JP2014233603A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液不透過性シート2と、該液不透過性シート2の一面側に配設された液透過性シート3と、これらの液不透過性シート2と液透過性シート3との間に配設された、一方向に長い吸収体4とを備え、前記吸収体4の幅方向の両側に沿って該吸収体4の長さ方向にそれぞれ延びる一対の筒状部5,6と、これらの一対の筒状部5,6内にそれぞれ挿通された、該筒状部5,6の長さ方向に延びる一対の紐状部材7,8とを有し、該一対の紐状部材7,8は、両端部が、挿通された前記筒状部5,6の長さ方向の両端部にそれぞれ固定されていると共に、これらの各紐状部材7,8における両端部以外の部分は、該筒状部5,6の周面に設けられた導出孔21,22を通して筒状部5,6の外部に引き出し自在である。
【選択図】図1
Description
このような吸収性物品は、使用後においては、液透過性シートに付着した体液が他の部分に付着することを防止するため、衛生面に配慮して、液透過性シート側の面が露出しない状態に小さく折り畳んで廃棄するのが通常である。
この特許文献1の吸収性物品は、廃棄時に前記ストリップの導出部分を引っ張ることにより、吸収体が液透過性シート及び液不透過性シートと共に蛇腹状に折り曲げられ、これにより吸収性物品全体を小さく折り畳むことが可能となっている。
そのため、紐状部材の両方の端部の引き出し長さの合計は、吸収性物品の製品長の約2倍に及んでしまって操作性が悪い上に、使用後の吸収性物品の折り畳み作業は手間がかかって著しく面倒であることから、折り畳みの際の簡便性が損なわれる。
さらに、本発明においては、前記導出孔は、前記液不透過性シートにおける前記液透過性シートが配設された面とは反対側の面側に配設されているものとすることができる。
この場合においては、前記導出孔は、長さ方向の長さが、前記ウイング部の基端側における前記吸収体の長さ方向に沿う方向の長さ以上に形成されているものとすることができる。
あるいは、前記導出孔は、長さ方向の長さが、前記ウイング部の基端側における前記吸収体の長さ方向に沿う方向の長さ未満に形成されているものとしてよい。
さらに、本発明においては、前記吸収体は、該吸収体の長さ方向への折れ曲がりを誘引する、幅方向に延びる折曲誘引部を有しているものとすることができる。
また、前記一対の紐状部材は、両端部を前記筒状部の長さ方向の両端部にそれぞれ固定して、各紐状部材における両端部以外を、該筒状部の周面に設けられた導出孔を通して筒状部の外部に引き出し自在としているため、各紐状部材の引き出し長さを従来に比べて著しく抑えることができ、吸収性物品全体を短時間で簡便に折り畳むことが可能である。
また、前記吸収体4の幅方向の両側に設けられた左右一対の筒状部5,6と、これらの一対の筒状部5,6内にそれぞれ挿通された一対の紐状部材7,8とを有している。
さらに、前記液不透過性シート2における液透過性シート3が配設された面側には、前記吸収体4の両側部にそれぞれ配設された一対のサイドシート9,10が取付けられている。
前記本体部11は、下着のクロッチ部における使用者の肌側に貼着されて、経血等の体液を吸収、保持するもので、前記液不透過性シート2の一部、及び液透過性シート3、吸収体4、サイドシート9,10の一部、並びに前記筒状部5,6及び紐状部材7,8を含んでいる。
この実施の形態においては、これらの一対のウイング部12,13は、前記本体部11の長さ方向の略中央部に、それぞれ相反する方向に向けて突設されている。また、これらの各ウイング部12,13は、前記本体部11の長さ方向と同じ方向に長く形成されていると共に、該本体部11との連結側、即ち基端側から先端側に行くにしたがって次第に先細る平面視略台形状の態様となっている。
前記粘着部材14〜16として用いられる粘着剤としては、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブチレン重合体、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレン−スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー;C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂、ロジン系石油樹脂、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等の粘着付与剤;リン酸トリフレシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等のモノマー可塑剤;ビニル重合体、ポリエステル等のポリマー可塑剤等が挙げられる。
なお、この実施の形態においては、前記粘着部材14〜16は、それぞれ、吸収性物品の長さ方向に沿うように延びる1枚の帯状の粘着剤シートを用いた態様となっているが、これらの粘着部材は、吸収性物品の長さ方向に沿うように伸びる複数の小片状の粘着剤シートを、吸収性物品の幅方向に等間隔に並べた態様であってもよい。
前記液不透過性シート2としては、例えば、防水処理を施した不織布、合成樹脂(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等)フィルム、不織布と合成樹脂フィルムとの複合シート(例えばスパンボンド、スパンレース等の不織布に通気性の合成樹脂フィルムが接合された複合フィルム)、耐水性の高いメルトブローン不織布を強度の強いスパンボンド不織布で挟んだSMS不織布等を用いることができる。
この液透過性シート3は、例えば不織布、織布、液透過孔が形成された合成樹脂フィルム、網目を有するネット状シート等により形成され、前記吸収体4における使用者の肌と対向する面側(図2及び図3中、吸収体4の上面側)に配設されている。
また、この吸収体4は、使用者からの経血等の体液が最も多く供給される部分である、長さ方向の中央部分にあたる中央領域17と、該中央領域17に隣接して使用者の正面方向に延びる前方領域18と、前記中央領域17に隣接して該前方領域18とは相反する方向に延びる後方領域19とが、吸収体4の長さ方向に連続且つ一体的に設けられている。
なお、前記吸収体4の中央領域は、例えば使用時における膣口との対面想定位置から前後方向にそれぞれ60mm程度(計120mm)とすることができる。この実施の形態においては、後述するエンボス24a〜24dのうち、吸収体4の幅方向の略中央に位置する前方側の平面視略半円形状のエンボス24dと後方側の平面視略半円形状のエンボス24dとの間の領域を中央領域とし、前方側のエンボス24dから吸収体4の前方側の領域を前方領域18、後方側のエンボス24dから吸収体4の後方側の領域を後方領域19としている。
なお、前記一対のサイドシート9,10は、体液の漏れを防止し得るように、疎水性又は撥水性を有することが好ましく、例えば、スパンボンド不織布、SMS不織布、エアスルー不織布等の材料によって構成することができる。
なお、前記シール部20による接合様式としては、例えばエンボス加工、超音波による溶着、ホットメルト型接着剤を用いた接着等の各種方法を用いることができる。あるいは接合強度を高めるために、例えば、ホットメルト型接着剤による接合の後、エンボス加工を施す等、2種類以上の接合様式を組み合わせてもよい。
前記各筒状部5,6は、相互に別体に形成された中空状のもので、挿入されている前記紐状部材7,8がその長さ方向に移動することを妨げない程度の大きさを有する内部空間5a,6aが、前記吸収体4の長さ方向に沿って延びている。
また、これらの一対の筒状部5,6は、不織布等の柔軟な素材で形成され、吸収性物品1A(より具体的には前記本体部11)の柔軟性を妨げることなく、該吸収性物品1Aと一体的に屈曲、変形可能となっている。
具体的には、前記各サイドシート9,10の幅方向における吸収体側の端部をそれぞれ折り返すと共に、その折り返した部分の先端部を元のサイドシート9,10に、ホットメルト型接着剤を用いた接着やエンボス加工、超音波による溶着等の適当な手段によって接合することにより中空の筒状とし、その折り返した各部分を各サイドシート9,10の長さ方向に延びる一対の筒状部5,6としている。したがって、前記液不透過性シート2におけるサイドシート9,10が配設された面側、即ち、前記液透過性シート3が配設された、使用者の肌と対向する面側に、これらの一対の筒状部5,6が形成されることとなる。
また、図2及び図3に示すように、前記一対の筒状部5,6は、それぞれの幅方向の断面形状が、吸収性物品1Aの幅方向に長い扁平な形状となっていて、各筒状部5,6が吸収性物品全体の柔軟性や薄さを阻害しない態様となっている。
即ち、これらの一対の紐状部材7,8は、それぞれが挿通される前記各筒状部5,6の長さ方向に延びるもので、吸収性物品全体の屈曲、変形を阻害することがない程度の柔軟性と、吸収性物品1Aの折り畳みの際に手で引っ張ってもちぎれない程度の強度とを有しており、例えば綿、ポリエステル、ポリエステルとレーヨンの混綿、ポリプロピレンなどで形成された糸を撚り合わせて形成することができる。
また、これらの一対の紐状部材7,8は、前記筒状部5,6の長さ方向の長さとほぼ同程度の大きさにそれぞれ形成されていて、各紐状部材7,8の両端部は、それぞれの紐状部材7,8が挿通されている前記筒状部5,6の長さ方向の両端部に各々固定されている一方で、他の部分は該筒状部5,6の内部空間5a,6a中を移動自在となっている。
前記各紐状部材7,8の両端部の筒状部5,6への固定は、ホットメルト型接着剤等の接着剤による接着、エンボス加工、超音波による溶着等の各種手段によって行うことができる。
即ち、第1の固定方法として、後述する吸収性物品の製造工程においてサイドシート9,10となるウエブ101,102に一連の紐111,112の接着のために塗布される、ホットメルト型接着剤109,110による接着によって直接的な固定を行う方法を用いている。吸収性物品1Aの製造工程において、最終的に製品としての吸収性物品1Aの外形に切断される際には、前記一連の紐111,112は、ホットメルト型接着剤109,110で接着された部分で切断されるため、結果として紐状部材7,8の両端側が筒状部5,6に固定された状態となる。
第2の方法としては、前記液透過性シート3及び一対のサイドシート9,10を、前記液不透過性シート2に接合する際に、該液不透過性シート2の外周縁に沿って設けられた前述のシール部20によって固定を行う方法を用いている。即ち、サイドシート9,10における本体部11を形成する部分が液不透過性シート2に接合する際に、前記シール部20による各シートの接合と共に、該シール部20によって紐状部材7,8の両端部の各筒状部5,6の両端部への固定を併せて行っている。
そして、前記各紐状部材7,8をそれぞれの導出孔21,22から引き出して引っ張ることにより、前記吸収性物品1A、より具体的には本体部11の長さ方向の両端部が導出孔21,22の方向に引き寄せることができるようになっている。
また、前記導出孔21,22は、長さ方向の長さが前記ウイング部12,13の基端部の長さ方向の長さ未満に形成された、筒状部5,6の長さ方向に所定の大きさを有する長穴状となっている。
さらに、前記導出孔21,22は、前述のように幅方向の断面形状が扁平状に形成された前記筒状部5,6における、前記吸収体4とは反対側に位置する幅方向の端部側に形成されていて、前記紐状部材7,8を、直近の前記ウイング部12,13の延出方向に向けてそれぞれ引き出しやすくなっている。
したがって、この実施の形態においては、前記導出孔21,22を、前記筒状部5,6におけるウイング部12,13の基端側に沿う範囲内に形成して、その位置で紐状部材7,8を引き出し可能として、本体部11の長手方向の両端側の部分をウイング部近傍の部分に引き寄せてそのウイング部近傍の液透過性シート側を覆い隠せるようにしている。
具体的に説明すると、前記吸収性物品1Aにおいて、前記紐状部材7,8を導出孔21,22から引き出すことによって該導出孔21,22の方に引き寄せられる部分は、紐状部材7,8からの引っ張り力によって変形が生じやすい。そして、吸収性物品1Aにおいて紐状部材7,8によって引き寄せられる部分は、実質的に導出孔21,22の長さ方向に沿う範囲外の部分、即ち、筒状部5,6の両端部から、導出孔21,22における該筒状部5,6の各端部に直近の端部までの間の部分である。
一方で、吸収性物品1Aにおける該導出孔21,22の長さ方向に沿う範囲については、紐状部材7,8の引っ張り力が作用しづらいため、前記範囲外の部分に比べて変形量は小さい。
そのため、吸収性物品1Aの折り畳み後の大きさは、紐状部材7,8を引っ張った際に吸収性物品1Aの変形量が小さい部分、即ち、吸収性物品1Aにおける該導出孔21,22の長さ方向に沿う範囲が大きく影響することから、折り畳み後の大きさは実質的にこの導出孔21,22の長さ方向の長さに大きく左右される傾向にある。
前述のように、前記紐状部材7,8を導出孔21,22から引き出すことによって該導出孔21,22の方に引き寄せられる部分は、紐状部材7,8からの引っ張り力によって何らかの変形が発生しやすい傾向にある。しかしながら、変形量が大きくなると、吸収体4が大きく収縮してしまうため、該吸収体4が吸収、保持していた体液が絞り出される可能性がある。特に、経血等の体液を多く吸収した部分についてはその可能性が高く、吸収体4の変形量の大きさによっては、該吸収体4から体液が絞り出され、さらにその絞り出された体液が液透過性シート側から漏れ出る場合も考えられる。
一方で、前記吸収体4における該導出孔21,22の長さ方向に沿う範囲については、前記紐状部材7,8を導出孔から引き出しても、前記導出孔21,22の長さ方向に沿う範囲外の部分に比べて変形量が格段に小さいため、該吸収体4が吸収、保持していた体液が絞り出される可能性は低い。
特に、この実施の形態の場合、前記導出孔21,22は、前記筒状部5,6における該ウイング部12.13の基端側に沿う範囲内に形成されているため、吸収体4において使用者からの体液が最も供給される部分の変形量が確実に抑えられ、該体液が絞り出されることが安定的に防止されることとなる。
このように、中央領域17の曲げ剛性を他の領域18,19よりも高くしたのは、吸収性物品1Aを折り畳む際に該中央領域17がよれることによって、該吸収体4の中央領域17に吸収、保持されている体液が滲み出ることを防ぐためである。
即ち、前記紐状部材を導出孔から引き出して引っ張った際に、他の領域に比べて体液を多く吸収、保持している中央領域がよれると、該中央領域から体液が絞り出されてしまい、液透過性シートに滲んで漏れ出す可能性があるため、この実施の形態においては、中央領域17の曲げ剛性を他の領域よりも高くして、よれの発生を抑止するようにしている。
また、前記吸収体4の中央領域17の曲げ剛性については、前方領域18や後方領域19の曲げ剛性の1.5倍以上とすることが好ましい。
このように、前記折曲誘引部23を形成したのは、前記紐状部材7,8を引っ張った際に、吸収性物品1A、さらに具体的には本体部11の長さ方向の両端側を、吸収性物品1A(本体部11)の長さ方向の中央に向けてスムーズに折り曲げられるようにして、液透過性シート側を覆い隠すような吸収性物品1Aの折り畳みを簡単かつ安定的に行わせるためである。
この実施の形態の場合、図1に示すように、前記吸収体4は、前記エンボスとして、吸収体4の最も前方側及び後方側(図1における最も上方側及び下方側)にそれぞれ配設された略U字状のエンボス24a,24aを備えている。また、これらのエンボス24a,24aよりも吸収体4の長さ方向の中心寄りの位置にそれぞれ配設された、4本の線状のエンボス24bと、吸収体4の長さ方向の最も中心側に位置し、該エンボス24bと隣接する線状のエンボス24c,24cとを有している。さらに、前記エンボス24a,24aよりも吸収体4の長さ方向の中心寄りに位置し、且つ該吸収体4の幅方向の略中央にそれぞれ配設された略半円形状のエンボス24d,24dを備えている。なお、これらのエンボス24a〜24dは、いずれも、液透過性シート2及び吸収体4の両方を該液透過性シート側からエンボス加工を施した溝状のものであり、また、各エンボス24a〜24dは、それぞれ独立していて、他のエンボスとの間は一定の間隔が設けられて相互に非接触な状態に配設されている。
そして、前記エンボス24d及びその近傍のエンボス24a,24bの間の空間を、それぞれ折曲誘引部23,23としている。
したがって、この実施の形態においては、相互に隣接するエンボス24a,24b,24dが施された部分の間の、エンボスが施されていない空間の領域を、それぞれ折曲誘引部23,23とし、吸収体4の長さ方向への折れ曲がりを誘引できるようにしている。これにより、吸収性物品1Aを折り畳む際には、これらの2つの折曲誘引部23,23を中心に、該吸収性物品1A(厳密には本体部11)を簡単に折り曲げることが可能となる。
また、前記エンボス24dについては、全体として実質的に吸収体4の幅方向に延びていて、吸収体4の幅方向の厚さが実質的に小さいため、該エンボス24d自体が折曲誘引部となり得る。
さらに、吸収性物品としての生理用ナプキンは、販売される際には、長さ方向且つ液透過性シート側に3つに折り曲げられた状態で個別に包装されているのが通常であるため、吸収体には既に折り癖が形成されている場合が多い。そのような折り癖が形成されている部分は、本体部の長さ方向に折れ曲がりやすいため、やはり折曲誘引部となり得る。
即ち、図4に示すように、第1の工程として、まず一対のサイドシート9,10となる一対のウエブ101,102をライン上の搬送方向に沿うように並べる。そして、これらの一対のウエブ101,102を搬送させながら、各ウエブ101,102における他方のウエブと相反する側の幅方向の端部(以下、第1端部という。)101a,102aに寄った部分を、スリッター103,104によってウエブ101,102の長さ方向に一定間隔で切断して、前記導出孔21,22となる直線状のスリット105,106を形成する。
第2の工程として、ホットメルト型接着剤を塗布するコーター装置107,108を用い、各ウエブ101,102の上面側における、前記第1の工程で形成した隣接するスリットの間に、前記紐状部材7,8の両端部の固定に供するホットメルト型接着剤109,110をそれぞれ塗布する。図1に示すものの場合、隣接するスリットの間のほぼ中間にホットメルト型接着剤109,110を塗布している。
第3の工程として、前記第2の工程で塗布した各ウエブのホットメルト型接着剤109,110上に、紐状部材7,8となる一連の紐111,112を、ウエブ101,102の長さ方向にそれぞれ載置、接着して、各ウエブ101,102上における該紐111,112の位置をそれぞれ決定する。
第5の工程として、図4及び図5(b)に示すように、各ウエブ101,102における他方のウエブと対向する側の幅方向の端部(以下、第2端部という。)101b,102bを、同じウエブの第1端部101a,102aの方向に向けて、それぞれ上方側に折り返す。これにより、第1端部101a,102aを折り返した部分の上にさらにウエブが積層されて、ウエブ101,102の第1端部側が筒状に巻かれた形態となる。この結果、搬送ライン上の各ウエブ101a,102aの下面側には、該ウエブの搬送方向に延びる筒状部5,6(ただし、製品としての長さに切断される前の状態)が形成されることとなる。
即ち、図5(b)に示すように、搬送ライン上における前記筒状部が形成されたサイドシートとなる各ウエブ101,102の間に、上面に吸収体4を配設した状態の液透過性シートとなるウエブ113を、その幅方向の両端部がサイドシードとなる各ウエブ101,102上に載った状態で配設する工程を実施する。
なお、前記液透過性シートとなるウエブ113及び吸収体4については、この工程の前後、あるいはこの工程と同時に、エンボス24a〜24dを形成するためのエンボス加工が施される。
また、液透過性シートとなるウエブ113を、サイドシードとなる各ウエブ101,102上に載った状態で配設した際には、これらの液透過性シートとなるウエブ113と、サイドシードとなる各ウエブ101,102とが重複する部分をエンボス加工によるエンボスにより相互に接合してもよい。このとき、このエンボス加工は、前記筒状部5,6となる部分における幅方向の吸収体側の端部側に沿うように、これらのウエブの搬送方向に向けてエンボスを形成することが好ましい。
その後、実質的に製品としての吸収性物品1Aの外周縁となる部分において、サイドシートとなるウエブ101,102及び液透過性シートとなるウエブ113と、液不透過性シートとなるウエブとを相互に接合してシール部20とする(図示せず)。そして、所望の製品の平面視形状に切断する工程(図示せず)を経て、製品としての吸収性物品1Aが形成されることとなる。
図6に示すように、前記一対の紐状部材7,8を引っ張ると、前記吸収性物品1Aにおける本体部11の長さ方向の両端部が、該本体部11の長さ方向の略中央に向けて引き寄せられると共に、吸収体4が前記折曲誘引部23の位置において液透透過性シート側に折れ曲がる。
最終的には、図8に示すように、前記吸収性物品1Aは、液透透過性シート側が全く視認できない状態で、全体としてコンパクトに折り畳まれることとなる。
即ち、図9〜図12は本発明に係る吸収性物品の第2の実施の形態を示すもので、この実施の形態の吸収性物品1Bは、左右一対の筒状部5,6が、液不透過性シート2における液透過性シート3が配設された面側(図11及び図12における液不透過性シート2の上面側)に、吸収体4の幅方向の両側に沿って該吸収体4の長さ方向にそれぞれ延びるように設けられている。
一方で、各筒状部5,6内の紐状部材7,8を引き出すための導出孔25,26が、液不透過性シート2における液透過性シート3が配設された面とは反対側の面側、即ち、該液不透過性シート3における下着に接する面側(図11及び図12における液不透過性シート2の下面側)に設けられている。
また、この実施の形態の場合、前記一対の筒状部5,6は、それぞれの幅方向の断面形状が、吸収性物品1Bの幅方向に長い扁平な形状に形成されていて、前記導出孔25,26は、各筒状部5,6の、前記吸収体4とは反対側に位置する幅方向の端部側に偏寄した位置にそれぞれ形成されている。したがって、前記紐状部材7,8は、この導出孔25,26の位置に適合する位置、即ち、筒状部5,6内おける、前記吸収体4とは反対側に位置する幅方向の端部側に偏寄した位置において、その紐状部材7,8の各両端部が該筒状部5,6の両端部にそれぞれ固定されている。
したがって、ウイング部12,13も含めた吸収性物品1Bの液透過性シート側に一切触れることなく該吸収性物品1Bを折り畳むことができるため、きわめて衛生的であるという利点がある。
さらに、前記各導出孔32,33は、長さ方向の長さが、前記ウイング部34,35の基端側における前記吸収体4の長さ方向に沿う方向の長さ以上に形成された、全体として長穴状のものとなっている。
さらに、前記各導出孔32,33は、その長さ方向の両端部が、前記ウイング部34,35の基端側に沿う範囲を越えた位置にある。したがって、各導出孔32,33は長さ方向の中央の部分がウイング部の基端側に沿う範囲に位置し、且つ各導出孔32,33は長さ方向の長さがウイング部34,35の基端側の長さ方向の長さよりも長くなっている。
そして、主に、前記エンボス36aとエンボス36bとの間の、吸収体の幅方向に延びる空間、及びエンボス36bとエンボス36cとの間の、吸収体の幅方向に延びる空間が、それぞれ折曲誘引部37となっている。なお、この実施の形態の場合、さらに、全体として実質的に吸収体4の幅方向に延びるエンボス36a自体、及びエンボス36b及びエンボス36cにおける、吸収体4の後方側に位置して該吸収体4の幅方向に延びる部分についても、それぞれが折曲誘引部となり得る。なお、前記第1の実施の形態と同様、製品としての吸収性物品1Cが3つに折り畳まれた状態で個別包装される際に吸収体44につけられる折り癖部分も折曲誘引部となり得る。
既に述べたように、前記吸収性物品の折り畳み後の大きさは、実質的に導出孔の長さ方向の長さに大きく影響を受ける。この実施の形態のような、就寝時や使用者からの経血等の体液の量が比較的多い時に使用して吸収体に多くの体液を吸収、保持させる吸収性物品の場合は、あまりにコンパクトに折り畳みを可能とすると、折り畳んだ際に吸収体が大きく変形、収縮する。そうすると、折り畳んだ際に、吸収体が吸収、保持していた体液が絞り出されてしまい、液漏れが生じる可能性がある。特に、吸収体において最も体液を吸収、保持する部分と考えられるウイング部に沿う範囲においては、体液が絞り出される可能性が高い。
また、前記導出孔32,33は、少なくとも一部が、前記筒状部5,6におけるウイング部34,35の基端側に沿う範囲内にあり、これらのウイング部34,35近傍において紐状部材7,8を引っ張ることができるため、体液を多く含んだウイング部35,35近傍の吸収体4を、大きく変形させたり収縮させたりすることがない。したがって、吸収体4から体液が絞り出されることをより確実に防ぐことができる。
また、吸収体44に対するエンボスについては、最も前方側及び後方側(図14におけるもっとも上方側及び下方側)にそれぞれ位置する平面視円弧状のエンボス53a,53aと、端部がエンボス53a,53aにそれぞれ隣接し、一対の筒状部45,46の間の空間における幅方向の両側側において長さ方向に延びるエンボス53b,53bと、前記エンボス53a,53aよりも長さ方向の中央側に位置し且つ該エンボス53a,53aよりも小径の平面視円弧状のエンボス53c,53cとが形成されている。
そして、主に、前記エンボス53aとエンボス53cとの間の、吸収体44の幅方向に延びる空間を折曲誘引部54としている。なお、この実施の形態の場合、さらに、実質的に吸収体44の幅方向に延びているエンボス53a自体及びエンボス53c自体についても、それぞれが折曲誘引部となり得る。なお、前記第1の実施の形態と同様、製品としての吸収性物品1Dが3つに折り畳まれた状態で個別包装される際に吸収体44につけられる折り癖部分も折曲誘引部となり得る。
なお、これらの導出孔51,52の長さ方向の長さについては、例えば使用者からの経血等の体液の量に合わせて予め設定され、使用者から供給される体液の量が多い場合は、大きめに設定され、逆に少ない場合は小さめにそれぞれ設定することができる。
しかしながら、折曲誘引部は、吸収体だけにエンボス加工を施して、エンボスが設けられている部分と設けられていない部分との剛性に差を利用して折曲を誘引するものであってもよい。あるいは、吸収体の長さ方向に向けて、該吸収体の繊維の目付量の大きい領域と小さい領域とを連続的に配置し、これによって吸収体に剛性の大きい部分と小さい部分とを並設させた構成とすることにより、その剛性の差を利用した吸収体の折曲の誘引が行える構成とすることができる。
なお、前記一対の筒状部をサイドシートにより形成した場合、該サイドシートが疎水性又は撥水性を有するときには、これらの一対の筒状部、さらには紐状部材が使用者から排泄された体液で濡れることを防ぐことができる。したがって、この場合には、吸収性物品を使用後に折り畳む際に、手を汚すことなく紐状部材の操作を行うことができるという利点がある。
図15に示す吸収性物品1Eは、液透過性シート63の幅方向の両端部を筒状に形成して一対の筒状部65,66とした上で、各筒状部65,66に、紐状部材7,8を該筒状部65,66の外部に導出するための導出孔71,72をそれぞれ設けた構成となっている。具体的に、図15に示すものの場合、前記液透過性シート63の幅方向の両端部を下方に折り曲げて筒状とすると共に、この折り曲げた部分における幅方向の吸収体4側の端部側をサイドシート69,70と一緒にエンボス加工して、その該端部側を吸収性物品の長さ方向に向かって接合する接合部73,74とすることにより、前記一対の筒状部65,66を形成している。
このとき、前記接合部73,74は、前記液透過性シート63の幅方向の両端部における下方に折り曲げた部分を確実に接合することができれば、ホットメルト型接着剤等を用いた接着剤による接合であってもよい。
なお、この図15に示す吸収性物品おいて、サイドシートではなく、液透過性シートの両端部を用いて一対の筒状部を形成した点以外の構成は、前記第1の実施の形態と同じ構成であり、同様の作用効果を奏するため、該第1実施の形態と同様の符号を付して、詳細な説明は省略する。
2,42 液不透過性シート
3,43,63 液透過性シート
4,44 吸収体
5,6,45,46,65,66 筒状部
7,8,47,48 紐状部材
12,13,34,35 ウイング部
17 中央領域
18 前方領域
19 後方領域
21,22,25,26,32,33,51,52,71,72 導出孔
23,37,54 折曲誘引部
Claims (8)
- 液不透過性シートと、該液不透過性シートの一面側に配設された液透過性シートと、これらの液不透過性シートと液透過性シートとの間に配設された、一方向に長い吸収体とを備えた吸収性物品であって、
前記吸収体の幅方向の両側に沿って該吸収体の長さ方向にそれぞれ延びる一対の筒状部と、これらの一対の筒状部内にそれぞれ挿通された、該筒状部の長さ方向に延びる一対の紐状部材とを有し、
前記一対の紐状部材は、両端部が、挿通された前記筒状部の長さ方向の両端部にそれぞれ固定されていると共に、これらの各紐状部材における両端部以外の部分は、該筒状部の周面に設けられた導出孔を通して筒状部の外部に引き出し自在である、吸収性物品。 - 前記筒状部は、前記液不透過性シートにおける前記液透過性シートが配設された面側に配設されている、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記導出孔は、前記液不透過性シートにおける前記液透過性シートが配設された面とは反対側の面側に配設されている、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品は、幅方向の両側部に、各側部からそれぞれ外方に延出して使用時に衣類に固定されるウイング部を備えていて、前記導出孔は、少なくとも一部が、前記筒状部における該ウイング部の基端側に沿う範囲内に形成されている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記導出孔は、長さ方向の長さが、前記ウイング部の基端側における前記吸収体の長さ方向に沿う方向の長さ以上に形成されている、請求項4に記載の吸収性物品。
- 前記導出孔は、長さ方向の長さが、前記ウイング部の基端側における前記吸収体の長さ方向に沿う方向の長さ未満に形成されている、請求項4に記載の吸収性物品。
- 前記吸収体は、前方領域と中央領域と後方領域とが長さ方向に連続して設けられていて、これらの領域のうちの中央領域が他の領域よりも曲げ剛性が高く形成されている、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収体は、該吸収体の長さ方向への折れ曲がりを誘引する、幅方向に延びる折曲誘引部を有している、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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