用する有機溶剤としては、その溶剤が下層のレジスト膜を浸食しにくく、かつ、レジスト膜から添加剤等を抽出しにくい溶剤であることが必須の要件になる。
レジスト膜を浸食しにくく、かつ、レジスト膜から添加物を抽出しにくい有機溶剤としては、下層のレジスト膜組成に依存するが、炭化水素溶媒、アルコール、エーテル、エステルおよびフッ素系溶剤が挙げられる。
特に、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンまたはデカンに代表されるアルカン、脂環式炭化水素溶媒、ブタノール(ノルマル、イソ、ターシャリー体)、メチルエチルカルビノール、ペンタノール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコールまたは4-メチル-2-ペンタノールに代表されるアルコール、好ましくは部分的にフッ素で置換された炭化水素系溶媒が好適に使用される。また部分的にフッ素で置換された炭化水素溶媒とは、アルカンや脂環式炭化水素溶媒またはアルコール類であって、その水素の一部がフッ素原子で置換されたものが好適に使用される。フッ素原子を導入することで本発明のポリマー化合物を効果的に溶解させ、かつ下地のレジスト膜にダメージを与えないコーティングを行うことが可能となる。
他の溶剤として、ケトン類としてのアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトンまたは2‐ヘプタノン、多価アルコール類およびその誘導体としての、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノアセテート、モノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテル、環式エーテル類としてのジオキサン、エステル類としての、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチルまたはエトキシプロピオン酸エチル、芳香族系溶媒としてのキシレン、トルエン、フッ素系溶剤としてのフロン、代替フロン、パーフルオロ化合物、ヘキサフルオロイソプロピルアルコール、その他、塗布性を高める目的において高沸点弱溶剤であるターペン系の石油ナフサ溶媒やパラフィン系溶媒が使用でき、これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
トップコート液に配合する溶剤の量は特に限定されないが、好ましくはトップコート用組成物の固形分濃度が1質量%以上、25質量%以下、より好ましくは2質量%以上、15質量%以下となる様に用いる。トップコート用組成物の固形分濃度を調整することによって、形成される樹脂膜の膜厚を調整することが可能である。
本発明のトップコート用組成物には、水の膨潤やしみ込みに対する影響を抑制するための疎水性添加剤、現像液への溶解性を促進させるための酸性添加剤も使用可能であり、好適に使用される。
[パターン形成方法(トップコート)]
本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物を使用したトップコート用組成物は、下層のレジスト膜の種類に制限なく、トップコート膜として使用することができる。すなわち下層レジストが、ネガ型、ポジ型、複合型等の任意のレジストシステムであっても好適に使用できる。
本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物を使用したトップコート用組成物は、下層のレジスト膜の種類に制限なく、トップコート膜として使用することができる。すなわち下層レジストが、ネガ型、ポジ型、複合型等の任意のレジストシステムであっても好適に使用できる。
露光に用いる波長は限定されないが、前述のように、300nm以下の高エネルギー線が使用でき、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2レーザー(157nm)、極端紫外線(Extreme Ultra Violet、EUV)、電子線(electron beam、EB)またはX線が好適に使用でき、特には、ArFエキシマレーザーが好ましく採用される。
また、特に本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物を使用したトップコート用組成物は液浸リソグラフィーにおいて、好適に応用される。
以下、液浸リソグラフィーを用いたデバイス(半導体装置)製造において本発明を使用する場合について説明する。デバイスとしては、特に限定されないが、シリコンウェハ、化合物半導体基板、絶縁性基板等に形成される中央演算処理装置(Central Processing Unit、CPU)、Static Random Access Memory(SRAM)、Dynamic Random Access Memory(DRAM)等の微細加工により製造される半導体装置が挙げられる。
まずシリコンウェハや半導体製造基板のような支持体上に、レジスト組成物の溶液をスピンナー等で塗布した後、プレベークを行い、レジスト層を形成させる。この工程にかかる条件は、使用するレジスト組成物の組成に応じて適宜設定できる。
次に上記のように形成したレジスト膜の表面に、本発明のトップコート液をスピンナー等で均一に塗布した後、熱処理することにより、レジスト膜の上にトップコート膜を成形した2層膜からなる樹脂膜が形成される。
この樹脂層が形成された基板を水等の媒体に浸漬し、次いで300nm以下の電磁波、例えば、300nm以下の紫外線を所望のマスクパターンを介して照射する。この時、露光光は、媒体(例えば水)とトップコー層を通過してレジスト層に到達する。また、レジスト層は、トップコート層によって媒体(例えば水)と分離しているので、媒体(例えば水)がレジスト層に浸透して膨潤させる、逆にレジストが媒体(例えば水)に溶出することもない。
露光された基板をベーク後、現像液、例えば濃度0.1質量%以上、10質量%以下のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液のようなアルカリ性水溶液等を用いて現像処理する。現像処理においては、まず、トップコート膜が全溶解し、次いで露光部のレジスト膜が溶解する。すなわち、1回の現像処理により、トップコート層とレジスト層の一部を溶解除去することが可能で、所望のマスクパターンに応じたレジストパターンを得ることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
〔合成例1〕
(含フッ素ラクトンモノマー化合物の合成)
本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物の合成例として、以下に、5,5-ジメチル-2-オキソ-3-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-3-イルメタクリレートの合成方法について説明する。
(含フッ素ラクトンモノマー化合物の合成)
本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物の合成例として、以下に、5,5-ジメチル-2-オキソ-3-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-3-イルメタクリレートの合成方法について説明する。
温度計を備えた200mLの三口フラスコにテトラフルオロエチレンで被覆された撹拌子および構造式(3)で示される3-ヒドロキシ-5,5-ジメチル-3-(トリフルオロメチル)ジヒドロフラン-2(3H)-オン30.0g (0.15 mol)、メタクリル酸無水物24.5g (0.16 mol)、メタンスルホン酸 0.3g (0.003 mol)、および重合禁止剤として2,2’-Methylene-bis(4-methyl-6-tert-butylphenol)精工化学株式会社製、商品名:ノンフレックスMBP 0.15g (0.5質量%)を入れ、スターラーで撹拌しながら50℃~55℃の範囲で1.5時間撹拌させた。反応液をガスクロマトグラフィーにより測定したところ、目的とする構造式(4)で示される5,5-ジメチル-2-オキソ-3-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-3-イルメタクリレート(以下、化合物(4))が94.1質量%得られた。その他には、原料の3-ヒドロキシ-5,5-ジメチル-3-(トリフルオロメチル)ジヒドロフラン-2(3H)-オンが1質量%、その他が4.8質量%であった。ジイソプロピルエーテル60gを加えた後、水酸化ナトリウム水溶液を加え、続いて水洗を行い、pH7に調整した。その後、有機層を-20℃に冷却し、1時間攪拌した。析出した結晶をろ過後、乾燥し、化合物(4)を31.1g得た。ガスクロマトグラフィーにより組成を調べたところ、目的物である化合物(4)が99.8質量%、その他が0.2質量%であった。収率は77%であった。
[5,5-ジメチル-2-オキソ-3-(トリフルオロメチル)テトラヒドロフラン-3-イルメタクリレート(化合物(4))の物性]
1H NMR (溶媒:CDCl3:重クロロホルム、基準物質:TMS:テトラメチルシラン);δ6.25 (d, J=1.0Hz, 1H), 5.75 (d, J=1.4Hz, 1H), 2.64 (d, J=14.8Hz,1H), 2.53 (d, J=14.8Hz, 1H), 1.97 (s, 3H), 1.68(s,3H), 1.51(s, 3H).19F NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ-78.94 (s, 3F)
1H NMR (溶媒:CDCl3:重クロロホルム、基準物質:TMS:テトラメチルシラン);δ6.25 (d, J=1.0Hz, 1H), 5.75 (d, J=1.4Hz, 1H), 2.64 (d, J=14.8Hz,1H), 2.53 (d, J=14.8Hz, 1H), 1.97 (s, 3H), 1.68(s,3H), 1.51(s, 3H).19F NMR (溶媒:CDCl3, 基準物質:CCl3F);δ-78.94 (s, 3F)
次いで、以下実施例1および実施例2において、レジスト材料として本発明の含フッ素ラクトンポリマーの合成例、比較例1において従来のポリマーの例を示し、各々レジストとしての評価を行った。
〔実施例1〕
(含フッ素ラクトンポリマー化合物の合成1)
前記含フッ素ラクトンモノマーである化合物(4)と、以下の構造式(5)で表されるメタアクリル酸エステル(以下、化合物(5))と構造式(6)で表されるメタアクリル酸エステル(以下、化合物(6))との共重合を下記の方法で行った。
(含フッ素ラクトンポリマー化合物の合成1)
前記含フッ素ラクトンモノマーである化合物(4)と、以下の構造式(5)で表されるメタアクリル酸エステル(以下、化合物(5))と構造式(6)で表されるメタアクリル酸エステル(以下、化合物(6))との共重合を下記の方法で行った。
攪拌子を備えたフラスコに、化合物(4)(2.0g)、化合物(5)(4.0g)、化合物(6)(2.0g)、重合開始剤としてt-buty peroxypivalate(日本油脂株式会社製、商品名:パーブチルPV)を4mol%となるように、重合溶媒としてメチルエチルケトンを400質量%となるように順に入れた。このフラスコを75℃のオイルバスで加熱して、16時間反応させた。反応後、反応溶液をn-ヘキサンに投入して攪拌し、生成した沈殿を濾過して取り、50℃で10時間真空乾燥した。分子量はゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC、標準物質:ポリスチレン)から、組成モル比はNMRから求めた。分子量および収率を表1に示す。
〔実施例2〕
(含フッ素ラクトンポリマー化合物の合成2)
前記化合物(4)と、以下の化合物(5)と化合物(6)と構造式(7)で表されるメタアクリル酸エステル(以下、化合物(7))の共重合を下記の方法で行った。
(含フッ素ラクトンポリマー化合物の合成2)
前記化合物(4)と、以下の化合物(5)と化合物(6)と構造式(7)で表されるメタアクリル酸エステル(以下、化合物(7))の共重合を下記の方法で行った。
攪拌子を備えたフラスコに、前記化合物(4)(2.0g)、以下の化合物(5)(4.0g)、化合物(6)(2.0g)、化合物(7)(0.20g)、重合開始剤としてt-buty peroxypivalate(日本油脂株式会社製、商品名:パーブチルPV)を4mol%となるように、重合溶媒としてメチルエチルケトンを400質量%となるように順に入れた。このフラスコを75℃のオイルバスで加熱して16時間反応させた。反応後、反応溶液をn-ヘキサンに投入して攪拌し、生成した沈殿を濾過して取り、50℃で10時間真空乾燥した。分子量はゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC、標準物質:ポリスチエレン)から、組成モル比はNMRから求めた。分子量および収率を表1に示す。
〔比較例1〕
(含フッ素ラクトンを含まないポリマー化合物の合成)
化合物(5)と化合物(6)と化合物(7)と構造式(8)で表されるメタアクリル酸エステル(以下、化合物(8))との共重合を下記の方法で行った。
(含フッ素ラクトンを含まないポリマー化合物の合成)
化合物(5)と化合物(6)と化合物(7)と構造式(8)で表されるメタアクリル酸エステル(以下、化合物(8))との共重合を下記の方法で行った。
攪拌子を備えたフラスコに、以下の化合物(5)(4.0g)、化合物(6)(2.0g)、化合物(7)(0.20g)、化合物(8)(2.0g)、重合開始剤としてt-buty peroxypivalate(日本油脂株式会社製、商品名:パーブチルPV)を4mol%となるように、重合溶媒としてメチルエチルケトンを400質量%となるように順に入れた。このフラスコを75℃のオイルバスで加熱して16時間反応させた。反応後、反応溶液をn-ヘキサンに投入して攪拌し、生成した沈殿を濾過して取り、50℃で10時間真空乾燥した。分子量はゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC、標準物質:ポリスチエレン)から、組成モル比はNMRから求めた。分子量および収率を表1に示す。
(レジストとしての評価)
次いで、実施例1および2で得られた含フッ素ラクトンポリマー化合物ならびに比較例1のポリマー化合物をレジストに用いた。その評価結果について説明する。
次いで、実施例1および2で得られた含フッ素ラクトンポリマー化合物ならびに比較例1のポリマー化合物をレジストに用いた。その評価結果について説明する。
実施例1および2で得られた含フッ素ラクトンポリマー化合物ならびに比較例1のポリマー化合物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解し、固形分濃度で12質量%になるように調整した。
さらに実施例1および2で得られた含フッ素ラクトンポリマー化合物ならびに比較例1のポリマー化合物に、ポリマー化合物100質量部に対して、酸発生剤としてのノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウムが5質量部となるように、塩基性化合物としてのイソプロパノールアミンが2質量部となるように各々溶解し、レジスト液1、レジスト液2およびレジスト液3を調製した。
シリコンウェハー上に、厚み78nmの反射防止膜(日産化学工業株式会社製、商品名:ARC29A)を塗布後、200℃に60秒間焼成し、前述のレジスト液1、2および3を、メンブランフィルター(0.2μm)でろ過した後、スピナーを用いて回転数1,500rpmでスピンコートし、ホットプレートにて100℃で90秒間乾燥し、各々膜厚250nmのレジスト膜1(実施例1)、レジスト膜2(実施例2)およびレジスト膜3(比較例1)を得た。
(後退接触角)
レジスト膜1、レジスト膜2およびレジスト膜3について後退接触角を測定した。動的接触角計(協和界面科学社製)の拡張縮小法により、水滴の後退接触角を測定した。初期液滴サイズ7μLを6μL/秒の速度にて8秒間吸引し、吸引中の動的接触角が安定した値を後退接触角とした。その結果を表2に示す。レジスト膜1およびレジスト膜2は良好な後退接触角(68度、71度)を有するが、レジスト膜3の後退接触角は63度であり、レジスト膜1、2(実施例1、2のレジスト膜)に対し、レジスト膜3(比較例1のレジスト膜)は、撥水性が劣ることがわかった。
レジスト膜1、レジスト膜2およびレジスト膜3について後退接触角を測定した。動的接触角計(協和界面科学社製)の拡張縮小法により、水滴の後退接触角を測定した。初期液滴サイズ7μLを6μL/秒の速度にて8秒間吸引し、吸引中の動的接触角が安定した値を後退接触角とした。その結果を表2に示す。レジスト膜1およびレジスト膜2は良好な後退接触角(68度、71度)を有するが、レジスト膜3の後退接触角は63度であり、レジスト膜1、2(実施例1、2のレジスト膜)に対し、レジスト膜3(比較例1のレジスト膜)は、撥水性が劣ることがわかった。
比較例1では、レジストの原料組成物として含フッ素ラクトンモノマー化合物を使用しなかったことにより撥水性が得られなかったと解釈できる。
(溶剤溶解性)
フォトマスクを介さず248nm紫外線での露光を行ったのち、120℃でポストエクスポーザーベークを行った。表2に示した溶剤(4-メチル-2-ペンタノール(MIBC))を用い、溶剤溶解性の確認を行った。表2に示すように、レジスト膜1、レジスト膜2およびレジスト膜3は、いずれも良好な溶剤溶解性を示した。
フォトマスクを介さず248nm紫外線での露光を行ったのち、120℃でポストエクスポーザーベークを行った。表2に示した溶剤(4-メチル-2-ペンタノール(MIBC))を用い、溶剤溶解性の確認を行った。表2に示すように、レジスト膜1、レジスト膜2およびレジスト膜3は、いずれも良好な溶剤溶解性を示した。
(パターン評価)
上記レジスト膜1、レジスト膜2およびレジスト膜3を用い、フォトマスクを介して波長248nmの紫外線にてパターン露光を行ったのち、120℃でポストエクスポーザーベークを行った。その後、現像液として、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で1分間現像し、光照射部のレジスト膜の除去を行ったところ、レジスト膜1、2(実施例1、2のレジスト膜)の場合はレジスト膜の剥がれや現像欠陥のないパターン形状が得られたが、レジスト膜3(比較例1のレジスト膜)では膜の剥がれは生じないものの現像欠陥が生じることで良好なパターンを得ることができなかった。
上記レジスト膜1、レジスト膜2およびレジスト膜3を用い、フォトマスクを介して波長248nmの紫外線にてパターン露光を行ったのち、120℃でポストエクスポーザーベークを行った。その後、現像液として、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、23℃で1分間現像し、光照射部のレジスト膜の除去を行ったところ、レジスト膜1、2(実施例1、2のレジスト膜)の場合はレジスト膜の剥がれや現像欠陥のないパターン形状が得られたが、レジスト膜3(比較例1のレジスト膜)では膜の剥がれは生じないものの現像欠陥が生じることで良好なパターンを得ることができなかった。
比較例1では、レジストの原料組成物として含フッ素ラクトンモノマー化合物を使用しなかったことにより、レジスト感度および現像液溶解性が得られなかったと解釈できる。
次いで、以下の実施例3および実施例4において、トップコート用組成物としての本発明の含フッ素ラクトンポリマーの合成例、比較例2において従来のポリマーの例を示し、各々トップコートとしての評価を行った。
〔実施例3〕
(含フッ素ラクトンポリマー化合物の合成3)
前記含フッ素ラクトンモノマーである化合物(4)と構造式(5)で表されるメタアクリル酸エステル(以下、化合物(5))との共重合を下記の方法で行った。
(含フッ素ラクトンポリマー化合物の合成3)
前記含フッ素ラクトンモノマーである化合物(4)と構造式(5)で表されるメタアクリル酸エステル(以下、化合物(5))との共重合を下記の方法で行った。
攪拌子を備えたフラスコに、前記化合物(4)(2.0g)、以下の化合物(5)(4.0g)、重合開始剤としてt-buty peroxypivalate(日本油脂株式会社製、商品名:パーブチルPV)を4mol%となるように、重合溶媒としてメチルエチルケトンが400wt%となるように順に入れた。このフラスコを75℃のオイルバスで加熱して16時間反応させた。反応後、反応溶液をn-ヘキサンに投入して攪拌し、生成した沈殿を濾過して取り、50℃で10時間真空乾燥した。分子量はゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC、標準物質:ポリスチレン)から、組成モル比はNMRから求めた。組成、分子量および収率を表3に示す。
〔実施例4〕
(含フッ素ラクトンポリマー化合物の合成4)
化合物(4)と構造式(9)で表されるメタアクリル酸エステル(以下、化合物(9))との共重合を下記の方法で行った。
(含フッ素ラクトンポリマー化合物の合成4)
化合物(4)と構造式(9)で表されるメタアクリル酸エステル(以下、化合物(9))との共重合を下記の方法で行った。
攪拌子を備えたフラスコに、前記化合物(4)(2.0g)、以下の化合物(9)(4.0g)、重合開始剤としてt-buty peroxypivalate(日本油脂株式会社製、商品名:パーブチルPV)を4mol%となるように、重合溶媒としてメチルエチルケトンが400wt%となるように順に入れた。このフラスコを75℃のオイルバスで加熱して16時間反応させた。反応後、反応溶液をn-ヘキサンに投入して攪拌し、生成した沈殿を濾過して取り、50℃で10時間真空乾燥した。分子量はゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC、標準物質:ポリスチエレン)から、組成モル比はNMRから求めた。組成、分子量および収率を表3に示す。
〔比較例2〕
構造式(8)で表されるフッ素を含有しないラクトン化合物(以下、化合物(8))と化合物(5)との共重合を下記の方法で行った。
構造式(8)で表されるフッ素を含有しないラクトン化合物(以下、化合物(8))と化合物(5)との共重合を下記の方法で行った。
攪拌子を備えたフラスコに、以下の化合物(8)(2.0g)、化合物(5)(4.0g)、重合開始剤としてt-buty peroxypivalate(日本油脂株式会社製、商品名:パーブチルPV)を4mol%となるように、重合溶媒としてメチルエチルケトンが400wt%となるように順に入れた。このフラスコを75℃のオイルバスで加熱して16時間反応させた。反応後、反応溶液をn-ヘキサンに投入して攪拌し、生成した沈殿を濾過して取り、50℃で10時間真空乾燥した。分子量はゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC、標準物質:ポリスチエレン)から、組成モル比はNMRから求めた。組成、分子量および収率を表3に示す。
[トップコート用組成物の調製]
上記実施例3、実施例4および比較例2で得られた含フッ素ラクトンポリマー化合物を用い、表4に示すようにトップコート液を調製した。表4の( )内は組成比であり、質量比で表した。
上記実施例3、実施例4および比較例2で得られた含フッ素ラクトンポリマー化合物を用い、表4に示すようにトップコート液を調製した。表4の( )内は組成比であり、質量比で表した。
それぞれ表4に示す組成比で、表4に示す溶剤1(4-メチル-2-ペンタノール:MIBC)または溶剤2(n-デカン/2-オクタノール=90/10質量比)に溶解したところ、いずれも均一で透明な6種のトップコート液(トップコート液1~6)が得られた。トップコート液の配合を調整するにあたりいずれも、良好な溶解性を示した。結果を表4に示す。
[トップコート膜の形成]
シリコンウェハ上に、厚み78nmの反射防止膜(日産化学工業株式会社製、商品名:ARC29A)を塗布後、200℃下で60秒間焼成し、それぞれのトップコート溶液を、メンブランフィルター(0.2μm)でろ過した後、スピナーを用いて回転数1,500rpmでスピンコートし、ホットプレート上、100℃で90秒間乾燥したところ、それぞれ均一なトップコート膜が得られた。尚、表4中、トップコート膜1~6はトップコート液1~6に対応する)
シリコンウェハ上に、厚み78nmの反射防止膜(日産化学工業株式会社製、商品名:ARC29A)を塗布後、200℃下で60秒間焼成し、それぞれのトップコート溶液を、メンブランフィルター(0.2μm)でろ過した後、スピナーを用いて回転数1,500rpmでスピンコートし、ホットプレート上、100℃で90秒間乾燥したところ、それぞれ均一なトップコート膜が得られた。尚、表4中、トップコート膜1~6はトップコート液1~6に対応する)
[トップコート膜の評価]
得られたトップコート膜1~6について、後退接触角を測定、評価した。
詳しくは、動的接触角計(協和界面科学社製)の拡張縮小法により、水滴の後退接触角を測定した。初期液滴サイズ7μLを6μL/秒の速度にて8秒間吸引し、吸引中の動的接触角が安定した値を後退接触角とした。結果を表4に示す。いずれも良好な後退接触角を示した。
得られたトップコート膜1~6について、後退接触角を測定、評価した。
詳しくは、動的接触角計(協和界面科学社製)の拡張縮小法により、水滴の後退接触角を測定した。初期液滴サイズ7μLを6μL/秒の速度にて8秒間吸引し、吸引中の動的接触角が安定した値を後退接触角とした。結果を表4に示す。いずれも良好な後退接触角を示した。
次いで、得られたトップコート膜1~6に対して、現像液溶解性を評価した。トップコート膜1~6を2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(現像液)に室温で60秒間浸漬したところ、トップコート膜1~5は速やかに溶解して消失した。結果を表4に示す。
[レジスト膜上に塗布してのトップコート膜の評価]
続いて、表4に示すトップコート液1~6を用いて、下記に示すプロセスでシリコンウェハ上にレジスト層とトップコート層の2層膜よりトップコート膜の評価を行った。
続いて、表4に示すトップコート液1~6を用いて、下記に示すプロセスでシリコンウェハ上にレジスト層とトップコート層の2層膜よりトップコート膜の評価を行った。
最初に、レジスト用ポリマー化合物の合成について説明する。構造式(10)で表されるメタクリル酸エステル(以下、化合物(10))と構造式(8)で表されるメタクリル酸エステル(以下、化合物(8))と構造式(6)で表されるメタクリル酸エステル(以下、化合物(6))とを共重合させてレジストポリマー化合物とした。
攪拌子を備えたフラスコに、化合物(10)(12.0g)、化合物(8)(10.1g)、化合物(6)(10.8g)、重合開始剤としてAIBN(製品名2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、和光純薬株式会社)を1.35g、重合溶媒として2-ブタノン(65.8g)を順に入れた。このフラスコを75℃のオイルバスで加熱して16時間反応させた。反応終了後の溶液を500gのn-ヘキサンに滴下し、白色の沈殿を得た。この沈殿を濾別し、60℃にて減圧乾燥を行い、29.6gの白色固体(レジスト用ポリマー化合物)を得た(収率90質量%)。ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC、標準物質:ポリスチエレン)から、分子量は11500、分子量分散MW/MNは2.1であった。
上記レジスト用ポリマー化合物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解し、固形分が12%となるように調整した。さらに、重合体100重量部に対して、酸光発生剤としてノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウムを5重量部と、塩基としてイソプロパノールアミンを2質量部溶解し、レジスト液を調製した。反射防止膜処理したシリコンウェハに、得られたレジスト溶液を、スピナーを用いてスピンコート後、ホットプレート上で100℃下、90秒間乾燥させ、膜厚150nmのレジスト膜を得た。このレジスト膜上に、メンブランフィルター(0.2μm)でろ過したトップコート液1を、スピナーを用いてスピンコート後、ホットプレート上で100℃下、90秒間乾燥して、レジスト層とトップコート層からなる2層膜、合計膜厚200nmの樹脂膜を、シリコンウェハ上に形成した。
同様に、レジスト膜を形成したシリコンウェハ上に、トップコート液2~6の各々を塗布して、レジスト層とトップコート層からなる2層膜、合計膜厚200nmの樹脂膜を形成してなるシリコンウェハを各々形成した。
次いで、次に示す純水浸漬処理、トップコート膜のアルカリ現像液溶解性試験、および露光解像試験を行った。これらの試験の結果を表5に示す。
尚、純水浸漬試験は、以下のように行った。
上記の方法で樹脂膜を形成した各々のシリコンウェハを、それぞれ、20mlの純水に10分浸漬して溶出物を抽出後、当該抽出液をイオンクロマトグラフィにて測定して、溶出物の有無を確認したところ、レジスト膜の成分に帰属されるピークは観測されなかった。これは、トップコート膜を設けたことにより、レジスト膜からレジスト成分の水への溶出が抑えられたことを示す。
上記の方法で樹脂膜を形成した各々のシリコンウェハを、それぞれ、20mlの純水に10分浸漬して溶出物を抽出後、当該抽出液をイオンクロマトグラフィにて測定して、溶出物の有無を確認したところ、レジスト膜の成分に帰属されるピークは観測されなかった。これは、トップコート膜を設けたことにより、レジスト膜からレジスト成分の水への溶出が抑えられたことを示す。
次いで、トップコート膜のアルカリ現像液溶解性試験を、以下のように行った。
樹脂膜を形成した各々のシリコンウェハを、レジスト現像アナライザー RDA-790(リソテックジャパン(株)製)を用いて室温でアルカリ現像液(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)に浸漬して溶解速度を測定した。結果を表5に示す。トップコート膜1~4は良好な溶解速度を示したが、トップコート膜5およびトップコート膜6は良好な溶解速度を示さなかった。
樹脂膜を形成した各々のシリコンウェハを、レジスト現像アナライザー RDA-790(リソテックジャパン(株)製)を用いて室温でアルカリ現像液(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)に浸漬して溶解速度を測定した。結果を表5に示す。トップコート膜1~4は良好な溶解速度を示したが、トップコート膜5およびトップコート膜6は良好な溶解速度を示さなかった。
次いで、露光解像試験を、以下のように行った。
レジスト膜上にトップコート液1~6の各々を塗布して樹脂膜を形成したシリコンウェハを、100℃で90秒間プリベークを行った後、フォトマスクを介して193nmで露光した。露光後のウェハーを回転させながら純水を2分間滴下した。その後、120℃で60秒間ポストエクスポーザーベークを行い、アルカリ現像液で現像した。アルカリ現像液としては、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた。得られたパターンを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、解像性の評価を行った。結果を表5に示す。トップコート膜1~4におけるレジストにおいては矩形形状のパターンの形成が観測された。トップコート膜5におけるレジストにおいても矩形形状のパターンの形成が観察されたが欠陥も多く見られ、トップコート膜6においては溶解性不良とみられる頭はり形状で残渣のあるパターンが得られた。
レジスト膜上にトップコート液1~6の各々を塗布して樹脂膜を形成したシリコンウェハを、100℃で90秒間プリベークを行った後、フォトマスクを介して193nmで露光した。露光後のウェハーを回転させながら純水を2分間滴下した。その後、120℃で60秒間ポストエクスポーザーベークを行い、アルカリ現像液で現像した。アルカリ現像液としては、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた。得られたパターンを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、解像性の評価を行った。結果を表5に示す。トップコート膜1~4におけるレジストにおいては矩形形状のパターンの形成が観測された。トップコート膜5におけるレジストにおいても矩形形状のパターンの形成が観察されたが欠陥も多く見られ、トップコート膜6においては溶解性不良とみられる頭はり形状で残渣のあるパターンが得られた。
このことは、比較例2では、トップコート用組成物の原料として含フッ素ラクトンモノマー化合物を使用しなかったことにより、適切な現像液溶解性が得られなかったと解釈できる。
本発明の含フッ素ラクトンモノマー化合物由来の含フッ素ラクトンポリマー化合物、必要に応じて酸発生剤を組合せて、さらに溶剤を加えてなるレジスト液は、レジスト膜とした際に、好適な撥水性および現像液溶解性を備える。具体的には、波長300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を光源に用いた露光装置によるフォトリソグラフィーにより、特に液浸リソグラフィーによりパターン形成を行うと、極めて微細且つ高精度なパターン形状を得ることができる。
さらに、本発明のレジスト液は、例えば、KrFレーザー(波長248nm)、ArFレーザー(波長193nm)等、または極短波長の紫外線を光源とする露光装置を用い、フォトリソグラフィーにより、特に液浸リソグラフィーにて極微細且つ高精度にパターン形成を行う際のレジスト液として有用である。また、波長13.5nmの極端紫外光を用いるEUVリソグラフィーにも応用可能である。
さらに、含フッ素ラクトンモノマー化合物、含フッ素ラクトンポリマー化合物およびそれを用いたレジスト液、ならびにそのパターン形成方法は、X線、γ線等の高エネルギー線、電子線を用いたリソグラフィー技術にも応用できる可能性がある。
また、本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物に溶剤を加えてなるトップコート用組成物(液)は、好適な撥水性および溶剤溶解性を備える。具体的には、レジスト膜上に塗布し、トップコート膜とし、波長300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を光源に用いた露光装置によるフォトリソグラフィーにより、特に液浸リソグラフィーによりパターン形成を行うと、極めて微細且つ高精度なパターン形状を得ることができる。
さらに、本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物を用いたトップコート用組成物は、例えばKrFレーザー(波長、248nm)、ArFレーザー(波長、193nm)等、極短波長の紫外線を光源とする露光装置を用い、フォトリソグラフィーにより、特に液浸リソグラフィーにて極微細且つ高精度にパターン形成を行う際のレジスト膜上に塗布するトップコート用組成物(液)として有用である。
さらに、本発明の含フッ素ラクトンポリマー化合物を用いたトップコート用組成物は、X線、γ線等の高エネルギー線、電子線を用いたリソグラフィー技術にも応用できる可能性がある。
Claims (18)
- R5が、水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基及びシクロヘキシル基からなる群から選択される1つであることを特徴とする、請求項1に記載の含フッ素ラクトンモノマー化合物。
- R1、R2およびR5がメチル基であり、R3およびR4が水素原子であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の含フッ素ラクトンモノマー化合物。
- Rfがトリフルオロメチル基であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の含フッ素ラクトンモノマー化合物。
- R5が、水素原子、フッ素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基及びシクロヘキシル基からなる群から選択される1つであることを特徴とする、請求項5に記載の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
- R1、R2およびR5がメチル基であり、R3およびR4が水素原子であることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
- Rfがトリフルオロメチル基であることを特徴とする、請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の含フッ素ラクトンモノマー化合物と、他の重合性単量体とが共重合してなることを特徴とする、請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
- 前記他の重合性単量体が、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルを含むことを特徴とする、請求項9に記載の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
- 前記他の重合性単量体が、ヘキサフルオロイソプロピル基を有する(メタ)アクリル酸エステルまたは酸分解性重合性単量体であることを特徴とする、請求項9に記載の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
- 質量平均分子量が1,000以上、1,000,000以下であることを特徴とする、請求項5乃至請求項11のいずれか1項に記載の含フッ素ラクトンポリマー化合物。
- 酸発生部位を構造中に含有させた請求項5乃至請求項12のいずれか1項に記載の含フッ素ラクトンポリマー化合物と、溶剤とを含むことを特徴とするレジスト液。
- 請求項5乃至請求項12のいずれか1項に記載の含フッ素ラクトンポリマー化合物、酸発生剤および溶剤を含むことを特徴とするレジスト液。
- 請求項5乃至請求項12のいずれか1項に記載の含フッ素ラクトンポリマー化合物、酸発生剤、界面活性剤および溶剤を含むことを特徴とするレジスト液。
- 請求項13乃至請求項15のいずれか1項に記載のレジスト液を基板に塗布する第1の工程と、当該基板を加熱し基板上にレジスト膜を形成する第2の工程と、波長300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を用いてフォトマスクを介してレジスト膜を露光する第3の工程と、現像液を用いて露光部位のレジスト膜を溶解しパターン形成する第4の工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
- 請求項5乃至請求項12のいずれか1項に記載の含フッ素ラクトンポリマー化合物と溶剤とを含むことを特徴とするトップコート液。
- 請求項17に記載のトップコート液をレジスト塗布済の基板に塗布する第1の工程と、当該基板を加熱する第2の工程と、波長300nm以下の電磁波である高エネルギー線または電子線を用いてフォトマスクを介してレジストを露光する第3の工程と、現像液を用いて露光部位のレジストを溶解しパターン形成する第4の工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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