WO2010134170A1

WO2010134170A1 - 積層型二次電池および積層型二次電池の製造方法

Info

Publication number: WO2010134170A1
Application number: PCT/JP2009/059252
Authority: WO
Inventors: 孝夫大道寺; 功栃原; 裕基堀; 浩一座間
Original assignee: Ｎｅｃトーキン株式会社
Priority date: 2009-05-20
Filing date: 2009-05-20
Publication date: 2010-11-25
Also published as: CN102428600B; CN102428600A; US20110293996A1

Abstract

　金属箔製の正極集電体５１と金属箔製の負極集電体４１上に、正極集電タブ５７、負極集電タブ４７を一体に形成した正極５と負極４をセパレータ６を介して積層し、セパレータ６は、正極集電タブと負極集電タブの対向部分８にも配置されており、前記正極集電タブに接続された正極リード１７と、前記負極集電タブに接続された負極リード１５は、正極５、負極４の積層体の同一端面から外装材３の外部へ取り出されていることを特徴とする積層型二次電池。

Description

積層型二次電池および積層型二次電池の製造方法

　本発明は、リチウムイオン二次電池等の積層型二次電池、積層型二次電池の製造方法およびそれを用いたのおよびそれを用いた組電池に関するものである。

　リチウムイオン二次電池等の積層型二次電池は、アルミニウム箔を集電体として正極活物質を塗布した正極と、銅箔を集電体として負極活物質を塗布した負極をセパレータを介して対向させて積層体とし、各電極に接続された集電タブを重ねて接合し、電流の入出力部としている。

　図８は、集電タブを作製する従来の方法を説明する図である。図８Ａは、負極集電タブの切断前の平面図であり、図８Ｂは、正極タブの切断前の平面図である。
　負極活物質塗布部４３の形成後、負極集電タブ４７を負極活物質非塗布部４５の一部を負極活物質塗布部４３と結合した状態で矩形状に残すように切断線９に沿って打ち抜き切断することで形成される。

　同様に正極活物質塗布部５３の形成後、正極集電タブ５７が正極活物質非塗布部５５の一部を矩形状に残すように切断線９に沿って打ち抜き切断することで形成される。
　負極集電体および正極集電体は、いずれも数マイクロメートルないし数十マイクロメートルの金属箔が用いられている。

　負極集電タブ４７、正極集電タブ５７は、いずれも電極の横幅に比べて長さが短い切断線で囲まれており、正極、負極ともに活物質層を形成した部分以外は、厚みが薄い金属箔のみで形成されているために、金属箔のみの部分を切断した場合にはバリが発生し易いすという問題があった。
　バリは、電池の長期間の使用過程において短絡等の問題が生じないとも限らないので、切断後にバリの有無を検査し、バリの除去作業を行うことが必要であり、生産効率が低下するという問題点があった。

特開平９－１２９２１１号公報

　本発明は、積層型リチウムイオン二次電池等の金属箔を集電体として、集電体上に電極活物質層を形成するとともに、電極活物質を塗布していない集電体を集電タブとして取り出し、電極を積層後、集電タブを重ねて接合し、電池の電極リードを接続して外装体によって封口した積層型電池において、集電タブを形成する際に、集電タブにバリが生じることがない積層型電池を提供することを課題とするものである。

　本発明は、金属箔製の正極集電体と金属箔製の負極集電体と、前記正極集電体上に、正極活物質を塗布した正極活物質塗布部と、正極活物質を塗布していない正極活物質未塗布部を有し、前記正極活物質未塗布部を正極集電タブとした正極と、前記負極集電体上に、負極活物質を塗布した負極活物質塗布部と、負極活物質を塗布していない負極活物質未塗布部を有し、前記負極活物質未塗布部を負極集電タブとした負極と、前記正極と前記負極の間に配置されたセパレータと、前記正極集電タブと前記負極集電タブはそれぞれの一部が対向するように積層されており、前記セパレータは、前記正極集電タブと前記負極集電タブが対向する部分にも配置されており、前記正極集電タブに接続された正極リードと、前記負極集電タブに接続された負極リードと、前記正極リードおよび前記負極リードは、前記正極、前記セパレータ、前記負極からなる積層体の同一端面から外装材の外部へ取り出されている積層型二次電池である。
　また、前記負極および前記正極の電極活物質塗布部の形状がいずれも四辺形状であり、前記正極タブ、前記負極タブは、前記正極活物質塗布部、または前記負極活物質塗布部との境界から離れるにしたがって幅が小さくなる前記の積層型二次電池である。

　また、前記正極タブ、前記負極タブは、略三角形状，略台形形状、あるいは略五角形状である前記の積層型二次電池である。
　前記セパレータの前記正極集電タブおよび前記負極集電タブに対向する部分は、無孔テープが貼着、もしくは加熱目潰しされた前記の積層型二次電池である。
　前記正極活物質にはリチウムマンガン複合酸化物を有する前記の積層型二次電池である。

　また、帯状の金属箔の少なくとも一方の面に長さ方向に、ペースト状の正極活物質、または負極活物質を長さ方向に、集電タブを形成する非塗布部を設けながら活物質を塗布する活物質塗布工程と、正極または負極の幅の大きさで長さ方向に切断して単位電極体を作製する工程、前記単位電極体の前記非塗布部を幅方向から１または２個の切断線で切断して、前記活物質塗布部との境界部から離れるにしたがって、幅方向の長さが小さくなるように切断して集電タブを有する正極および負極を作製する工程と、前記正極および前記負極をセパレータを介して積層する工程、該正極および負極の集電タブ相互を接合し、正極リード、負極リードを接合する工程、およびフィルム状外装材によって封口する工程を有する積層型二次電池の製造方法である。

　また、金属箔製の正極集電体と金属箔製の負極集電体と、前記正極集電体上に、正極活物質を塗布した正極活物質塗布部と、正極活物質を塗布していない正極活物質未塗布部を有し、前記正極活物質未塗布部を正極集電タブとした正極と、前記負極集電体上に、負極活物質を塗布した負極活物質塗布部と、負極活物質を塗布していない負極活物質未塗布部を有し、前記負極活物質未塗布部を負極集電タブとした負極と、前記正極と前記負極の間に配置されたセパレータと、前記正極集電タブと前記負極集電タブはそれぞれの一部が対向するように積層されており、前記セパレータは、前記正極集電タブと前記負極集電タブが対向する部分にも配置されており、前記正極集電タブに接続された正極リードと、前記負極集電タブに接続された負極リードと、前記正極リードおよび前記負極リードは、前記正極、前記セパレータ、前記負極からなる積層体の同一端面から外装材の外部へ取り出されている積層型電池の正極リードまたは負極リードを直列、並列、または直並列に接続した組電池である。

　本発明の積層型電池は、金属箔からなる正極集電体および負極集電体上の活物質を塗布していない、正極活物質非塗布部、負極活物質非塗布部を、それぞれ正極集電タブ、負極集電タブとし、正極と負極とをそれぞれの活物質層が対向するようにセパレータを介して積層した際に、正極集電タブと負極集電タブがセパレータを介して対向する部分を有するように配置され、正極集電タブと負極集電タブに接続した正極リードおよび負極リードがそれぞれ、積層体の同一の端面から取り出されるようにしたので、正極集電タブ、および負極集電タブを集電体の切断によって製造する際には、切断部にバリを生じることなく切断することができるので、効率的な製造が可能な積層型二次電池、およびそれを用いた組電池を提供することが可能となる。

図１は、本発明の積層型二次電池の実施形態を説明する図である。図２は、本発明の実施態様の積層型二次電池の製造工程を順に説明する図である。図３は、正極、負極の作製方法を説明する図である。図４は、本発明の他の実施態様の積層型二次電池の製造工程を順に説明する図である。図５は、他の実施態様の正極、負極の作製方法を説明する図である。図６は、本発明の電極の製造工程を説明する図である。図７は、組電池を説明する図である。図８は、集電タブを作製する従来の方法を説明する図である。

　本発明は、金属箔を集電体とした正極および負極を作製する際に、正極活物質活物質を塗布していない正極活物質非塗布部、および負極活物質を塗布していない負極活物質非塗布部をそれぞれ切断して正極集電タブ、負極集電タブを形成する際に、正極集電タブおよび負極集電タブの形状を特定の形状となるように切断することによって、金属箔のように厚みが薄くバリが発生しやすい部材であってもバリの発生が起きない正極集電タブ、負極集電タブを有する積層型二次電池を提供することが可能であることを見出したものである。

　以下に，図面を参照して本発明を説明する。
　図１は、本発明の積層型二次電池の実施形態を説明する図である。
　図１Ａは、積層型二次電池の積層面に垂直な面で切断した断面図である。また、図１Ｂは、図１ＡにおいてＡ－Ａ線で切断した断面を説明する図である。
　本発明の積層型二次電池１は、電池要素２がフィルム状外装材３によって封口されている。電池要素２は、負極４および正極５が、それぞれ、合成樹脂製の多孔性フィルムからなるセパレータ６を介して積層されている。

　負極４には、負極集電体４１に負極活物質を塗布した負極活物質塗布部４３と、負極活物質を塗布していない負極活物質非塗布部４５を有し、前記負極活物質塗布部の一部または全部に負極集電タブ４７が形成されている。
　図１Ｂで説明する負極集電タブは、負極活物質を塗布した領域と接する部分から負極の横幅方向の全幅から、先端部へ向けて横幅が狭くなるように形成されている。
　また、正極５にも、正極集電体５１に正極活物質を塗布した正極活物質塗布部５３と、正極活物質を塗布していないを正極活物質非塗布部５５有し、前記正極活物質塗布部の一部または全部に正極集電タブ５７が形成されている。

　正極集電タブ５７は、負極集電タブと同様に、正極活物質を塗布した領域と接する部分から負極の横幅方向の全幅から、先端部へ向けて横幅が狭くなるように形成されている。
　負極４と正極５との間には、セパレータ６が配置されている。

　本発明の積層型二次電池は、正極集電タブおよび負極集電タブが共に集電体と一体に形成され、電極活物質を塗布した領域と接する部分の正極および負極の幅方向の全幅から先端部に向けて横幅が小さくなる形状を有している。
　また、セパレータ６は、負極集電タブ４７が正極集電タブ５７に対向する領域、すなわち負極集電タブ４７を正極集電タブ５７に投影した場合に図１Ｂで示す略三角形の重なる部分である対向部分８の間を覆うように配置されている。
　したがって、負極集電タブ４７と正極集電タブ５７が対向する部分を有する正極と負極を積層した場合でも両者が対向する略三角形領域で電気的に短絡することは無い。

　また、負極集電タブ４７には、負極リード１５が接合され、正極集電タブ５７には、正極リード１７が接合されている。

　以上のように負極と正極とをセパレータを介して積層して各集電タブを接合し、集電タブには、負極リードおよび正極リードを接合した後に、内部に電解液を充填した後に、フィルム状外装材３の封口部分から負極リード１５、正極リード１７を取り出して積層型二次電池を作製することができる。

　図２は、本発明の実施態様の積層型二次電池の製造工程を順に説明する図である。
　図２Ａは、正極を説明する図であり、正極５は、正極活物質を塗布した正極活物質塗布部５３と、正極活物質を塗布していない正極活物質非塗布部からなる正極集電タブ５７を有している。
　正極集電タブは、一辺が電極活物質が塗布された部分の外形の延長線上に位置し、他の一辺が負極活物質塗布部との境界線である略三角形の外形を有する正極活物質が塗布されていない部分から形成されている。

　また、図２Ｂは、本発明の１実施形態のセパレータを説明する図であり、セパレータ６は、三方の融着部６１で間欠的に接合した袋状体である。
　融着部６１によってセパレータ内部に形成される領域を正極５の幅とすることによって、図２Ｃで示すように、セパレータ６内に正極５を装着した場合には、正極５はセパレータ６の融着部６１によって三方が位置決めすることができる。

　また、図２Ｄは、本発明の１実施形態の負極を説明する図であり、負極４は、負極活物質を塗布した負極活物質塗布部４３と、負極活物質を塗布していない負極活物質非塗布部に負極集電タブ４７が形成されている。
　負極集電タブは、一辺が電極活物質が塗布された部分の外形の延長線上に位置し、他の一辺が負極活物質塗布部との境界線である略三角形の外形を有する負極活物質が塗布されていない部分から形成されている。

　また、図２Ｅは、図２Ｃで示す正極を挿入したセパレータと、図２Ｄで説明した負極を積層した状態を説明する図である。
　正極５は、図２Ｃで説明したセパレータ６内部の融着部６１によってセパレータに対して位置決めされているので、セパレータ６の外形部の直角に交わる二つの稜と負極４の二つの稜を位置決めすることによって、正極５とセパレータを介して積層する負極４の相対位置を定めることが容易となり、負極と正極の両者の位置関係が正確な積層体を作製することが可能となる。

　このように、セパレータに設けた融着部によって正極を位置決めし、負極はセパレータの周辺部で位置決めすることができる。
　このようにすることによって、正極と負極との相対位置を特定した積層が容易に行うことが可能となる。

　また、図２Ｅで示すように、負極集電タブ４７と正極集電タブ５７の対向部分８には、セパレータが存在するようにすることによって、負極集電タブ４７と正極集電タブ５７との間の電気的な短絡を防止することができる。

　以上のようにして、所定の個数の負極、セパレータ、正極を積層した後に、負極集電タブ４７、正極集電タブ５７を相互に接合した後に、負極集電タブ４７に負極リード１５を接合し、正極集電タブ５７には正極リード１７を接合し、フィルム状外装材によって封口する。

　また、図２Ｆは、本発明の他の実施態様を説明する図である。
　図２Ｆで示すセパレータ６は、負極集電タブ４７と正極集電タブ５７の対向部分８に対応する部分には、無孔フィルム６３が貼着されている。このように無孔フィルムを貼着することによって、負極集電タブ４７と正極集電タブ５７の対向部分８での両者の接触を確実に防止することが可能となる。
　また、無孔フィルムに代えて、負極集電タブ４７と正極集電タブ５７の対向部分８のセパレータ６を加熱目潰したり、更にはセパレータを加熱目潰した後に多層化すると共にをしても良い。

　図３は、正極、負極の作製方法を説明する図である。図３Ａおよび図３Ｂは、負極を説明する図であり、図３Ｃおよび図３Ｄは正極を説明する図である。
　図３Ａは、負極集電体に負極活物質塗布部４３と負極集電タブ４７となる負極活物質を塗布していない負極活物質非塗布部４５を形成したものである。
　そして、負極活物質を塗布していない領域を切断線９に沿って切断することによって、図３Ｂに示すように負極集電タブ４７を形成した負極を作製することができる。
　負極活物質を塗布していない負極集電体の金属箔部分を図に示すように直線状の切断線によって切断する場合にはバリを生じることがない。

　正極についても、負極と同様に図３Ｃに示すように、正極集電体に正極活物質塗布部５３と正極集電タブ５７となる正極活物質を塗布していない正極活物質非塗布部５５を形成したものである。正極活物質非塗布部５５を切断線９に沿って切断することによって、図３Ｄに示すように正極集電タブ５７を形成した正極を作製することができる。

　図４は、本発明の他の実施態様の積層型二次電池の製造工程を順に説明する図である。
　図４で説明する実施態様の積層型二次電池は、図２で説明した実施態様とは、負極集電タブ、および正極集電タブの上端部の形状、およびセパレータの形状を除き同様である。
　すなわち、図４Ａ、図４Ｄで示すように、負極集電タブ４７は台形状の外形を有しており、正極集電タブ５７の上端部の負極リード端子取り付け部、および負極リード端子取り付け部が、負極および正極の活物質塗布層と活物質非塗布部との境界に平行である点が相違している。

　負極集電タブ４７および正極集電タブは、一辺が電極活物質が塗布された部分の外形の延長線上に位置し、一辺が負極活物質塗布部との境界線であり、一辺が負極活物質塗布部との境界線に平行である略台形形状である負極活物質が塗布されていない部分から形成されている。

　また、セパレータ６の上端部が、負極集電タブ４７が正極集電タブ５７に対向する領域、すなわち負極集電タブ４７を正極集電タブ５７に投影した場合の略三角形の重なり部分８を覆うように、略三角形の外形に沿ったものである点が相違している。

　このように、負極集電タブ、正極集電タブ、よびセパレータの形状を変更したことによって、負極集電タブと正極集電タブの両者が対向しない部分には、セパレータが存在しないので、負極集電タブ、正極集電タブが取扱し易くなるという効果を得ることが可能となる。

　図５は、他の実施態様の正極、負極の作製方法を説明する図である。図５Ａおよび図５Ｂは、負極を説明する図であり、図５Ｃおよび図５Ｄは正極を説明する図である。
　図５Ａは、負極集電体に負極活物質塗布部４１と負極集電タブ４７となる負極活物質を塗布していない領域を形成したものである。
　そして、負極活物質を塗布していない領域が、負極活物質塗布部の両幅から延びる外形線、およびそれと結合する二つの切断線９１、９２、および負極活物質塗布部と非塗布部との境界線に囲まれた略五角形とすることによって、図５Ｂに示すように負極集電タブ４７を形成した負極を作製することができる。

　負極活物質を塗布していない負極集電体の金属箔部分は、図に示すように活物質塗布部の延長部と二つの直線状の切断線のみによって切断したので、図２で示したものと同様にバリを生じることがない。
　また、正極集電タブも負極集電タブと同様に、図５Ｃに示すように正極活物質を塗布していない領域を切断線９１、９２に沿って切断することによって、図５Ｄに示すように正極集電タブ５７を形成した正極を作製することができる。

　次に本発明の電極を集電体に電極活物質を塗布して製造する工程について説明する。
　図６は、本発明の電極の製造工程を説明する図であり、負極を例に挙げて説明する図である。また、正極についても同様に製造することが可能である。
　図６Ａに示すように、帯状の負極集電体４１Ａに、負極活物質のペーストを塗布する。負極活物質の塗布は、負極活物質塗布部４３と負極活物質を塗布していない負極活物質非塗布部４５が形成されるように間欠的に形成する。負極活物質非塗布部４５の大きさは、形成する負極集電タブの大きさに応じて決定される。
　次いで、図６Ｂに示すように、負極活物質を塗布した帯状の集電体を、積層型二次電池の積層体を構成する一つの負極の幅に相当する幅で切断線９３に沿って切断する。

　図６Ｃで示す例は、負極の幅に切断した帯状体４１Ｂを、負極活物質非塗布部４５に近い部分の負極活物質塗布部４３を帯状体の長さ方向に直角な切断線９４で切断線によって切断すると共に、負極活物質非塗布部４５を、帯状体の長さ方向に斜め方向の切断線９５によって切断して負極４を得ることができる。
　この方法では、負極４は、帯状体の長さ方向に対して形状が揃ったものを得ることができるので、その後の回転等の操作が不要となる。

　図６Ｄに示す例は、負極の幅に切断した帯状体４１Ｂの、活物質非塗布部を介して隣接する負極活物質塗布部４３の両側の負極活物質非塗布部４５に近い部分の負極活物質塗布部を帯状体の長さ方向に直角な切断線９４で切断すると共に、前記の負極活物質塗布部の間に位置する負極活物質非塗布部４５を、帯状体の長さ方向に斜め方向の切断線９５によって切断して負極４を得ることができる。

　図６Ｅに示す例は、負極の幅に切断した帯状体４１Ｂには、２個分の長さの負極活物質塗布部４３Ａが、負極活物質非塗布部４５を介して形成されている。
　負極活物質塗布部４３Ａの帯状体の長さ方向の中間点を帯状体に長さ方向に垂直な切断線９４で切断すると共に、負極活物質非塗布部４５を、帯状体の長さ方向に斜め方向の切断線９５によって切断して負極４を得ることができる。
　図６Ｄ、６Ｅに示す方法は、廃棄される部材の量が少なくなるが、作製した負極４を回転等によって揃えることが必要となる。

　次に、本発明の積層型二次電池の複数個を結合した組電池の一実施態様を図面を参照して説明する。
　図７は、組電池の一実施態様を説明する図である。図７Ａは、電極リード側からみた正面図、図７Ｂは、電極リード側とは反対側の一部を省略した平面図である。
　組電池１００は、４個の積層型二次電池１の電極リード１５Ａ２～１５Ａ４、１７Ｂ１～１７Ｂ３を連結導電部材１９Ａ１～１９Ａ３によって直列に接続したものであり、外部回路との接続用の電極端子１５Ａ１、１７Ｂ４には、矩形平板状のタブ端子２１Ａ、２１Ｂが接合されている。

　また、タブ端子２１Ａ、２１Ｂに接続リード線２３Ａ１、２３Ｂの芯線部分２５Ａ、２５Ｂが半田付け等によって接続部２７Ａ、２７Ｂにおいて接続されている。また、各タブ端子２１Ａ、２１Ｂには先に接続リード線を接続した後に、接合部２９Ａ，２９Ｂにおいてスポット溶接等によって電極端子と接合されている。
　更に、以上のように複数個の積層型二次電池を電気的に直列、並列、直並列に接続して一体化することによって任意の出力電圧、出力電流を有する組電池を提供することができる。
　また、これらの電池に、保護回路、制御回路などを装着しても良い。

　本発明の積層型二次電池がリチウムイオン電池である場合について説明する。
　正極には、アルミニウム箔を正極集電体として、正極集電体上に正極活物質が形成されている。
　正極活物質としては、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、あるいは、マンガン、コバルト、ニッケル等を含むリチウム複合酸化物等のリチウムをドープ、アンドープするリチウム遷移金属複合酸化物を、カーボンブラック等の導電性付与材、ポリフッ化ビニリデン等の結着剤を、Ｎ－メチルピロリドン等の溶剤とともに混合してスラリー状として正極集電体上に塗布、乾燥し、ロールプレス機等により圧延することで正極活物質層を形成し正極を作製することができる。

　また、負極は、銅箔を負極集電体として、黒鉛粉末等のリチウムをドープ、アンドープする負極活物質をカーボンブラック等の導電性付与材、ポリフッ化ビニリデン等の結着剤を、Ｎ－メチルピロリドン等の溶剤とともに混合してスラリー状として負極集電体上に塗布、乾燥し、ロールプレス機等により圧延することで負極活物質層を形成して負極を作製することができる。

　正極集電タブを設けた正極と、負極集電タブを設けた負極のそれぞれを、正極集電タブと負極集電タブが対向した部分にも、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるセパレータを介在させて所定の枚数を積層して電池要素の積層体を形成する。
　次いで、エチレンカーボネート（ＥＣ）、ジメチルカーボネート（ＤＭＣ）、ジエチルカーボネート（ＤＥＣ）等のカーボネート類、γ－ブチロラクトン等のラクトン類に、ＬｉＰＦ6等の電解質を添加した電解液を充填した後に、正極リード、負極リードを引出し、漏洩あるいは水分の浸透がないフィルム状外装材によって封口することができる。
　フィルム状外装材としては、アルミニウム箔の内面にポリエチレン、ポリプリピレン等の熱融着性が良好な層、外面に強度が大きくアルミニウム箔の保護層としての作用を果たすナイロン、ポリエステル等の層を積層したフィルム状外装材層を用いることが好ましい。

　次に本発明の実施態様に基づいて作製したリチウムイオン二次電池の一例について説明する。負極集電体に１０μｍの銅箔を用い、正極集電体には２０μｍのアルミニウム箔を用いた。
　負極活物質はグラファイトに導電性付与材としてカーボンブラックを配合し、結着剤としてポリフッ化ビニリデンにＮ－メチルピロリドンを加えて負極活物質のペーストを調製した。
　正極活物質にはＬｉＭｎ₂Ｏ₄を用いて、負極と同様に同様に、導電性付与材としてカーボンブラックを配合し、結着剤としてポリフッ化ビニリデンにＮ－メチルピロリドンを加えて正極活物質のペーストを調製した。

　次いで、負極集電体、正極集電体には、負極集電タブおよび正極集電タブの形成部を残して、それぞれペーストを塗布した後に、先に示した図２に示した形状に切断して正極集電タブおよび負極集電タブを作製した。
　次いで、正極４枚および負極５枚をポリプロピレン製セパレータを介して積層し、外形寸法が８２×１５０×４ｍｍのリチウムイオン二次電池を作製したが、負極集電タブ、正極集電タブにはバリは発生せず特性が優れたリチウムイオン電池を作製することができた。

　本発明の積層型二次電池は、金属箔を集電体とした正極および負極のから一体に作製した負極集電タブ、正極集電タブが単純な線に沿って切断される形状であり、容易に切断できる。しかも、単純な線に沿って切断されるので、バリなどが出にくく、打ち抜きで切断する場合には、打ち抜き用の金型の調整等も容易で、積層型二次電池の生産性が向上する。

　１…積層型二次電池、２…電池要素、３…フィルム状外装材、４…負極、５…正極、６…セパレータ、８…対向部分、９，９１，９２，９３…切断線、１５…負極リード、１５Ａ１～１５Ａ４…電極リード、１７…正極リード、１７Ｂ１～１７Ｂ３…電極リード、１９Ａ１～１９Ａ３…連結導電部材、２１Ａ、２１Ｂ…タブ端子、２３Ａ、２３Ｂ…接続リード線、２５Ａ、２５Ｂ…芯線部分、２７Ａ，２７Ｂ…接続部、２９Ａ，２９Ｂ…接合部、４１…負極集電体、４１Ａ，４１Ｂ…帯状体、４３…負極活物質塗布部、４３Ａ…２個分の長さの負極活物質塗布部、４５…負極活物質非塗布部、４７…負極集電タブ、５１…正極集電体、５３…正極活物質塗布部、５５…正極活物質非塗布部、５７…正極集電タブ、６３…無孔フィルム、９１，９１，９３，９４…切断線、１００… 組電池

Claims

　金属箔製の正極集電体と金属箔製の負極集電体と、
　前記正極集電体上に、正極活物質を塗布した正極活物質塗布部と、正極活物質を塗布していない正極活物質未塗布部を有し、前記正極活物質未塗布部を正極集電タブとした正極と、
　前記負極集電体上に、負極活物質を塗布した負極活物質塗布部と、負極活物質を塗布していない負極活物質未塗布部を有し、前記負極活物質未塗布部を負極集電タブとした負極と、
　前記正極と前記負極の間に配置されたセパレータと、
　前記正極集電タブと前記負極集電タブはそれぞれの一部が対向するように積層されており、前記セパレータは、前記正極集電タブと前記負極集電タブが対向する部分にも配置されており、
　前記正極集電タブに接続された正極リードと、前記負極集電タブに接続された負極リードと、
　前記正極リードおよび前記負極リードは、前記正極、前記セパレータ、前記負極からなる積層体の同一端面から外装材の外部へ取り出されていることを特徴とする積層型二次電池。
　前記負極および前記正極の電極活物質塗布部の形状がいずれも四辺形状であり、前記正極タブ、前記負極タブは、前記正極活物質塗布部、または前記負極活物質塗布部との境界から離れるにしたがって幅が小さくなることを特徴とする請求項１記載の積層型二次電池。
　前記正極タブ、前記負極タブは、略三角形状，略台形形状、あるいは略五角形状であることを特徴とする請求項１または２記載の積層型二次電池。
　前記セパレータの前記正極集電タブおよび前記負極集電タブに対向する部分は、無孔フィルムが貼着されているか、加熱目潰しされていることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の積層型二次電池。
　前記正極活物質にはリチウムマンガン複合酸化物を有することを特徴とする請求項１から４のいずれか１項記載の積層型二次電池。
　帯状の金属箔の少なくとも一方の面に長さ方向に、ペースト状の正極活物質、または負極活物質を長さ方向に、集電タブを形成する非塗布部を設けながら活物質を塗布する活物質塗布工程と、正極または負極の幅の大きさで長さ方向に切断して単位電極体を作製する工程、前記単位電極体の前記非塗布部を幅方向から１または２個の切断線で切断して、前記活物質塗布部との境界部から離れるにしたがって、幅方向の長さが小さくなるように切断して集電タブを有する正極および負極を作製する工程と、前記正極および前記負極をセパレータを介して積層する工程、該正極および負極の集電タブ相互を接合し、正極リード、負極リードを接合する工程、およびフィルム状外装材によって封口する工程を有することを特徴とする積層型二次電池の製造方法。
　金属箔製の正極集電体と金属箔製の負極集電体と、
　前記正極集電体上に、正極活物質を塗布した正極活物質塗布部と、正極活物質を塗布していない正極活物質未塗布部を有し、前記正極活物質未塗布部を正極集電タブとした正極と、
　前記負極集電体上に、負極活物質を塗布した負極活物質塗布部と、負極活物質を塗布していない負極活物質未塗布部を有し、前記負極活物質未塗布部を負極集電タブとした負極と、
　前記正極と前記負極の間に配置されたセパレータと、
　前記正極集電タブと前記負極集電タブはそれぞれの一部が対向するように積層されており、前記セパレータは、前記正極集電タブと前記負極集電タブが対向する部分にも配置されており、
　前記正極集電タブに接続された正極リードと、前記負極集電タブに接続された負極リードと、
　前記正極リードおよび前記負極リードは、前記正極、前記セパレータ、前記負極からなる積層体の同一端面から外装材の外部へ取り出されている積層型電池の正極リードまたは負極リードを直列、並列、または直並列に接続したことを特徴とする組電池。