WO2010103724A1

WO2010103724A1 - 補聴器

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Publication number: WO2010103724A1
Application number: PCT/JP2010/000720
Authority: WO
Inventors: 丸岡和貴; 越智翌
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2009-03-09
Filing date: 2010-02-05
Publication date: 2010-09-16
Also published as: EP2259605B1; CN101904183B; JP2010239603A; EP2259605A8; EP2259605A4; CN101904183A; ATE557550T1; JP4440333B1; EP2259605A1

Abstract

　本補聴器は、集音するマイクロホン（１）と、マイクロホン（１）から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するＡＤ変換器（２）と、ＡＤ変換器（２）から出力されるデジタル信号に補聴処理を施す補聴処理部（３）と、補聴処理を施した信号をアナログ信号に変換するＤＡ変換器（４）と、ＤＡ変換器（４）から出力されるアナログ信号を音響信号として周囲に出力するレシーバー（５）とを備えている。片方の入力が補聴処理部（３）の出力に接続され、自身の出力がＤＡ変換器（４）の入力に接続された混合部（６）が補聴処理部（３）とＤＡ変換器（４）の間に介在している。混合部（６）の他方の入力には、通知音生成部（７）で生成された通知音信号を加工する通知音加工部（８）の出力信号を接続している。混合部（６）には、補聴処理部（３）および通知音加工部（８）の出力信号を混合するための混合比信号を生成する制御部（９）が接続されている。

Description

補聴器

　本発明は、通知音を発する補聴器に関する。

　従来の補聴器は、マイクロホンと、このマイクロホンが集音した音に補聴処理を施す補聴処理部と、この補聴処理部の出力信号を音響信号として出力するレシーバーと、音声メッセージを記憶したメモリと、この音声メッセージを再生する音声再生部と、これらに電力を供給する電池と、この電池の電圧を監視する電圧監視部で構成されている。
　この電圧が予め設定された条件に合致すると、音声再生部によってメモリに記憶された音声メッセージが再生される。そして、再生された音声メッセージは、補聴処理部の出力信号に加算されてレシーバーに供給される（例えば、特許文献１参照）。

　これにより、電池の電圧が低下した時に、電池の交換時期を音声によって使用者に知らせることができる。

特開平９－０１８９９７号公報

　上述した技術は、使用者に通知する情報が１つ、即ち、通知音が１種類であれば、大いに効果がある。
　一方、近年の補聴器は多くの機能を有し、使用者に通知する情報も多岐にわたる。このため、補聴器は、通知する情報毎に音声や音のリズムを変えて通知する。使用者は、この音声や音のリズムの違いを聞き分けて補聴器が通知する情報を認識するため、それぞれの通知音は使用者にとって明瞭で聞き分けが可能である必要がある。

　ところが、従来の技術は十分に目的を果たせていない。即ち、従来の補聴器では、補聴処理を行った後の音声信号に加算して、通知音を単に再生しているだけである。このため、使用者によって聞き取りにくい周波数帯が異なる等の理由から、使用者にとって通知音が明瞭に聞こえにくい場合があるという課題があった。
　そこで本発明は、使用者ごとの特性に関わらず、通知音の明瞭度を向上することを目的とする。

　この目的を達成するために、本発明の補聴器は、マイクロホンと、ＡＤ変換器と、補聴処理部と、ＤＡ変換器と、レシーバーと、通知音生成部と、通知音加工部と、混合部と、制御部と、を備えている。マイクロホンは、周囲音を集音する。ＡＤ変換器は、このマイクロホンから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。補聴処理部は、このＡＤ変換器から出力されるデジタル信号に補聴処理を施す。ＤＡ変換器は、この補聴処理を施した信号をアナログ信号に変換する。レシーバーは、このＤＡ変換器から出力されるアナログ信号を音響信号として周囲に出力する。通知音生成部は、所定の条件に従って、通知音を生成する。通知音加工部は、通知音生成部で生成された通知音信号を加工する。混合部は、片方の入力が補聴処理部の出力に接続され、自身の出力がＤＡ変換器の入力に接続され、補聴処理部とＤＡ変換器の間に設けられている。この混合部の他方の入力には、通知音生成部で生成された通知音信号を加工する通知音加工部の出力が接続される。制御部は、混合部が補聴処理部および通知音加工部の出力信号を所定の混合比で合成するための混合比信号を生成するとともに、混合部の混合比信号入力端子に接続されている。そして、通知音加工部は、テーブル変換部と、通知ゲイン決定部と、乗算器と、を有している。テーブル変換部は、補聴処理部の補聴処理で用いられるゲインテーブルを通知音信号用に変換して出力する。通知ゲイン決定部は、テーブル変換部の出力信号から通知音信号に応じた通知ゲインを決定する。乗算器は、通知ゲイン決定部から出力される通知ゲインを通知音生成部から出力される通知音信号に適用する。
　これにより、通知音の明瞭度を向上させることが出来る。よって、使用者は補聴器の複数種類の通知音を聞き分けることが可能となり、通知された情報を適切に認識することが出来る。

　さらに本発明の補聴器は、マイクロホンと、ＡＤ変換器と、補聴処理部と、ＤＡ変換器と、レシーバーと、通知音生成部と、混合部と、制御部と、を備えている。マイクロホンは、周囲音を集音する。ＡＤ変換器は、このマイクロホンから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。補聴処理部は、このＡＤ変換器から出力されるデジタル信号に補聴処理を施す。ＤＡ変換器は、この補聴処理を施した信号をアナログ信号に変換する。レシーバーは、このＤＡ変換器から出力されるアナログ信号を音響信号として周囲に出力する。通知音生成部は、所定の条件に従って、通知音を生成する。混合部は、片方の入力がＡＤ変換器の出力に接続され、自身の出力が補聴処理部の入力に接続されており、ＡＤ変換器と補聴処理部との間に設けられている。この混合部の他方の入力には、通知音生成部で生成された通知音信号が入力される。制御部は、混合部がＡＤ変換器および通知音生成部の出力信号を所定の混合比で合成するための混合比信号を生成するとともに、混合部の混合比信号入力端子に接続されている。

　また、補聴処理部は、周波数分析部と、ゲイン調整部と、周波数合成部と、パワー算出部と、ゲイン制御部と、を有している。周波数分析部は、この補聴処理部に入力されたデジタル信号の周波数分析を行って周波数情報信号として出力する。ゲイン調整部は、この周波数分析部から出力される周波数情報信号のゲインを調整する。周波数合成部は、ゲイン調整部によってゲイン調整が行われた周波数情報信号を時間軸信号に合成する。パワー算出部は、周波数分析部から出力される周波数情報信号が入力され、この周波数情報信号から周波数分析部に入力されたデジタル信号のパワー値を算出する。ゲイン制御部は、パワー算出部から出力されるパワー値が入力され、このパワー値に基づいてゲイン調整部におけるゲインを決定してゲイン調整部に出力する。

　さらに、ゲイン制御部は、テーブルメモリと、テーブル選択部と、ゲイン決定部と、を有している。テーブルメモリは、マイクロホンが集音した周囲音に対して補聴処理を行うためのゲインテーブルと、通知音生成部が生成した通知音信号に対して補聴処理を行うための通知音テーブルと、を複数個記憶している。テーブル選択部は、混合部における混合状況に応じて複数のゲインテーブル及び通知音テーブルのいずれかをテーブルメモリから読み出す。ゲイン決定部は、テーブル選択部が読み出したゲインテーブル又は通知音テーブルを用いて、パワー算出部から出力されるパワー値に基づいてゲイン調整部におけるゲインを決定する。

　これにより、通知音の明瞭度を向上させることが出来る。よって、使用者は補聴器の複数種類の通知音を聞き分けることが可能となり、通知された情報を適切に認識することが出来る。

本発明の実施の形態１に係る補聴器の機能ブロック図。同補聴処理部の機能ブロック図。同通知音加工部の機能ブロック図。本発明の実施の形態２に係る補聴器の機能ブロック図。同補聴処理部の機能ブロック図。時間軸上に変化する周囲音の音圧レベルの状態を表す図。周波数帯域における周囲音と通知音との状態を表す図。時間軸上に変化する周囲音と通知音との音圧レベルの状態を表す図。本発明の実施の形態６に係る補聴器の機能ブロック図。

　以下に、本発明の補聴器の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
　（実施の形態１）
　まず図１を用いて補聴器の構成について説明する。図１は、補聴器の機能ブロック図を示している。
　本実施の形態の補聴器は、図１に示す通り、マイクロホン１と、ＡＤ（Analog to Digital）変換器２と、補聴処理部３と、ＤＡ（Digital to Analog）変換器４と、レシーバー５とを備えている。

　そして、マイクロホン１は、周囲音を集音する。ＡＤ変換器２は、このマイクロホン１から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。補聴処理部３は、このＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号に補聴処理を施す。ＤＡ変換器４は、この補聴処理を施した信号をアナログ信号に変換する。レシーバー５は、このＤＡ変換器４から出力されるアナログ信号を音響信号として周囲に出力する。

　本実施形態の補聴器は、図１に示すように、さらに、混合部６と、制御部９とを備えている。
　混合部６は、片方の入力が補聴処理部３の出力に接続され、自身の出力がＤＡ変換器４の入力に接続されており、補聴処理部３とＤＡ変換器４の間に設けられている。この混合部６の他方の入力には、通知音生成部７で生成された通知音信号を加工する通知音加工部８の出力信号が接続されている。

　制御部９は、混合部６が補聴処理部３および通知音加工部８の出力信号を混合するための混合比信号を生成するとともに、混合部６の混合比信号入力端子に接続されている。
　マイクロホン１は、補聴器の周囲音を集音してアナログの電気信号に変換して出力する。
　ＡＤ変換器２は、マイクロホン１から出力される電気信号を多ビットのデジタル信号に変換して出力する。

　次に、図２を用いて、補聴処理部３の構成を説明する。図２は、補聴処理部３の機能ブロック図を示している。
　補聴処理部３は、図２に示す通り、周波数分析部１０と、ゲイン調整部１１と、周波数合成部１２と、パワー算出部１３と、ゲイン制御部１４と、を有している。周波数分析部１０は、ＡＤ変換器２の出力信号が入力される。ゲイン調整部１１は、この周波数分析部１０の出力信号にゲイン調整を行う。周波数合成部１２は、ゲイン調整部１１から出力される信号を時間軸信号に合成する。パワー算出部１３は、周波数分析部１０から出力される信号からパワー値を算出する。ゲイン制御部１４は、このパワー算出部１３から出力されるパワー値に基づいて、ゲイン調整部１１におけるゲイン調整のためのゲインを決定する。

　周波数分析部１０は、時系列に入力されるＡＤ変換器２の出力信号を、時間領域の信号から周波数領域の信号へと変換する。そして、周波数分析部１０は、周波数領域の信号を複数の周波数帯域に分割して周波数情報信号として出力する。この方法としては、フーリエ変換した結果を分割する方式、またはサブバンド分割方式等が用いられる。
　ゲイン調整部１１は、周波数分析部１０から出力される周波数情報信号に対して、ゲイン制御部１４から出力されるゲインを乗算して出力する。

　周波数合成部１２は、ゲイン調整部１１から出力されるゲイン調整された周波数情報信号を周波数領域の信号から時間領域の信号へと合成し、補聴処理が施された信号として出力する。この合成は、周波数分析部１０における変換がフーリエ変換を用いて行われた場合には、逆フーリエ変換を採用すればよい。一方、上記変換がサブバンド分割を用いて行われた場合には、サブバンド合成を採用すればよい。

　パワー算出部１３は、周波数分析部１０から出力される周波数情報信号の各帯域の周波数についてパワー値を計算してゲイン制御部１４へ出力する。ここで、パワー値とは、周波数分析部１０に入力された信号の電力であり、マイクロホン１が集音する周囲音の音圧レベルと相関を有する。即ち、音圧レベルが小さければパワー値は小さくなり、音圧レベルが大きければパワー値は大きくなる。

　ゲイン制御部１４は、パワー算出部１３から出力される各帯域のパワー値に基づいて、各帯域の周波数情報信号に対するゲインを決定する。ゲインの決定には、ゲインテーブルが用いられる。聴覚のダイナミックレンジは使用者によって異なる。このため、入力される音圧レベルに対して、その使用者に応じた非線形なゲイン調整が必要となる。そこで、予めオージオグラム等で求めた使用者に必要なゲイン特性に基づいて、パワー値毎にゲインを定めたゲインテーブルを作成する。ゲイン制御部１４は、このゲインテーブルを参照してゲインを決定し、決定したゲインをゲイン調整部１１に出力する。さらに、このゲインテーブルを通知音加工部８に対して出力する。

　なお、このゲインテーブルは、使用者に必要なゲイン特性に基づいたものを基準として、その一部が変更されたテーブルが複数種類用意される。例えば、使用者の周囲が騒がしい環境下では、その騒がしさを削減したり、移動中の風切り音を削減したりするものである。本実施の形態では、使用者のゲイン特性のみを考慮したゲインテーブルＡ、騒がしい場所で用いるゲインテーブルＢ、移動中に用いるゲインテーブルＣの３種類を準備し、制御部９からの制御信号（図示せず）によって切り替えている。

　これらのゲインテーブルは、予めフィッティング装置等の外部機器で作成され、補聴器内のメモリ（図示せず）に格納されている。ゲイン制御部１４は、外部からの切り替え指示に従って、所望のゲインテーブルをメモリから取り出して参照する。

　図１に戻り、混合部６について説明する。
　混合部６には、補聴処理部３から出力される補聴処理が施された信号と、通知音加工部８から出力される信号とが入力される。混合部６は、これらの入力信号を、混合比信号入力端子に接続された制御部９から出力される混合比信号に基づいて混合し、ＤＡ変換器４へと出力する。例えば、補聴処理部３の出力信号と、通知音加工部８の出力信号との混合比を０：１０にすると、通知音加工部８の出力信号のみ出力される。そして、例えば、混合比を５：５にすると、補聴処理部３の出力信号と、通知音加工部８の出力信号とが同じレベルで混合されて出力される。この混合比は、フィッティング等で使用者の好みに応じて設定できる。

　ＤＡ変換器４は、混合部６から出力される多ビットのデジタル信号をアナログ信号へと変換し、レシーバー５へと出力する。
　レシーバー５は、ＤＡ変換器４から出力されるアナログ信号を音響信号に変換して周囲へと出力するスピーカーである。

　次に、通知音生成部７と通知音加工部８について説明する。
　通知音生成部７は、制御部９からの指示に従って通知音を生成し、通知音信号として出力する。この通知音信号は、予め定められた通知パターン毎に単調な音で構成される。
　本実施の形態では、通知パターンＡとして周波数が２ｋＨｚの"ピー、ピー"と言う音、通知パターンＢとして１ｋＨｚの"ピッ"と言う音、通知パターンＣとして１ｋＨｚの"ピッ、ピッ"と言う音、通知パターンＤとして１ｋＨｚ"ピッ、ピッ、ピッ"と言う音を生成する。この時、これらの通知音信号の音量は、全て同じ１１０ｄＢＳＰＬとする。

　次に、図３を用いて、通知音加工部８の構成を説明する。図３は、通知音加工部８の機能ブロック図を示している。
　通知音加工部８は、図３に示す通り、テーブル変換部１５と、オフセットメモリ１６と、通知ゲイン決定部１７と、乗算器１８と、を備えている。テーブル変換部１５は、補聴処理部３の補聴処理で用いられるゲインテーブルを通知音信号用に変換して出力する。オフセットメモリ１６は、通知音信号毎に異なる特徴を付加するためのオフセット量を記憶している。通知ゲイン決定部１７は、テーブル変換部１５の出力信号とオフセットメモリ１６から出力されるオフセット量とに基づいて、通知音信号に応じた通知ゲインを決定する。乗算器１８は、この通知ゲイン決定部１７から出力される通知ゲインを通知音生成部７から出力される通知音信号に適用する。

　テーブル変換部１５には、補聴処理部３内のゲイン制御部１４から、使用者のゲイン特性のみを考慮したゲインテーブル（本実施の形態では、ゲインテーブルＡ）が入力される。テーブル変換部１５は、その中から、通知音生成部７が生成する通知音信号の帯域に対応するゲインを抽出して通知音テーブルを生成し、通知ゲイン決定部１７へ出力する。本実施の形態では、ゲインテーブルＡから１ｋＨｚと２ｋＨｚのゲインを抽出した通知音テーブルを生成する。

　オフセットメモリ１６は、各通知パターンに応じたオフセット値を記憶したものであり、通知音信号の音量に乗算する値である。例えば、通知パターンＡのオフセット値は０．８、通知パターンＢ、Ｃ及びＤのオフセット値は０．５とする。そして、制御部９からの指示（図示せず）に従って、通知音生成部７が生成する通知音信号に対応するオフセット値を通知ゲイン決定部１７へ出力する。

　通知ゲイン決定部１７は、制御部９からの指示（図示せず）に基づいて、通知音信号の音量にオフセット値を乗算した音量に対応したゲインを通知音テーブルから選択し、この選択したゲインとオフセット値とを通知ゲインとして乗算器１８へ出力する。
　なお、ボリューム調整機能を有する補聴器では、この通知ゲイン決定部１７に設定されたボリューム値が入力され、オフセット値に乗算される。通知ゲイン決定部１７は、このボリューム値が乗算されたオフセット値に基づいてゲインを選択し、また、このボリューム値が乗算されたオフセット値を乗算器１８へ出力する。

　乗算器１８は、通知音生成部７から出力される通知音信号に、通知ゲイン決定部１７から出力されるゲインとオフセット値とを乗算して出力する。この様にして、乗算器１８からの出力は、通知音信号毎に周波数と音量とを変え、この音量を使用者のゲイン特性に合わせて調整されたものとなる。
　ここで、乗算器１８から出力される通知音信号の音量が大き過ぎる、または小さ過ぎることの無いように、通知ゲイン決定部１７は、選択したゲインとオフセット値のクリップ処理を行う。これは、確実に、かつ不快感無く通知音を使用者に認識させるために設けられ、特に、ボリュームが備えられた補聴器では重要である。

　すなわち、通知音が使用者にとって大き過ぎる音では不快であり、小さ過ぎる音では使用者に認識されない恐れがある。これを防ぐために、通知ゲイン決定部１７は、乗算器１８から出力される通知音信号の音量が所定の範囲内に収まるようにゲインとオフセット値とを調整する。例えば、乗算器１８への入力信号の音量が１１０ｄＢＳＰＬの場合には、乗算器１８への出力信号の音量が４０ｄＢＳＰＬから８０ｄＢＳＰＬの範囲に収まるようにする。

　再び図１に戻り、制御部９について説明する。
　制御部９は、使用者に通知を行う時、通知音生成部７と通知音加工部８とに対して、通知音信号の出力と、通知パターン選択の指示とを出力する。そして、制御部９は、混合部６に対して、通知音加工部８から出力される通知音信号を選択するように選択信号を出力する。さらに、制御部９は、補聴処理部３に対して、ゲインテーブルＡ～Ｃを切り替える制御信号（図示せず）を出力する。

　この通知を行うタイミングの決定と通知パターンの選択は、次のように行われる。
　具体的には、この補聴器の各電気部品に電力を供給する電源の残存電力が所定値以下となった時に、通知パターンＡが選択される。ゲイン制御部１４において、使用するゲインテーブルをゲインテーブルＡに切り替えた時に通知パターンＢ、ゲインテーブルＢに切り替えた時に通知パターンＣ、ゲインテーブルＣに切り替えた時に通知パターンＤがそれぞれ選択される。

　上述した構成により、通常、使用者に通知を行わない時は、マイクロホン１が集音した音に補聴処理を施してレシーバー５から出力する。一方、使用者に通知を行う時は、この補聴処理を施した音と共に、通知音生成部７が生成した音に補聴処理と同程度の処理を施したものを混合してレシーバー５から出力する。
　以上の様に、本実施の形態においては、使用者に通知する情報毎に、周波数と音量とが異なる通知音を提供する。これにより、通知音の明瞭度を向上させることができ、使用者は補聴器の複数種類の通知音を聞き分けることができる。よって、使用者は、通知された情報を適切に認識することができる。

　（実施の形態２）
　まず、図４を用いて本実施の形態の補聴器の構成について説明する。図４は、補聴器の機能ブロック図を示している。
　本実施の形態の補聴器は、図４に示す通り、マイクロホン１と、ＡＤ変換器２と、補聴処理部１９と、ＤＡ変換器４と、レシーバー５と、を備えている。マイクロホン１は、周囲音を集音する。ＡＤ変換器２は、このマイクロホン１から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。補聴処理部１９は、このＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号に補聴処理を施す。ＤＡ変換器４は、この補聴処理を施した信号をアナログ信号に変換する。レシーバー５は、このＤＡ変換器４から出力されるアナログ信号を音響信号として周囲に出力する。

　さらに、本実施の形態の補聴器は、混合部６と、制御部９と、を備えている。混合部６は、片方の入力がＡＤ変換器２の出力に接続され、自身の出力が補聴処理部１９の入力に接続され、ＡＤ変換器２と補聴処理部１９との間に設けられている。この混合部６の他方の入力には、通知音生成部７で生成された通知音信号が入力される。制御部９は、混合部６がＡＤ変換器２および通知音生成部７の出力信号を混合するための混合比信号を生成するとともに、混合部６の混合比信号入力端子に接続されている。

　なお、本実施の形態では、補聴処理部１９の前段に、ＡＤ変換器２の出力信号と通知音生成部７の出力信号を混合して出力する混合部６を設けた点で、前述した実施の形態１の構成と異なっている。
　具体的には、制御部９から混合比信号が出力されると、混合部６は、ＡＤ変換器２の出力信号と通知音生成部７の出力信号とを混合して補聴処理部１９に供給する。これに合わせて、補聴処理部１９だけが構成動作が異なる。よって、その他の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。

　次に、図５を用いて、補聴処理部１９の構成を説明する。図５は、補聴処理部１９の機能ブロック図を示している。
　補聴処理部１９は、図５に示す通り、周波数分析部１０と、ゲイン調整部１１と、周波数合成部１２と、パワー算出部１３と、ゲイン制御部２０と、を備えている。周波数分析部１０は、この補聴処理部１９に入力されたデジタル信号の周波数分析を行って周波数情報信号として出力する。ゲイン調整部１１は、この周波数分析部１０から出力される周波数情報信号のゲインを調整する。周波数合成部１２は、ゲイン調整部１１によってゲイン調整が行われた周波数情報信号を時間軸信号に合成する。パワー算出部１３は、周波数分析部１０から出力される周波数情報信号が入力され、この周波数情報信号から周波数分析部１０に入力されたデジタル信号のパワー値を算出する。ゲイン制御部２０は、このパワー算出部１３から出力されるパワー値が入力され、このパワー値に基づいてゲイン調整部１１におけるゲインを決定してゲイン調整部１１に出力する。

　さらに、このゲイン制御部２０は、テーブルメモリ２１と、テーブル選択部２２と、ゲイン決定部２３と、を有している。テーブルメモリ２１は、マイクロホン１が集音した周囲音に対して補聴処理を行うためのゲインテーブルと、通知音生成部７が生成した通知音信号に対して補聴処理を行うための通知音テーブルとを複数個記憶している。テーブル選択部２２は、混合部６における混合状況に応じて複数のゲインテーブル及び通知音テーブルのいずれかをテーブルメモリ２１から読み出す。ゲイン決定部２３は、このテーブル選択部２２が読み出したゲインテーブル又は通知音テーブルを用いて、パワー算出部１３から出力されるパワー値に基づいてゲイン調整部１１におけるゲインを決定する。

　このように、補聴処理部１９において、前述した実施の形態１と異なるのはゲイン制御部２０の構成動作である。よって、このゲイン制御部２０以外については、同じ符号を付して説明を省略する。
　まず、テーブルメモリ２１には、ゲイン決定部２３がゲイン調整部１１に用いるゲインを決定するための複数のゲインテーブルが格納されている。本実施の形態では、前述した実施の形態１と同様に、３つのゲインテーブルＡ～Ｃと、４つの通知音テーブルＡ～Ｄが格納されているものとする。

　通知音テーブルＡ～Ｄは、通知音生成部７から出力される通知パターンＡ～Ｄに対応する。これらの通知音テーブルＡ～Ｄは、ゲインテーブルＡ～Ｃ等と同様に、予めフィッティング装置等の外部機器で生成され、テーブルメモリ２１に格納されている。これらの通知音テーブルＡ～Ｄの、外部機器における生成アルゴリズムは、前述した実施の形態１における通知音加工部８の動作と同じである。

　すなわち、ゲインテーブルＡから、テーブル変換部１５とオフセットメモリ１６と通知ゲイン決定部１７との動作と同じアルゴリズムを用いて、通知パターンＡ～Ｄに対応した通知音テーブルＡ～Ｄを生成する。
　テーブル選択部２２は、制御部９からの指示に基づいて、ゲインテーブルＡ～Ｃ、通知音テーブルＡ～Ｄの７つのゲインテーブルから１つを選択し、それをテーブルメモリ２１から取り出してゲイン決定部２３へと出力する。

　ゲイン決定部２３は、テーブル選択部２２が選択したものがゲインテーブルＡ～Ｃであった場合には、前述した実施の形態１におけるゲイン制御部１４と同様の動作を行う。一方、テーブル選択部２２が選択したものが通知音テーブルＡ～Ｄであった場合には、前述した実施の形態１における通知ゲイン決定部１７の一部の動作と同様の動作を行う。

　すなわち、パワー算出部１３から出力されるパワー値に基づいて、通知音テーブルを参照してゲインが選択されるとともに、そのゲインをゲイン調整部１１にて適用した場合に、周波数合成部１２から出力される信号の音量が所定の範囲内に収まるようにゲインのクリップ処理が行われる。さらに、ボリュームを備えた補聴器の場合には、このボリューム値も考慮してゲインを選択する。

　上述した構成により、通常、使用者に通知を行わない時は、マイクロホン１が集音した音に補聴処理を施してレシーバー５から出力する。一方、使用者に通知を行う時は、マイクロホン１が集音した音の代わりに、通知音生成部７が生成した通知音信号を選択して補聴処理部１９に入力し、これに補聴処理と同程度の処理を施してレシーバー５から出力する。

　以上の様に、本実施の形態においては、使用者に通知する情報毎に、周波数と音量の異なる通知音を提供する。これにより、通知音の明瞭度を向上させることができる。よって、使用者は補聴器の複数種類の通知音を聞き分けることができ、通知された情報を適切に認識することができる。

　なお、本実施の形態においては、予め通知音テーブルを外部機器で生成して格納する例を示したが、上記実施の形態１と同様に、その都度、ゲインテーブルを変換して通知音テーブルを生成してもよい。その場合には、ゲイン制御部２０内に、上記実施の形態１で示した通知音加工部８の各ブロックを設けるようにすれば実現可能である。

　（実施の形態３）
　次に、図１と図６とを用いて、周囲音の音圧レベルに応じて通知音の音量が調整される補聴器の構成について説明する。
　本実施の形態の補聴器は、図１に示す補聴器の構成ブロックに於いて、ＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号を通知音生成部７にも入力する点で、上記実施の形態１とは異なっている。

　通知音生成部７では、ＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号に対して、図２で示す周波数分析部１０とパワー算出部１３と同様にして、周波数分析を行った後、各帯域のパワー値を計算する。そして、通知音生成部７は、全帯域のパワー値を加算して、周囲音の音圧レベルとして求め、求めた音圧レベルに応じて、生成する通知音信号の音圧レベルを決定する。

　図６は、時間軸上に通知音生成部７で求めた周囲音の音圧レベルの変化をグラフに表した例である。例えば、Ｔ１時に通知音発生が必要な場合、制御部９からの指示に従って選択された通知パターンの音量がＬＶ１ｄＢＳＰＬになるように通知音信号を生成する。
　また、Ｔ２時に通知音発生が必要な場合は、通知パターンの音量がＬＶ２ｄＢＳＰＬになるように通知音信号を生成する。そして、生成した通知音信号を、通知音加工部８に出力する。

　このように、周囲音の音圧レベルに応じて、通知音信号の音量を調節して生成することで、周囲音の大きさに応じて通知音の聞きやすさが変動することを防ぐことができる。
　なお、この例では、周囲音の音圧レベルと通知パターンの音量とを同じレベルに設定したが、それに限定されるものではなく、使用者の聴力や好みに応じて、周囲音の音圧レベルに比例するように通知パターンの音量を変更してもよい。

　さらに、通知パターンの音量に関して、クリップ処理を行い、生成する通知音信号が大き過ぎる、または小さ過ぎることがないように調整してもよい。
　また、本実施の形態において、通知音生成部７が行っているＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号における各周波数帯域のパワー値の代わりに、補聴処理部３に含まれるパワー算出部で算出されたパワー値を、通知音生成部７に入力してもよい。

　また、図４に示す補聴器においても同様に、ＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号を通知音生成部７に出力し、通知音生成部７で周囲音の音圧レベルに応じた音量の通知音信号を生成し、生成した通知音信号を混合部６に出力してもよい。この場合でも、周囲音の大きさに応じて通知音の聞きやすさが変動してしまうことを防ぐことができる。

　（実施の形態４）
　次に、図１と図７を用いて、周囲音の周波数に応じて通知音の周波数を決定する補聴器について説明する。
　本実施の形態の補聴器は、図１に示す補聴器の構成ブロックにおいて、ＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号を通知音生成部７にも入力する点で、上記実施の形態１と異なっている。

　通知音生成部７では、ＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号に対して、図２で示す周波数分析部１０およびパワー算出部１３と同様にして、周波数分析を行った後、各帯域のパワー値を計算して周波数分布を作成する。そして、作成した周波数分布から、音として発生していない、もしくは音としてパワー値の少ない帯域を検出し、制御部９からの指示に従って選択された通知パターンの周波数がその帯域に入るように、通知音信号を生成する。

　つまり、選択した通知パターンの周波数と周囲音の周波数とが重なっていない場合は、そのまま選択した通知パターンの通知音信号を生成する。一方、周波数が重なっている場合は、重ならないように通知パターンの周波数を加工して、通知音信号を生成する。具体的には、選択した通知パターンの周波数を中心として、所定の範囲の中で最も周波数分布の頻度が小さい周波数となるように、通知パターンの周波数を加工する。

　図７は、通知音生成部７で作成した周波数分布をグラフに表した例である。図７では、所定の音圧レベル以上のデジタル信号が１ｋＨｚを中心に集中しており、２ｋＨｚ以上の帯域が小さい。このケースでは、最初に選択した通知パターンの周波数が１ｋＨｚだった場合は、２ｋＨｚ以上の帯域に加工した通知音信号を生成する。そして、生成した通知音信号を、通知音加工部８に出力する。

　このように、周囲音の周波数に応じて通知音の周波数を決定することで、周囲音の周波数帯域に埋もれることなく、通知音を聞きやすくすることができる。
　なお、通知パターンの周波数を加工する際に、所定の周波数範囲の頻度が全て所定値以上の場合、つまり全ての帯域の音圧レベルが大きい場合、上記実施の形態３と同様に、周囲音の音圧レベルに応じて通知音の音量を調整してもよい。

　また、本実施の形態において、通知音生成部７が行っているＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号における各周波数帯域のパワー値の代わりに、補聴処理部３に含まれるパワー算出部で算出したパワー値を、通知音生成部７に入力してもよい。
　また、図４に示す補聴器においても同様に、ＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号を通知音生成部７に出力し、通知音生成部７で周囲音の周波数と異なるように、通知音信号を生成し、生成した通知音信号を混合部６に出力してもよい。この場合でも、周囲音の周波数帯域に埋もれることなく、通知音を聞きやすくすることができる。

　（実施の形態５）
　次に、図１と図８を用いて、周囲音の音圧レベルに応じて通知音の発生タイミングが調整される補聴器について説明する。
　本実施の形態の補聴器は、図１に示す補聴器の構成ブロックにおいて、ＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号を通知音生成部７にも入力する点で、上記実施の形態１と異なっている。

　通知音生成部７では、ＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号に対して、図２で示す周波数分析部１０およびパワー算出部１３と同様にして、周波数分析を行った後、各帯域のパワー値を計算する。そして、通知音生成部７は、全帯域のパワー値を加算して、周囲音の音圧レベルとして求め、求めた音圧レベルが所定のレベルよりも低くなるタイミングで、通知音信号を生成し、通知音を発生させる。

　図８は、時間軸上に通知音生成部７で求めた周囲音の音圧レベルの変化と通知音の発生タイミングとをグラフに表した例である。Ｔ３は本来の通知音発生タイミング、Ｔ４は実際に通知音を発生したタイミングである。
　まず、制御部９から通知音信号生成の指示が来ると、算出した周囲音の音圧レベルを確認する（Ｔ３）。そして、この時の音圧レベルがＬＶ３ｄＢＳＰＬと高いレベルである場合には、通知音信号の生成を行わない。通知音信号の生成を行わなかった場合は、さらに周囲音の音圧レベルの監視を続けて行う。そして、予め周囲音の影響が小さいとして設定してある音圧レベルＴＬ１ｄＢＳＰＬを下回ったタイミングで、通知音信号の生成を行う（Ｔ４）。

　なお、周囲音の音圧レベルの監視において、発生タイミングが遅くなりすぎる等、問題が発生しないように時間制限をつけることが望ましい。
　そして、生成された通知音信号を通知音加工部８に出力して加工した後、混合部６において、加工された通知音信号が入力されたタイミングで、補聴処理部３から出力される出力信号とこの通知音信号とを混合して、ＤＡ変換器４へ出力する。

　このように、周囲音の音圧レベルが低いタイミングで通知音を発生させることで、周囲音が静かになったタイミングで通知音を発生することができ、使用者に聞きやすい通知音を発生させることができる。

　また、通知音生成部７において、通知音生成のタイミングの確認を、周囲音の音圧レベルの代わりに、周囲音が音声であるか否かで行い、非音声となるタイミングで通知音信号を生成してもよい。音声の判断は、ＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号に対してケプストラム分析を行い、抽出した特徴量から判定することができる。
　このように、周囲音が非音声であるタイミングで通知音の発生を行うことで、使用者の会話を邪魔することなく通知音を発生させることができる。

　また、通知音生成部７において、時間制限となったタイミングで通知音を発生させる場合は、上記実施の形態３と同様に、周囲音の音圧レベルに応じた通知音の音量の調整、また、上記実施の形態４と同様に、周囲音の周波数に応じた通知音の周波数の調整を行ってもよい。
　また、本実施の形態において、通知音生成部７が行っているＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号における各周波数帯域のパワー値の代わりに、補聴処理部３に含まれるパワー算出部で算出したパワー値を、通知音生成部７に入力してもよい。

　また、図４に示す補聴器においても、同様に、ＡＤ変換器２から出力されるデジタル信号を通知音生成部７に出力し、通知音生成部７で通知音を発生するタイミングを決定すればよい。この場合でも、周囲音が静かになったタイミングで通知音を発生することができ、使用者に聞きやすい通知音を発生することができる。また、使用者の会話を邪魔することなく通知音を発生させることができる。

　（実施の形態６）
　まず、図９を用いて補聴器の構成について説明する。
　本実施の形態では、切替部３０および制御部３１が、上述した実施の形態１と異なっている。すなわち、切替部３０は、混合部６と置き換わって設けられている。制御部３１は、制御部６とは動作が異なっているため別の符号を付している。その他の構成要素は、実施の形態１と同様であるため、ここでの説明は省略する。

　切替部３０は、少なくとも３つ以上の入力部と、１つの出力部とを有している。３つ以上の入力部のうちの第1の入力部には、補聴処理部３の出力が接続されている。第２の入力部には、通知音生成部７で生成された通知音信号を加工する通知音加工部８の出力が接続されている。第３の入力部には、補聴処理部３の出力もしくは通知音加工部８のいずれかを選択して出力するか否かを判断する制御部３１の出力が接続されている。そして、切替部３０の出力部は、ＤＡ変換器４に接続されている。

　制御部３１は、通常は補聴処理部３の出力を選択し、マイクロホン１から入力された音声信号を出力するように制御を行う。一方、通知音生成部７から通知音が出力されている場合には、制御部３１は、通知音加工部８の出力を選択し、通知音のみを出力するように制御する。
　上述した構成により、通常、使用者に通知を行わない時は、マイクロホン１が集音した音に補聴処理を施してレシーバー５から出力する。一方で、使用者に通知を行う時は、この補聴処理を施した音に変えて、通知音生成部７が生成した音に補聴処理と同程度の処理を施したものに切替えてレシーバー５から出力する。

　以上のように、本実施の形態においては、補聴処理部３の出力信号、もしくは通知音加工部８の出力を、切替部３０において切り替えて出力する。
　これにより、通知音が出力されているタイミングでは、純粋に通知音のみを聞くことができ、通知音の明瞭度を向上させることができる。よって、使用者は、補聴器の複数種類の通知音を聞き分け易くなり、通知された情報を適切に認識することができる。

　つまり、本実施形態では、上述した実施形態に含まれる混合部６を必須の構成としないため、以下のように本発明を特定も可能である。
　本発明の補聴器は、
　周囲音を集音するマイクロホンと、
　前記マイクロホンから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するＡＤ変換器と、
　前記ＡＤ変換器から出力されるデジタル信号に補聴処理を施す補聴処理部と、
　前記補聴処理を施した信号をアナログ信号に変換するＤＡ変換器と、
　前記ＤＡ変換器から出力されるアナログ信号を音響信号として周囲に出力するレシーバーと、
　所定の条件に従って、通知音を生成する通知音生成部と、
　前記通知音生成部で生成された通知音信号を加工する通知音加工部と、
　少なくとも３つ以上の入力部と１つの出力部とを有し、第1の入力部には前記補聴処理部の出力が接続され、第２の入力部には前記通知音加工部の出力が接続され、自身の出力部は前記ＤＡ変換器に接続される切替部と、
　前記補聴処理部の出力もしくは前記通知音加工部のいずれかを選択して出力するか否かを判断するとともに、自身の出力が前記切替部の第３の入力部に接続される制御部と、
を備え、
　前記通知音加工部は、前記補聴処理部の補聴処理で用いられるゲインテーブルを通知音信号用に変換して出力するテーブル変換部と、前記テーブル変換部の出力信号から通知音信号に応じた通知ゲインを決定する通知ゲイン決定部と、前記通知ゲイン決定部から出力される前記通知ゲインを通知音生成部から出力される通知音信号に適用する乗算器と、を有している。

　さらに、本発明の補聴器は、
　周囲音を集音するマイクロホンと、
　前記マイクロホンから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するＡＤ変換器と、
　前記ＡＤ変換器から出力されるデジタル信号に補聴処理を施す補聴処理部と、
　前記補聴処理を施した信号をアナログ信号に変換するＤＡ変換器と、
　前記ＤＡ変換器から出力されるアナログ信号を音響信号として周囲に出力するレシーバーと、
　所定の条件に従って、通知音を生成する通知音生成部と、
　少なくとも３つ以上の入力部と１つの出力部とを有し、第1の入力部には前記補聴処理部の出力が接続され、第２の入力部には前記通知音加工部の出力が接続され、自身の出力部は前記ＤＡ変換器に接続される切替部と、
　前記補聴処理部の出力もしくは前記通知音加工部のいずれかを選択して出力するか否かを判断するとともに、自身の出力が前記切替部の第３の入力部に接続される制御部と、
を備え、
　前記補聴処理部は、
　前記補聴処理部に入力されたデジタル信号の周波数分析を行って周波数情報信号として出力する周波数分析部と、
　前記周波数分析部から出力される周波数情報信号のゲインを調整するゲイン調整部と、
　前記ゲイン調整部によってゲイン調整が行われた周波数情報信号を時間軸信号に合成する周波数合成部と、
　前記周波数分析部から出力される前記周波数情報信号が入力され、この周波数情報信号から前記周波数分析部に入力されたデジタル信号のパワー値を算出するパワー算出部と、
　前記パワー算出部から出力される前記パワー値が入力され、このパワー値に基づいて前記ゲイン調整部におけるゲインを決定して前記ゲイン調整部に出力するゲイン制御部と、
を有し、
　前記ゲイン制御部は、
　前記マイクロホンが集音した周囲音に対して補聴処理を行うためのゲインテーブルと、前記通知音生成部において生成された通知音信号に対して補聴処理を行うための通知音テーブルと、を複数個記憶したテーブルメモリと、
　前記混合部における混合状況に応じて複数の前記ゲインテーブル及び前記通知音テーブルのいずれかを前記テーブルメモリから読み出すテーブル選択部と、
　前記テーブル選択部において読み出された前記ゲインテーブル又は前記通知音テーブルを用いて、前記パワー算出部から出力される前記パワー値に基づいて前記ゲイン調整部におけるゲインを決定するゲイン決定部と、を有する、
補聴器。

　本発明にかかる補聴器は、使用者の特性に関わらず、通知音の明瞭度を向上させることができるため、使用者に情報を音で通知する音響機器等にも有用である。

　１　マイクロホン
　２　ＡＤ変換器
　３　補聴処理部
　４　ＤＡ変換器
　５　レシーバー
　６　混合部
　７　通知音生成部
　８　通知音加工部
　９　制御部
　１０　周波数分析部
　１１　ゲイン調整部
　１２　周波数合成部
　１３　パワー算出部
　１４　ゲイン制御部
　１５　テーブル変換部
　１６　オフセットメモリ
　１７　通知ゲイン決定部
　１８　乗算器
　１９　補聴処理部
　２０　ゲイン制御部
　２１　テーブルメモリ
　２２　テーブル選択部
　２３　ゲイン決定部
　３０　切替部
　３１　制御部

Claims

　周囲音を集音するマイクロホンと、
　前記マイクロホンから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するＡＤ変換器と、
　前記ＡＤ変換器から出力されるデジタル信号に補聴処理を施す補聴処理部と、
　前記補聴処理を施した信号をアナログ信号に変換するＤＡ変換器と、
　前記ＤＡ変換器から出力されるアナログ信号を音響信号として周囲に出力するレシーバーと、
　所定の条件に従って、通知音を生成する通知音生成部と、
　前記通知音生成部で生成された通知音信号を加工する通知音加工部と、
　片方の入力が前記補聴処理部の出力に接続され、他方の入力が前記通知音加工部の出力に接続され、自身の出力が前記ＤＡ変換器の入力に接続され、前記補聴処理部と前記ＤＡ変換器の間に設けられた混合部と、
　前記混合部が前記補聴処理部および前記通知音加工部の出力信号を所定の混合比で合成するための混合比信号を生成するとともに、前記混合部の混合比信号入力端子に接続されている制御部と、
を備え、
　前記通知音加工部は、前記補聴処理部の補聴処理で用いられるゲインテーブルを通知音信号用に変換して出力するテーブル変換部と、前記テーブル変換部の出力信号から通知音信号に応じた通知ゲインを決定する通知ゲイン決定部と、前記通知ゲイン決定部から出力される前記通知ゲインを通知音生成部から出力される通知音信号に適用する乗算器と、を有している、
補聴器。
　前記通知音加工部は、通知音信号毎に異なる特徴を付加するためのオフセット量を記憶したオフセットメモリを有し、
　前記通知ゲイン決定部は、前記テーブル変換部の前記出力信号および前記オフセットメモリから出力される前記オフセット量に基づいて、前記通知音信号に応じた前記通知ゲインを決定する、
請求項１に記載の補聴器。
　前記通知音生成部は、周波数及び音の発生間隔を変更した複数種類の音を通知音信号として生成する、
請求項１または２に記載の補聴器。
　周囲音を集音するマイクロホンと、
　前記マイクロホンから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するＡＤ変換器と、
　前記ＡＤ変換器から出力されるデジタル信号に補聴処理を施す補聴処理部と、
　前記補聴処理を施した信号をアナログ信号に変換するＤＡ変換器と、
　前記ＤＡ変換器から出力されるアナログ信号を音響信号として周囲に出力するレシーバーと、
　所定の条件に従って、通知音を生成する通知音生成部と、
　片方の入力が前記ＡＤ変換器の出力に接続され、他方の入力には前記通知音信号が入力され、自身の出力が前記補聴処理部の入力に接続されており、前記ＡＤ変換器と前記補聴処理部の間に設けられた混合部と、
　前記混合部が前記ＡＤ変換器および前記通知音生成部の出力信号を所定の混合比で合成するための混合比信号を生成するとともに、前記混合部の混合比信号入力端子に接続された制御部と、
を備え、
　前記補聴処理部は、
　前記補聴処理部に入力されたデジタル信号の周波数分析を行って周波数情報信号として出力する周波数分析部と、
　前記周波数分析部から出力される周波数情報信号のゲインを調整するゲイン調整部と、
　前記ゲイン調整部によってゲイン調整が行われた周波数情報信号を時間軸信号に合成する周波数合成部と、
　前記周波数分析部から出力される前記周波数情報信号が入力され、この周波数情報信号から前記周波数分析部に入力されたデジタル信号のパワー値を算出するパワー算出部と、
　前記パワー算出部から出力される前記パワー値が入力され、このパワー値に基づいて前記ゲイン調整部におけるゲインを決定して前記ゲイン調整部に出力するゲイン制御部と、
を有し、
　前記ゲイン制御部は、
　前記マイクロホンが集音した周囲音に対して補聴処理を行うためのゲインテーブルと、前記通知音生成部において生成された通知音信号に対して補聴処理を行うための通知音テーブルと、を複数個記憶したテーブルメモリと、
　前記混合部における混合状況に応じて複数の前記ゲインテーブル及び前記通知音テーブルのいずれかを前記テーブルメモリから読み出すテーブル選択部と、
　前記テーブル選択部において読み出された前記ゲインテーブル又は前記通知音テーブルを用いて、前記パワー算出部から出力される前記パワー値に基づいて前記ゲイン調整部におけるゲインを決定するゲイン決定部と、を有する、
補聴器。
　前記通知音生成部は、周波数及び音の発生間隔を変更した複数種類の音または音声を通知音信号として生成する、
請求項４に記載の補聴器。
　前記混合部は、前記通知音を発生する時に、混合部に入力される前記２つの信号の混合比を変更し、前記通知音の発生が終了した時に元の混合比に戻す、
請求項１または４に記載の補聴器。
　前記通知音生成部は、前記ＡＤ変換器から出力されるデジタル信号の音圧レベルに応じた音量の通知音信号を生成する、
請求項１または４に記載の補聴器。
　前記通知音生成部は、前記ＡＤ変換器から出力されるデジタル信号の周波数とは異なるように、通知音信号の周波数を決定する、
請求項１または４に記載の補聴器。
　前記通知音生成部は、前記ＡＤ変換器から出力されるデジタル信号に応じて、周囲音の影響が小さいタイミングで通知音信号を生成し、通知音を発生させる、
請求項１または４に記載の補聴器。
　前記周囲音の影響が小さいタイミングとは、前記ＡＤ変換器から出力されるデジタル信号の音圧レベルが低い区間である、
請求項９記載の補聴器。
　前記周囲音の影響が小さいタイミングとは、前記ＡＤ変換器から出力されるデジタル信号に基づいて検出される音声区間に対する非音声区間である、
請求項９記載の補聴器。