明細書 新規化合物 技術分野
本発明は、 GPR 54ァゴニスト活性を有する化合物に関する。 背景技術
メタスチン (Me t a s t i n) はアミノ酸 54残基から成る C末端アミ ド型 の単鎖ペプチドで、 G q蛋白質に共役する 7回膜貫通型受容体 GPR 54の内在 性リガンドとして発見された。 メタスチンのアミノ酸配列は、 ヒ ト癌転移抑制遺 伝子 K i S S— 1の遺伝子産物断片のァ'ミノ酸配列に一致しており、 実際にメタ スチンが、 肺移行性 GPR 5 4発現黒色腫細胞の転移 (me t a s t a s i s) を有意に阻害することが報告されている (例えば、 Ohtaki T, Shintani Y, Hon da S, Matsumoto H, Hori A, Kanehashi K, Terao Y, Kumano S, Takatsu Y, Masuda Y, Ishibashi Y, Watanabe T, Asada M, Yamada T, Suenaga , Kitad a C, Usuki S, Kurokawa T, Onda H, Nishimura 0, Fuji no M. Nature. 2001, 411, 613-7.) 。 同様に、 GPR 54発現鸱癌細胞の移動能も抑制することが 明らかとなっている (例えば、 Masui T, Doi R, Mori T, Toyoda E, Koizumi M: Kami K, Ito D, Peiper SC, Broach JR, Oishi S, Niida A, Fujii N, Imamu ra M. Biochem Biophys Res Commun. 2004 Feb 27;315(1) :85- 92. ) 。 また、 メ タスチンがヒ トの胎盤から単離され、 その血中濃度が妊娠期に著しく高いこと、 さらには G P R 54が下垂体等に強く発現していることから、 性機能調節に関す る me t a s t i n/G P R 54系の役割が注目されている。 また、 近年では、 脳内の G P R 54にァゴニストが作用することによりゴナドトロピン等の性ホル モンの放出が促進されること、 GPR 54の機能欠損が性機能低下症の原因にな
ることが報告されている。 従って、 me t a s t i n/GPR 54系は癌転移抑 制及び性機能性疾患の両面において非常に魅力的な創薬標的である。
本発明者らは、 G P R 54を標的とする新規化学療法剤の開発を目標として低 分子ァゴニス トの創製研究に着手した。 本発明者らは、 その第一段階として全長 メタスチンの約 1 0倍もの G PR 54結合親和性を有するメタスチン (4 5— 5 4) (配列番号 1) を基盤骨格とするメタスチンの低分子化研究を行った。 文献 情報を基に、 C末端側に RW— am i d e骨格を配置し、 スぺーサーを介して N 末端側に塩基性官能基を有する短鎖ペプチドを設計し、 種々誘導体の合成、 活性 評価を行った結果、 メタスチン (分子量 5 8 5 7. 5) と同等の G PR 54ァゴ ニスト活性を有しながら大幅に低分子化された 5残基ペプチド誘導体 FMO 5 2 a 1 (分子量 9 9 2. 2 ··配列番号 2) および FMO 5 3 a 2 (分子量 8 5 2. 0 :配列番号 3) を見出した (例えば、' Hoi-ikoshi, Y.; Matsumoto, H.; Takat su, Y.; Ohtaki, T.; Kitada, C.; Usuki, S.; Fuji no, M. J. C丄 in. Endocri nol. Metab. 2003, 88, 914-919. ) 。 本発明者らは、 さらに高活性新規 G PR 54ァゴニス トの開発を試みた。 発明の開示
本発明は、 低分子であって、 且つ優れた G PR 54ァゴニス ト活性を有する化 合物、 ならびに該化合物を含有する医薬組成物を提供することを主な目的とする。 本発明者らは、 上記ペンタぺプチド (FMO 5 2 a 1及び FMO 5 3 a 2) に ついて、 鋭意検討を行った結果、 N末端に ( i ) ァリール基又は全体として電子 吸引性の性質を有するァリール基、 ( i i ) 窒素原子、 酸素原子及び硫黄原子か らなる群より選択される少なくとも 1種のへテロ原子を含有する置換もしくは非 置換の芳香族複素環基、 又は ( i i i ) 低級アルコキシ基、 ヒ ドロキシ低級アル キル基、 ァミノ低級アルキル基、 低級アル力ノィルァミノ低級アルキル基、 ヒ ド ロキシ置換フエ二ルカルポニルォキシ基、 アミノ基及び水酸基からなる群より選 択される 1〜 3個の電子供与性基で置換されたァリ一ル基を有するように修飾さ
れたペンタぺプチドが、 優れた GPR 54ァゴニスト活性を有することを見出し た。 本発明は、 上記知見に基づいてさらに研究を重ねた結果得られたものである ( 本発明は、 以下の化合物及ぴ該化合物を含有する医薬組成物を提供する。
(式中、
R 1は、
( i ) ァリール基又は全体として電子吸引性の性質を有するァリール基、'
( i i ) 窒素原子、 酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択される少なくとも 1種のへテロ原子を含有する置換もしぐは非置換の芳香族複素環基、 又は
( i i i ) 低級アル'コキシ基、 ヒ ドロキシ低級アルキル基、 ァミノ低級アルキル 基、 低級アルカノィルァミノ低級アルキル基、 ヒ ドロキシ置換フエニルカルボ二 ルォキシ基、 ァミノ基及び水酸基からなる群より選択される 1〜 3個の電子供与 性基で置換されたァリール基
を表す;
R2は、 一 CO— NH—、 一 CH-CH—、 一 S O 2— N H—及び一 C H 2— NH 一からなる群より選択されるいずれか 1種を表す;
R3は、 芳香族基又はシクロアルキル基を有するメチル基を表す;
R4は、 水素原子、 メチル基、 フエニル基及びべンジル基からなる群より選択さ れるいずれか 1種を表す;
R
2が一 CO— NH—、 一 S 0
2— NH—又は一 CH
2— NH—であるとき、 R
2 中の窒素原子が R
4と結合して、 一 R
2— CHR
4—は、
を形成してもよい
(ここで、 R7は、 一CO—、 一 S02—又は一 CH2—を表す) ;
R5は、 芳香族基を有するメチル基を表す;
R6は、 アミノ基又はアミノ基の N—アルキル置換体を表す。 )
〔2〕 R1力 2—ピロリル基、 4—メ トキシフェニル基、 4一クロ口フエニル 基及び 4ーフルォ口フエ二ル基からなる群より選択される!/、ずれか 1種である、 上記 〔1〕 に記載の化合物。
〔3〕 R3力 ベンジル基、 ナフチルメチル'基及びシクロへキシルメチル基から なる群より選択されるいずれか 1種である、 上記 〔1〕 又は 〔2〕 に記載の化合 物。
〔4〕 R4力 S、 水素原子である、 上記 〔1〕 〜 〔3〕 のいずれかに記載の化合物。 〔5〕 R5は、 3 f ンドリルメチル基、 ナフチルメチル基、 ベンジル基及びヒ ドロキシベンジル基からなる群より選択されるいずれか 1種を表す、 上記 〔1〕 ~ 〔4〕 のいずれかに記載の化合物。
〔6〕 上記 〔1〕 ~ 〔5〕 のいずれかに記載される化合物と、 薬学的に許容され る賦形剤、 希釈剤又は担体を含有する医薬組成物。
〔7〕 GPR 54の活性化が予防又は治療上有効な疾患に対するものである、 上 記 〔6〕 記載の医薬組成物。
〔8〕 上記 〔1〕 〜 〔5〕 のいずれかに記載される化合物を含有する、 癌の転移 抑制剤。
〔9〕 癌が、 黒色腫又は膝 i¾癌である上記 〔8〕 に記載の転移抑制剤。
〔1 0〕 上記 〔1〕 〜 〔5〕 のいずれかに記載される化合物を含有する、 不妊治 療剤。
発明の詳細な説明
以下、 本発明の化合物及び該化合物を含有する医薬組成物について説明する。 尚、 本明細書に記載されるべプチ.ドは、 ペプチド標記の慣例に従って左端が N 末端 (ァミノ末端) 、 右端が C末端 (カルボキシル末端) である。
本明細書において、 アミノ酸を略号で表示する場合、 I UPAC— I UB Co mmission on Biochemical Nomenclatureによる H各号あるいは当該分野における 慣用略号に基づくものである。 すなわち、 P h eはフエ二ルァラニンを、 G l y はグリシンを、 L e uはロイシンを、 A r gはアルギニンを、 T r pはトリプト ファンをそれぞれ示す。 '
1. GPR 54ァゴニスト活性を有する化合物
本発明の化合物は、 下記一般式 (1) 'によって表される。
(式中、
R1は、
( i ) ァリール基又は全体として電子吸引性の性質を有するァリール基、
( i i) 窒素原子、 酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択される少なくとも
1種のへテロ原子を含有する置換もしくは非置換の芳香族複素環基、 又は ( i i i ) 低級アルコキシ基、 ヒ ドロキシ低級アルキル基、 ァミノ低級アルキル 基、 低級アルカノィルァミノ低級アルキル基、 ヒ ドロキシ置換フエニルカルボ二 ルォキシ基、 アミノ基及び水酸基からなる群より選択される 1〜 3個の電子供与 性基で置換されたァリール基
を表す;
R2は、 —CO— NH―、 —CH = CH―、 — S 02— NH—及ぴー CH2— NH 一からなる群より選択されるいずれか 1種を表す;
R3は、 芳香族基又はシクロアルキル基を有するメチル基を表す;
R4は、 水素原子、 メチル基、 フエ ル基及びべンジル基からなる群より選択さ れるいずれか 1種を表す;
R2が一 CO— NH―、 一 S〇2— NH—又は一 CH2— NH—であるとき、 R2 中の窒素原子が R4と結合して、 一 R2— CHR4—は、
(ここで、 R7は、 一 CO—、 一 S02—又は一 CH2—を表す) ;
R5は、 芳香族基を有するメチル基を表す;
R6は、 アミノ基又はアミノ基の N—アルキル置換体を表す。 )
( i ) ァリール基又は全体として電子吸引性の性質を有するァリール基 本発明において、 ァリール'基としては、 例えば、 フヱニル基、 ナフチル基等が 挙げられ、 好ましくはフエュル基である。 本発明において、 全体として電子吸引 性の性質を有するァリール基とは、 必要に応じて 1〜 3個、 好ましくは 1個の電 子吸引性置換基を有する該ァリ一ル基を指す。 ァリール基上に 2以上の置換基が 存在する場合、 置換基は、 互いに同一又は異なっていてもよい。 さらに、 前記ァ リール基は、 電子吸引性置換基のみを有するァリール基、 あるいは電子吸引性基 及び電子供与性基を有するァリール基であって R1全体として電子吸引性の効果 の方が上回っているァリ一ル基を指す。
上記電子吸引性置換基としては、 例えば、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素等のハ ロゲン、 一 N02、 一 S03H、 一 S02—、 一 CHO、 一 CF3、 R— CO—、
—C N等が挙げられ、 好ましくはハロゲン、 ニトロ基であり、 より好ましくはフ ッ素及び塩素であり、 特に好ましくはフッ素である。
( i i ) 窒素原子、 酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択される少なくとも 1種のへテ口原子を含有する置換もしくは非置換の芳香族複素環基
本発明において、 窒素原子、 酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択される 少なくとも 1種のへテロ原子を含有^"る芳香族複素環基としては、 例えば、 ピロ リル基、 イミダゾリル基、 ピラゾリル基、 ピリジル基、 ピラジュル基、 ピリミジ ニル基、 ピリダジニル基等の窒素原子を 1又は 2個有する 5員〜 7員、 好ましく は 5員〜 6員の窒素含有芳香族複素環基; フリル基等の酸素含有芳香族複素環 基;チェニル基等の硫黄含有芳香族複素環基が挙げられる。 これらのなかでも、 好ましくは窒素原子を 1又は 2個有する 5員〜 7員、 好ましくは 5員〜 6員の芳 香族複素環基であり、 より好ましくはピリジル基、 ピロリル基、 イミダゾリル基 等が挙げられる。
さらに、 上記芳香族複素環基は、 置換基を 1〜 5個、 好ましくは 1〜3個、 よ り好ましくは 1個有しているものであってもよい。 置換基としては、 前記と同様、 電気吸引性置換基であることが好ましく、 例えば、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素 等のハロゲン、 一 N 0 2、 一 S 0 3 H、 一S 0 2—、 一 C H O、 一 C F 3、 R— C O—、 一 C N等が挙げられ、 好ましくはハロゲン、 ニトロ基であり、 より好まし くはフッ素である。 上記芳香族複素環基が 2以上の置換基を有する場合、 置換基 は、 互いに同一又は異なっていてもよい。
( i i i ) 1〜 3個の電子供与性基で置換されたァリール基
また、 本発明において R 1は、 1〜 3個の電子供与性基で置換されたァリール 基であってもよい。 ここで、 ァリール基は、 上記 ( i ) と同様に定義される。 電 子供与性の置換基としては、 例えば、 低級アルコキシ基、 ヒ ドロキシ低級アルキ ル基、 ァミノ低級アルキル基、 低級アル力ノィルァミノ低級アルキル基、 ヒ ドロ キシ置換フエ二ルカルポニルォキシ基、 アミノ基、 水酸基等が挙げられる。 また、
ァリール基上に 2以上の置換基が存在する場合、 置換基は、 互いに同一又は異な つていてもよレヽ。
本発明において低級アルコキシ基として、 炭素数 1 〜 6の直鎖状又は分岐鎖状 のアルコキシ基が挙げられる。 前記 g級アルコキシ基としては、 例えば、 メ トキ シ基、 エトキシ基、 プロポキシ基、 イソプロポキシ基、 ブトキシ基、 イソブトキ シ基、 s e c—ブトキシ基、 t e r t—ブトキシ基、 2—メチルプロポキシ基、 3—メチルプロポキシ基、 2 , 2, 2—トリメチルメ トキシ基、 ペンチルォキシ 基、 イソペンチルォキシ基、 へキシルォキシ基、 イソへキシルォキシ基等が含ま れ、 好ましくはメ トキシ基である。
本発明においてヒ ドロキシ低級アルキル基として、 炭素数 1 〜 6の水酸基を有 するアルキル基が挙げられる。 前記ヒ ドロキシ低級アルキル基としては、 例えば、 ヒ ドロキシメチル基、 ヒ ドロキシェチル基、 ヒ ドロキシプロピル基、 ヒ ドロキシ プチル基、 ヒ ドロキシペンチル基等が含まれ、 好ましくはヒ ドロキシメチル'基で ある。
本発明においてァミノ低級アルキル基として、 炭素数 1 〜 6、 好ましくは 1 ~ 3のァミノ基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられる。 炭素数 1 〜 6 のァミノアルキル基としては、 例えば、 アミノメチル基、 アミノエチル基、 アミ ノ n—プロピル基、 ァミノ i—プロピル基、 ァミノ n—ブチル基、 ァミノ s e c 一ブチル基、 ァミノ t e r t—ブチル基、 ァミノ n—ペンチル基、 ァミノ i—ぺ ンチル基、 ァミノ t e r t—ペンチル基、 ァミノネオペンチル基、 ァミノ 2—ぺ ンチル基、 ァミノ 3—ペンチル基、 ァミノ n —へキシル基及びァミノ 2 —へキシ ル基等が含まれる。 このうち、 アミノメチル基、 アミノエチル基、 ァミノ n—プ 口ピル基及ぴァミノ i—プロピル基が好ましい。
本発明において、 低級アルカノィルァミノ低級アルキル基として、 アミノ基上 に炭素数 1 〜 6個のアルカノィル基を 1 〜 2個有する、 前記アミノ低級アルキル 基が挙げられる。 低級アルカノィルァミノ低級アルキル基としては、 例えば、 N ーァセチルァミノメチル基、 ホルミルアミノメチル基、 プロピオニルアミノメチ
ル基、 ペンチルカルボニルァミノメチル基等が挙げられ、 好ましくは N—ァセチ ルァミノメチル基である。
本発明において、 ヒ ドロキシ置換フエ二ルカルポニルォキシ基として、 1〜5 個、 好ましくは 1〜3個、 より好ましくは 1個のヒドロキシ基で置換されたフエ ニルカルボ-ルォキシ基が挙げられ、 好ましくは 2—ヒ ドロキシ置換フエ二ルカ ルポニルォキシ基である。
上記 (i ) 〜 ( i i i ) においてァリール基又は芳香族複素環基上の置換基の 位置は、 特に限定されるものではないが、 例えば、 フユニル基又はピリミジル基 の場合、 4位がニトロ基、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素等の電子吸引性基で置換 されたものであれば GPR 54ァゴニスト活性が高く、 好ましい。 また、' 前記と 同じ理由で、 前記フユニル基又は複素環基の 3位は、 修飾されていないものであ ることが好ましい。 さらに、 何れの置換基もメタ位は水素であること、 あるいは、 3位の炭素に水素原子が付加されていることが好ましい。
上記 ( i ) 〜 ( i i i) に例示される基のうち、 R1として本発明の化合物に おいて好ましい置換基の例を以下に示す。
本発明において R
2は、 一 CO— NH—、 一 CH-CH―、 一 S0
2— NH— 一 CH
2— NH—等を表す。 なかでも、 好ましくは一 CO— NH—である。
R3は、 芳香族基又はシクロアルキル基を有するメチル基を表し、 例えば、 ベ ンジル基、 ナフチルメチル'基、 シクロへキシルメチル基等が挙げられる。 なかで
も、 R 3がベンジル基又はナフチルメチル基であれば、 優れた G P R 54ァゴニ スト活性を発揮することができ、 好ましい。
R4は、 水素原子、 メチル基、 フヱニル基又はベンジル基を表し、 好ましくは 水素原子である。
また、 R2がー CO— NH—、 一 S02— NH—又は一 CH2— NH—であると き、 R4は、 R4が結合する炭素原子と R2の窒素原子と結合して 5員又は 6員の 複素環基を形成してもよく、 一 R2— CHR4—は、 例えば下記のような構造を 示す (ここで、 R7は、 一 CO—、 一 S02—又は一 CH2—を表す) 。
R
5は、 芳香族基を有するメチル基を表す。 芳香族基を有するメチル基として は、 例えば、 3—^ ンドリルメチル基、 ナフチルメチル基、 ベンジル基、 ヒ ドロ キシベンジル基等が挙げられ、 好ましくは 3 rンドリルメチル基、 ベンジル基 である。
本発明の G PR 54ァゴニスト活性を有する化合物は、 C末端にカルボキシル 基が存在すると G PR 54ァゴニスト活性が著しく低下することから、 C末端ァ ミ ド型であることが好ましい。 従って、 本発明において R 6は、 アミノ基;又は N—メチルァミノ基、 N—ェチルァミノ基、 N— ^ Tソプロピルアミノ基、 N, N —ジメチルァミノ基、 N, N—ジェチルァミノ基等のアミノ基の N—アルキル置 換体を表し、 好ましくはァミノ基である。
本発明において優れた G PR 54ァゴニスト活性を発揮し得る好ましい化合物 としては、 例えば、 下記一般式 (2) の化合物が挙げられる。
R1― C一 Phe Gly Leu一 Arg一 Trp一 H2
O
(2)
(式中、 R1は、 2—ピロリル基、 4ーメ トキシフエ二ル基、 4一クロ口フエ二 ル基、 4一フルオロフェニル基を表す。 )
R2が、 — CO— NH—の場合、 本発明の化合物は、 公知のポリペプチド合成 法、 例えば、 Fmo c固相合成法、 液相合成法等、 及び公知のアミノ酸の保護化 方法によって製造することができる。 また、 本発明の化合物は、 環状ペプチドの 形態であってもよい。 環状ペプチドとして合成する場合は、 従来公知の方法に従 つて合成でき、 例えば、 ペプチド鎖を伸長させた後、 アジド法等により分子内環 化することによって得られる。 このようにして得られた本発明の化合物は、 例え ば、 抽出、 再結晶、 各種クロマトグラフィー (例えば、 高速液体クロマトグラフ ィ一等) 、 電気泳動、 向流分配等、 公知の手段により単離精製することができる。 また、 R 2が一 CO— NH—以外の場合は、 例えば、 以下のように合成するこ とができる。
R2がー CH=CH—の場合、 (A) 部分は、 あらかじめ公知の方法により保 護基を有する R1— CH=CH— CHR3— C02Hもしくは NH— CHR3— C H=CH—CHR4—C02Hを調製した後、 これを公知のポリべプチド合成法に 用いることより合成できる。
尺2が—3 0 2— ?^ «[—の場合、 (A) 部分は、 公知のポリペプチド合成法と R S〇2 C 1 (5 eq. )—ピリジン(5 eq. )による公知のスルホンアミ ド合成法を組 み合わせることで合成できる。
R 2がーC H 2— N H—の場合、 (A) 部分は、 公知のポリペプチド合成法と アルデヒ ド (5 eq) —水素化ァセトキシホウ素ナトリウムによる公知の置換ァ ミン合成法を組み合わせることで合成できる。
本発明の化合物の (B ) 部分は、 上述した公知のポリペプチド合成方法に従つ て合成することができる。
上記のようにして得られる (A) 部分と、 (B ) 部分を、 ペプチド合成の常法 に従って、 アミ ド結合で縮合することにより、 本発明の化合物を得ることができ る。
上記のようにして得られる本発明の化合物は、 G P R 5 4ァゴニスト活性を有 する。 本発明においてァゴニス ト活性とは、 フルァゴニス ト及びパーシャルァゴ ュストの両方の活性を含むものである。
また、 上記一般式 (1 ) で示される本発明の化合物には、 幾何異性体、 立体異 性体、 光学異性体等の異性体も包含される。
2 . 医薬組成物
本発明は、 上記の方法によって得られる化合物及び 又はその薬学的に許容さ れる塩を有効成分とし、 薬学的に許容される賦形剤、 希釈剤又は担体を含む医薬 組成物をも提供する。
薬学的に許容される塩としては、 酸または塩基との生理学的に許容される塩が 挙げられ、 とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。 この様な塩とし ては、 例えば、 塩酸、 リン酸、 臭化水素酸、 硫酸等の無機酸との塩、 あるいは、 例えば、 酢酸、 ギ酸、 プロピオン酸、 乳酸、 フマル酸、 マレイン酸、 コハク酸、 酒石酸、 クェン酸、 リンゴ酸、 蓚酸、 安息香酸、 メタンスルホン酸、 ベンゼンス ルホン酸、 ヒアルロン酸、 コンドロイチン硫酸等の有機酸との塩などが挙げられ
る。 これらの塩から、 1種を選択して単独で使用することもでき、 また、 2種以 上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の化合物及び/又は上記塩を、 薬学的に許容される従来公知の賦形剤、 希釈剤、 担体等と共に医薬組成物として調製することができる。
賦形剤としては、 例えば、 澱粉、 乳糖、 白糖、 マンニット、 カルボキシメチル セルロース、 コーンスターチ、 無機塩類等が挙げられ、 1種単独あるいは 2種以 上を組み合わせて使用される。
希釈剤としては、 例えば、 注射用蒸留水、 生理食塩水、 プドウ糖水溶液、 注射 用植物油、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコール等が挙げられ、 1種 単独あるいは 2種以上を組み合わせて使用される。
担体としては、 例えば、 炭酸マグネシウム、 ステアリン酸マグネシウム、 タル ク、 ショ糖、 ラタ トース、 ぺクチン、 デキストリン'、 澱粉、 ゼラチン、 トラガカ ント、 メチルセルロース、 カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられ、 1種単独あるいは 2種以上を組み合わせて使用される。
上記以外に、 添加剤として、 例えば、 結合剤、 崩壊剤、 界面活性剤、 吸収促進 剤、 保湿剤、 吸着剤、 滑沢剤、 充填剤、 増量剤、 付湿剤、 防腐剤、 安定剤、 乳化 剤、 可溶化剤、 浸透圧を調節する塩を、 得られる製剤の投与単位形態に応じて適 宜選択し使用することができる。 さらに、 本発明の医薬組成物中には、 必要に応 じて着色剤、 保存剤、 香料、 風味剤、 甘味剤等を配合し、 調製することもできる。 本発明の医薬組成物の剤型としては、 経口又は非経口 (例、 局所、 直腸、 静脈 投与等) の別を問わず、 錠剤 (糖衣錠、 フィルムコーティング錠を含む) 、 散剤、 顆粒剤、 カプセル剤 (ソフトカプセルを含む) 、 液剤、 注射剤、 坐剤、 徐放剤等 が挙げられる。 また、 注射剤の形態に調製する場合であれば、 静脈內、 筋肉内、 皮下、 臓器内、 鼻腔內、 皮内、 点眼、 脳内、 直腸内、 膣内および腹腔内、 腫瘍内 部、 腫癟の近位などへの投与あるいは直接病巣に投与することができる。
また、 本発明の医薬組成物が液状である場合は、 凍結保存または凍結乾燥等に より水分を除去して保存してもよい。 凍結乾燥製剤は、 使用時に注射用蒸留水等 を加え、 再度溶解して使用される。
上記医薬組成物の投与量は、 所望の治療効果、 投与法、 治療期間、 患者の年齢、 性別その他の条件などに応じて適宜設定され得るが、 通常、 有効成分である本発 明の化合物を、 1日成人 1人に対して体重 1 k g当り、 l p g~l g程度、 好ま しくは l p g〜: L Omg程度、 より好ましくは 1 ρ 8〜1 μ §、 さらに好ましく は 1 p g〜500 n g程度、 l p g〜50 n g程度、 1 p g〜 1 n g程度である。 本発明の医薬組成物は、 1日に 1回又は数回に分けて投与することができる。 また、 本発明の化合物を、 有効成分として単独で使用することもできるが、 他 の薬物と併用して用いることもできる。 本発明の化合物と併用薬物との併用に際 しては、 本発明の化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、 本発明の化合物と 併用薬物とを、 患者に対し、 同時に投与してもよいし、 時間差をおいて投与して もよい。 併用薬物の投与量は、 臨床上用いられている投与量に準ずればよく、 投 与対象、 投与ルート、 疾患、 薬剤の組み合わせ等により適宜選択することができ る。
本発明の化合物と併用薬物との投与形態は、 特に限定されず、 本発明の化合物 又はその塩と併用薬物とが、 同時又は時間差をおいて組み合わされていればよい。 このような投与形態としては、 例えば、 (1 ) 本発明の化合物と併用薬物とを同 時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、 (2) 本発明の化合物と併用薬物と を別々に製剤化して得られる 2種の製剤の同一投与経路での同時投与、 (3) 本 発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる 2種の製剤の同一投与経 路での時間差をおいての投与、 (4) 本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤 化して得られる 2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、 (5) 本発明の化合 物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる 2種の製剤の異なる投与経路での時 間差をおいての投与 (例えば、 本発明の化合物→併用薬物の順序での投与、 ある いは逆の順序での投与) などが挙げられる。
併用薬物と本発明の医薬組成物を 1つの製剤として調製する場合であっても、 担体、 賦形剤等は、 前記した本発明の医薬組成物に用いられるものと同様のもの を使用することができる。 また、 本発明の化合物に対する併用薬物との配合比率 又は投与比率は、 投与対象、 投与ルート、 疾患等により適宜設定することができ る。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、 製剤の形態によって相違し、 併 用薬物の効果、 通常採用されている投与量に基づいて適宜設定され得る。
3. 適用
本発明の化合物は、 7回膜貫通型受容体である GPR 54に特異的に結合して 受容体を活性化し、 その内因性リガンドであるメタスチン (別名 : キスぺプチ ン) の作用を増強し得る。 従って本発明の化合物は、 GPR 54の活性化及びそ れに伴うメタスチンの作用増強が、 その予防又は治療 (症状の改善、 緩和又は治 癒を目的とする処置を含む) に有効な疾患に好適に用いることができる。 具体的 には以下のような疾患が例示される。
メタスチンは、 癌転移、 性機能の制御等に関わる内因性リガンドである。
メタスチンが、 肺移行性 G PR 54発現黒色腫細胞の転移 (me t a s t a s i s) を有意に阻害すること、 膝癌細胞の移動を抑制し得ること等が報告されて いる。 従って、 本発明の化合物を含有する組成物は、 黒色腫、 脖臓癌等の癌の転 移抑制剤として使用できる。
さらに、 本発明の化合物は、 性機能低下抑制作用を有することから、 性ホルモ ン又は性腺刺激ホルモンの分泌調節異常を改善することも可能である。 また、 本 発明の限定的解釈を望むものではないが、 例えば、 本発明の化合物が GPR 54 ァゴェストとして作用することにより、 細胞の遊走能が抑制され、 受精卵の着床 が促されることによって、 不妊治療剤としての効果も期待される。
また、 Jean-Marc Navenot et al. , Cancer Res. 2004; 65: 22. November 15 2005により、 K i S S— 1遗伝子産物由来の k i s s p e p t i n— 1 0 (k p - 1 0) が GPR 54を活性化し、 C X C R 4のはたらきを抑制することが明
らかとなつた。 CXCR 4は、 G蛋白質 5^役型レセプター蛋白質の一つとして C XCR 4遺伝子によってコードされるヒト型レセプター蛋白質であり、 癌転移' 増殖、 慢性関節リューマチ、 肺線維症、 慢性リンパ性 B細胞白血病、 H I V感染 等の様々な疾患に関与していること.が知られている。
従って、 本発明の化合物を含有する医薬組成物は、 CXCR 4が関与する疾患 に抑制的にはたらくと予想される。 CXCR4が関与する疾患としては、 エイズ 慢性リンパ性 B細胞白血病、 CXCR 4を発現している癌種、 例えば、 口腔癌、 咽頭癌、 口唇癌、 舌癌、 歯肉癌、 鼻咽頭癌、 食道癌、 胃癌、 小腸癌、 結腸癌を含 む大腸癌、 肝臓癌、 胆のう癌、 膝臓癌、 鼻腔癌、 肺癌、 骨肉腫、 軟部組織癌、 皮 膚癌、 黒色腫、 乳癌、 子宮癌、 卵巣癌、 前立腺癌、 精巣癌、 陰茎癌、 膀胱癌、 腎 臓癌、 脳腫瘍、 甲状腺癌、 リンパ腫、 白血病、 慢性関節リューマチ等が挙げられ る。 また、 火傷等の外傷においても CXCR 4の関与が示唆されていることから 火傷等の治癒を目的として本発明の化合物を含む医薬組成物を適用することがで きると考えられる。
実施例
以下、 実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、 本発明はこれらに限定 されない。 なお、 本実施例では、 上記一般式 (1) の R2が一 CONH—である ペンタペプチドを作製し、 その GPR 54ァゴニスト活性を測定した。
1. G P R 54ァゴュスト活性を有する化合物の合成方法及ぴ活性評価方法 GPR 54ァゴニス ト活性を有する化合物 (ペンタペプチド誘導体) は、 R i n k— am i d e樹脂を用いた従来の F m o c固相合成法により調製した (Fie Ids GB, Noble RL. , Int J Pept Protein Res. 1990; 35, 161-214. ) 。 得ら れたペンタぺプチド誘導体の G PR 54ァゴュスト活性は、 受容体刺激に付随す る細胞内 C a 2 +イオン濃度の上昇を蛍光強度として測定する F 1 i p r a s s a y法により評価した。 活性値は、 1 0— 6Mのメタスチン (4 5— 54) を 添加したときの蛍光強度を 1 00%とし、 ペンタぺプチド誘導体 1 0一8 M添加 時における蛍光強度の値 (°/o a c t i V i t y) として算出した。 また、 50%
のァゴニスト活性を示すペンタぺプチド誘導体の濃度を E C 50とし、 メタスチ ン (4 5— 5 4) との比活性値を Q (=E C50 ( c omp o u n d) /E C50
[メタスチン (4 5— 5 4) ] ) によって算出した。 以降、 ァゴニス ト活性の比 較は主に Q値を用いて行った。
これまでの研究で、 本発明者らは、 メタスチン (分子量 5 8 5 7. 5) と同等 の G PR 5 4ァゴニス ト活性を有しながら、 大幅に低分子化されたペンタぺプチ ド誘導体 FM0 5 2 a 1 (分子量 9 9 2. 2) 及び FM0. 5 3 a 2 (分子量 8 5 2. 0) を得ている (Niida, A et al, Bioorg. Med. Chem. Lett. 2006, 16, 134-137. ) 。
この FMO 5 2 a 1のピコリル基を二つとも取り除いた N末端アミノ誘導体で ある化合物 6を作製したところ、 FM0 5 2 a 1とほぼ同等の活性を示した (表 I ) 。 化合物 6は N末端修飾工程を必要とせず、 FMO 5 2 a 1に比べて精製容 易であったため、 以下の構造活性相関研究は主に化合物 6を基本として行った。 表 I.ペン夕ペプチド誘導体の活性
Phe-Gly-Leu-Arg-Trp— NH2
0
%
compound activity EC50 (nM)
a
a Values were calculated based on Flipr assay.
2. アミノ酸側鎖の構造と G P R 5 4ァゴニスト活性の相関
G PR 5 4ァゴュス ト活性を有する化合物の構造的要求を精査する目的で、 ぺ ンタペプチド誘導体の 1位のアミノ酸残基 (X a a 1) の最適化を検討した (表 1 1 ) 。 化合物 6の P h e 1をベンゼン環より大きな芳香環であるナフタレン環
を有する L— 3— (2— n a p h t h y l ) a l a n i n e (N a 1 (2) ) で 置換した化合物 8は、 化合物 6の約 4倍の強い活性を示したこと力、ら、 P h e 1 の側鎖空間には大きな疎水ボケットの存在が示唆された。 表 I I.
Compound aa1 % activity3 ECso (nM) a
Phe1 position
6 Phe 97 3.1 3.4
8 Nal(2) 89 0.82 0.9
aValues were calculated based on Flipr assay.
3. N末端ァシル基の構造と G P R 54ァゴニス ト活性
本発明者らは、 N末端領域の修飾により活性の向上が可能ではないかと考えた。 そこで、 本発明者らは、 N末端ァシル基'の構造と GPR54ァゴニスト活性の相 関を調べるため、 化合物 6に加え、 Ry - CO— Ph e~G l y-L e u~A r g— Tr p— NH2で表されるペンタペプチド誘導体の Ryとして、 下記表 I I Iに表される置換基を有する化合物 20〜 32及び 35〜 39を作製した。
表 I I I.
化合物 8及び上記表 I I Iに示される置換基を有する化合物を、 以下の方法に 従って得た。
[製造例 1 ] :化合物 6の製造
4- minomethyl) benzoyl- Phe - Gly - Leu - Arg - Trp 一 H2
( 1 ) 保護ポリぺプチド樹脂の合成
Fmoc-Rinkァミ ド樹脂から Ftnoc基を 20%ピぺリジン ZDMFで除去後、 Fmoc- Tr p-OH (5 eq) を加え、 DMF中、 DIPCDI - HOBt法により縮合反応を行った。
( 2 ) 各アミノ酸の導入
以下同様にして、 順次、 Arg (Pbf) , Leu, Gly、 Phe, 4- (アミノメチル) 安息 香酸残基を樹脂に導入し、 保護基保護化ポリぺプチド樹脂を得た。
(3) 脱保護基および樹脂からのポリべプチドの分離及び精製
上記 N端修飾ポリぺプチド樹脂に対して、 TFA - チオア二ソール - m クレゾ ール - 1, 2-エタンジチオール - TMSBi- (115 : 16 : 75 : 75 : 24) で 0 °C、 1時間反 応させた。 反応混合物から樹脂を濾別し、 TFAで 2回洗浄し、 瀘液、 洗液を合わ せたものに水冷乾燥エーテルを加え、 生じた沈殿物を遠心沈降とデカンテーショ ンにより上澄みから分離した。 得られた残さを冷エーテルで洗浄し、 0. 1 %丁 FA 水-ァセトニトリル混液に溶解した。 本水溶液を大量分取型 HPLC (コスモジー ル 5C18 AR - IIカラム:ァセトュトリル -水) により精製し、 単一ピークのポリ ペプチドを得、 凍結乾燥した。 純度は、 HPLCにより確認した。
[製造例 2 ] :化合物 8の製造
4 - (aminomethyl) benzoyl - Nal (2) - Gly - Leu - Arg - Trp - NH2
製造例 1と同様の方法により 8を製造した。 但し、 フエ-ルァラニンの代わ りに L- 3- (2-ナフチル)ァラニンを用いた。
[製造例 3 ] :化合物 20の製造
4-aminobenzoyl 一 Phe - Gly - Leu - Arg - Tr -亂
製造例 1と同様の方法により 20を製造した。 但し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりに 4-ァミノ安息香酸を用いた。
[製造例 4 ] :化合物 21の製造
3-aminobenzoyl - Phe - Gly - Leu - Arg一 Trp - NH
製造例 1と同様の方法により 21を製造した。 但し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりに 3-ァミノ安息香酸を用いた。
[製造例 5 ] :化合物 22の製造
2- aminobenzoyl - Phe - Gly - Leu - Arg - Trp - NH2
製造例 1と同様の方法により 22を製造した。 但し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりに 2-ァミノ安息香酸を用いた。
[製造例 6 ] :化合物 23の製造
4-pyridylcarbonyl - Phe - Gly - Leu - Arg - Trp - NH2
製造例 1と同様の方法により 23を製造した。 但し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりにイソニコチン酸を用いた。
[製造例 7 ] :化合物 24の製造
3- pyridylcarbonyl- Phe - Gly - Leu '- Arg - Trp - NH2
製造例 1と同様の方法により 24を製造した。 但し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりにニコチン酸を用いた。
[製造例 8 ] :化合物 25の製造
2-pyridylcarbonyl - Phe - Gly - Leu - Arg - Trp - NH2
製造例 1と同様の方法により 25を製造した。 但し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりにピコリン酸を用いた。
[製造例 9 ] :化合物 26の製造
4-imidazolylcarbonyl - Phe - Gly - Leu - Arg - Trp - NH2
製造例 1と同様の方法により 26を製造した。 但し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりに 4-ィミダゾールカルボン酸を用いた。
[製造例 1 0 ] :化合物 27の製造
2-pyrrolylcarbonyl - Phe - Gly - Leu - Arg - Trp - NH2
製造例 1と同様の方法により 27を製造した。 但し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりに 2-ピロ一ルカルボン酸を用いた。
[製造例 1 1 ] :化合物 28の製造
N-acetyl-4- (aminomethyl) benzoyl - Phe - Gly - Leu - Arg - Trp - NH2 製造例 1と同様の方法により 28を製造した。 但し、 4-. (アミノメチル) 安息 香酸残基の縮合後、 無水安息香酸(10 eq. )を DIPEA存在下反応させた。
[製造例 1 2 ] :化合物 29の製造
4- (hydroxymethyl) benzoyl - Phe - Gly - Leu - Arg - Trp - NH2
製造例 1と同様の方法により 29を製造した。 伹し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりに 4- (ヒ ドロキシメチル) 安息香酸を用いた。
[製造例 1 3 ] :化合物 30の製造
4-hydroxybenzoyi 一 Phe 一 Gly - し eu ― Arg一 Trp一 NH2
製造例 1と同様の方法により 30を製造した。 但し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりに 4-ヒ ドロキシ安息香酸を用いた。
[製造例 1 4 ] :化合物 31の製造
3- hydroxybenzoyl - Phe - Gly - Leu - Arg - Trp - NH2
製造例 1と同様の方法により 31を製造した。 伹し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりに 3-ヒ ドロキシ安息香酸を用いた。
[製造例 1 5 ] :化合物 32および 33の製造
2-hydroxybenzoyl- Phe - Gly - Leu - Arg - Trp - NH
2-hydroxyphenylcarbonyloxybenzoyl - Phe - Gly - Leu - Arg - Trp - NH2 製造例 1と同様の方法により 32を製造した。 但し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりにサリチル酸を用いた。 化合物 33は化合物 32の副生成物として 得られた。
[製造例 1 6 ] :化合物 3δの製造
4- methoxybenzoyl - Phe - Gly - Leu - Arg - Trp - NH2
製造例 1と同様の方法により 35を製造した。 但し、 - (アミノメチル) 安息 香酸の代わりに 4-ァニス酸を用いた。
[製造例 1 7 ] :化合物 36の製造
benzoyl - Phe - Gly - Leu - Arg - Trp - NH2
製造例 1と同様の方法により 36を製造した。 伹し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりに安息香酸を用いた。
[製造例 1 8 ] :化合物 37の製造
4-nitrobenzoyl - Phe - Gly - Leu - Arg - Trp - NH2
製造例 1と同様の方法により 37を製造した。 但し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりに 4-二トロ安息香酸を用いた。
[製造例 1 9 ] :化合物38の製造
4-chlorobenzoyl - Phe - Gly - Leu - Arg - Trp - NH2
製造例 1と同様の方法により 38を製造した。 但し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりに 4-クロ口安息香酸を用いた。
[製造例 2 0 ] :化合物 39の製造
4-fluorobenzoyl - Phe - Gly - Leu一 Arg - Trp - NH2
製造例 1と同様の方法により 39を製造した。 但し、 4- (アミノメチル) 安息 香酸の代わりに 4-フルォロ安息香酸を用いた。
このうち、 化合物 2 0、 2 5、 2 6、 2 7、 2 8、 3 0、 3 6、 3 7、 3 8及 び 3 9について G P R 5 4ァゴニスト活性を測定した結果を表 I Vに示す。 表 I V.
Compd % EC50 Compd % EC50
activity (nM) a activity CM a a
20 90 1.6 2.9 30 95 2.1 3.0
25 100 0.80 1.3 36 100 0.99 1.6
26 88 1.7 3.0 37 94 1.0 1.5
27 96 2.0 1.7 38 92 1.3 1.3
28 100 0.99 1.6 39 96 0.69 0.63 a Values were calculated based on Flipr assay. 特に、 ベンゾィル環上の 4一位に電子吸引性基を有する誘導体 3 7— 3 9の活 性を評価したところ、 すべての化合物が無置換ベンゾィル誘導体 3 6よりも強い ァゴニスト活性を示した。 特に、 4一フルォロベンゾィル誘導体 3 9にはメタス
チン (45— 54) の約 1. 6倍、 無置換ベンゾィル誘導体 36の約 2. 5倍も の強力な活性が認められた。
m—位の修飾体が低レ、活性を示す傾向は幅広い置換基において認められたため、 この傾向は置換基の存在に起因するのではなく、 むしろ、 m—位の水素原子の欠 損によるものであると考えた。 すなわち、 m—位の水素原子が活性発現に寄与し ていると推測された。
本実施例において得られた化合物の化学的特性を、 下記表 V. に示す。
a ields were calcuated from t e correspon ng resn. n 2 . c n e
配列表フリーテキスト
配列番号 1は、 メタスチン (45— 54) のアミノ酸配列を表す。
配列番号 2は、 FM 052 a 1のァミノ酸配列を表す。
配列番号 3は、 FM053 a 2のァミノ酸配列を表す。
配列番号 4は、 c o m p o u n d 6のアミノ酸配列を表す。
配列番号 5は、 c o m p o u n d 8のアミノ酸配列を表す。
配列番号 6は、 c o m p o u n d 2 0のアミノ酸配列を表す。
配列番号 7は、 c o m p o u n d 2 1のアミノ酸配列を表す。
配列番号 8は、 c o m p o u n d 2 2のァミノ酸配列を表す。
配列番号 9は、 c o m p o u n d 2 3のアミノ酸配列を表す。
配列番号 1 0は、 c o m P o u n d 2 4のアミノ酸配列を表す。
配列番号 1 1は、 c o m P o u n d 2 5のアミノ酸配列を表す。
配列番号 1 2は、 c o m P o u n d 2 6のアミノ酸配列を表す。
配列番号 1 3は、 c o m P o u n d 2 7のアミノ酸配列を表す。
配列番号 1 4は、 c o m P o u n d 2 8のアミノ酸配列を表す。
配列番号 1 5は、 c o m P o u n d 2 9'のアミノ酸配列を表す。
配列番号 1 6は、 c o m P o u n d 3 0のアミノ酸配列を表す。
配列番号 1 7は、 c o m P o u n d 3 1のアミノ酸配列を表す。
配列番号 1 8は、 c o m P o u n d 3 2のアミノ酸配列を表す。
配列番号 1 9は、 c o m P o u n d 3 3のアミノ酸配列を表す。
配列番号 2 0は、 c o m P o u n d 3 5のァミノ酸配列を表す。
配列番号 2 1は、 c o m P o u n d 3 6のアミノ酸配列を表す。
配列番号 2 2は、 c o m P o u n d 3 7のアミノ酸配列を表す。
配列番号 2 3は、 c o m P o u n d 3 8のアミノ酸配列を表す。
配列番号 2 4は、 c o m P o u n d 3 9のアミノ酸配列を表す。 産業上の利用分野
本発明によれば、 低分子であって、 優れた G P R 5 4ァゴニス ト活性を有する 化合物を提供することができる。 本発明の化合物は、 7回膜貫通型受容体である G P R 5 4に特異的に結合して受容体を活性化し、 その内因性リガンドであるメ
(別名:キスぺプチン) の作用を増強する。 本発明の化合物は、 天然型
のメタスチンに比べ、 大幅に低分子化されており、 且つ GPR 54ァゴ-スト活 性が飛躍的に高められたものである。 また、 本発明の化合物は、 生体内において ぺプチダーゼによる分解を受けないように修飾されていることから、 効率的に G PR 54ァゴニストとして作用し得るものである。
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、 GPR54受容体ァゴニスト作用を 介して、 癌の転移抑制剤、 ならびに不妊症、 性ホルモン及び性腺刺激ホルモンの 分泌調節異常に対する予防又は治療剤として有効に使用され得る。
また、 メタスチンが、 癌の転移 ·増殖、 リゥマチ性関節炎、 肺線維症、 H I V 感染と密接な関連のある CXCR4—ケモカイン受容体 (CXCR4) に対して 抑制的に作用することが明らかとなったことから、 本発明の医薬a成物ほ、 これ らの疾患の予防又は治療剤としても効果があるものと期待される。 さらに、 副作 用が懸念される CXCR 4アンタゴニス'トゃ CXCR4モノクローナル抗体にか えて、 本発明の化合物を含有する医薬組成物を利用することも可能である。 本出願は、 日本で出願された特願 2006— 1 22305を基礎としておりそ れの内容は本明細書に全て包含されるものである。