WO2009107791A1

WO2009107791A1 - 吸収性物品

Info

Publication number: WO2009107791A1
Application number: PCT/JP2009/053714
Authority: WO
Inventors: 貴志野本; 匡志宇田; 英明森田; 建次大場; 裕一鈴木; 良太河守
Original assignee: ユニ・チャーム株式会社
Priority date: 2008-02-29
Filing date: 2009-02-27
Publication date: 2009-09-03
Also published as: US20110172630A1; TW201008558A; AU2009218085A1; EP2255762A1; CN102014828A; KR20100126761A

Abstract

生理用ナプキン１０１は、液透過性の表面シート１０２と、液不透過性の裏面シート１０３と、表面シート１０２と裏面シート１０３との間に介在されて体液を吸収可能な吸収体１０４とを有する。生理用ナプキン１０１には、生理用ナプキン１０１の幅方向Ｗにおける両側に配置され、長手方向Ｌに沿って延びる挿通孔１０７が形成され、挿通孔１０７の内部に挿通される長尺部材１０６を有する。挿通孔１０７には、前端側Ｆｒに位置する開口部１０８と、後端側Ｂａに位置する固定部１１２とが形成される。長尺部材１０６は、挿通孔１０７の内部に挿通される長尺部１１１と、長尺部１１１に連なり、開口部１０８から挿通孔１０７の外に引き出される引出部１０９とを有する。長尺部１１１の後端部は、固定部１１２に固定される。

Description

吸収性物品

　本発明は、使い捨てオムツ、生理用ナプキン、パンティーライナー、失禁パッド等に用いられる吸収性物品に関する。

　また、本発明は、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。

　従来の吸収性物品として、特許文献１にはストリップを有した生理用ナプキンが開示されている。ストリップは、吸収体を挟み込む表面シート及び裏面シートの間に設けられている。ストリップの一端部が露出して把持部となっており、他端部は表面シートと裏面シートとの間で固定されている。

　この生理用ナプキンにあっては、使用後にナプキンを一方の手で保持する。一方、他方の手でストリップの把持部を把持してストリップを引っ張る。これにより、ストリップがナプキンから露出しながらナプキン全体が蛇腹状に折り畳まれる。そしてストリップをナプキンの外周に巻き付けることにより、ナプキンは蛇腹状の形態で保持される。ナプキンは、この状態で廃棄される。
特開２００７－２０２７９０号公報

　しかしながら従来の生理用ナプキンでは、廃棄のためにナプキンを折り畳む際に、汚れの付着している表面シート部分に手が触れることがあり、衛生的ではない問題がある。

　そこで本発明は、吸収体に手が触れることなく畳むことができ、衛生的に取り扱うことができる吸収性物品を提供することを目的とする。

　本発明の第１の特徴は、吸収性物品（生理用ナプキン１０１）は、液透過性の表面シート（表面シート１０２）と、液不透過性の裏面シート（裏面シート１０３）と、表面シートと裏面シートとの間に介在されて体液を吸収可能な吸収体（吸収体１０４）とを有する吸収性物品であって、吸収性物品の幅方向（幅方向Ｗ）における両側に配置され、吸収性物品の前端側（前端側Ｆｒ）から吸収物品の後端側（後端側Ｂａ）に向かう長手方向（長手方向Ｌ）に沿って延びる挿通孔（挿通孔１０７）が形成され、挿通孔の内部に挿通される長尺部材（長尺部材１０６）を有し、挿通孔には、吸収物品の前端側に位置する開口部（開口部１０８）と、吸収物品の後端側に位置する固定部（固定部１１２）とが形成され、長尺部材は、挿通孔の内部に挿通される長尺部（長尺部１１１）と、長尺部に連なり開口部から挿通孔の外に引き出される引出部（引出部１０９）とを有し、吸収物品の後端側に位置する長尺部の後端部は、固定部に固定されることを要旨とする。

　本発明によれば、長尺部材の長尺部が吸収性物品の幅方向における両側に設けられ、且つ長尺部の後端部が固定されている。その結果、挿通孔に挿通された長尺部材の引出部を手で引っ張ると、表面シートを内側、裏面シートを外側にしながら吸収性物品が丸められる。表面シート側を内側にしながら丸められるため、手が吸収体に接触することがなく、衛生的に取り扱うことができる。

図１は、本発明の第１―１実施形態の生理用ナプキンを展開した状態を示す平面図である。図２は、図１のＡ１－Ａ１線断面図である。図３は、廃棄の形態を示す斜視図である。図４は、本発明の第１－１実施形態に係る別の実施形態の生理用ナプキンを展開した状態を示す平面図である。図５は、本発明の第１－１実施形態に係る別の実施形態を示す断面図である。図６は、本発明の第２－１実施形態の生理用ナプキンを展開した状態を示す平面図である。図７は、図６のＭ２－Ｍ２線断面図である。図８は、個装の手順を示す平面図である。

＜第１実施形態＞
（第１－１実施形態）
　図１は本発明の第１―１実施形態に係る生理用ナプキン１０１の展開状態を示す平面図である。図２は図１のＡ１－Ａ１線断面図である。図３は廃棄状態を示す斜視図である。本実施形態に係る吸収性物品は、生理用ナプキン１０１を構成する。生理用ナプキン１０１は、表面シート１０２と、裏面シート１０３と、表面シート１０２及び裏面シート１０３の間に介在された吸収体１０４と、サイドシート１０５と、長尺部材１０６とを有する。

　表面シート１０２は、肌当接面側に配置されている。表面シート１０２は、液透過性材料によって形成されている。表面シート１０２としては、有孔又は無孔の不織布、多孔性プラスチックシート等を用いることができる。表面シート１０２には、肌当接面側から熱エンボス加工等が、左右対称に施されることにより、坪量や、密度が場所によって異なっている。

　具体的には、生理用ナプキン１０１の前端側Ｆｒから生理用ナプキン１０１の後端側Ｂａに向かう長手方向Ｌに沿って、坪量や、密度が異なる場所が、交互に形成されている。

　吸収体１０４は、表面シート１０２を通過した経血等の体液を吸収するものである。吸収体１０４としては、フラッフ状パルプ、エアレイド不織布及び高吸収ポリマーによって形成されている。

　フラッフ状パルプとしては、化学パルプ、セルロース繊維、又はレイヨンやアセテート等の人工セルロース繊維を用いることができる。

　高吸収ポリマーとしては、デンプン系、アクリル酸系、アミノ酸系の粒子状ポリマー又は繊維状ポリマーを用いることができる。

　エアレイド不織布は、パルプと合成繊維とを熱融着又はバインダーで固着させた不織布である。エアレイド不織布としては、スパンレース、スパンボンド、サーマルボンド、メルトブローン、ニードルパンチ、エアースルー等の不織布を用いることができる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維を用いることができる。これに限らず、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を使用することができる。

　裏面シート１０３はショーツ等の衣類当接面となっている。裏面シート１０３は、液透過性材料によって形成されている。裏面シート１０３としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン等の樹脂フィルムを用いることができる。炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機粒子を分散した多孔性（透湿性）ポリオレフィンシート、スパンボンド法/メルトブロー法/スパンボンド法で製造された積層不織布（以下、ＳＭＳ不織布と記す）、スパンボンド法/メルトブロー法/メルトブロー法/スパンボンド法で製造された積層不織布（以下、ＳＭＭＳ不織布と記す）を用いることができる。これらは、単独又は混合して用いることができると共に、積層状態で用いることも可能である。裏面シート１０３の長手方向Ｌにおける中間部分には、左右方向に広がるウイング１０３ａが形成されている。ウイング１０３ａには係止部材としての粘着剤が設けられている。この粘着剤により、生理用ナプキン１０１を衣類に貼り付けることができる。

　サイドシート１０５は、表面シート１０２の左右両側の少なくとも一部にサイドシートが接合されている。具体的には、サイドシート１０５は、吸収体１０４の幅方向Ｗにおける両側に、長手方向Ｌに沿って配置されている。又、サイドシート１０５は、表面シート１０２上に部分的に接着されている。サイドシート１０５は、生理用ナプキン１０１の使用時には表面シート１０２から立ち上がる。これによりサイドシート１０５は、体液の横漏れを防止するように作用する。サイドシート１０５としては、疎水性又は撥水性の不織布を用いることができる。この場合、サイドシート１０５に伸長状態の弾性部材を配置しても良い。これにより表面シート１０２からの立ち上がり性を確実に保持することができる。

　生理用ナプキン１０１の幅方向Ｗにおける両側に配置され、生理用ナプキン１０１の前端側Ｆｒから生理用ナプキン１０１の後端側Ｂａに向かう長手方向Ｌに沿って直線的に延びる挿通孔１０７が形成される。挿通孔１０７は、表面シート１０２と、サイドシート１０５とにより形成されている。

　長手方向Ｌにおける各挿通孔１０７には、生理用ナプキン１０１の前端側Ｆｒに位置する開口部１０８が形成されている。この場合、挿通孔１０７は、吸収体１０４の幅方向両側部に設けられている。

　また、各挿通孔１０７には、生理用ナプキン１０１の後端側Ｂａに位置する固定部１１２が形成されている。

　この実施形態では、挿通孔１０７がサイドシート１０５と表面シート１０２との間に設けられている。これに限らず、挿通孔１０７は、表面シート１０２と裏面シート１０３との間で、吸収体４の幅方向Ｗにおける両側に形成されてもよい。この構造では、挿通孔１０７を簡単に形成することができるメリットがある。

　また、図２に示すように、サイドシート１０５が吸収体１０４側に折り畳まれている場合、上下のサイドシート１０５に挿通孔１０７が挟まれるように配置しても良い。

　長尺部材１０６は、挿通孔１０７の内部に挿通される。長尺部材１０６は、挿通孔１０７の内部に挿通される長尺部１１１と、長尺部１１１に連なり開口部１０８から挿通孔１０７の外に引き出される引出部１０９とを有する。長尺部１１１は、生理用ナプキン１０１の幅方向Ｗにおいて両側に長手方向Ｌに沿って配置される。それぞれの長尺部１１１は、挿通孔１０７に挿通されている。それぞれの長尺部１１１の長手方向における後端部側（図１における下端部側）は、生理用ナプキン１０１に固定されている。又、それぞれの長尺部１１１の長手方向における前端側は、挿通孔１０７の開口部１０８から外側に引き出されることにより引出部１０９となっている。

　長尺部材１０６は伸縮性を有していない直径１～７ｍｍ、好ましくは２～５ｍｍの太さの紐状部材を用いることができる。長尺部材１０６の太さが１ｍｍ未満の場合には、長尺部材１０６を引っ張る際に、長尺部材１０６が指に食い込んでしまい、指を痛める。長尺部材１０６の太さが７ｍｍを越える場合には挿通孔１０７の大部分の面積を埋めてしまうため使用感が悪くなる。長尺部材１０６として紐状部材を用いる場合、経血が伝わらないようにするために疎水処理、好ましくは撥水処理が施される。長尺部材１０６の素材としてはポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。

　長尺部材１０６のそれぞれの長尺部１１１において、挿通孔１０７の開口部１０８から引き出される引出部１０９の長さは、３０～２００ｍｍ、好ましくは４０～１５０ｍｍに設定される。引出部１０９の長さは、３０ｍｍ未満の場合には、ショーツや生理用ナプキン１０１内に長尺部１１１が留まるため、長尺部１１１が経血によって汚れて衛生的ではなくなる。しかも、生理用ナプキン１０１の廃棄時に開口部１０８から挿通孔１０７の外に引き出された長尺部１１１を掴みにくくなる。引出部１０９の長さは、２００ｍｍを越える場合には、生理用ナプキン１０１の外側で引出部１０９が絡み合って廃棄時に使用することができなくなる。

　図１において固定部１１２は、長尺部１１１の後端部側を固定している。固定部１１２は、サイドシート１０５の肌当接面側から熱エンボスまたは、感熱性接着剤（ＨＭＡ）によって接着することにより形成される。熱エンボスを用いる場合、エンボスの面積は、幅方向Ｗが長尺部１１１の太さに５ｍｍ以内の長さを加えた長さ、長手方向Ｌが１～１０ｍｍの長さ、となるように設定される。固定部１１２は、生理用ナプキン１０１の端部から１～１０ｍｍの位置に設けられる。

　長尺部材１０６の長尺部１１１の固定部１１２に対する固定強度は、生理用ナプキン１０１の長手方向Ｌの剛性よりも大きく設定される。生理用ナプキン１０１の長手方向Ｌのテーパー剛性は、５０～９０ｍｇ、好ましくは６０～８０ｍｇの範囲に設定される。テーパー剛性が５０ｍｇ未満では生理用ナプキン１０１自体が必要以上に柔らかく、使用時に生理用ナプキン１０１がよれる。テーバー剛性が９０ｍｇを越える場合には生理用ナプキン１０１が硬く身体に馴染まず、使用感が悪くなる。以上により長尺部１１１の固定部１１２に対する固定強度は１００ｍｇ程度に設定される。

　左右の長尺部材１０６の引出部１０９を掴んで長尺部１１１を開口部１０８から挿通孔１０７の外に引き出すことにより、生理用ナプキン１０１は図３に示すように表面シート１０２及び吸収体１０４を内側にし、裏面シート１０３を外側にした状態で丸められる。

　これは生理用ナプキン１０１の使用時に表面シート１０２及び吸収体１０４からなる使用面側が身体を包み込むように湾曲していることが一因となっている。また、吸収体１０４の表面シート１０２側と、吸収体１０４の裏面シート１０３側とを比べると、吸収体１０４の表面シート１０２側は、坪量（目付け）や密度が場所によって異なるため、坪量（目付け）や密度が異なる点を起点として、丸められることも、一因となっている。

　具体的には、生理用ナプキン１の前端側Ｆｒから生理用ナプキン１０１の後端側Ｂａに向かう長手方向Ｌに沿って、坪量や、密度が異なる場所が、交互に形成されているため、坪量や、密度が小さい場所が、起点となる。

　更に、坪量や、密度が小さい場所は、左右対称に形成されるため、坪量や、密度が小さい場所には、生理用ナプキン１０１の幅方向Ｗに沿った折り目が形成されやすくなる。従って、この折り目を起点として、表面シート１０２及び吸収体１０４を内側にして丸められやすくなる。

　このように生理用ナプキン１０１は、表面シート１０２及び吸収体１０４を内側にして丸められるため、これらに付着している経血に手が触れることなく衛生的に取り扱うことができる。又、匂いを閉じこめることも可能となる。さらに、生理用ナプキン１０１を丸めた後においては、元の展開状態となることがないため、丸められた生理用ナプキン１０１をそのまま廃棄することが可能となる。これに加えて、この実施形態では、引出部１０９を引っ張ることにより生理用ナプキン１０１の曲率を変化させることができる。生理用ナプキン１０１の曲率を変化させることにより、身体へのフィット性が向上し、体液の漏れを少なくすることができる。

　なお、長尺部材１０６のそれぞれの引出部１０９に粘着テープや綿ファスナーテープを取り付けてもよい。これにより、引出部１０９を生理用ナプキン１０１の適宜の箇所に止着できるため、生理用ナプキン１０１の外観も向上する。

（その他の実施形態１）
　図４は本発明の第１－１実施形態に係る別の実施形態を示し、上述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付してある。

　この実施形態では、長尺部材１０６が単一の紐体で形成されている。紐体は、生理用ナプキン１０１の後端側Ｂａで折り返され、紐体の両端部は、生理用ナプキン１０１の前端側Ｆｒで引出開口からそれぞれ引き出されている。単一な紐体からなる長尺部材１０６は、長手方向Ｌの後端側で折り返されている（折り返し部１１３）。折り返し部１１３の幅方向両側部から長手方向に沿って、長尺部材１０６が直線的に伸びている。そして、生理用ナプキン１０１に対しては折り返し部１１３付近の固定部１１２に長尺部材１０６が固定される。長尺部材１０６の長手方向Ｌの各前端側である、紐体の両端部は挿通孔１０７の開口部１０８から引き出されている。上述した実施形態と同様に、引き出し端を引っ張ることにより表面シート１０２及び吸収体１０４を内側とし、裏面シート１０３を外側とした状態で生理用ナプキン１０１を丸めることが可能となる。

（その他の実施形態２）
　図５は本発明の第１－１実施形態に係る別の実施形態を示し、上述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付してある。

　この実施形態では、挿通孔１０７として、サイドシート１１５に弾性部材１１７を配設したギャザー部分１１６の内側を用いている。このように、ギャザー部分１１６の内側を挿通孔１０７として用いることで、長尺部材１０６を挿通させるための挿通孔１０７を生理用ナプキン１０１に設ける必要がない。

　なお、上述の実施形態では、生理用ナプキン１０１の前端側Ｆｒに、挿通孔１０７の開口部１０８、後端側Ｂａに固定部１１２が、形成されているが、これに限らず、挿通孔１０７には、生理用ナプキン１０１の後端側Ｂａに開口部１０８と、前端側に位置する固定部１１２とが形成されてもよい。この場合、前端側Ｆｒに位置する長尺部材１０６の前端部は、固定部１１２に固定され、長尺部１１１に連なり開口部１０８から挿通孔１０７の外に引き出される引出部１０９とを有する。

　なお、日本国特許出願第２００８－０９３２８３号（２００８年３月３１日出願）及び日本国特許出願第２００９-０３０３２４（２００９年２月１２日出願）の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。

＜第２実施形態＞
[背景技術]
　特許文献２には、吸収体の左右両側に内側圧縮溝が縦方向に延びて形成され、内側圧縮溝の外側に間隔を空けて外側圧縮溝が縦方向に延びて形成された生理用ナプキンが開示されている。

　特許文献３には、吸収体の左右両側に長手方向に延びる側方防漏溝が形成され、側方防漏溝を連結する連結防漏溝が吸収体の前後に形成され、吸収体の左右両側に弾性部材を有する防漏壁が設けられた生理用ナプキンが開示されている。この生理用ナプキンは、弾性部材による伸縮力がない部位を折曲部として折り畳んで包装材に個装するようになっている。

　特許文献４には、吸収体の左右両側に防漏溝を設けると共に防漏溝の外側に防漏壁を設け、この防漏壁に長手方向に延びる弾性部材を伸長状態で設けた生理用ナプキンが開示されている。

　　（特許文献２）特開２００４－１８１０８４公報
　　（特許文献３）特許第３８２４４５２号公報
　　（特許文献４）特開２００７－８９９０６公報
[発明の開示]
　しかしながら、特許文献２の生理用ナプキンでは、内側圧縮溝及び外側圧縮溝が前方中央領域から中間中央領域にかけて徐々に広がっている形状となっている。その結果、生理用ナプキンの使用時に作用する大腿部からの圧力が前方中央領域一点に集中するため、女性の膣口に向けて吸収体が持ち上げられる。それにより膣口から排出される血液を確実に受け止めることができ易い。しかし、ショーツ等の衣類に生理用ナプキンを確実に装着できなかった場合には、吸収体と膣口とがピンポイントでしかフィットしていないため、吸収体と膣口との間に隙間が発生する。この隙間から血液が漏れてしまうという問題がある。

　特許文献３の生理用ナプキンでは、防漏壁における弾性部材の伸縮力が作用している部分を折り畳むと、この折り畳みにより防漏壁が潰れて防漏効果がなくなる。このため、弾性部材の伸縮力が作用していない部位を折り畳まなければならない。折り畳み部分を考慮すると、防漏効果を有した部分が小さくなる。その結果防漏効果が低下して血液の漏れが発生するという問題がある。

　特許文献４の生理用ナプキンにおいて、防漏壁の防漏効果を高めるために、弾性部材の伸縮力を高めた場合には、吸収性物品の剛性が低い。その結果、防漏壁として起立し続けることができず、血液漏れを発生する。着用者の排泄部に対向する部分の防漏効果を高めるために、吸収体の左右両側に内側防漏溝及び外側防漏溝を２本形成した場合には、防漏溝が１本追加されるため、その分排泄部に対向する部分の面積が小さくなって血液漏れが発生するという問題がある。

　そこで本発明は、血液の漏れを有効に防止することが可能な吸収性物品を提供することを目的とする。

　本発明の吸収性物品（ナプキン２０１）は、体液透過性の表面シート（表面シート２０２）と、体液不透過性の裏面シート（裏面シート２０３）と、表面シートと裏面シートの間に介在される吸収体（吸収体２０４）とからなり、吸収体の幅方向両側部に長手方向に沿って設けられた一対の防漏壁（防漏壁２０５）と、これら一対の防漏壁間に、吸収体の肌当接部の両側に設けられた防漏溝（防漏溝２０８）とを備えた吸収性物品であって、防漏溝は、肌当接部の幅方向両側部で幅方向外側に向けて弧状に突出する部分を有し、吸収体における防漏壁と防漏溝との間の領域（領域２０９）に、少なくとも一対の防漏溝の肌当接部を含む領域より剛性が高い圧縮部位（圧縮部位２１５）を設けたことを要旨とする。

　本発明によれば、防漏壁と防漏溝との間の領域に、一対の防漏溝の肌当接部を含む領域より剛性が高い圧縮部位を設けている。この結果、吸収性物品の使用時に、体圧によって防漏壁が潰れ難くなり、しかも防漏壁の起立性が向上し、血液の漏れを確実に防止することができる。

[発明を実施するための最良の形態]
（第２－１実施形態）
　以下、本発明を第２―１実施形態により具体的に説明する。図６は、本発明の実施形態に係る生理用ナプキンの展開状態を示す平面図である。図７は、図６に示す本発明の実施形態に係る生理用ナプキンにおいて、Ｍ２－Ｍ２線断面図である。図８は、本発明の実施形態に係る生理用ナプキンについて、個装する場合の手順を示す平面図である。

　本発明の吸収性物品は、生理用ナプキン（以下、ナプキン）２０１を構成する。ナプキン２０１は、は、尾てい骨付近まで覆うような長手方向後方部に長い縦長形状となっている。図６及び図７に示すように、ナプキン２０１は、液透過性の表面層としての表面シート２０２と、液不透過性の裏面層としての裏面シート２０３と、表面シート２０２と裏面シート２０３との間に介在する液保持性の吸収層としての吸収体２０４とを構成する。

　表面シート２０２としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスティックシートを用いることができる。

　裏面シート２０３としては、疎水性の不織布、不透水性のプラスティックフィルム、不織布と不透水性プラスティックフィルムとのラミネートシート等を用いることができる。これに限らず、耐水性の高いメルトブローン不織布や強度の高いスパンボンド不織布で挟んだ積層ＳＭＳ不織布を用いても良い。

　吸収体２０４としては、フラッフ状パルプ若しくはエアレイド不織布、高吸収ポリマーを用いることができる。フラッフ状パルプとしては、化学パルプ、セルロース繊維、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維を選択できる。エアレイド不織布としては、パルプと合成繊維とを熱融着させまたはバインダーで固着させた不織布を選択できる。高吸収ポリマーとしては、デンプン系、アクリル酸系、アミノ酸系の粒子状または繊維状のポリマーを選択できる。不織布としては、スパンレース、スパンボンド、サーマルボンド、メルトブローン、ニードルパンチ、エアースルー等の不織布を選択できる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。

　ナプキン２０１の表面シート２０２側における左右両側部、言い換えれば、吸収体２０４の幅方向両側部には、長手方向に沿って一対の各防漏壁２０５が配置されている。各防漏壁２０５は吸収体２０４の左右両側縁それぞれの近傍から起立している。

　ナプキン２０１は、着用者の腹側（前方）から背側（後方）にかけて、順に、肌当接部前方部Ａ２と、肌当接部Ｂ２と、第１後方部Ｃ２と、第２後方部Ｄ２とに区分される。肌当接部Ｂ２は、ナプキン２０１の着用時に着用者の排泄部に対向する部位である。前方部Ａ２は、肌当接部Ｂ２に隣接し且つナプキン２０１の前方に位置する。第１後方部Ｃ２、第２後方部Ｄ２は、肌当接部Ｂ２の後方に位置する。これらの区分は、折曲部２２１、折曲部２２２、折曲部２２３によって区分されている。前方部Ａ２と肌当接部Ｂ２とは折曲部２２１によって区分されている。肌当接部Ｂ２と第１後方部Ｃ２とは折曲部２２２によって区分されている。第１後方部Ｃ２と第２後方部Ｄ２とは、折曲部２２３によって区分されている。肌当接部Ｂ２は、着用者の肌に接触する肌当接部となるものである。

　裏面シート２０３は、吸収体２０４の側縁から幅方向外側に延出している。延出したナプキン２０１の肌当接部Ｂ２の位置において裏面シート２０３は、一対のウイング２０６を形成している。図示しないが、裏面シート２０３及びウイング２０６の着衣対向面には、ナプキン２０１を着衣に固定するための粘着層が形成されている。粘着層は図示していない剥離紙によって保護されている。表面シート２０２及び裏面シート２０３は、それぞれが吸収体２０４の前後端から延出している。延出した表面シート２０２と裏面シート２０３とが互いに接合されて固定されることによりエンドシール部２０７が形成されている。

　防漏壁２０５は、吸収体２０４の左右両側部に配置されている。防漏壁２０５は、一枚の帯状シート２０５ａと複数の弾性部材２０５ｂにより構成される（図７参照）。防漏壁２０５の固定端は、防漏壁２０５の一部が表面シート２０２と接合されている。吸収体２０４の側縁よりもやや外方の位置において、防漏壁２０５の一部がウイング２０６の根元部分から起立している。この実施形態における防漏壁２０５は、中空部２０５ｃを形成する形状となっている。防漏壁２０５は中空部２０５ｃを形成することにより、防漏壁２０５は、裏面シート２０３から盛り上がり易くなっている。なお、防漏壁２０５としては、基壁部を備えた形状であるΣ型やＴ型としても良い。帯状シート２０５ａとしては、不織布を用いることができる。

　弾性部材２０５ｂは、防漏壁２０５を構成する帯状シート２０５ａ内に伸長状態で固定されている。弾性部材２０５ｂの固定手段としては、ヒートシールやホットメルト接着剤などを用いることができる。弾性部材２０５ｂとしては、例えばポリオレフィン類及びポリウレタン類の発泡体並びに天然ゴム等のように吸収性物品に用いられるものであれば特に制限されない。弾性部材２０５ｂの形状は糸状、帯状、フィルム状等とすることができ、この実施形態においては、４７０ｄｔｅｘの太さの糸状のものが使用されている。

　弾性部材２０５ｂは吸収体２０４の片側で６本以上が配置される。各弾性部材２０５ｂの伸長率は、略同様に高倍率となっている。この実施形態において、各弾性部材２０５ｂは１．４倍以上で伸長されている。かかる伸長率は防漏壁２０５の形状に関係なく、一定となっている。

　ナプキン２０１の表面シート２０２側には、その両側部にナプキン２０１の長手方向へ延びる各防漏溝２０８がそれぞれ形成されている。各防漏溝２０８は、表面シート２０２と吸収体２０４とが表面シート２０２側からエンボス等の圧搾手段によって形成されている。各防漏溝２０８は、圧密化及び一体化されている。上記各防漏壁２０５は、各防漏溝２０８のそれぞれの外側に位置している。各防漏溝２０８は、ナプキン２０１の縦方向の中心線に関してほぼ対称な形状となっている。各防漏溝２０８は、それらの前後端が互いに連結しており、これによって、防漏溝２０８は、全体として閉じた形状をなしている。

　各防漏溝２０８における肌当接部Ｂ２に位置する部分においては、ナプキン２０１の幅方向外方に向けて凸状に湾曲した中央湾曲溝２０８ａとなっている。中央湾曲溝２０８ａは肌当接部Ｂ２の幅方向両側部で幅方向外側に弧状に膨出している。中央湾曲溝２０８ａの前後は、ナプキン２０１の長手方向前後に延びて前方溝２０８ｂ及び後方溝２０８ｃをそれぞれ形成している。中央湾曲溝２０８ａ及びその前後から延びる前方溝２０８ｂ及び後方溝２０８ｃからなる防漏溝２０８は、ナプキン２０１のほぼ全長にわたって延びている。後方溝２０８ｃからは、さらに長手方向の後方部に延びる後方溝２０８ｄが形成されている。後方溝２０８ｄはＵ字形となっている。後方溝２０８ｄは、第１後方部Ｃ２及び第２後方部Ｄ２を縦断している。前方溝２０８ｂ及び後方溝２０８ｄは、中央湾曲溝２０８ａと同様に、ナプキン２０１の幅方向外方に向けて凸状に湾曲している。

　この実施形態において、肌当接部に位置する中央湾曲溝２０８ａの幅方向外側で、中央湾曲溝２０８ａにかからず、且つ長手方向で折曲部２２１にかからない長さの一点鎖線で示す領域２０９は、圧縮部位２１５が設けられている。圧縮部位２１５は、吸収体２０４上にエンボス等の圧搾手段を施すことによって圧密化されている。圧縮部位２１５は、剛性が高い部位となっている。防漏壁２０５を構成する弾性部材２０５ｂは高倍率で伸長されているため、弾性部材２０５ｂの収縮力により、肌当接部Ｂ２は形状崩壊しうる。領域２０９に圧縮部位２１５を形成することにより、肌当接部Ｂ２の形状崩壊を阻止できる。これに加えて、中央湾曲溝２０８ａを折曲の起点とした山折れのし易さも維持できる。これらにより、吸収面、すなわち表面シート２０２側の面が安定的に盛り上がって着用者の身体に密着できる。着用者の身体に吸収面が密着することにより、血液の横漏れを確実に防止することができる。

　このような圧縮部位２１５を形成することにより、従来のように、中央湾曲溝２０８ａの幅方向外側に更に防漏溝を設ける必要がなくなる。その結果、２本の防漏溝によって硬質化された領域が増えることがなく、使用時に着用者が硬さの違和感を感じることがなくなる。

　生理用ナプキンにおいては、製造時に表面シート２０２と防漏壁２０５とを一体化した後に吸収体２０４とを接合するために、エンボスにより防漏溝２０８（ヒンジ）は、形成される。防漏溝２０８と防漏壁２０５の距離が小さいと、防漏壁２０５も巻き込んでエンボスされることがある。このため、防漏溝２０８と防漏壁２０５の距離は最低でも５ｍｍ程度必要となる。一般的な女性の股間幅３５～４５ｍｍを覆うために、装着時の着けズレも考慮して、防漏壁２０５間の吸収体２０４の幅は５５～６５ｍｍに設計されている。上述したように、中央湾曲溝２０８ａの幅方向外側に更に防漏溝を設けた場合には、中央湾曲溝２０８ａ間の距離がそれだけ狭くなり吸収面を広く確保できない。これに対して、この実施形態の圧縮部位２１５においては、吸収体２０４がエンボス等の圧搾手段によって圧密化されている。圧密化によって、違和感を感じることなくナプキン２０１のフィット性が高まる。これによって防漏効果が一層高まる。特に、吸収体２０４において盛り上がる部分は、閉じた形状の防漏溝２０８によって取り囲まれているので、面形状の安定性が一層高められている。

　吸収面を一層安定的に盛り上げるためには、防漏溝２０８ａ間に位置する吸収体２０４の坪量（目付け）を高めるのが効果的である。この場合、防漏溝２０８ａ間に位置する吸収体２０４の坪量が３００～１５００ｇ／ｍ^２、特に５００～１２００ｇ／ｍ^２であると、吸収面を更に一層安定的に盛り上げることが可能となる。また、この範囲の坪量は、ナプキン２０１の側方から加わる圧力によって、中央湾曲溝２０８ａを折曲の起点としてナプキン２０１が身体側へ押し上げられやすくなる点からも有利である。なお、坪量の範囲が３００～９００ｇ／ｍ^２の範囲では、折曲の起点となる効果が主たるものである。坪量の範囲が、９００～１５００ｇ／ｍ^２の範囲では、折曲の起点となる効果に加えて、中高部が太鼓状に若干変形して盛り上がり起こり易くなる効果も生じるものとなる。

　防漏溝２０８の外側に位置する吸収体２０４の坪量（目付け）は、１００～４００ｇ／ｍ^２、特に１５０～３００ｇ／ｍ^２が良好である。吸収体２０４における防漏溝２０８の外側部分をこの範囲の坪量（目付け）とすることにより、ナプキン２０１は、圧蜜化されても使用時に硬さの違和感を感じることなく、良好な使用感となる。さらに吸収面を一層安定的に盛り上げる点及び中央湾曲溝２０８ａを折曲の起点としてナプキン２０１が身体側へ押し上げられやすくなる点から好ましい。

　領域２０９においては、使用時に硬さの違和感を感じさせず、ナプキン２０１の剛性を維持する点からガーレー剛性値で１０００～２０００ｍｇ、特に１２００～１８００ｍｇであることが好ましい。エンボス等の圧搾手段によって圧密化されていない部分は防漏溝２０８間に位置する吸収体２０４の坪量（目付け）が高い。そのため、ナプキン２０１が使用時によれてしまわず、かつ、使用感の良さも考慮すると、ガーレー剛性値が１５０～８００ｍｇ、特に３００～５００ｍｇであることが好ましい。

　さらに同様の観点から、肌当接部Ｂ２に存在する中央湾曲溝２０８ａは長手方向で長さ５０～１２０ｍｍ、特に７０～１００ｍｍが好ましい。会陰から肛門部は、身体の曲率が大きく変化し始めるため、斜め後ろ漏れが発生し易い。第１後方部Ｃ２に存在する後方溝２０８ｃ及び後方溝２０８ｄは会陰から肛門部に吸収体２０４を確実にフィットさせるために５０～１２０ｍｍ、が好ましい。後方溝２０８ｃ及び後方溝２０８ｄは、特に７０～１００ｍｍが好ましい。前方部Ａ２に存在する前方溝２０８ｂ、及び、第２後方部Ｄ２に存在する後方溝２０８ｄは長手方向で長さ２０～７０ｍｍ、特に３０～５０ｍｍが好ましい。

　以上により、面形状でのフィット性を維持しながら、高倍率で伸長されている防漏壁２０５の収縮力の影響を受けず起立し続けるナプキン２０１とすることができる。

（ナプキンの個装構造）
　以下、このナプキン２０１の個装構造を説明する。

　ナプキン２０１の圧縮部位は、長手方向において、折り畳まれて個装される際の吸収性物品の中央部における折曲部と吸収体の前端との間に連続的又は間欠的に形成されている。

　図８に示すように、ナプキン２０１は包装シート２１０と共に長手方向に３回折り曲げられて畳まれる。包装シート２１０としては、不織布、フィルム等通常吸収性物品に用いられるものであれば特に制限されないが、剥離処理されているものが好ましい。

　ナプキン２０１を折り畳む際には、図８（ａ）の状態から折曲部２２３を起点に第２後方部Ｄ２が第１後方部Ｃ２上に重なるように折り畳まれて領域Ｅ２を形成する（図８（ｂ））。次に、折曲部２２２を起点に領域Ｅ２が肌当接部Ｂ２上に重なるように折り畳まれて領域Ｆ２を形成する（図８（ｃ））。その後、折曲部２２１を起点に領域Ｆ２を折り畳むことにより、図８（ｄ）で示す個装体２１２を形成する。この折り畳みのとき、領域２０９は上述してあるように折曲部２２２にかかっていないため、折曲部２２２は左右各１本の防漏溝２０８しか存在していない。このためナプキン２０１の剛性も低く、より折り畳まれ易くなっている。防漏壁２０５の前後固定部、肌当接部（領域２０９）は起立性を確保する上で吸収体２０４上にエンボス等の圧搾手段によって圧密化し剛性を高めることが必須である。肌当接部Ｂ２の折曲部２２１、折曲部２２２は、圧密化しないのが望ましい。吸収体２０４における前方部Ａ２の坪量（目付け）、第２後方部Ｄ２の坪量（目付け）よりも坪量（目付）の高い肌当接部Ｂ２の折曲部２２１、折曲部２２２に、エンボス等の圧搾手段によって圧密化を行うと、ナプキン２０１が折り畳み難くなるためである。領域Ｆ２上に前方部Ａ２が重なって図８に示す個装構造となる。なお、弾性部材２０５ｂの伸縮力が作用している領域は折曲部２２１、折曲部２２２と折曲部２２３、ナプキン２０１の長手方向前端部から後端部まで特に規定されない。

（作用・効果）
　第２－１実施形態では、防漏壁２０５と防漏溝２０８との間の領域２０９に、一対の防漏溝２０８の肌当接部Ｂ２を含む領域より剛性が高い圧縮部位２１５を設けたため、ナプキン２０１は、使用時に体圧によって潰れ難くなり、しかも防漏壁２０５の起立性が向上し、血液の漏れを確実に防止することが可能となる。

　剛性の低い中央湾曲溝２０８ａの内側は、体圧等の外側からの力を受けることにより、中央湾曲溝２０８ａを折れ起点として山折れして身体に密着する。剛性の高い中央湾曲溝２０８ａの外側の圧縮部位２１５は外側からの力を受けてもよれ難い。防漏壁２０５は開封後もつぶれていないため、体圧等によりつぶれ難くなる。弾性部材２０５ｂの高収縮力により、防漏壁２０５の起立性も向上する。このため、横漏れ防止効果を強化することができる。

　なお、日本国特許出願第２００８－０５１０７３号（２００８年２月２９日出願）の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。

以上のように、本発明に係る吸収性物品は、手が吸収体に接触することがなく、衛生的に取り扱うことができるため、吸収性物品において有用である。

　また、本発明に係る吸収性物品は、血液の漏れを有効に防止することことができるため、吸収性物品において有用である。

Claims

　液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に介在されて体液を吸収可能な吸収体とを有する吸収性物品であって、
　前記吸収性物品の幅方向における両側に配置され、前記吸収性物品の前端側から前記吸収物品の後端側に向かう長手方向に沿って延びる挿通孔が形成され、
　前記挿通孔の内部に挿通される長尺部材を有し、
　前記挿通孔には、
　前記吸収物品の前端側に位置する開口部と、
　前記吸収物品の後端側に位置する固定部とが形成され、
　前記長尺部材は、
　前記挿通孔の内部に挿通される長尺部と、
　前記長尺部に連なり前記開口部から前記挿通孔の外に引き出される引出部とを有し、
　前記吸収物品の後端側に位置する前記長尺部の後端部は、前記固定部に固定される吸収性物品。
　請求項１に記載の吸収性物品であって、
　前記挿通孔は、前記表面シートと前記裏面シートとの間で、前記吸収体の幅方向における両側に形成される吸収性物品。
　請求項１に記載の吸収性物品であって、
　前記表面シートの左右両側の少なくとも一部にサイドシートが接合されており、
　前記挿通孔は、前記サイドシートと前記裏面シートとの間に設けられる吸収性物品。
　請求項１に記載の吸収性物品であって、
　前記長尺部材が単一の紐体で形成され、
　前記紐体は、前記吸収物品の後端側で折り返され、
　前記紐体の両端部は、前記吸収物品の前端側で引出開口からそれぞれ引き出されている吸収性物品。
　液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に介在されて体液を吸収可能な吸収体とを有する吸収性物品であって、
　前記吸収性物品の幅方向における両側に配置され、前記吸収性物品の前端側から前記吸収物品の後端側に向かう長手方向に沿って延びる挿通孔が形成され、
　前記挿通孔の内部に挿通される長尺部材を有し、
　前記挿通孔には、
　前記吸収物品の後端側に位置する開口部と、
　前記吸収物品の前端側に位置する固定部とが形成され、
　前記長尺部材は、
　前記挿通孔の内部に挿通される長尺部と、
　前記長尺部に連なり前記開口部から前記挿通孔の外に引き出される引出部とを有し、
　前記吸収物品の前端側に位置する前記長尺部の前端部は、前記固定部に固定される吸収性物品。
　体液透過性の表面シートと、体液不透過性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートの間に介在される吸収体とからなり、前記吸収体の幅方向における両側に長手方向に沿って設けられた一対の防漏壁と、前記一対の防漏壁間に、前記吸収体の肌当接部の両側に設けられた防漏溝とを備えた吸収性物品であって、
　前記防漏溝は、前記肌当接部の幅方向両側部で幅方向外側に向けて弧状に突出する部分を有し、
　前記吸収体における前記防漏壁と前記防漏溝との間の領域に、少なくとも一対の防漏溝の肌当接部を含む領域より剛性が高い圧縮部位を設けたことを特徴とする吸収性物品。
　請求項６に記載の吸収性物品であって、
　前記圧縮部位は、前記吸収体をエンボス加工にて圧縮形成したエンボス部であることを特徴とする吸収性物品。
　請求項６に記載の吸収性物品であって、
　前記圧縮部位は、長手方向において、折り畳まれて個装される際の吸収性物品の中央部における折曲部と前記吸収体の前端との間に連続的又は間欠的に形成されていることを特徴とする吸収性物品。