明細書 現像ローラ及びその製造 法、 プロセスカートリッジ、 電子写真画像形成装置 技術分野
本発明は、 複写機、 プリン夕あるいはファクシミリの受信装置など電子写真 方式を採用した電子写真画像形成装置に使用される現像ローラおよびその製造 方法に関する。
また、 本発明は、 当該現像ローラを用いたプロセスカートリッジ及び電子写 真画像形成装置に関する。 背景技術
電子写真装置の画像の現像方法として接触現像法が知られている。 接触現像 法においては、 感光ドラムに形成された静電潜像は、 該感光ドラムに当接して いる現像ローラの表面に担持され、 現像領域に搬送された現像剤によって現像 される。
このような現像法に用いる現像装置は、 現像剤を収納している現像剤容器と 現像ローラとを備えている。 更に、 現像ローラに当接して配置され、 該現像剤 容器内の現像剤を現像ローラに供給する現像剤供給ローラ、 および現像ローラ の表面に現像剤の薄膜を形成し、 現像ローラ表面の現像剤量を一定とする現像 ブレードを有している。
現像ローラはその表面が現像ブレードによって摺擦される。 そのため、 現像 ローラの表面には高い靭性 (toughness) が求められる。 現像ローラの表面が靭 性に乏しい場合、 現像ローラを長期にわたって使用したときに、 現像ローラの 表面が削られて、 画像不良を招くことがある。 一方、 現像ローラの表面には現 像剤を過度に押し潰すことが無いような柔軟性が求められている。 現像ローラ
の表面が硬い場合、 現像剤が現像ローラによって押し潰され、 現像ローラを長 期間にわたって使用したときに、 現像ローラの表面に現像剤の融着 (フイルミ ング)が生じることがある。そして当該フィルミングは、画像に「かぶり」 (fog) を生じさせることがある。 以上の理由から、 現像ローラの表面層の構成材料と して、 高い靭性を有し、 かつ、 柔軟な表面層を与えるポリウレタン樹脂が多用 されている。
日本特許公開 2 0 0 6— 2 5 1 3 4 2は、 ベースゴム層と、 該ベースゴム層 上に設けられたポリウレタン樹脂を含む表面層を備えた現像ロールに関するも のである。 そして、 当該日本特許公開は、 該表層を特定のポリエーテル系ポリ オールと、 ジイソシァネートと、 芳香族系 2官能鎖延長剤とを含み、 電子導電 剤を含まない樹脂組成物で形成し、 それによつて該表層への低融点トナーの耐 付着性を改善した発明を開示している。
また、 日本特許公開 2 0 0 5— 1 4 1 1 9 2は、 導電性弾性層と、 その上に 設けられたポリウレタン樹脂を含む導電性表面層とを有する現像ローラに関す るものである。 当該日本特許公開は、 該導電性表面層を特定のポリウレタンボ リオ一ルプレポリマ一とイソシァネート化合物とからなるウレタン原料から形 成することにより、 低温低湿環境下での画像濃度の低下、 高温高湿環境下での 該導電性表面層の剥れを防止した発明を開示している。
ところで、 近年、 このようなポリウレタン樹脂を含む表面層を具備した現像 ローラに対して、 電子写真分野においては、 従来は要求されることのなかった 極めて過酷な環境においても安定した性能を発揮することが要求されてきてい る。 すなわち、 未使用のプロセスカートリッジにおいては、 現像ローラと現像 ブレードとは、 現像剤を介在させて常時接触している。 これは、 プロセスカー トリッジの保管している間に現像ローラに現像ブレードが貼り付いてしまうこ とを防ぐためである。しかし、 このような状態にあるプロセスカートリッジを、 温度 4 0で、 湿度 9 5 % R Hといった高温高湿環境に長期間放置したときに、
現像ローラと現像ブレードの当接部に介在させていた現像剤が、 現像ローラ表 面に固着してしまうことがあった。 この固着した現像剤は、 当該プロセスカー トリッジが電子写真画像形成装置に装着されて電子写真画像の形成に供された 後にも現像ローラの表面に固着し続け、 電子写真画像にバンディングと称され ているスジ状の欠陥を生じさせてしまうことがあった。 このような欠陥はハ一 フトーン画像において特に顕著に生じ得る。一方、現像ローラには、温度 1 0 、 湿度 1 4 % R Hといつた低温低湿環境において電子写真画像の形成を行つた場 合に生じることのある現像剤のフィルミングに起因するかぶり (以降、単に「か ぶり」 と記す) を抑制することが求められてきている。 発明の開示
そこで、 本発明は、 下記 (1 ) 及び (2 ) の課題を高いレベルで達成するこ とのできる現像ローラの製造方法を提供することを目的とする。
( 1 ) 現像ローラと現像ブレードとを現像剤を介在させて当接させたプロセス カートリッジを温度 4 0で、 湿度 9 5 %の環境に長期放置した際に生じること のある当該現像剤の現像ローラの表面への固着の改善 (以降、 単に 「現像剤の 固着」 ともいう)。
( 2 ) 温度 1 0 、 湿度 1 4 % R Hの環境での長期の電子写真画像の形成に使 用したときに生じることのある 「かぶり」 の改善。
また本発明の他の目的は、 高品位な電子写真画像を安定して出力できる電子 写真画像形成装置及びそれに用いられるプロセスカートリッジを提供すること である。
本発明にかかる現像ローラの製造方法は、 軸芯体と、 該軸芯体の外周に樹脂 層とを有し、 該樹脂層の外周に表面層を有する現像ローラの製造方法において、 カーボンブラック、 下記の成分 (a ) 及び下記の成分 (b ) を含む混合物を 硬化させて、 該表面層を形成する工程を有することを特徴とする。
( a ) 数平均分子量が 6 5 0以上 1 0 0 0以下のポリテトラメチレングリコー ル (P TM G) と 4, 4 '―ジフエニルメタンジイソシァネートとの反応物で あって、 重量平均分子量が 8 0 0 0以上 1 2 0 0 0以下のジオール;
( b )数平均分子量が 7 0 0以上 2 0 0 0以下のポリプロピレングリコール(P P G) とポリメリックジフエ二ルメタンジイソシァネートとの反応物であって、 少なくとも末端にイソシァネート基を有し、 平均官能基数 3 . 0以上 3 . 5以 下であり、 かつ、 重量平均分子量が 2 5 0 0 0以上 6 0 0 0 0以下のイソシァ ネート化合物。
また、 本発明にかかる現像ローラは、 上記の方法によって製造されたことを 特徴とする。
また、 本発明にかかるプロセスカートリッジは、 上記構成の現像ローラを備 え、 該現像ローラが、 電子写真装置本体に着脱可能に構成されていることを特 徵とするプロセスカートリッジである。
更に、 本発明にかかる電子写真画像形成装置は、 電子写真感光体と、 該電子 写真感光体に対向して配置されている現像ローラとを備え、 該現像ローラが上 記構成の現像ローラであることを特徴とする電子写真画像形成装置である。 本発明によれば、 上記 (1 )、 ( 2 ) の課題を髙ぃレベルで達成することので きる現像ローラが得られる。 また本発明によれば、 多様な環境の下でも安定し て、 高品位な電子写真画像を提供することのできるプロセスカートリッジ及び 電子写真画像形成装置が得られる。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の現像ローラの一例を示す概念図である。
図 2は、 本発明の現像ローラの一例の断面を示す概念図である。
図 3は、 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図 4は、 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明者らは、 現像ローラの表面層に用いるポリウレタン樹脂について鋭意 研究を行った。
すなわち、 本発明者らは、 「かぶり」 を改善するために、 ポリウレタン樹脂の 柔軟化について検討した。 一般的には、 ポリウレタン樹脂を柔軟化することに よって 「かぶり」 は良化すると言われてきた。 そして、 ポリウレタン樹脂を柔 軟にする通常の方法として、 ポリウレ夕ン樹脂の原料であるポリオール化合物 およびイソシァネート化合物の分子量を増加させ、 架橋密度を低下させる手法 がある。 しかし、 本発明者らの検討によれば、 このような手法によって柔軟化 したポリウレタン樹脂を用いて表面層を柔軟化するだけでは 「かぶり」 を十分 には抑制できないことを見出した。 そして、 本発明者らは、 ポリウレタンの原 料であるポリオール化合物およびイソシァネート化合物の構成、 それらの分子 量、 官能基数などが、 温度 10で、 湿度 14%RHという過酷な環境における 「かぶり」 の発生に密接に関係していることを見出した。
以下、 具体的に説明する。
本発明に係る現像ローラの表面層は、 下記 (a) 及び (b) を反応させたポ リウレ夕ン樹脂を含む。
(a) 数平均分子量が 650以上 1000以下のポリテトラメチレングリコ一 ル (PTMG) と 4, 4 'ージフエニルメタンジイソシァネートとの反応物で あって、 重量平均分子量が 8000以上 12000以下のジオール。
(b)数平均分子量が 700以上 2000以下のポリプロピレングリコール(P PG) とポリメリックジフエニルメタンジイソシァネートとの反応物であって、 少なくとも末端にイソシァネート基を有し、 平均官能基数 3. 0以上 3. 5以 下であり、 かつ、 重量平均分子量が 25000以上 60000以下のイソシァ ネート化合物。
まず、 プレボリマ一としてのジオール化合物 (成分 (a)) の原料として、 特 定の分子量範囲のポリテトラメチレングリコール (PTMG) を使用が 「かぶ り」 の低減に有効であるとの結果が得られた。 すなわち、 PTMGの分子量が 大きすぎても小さすぎても 「かぶり」 の抑制が難しかった。 さらに、 PTMG と反応させるイソシァネートを 4, 4 'ージフエニルメタンジイソシァネート (MD I) としたときに 「かぶり」 の改善に効果があることがわかった。
また、 これらを反応させて得られるジオール化合物の分子量が大きすぎても 小さすぎても 「かぶり」 の制御が難しいことが明らかになった。 PTMGゃジ オール化合物の分子量が小さくなると、 ポリウレ夕ン樹脂が硬くなるために、 耐久フィルミングかぶりの抑制が困難になることが予想される。 一方、 PTM Gゃジオール化合物の分子量が大きくなると、 ポリウレ夕ン樹脂が柔軟になる ために 「かぶり」 の抑制に有利になると予想される。
しかし、 本発明者らの検討では、 PTMGゃジオール化合物の分子量が大き すぎると 「かぶり」 の防止効果が得られないという結果になった。 つまり、 「か ぶり」 を抑制するために、 PTMGゃジオール化合物の分子量に最適範囲が存 在することを見出した。
また、 本発明者らは、 PTMGと反応させてプレボリマー化する際に用いる イソシァネートについても、 MD Iを用いると、 「かぶり」 の防止に特異的に有 効であるという全く予想外の結果をも得た。 このような結果が得られた理由に ついては、 現時点では完全には解明できていないが、 PTMGと MD Iからな るポリオ一ル化合物を表面層の樹脂形成に用いることで、 分子スケールでの現 像剤へのストレス緩和に寄与しているのではないかと本発明者らは推測してい る。
次に、本発明者らは、プレボリマーとしてのイソシァネー卜化合物(成分(b)) に関して検討を行った。 その結果、 イソシァネート化合物も、 「かぶり」 の発生 に大きく影響することが明らかになった。このような知見に基き、上記成分( b )
として記載した特定のイソシァネート化合物が選択された。 具体的には、 イソ シァネート化合物の原料として、 特定の分子量範囲のポリプロピレングリコ一 ル (P P G)を用いることが、 「かぶり」 を抑制する上で特に有効であった。 すな わち、 P P Gの分子量が大きすぎても小さすぎても、 「かぶり」 の抑制が困難で あった。 さらに、 P P Gに反応させるイソシァネートがポリメリックジフエ二 ルメタンジイソシァネート (P -MD I ) のときが最も 「かぶり」 の抑制に効果 があることが明らかになった。 これらを反応させて得られる末端にイソシァネ 一ト基を有するポリエーテルポリウレタンの分子量に関しても、 大きすぎても 小さすぎても 「かぶり」 の制御が難しいことが明らかになった。 末端にイソシ ァネート基を有するポリエーテルポリウレタンの分子量を大きくすると、 得ら れるポリウレタン樹脂が柔軟になるので 「かぶり」 の防止に有効であると予想 される。 しかし、 該分子量が大きすぎると、 「かぶり」 の抑制効果が得られず、 該分子量の範囲に最適な範囲が存在することが、 本発明者らの検討により初め て明らかになった。
更に、 本発明にかかるプレボリマー (成分 (b ) ) をイソシァネート化合物と して用いることによって、 現像剤の固着が格段に良化することも判明した。 か かるイソシァネート化合物を用いて形成したポリウレタン樹脂を表面層に含有 させることで、 従来の技術では達成が困難であった 「かぶり」 の抑制と、 現像 剤の固着の抑制とを両立できた。 その詳細なメカニズムは明らかではない。 し かし、 本発明に係るポリウレタン樹脂は、 高温高湿下において現像剤と現像口 ーラの表面との間に働く分子間力の増加を制御しているものと考えられる。 図 1は、 本発明にかかる現像ローラの斜視図であり、 図 2は、 図 1に示した 現像ローラの回転軸に直交する方向に切断したときの断面図である。 図 1及び 図 2に示したとおり、 現像ローラ 1は、 円柱状または中空円筒状の導電性の軸 芯^: 2と、 その外周面に形成された榭脂層 3と、 その外周面に形成された表面 層 4とを有する。表面層 4は、少なくとも、力一ボンブラックと、以下(a)、 (b)
の特徴を有する化合物を混合したものを熱硬化させて、 表面層を形成する工程 を有する製造方法により製造できる。
( a ) 数平均分子量が 6 5 0以上 1 0 0 0以下のポリテトラメチレングリコ —ル (P TM G) と 4, 4 'ージフエニルメタンジイソシァネートとの反応物 であって、 重量平均分子量が 8 0 0 0以上 1 2 0 0 0以下のジオール;
( b ) 数平均分子量が 7 0 0以上 2 0 0 0以下のポリプロピレングリコール ( P P G) とポリメリックジフエニルメタンジイソシァネートとの反応物であ つて、末端にィソシァネート基を有し、平均官能基数 3 . 0以上 3 . 5以下であり、 かつ重量平均分子量が 2 5 0 0 0以上 6 0 0 0 0以下であるイソシァネ一ト化 合物。
以下、 本発明について更に詳細に説明する。
<導電性軸芯体 2 >
導電性軸芯体 2は、 現像ローラ 1の電極および支持部材として機能する。 そ の材質としては、 アルミニウム、 銅合金、 ステンレス鋼等の金属または合金; クロム、 ニッケル等で鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂などが挙 げられる。 軸芯体の外径は通常 4〜 1 0 mmの範囲である。
ぐ樹脂層 3 >
樹脂層 3の樹脂基材としては、 具体的には、 以下のものを挙げることができ る。
ポリウレタン、 天然ゴム、 ブチルゴム、 二トリルゴム、 イソプレンゴム、 ブ夕 ジェンゴム、 シリコーンゴム、 スチレン一ブタジエンゴム、 エチレン一プロピ レンゴム、 エチレン一プロピレン一ジェンゴム、 クロロプレンゴム、 アクリル ゴム。
これらは 1種または 2種以上を組み合わせて用いることができる。 これらの うち、 圧縮永久歪みが小さいシリコーンゴムが好ましい。 シリコーンゴムの例 を以下に挙げる。
ポリジメチルシロキサン、 ポリメチルトリフルォロプロピルシロキサン、 ポリ メチルビニルシロキサン、 ポリフエ二ルビニルシロキサン、 これらポリシロキ サンの共重合体等。
また、 これらの 1種を、 あるいはこれらの 2種以上を必要に応じて組み合わせ て用いてもよい。
樹脂層 3に導電性を付与するために用いる導電性物質としては、 電子導電性 物質、 およびイオン導電性物質から選ばれる少なくとも一方を用いることがで きる。 電子導電性物質としては、 ケッチェンブラック E C、 アセチレンブラッ ク等の導電性カーボン; S A F、 I S A F、 HA F、 F E F、 G P F、 S R F、 F T、 MT等のゴム用力一ボン;酸化処理を施したカラ一インク用カーボン; 銅、 銀、 ゲルマニウム等の金属;及び当該金属の酸化物が挙げられる。 これら の導電性物質は 1種を、 あるいはこれらの 2種以上を組み合わせて用いること ができる。 これらのうち、 少量で導電性を制御しやすいことから導電性カーボ ン、 ゴム用力一ボン、 カラ一インク用力一ボン等の力一ボンブラックが好まし い。
イオン導電性物質としては、 過塩素酸ナトリウム、 過塩素酸リチウム、 過塩 素酸カルシウム、 塩化リチウム等の無機化合物;変性脂肪族ジメチルアンモニ ゥムェトサルフェート、 ステアリルアンモニゥムァセテー卜が挙げられる。 これら導電性物質は、 樹脂層 3を所望とする体積抵抗率にするのに必要な量 で用いられる。 導電性物質は、 例えば、 樹脂基材 1 0 0質量部に対して 0 . 5 〜 5 0質量部、 好ましくは 1〜3 0質量部の範囲で用いられる。 また、 樹脂層 3の体積抵抗率は 1 X 1 0 3 Ω c m以上 1 x 1 0 1 3 Ω c m以下、 より好ましくは l x 1 0 4 Ω c m以上 l x 1 0 1 2 Ω c m以下である。
樹脂層 3の製造方法としては以下の方法が挙げられる。 適宜接着剤などを塗 布した導電性軸芯体 2の外周に樹脂層 3を形成する。 樹脂層 3の形成方法の一 例としては、 導電性軸芯体 2を配した成型金型のキヤビティ内に樹脂層 3成形
用の組成物を注入し、 加熱や、 活性エネルギー線の照射等により反応硬化また は固化させ、 導電性軸芯体 2と一体化して作製する方法がある。 また予め、 榭 脂層 3成形用組成物を用いて別途成形したスラブゃブ口ックから、 切削加工等 により、 所定の形状及び寸法のチューブ状を切り出し、 これに導電性軸芯体 2 を圧入して軸芯体 2上に樹脂層 3を作製してもよい。 さらに、 樹脂層 3を切削 や研磨処理によつて所定の外径に調整してもよい。
<表面層 4 >
表面層 4は、 力一ボンブラックと、 ポリエーテルポリウレタン樹脂を含み、 該ポリエーテルポリウレタン樹脂は、 先に挙げた成分 (a ) と成分 (b ) を含 む熱硬化性混合物を熱硬化させたものである。
成分(a ) としてのジオール化合物は、 分岐構造を持たない数平均分子量(M n ) が 6 5 0以上、 1 0 0 0以下の P TM Gを、 MD Iで鎖延長したものであ る。 以降、 当該ジオールをポリエーテルポリウレタンポリオ一ルともいう。 ポリウレタン樹脂の長所である耐磨耗性、 機械的強度を保持したまま柔軟化 するためには、 エーテル系ポリウレタン、 特に P TM Gを主鎖に有するポリウ レタンが最も好適である。 しかし単に架橋密度を低下させ、 ソフトセグメント の分子量を増加するだけでは多量の未反応成分が残存する場合がある。 未反応 成分は現像ローラをカートリッジに組み込んで高温高湿下に長期放置する際、 現像ブレード圧接部において現像ローラ表面に染み出し、 現像剤を固着させる —因になる。 この現像剤の固着に対して、 P TM Gを MD Iで鎖延長した場合 には優れた固着防止効果を発揮できる。
P TM Gの M nが 6 5 0未満であると、 硬度の上昇に伴い 「かぶり」 の悪化 を生じさせる場合がある。 また P TM Gの M nが 1 0 0 0を超えると、 未反応 成分の残存量が増加し、 染み出しによる 「かぶり」 の悪化と現像剤の固着の促 進を起こす場合がある。
得られたポリエーテルポリウレ夕ンポリオールは官能基数 2、 すなわちジォ
—ルであり、 重量平均分子量 (Mw) を 8 0 0 0以上、 1 2 0 0 0以下とする 必要がある。 官能基数が 2より大きくなると、 ポリウレタン樹脂の架橋密度が 上昇して、 「かぶり」 を悪化させることがある。 また、 ポリエーテルポリウレ夕 ンポリオールの Mwを 8 0 0 0以上、 1 2 0 0 0以下の範囲にすることで 「か ぶり」 の発生が抑制され、 高品位の画像を得ることができる。
上記 P TMGゃポリエーテルゥレ夕ンポリオールの合成方法は、 特に制限が なく、 公知の有機合成手段を用いることができる。 また、 これらの分子量制御 に関しても、 反応時間や反応温度をコントロールするなど、 公知の手法を用い ることができる。
また、 成分 (a) と成分 (b) とを含む熱硬化性混合物には、 成分 (a) 以 外のポリオール化合物 (成分 (c)) を更に添加してもよい。 成分 (c) として は、 ポリエステルポリオール、 ポリ力一ポネートポリオ一ル、 ポリエーテルポ リオ一ル、 ポリオレフインポリオールなどが挙げられる。 特に、 ポリエーテル ポリオールは、 ポリオール化合物 (a) との相溶性に優れていることから、 好 ましく用いられる。
また、 ポリオール化合物 (a) の含有量を、 全ポリオール化合物に対して、 7 6質量%以上にすることが好ましい。 成分 (a) の含有量は固形分の質量計算 において下記式で表される。
成分 (a) 含有量 = (成分 (a) の質量) I (成分 (a) の質量 +成分 (c) の質量) X 1 0 0 (%)
成分 (b) は、 分岐構造を持たない数平均分子量 (Mn) が 7 0 0以上、 2 0 0 0以下の??0を、 P— MD Iで鎖延長した、 末端にイソシァネート基を 有するポリエーテルポリウレ夕ンである。
「かぶり」 の制御と、 現像剤担持体の表面への現像剤の固着の抑制の両立に 対しては、 イソシァネートの影響が大きい。 すなわち、 特定の範囲の分子量を 有する P PGと P-MD Iを組み合わせることによって、 柔軟だが現像剤が固着
しないという特異な性能を発揮する。 P PGの Mnが 700未満であると、 ポ リウレ夕ン樹脂の硬度の上昇に伴って 「かぶり」 を悪化させることがある。 ま た PPGの Mnが 2000を超えると、 未反応成分の残存量が増加し、 染み出 しによる耐久フィルミングかぶりの悪化と現像剤の固着を促進する場合がある。 得られた成分 (b) は平均官能基数が 3. 0以上 3.5以下であり、 重量平均分 子量 (Mw) を 25000以上、 60000以下にする必要がある。 平均官能 基数を 3. 0以上 3.5以下の範囲にすることにより、 耐久フィルミングかぶり の防止と現像剤の固着防止の両立に非常に有効である。 また、 Mwを2500 0以上、 60000以下の範囲にすることで高品位の画像を得ることができる。 また、 イソシァネート化合物 (b) の末端のイソシァネート基は、 公知の有機 材料でブロックトイソシァネートの形態にしても使用できる。
上記 PPGやイソシァネート化合物の合成方法は、 特に制限がなく、 公知の 有機合成手段を用いることができる。 また、 これらの分子量制御に関しても、 反応時間や反応温度をコントロールするなど、 公知の手法を用いることができ る。
前記熱硬化性混合物における、 イソシァネート化合物 (b) の割合は、 32 質量%以上、 42質量%以下とすることが好ましい。 ここで、 ポリウレ夕ン樹 脂の構成比としてのイソシァネート化合物 (b) の質量%とは、 固形分の質量 計算において、 以下のように定義される。
イソシァネート化合物 (b) の質量%= {イソシァネート化合物 (b) の質 量 Z (ポリオール化合物の質量 +イソシァネート化合物 (b) の質量) } X I 0
0 (%)o
ここで、 ポリオール化合物の質量とは、 ジオール化合物 (a) を単独で使用 した場合はジオール化合物 (a) の質量を指す。 また、 他のポリオール化合物 (c) を併用した場合は、 ジオール化合物 (a) と他のポリオール化合物 (c) の質量の合計量 [(a) + (c)] を指す。
表面層 4はカーボンブラックを含有することが必要である。 力一ポンプラッ クは表面層 4に導電性を付与し耐磨耗性を向上させると同時に、 高温高湿環境 に長期放置することによる現像剤の固着を発生しにくくする。 表面層 4に添加 する力一ポンプラックの例を以下に示す:ケッチェンブラック EC、 ァセチレ ンブラック等の導電性カーボン; SAF、 I SAF、 HAF、 FEF、 GPF、 SRF、 FT、 MT等のゴム用力一ボン;酸化処理を施したカラーインク用力 一ボン等。
また、 上記したカーボンブラックの複数を必要に応じて組み合わせて用いる ことができる。
カーボンブラックの表面層 4中の含有量は、 ポリエーテルポリウレタン樹脂 100質量部に対して、 3質量部以上、 50質量部以下が好ましい。 特に好ま しくは 10質量部以上、 30質量部以下である。 これらのカーボンブラックを 添加することにより、 現像ローラの体積抵抗率を 1 X 103Qcm以上、 1x1 013Qcm以下、 より好ましくは 1x104Ω cm以上、 lxl 012Qcm以下に 調整する。
表面層 4には、 現像剤の安定した搬送性を得るために、 必要に応じて粗し粒 子を添加しても良い。 粗し粒子としては、 以下の材料からなるものを好適に用 いることができる。
EPDM、 NBR、 SBR、 CR、 シリコーンゴムの如きゴム粒子;ポリス チレン、 ポリオレフイン、 ポリ塩化ビニル、 ポリウレタン、 ポリエステル、 ポ リアミド系の熱可塑性エラストマ一 (TPE) の如きエラストマ一の粒子; P MMA、 ウレタン樹脂、 フッ素樹脂、 シリコーン樹脂、 フエノール樹脂、 ナフ 夕レン樹脂、 フラン樹脂、 キシレン樹脂、 ジビニルベンゼン重合体、 スチレン ージビニルベンゼン共重合体、 ポリアクリロニトリル樹脂の如き樹脂粒子。 こ れらの粒子は単独または組み合わせて用いることができる。
また、 これらの粒子の好ましい平均粒径としては 1 /zm以上、 30 m以下
のものが好ましい。 より好ましくは 3 i m以上、 2 0 /z m以下のものである。 これらの粒子の平均粒径は、 任意に抽出した粒子 1 0 0個を光学顕微鏡用いて 粒径を測定し、 そこから導きだされる平均値とする。 また、 形状が真球状でな く、 一律に粒径が特定されない場合には、 最長径と最短径をそれぞれ測定し、 その単純平均値を平均粒径とする。
現像ローラの表面粗さは、 J I S B 0 6 0 1 : 2 0 0 1による R zが 2 m以上、 2 5 m以下になるように調整することが好適である。 ょリ好ましく は 5 t m以上、 1 5 m以下である。 なお、 本発明における現像ローラの R z の測定には、 接触式表面粗さ計サーフコーダ一 S E 3 5 0 0 (小坂研究所製) を用いることができる。 測定条件として、 カットオフ値を 0 . 8 mm、 測定長 さを 2 . 5 mm、 送りスピードを 0 . 1 mmZ秒、 倍率を 5 0 0 0倍とする。 現像ローラ 1本あたり任意の 9ケ所の表面粗さ R zを測定し、 得られた铆定値 の相加平均値を現像ローラの R zとする。
本発明は、 前記表面層 4が、 少なくとも前記力一ボンブラックと、 前記ポリ オール化合物 (a) と前記イソシァネート化合物 (b ) を混合したものを熱硬化 させて、 表面層 4を形成する行程がある製造方法に係るものである。 表面層 4 の製造方法に関して更に詳しく述べる。 ポリオール化合物 (a)、 イソシァネ一 ト化合物 (b )、 力一ボンブラックは、 あらかじめポールミル等を用いて攪拌、 混練し、 表面層成形用組成物を得る。 得られた表面層成形用組成物を、 上記樹 脂層 3の表面にスプレー、 デイツビング、 ロールコート等の塗工により塗膜を 形成し、 その後熱硬化する。 このとき、 ポリオール化合物 (a) とイソシァネ一 ト化合物 (b ) の反応を完結させるために 1 3 0で以上 1 6 0 以下で 1時間 以上 4時間以下の時間で熱硬化することが好ましい。
く分子量の測定〉
数平均分子量 (M n ) 及び重量平均分子量 (Mw) の測定に用いた装置、 並 びに条件は以下の通りである。
•測定機器: HLC— 8 12 OGPC (東ソ一社製)
'カラム: TSKg e l S u p e r HM— M (東ソ一社製) x2本
•溶媒: THF
'温度: 40
· THFの流速: 0. 6mlZmi n
尚、 測定サンプルは、 0. 1質量%の丁11?溶液とした。 更に、 検出器とし て R I (屈折率)検出器を用いた。検量線の作成には以下の標準試料を用いた: TSK標準ポリスチレン A— 1000、 A— 2500、 A_ 5000、 F— 1、 F— 2、 F_4、 F— 10、 F— 20、 F— 40、 F— 80、 F- 128 (東 ソ一社製)。
そしてこれを基に得られた測定サンプルの保持時間から各分子量を求めた。
(プロセスカートリッジ、 電子写真画像形成装置)
本発明にかかるプロセスカートリッジは、 上記構成の現像ローラを備え、 電 子写真装置本体に着脱可能に構成されていることを特徴とするプロセスカート リッジである。 また、 本発明にかかる電子写真画像形成装置は、 電子写真感光 体と、 該電子写真感光体に対向して配置されている現像ローラとを備え、 該現 像ローラが上記構成の現像ローラであることを特徴とする電子写真画像形成装 置である。
電子写真画像形成装置としては、 少なくとも下記の部材並びに装置を備えた 電子写真画像形成装置を挙げることができる。
•静電潜像を担持するための像担持体、
•像担持体を一次帯電するための帯電装置、
•一次帯電された像担持体に静電潜像を形成するための露光装置、
•静電潜像を現像剤により現像して現像剤像を形成するための現像装置、 ·現像剤像を転写材に転写するための転写装置を有する電子写真画像形成装置。 図 3は、 本発明の電子写真画像形成装置の概略を示す断面図である。
図 4は、 図 3の画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジの拡大断面 図である。 像担持体としての感光ドラム 2 1は、 不図示のバイアス電源に接続 された帯電部材 2 2によって一様に帯電される。 この時の帯電電位は— 4 0 0 Vから— 8 0 0 V程度である。 次に感光ドラム 2 1は、 静電潜像を書き込むた めの露光手段 2 3により、 その表面に静電潜像が形成される。 露光手段 2 3に は、 L E D光、 レーザ光のいずれも使用することができる。 露光された部分の 感光ドラム 2 1の表面電位は— 1 0 0 Vから— 2 0 0 V程度である。 次に、 画 像形成装置本体に対し着脱可能なプロセス力一トリッジに内蔵された現像ロー ラ 1 によって、 負極性に帯電した現像剤が静電潜像に付与 (現像) され、 静電 潜像が可視像に変換される。 このとき、 現像ローラ 1 には不図示のバイアス電 源によって— 3 0 0 Vから— 5 0 0 V程度の電圧が印加される。
次に、 感光ドラム 2 1上で現像された現像剤像は、 中間転写ベルト 2 7に 1 次転写される。 中間ベルト 2 7の裏面には 1次転写部材 2 8が当接しており、 1次転写部材 2 8に + 1 0 0 Vから + 1 5 0 0 V程度の電圧を印加することで、 負極性の現像剤像を感光ドラム 2 1から中間転写ベルト 2 7に 1次転写する。 1次転写部材 2 8はローラ形状であってもブレード形状であっても良い。
画像形成装置が、 図 3のようにフルカラー画像形成装置である場合、 上記の 帯電、露光、現像、 1次転写工程を、例えばイェロー色、 シアン色、マゼンタ色、 ブラック色の各色に対して行う。 そのために、 図 3に示す画像形成装置では、 前記各色の現像剤を内蔵したプロセスカートリッジが各 1個、 合計 4個、 画像 形成装置本体に対し着脱可能な状態で装着されている。
尚、 現像ローラ 1は感光ドラム 2 1に対して、 約 0 . 5 mm〜 3 mmのニップ 幅で接触している。 現像装置においては、 現像剤供給ローラ 2 5は、 現像剤規 制部材である現像ブレード 2 6と現像ローラ 1 との当接部から見て、 現像ロー ラ 1の回転方向の上流側に当接され、 かつ、 回転可能に配されている。
上記の帯電、 露光、 現像、 1次転写工程は、 所定の時間差をもって順次実行
され、 中間転写ベルト 27上に、 フルカラー画像を表現するための 4色の現像 剤像が重ね合わせた状態が作り出される。
中間転写ベルト 27上の現像剤像は、 該中間転写ベルトの回転に伴って、 2 次転写部材 29と対向する位置に搬送される。 このとき、 中間転写ベルト 27 と 2次転写部材 29との間には、 所定のタイミング記録用紙 32が搬送されて きており、 2次転写部材に 2次転写バイアスを印加することにより、 中間転写 ベルト 27上の現像剤像を記録用紙 32に転写する。 このとき、 2次転写部材 29に印加されるバイアス電圧は、 +1000 Vから + 4000 V程度である。 2次転写部材 29によって現像剤像が転写された記録用紙 32は、 図 3中の矢 印 301に示した搬送ルートに沿って定着部材 31に搬送され、 記録用紙 32 上の現像剤像を溶融させて記録用紙 32上に定着させた後、 記録用紙 32を画 像形成装置の外に排出することで、 プリント動作が終了する。
なお、 感光ドラム 21から中間転写ベルト 27に転写されることなく、 感光 ドラム 21上に残存した現像剤像は、 感光ドラム表面をクリーニングするため のクリーニング部材 30により搔き取られ、 感光ドラム 21の表面がクリ一二 ングされる。
実施例
以下に本発明に係る具体的な実施例及び比較例について示す。
実施例の表面層の材料として、 ポリオール化合物 (a) としてのポリエーテル ポリウレタンポリオールを、 以下のように合成した。
なお、 本発明においてポリオール化合物の水酸基価は日本工業規格 (J I S)
K 1557- 1 : 2007 (I SO 14900 : 2001) に準じて測定 した。
また、 本発明におけるイソシァネートの固形分当たりの N CO %の測定は、 イソシァネート合成の際、 ブロック剤と反応させる前にサンプリングし測定し た。 NC〇%の値は以下のようにして求めた。 試料をトルエンに溶解し、 ジブ
チルァミン 0. 5 mo 1ノ 1モノクロ口ベンゼン溶液を加え還流条件下 30分 間加熱反応させ、 室温まで冷却後助溶剤としてメタノールを加え、 過剰のアミ ンを 0. 5mo 1 1塩酸で逆滴定して求めた値を固形分換算した。 数値は n =3で測定した平均値を用いた。
<ポリエーテルポリウレタンポリオール A>
メチルェチルケトン (ME K)87. 8質量部に対して、 以下の材料を段階的に 混合し、 窒素雰囲気下 8 にて 4. 0時間反応させた。 そして、 重量平均分 子量 Mw=8000、 水酸基価 24 (mgKOH/g)、 官能基数 2. 0のポリエ ーテルポリウレ夕ンポリオール Aの M E K溶液を得た。
·ポリテトラメチレングリコール
(商品名: P o 1 yTHF 650 ; BAS F社製) 100. 0質量部
• 4, 4 '—ジフエニルメタンジイソシァネート
(商品名:コスモネート PH;三井化学ポリウレタン社製) 31. 7質量部。 <ポリエーテルポリウレ夕ンポリオール B >
反応時間を 4. 5時間にした以外はポリウレタンポリオール Aと同様にして、 重量平均分子量 Mw= 10000、水酸基価 22 (mgKOH/g)、官能基数 2. 0のポリエーテルポリウレ夕ンポリオール Bの M E K溶液を得た。
くポリエーテルポリウレ夕ンポリオール (〉
メチルェチルケトン (ME K) 79. 6質量部に以下の材料を段階的に混合し、 窒素雰囲気下 80 にて 4. 5時間反応させた。 そして、 重量平均分子量 Mw = 10000、 水酸基価 22 (mgK〇H/g)、 官能基数 2. 0のポリエーテル ポリウレタンポリオール Cの M E K溶液を得た。
•ポリテトラメチレングリコール
(商品名: PTG 1000 SN;保土谷化学社製) 100. 0質量部
· 4, 4 'ージフエニルメタンジイソシァネート
(商品名:コスモネート PH;三井化学ポリウレタン社製) 19. 4質量部。
<ポリェ一テルポリゥレ夕ンポリオール D>
反応時間を 5. 5時間にした以外はポリエーテルポリウレ夕ンポリオール C と同様にして、 重量平均分子量 Mw= 12000、 水酸基価 20 (mgKOH/ g)、 官能基数 2. 0のポリエーテルポリウレタンポリオール Dの ME K溶液を 得た。
<ポリエーテルポリウレ夕ンポリオール Zの合成 >
反応時間を 8.0時間にした以外はポリウレタンポリオール Aと同様にして、 重量平均分子量 Mw=23000、水酸基価 12 (mgKOH/g)、官能基数 2. 0のポリエーテルポリウレ夕ンポリオール Zの M E K溶液を得た。
次に、実施例の表面層の材料として、 イソシァネート化合物(b) としての、 末端にィソシァネ一ト基を有するポリエーテルポリウレ夕ンを以下のように合 成した。
<末端にイソシァネート基を有するポリエーテルポリウレタン L>
窒素雰囲気下、 下記の材料を 80 で 2時間加熱反応した後、 プチルセロソ ルブ 72. 7質量部を加えた。
•ポリプロピレングリコール
(商品名:ェクセノール 720 ;旭硝子社製) 100. 0質量部
•ポリメリックジフエニルメタンジイソシァネート
(商品名: ミリオネート MR— 200 ; 日本ポリウレタン工業社製) 69. 6 質量部。
その後、反応物温度 50 の条件下、 MEKォキシムを 25. 8質量部滴下し、 重量均分子量 Mw= 25000、 平均官能基数 3. 5のイソシァネート化合物 Lのブチルセ口ソルブ溶液を得た。
<末端にィソシァネ一ト基を有するポリエーテルポリウレタ >M>
反応時間を 4.0時間にした以外はイソシァネート化合物 Lと同様にして、 重 量平均分子量 Mw= 60000、 平均官能基数 3.4のイソシァネ一ト化合物 M
のブチルセ口ソルブ溶液を得た。
<末端にィソシァネ一ト基を有するポリエーテルポリゥレ夕 N>
窒素雰囲気下、 下記の材料を 80でで 2. 5時間加熱反応した後、 プチルセ 口ソルブを 63. 7質量部加えた。
·ポリプロピレングリコール
(商品名:サンニックス PP— 1000 ;三洋化成工業社製) 100. 0質量 部
•ポリメリックジフエ二ルメタンジイソシァネート
(商品名: ミリオネート MR— 200 ; 日本ポリウレタン工業社製) 48. 7 質量部。
その後、 反応物温度 50 の条件下、 ME Kォキシムを 21. 2質量部滴下し、 重量平均分子量 Mw= 40000、 平均官能基数 3. 2のイソシァネート化合 物 Nのプチルセ口ソルブ溶液を得た。
<末端にィソシァネート基を有するポリエーテルポリウレタン o>
窒素雰囲気下、 下記の材料を 80でで 2. 0時間加熱反応した後、 プチルセ 口ソルブを 53. 3質量部加えた。
•ポリプロピレンダリコール
(商品名:サンニックス PP— 2000 ;三洋化成工業社製) 100. 0質量 部、
·ポリメリックジフエ二ルメタンジイソシァネート
(商品名: ミリオネート MR— 200 ; 日本ポリウレタン工業社製) 24. 3 質量部。
その後、 反応物温度 50 の条件下、 MEKォキシムを 16. 2質量部滴下し、 重量平均分子量 Mw= 25000、 平均官能基数 3. 1のイソシァネート化合 物〇のプチルセ口ソルブ溶液を得た。
<末端にイソシァネート基を有するポリエーテルポリウレ夕ン P>
反応時間を 4.0時間にした以外はイソシァネート化合物 Oと同様にして、 重 量平均分子量 Mw=60000、 平均官能基数 3.0のシァネート化合物 Pのブ チルセ口ソルブ溶液を得た。
上記得られたポリエーテルポリウレ夕ンポリオール A〜D及び Z、 ならびに 末端にィソシァネ一ト基を有するポリエーテルポリウレタン L〜Pの特性を下 記表 1一 1、 表 1一 2に示す。
(表 1一 1 )
(表 1— 2)
(実施例 1 )
<導電性軸芯体 2の調製 >
導電性軸芯体 2として、 SUS 304製の直径 6 mmの芯金にプライマー(商 品名: DY 35— 051 ;東レダウコーニングシリコーン社製) を塗布し、 温 度 150 にて 30分焼付けた。
ぐ樹脂層 3の調製 >
次に、 導電性軸芯体 2を金型に配置し、 液状導電性シリコーンゴム (東レダ ゥコ一二ングシリコーン社製、 A S K E R— C硬度 4 0度、 体積抵抗率 I X 1 0 5Ω · c m品) を金型内に形成されたキヤビティに注入した。 続いて、 金型 を加熱してシリコーンゴムを 1 5 0でで 1 5分間加硫し、 金型から脱型した後、 2 0 0でで 2時間加熱して硬化反応を完結させた。 このようにして導電性軸芯 体 2の外周に直径 1 2 mmの樹脂層 3を設けた。
ぐ表面層 4の調製 >
以下の材料を撹拌モー夕一により混合撹拌し、 総固形分が 3 0質量%になる ように M E Kに溶解して、 混合した後、 サンドミルにて均一に分散し、 表面層 形成用塗料 1を得た。
•ジオール化合物 A: 6 2質量部 (固形分として)、
•イソシァネート化合物 P: 3 8質量部 (固形分として)
•カーボンブラック (商品名: MA 1 0 0 ;三菱化学社製): 2 5質量部、 ·樹脂粒子 (商品名:ァ一トパール C600透明;根上工業社製): 3 0質量部。 次に、 この塗料を、 前記樹脂層 3に浸漬塗工し、 乾燥させ、 温度 1 4 0 に て 2時間加熱硬化することで樹脂層 3の外周に膜厚 1 5 μπιの表面層を設け、実 施例 1の現像ローラを得た。
(実施例 2 ) 〜 (実施例 3 2 )
実施例 1 において、 表面層形成用塗料の配合を下記表 2、 3に示すようにし た以外は、 実施例 1と同様にして現像ローラを調製した。
(実施例 3 3 )
実施例 1 において、 表面層形成用塗料の配合を以下のようにした以外は実施 例 1 と同様にして現像ローラを調整した。 以下の材料を撹拌モー夕一により混 合撹拌し、 総固形分が 3 0質量%になるように Μ Ε Κに溶解して、 混合の後、 サンドミルにて均一に分散し、 表面層形成用塗料 1を得た。
•ジオール化合物 A: 5 6質量部 (固形分として)、
•ジオール化合物 Z : 6質量部 (固形分として)、
•イソシァネート化合物 P: 3 8質量部 (固形分として)、
•カーボンブラック (商品名: MA 1 0 0 ;三菱化学社製): 2 5質量部、 ·樹脂粒子(商品名:ァ一トパール C 6 0 0透明;根上工業社製): 3 0質量部。 (実施例 3 4 )
実施例 1において、 表面層形成用塗料の配合を以下のようにした以外は実施 例 1 と同様にして現像ローラを調整した。 すなわち、 以下の材料を撹拌モー夕 —により混合撹拌し、 総固形分が 3 0質量%になるように M E Kに溶解して、 混合の後、 サンドミルにて均一に分散し、 表面層形成用塗料 1を得た。
•ジオール化合物 A: 4 7質量部 (固形分として)、
•ジオール化合物 Z : 1 5質量部 (固形分として)、
•イソシァネート化合物 P: 3 8質量部 (固形分として)、
•力一ポンプラック (商品名: MA 1 0 0 ;三菱化学社製): 2 5質量部、 ·樹脂粒子(商品名:アートパール C 6 0 0透明;根上工業社製): 3 0質量部。
(表 2 ) ジオール化合物 イソシァネート化合物 刀一ボンブラッヮ
(a) (b)
No. 質量部 No. 質量部 M名 質量部 実施例 1 A 62 P 38 * 1 25 実施例 2 C 62 P 38 * 1 25 実施例 3 D 62 P 38 * 1 25 実施例 4 C 66 M 34 * 1 25 実施例 5 A 66 N 34 * 1 25 実施例 6 B 66 N 34 * 1 25 実施例 7 C 60 N 40 * 1 25 実施例 8 D 60 N 40 * 1 25 実施例 9 C 60 O 40 * 1 25 実施例 1 0 A 62 し 38 * 1 25 実施例 1 1 C 62 し 38 * 1 25 実施例 1 2 D 62 し 38 * 1 25
(表 3 )
尚、 表 2、 3の中に示すカーボンブラックの記号は各々以下のものを示す。
* 1 :力'一ボンブラック (商品名: : MA100 ;三菱化学社製)、
* 2 :力一ボンブラック (商品名 : ColorBlack S-160;デグサジャパン社製)、
* 3 :力一ボンブラック (商品名 : ColorBlack S- 170;デグサジャパン社製)、
* 4 :力一ボンブラック (商品名: : Printex V;デグサジャパン社製)、
* 5 :力ーポンブラック (商品名: : SpecialBlack 4;デグサジャパン社製)、
* 6 :力一ボンブラック (商品名: : SUNBLACK X15;旭カーボン社製)。
次に、 比較例の表面層の材料として、 ポリオール化合物 (a) であるポリエー テルポリゥレ夕ンポリオールを以下のように合成した。
<ポリエーテルポリウレ夕ンポリオール Eの合成 >
メチルェチルケトン (ME K)l 12. 9質量部に対して、 以下の材料を段階的 に混合し、 窒素雰囲気下 80 にて 4. 0時間反応させた。 そして、 重量平均 分子量 Mw=8000、 水酸基価 24 (mgKOH/g), 官能基数 2. 0のポリ エーテルポリウレ夕ンポリオール Eの ME K溶液を得た。
-ポリテトラメチレングリコール
(商品名: Po l yTHF250 ; BAS F社製): 100. 0質量部
· 4, 4 '—ジフエニルメタンジイソシァネート
(商品名:コスモネート PH;三井化学ポリウレタン社製) : 69. 4質量部。 <ポリエーテルポリウレ夕ンポリオール Fの合成 >
反応時間を 3. 0時間にした以外はポリエーテルポリウレ夕ンポリオール C と同様にして、重量平均分子量 Mw= 6000、水酸基価 27 (mgKOH/g), 官能基数 2. 0のポリエーテルポリウレタンポリオ一ル Fの ME K溶液を得た。 <ポリエーテルポリウレ夕ンポリオール Gの合成 >
反応時間を 6. 0時間にした以外はポリウレタンポリオール Cと同様にして、 重量平均分子量 Mw= 15000、 水酸基価 16 (mgKOHZg)、 官能基数 2. 0のポリエーテルポリウレ夕ンポリオール Gの M E K溶液を得た。
<ポリエーテルポリウレタンポリオール Hの合成〉
メチルェチルケトン (ME K) 74. 1質量部に対して下記の材料を段階的に混 合し、 窒素雰囲気下 8 Ot:にて 5.5時間反応させた。 そして、 重量平均分子量 Mw= 12000、 水酸基価 15 (mgKOH/g)、 官能基数 2. 0のポリエー テルポリウレタンポリオール Hの M E K溶液を得た。
·ポリテトラメチレングリコール
(商品名: PTG2000 ;保土谷化学社製): 100. 0質量部
• 4, 4 'ージフエニルメタンジイソシァネート
(商品名:コスモネート PH;三井化学ポリウレタン社製) 1 1. 1質量部。 <ポリエーテルポリウレ夕ンポリオール Iの合成〉
メチルェチルケトン (ME K)l 16. 9質量部に対して、 下記の材料を段階的 に混合し、 窒素雰囲気下 80でにて 4. 5時間反応させた。 そして、 重量平均 分子量 Mw= 10000、 水酸基価 22 (mgKOH/g)、 官能基数 2. 0のポ リエーテルポリウレ夕ンポリオール Iの M E K溶液を得た。
(商品名: PTG 1000 SN;保土谷化学社製): 100. 0質量部、
(商品名:タケネート 500 ;三井化学ポリウレタン社製) 16. 9質量部、 • 500 (商品名、 三井化学ポリウレタン社製) 16. 9質量部。
<ポリエーテルポリウレ夕ンポリオール Jの合成 >
メチルェチルケトン (ME K)87. 8質量部に対して、 以下の材料を段階的に 混合し、 窒素雰囲気下 8 O :にて 4.5時間反応させた。 そして、 重量平均分子 量 Mw=8000、 水酸基価 24 (mgKOH/g)、 官能基数 2. 0のポリエー テルポリウレ夕ンポリオール Jの M E K溶液を得た。
•ポリプロピレングリコール
(商品名:ェクセノール 720 ;旭硝子社製) : 100. 0質量部
· 4, 4 '―ジフエニルメタンジイソシァネート
(商品名:コスモネート PH;三井化学ポリウレタン社製) : 31. 7質量部。 <ポリエーテルポリゥレ夕ンポリオール Kの合成 >
メチルェチルケトン (ME K)l 68. 5質量部に以下の材料を段階的に混合し、 窒素雰囲気下 8 Ot:にて 4. 5時間反応させた。 重量平均分子量 Mw= 100 00、 水酸基価 40 (mgK〇H/g)、 平均官能基数 2. 3のポリエーテルポリ ウレタンポリオール Kの ME K溶液を得た。
•ポリテ卜ラメチレングリコール
(商品名: PTG 1000 SN;保土谷化学社製): 100. 0質量部 • 4, 4 'ージフエニルメタンジイソシァネート
(商品名:コスモネート PH;三井化学ポリウレタン社製): 58. 5質量部 ·グリセリン: 10. 0質量部。
次に、 比較例の表面層の材料として、 イソシァネート化合物 (b) である、 末 端にイソシァネート基を有するポリエーテルポリウレタンを以下のように合成 した。
<末端にィソシァネ一ト基を有するポリェ一テルポリゥレ夕ン Qの合成〉 反応時間を 1. 75時間にした以外はイソシァネート化合物 Lと同様にして、 重量平均分子量 Mw= 23000、 平均官能基数 3.5のイソシァネート化合物 Qのブチルセルロルブ溶液を得た。
<末端にィソシァネ一ト基を有するポリエーテルポリゥレ夕ン Rの合成〉 反応時間を 4.25時間にした以外はイソシァネート化合物 Oと同様にして、 重量平均分子量 Mw= 63000、 平均官能基数 3.0のイソシァネート化合物 Rのブチルセルロルブ溶液を得た。
ぐ末端にィソシァネート基を有するポリェ一テルポリウレ夕ン Sの合成 > 窒素雰囲気下、 下記の材料を 80 で 2時間加熱反応した後、 プチルセロソ ルブ 72. 7質量部を加えた。
·ポリプロピレングリコール
(商品名:ェクセノール 720 ;旭硝子社製) : 100. 0質量部
-ポリメリックジフエ二ルメタンジイソシァネート
(商品名:ミリオネート MR— 200 ; 日本ポリウレタン工業社製): 75質量 部。
その後、反応物温度 50 の条件下、 MEKォキシムを 29. 8質量部滴下し、 重量均分子量 Mw= 26000、 平均官能基数 3. 7のイソシァネート化合物
Sのブチルセルロルブ溶液を得た。
<末端にィソシァネート基を有するポリエーテルポリゥレ夕ン Tの合成〉 窒素雰囲気下、 下記の材料を 80 で 4. 0時間加熱反応した後、 プチルセ 口ソルブを 53. 3質量部加えた。
·ポリプロピレングリコール
(商品名:サンニックス PP— 2000 ;三洋化成工業社製): 100. 0質量 部
•ポリメリックジフエニルメタンジイソシァネート
(商品名:ミリオネート MR— 200 ;日本ポリウレタン工業社製): 19.8質 量部。 その後、 反応物温度 50 の条件下、 MEKォキシムを 14. 2質量部 滴下し、 重量平均分子量 Mw= 58000、 平均官能基数 2.8のイソシァネー ト化合物 Tのブチルセルロルブ溶液を得た。
<末端にイソシァネート基を有するポリエーテルポリウレタン Uの合成〉 窒素雰囲気下、 下記の材料を 80でで 2.5時間加熱反応した後、 プチルセ口 ソルブを 53. 3質量部加えた。
•ポリプロピレンダリコール
(Mn= 2700 ; A 1 d r i c h社製) 100. 0質量部、
-ポリメリックジフエニルメタンジイソシァネート
(商品名: ミリオネート MR— 200 ; 日本ポリウレタン工業社製) 24. 3 質量部。
その後、反応物温度 50での条件下、 ME Kォキシムを 16. 2質量部滴下し、 重量平均分子量 Mw= 40000、平均官能基数 3. 1のイソシァネート化合物 Uのブチルセルロルブ溶液を得た。
<末端にィソシァネート基を有するポリエーテルポリゥレ夕ン Vの合成 > 窒素雰囲気下、 下記の材料を 80でで 2.5時間加熱反応した後、 プチルセ口 ソルブを 53. 3質量部加えた。
•ポリプロピレングリコール
(Mn = 425 ; A 1 d r i c h社製) : 100. 0質量部
•ポリメリックジフエニルメ夕ンジィソシァネ一ト
(商品名:ミリオネート MR— 200; 日本ポリウレタン工業社製): 69.6質 量部。 その後、 反応物温度 50 の条件下、 MEKォキシムを 25.8質量部滴 下し、 重量平均分子量 Mw= 40000、 平均官能基数 3. 5のイソシァネー ト化合物 Vのブチルセルロルブ溶液を得た。
<末端にィソシァネ一ト基を有するポリエーテルポリゥレ夕ン Wの合成 > 窒素雰囲気下、 下記の材料を 80でで 2. 5時間加熱反応した後、 プチルセ 口ソルブを 63. 7質量部加えた。
•ポリプロピレンダリコール
(商品名:サンニックス P P— 1000 ;三洋化成工業社製) : 100. 0質量 部
• 4, 4 '―ジフエ二ルメタンジイソシァネート
(商品名:コスモネート PH;三井化学ポリウレタン社製) : 52質量部。 その後、 反応物温度 50での条件下、 1^£ ォキシムを24. 2質量部滴下 し、 重量平均分子量 Mw=40000、 官能基数 2のイソシァネート化合物 W のブチルセル口ルブ溶液を得た。
<末端にイソシァネート基を有するポリエーテルポリウレタン Xの合成〉 窒素雰囲気下、 下記の材料を 80でで 2. 5時間加熱反応した後、 プチルセ 口ソルブを 63. 7質量部加えた。
•ポリテ卜ラメチレングリコール
(商品名: PTG 1000 SN;保土谷化学社製) : 100. 0質量部 •ポリメリックジフエニルメタンジイソシァネート
(商品名: ミリオネート MR— 200 ; 日本ポリウレタン工業社製) : 48. 7 質量部。
その後、 反応物温度 5 0 の条件下、 M E Kォキシムを 2 1 . 2質量部滴下 し、 重量平均分子量 Mw= 4 0 0 0 0、 平均官能基数 3 . 2のイソシァネート 化合物 Xのブチルセルロルブ溶液を得た。
上記得られたポリエーテルポリウレタンポリオ一ル E〜K、 および末端にィ ソシァネ一ト基を有するポリエーテルポリウレ夕ン<3〜 の特性を下記表 4— 1、 表 4— 2に示す。
(表 4— 1 )
(比較例 1 ) 〜 (比較例 1 8 )
実施例 1において、 表面層形成用塗料の配合を、 下記表 5の通りに変更した 以外は実施例 1と同様にして現像ローラを得た。
(表 5)
(画像評価)
以上のようにして得られた実施例 1〜32及び比較例 1〜18に係る現像口 ーラを、 下記方法によりそれぞれ評価した。
<低温低湿環境下 (温度 10 /湿度 14%RH) における 「かぶり」 評価 > 各現像ローラを、 カラ一レーザ一プリンタ (商品名: LBP 5300 ;キヤ ノン社製) を用いて評価した。 具体的には、 上記カラーレーザ一プリン夕用の マゼン夕プロセス力一トリッジに上記現像ローラを装着した。 画像出力に先立 ち、 上記プロセスカートリッジを上記カラーレーザ一プリン夕に装着して、 温 度 1 O :Z湿度 14%の試験環境下に 24時間放置した。 その後、 温度 10 湿度 14 %RHの試験環境下にて、印字率 1%の画像を連続して 17000枚 出力した。 なお、 現像剤は上記マゼンタプロセスカートリッジに搭載されてい る非磁性一成分のマゼン夕現像剤をそのまま使用した。 また、 記録用紙は、 キ
ヤノン社製の CLC (カラ一レーザーコピア)用紙(A4サイズ、 坪量 =8 1. 4 g/m2) を用いた。 このとき、 1 7 0 0 0枚目の紙上に 「かぶり」 が発生し ているかどうかを、 以下の基準で目視判断した。
A :紙上に 「かぶり」 が全く認められない。
B:紙上にごく軽微な 「かぶり」 が認められる。
C :紙上に 「かぶり」 が認められるが、 実使用上問題ない。
ぐ高温高湿環境下 (温度 40 湿度 9 5 %RH) における現像剤の固着評価
>
各現像ローラを、 カラーレーザープリン夕 (商品名: LB P 5 3 0 0 ;キヤ ノン社製) を用いて評価した。 具体的には、 上記カラ一レーザ一プリン夕用の マゼン夕プロセスカートリッジに各々の現像ローラを装着した。 なお、 このプ ロセス力一トリッジが電子写真画像の形成に供される前の未使用状態では、 当 該プロセス力一トリッジ内の現像ローラは、 当該カートリッジに搭載されてい る非磁性一成分のマゼンタ現像剤を介在して現像ブレードと常時当接している 状態にある。
そして、 電子写真画像の出力に先立って、 上記プロセスカートリッジを装着 した上記カラーレーザープリンタを、 温度 40でノ湿度 9 5 %RHの環境に 3 0日間放置した。 その後、 温度 2 3で 湿度 5 0 %RHの環境に 24時間放置 した。 その後、 同環境にてハーフトーン画像を 2 0枚出力した。 電子写真画像 の形成には、 上記マゼン夕プロセスカートリッジに搭載されている非磁性一成 分のマゼン夕現像剤をそのまま使用した。 また、 記録用紙は、 キャノン社製の CLC (カラ一レ一ザ一コピア) 用紙 (A4サイズ、 坪量 =8 1. 4 g/m2) を用いた。 このとき、 現像ローラ表面に現像剤が固着したことによるバンディ ングがハーフトーン画像上に発生するかを、 以下の基準で目視判断した。
A: 1枚目の画像に全くバンデイングが認められない。
B::!〜 5枚目までバンディングが認められる。その後は消失し認められない。
C : 6〜15枚目にもバンデイングの発生が認められる。 その後は消失し認め られない。
実施例の画像評価結果を表 6に示す。 また、 比較例の画像評価結果を表 7に 示す。
(表 6)
10°C/14%RHにおける 40°C/95%RHにおける
かぶり 30日放置後のトナー固着 実施例 1 A A
実施例 2 A A
実施例 3 A A
実施例 4 A A
実施例 5 A A
実施例 6 A A
実施例 7 A A
実施例 8 A A
実施例 9 A A
実施例 10 A A
実施例 11 A A
実施例 12 A A
実施例 13 A A
実施例 14 A A
実施例 15 A A
実施例 16 A A
実施例 17 A A
実施例 18 A A
実施例 19 A A
実施例 20 A A
実施例 21 A A
実施例 22 A A
実施例 23 B A
実施例 24 B A
実施例 25 B A
実施例 26 B A
実施例 27 B A
実施例 28 B B
実施例 29 B B
実施例 30 B A
実施例 31 B A
実施例 32 B A
実施例 33 A A
実施例 34 A A
(表 7 )
表 6、 7の結果から明らかなように、 実施例 1〜3 2は、 低温低湿環境下と 高温高湿環境下において優れたバランスを発揮している。特に実施例 1〜 2 2は 優れていた。 本発明の表面層のポリオ一ル化合物、 イソシァネート化合物、 力 一ボンブラックを熱硬化させることにより得られる現像ローラで優れた性能が 達成できた。 この出願は 2 0 0 8年 5月 3 0日に出願された日本国特許出願番号第 2 0 0 8 — 1 4 3 1 7 5からの優先権を主張するものであり、 その内容を引用してこ の出願の一部とするものである。