明 細 書
放送コンテンツ伝送装置および放送コンテンツ伝送方法
技術分野
[0001] この発明は、放送コンテンツを伝送する放送コンテンツ伝送装置に関し、特に、通 信網と放送網のいずれからも共通な放送コンテンツをユーザに伝送できる放送コン テンッ伝送装置および放送コンテンツ伝送方法に関する。
背景技術
[0002] 従来、地上波放送等の放送網を介して放送される放送番組はデジタル放送等のデ ジタルイ匕が進むと共に、インターネット等においても大容量で高速な通信網の特性を 活力した放送コンテンツの配信が活発になってきている。
[0003] 近年のデジタル放送においては、データの送受信を送出側と受信側との間で双方 向通信が可能な構成となっている。この技術は、インターネットを介してデータの送受 信を行うことができるものであり、デジタル放送を受信したデジタル放送受信装置は、 該当する放送コンテンツにかかわる双方向 webサーバの情報を得て、インターネット 等を介して webサーバとの間で通信を行う(例えば、下記特許文献 1参照。 ) o
[0004] 特許文献 1 :特開 2003— 78830号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] し力しながら、上記の従来技術は、放送コンテンツの送出側では放送コンテンツ自 体を放送網あるいは通信網毎に異なる各種伝送媒体に適した形式に変更する必要 があり、そのままの状態では各種伝送媒体を介して放送コンテンツをユーザに伝送 することができなカゝつた。現状では、放送網を介して放送する放送番組と、インターネ ット等の通信網を介して配信する放送コンテンツは、それぞれ独立して制作されるこ とが多ぐ番組内容がそれぞれの伝送媒体毎に限定されており、放送網と通信網とに おいて共通の放送コンテンツ送出することができな力つた。さらに、通信網を介して配 信されたコンテンツを再生するコンピュータ装置等の機器と、放送網を介して受信し たコンテンツを再生する機器とは互いに異なる機器が必要であった。
[0006] この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、放送網と通信網との 間の制約を解消でき、通信網と放送網の!/、ずれからも共通な放送コンテンツをユー ザに伝送できる放送コンテンツ伝送装置および放送コンテンツ伝送方法を提供する ことを目的とする。
課題を解決するための手段
[0007] 上述した課題を解決し、 目的を達成するため、請求項 1の発明にかかる放送コンテ ンッ伝送装置は、コンテンツに IPヘッダを付して IPパケットィ匕する IPパケットィ匕手段と 、前記 IPパケットィ匕手段により IPパケットィ匕されたコンテンツの IPパケットをデジタル 放送の放送波に用いる所定の伝送パケットにカプセルィ匕するカプセルィ匕手段と、前 記カプセルィ匕手段によりカプセルィ匕された IPパケットを含む伝送パケットを放送網を 介して送出する送出手段と、を備えることを特徴とする。
[0008] また、請求項 2の発明に力かる放送コンテンツ伝送装置は、請求項 1に記載の発明 において、前記送出手段は、前記伝送パケットを IPマルチキャストにより送出すること を特徴とする。
[0009] また、請求項 3の発明に力かる放送コンテンツ伝送装置は、請求項 1または 2に記 載の発明において、前記コンテンツ毎に IPマルチキャストグループアドレスと、前記 放送コンテンツの受信側装置の条件とが設定された IPマルチキャスト対応に関する 情報を作成する IPマルチキャスト対応情報作成手段を備え、前記送出手段は、前記 IPマルチキャスト対応に関する情報を任意の受信ノードへ送ることを特徴とする。
[0010] また、請求項 4の発明に力かる放送コンテンツ伝送装置は、 IPパケットがカプセル 化された伝送パケットを放送網を介して受信する受信手段と、前記受信手段により受 信した前記伝送パケットのカプセルィ匕を解除し、前記 IPパケットに含まれるコンテンツ を抽出する抽出手段と、を備えたことを特徴とする。
[0011] また、請求項 5の発明にかかる放送コンテンツ伝送装置は、請求項 4に記載の発明 において、前記コンテンツ抽出手段により抽出された前記 IPパケットの IPアドレスを、 あら力じめ設定された IPアドレスと対比し、互 、がー致する IPパケットだけを選択して 受信するよう制御する選択手段を備えたことを特徴とする。
[0012] また、請求項 6の発明にかかる放送コンテンツ伝送装置は、請求項 5に記載の発明
において、前記コンテンツ毎に IPマルチキャストグループアドレスと、前記コンテンツ を受信する条件とが設定された IPマルチキャスト対応に関する情報を受信する IPマ ルチキャスト対応情報受信手段を備え、前記選択手段は、前記 IPマルチキャスト対 応情報受信手段により受信した前記 IPマルチキャスト対応に関する情報に設定され ている条件が、予め設定されている条件に一致する前記コンテンツを選択することを 特徴とする。
[0013] また、請求項 7の発明に力かる放送コンテンツ伝送装置は、請求項 4〜6の 、ずれ か一つに記載の発明において、前記選択手段により選択された前記コンテンツを、 所定の通信網を介してネットワーク接続された外部機器に伝送するルーティング手段 を備えたことを特徴とする。
[0014] また、請求項 8の発明に力かる放送コンテンツ伝送方法は、コンテンツに IPヘッダを 付して IPパケットィ匕する IPパケットィ匕工程と、前記 IPパケットィ匕工程により IPパケット 化されたコンテンツの IPパケットをデジタル放送の放送波に用いる所定の伝送バケツ トにカプセルィ匕するカプセルィ匕工程と、前記カプセルィ匕工程によりカプセルィ匕された IPパケットを含む伝送パケットを放送網を介して送出する送出工程と、を含むことを 特徴とする。
[0015] また、請求項 9の発明に力かる放送コンテンツ伝送方法は、 IPパケットがカプセル 化された伝送パケットを放送網を介して受信する受信工程と、前記受信工程により受 信した前記伝送パケットのカプセルィ匕を解除し、前記 IPパケットに含まれるコンテンツ を抽出する抽出工程と、を含むことを特徴とする。
発明の効果
[0016] 本発明に力かる放送コンテンツ伝送装置および放送コンテンツ伝送方法によれば 、通信網と放送網の 、ずれからも共通な放送コンテンツをユーザに伝送できるように なるという効果を奏する。また、受信者の属性等に応じて受信者別のコンテンツを送 出および受信できるという効果を奏する。
図面の簡単な説明
[0017] [図 1]図 1は、この発明の放送コンテンツ伝送装置を示す構成図である。
[図 2-1]図 2— 1は、放送コンテンツの IP化を示す説明図である(送出側)。
[図 2-2]図 2— 2は、放送コンテンツの IP化を示す説明図である(受信側)。
[図 3]図 3は、コンテンツのカプセル化の構成を示すブロック図である。
[図 4]図 4は、送出側における放送コンテンツのグループ化を行うグループ化送出部 の構成を示すブロック図である。
[図 5]図 5は、送出側におけるグループ別の放送コンテンツの送出処理の一例を示す フローチャートである。
[図 6]図 6は、 IPマルチキャスト対応表の一例を示す図表である。
[図 7]図 7は、受信側にお!、て放送コンテンツをグループ毎に受信するグループィ匕受 信部の構成を示すブロック図である。
[図 8]図 8は、受信側におけるグループ別の放送コンテンツの受信処理の一例を示す フローチャートである。
[図 9-1]図 9 1は、放送コンテンツをュニキャストにより送出する場合の説明図である
[図 9-2]図 9— 2は、放送コンテンツをマルチキャストにより送出する場合の説明図で ある。
符号の説明
100 放送コンテンツ
100a IPノケット
100b IPヘッダ
101 送出側
102 受信側
105 伝送パケット
110 放送網
111 通信網
112 端末装置
120 ホームネットワーク
130 モパイルネットワーク
発明を実施するための最良の形態
[0019] (実施の形態)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる放送コンテンツ伝送装置および放 送コンテンツ伝送方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
[0020] 図 1は、この発明の放送コンテンツ伝送装置を示す構成図である。放送コンテンツ 1 00は、送出側 101の地上デジタル等の放送網 110、あるいはインターネット等の通 信網 111を介して受信側 102の端末装置 112に伝送される。
[0021] 放送コンテンツ 100は、送出側 101から通信網 111を介して IPヘッダ 100bが付与 された IPパケット 100aとして伝送される。また、デジタルの放送網 110を介した伝送 時には、デジタル放送の放送波に用いる所定形式の伝送パケット 105内部に、 IPパ ケット 100aをカプセルィ匕して伝送される。端末装置 112側では、放送網 110および 通信網 111から伝送された放送コンテンツ 100を受信できる。通信網 111から伝送さ れた IPパケット 100aは、 IPヘッダ 100bの情報(IPアドレス)を識別子として放送コン テンッ 100を選択的に取得することができる。また、放送網 110から伝送された伝送 ノ ケット 105は、カプセル化を解除した後の IPパケット 100aについて、 IPヘッダ 100 bの情報 (IPアドレス)を識別子として放送コンテンツ 100を選択的に取得することが できる。伝送パケット 105のカプセル化については後述する。
[0022] この端末装置 112は、例えば携帯電話や PDA等の携帯端末、固定設置されるパ 一ソナル ·コンピュータ(PC)、専用のセットトップボックス(STB)等を用いることができ る。また、この端末装置 112は、受信した放送コンテンツ 100の IPアドレスに対応して 出力機器をルーティングすることができる。端末装置 112にはあら力じめ IPアドレス対 応のルーティングテーブルが格納されており、 IPアドレスに基づいてホームネットヮー ク 120とモパイルネットワーク 130の!、ずれか、ある!/、は!、ずれも選択して放送コンテ ンッ 100をルーティングすることができる。
[0023] 図 1に示すように、端末装置 112が家庭内の LAN等のホームネットワーク 120にァ クセスし、このホームネットワーク 120に接続されているテレビ 121や、パーソナル'コ ンピュータ 122、情報家電 123等に放送コンテンツ 100を送出することができる。また 、端末装置 112は、他に、車内 LAN等のモパイルネットワーク 130にアクセスし、この モパイルネットワーク 130に接続されているカーオーディオ 131や、カーナビ(カーナ
ピゲーシヨン装置) 132等に放送コンテンツ 100を送出することができる。
[0024] このように、放送コンテンツ 100の IPアドレスを識別子として、送出側 101と受信側 1 02とが End— to— Endの通信を行うことができるようになる。特に、一つの送出側 10 1から、複数の端末装置 112をグループ指定したり、あるいは端末装置 112を介して ルーティングされる機器(121, 122, 123, 131, 132)を指定して放送コンテンツ 10 0を送出できるようになる。なお、 IPアドレスを用いた選択的なルーティングおよび受 信の詳細については後述する。
[0025] 図 2—1、図 2— 2は、それぞれ放送コンテンツの IP化を示す説明図である。図 2—1 は、送出側 101の図、図 2— 2は、受信側 102の図である。図 2—1に示すように、放 送コンテンッの送出側 101では、放送網 110や通信網 111の違 、を考慮せずとも、 単一の放送コンテンツ 100を制作すればよい。この放送コンテンツ 100は、送出側 1 01が汎用のプラットフォームである IPプロトコルにしたがって IP化する。 IP化された放 送コンテンツ 100は、そのまま放送網 110、あるいは通信網 111である FTTHや AD SL通信網、 Mobile通信網を介して伝送することができる。
[0026] このように、放送網 110と通信網 111は、 IPが共通のレイヤとなり、 IPプロトコル上で 放送コンテンツ 100を共有ィ匕することができる。これにより、例えば、従来インターネッ トの通信網 111だけで独自に伝送されて!、た放送コンテンツ 100を放送網 110を介 して伝送することもできるようになる。このような IP化と、後述する IPマルチキャストイ匕 によって多数の放送番組の同時配信も可能となる。
[0027] 図 2— 2に示すように、放送コンテンツ 100を受信するユーザ側では、放送コンテン ッ 100の伝送媒体の違 ヽを意識することなぐ取得可能な伝送網 (放送網 110ある ヽ は通信網 111)力も放送コンテンツ 100を取得することができる。放送コンテンツ 100 は、 IP化によって多数の番組の同時配信が可能である。また、ユーザが事前に入力 してお 、た属性情報や受信位置の状況に応じた番組を自動的に受信できるようにな る。また、送出側 101においてもあら力じめ IPアドレスの設定によって取得ユーザを 設定して放送コンテンツ 100を送出することができる。
[0028] 図 3は、コンテンツのカプセル化の構成を示すブロック図である。送出側 101 (図 1 参照)のコンテンツ入力部 301には、放送コンテンツ 100 (図 1参照)として送出するソ
ースが入力される。放送コンテンツ 100は、例えば、放送番組や、 DVD等の記録媒 体に格納されている再生情報等がある。これらは、カメラ、マイクからの情報 TV等の 映像信号と音声信号の組み合わせに限らず、静止画や動画の映像信号のみで構成 したり、音声信号だけで構成したり、データだけで構成することもできる。
[0029] この実施の形態におけるコンテンツ入力部 301は、放送網 110と、通信網 111のい ずれ力 送出するための放送コンテンツ 100が入力されるようになっている。サービス 再生部 302は、通信網 111における、例えばインターネット用コンテンツのサービス 再生機 (例えば WEBサーノ )により構成されている。このサービス再生部 302は、コ ンテンッ入力部 301に入力された放送コンテンツ 100を IPパケット 100aとしてバケツ ト化し、 IPヘッダ 100bを付与してインターネット等の通信網 111を介して受信側 102 の端末装置 112に伝送する。
[0030] 従来、放送網 110と、通信網 111とではそれぞれ独立したコンテンツ入力部 301、 サービス再生部 302が必要であった力 この実施の形態では、放送網 110および通 信網 111の!、ずれに対して送出する放送コンテンッ 100であつても、この放送コンテ ンッ 100を共通のコンテンツ入力部 301に入力し、共通のサービス再生部 302により IPパケットィ匕するようになつている。これにより、従来、放送網 110において用いてい た放送用のサービス再生機、例えば、放送用再生機器や放送用中継機器 (具体的 にはテープデッキやデジタルプレイヤ一等)を不要にできる。
[0031] サービス再生部 302により IPパケットィ匕された IPパケット 100aは、インターネット等 の通信網 111を介してパーソナル 'コンピュータ(PC)や PDA等の通信網受信端末 1 12aによって受信することができる。また、サービス再生部 302によって IPパケットィ匕 された IPパケット 100aは、カプセル化部 303によって放送網 110に伝送可能な形式 に変換することができる。
[0032] カプセルィ匕部 303は、放送網 110において IPパケット 100aを伝送するために、こ の IPパケット 100aを放送網 110において用いる所定形式の伝送パケット 105にカプ セル化する。例えば、 MPEG2— TSの伝送形式の場合、この MPEG2— TSのペイ ロード 105a部分に IPパケット 100a全体(IPヘッダ 100bを含む)を挿入し、 MPEG2 —TSのヘッダ 105bを付与して放送網 110から受信側 102の放送網受信端末 112b
に伝送する。放送網受信端末 112bは、この MPEG2— TSの伝送パケット 105をデ コードして IPパケット 1 OOaを抽出した後、放送コンテンツ 100を再生する。
[0033] 上述した端末装置 112は、通信網端末装置 112a、あるいは放送網端末装置 112b の!、ずれか一方に対応した装置であってもよ 、し、これら通信網端末装置 112aおよ び放送網端末装置 112bの 、ずれの受信機能を有する装置であってもよ!/、。
[0034] 次に、上述した IPヘッダを付して IPパケットィ匕し、送出する構成をより具体的に説明 する。放送コンテンツを IP化することにより、宛先の IPアドレスをグループィ匕して複数 のグループを対象として各グループに適した放送コンテンツを選択的に提供できるよ うになる。以下、放送コンテンツをグループ別に受信するための構成について説明す る。
[0035] 図 4は、送出側における放送コンテンツのグループ化を行うグループ化送出部の構 成を示すブロック図である。このグループィ匕送出部 800は、送出側 101 (図 1参照)に 設けられる。上述した放送コンテンツ 100は、放送コンテンツ作成部 801によって複 数作成される。放送コンテンツ作成部 801に対して外部から作成済みの放送コンテ ンッ 100を順次、複数入力することもできる。
[0036] IPマルチキャスト対応表作成部 802は、後述するが一つ一つの放送コンテンツ 10 0に対応する IPマルチキャストグループアドレスと、受信推奨者の情報とを関連付け る情報である IPマルチキャスト対応表を作成する。送出部 803は、 IPマルチキャスト 対応表作成部 802によって作成された IPマルチキャスト対応表を放送網 110および 通信網 111を介して任意の受信ノード (受信側 102の端末装置 112)に送出する。
[0037] 図 5は、送出側におけるグループ別の放送コンテンツの送出処理の一例を示すフ ローチャートである。放送コンテンツを IP化することにより、受信側 102の端末装置 11
2 (図 1参照)をグループ化し、グループ毎に異なる番組を伝送 (放送)できるようにな る。
[0038] 送出側 101では、受信者グループ毎に異なる放送コンテンツや CMを複数作成し ておく(ステップ S901)。そして、それぞれの放送コンテンツ 100に対して IPマルチキ ヤストグル一プアドレスと、受信推奨者の情報を含んだ IPマルチキャスト対応表を作 成する(ステップ S902)。そして、この IPマルチキャスト対応表は、最重要なアドレス
制御情報として、定期的に放送網 110および通信網 111を介して任意の受信側 102 の端末装置 112に送出する (ステップ S903)。これにより、受信側 102の任意の端末 装置 112がこの IPマルチキャスト対応表を受信する。
[0039] 図 6は、 IPマルチキャスト対応表の一例を示す図表である。 IPマルチキャスト対応 表 1000は、 IPマルチキャストグループアドレスを Aと Bの 2つに設定したものである。 I Pマルチキャストグループアドレス Aにつ!/、ては、放送コンテンツは山沿い向け番組 であり、受信推奨者は、山側の GPS情報 (他に属性情報など)である。 IPマルチキヤ ストグループアドレス Bについては、放送コンテンツは海沿い向け番組であり、受信推 奨者は、海側の GPS情報 (他に属性情報など)である。
[0040] 図 7は、受信側において放送コンテンツをグループ毎に受信するグループィ匕受信 部の構成を示すブロック図である。このグループィ匕受信部 1100は、端末装置 112 ( 図 1参照)に設けられる。
[0041] IPマルチキャスト対応表受信部 1101は、送出側 101 (図 1参照)から送出される IP マルチキャスト対応表を受信する。受信推奨者情報比較部 1102は、比較情報入力 部 1103を介して入力される端末装置 112側の情報と、送出側 101から送出された I Pマルチキャスト対応表に設定されて ヽる受信推奨者の情報とを比較する。このため 、比較情報入力部 1103には、受信推奨者に相当する情報が入力される。図 7に示し た例では、比較情報入力部 1103には、不図示の GPS部が接続されて、端末装置 1 12の現在の位置情報が入力される。
[0042] 受信推奨者情報比較部 1102による比較の結果は、放送コンテンツグループアドレ ス選択部 1104に出力される。この際、受信推奨者情報比較部 1102は、図 6に示し た IPマルチキャスト対応表 1000に設定されている IPマルチキャストグループアドレス A, Bの 、ずれかを比較結果に基づ!/、て選択して放送コンテンツグループアドレス選 択部 1104に出力する。
[0043] 図 7に示す放送コンテンツグループアドレス選択部 1104は、受信推奨者情報比較 部 1102から出力された IPマルチキャストグループアドレス A, Bのいずれかに対応す る放送コンテンッ 100を受信部 600 (内部詳細は図 6参照)力 選択し、端末装置 11 2によって受信可能にする。図 7の構成では、受信部 600が全ての放送コンテンツ 10
0を受信した後に、 IPマルチキャストグループアドレス A, Bのいずれかを選択する構 成とした力 これに限らず、放送コンテンツグループアドレス選択部 1104は、受信部 600に入力される IPノケット 100aについて、選択した IPマルチキャストグループアド レス A, Bに対応する 、ずれかだけを取得し他を捨てる構成とすることもできる。
[0044] 図 8は、受信側におけるグループ別の放送コンテンツの受信処理の一例を示すフ ローチャートである。受信側 102の端末装置 112 (図 1参照)では、送られてくる IPマ ルチキャスト対応表を受信する (ステップ S1201)。この際、受信する端末装置 112の 受信インターフェースの IPアドレスの設定にかかわらずこの IPマルチキャスト対応表 を受信する。
[0045] 次に、 IPマルチキャスト対応表の受信推奨者の情報と、端末装置 112の情報を比 較する (ステップ S1202)。例えば、端末装置 112は GPS等により現在の位置情報を 取得できる構成であれば、この現在の位置情報と、受信推奨者の情報として設定さ れて 、る位置情報とを比較する。
[0046] そして、設定に最も近い受信推奨者の情報を指定する放送コンテンツの IPマルチ キャストグループアドレスを取得し、受信インターフェースの IPアドレスとして設定する (ステップ S 1203)。これ〖こより、設定した IPマルチキャストグループアドレスで流され ている放送コンテンツ 100が受信可能となり(ステップ S1204)、この放送コンテンツ 1 00を視聴することができる。この際、受信側 102の端末装置 112は、送出側 101が 設定した受信推奨者に適合した放送コンテンツ 100を受信することができる。具体的 には、端末装置 112の現在位置が山沿いに位置していれば、山沿い向け番組を受 信することができる一方、同じ端末装置 112の現在位置が海沿いに位置して 、れば 、海沿い向け番組を受信することができるようになる。
[0047] この後、 IPマルチキャスト対応表 1000 (図 6参照)、または端末装置 112の位置情 報や属性情報に変更がないかどうかを判断し (ステップ S1205)、変更がなければ( ステップ S 1205 : Yes)、ステップ S 1204にお!/、て受信して!/、た放送コンテンツ 100を 継続受信 (放送コンテンツの再生)する。一方、変更があれば (ステップ S 1205 : No) 、ステップ S1202に戻って IPマルチキャスト対応表を用いた受信推奨者の情報の比 較以降の処理を再実行する。以上によりグループ別の放送コンテンツの受信処理を
終了する。
[0048] 図 9—1は、放送コンテンツをュニキャストにより送出する場合の説明図である。 IP ュ-キャストにおいては、同じ情報 (放送コンテンツ 100)を送出する場合であっても、 送出側 101 (図中の送信局 1301)は、それぞれ受信側 102の受信機 A〜D ( 1302a 〜1302d)に対応した IPアドレス A〜Dに送付する処理を行う。ュ-キャストにより送 信する場合には、それぞれのアドレス A〜Dのパケットがルータ等を介して独立して 受信側 102まで伝送される。
[0049] 図 9— 2は、放送コンテンツをマルチキャストにより送出する場合の説明図である。 I Pマルチキャストの場合には、あるマルチキャストアドレスグループにアドレス(図示の I Pアドレス: X)で同報することにより、該当するマルチキャストアドレスグループ (IPアド レス: X)に設定されて!、る複数の受信側 102の受信機 A〜D ( 1303a〜 1303d)が いずれも同じ情報 (放送コンテンツ 100)を受信する。マルチキャストは、ュ-キャスト に比して送出側 101 (送信局 1301)における処理が一つのマルチキャストアドレスに よる単一のパケットとして送出でき、伝送帯域を節約できるため、送出側 101および 途中経路のルータ等における処理負担を軽減できる。
[0050] 放送コンテンツをアドレスグループで送出することにより、受信側 102の端末装置 1 12をグループ化し、グループ毎に異なる放送コンテンツ 100を受信できるようになる 。このグループ毎に放送コンテンツ 100を受信する構成例としては、上述したように、 海沿 ヽゃ山沿 、等の地域別のグループィ匕に限らず他にも各種のグループィ匕が可能 である。
[0051] 例えば、上述した端末装置 112の属性情報として、端末装置 112の機種別や機能 別のグループィ匕や、端末装置 112を所有する年齢別、男女別等のグループィ匕が可 能である。これらグループ別に適した放送コンテンツを受信できるようになる。また、 送出側 101では、受信側 102の端末装置 112に設けられた不図示の GPS部が検出 した位置情報を双方向通信により受信して地域限定の放送網 110を介して独自の放 送コンテンツ 100を送出することもできる。また、災害時には被災地の端末装置 112 に対して緊急情報を局所的に送出することもできる。
[0052] また、放送コンテンツ 100は、放送番組と独立した CMでもよく、放送番組は共通で
あっても CMだけは上述した地域別の CMを行ったり、端末装置 112の機種別や機 能別の CMとしたり、端末装置 112を所有する年齢別、男女別等の CMを行うこともで きる。これにより CMの広告効果をより高めることもでき放送コンテンツ 100に対する C Mの付加価値を向上することもできるようになる。
[0053] 近年、端末装置 112としての携帯電話や PDA、ノート型パーソナル 'コンピュータ は個人所有の傾向がより高まっている。したがって、端末装置 112を所有する個人に 関する情報を送出側 101が管理することによって、端末装置 112を所有する年齢別 、男女別、あるいは嗜好別の放送コンテンツ 100の送出が可能となる。
[0054] また、端末装置 112が放送網 110および通信網 111のいずれの放送コンテンツ 10 0に対しても受信可能な構成であるため、この機能を有する端末装置 112、例えば携 帯電話が放送コンテンツ 100を受信するゲートウェイとして機能する。すなわち、図 1 に示したホームネットワーク 120ゃモパイルネットワーク 130が放送網 110、例えば、 地上デジタル放送などの放送波を受信できる機能を有して!/、なくても、 1台の携帯電 話さえあれば地上デジタル放送などの放送波を受信し、放送コンテンツ 100をホーム ネットワーク 120ゃモパイルネットワーク 130の各種機器に伝送して放送コンテンツを 視聴することが可能となる。
[0055] 送出側 101から受信側 102 (端末装置 112)に対する下りトラフィックは放送網 110 や通信網 111を介して放送コンテンッ 100を端末装置 112に送出する。下りトラフイツ クは、トラフィック容量が大きい。このため、通常の放送番組を放送する他に、生じた 空き帯域を利用して上述した放送コンテンツ 100の送出に利用することもできる。こ れにより、送出側 101は新たに ISP型の放送事業を展開することが可能となる。なお 、受信側 102 (端末装置 112)力も送出側 101に対する経路の上りトラフィックにつ!/、 ては、通信網 111である携帯網や固定網を利用して双方向通信が可能である。さら に、送出側 101では、下りトラフィックの空き帯域を ISPに容量貸しをすることもできる
[0056] また、受信側 102の端末装置 112は、複数の端末装置 112同士が互いに通信を行 う構成にもできる。この通信は、インターネット等の通信網 111を介して行う構成に限 らず、携帯電話等の複数の端末装置 112が基地局を介さずに直接、相互に通信を
行うアドホックネットワークの構成にもできる。この場合、各端末装置 112は、それぞれ IPアドレスを有しているとする。これにより、放送網 110あるいは通信網 111を介して 端末装置 112が受信した放送コンテンツ 100を、端末装置 112同士の通信により他 の端末装置 112に転送することもできるようになる。端末装置 112同士の通信は、 1 回の転送に限らず、複数の端末装置 112同士が直接通信可能な範囲で、末端の端 末装置 112まで放送コンテンツ 100を転送することができるようになる。このような構 成においては、災害時等基地局が使用できない状態にある端末装置 112に対しても 他の端末装置 112を介して災害時の放送コンテンツを転送できる等、新たなサービ スが提供できるようになる。
[0057] 以上説明したように、本発明の放送コンテンツ伝送装置および放送コンテンツ伝送 方法によれば、放送網と通信網との間の制約を受けずに共通な一つの放送コンテン ッを放送網あるいは通信網の 、ずれかを介してユーザに伝送できるようになる。これ により放送コンテンツの制作者および送出側の手間を省くことができるとともに、受信 側においても網毎に送出の制約を受けていた放送コンテンツを自由に受信できるよ うになる。また、放送コンテンツを IP化することにより送出側では希望する端末装置を 指定した受信が行え、受信側においても端末の位置や属性、所有者の属性等に適 合した放送コンテンツを選択して受信できるようになる。これにより、複数の放送コン テンッをそれぞれ必要とするユーザに伝送できるようになる。
[0058] なお、本実施の形態で説明した放送コンテンツ伝送方法は、あらかじめ用意された プログラムをパーソナル.コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行す ることにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルデ イスク、 CD-ROM, MO、 DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記 録され、コンピュータによって記録媒体力 読み出されることによって実行される。ま たこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝 送媒体であってもよい。
産業上の利用可能性
[0059] 以上のように、本発明に力かる放送コンテンツ伝送装置および放送コンテンツ伝送 方法は、放送番組を多数の端末装置に同時配信する放送網および通信網に有用で
あり、特に、衛星デジタル放送や地上デジタル放送等の放送網、およびインターネッ ト等の通信網を介して放送コンテンツを伝送する送出側の装置および受信側の端末 機器に適している。