WO2009110211A1

WO2009110211A1 - 超音波診断装置

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Publication number: WO2009110211A1
Application number: PCT/JP2009/000933
Authority: WO
Inventors: 深井誠一; 齊藤雅紘; 酒井崇; 岡本友規子
Original assignee: パナソニック株式会社
Priority date: 2008-03-03
Filing date: 2009-03-02
Publication date: 2009-09-11
Also published as: EP2255730A4; EP2255730A1; US20100321324A1; CN102006828A; KR20100110893A; CN102006828B; US10687780B2

Abstract

　タッチパネル付き表示装置に表示されている超音波断層画像の表示内容をドラッグ操作により変更する場合に、超音波断層画像の表示部分に指紋や傷が付いて汚れることを防止する技術が開示され、その技術によれば表示画面は、超音波画像Ｐが表示される超音波画像領域Ａ１と、超音波画像Ｐの変更内容を選択するためのボタン（Ｆｏｖ、Ｐｏｓ、ＲＯＩ、Ｄｏｐ）が表示される操作部品表示領域Ａ２に分割され、操作部品表示領域Ａ２はタッチパネル付きであって、表示されているボタンが指Ｆで選択的にタッチされてドラッグされると、装置側では、選択された変更内容及びドラッグ方向に応じて超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐを変化させる。

Description

超音波診断装置

　本発明は、タッチパネル付き表示装置付きの超音波診断装置に関する。
　また本発明は、タッチパネル付き表示装置に表示されている超音波断層画像の表示内容をドラッグ操作により変更可能な超音波診断装置に関する。
　また本発明は、タッチパネル付き表示装置に表示されているマウスカーソルの移動及び超音波断層画像の表示内容をドラッグ操作により変更可能な超音波診断装置に関する。
　また本発明は、タッチパネル付き表示装置に表示する超音波診断画像の各種画像パラメータを変更することが可能な超音波診断装置に関するものである。

　タッチパネル付き表示装置を有する超音波診断装置の従来技術としては、下記の特許文献１に記載されている。図２４は、タッチパネル付き表示装置に表示されている超音波断層画像の表示内容をドラッグ操作により変更する従来の表示例を示し、表示画面は、超音波画像Ｐが表示される超音波画像領域Ａ１と、超音波画像Ｐの変更内容を選択するためのボタン（図のGain、Depth、Color、Dop、M）が表示される操作部品表示領域Ａ２に分割されている。そして、オペレータが操作部品表示領域Ａ２に表示されている複数のボタンの１つを選択的にタッチして所望の変更内容を選択した後、超音波画像領域Ａ１を指Ｆでタッチしてドラッグすると、選択された変更内容及びドラッグ方向に応じて表示画像Ｐを変化させる。また、他のドラッグ方法として、ドラッグ開始位置からドラッグ終了位置までの距離（例えば胎児の頭の径）を測定する方法などにも利用することができる。

　入力装置によりモニタに表示する超音波診断画像の各種画像パラメータを変更することが可能な従来の超音波診断装置は、診断画像を設定パラメータ名及びそのパラメータ設定値と共に表示するモニタと、画像パラメータを変更するための各種入力装置を有する。入力装置としてはトラックボール、キースイッチ、スライド抵抗、エンコーダノブといったハードキーが一般的であるが、これに加えて多目的に用いることができるタッチパネルをサブディスプレイとして備えたもの（特許文献２参照）、又は入力と画像の表示を同一平面上で行えるようモニタにタッチパネルを備えたもの（特許文献３、４参照）が挙げられる。
特開２００３－１６９７９８号公報（段落００４２）特開平１０－２４８８４３号公報（図１）特開２００２－３３６２５０号公報（図３）特開２００６－２６２５６号公報（図２）

　しかしながら、上記の図２４に示す従来技術では、表示画面の超音波画像領域Ａ１を指Ｆでタッチしてドラッグするので、超音波画像領域Ａ１に指紋ＦＰや傷Ｄが付いて汚れ、このため、超音波画像Ｐが見づらくなるという問題点がある。

　本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、タッチパネル付き表示装置に表示されている超音波断層画像の表示内容をドラッグ操作により変更する場合に、超音波断層画像の表示部分に指紋や傷が付いて汚れることを防止することができ、ひいては超音波断層画像を見やすくすることができる超音波診断装置を提供することを目的とする。

　また、入力装置にタッチパネルを有する従来の超音波診断装置においては、垂直又は水平方向に配置された入力領域に手指などを滑らせて直感的に入力を行う際、直線的に入力を行うのが困難であり、又入力領域も画面の一部であるため小さく、操作が困難であるという問題があった。また、入力装置に上述のようなハードキーを有する従来の超音波診断装置においては、特に操作の自由度が高いトラックボールを用いて垂直又は水平方向のスクローリングを行う際、所望の速度を保つことや位置の制御が困難であるなどの問題があった。また、一回の操作で何度もボールを転がす必要があり、操作時の不便さにも問題があった。

　本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、タッチパネル内においてモニタ枠に隣接した領域をタッチパッドとして扱うことを可能にし、入力手段としてモニタ枠に沿って手指や道具でこの領域を垂直又は水平方向になぞることで、各種画像パラメータの調整時の操作性を向上させることができる超音波診断装置を提供することを目的とする。

　本発明の超音波診断装置は上記目的を達成するために、
　超音波プローブを介して超音波信号を送受信する超音波信号送受信部と、
　前記超音波信号送受信部が受信した超音波信号を超音波画像に変換する画像処理部と、
　前記画像処理部により変換された超音波画像を第１の表示領域に表示し、前記第１の表示領域に表示されている超音波画像の表示内容を変更するための操作ボタンを第２の表示領域に表示するとともに、少なくとも前記第２の表示領域上にタッチパネルを備えた表示装置と、
　前記第２の表示領域に表示されている操作ボタンがタッチされて前記タッチパネル上をドラッグされた場合に、前記第１の表示領域に表示されている超音波画像の表示内容を前記操作ボタンごとに設定したルールに基づき変更する表示制御手段とを、
　有する構成とした。

　また、本発明の超音波診断装置は上記目的を達成するために、
　超音波プローブを介して超音波信号を送受信する超音波信号送受信部と、
　前記超音波信号送受信部が受信した超音波信号を超音波画像に変換する画像処理部と、
　前記画像処理部により変換された超音波画像を第１の表示領域に表示し、前記第１の表示領域に表示されている超音波画像の表示内容変更を指示するためのアイコンと、その変更方向をドラッグ操作で変更するためのドラッグエリアを第２の表示領域に表示するとともに、少なくとも前記第２の表示領域上にタッチパネルを備えた表示装置と、
　前記アイコンがタッチされた場合にそのアイコンを前記ドラッグエリアに表示して前記ドラッグエリア上をドラッグされた場合に、前記第１の表示領域に表示されている超音波画像を前記アイコンの変更内容指示及び前記ドラッグエリアのドラッグ方向に応じて変更する表示制御手段とを、
　有する構成とした。
　この構成により、超音波画像が表示されている第１の表示領域をドラッグしないで、操作ボタンが表示されている第２の表示領域をドラッグするので、超音波断層画像の表示部分に指紋や傷が付いて汚れることを防止することができ、ひいては超音波断層画像を見やすくすることができる。

　また、前記表示制御手段は、前記ドラッグエリア内をドラッグ開始位置として前記ドラッグエリア外のタッチパネル上をドラッグ終了位置としてドラッグされた場合にもドラッグ操作を有効とする構成とした。
　また、前記表示制御手段は、前記操作ボタン又は前記ドラッグエリア内の位置から前記タッチパネル上をドラッグ中に、他の操作ボタンがタッチされた場合に前記他の操作ボタンのタッチ操作を無効にする構成とした。
　また、前記表示制御手段は、前記他の操作ボタンのタッチ操作を無効にした後、前記ドラッグ操作が終了した場合に、前記無効にした前記他の操作ボタンのタッチ操作を有効にする構成とした。
　この構成により、超音波画像の表示内容を変更するための操作ボタン又は前記ドラッグエリアとそれ以外の操作ボタンの配置位置の自由度を確保することができる。

　また、前記表示制御手段は、前記ドラッグエリア内からドラッグ開始後、前記ドラッグエリアのエッジでドラッグが停止続けた場合にカーソル移動を継続する構成とした。
　また、前記表示制御手段は、前記ドラッグエリア内を指でなぞるドラッグ操作でカーソルを移動する構成とした。

　また、前記第１の表示領域にタッチされた場合、前記表示制御手段は、前記表示画面に、前記第１の表示領域にタッチしないよう警告メッセージを表示するか、又は前記第２の表示領域を点滅させるか又は輝度変更を行い、操作者に警告する構成とした。

　また、前記ドラッグ操作で移動したマウスカーソルの始点と終点の間の前記超音波画像の距離を演算する演算手段をさらに備え、
　前記表示制御手段は、前記演算手段により演算された前記超音波画像の距離を前記第１又は第２の表示領域に表示する構成とした。

　また、前記表示制御手段は、前記ドラッグエリアにドラッグ操作ガイドとして指画像を前記アイコンとともに表示する構成とした。

　また、前記表示装置は、表示画面周辺部に外枠部を有し、
　前記第２の表示領域は、前記外枠部の内側に隣接した隣接部を各辺のそれぞれに独立した機能を設定可能な独立機能領域を有する構成とした。
　この構成により、操作者はモニタの外枠部の各辺を利用し、容易に、超音波診断装置の各種画像パラメータの調整時の操作性を向上させることができる。

　また、本発明の超音波診断装置は、前記独立機能領域での前記タッチパネルの操作者の指示点の座標位置、指示点の移動速度又は加速度を検出し、信号を出力することのできる制御部を備えている。
　この構成により、手指や道具でモニタ枠に沿ったタッチパネル領域をなぞって入力を行う際に、多様な操作パターンでの入力が安定して可能となり、操作性を向上させることができる。

　さらに、本発明の超音波診断装置は、前記独立機能領域の操作により、連続値、離散値又は二値で表されるパラメータを変化させることが可能な制御部を備えている。
　この構成により、多様な性質を持つ画像パラメータを独立機能領域で変更することができる。

　さらに、本発明の超音波診断装置は、前記外枠部の長さに対する前記独立機能領域の前記指示点の相対位置又は絶対位置、あるいは指示点を移動したときの絶対移動量又は相対量を検出することができる制御部を備えている。
　この構成により、独立機能領域で画像パラメータの調節方法を多様にし、各パラメータの性質に適した方法で調節を行うことができる。

　さらに、本発明の超音波診断装置は、前記独立機能領域に割り当てる機能を、前記外枠部の各辺のそれぞれに、個別又は一括で変更可能にできる制御部を備えている。
　この構成により、独立機能領域に割り当てられる機能を容易に変更することを可能にし、多種のパラメータ変更操作をこの領域で行うことができる。

　さらに、本発明の超音波診断装置は、前記外枠部の各辺に隣接した前記独立機能領域それぞれに割り当てる機能の情報を前記独立機能領域それぞれに表示可能である。
　この構成により、各モニタ枠に沿ったタッチパネル領域に割り当てられている機能をユーザが容易に確認することができる。

　本発明によれば、タッチパネル付き表示装置に表示されている超音波断層画像の表示内容をドラッグ操作により変更する場合に、超音波断層画像の表示部分に指紋や傷が付いて汚れることを防止することができ、ひいては超音波断層画像を見やすくすることができる。
　また、本発明はモニタの外枠部に隣接したタッチパネル領域を独立した機能の設定が可能なタッチパッドとして扱うことを可能にし、入力手段として手指や道具でモニタの外枠部に沿ってこの領域をなぞることで、入力速度や入力位置の調節が容易になり、直感的かつ多種の操作方法による入力が可能になるという効果を有する超音波診断装置を提供することができるものである。

本発明に係る超音波診断装置の第１の実施の形態の表示例を示す説明図本発明に係る超音波診断装置の第１の実施の形態の他の表示例を示す説明図本発明に係る超音波診断装置の第１の実施の形態のさらに他の表示例を示す説明図本発明に係る超音波診断装置の第１の実施の形態のさらに他の表示例を示す説明図本発明に係る超音波診断装置の第１の実施の形態の構成を示すブロック図本発明に係る超音波診断装置の第１の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート本発明に係る超音波診断装置の第２の実施の形態の表示例を示す説明図本発明に係る超音波診断装置の第２の実施の形態の表示例の状態遷移を示す第１の説明図本発明に係る超音波診断装置の第２の実施の形態の表示例の状態遷移を示す第２の説明図本発明に係る超音波診断装置の第２の実施の形態の表示例の状態遷移を示す第３の説明図本発明に係る超音波診断装置の第２の実施の形態の表示例の状態遷移を示す第４の説明図本発明に係る超音波診断装置の第２の実施の形態の構成を示すブロック図本発明に係る超音波診断装置の第３の実施の形態の表示例を示す説明図図１０のタッチパッドエリアの表示例を示す説明図本発明に係る超音波診断装置の第３の実施の形態の構成を示すブロック図図１２の超音波診断装置の処理の一例を説明するためのフローチャート図１０のタッチパッドエリアの他のドラッグ操作を示す説明図図１０のタッチパッドエリアのさらに他のドラッグ操作を示す説明図本発明の第４の実施の形態における超音波診断装置の全体構成を示すブロック図本発明の第４の実施の形態における超音波診断装置の全体構成の変形例を示すブロック図本発明の第４の実施の形態における超音波診断装置の要部を模式的に示す構成図本発明の第４の実施の形態をCINE再生モードにおいて実現し、パラメータ設定操作をモニタ枠に隣接したタッチパネル領域により行う操作の説明図図１９においてCINE再生を行う際の一例の説明図（タッチパッドで位置を表現した場合）図１９においてCINE再生を行う際の一例の説明図（タッチパッドで速度を表現した場合）本発明の第４の実施の形態をDopplerモードにおいて実現し、パラメータ設定操作をモニタ枠に隣接したタッチパネル領域により行う操作の説明図本発明の第４の実施の形態をColorモードにおいて実現し、パラメータ設定操作をモニタ枠に隣接したタッチパネル領域により行う操作の説明図従来の超音波診断装置の表示例を示す説明図

　以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
＜第１の実施の形態＞
　図１は本発明に係る超音波診断装置の第１の実施の形態の表示例を示す説明図である。図１に示す表示画面は、従来技術と同様に超音波画像Ｐが表示される超音波画像領域Ａ１と、超音波画像Ｐの変更内容を選択するための表示内容変更ボタン（例えば、図のＦｏｖ、Ｐｏｓ、ＲＯＩ、Ｄｏｐ）（以下、単にボタンと表示する場合もある）が表示される操作部品表示領域Ａ２に分割されているが、以下の点が従来技術と異なっている。

　まず、超音波画像領域Ａ１は超音波画像Ｐが表示されるのみであり、本発明に係る画像変更のためにタッチしても超音波画像Ｐは変化しない。なお、超音波画像領域Ａ１はタッチパネルなしでもよいが、他の用途のためにタッチパネル付きでもよい。さらに、操作部品表示領域Ａ２はタッチパネル付きであって、表示される表示内容変更ボタン（図のＦｏｖ、Ｐｏｓ、ＲＯＩ、Ｄｏｐ）が指Ｆで選択的にタッチされてドラッグされると、装置側では、選択された変更内容及びドラッグ方向に応じて超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐを変化させる。ただし、このドラッグ中に他のボタンｂがタッチされても、装置側では、そのタッチ操作を無効とする。このため、超音波画像領域Ａ１に指紋や傷が付いて汚れることを防止することができ、ひいては超音波断層画像を見やすくすることができる。

　ここで、図１において超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐを変化させるボタンの例を説明する。
（１）Ｆｏｖ（Field of View）：超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの一次元走査方向の角度を変化させる。
（２）Ｐｏｓ（Position）：超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの一次元走査方向の位置を変化させる。
（３）ＲＯＩ（Region of Interest）：超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの二次元方向の大きさや位置を変化させたり、カラー表示させたりする。
（４）Ｄｏｐ（Doppler）：超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐのドップラ・サンプリングゲートの位置を移動させる。

　図１は、上記の（４）における超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐのドップラ・サンプリングゲートＧの位置を移動させる場合の動作を示し、操作部品表示領域Ａ２に表示されているＤｏｐボタンがタッチされて右方向にドラッグされた場合を示している。ここで、Ｄｏｐボタンは、あらかじめ左右方向にドラッグされた場合、ドップラ・サンプリングゲートＧの位置をその方向に移動するようにルール付けして設定しているため、このルールに基づき、装置側では、ドラッグ方向に応じて超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐのドップラ・サンプリングゲートＧの位置を移動させる。また、このドラッグ中に他の機能のボタンとしてボタンｂがタッチされるが、ボタンｂのタッチ操作を無効にする。このため、Ｄｏｐボタンの位置からボタンｂの上をドラッグできる。さらに、このドラッグ中にタッチパネルがタッチされなくなった場合にはＤｏｐボタンの操作が終了したと判断し、無効とされていたボタンｂのタッチ操作を有効にする。なお、ボタンごとに設定するルールとしては、対象画像を左右、上下に移動、幅又は画像全体の拡大、縮小などの変更操作ルールが設定可能である。

　図２及び図３は操作部品表示領域Ａ２におけるボタンの他の表示例を示す。図２は上記の（２）における超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの一次元走査方向の位置を変化させる場合の動作を示し、操作部品表示領域Ａ２に表示されているＰＯＳボタンがタッチされて水平方向にドラッグされると、装置側では、ドラッグ方向に応じて超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの位置を点線で示した位置から実線で示した位置に変化させる。図３は上記の（１）における超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの一次元走査方向の角度を変化させる場合の動作を示し、操作部品表示領域Ａ２に表示されているＦＯＶボタンがタッチされて水平方向にドラッグされると、右方向へのドラッグは「角度拡大」、左方向へのドラッグは「角度縮小」とルール化されており、装置側ではドラッグ方向に応じて超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの角度（扇形状の開き角）を変化させる。図３では左方向にドッラグしていることから、点線で示した開き角の大きい（幅の広い）扇形状から、実線で示した開き角の小さい（幅の狭い）扇形状に変化させる。ここで、ＰＯＳボタンとＦＯＶボタンのドラッグ方向は、超音波画像領域Ａ１の表示画像の水平方向のみであるので、一例として画面の下端において水平方向に配列されている。

　図４は操作部品表示領域Ａ２におけるボタンの他の表示例を示し、超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐのフォーカス位置を変化させるためのFocusボタンと、超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの深さを変化させるためのDepthボタンと、超音波画像領域Ａ１の表示画像ＰをズームするためのZoomボタンが設けられ、また、これらのボタンのドラッグ方向は、超音波画像領域Ａ１の表示画像の垂直方向のみであるので、一例として画面の右端において垂直方向に配列されている。ここで、これらのボタンの配置位置は、通常はボタンを配置しない設定の超音波画像領域Ａ１であるが、超音波画像Ｐが表示されない領域を判断して、専用キーで切り替えられるようにした状態を示している。（表示装置のこの右端面は、当初より操作部品表示領域に固定しておいてもよい。）図４に示すように、Focusボタンがタッチされて垂直方向にドラッグされると、装置側ではドラッグ方向に応じて表示画像Ｐのフォーカス位置を変化させ、また、フォーカスマークを移動させる。

　図５は上記の表示制御を実行する超音波診断装置の構成を示すブロック図である。まず、タッチパネル付き表示装置は表示装置４とタッチパネル５により構成される。超音波制御部２は超音波プローブ１の超音波送信とその反射信号の受信を制御する。表示制御部３は、受信した反射信号を処理して、図１～図４に示すように超音波画像を表示装置４の超音波画像領域Ａ１に表示するとともに、各種の操作ボタンを操作部品表示領域Ａ２に表示するための表示制御を実行する。入力制御部６はタッチパネル５のタッチ位置を検出し、超音波制御部２は入力制御部６により検出されたタッチパネル５のタッチ位置に応じて表示装置４の超音波画像領域Ａ１の画像を変化させるための制御を実行する。

　図６は上記の表示制御を説明するためのフローチャートである。まず、タッチ検出処理を実行し（ステップＳ１）、タッチされていなければステップＳ２からステップＳ１に戻り、他方、タッチされていればステップＳ２からステップＳ３に進む。ステップＳ３ではそのタッチ位置を検出し、次いでそのタッチ検出位置がドラッグ可能領域か否かをチェックする（ステップＳ４）。そして、ドラッグ可能領域であれば表示内容変更ボタン以外のタッチパネル操作を禁止し（ステップＳ５）、次いで、操作のためにタッチされた表示内容変更ボタンの変更内容を選択する（ステップＳ６）。

　次いで、タッチ状態を監視するためにまずタッチ検出機能を作動し（ステップＳ７）、タッチされていればステップＳ８からステップＳ９に進む。ステップＳ９ではタッチ位置の移動距離を検出し、次いで移動があればステップＳ１０からステップＳ１１に進んで移動距離に応じた表示変更の値を変更し（表示状態変更）、次いでステップＳ７に戻る。ステップＳ１０において移動がなければステップＳ７に戻る。また、ステップＳ８においてタッチされていなければ、表示変更を解除し（ステップＳ１２）、次いで表示変更ボタン以外のタッチパネル操作を許可し（ステップＳ１３）、次いでステップＳ１に戻る。また、ステップＳ４においてドラッグ可能領域でなければタッチ検出処理を実行し（ステップＳ１４）、タッチされていなければステップＳ１５からステップＳ１に戻り、他方、タッチされていればステップＳ１５からステップＳ１４に進む。なお、上記のように表示状態を変更するタイミングは、タッチ位置の移動に合わせてリアルタイムで行うだけでなく、タッチ位置の移動完了後に変更するようにしてもよい。

　＜第２の実施の形態＞
　図７は本発明に係る超音波診断装置の第２の実施の形態の表示例を示す説明図である。図７に示す表示画面は、従来技術と同様に超音波画像Ｐが表示される超音波画像領域Ａ１と、超音波画像Ｐの変更内容を指示するための操作部品表示領域Ａ２に分割されているが、以下の点が従来技術と異なっている。

　まず、本発明の第１の表示領域である超音波画像領域Ａ１は超音波画像Ｐが表示されるのみであり、本発明に係る画像変更のためにタッチしても超音波画像Ｐは変化しない。なお、超音波画像領域Ａ１はタッチパネルなしでもよいが、他の用途のためにタッチパネル付きでもよい。さらに、第２の表示領域である操作部品表示領域Ａ２はタッチパネル付きであって、超音波画像Ｐの変更内容を選択するためのタッチパッドアビトレーション可能アイコンＡ２１と、アイコン表示・ドラッグエリアＡ２２１及びＳＥＴボタンＡ２２２、ＮＥＸＴボタンＡ２２３を有するタッチパッドエリアＡ２２が表示される。タッチパッドアビトレーション可能アイコンＡ２１は、トラックボールの代わりとしてのマウスカーソルを移動するためのアイコン１００をはじめ、複数の画像変更内容を示す各アイコン１０１、１０２、１０３、１０４、１０５により構成され、いずれか１つがタッチ操作により選択されると、選択された変更内容のアイコンをタッチパッドエリアＡ２２のアイコン表示・ドラッグエリアＡ２２１に表示する。このことにより、アイコン表示・ドラッグエリアＡ２２１の機能が現在、何にアサインされているかも明確にわかるようにし操作者への視認性を高めている。そして、アイコン表示・ドラッグエリアＡ２２１がドラッグされると、装置側では、選択された変更内容の指示及びドラッグ方向に応じて超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐを変化させる。このため、超音波画像領域Ａ１に指紋や傷が付いて汚れることを防止することができ、ひいては超音波断層画像を見やすくすることができる。

　ここで、超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐを変更する内容の例を説明する。
（１）Ｆｏｖ（Field of View）：超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの一次元走査方向の角度を変化させる。
（２）Ｐｏｓ（Position）：超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの一次元走査方向の位置を変化させる。
（３）ＲＯＩ（Region of Interest）：超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの二次元方向の大きさや位置を変化させたり、カラー表示させたりする。
（４）Ｄｏｐ（Doppler）：超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐのドップラ・サンプリングゲートの位置を移動させる。

　図７に示すタッチパッドアビトレーション可能アイコンＡ２１について簡単に説明する。アイコン１０１は超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの二次元方向の大きさ（ＲＯＩ size）を変更するＲＯＩ sizeアイコンであり、アイコン１０２は超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの二次元方向の位置（ＲＯＩ position）を変更するＲＯＩ posアイコンである。また、アイコン１０３は超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの一次元走査方向の位置を変更するＰＯＳアイコンであり、アイコン１０４は超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐの一次元走査方向の角度を変更するＦｏｖアイコンである。また、アイコン１０５は超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐのドップラ・サンプリングゲートを変化させるＤｏｐアイコンである。

　図８Ａ～図８Ｄは、上記の（４）における超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐのドップラ・サンプリングゲートＧの位置を移動させる場合の動作を示す。まず、図８Ａに示すようにアイコン表示・ドラッグエリアＡ２２１に機能がアサインされていなく、何も表示されていない状態で、タッチパッドアビトレーション可能アイコンＡ２１においてＤｏｐアイコン１０５がタッチされると、図８Ｂに示すように、タッチされたＤｏｐアイコン１０５と同じ画像、及びドラッグ操作ガイドとして指画像をアイコン表示・ドラッグエリアＡ２２１に表示する。次いで、図８Ｃ、図８Ｄに示すように、アイコン表示・ドラッグエリアＡ２２１が指Ｆでドラッグされると、装置側では、ドラッグ方向に応じて超音波画像領域Ａ１の表示画像Ｐのドップラ・サンプリングゲートＧの位置を移動させる。

　図９は上記の表示制御を実行する超音波診断装置の構成を示すブロック図である。まず、タッチパネル付き表示装置は表示装置５４とタッチパネル５５により構成される。超音波送受信部５２は超音波探触子５１の超音波送信とその反射信号の受信を制御し、信号処理部５３は、受信した反射信号を処理して、図７、図８Ａ～図８Ｄに示すように超音波画像Ｐを表示装置５４の超音波画像領域Ａ１に表示するとともに、各種の操作ボタンを操作部品表示領域Ａ２に表示するための表示制御を実行する。制御部５１０は入力情報制御部５１１と、機能割当て制御部５１２と画面表示制御部５１３を有する。入力情報制御部５１１はタッチパネル５５及び操作パネル５６によるユーザ操作の情報（イベント）を受信してその処理を行う。機能割当て制御部５１２は特に、タッチパッドエリアＡ２２にどの機能を割り当てるかを判断し、画面表示制御部５１３は特に、タッチパッドエリアＡ２２のアイコン表示・ドラッグエリアＡ２２１に表示するアイコンを切り替える表示制御を実行する。また、制御部５１０はアイコン表示・ドラッグエリアＡ２２１のドラッグ方向に応じて表示装置５４の超音波画像領域Ａ１の画像を変化させるための制御を実行する。

　なお、操作者が誤って超音波画像領域Ａ１にタッチすることも想定すると、もし、超音波画像領域Ａ１にタッチした場合、表示画面に「超音波画像領域Ａ１にタッチしてはいけない。操作は操作部品表示領域Ａ２で行うこと。」などの警告メッセージを表示するか、又は操作部品表示領域Ａ２が点滅又は輝度変更を行い、操作者に警告し、注意を促すようにすることで、さらに、超音波断層画像の表示部分に指紋や傷が付いて汚れることを防止することができ、ひいては超音波断層画像を見やすくすることができる。さらに、捜査開始時、操作者の識別情報を入力するようにし、同一の操作者が所定期間に複数回誤って、超音波画像領域Ａ１をタッチするような場合は、さらに、警告のレベル（点滅の頻度、輝度変更の変化量）を上げることで、より注意を促すようにしてもよい。

　＜第３の実施の形態＞
　図１０は本発明に係る超音波診断装置の第３の実施の形態の表示例を示す説明図である。図１０に示す表示画面は、従来技術と同様に超音波画像Ｐが表示される超音波画像領域Ａ１と、超音波画像Ｐをドラッグ操作するための操作部品表示領域Ａ２に分割されている。まず、本発明の第１の表示領域である超音波画像領域Ａ１は超音波画像Ｐ及びカーソルＣが表示されるのみであり、タッチしてもカーソルＣは移動しない。なお、超音波画像領域Ａ１はタッチパネルなしでもよいが、他の用途のためにタッチパネル付きでもよい。

　さらに、第２の表示領域である操作部品表示領域Ａ２はタッチパネル付きであって、カーソルＣを移動するためのドラッグエリアであるタッチパッドエリア１１００と、スタート（Start）ボタン１１０１と、セット（Set）ボタン１１０２と、ネクスト（Next）ボタン１１０３と、他のモード用のボタン１１０４などが表示される。そして、タッチパッドエリア１１００が指Ｆでドラッグされると、装置側では、ドラッグ方向及びドラッグ距離に応じてカーソルＣを移動する（図のＣ１→Ｃ２）。このため、超音波画像領域Ａ１に指紋や傷が付いて汚れることを防止することができ、ひいては超音波画像Ｐを見やすくすることができる。

　なお、図１１に示すように、ドラッグエリアであるタッチパッドエリア１１００に指画像１１００ａを表示することにより、ユーザに対して超音波画像Ｐをドラッグしないよう、注意を喚起することができる。また、操作者が誤って超音波画像領域Ａ１にタッチすることも想定すると、もし、超音波画像領域Ａ１にタッチした場合、表示画面に「超音波画像領域Ａ１にタッチしてはいけない。操作は操作部品表示領域Ａ２で行うこと。」などの警告メッセージを表示するか、又は操作部品表示領域Ａ２が点滅又は輝度変更を行い、操作者に警告し、注意を促すようにすることで、さらに、超音波断層画像の表示部分に指紋や傷が付いて汚れることを防止することができ、ひいては超音波断層画像を見やすくすることができる。さらに、ドラッグ操作開始時、操作者の識別情報を入力するようにし、同一の操作者が所定期間に複数回誤って、超音波画像領域Ａ１をタッチするような場合は、さらに、警告のレベル（点滅の頻度、輝度変更の変化量）を上げることで、より注意を促すようにしてもよい。

　ここで、ドラッグ操作は、タッチパッドエリア１１００内のみが有効ではなく、図１０に示すようにタッチパッドエリア１１００外も有効である。このとき、タッチパッドエリア１１００外をドラッグ中に他のモード用のボタン１１０４がタッチされた場合、他のモード用のボタン１１０４のタッチ操作を無効にしてドラッグ操作を有効にする。ドラッグ操作が終了すると、タッチ操作を無効にした他のモード用のボタン１１０４のタッチ操作を有効とする。

　超音波画像領域Ａ１に表示されるカーソルＣを移動させる用途として、超音波画像領域Ａ１に胎児画像を表示して胎児の頭部の径を測定する場合があり、この場合、ユーザは胎児画像の頭部の両端（始点と終点）をカーソルＣで指定する。頭部の両端が指定されると、胎児画像の大きさとの関係に基づいて頭部の両端を測定して図１０の１１０５（ｘｘｘｘmm）のように表示する。

　図１２は上記の測定制御を実行する超音波診断装置の構成を示すブロック図である。まず、タッチパネル付き表示装置は表示装置５４とタッチパネル５５により構成される。超音波送受信部５２は超音波探触子５１の超音波送信とその反射信号の受信を制御し、信号処理部５３は、受信した反射信号を処理して、図１０に示すように超音波画像Ｐを表示装置５４の超音波画像領域Ａ１に表示するとともに、画面表示制御部５１３の制御に基づいて各種の操作ボタンを操作部品表示領域Ａ２に表示するための表示制御を実行する。制御部５１０ａは入力情報制御部５１１と、演算部５１２ａと画面表示制御部５１３を有する。入力情報制御部５１１はタッチパネル５５及び操作パネル５６によるユーザ操作の情報（イベント）を受信してその処理を行う。演算部５１２ａは特に、カーソルＣで胎児画像の頭部の両端が指定されると、胎児画像の大きさとの関係に基づいて頭部の両端を測定し、測定結果を表示するよう画面表示制御部５１３に指示する。

　図１３は上記の測定制御を実行する演算部５１２ａの処理を説明するためのフローチャートである。図１３に示す処理は、スタート（Start）ボタン１１０１がタッチされるとスタートし、まず、セット（Set）ボタン１１０２がタッチ（ＯＮ）されたか否かをチェックし（ステップＳ２１）、タッチ（ＯＮ）されると、カーソルＣの現在位置を始点として記憶する（ステップＳ２２）。次いで、同じくセット（Set）ボタン１１０２がタッチ（ＯＮ）されたか否かをチェックし（ステップＳ２３）、タッチ（ＯＮ）されると、カーソルＣの現在位置を終点として記憶し（ステップＳ２４）、次いで超音波画像Ｐの始点と終点の間の距離を測定する（ステップＳ２５）。また、ネクスト（Next）ボタン１１０３がタッチ（ＯＮ）されたか否かをチェックし（ステップＳ２６）、タッチ（ＯＮ）されると、ステップＳ２１に戻り、他の部位の距離測定が可能である。

　ドラッグ操作の他の例として、図１４に示す指Ｆのようにタッチパッドエリア１１００内をドラッグ開始位置としてタッチパッドエリア１１００のエッジでドラッグが停止続けた場合にカーソル移動を継続することも可能である。また、図１５に示すようにタッチパッドエリア１１００内を同じ方向に複数回、指Ｆ（図１４）でなぞることも可能である。

　＜第４の実施の形態＞
　本発明の第４の実施の形態の超音波診断装置を図１６、図１７、図１８に示す。図１６において、本発明にかかる超音波診断装置は概略的に、被検体(不図示)に対して超音波プローブ(不図示)を用いて超音波信号を送信し被検体からの反射信号を受信するための超音波信号送受信部２０１と、受信信号又は画像パラメータ変更を要求する操作信号から画像処理を行って超音波診断画像を生成する画像処理部２０２と、生成された超音波診断画像を表示する表示モニタ２１０と、表示モニタ２１０上に重畳されているタッチパネル２１１と、各処理部間でのデータの授受や表示モニタ２１０の表示制御を行う制御ブロック２０３とを有する。表示モニタ２１０には外枠２１０１が付属し、タッチパネル２１１は外枠２１０１の内側に隣接した隣接部を各辺のそれぞれに独立した機能を設定可能なタッチパッド（独立機能領域）として使用することが可能である。また制御ブロック２０３は、前記のタッチパッド機能を持つ領域での使用とそれ以外の領域での使用とを区別するタッチパッド機能領域使用判定部２０４を含んでいる。

　なお、タッチパネル２１１は、表示モニタ２１０上に重畳されたものに限らず、表示機能と操作機能とを一体化したものであれば良い。また、図１７に示すように、入力装置としてトラックボール、キースイッチ、スライド抵抗、エンコーダノブといったハードキー(いずれも不図示)を備えた操作卓２１０２を併用してもよい。

　図１８は、表示モニタ２１０の表示画面の概略を表したものであり、超音波診断画面３１００と、表示モニタ２１０の外枠（以下では「表示モニタ枠」）２１０１と、タッチパネル２１１内で外枠２１０１の四辺に沿い上下左右方向のタッチパッドとして使用される領域３２０（下辺の３２０ａ、右辺の３２０ｂ、上辺の３２０ｃ、左辺の３２０ｄを含む）と、メニュー（例えば図１９に示すCaliper，Color，Doppler，CINE，2D-Live）の選択を行うためにタッチパネル２１１上に配置されたソフトキー３１２と、表示モニタ枠２１０１に沿ったタッチパネル領域３２０に対して機能の割り当てと機能の表示が行えるソフトキー３１３（下の３１３ａ、右の３１３ｂ、上の３１３ｃ、左の３１３ｄ、中心の３１３ｅを含む）とを有する。

　ソフトキー３１３に割り当てられる超音波診断装置の操作モード（後述）を手指などで押下して選択することで、制御ブロック２０３による処理を経て各モードに応じて割り当てられるタッチパッドとしての機能がソフトキー３１３に表示され、また各モードに対応した超音波診断画面３１００が表示される。ソフトキー３１３には表示モニタ枠２１０１に沿ったタッチパネル領域３２０の各辺３２０ａ、３２０ｂ、３２０ｃ、３２０ｄに対応した操作名を表示するソフトキー３１３ａ、３１３ｂ、３１３ｃ、３１３ｄが枠の形に配置され、その中には現在のモード名などを表示できる領域３１３ｅを備える。なお、割り当てられる操作名はソフトキー３１３だけでなく、直接タッチパネル領域３２０中に表示することも可能である。ソフトキー３１３ａ、３１３ｂ、３１３ｃ、３１３ｄそれぞれを押下することにより、各モードで変更可能な機能が次々と表示され、これによって機能を変更することができる。また、中心のソフトキー３１３ｅを押下することにより、各辺の全てのソフトキー３１３aから３１３ｄを同時に、あらかじめ登録されている組み合わせ、又はユーザが登録した組み合わせなどへ変更することができる。なお、ソフトキー３１２、３１３と超音波診断画面３１００との位置関係、又はソフトキー３１２、３１３の形状や並び方、さらに表示モニタ２１０の形状は、図１８に示されるものに限らず、同様の機能を実現するものであれば図１８と異なってもよい。

　このような本発明の第４の実施の形態の超音波診断装置によれば、表示モニタ枠２１０１に沿った上下左右方向のタッチパネル領域３２０を設けることにより、操作者による入力速度や入力位置の調節が容易になり、直感的かつ多種の操作方法による入力が可能になる。又、タッチパネル領域３２０の機能選択が行えるソフトキー３１３を設けることにより、タッチパネル領域３２０に割り当てられる機能を一括に又は個別に変更することができ、さらにタッチパネル領域３２０上に現在割り当てられている機能を表示することで操作者による誤操作を防ぐことができる。又モード切替が行えるソフトキー３１２を同一画面上に配置することにより、モード切替操作時の手指の移動距離を減らし、超音波診断装置の操作性全体をも向上させることができる。

　次に、本発明の第４の実施の形態の超音波診断装置の具体例を図１９に示す。図１９は、超音波診断装置に画像系列として蓄えられた診断中の映像を再生するCINE再生モードの画面を示している。ソフトキー３１２は現在のモード（CINE）が選択され、ソフトキー３１３の中心のソフトキー３１３ｅにも現在のモード名（CI）が表示される。超音波診断画面３１００には超音波画像３３０と、保存した全体の画像系列の長さを表すCINE再生バー３３１と、CINE再生バー３３１中の現在表示位置を表すポインタ３３２と、スケール３３３などが表示される。表示モニタ枠２１０１に沿ったタッチパネル領域３２０ａ、３２０ｂ、３２０ｃ、３２０ｄには、それぞれソフトキー３１３ａ、３１３ｂ、３１３ｃ、３１３ｄに表示される機能（TIME，Contrast，割り当てなし，Zoom）が割り当てられている。

　例えば、画像系列を時間的に前後に送り表示させる場合、「TIME」と表示のあるソフトキー３１３ａと対応する下辺のタッチパネル領域３２０ａ上を手指などで押下又は左右方向にスクローリングすればよい。この際、一つの実現方法として、タッチパネル領域３２０ａの左右方向の長さを画像系列全体の長さ（Ｎ枚）とする方法があげられる。図２０に示すように、タッチパネル領域３２０ａの左端を原点とする押下位置をＢ、タッチパネル領域３２０ａの長さをＡ、又CINE再生バー３３１の左端を原点とするポインタ３３２の位置をｂ、CINE再生バー３３１の長さをａとすると、ａ：ｂ＝Ａ：Ｂとなるようにポインタ３３２の位置ｂを決め、Ｎ×(Ｂ/Ａ)枚目の画像を現在の表示画像とする。さらにスクローリングの速度又は加速度を検出して、これらを画像送りの速度又は加速度に直接反映させる。上記の仕様により、操作者が直感的に画像表示を制御することができる。

　また、他の実現方法として、タッチパネル領域３２０ａで画像送りの速度を表現する方法があげられる。図２１に示すように、タッチパネル領域３２０ａの中心を速度０とし、左右で速度の正負、中心からの距離で相対的な速度の大きさを表現することにより、操作者は押下の位置で連続的にかつ安定して画像送りの速度を制御することができる。なお、上述の処理は全て制御ブロック２０３を介して行われるものである。

　左辺のタッチパネル領域３２０ｄ上を手指などで上下方向になぞる場合も同様であり、この場合は対応するソフトキー３１３ｄに「Zoom」機能が割り当てられているので、制御ブロック２０３を介して手指などの動きと連動させ、スケール３３３と超音波画像３３０を連続的に拡大縮小させることができる。

　同様に、右辺のタッチパネル領域３２０ｂ上を手指などで上下方向になぞる場合は、対応するソフトキー３１３ｂに「Contrast」機能が割り当てられており、表示モニタ２１０のコントラストを変化させることができる。コントラストが連続値として設定できる場合は上記と同様の方法で設定可能であるが、離散値を取る場合は、制御ブロック２０３によりタッチパネル領域３２０ｂを、取り得る値の数で仮想的に等分割することで、押下位置によって各値を設定することが可能である。

　なお、対応するソフトキー３１３ｃに機能の表示がない上辺のタッチパネル領域３２０ｃには機能が割り当てられておらず、この場合はタッチパネル領域３２０ｃに対する操作は無効である。

　超音波診断装置の他の主要な機能において本実施の形態を適用した例を図２２、図２３に示す。図２２は、画像中のサンプルボリューム(ＳＶ)で示された位置の血流速度などを測定するドップラモードの画面を示している。ソフトキー３１２は現在のモード（Doppler）が選択され、ソフトキー３１３における中心のソフトキー３１３ｅにも現在のモード名（D）が表示される。超音波診断画面３１００の左画面には超音波画像３３０に加え、サンプルボリューム３４０が表示され、右画面には血流の強度３４１(縦軸)が時間軸(横軸)に沿って表示される。モニタ枠２１０１に沿ったタッチパネル領域３２０ａ、３２０ｂ、３２０ｃ、３２０ｄには、それぞれソフトキー３１３ａ、３１３ｂ、３１３ｃ、３１３ｄに表示される機能（SV(Hol.)，Volume，Scale(D，SV(Ver.))が割り当てられている。例えば下辺のタッチパネル領域３２０ａ又は左辺のタッチパネル領域３２０ｄ上を手指などでそれぞれ左右方向又は上下方向になぞると、対応するソフトキー３１３ａ、３１３ｄにそれぞれ「ＳＶ(Horizontal)」、「ＳＶ(Vertical)」が割り当てられているので、図１９の場合と同様の処理過程でサンプルボリューム３４０の位置を水平方向又は垂直方向に連続的に移動させることができる。

　図２３は、ＲＯＩ（Region of Interest）３５０内の血流の向きを色分けして見ることができるカラーモードの画面を示している。ソフトキー３１２は現在のモード（Color）が選択され、ソフトキー３１３ｅにも現在のモード名（C）が表示される。超音波診断画面３１００には、超音波画像３３０に加え、ＲＯＩ３５０が表示される。モニタ枠２１０１に沿ったタッチパネル領域３２０ａ、３２０ｂ、３２０ｃ、３２０ｄには、それぞれソフトキー３１３ａ、３１３ｂ、３１３ｃ、３１３ｄに表示される機能（ROI(Hol.，ROIsizeV，ROIsizeH，ROI(Ver.)が割り当てられている。

　例えば下辺のタッチパネル領域３２０ａ又は左辺のタッチパネル領域３２０ｄ上を手指などでそれぞれ左右方向又は上下方向になぞると、対応するソフトキー３１３ａ、３１３ｄにそれぞれ「ROI(Horizontal)」、「ROI(Vertical)」が割り当てられているので、図１９の場合と同様の処理過程でＲＯＩ３５０の位置を水平方向又は垂直方向に連続的に移動させることができる。また、右辺のタッチパネル領域３２０ｂ又は上辺のタッチパネル領域３２０ｃ上を手指などでそれぞれ上下方向又は左右方向になぞると、対応するソフトキー３１３ｂ、３１３ｃにそれぞれ「ROI Size Vertical」、「ROI Size Horizontal」が割り当てられているので、ＲＯＩ３５０の大きさを水平又は垂直方向に連続的に大小させることができる。なお、ＲＯＩ３５０の大きさを連続的に大小させる際、タッチパネル領域３２０を手指などで２点押下し、両点の相対距離を大小させ、これをＲＯＩ３５０の大きさに反映させるようにしてもよい。

　このような本発明の第４の実施の形態の超音波診断装置によれば、モニタ枠２１０１に沿ったタッチパネル領域３２０を用いて入力を行う際、押下した点の相対位置又は絶対位置を検出し、又スクローリングを行う際には移動速度や加速度、さらに移動の相対量と絶対量を検出することにより、離散値又は連続値をとるパラメータを容易に変化させることができる。

　なお、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるＬＳＩとして実現される。これらは個別に１チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように１チップ化されてもよい。ここでは、ＬＳＩとしたが、集積度の違いにより、ＩＣ、システムＬＳＩ、スーパーＬＳＩ、ウルトラＬＳＩと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はＬＳＩに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。ＬＳＩ製造後に、プログラムすることが可能なＦＰＧＡ（Field Programmable Gate Array）や、ＬＳＩ内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりＬＳＩに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。

　本発明は、タッチパネル付き表示装置に表示されている超音波断層画像の表示内容をドラッグ操作により変更する場合に、超音波断層画像の表示部分に指紋や傷が付いて汚れることを防止することができ、ひいては超音波断層画像を見やすくすることができるという効果を有し、超音波診断装置などに利用することができる。
　また、本発明にかかる超音波診断装置は、モニタ上に重畳されたタッチパネル領域のうちモニタ枠に沿った部分をタッチパッドとして扱うことを可能にし、この部分に対して手指や道具でモニタ枠に沿って入力を行うことで、入力速度や入力位置の制御が容易になり、直感的かつ多種の操作方法による入力が可能になるという効果を有し、画像パラメータをユーザが変更し得る超音波診断装置などとして有用である。

Claims

　超音波プローブを介して超音波信号を送受信する超音波信号送受信部と、
　前記超音波信号送受信部が受信した超音波信号を超音波画像に変換する画像処理部と、
　前記画像処理部により変換された超音波画像を第１の表示領域に表示し、前記第１の表示領域に表示されている超音波画像の表示内容を変更するための操作ボタンを第２の表示領域に表示するとともに、少なくとも前記第２の表示領域上にタッチパネルを備えた表示装置と、
　前記第２の表示領域に表示されている操作ボタンがタッチされて前記タッチパネル上をドラッグされた場合に、前記第１の表示領域に表示されている超音波画像の表示内容を前記操作ボタンごとに設定したルールに基づき変更する表示制御手段とを、
　有する超音波診断装置。
　超音波プローブを介して超音波信号を送受信する超音波信号送受信部と、
　前記超音波信号送受信部が受信した超音波信号を超音波画像に変換する画像処理部と、
　前記画像処理部により変換された超音波画像を第１の表示領域に表示し、前記第１の表示領域に表示されている超音波画像の表示内容変更を指示するためのアイコンと、その変更方向をドラッグ操作で変更するためのドラッグエリアを第２の表示領域に表示するとともに、少なくとも前記第２の表示領域上にタッチパネルを備えた表示装置と、
前記アイコンがタッチされた場合にそのアイコンを前記ドラッグエリアに表示して前記ドラッグエリア上をドラッグされた場合に、前記第１の表示領域に表示されている超音波画像を前記アイコンの変更内容指示及び前記ドラッグエリアのドラッグ方向に応じて変更する表示制御手段とを、
　有する超音波診断装置。
　前記表示制御手段は、前記ドラッグエリア内をドラッグ開始位置として前記ドラッグエリア外のタッチパネル上をドラッグ終了位置としてドラッグされた場合にもドラッグ操作を有効とすることを特徴とする請求項２に記載の超音波診断装置。
　前記表示制御手段は、前記操作ボタン又は前記ドラッグエリア内の位置から前記タッチパネル上をドラッグ中に、他の操作ボタンがタッチされた場合に前記他の操作ボタンのタッチ操作を無効にすることを特徴とする請求項１から３のいずれか１つに記載の超音波診断装置。
　前記表示制御手段は、前記他の操作ボタンのタッチ操作を無効にした後、前記ドラッグ操作が終了した場合に、前記無効にした前記他の操作ボタンのタッチ操作を有効にすることを特徴とする請求項４に記載の超音波診断装置。
　前記表示制御手段は、前記ドラッグエリア内からドラッグ開始後、前記ドラッグエリアのエッジでドラッグが停止続けた場合にカーソル移動を継続することを特徴とする請求項２、３、５のいずれか１つに記載の超音波診断装置。
　前記表示制御手段は、前記ドラッグエリア内を指でなぞるドラッグ操作でカーソルを移動することを特徴とする請求項２、３、５のいずれか１つに記載の超音波診断装置。
　前記第１の表示領域にタッチされた場合、前記表示制御手段は、前記表示画面に、前記第１の表示領域にタッチしないよう警告メッセージを表示するか、又は前記第２の表示領域を点滅させるか又は輝度変更を行い、操作者に警告することを特徴とする請求項１、２、３、５のいずれか１つに記載の超音波診断装置。
　前記ドラッグ操作で移動したマウスカーソルの始点と終点の間の前記超音波画像の距離を演算する演算手段をさらに備え、
　前記表示制御手段は、前記演算手段により演算された前記超音波画像の距離を前記第１又は第２の表示領域に表示することを特徴とする請求項１、２、３、５のいずれか１つに記載の超音波診断装置。
　前記表示制御手段は、前記ドラッグエリアにドラッグ操作ガイドとして指画像を前記アイコンとともに表示することを特徴とする請求項２、３、５のいずれか１つに記載の超音波診断装置。
　前記表示装置は、表示画面周辺部に外枠部を有し、
　前記第２の表示領域は、前記外枠部の内側に隣接した隣接部を各辺のそれぞれに独立した機能を設定可能な独立機能領域を有することを特徴とする請求項１に記載の超音波診断装置。
　前記表示制御手段は、前記独立機能領域での前記タッチパネルの操作者の指示点の座標位置、指示点の移動速度又は加速度を検出し信号を出力することが可能な制御部であることを特徴とする請求項１１に記載の超音波診断装置。
　前記表示制御手段は、前記独立機能領域の操作により、連続値、離散値又は二値で表されるパラメータを変化させることが可能な制御部であることを特徴とする請求項１１又は１２に記載の超音波診断装置。
　前記表示制御手段は、前記外枠部の長さに対する前記独立機能領域の前記指示点の相対位置又は絶対位置、あるいは指示点を移動したときの絶対移動量又は相対量を検出することができる制御部であることを特徴とする請求項１３に記載の超音波診断装置。
　前記制御部は、前記独立機能領域に割り当てる機能を、前記外枠部の各辺のそれぞれに、個別又は一括で変更可能にできることを特徴とする請求項１１に記載の超音波診断装置。
　前記外枠部の各辺に隣接した前記独立機能領域それぞれに割り当てる機能の情報を前記独立機能領域それぞれに表示可能であることを特徴とする請求項１５記載の超音波診断装置。