WO2007138877A1

WO2007138877A1 - 圧縮機

Info

Publication number: WO2007138877A1
Application number: PCT/JP2007/060143
Authority: WO
Inventors: Hiroshi Baba; Yoshinobu Ichikawa
Original assignee: Sanden Corporation
Priority date: 2006-05-26
Filing date: 2007-05-17
Publication date: 2007-12-06
Also published as: EP2037122A1; JP2007315304A; KR101042086B1; EP2037122A4; US20090162215A1; CN101454568A; KR20090017607A

Abstract

　複数のシリンダボアを有し、マフラー装置が設けられた往復動式圧縮機において、マフラー装置の内部空間を仕切り壁により少なくとも２室に区画し、該仕切り壁に、２室間を連通し、内部空間の全長に対し１６～５０％の長さの筒状体を設けたことを特徴とする圧縮機であり、とくにマフラー装置の内部空間の全長が１００～１２０ｍｍの範囲内にあり、筒状体の長さが２０～５０ｍｍの範囲内にある圧縮機。往復動式圧縮機から発生する脈動を効果的に減衰・低減でき、かつ、安価に構成できるマフラー装置を備えた圧縮機が提供される。

Description

明細書

圧縮機

技術分野

[0001] 本発明は、例えば車両用空調装置等に使用される圧縮機に関し、とくに圧縮機の吸入通路または吐出通路上に設けられるマフラー装置の設置構造に関する。

背景技術

[0002] 例えば従来の車両空調装置用圧縮機として、多気筒往復動式圧縮機が知られている。この圧縮機のシリンダヘッドの内部には、例えば、中央部に吐出室、外周部にほぼ円環空洞形状の吸入室が区画されて設置されている。吐出室は、シリンダヘッド吐出ポート、吸入室はシリンダヘッド吸入ポートにそれぞれ連通されている。圧縮機が駆動されると、エバポレータに接続された回路配管から、シリンダヘッド吸入ポートを通して吸入室に導かれた冷媒ガスは、シリンダボア内のピストンが吸入行程にある時、吸入弁（リード弁）を押し開け、弁板の各吸入孔を通して順次吸入行程のシリンダボアに吸入される。更にピストンが圧縮行程にある時、吸入弁は閉じられ、吐出弁が押し開けられ、圧縮された冷媒ガスが弁板の各吐出孔力順次吐出室に吐出され、最終的に吐出室内のガスは、シリンダヘッド吐出ポートを通過してコンデンサに接続された空調装置の回路へと吐出される。

[0003] 上記シリンダヘッド吸入ポートや吐出ポートの近傍には、とくに、吸入ポート近傍には、騒音 ·振動低減のためにマフラー装置が設置されることがある。マフラー装置は、例えばシリンダブロックゃシリンダヘッドの側面に（シリンダブロックゃシリンダヘッドの周囲に）、シリンダブロックゃシリンダヘッドと一体に設けられ、通常、アダプタ一等によってこのマフラー空間を閉じる仕組みになっている。あるいは、マフラー装置は、シリンダブロックゃシリンダヘッドの側面にシリンダブロックゃシリンダヘッドと一体に設けられ、このシリンダブロックゃシリンダヘッドを糸且付けることによってマフラー空間を形成することもある（例えば、特許文献 1)。このマフラー装置設置部分の吸入ガス経路は、通常、マフラー装置力シリンダヘッド吸入室入口へと圧縮機の軸方向に延びている。特許文献 1 :特開平 8— 254181号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 多気筒往復動式圧縮機では、とくに圧縮機が冷媒ガスを吸入する際に発生する脈動が、吸入ポートを通って、空調装置システムの吸入配管に伝わり、これらを振動させ、騒音が発生するという問題がしばしばある。これを防止するために、上述したように、吸入ポート近傍にマフラー装置が設置される場合がある。このマフラー装置を含む吸入ガス経路は、圧縮機軸方向へ延びている。

[0005] 吸入ガスの脈動を低減するためには、発生する脈動周波数に対応したマフラー装置を設計する必要があるが、比較的低周波数の吸入脈動に対応するためには、一般に、マフラーの全長は比較的長くなる。また、マフラー装置による脈動低減の効果を高めるためには、一般に、マフラー空間（マフラー装置の内部空間）の断面積を大きくとることが必要である。

[0006] し力しながら、圧縮機の側面に (周囲に)マフラー装置を設ける場合、これに対応できるだけの十分な圧縮機軸方向長さをとれないことが多いため、脈動低減効果の高いマフラー装置を設置することができないことが多い。また、マフラー装置にアダプタ一等を用いると、部品点数が増え、コスト高となる問題もある。

[0007] そこで本発明の課題は、往復動式圧縮機から発生する脈動（とくに、吸入脈動）を効果的に減衰 '低減させることが可能な、安価なマフラー装置を備えた圧縮機を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008] 上記課題を解決するために、本発明に係る圧縮機は、複数のシリンダボアを有し、マフラー装置が設けられた往復動式圧縮機において、前記マフラー装置の内部空間を仕切り壁により少なくとも 2室に区画し、該仕切り壁に、前記 2室間を連通し、前記内部空間の全長に対し 16〜50%の長さの筒状体を設けたことを特徴とするものからなる（第 1の形態)。この第 1の形態においては、代表的には仕切り壁により 2室に区画されるが、 3室以上の区画も可能である。また、筒状体の形状は、代表的には横断面形状が円形の円筒体であるが、他の横断面形状の筒状体とすることも可能である [0009] この第 1の形態におけるマフラー装置は、吸入脈動の低減に限らず、吐出側の脈動低減に対して、あるいはそれら両方に対しても適用可能である。

[0010] そしてこの第 1の形態においては、とくに、上記マフラー装置の内部空間および上記筒状体の長さが、ともに特定の範囲内にあるとき、優れた脈動低減効果が得られる

。すなわち、上記マフラー装置の内部空間の全長が 100〜 120mmの範囲内にあり、上記筒状体の長さが 20〜50mmの範囲内にあることが好ましい。

[0011] また、上記マフラー装置の壁が、シリンダヘッドまたはシリンダブロック、またはシリンダヘッドおよびシリンダブロックと一体に形成されて、ることが好まし、。これによつて部品点数を減らし、組み付けの容易ィ匕、コスト低減をは力ることができる。

[0012] また、上記仕切り壁は、シリンダヘッドとシリンダブロックの間に介装された弁板の延長部によって形成されていることが好ましい。これによつて、従来のアダプタ一等を省略でき、一層部品点数を減らして、一層の組み付けの容易ィ匕、コスト低減をは力ることがでさる。

[0013] また、本発明に係る圧縮機は、複数のシリンダボアを有し、マフラー装置が設けられた往復動式圧縮機において、前記マフラー装置のガス流通方向を圧縮機の周方向に設定したことを特徴とするものからなる (第 2の形態)。この第 2の形態は、とくに圧縮機軸方向に、マフラー装置の長さを十分にとれない場合に有効であり、マフラー機能を発揮するために必要なガス流通方向長さを、圧縮機の周方向に確保するようにしたものである。圧縮機の周方向においては、比較的容易に必要長さを確保できるので、目標とする性能を有するマフラー装置を容易に設けることができるようになる。

[0014] この第 2の形態においては、上記マフラー装置が、シリンダブロックまたはシリンダヘッドのいずれの周囲に設けられてもよい。とくに吸入脈動を低減するためには、吸入ポート近傍に設けられることが好ましい。但し、この第 2の形態におけるマフラー装置は、吸入脈動の低減に限らず、吐出側の脈動低減に対して、あるいはそれら両方に対しても適用可能である。

[0015] この第 2の形態においては、上記マフラー装置の内部空間が、シリンダブロックと一体に形成されシリンダヘッド側に開口部を持つ壁と、該壁の開口部を閉じる、シリンダヘッドとシリンダブロックの間に介装された弁板の延長部とによって形成されている構成とすることができる。

[0016] あるいは、上記マフラー装置の内部空間力シリンダヘッドと一体に形成されシリンダブロック側に開口部を持つ壁と、該壁の開口部を閉じる、シリンダヘッドとシリンダブロックの間に介装された弁板の延長部とによって形成されている構成とすることもできる。いずれの構成においても、一体ィ匕構成により部品点数を減らし、組み付けの容易化、コスト低減をは力ることができ、弁板の延長部によって開口部を閉じる構成とすることにより、従来のアダプタ一等を省略でき、一層部品点数を減らして、一層の組み付けの容易化、コスト低減をは力ることができる。

[0017] また、上記第 2の形態においては、マフラー機能の向上をは力るために、前記第 1 の形態における技術思想を第 2の形態に展開することもできる。すなわち、マフラー装置の内部空間のガス流通方向全長が 100〜120mmの範囲内にあり、該内部空間が仕切り壁により少なくとも 2室に区画されており、該仕切り壁に、上記 2室間の連通路が設けられている構成とすることができる。この第 2の形態においても、代表的には仕切り壁により 2室に区画される力 3室以上の区画も可能である。

[0018] 上記仕切り壁は、シリンダブロックまたはシリンダヘッドと一体に形成することが可能である。これによつて、仕切り壁を設置しても、実質的に部品点数を増やさなくてもよくなる。

[0019] 2室間の連通路は、仕切り壁に設けられた切り欠きまたは穴によって形成することができる。あるいは、連通路が、仕切り壁に設けられ、ガス流通方向の長さが 20〜50m mの範囲内にある筒状体によって形成されている構造を採用することもできる。とくに後者の構造では、前述の第 1の形態と同様の優れた性能が得られる。また、この第 2 の形態においても、上記筒状体の形状としては、代表的には横断面形状が円形の円筒体であるが、他の横断面形状の筒状体とすることも可能である。

[0020] このような本発明に係る圧縮機は、とくに、脈動低減とともに、部品点数の低減、組み付けの容易ィ匕、コスト低減が求められる車両用空調装置に用いられる圧縮機として好適なものである。

発明の効果 [0021] このように、本発明の第 1の形態に係る圧縮機によれば、仕切り壁によるマフラー装置内部空間の区画構成、特定の範囲の長さを有する連通用筒状体の構成により、優れた脈動低減効果が得られる。とくに、マフラー装置の内部空間の全長を 100〜12 Ommの範囲内に設定し、筒状体の長さを 20〜50mmの範囲内に設定することにより、比較的低周波数（500Hzから lOOOHz程度）の脈動を効果的に低減することが可能となる。

[0022] また、本発明の第 2の形態に係る圧縮機によれば、圧縮機の側面における周方向空間をマフラー装置設置用空間として有効に利用でき、圧縮機軸方向に必要なマフラー装置長さがとれない場合にあっても、目標とする脈動低減性能を有するマフラー装置の設置が可能となる。

図面の簡単な説明

[0023] [図 1]本発明の実施例 1に係る圧縮機の縦断面図である。

[図 2]本発明の実施例 2に係る圧縮機の縦断面図である。

[図 3]本発明の実施例 3に係る圧縮機の縦断面図である。

[図 4]従来のマフラー装置が設けられて、な、圧縮機の縦断面図である。

符号の説明

[0024] 1、 20、 40、 60 圧縮機

2、 43 シリンダブロック

3 シリンダボア

4 ピストン

5 主軸

6 ヒンジ機構

7 斜板

8 シユー

9、 26、 44 シリンダヘッド

10、 28 吸入ポート

11、 27、 52 吸入室

12、 30、 47 弁板 13 吸入孔

14 吐出孔

15 吐出室

16 吐出ポート

21、 41、 61 マフラ -装置

22、 42 内部空間

23、 62 仕切り壁

24 第 1室

25 第 2室

29、 46、 64 マフラ -装置の壁

31 筒状体

32、 49 人口

45 開口部

48 弁板の延長部

50 出口

51 吸入ポート兼連通路

63 連通路としての切り欠き

65、 66 シール材

発明を実施するための最良の形態

以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照して説明する。

まず、比較のために、マフラー装置が設けられていない、従来の一般的な圧縮機の構造を、図 4を参照して説明する。図 4は、多気筒往復動式の可変容量型斜板式圧縮機の例を示している。圧縮機 1は、シリンダブロック 2内に複数のシリンダボア 3を有しており、各シリンダボア 3内にはピストン 4が往復動自在に挿入されている。主軸 5とともに回転され、ヒンジ機構 6を介して傾斜角可変に設けられた斜板 7の回転運動が、一対のシユー 8による摺接を介してピストン 4の往復動に変換される。吸入行程では、シリンダヘッド 9の吸入ポート 10から吸入室 11、弁板 12に形成された吸入孔 13を通してガス (例えば、冷媒ガス）がシリンダボア 3内に導入され、圧縮行程で圧縮されたガスが、吐出孔 14、吐出室 15、吐出ポート 16を通して外部回路に送出される。なお、図示は省略したが、吸入孔 13、吐出孔 14には、リード弁力なる吸入弁、吐出弁がそれぞれ設けられて!/ヽる。

[0026] このような圧縮機 1に対して本発明が適用される。以下に、実施例 1〜3について説明する。これら実施例 1〜3は、本発明によるマフラー装置を吸入通路側に設けた例を示しているが、吐出通路側についても同様のマフラー装置を設置することが可能である。

[0027] 図 1は、本発明の実施例 1に係る圧縮機 20を示している。圧縮機 20における、図 4 に示した圧縮機 1と共通する部位には、図 4と同一の符号を付すことにより説明を省略する（後述の実施例 2、 3についても同様とする）。圧縮機 20には、マフラー装置 2 1が設けられており、マフラー装置 21の内部空間 22が仕切り壁 23により第 1室 24と第 2室 25の 2室に区画されている。このマフラー装置 21は、シリンダヘッド 26内に形成された吸入室 27へと通じる吸入ポート 28部分に設けられており、上記第 2室 25が吸入ポート 28を介して吸入室 27へと連通されている。本実施例では、マフラー装置 21の一方の壁 29は、シリンダブロック 2と一体に形成され、マフラー装置 21の他方の壁 64は、シリンダヘッド 26と一体に形成されている。上記仕切り壁 23は、弁板 30と一体に形成されており、弁板 30の延長部によって形成されている。弁板 30とシリンダブロック 2間および弁板 30とシリンダヘッド 26間はガスケット等のシール材 65、 66でシールされている。

[0028] 上記仕切り壁 23に、 2室 24、 25間を連通し、マフラー装置 21の内部空間 22の全長 L1に対し 16〜50%の長さ L2の筒状体 31 (本実施例では円筒体）が設けられている。マフラー装置 21の入口 32から第 1室 24内に導入されたガス (例えば、冷媒ガス）は、第 1室 24内で一旦膨張された後、筒状体 31を通して絞られた状態で第 2室 2 5内に導入され、再び膨張された後、吸入ポート 28を通して絞られた状態で吸入室 2 7内へと送られ、そこで再び膨張される。これら膨張、縮小、膨張、縮小、膨張を繰り返す過程で、吸入ガスの脈動が減衰'低減され、振動、騒音が低減される。つまり、従来の単純膨張型のマフラー装置に比べ、マフラー装置 21内で膨張を少なくとも 2 回繰り返すことにより脈動低減効果が高められる。とくに、マフラー装置 21の内部空間 22を 2室 24、 25〖こ区画するととも〖こ、 2室 24、 25間にわたって筒状体 31を設けることにより、一層脈動低減効果が高められる。

[0029] とくに本実施例では、マフラー装置 21の内部空間 22の全長 L1が 100〜120mm の範囲内に設定され、筒状体 31の長さ L2が 20〜50mmの範囲内に設定されて!、る。これら特定の範囲内の寸法に設定することにより、比較的低周波数（500Hzから 1000Hz程度）の吸入脈動をより効果的に低減することが可能となる。

[0030] また、このような特定の寸法のマフラー装置 21を吸入ポート 28近傍に設けることにより、ガス脈動を効果的に低減することができる。また、マフラー装置 21の一方の壁 2 9をシリンダブロック 2と一体に形成し、かつ、マフラー装置 21の他方の壁 64をシリンダヘッド 26と一体に形成し、仕切り壁 23を弁板 30の延長部によって形成すること〖こより、部品点数を低減して、組み付け性の向上、コストダウンも併せては力ることができる。

[0031] 図 2は、本発明の実施例 2に係る圧縮機 40を示している。スペース上、圧縮機側面にお!/、て圧縮機軸方向に 100〜 120mmのマフラー装置の長さをとれな!/、場合がある。本実施例はこのような場合に適用して有効なものである。圧縮機 40の側面部（外周側面部）には、マフラー装置 41が設けられ、このマフラー装置 41のガス流通方向が圧縮機 40の周方向に設定されている。本実施例では、マフラー装置 41の内部空間 42は、シリンダブロック 43と一体に形成されシリンダヘッド 44側に開口部 45を持つ壁 46と、開口部 45を閉じる弁板 47の延長部 48とによって形成されている。マフラ一装置 41の壁 46に設けられたマフラー装置 41の入口 49から内部空間 42内に導入されたガス (例えば、冷媒ガス）は、内部空間 42内でー且膨張された後、出口 50、シリンダヘッド 44と一体に形成された吸入ポート兼連通路 51を通し絞られた状態で吸入室 52内へと送られ、そこで再び膨張される。膨張、縮小、膨張を繰り返す過程で、吸入ガスの脈動が減衰'低減され、振動、騒音が低減される。

[0032] 本実施例では、圧縮機軸方向にマフラー装置に必要な長さ寸法がとれない場合にあっても、マフラー装置 41のガス流通方向を圧縮機 40の周方向に設定することにより、所定のマフラー性能を発揮可能なマフラー装置 41を設置可能となる。また、マフラー装置 41の壁 46をシリンダブロック 43と一体に形成し、その開口部 45を弁板 47 の延長部 48によって閉じることにより、アダプタ一等を用いることなぐ所定の内部空間 42を有するマフラー装置 41を構成でき、部品点数を低減して、組み付け性の向上、コストダウンも併せては力ることができる。なお、本実施例では、マフラー装置 41 の壁 46をシリンダブロック 43と一体に形成した力シリンダヘッド 44と一体に形成し、その開口部を弁板 47の延長部 48によって閉じる構成とすることも可能である。

[0033] 図 3は、本発明の実施例 3に係る圧縮機 60を示している。本実施例では、上記実施例 2に比べ、さらに、マフラー装置 61の内部空間 42が、仕切り壁 62によって圧縮機の周方向に 2室に区画されている。仕切り壁 62には連通路としての切り欠き 63が設けられており、区画された 2室間が連通されている。この連通路は、実施例 1と同様に筒状体によって形成されていてもよい。その他の構成は実施例 2に準じるので、図 2に付したのと同一の符号を付すことにより説明を省略する。

[0034] このように構成された圧縮機 60のマフラー装置 61においては、マフラー装置 61の内部空間 42が仕切り壁 62によって 2室に区画されることにより、冷媒ガスが入口 49 力も吸入室 52に至る過程で、膨張、縮小、膨張、縮小、膨張を繰り返すことになり、吸入ガスの脈動がより効果的に減衰'低減され、振動、騒音が低減される。また、実施例 2と同様に、マフラー装置 61の壁 46をシリンダブロック 43と一体に形成し、その開口部 45を弁板 47の延長部 48によって閉じることにより、アダプタ一等を用いることなぐ所定の内部空間 42を有するマフラー装置 61を構成でき、部品点数を低減して、組み付け性の向上、コストダウンも併せてはかることができる。

[0035] また本実施例において、仕切り壁 62によって区画された 2室間を、切り欠き 63に代えて実施例 1同様の筒状体で連通させる場合には、マフラー装置 61の圧縮機周方向における内部空間 42の全長を 100〜 120mmの範囲内に設定し、筒状体の長さを 20〜50mmの範囲内に設定することが好ましい。このような特定の範囲内の寸法に設定することにより、実施例 1同様、比較的低周波数（500Hzから 1000Hz程度）の吸入脈動を一層効果的に低減することが可能となる。

産業上の利用可能性

[0036] 本発明に係る圧縮機のマフラー装置構造は、あらゆる往復動式多気筒圧縮機に適用することができ、とくに、脈動低減とともに、部品点数の低減、組み付けの容易化、コスト低減が求められる車両用空調装置に用いられる圧縮機として好適なものである

Claims

請求の範囲

[1] 複数のシリンダボアを有し、マフラー装置が設けられた往復動式圧縮機において、前記マフラー装置の内部空間を仕切り壁により少なくとも 2室に区画し、該仕切り壁に、前記 2室間を連通し、前記内部空間の全長に対し 16〜50%の長さの筒状体を設けたことを特徴とする圧縮機。

[2] 前記内部空間の全長が 100〜120mmの範囲内にあり、前記筒状体の長さが 20 〜50mmの範囲内にある、請求項 1に記載の圧縮機。

[3] 前記マフラー装置の壁が、シリンダヘッドまたはおよびシリンダブロック、またはシリンダヘッドおよびおよびシリンダブロックと一体に形成されて、る、請求項 1または 2に記載の圧縮機。

[4] 前記仕切り壁が、シリンダヘッドとシリンダブロックの間に介装された弁板の延長部によって形成されて！、る、請求項 1〜3の、ずれかに記載の圧縮機。

[5] 車両用空調装置に用いられる圧縮機力もなる、請求項 1〜4のいずれかに記載の圧縮機。

[6] 複数のシリンダボアを有し、マフラー装置が設けられた往復動式圧縮機において、前記マフラー装置のガス流通方向を圧縮機の周方向に設定したことを特徴とする圧縮機。

[7] 前記マフラー装置が、シリンダブロックまたはシリンダヘッドの周囲に設けられている

、請求項 6に記載の圧縮機。

[8] 前記マフラー装置の内部空間力シリンダブロックと一体に形成されシリンダヘッド側に開口部を持つ壁と、該壁の前記開口部を閉じる、シリンダヘッドとシリンダブロックの間に介装された弁板の延長部とによって形成されている、請求項 6または 7に記載の圧縮機。

[9] 前記マフラー装置の内部空間力シリンダヘッドと一体に形成されシリンダブロック側に開口部を持つ壁と、該壁の前記開口部を閉じる、シリンダヘッドとシリンダブロックの間に介装された弁板の延長部とによって形成されている、請求項 6または 7に記載の圧縮機。

[10] 前記マフラー装置の内部空間のガス流通方向全長が 100〜120mmの範囲内にあり、該内部空間が仕切り壁により少なくとも 2室に区画されており、該仕切り壁に、前記 2室間の連通路が設けられている、請求項 6〜9のいずれかに記載の圧縮機。

[11] 前記仕切り壁が、シリンダブロックまたはシリンダヘッドと一体に形成されている、請求項 10に記載の圧縮機。

[12] 前記連通路が、前記仕切り壁に設けられた切り欠きまたは穴によって形成されている、請求項 10または 11に記載の圧縮機。

[13] 前記連通路が、前記仕切り壁に設けられ、ガス流通方向の長さが 20〜50mmの範囲内にある筒状体によって形成されて、る、請求項 10または 11に記載の圧縮機。

[14] 車両用空調装置に用いられる圧縮機力もなる、請求項 6〜13のいずれかに記載の圧縮機。