WO2009147739A1 - 放射線検出器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、従来の放射線検出器の製造方法は、工程数が多く、煩雑であるという問題点がある。従来の放射線検出器のシンチレータとライトガイドは、異なる種類の熱硬化性樹脂を硬化させて製造される。そして、研削・研磨されたライトガイド54の一面と、余分な熱硬化性樹脂が除去されたシンチレータ52の一面とが光学接着剤を介して当接されるわけである。
すなわち、本発明に係る放射線検出器の製造方法は、放射線を蛍光に変換するシンチレータ結晶が接着されて構成されたシンチレータと、蛍光を授受するライトガイドと、蛍光を検出する光検出器とが光学的に結合して構成される放射線検出器の製造方法において、第1硬化性樹脂を硬化させることによりライトガイドを製造するライトガイド製造工程と、シンチレータ結晶を配列することによりシンチレータ結晶が接着する前の仮組体を製造する仮組体製造工程と、鉛直方向に向いて形成された肉抜き部を有する接着用容器の肉抜き部に仮組体を配置する仮組体配置工程と、硬化前の第2硬化性樹脂を肉抜き部に流し込んで仮組体を沈没させる第2硬化性樹脂流し込み工程と、肉抜き部から露出した仮組体が有する1面を覆うようにライトガイドを載置して、ライトガイドと仮組体の1面との隙間に第2硬化性樹脂を介在させるライトガイド載置工程と、第2硬化性樹脂を硬化させてシンチレータ結晶が互いに接着されたシンチレータを製造するとともに、シンチレータとライトガイドとを接着させる第2硬化性樹脂硬化工程と、ライトガイドと光検出器とを光学的に結合させる結合工程とを備えることを特徴とするものである。
すなわち、本発明に係る放射線検出器の製造方法は、放射線を蛍光に変換するシンチレータ結晶が接着されて構成されたシンチレータと、蛍光を授受するライトガイドと、蛍光を検出する光検出器とが光学的に結合して構成される放射線検出器の製造方法において、第2硬化性樹脂を硬化させることによりシンチレータ結晶を互いに接着させてシンチレータを製造するシンチレータ製造工程と、鉛直方向に開口が備えられた型枠の開口に硬化前の第1硬化性樹脂を流し込む第1硬化性樹脂流し込み工程と、開口を覆うようにシンチレータを載置することにより、シンチレータの鉛直下向きの一面を第1硬化性樹脂に浸潤させるシンチレータ載置工程と、第1硬化性樹脂を硬化させてライトガイドを製造するとともに、シンチレータとライトガイドとを結合させる第1硬化性樹脂硬化工程と、ライトガイドと光検出器とを光学的に結合させる結合工程とを備える構成としてもよい。
2 シンチレータ
2p 仮組体
3 光検出器
4 ライトガイド
8 熱硬化性樹脂(第1硬化性樹脂)
11 シンチレータ結晶
20 接着用容器
20a 肉抜き部
21 光学接着剤(第2硬化性樹脂)
22 シンチレータジグ
24 ライトガイドジグ
図6は、実施例1に係る光学部材枠体製造工程を説明する斜視図である。実施例1に係る光学部材枠体6を製造するには、第1光学部材4aをy方向に配列させる。この第1光学部材4aは、図6に示すように、その長手方向はx方向に沿っており、短手方向はz方向に沿っており、厚さ方向はy方向に沿っている短冊状の部材である。また、この第1光学部材4aには、z方向に沿った溝5aを複数有している。単一の第1光学部材4aに注目すると、溝5aは、略等間隔に並んでおり、かつ溝5aの開口部は、z方向について同一方向に設けられている。また、図6に示すように、第2光学部材4bの長手方向はy方向に沿っており、短手方向はz方向に沿っており、厚さ方向はx方向に沿っている短冊状の部材である。また、この第2光学部材4bには、z方向に沿った溝5bを複数有している。単一の第2光学部材4bに注目すると、溝5bは、略等間隔に並んでおり、かつ溝5bの開口部は、z方向について同一方向に設けられている。光学部材枠体製造工程S1においては、第2光学部材4bをz方向に沿って第1光学部材4aに近接させることにより、両光学部材4a,4bの溝5a,および溝5bとを互いに嵌合させる。こうして、第2光学部材4bがx方向に配列されるとともに、第1光学部材4aと、第2光学部材4bとが一体化され、図4に示すような両光学部材4a,4bが格子状に配列された光学部材枠体6が製造される。
次に、この光学部材枠体6を型枠7にはめ込む。この光学部材枠体はめ込み工程S2の説明に先立って、型枠7の構成について説明する。図7は、実施例1に係る型枠の構成を説明する斜視図である。実施例1に係る型枠7には、z方向上向きに開口7aが備えられている。この開口7aは、z方向から見たとき、矩形となっており、そのz方向の深さは、実施例1に係るライトガイドのz方向の厚さと略同一となっている。なお、開口7aのz方向についての底部は、平面状の閉塞端面7bとなっており、その閉塞端面7bには、硬化したライトガイド4を型枠7から取り外すための押し込み栓などを設けていてもよい。そして、型枠7は、例えばフッ素樹脂で構成することができる。
続いて、開口7aに液体の第1熱硬化性樹脂を流し込む。図8に示すように、液体の熱硬化性樹脂8がz方向から型枠7の開口7aに向けて流し込まれる。この熱硬化性樹脂8は、硬化前であるので液状であり、容易に開口7aを満たすことができる。そして、この熱硬化性樹脂8は、予め脱泡処理がなされたものであり、かつ、硬化すると蛍光を透過させるよう、透明な固形樹脂となる。なお、この第1硬化性樹脂流し込み工程S3において、開口7aにはめ込まれた光学部材枠体6は、この熱硬化性樹脂8に沈没することになる。したがって、光学部材枠体6のz方向における上端は、熱硬化性樹脂8で覆われている。そして、型枠7全体で見れば、熱硬化性樹脂8は、表面張力によって開口7aから盛り上がっている。なお、熱硬化性樹脂は、本発明の第1硬化性樹脂に相当する。具体的には、例えば、エポキシ系樹脂、またはアクリル系樹脂を使用することができる。
そして、型枠7を所定温度に保たれたオーブンに入庫させ、熱硬化性樹脂8を硬化させる。そのあと、ライトガイド4を引き抜いて型枠7から離型させる。このライトガイド4における光を授受する面には、メニスカスの形状が固化されているので、ライトガイド4の蛍光を授受する面を研削・研磨することで、放射線検出器1に搭載できるライトガイド4が形成される。この様に、本発明のライトガイド製造工程は、光学部材枠体製造工程、光学部材枠体はめ込み工程、第1硬化性樹脂流し込み工程、およびライトガイド硬化工程とを備えている。
次に、開口10aにシンチレータ結晶11とを挿入することにより、シンチレータ結晶層2Aを形成する。開口10aのz方向の深さは、シンチレータ結晶11のz方向の高さと略同一となっている。ところで、シンチレータ用枠体9の互いに隣接する第1反射板rの離間距離は、挿入されるシンチレータ結晶11のy方向における長さの2倍であり、シンチレータ用枠体9の互いに隣接する第2反射板sの離間距離は、挿入されるシンチレータ結晶11のx方向における長さの2倍となっている。この工程において、シンチレータ結晶11は、シンチレータ用枠体9が分割する各区画にはめ込まれるので、シンチレータ結晶11は、互いに隣接する第1反射板rの間に2個、互いに隣接する第2反射板sの間に2個づつ挿入され、図11に示すように、開口10aはシンチレータ結晶11で埋め尽くされる。このとき、開口10a全体で見れば、x方向、およびy方向に32個分だけシンチレータ結晶11が2次元的に配列していることになる。
次に、図17に示すようにzに向いて形成された肉抜き部20aを有する接着用容器20の肉抜き部20aに硬化前の光学接着剤21を予め流し込んでおく。この接着用容器20は、シンチレータ2のz方向の高さと略同一の肉抜き部20aを有しており、そのzx面、およびxz面に沿った断面はU型となっている。また、この肉抜き部20aの深さは、仮組体2pのz方向の高さと略同一となっている。また、接着用容器20の先端面には、複数のダボ穴20cが設けられている。このダボ穴20cは、鉛直方向から見て矩形となっている肉抜き部20aの2辺に沿ってL型に配列されている(図19参照)。また、肉抜き部20aには、光学接着剤21が流し込まれる前に離型剤が塗布されている。なお、光学接着剤21は、例えば、シリコン系、またはエポキシ系の接着剤で、本発明の第2硬化性樹脂に相当する。
次に、図19に示すように、ライトガイドジグ24を接着用容器20の上端に載置する。ライトガイドジグ24は、x方向に伸びた第1部24aとy方向に伸びた第2部24bとがL型に結合されて構成されたジグである。したがって、ライトガイドジグ24をz方向(鉛直方向)から見たとき、L型となっている。このライトガイドジグ24の第1部24aと第2部24bとには鉛直下向きに伸びたダボ部24cを有している。ライトガイドジグ24を接着用容器20に載置する際、このダボ部24cは、接着用容器20の上端に設けられたL型に配列されているダボ穴20cに嵌合することになる。
そして、図19に示すように、接着用容器20の肉抜き部20aから露出した仮組体2pが有する上面を覆うようにライトガイド4を載置させる。仮組体2pは、光学接着剤21に沈没していることからすると、仮組体2pの上面は、光学接着剤21で浸潤されていることになる。この状態で、仮組体2pの上面を覆うようにライトガイド4が載置されると、ライトガイド4の鉛直下向きの一面と仮組体2pの上面との隙間に光学接着剤21の膜が介在されることになる。このとき、ライトガイド4の仮組体2pに対する位置決めは、ライトガイドジグ24によってなされる。すなわち、図20に示すように、接着用容器20に載置されたライトガイド4をx方向に伸びた一面24xと、y方向に伸びた他面24yに当接するように摺動させることにより、これをx方向、およびy方向からライトガイドジグ24に当接するようにライトガイド4を誘導する。ライトガイドジグ24は、L型となっていることからすると、仮組体2pに対するライトガイド4の相対的な位置がx方向、およびy方向の両方について一括的に決定されることになる。なお、x方向、y方向は、本発明の、第1方向、第2方向のそれぞれに相当する。
そして、光学接着剤21を硬化させる。すると、肉抜き部20aの内部では、シンチレータ結晶が3次元的に結合されたシンチレータ2が製造される。これと同時に、シンチレータ2とライトガイド4との介在する位置に存する光学接着剤21も硬化し、シンチレータ2とライトガイド4とが光学的に接着して結合することになる。この様に、実施例1に係る放射線検出器1の製造方法によれば、シンチレータ2が製造されたときには、既にシンチレータ2とライトガイド4とが光学的に結合している。
ライトガイド4とシンチレータ2とが接着された時点で、ライトガイドジグ24を接着用容器20から取り外し、ライトガイド4を接着用容器20の上面に露出させる。そして、ライトガイド4を持ち手としてシンチレータ2を接着用容器20の肉抜き部20aから引き抜く。そして、ライトガイド4が光検出器3とシンチレータ2に挟まれるように光検出器3をライトガイド4に接近させ、両者3,4を光学接着剤を介して光学的に結合する。こうして、実施例1に係る放射線検出器1は、完成となる。
次に、図23に示すように、シンチレータジグ22を型枠27に載置する。シンチレータジグ22は、x方向に伸びた第1部22aとy方向に伸びた第2部22bとがL型に結合されて構成されたジグである。したがって、シンチレータジグ22をz方向(鉛直方向)から見たとき、L型となっている。このシンチレータジグの第1部22aと第2部22bには鉛直下向きに伸びたダボ部22cを有している。シンチレータジグ22を型枠27に載置する際、このダボ部22cは、型枠27の上端に設けられたダボ穴27cに嵌合することになる。
そして、型枠27の開口27aを覆うようにシンチレータ2を載置することにより、シンチレータ2とライトガイド4との隙間に熱硬化性樹脂8を介在させる。このとき、ライトガイド4のシンチレータ2に対する位置決めは、図24に示すように、シンチレータジグ22によってなされる。すなわち、型枠27に載置されたライトガイド4を摺動させて、これをx方向、およびy方向からシンチレータジグ22のzx平面となっている第1面22xと、yz平面となっている第2面22yとの各々に当接するようにシンチレータ2を誘導する。シンチレータジグ22は、L型となっていることから、シンチレータ2に対するライトガイド4の相対的な位置が、x方向およびy方向の両方について一括的に決定されることになる。なお、x方向、y方向は、本発明の、第1方向、第2方向のそれぞれに相当する。
そして、熱硬化性樹脂8を硬化させる。すると、開口27aの内部では、光を授受するライトガイド4が製造される。これと同時に、シンチレータ2とライトガイド4との介在する位置に存する熱硬化性樹脂8も硬化し、シンチレータ2とライトガイド4とが光学的に接着して結合することになる。この様に、実施例2に係る放射線検出器1の製造方法によれば、ライトガイド4が製造されたときには、既にシンチレータ2とライトガイド4とが光学的に結合している。
ライトガイド4とシンチレータ2とが接着された時点で、シンチレータジグ22を型枠27から取り外し、シンチレータ2を型枠27の上面に露出させる。そして、シンチレータ2を持ち手として、ライトガイド4を型枠27の開口27aから引き抜く。そして、ライトガイド4が光検出器3とシンチレータ2に挟まれるように光検出器3をライトガイド4に接近させ、両者3,4を光学接着剤を介して光学的に結合する。こうして、実施例1に係る放射線検出器1は、完成となる。
Claims (8)
- 放射線を蛍光に変換するシンチレータ結晶が接着されて構成されたシンチレータと、前記蛍光を授受するライトガイドと、前記蛍光を検出する光検出器とが光学的に結合して構成される放射線検出器の製造方法において、
第1硬化性樹脂を硬化させることにより前記ライトガイドを製造するライトガイド製造工程と、
前記シンチレータ結晶を配列することにより前記シンチレータ結晶が接着する前の仮組体を製造する仮組体製造工程と、
鉛直方向に向いて形成された肉抜き部を有する接着用容器の前記肉抜き部に前記仮組体を配置する仮組体配置工程と、
硬化前の第2硬化性樹脂を前記肉抜き部に流し込んで前記仮組体を沈没させる第2硬化性樹脂流し込み工程と、
前記肉抜き部から露出した前記仮組体が有する1面を覆うように前記ライトガイドを載置して、前記ライトガイドと前記仮組体の1面との隙間に前記第2硬化性樹脂を介在させるライトガイド載置工程と、
前記第2硬化性樹脂を硬化させて前記シンチレータ結晶が互いに接着された前記シンチレータを製造するとともに、前記シンチレータと前記ライトガイドとを接着させる第2硬化性樹脂硬化工程と、
前記ライトガイドと前記光検出器とを光学的に結合させる結合工程とを備えることを特徴とする放射線検出器の製造方法。 - 請求項1に記載の放射線検出器の製造方法において、前記ライトガイドと前記仮組体との相対的な位置を決定するライトガイドジグを前記接着用容器に載置するライトガイドジグ載置工程を更に備えることを特徴とする放射線検出器の製造方法。
- 請求項2に記載の放射線検出器の製造方法において、前記ライトガイドジグは、鉛直方向から見たとき第1方向、および、第2方向に伸びたL型となっており、前記ライトガイドと前記仮組体との相対的な位置を前記第1方向、および、前記第2方向について決定することを特徴とする放射線検出器の製造方法。
- 放射線を蛍光に変換するシンチレータ結晶が接着されて構成されたシンチレータと、前記蛍光を授受するライトガイドと、前記蛍光を検出する光検出器とが光学的に結合して構成される放射線検出器の製造方法において、
第2硬化性樹脂を硬化させることにより前記シンチレータ結晶を互いに接着させて前記シンチレータを製造するシンチレータ製造工程と、
鉛直方向に開口が備えられた型枠の前記開口に硬化前の第1硬化性樹脂を流し込む第1硬化性樹脂流し込み工程と、
前記開口を覆うように前記シンチレータを載置することにより、前記シンチレータの鉛直下向きの一面を前記第1硬化性樹脂に浸潤させるシンチレータ載置工程と、
前記第1硬化性樹脂を硬化させて前記ライトガイドを製造するとともに、前記シンチレータと前記ライトガイドとを結合させる第1硬化性樹脂硬化工程と、
前記ライトガイドと前記光検出器とを光学的に結合させる結合工程とを備えることを特徴とする放射線検出器の製造方法。 - 請求項4に記載の放射線検出器の製造方法において、前記シンチレータと前記ライトガイドとの相対的な位置を決定するシンチレータジグを前記型枠に載置するシンチレータジグ載置工程を更に備えることを特徴とする放射線検出器の製造方法。
- 請求項5に記載の放射線検出器の製造方法において、前記シンチレータジグは、鉛直方向から見たとき第1方向、および、第2方向に伸びたL型となっており、前記シンチレータと前記ライトガイドとの相対的な位置を前記第1方向、および、前記第2方向について決定することを特徴とする放射線検出器の製造方法。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の放射線検出器の製造方法において、前記シンチレータは、前記シンチレータ結晶が3次元的に配列されて構成されたものであることを特徴とする放射線検出器の製造方法。
- 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の放射線検出器の製造方法において、前記第1硬化性樹脂と前記第2硬化性樹脂は、互いに異なる材料から選択されることを特徴とする放射線検出器の製造方法。
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