WO2009107252A1 - 椅子 - Google Patents

Abstract

　座面部の角度及び背面部の角度が互いに独立して変化するとともに、利用者が座面部に着座すると背面部が前傾するように座面部と背面部とを連動させる連動手段を配設することによって、背面部が常に利用者の背中にフィットし、利用者は、常に最適なフィット感を得ることができるとともに、常に最適な着座姿勢を取ることができるようにする。座面部と背面部とを有する椅子は、利用者が座面部に着座すると、背面部を前傾させて利用者の背中にフィットさせる連動手段を有する。

Description

椅子

　本発明は、椅子に関する。

　従来、オフィス等で使用される椅子として、背もたれ、すなわち、背面部にもたれ掛かると、その背面部に連動して座面部が動作する椅子が提供されている（例えば、特許文献１，２、及び非特許文献１参照）。

　従来の椅子の構成として図２を参照する。従来の椅子は、ベース部１１３を備え、ベース部１１３は図示されない支柱、キャスター等を備える。ベース部１１３は、床面上に載置され、椅子全体及び椅子に着座する利用者の重量を支えるようになっている。そして、ベース部１１３の上端には、利用者が着座する座面部１１４が、関節部を介して、回転可能に取り付けられている。また、ベース部１１３の途中には、背面部１１５を支持する第１のリンク１１２が、関節部を介して回転可能に取り付けられている。さらに、座面部１１４と第１のリンク１１２とは、関節部を介して両者に対して回転可能に取り付けられた第２のリンク１１１によって連結されている。

　そのため、椅子に着座した利用者が背面部１１５にもたれ掛かると、背面部１１５を支持する第１のリンク１１２は、関節部を軸にして、ベース部１１３に対して回転する。また、座面部１１４は、第２のリンク１１１によって第１のリンク１１２に連結されているので、第１のリンク１１２と連動して、関節部を軸にして、ベース部１１３に対して回転する。

　しかしながら、従来の椅子においては、背面部１１５に力を加えない限り座面部１１４が動作しない。すなわち、座面部１１４に着座した利用者がその背中を、初期状態における背面部１１５の座面部１１４に対する傾斜角度よりも大きく傾斜させないと、座面部１１４が動作しないようになっている。そのため、例えば、座面部１１４に着座した利用者が机に向かって作業を行うような場合のように、背面部１１５にもたれ掛からない場合には、座面部１１４の角度が変化しないので、利用者は必ずしも最適なフィット感を得ることができず、また、最適な着座姿勢を取ることができなかった。
特表２０００－５０５６７７号公報 特許第４０３７４３８号公報 Ｗｉｌｋｈａｈｎホームページ、"Ｍｏｄｕｓ：Ｆｕｎｃｔｉｏｎ"（http://www.wilkhahn.co.jp/products/working/modus/function.html）

　本発明は、上記従来の椅子の問題点を解決して、背面部が利用者の背中に常にフィットし、利用者が常に最適なフィット感を得ることができるとともに、常に最適な着座姿勢を取ることができる椅子を提供する。

　そのために、本発明の第１の態様は、座面部と背面部とを有する椅子であって、利用者が座面部に着座すると、背面部を前傾させて利用者の背中にフィットさせる連動手段を有する。

　本発明の第２の態様は、座面部と背面部とを有する椅子であって、座面部及び背面部にかかる利用者の荷重に応じて、座面部及び背面部の位置関係を変化させ、背面部を利用者の背中にフィットさせる連動手段を有する。

　本発明の第３の態様は、さらに、利用者が座面部に着座する前の初期状態において、座面部が前傾している。

　本発明の第４の態様は、ベース部と、座面部が固定され、ベース部に回転可能に接続される第１のリンクと、背面部が固定され、第１のリンクに回転可能に接続される第２のリンクとを有する椅子であって、利用者が座面部に着座すると、背面部を前傾させて利用者の背中にフィットさせる連動手段を有する。

　本発明の第５の態様は、さらに、連動手段は、ベース部と第１のリンクとの間の関節部、及び、第１のリンクと第２のリンクとの間の関節部に、同時にトルクを作用させる付加トルク発生機構である。

　本発明の第６の態様は、ベース部と、座面部が固定され、ベース部に回転可能に接続される第１のリンクと、背面部が固定され、第１のリンクに回転可能に接続される第２のリンクとを有する椅子であって、座面部及び背面部にかかる利用者の荷重に応じて、座面部及び背面部の位置関係を変化させ、背面部を利用者の背中にフィットさせる連動手段を有する。

　本発明の第７の態様は、さらに、利用者が座面部に着座する前の初期状態において、座面部が前傾している。

　本発明の第８の態様は、さらに、連動手段は、ベース部と第１のリンクとの間の関節部、及び、第１のリンクと第２のリンクとの間の関節部に同時にトルクを作用させる付加トルク発生機構である。

　本発明の第９の態様は、座面部と背面部とを有する椅子であって、利用者が座面部に着座する前の初期状態において、座面部が前傾している。

　以上、本発明に係る椅子は、座面部の角度及び背面部の角度が互いに独立して変化するとともに、利用者が座面部に着座すると背面部が前傾するように座面部と背面部とを連動させる連動手段を有する。利用者は、常に最適なフィット感を得ることができるとともに、常に最適な着座姿勢を取ることができる。

本発明の第１の実施形態における椅子の構成を示す図である。 従来の椅子の構成を示す図である。 本発明の第１の実施形態における椅子の第１の関節部と第２の関節部との間の部分の構成を示す図である。 本発明の第１の実施形態における椅子の付加トルク発生機構の構成を示す図である。 本発明の第２の実施形態における椅子の座面部の角度を示す第１の図である。 本発明の第２の実施形態における椅子の座面部の角度を示す第２の図である。 本発明の第３の実施形態におけるトルク発生機構を示す図である。

　以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。

　第１の実施形態
　図１は本実施形態における椅子の構成を示す図である。

　図１において、椅子１０は、例えば、オフィス等において事務を行うために使用されるものであるが、家庭等において家事を行うために使用されるものであってもよく、いかなる場所でいかなる用途に使用されるものであってもよい。また、椅子１０は、ベース部１３を備え、ベース部１３は図示されない支柱、キャスター等を有し、床１８の上に載置され、椅子１０全体及び椅子１０に着座する利用者の重量を支えるようになっている。なお、ベース部１３は、キャスター等のように床１８の上を移動可能なものであってもよいし、移動不能なものであってもよいが、床１８の面に対しては、常に所定の角度、例えば、９０度を維持するものとする。そして、べース部１３には、第１の関節部１６を介して、第１のリンク１１が回転可能に取り付けられている。この場合、べース部１３と第１のリンク１１とは、図面に対して垂直な軸を中心に回転可能となっている。具体的には、ベース部１３は、上端に軸受を備え、この軸受は図面に対して垂直な回転軸と整列するように配設される。そして、第１のリンク１１は下端に軸を備え、この軸がベース部１３の軸受に挿入されることによって第１の関節部１６が構成される。これにより、第１のリンク１１がベース部１３に対して回転可能となる。

　また、第１のリンク１１には、第２の関節部１７を介して、第２のリンク１２が回転可能に取り付けられている。この場合、第１のリンク１１と第２のリンク１２とは、図面に対して垂直な軸を中心に回転可能となっている。具体的には、第１のリンク１１は上端に軸受を備え、この軸受は図面に対して垂直な回転軸と整列するように配設される。そして、第２のリンク１２は下端に軸を備え、この軸が第１のリンク１１の軸受に挿入されることによって第２の関節部１７が構成される。これにより、第２のリンク１２が第１のリンク１１に対して回転可能となる。

　さらに、第１の関節部１６及び第２の関節部１７には、トルク発生機構としての第１のねじりばね２５及び第２のねじりばね２６が配設される。これにより、第１の関節部１６及び第２の関節部１７の回転軸には、回転軸と回転方向が一致し、かつ、回転角度に応じた大きさのトルクが発生する。

　具体的には、第１のねじりばね２５の両端がベース部１３と第１のリンク１１とに固定され、第２のねじりばね２６の両端が第１のリンク１１と第２のリンク１２とに固定されている。このため、ベース部１３に対して第１のリンク１１が回転すると、第１のねじりばね２５によって発生した回転角度に応じたトルクが回転軸に作用する。同様に、第１のリンク１１に対して第２のリンク１２が回転すると、第２のねじりばね２６によって発生した回転角度に応じたトルクが回転軸に作用する。

　そして、第１のリンク１１には、利用者が着座するクッション等を備えた座面部１４が固定されている。また、第２のリンク１２には、利用者が背をもたせ掛けるクッション等を備えた背面部１５が固定されている。

　なお、利用者が着座していない初期状態におけるベース部１３と第１のリンク１１との初期角度、及び、第１のリンク１１と第２のリンク１２との初期角度は、適宜設定することができる。また、第１のねじりばね２５及び第２のねじりばね２６のばね定数も適宜設定することができる。

　次に、付加トルク発生機構について説明する。

　図３は本実施形態における椅子の第１の関節部と第２の関節部との間の部分の構成を示す図、図４は本実施形態における椅子の付加トルク発生機構の構成を示す図である。

　椅子１０は、図３に示されるように、トルク発生機構として、第１のねじりばね２５及び第２のねじりばね２６に加え、第１の関節部１６と第２の関節部１７との間に配設され、第１の関節部１６及び第２の関節部１７の回転角度に応じて、第１の関節部１６及び第２の関節部１７に同時にトルクを作用させる付加トルク発生機構を有する。そして、付加トルク発生機構は、第１のプーリ２１、第２のプーリ２２、第１の引張りコイルスプリング２３及び第２の引張りコイルスプリング２４を備える。なお、付加トルク発生機構の構成は、図４により明確に示されている。

　ここで、第１のプーリ２１は、その回転軸が第１の関節部１６の回転軸と一致するようにベース部１３に固定されている。同様に、第２のプーリ２２は、その回転軸が第２の関節部１７の回転軸と一致するように第２のリンク１２に固定されている。

　また、第１の引張りコイルスプリング２３は、両端にワイヤが固定されている。そして、下端側のワイヤは、第１のプーリ２１の外周に巻きつけられて固定されている。また、上端側のワイヤは、第２のプーリ２２の外周に巻きつけられて固定されている。

　同様に、第２の引張りコイルスプリング２４は、両端にワイヤが固定されている。そして、下端側のワイヤは、第１のプーリ２１の外周に巻きつけられて固定されている。また、上端側のワイヤは、第２のプーリ２２の外周に巻きつけられて固定されている。

　本実施形態においては、トルク発生機構及び付加トルク発生機構が、連動手段として機能し、利用者が座面部１４に着座すると、背面部１５を前傾させて利用者の背中にフィットさせるようになっている。また、トルク発生機構及び付加トルク発生機構は、連動手段として機能することによって、座面部１４及び背面部１５にかかる利用者の荷重に応じて、座面部１４及び背面部１５の位置関係を変化させ、これにより、背面部１５を利用者の背中にフィットさせるようになっている。

　次に、上記構成の椅子１０の動作について説明する。

　まず、第１の引張りコイルスプリング２３及び第２の引張りコイルスプリング２４のばね定数をともにκとする。そして、図３に示されるように、第１のプーリ２１及び第２のプーリ２２のモーメントアームを、各々、ｒ１及びｒ２とする。また、第１のねじりばね２５及び第２のねじりばね２６のばね定数を、各々、κ１及びκ２とする。さらに、図３に示されるように、第１の引張りコイルスプリング２３及び第２の引張りコイルスプリング２４並びに第１のねじりばね２５及び第２のねじりばね２６が互いに釣り合っている状態での第１の関節部１６及び第２の関節部１７の関節角度を、各々、θ１及びθ２とし、関節角度からの変位角度を、各々、δ１及びδ２とする。

　これにより、付加トルク発生機構によって発生し、第１の関節部１６及び第２の関節部１７の回転軸に各々作用するトルクτ１及びτ２は、次式で表される。

　そして、第１の関節部１６及び第２の関節部１７の回転軸に各々作用するトルクτ１及びτ２と、着座した利用者の重量及び姿勢によって発生する負荷トルクとが釣り合う位置で第１の関節部１６及び第２の関節部１７の回転が停止して、第１のリンク１１及び第２のリンク１２の角度が決定する。すなわち、着座姿勢が定まる。

　このように、本実施形態においては、べース部１３と第１のリンク１１との角度、すなわち、第１の関節部１６の関節角度θ１からの変位角度δ１と、第１のリンク１１と第２のリンク１２との角度、すなわち、第２の関節部１７の関節角度θ２からの変位角度δ２とに連動して着座姿勢が決定される。

　つまり、背景技術で説明したような背面部１１５に力を加えない限り座面部１１４が動作しない従来の椅子と異なり、本実施形態の椅子１０においては、座面部１４と背面部１５とが連動して動作するので、各パラメータを適当に設定することによって、利用者が座面部１４に着座するだけで背面部１５の位置が最適に設定される。すなわち、利用者が着座すると、背面部１５が利用者の背中にフィットするように前傾するような設定が可能となる。

　また、座面部１４と背面部１５とが連動して動作するので、利用者が着座状態から更に背面部１５にもたれ掛かることによって、座面部１４と背面部１５との角度を最適に変更し、所定の位置関係で利用者にフィットするように設定することが可能になる。

　例えば、利用者が第１のリンク１１に固定されている座面部１４に着座することによって、第１のリンク１１に図３における下向きの力が作用する。さらに、利用者が第２のリンク１２に固定されている背面部１５に、軽くもたれ掛かったとする。これにより、第１の関節部１６の関節角度θ１及び第２の関節部１７の関節角度θ２が変化する。このときの関節角度θ１及びθ２からの変位角度は、前述の現象から、δ１＞０及びδ２＞０であることは明らかである。

　よって、第１の関節部１６及び第２の関節部１７の回転軸に各々作用するトルクτ１及びτ２は、式（１）で表され、κ、κ１、κ２、ｒ１及びｒ２がすべて正である、すなわち、０より大きいため、τ１＜０、τ２＜０となる。

　つまり、第１の関節部１６の回転軸に作用するトルクτ１は、第１のリンク１１を図３における反時計回り方向に回転させるトルクとなって、利用者が座面部１４に着座することよって第１のリンク１１に作用している下向きの力によるトルクと釣り合う。ゆえに、κ、κ１、κ２、ｒ１及びｒ２を最適に調整することによって、様々な体格の利用者に対して、最適なフィット感及び着座姿勢を与えることができる。

　さらに、第２の関節部１７の回転軸に作用するトルクτ２は、第２のリンク１２を図３における反時計回り方向に回転させるトルクとなって、第１のリンク１１に固定されている座面部１４に着座している利用者の背中に、第２のリンク１２に固定されている背面部１５をフィットさせる。これにより、利用者が背面部１５にもたれ掛かることによって発生する力と釣り合う。

　また、利用者が背面部１５にもたれ掛かる力が減少することによって変位角度δ１が変化しても、τ１＜０の条件下では、第２のリンク１２は、背面部１５を介して利用者の背中にフィットし続けるため、κ、κ１、κ２、ｒ１及びｒ２を最適に調整することにより、様々な体格の利用者に対して、最適なフィット感及び着座姿勢を与えることができる。

　例えば、利用者の体重が７０ｋｇである場合、κ、κ１、κ２、ｒ１及びｒ２を次のような値とする。
κ＝２００００〔Ｎ／ｍ〕
κ１＝２００〔Ｎｍ／ｒａｄ〕
κ２＝２００〔Ｎｍ／ｒａｄ〕
ｒ１＝０．２〔ｍ〕
ｒ２＝０．０５〔ｍ〕
　この場合、利用者が座面部１４に着座することによって発生する第１のリンク１１を図３における反時計回り方向に回転させるトルクは、関節部１６の回転軸からのモーメントアームを０．２〔ｍ〕とすると、１３７Ｎｍとなり、式（１）で表される第１の関節部１６の回転軸に作用するトルクτ１と釣り合う。これにより、利用者の着座姿勢が定まる。

　ここで、着座した利用者の背に背面部１５がフィットしており、第２の関節部１７の回転軸の関節角度θ２が変化しない場合、つまり、δ２＝０〔ｄｅｇ〕である場合、式（１）より、δ１＝７．８〔ｄｅｇ〕となり、座面部１４の形状等の所定の設定と相俟（ま）って、利用者の姿勢を最適に調整する。

　さらに、この場合、第２の関節部１７の回転軸に作用するトルクτ２＝－２７〔Ｎｍ〕となり、利用者の腰との接触点までの距離、すなわち、関節部１７の回転軸からのモーメントアームが０．１〔ｍ〕であるとすると、利用者の腰にフィットする力がＦ＝２７０〔Ｎ〕となって、利用者の腰に軽いフィット感を与えるとともに、最適な着座姿勢を与えることができる。

　第２の実施形態
　次に、本発明の第２の実施形態について説明する。なお、第１の実施形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、第１の実施形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。

　図５は本実施形態における椅子の座面部の角度を示す第１の図、図６は本実施形態における椅子の座面部の角度を示す第２の図である。

　本実施形態においては、様々な体格の利用者に対して、最適なフィット感及び着座姿勢を与える機能をより積極的に利用するために、初期状態における第１のリンク１１及び第２のリンク１２の角度を図５に示されるように設定し、座面部１４の角度を水平面に対して傾斜させる。すなわち、第１の関節部１６の関節角度θ１の初期角度及び第２の関節部１７の関節角度θ２の初期角度を、座面部１４の前端よりも後端が上昇して座面部１４が前傾するように、設定する。なお、図５において、線Ａは座面部１４の中心軸を示しており、線Ａが床１８の面、すなわち、水平面に対して傾斜していることから、座面部１４が前傾していることが明らかである。

　そして、利用者が座面部１４に着座することによって、第１のリンク１１に下向きの力が作用し、この下向きの力により、第１のリンク１１が図５における時計回り方向に回転する。すると、第１の関節部１６の回転軸に作用するトルクτ１が発生する。このトルクτ１は、第１のリンク１１を図５における反時計回り方向に回転させるトルクとなって、利用者が座面部１４に着座することよって第１のリンク１１に作用している下向きの力によるトルクと釣り合う。これらのトルクが釣り合うことによって、第１の関節部１６の関節角度θ１が決定される。

　したがって、κ、κ１、κ２、ｒ１及びｒ２を最適に調整することによって、利用者が座面部１４に着座した場合に、図６に示されるように、座面部１４がほぼ水平になるように第１の関節部１６の関節角度θ１を制御することができる。図６においては、線Ａが床１８の面、すなわち、水平面に対してほぼ平行であることから、座面部１４がほぼ水平であることが明らかである。

　このように、本実施形態においては、利用者が座面部１４に着座した場合に、座面部１４がほぼ水平又は利用者の姿勢に対して最適な角度となるように、第１の関節部１６の関節角度θ１を制御することができる。また、同様に、背面部１５が利用者の姿勢に対して最適な角度となるように、第２の関節部１７の関節角度θ２を制御することもできる。

　第３の実施形態
　次に、本発明の第３の実施形態について説明する。なお、第１及び第２の実施形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、第１及び第２の実施形態と同じ動作及び同じ効果についてもその説明を省略する。

　図７は、本実施形態におけるトルク発生機構を示す図である。

　第１及び第２の実施形態において説明したようなべース部１３と第１のリンク１１とを回転可能に接続する構造、及び、第１のリンク１１と第２のリンク１２とを回転可能に接続する構造は、必ずしも軸と軸受とから成るものである必要はなく、自由に回転可能な構造であれば、同様の効果を期待することができる。

　また、第１及び第２の実施形態において説明したような、第１の関節部１６及び第２の関節部１７の回転軸の回転角度に応じた大きさのトルクを発生させるトルク発生機構は、必ずしもねじりばねである必要はなく、図７に示されるように、リンクの端部に取り付けたプーリと引張りコイルスプリングとから成るものであっても、同様のトルクを発生させることができる。

　さらに、第１の関節部１６及び第２の関節部１７の回転角度に応じて、第１の関節部１６及び第２の関節部１７に同時にトルクを発生させる付加トルク発生機構は、必ずしも図３及び４に示されるようなものである必要はなく、式（１）で表されるトルクτ１及びτ２を発生させるものであれば、電動モータ等を使用するものであっても同様の効果を期待できる。

　なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。

Claims (9)

1. 　座面部と背面部とを有する椅子であって、
   　利用者が前記座面部に着座すると、前記背面部を前傾させて前記利用者の背中にフィットさせる連動手段を有する、椅子。
2. 　座面部と背面部とを有する椅子であって、
   　前記座面部及び前記背面部にかかる利用者の荷重に応じて、前記座面部及び前記背面部の位置関係を変化させ、前記背面部を前記利用者の背中にフィットさせる連動手段を有する、椅子。
3. 　前記利用者が前記座面部に着座する前の初期状態において、前記座面部が前傾している、請求項２に記載の椅子。
4. 　ベース部と、
   　座面部が固定され、前記ベース部に回転可能に接続される第１のリンクと、
   　背面部が固定され、前記第１のリンクに回転可能に接続される第２のリンクと、を有する椅子であって、
   　利用者が前記座面部に着座すると、前記背面部を前傾させて前記利用者の背中にフィットさせる連動手段を有する、椅子。
5. 　前記連動手段は、前記ベース部と前記第１のリンクとの間の関節部、及び、前記第１のリンクと前記第２のリンクとの間の関節部に、同時にトルクを作用させる付加トルク発生機構である、請求項４に記載の椅子。
6. 　ベース部と、
   　座面部が固定され、前記ベース部に回転可能に接続される第１のリンクと、
   　背面部が固定され、前記第１のリンクに回転可能に接続される第２のリンクと、を有する椅子であって、
   　前記座面部及び前記背面部にかかる利用者の荷重に応じて、前記座面部及び前記背面部の位置関係を変化させ、前記背面部を前記利用者の背中にフィットさせる連動手段を有する、椅子。
7. 　前記利用者が前記座面部に着座する前の初期状態において、前記座面部が前傾している、請求項６に記載の椅子。
8. 　前記連動手段は、前記ベース部と前記第１のリンクとの間の関節部、及び、前記第１のリンクと前記第２のリンクとの間の関節部に、同時にトルクを作用させる付加トルク発生機構である、請求項６に記載の椅子。
9. 　座面部と背面部とを有する椅子であって、
   　利用者が前記座面部に着座する前の初期状態において、前記座面部が前傾している、椅子。

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