WO2011078020A1

WO2011078020A1 - 電動歯ブラシ

Info

Publication number: WO2011078020A1
Application number: PCT/JP2010/072516
Authority: WO
Inventors: 忠伸北川; 嘉宏北村
Original assignee: パナソニック電工株式会社
Priority date: 2009-12-25
Filing date: 2010-12-15
Publication date: 2011-06-30
Also published as: JP2011130972A; JP4748267B2; US20120233788A1; EP2517668B2; CN201930092U; US9009902B2; CN102834071B; EP2517668A1; RU2497482C1; KR20120076379A; EP2517668A4; CN102834071A; EP2517668B1

Abstract

本体ケース２の先端に歯ブラシヘッド５（保持部５１）を着脱可能に取着する筒状のブラシ取付軸筒１１を形成する。ブラシ取付軸筒１１内の空間Ｓ１には、振動を発生する偏心分銅２９を取着したモータＭを配置する。従って、ブラシ取付軸筒１１の長さ分、歯ブラシヘッド５の先端を本体ケース２側に近づけることができ、電動歯ブラシ１の全長を短くできる。

Description

電動歯ブラシ

　本発明は、電動歯ブラシに関する。

　従来、歯ブラシにおいて、モータにて偏心分銅を回転させることによって振動を発生させその振動を歯ブラシ毛に伝えて手磨きに対して歯垢除去性能（歯の擦掃性能）を向上させた電動歯ブラシが種々提案されている（例えば、特許文献１）。

　また、近年、口腔衛生に対する意識が高まり、勤め先での歯磨きや、旅行先での歯磨きが行われるようになっている。これにともない、家庭内だけでなく、勤め先や、旅行先等で歯を磨く場合にも、歯の擦掃性能に優れた電動歯ブラシの使用が多くなってきている。

特開平９－１６８５５４号公報

　ところで、電動歯ブラシは、偏心分銅付きのモータからなる振動発生装置や、その振動発生装置を駆動させるための電池等を装備しなければならず、その分サイズが大きくなり、バック、ポーチ、ポケットに入れて持ち運ぶには嵩張り不便であった。

　そのため、歯の擦掃性能を落とすことなく小型で携帯性に優れた電動歯ブラシが求められている。
　本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、小型で携帯性に優れ、歯の擦掃性能の優れた電動歯ブラシを提供することにある。

　以下、上記目的を達成するための手段について記載する。
　・本発明の電動歯ブラシは、歯ブラシヘッドと、偏心分銅付きモータからなる振動発生装置と、前記歯ブラシヘッドが着脱可能に取着されるとともに、前記振動発生装置を収納する本体ケースとを備え、前記歯ブラシヘッドは前記本体ケースの先端のブラシ取付軸筒に取着され、そのブラシ取付軸筒内に前記振動発生装置が配置される。

　・この電動歯ブラシにおいては、前記ブラシ取付軸筒は前記本体ケースの後面側に偏倚して配置することが好ましい。
　・この電動歯ブラシは、前記本体ケースに外嵌されて、前記ブラシ取付軸筒に取着された前記歯ブラシヘッドを収納するキャップを更に備えることが好ましい。

　・この電動歯ブラシにおいては、前記本体ケースは、前記ブラシ取付軸筒を有するアウターケースと、一端に前記モータを収容するモータ収容部を有し、他端にモータ駆動用電池を収容する電池収容部を有するインナーケースとからなり、前記インナーケースは、前記モータ収容部が前記アウターケースの前記ブラシ取付軸筒内に圧入されるように、前記アウターケースに収容されることが好ましい。

　・この電動歯ブラシは、前記本体ケースの前記アウターケースと前記インナーケースとの間に介在されたシールリングを更に備えることが好ましい。
　・前記歯ブラシヘッドが前記本体ケースに取着されたとき、前記ブラシ取付軸筒の全体が前記歯ブラシヘッド内に配置されることが好ましい。

　本発明によれば、小型で携帯性に優れ、歯の擦掃性能の優れた電動歯ブラシにすることができる。

第１実施形態の電動歯ブラシの側面図。歯ブラシヘッドを取り外した電動歯ブラシの側面図。キャップを装着した電動歯ブラシの側面図。キャップを装着した電動歯ブラシの正面図。電動歯ブラシの側断面図。電動歯ブラシの一部拡大側断面図。電動歯ブラシの一部拡大側断面図。別例の電動歯ブラシの側断面図。

　以下、本発明を具体化した第１実施形態を図面に従って説明する。
　図面中の矢印Ｌ１，Ｌ２、Ｔ１，Ｔ２は、それぞれ先端方向Ｌ１、基端方向Ｌ２、前方Ｔ１、後方Ｔ２を示す。

　電動歯ブラシ１は、図１に示すように、本体ケース２と、本体ケース２の基端側に外嵌される把持部ケース４と、本体ケース２の先端側に外嵌される歯ブラシヘッド５と、図３に示すように、歯ブラシヘッド５を装着した本体ケース２に外嵌されるキャップ６を有している。

　本体ケース２は、図５、図６に示すように、アウターケース１０とインナーケース２０を有している。アウターケース１０は、インナーケース２０を収容し、インナーケース２０は、歯ブラシヘッド５に振動を付与するための電気部品を収容するようになっている。

　図５および図６に基づいて、電動歯ブラシ１に関する用語を以下のように定義する。
（Ａ）モータＭの回転軸ＭＣおよび歯ブラシヘッド５のブラシ毛５２を含みかつモータＭの回転軸ＭＣと平行な断面を側断面とする。
（Ｂ）側断面において把持部ケース４の中心軸線Ｃ３に対して歯ブラシヘッド５のブラシ毛５２の先端部が含まれる側を前側とする。また、側断面において把持部ケース４の中心軸線Ｃ３に対して前側とは反対側を後側とする。
（Ｃ）把持部ケース４の中心軸線Ｃ３に沿う方向においてアウターケース１０のうちの歯ブラシヘッド５と把持部ケース４との間に位置する部位をケース中間部１６とする。また、側断面においてアウターケース１０およびインナーケース２０および歯ブラシヘッド５のそれぞれの前側の壁部を前壁部１０ｄ，２０ｄ，５ｄとする。また、側断面においてアウターケース１０およびインナーケース２０および歯ブラシヘッド５のそれぞれの後側の壁部を後壁部１０ｃ，２０ｃ，５ｃとする。
（Ｄ）側断面において歯ブラシヘッド５の前壁部５ｄの外面を前面５１ｂとする。また、側断面において歯ブラシヘッド５の後壁部５ｃの外面を後面５１ａとする。
（Ｅ）歯ブラシヘッド５の端部のうちのブラシ毛５２側を先端部とする。また、歯ブラシヘッド５の端部のうちの先端部とは反対側の端部を基端部とする。

　図５および図６に示すように、アウターケース１０は、ＡＢＳ樹脂よりなる面取りした有蓋四角筒状のケースであって、その先端側の一部を縮径してブラシ取付軸筒１１を形成している。有蓋四角筒状のブラシ取付軸筒１１は、頂壁１１ａによって閉塞された先端部を含む。ブラシ取付軸筒１１は中空であり、例えば円筒状の空間Ｓ１（図６参照）を区画する。その空間Ｓ１は、アウターケース１０の四角筒状の空間Ｓ２（図６参照）と連通している。図２に示すように、ブラシ取付軸筒１１の中心軸線Ｃ１はアウターケース１０の中心軸線Ｃ２に対してアウターケース１０の後面１０ａ側に偏倚している。

　ブラシ取付軸筒１１は、歯ブラシヘッド５の基端開口から歯ブラシヘッド５内に挿入される。ケース中間部１６において、歯ブラシヘッド５側の端部にはブラシ取付軸筒１１が連続して設けられる。ケース中間部１６の前壁部１０ｄがブラシ取付軸筒１１の前壁部１０ｄに対して前側に設けられることにより、ケース中間部１６とブラシ取付軸筒１１との境界部分に段差部分が形成される。歯ブラシヘッド５の基端部の端面５３が段差部分の端面と対向するように歯ブラシヘッド５が本体ケース２に取り付けられている。

　側断面において、モータＭの前側にはインナーケース２０の前壁部２０ｄが設けられている。このインナーケース２０の前壁部２０ｄの前側にはアウターケース１０の前壁部１０ｄが設けられている。このアウターケース１０の前壁部１０ｄの前側には歯ブラシヘッド５の前壁部５ｄが設けられている。

　アウターケース１０の前面１０ｂには、貫通口１２が貫通形成され、その貫通口１２は可撓性のスイッチ部材１３にて閉塞されている。スイッチ部材１３は、エラストマー樹脂よりなり、貫通口１２の開口縁に対して融着されている。使用者は指でスイッチ部材１３を空間Ｓ２内に向かって押し込むことができる。

　アウターケース１０の空間Ｓ１，Ｓ２には、インナーケース２０が収容されている。インナーケース２０は、ＡＢＳ樹脂よりなり、略中央位置に面取りした四角筒状の胴部２１が形成されている。胴部２１の外形は、アウターケース１０の内周面と同一形状であって、胴部２１は、先端側の略半分がアウターケース１０の空間Ｓ２に内装されるようになっている。

　胴部２１の基端部には、有底筒体を半割して後側が開放してなる電池収容部２２が形成されている。電池収容部２２は、胴部２１の先端側の略半分がアウターケース１０の空間Ｓ２に内装されたとき、アウターケース１０に収容されず、アウターケース１０から基端方向Ｌ２に向かって露出するようになっている。電池収容部２２には、陽極端子金具２３と、胴部２１から延びる陰極端子バネ２４とが設けられている。例えば単４形の電池Ｂは陽極端子金具２３及び陰極端子バネ２４と電気的に接続された状態で電池収容部２２内に収容保持される。

　胴部２１の先端側には、基板固定部２５が形成されている。基板固定部２５は、胴部２１の先端側の略半分がアウターケース１０の空間Ｓ２に内装されたとき、アウターケース１０に設けたスイッチ部材１３と相対向する位置に配置されるようになっている。基板固定部２５は、プリント配線基板２６が固設されている。プリント配線基板２６には、陽極端子金具２３及び陰極端子バネ２４と電気的に接続されているスイッチＳＷが実装されている。そして、プリント配線基板２６は、スイッチＳＷがアウターケース１０に設けたスイッチ部材１３と相対向するように位置決めされている。従って、スイッチ部材１３を指で押すと、スイッチＳＷは押し込まれたスイッチ部材１３にてオン・オフ動作する。

　基板固定部２５の先端側には、有蓋筒体を半割して後側が開放してなるモータ収容部２７が形成されている。モータ収容部２７は、胴部２１がアウターケース１０の空間Ｓ２に内装されたとき、ブラシ取付軸筒１１の空間Ｓ１に内装されるようになっている。モータ収容部２７がブラシ取付軸筒１１の空間Ｓ１に内装されたとき、モータ収容部２７の外周面は、ブラシ取付軸筒１１の内周面と密着するようになっている。

　図５および図６に示すように、モータ収容部２７には、モータＭが収容される。モータ収容部２７がブラシ取付軸筒１１の空間Ｓ１に内装されたとき、モータ収容部２７から開放されたモータＭの外周面が伝達部材としてのスペーサ２８を介してブラシ取付軸筒１１の内周面と当接するようになっている。モータＭの回転軸ＭＣは把持部ケース４の中心軸線Ｃ２よりも後側に設けられている。また、回転軸ＭＣはモータ収容部２７の先端面から空間Ｓ１内に突出している。回転軸ＭＣの突出している部分に偏心分銅２９が固着されている。

　モータＭの前側の外面は、インナーケース２０の前壁部２０ｄと直接的に接触している。
　図５および図６に示すように、モータＭの後側の外面とインナーケース２０の後壁部２０ｃとの間には、スペーサ２８が設けられている。スペーサ２８は、アウターケース１０の後壁部１０ｃおよびモータＭの両方に直接的に接触している。

　側断面において、モータＭの前側にはインナーケース２０の前壁部２０ｄが設けられている。また、インナーケース２０の前壁部２０ｄの前側にはアウターケースの１０の前壁部１０ｄが設けられている。また、アウターケース１０の前壁部１０ｄの前側には歯ブラシヘッド５の前壁部５ｄが設けられている。また、モータＭの後側にはスペーサ２８が設けられている。また、スペーサ２８の後側にはアウターケース１０の後壁部１０ｃが設けられている。また、アウターケース１０の後側には歯ブラシヘッド５の後壁部５ｃが取り付けられている。

　インナーケース２０の前壁部２０ｄにはスイッチＳＷが設けられている。スイッチＳＷは、インナーケース２０において、把持部ケース４の中心軸線Ｃ３に対してスペーサ２８が設けられている部位とは反対側の部位に設けられている。

　モータＭは、プリント配線基板２６に実装されたスイッチＳＷをオンさせると、電池Ｂの電圧が印加されて回転する。モータＭが回転すると、回転軸ＭＣに固着した偏心分銅２９が回転軸ＭＣを回転中心に偏心回転し、その偏心回転により回転軸ＭＣが振られてモータ収容部２７に収容保持されたモータＭ自身が振動する。そして、このモータＭの振動は、モータ収容部２７を介して、同モータ収容部２７と密接しているブラシ取付軸筒１１に伝搬されることになる。

　インナーケース２０の胴部２１の外周面のうち、アウターケース１０に内装される先端側の半分が、アウターケース１０に内装されない基端側の半分より縮径されている。これによって、インナーケース２０のモータ収容部２７をアウターケース１０の先端側の半分の空間Ｓ１及びインナーケース２０の基板固定部２５を空間Ｓ２に内装したとき、胴部２１の基端側の半分の外周面がアウターケース１０の内周面に係合し、インナーケース２０のそれ以上の進入を規制するようになっている。つまり、インナーケース２０は、胴部２１の先端側の半分がアウターケース１０に内装され、胴部２１の基端側の半分及び電池収容部２２がアウターケース１０から露出することになる。

　胴部２１の先端側の半分の外周面には先端側環状溝３０が形成され、先端側環状溝３０には第２の弾性部材としてのシールリングＲ１が嵌着されている。シールリングＲ１は、ゴム製のＯリングよりなり、先端側環状溝３０に嵌着した状態でその外側部分が胴部２１の外周面より突出するようになっている。従って、インナーケース２０（胴部２１）がアウターケース１０に内装されるとき、先端側環状溝３０のシールリングＲ１がアウターケース１０の内周面にて弾性変形して、インナーケース２０（胴部２１）とアウターケース１０との間を、水密かつ弾性支持している。

　図５および図６に示すように、アウターケース１０の基端部の端面としての開口部端面１５と把持部ケース４の先端部の開口部端面４１は互いに対向している。胴部２１の基端側の半分の外周面には基端側環状溝３１が形成され、基端側環状溝３１には弾性部材としての弾性リングＲ２が嵌着されている。弾性リングＲ２は、弾性を有した合成樹脂製のリングであって、本実施形態では、シール材として利用されるゴム製のＯリングを使用している。弾性リングＲ２は、基端側環状溝３１に嵌着した状態でその外側部分が胴部２１の外周面より突出するようになっている。

　このように形成された本体ケース２は、基端側に把持部ケース４が装着され、先端側に歯ブラシヘッド５が装着される。
　把持部ケース４は、ＡＢＳ樹脂よりなる面取りした有底四角筒状のケースであって、その内部空間に先端開口部から本体ケース２を構成するインナーケース２０の電池収容部２２が装着される。把持部ケース４の先端開口部の内周面形状は、胴部２１の基端側の半分の外周面形状と同一形状であって、胴部２１の基端側の半分が把持部ケース４に内装されるようになっている。

　このとき、アウターケース１０は、把持部ケース４に内装されず、アウターケース１０の開口部端面１５は、把持部ケース４の開口部端面４１と当接するようになっている。把持部ケース４の外径は、アウターケース１０の外径よりも大きく形成されている。従って、アウターケース１０の開口部端面１５と把持部ケース４の開口部端面４１とを合わせたとき、把持部ケース４の外周面が、アウターケース１０の外周面より外方に突出する。そして、外側に露出した把持部ケース４の開口部端面４１は段差面４１ａとなる。

　図５および図６に示すように、把持部ケース４の先端部の内周面とインナーケース２０の外面との間には、弾性リングＲ２が設けられている。インナーケース２０（胴部２１）が把持部ケース４に内装されるとき、基端側環状溝３１の弾性リングＲ２が把持部ケース４の先端開口部内面にて弾性変形して、インナーケース２０（胴部２１）と把持部ケース４との間を、水密かつ弾性支持している。そして、本体ケース２を把持部ケース４に装着することによって、把持部ケース４によって電動歯ブラシ１の把持部が形成されるとともに、電池収容部２２に収容保持された電池Ｂは把持部ケース４によって密閉収納される。

　インナーケース２０の前壁部２０ｄにおいて把持部ケース４と直接的に対向する部分の長さを長さＰとし、インナーケース２０の後壁部において把持部ケース４と直接的に対向する部分の長さを長さＱとしたとき、長さＱが長さＰよりも小さい。

　本体ケース２の先端側に装着される歯ブラシヘッド５は、保持部５１を有し、その保持部５１の先端部にブラシ毛５２が植設されている。保持部５１の基端の外形がアウターケース１０の外形と同一形状であって、保持部５１の基端の端面５３には、嵌着孔５４が形成されている。嵌着孔５４は、アウターケース１０に形成したブラシ取付軸筒１１が着脱自在に圧入される。嵌着孔５４の内周面は、ブラシ取付軸筒１１が圧入された時、ブラシ取付軸筒１１の外周面が密着される。従って、モータ収容部２７を介してブラシ取付軸筒１１に伝搬されるモータＭの振動は、歯ブラシヘッド５の保持部５１を介して先端部のブラシ毛５２に伝搬される。

　保持部５１は、その基端から先端部に向かって細くなるように形成されている。詳述すると、保持部５１の前面５１ｂが後面５１ａ側に、また、左右両側面が互いに近づくように形成されている。つまり、保持部５１の先端部は、その先端部後面５１ａがブラシ取付軸筒１１の中心軸線Ｃ１より後側であってアウターケース１０の後面１０ａより前側に位置するように配置され、植設したブラシ毛５２の毛先が、アウターケース１０の前面１０ｂよりはみ出さないようにしている。また、保持部５１の先端部を後方位置に配置されるように、保持部５１の前面５１ｂを後面５１ａ側に後退させたので、歯を磨く時、保持部５１の前面が張り出していることにより、歯がその張り出し部分に当たって磨き難くなるのを防止している。

　側断面において、本体ケース２の前壁部１０ｄ、２０ｄの厚さを厚さＸ１とし、歯ブラシヘッド５の前壁部５ｄの厚さを厚さＹ１とする。また側断面において、本体ケース２の後壁部１０ｃ、２０ｃの厚さを厚さＸ２とし、歯ブラシヘッド５の後壁部５ｃの厚さを厚さＹ２とする。

　図７に示すように、歯ブラシヘッド５の基端の端面５３およびこの端面５３に平行かつその端面を含む平面上において、厚さＸ１と厚さＹ１とを合わせた厚さが厚さＸ２と厚さＹ２とを合わせた厚さよりも大きい。

　歯ブラシヘッド５において、その基端部から先端部にまでにわたる前面５１ｂの長さを長さＶとし、基端部から先端部までにわたる後面５１ａの長さを長さＷとしたとき、後面５１ａの長さＷが前面５１ｂの長さＶよりも小さい。また、歯ブラシヘッド５の前壁部５ｄにおいてモータＭと対応する部位には肉抜き部５５が設けられている。

　さらに、ブラシ取付軸筒１１内に振動源のモータＭを収納し、そのブラシ取付軸筒１１を歯ブラシヘッド５の保持部５１に圧入したので、ブラシ取付軸筒１１の長さ分（ブラシ取付軸筒１１と保持部５１の重合分）、保持部５１の先端を本体ケース２側に近づける（縮める）ことができる。その結果、電動歯ブラシ１の全長を短くでき、ポーチやポケットに入りやすく携帯性に優れたものとなる。図示した例のように、ブラシ取付軸筒１１の全体が歯ブラシヘッド５内に配置されることが好ましい。

　図５および図６に示すように、本体ケース２に装着された歯ブラシヘッド５は、キャップ６にて収納される。キャップ６は、ＡＢＳ樹脂よりなる面取りした有蓋四角筒状のケースであって、本体ケース２への取り付けおよび本体ケース２からの取り外しが可能である。本体ケース２にキャップ６が取り付けられたとき、歯ブラシヘッド５の基端部の外周は、キャップ６により覆われている。

　歯ブラシヘッド５及び本体ケース２はキャップ６の基端開口部から挿入され、キャップ６の内部空間に配置される。キャップ６の基端開口部の内周面形状は、本体ケース２の外周面形状と同一形状であって、キャップ６の基端側は、キャップ６を本体ケース２に装着したとき、把持部ケース４の開口部端面４１（段差面４１ａ）に当接し、それ以上の本体ケース２の進入を規制するようになっている。

　また、キャップ６の外形は、把持部ケース４の外形と同一形状であって、キャップ６を本体ケース２に装着したとき、図３、図４に示すように、キャップ６の外周面と把持部ケース４の外周面とが面一になり、キャップ６と把持部ケース４の境界が目立たないようにしている。すなわち、キャップ６の基端側端面６１側の外周面と把持部ケース４の開口部端面４１側の外周面とは、キャップ６を本体ケース２に嵌め合わせた状態において連続した面を形成する。これによって、電動歯ブラシ１の外周面は、平滑な面となり、電動歯ブラシ１をポーチやポケットに収納したとき、周囲のものを引っ掛けたり、逆にキャップ６が外れたりする虞がない。

　さらに、キャップ６を本体ケース２に装着したとき、本体ケース２に設けたスイッチ部材１３はキャップ６に内包される。そのため、電動歯ブラシ１をポーチやポケットに収納したとき、スイッチ部材１３が誤ってオン操作されることはない。

　次に、上記のように構成した電動歯ブラシ１の効果について以下に述べる。
　（１）本実施形態によれば、本体ケース２の先端に歯ブラシヘッド５（保持部５１）を着脱可能に取着する筒状のブラシ取付軸筒１１を設け、そのブラシ取付軸筒１１内の空間Ｓ１に振動を発生する偏心分銅２９を取着したモータＭを配置した。従って、ブラシ取付軸筒１１の長さ分、歯ブラシヘッド５の先端を本体ケース２側に近づけることができる。その結果、電動歯ブラシ１は、その全長を短くでき、ポーチやポケットに入りやすく携帯性に優れたものとなる。

　（２）本実施形態によれば、振動を発生する偏心分銅２９を取着したモータＭを内側に配置したブラシ取付軸筒１１に歯ブラシヘッド５（保持部５１）を取着した。従って、歯ブラシヘッド５の先端部に植設したブラシ毛５２を、モータＭにより近づけることができた。その結果、モータＭの振動が減衰し難く、効率よくブラシ毛５２に伝わるので、歯の擦掃性能をより向上させることができる。

　（３）本実施形態によれば、ブラシ取付軸筒１１内に配置された振動を発生するモータＭは、手で持ち固定される把持部ケース４からより遠い位置に位置するので、歯ブラシヘッド５先端部の動きを大きくすることができ、歯の擦掃性能にさらに向上させることができる。

　（４）本実施形態によれば、ブラシ取付軸筒１１を、本体ケース２の後面１０ａ側に偏倚して、ブラシ毛５２を保持する保持部５１の基端部の前面を後面５１ａ側に後退させるようにした。そして、歯ブラシヘッド５に保持部５１を、基端から先端部に向かって細く、しかも、保持部５１の前面が後面５１ａ側に近づくように形成した。その結果、歯を磨く時、歯ブラシヘッド５の保持部５１が前面に張り出さなくなり、歯がその張り出し部分に当たって磨き難くなることはない。

　（５）本実施形態によれば、本体ケース２を、ブラシ取付軸筒１１を有したアウターケース１０と、一端にモータＭを収容するモータ収容部２７を、他端に電池Ｂを収容する電池収容部２２を有するインナーケース２０とから構成した。従って、インナーケース２０をアウターケース１０に収容するだけで、モータＭを収容した状態でモータ収容部２７をアウターケース１０のブラシ取付軸筒１１内に圧入でき、モータＭのブラシ取付軸筒１１への組み付けが容易となる。

　（６）本実施形態によれば、本体ケース２、即ち、インナーケース２０の胴部２１と把持部ケース４の間に弾性リングＲ２を介在させた。そして、インナーケース２０（胴部２１）を把持部ケース４に内装したとき、弾性リングＲ２が把持部ケース４の先端開口部内面にて弾性変形して、インナーケース２０と把持部ケース４との間を、水密かつ弾性支持するようにした。

　従って、インナーケース２０のモータ収容部２７に収容されたモータＭの振動が弾性リングＲ２にて把持部ケース４に伝わり難くなり、歯ブラシヘッド５側に集中して伝わる。その結果、歯の擦掃性能にさらに向上させることができるとともに、把持部ケース４を把持する手への振動が低減され快適に歯を磨くことができる。

　しかも、弾性リングＲ２はシール性を有しているため、水洗いしたとき、把持部ケース４とインナーケース２０の間を通って本体ケース２内への水の進入を防止することができる。

　（７）本実施形態によれば、本体ケース２のアウターケース１０とインナーケース２０の胴部２１の間にシールリングＲ１を介在させた。電動歯ブラシ１を水洗いしたとき、アウターケース１０とインナーケース２０の間を通って本体ケース２内への水の進入を防止することができる。

　しかも、インナーケース２０のモータ収容部２７に収容されたモータＭの振動がシールリングＲ１にてアウターケース１０に伝わり難くなり、歯ブラシヘッド５側に集中して伝わる。その結果、歯の擦掃性能にさらに向上させることができるとともに、アウターケース１０を把持する手への振動が低減され快適に歯を磨くことができる。

　（８）本実施形態によれば、本体ケース２に装着された歯ブラシヘッド５は、不使用時にはキャップ６にて収納されるようにした。電動歯ブラシ１を携帯する際、歯ブラシヘッド５（ブラシ毛５２）は周囲のものに触れることなくなることから、歯ブラシヘッド５が汚れたり、ポーチやポケット等を汚したりせず衛生が保たれるとともに、ブラシ毛５２を変形させず保護でき、高い擦掃性能を維持することができる。また、スイッチ部材１３が周囲のものによって誤操作されることはない。

　しかも、キャップ６の外形は、本体ケース２に装着したとき、キャップ６の外周面と把持部ケース４の外周面とが面一になるようにした。これによって、電動歯ブラシ１の外周面は、平滑な面となり、電動歯ブラシ１をポーチやポケットに収納したとき、周囲のものを引っ掛けたり、逆にキャップ６が外れたりするのを防止することができる。

　尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
　・上記実施形態では、本体ケース２をアウターケース１０とインナーケース２０の２つの部材で形成した。これを、アウターケース１０とインナーケース２０を一体にした本体ケース２にして実施してもよい。このようにすることによって、部品点数の削減、シールリングＲ１の削減を図ることができる。

　・上記実施形態では、インナーケース２０の胴部２１と把持部ケース４の間に弾性リングＲ２を介在させた。これを、リング状のものではなく、周方向に所定の間隔をおいて、弾性部材を配置して実施してもよい。

　・上記実施形態では、インナーケース２０の胴部２１と把持部ケース４の間に介在させた弾性リングＲ２は、弾性及び水に対するシール性を有するＯリングを使用した。これを、弾性のみで、水に対するシール性を有さない弾性部材を使用して実施してもよい。

　・上記実施形態では、把持部ケース４と本体ケース２のインナーケース２０との間に、弾性リングＲ２を介在させた。これを、図８に示すように、本体ケース２のアウターケース１０の基端側部分を把持部ケース４に挿入し、その把持部ケース４とアウターケース１０との間に弾性リングＲ２に相当する弾性部材Ｒ３を介在させてもよい。

　１…電動歯ブラシ、２…本体ケース、５…歯ブラシヘッド、６…キャップ、１０…アウターケース、１０ａ…後面、１１…ブラシ取付軸筒、２０…インナーケース、２２…電池収容部、２７…モータ収容部、Ｂ…電池、Ｍ…モータ、Ｒ１…シールリング。

Claims

　歯ブラシヘッドと、
　偏心分銅付きモータからなる振動発生装置と、
　前記歯ブラシヘッドが着脱可能に取着されるとともに、前記振動発生装置を収納する本体ケースとを備え、
　前記歯ブラシヘッドは前記本体ケースの先端のブラシ取付軸筒に取着され、そのブラシ取付軸筒内に前記振動発生装置が配置される、電動歯ブラシ。
　請求項１に記載の電動歯ブラシにおいて、
　前記ブラシ取付軸筒は前記本体ケースの後面側に偏倚して配置されている電動歯ブラシ。
　請求項１又は２に記載の電動歯ブラシにおいて、
　前記本体ケースに外嵌されて、前記ブラシ取付軸筒に取着された前記歯ブラシヘッドを収納するキャップを更に備える電動歯ブラシ。
　請求項１～３のいずれか一項に記載の電動歯ブラシにおいて、
　前記本体ケースは、前記ブラシ取付軸筒を有するアウターケースと、一端に前記モータを収容するモータ収容部を有し、他端に前記モータの駆動用電池を収容する電池収容部を有するインナーケースとからなり、
　前記インナーケースは、前記モータ収容部が前記アウターケースの前記ブラシ取付軸筒内に圧入されるように、前記アウターケースに収容される
　ことを特徴とする電動歯ブラシ。
　請求項４に記載の電動歯ブラシにおいて、
　前記本体ケースの前記アウターケースと前記インナーケースとの間に介在されたシールリングを更に備える
　ことを特徴とする電動歯ブラシ。
　請求項１に記載の電動歯ブラシにおいて、
　前記歯ブラシヘッドが前記本体ケースに取着されたとき、前記ブラシ取付軸筒の全体が前記歯ブラシヘッド内に配置されることを特徴とする電動歯ブラシ。