WO2009122478A1

WO2009122478A1 - 運動装置

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Publication number: WO2009122478A1
Application number: PCT/JP2008/056290
Authority: WO
Inventors: 葉一四宮; 和弘越智; 昌通宮口; 洋司川本; 穣山田; 渉実松; 晃由久我; アルティセンディル; ジョンレイ; デイブトムセン
Original assignee: パナソニック電工株式会社
Priority date: 2008-03-31
Filing date: 2008-03-31
Publication date: 2009-10-08

Abstract

　初心者や高齢者等であっても安全に且つ気軽にバランス運動を始めることができ、しかも、多様な形態のバランス運動を行うことができる運動装置を提供することを課題とする。このため、本発明の運動装置を、使用者Ｕが身体を乗せる凸曲面状の搭乗面４を上部に有する弾性体の搭乗部１と、搭乗部１の側方に設置してあって使用者Ｕが運動中に把持する把持部６と、を具備したものとする。

Description

運動装置

　本発明は、使用者が全身のバランスをとりながら運動を行う運動装置に関する。

　従来から、使用者が全身のバランスをとりながら運動を行う（以下、この運動を「バランス運動」という。）運動装置が提案されている。例えば、日本公開特許第２０００－６０９９４号公報には、ボードの下面に半球状の弾性体を固定して成る運動装置が開示されている。使用者は、上記運動装置の弾性体を床面上に押し当てた状態で、上記ボードの上面に両足を乗せることで、バランス感覚や全身の筋肉を鍛えることができる。

　しかし、上記運動装置では、バランス運動の初心者や高齢者等にとってはバランスをとることが困難であり、気軽にバランス運動を始めにくいという問題がある。また、上記運動装置で行うバランス運動は変化に乏しいので、慣れた後は運動の効果が低下するという問題や、上級者にとっては物足りない場合があるという問題や、特定部位の筋肉を鍛えることには不向きであるという問題がある。

　本発明は上記問題点を解決するために為されたものであって、初心者や高齢者等であっても安全に且つ気軽にバランス運動を始めることができ、しかも、多様な形態のバランス運動を行うことができる運動装置を提供することを、目的とする。

　上記問題点を解決するための本発明の運動装置は、使用者Ｕが身体を乗せる凸曲面状の搭乗面４を上部に有し且つ該搭乗面４に加わる外力に対して反力を生じるように弾性体を用いて形成した搭乗部１と、使用者Ｕが把持するために搭乗部１の側方に設置した把持部６と、を具備する。

　上記構成を具備する本発明の運動装置によれば、使用者Ｕは、凸曲面状の搭乗面４上に乗り、反力によりバランスを崩されながら各種のバランス運動を行うことができる。このバランス運動によって、バランス感覚や全身の筋肉が効果的に鍛えられる。加えて、側方に位置する把持部６を両手又は片手で把持しながらバランス運動を行うことで、初心者や高齢者等であっても安全に且つ気軽にバランス運動を始めることができる。しかも、使用者Ｕは把持部６を利用して、多様な形態のバランス運動を行うことができる。

　本発明の運動装置において、上記搭乗部１は、上方から見たときに複数の分割搭乗部１６に分割されたものであることが好適である。このようにすることで、各分割搭乗部１６の高さを変更すれば、複数の分割搭乗部１６が組み合わさって形成される搭乗部１の搭乗面４の全体形状を、容易に且つ多様な形状に変更することができる。

　また、上記把持部６は、搭乗部１の側方に立設される把持部保持体５に、上下スライド自在に支持されるものであることが好適である。このようにすることで、使用者Ｕの体型や、使用者Ｕが搭乗面４上に乗ってバランス運動を行う際の姿勢や、バランス運動の運動形態等に応じて、把持部６を適切な上下位置に自在に変更することができる。

　また、上記搭乗部１は、半球状であることや、球状であることが好適である。このようにすることで、搭乗部１の搭乗面４を、緩やかな球状の凸曲面に設けることができる。

　また、上記搭乗部１の搭乗面４を覆うカバー部３１を具備することも好適である。このようにすることで、使用者Ｕがバランス運動を行う際に負荷がかかる搭乗部１をカバー部３１が保護するとともに、使用者Ｕに対しては、カバー部３１が良好な当たり感を与えることができる。加えて、搭乗部１が複数の分割搭乗部１６に分割されたものである場合においても、カバー部３１で搭乗部１を覆ってあることで、隣接する分割搭乗部１６間に指等を挟むことや、隣接する分割搭乗部１６間に異物が混入することが防止される。

　また、上記搭乗部１を使用中に動作させて使用者Ｕのバランスを崩す駆動部１５を具備することも好適である。このようにすることで、強制的にバランスを崩された使用者Ｕは、バランスを取ろうとする際に、バランス感覚や筋肉が更に効果的に鍛えられる。

　このとき、上記駆動部１５は、搭乗部１を使用中に回動させるものであることや、搭乗部１を使用中に直動させるものであることが好適である。このようにすることで、搭乗部１の搭乗面４に乗った状態の使用者Ｕのバランス感覚や筋肉を、効果的に鍛えることができる。

　また、上記搭乗部１の上下位置を、使用者Ｕが搭乗面４に臀部を乗せて着座する上方位置と、使用者Ｕが搭乗面４に足裏を乗せて起立する下方位置と、の間で変更する上下動機構４５を具備することも好適である。この上下動機構４５で搭乗部１の上下位置を切り換えることで、使用者Ｕは立位姿勢でのバランス運動と、座位姿勢でのバランス運動とを、適切な上下位置で安全に行うことができる。

本発明の運動装置の一例を示す斜視図である。同上の運動装置の使用形態を示す側面図である。同上の運動装置の使用形態を示す側面図であり、（ａ）は搭乗部が膨張した状態、（ｂ）は搭乗部が収縮した状態である。同上の運動装置の変形例を示す側面図であり、（ａ）は搭乗部が膨張した状態、（ｂ）は搭乗部の一部が収縮した状態である。同上の運動装置の変形例を示す平面図である。同上の足置き部の変形例を示す側面図である。同上の搭乗部の変形例を示す平面図である。同上の搭乗部の変形例を示す平面図である。同上の搭乗部の変形例を示す平面図である。同上の搭乗部の変形例を示す平面図であり、（ａ）は搭乗部が膨張した状態、（ｂ）は搭乗部が収縮した状態である。同上の分割搭乗部の変形例を示す側面図であり、（ａ）は分割搭乗面が下側に位置する状態、（ｂ）は分割搭乗面が上側に位置する状態である。同上の分割搭乗部の変形例を示す側面図であり、（ａ）は搭乗面全体が下側に位置する状態、（ｂ）は搭乗面全体が上側に位置する状態である。同上の分割搭乗部の変形例を示す側断面図である。同上の分割搭乗部の変形例を示す側断面図である。同上の分割搭乗部の変形例を示す平面図である。同上の分割搭乗部の変形例を示す側面図である。同上の分割搭乗部の変形例のマッサージモード時の形態を示す側面図である。同上の搭乗部の変形例を示す側面図である。同上の搭乗部の変形例を示す斜視図であり、（ａ）は搭乗部を搭乗部保持体に装着した状態、（ｂ）は搭乗部を搭乗部保持体から取り外した状態である。同上の駆動部の変形例を示す側面図である。同上の駆動部の変形例を示す側面図である。同上の駆動部の変形例を示す側面図である。同上の駆動部の変形例を示す側面図である。同上の駆動部の変形例を示す側面図である。同上の上下動機構を設けた変形例での運動形態を示す説明図であり、（ａ）は座位での運動形態、（ｂ）は立位での運動形態である。同上の上下動機構の構造を示す斜視図であり、（ａ）は搭乗部を上側に位置させた状態、（ｂ）は搭乗部を下側に位置させた状態である。同上の上下動機構の他の構造を示す斜視図であり、（ａ）は搭乗部を上側に位置させた状態、（ｂ）は搭乗部を下側に位置させた状態である。同上の運動装置の他の運動形態を示す側面図である。同上の搭乗部収納構造を備えた変形例を示す斜視図であり、（ａ）は搭乗部を搭乗部保持体に装着してある状態、（ｂ）は搭乗部を搭乗部保持体から取り外した状態、（ｃ）は搭乗部を搭乗部保持体に格納した状態である。

　本発明を詳細に説述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。図１～図３には、本発明の運動装置の一例を示している。本発明の運動装置は、使用者Ｕが自身の身体を乗せてバランス運動を行う搭乗ブロックＡと、使用者Ｕが搭乗ブロックＡでバランス運動を行いながら身体を支えるために用いる支持ブロックＢと、搭乗ブロックＡと支持ブロックＢとを連結させる基台ブロックＣとで主体を成している。

　図３に概略的に示すように、搭乗ブロックＡは、エアバッグから成る半球状の搭乗部１と、搭乗部１にエアを給排気するエアポンプから成るエア調整部２と、搭乗部１及びエア調整部２を上方に支持する搭乗部保持体３とから成る。搭乗部１は、その上部に凸曲面状の搭乗面４を有しており、この搭乗面４に使用者Ｕが自身の臀部を乗せて腰掛けることができる。エアバッグから成る搭乗部１は、外力で変形した後にその外力を取り除けば元に戻ろうとする性質を有する弾性体であり、搭乗面４に対して下方に加わる外力に対しては、上方への反力を生じる。

　支持ブロックＢは、搭乗ブロックＡの側方に立設した柱状の把持部保持体５と、把持部保持体５によって上下方向の所定範囲内においてスライド自在に支持される横棒状の把持部６と、把持部保持体５の上部に設置される操作パネル７とから成る。操作パネル７には、使用者Ｕに対して各種情報を表示するための液晶画面から成る表示部８と、使用者Ｕが自身の身体情報や所望の運動形態のデータを入力する動作設定部９とを設けている。入力する身体情報のデータは、運動を行う使用者Ｕの身長、体重、年齢等である。また、入力する運動形態のデータは、運動の種類、運動時間、運動スピード、運動強度、鍛えたい身体部位等である。

　基台ブロックＣは、搭乗部保持体３と把持部保持体５とをその上面の水平方向に所定距離だけ隔てた箇所で固定する基台部１０と、基台部１０の上面に設置される左右一対の足置き部１１と、基台部１０の上面に設置される制御ボックス１２とから成る。制御ボックス１２内には、エア調整部２及び動作設定部９に接続される制御部１３と、制御部１３に接続されるデータベース部１４とを格納している。左右一対の足置き部１１は、一体型であってもよいし、一体型でなくてもよい。

　制御部１３は、動作設定部９から入力されるデータに対応するエア調整データをデータベース部１４から照合して取り出し、取り出したエア調整データに基づいてエア調整部２を制御する。これにより、制御部１３はエアバッグである搭乗部１の膨縮を制御し、搭乗部１上部の搭乗面４の上下位置や曲面形状を制御するとともに、搭乗部１が使用者Ｕに対して及ぼす反力の強弱も制御する。

　上記構成を具備する本発明の運動装置を用いて、座位姿勢でのバランス運動を行うには、まず使用者Ｕは、搭乗部１の凸曲面状の搭乗面４上に着座する。バランス運動時に使用者Ｕが向く方向は特定方向に限定されないが、ここでは、搭乗面４上に着座した使用者Ｕが左右両足の足裏を左右一対の足置き部１１上に置いたときの正面方向を前方向とする。右方向、後方向、左方向の各方向についても、使用者Ｕが左右両足の足裏をそれぞれ左右一対の足置き部１１上に置いたときを基準とする。図２に示す着座姿勢では使用者Ｕは左方向を向いており、図３に示す着座姿勢では使用者Ｕは前方向を向いている。

　搭乗面４上に着座した使用者Ｕが、動作設定部９に配置している各種ボタンを操作して、自身の身長、体重、年齢等の身体情報のデータを入力すると、制御部１３は、身体情報のデータを基にして搭乗部１が適切な膨張度となるようにエア調整部２を制御する。具体的には、例えば、制御部１３が身体情報のデータを基に使用者ＵのＢＭＩ（Ｂｏｄｙ　Ｍａｓｓ　Ｉｎｄｅｘ）値を計算する。このとき、制御部１３は計算により得たＢＭＩ値に基づいて、ＢＭＩ値が小さくなるほど搭乗部１の膨張度が小さくなるようにエア調整部２を制御する。ＢＭＩ値が小さいほどに使用者Ｕは肥満度が低く、臀部の脂肪量も少ないと推定される。したがって、ＢＭＩ値が小さいほどに搭乗部１の膨張度を低下させて空気圧を抑えることで、着座姿勢にある使用者Ｕの臀部及びその周辺部分の骨や血管に対する圧迫を緩和することができる。ＢＭＩ値の閾値は例えば２０とする。つまり、ＢＭＩ値が２０以下の場合には、図３（ｂ）に示すように、搭乗部１の空気圧を下げるように制御する。

　搭乗部１を適度な膨張度に設定した使用者Ｕは、不安定な搭乗面４上で身体全体のバランスをとりながら、各種のバランス運動を行う。搭乗面４上で行うバランス運動の指示は、動作設定部９に入力された所望の運動形態に基づいて、表示部８の画面上に表示させる。また、図示しないスピーカー部からの音声出力によって、使用者Ｕに対してバランス運動を指示してもよい。

　使用者Ｕがバランス運動をして身体を動かすたびに搭乗面４には上下方向に外力が加わり、この外力に対する反力が使用者Ｕに対して上下方向に働く。したがって、使用者Ｕはバランスをとるために、通常は使用する頻度が少ないインナーマッスル等の筋肉を使用し、バランス感覚や筋肉を効果的に鍛えることができる。

　しかも、使用者Ｕはこの他動的なバランス運動の最中に、搭乗部１の前方に位置する把持部６を両手又は片手で把持して身体を確実に支えることができるので、バランス運動の初心者や高齢者であっても、安全にバランス運動を行うことが可能である。把持部６は、所定のスライド範囲内で固定可能にしてもよいし、スライド移動に一定の負荷が掛かるようにしてもよい。

　また、バランス運動に慣れた使用者Ｕや、上級者であって更に高い運動強度を望む使用者Ｕに対しては、バランス運動の最中に制御部１３によって搭乗部１の膨張度を適宜変更することも好ましい。バランス運動の最中に搭乗部１の膨張度が変更されると、搭乗部１上部の搭乗面４の上下位置や曲面形状が変更され、また、搭乗部１が使用者Ｕに対して及ぼす反力の強弱も変更されるので、使用者Ｕは一旦バランスを崩される。これに対して使用者Ｕがバランスをとるために姿勢を調整する際に、更に効果的にバランス感覚や筋肉を鍛えることができる。つまり、搭乗部１を使用中に膨縮させるエア調整部２が、搭乗部１を使用中に動作させて使用者Ｕのバランスを崩す駆動部１５となっている。

　以下、本発明の運動装置の各種変形例について、図に基づいて順に説明していく。

　図４、図５には、搭乗部１を、複数の分割搭乗部１６を水平方向に隣接配置することで形成した変形例を示している。図示例では、右前、右後、左後、左前の都合４つのエアバッグである分割搭乗部１６を隣接配置し、４つの分割搭乗部１６が組み合わさって、全体として半球状の搭乗部１を形成している。分割搭乗部１６はそれぞれの上部に分割搭乗面１７を有しており、４つの分割搭乗面１７が組み合わさって、全体として凸曲面状の搭乗面４を形成している。したがって、上方から見たときの搭乗部１は、図５に示すように、前後方向に伸びる分割面Ｓ１と左右方向に伸びる分割面Ｓ２とを介して、弾性体から成る４つの分割搭乗部１６に分割された形になっている。

　４つの分割搭乗部１６は、それぞれ独立してエア調整部２に接続されている。エア調整部２は、制御部１３が出力する信号に応じて、分割搭乗部１６の膨張度をそれぞれ独立して変更する。分割搭乗部１６の膨張度が変更されると、該分割搭乗部１６の分割搭乗面１７の高さや形状が変更される。その結果として、４つの分割搭乗面１７が組み合わさって形成される搭乗面４全体の高さや形状が、変更される。つまり、搭乗部１の搭乗面４の全体形状を変更する形状変更機構１８を、４つの分割搭乗部１６の分割搭乗面１７の高さを独立して変更するエア調整部２により構成している。

　更に、この変形例では、図４に示すように、基台部１０の上面に設置される前後一対の足用エアバッグ１９により、各足置き部１１を支持させている。各足用エアバッグ１９は、基台部１０に設置された足用エア調整部２０に接続させている。足用エア調整部２０は、制御ボックス１２内の制御部１３に接続させている。

　したがって、制御部１３からの信号を受けた足用エア調整部２０が、前後一対の足用エアバッグ１９を同程度だけ膨縮させると、前後一対の足用エアバッグ１９が支持する板状の足置き部１１は、姿勢を略一定に保持したまま所定範囲内で上下動する。更に、前後一対の足用エアバッグ１９の膨縮の程度を相違させれば、前後一対の足用エアバッグ１９が支持する板状の足置き部１１は、底屈又は背屈した姿勢に変更される。

　ここでの足置き部１１の底屈とは、前側が後側よりも下方に位置するように足置き部１１が傾倒することである。底屈姿勢となった足置き部１１に置いた足部の足首は、足裏方向に折り曲がる。また、ここでの足置き部１１の背屈とは、前側が後側よりも上方に位置するように足置き部１１が傾倒することである。背屈姿勢となった足置き部１１に置いた足部の足首は、足背方向に折り曲がる。

　左右一対の足置き部１１は、図５に示すように、前後方向軸から左側に３０度傾斜した姿勢と、前後方向軸から右側に３０度傾斜した姿勢とに支持させている。

　上記構成を具備する図４、図５の変形例においては、４つの分割搭乗部１６の全て又は一部を独立に膨縮させて、搭乗面４の全体形状を変形させ、使用者Ｕのバランスを意図的に崩すことができる。例えば、右前の分割搭乗部１６のみを収縮させて該分割搭乗部１６の分割搭乗面１７を降下させるか、又は、右前の分割搭乗部１６を除く他の分割搭乗部１６のみを膨張させて該分割搭乗部１６の分割搭乗面１７を上昇させることで、図４（ｂ）に示すように、使用者Ｕは右前にバランスを崩す。このとき、使用者Ｕの右足にかかる自重負荷が増大し、特に右足の大腿部の筋収縮が誘発される。同様の筋収縮を左右交互に行わせることで、使用者Ｕに、左右交互に他動的な踏み込み動作を行わせることができる。この場合には、各分割搭乗部１６を使用中に独立して膨縮させるエア調整部２が、使用中に使用者Ｕのバランスを崩す駆動部１５となっている。

　更に、例えば上記のように搭乗面４を変形させて使用者Ｕのバランスを右前に崩させると同時に、右側の足用エアバッグ１９を収縮して右側の足置き部１１を降下させた場合には、右足の膝関節及び足首関節の角度を略一定に保持したままで大腿部等の筋収縮を誘発することができる。同様の筋収縮を左右交互に行わせることで、使用者Ｕに、膝関節及び足首関節の角度を略一定に保持したままで左右交互に他動的な踏み込み動作を行わせることができる。膝関節や足首関節の角度が略一定に保持されると、運動時の関節の負担が軽減される。

　更に、上記のように他動的な踏み込み動作を使用者Ｕに行わせると同時に、足置き部１１を底屈又は背屈させるように足用エアバッグ１９を制御した場合には、大腿部の筋収縮に加えて、下腿部の腓腹筋等の筋収縮も効果的に誘発することができる。

　なお、足用エアバッグ１９は前後一対でなくてもよい。例えば、図６に示すように、各足置き部１１を一つの足用エアバッグ１９で支持した場合であっても、足用エアバッグ１９の膨縮により足置き部１１を上下動させることができる。

　また、搭乗部１を複数の分割搭乗部１６に分割する形式は、図４、図５に示す右前、右後、左後、左前の４分割形式に限定されず、図６に示す前、右、後、左の４分割形式や、図４、図５に示す４分割形式を更に内側と外側に分割した形式である図７に示す８分割形式や、図９に示すように更に細かく分割した形式であってもよい。いずれの分割形式であっても、各分割搭乗部１６の膨張度を相違させて搭乗面４の全体形状を変更することで、使用者Ｕのバランスを意図的に崩すことができる。非使用時には、全ての分割搭乗部１６を収縮させて、図１０に示すように搭乗面４の位置を降下させておけば、収納に有利である。

　また、各分割搭乗部１６上部の分割搭乗面１７を上下動させるための駆動源についても、エアの給排気には限定されず、油圧、ボールネジと歯車とモータから成る機構、等の多様な手段が適用可能である。図１１に示す例では、チューブ状のエアバッグ２２に、内径が伸縮自在なリング部材２３を嵌合させて、分割搭乗部１６を形成している。リング部材２３の内径を縮めて圧迫することでチューブ状のエアバッグ２２は軸方向に伸張し、エアバッグ２２上部の分割搭乗面１７を上昇させる。

　図１２に示す例では、複数の分割搭乗部１６を組み合わせた搭乗部１全体に、内径が伸縮自在なリング部材２４を嵌合させている。リング部材２４の内径を縮めて圧迫することで、エアバッグから成る各分割搭乗部１６は軸方向に同程度だけ伸張し、搭乗面４全体を同程度だけ上昇させる。

　図１３に示す例では、剛性を有するチューブ状のカバー２５内に、該カバー２５を上下動させる送りネジ２６を配置し、更に送りネジ２６を正逆方向に回転駆動させるモータ２７を備えて、分割搭乗部１６を形成している。モータ２７を回転させてカバー２５を上下動させることで、カバー２５上部の分割搭乗面１７を自在に上下動させる。

　図１４に示す例では、磁性流体２８を充填させた弾性チューブ２９の周囲にコイル３０を巻いて、分割搭乗部１６を形成している。コイル３０に通電して磁性流体２８に磁界を加えると、磁化された磁性流体２８の内圧が上昇し、分割搭乗部１６全体の剛性が増す。したがって、コイル３０の通電量を制御し、各分割搭乗部１６の剛性を制御することで、使用者Ｕが自重をかけたときの各分割搭乗面１７の落ち込み具合を制御し、搭乗面４の全体形状を自在に変更することができる。

　図１１、図１３、図１４の例のように、分割搭乗部１６を軸方向に伸縮自在なチューブ状のものとした場合、図１５、図１６に示すように、多数のチューブ状の分割搭乗部１６を束にして搭乗部１を形成することができる。このとき、図１７に示すように、搭乗部１の中央に足を置いておき、各分割搭乗部１６を伸縮させることで足にマッサージを施すマッサージモードを設定することも可能である。

　図１８には、複数の分割搭乗部１６から成る搭乗部１の上部に半球状のカバー部３１を装着し、カバー部３１により搭乗面４全体を覆った変形例を示している。カバー部３１を上方から被せてあることで、弾性体である各分割搭乗部１６を保護するとともに、使用者Ｕに対してはカバー部３１が良好な接触感を与える。加えて、隣接する分割搭乗部１６間に指等を挟むことや、隣接する分割搭乗部１６間に異物が混入することが防止される。

　カバー部３１は半球状に限定されず、図１９に示すような、座部３２と背もたれ部３３を有する椅子型のものであってもよい。カバー部３１を椅子型とすれば、良好な座り心地が得られる。椅子型のカバー部３１は、ベルト状の固定部３４を介して、搭乗部１に着脱自在に装着されている。なお、搭乗部１として球状の弾性体を用いた場合には、図１９（ｂ）に示すように球状の搭乗部１を搭乗部保持体３から取り外したうえで、椅子型のカバー部３１を装着した状態で用いることも可能である。

　図２０～図２３には、搭乗部１を使用中に運動させて使用者Ｕのバランスを崩す駆動部１５の変形例を示している。この変形例は、搭乗面４の全体形状を変更する機構ではなく、搭乗部１を使用中に回動させる機構や、搭乗部１を使用中に直動させる機構を用いたものである。

　図２０に示す例と、図２１に示す例では、搭乗部保持体３とエア調整部２との間に、エア調整部２と搭乗部１を一体に回動させる駆動部１５を配置している。図２０に示す例の駆動部１５は、左右方向を軸方向とする水平軸を中心にエア調整部２と搭乗部１を回動させるギア部３５と、ギア部３５を回転駆動するモータ３６とを具備している。また、図２１に示す例の駆動部１５は、鉛直軸を中心にエア調整部２と搭乗部１を回動させるギア部３７と、ギア部３７を回転駆動するモータ３８とを具備している。回動の中心軸方向は、他の方向であってもよい。また、駆動部１５の機構も、エアバッグやガススプリング等を用いた他の機構であってもよい。

　図２２に示す例と、図２３に示す例では、搭乗部保持体３とエア調整部２との間に、エア調整部２と搭乗部１を一体に直動させる駆動部１５を配置している。図２２に示す例の駆動部１５は、エア調整部２と搭乗部１を上下方向に直動させる送りネジ部３９と、送りネジ部３９を駆動させるモータ４０とを具備している。また、図２３に示す例の駆動部１５は、エア調整部２と搭乗部１を前後方向に直動させる送りネジ部４１と、送りネジ部４１を駆動させるモータ４２とを具備している。直動方向は、他の方向であってもよい。また、駆動部１５の機構も、エアバッグやガススプリング等を用いた他の機構であってもよい。

　図２０～図２３のいずれの例にあっても、搭乗部１上でバランス運動を行っている使用者Ｕは、駆動部１５により搭乗部１が姿勢を変えることで、バランスを強制的に崩される。これに対して使用者Ｕがバランスをとろうとする際に、バランス感覚や筋肉が更に効果的に鍛えられる。また、この駆動部１５を用いて、使用者Ｕが動作設定部９のボタンを操作すれば搭乗部１の姿勢や高さを微調整できるように設けてもよい。

　更に、図２４に示す例のように、球状の搭乗部１を、一定範囲内で転動可能となるように搭乗部保持体３上に保持させ、磁力によって搭乗部１を搭乗部保持体３上で転動させるように、駆動部１５を構成してもよい。この例の駆動部１５は、搭乗部１内に固定した磁性体４３と、搭乗部保持体３の複数個所に設置してある磁界発生用のコイル４４から成る。コイル４４が発生する磁界により、搭乗部１内の磁性体４３は該コイル４４に引き付けられ、所定箇所に固定される。したがって、通電して磁界を発生させるコイル４４を適宜切り換えることで、搭乗部１を一定範囲内で動作させることができる。

　ここで、搭乗部１が転動する一定範囲を例えばリング状等の適宜形状の軌道に形成しておけば、搭乗部１は単独で軌道上を動き回ることになる。また、搭乗部１を転動させるための駆動部１５は、搭乗部１内で動き回ることで該搭乗部１の重心を移動させるように備えた単独の駆動源であってもよい。

　また、搭乗部１の搭乗面４上で使用者Ｕが行うバランス運動は、座位姿勢でのバランス運動には限定されず、例えば図２５（ｂ）に示すように搭乗面４上に足裏を乗せて行う立位姿勢でのバランス運動や、図２８に示すように搭乗面４を抱えながら行ううつ伏せ姿勢でのバランス運動であってもよい。

　図２５に示す例では、搭乗部１の上下位置を、使用者Ｕが搭乗面４に臀部を乗せた座位姿勢でバランス運動を行う上方位置と、使用者Ｕが搭乗面４に足裏を乗せた立位姿勢でバランス運動を行う下方位置との間で、変更自在に設けている。支持ブロックＢの把持部６は、座位姿勢の使用者Ｕが把持しながらバランス運動を行うために適当な下方位置と、立位姿勢の使用者Ｕが把持しながらバランス運動を行うために適当な上方位置との間で、上下スライド自在である。

　搭乗部１を上下動させる上下動機構４５は、図２６や図２７に概略的に示すような、上下方向に伸縮自在な構造にすることが好ましい。図２６に示す上下動機構４５は、搭乗部１を上下方向に往復動させるように働く送りネジ部４６と、送りネジ部４６を駆動させるモータ４７とを具備する。図２７に示す上下動機構４５は、搭乗部１を上下方向に往復動させるように働くエアバッグ４８と、エアバッグ４８内にエアを給排気する圧力調整部４９とを具備する。上下動機構４５の構造は、ガススプリングを用いた構造等の他の構造であってもよい。

　図２８に示す例では、使用者Ｕが搭乗部１の搭乗面４を上方から抱え込んだうつ伏せ姿勢を保ちながら、バランス運動を行うことができる。うつ伏せ姿勢のバランス運動においては、バランス感覚と共に、特に腹筋や背筋等の筋肉が鍛えられる。

　支持ブロックＢの把持部保持体５には、使用者Ｕが両足を掛ける足掛け部５０を設けている。また、支持ブロックＢと搭乗ブロックＡとの距離ｄを、使用者Ｕが搭乗部１の搭乗面４を抱えたうえで足掛け部５０に両足を掛けることのできる適切な距離に設定している。足掛け部５０は、所定の上下位置で固定する等した把持部６を足掛け用に兼用したものであってもよいし、或いは、把持部６とは別に設けた専用のものであってもよい。

　図２９に示す例では、使用時に筒状の搭乗部保持体３上に保持される球状の搭乗部１を、非使用時には搭乗部保持体３内に収容可能にしている。この例の搭乗部保持体３は、その内径を変更自在に設けている。したがって、使用時は搭乗部保持体３の内径を小径に設定して搭乗部１の下側略半部だけを嵌め込み、非使用時には搭乗部保持体３の内径を大径に設定し、搭乗部１の全部を嵌め込んで収容する。なお、搭乗部１内に磁性体を設けるとともに、搭乗部保持体３には磁界を発生させる機構を設けておき、収納時には磁力によって搭乗部保持体３内に搭乗部１を固定する構造であってもよい。

　なお、搭乗部１として球状のものを用いる場合には、市販のバランスボールを搭乗部１に用いてもよい。市販のバランスボールを用いた搭乗部１を搭乗部保持体３に着脱自在に装着することで、本発明の運動装置の搭乗部１として使用する場合と、通常のバランスボールとして単独で使用する場合とが選択自在である。また、所望の運動強度等に合わせて、搭乗部１に用いるバランスボールを変更することができる。

Claims

使用者が身体を乗せる凸曲面状の搭乗面を上部に有し且つ該搭乗面に加わる外力に対して反力を生じるように弾性体を用いて形成した搭乗部と、使用者が把持するために搭乗部の側方に設置した把持部と、を具備することを特徴とする運動装置。
上記搭乗部は、上方から見たときに複数の分割搭乗部に分割されたものであることを特徴とする請求項１に記載の運動装置。
上記把持部は、搭乗部の側方に立設される把持部保持体に、上下スライド自在に支持されるものであることを特徴とする請求項１又は２に記載の運動装置。
上記搭乗部は、半球状であることを特徴とする請求項１～３のいずれか一項に記載の運動装置。
上記搭乗部は、球状であることを特徴とする請求項１～３のいずれか一項に記載の運動装置。
上記搭乗部の搭乗面を覆うカバー部を具備することを特徴とする請求項１～５のいずれか一項に記載の運動装置。
上記搭乗部を使用中に動作させて使用者のバランスを崩す駆動部を具備することを特徴とする請求項１～６のいずれか一項に記載の運動装置。
上記駆動部は、搭乗部を使用中に回動させるものであることを特徴とする請求項７に記載の運動装置。
上記駆動部は、搭乗部を使用中に直動させるものであることを特徴とする請求項７に記載の運動装置。
上記搭乗部の上下位置を、使用者が搭乗面に臀部を乗せて着座する上方位置と、使用者が搭乗面に足裏を乗せて起立する下方位置と、の間で変更する上下動機構を具備することを特徴とする請求項１～９のいずれか一項に記載の運動装置。