WO2010032478A1 - 電磁波加熱装置 - Google Patents
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Abstract
本発明の電磁波加熱装置(100)は、液体Aが入っている容器(1)と、液体A中に配された導波ケース(2)と、容器1の外部に延びている導波路(5)と、導波路(5)に接続されて、電磁波を発生できる電磁波発生源(4)と、を備える。
Description
本発明は電磁波加熱装置に関する。
マイクロ波電力を利用する調理器として電子レンジが知られている。電子レンジは、電磁波シールドされた密閉の金属ケース内で2.45GHzのマイクロ波を食品に集中させ、食品に含まれる水分等に強制的に振動を起こして食品を効率的に誘電加熱できるように設計されている。
一方、マイクロ波を吸収できる磁性体含有の包装材によって冷凍食品を包み、電子レンジ用の密閉の金属ケース内において、この包装材にマイクロ波を照射させる電子レンジの加熱手法も提案されている(特許文献1参照)。
この特許文献1によれば、磁性体のキュリー温度を利用して、磁性体のマイクロ波吸収で生じる熱の冷凍食品への移動により、従来の誘電加熱に比べて、冷凍食品を均一に解凍できるとされている。
ところで、マイクロ波加熱の迅速性、高効率性および簡便性などの特徴を活かした揚げ物調理システムの実用化が期待されている。
しかしながら、揚げ物調理に用いる食用油(サラダ油などの精製植物油)は、食品に含まれる水分に比べて絶縁性が高いので、2.45GHzのマイクロ波による誘電加熱のみでは、効率的な加熱が困難な場合がある。また、揚げ物調理では、食用油を加熱しながら、食用油中に具材を適時に入れる必要があるので、調理時にマイクロ波が漏洩しないように密閉される電子レンジの設計思想をそのまま踏襲して、揚げ物調理システムを構築しても、使い勝手が極めて悪い。
以上の状況を踏まえて、本件発明者等は、マイクロ波を利用する揚げ物調理システムの開発では、既存の電子レンジの設計思想とは抜本的に異なる観点での加熱手法の案出が不可欠であると判断している。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、誘電損失が少ないため誘電加熱に適していない液体(例えば、2.45GHzのマイクロ波における誘電損失が市水よりも低い食用油等の液体)を適切に加熱できる電磁波加熱装置を提供することを目的とする。
また、本件発明者等は、以上のマイクロ波誘電加熱を利用することにより、従来のボイラー式加熱に比べてエネルギー効率が高い揚げ物調理システムの構築を考えている。この開発の過程において、誘電損失が少ないため誘電加熱に適していない液体(例えば、2.45GHzのマイクロ波における誘電損失が市水よりも低い食用油等の液体)であっても、当該液体中でのマイクロ波の伝送路を適当な距離に設定すると、マイクロ波誘電加熱を適切に行えることに気がついた。
本発明は、このような事情にも鑑みてなされたものであり、従来のボイラー式加熱に比べて高エネルギー効率の電磁波誘電加熱が行われる電磁波加熱装置を提供することも目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、2.45GHzのマイクロ波における誘電損失が市水よりも低い液体が入っている容器と、前記液体中に配されて、電磁波吸収体を内包している導波ケースと、前記導波ケースに接続されて、前記容器の外部に延びている導波路と、前記導波路に接続されて、電磁波を発生できる電磁波発生源と、を備え、前記液体は、前記電磁波吸収体が前記電磁波を吸収する際に生じる熱を用いて加熱されている電磁波加熱装置を提供する。
このように、導波ケースに伝送された電磁波が電磁波吸収体に吸収されると、電磁波吸収体が発熱する。すると、電磁波吸収体から液体への熱移動がなされ、液体は適切に加熱される。
なお、本明細書において、「市水」とは、絶縁性がよい純水を除いた通常の市水供給ラインから供給される未処理水を意味している。
また、前記液体は食用油であってもよく、このような食用油として、例えば、サラダ油などの精製植物油を用いることができる。
また、前記導波路に置かれた絶縁窓を更に備えてもよく、前記導波ケースは、前記導波ケースに形成された開口部による前記液体の流入出の確保とともに、前記開口部における前記電磁波の遮蔽を行えるように構成され、前記絶縁窓は、前記電磁波発生源から伝送される前記導波路内の電磁波を透過するとともに、前記電磁波発生源に向かう前記導波ケース内の前記液体の流れを阻止するように構成されるものであってもよい。
以上の構成により、誘電損失が少ないため誘電加熱に適していない液体(例えば、2.45GHzのマイクロ波における誘電損失が市水よりも低い食用油A等の液体)において、電磁波吸収体による熱交換加熱と電磁波による誘電加熱が行われる。このような相乗的な加熱により、上述の液体の効率的な昇温を行える。なお、誘電加熱とは、誘電体損失(物質の電気分極による高周波回転運動の損失)に基づいた加熱として一般的には説明されており、ここでは、詳細な説明は省略する。
また、前記導波路を形成する導波管は、前記導波路を形成する前記容器の壁孔と前記電磁波発生源との間を接続してもよい。
このような導波管を用いると、導波ケースとの接続が容易になるので都合がよい。
また、本発明は、市水が入っている容器と、前記市水中に配された導波ケースと、前記導波ケースに接続されて、前記容器の外部に延びている導波路と、前記導波路に接続されて、電磁波を発生できる電磁波発生源と、を備え、前記導波ケースは、前記導波ケースに形成された開口部による前記市水の流入出の確保とともに、前記開口部における前記電磁波の遮蔽を行えるように構成され、前記市水は、前記電磁波により前記導波ケース内において誘電加熱されている電磁波加熱装置も提供する。
また、前記導波路に置かれた絶縁窓を更に備えてもよく、前記絶縁窓は、前記電磁波発生源から伝送される前記導波路内の電磁波を透過するとともに、前記電磁波発生源に向かう前記導波ケース内の前記市水の流れを阻止するように構成されているものであってもよい。
このように、本発明の電磁波加熱装置を、例えば、ボイル調理システムにも適用できる。
上記課題を解決するため、本発明は、被加熱流体中に配された導波ケースと、前記導波ケース内に電磁波を導くことができる導波管と、前記導波管に接続され、前記電磁波を発生できる電磁波発生源と、を備え、前記導波ケースは、前記導波ケースに形成された開口部による前記被加熱流体の流入出の確保とともに、前記開口部における前記電磁波の遮蔽を行えるように構成され、前記被加熱流体は、前記電磁波により前記導波ケース内において誘電加熱されている電磁波加熱装置も提供する。
以上の構成により、従来のボイラー式加熱に比べて高エネルギー効率の電磁波誘電加熱が行われる電磁波加熱装置が得られる。特に、本発明の電磁波加熱装置では、電磁波の伝送方向における導波ケースの長さを、導波ケースの前端面での電磁波の反射がほとんど起こらない寸法に設定できる。よって、被加熱流体を効率的に加熱できる。
また、前記導波ケースは、前記電磁波の伝送方向に平行に対置された、一対の側面および一対の端面を有してもよい。そして、前記側面の対および前記端面の対のうちのいずれか一方、または、その両方に、前記開口部を形成してもよい。
これにより、これらの側面間や端面間において被加熱流体を対流させ易くなる。
また、本発明の電磁波加熱装置は、前記液体が入っている容器と、前記容器の壁孔に配された絶縁窓と、を備えてもよい。そして、前記絶縁窓を、前記液体に曝し、前記導波管内を伝送された前記電磁波を、前記絶縁窓に入射させた後、前記導波ケース内の前記液体中に導いてもよい。
これにより、電磁波が液体に導かれる際に、電磁波の反射が起こり難くなるように、絶縁窓を用いてマッチングを取ることができる。
また、前記導波管と前記導波ケースと、が、前記壁孔において分離可能なように別体であってもよい。
これにより、導波管および導波ケースを別々に、容器から容易に取り外せるので、電磁波加熱装置の点検および清掃などのメンテナンスにおいて都合がよい。
また、本発明の電磁波加熱装置は前記液体が入っている容器を備えてもよい。そして、前記導波管内を伝送された前記電磁波を、前記液体の液面に所望の角度で入射させた後、前記導波ケース内の前記液体中に導いてもよい。
また、前記導波管と前記導波ケースと、が、一体の中空金属体を構成してもよい。そして、前記中空金属体内の電磁波の伝送方向と前記液面との間のなす角が前記所望の角度となるよう、前記中空金属体を前記液体中に挿入してもよい。
以上の構成により、中空金属体内の電磁波の伝送方向と液体の液面との間のなす角を、電磁波の入射電力のうちの反射成分が最小となるように設定できる。これにより、液体を効率的に加熱できる。
また、導波管および導波ケースからなる一体構造の中空金属体は、容器から容易に取り外すことができるので、電磁波加熱装置の点検および清掃などのメンテナンスにおいて都合がよい。
なお、前記液体が食用油の場合、前記所望の角度は、50°以上、60°以下の範囲内に存在すると考えられる。
また、本発明の電磁波加熱装置では、前記導波ケースは、前記電磁波を一方向に伝送できる部分と、前記一方向に伝送された電磁波を環状に分岐できる部分と、を備えてもよい。
これにより、導波ケース内の電磁波の強度を均一化できるので、被加熱流体の均一加熱が矩形の導波ケースに比べて改善する。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明によれば、誘電損失が少ないため誘電加熱に適していない液体(例えば、2.45GHzのマイクロ波における誘電損失が市水よりも低い食用油A等の液体)を適切に加熱できる電磁波加熱装置が得られる。
また、本発明によれば、従来のボイラー式加熱に比べて高エネルギー効率の誘電加熱が行われる電磁波加熱装置も得られる。
以下、本発明の好ましい第1および第2実施形態について図面を参照しながら説明する。
以下では、全ての図面を通じて同一または相当する構成要素には、同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する場合がある。なお、本発明は、以下の第1および第2実施形態、並びに、これらの変形例には限定されない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態のマイクロ波加熱装置100(電磁波加熱装置)は、揚げ物調理槽として機能する上面開放型のステンレス製の調理鍋1(容器)と、調理鍋1の底壁近傍の食用油A中に置かれた金属製の導波ケース2と、導波ケース2に接続されて、調理鍋1の外部に延びている導波路5と、導波路5に接続されて、マイクロ波を発生できるマイクロ波発生源4と、制御装置10と、を備える。なお、上述の導波ケース2の具体的な材料としては、食品を取り扱う観点から、ステンレスやアルミニウムなどを用いることが好ましい。
なお、「マイクロ波」とは、一般的に、周波数が数百MHz(波長が数m)から数百GHz(波長が数mm)の範囲の電磁波を指す場合もあるが、本明細書の「マイクロ波加熱」とは、必ずしも、この周波数(波長)の範囲に厳密には限定されず、様々な周波数帯(例えば、高周波数および超高周波)の電磁波加熱の総称として用いられる。
但し、電磁波の利用は電波法によって行政的に管理されており、我が国では、例えば、2.45GHz帯、5.8GHz帯などの電磁波が、工業、科学、医療、家庭などの利用に開放されている。よって、本明細書の「マイクロ波加熱」の利用においても、このような電波法の制約を受けるが、電磁波の周波数が高いほど、加熱装置を小型化できるという利点がある。また、上述の導波路5として、矩形の導波管5A(後述)を用いる場合、マイクロ波を伝送する導波管5Aの断面寸法は、マイクロ波の波長に依存する(つまり、当該寸法はマイクロ波の波長と略同等レベル)。よって、この場合、マイクロ波の波長が長すぎても、短すぎても、導波管5Aの設計に支障をきたすので、本明細書の「マイクロ波加熱」に用いるマイクロ波の周波数(波長)の範囲には、実用上、自ずと限界がある。また、上述の導波路5として、同軸ケーブル(図示せず)を用いる場合、マイクロ波の周波数(波長)の制約は解消されるが、導波ケース2との接続(マッチング)において難点が残る。
よって、ここでは、家庭用の電子レンジに使用される2.45GHzのマイクロ波を伝送できる矩形の導波管5Aを例にとり、マイクロ波加熱装置100の構成を説明する。
図1に示すように、揚げ物調理に使用する、被加熱流体の一例としての食用油Aが調理鍋1内に満たされ、調理鍋1の上面は開放されている。よって、揚げ物調理中の適時に具材(図示せず)を食用油Aの中に入れることができる。
また、導波ケース2の筐体表面の適所には、2.45GHzのマイクロ波を適切に遮蔽できる程度の大きさの多数の開口部2A(丸孔や長孔など)が形成されている。
詳しくは、図1Aに示すように、導波ケース2は、マイクロ波の伝送方向200に平行に対置された、一対の側面2Bおよび一対の端面2Cを備える矩形状に構成されている。そして、側面2Bの対および端面2Cの対のうちの少なくとも一方に、開口部2Aを形成するとよい。
但し、図1Aでは、丸形の開口部2Aを側面2Bの対および端面2Cの対の両方に設けた例が示されている。つまり、図1Aでは、マイクロ波の伝送方向200に平行な導波ケース2の4面全てに開口部2Aが形成されている。
このように、側面2Bの対に開口部2Aを形成すると、これらの側面2Bの間において食用油Aを対流させ易くなる。同様に、端面2Cの対に開口部2Aを形成すると、これらの端面2Cの間において食用油Aを対流させ易くなる。また、マイクロ波の伝送方向200に垂直に置かれた導波ケース2の前端面2Dにも、図1Aに示すように、開口部2Aを形成する方が、食用油Aの対流促進の点からは好ましい。
なお、開口部2Aの形状が、図1Aの如く円形の場合、マイクロ波の遮蔽の可否は、開口部2Aの直径によって決まり、この寸法が短いほど、マイクロ波を遮蔽し易い。同様に、開口部の形状が矩形の場合、マイクロ波の遮蔽の可否は、開口部の長辺の長さによって決まり、この寸法が短いほど、マイクロ波を遮蔽し易い。なお、TE10(基本モード)のマイクロ波を用いる場合、側面2Bについては、開口部の直径や長辺の寸法を長めに取っても、マイクロ波を適切に遮蔽することができる。
よって、開口部を長方形よりも正方形にした方が、或いは、開口部を楕円形よりも真円形にした方が、開口部の面積を広く確保できるので、食用油Aの流入出において都合がよい。
但し、特定波長(ここでは、2.45GHz)のマイクロ波を遮蔽できる開口部2Aの設計法(寸法や厚みなどの決定法)は周知なので、この具体的な設計法の説明は、ここでは、省略する。
以上のとおり、導波ケース2は、この開口部2Aによる食用油Aの流入出の確保とともに、開口部2Aにおけるマイクロ波の遮蔽も行えるように構成されている。
一方、導波ケース2内には、複数のマイクロ波吸収体3が配されている。これにより、2.45GHzのマイクロ波が効率的に吸収される。このマイクロ波吸収体3の材料としては、カーボン系を主体とした導電損失材、或いは、フェライトセラミック等の磁性損失材が有望であると考えられる。前者は、マイクロ波の吸収(電磁エネルギーの減衰)の過程において、電界エネルギーとの相互作用によって発熱でき、後者は、磁界エネルギーとの相互作用によって発熱できる。
以上の構成により、導波ケース2に伝送されたマイクロ波がマイクロ波吸収体3に吸収されると、マイクロ波吸収体3が発熱する。すると、マイクロ波吸収体3と食用油Aとの間の熱交換(マイクロ波吸収体3から食用油Aへの熱移動)がなされ、食用油Aは加熱される。その結果、食用油Aにおいて対流が形成され、食用油Aが対流加熱される。
また、本実施形態のマイクロ波加熱装置100では、図1に示すように、金属製の導波管5Aが、調理鍋1の側壁に形成された矩形状の壁孔1Aとマイクロ波発生源4との間を接続しており、この導波管5Aにより区画された矩形断面の中空5Cおよび壁孔1Aが、マイクロ波発生源4から導波ケース2へのマイクロ波の伝送域として使用される。つまり、本実施形態では、導波路5は、導波管5Aと、導波管5Aの中空5Cの形状との関係において整合設計された適宜の寸法の調理鍋1の壁孔1Aとによって形成されている。なお、上述の導波管5Aの具体的な材料としては、銅や、銀メッキを施した銅などを用いることが好ましい。
上述のとおり、導波管5Aの断面寸法は、通常は、この中を伝送するマイクロ波の遮断周波数やマイクロ波のモード選択などの兼ね合いにより一定の寸法に設計されている。通常は、TE10(基本モード)のマイクロ波を伝送できるように、導波管5Aを設計しているが、このような設計法自体は、矩形の導波管では公知である。よって、この設計法の詳細な説明は省略する。
また、図1に示すように、導波管5Aの中空5Cの断面よりも若干大きめの耐熱性の矩形状のガラス板5Bが調理鍋1の壁孔1Aに配されている。このガラス板5Bは、マイクロ波の損失が少なく、高耐熱性の絶縁窓として機能するものであり、このような絶縁窓としては、本明細書において例示する石英ガラスなどからなる透明なガラス板の他、マイクロ波損失が少ないセラミック板を用いてもよい。図1に示すように、ガラス板5Bは、食用油Aに曝されている。よって、導波管5A内を伝送方向200に沿って伝送するマイクロ波は、ガラス板5Bに入射した後、導波ケース2内の食用油A中に導かれている。これにより、マイクロ波(入射波)が食用油Aに導かれる際に、マイクロ波の反射が起こり難くなるように、ガラス板5Bを用いてマッチングを取ることができる。
つまり、導波管5Aの中空5Cは、このガラス板5Bに対向しており、これにより、ガラス板5Bは、マイクロ波発生源4から伝送される導波管5A内のマイクロ波を透過する透過窓を構成する。また、ガラス板5Bは、マイクロ波発生源4に向かう導波ケース2内の食用油Aの流れを阻止する封止部としても機能する。
なお、本実施形態のマイクロ波加熱装置100では、図1に示すように、導波管5Aと導波ケース2と、が、壁孔1Aにおいて分離可能なように別体に構成されている。
これにより、導波管5Aおよび導波ケース2を別々に、調理鍋1から容易に取り外せるので、マイクロ波加熱装置100の点検および清掃などのメンテナンスにおいて都合がよい。
また、ここでは、図示を省略するが、上述のガラス板5Bを壁孔1Aに嵌め込むことに代えて、中空5Cの断面とほぼ同じ大きさの耐熱性のガラス板を導波管5A内に配してもよい。
なお、ガラス板5Bによるマイクロ波の透過性が不充分な場合(つまり、ガラス板5Bでのマイクロ波の反射が無視できない場合)、ガラス板5Bの近傍に同一のガラス板(図示せず)を配してもよく、或いは、整合回路を適用してもよい。これらの方法により、ガラス板でのマイクロ波の透過性が改善する。
具体的には、ガラス板5Bと適当な間隔をあけて同一のガラス板を配すると、これらの両ガラス板で生じる反射波の干渉効果よってマイクロ波(入射波)の反射が防止され、特定の周波数帯のマイクロ波の反射ロスを減少できる。
後者の整合回路では、一般に用いられるマイクロ波導波管整合器(例えば、スタブチューナーやEHチューナーなど)によりガラス板の反射を相殺することによりマイクロ波の反射ロスを減少できる。
マイクロ波発生源4は、マイクロ波を発生する様々な機器を用いることができ、電源のパワーによってマグネトロンやクライストロンなどを使い分けることもできる。例えば、2.45GHzのマイクロ波の発生源として、安価な電子レンジ用のマグネトロンを用いてもよい。
制御装置10は、マイクロプロセッサなどにより構成されており、図1に示すように、調理鍋1内の食用油Aの温度を検知できる検知器11(例えば、サーミスタや熱電対)から出力された検知温度を取得するとともに、この検知温度に基づいてマイクロ波発生源4の出力を調整している。
例えば、検知器11の検知温度が制御装置10にフィードバックされ、この制御装置10により、この検知温度を食用油温の目標温度に一致させるべく、マイクロ波発生源4の出力(操作量)が制御されてもよい。このような食用油温のフィードバック制御では、操作量(マイクロ波発生源4の出力)以外の制御量(食用油温)の決定因子の外乱やシステムの特性変動といった不確定要因の克服を容易に行えるという特徴がある。
一方、制御装置10は、上述のフィードバック制御に代えて、或いは、上述のフィードバック制御と組み合わせて、食用油温のフィードフォワード制御を行ってもよい。この場合、制御装置10は、時々刻々と変化する検知器11の検知温度を基に、食用油温の到来前の到達温度を予測する。そして、制御装置10は、予測到達温度と上述の目標温度との間の差分が少なくなる方向に、マイクロ波発生源4の出力(操作量)を演算することにより、マイクロ波発生源4の出力(操作量)を制御する。このような食用油温のフィードフォワード制御では、先手を打ってマイクロ波発生源4の出力を変更できるという特徴がある。
以上のとおり、本実施形態のマイクロ波加熱装置100は、食用油Aが入っている上面開放型の調理鍋1と、食用油A中に配されて、マイクロ波吸収体3を内包している導波ケース2と、導波ケース2に接続されて、調理鍋1の外部に延びている導波路5(具体的には、この導波路5を形成する導波管5A)と、この導波管5Aに接続されて、マイクロ波を発生できるマイクロ波発生源4と、を備える。
上述の導波ケース2は、導波ケース2に形成された開口部2Aによる食用油Aの流入出の確保とともに、開口部2Aにおけるマイクロ波の遮蔽も行えるように構成されている。また、導波路5を形成する壁孔1Aに配されたガラス板5Bは、マイクロ波発生源4から伝送される導波管5A内のマイクロ波を透過するとともに、マイクロ波発生源4に向かう導波ケース2内の食用油Aの流れを阻止するように構成されている。
以上の構成により、マイクロ波発生源4から出射されたマイクロ波はマイクロ波吸収体3に吸収され、食用油Aは、マイクロ波吸収3との間の熱交換により加熱される。よって、本実施形態のマイクロ波加熱装置100では、誘電損失が少ないため誘電加熱に適していない液体(例えば、2.45GHzのマイクロ波における誘電損失が市水よりも低い食用油A等の液体)において、マイクロ波吸収体3による熱交換加熱とマイクロ波による誘電加熱が行われる。このような相乗的な加熱効果により、食用油Aの効率的な昇温を行える。
また、本実施形態のマイクロ波加熱装置100では、マイクロ波の入射方向から見て、食用油温以外は、調理鍋1の内部の負荷変動の要因がないと考えられる。このため、マイクロ波の伝送系の設計が完了すると、その後の伝送系の調整は不要となり、マイクロ波発生源4の出力の調整のみで、食用油Aの温度調整が可能になる。このため、マイクロ波加熱装置100の制御対象の特性を容易に知ることができ、かつ、制御対象の外乱も少ないので、マイクロ波加熱装置100では、上述の食用油温のフィードフォワード制御を行うと都合がよい。これにより、食用油温の予測到達温度に基づいて、マイクロ波発生源4の出力が先手を打って調整できる。
また、導波ケース2の内部および周囲は全て食用油Aに満たされているので、導波ケース2に入射するマイクロ波の電力のほぼ100%が食用油Aへの熱量に変換される。よって、マイクロ波加熱装置100は、エネルギー効率に優れており、省エネ対策でも有益である。
また、マイクロ波は導波ケース2に閉じ込められて、外部に漏洩しないので、調理鍋1は、調理時に上面開放状態において使用できる。よって、マイクロ波加熱装置100は、食用油Aを加熱しながら食用油A中に具材を適時に入れる揚げ物調理でも使い勝手に優れる。
また、マイクロ波加熱装置100は、適宜のマイクロ波電力分配回路(図示せず)を用いて複数の調理鍋に接続することができ、これにより、システムの大規模化を容易に図れる。
(第1変形例)
図2は、本発明の第1実施形態による第1変形例のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
(第1変形例)
図2は、本発明の第1実施形態による第1変形例のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
図2に示すように、本変形例のマイクロ波加熱装置110では、導波ケース12の筐体表面は、開口部を形成しない密閉構造になっており、かつ、マイクロ波吸収体13は、導波ケース12の内面と密着して導波ケース12内に並べて配されている。
以上の本変形例のマイクロ波加熱装置110では、マイクロ波発生源4から出射されたマイクロ波はマイクロ波吸収体13に吸収され、マイクロ波吸収体13の発熱により導波ケース12が加熱される。そして、食用油Aは、導波ケース12との間の熱交換により加熱される。よって、本変形例のマイクロ波加熱装置110では、誘電損失が少ないため誘電加熱に適していない液体(例えば、2.45GHzのマイクロ波における誘電損失が市水よりも低い食用油A等の液体)において、マイクロ波吸収体13の発熱による昇温を行える。また、本変形例では、導波ケース12内に食用油Aが流入しないので、図1に示したガラス板5Bを無くすことができ、このようなガラス板に起因するマイクロ波の反射ロスを根本的に解消できる。
なお、本実施形態のマイクロ波加熱装置100(図1)による上述の様々な効果は、本変形例のマイクロ波加熱装置110でも奏することができる。
また、本変形例では、マイクロ波吸収体13の配列構造が例示されているが、マイクロ吸収体の構造は、これに限らない。例えば、抵抗値が高いマイクロ波吸収用の金属材料を導波ケース(導波管)内に内張りして得られる導波構造体(図示せず)の全体を発熱源(マイクロ波吸収体)としてもよい。または、抵抗値が高い金属を用いて導波ケース(導波管)を作り、当該導波ケースや導波管(図示せず)そのものをマイクロ波吸収体として機能させ、これにより、マイクロ波の閉じ込めと発熱を行ってもよい。
(第2変形例)
図3は、本発明の第1実施形態による第2変形例のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
(第2変形例)
図3は、本発明の第1実施形態による第2変形例のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
本変形例のマイクロ波加熱装置120では、食用油Aに代えて、被加熱流体の他の例としての市水Bを加熱するボイル調理システムが想定されている。図3に示すように、図1のマイクロ波加熱装置100において導波ケース2内のマイクロ波吸収体3を取り除くと、ボイル調理システムとしての本変形例のマイクロ波加熱装置120に容易に改変できる。つまり、本技術は、様々な液体に適用でき拡張性が高い。
以上の本変形例のマイクロ波加熱装置120では、マイクロ波発生源4から出射されたマイクロ波によって市水Bが誘電加熱され、市水Bの適切な昇温を行える。
なお、本実施形態のマイクロ波加熱装置100(図1)による上述の様々な効果は、本変形例のマイクロ波加熱装置120でも奏することができる。
(第3変形例)
図4は、本発明の第1実施形態による第3変形例のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
(第3変形例)
図4は、本発明の第1実施形態による第3変形例のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
本変形例のマイクロ波加熱装置130では、第2変形例のマイクロ波加熱装置120において食用油Aを誘電加熱する揚げ物調理システムが想定されている。
上述のとおり、誘電損失が少ないため誘電加熱に適していない液体(例えば、2.45GHzのマイクロ波における誘電損失が市水よりも低い食用油等の液体)であっても、マイクロ波の伝送方向200における導波ケース2の長さを適当な距離に設定すると、マイクロ波誘電加熱が適切に行われることがわかった。例えば、食用油Aの場合、マイクロ波の伝送路の長さを、約15cm以上にすれば、マイクロ波の導波ケース2の前端面2Dでの反射がほとんど起こらなくなり、マイクロ波のマッチングが適切に取れることがわかった。
以上の本変形例のマイクロ波加熱装置130では、マイクロ波発生源4から出射されたマイクロ波によって食用油Aが誘電加熱され、食用油Aの適切な昇温を行える。
なお、本実施形態のマイクロ波加熱装置100(図1)による上述の様々な効果は、本変形例のマイクロ波加熱装置120でも奏することができる。
(第4変形例)
以上に述べたマイクロ波加熱装置100、110、120、130の構成は、あくまで一例に過ぎない。
(第4変形例)
以上に述べたマイクロ波加熱装置100、110、120、130の構成は、あくまで一例に過ぎない。
例えば、導波ケース2、12の形状は、矩形の如く図示されているが、円筒形や球形など任意の形状でも本技術を適用することができる。
特に、図5(a)に示すように、導波ケース112(但し、開口部の図示は省略)が、マイクロ波を一方向に伝送できる直線部分112Aと、直線部分112Aによって伝送方向200に伝送されたマイクロ波を円環状に分岐できる円形の環状部分112Bと、を備えるとよい(理由は後述)。
また、図5(b)に示すように、導波ケース212(但し、開口部の図示は省略)が、マイクロ波を一方向に伝送できる直線部分212Aと、直線部分212Aによって伝送方向200に伝送されたマイクロ波を略矩形環状に分岐できる、略矩形(コーナ部では、マイクロ波がスムーズに伝送されるよう、面取りされている)の環状部分212Bと、を備えるとよい(理由は後述)。
また、図5(c)に示すように、導波ケース312(但し、開口部の図示は省略)が、マイクロ波を一方向に伝送できる直線部分312Aと、直線部分312Aによって伝送方向200に伝送されたマイクロ波を環状に分岐できる、仕切り板315が内包された略矩形の箱体部分312Bと、を備えるとよい(理由は後述)。
なお、図5(c)に示すように、仕切り板315は、箱体部分312Bの前端面312Dとの間で適宜の間隔を開けて、箱体部分312Bの中央部において、その主面が、箱体部分312Bの端面312Cと平行となるよう、立設されている。これにより、マイクロ波は、仕切り板315の主面に沿って環状に分岐される。
マイクロ波の強度は、一般的に伝送距離が長くなるほど減衰して、導波ケースの前端において最も弱くなる。しかし、図5(a)の導波ケース112、図5(b)の導波ケース212および図5(c)の導波ケース312の如く構成すると、環状部分112B、212Bや箱体部分312Bにおいて分岐されたマイクロ波は、導波ケース112、212、312の前端において合流でき、互いの強度減衰が補完される。
これにより、導波ケース112、212、312内のマイクロ波の強度を均一化できるので、調理鍋1中の液体(食用油Aや市水B)の均一加熱が矩形の導波ケース2、12に比べて改善する。
(第5変形例)
第1実施形態(図1)、第2変形例(図3)および第3変形例(図4)では、ガラス板5B(絶縁窓)が調理鍋1の壁孔1Aに配されているが、導波管(後述の図6参照)を調理鍋1の上面から食用油A(または市水B)中に入れる場合には、このような絶縁窓を配設しなくてもよい(詳細は以下の第2実施形態で述べる)。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
(第5変形例)
第1実施形態(図1)、第2変形例(図3)および第3変形例(図4)では、ガラス板5B(絶縁窓)が調理鍋1の壁孔1Aに配されているが、導波管(後述の図6参照)を調理鍋1の上面から食用油A(または市水B)中に入れる場合には、このような絶縁窓を配設しなくてもよい(詳細は以下の第2実施形態で述べる)。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
図6に示すように、本実施形態のマイクロ波加熱装置140(電磁波加熱装置)は、揚げ物調理槽として機能する上面開放型のステンレス製の調理鍋1(容器)と、前半部が調理鍋1の底壁近傍に挿入され、後半部が大気中に延びている直管状(ここでは、矩形管状)の中空金属体25と、中空金属体25の後半部の端に接続されて、マイクロ波を発生できるマイクロ波発生源24と、制御装置10と、を備える。
図6に示すように、揚げ物調理に使用する、被加熱流体の一例としての食用油Aが調理鍋1内に満たされ、調理鍋1の上面は開放されている。よって、揚げ物調理中の適時に具材(図示せず)を食用油Aの中に入れることができる。
また、本実施形態のマイクロ波加熱装置140では、中空金属体25の前半部は、調理鍋1の食用油A中に配され、開口部22Aが形成された導波ケース22を含む。また、中空金属体25の後半部は、この導波ケース22内にマイクロ波を導くことができる導波管23に相当する。つまり、導波ケース22と、導波管23と、が一体に構成されている。このようにして、導波管23により区画された矩形断面の中空25Cが、マイクロ波発生源24から導波ケース22へのマイクロ波の伝送域として使用される。
以上の導波管23および導波ケース22からなる一体構造の中空金属体25は、調理鍋1から容易に取り外すことができるので、マイクロ波加熱装置140の点検および清掃などのメンテナンスにおいて都合がよい。
なお、中空金属体25(導波管23および導波ケース22)の断面寸法は、通常は、この中を伝送するマイクロ波の遮断周波数やマイクロ波のモード選択などの兼ね合いにより一定の寸法に設計されている。通常は、TE10(基本モード)のマイクロ波を伝送できるように、導波管23および導波ケース22を設計しているが、このような断面寸法の設計法自体は、矩形の導波管では公知である。よって、この設計法の詳細な説明は省略する。
一方、マイクロ波の伝送方向200における導波ケース22の長さについては、導波ケース22の前端面22Dにおいてマイクロ波の反射が殆ど無くなるよう、適当な距離に設定するとよい。例えば、食用油Aの場合、食用油Aに浸されたマイクロ波の伝送路の長さを、約15cm以上にすれば、導波ケース22の前端面22Dでのマイクロ波の反射がほとんど起こらなくなり、マイクロ波のマッチングが適切に取れることがわかった。
これにより、本実施形態のマイクロ波加熱装置140では、誘電損失が少ないため誘電加熱に適していない液体(例えば、2.45GHzのマイクロ波における誘電損失が市水よりも低い食用油等の液体)であっても、マイクロ波誘電加熱を適切に行える。
また、中空金属体25は、図6に示すように、調理鍋1の側壁に取り付けられた固定具27と、調理鍋1の底壁に置かれた固定台26とによって、中空金属体25内のマイクロ波の伝送方向200と食用油Aの油面300(液面)との間のなす角θが所望の角度となるよう、調理鍋1に固定され、食用油A中に挿入されている。つまり、導波管23内を伝送方向200に沿って伝送されたマイクロ波は、食用油Aの油面300に所望の角度θで入射した後、導波ケース22内の食用油A中に導かれている。なお、この所望の角度θの詳細は後述する。
また、導波ケース22の筐体表面の適所には、2.45GHzのマイクロ波を適切に遮蔽できる程度の大きさの多数の開口部22A(丸孔や長孔など)が形成されている。
詳しくは、図7に示すように、導波ケース22は、マイクロ波の伝送方向200に平行に対置された、一対の側面22Bおよび一対の端面22Cを備える矩形状に構成されている。そして、側面22Bの対および端面22Cの対のうちの少なくとも一方に、開口部22Aを形成するとよい。
但し、図7では、丸形の開口部22Aを側面22Bの対および端面22Cの対の両方に設けた例が示されている。つまり、図7では、マイクロ波の伝送方向200に平行な導波ケース22の4面全てに開口部22Aが形成されている。
このように、側面22Bの対に開口部22Aを形成すると、これらの側面22Bの間において食用油Aを対流させ易くなる。同様に、端面22Cの対に開口部22Aを形成すると、これらの端面22Cの間において食用油Aを対流させ易くなる。また、マイクロ波の伝送方向200に垂直に置かれた導波ケース22の前端面22Dにも、図7に示すように、開口部22Aを形成する方が、食用油Aの対流促進の点から好ましい。
なお、開口部22Aが、図7の如く円形の場合、マイクロ波の遮蔽の可否は、開口部22Aの直径によって決まり、この寸法が短いほど、マイクロ波を遮蔽し易い。同様に、開口部の形状が矩形状の場合、マイクロ波の遮蔽の可否は、開口部の長辺の長さによって決まり、この寸法が短いほど、マイクロ波を遮蔽し易い。なお、TE10(基本モード)のマイクロ波を用いる場合、側面22Bについては、開口部の直径や長辺の寸法を長めに取っても、マイクロ波を適切に遮蔽することができる。
よって、開口部を長方形よりも正方形にした方が、或いは、開口部を楕円形にするよりも真円形にした方が、開口部の面積を広く確保できるので、食用油Aの流入出において都合がよい。
但し、特定波長(ここでは、2.45GHz)のマイクロ波を遮蔽できる開口部22Aの設計法(寸法や厚みなどの決定法)は周知なので、開口部22Aの具体的な設計法の説明は、ここでは、省略する。
以上のとおり、導波ケース22は、この開口部22Aによる食用油Aの流入出の確保とともに、開口部22Aにおけるマイクロ波の遮蔽も行えるように構成されている。
また、本実施形態のマイクロ波加熱装置140では、図6に示すように、食用油Aの油面300よりも上方の導波管23内の適所に、中空25Cを塞ぐように、絶縁フィルム28が配されている。これにより、マイクロ波発生源24に向かう食用油Aの蒸気の流れが、絶縁フィルム28を用いて適切に阻止される。なお、絶縁フィルム28は、マイクロ波の損失が少ない様々な材料によって構成でき、透明なポリ塩化ビニリデン(PVDC)フィルムの他、セラミックフィルムを用いてもよい。また、この絶縁フィルム28は、第1実施形態の絶縁窓(ガラス板5B)に比べて高温および高圧の環境下に曝され難いので、ガラス板5Bよりも簡易に(例えば、ガラス板5Bよりも薄いフィルム状に)構成できるという特徴がある。
マイクロ波発生源24は、マイクロ波を発生する様々な機器を用いることができ、電源のパワーによってマグネトロンやクライストロンなどを使い分けることもできる。例えば、2.45GHzのマイクロ波の発生源として、安価な電子レンジ用のマグネトロンを用いてもよい。
ここで、中空金属体25内のマイクロ波の伝送方向200と食用油Aの油面300(液面)との間のなす角θについての好適な値の検証は、汎用の高周波3次元電磁界解析シミュレータ(A nsoft社製のHFSS(登録商標))を駆使して行われた。以下、このシミュレーション検証について述べる。
図8は、図6の中空金属体について、コンピュータ上に数値計算用に3次元モデリングが行われた解析モデルを表した図である。
なお、数値計算に影響を及ぼさない範囲内で、図6の中空金属体25に比べて図8の解析モデルMの構成は簡素化されている。例えば、中空金属体25の開口部22Aのモデル化は、図8の解析モデルMでは、省略されている。これにより、数値計算用の解析領域25Aのメッシュ分割数を減らすことができ、コンピュータの記憶容量の節約や計算時間の短縮を図れる。
この解析モデルMの初期状態では、図8の実線で示すように、中空金属体25に相当する解析領域25AがZ軸を中心軸にとるよう、解析領域25Aは、モデル化されている。なお、2.45GHzのマイクロ波は、この中心軸に沿ってZ軸方向の逆向きに伝送するものとしている。
また、解析領域25Aの下半部には、食用油Aが満たされるよう、適宜の物性条件が入力され、解析領域25Aの上半部には、空気が満たされるよう、適宜の物性条件が入力されている。更に、解析領域25Aの下半部と解析領域25Aの上半部との間の境界面300Aには、この部分が食用油Aの油面300となるよう、適宜の境界条件が入力されている。
以上の解析モデルMにおいて、図8の二点鎖線で示すように、解析領域25AをYZ平面内において傾けた場合、この傾き角θ’が、中空金属体25内のマイクロ波の伝送方向200と食用油Aの油面300(液面)との間のなす角θに対応する。
よって、本シミュレーション検証では、傾き角θ’を、約0°から約85°の間において、細かな増分を取りながら変化させて、このような傾き角θ’の増分の度に、2.45GHzのマイクロ波の、油面300に相当する境界面300Aでの反射特性が繰り返し計算されている。
図9は、図8の解析モデルを用いたマイクロ波の、油面に相当する境界面での反射特性のシミュレーション結果を示した図である。
図9の横軸に、傾き角θ’をとり、縦軸にSパラメータでの反射係数S11(dB)の計算値をとっている。例えば、S11?-20dBでは、マイクロ波の入射電力のうちの99%以上が油の中に入ることを意味している。
図9に示すように、傾き角θ’が、50°以上、60°以下の角度範囲(特に53°近傍)において、反射係数S11が、最小値(約-48dB)を取ることがわかった。このため、傾き角θ’が、50°以上、60°以下の角度範囲(特に53°近傍)において、マイクロ波の入射電力のうちの反射成分が最小となり、その結果、マイクロ波を食用油Aの加熱に効率的に利用できると考えられる。
なお、傾き角θ’が60°以上において、反射係数S11は単調減少となっているので、傾き角θ’を80°付近まで充分に大きくすると、2.45GHzのマイクロ波の反射特性において都合がよいと判断できるかもしれない。しかしながら、このような角度条件を取ると、図6の中空金属体25が、食用油Aの油面300の近傍に置かれるので、却って、食用油Aの効率的な加熱を阻害すると推察される。
このように、調理鍋1に食用油Aを満たす場合、中空金属体25内のマイクロ波の伝送方向200と食用油Aの油面300(液面)との間のなす角θの好適な値は、50°以上、60°以下の角度範囲内に存在すると考えられ、特に、53°近傍に存在すると考えられる。
以上のとおり、本実施形態のマイクロ波加熱装置140(電磁波加熱装置)は、揚げ物調理槽として機能する上面開放型のステンレス製の調理鍋1(容器)と、前半部が調理鍋1の底壁近傍に挿入され、後半部が大気中に延びている直管状(ここでは、矩形管状)の中空金属体25と、中空金属体25の後半部の端に接続されて、マイクロ波を発生できるマイクロ波発生源24と、制御装置10と、備える。また、本実施形態のマイクロ波加熱装置140では、中空金属体25の前半部は、調理鍋1の食用油A中に配され、開口部22Aが形成された導波ケース22を含む。また、中空金属体25の後半部は、この導波ケース22内にマイクロ波を導くことができる導波管23に相当する。そして、上述の導波ケース22は、導波ケース22に形成された開口部22Aによる食用油Aの流入出の確保とともに、開口部22Aにおけるマイクロ波の遮蔽を行えるように構成されている。
以上の構成により、以上の本実施形態のマイクロ波加熱装置140では、マイクロ波発生源24から出射されたマイクロ波によって食用油Aが誘電加熱され、食用油Aの昇温を行える。
特に、本実施形態のマイクロ波加熱装置140では、マイクロ波の伝送方向200における導波ケース22の長さを、導波ケース22の前端面22Dでのマイクロ波の反射がほとんど起こらない寸法に設定できる。また、中空金属体25内のマイクロ波の伝送方向200と食用油Aの油面300(液面)との間のなす角θを、マイクロ波の入射電力のうちの反射成分が最小となるように設定できる。これにより、食用油Aを効率的に加熱できる。
また、本実施形態のマイクロ波加熱装置140では、マイクロ波の入射方向から見て、食用油温以外は、調理鍋1の内部の負荷変動の要因がないと考えられる。このため、マイクロ波の伝送系の設計が完了すると、その後の伝送系の調整は不要となり、マイクロ波発生源24の出力の調整のみで、食用油Aの温度調整が可能になる。このため、マイクロ波加熱装置140の制御対象の特性を容易に知ることができ、かつ、制御対象の外乱も少ないので、マイクロ波加熱装置140では、上述の食用油温のフィードフォワード制御を行うと都合がよい。これにより、食用油温の予測到達温度に基づいて、マイクロ波発生源24の出力が先手を打って調整できる。
また、導波ケース22の内部および周囲は全て食用油Aに満たされているので、導波ケース22に入射するマイクロ波の電力のほぼ100%が食用油Aへの熱量に変換される。よって、マイクロ波加熱装置140は、エネルギー効率に優れており、省エネ対策でも有益である。
また、マイクロ波は導波ケース22に閉じ込められて、外部に漏洩しないので、調理鍋1は、調理時に上面開放状態において使用できる。よって、マイクロ波加熱装置140は、食用油Aを加熱しながら食用油A中に具材を適時に入れる揚げ物調理でも使い勝手に優れる。
また、マイクロ波加熱装置140は、適宜のマイクロ波電力分配回路(図示せず)を用いて、複数の中空金属体25を調理鍋1に挿入するように改変できる。これにより、システムの大規模化を容易に図れる。
(第1変形例)
本実施形態のマイクロ波加熱装置140では、食用油Aを加熱する例を述べたが、これに限らない。
本実施形態のマイクロ波加熱装置140では、食用油Aを加熱する例を述べたが、これに限らない。
例えば、食用油Aの他、例えば、水、工業油、不凍液などであっても、本実施形態のマイクロ波加熱装置140を用いて加熱できる。つまり、本技術は、様々な液体に適用でき拡張性が高い。
但し、中空金属体25内のマイクロ波の伝送方向200と液面との間のなす角は、液体の種類に応じて最適な値が異なるので、液体の種類に応じた角度を設定する方が好ましい。
(第2変形例)
マイクロ波加熱装置140の中空金属体25の構成は、あくまで一例に過ぎない。例えば、中空金属体25は、ここでは、矩形管となっているが、円筒管でもよい。
マイクロ波加熱装置140の中空金属体25の構成は、あくまで一例に過ぎない。例えば、中空金属体25は、ここでは、矩形管となっているが、円筒管でもよい。
また、導波ケース22と導波管23とを、中空金属体25として一体に構成した例を述べたが、導波ケースと導波管とをそれぞれ、別体に構成して、両者を適宜の固定手段(図示せず)で固定してもよい。
また、第1実施形態の第4変形例(図5)で述べたように、中空金属体25の導波ケースが、マイクロ波を一方向に伝送できる直線部分と、直線部分によって伝送されたマイクロ波を分岐できる部分と、を備えてもよい。
なお、このように構成する理由は、すでに第1実施形態の第4変形例で述べたので、省略する。
(第3変形例)
図10は、本発明の第2実施形態による第3変形例のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
図10は、本発明の第2実施形態による第3変形例のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
本変形例のマイクロ波加熱装置150の中空金属体25’では、直管状の中空金属体25に代えて、導波ケース22’、および、マイクロ波発生源24の近傍の導波管23’が、水平に折り曲がっている。但し、この場合でも、マイクロ波の伝送方向200と食用油Aの油面300(液面)との間のなす角θは、上述の好適な値を取るように、中空金属体25’の中央部分は構成されている。
以上の構成により、導波ケース22’を食用油A中に水平に置くと、食用油Aの均一加熱に有利に作用すると考えられる。
(第4変形例)
図11は、本発明の第2実施形態による第4変形例のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
図11は、本発明の第2実施形態による第4変形例のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
本変形例のマイクロ波加熱装置160では、中空金属体25内の食用油Aの油面300よりも下方の適所に、第1実施形態のガラス板5Bに相当するガラス板5B’が配されている。
これにより、中空金属体25内を伝送するマイクロ波(入射波)が食用油Aに導かれる際に、マイクロ波の反射が起こり難くなるように、ガラス板5Bを用いてマッチングを取ることができる。よって、中空金属体25の取り付け角度を、必ずしも、上述の好適な値(50°以上、60°以下の範囲の角度)に設定しなくても、食用油Aを効率的に加熱できる。つまり、中空金属体25の取り付け角度を任意に設定できるので、マイクロ波加熱装置160のスペースの有効利用を図れる。
なお、本変形例のマイクロ波加熱装置160では、導波管23内の絶縁フィルム28を、図11の如く、そのまま残しているが、これを取り除いてもよい。
(第5変形例)
図12は、本発明の第2実施形態による第5変形例のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
図12は、本発明の第2実施形態による第5変形例のマイクロ波加熱装置の一構成例を模式的に示した図である。
本変形例のマイクロ波加熱装置170の中空金属体25”では、直管状の中空金属体25に代えて、導波ケース22狽ェ水平に折り曲がっている。
また、導波管23”は、導波ケース22狽ノ端において食用油Aの油面300に直交して大気中に延びている鉛直部分と、この鉛直部分の端から斜め上方に延びている傾斜部分と、この傾斜部分の端から水平方向に延び、マイクロ波発生源24に接続される水平部分と、を備える。
そして、図12に示すように、導波管23”の鉛直部分内の食用油Aの油面300よりも下方の適所に、第1実施形態のガラス板5Bに相当するガラス板5B”が配されている。
これにより、中空金属体25”内を伝送するマイクロ波(入射波)が食用油Aに垂直に導かれる際に、マイクロ波の反射が起こり難くなるように、ガラス板5B”を用いてマッチングを取ることができる。よって、中空金属体25の取り付け角度を、必ずしも、上述の好適な値(50°以上、60°以下の範囲の角度)に設定しなくても、食用油Aを効率的に加熱できる。
特に、本変形例のマイクロ波加熱装置170では、導波ケース22”を食用油A中に水平に置いているので、食用油Aの均一加熱に有利に作用すると考えられる。
また、導波管23”を食用油Aに対して垂直に入れることができるので、図6のマイクロ波加熱装置140に比べて導波ケース22”の大面積化が図れる。換言すると、図6のマイクロ波加熱装置140と同じ加熱量であれば、導波ケース22”のコンパクト化が図れる。これにより、食用油Aをより効率的に加熱できる。
更に、導波管23”およびマイクロ波発生源24を調理鍋1の端にコンパクトに寄せることができるので、食用油Aを加熱しながら食用油A中に具材を適時に入れる揚げ物調理において使い勝手がより改善する。
なお、本変形例のマイクロ波加熱装置170では、導波管23”内の絶縁フィルム28を、図12の如く、そのまま残しているが、これを取り除いてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。
よって、本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。以下、その具体例を列挙する。
第1に、第1実施形態(第1、第2、第3、第4および第5変形例でも同じ)のマイクロ波加熱装置、並びに、第2実施形態(第1、第2、第3、第4および第5変形例でも同じ)のマイクロ波加熱装置では、食用油Aや市水Bに代表される液体を被加熱流体として例示したが、マイクロ波加熱装置の被加熱流体として、食用油Aや市水Bに限らず、他の液体を用いてもよい。
第2に、第1実施形態(第1、第2、第3、第4および第5変形例でも同じ)のマイクロ波加熱装置、並びに、第2実施形態(第1、第2、第3、第4および第5変形例でも同じ)のマイクロ波加熱装置では、揚げ物調理システム(フライヤー)にマイクロ波加熱装置が利用される例を述べたが、これに限らない。
例えば、家庭用の給湯システムまたは暖房システムの熱源(熱交換器)、或いは、工業用の道路凍結防止システムの熱源(熱交換器)に、本マイクロ波加熱装置を利用してもよい。なお、この場合、熱交換媒体(受熱流体)を貯える容器は、上面開放型ではなく、密閉型の方が好ましい場合がある。
本発明によれば、誘電損失が少ないため誘電加熱に適していない液体(例えば、2.45GHzのマイクロ波における誘電損失が市水よりも低い食用油A等の液体)を適切に加熱できる電磁波加熱装置が得られる。よって、本発明は、例えば、このような液体をマイクロ波加熱するシステムに利用できる。
1 調理鍋
1A 壁孔
2、12、22 導波ケース
2A 開口部
3、13 マイクロ波吸収体
4、24 マイクロ波発生源
5 導波路
5A、23 導波管
5B ガラス板
5C、25C 中空
10 制御装置
11 検知器
25 中空金属体
26 固定台
27 固定具
28 絶縁フィルム
100、110、120、130、140、150、160、170 マイクロ波加熱装置
200 マイクロ波の伝送方向
300 油面(液面)
A 食用油(被加熱流体の一例)
B 市水(被加熱流体の他の例)
1A 壁孔
2、12、22 導波ケース
2A 開口部
3、13 マイクロ波吸収体
4、24 マイクロ波発生源
5 導波路
5A、23 導波管
5B ガラス板
5C、25C 中空
10 制御装置
11 検知器
25 中空金属体
26 固定台
27 固定具
28 絶縁フィルム
100、110、120、130、140、150、160、170 マイクロ波加熱装置
200 マイクロ波の伝送方向
300 油面(液面)
A 食用油(被加熱流体の一例)
B 市水(被加熱流体の他の例)
Claims (15)
- 被加熱流体中に配された導波ケースと、
前記導波ケース内に電磁波を導くことができる導波管と、
前記導波管に接続され、前記電磁波を発生できる電磁波発生源と、
を備え、
前記導波ケースは、前記導波ケースに形成された開口部による前記被加熱流体の流入出の確保とともに、前記開口部における前記電磁波の遮蔽を行えるように構成され、
前記被加熱流体は、前記電磁波により前記導波ケース内において誘電加熱されている電磁波加熱装置。 - 前記導波ケースは、前記電磁波の伝送方向に平行に対置された、一対の側面および一対の端面を有しており、
前記開口部は、前記側面の対および前記端面の対のうちのいずれか一方、または、その両方に、形成されている請求項1に記載の電磁波加熱装置。 - 前記被加熱流体は液体である請求項1または2に記載の電磁波加熱装置。
- 前記液体が入っている容器と、
前記容器の壁孔に配された絶縁窓と、
を備え、
前記絶縁窓は、前記液体に曝されており、
前記導波管内を伝送された前記電磁波は、前記絶縁窓に入射した後、前記導波ケース内の前記液体中に導かれている請求項3に記載の電磁波加熱装置。
- 前記導波管と前記導波ケースと、が、前記壁孔において分離可能なように別体に構成されている請求項4に記載の電磁波加熱装置。
- 前記液体が入っている容器を備え、
前記導波管内を伝送された前記電磁波は、前記液体の液面に所望の角度で入射した後、前記導波ケース内の前記液体中に導かれている請求項3に記載の電磁波加熱装置。 - 前記導波管と前記導波ケースと、が、一体の中空金属体を構成しており、
前記中空金属体内の電磁波の伝送方向と前記液面との間のなす角が前記所望の角度となるよう、前記中空金属体は前記液体中に挿入されている請求項6に記載の電磁波加熱装置。 - 前記液体が食用油の場合、前記所望の角度は、50°以上、60°以下の範囲内に存在する請求項6または7に記載の電磁波加熱装置。
- 前記導波ケースは、前記電磁波を一方向に伝送できる部分と、前記一方向に伝送された電磁波を環状に分岐できる部分と、を備える請求項1または2に記載の電磁波加熱装置。
-
2.45GHzのマイクロ波における誘電損失が市水よりも低い液体が入っている容器と、
前記液体中に配されて、電磁波吸収体を内包している導波ケースと、
前記導波ケースに接続されて、前記容器の外部に延びている導波路と、
前記導波路に接続されて、電磁波を発生できる電磁波発生源と、
を備え、
前記液体は、前記電磁波吸収体が前記電磁波を吸収する際に生じる熱を用いて加熱されている電磁波加熱装置。 - 前記液体は食用油である請求項10に記載の電磁波加熱装置。
- 前記導波路に置かれた絶縁窓を更に備えており、
前記導波ケースは、前記導波ケースに形成された開口部による前記液体の流入出の確保とともに、前記開口部における前記電磁波の遮蔽を行えるように構成され、
前記絶縁窓は、前記電磁波発生源から伝送される前記導波路内の電磁波を透過するとともに、前記電磁波発生源に向かう前記導波ケース内の前記液体の流れを阻止するように構成されている請求項10または11に記載の電磁波加熱装置。 - 前記導波路を形成する導波管は、前記導波路を形成する前記容器の壁孔と前記電磁波発生源との間を接続している請求項10ないし12のいずれかに記載の電磁波加熱装置。
- 市水が入っている容器と、
前記市水中に配された導波ケースと、
前記導波ケースに接続されて、前記容器の外部に延びている導波路と、
前記導波路に接続されて、電磁波を発生できる電磁波発生源と、
を備え、
前記導波ケースは、前記導波ケースに形成された開口部による前記市水の流入出の確保とともに、前記開口部における前記電磁波の遮蔽を行えるように構成され、
前記市水は、前記電磁波により前記導波ケース内において誘電加熱されている電磁波加熱装置。 - 前記導波路に置かれた絶縁窓を更に備えており、
前記絶縁窓は、前記電磁波発生源から伝送される前記導波路内の電磁波を透過するとともに、前記電磁波発生源に向かう前記導波ケース内の前記市水の流れを阻止するように構成されている請求項14に記載の電磁波加熱装置。
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