WO2009110096A1 - 合成開口処理システム及び合成開口処理方法 - Google Patents

合成開口処理システム及び合成開口処理方法 Download PDF

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Abstract

本発明の合成開口処理システム10は、チャープ波を生成して、複数の計測位置から照射領域に照射する信号送信部12と、信号送信部12により照射された複数のチャープ波による複数の反射波を受信する信号受信部14と、信号受信部14により受信された複数の反射波のそれぞれにレンジ圧縮を行い、複数のシンク関数からなる受信データを生成するレンジ圧縮処理部15と、チャープ波が照射領域内の複数の所定位置で反射した場合の理想的な受信波をレンジ圧縮した複数のシンク関数からなる複数のモデルデータと、レンジ圧縮処理部15により生成された受信データとに基づいて、モデルデータのそれぞれと受信データとの相関度合いを示す相関値データを算出する相互相関演算部18と、相互相関演算部18により算出された相関値データを出力する画像出力部19と、を備えている。

Description

合成開口処理システム及び合成開口処理方法
 本発明は、レーダーやソーナーなどの合成開口処理システム及び合成開口処理方法に関するものである。
 ソーナーやレーダーは遠隔目標を広範囲に調査できる反面、遠距離の探査ではソーナーやレーダーを搭載するプラットフォームの進行方向(アジマス方向)の分解能が低下するという欠点をもつ。この欠点を解消するために、扱いやすい短い受信アレイを用いて、受信アレイを仮想的に延長することでアジマス分解能を向上させる合成開口処理が知られている。
 合成開口処理では、プラットフォームが一定速度で移動しつつ、一定間隔でパルスが地海面に対して繰り返し放射され、複数の反射波が受信される。そしてこれらの複数の反射波を処理することにより、レンジ方向(パルスが放射された地海面上に沿った方向)及びアジマス方向の分解能を向上させたソーナー画像又はレーダー画像が得られる。
 合成開口処理の手法としては、1次元アルゴリズムと2次元アルゴリズムが知られている(例えば非特許文献1を参照)。1次元アルゴリズムでは、まず、従来のパルス圧縮技術に基づいて、反射波が時刻方向にパルス圧縮される(これをレンジ圧縮という)。次いで、レンジカーバチャと呼ばれるプラットフォームの移動の影響による反射波の記録時刻のずれが修正される。そして、複数の反射波の波形振幅が加算されて、レンジ方向及びアジマス方向の分解能を向上させたソーナー画像又はレーダー画像として出力される。
 2次元アルゴリズムでは、受信した複数の反射波と、反射波の受信可能範囲の複数の所定位置で反射した場合の理想的な受信波に基づき作成された参照信号との2次元相関演算が行われ、受信可能範囲内の複数の所定位置ごとに相関値が算出される。これらの相関値データに基づいて、レンジ方向及びアジマス方向の分解能を向上させたソーナー画像又はレーダー画像が作成される。
大内和夫、"リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎"、東京電機大学出版局、2004
 合成開口処理を行いつつレーダーやソーナーの実用性を保つためには、リアルタイムでレーダー画像やソーナー画像を得られることが望ましく、このため、合成開口処理による計算機の演算負荷を低減させたいとの要望がある。
 しかしながら、従来の1次元アルゴリズムでは、アジマス方向の処理は単純な総和演算なので演算負荷は小さいが、レンジカーバチャ修正の処理のために反射波のデータ補間が必要であり、条件によっては精度誤差が大きくなるという問題がある。
 また、2次元アルゴリズムでは、反射波をそのまま用いて、参照信号と2次元相関演算を行うので精度良く合成開口処理が行えるが、膨大な数の参照信号との相関演算が必要なため、演算負荷が大きくなるという問題がある。
 そこで、本発明は、上記の問題点を解決し、合成開口処理を高精度に行うことができ、かつ、演算負荷を低減させることができる合成開口処理システム及び合成開口処理方法を提供することを目的とする。
 上記課題を解決するために、本発明の合成開口処理システムは、周波数が時間変化する周波数変調波を生成して、複数の計測位置から照射領域に照射する送信手段と、送信手段により照射された複数の周波数変調波による複数の反射波を受信する受信手段と、受信手段により受信された複数の反射波のそれぞれにレンジ圧縮を行い、複数のシンク関数からなる受信データを生成するレンジ圧縮処理手段と、周波数変調波が前記照射領域内の複数の所定位置で反射した場合の理想的な受信波をレンジ圧縮した複数のシンク関数からなる複数のモデルデータと、レンジ圧縮処理手段により生成された受信データとに基づいて、モデルデータのそれぞれと受信データとの相関度合いを示す相関値データを算出する相関値算出手段と、相関値算出手段により算出された相関値データを出力する出力手段と、を備えている。
 同様に、上記課題を解決するために、本発明の合成開口処理方法は、周波数が時間変化する周波数変調波を生成して、複数の計測位置から照射領域に照射する送信ステップと、送信ステップにおいて照射された複数の周波数変調波による複数の反射波を受信する受信ステップと、受信ステップにおいて受信された複数の反射波のそれぞれにレンジ圧縮を行い、複数のシンク関数からなる受信データを生成するレンジ圧縮処理ステップと、周波数変調波が照射領域内の複数の所定位置で反射した場合の理想的な受信波をレンジ圧縮した複数のシンク関数からなる複数のモデルデータと、レンジ圧縮処理ステップにおいて生成された受信データとに基づいて、モデルデータのそれぞれと前記受信データとの相関度合いを示す相関値データを算出する相関値算出ステップと、相関値算出ステップにおいて算出された相関値データを出力する出力ステップと、を備えている。
 これらの構成により、まずレンジ圧縮を行って、反射波に比べてデータ数が少ないシンク関数からなる受信データを用いて相関値データを算出するので、演算負荷を低減することができる。また、従来の2次元アルゴリズムと同様に、受信データとモデルデータとの相関値データを算出するので、従来の1次元アルゴリズムのレンジカーバチャ修正が不要となり、精度誤差が大きくなるのを回避できる。なお、相関値データとは、周波数変調波の照射領域内の複数の所定位置において、周波数変調波が実際に反射したか否かを示す信頼度の指標であり、例えばあるモデルデータとサンプルデータとの相関値が大きいということは、このモデルデータの対応する所定位置に実際に物体が存在し、周波数変調波がこの位置で反射した可能性が高いことを表すものである。
 また、本発明の合成開口処理システムは、送信手段により生成された周波数変調波に応じて、相関値算出手段で用いられるモデルデータを照射領域内の複数の所定位置ごとに算出するモデルデータ算出手段をさらに備えるのが好適である。
 この構成により、実際に使用する周波数変調波に応じてモデルデータが生成されるので、合成開口処理を確実に実施できる。
 また、本発明の合成開口処理システムにおいて、モデルデータ算出手段が、モデルデータを構成するシンク関数ごとに、ピークを挟んだ所定の間隔の2点のデータを抽出し、これらの抽出されたデータセットをモデルデータとして算出し、相関値算出手段が、モデルデータ算出手段により算出された複数のモデルデータのそれぞれについて、このモデルデータを構成するシンク関数ごとの2点のデータの位置情報に応じて、受信データを構成するシンク関数の中からそれぞれ2点のデータをサンプルデータとして選択する選択手段と、選択手段により選択された受信データのサンプルデータと、複数のモデルデータのデータセットとの間でそれぞれ相互相関演算を行い、相関値データを算出する相互相関演算手段と、をさらに備えるのが好適である。
 この構成により、受信データの中からサンプルデータを抽出して相互相関演算が行われるので、相関値データを算出するためのデータ数がさらに少なくなり、演算負荷をさらに低減することができる。
 また、本発明の合成開口処理システムにおいて、モデルデータ算出手段が、モデルデータを構成するシンク関数ごとに、ピークを挟んだ所定の間隔の2点のデータを抽出し、これらの抽出されたデータセットをモデルデータとして算出し、相関値算出手段が、モデルデータ算出手段により算出された複数のモデルデータのそれぞれについて、このモデルデータを構成するシンク関数ごとの2点のデータの位置情報に応じて、受信データを構成するシンク関数の中からそれぞれ2点のデータをサンプルデータとして選択する選択手段と、選択手段により選択された受信データのサンプルデータの総和演算を行い、相関値データを算出する総和演算手段と、をさらに備えるのが好適である。
 この構成により、受信データの中からサンプルデータを抽出して相関値データが算出されるので、相関値データを算出するためのデータ数がさらに少なくなる。また、サンプルデータを抽出した後にこれらのデータの総和演算を行うだけで相関値データが算出されるので、演算負荷をさらに低減できる。
 本発明の合成開口処理システム及び合成開口処理方法によると、合成開口処理を高精度に行うことができ、かつ、演算負荷を低減させることができる。
合成開口ソーナーの概略を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る合成開口処理システムの構成を示す図である。 本実施形態で照射されるチャープ波の一例を示す図である。 本実施形態で受信される反射波の一例を示す図である。 レンジ圧縮処理部により作成された受信データの一例を示す図である。 モデルデータ算出部により算出される複数のモデルデータの一例を示す図である。 サンプルデータ選択部によりモデルデータごとに受信データから抽出されるサンプルデータの一例を示す図である。 相互相関演算部により算出された相関値データの一例を示す図である。 従来のソーナーによるソーナー画像(a)と、画像出力部において出力されたソーナー画像(b)の一例を示す図である。 本実施形態の合成開口処理システムによる処理を示すフローチャートである。 モデルデータ算出部においてシンク関数状の波形から選択される2点と、この波形のパルスピークとの関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る合成開口処理システムの構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る合成開口処理システムの構成を示す図である。
符号の説明
 10、20、30…合成開口処理システム、11…計測条件入力部、12…信号送信部、13…アンテナ、14…信号受信部、15…レンジ圧縮処理部、16…モデルデータ算出部、17…サンプルデータ選択部、18、28…相互相関演算部、19…画像出力部、26…モデルデータ算出部、38…総和演算部。
 以下、図面を参照して本発明に係る合成開口処理システム及び合成開口処理方法の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明においては、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
 (合成開口ソーナーの概要)
 まず、図1を参照して、本発明に係る合成開口システムが適用される合成開口ソーナー(Synthetic Aperture Soner:SAS)の概要について説明する。
 従来のソーナー1は、船や潜水艦などのプラットフォーム2に搭載され、プラットフォーム2が一方向に進行しながら、海底面などの照射領域3に対してパルス音波を照射する。そして、何秒後にどれくらいの強度の反射波が戻ってくるかを計測することで、ソーナー画像を生成し、パルス音波放射方向(レンジ方向)にある物体を検出する。照射するパルス音波には、主に周波数変調波の一種であるチャープパルス(チャープ波)が用いられる。これにより、計測した反射波に周知のパルス圧縮技術を適用して、ソーナー画像のレンジ方向の分解能を向上させることができる。
 合成開口ソーナー4は、プラットフォーム2の進行方向(アジマス方向)の複数の位置において、従来のソーナー1で受信された複数の反射波を合成処理することによって、ソーナー1の受信アレイをアジマス方向へ仮想的に延長させたものである。つまり、合成開口ソーナー4は、図1に示すように、従来のソーナー1に比べて大きなアンテナを備えているのと同等であり、従来のソーナー1によるアジマス方向の複数の位置における照射領域3a~3cの共通部分5について、アジマス方向の分解能を向上させることができる。
 ここで、本発明に係る合成開口システムとは、図1に示す合成開口ソーナー4を指すものとする。また、以下の説明で用いる「アジマス方向」とは、図1に示すように、プラットフォーム2の進行方向を指すものとする。「レンジ方向」とは、アジマス方向と直交し、プラットフォーム2からパルス音波を照射する方向を指すものとする。
 (第1実施形態)
 次に、本発明に係る合成開口システムの第1の実施形態について説明する。図2に本発明の第1の実施形態に係る合成開口処理システムの構成を示す。図2に示すように、本実施形態の合成開口処理システム10は、計測条件入力部11、信号送信部(送信手段)12、アンテナ(送信手段、受信手段)13、信号受信部(受信手段)14、レンジ圧縮処理部(レンジ圧縮処理手段)15、モデルデータ算出部(モデルデータ算出手段)16、サンプルデータ選択部(相関値算出手段、選択手段)17、相互相関演算部(相関値算出手段、相互相関演算手段)18及び画像出力部(出力手段)19を含んで構成されている。
 合成開口処理システム10のアンテナ13以外の構成要素は、物理的には、当該アンテナ13に接続されたコンピュータシステムとして構成されている。コンピュータシステムは、CPU(Central Processing Unit)、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)、ハードディスク等の補助記憶装置、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置、ディスプレイ等の出力装置などを含む。図2に示す合成開口処理システム10の計測条件入力部11、信号送信部12、信号受信部14、レンジ圧縮処理部15、モデルデータ算出部16、サンプルデータ選択部17、相互相関演算部18及び画像出力部19は、CPU、RAM等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPUの制御のもとで通信モジュール、入力装置、出力装置を動作させるとともに、RAMや補助記憶装置におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、図2に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
 計測条件入力部11は、各種計測条件を入力する部分である。計測条件は、例えばオペレータにより入力される形式でもよいし、記憶装置などに予め記憶されているデータを読み出す形式でもよい。計測条件とは、具体的には、プラットフォームの進行速度、チャープ波を出力する間隔、チャープ波の速度、合成開口処理を行うアジマス方向のデータ数、受信サンプリング周波数、送信チャープ率などである。これらの計測条件のデータは、信号送信部12、信号受信部14及びモデルデータ算出部16に送信される。
 信号送信部12は、周波数が時間変化する周波数変調波(チャープ波)を生成して、複数の計測位置から照射領域に照射する部分である。信号送信部12は、計測条件入力部11から受信した各種計測条件のうち、例えばチャープ波の速度などの条件に従って、チャープ波を作成する。そして、プラットフォームの進行速度やチャープ波を出力する間隔などの条件に従って、アジマス方向の複数の位置でアンテナ13から照射させる。
 本実施形態では、図3に示すように、アジマス方向に沿った等間隔の5箇所の位置n1~n5を1つのセットとして合成開口処理を行う。図3では、アジマス方向の5箇所の位置n1~n5からレンジ方向(図3では右方向)へそれぞれチャープ波c1~c5が照射されていることが示されている。図1を参照して説明したように、合成開口処理では、アジマス方向の複数の位置における各照射領域3a~3cの共通部分5が検出対象となるものであるので、本実施形態の場合、図3に示す5箇所の位置n1~n5を1セットとして合成開口処理を行うことにより、これらの位置n1~n5の中心である位置n3からのレンジ方向の領域Aが検知対象となる。
 信号受信部14は、信号送信部12により照射された複数のチャープ波による複数の反射波を受信する部分である。信号受信部14は、計測条件入力部11から受信した各種計測条件のうち例えば受信サンプリング周波数などの条件に従って、アンテナ13で受信された反射波にフィルタ処理、増幅処理、デジタル処理などを施して、これらをレンジ圧縮処理部15に送信する。
 図4に、図3で例示したチャープ波c1~c5各々に対する反射波r1~r5の一例を示す。図4では、アジマス方向の位置n3からのレンジ方向に物体(海底面などのものを含む)があった場合に、チャープ波c1~c5がこの物体で反射されて、信号受信部14により受信された反射波r1~r5が示されている。信号受信部14は、反射波を示すデータを所定の座標系上のデータとして取得する。具体的には、反射波r1~r5は、レンジ方向及びアジマス方向の位置座標と、信号強度とを含むデータからなるデータ列となる。
 データ列のレンジ方向の間隔は、計測条件入力部11で設定された受信サンプリング周波数などの条件により決められる。各反射波r1~r5のアジマス方向の位置座標は、チャープ波c1~c5の照射位置n1~n5に対応している。反射波r1~r5のレンジ方向の位置座標は、チャープ波c1~c5の送信から反射波r1~r5の受信までの時間差に応じて、信号受信部14により決められる。時間差が小さく計測位置から物体までの距離が短いほど照射位置に近づくこととなる。図4の例では、計測位置から物体までの距離が最短となる位置n3における反射波r3が最も照射位置寄りに配置され、位置n2及びn4の反射波r2及びr4が反射波r3より照射位置から遠く配置され、位置n1及びn5の反射波r1及びr5がさらに照射位置から遠くなるよう配置されている。
 レンジ圧縮処理部15は、信号受信部14により受信された複数の反射波r1~r5のそれぞれにレンジ圧縮を行い、複数のシンク関数s1~s5からなる受信データを生成する部分である。具体的には、レンジ圧縮処理部15は、自己相関演算などの従来のパルス圧縮手法を用いて、反射波r1~r5をレンジ方向に沿って圧縮してデータ数を少なくしたシンク関数状の受信データに変換する。図5に、図4で例示した反射波をレンジ圧縮した後の受信データの波形s1~s5を示す。図5に示すように、受信データは、図4の各反射波r1~r5の時間差を反映したシンク関数状の波形s1~s5となる。これらのシンク関数状の波形s1~s5も、反射波r1~r5と同様に、レンジ方向及びアジマス方向の位置座標と、信号強度とを含むデータからなるデータ列である。生成された受信データは、サンプルデータ選択部17に送信される。
 モデルデータ算出部16は、チャープ信号が照射領域内の複数の所定位置で反射した場合の理想的な受信波をレンジ圧縮した複数のシンク関数からなるモデルデータを、照射領域内の複数の所定位置ごとに算出する部分である。ここで、「照射領域内の複数の所定位置」とは、合成開口処理による検出対象の位置であり、本実施形態の場合、図6に示すように、合成開口処理を行う1セットのアジマス方向位置n1~n5のうち中心の位置n3からのレンジ方向の検出対象領域Aを5個に区分した領域a~eのことを指す。すなわち、モデルデータは、領域a~eのそれぞれに応じて算出される。また、「理想的な受信波」とは、物体で反射した後にも何ら散乱及び屈折していないものと仮定されたチャープ波のことを指す。これらの計測位置や受信波は、計測条件入力部11から受信した各種計測条件に従って設定される。
 モデルデータの算出において、まず、各領域a~eのそれぞれにおいて、当該領域のレンジ方向の位置座標に応じて求められる距離だけ計測位置n3からレンジ方向に離れた場所に物体があると仮定して、位置n1~n5からチャープ波c1~c5が照射されてこの物体に反射してもとの位置に戻るまでの時間差が算出される。この時間差に基づいてレンジ方向の位置座標が決められ、反転したチャープ波c1~c5が、この位置座標に反射波として配置される。これらの反射波は、具体的には、計測条件入力部11から受信した各種計測条件のうち例えば受信サンプリング周波数などの条件に従って、信号受信部14により取得される反射波r1~r5と同様の処理が施されたデータ列である。データ列はレンジ方向及びアジマス方向の位置座標と、信号強度とを含むデータからなり、データ列のレンジ方向の間隔は信号受信部14により取得される反射波r1~r5のものと同一である。
 次いで、これらの反射波がレンジ圧縮処理により5個のシンク関数状の波形に変換される。これらのシンク関数状の波形も、レンジ圧縮処理部15により作成される波形s1~s5と同様に、レンジ方向及びアジマス方向の位置座標と、信号強度とを含むデータからなるデータ列である。
 続いて、これらの5個のシンク関数状の波形をなすデータ列のそれぞれから2点ずつ抽出され、合計10点のデータからなるモデルデータが作成される。シンク関数は図5や図6に示したように単一のパルスピークをもっており、各シンク関数状のデータ列から、このパルスピークを挟みパルス幅と同じ間隔をとる2点が抽出される。具体的には、例えば、データ列の中から、信号強度の和が最大となる隣り合う2点が抽出される。なお、本実施形態では、シンク関数のパルスピークを挟んでパルス幅と同じ間隔をとる2点が得られるように、予め計測条件入力部11において受信サンプリング周波数や送信チャープ率が調整されている。
 このように、アジマス方向の位置n3におけるレンジ方向の5つの領域a~eのそれぞれに対応するモデルデータ(a)~(e)が算出される。図6に、モデルデータ(a)~(e)の一例を示す。図6に示すように、モデルデータ(a)~(e)は、対応する領域a~eのレンジ方向の位置に応じて、レンジ方向の配置が異なる。算出されたモデルデータ(a)~(e)は、サンプルデータ選択部17及び相互相関演算部18に送信される。
 サンプルデータ選択部17は、モデルデータ算出部16により算出された複数のモデルデータ(a)~(e)のそれぞれについて、このモデルデータを構成するシンク関数ごとの2点のデータの位置情報に応じて、受信データを構成するシンク関数s1~s5の中からそれぞれ2点のデータをサンプルデータとして選択する部分である。サンプルデータ選択部17は、レンジ圧縮処理部15で算出された受信データの中から、各モデルデータ(a)~(e)のレンジ方向のデータ配置に応じて、10点のデータをそれぞれ選択する。
 図7に、モデルデータ(a)~(e)に応じて選択されるサンプルデータの一例を示す。図7において点線で示され、符号a~eを付された領域は、アジマス方向の位置n1~n5における、図6に示したモデルデータ(a)~(e)のレンジ方向の位置を示している。受信データの各シンク関数s1~s5のそれぞれにおいて、領域a~eに含まれる2点のデータが、それぞれモデルデータ(a)~(e)に対応して選択される。そして、アジマス方向の位置n1~n5で選択されたデータが領域a~eごとに10点ずつ取りまとめられ、1つのモデルデータにつき10点のデータがサンプルデータとして選択される。選択されたサンプルデータは、相互相関演算部18に送信される。
 相互相関演算部18は、サンプルデータ選択部17により選択された受信データのサンプルデータと、前記モデルデータ算出部16により算出された複数のモデルデータのデータセットとの間でそれぞれ相互相関演算を行い、相関値データを算出する部分である。
 具体的には、まず、複数のモデルデータ(a)~(e)から1つを選択し、選択したモデルデータの各データについて、例えば位置n1の原点寄りのデータを1番目、他方のデータを2番目、位置n5の原点寄りのデータを9番目、他方のデータを10番目としてデータ列を作成する。同様に、サンプルデータも位置n1の原点寄りのデータを1番目、他方のデータを2番目、位置n5の原点寄りのデータを9番目、他方のデータを10番目としてデータ列を作成する。そして、モデルデータ及びサンプルデータのデータ列を用いて相互相関演算を行う。すなわち、データ列の順番が同じデータ同士で、各データの信号強度を掛け合わせ、掛け合わせた値を総和演算して、相関値を算出する。このような処理を全てのモデルデータ(a)~(e)について行い、本実施形態では、図8に示すように図6の領域a~eに対応する5個の相関値データを算出する。
 図8に、図6に示したアジマス位置n3のレンジ方向に区分された領域a~eに関する相関値データの一例を示す。図8の符号a~eは、それぞれが図6の領域a~eにおける相関値であることを表している。これらの相関値a~eは、モデルデータとサンプルデータとの相関の度合いを示し、両者の各データの信号強度のパターンが近いほど大きな値となる。ある1つのモデルデータとサンプルデータとの相関値が大きいということは、このモデルデータの対応する領域に実際に物体が存在する可能性が高いことを表す。図8の例では、領域cの相関値が最も大きく、このことは領域cに物体が存在する可能性が最も高いことを示している。
 画像出力部19は、相互相関演算部18により算出された相関値データに基づき、ソーナー画像を出力する部分である。具体的には、これまで説明したようにアジマス方向の任意の位置において、その位置の前後2箇所までの受信データを利用して、当該位置のレンジ方向の相関値データを算出する処理を、アジマス方向に1点ずつ移動しながら繰り返して行い、アジマス方向の各位置の相関値データを取得する。そして、これらの相関値データをアジマス方向に沿って並べて、各相関値をアジマス方向及びレンジ方向に関して二次元的に配列する。これらの配列された相関値の大きさに応じて、色が割り当てられ、例えば白黒階調の場合、相関値が大きいほど白に近くなるように色が指定される。画像出力部19は、このように指定された色の情報に基づいて、ソーナー画像を作成する。
 図9に、従来のソーナー1によるソーナー画像(a)と、本実施形態の手法により出力されたソーナー画像(b)の一例を示す。図9において、ソーナー画像(a)、(b)のそれぞれの横軸はアジマス方向の位置座標を示し、縦軸はレンジ方向の位置座標を示す。図9(b)では、相互相関演算部19により算出された図8に示すような相関値データは縦方向に向いて配置されており、複数の相関値データが横軸のアジマス方向に沿って並べられて二次元的に配列されている。本実施形態の手法により出力されたソーナー画像(b)は、従来のソーナー1によるソーナー画像(a)に比べて、シャープネスやコントラストが改善されており、ソーナー画像の分解能が向上している。
 次に、図10のフローチャートを用いて、本実施形態の合成開口処理システム10の処理について説明する。
 計測条件入力部11により、各種計測条件を入力され(S101)、入力された計測条件のデータが信号送信部12及びモデルデータ算出部16に送信される。
 計測条件に従って、信号送信部12により、チャープ波が作成され、所定のタイミングでアンテナ13から照射される(S102:送信ステップ)。同様に計測条件に従って、モデルデータ算出部16により、チャープ信号が照射領域内の複数の所定位置で反射した場合のモデルデータが、照射領域内の複数の所定位置ごとに算出される(S103)。
 次に、信号受信部14により、照射されたチャープ波による複数の反射波が受信され(S104:受信ステップ)、レンジ圧縮処理部15により、複数の反射波のそれぞれにレンジ圧縮が行われ、複数のシンク関数からなる受信データが生成される(S105:レンジ圧縮処理ステップ)。
 そして、サンプルデータ選択部17により、モデルデータの中から1つのモデルデータが選択され(S106)、この選択されたモデルデータに応じて、受信データを構成するシンク関数の中からそれぞれ2点のデータが選択され、受信データの中から合計で10点がサンプルデータとして選択される(S107)。
 次に、相互相関演算部18により、ステップS106で選択されたモデルデータと、ステップS107で選択されたサンプルデータとの間で相互相関演算が行われ、相関値データが算出される(S108:相関値算出ステップ)。
 続いて、サンプルデータ選択部17により、ステップS103で算出された全てのモデルデータが既に選択済みか否かが確認される(S109)。まだ未選択のモデルデータがある場合には、ステップS106に戻り、ステップS106~S108の処理を繰り返す。全てのモデルデータが選択済みである場合には、ステップS110に移行する。
 ステップS109において全てのモデルデータが選択済みであると判定された場合には、画像出力部19により、相関値データに基づくソーナー画像が出力される(S110:出力ステップ)。
 なお、ステップS106~S109の処理については、1つのモデルデータを選択して逐次相関値データを算出する代わりに、全てのモデルデータに関するサンプルデータを選択した上で、相互相関演算をまとめて行う形式でもよい。また、モデルデータ算出ステップ(S103)は、計測条件入力ステップ(S101)の後であり、モデルデータ選択ステップ(S106)の前であれば、任意の順番で実行してもよい。
 以上説明したように、本実施形態に係る合成開口処理システム10では、まずレンジ圧縮処理部15がレンジ圧縮を行って、反射波に比べてデータ数が少ないシンク関数からなる受信データを用いて、相互相関演算部18が相関値データを算出するので、演算負荷が低減できる。また、従来の2次元アルゴリズムと同様に、相互相関演算部18が受信データとモデルデータとの相関値データを算出するので、従来の1次元アルゴリズムのレンジカーバチャ修正が不要となり、精度誤差が大きくなるのを回避できる。
 また、本実施形態に係る合成開口処理システム10では、モデルデータ算出部16が、レンジ圧縮処理部15により生成されるシンク関数状の波形からなる受信データと同様の波形を作成し、これらのシンク関数状の波形のパルスピークを挟みパルス幅と同じ間隔をとる2点を抽出して、モデルデータを作成する。図11に示すように、この2点P1、P2は、「2点P1、P2がパルスピークを挟むこと」及び「2点の間隔L1がパルス幅(L/2)と同一であること」という条件を満たせば、点P1の信号強度L2と点P2の信号強度L3の和が常にパルスピークの信号強度L4とほぼ同一となる(L2+L3≒L4)という特徴をもつ。受信データは、サンプリング周波数との兼ね合いにより、シンク関数状の波形のパルスピークの位置のデータがデータ列に含まれない状況が考えられる。相関関係を精度良く把握するために、従来はオーバーサンプリングや周波数領域での補間処理を行ってパルスピークの位置のデータを作成した上で相関演算を行っていた。本実施形態に係る合成開口処理システム10は、パルスピークを挟みパルス幅と同じ間隔をとる2点を用いてサンプルデータ(受信データ)との相関演算を行えば、パルスピークの位置のデータを利用した場合と実質的に同等の相関関係の傾向を獲得することができる。
 このように、受信データやモデルデータに含まれるシンク関数のパルスピークの位置を厳密に一致させなくても両者の相関関係を表すことができ、従来のパルスピーク位置のデータを得るための処理が不要となるので、演算負荷をさらに低減することができる。さらに、実際に使用するチャープ波の情報に応じてモデルデータが生成されるので、合成開口処理を確実に実施できる。
 (第2実施形態)
 次に、本発明に係る合成開口システムの第2の実施形態について説明する。図12に本発明の第2の実施形態に係る合成開口処理システムの構成を示す。図12に示すように、本実施形態の合成開口処理システム20は、図2の合成開口処理システム10とは異なり、レンジ圧縮処理部15により生成された受信データからサンプルデータを抽出せずに、受信データの全てのデータを用いてモデルデータとの相互相関演算を行う。
 合成開口処理システム20における、計測条件入力部11、信号送信部12、アンテナ13、信号受信部14、レンジ圧縮処理部15及び画像出力部19の各機能ブロックは、図2に示した合成開口処理システム10のものと同一である。
 モデルデータ算出部26は、図6に示したように、アジマス方向の位置n3からのレンジ方向の検出対象領域Aを5個に区分した領域a~eのそれぞれにおいて、5個のシンク関数状の波形を作成するところまでは、図2のモデルデータ算出部16と同様の処理を行う。モデルデータ算出部26は、その後シンク関数状の波形のそれぞれからパルスピークを挟んだ2点のデータを選択せずに、5個のシンク関数状の波形をなすデータ列を取りまとめて、1つのモデルデータとして算出する。したがって、モデルデータ算出部26により算出されるモデルデータのデータ数は、図2のモデルデータ算出部16によるもの(10点)よりも多くなる。算出されたモデルデータは、相互相関演算部28に送信される。
 相互相関演算部28は、レンジ圧縮処理部15により生成された受信データと、モデルデータ算出部26により算出された複数のモデルデータとの間でそれぞれ相互相関演算を行い、相関値データを算出する。
 本実施形態に係る合成開口処理システム20によれば、信号送信部12がチャープ波を生成して、複数の計測位置から照射領域に照射すると、信号受信部14が、照射された複数のチャープ波による複数の反射波を受信する。レンジ圧縮処理部15が、受信された複数の反射波のそれぞれにレンジ圧縮を行い、複数のシンク関数からなる受信データを生成する。また、モデルデータ算出部26は、チャープ波が照射領域内の複数の所定位置で反射した場合の理想的な受信波をレンジ圧縮した複数のシンク関数からなる複数のモデルデータを算出する。相互相関演算部28は、レンジ圧縮処理部15により生成された受信データと、複数のモデルデータのデータセットとの間でそれぞれ相互相関演算を行い、相関値データを算出する。画像出力部19は、相互相関演算部18により算出された相関値データを出力する。
 これらの構成により、まずレンジ圧縮を行って、反射波に比べてデータ数が少ないシンク関数からなる受信データを用いて相関値データを算出するので、演算負荷を低減することができる。また、従来の2次元アルゴリズムと同様に、受信データとモデルデータとの相関値データを算出するので、従来の1次元アルゴリズムのレンジカーバチャ修正が不要となり、精度誤差が大きくなるのを回避できる。また、実際に使用するチャープ波の情報に応じてモデルデータが生成されるので、合成開口処理を確実に実施できる。
 (第3実施形態)
 次に、本発明に係る合成開口システムの第3の実施形態について説明する。図13に本発明の第3の実施形態に係る合成開口処理システムの構成を示す。図13に示すように、本実施形態の合成開口処理システム30は、図2の合成開口処理システム10とは異なり、サンプルデータ選択部17により選択されたサンプルデータに、モデルデータとの相互相関演算を行わず、単なる総和演算を行って相関値データを算出する。
 合成開口処理システム30における、計測条件入力部11、信号送信部12、アンテナ13、信号受信部14、レンジ圧縮処理部15、モデルデータ算出部16及び画像出力部19の各機能ブロックは、図2に示した合成開口処理システム10のものと同一である。
 総和演算部38は、サンプルデータ選択部17により選択された受信データのサンプルデータの総和演算を行い、相関値データを算出する。具体的には、サンプルデータの各データの信号強度を全て足し合わせて、相関値データとして算出する。
 本実施形態に係る合成開口処理システム30によれば、信号送信部12がチャープ波を生成して、複数の計測位置から照射領域に照射すると、信号受信部14が、照射された複数のチャープ波による複数の反射波を受信する。レンジ圧縮処理部15が、受信された複数の反射波のそれぞれにレンジ圧縮を行い、複数のシンク関数からなる受信データを生成する。また、モデルデータ算出部16は、チャープ波が照射領域内の複数の所定位置で反射した場合の理想的な受信波をレンジ圧縮した複数のシンク関数からなる複数のモデルデータを算出する。また、モデルデータ算出部16は、モデルデータを構成するシンク関数ごとに、ピークを挟んだ所定の間隔の2点のデータを抽出し、これらの抽出されたデータセットをモデルデータとして算出する。そして、サンプルデータ選択部17は、モデルデータ算出部16により算出された複数のモデルデータのそれぞれについて、このモデルデータを構成するシンク関数ごとの2点のデータの位置情報に応じて、受信データを構成するシンク関数の中からそれぞれ2点のデータをサンプルデータとして選択する。総和演算部38は、サンプルデータ選択部17により選択された受信データのサンプルデータの総和演算を行い、相関値データを算出する。画像出力部19は、相互相関演算部18により算出された相関値データを出力する。
 これらの構成により、まずレンジ圧縮を行って、反射波に比べてデータ数が少ないシンク関数からなる受信データを用いて相関値データを算出するので、演算負荷を低減することができる。また、従来の2次元アルゴリズムと同様に、受信データとモデルデータとの相関値データを算出するので、従来の1次元アルゴリズムのレンジカーバチャ修正が不要となり、精度誤差が大きくなるのを回避できる。また、受信データの中からサンプルデータを抽出して相互相関演算が行われるので、相関値データを算出するためのデータ数がさらに少なくなり、演算負荷をさらに低減することができる。また、サンプルデータを抽出した後にこれらのデータの総和演算を行うだけで相関値データが算出されるので、演算負荷をさらに低減できる。さらに、実際に使用するチャープ波の情報に応じてモデルデータが生成されるので、合成開口処理を確実に実施できる。
 なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、合成開口処理を行うアジマス方向の位置の数は、上記実施形態で示した5箇所以外の数でもよい。また、上記の実施形態ではモデルデータ算出部16、26が、計測条件入力部11により入力された各種計測条件に応じてモデルデータを作成していたが、予め様々な計測条件に応じたモデルデータを記憶装置などに用意しておき、計測条件に応じて適宜選択する形式でもよい。
 また、上記の実施形態では、合成開口ソーナーについて説明したが、本発明は、合成開口レーダーにも適用可能である。さらに、本発明は、合成開口処理を行わない従来のパルス圧縮処理にも適用可能である。

Claims (5)

  1.  周波数が時間変化する周波数変調波を生成して、複数の計測位置から照射領域に照射する送信手段と、
     前記送信手段により照射された複数の周波数変調波による複数の反射波を受信する受信手段と、
     前記受信手段により受信された複数の反射波のそれぞれにレンジ圧縮を行い、複数のシンク関数からなる受信データを生成するレンジ圧縮処理手段と、
     前記周波数変調波が前記照射領域内の複数の所定位置で反射した場合の理想的な受信波をレンジ圧縮した複数のシンク関数からなる複数のモデルデータと、前記レンジ圧縮処理手段により生成された前記受信データとに基づいて、前記モデルデータのそれぞれと前記受信データとの相関度合いを示す相関値データを算出する相関値算出手段と、
     前記相関値算出手段により算出された相関値データを出力する出力手段と、
    を備える合成開口処理システム。
  2.  前記送信手段により生成された前記周波数変調波に応じて、前記相関値算出手段で用いられる前記モデルデータを前記照射領域内の複数の所定位置ごとに算出するモデルデータ算出手段をさらに備える、請求項1に記載の合成開口処理システム。
  3.  前記モデルデータ算出手段が、前記モデルデータを構成するシンク関数ごとに、ピークを挟んだ所定の間隔の2点のデータを抽出し、これらの抽出されたデータセットを前記モデルデータとして算出し、
     前記相関値算出手段が、
     前記モデルデータ算出手段により算出された複数のモデルデータのそれぞれについて、該モデルデータを構成するシンク関数ごとの2点のデータの位置情報に応じて、前記受信データを構成するシンク関数の中からそれぞれ2点のデータをサンプルデータとして選択する選択手段と、
     前記選択手段により選択された前記受信データのサンプルデータと、前記複数のモデルデータのデータセットとの間でそれぞれ相互相関演算を行い、相関値データを算出する相互相関演算手段と、
    をさらに備える、請求項1または2に記載の合成開口処理システム。
  4.  前記モデルデータ算出手段が、前記モデルデータを構成するシンク関数ごとに、ピークを挟んだ所定の間隔の2点のデータを抽出し、これらの抽出されたデータセットを前記モデルデータとして算出し、
     前記相関値算出手段が、
     前記モデルデータ算出手段により算出された複数のモデルデータのそれぞれについて、該モデルデータを構成するシンク関数ごとの2点のデータの位置情報に応じて、前記受信データを構成するシンク関数の中からそれぞれ2点のデータをサンプルデータとして選択する選択手段と、
     前記選択手段により選択された前記受信データのサンプルデータの総和演算を行い、相関値データを算出する総和演算手段と、
    をさらに備える、請求項1または2記載の合成開口処理システム。
  5.  周波数が時間変化する周波数変調波を生成して、複数の計測位置から照射領域に照射する送信ステップと、
     前記送信ステップにおいて照射された複数の周波数変調波による複数の反射波を受信する受信ステップと、
     前記受信ステップにおいて受信された複数の反射波のそれぞれにレンジ圧縮を行い、複数のシンク関数からなる受信データを生成するレンジ圧縮処理ステップと、
     前記周波数変調波が前記照射領域内の複数の所定位置で反射した場合の理想的な受信波をレンジ圧縮した複数のシンク関数からなる複数のモデルデータと、前記レンジ圧縮処理ステップにおいて生成された前記受信データとに基づいて、前記モデルデータのそれぞれと前記受信データとの相関度合いを示す相関値データを算出する相関値算出ステップと、
     前記相関値算出ステップにおいて算出された相関値データを出力する出力ステップと、
    を備える合成開口処理方法。
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