JP6024066B2 - 低エネルギー電磁波反応装置 - Google Patents

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Description

本発明は、幅広い周波数帯の低エネルギー電磁波を効果的に照射可能な低エネルギー電磁波反応装置に関するものである。
マイクロ波はX線や紫外線と同様に電磁波の一種であるが、赤外線(波長0.7μm〜1mm)よりもエネルギー準位が低く、取り扱いが容易であるために、携帯電話や衛星放送の通信手段として広く利用されている。また、このマイクロ波のような低エネルギー電磁波は、加熱作用を有するために加熱源としての利用が可能であり、例えば電子レンジは既に広く一般家庭にまで普及、使用されている。一方、工業的に低エネルギー電磁波を加熱源として利用しようとする試みも活発化しており、例えば特許文献1ではマイクロ波加熱を用いた真空、乾燥・濃縮装置が開示されている。
特開2008−12451号公報
ところで、通常の加熱ではガスや重油等の直火、スチーム、抵抗加熱あるいはIH(誘導加熱)等が加熱源として一般的に用いられる。これらの通常加熱では、いずれの場合も加熱源が高温であり、この熱が伝熱によって低温の加熱対象物に伝えられることになる。この伝熱による加熱では、熱伝達係数等の制約から加熱対象物の昇温スピードには限界があり、また加熱源と加熱対象物間あるいは加熱対象物内の顕著な温度勾配発現を回避することも容易ではない。一方、低エネルギー電磁波の場合には、照射される低エネルギー電磁波自身は冷たいのであるが、加熱対象物がこの低エネルギー電磁波を吸収すると、吸収したエネルギーが加熱対象物内で直接熱に変換され、速やかに発熱、昇温することになる。そのため、低エネルギー電磁波加熱では昇温速度が非常に大きく、また加熱対象物全体が一斉に発熱するので対象物内の温度が相対的に均一化し易い特徴を有している。
このように低エネルギー電磁波加熱は、加熱原理あるいはその特性が通常加熱とは異なっており、その結果としてこれらに起因すると想定される種々の効果(例えば、反応時間の顕著な短縮や製品品質の向上等)が数多くの反応で生起することが認められている。
エネルギー準位は低いにも拘らず、低エネルギー電磁波を加熱源とした場合には通常加熱と比較して反応時間の大幅短縮や製品品質の向上等種々の効果が期待される。しかしながら、何故このような効果が発現するのかについては、未だに明確な機構は明らかになってはいない。但し、効果の大部分は、反応場において発生するミクロスポット的過加熱状態が担っていると予想される。即ち、低エネルギー電磁波加熱の場合には、各物質はその分子構造に基づいて加熱状況が異なるため、同じ反応系の中でも非常に加熱され易い部分と逆に加熱され難い部分とが出現する。したがって、反応系全体としての平均温度は低いにもかかわらず、局所的に高温部分が発現し、この部分において反応が加速されるので従来加熱と比較して大きな効果が生まれていることが想定される。
ところで、赤外線よりもエネルギー準位が低い周波数0.03〜300GHz程度の低エネルギー電磁波の中で、加熱源として利用される低エネルギー電磁波の周波数は、これまでのところほぼ2.45GHzに限定されている。このように周波数が固定されているのは、経済性すなわち2.45GHzの低エネルギー電磁波発振器(マグネトロン)が最も安価であるということが最大の理由である。さらに、この価格に関しては、2.45GHzのマグネトロンは大量に生産されているので安い、という言わばニワトリと卵的な関係が成立している。言い換えれば、他の周波数の発振器についても、その生産台数が増加すれば2.45GHzの場合と同様の低価格が実現することが期待される。
さて、低エネルギー電磁波加熱を化学反応等に用いた場合の効果が基礎実験等で次々と明らかになり、これを実際に産業活用しようとする機運も益々高まっている。このような機運の中で、2.45GHzとは異なる周波数への関心が同時に高まっている。即ち、これまでほぼ専ら使用されてきた2.45GHzの低エネルギー電磁波の加熱特性については種々調査、検討され、その長所短所が相当程度明らかにされたことに伴い、新たに2.45GHzよりも低周波数あるいは高周波数の低エネルギー電磁波の加熱効果が予想、期待されることとなった。ところが、既に述べた通り、2.45GHz以外の周波数の発振器を備えた低エネルギー電磁波加熱反応装置を入手、使用することは、現状容易ではない。
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、幅広い周波数帯の低エネルギー電磁波を反応原料に効果的に照射可能な低エネルギー電磁波反応装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明による低エネルギー電磁波反応装置は、
低エネルギー電磁波を反応原料に照射してその反応原料を加熱反応させる低エネルギー電磁波反応装置であって、
0.03〜300GHz帯の全部または一部の帯域の周波数の低エネルギー電磁波を出力する低エネルギー電磁波周波数可変型の低エネルギー電磁波発振ユニットと、
前記低エネルギー電磁波発振ユニットから出力された低エネルギー電磁波を伝送する低エネルギー電磁波伝送ユニットと、
反応原料を充填するための反応原料充填スペースを有し、この反応原料充填スペースに充填された反応原料に対し、前記低エネルギー電磁波伝送ユニットからの低エネルギー電磁波を照射する低エネルギー電磁波照射ユニットと備え
前記低エネルギー電磁波照射ユニットは、同軸構造を呈する内部導体と外部導体とを有し、これら内部導体と外部導体との間隙に反応原料が充填され、
前記低エネルギー電磁波照射ユニットにおける内部導体と外部導体との間隙に、円錐状もしくは半球状のインピーダンス調整ブロックが挿入されることを特徴とするものである(第1発明)。
本発明において、前記低エネルギー電磁波照射ユニットの内部に、1個以上の小孔を有し、低エネルギー電磁波を反射する低エネルギー電磁波反射板が布置されるのが好ましい(第発明)。
本発明においては、低エネルギー電磁波発振ユニットから出力された0.03〜300GHz帯の全部または一部の帯域の周波数の低エネルギー電磁波が低エネルギー電磁波伝送ユニットを介して低エネルギー電磁波照射ユニットへと伝送される。低エネルギー電磁波照射ユニットにおいては、反応原料充填スペースに充填された反応原料に対し、低エネルギー電磁波伝送ユニットを介して伝送された低エネルギー電磁波が照射される。したがって、幅広い周波数帯の低エネルギー電磁波を反応原料に効果的に照射することができる。
また、幅広い周波数範囲の低エネルギー電磁波を低エネルギー電磁波照射ユニットの内部に確実に導入することができ、内部導体と外部導体との間隙に充填された反応原料に対しより効率良く低エネルギー電磁波を照射することができる。
さらに、低エネルギー電磁波が円滑に反応原料側に伝送、吸収されることになり、反射波の増大等の低エネルギー電磁波照射不良を抑制することができる。
発明の構成を採用することにより、低エネルギー電磁波照射不良を引き起こすことなく、低エネルギー電磁波照射ユニット内の圧力の異常上昇を未然に防ぐことができる。
本発明の第1の実施形態に係る低エネルギー電磁波反応装置を模式的に表わす図で、(a)は要部縦断面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る低エネルギー電磁波反応装置を模式的に表わす図で、(a)は要部縦断面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る低エネルギー電磁波反応装置を模式的に表わす要部縦断面図である。 低エネルギー電磁波反応装置のシミュレーションの装置条件を説明する図で、(a)はインピーダンス調整ブロックがない場合の装置条件説明図、(b)はインピーダンス調整ブロックがある場合の装置条件説明図である。 低エネルギー電磁波反応装置のシミュレーション結果を説明する図で、(a)は反射率を比較するグラフ、(b)は電界強度の分布図である。
次に、本発明による低エネルギー電磁波反応装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
〔第1の実施形態〕
<低エネルギー電磁波反応装置の概略説明>
図1(a)に示されるように、本実施形態に係る低エネルギー電磁波反応装置1は、低エネルギー電磁波を反応原料に照射してその反応原料を加熱反応させるものであって、低エネルギー電磁波周波数可変型の低エネルギー電磁波発振ユニット2と、低エネルギー電磁波を反応系に導くための低エネルギー電磁波伝送ユニット3と、反応原料に低エネルギー電磁波を照射する耐圧型の低エネルギー電磁波照射ユニット4とを備えて構成されている。
<低エネルギー電磁波発振ユニットの説明>
低エネルギー電磁波発振ユニット2は、0.03〜300GHz帯の全部または一部の帯域の周波数の低エネルギー電磁波を出力するものであって、この低エネルギー電磁波を出力するための低エネルギー電磁波発生器としては、マグネトロン、クライストロン等の発振管方式や各種半導体方式が存在するが、いずれの方式を用いることも可能である。但し、出力される低エネルギー電磁波の可変周波数帯域を広く取ることが可能な半導体方式は、特に好ましい。なお、出力される低エネルギー電磁波の周波数の可変帯域は特に限定はされないが、0.5GHz程度以上の帯域幅を出力制御できることが好ましい。
この低エネルギー電磁波発振ユニット2において、可変周波数帯域の中の任意の周波数に設定制御された低エネルギー電磁波は、低エネルギー電磁波伝送ユニット3を通じて低エネルギー電磁波照射ユニット4に伝送される。
<低エネルギー電磁波伝送ユニットの説明>
低エネルギー電磁波伝送ユニット3は、低エネルギー電磁波発振ユニット2から出力された低エネルギー電磁波を実質的に減衰することなく低エネルギー電磁波照射ユニット4まで伝送できることが肝要であり、そのための伝送路として導波管あるいは同軸線路が一般的である。いずれの伝送方法を用いるかは特に限定されないが、導波管の場合には物理的に伝送不可能となるカットオフ周波数が存在するために伝送できる周波数が限定されるが、同軸線路ではこの制約が無いので低エネルギー電磁波伝送ユニット3として、より好ましい。
<低エネルギー電磁波照射ユニットの説明>
低エネルギー電磁波照射ユニット4は、上下方向に延設される円筒状の外部導体5と、この外部導体5の中心部で上下方向に延設される丸棒状の内部導体6とよりなる同軸構造を呈し、これによって幅広い周波数範囲の低エネルギー電磁波を当該低エネルギー電磁波照射ユニット4内へ導入可能とされている。
外部導体5の下部における内周面は、下方に向かって径方向内向きに傾く傾斜面部7と、この傾斜面部7から下方に延びて内部導体6と一定の間隙を存する円筒面部8とを有し、円筒面部8と内部導体6との間の開口部を含む部分が低エネルギー電磁波伝送ユニット接続口9とされ、この低エネルギー電磁波伝送ユニット接続口9に低エネルギー電磁波伝送ユニット3が接続されている。
外部導体5の下部において、内部導体6との間隙に例えばフッ素樹脂等を典型とする適当形状の絶縁体10が充填されている。
外部導体5の上端部には、内部導体6の上端面から所定の間隙を存してエンドプレート11が装着されている。
<反応原料充填スペースの説明>
低エネルギー電磁波照射ユニット4において、絶縁体10の上方における内部導体6と外部導体5との間隙空間が、反応原料を充填するための反応原料充填スペース12とされる。
<インピーダンス調整ブロックの説明>
反応原料の充填に際しては、絶縁体10と反応原料との境界面の形状に起因する低エネルギー電磁波照射不良が生起する可能性がある。そこで、このような不都合を回避、抑制するために、絶縁体10と同一もしくは近似した材料からなる円錐状あるいは半球状のインピーダンス調整ブロック13を絶縁体10上に布置することが好ましい。このインピーダンス調整ブロック13の配置により、低エネルギー電磁波が円滑に反応原料側に伝送、吸収されることになり、絶縁体10と反応材料との境界面での反射波の増大等の照射不良が抑制されることになる。
<低エネルギー電磁波照射ユニットでの反応例の説明>
低エネルギー電磁波伝送ユニット3を通じて伝送された低エネルギー電磁波は、反応原料が充填された低エネルギー電磁波照射ユニット4内に導かれ、反応原料に照射されることになる。ここで実施される反応の種類は特に限定されることは無く任意である。但し、水あるいは有機溶媒等を用いた各種溶液反応、またはこれらの溶媒中に固形物が混在したスラリー反応等は、特に好ましい反応例である。これらの反応においては、低エネルギー電磁波の照射によって温度が上昇すると、溶媒の蒸気圧が上昇して蒸発が活発化する。このような蒸発による溶媒の散逸を抑止するため、低エネルギー電磁波照射ユニット4は耐圧型の気密構造を有する。低エネルギー電磁波照射ユニット4の耐圧即ち使用できる最高圧力は例えば1MPa以上であることが好ましく、10MPaであれば更に好ましい。
低エネルギー電磁波照射ユニット4内の反応原料充填スペース12へは、空隙が少なくなるように原料を可能な限り多く充填することが望ましい。なぜなら、空気等で構成される気相空間の増大は、低エネルギー電磁波照射不良を引き起こす恐れがあるからである。したがって、低エネルギー電磁波照射の面からは気相空間をゼロもしくは小さくすることが肝要である。ところが、反応操作の面からは、この気相空間が無いもしくは小さいことは非常に好ましくない。なぜなら、低エネルギー電磁波照射によって反応原料が昇温すると、それに伴って熱膨張あるいは蒸気発生等が生起する結果、低エネルギー電磁波照射ユニット4内の圧力が上昇するのは不可避である。この場合、気相空間が小さいほど圧力上昇が大きくなる、即ち低エネルギー電磁波照射ユニット4内の圧力が過剰に高くなる恐れがある。このような過剰圧力に至る状況を回避するためには、低エネルギー電磁波照射ユニット4内の気相空間をなるべく大きくとることが肝要である。結局、気相空間の大きさは低エネルギー電磁波照射面と反応操作面とで矛盾する結果となり、このままでは適正な形状が存在しないことになってしまう。
<低エネルギー電磁波反射板の説明>
そこで、本実施形態では、低エネルギー電磁波照射ユニット4の内部に低エネルギー電磁波反射板14が布置されている。
低エネルギー電磁波反射板14は、低エネルギー電磁波全量を反射させる機能を有するものであり、ステンレス鋼等の金属材料でここでは円盤状のものが用いられる。
低エネルギー電磁波反射板14は、低エネルギー電磁波伝送ユニット接続口9とエンドプレート11との間の任意の位置に設置可能である。但し、低エネルギー電磁波反射板14の効果を十分に発揮させるためには、反応原料の充填面とこの低エネルギー電磁波反射板14との位置が極力近い方が好ましい。すなわち、低エネルギー電磁波照射ユニット4において、低エネルギー電磁波反射板14より下側の部分が実質的に反応原料の充填された液相部、そして低エネルギー電磁波反射板14より上側の部分が気相部という状況が好ましい。そして、このとき、液相部と気相部との圧力を同一に保つために、低エネルギー電磁波反射板14には、図1(b)に示されるように、小孔15が複数開けられる。なお、小孔15については、低エネルギー電磁波反射板14の上側に低エネルギー電磁波が漏洩することが無いように、適宜、その大きさ、位置、個数等が決定される。
<作用効果の説明>
以上に述べたように構成される低エネルギー電磁波反応装置1においては、低エネルギー電磁波発振ユニット2で0.03〜300GHzの周波数範囲の任意の低エネルギー電磁波が発生、増幅される。ここで発生された低エネルギー電磁波が低エネルギー電磁波伝送ユニット3を通じて低エネルギー電磁波照射ユニット4に伝送される。この低エネルギー電磁波照射ユニット4において、反応原料は、反応原料充填スペース12に充填されるが、インピーダンス調整ブロック13あるいは低エネルギー電磁波反射板14の効果によって、低エネルギー電磁波がより効果的に反応原料に照射されることになる。一方、低エネルギー電磁波反射板14とエンドプレート11との間の空間は気相部であり、この気相部は低エネルギー電磁波反射板14に穿設された複数の小孔15を通じて反応原料液相部と連通している。そのため、反応原料部が昇温して圧力上昇が生起してもこの気相部が圧力バッファとしての緩衝機能を発揮し、低エネルギー電磁波照射ユニット4内の急激な圧力上昇等を回避することができる。
〔第2の実施形態〕
図2には、本発明の第2の実施形態に係る低エネルギー電磁波反応装置を模式的に表わす図で、要部縦断面図(a)および(a)のB−B線断面図(b)がそれぞれ示されている。
なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一または同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては本実施形態に特有の部分を中心に説明することとする(第3の実施形態についても同様)。
本実施形態のマイクロ波反応装置1Aにおいては、低エネルギー電磁波照射ユニット4の下部に、反応原料充填スペース12へ反応原料を供給するための反応原料供給管16が設けられるとともに、低エネルギー電磁波照射ユニット4の上部に、反応原料充填スペース12から反応原料を抜き出すための反応原料抜出管17が設けられている。
本実施形態の低エネルギー電磁波反応装置1Aによれば、反応原料供給管16を介して反応原料充填スペース12に反応原料が供給され、低エネルギー電磁波照射ユニット4で所定の周波数の低エネルギー電磁波が照射された後、加熱反応後の反応原料が反応原料充填スペース12から反応原料抜出管17を介して外部へと抜き出されるので、低エネルギー電磁波照射ユニット4に対して反応原料を連続的に給排することができ、より効率良く反応物質を得ることができる。
〔第3の実施形態〕
図3には、本発明の第3の実施形態に係る低エネルギー電磁波反応装置を模式的に表わす要部縦断面図が示されている。
本実施形態の低エネルギー電磁波反応装置1Bにおいては、低エネルギー電磁波照射ユニット4の下部に、反応原料充填スペース12へ反応原料を供給するための反応原料供給管16が設けられるとともに、低エネルギー電磁波照射ユニット4の上端部に装着されたエンドプレート11に反応原料充填スペース12から反応原料を抜き出すための反応原料抜出管17が設けられている。
また、先の各実施形態では設けられていた低エネルギー電磁波反射板14が省略されて、低エネルギー電磁波反射板14とエンドプレート11との間に設けられていた気相部が設けられていない。
また、本実施形態では、内部導体6がエンドプレート11に当接される位置まで延設されている。
本実施形態の低エネルギー電磁波反応装置1Bによれば、反応原料供給管16を介して反応原料充填スペース12に反応原料が供給され、低エネルギー電磁波照射ユニット4で所定の周波数の低エネルギー電磁波が照射された後、加熱反応後の反応原料が反応原料充填スペース12から反応原料抜出管17を介して外部へと抜き出されるので、第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、本実施形態の低エネルギー電磁波反応装置1Bによれば、エンドプレート11に反応原料抜出管17が設けられているので、この反応原料抜出管17を含む下流側部分が圧力バッファとしての緩衝機能を発揮し、先の各実施形態では低エネルギー電磁波反射板14によってエンドプレート11との間に区画形成されていた気相部を設けなくても、低エネルギー電磁波照射ユニット4内の急激な圧力上昇等を回避することができ、装置の簡素化を図ることができる。
以上、本発明の低エネルギー電磁波反応装置について、複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、各実施形態に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
次に、本発明による低エネルギー電磁波反応装置の具体的な実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図4には、低エネルギー電磁波反応装置のシミュレーションの装置条件を説明する図で、インピーダンス調整ブロックがない場合(a)およびインピーダンス調整ブロックがある場合(b)がそれぞれ示されている。また、図5には、低エネルギー電磁波反応装置のシミュレーション結果を説明する図で、反射率を比較するグラフ(a)および電界強度の分布図(b)がそれぞれ示されている。
図4(a)(b)に示される装置条件で、反応原料として蒸留水とマレイン酸の混合溶液を用い、低エネルギー電磁波反応装置のシミュレーションを行った。
図5(a)に示されるように、周波数1.1GHz〜2.7GHzにおいて、インピーダンス調整ブロック13がない場合には、反射率S11が50%程度であるのに対し、インピーダンス調整ブロック13がある場合には、反射率S11が10%以下であり、同図(b)に示されるように、インピーダンス調整ブロック13がない場合と比べてインピーダンス調整ブロック13がある場合の方が、低エネルギー電磁波がより円滑に反応原料側に伝送、吸収されており、インピーダンス調整ブロック13を設けることにより、反射率S11を大幅に低減することができて、絶縁体10と反応原料との境界面での反射波の増大等の照射不良を抑制することができる。
本発明の低エネルギー電磁波反応装置は、幅広い周波数帯の低エネルギー電磁波を反応原料に効果的に照射することができるという特性を有していることから、低エネルギー電磁波加熱による種々の化学反応等の用途に好適に用いることができる。
1 低エネルギー電磁波反応装置
2 低エネルギー電磁波発振ユニット
3 低エネルギー電磁波伝送ユニット
4 低エネルギー電磁波照射ユニット
5 外部導体
6 内部導体
9 低エネルギー電磁波伝送ユニット接続口
10 絶縁体
11 エンドプレート
12 反応原料充填スペース
13 インピーダンス調整ブロック
14 低エネルギー電磁波反射板
15 小孔
16 反応原料供給管
17 反応原料抜出管

Claims (2)

  1. 低エネルギー電磁波を反応原料に照射してその反応原料を加熱反応させる低エネルギー電磁波反応装置であって、
    0.03〜300GHz帯の全部または一部の帯域の周波数の低エネルギー電磁波を出力する低エネルギー電磁波周波数可変型の低エネルギー電磁波発振ユニットと、
    前記低エネルギー電磁波発振ユニットから出力された低エネルギー電磁波を伝送する低エネルギー電磁波伝送ユニットと、
    反応原料を充填するための反応原料充填スペースを有し、この反応原料充填スペースに充填された反応原料に対し、前記低エネルギー電磁波伝送ユニットからの低エネルギー電磁波を照射する低エネルギー電磁波照射ユニットと備え
    前記低エネルギー電磁波照射ユニットは、同軸構造を呈する内部導体と外部導体とを有し、これら内部導体と外部導体との間隙に反応原料が充填され、
    前記低エネルギー電磁波照射ユニットにおける内部導体と外部導体との間隙に、円錐状もしくは半球状のインピーダンス調整ブロックが挿入されることを特徴とする低エネルギー電磁波反応装置。
  2. 前記低エネルギー電磁波照射ユニットの内部に、1個以上の小孔を有し、低エネルギー電磁波を反射する低エネルギー電磁波反射板が布置される請求項1記載の低エネルギー電磁波反応装置。
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