WO2008065816A1

WO2008065816A1 - Dispositif de commande électrique pour siège de véhicule

Info

Publication number: WO2008065816A1
Application number: PCT/JP2007/069944
Authority: WO
Inventors: Satoru Kuno; Toshihide Azuma; Hisato Shimomura; Jun Yashiro; Yukio Kanzaki
Original assignee: Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha
Priority date: 2006-11-29
Filing date: 2007-10-12
Publication date: 2008-06-05
Also published as: CN101541588B; JP2008132904A; US8410379B2; EP2095991A4; CN101541588A; JP4917416B2; ATE516993T1; EP2095991A1; EP2095991B1; US20090294259A1

Description

明細書

車両用シートの電動操作装置

技術分野

[0001] 本発明は、車両用シートの電動操作装置に関する。詳しくは、車両用シートに配備された複数の電動機能を個別に作動操作することのできる車両用シートの電動操作装置に関する。

背景技術

[0002] 従来、車両用シートには、シートバックの傾き角度やシートクッションの前後スライド位置を電動で調整可能な電動機能が配備されて!/、るものがある。これらの電動機能は、例えばシートクッションのアウター側部に配設されたスィッチによって作動操作されるようになっている。

[0003] ここで、特開 2004— 288393号公報には、上述したスィッチの配置構造が開示されている。この開示では、シートバックやシートクッションの姿勢位置を個々に調整できるようにするために、その調整対象を切替えるための切替スィッチと、その選択された対象物を前後上下に移動調整するための調整スィッチと、が別個に配設されてい発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 本発明の課題は上記した従来の車両用シートの電動操作装置の改良を図ることにある。

課題を解決するための手段

[0005] すなわち、本発明の車両用シートの電動操作装置は、車両用シートに配備された複数の電動機能を作動操作するための操作部を有する。この操作部は、車両用シートに着座した着座者が操作できる車両用シートの外部位置に配設されている。この操作部は、軸回動操作と径方向へのスライド移動操作が可能な構成となっている。そして、操作部の回動位置を切替える軸回動操作構造が、複数の電動機能の中から操作対象となる電動機能を選択する電動機能モード切替構造となっている。そして、操作部の径方向へのスライド位置を切替えるスライド移動操作構造が、操作対象として選択された電動機能が作動操作される作動制御構造となっている。更に、操作部は

、軸回動の中心軸線方向に押込む操作も行えるようになつている。そして、この操作部の押込み操作構造が、車両用シートの構成部材の配設位置を移動させることのできる位置調整機能に関連した電動機能を含んだ第 1の電動機能群と、第 1の電動機能群以外の第 2の電動機能群と、に相互に切替える電動機能ジャンル切替構造となつている。この操作部の押込み操作構造には、押込み操作された操作部を押込み操作前の初期位置に附勢によって戻すことのできるリターン機構が設けられている。

[0006] ここで、「車両用シートに配備された複数の電動機能」としては、以下のものが挙げられる。例えば、シートバックの背凭れ角度やシートクッションの前後スライド位置を電動で調整できるようにする位置調整機能や、ランバーサポートやマッサージ用のバイブレーター等の着座時の快適性を向上させる快適性向上機能のような電動機能である。また、電動機能について、「作動操作」とは、電動機能の ON/OFFの切替えや出力の強弱の調整、作動方向の切替えなどの操作のことである。

[0007] この発明の構成によれば、操作部を軸回動操作してその回動位置の切替えを行うことにより、車両用シートに配備された複数の電動機能の中から操作対象となる電動機能が選択される。そして、操作部を径方向にスライド移動操作してそのスライド位置の切替えを行うことにより、操作対象として選択された電動機能が作動操作される。すなわち、一つの操作部の操作によって、電動機能の選択とその作動操作の双方を行うこと力 Sできる。また、電動機能の数が増大した場合には、操作部の軸回動操作による電動機能を選択する回動位置の設定数を増やすことによって対応することができる。また、操作部を押込み操作することで、電動機能群の選択状態が、第 1の電動機能群と第 2の電動機能群との間で相互に切替えられる。したがって、電動操作装置の設置スペースを広げることなぐ電動機能を選択する操作部の回動位置の設定数を増やすことができる。また、押込み操作された操作部は、リターン機構によって、押込み操作前の初期位置に戻される。したがって、操作部の押込み操作を常に同じ操作感覚で行うことができる。

[0008] また、本発明の構成は、次のようになつていてもよい。すなわち、電動機能ジヤンノレ切替構造は、操作部の押込み操作前の初期状態では、第 1の電動機能群を選択した状態となる設定となって!/、る。操作部の押込み操作によって第 2の電動機能群が選択された状態では、操作部に対する操作が一定時間放置されることによって、電動機能群の選択状態が第 1の電動機能群を選択した状態に戻されるようになつてい

[0009] この発明の構成によれば、操作部を押込み操作することにより、電動機能群の選択状態が、第 1の電動機能群から第 2の電動機能群に切替えられる。そして、この状態で操作部の操作が一定時間放置されると、電動機能群の選択状態が再び第 1の電動機能群に戻される。したがって、操作部の操作を一定時間放置した状態では、電動機能群の選択状態が常に初期状態である第 1の電動機能群が選択された状態にあるとして、その選択状態の判断を容易に行うことができる。また、位置調整機能を含んだ第 1の電動機能群が初期状態で選択される設定とされていることにより、このような使用頻度の高い機能を簡便に選択して作動操作を行うことができる。

[0010] また、本発明の構成は、次のようになつていてもよい。すなわち、操作部は、車両用シートのアウター側部に配設されている。そして、操作部の押込み操作は、車両用シートのインナー側に向けて行われるようになつている。この発明の構成によれば、操作部、車両用シートとそのアウター側（窓側）に位置するドアトリムなどの側壁部材との間の狭い隙間位置に配設される。しかし、この狭い隙間内においても、操作部の押込み操作を、隙間内でインナー側に押込む操作によって簡便に行うことができる。

[0011] また、本発明の構成は、次のようになつていてもよい。すなわち、複数の電動機能の中には、着座者の快適性を向上させる快適性向上機能に関連した機能が含まれている。操作部の径方向のスライド移動操作方向は、車両用シートの前後及び上下の方向に設定されている。操作部による快適性向上機能に関連した電動機能の作動操作は、操作部を車両用シートの上下方向にスライド移動させる操作によって ON/ OFFが切替えられるようになつている。そして、操作部による快適性向上機能に関連した電動機能の作動操作は、操作部を車両用シートの前後方向にスライド移動させる操作によって出力の強弱或いは作用部位が切替えられるようになつている。ここで

、「快適性向上機能」としては、ランバーサポート、マッサージ用のバイブレータ、ベンチレータ及びシートヒータ等の着座時の快適性を向上させる電動機能が挙げられる。

[0012] この発明の構成によれば、快適性向上機能に関連した電動機能が選択された状態で、操作部を車両用シートの上下方向にスライド移動操作することにより、この電動機能の ON/OFFが切替えられる。また、操作部を車両用シートの前後方向にスライド移動操作することにより、この電動機能の出力の強弱或いは作用部位が切替えられる。このように、快適性向上機能に関連した電動機能の作動操作を、イメージし易い操作感覚で行うことができ、操作を簡便に行うことができる。

[0013] また、本発明の構成は、次のようになつていてもよい。すなわち、車両用シートの電動操作装置は、操作部がスライド移動操作された径方向を検知するスライド方向検知装置と、操作部が軸回動操作された回動位置を検知する回動位置検知装置と、操作部が押込み操作された動きを検知する押込み動作検知装置と、各検知装置によって検知された検知情報に基づいて車室内に配設された車載モニター或いは音声スピーカーに操作部による電動機能の作動操作状態を画像或いは音声として出力する出力装置と、を有する。

[0014] この発明の構成によれば、着座者が操作部による電動機能の作動操作状態を車載モニターや音声スピーカーによって視覚や聴覚によって認識することができる。したがって、各電動機能の選択や作動操作の判断をより簡便に行うことができる。

[0015] また、本発明の構成は、次のようになつていてもよい。すなわち、操作部による電動機能の作動操作状態は、操作部の操作時に車載モニター或いは音声スピーカーに割込画像或いは割込音声として出力される。この発明の構成によれば、操作部による電動機能の作動操作状態は操作部の操作時に割込んで出力されるため、通常時は車載モニターや音声スピーカーを地図情報やテレビ画像などの主画像や音楽などの主音声を出力させて使用することができる。そして、操作部が操作された時には、その操作状態を割込画像や割込音声によって出力することで、注意を喚起するように失口らせること力 Sでさる。

図面の簡単な説明

[0016] [図 1]実施例 1の車両用シートの電動操作装置の概略構成を表した斜視図である。

[図 2]位置調整機能にかかる電動機能群の概略構成を表した斜視図である。 [図 3]快適性向上機能にかかる電動機能群の概略構成を表した斜視図である。

[図 4]電動操作装置の内部構造を表した図 1の IV— IV線断面図である。

[図 5]電動操作装置の分解斜視図である。

[図 6]回転部材の平面図である。

[図 7]スライド部材の平面図である。

[図 8]摺動子と固定接点とが合致した状態を表した断面図である。

[図 9]図 8の状態から操作部を紙面内右方向にスライド移動させた状態を表した構成図である。

[図 10]図 8の状態から操作部を押込み操作した状態を表した構成図である。

[図 11]操作部の電動機能モード切替構造を表した模式図である。

[図 12]操作部の作動制御構造を表した模式図である。

[図 13]操作部の電動機能ジャンル切替構造を表した模式図である。

[図 14]シートヒーターの作用部位を切替える設定モードを表した模式図である。

[図 15]実施例 2の車両用シートの電動操作装置の概略構成を表した斜視図である。

[図 16]電動操作装置の制御ブロック図である。

[図 17]車載モニターに映し出された割込画像を表した構成図である。

発明を実施するための最良の形態

[0017] 以下、本発明を実施するための最良の形態の実施例について、図面を用いて説明する。

実施例 1

[0018] 始めに、実施例 1の車両用シートの電動操作装置について、図 1〜図 14を用いて説明する。この車両用シート 1は、図 1に示されるように、車両の運転席シートとして配設されており、背凭れとなるシートバック 2と、着座部となるシートクッション 3と、頭受けとなるヘッドレスト 4と、を有する。そして、車両用シート 1の幅方向の両側部には、シ一トバック 2とシートクッション 3との連結部を外側から被覆するシールド 5が取付けられている。更に、車両窓側（紙面内右側：アウター側）に配設されたシールド 5上には、電動操作装置 6の操作部 10が配設されている。

[0019] この操作部 10は、シールド 5の外側（窓側）に突出した円筒型形状に形成されており、シートクッション 3の前後方向の中央部付近の位置に配設されている。これにより、操作部 10は、車両用シート 1に着座した着座者が容易に手を届かせられるようになつているが、車両用シート 1と車体 100の窓側のドア 110のドアトリム 111 (側壁部材）との間の狭い隙間に配置されている。しかし、操作部 10は、このような狭い隙間に配置されていても、この隙間に手を入れて容易に操作を行えるようになつている。

[0020] ここで、図 2及び図 3に示されるように、車両用シート 1には、操作部 10によって作動操作される複数の電動機能が配備されている。具体的には、電動機能は、シートバック 2やシートクッション 3の構成部品の配設位置を移動させることのできる位置調整機能（図 2参照）や、マッサージ用のバイブレータ Kやベンチレータ Mやシートヒータ J等の着座時の快適性を向上させることのできる快適性向上機能（図 3参照）となっている。ここで、図 2に示されている位置調整機能に力、かる電動機能群が本発明の第 1の電動機能群に相当し、図 3に示されて!/、る快適性向上機能に力、かる電動機能群が本発明の第 2の電動機能群に相当する。

[0021] ここで、上述した各電動機能について、順に説明していく。すなわち、図 2に示されるように、シートバック 2の内部には、その上面部に取付けられたヘッドレスト 4を昇降移動させることのできるヘッドレスト昇降装置 Aが配設されている。更に、シートバック 2の内部には、着座者の背凭れ姿勢を上体が前に起こし上げられるように中折れさせることのできるシートバック中折れ装置 Bが配設されている。このシートバック中折れ装置 Bは、着座者の背部上体を支持する上体支持部 2Aを、下体を支持する下体支持部 2Bに対して前折れ動させることによって、着座者の上体を中折れ状に前に起こし上げられるようになって!/、る。

[0022] 更に、シートバック 2の内部には、その幅方向の両側部 2C, 2Cを内側に寄せる格好で前方に変形移動させることにより、着座者の両側部を支持できるようにするサイドサポート装置 Cが配設されている。更に、シートバック 2の内部には、着座者の腰部の支持強度を高めるための装置として、支持板 Daを腰部にあてがう高さ位置や前後位置の調整を行えるようにするランバーサポート装置 Dが配設されている。更に、シートバック 2とシートクッション 3との連結部には、シートバック 2の背凭れ角度の調整を行えるようにするリクライニング装置 Eが配設されている。 [0023] そして、シートクッション 3の内部には、その前後に分割された前部 3Aを後部 3Bに対して前後上下に移動させて、シートクッション 3の前後長さや前部 3Aの座面の高さ位置を調整することのできるクッション前部可動装置 Fが配設されている。更に、シートクッション 3の下部には、車両フロア面に対するシートクッション 3 (車両用シート 1全体）の高さ位置を調整することのできるリフター装置 Gが配設されて!/、る。このリフター装置 Gは、車両フロア上に設置された移動台 Gcとシートクッション 3とを連結するリンク機構部 Gaが、ァクチユエータ Gbの作動によって起倒回動操作されることにより、シートクッション 3の着座高さ位置の調整を行う構成となっている。

[0024] 更に、シートクッション 3の下部には、シートクッション 3 (車両用シート 1全体）の着座位置を車両フロア面に対して車両前後方向にスライド移動させることのできるスライド装置 Hが配備されている。このスライド装置 Hは、上述した移動台 Gcの下面部に一体的に固定設置されたアツパレール Haが、車両フロア面上に固定設置されたロアレール Hbに対して、車両前後方向にスライド移動可能に嵌め込まれた構成となっている。そして、アツパレール Haは、ァクチユエータ Heの作動によって前後にスライド移動操作されるようになってレ、る。

[0025] そして、図 3に示されるように、車両用シート 1の内部には、着座者の背部や腰部や大腿部などの接触面を暖めることのできるシートヒータ Jが配設されてレ、る。このシートヒータ Jは、前述したシートバック 2の上体支持部 2Aや下体支持部 2B、それにシートクッション 3の前部 3Aや後部 3Bの内部にそれぞれ配設されている。そして、このシートヒータ Jは、図 14において後述するように、その暖めの機能をさせる作用部位を、使用目的に合わせて選択できるようになつている。

[0026] そして、図 3に戻って、車両用シート 1の内部には、シートクッション 3の着座面部を振動させることによって、着座者に振動によるマッサージ効果を与えることのできるバイブレータ Kが配設されている。更に、車両用シート 1の内部には、シートバック 2の背凭れ角度やシートクッション 3の前後のスライド位置等の配置状態を予め登録された姿勢状態に切替えることのできるシートメモリ Lが配設されている。

[0027] このシートメモリ Lは、予め登録された複数 (例えば三つ）の登録内容の中から一つを選択することにより、車両用シート 1の姿勢状態をその登録した姿勢状態に切替えること力 Sできる。なお、シートメモリ Lには、上述した位置調整機能に関連した機能に関するものば力、りでなぐ快適性向上機能に関連した電動機能の ON/OFF状態やそれらの出力の強弱状態などを登録することも可能である。

[0028] 更に、車両用シート 1には、車内の空気を換気する通風器としてのベンチレータ M が配設されている。更に、車両用シート 1には、電動機能の操作対象を運転席である車両用シート 1と助手席側のシート（図示省略）との間で切替えることのできる D ' P切替え Nが配設されている。

[0029] 上述した各電動機能は、操作部 10を軸回動操作することによって、その操作対象が選択されるようになっている。そして、各電動機能は、操作部 10を径方向にスライド移動操作することにより、その操作対象として選択された電動機能が作動操作されるようになつている。

[0030] また、各電動機能は、操作部 10をその軸回動の中心軸線方向に押し込む操作を行うことにより、その選択される電動機能群のジャンルが、図 2で示した位置調整機能にかかる電動機能群と、図 3で示した快適性向上機能に力、かる電動機能群との間で切替えられるようになつている。具体的には、操作部 10の押込み操作を行う前の初期状態では、位置調整機能にかかる電動機能群が選択された状態となっている。そして、操作部 10の押込み操作を行うことにより、快適性向上機能にかかる電動機能群が選択された状態に切替えられる。

[0031] ここで、電動操作装置 6は、操作部 10の操作が一定時間（例えば 10〜20秒間）行われずに放置されると、電動機能群の選択状態が初期状態 (位置調整機能にかかる電動機能群が選択された状態）に戻されるようになつている。したがって、操作部 10 の操作を一定時間放置した状態では、電動機能群の選択状態が、常に位置調整機能に力、かる電動機能群が選択された状態にあるとして、その選択状態の判断を容易に行うこと力 Sできる。また、位置調整機能のように使用頻度の高い電動機能群が初期状態で選択される設定となっていることにより、使用頻度の高い位置調整機能の使用をより簡便に行えるようになつている。

[0032] 以下、電動操作装置 6の構成について具体的に説明する。この電動操作装置 6は、図 5に示されるように、操作部 10と、回転部材 20と、スライド部材 30と、外周リング 4 0と、内周リング 50と、基盤 60とを有して構成されている。なお、電動操作装置 6の基本的構成は、特開 2005— 317377号公報等の文献に開示された公知の構成となつているため、以下では、本発明の特徴部分となる構成について詳しく説明することにする。

[0033] 先ず、操作部 10について説明する。この操作部 10は、円筒型形状に形成されており、回転部材 20に嵌め込まれることによって車両用シート 1に組み付けられている。これにより、操作部 10は、その軸回動操作や、径方向へのスライド移動操作、更には軸方向への押込み操作が可能な構成とされている。

[0034] 具体的には、図 4において図示は省略されている力操作部 10の円筒型形状の底面部には、断面半月形状の嵌合溝 10Aが形成されている。そして、回転部材 20の先端には、この嵌合溝 10Aと嵌合可能な断面半月形状の嵌合部 21 (図 5参照）が形成されている。したがって、この嵌合溝 10Aに嵌合部 21が嵌め込まれることにより、操作部 10が回転部材 20と一体的に連結されている。

[0035] ここで、操作部 10は、その周縁部位 11がシールド 5の外側面 5aと被接触状態となるように取り付けられている。これにより、操作部 10は、その軸回動操作時ゃ径方向へのスライド移動操作時に、シールド 5との接触による摺動摩擦を受けることなくスムーズに操作を行えるようになつている。

[0036] 次に、回転部材 20について説明する。この回転部材 20は、図 5に示されるように、円板形状の台座部 22と、この台座部 22上に形成された円柱形状の嵌合部 21と、を有する。そして、嵌合部 21は、前述したようにその先端部が部分的に半月形状に肉抜きされた形状となっており、操作部 10の嵌合溝 10A (図 4参照）に嵌め込まれるようになっている。これにより、回転部材 20は、操作部 10と一体的となって軸回動操作されたり、径方向にスライド移動操作されたり、押込み操作されたりするようになってい

[0037] また、台座部 22の図示上面 (座面 22A)には、電導体よりなる薄い曲板状の摺動子 22Bが設置されている。この摺動子 22Bは、その一端が座面 22Aに固着されており、他端が紙面上方側に向けて反り返った形状となっている。そして、この上方側に反り上がった自由端側の端部は、二股状に分かれた形状となっている。この摺動子 22 Bは、図 6に示されるように、座面 22A上に円周方向の 1箇所にのみ配設されている

[0038] そして、図 5に戻って、台座部 22の周縁部には、座面 22Aよりも上方側に突出する環状の突縁 22Cが形成されている。この突縁 22Cは、図 4において後述するように、回転部材 20がスライド部材 30に組み付けられた状態では、段差部 32の内底面 32A と当接する構成となっている。

[0039] この回転部材 20は、図 4に示されるように、電動操作装置 6が組み付けられた状態では、後述する内周リング 50の底板部 51上に設けられた複数の圧縮ばね 1 'によつて弹性的に支持されている。これにより、回転部材 20は、その周縁部に形成された突縁 22Cを、スライド部材 30の段差部 32の内底面 32Αに当接させた状態として、摺動子 22Β (図示省略)をこの内底面 32Αに弹性的に圧接させた状態に保持されてい

[0040] そしてこれにより、操作部 10は、圧縮ばね 1 ·の附勢に杭して中心軸線方向である図示下方側に押し込む操作を行えるようになつている。そして、操作部 10は、上記した押し込み操作をやめることにより、各圧縮ばね υ · ·の附勢によって押込み操作前の初期位置に戻されるようになつている。ここで、操作部 10を附勢によって押込み操作前の初期位置に戻す構造が本発明のリターン機構に相当する。

[0041] ここで、各圧縮ばね 1 ·は、その一端が内周リング 50の底板部 51上に係着されており、他端が回転部材 20の台座部 22の底面に当接した構成となっている。これにより、圧縮ばね 1 ·は、内周リング 50の底板部 51に対して固定された状態となっており、回転部材 20の径方向へのスライド移動や軸回転移動には追従しないようになっている。

[0042] 次に、図 5に戻って、スライド部材 30について説明する。このスライド部材 30は、段付きの円筒型形状に形成されており、円筒形状の胴体部 31と段差部 32と首部 33とを有する。このスライド部材 30は、胴体部 31の図示下方側に開口した開口部分 31C 力も前述した回転部材 20が揷し込まれることによって、その円筒内部に回転部材 20 が組み付けられている。

[0043] 詳しくは、図 4に示されるように、回転部材 20は、嵌合部 21を首部 33の円筒内部の開口部分 33Cから上方側に突出させた状態としてスライド部材 30に組み付けられている。これにより、回転部材 20は、その突縁 22Cを段差部 32の内底面 32Aに当接させた状態として組み付けられてレ、る。

[0044] ここで、スライド部材 30の内径寸法は、回転部材 20がその円筒内部に緩やかに嵌合する大きさに設定されている。これにより、スライド部材 30は、回転部材 20が相対的に軸回動する動きには追従しないが、回転部材 20が径方向にスライド移動する動きに対してはこれと一体的となって径方向にスライド移動するようになっている。このとき、回転部材 20は、突縁 22Cをスライド部材 30の段差部 32の内底面 32A上を摺動させながら軸回動するようになっている。

[0045] ここで、図 7に示されるように、段差部 32の内底面 32A上には、電導体より成る面状の固定接点 34A〜34E及び共通接点 35が面一状に一体的に配設されている。これら固定接点 34A〜34Eは、内底面 32A上の円周方向の 5箇所の位置に並べて配置されている。

[0046] 一方、共通接点 35は、上記した各固定接点 34A〜34Eの径方向の内側を通る円周方向に弧を描く格好で形成されている。これら固定接点 34A〜34Eや共通接点 3 5は、それぞれ互いに離間して配置されており、スライド部材 30の胴体部 31の内周面 31Aを通って後述する基盤 60に設けられた端子 63と配線によって電気的に接続されている。

[0047] 上記構成のスライド部材 30は、図 8に示されるように、その組み付け状態では、回転部材 20の座面 22A上に配設された摺動子 22Bを段差部 32の内底面 32Aによつて押圧して橈み変形させた状態となる。これにより、摺動子 22Bは、その二股状に分かれた各端部を、内底面 32A上に配設された共通接点 35と、固定接点 34A〜34E のいずれ力、とにそれぞれ弾性的に圧接させた状態として保持される。

[0048] そしてこの状態で、回転部材 20の軸回動操作を行うと、摺動子 22Bは、その二股状に分かれた一方側の端部を上記共通接点 35の形状に沿って円周方向に摺動させながら、他方側の端部を各固定接点 34A〜34E上を順に通るように円周方向に摺動させていく。これにより、摺動子 22Bは、回転部材 20の軸回動操作に伴って、共通接点 35との圧接状態を常に維持したまま、固定接点 34A〜34Eに対する圧接状態が順に切替えられるようになつている。

[0049] ここで、図 8には、摺動子 22Bが固定接点 34Bに位置合わせされた状態が示されている。この状態では、摺動子 22Bと、固定接点 34B及び共通接点 35とが互いに通電可能に圧接された状態となる。なお、回転部材 20は、摺動子 22Bと固定接点 34A 〜34Eのいずれかとが位置合わせされる各回動位置で、その回動操作力に対して一定の節度感が付与されるようになっている。これにより、回転部材 20を上記した各回動位置に位置合わせする回動操作が簡単に行えるようになつている。

[0050] 次に、図 5に戻って、外周リング 40について説明する。この外周リング 40は、天板部 41を有した円筒型形状に形成されている。この外周リング 40は、円筒部 42に対して前述した回転部材 20やスライド部材 30が下側の開口部分 42Cから揷し込まれることによって、その円筒内部に回転部材 20やスライド部材 30が組み付けられている。詳しくは、図 4に示されるように、スライド部材 30は、首部 33を天板部 41に形成された貫通孔 41Cの孔内に入り込ませた状態として、その段差部 32の上面 32Bを外周リング 40の天板部 41の内底面 41Aに面当接させた状態として外周リング 40の円筒内部に組み付けられている。

[0051] そして、外周リング 40は、天板部 41に形成された貫通孔 41Cをシールド 5に形成された貫通孔 5cと軸方向に合致させた状態で組み付けられている。この外周リング 40 は、その上面 41Bが、シールド 5の内側面 5bと接触しないように離間して配置されている。

[0052] そして、図 5に戻って、外周リング 40は、円筒部 42の下縁側部位に突出形成された

2個の係合爪 42D, 42Dを、後述する基盤 60に貫通形成された係合孔 61 , 61にそれぞれ嵌め込んで係着させることによって、基盤 60に取り付けられている。この外周リング 40は、図 4に示されるように、前述した回転部材 20やスライド部材 30、それに後述する内周リング 50をその円筒内部に組み込んだ状態で基盤 60に取り付けられている。

[0053] ここで、外周リング 40の円筒部 42は、その円筒内部でスライド部材 30の胴体部 31 を径方向にスライド移動させることのできる大きな内径寸法を有して形成されている。また、天板部 41に形成された貫通孔 41 Cも、上記したスライド部材 30がスライド移動する際の首部 33の移動を許容することのできる大きな径寸法を有して形成されている。なお、スライド部材 30は、そのスライド移動時には、段差部 32の上面 32Bを外周リング 40の天板部 41の内底面 41A上を摺動させながら径方向にスライド移動するようになつている。

[0054] 次に、図 5に戻って、内周リング 50について説明する。この内周リング 50は、底板部 51を有した円筒型形状に形成されている。この内周リング 50は、外周リング 40の円筒部 42に下側の開口部分 42Cから揷し込まれることによって、その円筒内部に一体的に組み付けられている。これにより、図 4に示されるように、内周リング 50は、その底板部 51と外周リング 40の天板部 41との間に、前述したスライド部材 30や回転部材 20を挟み込んだ状態として組み付けられている。

[0055] この内周リング 50が組み付けられた状態では、スライド部材 30は、胴体部 31の上下側の面部を天板部 41と底板部 51とにそれぞれ面当接させた状態となっている。これにより、スライド部材 30は、内周リング 50と外周リング 40との間でがたつくことなく径方向にスライド移動できるようになつている。

[0056] ここで、内周リング 50の円筒部 52とスライド部材 30の胴体部 31との間には、 4個の圧縮ばねが設けられている。これら圧縮ばねは、胴体部 31を円筒部 52の半径方向の中心位置に向けて附勢できるように、円周方向の 4箇所の位置に均等配置されている。これにより、スライド部材 30は、各圧縮ばねの附勢に抗していずれかの径方向にスライドさせても、そのスライド移動操作をやめることによって、各圧縮ばねの附勢によって円筒部 52の中心位置に戻されるようになつている。

[0057] そして、図 4に示されるように、上記円筒部 52と胴体部 31との間には、 4個のスライド検知スィッチ Τ· · (スライド方向検知装置）が円周方向に均等配置されている。これらスライド検知スィッチ Τ· ·は、円筒部 52に埋め込まれて設けられており、それぞれ先端部分を内周面 52Aから径方向の内方に突出させた状態となっている。ここで、 4 個のスライド検知スィッチ Τ· ·は、車両用シート 1 (図 1参照）の前後方向を向く 2箇所の位置と、上下方向を向く 2箇所の位置とに配置されている。

[0058] したがって、操作部 10を車両用シート 1 (図 1参照）の前後上下のいずれかの径方向にスライド移動させることにより、図 9に示されるように、スライド部材 30の胴体部 31 の外周面 31Bがスライド検知スィッチ Τ· ·のいずれかに押し当てられてそのスライド移動操作が検知される。

[0059] ここで、図 8に示されるように、底板部 51の上面 51A上には、電導体より成る定置接点 53Α〜53Εが配設されている。これら定置接点 53Α〜53Εは、前述した固定接点 34Α〜34Εが配設された円周方向の 5箇所の位置に配置されている。これら定置接点 53Α〜53Εは、底板部 51の上面 51A上を摺動するスライド部材 30の胴体部 31 の下縁側部位まで延びた前述した各固定接点 34Α〜34Εの下端部と常に通電可能に当接した状態となっている。

[0060] これら定置接点 53Α〜53Εは、スライド部材 30が底板部 51の上面 51A上を前後上下の各径方向にスライド移動しても、常に各固定接点 34Α〜34Εと当接できるよう、上面 51Aの面内方向に広がって形成されている。なお、図示は省略されている力スライド部材 30の胴体部 31の下縁側部位まで延びた共通接点 35の下端部と当接する位置にも、各定置接点 53A〜53Eと同じように定置接点が配設されている。

[0061] そして、図 4に示されるように、内周リング 50の底板部 51と回転部材 20の台座部 2 2との間には、プッシュスィッチ S (押込み動作検知装置）が設けられている。このプッシュスィッチ Sは、底板部 51に埋め込まれて設けられており、その先端部分を上面 5 1Aから図示上方（軸方向）に突出させた状態となっている。したがって、図 10に示されるように、操作部 10を軸方向に押込み操作することにより、回転部材 20の台座部 2 2がプッシュスィッチ Sに押し当てられてその押込み操作が検知される。

[0062] 次に、図 5に戻って、基盤 60について説明する。この基盤 60は、板状に形成されており、その板厚方向に貫通形成された 2箇所の係合孔 61 , 61内に、前述した外周リング 40の係合爪 42D, 42Dが嵌め込まれることによって、外周リング 40と一体的に組み付けられている。

[0063] ここで、図 4に示されるように、基盤 60には、内周リング 50の円筒部 52に埋設された各スライド検知スィッチ Τ· ·やプッシュスィッチ S、それに段差部 32に埋設された各固定接点 34A〜34E (図 8参照）や、共通接点 35と電気的に接続された端子 63が設けられている。

[0064] この端子 63は、図 9や図 10に示されるように、操作部 10が径方向にスライド移動操作されてスライド検知スィッチ Τ· ·の!/、ずれかが押下された際のスライド位置情報やプッシュスィッチ Sが押下された際の操作部 10の押込み操作情報、それに操作部 10 が軸回動操作されて摺動子 22Βが共通接点 35と各固定接点 34Α〜34Εのいずれ力、とに通電可能に面接触した際の回転位置情報を、図示しない制御部に伝達するようになつている。

[0065] 上記構成の電動操作装置 6は、操作部 10を軸回動させたり径方向にスライド移動させたりする操作によって、各電動機能の選択状態を次のように切替えたりこれらを作動操作したりする。また、電動操作装置 6は、操作部 10を押込む操作によって、選択対象となる電動機能群のジャンルを次のように切替える。

[0066] ここで、図 11に示されるように、操作部 10の回動位置には 5つのポジション Ρ1〜Ρ 5が設定されている。これら各ポジション Ρ1〜Ρ5は、操作部 10をその回動位置に合わせることにより、図 8において前述した摺動子 22Βと各固定接点 34Α〜34Εとがそれぞれ通電可能に接触する回動位置となっている。

[0067] ここで、ポジション P1は、操作部 10に設定された指標部位 12が、通常使用時のシ一トバック 2の姿勢向きを指す上方側の若干後方側を向いた回動位置に設定されている。そして、ポジション Ρ2は、後述するポジション Ρ3との間のほぼ中間の回動位置に設定されている。また、ポジション Ρ3は、指標部位 12が、シートクッション 3の姿勢向きを指す前方側を向いた回動位置に設定されてレ、る。

[0068] また、ポジション Ρ4は、指標部位 12が、ポジション P1よりも後方側を向いた回動位置、すなわちシートバック 2を後方側に倒した向きを指す回動位置に設定されている。また、ポジション Ρ5は、指標部位 12がポジション Ρ3よりも下方側を向いた回動位置、すなわちシートクッション 3の姿勢向きを下方側に倒した向きを指す回動位置に設定されている。

[0069] 先ず、操作部 10の指標部位 12がシートバック 2の姿勢向きを指すポジション P1に合わされた状態では、その回転位置情報に基づいて、リクライニング装置 Εとヘッドレスト昇降装置 Αが操作対象として選択された状態となる。

[0070] そして、この状態で、操作部 10を車両用シート 1 (図 2参照）の前方側、すなわち図

12における紙面右方側 (径方向）にスライド移動させると、リクライニング装置 Eが電動操作されて、シートバック 2の背凭れ角度が操作部 10の操作方向と同じ前倒し方向に変動する。すなわち、上記のスライド移動操作を行うと、その移動先にあるスライド検知スィッチ T (図 9参照）が押下されて、力、かるスライド位置情報に基づいてリクライニング装置 Eが電動操作される。

[0071] そして、操作部 10のスライド移動操作をやめると、操作部 10が操作前の中心位置に戻されて、リクライニング装置 Eの作動が停止する。また、操作部 10を車両用シート 1 (図 2参照）の後方側、すなわち図 12における紙面左方側 (径方向）にスライド移動させると、力、かるスライド位置情報に基づいて、シートバック 2の背凭れ角度が操作部 10の操作方向と同じ後倒し方向に変動する。

[0072] また、操作部 10を車両用シート 1 (図 2参照）の上方側、すなわち図 12における紙面上方側 (径方向）にスライド移動させると、力、かるスライド位置情報に基づいてヘッドレスト昇降装置 Aが電動操作され、ヘッドレスト 4の高さ位置が操作部 10の操作方向と同じ上方向に押し上げられる。

[0073] そして、操作部 10のスライド移動操作をやめると、操作部 10が操作前の中心位置に戻されて、ヘッドレスト昇降装置 Aの作動が停止する。また、操作部 10を車両用シート 1 (図 2参照）の下方側、すなわち図 12における紙面下方側（径方向）にスライド移動させると、力、かるスライド位置情報に基づいて、ヘッドレスト 4の高さ位置が操作部 10の操作方向と同じ下方向に引き下げられる。

[0074] 次に、操作部 10を軸回動操作して指標部位 12をポジション P2に合わせると、その回転位置情報に基づ!/、て、ランバーサポート装置 Dが操作対象として選択された状態となる。そして、この状態で、操作部 10を車両用シート 1 (図 2参照）の前後側や上下側にスライド移動させると、力、かるスライド位置情報に基づいてランバーサポート装置 Dが電動操作される。

[0075] これにより、着座者の腰部を支持する支持板 Daの位置が操作部 10の操作方向と同じ前後或いは上下方向に移動操作される。なお、操作部 10のスライド移動操作をやめることによってランバーサポート装置 Dの作動が停止することは、前述した操作構造と同じである。

[0076] 次に、操作部 10を軸回動操作して指標部位 12がシートクッション 3の姿勢向きを指すポジション P3に合わせると、その回転位置情報に基づいて、スライド装置 Hとリフタ一装置 Gとが操作対象として選択された状態となる。

[0077] そして、この状態で、操作部 10を車両用シート 1 (図 2参照）の前方側或いは後方側にスライド移動させると、力、かるスライド位置情報に基づ!/、てスライド装置 Hが電動操作される。これにより、車両フロア面に対するシートクッション 3 (車両用シート 1全体）の位置が操作部 10の操作方向と同じ前方或!/、は後方へのスライド移動によって変動する。

[0078] また、操作部 10を車両用シート 1 (図 2参照）の上方側或いは下方側にスライド移動させると、力、かるスライド位置情報に基づいてリフター装置 Gが電動操作される。これにより、車両フロア面に対するシートクッション 3 (車両用シート 1全体）の高さ位置が操作部 10の操作方向と同じ上方或いは下方に昇降移動操作される。なお、操作部 1 0のスライド移動操作をやめることによってスライド装置 Hゃリフタ一装置 Gの作動が停止することは、前述した操作構造と同じである。

[0079] 次に、操作部 10を軸回動操作して指標部位 12がシートバック 2よりも後方側を向いた位置を指すポジション P4に合わされると、その回転位置情報に基づいて、シートバック中折れ装置 Bとサイドサポート装置 Cとが操作対象として選択された状態となる。

[0080] そして、この状態で、操作部 10を車両用シート 1 (図 2参照）の前方側或いは後方側にスライド移動させると、力、かるスライド位置情報に基づいてシートバック中折れ装置 Bが電動操作される。これにより、シートバック 2の着座者の背部上体を支持する上体支持部 2Aが、下体支持部 2Bに対して操作部 10の操作方向と同じ前方向に折れ曲力 Sり移動したり後方向に戻されたりする。

[0081] また、操作部 10を車両用シート 1 (図 2参照）の上方側或いは下方側にスライド移動させると、力、かるスライド位置情報に基づ!/、てサイドサポート装置 Cが電動操作される。これにより、シートバック 2の幅方向の両側部 2C, 2Cが互いに内側に寄せられる格好で前方に変形移動したり、後方向に戻されたりする。なお、操作部 10のスライド移動操作をやめることによってシートバック中折れ装置 Bやサイドサポート装置 Cの作動が停止することは、前述した操作構造と同じである。

[0082] 次に、操作部 10を軸回動操作して指標部位 12がポジション P5の回動位置に合わされると、その回転位置情報に基づいて、クッション前部可動装置 Fが操作対象として選択された状態となる。そして、この状態で、操作部 10を車両用シート 1 (図 2参照 )の前後側や上下側にスライド移動させると、力、かるスライド位置情報に基づいてタツシヨン前部可動装置 Fが電動操作される。

[0083] これにより、シートクッション 3の前部 3Aが後部 3Bに対して操作部 10の操作方向と同じ前後方向や上下方向に移動操作される。なお、操作部 10のスライド移動操作をやめることによってクッション前部可動装置 Fの作動が停止することは、前述した操作構造と同じである。

[0084] 次に、操作部 10の押込み操作を行うと、図 13に示されるように、電動機能群のジャンルが、前述した位置調整機能にかかる電動機能群から、図示された快適性向上機能に力、かる電動機能群に切り替えられる。これにより、例えば操作部 10の指標部位 1 2がポジション P1の回動位置に合わされた状態では、その回転位置情報に基づいて、シートヒータ Jが操作対象として選択された状態となる。

[0085] このシートヒータ Jは、図 14に示されるように、操作部 10を車両用シート 1 (図 3参照）の前後側にスライド移動させることにより、その作用部位が、図示された 4つの設定モードの中から切替えられるようになつている。なお、本実施例では、シートクッション 3 の前部 3Aのみを暖めるモードと、シートクッション 3の全体（前部 3Aと後部 3B)を暖めるモードと、シートクッション 3の全体とシートバック 2の下体支持部 2Bを暖めるモードと、シートクッション 3及びシートバック 2の全体（下体支持部 2Bと上体支持部 2A)を暖めるモードの 4つのモードの中から設定モードの切替えが行えるようになつている。なお、設定モードの種類や数は、使用目的に応じた形態に適宜変更が可能である。

[0086] そして、この状態で、操作部 10を車両用シート 1 (図 3参照）の上方側、すなわち図 13における紙面上方側 (径方向）にスライド移動させると、シートヒーター Jが ON状態に切替えられる。これにより、上述した設定モードに即した部位が暖められる。そして、シートヒータ Jが ONの状態で操作部 10を車両用シート 1 (図 3参照）の前後側にスライド移動させることにより、その作用部位を切替えることができる。そして、操作部 10を車両用シート 1 (図 3参照）の下方側にスライド移動させることにより、シートヒーター J 力 SOFF状態に切替えられる。 [0087] 次に、操作部 10を軸回動操作して指標部位 12をポジション P2に合わせると、その回転位置情報に基づ!/、て、バイブレータ Kが操作対象として選択された状態となる。そして、この状態で、操作部 10を車両用シート 1 (図 3参照）の上方側にスライド移動させると、バイブレータ Kが ON状態に切替えられる。そして、操作部 10を前後側にスライド移動させることにより、バイブレータ Kの出力の強弱を段階的に調整することができる。そして、操作部 10を下方側にスライド移動させることにより、バイブレータが OFF状態に切替えられる。

[0088] 次に、操作部 10を軸回動操作して指標部位 12をポジション P3に合わせると、その回転位置情報に基づいて、シートメモリ Lが操作対象として選択された状態となる。そして、この状態で、操作部 10を車両用シート 1 (図 3参照）の前後側にスライド移動させると、設定モードの切替えを行うことができる。そして、操作部 10を上方側にスライド移動させることにより、車両用シート 1がその選択された設定モードの姿勢や位置に切替られる。そして、操作部 10を車両用シート 1 (図 3参照）の下方側にスライド移動させることにより、車両用シート 1が初期の姿勢状態に戻される。

[0089] 次に、操作部 10を軸回動操作して指標部位 12をポジション P4に合わせると、その回転位置情報に基づ!/、て、ベンチレータ Mが操作対象として選択された状態となる。そして、この状態で、操作部 10を車両用シート 1 (図 3参照）の上方側にスライド移動させると、ベンチレータ Mが ON状態に切替えられる。そして、操作部 10を前後側にスライド移動させることにより、ベンチレータ Mの出力の強弱を段階的に調整することができる。そして、操作部 10を下方側にスライド移動させることにより、ベンチレータ Mが OFF状態に切替えられる。

[0090] 次に、操作部 10を軸回動操作して指標部位 12をポジション P5に合わせると、その回転位置情報に基づいて、 D'P切替え Nが操作対象として選択された状態となる。そして、この状態で、操作部 10を車両用シート 1 (図 3参照）の前後側にスライド移動させると、電動機能を作動させる操作対象を、運転席シート（車両用シート 1)と助手席シート（図示省略）との間で切替えることができる。また、この操作対象の切替えは、操作部 10を車両用シート 1 (図 3参照）の上下側にスライド移動させることによつても、同じように fiうことができる。 [0091] なお、電動操作装置 6は、操作部 10の押込み操作を行った後、軸回動操作ゃ径方向へのスライド移動操作などの操作部 10の操作を行うことなく一定時間放置することにより、電動機能群のジャンルの選択状態が、初期状態である位置調整機能に関連した電動機能群が選択された状態に戻されるようになつている。この電動機能群のジヤンルの選択状態を初期状態に戻す制御は、例えば操作部 10の各種の操作情報の伝達を受ける制御部（図示省略）にタイマーを設定するこによって行うことができる

[0092] このように、本実施例の車両用シートの電動操作装置によれば、操作部 10を軸回動操作してその回動位置の切替えを行うことにより、車両用シート 1に配備された複数の電動機能の中から操作対象となる電動機能が選択される。そして、操作部 10を径方向にスライド移動操作してそのスライド位置の切替えを行うことにより、操作対象として選択された電動機能が作動操作される。すなわち、一つの操作部 10の操作によって、電動機能の選択とその作動操作の双方を行うことができる。

[0093] また、電動機能の数が増大した場合には、操作部 10の軸回動操作による電動機能を選択する回動位置の設定数を増やすことによって対応することができる。また、操作部 10を押込み操作することで、電動機能群の選択状態が切替えられる。したがつて、電動操作装置 6の設置スペースを広げることなぐ電動機能を選択する操作部 10 の回動位置の設定数を増やすことができる。また、押込み操作された操作部 10は、附勢によって押込み操作前の初期位置に戻されるようになつているため、操作部 10 の押込み操作を常に同じ操作感覚で行うことができる。

[0094] また、快適性向上機能に関連した電動機能が選択された状態で、操作部 10を車両用シート 1の上下方向にスライド移動操作することにより、この電動機能の ON/O FF力 S切替えられる。また、操作部 10を車両用シート 1の前後方向にスライド移動操作することにより、この電動機能の出力の強弱或いは作用部位が切替えられる。このように、快適性向上機能に関連した電動機能の作動操作を、イメージし易い操作感覚で行うことができ、操作を簡便に行うことができる。

実施例 2

[0095] 続いて、実施例 2の車両用シートの電動操作装置について、図 15〜図 17を用いて説明する。なお、以下の説明では、実施例 1で説明した車両用シートの電動操作装置と実質的に構成や作用が同じとなる箇所については同一の符号を付して説明を省略し、異なる箇所にっレ、て詳しく説明することとする。

[0096] 本実施例では、操作部 10が、径方向に長く延びた形状に形成されている。これにより、操作部 10の回動位置が、その延びた方向によって指標されるようになっている。詳しくは、操作部 10の回動位置を指標する側の端部は、回動中心側の端部から形状が次第に細くなるように形成されている。これにより、操作部 10の指標する向きが、その径方向に延びる方向のどちら側なのかを触感によって感じ取り易くなつている。

[0097] そして、本実施例では、操作部 10の操作状態が、車内に配備された車載モニター

120や音声スピーカ 112によって画像や音声として出力されるようになっている。この車載モニター 120は、常時は地図情報を主画像として映し出すようになつており、運転席シートである車両用シート 1の着座者が見やすい斜め前方側の位置に配設されている。

[0098] これら車載モニター 120や音声スピーカ 112は、図 16の制御ブロック図に示されるように、 EMV (エレクト口マルチビジョン）と接続されている。そして、この EMVには、操作部 10からの各種の操作情報が ECU (電子制御装置）を介して伝えられるようになっている。これにより、操作部 10による各電動機能の操作状態に関する画像情報や音声情報が、車載モニター 120や音声スピーカ 112に対して割込画像や割込音声として出力されるようになっている。ここで、 EMVや ECUが本発明の出力装置に相当する。

[0099] ここで、図 17には、車載モニター 120に電動機能の操作状態が割込画像として映し出された様子が示されている。同図では、操作部 10がポジション P1に合わされた状態で押込み操作が行われたときの操作状態が示されている。したがって、この状態では、電動機能群のジャンルの選択状態が、快適性向上機能に関連した電動機能が選択された状態となっている。なお、操作部 10の押込み操作は、操作部 10の回動中心部分に設けられた押ボタン 10Cの押込み操作によって行われるようになつてい

[0100] そして、車載モニター 120には、操作部 10がポジション P1に合わされていることを示すシートヒータ Jの作用部位を選択する 4つの設定モードの絵柄が表示されている。そして、この 4つの絵柄の図示左側の位置には、操作部 10の操作方向を示す左右の矢印に加えて、「モード」の文字が表示されている。更に、この左右の矢印の左側の位置には、上下方向の矢印に加えて、「ON」「OFF」の文字が表示されている。これにより、操作者が、車載モニター 120に表示された画像情報に基づいて、シートヒータ Jを作用させる部位の切替え操作や、 ON/OFFの切替え操作を行い易くなつている。

[0101] なお、図示は省略されているが、車載モニター 120に表示される各設定モードの絵柄は、選択された絵柄 (項目 )が強く点灯したり点滅したりすることによって強調表示されるようになつている。これにより、設定モードの選択状態が視覚によって認識され易くなつている。

[0102] そして、操作部 10を軸回動操作して、指標部位 12をポジション P2〜P5にそれぞれ合わせることにより、車載モニター 120には、選択された電動機能に関する絵柄や操作方向などの画像情報がそれぞれ表示される。例えば、バイブレータ Kやベンチレータ Mが選択された状態では、車載モニター 120には、出力の強弱を表す「弱」「中」「強」の文字が表示される。

[0103] また、シートメモリ Lが選択された状態では、車載モニター 120には、登録された項目を表す「1」「2」「3」の文字が表示される。また、 D'P切替え Nが選択された状態では、切替え対象である「D：運転席」「P：助手席」の文字が表示される。

[0104] なお、図示は省略されている力上述した操作部 10の各種の操作情報を、音声スピー力 112から音声出力させるようにしてもよい。例えば、実施例 1で示したスライド装置 Hの作動操作が行われている最中に、「シートスライド作動中！！」といった音声を出力することにより、スライド装置 Hの作動状態を操作者 (着座者）が聴覚によって認識すること力 Sできるようになる。また、車両用シート 1が移動中である旨の注意を他の乗員に喚起することもできる。

[0105] このように、本実施例の車両用シートの電動操作装置によれば、着座者が操作部 1 0による電動機能の作動操作状態を車載モニター 120や音声スピーカ 112によって視覚や聴覚によって認識することができる。したがって、各電動機能の選択や作動操作の判断をより簡便に行うことができる。

[0106] また、操作部 10による電動機能の作動操作状態は操作部 10の操作時に割込んで出力されるため、通常時は車載モニター 120や音声スピーカ 1 12を地図情報ゃテレビ画像などの主画像や音楽などの主音声を出力させて使用することができる。そして、操作部 10が操作された時には、その操作状態を割込画像や割込音声によって出力することで、注意を喚起するように知らせることができる。

[0107] 以上、本発明の実施形態を 2つの実施例によって説明した力本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施できるものである。

例えば、ランバーサポート装置やサイドサポート装置については、操作部を一度スライド移動操作することによって、その操作を継続していなくても、サポート状態となる使用位置まで移動したり、初期状態となる不使用位置まで戻ったりする構成となっていてもよい。

[0108] また、操作部が押込み操作される前の初期状態で、快適性向上機能に関連した電動機能群が選択されるようになっていてもよい。また、実施例 2で、操作部の押込み操作が押ボタンによって行われるようになっているものを示した力 S、操作部全体が押ボタン式の構成となっていてもよい。また、操作部の押込み操作によって、位置調整機能に関連した電動機能群と快適性向上機能に関連した電動機能群との間でジャンルの切替えが行われる構成を示した力 S、これらのジャンルが入り混じった構成となつていてもよい。

Claims

請求の範囲

[1] 車両用シートの電動操作装置であって、

車両用シートに配備された複数の電動機能を作動操作するための操作部を有し、該操作部は、車両用シートに着座した着座者が操作できる車両用シートの外部位置に配設されており、

該操作部は、軸回動操作と径方向へのスライド移動操作が可能な構成となっており、該操作部の回動位置を切替える軸回動操作構造が前記複数の電動機能の中から操作対象となる電動機能を選択する電動機能モード切替構造となっており、前記操作部の径方向へのスライド位置を切替えるスライド移動操作構造が前記操作対象として選択された電動機能が作動操作される作動制御構造となっており、

更に、前記操作部は軸回動の中心軸線方向に押込む操作も行えるようになつており、該操作部の押込み操作構造が前記車両用シートの構成部材の配設位置を移動させることのできる位置調整機能に関連した電動機能を含んだ第 1の電動機能群と、該第 1の電動機能群以外の第 2の電動機能群と、に相互に切替える電動機能ジヤンル切替構造となっており、該操作部の押込み操作構造には前記押込み操作された操作部を押込み操作前の初期位置に附勢によって戻すことのできるリターン機構が設けられて!/、る車両用シートの電動操作装置。

[2] 請求項 1に記載の車両用シートの電動操作装置であって、

前記電動機能ジャンル切替構造は、前記操作部の押込み操作前の初期状態では前記第 1の電動機能群を選択した状態となる設定となっており、

前記操作部の押込み操作によって前記第 2の電動機能群が選択された状態では、該操作部に対する操作が一定時間放置されることによって電動機能群の選択状態が前記第 1の電動機能群を選択した状態に戻されるようになつている車両用シートの電動操作装置。

[3] 請求項 2に記載の車両用シートの電動操作装置であって、

前記操作部は前記車両用シートのアウター側部に配設されており、該操作部の押込み操作は前記車両用シートのインナー側に向けて行われるようになつている車両用シートの電動操作装置。

[4] 請求項 3に記載の車両用シートの電動操作装置であって、

前記複数の電動機能の中には、着座者の快適性を向上させる快適性向上機能に関連した機能が含まれており、

前記操作部の径方向のスライド移動操作方向は、前記車両用シートの前後及び上下の方向に設定されており、

前記操作部による前記快適性向上機能に関連した電動機能の作動操作は、該操作部を前記車両用シートの上下方向にスライド移動させる操作によって ON/OFF が切替えられ、該操作部を前記車両用シートの前後方向にスライド移動させる操作によって出力の強弱或いは作用部位が切替えられる車両用シートの電動操作装置。

[5] 請求項 4に記載の車両用シートの電動操作装置であって、

前記操作部がスライド移動操作された径方向を検知するスライド方向検知装置と、前記操作部が軸回動操作された回動位置を検知する回動位置検知装置と、前記操作部が押込み操作された動きを検知する押込み動作検知装置と、前記各検知装置によって検知された検知情報に基づいて車室内に配設された車載モニター或いは音声スピーカーに前記操作部による電動機能の作動操作状態を画像或いは音声として出力する出力装置と、を有する車両用シートの電動操作装置

[6] 請求項 5に記載の車両用シートの電動操作装置であって、

前記操作部による電動機能の作動操作状態は、該操作部の操作時に前記車載モ二ター或いは音声スピーカーに割込画像或いは割込音声として出力される車両用シートの電動操作装置。