WO2010032436A1 - 4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸を含有する抗腫瘍剤 - Google Patents

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  • Compound 1 of the present invention is a known RAR ⁇ selective agonist compound represented by 4-[[3,5-bis (trimethylsilyl) benzoyl] amino] benzoic acid, and has an antitumor effect on many cancers such as liver cancer and lung cancer. (J. Clin. Oncol. 2002, 20 (16), 3522-3532, Japanese Patent No. 27601033).
  • sorafenib or a salt thereof and compound 1 or a salt thereof are administered together. Therefore, a preparation containing sorafenib or a salt thereof and compound 1 or a salt thereof as active ingredients is useful as an antitumor agent.
  • sorafenib or a salt thereof formulated as described above and a drug containing Compound 1 or a salt thereof are separately packaged, and are administered from each package at the time of administration.
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Abstract

 顕著な抗腫瘍効果を示すソラフェニブの新規併用療法を提供する。  ソラフェニブ又はその塩と、4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸又はその塩を組み合わせてなる抗腫瘍剤。

Description

4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸を含有する抗腫瘍剤
 本発明は、ソラフェニブ又はその塩と4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸又はその塩を含有する新規な抗腫瘍剤に関する。
 癌遺伝子rafの産物であるrafキナーゼタンパク質は、成長因子受容体のシグナルをMAPキナーゼカスケードに伝達し、その活性化を介して癌細胞の増殖を促すものである。Insulin-like Growth Factor-II(IGF-II)は肝癌をはじめ多くの癌細胞で発現が増加している特徴的な増殖因子であり、その受容体であるI型IGF受容体のシグナル増加によってrafキナーゼカスケードが活性化していることが知られている。生体由来のrafキナーゼ阻害タンパク質の減少は発癌を促進することが知られている。また、代表的な血管新生因子であり、癌治療標的のひとつとされているVascular Endothelial Growth Factor(VEGF)の発現増加は肝癌患者の予後不良性と相関することが報告されている。故にrafキナーゼとVEGFRキナーゼの阻害作用を併せ持つ多種キナーゼ阻害薬であるN-(4-クロロ-3-(トリフロロメチル)フェニル)-N’-(4-(2-(N-メチルカルバモイル)-4-ピリジルオキシ)フェニル)尿素(以下、ソラフェニブ)は腎癌及び肝癌に対する治療薬として承認されている(特許文献1、非特許文献1)。
 また、さらなる抗腫瘍効果を得るために、ソラフェニブ又はその塩とゲムシタビン又はドキソルビシン等の他の抗腫瘍剤を併用する試みも行われている(特許文献2及び3、非特許文献2及び3)。
 しかしながら、これまでに満足のいく抗腫瘍効果は得られておらず、より強力な抗腫瘍効果を示すソラフェニブ又はその塩の新規併用療法が強く望まれている。
特許第3845792号公報 特表2005-511658号公報 国際公開第2006/125539号パンフレット
Nature Reviews Drug Discovery.2006;5(10):835-44. Annals of Oncology.2006;17(5):866-873. Clinical Cancer Research.2006;12(1):144-51.
 本発明は、顕著な抗腫瘍効果を示すソラフェニブ又はその塩の新規な併用療法を提供することに関する。
 本発明者はこのような現状に鑑み、より患者の生存期間延長に寄与する癌治療法を開発すべくソラフェニブ又はその塩と他の抗腫瘍剤を組み合わせた新規な併用療法に関して研究を重ねた結果、RARα選択的作動性化合物である4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸(以下、「化合物1」とも称する。)をソラフェニブ又はその塩に併用することにより、相乗的な抗腫瘍効果が得られること、しかも当該抗腫瘍効果は、ゲムシタビン又はドキソルビシンなどとの公知の併用療法による抗腫瘍効果より顕著に優れたものであることを見出した。
 化合物1は、従来ソラフェニブとの併用による相乗的な抗腫瘍効果が確認された薬剤とは異なる作用機序を有する薬剤であり、ソラフェニブと当該化合物1との併用が従来の抗腫瘍剤の併用と比較してより強い抗腫瘍効果を奏することは驚くべきことである。
 すなわち本発明は、以下の1)~6)の発明に係るものである。
 1)ソラフェニブ又はその塩と、4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸又はその塩を組み合わせてなる抗腫瘍剤。
 2)配合剤である上記1)の抗腫瘍剤。
 3)ソラフェニブ又はその塩を含有してなる薬剤と4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸又はその塩を含有してなる薬剤からなるキットである上記1)又は2)の抗腫瘍剤。
 4)抗腫瘍剤を製造するための、ソラフェニブ又はその塩と、4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸又はその塩との組み合わせの使用。
 5)ソラフェニブ又はその塩と、4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸又はその塩とを組み合わせて患者に投与することを特徴とする癌の治療方法。
 6)ソラフェニブ又はその塩と、4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸又はその塩とを同時にあるいは間隔を空けて別々に投与する上記5)の癌の治療方法。
 本発明のソラフェニブ又はその塩と化合物1又はその塩からなる抗腫瘍剤は、従来の抗腫瘍剤の併用と比較して顕著に高い抗腫瘍効果、例えば腫瘍体積の減少や腫瘍成長の停滞などを奏する。従って、本発明の抗腫瘍剤を用いることにより、より長い生存期間を得ることができる。
ソラフェニブと化合物1の併用治療効果を示すグラフ。 ソラフェニブとドキソルビシンの併用治療効果を示すグラフ。 ソラフェニブとゲムシタビンの併用治療効果を示すグラフ。
 本発明のソラフェニブは、N-(4-クロロ-3-(トリフロロメチル)フェニル)-N’-(4-(2-(N-メチルカルバモイル)-4-ピリジルオキシ)フェニル)尿素で示される公知化合物であり、RafキナーゼやVEGFRキナーゼを阻害することにより、肝癌や腎臓癌などの癌種に対し抗腫瘍効果を奏することが知られている。
 ソラフェニブの塩としては、薬学的に許容される塩であれば特に制限されず、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、1-ナフタレンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、サリチル酸、フェニル酢酸、およびマンデル酸のような無機酸および有機酸の塩が例示でき、p-トルエンスルホン酸の塩が好ましい。
 ソラフェニブ又はその塩は、公知の方法、例えば特許第3845792号公報に記載の方法により製造でき、さらにネクサバール(登録商標、バイエル薬品株式会社製)等の市販医薬品を用いてもよい。
 本発明の化合物1は、4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸で示される公知のRARα選択的作動性化合物であり、肝癌や肺癌など多くの癌腫に抗腫瘍効果を奏することが知られている(J.Clin.Oncol.2002,20(16),3522-3532、特許第2761023号公報)。
 化合物1の塩としては、薬学的に許容される塩であれば特に制限されず、例えばナトリウム、カリウム、カルシウムのような金属塩、アンモニウム塩及びメチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、アルギニン、リジンのような有機酸の塩が例示できる。
 化合物1又はその塩は、公知の方法、例えば特許第2761023号公報に記載の方法により製造できる。
 後述する実施例のとおり、ソラフェニブ又はその塩と化合物1又はその塩を併用投与することにより、単剤投与した場合よりも顕著に強い抗腫瘍効果を発揮する。従って、ソラフェニブ又はその塩と化合物1又はその塩を有効成分として含有する製剤は抗腫瘍剤として有用である。
 本発明の抗腫瘍剤によって治療できる癌としては特に制限されるものではなく、例えば、肝臓癌、腎臓癌、頭頸部癌、食道癌、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝臓癌、胆のう・胆管癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮頚癌、子宮体癌、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣腫瘍、骨・軟部肉腫、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、皮膚癌、脳腫瘍、中皮腫等が挙げられ、好ましくは肝臓癌、腎臓癌、肺癌である。
 本発明の抗腫瘍剤は、配合剤として、上記ソラフェニブ又はその塩と化合物1又はその塩のそれぞれの有効量を適当な配合比において一の剤型に製剤化したもの(1剤型形態)でも、同時に又は間隔を空けて別々に使用できるように上記各成分のそれぞれの有効量を含有する薬剤を単独に製剤化したもの(2剤型形態)であってもよい。
 上記製剤の投与形態としては特に制限は無く、治療目的に応じて適宜選択でき、具体的には経口剤(錠剤、被覆錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤など)、注射剤、坐剤、貼付剤、軟膏剤等が例示できる。ソラフェニブ又はその塩と化合物1又はその塩は、異なる投与形態であっても同一の投与形態であってもよい。
 本発明におけるソラフェニブ又はその塩、及び/又は化合物1又はその塩を含有する製剤は、薬理学的に許容される担体を用いて、通常公知の方法により調製することができる。斯かる担体としては、通常の薬剤に汎用される各種のもの、例えば賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、pH調整剤、緩衝剤、安定化剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を例示できる。
 賦形剤としては、例えば、乳糖、ショ糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、マルトース、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、イノシトール、デキストラン、ソルビトール、アルブミン、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、メチルセルロース、グリセリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム及びこれらの混合物等が挙げられる。滑沢剤としては、例えば、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール及びこれらの混合物等が挙げられる。結合剤としては、例えば、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、エチルセルロース、水、エタノール、リン酸カリウム及びこれらの混合物等が挙げられる。崩壊剤としては、例えば、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖及びこれらの混合物等が挙げられる。希釈剤としては、例えば、水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類及びこれらの混合物等が挙げられる。安定化剤としては、例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、チオグリコール酸、チオ乳酸及びこれらの混合物等が挙げられる。等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、ホウ酸、ブドウ糖、グリセリン及びこれらの混合物等が挙げられる。pH調整剤及び緩衝剤としては、例えば、クエン酸ナトリウム、クエン酸、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム及びこれらの混合物等が挙げられる。無痛化剤としては、例えば、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン及びこれらの混合物等が挙げられる。
 尚、上記製剤中におけるソラフェニブ又はその塩、及び化合物1又はその塩の配合量は、一般には、製剤中にソラフェニブ又はその塩がソラフェニブ換算量で1~1000mg、化合物1又はその塩が0.001~1000mgであるのが好ましい。
 本発明の抗腫瘍剤をキットとする場合、以上のごとく製剤化されたソラフェニブ又はその塩、及び化合物1又はその塩を含有してなる薬剤をそれぞれ別個にパッケージして、投与時にそれぞれのパッケージから各々の医薬品製剤を取り出して使用するように設計することができる。また、それぞれの医薬品製剤を、1回毎の併用投与に適した形態でパッケージしておくこともできる。
 本発明におけるソラフェニブ又はその塩、及び化合物1又はその塩の投与量は、ソラフェニブ又はその塩、及び化合物1又はその塩が相乗的に抗腫瘍効果を発揮し有効に癌を治療できる量であれば特に制限されず、患者の年齢、癌種、病期、転移の有無、治療暦、他の抗腫瘍剤の有無などにより適宜設定されるが、ソラフェニブ又はその塩はソラフェニブ換算量で約1~5000mg/dayが、化合物1又はその塩は約0.05~5000mg/dayが例示でき、ソラフェニブ又はその塩はソラフェニブ換算量で約50~2000mg/dayが、化合物1又はその塩は約0.1~1000mg/dayが好ましい。
 本発明におけるソラフェニブ又はその塩、及び化合物1又はその塩の投与順序や投与間隔は、相乗効果が得られる範囲であれば特に制限されない。また、キットとする場合は、それぞれ単独の製剤を、同時に或いは間隔を空けて投与してもよい。
 以下に薬理試験例及び比較例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。しかしながら、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
 下記試験例における各薬剤投与のための溶媒としては、化合物1には0.5%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学)を、ソラフェニブには2.5%ジメチルアセトアミド(和光純薬)、7.5%クレモフォール(ナカライテスク)、及び90%の0.1N塩酸(和光純薬)混液を使用した。化合物1は1週間分を調製し、遮光、冷蔵保存した。ソラフェニブは毎回使用時に秤量し、投与液を調製した。また、IGF-II及びRARαを高発現しているヒト肝癌細胞JHH-7はASF培地104(味の素)を用い、CO2インキュベーターにて継代・維持された。薬効試験動物はBALB/cA Jcl-nu雄性ヌードマウス(日本クレア株式会社)を用いた。
[薬理試験例1]ソラフェニブと化合物1の併用治療効果
 RARα高発現細胞であるヒト肝細胞癌JHH-7株を1×106個(0.02mL)ずつ、ネンブタール麻酔下にある雄性ヌードマウスの肝外側左葉に移植した。移植後11日に腫瘍生着の指標として、血液中のα-fetoprotein(AFP)を定量(Diagnostic Automation Inc.,Cat.No.:5106-16)し平均AFP値が均一となるよう、一群7匹として無作為層化割付による群分けを行った。化合物1及びソラフェニブを14日間連日1日1回経口投与した。化合物1はマウスにおける有効性が確認できる無毒性最小量である2mg/kgを投与し、ソラフェニブは臨床最大投与量である400mg投与時に近い血中濃度に到達する10mg/kgを投与した。投与開始15日にエーテル麻酔下による放血致死の後、肝外側左葉に形成された腫瘍を摘出し腫瘍重量を計測した。下式から腫瘍増殖率(%)を算出し、薬剤未投与Control群の平均腫瘍重量を100%とした時の各薬剤投与群のT/C値を算出し抗腫瘍効果の指標とした。単独剤投与群の統計的有意性はWelchの両側検定により、併用による効果相乗作用の統計有意性は、Welchの両側検定によるinter-section union testにより判定した。
 腫瘍増殖率(%)=T/C×100
  T:被検化合物投与群の平均腫瘍重量
  C:被検化合物を投与しなかった群の平均腫瘍重量
 結果を図1に示す。ソラフェニブ単独剤投与群、化合物1単独剤投与群のT/C値はそれぞれ65%、51%でControl群に比べ有意な治療効果が確認された。一方、ソラフェニブと化合物1の併用群ではT/C値は22%に達した。併用群の治療効果はそれぞれの単独剤投与群と比べても統計的に有意であり、明らかな効果相乗作用が確認された。なお、この併用効果は臨床で使用されているトシレート塩でも同様であることを確認した。
[比較例1]ソラフェニブとドキソルビシンの併用治療効果
 薬理試験例1と同様に、ヒト肝細胞癌JHH-7株を1×106個(0.02mL)ずつ、ネンブタール麻酔下にある雄性ヌードマウスの肝外側左葉に移植し、移植後11日に一群7匹の割付を行い治療実験を開始した。ドキソルビシンはマウスの最大耐用量である10mg/kgを単回静脈内投与した。ソラフェニブは14日間連日1日1回経口投与し、投与開始15日にエーテル麻酔下による放血致死の後、肝外側左葉に形成された腫瘍を摘出し腫瘍重量を計測し、薬理試験例1と同様の判定を行った。
 結果を図2に示す。本試験ではソラフェニブ単独剤投与群、ドキソルビシン単独剤投与群のT/C値はそれぞれ62%、70%であった。一方、ソラフェニブとドキソルビシンを併用してもT/C値は65%であり、治療効果はソラフェニブ単独剤投与群と変わらなかった。また統計的にも有意性を確認できず、明らかな効果相乗作用は認められなかった。
[比較例2]ソラフェニブとゲムシタビンの併用治療効果
 薬理試験例1と同様にヒト肝細胞癌JHH-7株を1×106個(0.02mL)ずつ、ネンブタール麻酔下にある雄性ヌードマウスの肝外側左葉に移植し、移植後11日に一群7匹の割付を行い、治療実験を開始した。ゲムシタビンはマウスの最大耐用量である120mg/kgを3日間隔で計4回腹腔内投与した。ソラフェニブは14日間連日1日1回経口投与し、投与開始15日にエーテル麻酔下による放血致死の後、肝外側左葉に形成された腫瘍を摘出し腫瘍重量を計測し、薬理試験例1と同様の判定を行った。
 結果を図3に示す。本試験ではソラフェニブ単独剤投与群、ゲムシタビン単独剤投与群のT/C値はそれぞれ60%、47%であった。ソラフェニブとゲムシタビンの併用群のT/C値は38%であった。ソラフェニブとドキソルビシンの併用と同様に明らかな効果相乗作用は認められなかった。

Claims (6)

  1.  ソラフェニブ又はその塩と、4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸又はその塩を組み合わせてなる抗腫瘍剤。
  2.  配合剤である請求項1記載の抗腫瘍剤。
  3.  ソラフェニブ又はその塩を含有してなる薬剤と4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸又はその塩を含有してなる薬剤からなるキットである請求項1又は2記載の抗腫瘍剤。
  4.  抗腫瘍剤を製造するための、ソラフェニブ又はその塩と、4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸又はその塩との組み合わせの使用。
  5.  ソラフェニブ又はその塩と、4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸又はその塩とを組み合わせて患者に投与することを特徴とする癌の治療方法。
  6.  ソラフェニブ又はその塩と、4-[[3,5-ビス(トリメチルシリル)ベンゾイル]アミノ]安息香酸又はその塩とを同時にあるいは間隔を空けて別々に投与する請求項5記載の癌の治療方法。
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