JP2021080219A - Mmp2阻害作用を有する糖鎖付加ポリペプチド - Google Patents

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Abstract

【課題】糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、新規なMMP2阻害剤の提供。【解決手段】糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩:該糖鎖付加ポリペプチドは、下記式[1](ここで、AA9は、Ser又はLysを表し、AA7は、Gly、D-Hse、Cys、D-Cys、Asn、又はLysを表し、AA6は、Asn、Cys、又はLysを表し、AA1は、Pro、β-homoPro、又はAibを表す。)で表されるアミノ酸配列を含み、かつ、MMP2に対する親和性を有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、マトリックスメタロプロテアーゼ2(以下、適宜に「MMP2」と略記する。)を選択的に阻害する作用を有する、糖鎖にて修飾されたペプチド化合物に関する。
マトリックスメタロプロテアーゼは亜鉛を活性中心に持つエンドペプチダーゼであり、24種類の遺伝子が知られている。MMPはコラーゲンやゼラチン等の細胞外マトリックスを分解することから、骨リモデリングや創傷治癒など生理現象のみならず、炎症や癌の進行などの病的過程にも関与している(非特許文献1参照)。
これまでにMMP阻害による抗癌作用に着目し、複数のMMP阻害剤の臨床試験が実施されたが、相対的に各種MMPサブタイプに対して非選択的な阻害作用が原因と考えられる骨格筋痛等の副作用や癌転移助長の可能性により断念されている(非特許文献2及び3参照)。
MMP2の活性化は、癌細胞の浸潤ならびに転移において重要な働きをしていることが報告されている。癌細胞の浸潤及び転移は悪性腫瘍の予後に関わる重要な因子であり、MMP2活性を抑制することは癌制御において有効な治療手段となり得る。MMP2遺伝子欠損動物では、癌の増殖が抑制されており、MMP2は癌の増殖に重要な役割を果たすことが報告されている(非特許文献4参照)。さらに、乳癌、膵臓癌、膀胱癌、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、脳腫瘍、胃癌、肝細胞癌、頭頸部癌、メラノーマ、子宮癌、食道癌、腎細胞癌、肺癌、神経膠腫などの各種癌患者においてMMP2が病態進展に関連していることが報告されている(非特許文献5及び6参照)。一方で、MMP2は非腫瘍性疾患においてもそれら病態の形成に関与していることが報告されている。
慢性腎臓病では、MMP2が尿細管基底膜の構造を変換することによって尿細管の上皮間葉移行を引き起こして、尿細管萎縮、線維化ならびに腎機能低下を誘発することが報告されている(非特許文献7参照)。さらに、慢性腎臓病患者では血液中におけるMMP2濃度の上昇が認められている(非特許文献8及び9参照)。また、MMP2遺伝子欠損動物では片側尿管結紮によって誘導される腎臓の線維化が抑制されることが報告されている(非特許文献10及び11参照)。このことから、慢性腎臓病の病態進展を制御するためにMMP2活性を抑制することは有効な治療手段となり得る。
特発性肺線維症では、肺胞上皮細胞、線維芽細胞及びマクロファージにおいてMMP2の発現亢進が認められており、特に急速な進展を伴う特発性肺線維症患者では肺胞洗浄液中のMMP2の発現亢進が認められている(非特許文献12及び13参照)。また非選択的MMP阻害剤により、ブレオマイシン誘発肺線維症マウスの肺中コラーゲン含量を減少させる効果(非特許文献14参照)や、TGFβによって誘発される肺実質線維芽細胞の形質転換を抑制する効果が報告されている(非特許文献15参照)。このことから、特発性肺線維症の病態進展を制御するためにMMP2活性を抑制することは有効な治療手段となり得る。
さらに、多発性硬化症、脳梗塞、動脈硬化、腹部大動脈瘤、腹膜硬化症、心筋梗塞、急性腎障害、糖尿病性腎症、腎硬化症、糸球体腎炎、多発性嚢胞腎、多発性嚢胞肝、アルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患、胆汁うっ滞性肝損傷、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、糖尿病網膜症、加齢性黄斑変性、シェーグレン症候群、髄膜炎、筋ジストロフィー、強皮症、炎症性腸疾患、結核などの非腫瘍性疾患においてはMMP2との関連が示唆されている(非特許文献16参照)。
これらのことから、MMP2を選択的に阻害する手段を見出すことは、MMP2が関与する疾患の有効な治療法を確立するための実現性の高いアプローチである。
さて、MMP2阻害作用を有する低分子化合物として、ヒドロキサム酸やカルボン酸を亜鉛キレーターとして導入した化合物の報告がある。しかし、選択的MMP2阻害作用を示すものは知られていない(例えば、非特許文献17及び18参照)。
また、10個の天然アミノ酸からなるペプチド化合物「β−アミロイドプレカーサープロテイン由来の阻害ペプチド(APP−IP、IIe−Ser−Tyr−Gly−Asn−Asp−Ala−Leu−Met−Pro)」が選択的MMP2阻害作用を示すことが報告されている(非特許文献19参照)。しかし、一般的には、ペプチド化合物は体内での代謝、排泄が早いことから、ペプチド化合物を投与しても、期待される薬理作用が持続しないことが知られている。そこで、前記の課題を解決するために、ペプチド誘導体に非天然アミノ酸を導入したり、ポリエチレングリコールで修飾したりされている(例えば、特許文献1又は2)。しかしながら、これまで、選択的MMP2阻害作用を示すAPP−IPを化学修飾し、阻害作用を有したまま生体内での安定化を達成した報告例は無い。
国際公開第WO1996/028475号パンフレット 国際公開第WO2013/032011号パンフレット
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本発明の目的は、新規なMMP2阻害剤を提供することである。
天然アミノ酸からなる鎖状ペプチドAPP−IPはMMP2に対して高い選択的阻害作用を有するが、生体内では容易に代謝を受けることが予想される。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、APP−IP誘導体に糖鎖を付加することにより、必要に応じてカルボキシ基で置換されているアルキルカルボニル基の導入することにより、式[1]で表されるアミノ酸配列等を含む糖鎖付加ポリペプチドが、MMP2阻害作用を有したまま、課題である生体内での安定性が改善することを見出した。
以下、本発明を詳細に説明する。
すなわち、本発明の態様は、以下の通りである。
(1)本発明のひとつの態様は、
糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
下記式[1]
Figure 2021080219

(ここで、前記式[1]中、
AAは、Ser又はLysを表し、
ここで、該Lysは下記式[2]で表される基で置換されてもよく;
Figure 2021080219

AAは、Gly、D-Hse、Cys、D-Cys、Asn、又はLysを表し、
AAは、Asn、Cys、又はLysを表し、
ここで、該Lysは下記式[3]で表される基で置換されてもよく;
Figure 2021080219

前記式[2]及び[3]中、
FA及びFAは、独立して末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基を表し、
AA91及びAA61は、独立してγ-Glu、Gly、Cys、又はLysを表し、
AA92及びAA62は、独立してAdox、Cys、又はLysを表し、
AA93及びAA63は、独立してAdox、Gly、Cys、又はLysを表し、
AA94及びAA64は、独立してLys、Cys、又は単結合を表し、
AAは、Pro、β-homoPro、又はAibを表す。)
で表されるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでもよく、また、
個のアミノ酸をC末端側にさらに含んでもよく、
ここで、mは1〜7の整数を表し、mは1〜7の整数を表し、
前記m個のアミノ酸は、γ-Glu、Arg、Lys、及びCysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸を表し、
前記m個のアミノ酸は、Aib、Arg、Lys、及びCysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸を表し;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基、又は末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されてもよく、
該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられてもよく;
そして、該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1〜5個のアミノ酸を含んでおり、
該糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1〜5個のアミノ酸は、
前記式[1]で表されるアミノ酸配列中のアミノ酸であるAA、AA、AA、AA
前記式[2]で表される基中のアミノ酸であるAA91、AA92、AA93、AA94
前記式[3]で表される基中のアミノ酸であるAA61、AA62、AA63、AA64
前記m個のアミノ酸;及び
前記m個のアミノ酸
のいずれかに存在し、かつ、
MMP2に対する親和性を有する
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を提供することである。
(2)本発明の他の態様としては、
前記(1)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
(i) 該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた2〜5個のアミノ酸を含んでいる;又は
(ii) 該糖鎖付加ポリペプチドは、
(a) 前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、前記式[2]で表される基で置換されているLysである;
(b) 前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、前記式[3]で表される基で置換されているLysである;又は
(c) 該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基が、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されている;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を提供することである。
(3)本発明の他の態様としては、
前記(2)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
(a) 前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、前記式[2]で表される基で置換されているLysである;
(b) 前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、前記式[3]で表される基で置換されているLysである;又は
(c) 該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基が、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されている;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を提供することである。
(4)本発明の他の態様としては、
前記(3)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
N末端側にさらに含んでもよい前記m個のアミノ酸が、γ-Glu、Lys、及びCysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり、
C末端側にさらに含んでもよいm個のアミノ酸が、Lys及びCysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
そして、該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり、
該糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸が存在するのは、
前記式[1]で表されるアミノ酸であるAA
前記式[2]で表される基中のアミノ酸であるAA92
前記式[3]で表される基中のアミノ酸であるAA62
前記m個のアミノ酸;及び
前記m個のアミノ酸
のいずれかであり;
ここで、
(a) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において;
AAが、Lysであって、
該Lysが置換されている、前記式[2]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基であり、
AA91が、γ-Gluであり、
AA92が、Adoxであり、
AA93が、Adoxであり、
AA94が、単結合であり、
AAが、Glyであり、
AAが、Asnであり、
AAが、Pro又はAib
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;
(b1) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において;
AAが、Serであり、
AAが、Glyであり、
AAが、Lysであって、
該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基であり、
AA61が、γ-Glu又はLysであり、
AA62が、Adox又はLysであり、
AA63が、Adox又はLysであり、
AA64が、単結合であり、
AAが、β-homoPro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;
(b2) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において;
AAが、Serであり、
AAが、Glyであり、
AAが、Lysであって、
該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基であり、
AA61が、γ-Gluであり、
AA62が、Lys又はAdoxであり、
AA63が、Lys又はAdoxであり、
AA64が、Lys又は単結合であり、
AAが、β-homoPro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
ここで、mが1〜3の整数であり、
前記m個のアミノ酸は、Cys及びLysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;又は
(c) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において;
AAが、Serであり、
AAが、Gly又はD-Hseであり、
AAが、Asnであり、
AAが、Pro又はβ-homoPro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
ここで、mが1〜7の整数であり、
前記m個のアミノ酸は、γ-Glu及びLysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されている;
ことを特徴とする、
糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を提供することである。
(5)本発明の他の態様としては、
前記(3)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;
該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Serであり、
AAが、Gly又はD-Cysであり、
AAが、Asnであり、
AAが、Pro又はβ-homoPro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノが、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されている;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を提供することである。
(6)本発明の他の態様としては、
前記(3)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;
(a) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Lysであり、
該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC16アルキルカルボニル基であり、
AA91が、γ-Gluであり、
AA92が、Adoxであり、
AA93が、Adoxであり、
AA94が、単結合であり、
AAが、Glyであり、
AAが、Asnであり、
AAが、Aib
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;
(b) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Serであり、
AAが、Glyであり、
AAが、Lysであって、
該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC14−16アルキルカルボニル基であり、
AA61が、γ-Glu又はLysであり、
AA62が、Adox又はLysであり、
AA63が、Adox又はLysであり、
AA64が、単結合であり、
AAが、β-homoPro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず、又は
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
ここで、mが3であり、
前記m個のアミノ酸が、それぞれLysであり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;又は
(c) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Serであり、
AAが、Gly又はD-Hseであり、
AAが、Asnであり、
AAが、Pro又はβ-homoPro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
ここで、mが1〜4の整数であり、
前記m個のアミノ酸は、γ-Glu及びLysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、末端がカルボキシ基で置換されているC12−14アルキルカルボニル基で置換されている;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を提供することである。
(7)本発明の他の態様としては、
前記(3)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;
(a) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Lysであり、
該Lysが置換されている前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC12−16アルキルカルボニル基であり、
AA91が、γ-Gluであり、
AA92が、Adoxであり、
AA93が、Adoxであり、
AA94が、単結合であり、
AAが、Glyであり、
AAが、Asnであり、
AAが、Aib
であるアミノ酸配列を含み、
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず、
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;
(b1) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Serであり、
AAが、Glyであり、
AAが、Lysであって、
該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC13−16アルキルカルボニル基であり、
AA61が、γ-Glu又はLysであり、
AA62が、Adox又はLysであり、
AA63が、Adox又はLysであり、
AA64が、単結合であり、
AAが、β-homoPro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;
(b2) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Serであり、
AAが、Glyであり、
AAが、Lysであって、
該Lysが置換されている前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC13−14アルキルカルボニル基であり、
AA61が、γ-Gluであり、
AA62が、Lysであり、
AA63が、Lysであり、
AA64が、Lysであり、
AAが、β-homoPro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
ここで、mが3であり、
前記m個のアミノ酸は、それぞれLysであり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;又は
(c) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Serであり、
AAが、Gly又はD-Hseであり、
AAが、Asnであり、
AAが、Pro又はβ-homoPro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
ここで、mが1〜7の整数であり、
前記m個のアミノ酸は、γ-Glu及びLysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、末端がカルボキシ基で置換されているC14アルキルカルボニル基で置換されている;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を提供することである。
(8)本発明の他の態様としては、
前記(3)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;
該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Serであり、
AAが、Glyであり、
AAが、Asn又はLysであって、
該Lysが置換されている前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基であり、
AA61が、γ-Glu又はLysであり、
AA62が、Adox又はLysであり、
AA63が、Adox又はLysであり、
AA64が単結合であり、
AAが、Pro又はβ-homoProである
ことを特徴とする、
糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を提供することである。
(9)本発明の他の態様としては、
前記(3)又は(8)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;
(i) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列が、
Ile−Ser−Tyr−Gly−Asn−Asp−Ala−Leu−Met−Pro
であって;
また、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
γ-Glu−Lys−Lys−Lys−をN末端側にさらに含んでおり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基がHOOC−(CH2)14−(O=)C−で置換されており;
(ii) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列が、
Ile−Ser−Tyr−Gly−Lys−Asp−Ala−Leu−Met−β-homoPro
であって、
ここで、AAとして表されるLysの側鎖のアミノ基は、HOOC−(CH2)14−(O=)C−Lys−Lys−Lys−で置換されており;
また、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基がアセチル基で置換されており;又は
(iii) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列が、
Ile−Ser−Tyr−Gly−Lys−Asp−Ala−Leu−Met−β-homoPro
であって;
ここで、AAとして表されるLysの側鎖のアミノ基は、HOOC−(CH2)16−(O=)C−γ-Glu−Adox−Adox−で置換されており;
また、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基がアセチル基で置換されている;
ことを特徴とする、
糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を提供することである。
(10)本発明の他の態様としては、
前記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をC末端側にさらに含んでおり;
そして、該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり、
該糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸は、
前記m個のアミノ酸のいずれかに存在し、
ここで、mは1である;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を提供することである。
(11)本発明の他の態様としては、
前記(1)〜(10)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
前記各糖鎖付加アミノ酸が、糖鎖付加Asn又は糖鎖付加Cysである
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を提供することである。
(12)本発明の他の態様としては、
前記(1)〜(11)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
前記各糖鎖付加アミノ酸において、付加する糖鎖が4個以上の糖からなる
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を提供することである。
(13)本発明の他の態様としては、
前記(1)〜(12)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
前記各糖鎖付加アミノ酸において、
糖鎖が下記式[4]
Figure 2021080219

(ここで、前記式[4]中、
Linkerは、単結合又は式−NH−CO−(CHn1−を表し、
は、0〜5の整数を表し、
及びRは同一に又は異なって、下記式群[5]で表される構造のいずれか
Figure 2021080219

を表し、
は水素原子又はベンジル基を表す。)
で表される糖鎖であることを特徴とする、
糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を提供することである。
(14)本発明の他の態様としては、
前記(1)〜(13)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
前記各糖鎖付加アミノ酸において、
前記式[4]で表される糖鎖中のR及びRが、同一に下記式[5−1]で表される構造
Figure 2021080219

であることを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を提供することである。
(15)本発明の他の態様としては、
前記(1)〜(14)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬を提供することである。
(16)本発明の他の態様としては、
前記(1)〜(14)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有するMMP2阻害剤を提供することである。
(17)本発明の他の態様としては、
前記(1)〜(14)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する癌細胞の増殖、浸潤、又は転移の抑制剤を提供することである。
(18)本発明の他の態様としては、
前記(1)〜(14)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する線維化抑制剤を提供することである。
(19)本発明の他の態様としては、
前記(1)〜(14)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する癌疾患及び臓器線維症、並びに癌疾患及び臓器線維症に関連する症状の予防薬又は治療薬を提供することである。
本発明の糖鎖付加ポリペプチド化合物は、MMP2に対する選択的阻害作用を有しており、また、APP−IPに比較して高い生体安定性を有する。また、本発明の糖鎖付加ポリペプチドは上記特徴を有することから、MMP2が関与すると考えられる癌疾患及び臓器線維症、並びに癌疾患及び臓器線維症に関連する症状の予防薬又は治療に用いることができる。
本明細書中において、「アミノ酸」とは、広義にはアミノ基とカルボキシル基の両方の官能基を持つ有機化合物である。一方、狭義には(特に生化学の分野)、生体のタンパク質の構成ユニットとなる「α-アミノ酸」(該α-アミノ酸は、カルボキシ基が結合している炭素(α炭素)にアミノ基も結合しているアミノ酸のことである。)を指す。本明細書におけるアミノ酸として、例えば、天然タンパク原性L−アミノ酸;D−アミノ酸;アミノ酸変異体及び誘導体などの化学修飾されたアミノ酸;及びアミノ酸の特徴である当業界で公知の特性を有する化学的に合成された化合物などが挙げられる。
本明細書中において、「アミノ酸」を、例えば3文字表記や1文字表記等のように略さずに、その名称を記載する場合は、L体若しくはD体、又はその両方を含むアミノ酸を示す。
本明細書中において、「アミノ酸」を、3文字表記や1文字表記等によって略して記載する場合は、L体のアミノ酸を示す。「アミノ酸」の直前に「L」や「l」を付して、L体のアミノ酸であることを明確にする場合もある。
本明細書中において、「アミノ酸」の直前に「D」や「d」を付する場合は、D体のアミノ酸を示す。
アルキル鎖やポリエチレングリコールからなるアミノ酸の例としては、例えば、HN−(CH2)n−COOH(式中、nは整数であり、目的とするリンカー機能を阻害しない限り限定されるものではないが、好ましくは 1〜10の整数を示す。)やHN-(CH2CH2O)n-(CH2)n-COOH(式中、n、nは整数であり、目的とするリンカー機能を阻害しない限り限定されるものではないが、好ましく は 1 〜 10 の整数を示す。)を挙げることができる。より具体的には、HN−(CH2CH2O)−CH2CH2−COOH、HN−(CH2CH2O)−CH2−COOH、HN−(CH2CH2O)−CH2−COOH(Adox)等を挙げることができる。
本明細書中において、「非天然アミノ酸」とは、天然のタンパク質を構成しておらず、主に人工的に製造されたアミノ酸であり、前述のD−アミノ酸;アミノ酸変異体及び誘導体などの化学修飾されたアミノ酸;及びアミノ酸の特徴である当業界で公知の特性を有する化学的に合成された化合物を指す。非天然アミノ酸の例として、D−Cys、D−Ser等のD−アミノ酸;2−アミノイソ酪酸(以下、Aibと記載することもある;なお、以下、本明細書において「括弧書きの併記」は略記を示す。)などのα−メチルアミノ酸;β−ホモプロリン(β−Hep又はβ−homoPro)、ホモセリン(Hse又はhomoSer)、ホモシステイン(Hcy又はhomoCys)など、側鎖に余分のメチレンを有するアミノ酸(「ホモ」アミノ酸);及び側鎖中のカルボン酸官能基アミノ酸がスルホン酸基で置換されるアミノ酸(システイン酸など)が挙げられる。
本明細書中において、「β−Asp」と記載されている場合は、下記式[A−1]で表される構造に示す通り、側鎖のカルボキシを介して主鎖のアミド結合に関与するアスパラギン酸を意味する。同様に、「β−(d)−Asp」、「γ−Glu」、「γ−(d)−Glu」と記載されている場合は、下記式[A−2]〜式[A−4]で表される構造を意味する。
Figure 2021080219
本発明において、「APP−IP誘導体」とは、APP−IPと構造上類似したペプチド及び/又はAPP−IPと重複した構造を有するペプチド、例えば、APP−IPのアミノ酸の1若しくは数個のアミノ酸が置き換えられたポリペプチド、MMP2に対する阻害作用を有するAPP−IPのフラグメント、伸長APP−IPが挙げられる。
本明細書中において、例えば、
「糖鎖付加ポリペプチドであって;
前記式[1]で表されるアミノ酸配列を含み;
該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでもよく、また、
個のアミノ酸をC末端側にさらに含んでもよく;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は置換されてもよく、
該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、置き換えられてもよく;
そして、該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられたアミノ酸を含んでおり、かつ、
MMP2に対する親和性を有する
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド」が挙げられる。
本明細書中において、「アミノ酸の1若しくは数個のアミノ酸が置換された」とは、アミノ酸の置き換えにおいて、元のアミノ酸が他のアミノ酸で置き換えられており、MMP2に対する阻害作用の明らかな低下又は消失を生じない置き換えをいう。
本明細書中において、「MMP2に対する阻害作用を有するAPP−IPのフラグメント」とは、APP−IPのN末端及び/又はC 末端から1個又はそれ以上のアミノ酸が欠失し、かつMMP2に対する阻害作用を有するポリペプチドである。
本明細書中において、「伸長APP−IP」とは、APP−IPのN 末端及び/又はC 末端、さらには分岐ポリペプチドの側鎖に1個又はそれ以上のアミノ酸やリンカーが付加されたペプチドである。例えば、APP−IPにつき、m個(ここで、mは1〜7の整数を表す。)のアミノ酸をN末端側にさらに含んでもよく、また、
個(ここで、mは1〜7の整数を表す。)のアミノ酸をC末端側にさらに含んでもよい。前記m個のアミノ酸は、例えば、γ-Glu、Arg、Lys、及びCysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸を表し、
前記m個のアミノ酸は、例えば、Aib、Arg、Lys、及びCysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸を表す。
本明細書中において、例えば、
「糖鎖付加ポリペプチドであって;
前記式[1]で表されるアミノ酸配列を含み;
該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでいる、及び/又は
個のアミノ酸をC末端側にさらに含んでおり;かつ、
MMP2に対する親和性を有する
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド」が挙げられる。
本明細書中において、「n」はノルマルを、「i」はイソを、「s」はセカンダリーを、「t」及び「tert」はターシャリーを、「c」はシクロを、「o」はオルトを、「m」はメタを、「p」はパラを示す。
本明細書中において、「C1−4アルキル基」とは、炭素原子数が1〜4個である、直鎖状又は分岐状の飽和のアルキル基であり、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルが挙げられる。
本明細書中において、「C4−18脂肪酸」とは、炭素原子数が4〜18個である、直鎖状又は分岐状であって飽和又は不飽和の脂肪酸であり、例えば、n−ブタン酸(酪酸)、n−ペンタン酸、ピバル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、HC−(CH)n−COOH(ここで、nは2〜16の整数を表す。)等が挙げられる。
本明細書中において、「C2−16アルキルカルボニル基」とは、炭素原子数が2〜16個である、直鎖状又は分岐状であって飽和又は不飽和のアルキル基と、カルボニル基が結合した基を表す。例えば、エチルカルボニル(プロパノイル)、n−プロピルカルボニル(ブチリル)、n−ブチルカルボニル(バレリル)、tert−ブチルカルボニル(ピバロイル)、n−ペンタデカニルカルボニル(パルミトイル)、HC−(CH)n−CO−(ここで、nは1〜15の整数を表す。)等が挙げられる。
本明細書中において、「末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基」とは、前記の「C2−16アルキルカルボニル基」中のアルキル基において、カルボニル基が結合した末端とは反対の末端が、カルボキシ基で置換されているアルキルカルボニル基を表す。例えば、2位がカルボキシで置換されているエチルカルボニル、10位がカルボキシで置換されているデカニルカルボニル、12位がカルボキシで置換されているドデカニルカルボニル、14位がカルボキシで置換されているテトラデカニルカルボニル、15位がカルボキシで置換されているペンタデカニルカルボニル、16位がカルボキシで置換されているヘキサデカニルカルボニル、HOOC−(CH)n−CO−(ここで、nは2〜16の整数を表す。)等が挙げられる。
本発明中において、「アセチル基、C2−16アルキルカルボニル基、及び末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基からなる群から選ばれる1つの基で置換されているアミノ酸」とは、アミノ酸中のアミノ基が、アセチル基、C2−16アルキルカルボニル基、又は末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されているアミノ酸である。例えば、Ac−Lys、Ac−Cys、Ac−Arg、HOOC−(CH)n−CO−Lys、HOOC−(CH)n−CO−γGlu、(式中、nは、前述の定義と同じである。)等が挙げられる。
なお、前述の「分岐ポリペプチド」とは、主鎖ポリペプチドに対して枝分かれしている側鎖ポリペプチドを有するポリペプチドである。枝分かれする箇所には、側鎖に官能基を有するアミノ酸が存在する。該アミノ酸の側鎖の官能基に対してアミノ酸が順次結合し、側鎖ポリペプチドを形成する。
本明細書中において、「脂溶性保護基」とは、例えば、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)基、ベンジル(Bn)基、アリル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、アセチル(Ac)基等のカーボネート系又はアミド系の保護基を挙げることができる。アミノ酸に脂溶性保護基を導入するには、例えばFmocを導入する場合には9−フルオレニルメチル−N−スクシニジルカーボネートと炭酸水素ナトリウムを加えて反応を行うことにより導入できる。反応は0〜50℃、好ましくは室温で、約1〜5時間程度行うのが良い。
本明細書中において、「糖鎖付加アミノ酸」とは、糖鎖が付加した「アミノ酸」であり、ここで糖鎖とアミノ酸とは、リンカーを介して結合していてもよい。糖鎖とアミノ酸との結合部位に特に制限はないが、糖鎖の還元末端にアミノ酸が結合していることが好ましい。
糖鎖付加アミノ酸の種類に特に限定はない。糖鎖付加アミノ酸としては、糖鎖付加アスパラギン、糖鎖付加グルタミン、糖鎖付加セリン、糖鎖付加スレオニン、糖鎖付加システインが好ましく;糖鎖付加アスパラギン、糖鎖付加グルタミン、糖鎖付加システインがより好ましく;糖鎖付加Asn、糖鎖付加Cysがさらに好ましく、糖鎖付加Cysが特に好ましい。
また、糖鎖付加アミノ酸が生体内に糖ペプチド(糖たんぱく質)として存在するものと同ー又は類似の構造を有するという観点からは、糖鎖付加アミノ酸は、N−結合型糖鎖のような糖鎖付加アスパラギン、O−結合型糖鎖のような糖鎖付加セリン及び糖鎖付加スレオニンが好ましく、糖鎖付加アスパラギンがより好ましい。
糖鎖とアミノ酸とがリンカーを介して結合している場合、リンカーとしては、当該分野において用いられているものを広く使用することができる。例えば、式−CO−(CH)n−(式中、nは整数であり、目的とするリンカー機能を阻害しない限り限定されるものではないが、好ましくは0〜4の整数を示す。)が挙げられる。
また、糖鎖とアミノ酸とがリンカーを介して結合している場合、リンカーとの結合容易性という観点からは、糖鎖付加アミノ酸のアミノ酸は、アスパラギン酸やグルタミン酸等の分子内に2つ以上のカルボキシ基を持つアミノ酸;リジン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン等の分子内に2以上のアミノ基を持つアミノ酸;セリン、スレオニン、チロシン等の分子内に水酸基を持つアミノ酸;システイン等の分子内にチオール基を持つアミノ酸;アスパラギン、グルタミン等の分子内にアミド基を持つアミノ酸が好ましい。特に、反応性の観点からは、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、セリン、スレオニン、システイン、アスパラギン、グルタミンが好ましい。
本明細書中において、「糖鎖付加ポリペプチド」とは、APP−IP誘導体中の少なくとも1個のアミノ酸が、糖鎖付加アミノ酸で置き換えられていることを特徴とする。
本発明の糖鎖付加ポリペプチドにおいて、APP−IP誘導体のN末端にさらに付加されるアミノ酸は、MMP2に対する阻害作用を有する限り特に制限されないが、例えば、1以上7個以下の任意のアミノ酸を付加することができる。N末端にさらに付加されるアミノ酸としては、アセチル基、C4−18脂肪酸、及び末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基からなる群から選ばれる1つの基で置換されてもよいアミノ酸、又は糖鎖付加アミノ酸である。好ましいアミノ酸としては、Lys、Arg、Glu、Cys等である。好ましい糖鎖付加アミノ酸としては、糖鎖付加Asn又は糖鎖付加Cysである。また、1以上7個以下の任意のアミノ酸は、その全てを糖鎖付加アミノ酸とすることもできる。
本発明の糖鎖付加ポリペプチドにおいて、APP−IPのC末端にさらに付加されるアミノ酸は、MMP2に対する阻害作用を有する限り特に制限されないが、例えば、1以上7個以下の任意のアミノ酸を付加することができる。APP−IPのC末端にさらに付加されるアミノ酸は、好ましくはCys、Lys、Aib、糖鎖付加アミノ酸であり、より好ましくは糖鎖付加Cysである。また、1以上7個以下の任意のアミノ酸は、その全てを糖鎖付加アミノ酸とすることもできる。
本発明の糖鎖付加ポリペプチドにおいて、糖鎖付加アミノ酸で置き換えられるアミノ酸の数は、生体内安定性やMMP2阻害作用、最終的な糖鎖付加ポリペプチドに存在するアミノ酸の個数や糖鎖付加前後の糖鎖付加ポリペプチドの分子量、等により適宜調節すればよい。例えば、1〜10個で置き換えることが好ましく、1〜5個で置き換えることがより好ましく、1〜3個で置き換えることがさらに好ましい。簡便性の観点からは、1個の置き換えで所望の活性が得られるのであれば、1個の置き換えを選択することが好ましい。
また、糖鎖付加ポリペプチド中に複数の糖鎖を有する場合、糖鎖同士は糖鎖付加ポリペプチドのアミノ酸配列において、連続したアミノ酸に付加する(連続したアミノ酸を、糖鎖付加アミノ酸で置き換える)こともできるし、間隔をあけて、アミノ酸に付加する(間隔をあけて、アミノ酸を、糖鎖付加アミノ酸で置き換える)こともできる。
なお、本発明の任意の糖鎖付加ポリペプチドについて、糖鎖構造、糖鎖以外の構造、糖鎖の付加部位及び糖鎖の付加数が同一である場合に、糖鎖付加アミノ酸が、糖鎖付加Asn(リンカーを介さない)の場合と糖鎖付加Cys(リンカーを介する)の場合で、本発明の糖鎖付加ポリペプチドの血中半減期に大きな違いはないと考えられる。
本発明中において「糖鎖」とは単位糖(単糖及び/又はその誘導体)が1つ以上結合してできた化合物をいう。単位糖が2つ以上結合する場合、各々の単位糖同士の間は、グリコシド結合による脱水縮合によって結合する。このような糖鎖としては、例えば、生体内に含有される単糖類及び多糖類(グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)、シアル酸並びにそれらの複合体及び誘導体)の他、分解された多糖、糖タンパク質、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン、糖脂質などの複合生体分子から分解又は誘導された糖鎖は直鎖型であっても分岐鎖型であってもよい。
本発明において、好ましい糖鎖は、APP−IP誘導体に付加された場合(糖鎖付加アミノ酸の形でAPP−IPのアミノ酸と置換された場合)に、APP−IPの生体での安定性を増大させたまま、MMP2に対する選択的阻害作用を有することができる物である。
本発明の糖鎖付加ポリペプチドにおける糖鎖は特に限定されず、生体内で複合糖質(糖ペプチド又は糖タンパク質、プロテオグリカン、糖脂質等)として存在する糖鎖であっても良いし、生体内で複合糖質として存在しない糖鎖であっても良い。
生体内で複合糖質として存在する糖鎖は、本発明の糖鎖付加ペプチドが生体内に投与されるという観点から好ましい。かかる糖鎖としては、生体内で糖ペプチド(又は糖タンパク質)としてペプチド(又はタンパク質)に結合している糖鎖であるN−結合型糖鎖、O−結合型糖鎖が挙げられる。好ましくは、N−結合型糖鎖が用いられる。N−結合型糖鎖としては、例えば、高マンノース(ハイマンノース)型、複合(コンプレックス)型、混成(ハイブリッド)型を挙げることができ、好ましくは、複合型が良い。
本発明で使用する好ましい複合型糖鎖としては、例えば、下記式[4]、
Figure 2021080219

(ここで、前記式[4]中、R及びRは同一に又は異なって、下記式群[5]で表される構造のいずれか
Figure 2021080219

を示し、Rは水素原子、C1−4アルキル基、又はベンジル基を示す。
本発明の一態様において、本発明の糖鎖付加ポリペプチドにおける糖鎖は、例えば、5個以上、7個以上、特に9個以上、11個以上の糖からなる糖鎖であることが好ましい。
本発明の好ましい一態様において、本発明の糖鎖付加ポリペプチドにおける糖鎖は、5〜11個、9〜11個又は11個の糖からなる糖鎖である。
本発明の好ましい一態様において、本発明の糖鎖付加ポリペプチドにおける糖鎖は、2本鎖の複合型糖鎖である。複合型糖鎖とは、2種類以上の単糖を含み、以下の式[6]に示す基本構造と、Galβ1−4GlcNAcで示されるラクトサミン構造を有することを特徴とする。
Figure 2021080219

2本鎖複合型糖鎖とは、基本構造の末端の2つのマンノースに、それぞれ0〜3糖からなる1本鎖の糖鎖が結合しているものをいう。2本鎖複合型糖鎖としては、例えば、以下の式[7]に示すジシアロ糖鎖、
ジシアロ(disialo)
Figure 2021080219

以下の式[8]に示す、末端シアル酸のカルボキシル基がベンジルエステル化された糖鎖、
ジベンジル−ジシアロ(diBn−disialo)
Figure 2021080219

以下の式[9]に示す、7糖からなるジグルクナック(diGlcNAc)
Figure 2021080219

を挙げることができる。
本明細書中において、塩は、酸付加塩又は塩基付加塩のいずれであってもよい。酸付加塩を形成するために通常用いられる酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸等の無機酸及びp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸等の有機酸である。塩基付加塩としては、水酸化アンモニウム又はアルカリ若しくはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等の無機塩基から誘導された塩が挙げられる。特に、製薬学的に許容される塩が好ましい。
本発明の糖鎖付加ポリペプチドの好ましい態様を、以下に示す。
(I)本発明の糖鎖付加ポリペプチドのひとつの好ましい態様は、以下である:
糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
下記式[1]
Figure 2021080219

(ここで、前記式[1]中、
AAは、Ser又はLysを表し、
ここで、該Lysは下記式[2]で表される基で置換されてもよく;
Figure 2021080219

AAは、Gly、D-Hse、Cys、D-Cys、Asn、又はLysを表し、
AAは、Asn、Cys、又はLysを表し、
ここで、該Lysは下記式[3]で表される基で置換されてもよく;
Figure 2021080219

前記式[2]及び[3]中、
FA及びFAは、独立して末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基を表し、
AA91及びAA61は、独立してγ-Glu、Gly、Cys、又はLysを表し、
AA92及びAA62は、独立してAdox、Cys、又はLysを表し、
AA93及びAA63は、独立してAdox、Gly、Cys、又はLysを表し、
AA94及びAA64は、独立してLys、Cys、又は単結合を表し、
AAは、Pro、β-homoPro、又はAibを表す。)
で表されるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでもよく、また、
個のアミノ酸をC末端側にさらに含んでもよく、
ここで、mは1〜7の整数を表し、mは1〜7の整数を表し、
前記m個のアミノ酸は、γ-Glu、Arg、Lys、及びCysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸を表し、
前記m個のアミノ酸は、Aib、Arg、Lys、及びCysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸を表し;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基、又は末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されてもよく、
該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられてもよく;
そして、該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1〜5個のアミノ酸を含んでおり、
該糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1〜5個のアミノ酸は、
前記式[1]で表されるアミノ酸配列中のアミノ酸であるAA、AA、AA、AA
前記式[2]で表される基中のアミノ酸であるAA91、AA92、AA93、AA94
前記式[3]で表される基中のアミノ酸であるAA61、AA62、AA63、AA64
前記m個のアミノ酸;及び
前記m個のアミノ酸
のいずれかに存在し、かつ、
MMP2に対する親和性を有する
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(II)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(I)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
(i) 該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた2〜5個のアミノ酸を含んでいる;又は
(ii) 該糖鎖付加ポリペプチドは、
(a) 前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、前記式[2]で表される基で置換されているLysである;
(b) 前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、前記式[3]で表される基で置換されているLysである;又は
(c) 該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基が、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されている;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(III)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(II)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
(a) 前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、前記式[2]で表される基で置換されているLysである;
(b) 前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、前記式[3]で表される基で置換されているLysである;又は
(c) 該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基が、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されている;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(IV)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(III)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
N末端側にさらに含んでもよい前記m個のアミノ酸が、γ-Glu、Lys、及びCysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり、
C末端側にさらに含んでもよいm個のアミノ酸が、Lys及びCysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸である;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(V)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(III)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられている;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(VI)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(III)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり、
該糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸が存在するのは、
前記式[1]で表されるアミノ酸配列中のアミノ酸であるAA、AA、AA
ここで、より好ましくは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列中のアミノ酸であるAA
前記式[2]で表される基中のアミノ酸であるAA92
前記式[3]で表される基中のアミノ酸であるAA62
前記m個のアミノ酸;及び
前記m個のアミノ酸
のいずれかである;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(VII)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(III)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
(a) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において;
AAが、Lysであって、
該Lysが置換されている、前記式[2]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基であり、
AA91が、γ-Gluであり、
AA92が、Adoxであり、
AA93が、Adoxであり、
AA94が、単結合であり、
AAが、Glyであり、
AAが、Asnであり、
AAが、Pro又はAib
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;
(b1) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において;
AAが、Serであり、
AAが、Glyであり、
AAが、Lysであって、
該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基であり、
AA61が、γ-Glu又はLysであり、
AA62が、Adox又はLysであり、
AA63が、Adox又はLysであり、
AA64が、単結合であり、
AAが、β-homoPro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;
(b2) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において;
AAが、Serであり、
AAが、Glyであり、
AAが、Lysであって、
該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基であり、
AA61が、γ-Gluであり、
AA62が、Lys又はAdoxであり、
ここで、より好ましくは、AA62が、Lysであり、
AA63が、Lys又はAdoxであり、
ここで、より好ましくは、AA63が、Lysであり、
AA64が、Lys又は単結合であり、
ここで、より好ましくは、AA64が、Lysであり、
AAが、β-homoPro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
ここで、mが1〜3の整数であり、
そして、より好ましくは、nが3であり、
前記m個のアミノ酸は、Cys及びLysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり、
ここで、より好ましくは、前記m個のアミノ酸は、それぞれLysであり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;又は
(c) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において;
AAが、Serであり、
AAが、Gly又はD-Hseであり、
AAが、Asnであり、
AAが、Pro又はβ-homoPro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
ここで、mが1〜7の整数であり、
前記m個のアミノ酸は、γ-Glu及びLysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されている;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(VIII)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(VII)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
前記(IV)〜(VI)に記載の態様のうちのいずれか1つとの組み合わせである糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であり;
より好ましくは、前記(IV)〜(VI)に記載の態様のうちのいずれか2つとの組み合わせである糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であり;
さらに好ましくは、前記(IV)〜(VI)に記載の全ての態様との組み合わせである糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(IX)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(III)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;
該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Serであり、
AAが、Gly又はD-Cysであり、
ここで、より好ましくは、AAが、Glyであり、
AAが、Asnであり、
AAが、Pro又はβ-homoProであり、
ここで、より好ましくは、AAが、Pro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基が、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されており、
ここで、より好ましくは、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基が、末端がカルボキシ基で置換されているC8−14アルキルカルボニル基で置換されており、
さらに好ましくは、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基が、末端がカルボキシ基で置換されているC13−14アルキルカルボニル基で置換されている;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(X)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(III)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;
(a) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Lysであり、
該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC16アルキルカルボニル基であり、
AA91が、γ-Gluであり、
AA92が、Adoxであり、
AA93が、Adoxであり、
AA94が、単結合であり、
AAが、Glyであり、
AAが、Asnであり、
AAが、Aib
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;
(b) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Serであり、
AAが、Glyであり、
AAが、Lysであって、
該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC14−16アルキルカルボニル基であり、
ここで、より好ましくは、FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC14アルキルカルボニル基又はC16アルキルカルボニル基であり、
AA61が、γ-Glu又はLysであり、
AA62が、Adox又はLysであり、
AA63が、Adox又はLysであり、
AA64が、単結合であり、
ここで、より好ましくは、AAとして表されるLysが置換されている前記式[3]で表される基中の「AA61−AA62−AA63−AA64−」が、γ-Glu−Adox−Adox−単結合−及びLys−Lys−Lys−単結合−からなる群から選ばれる1つであり、
AAが、β-homoPro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず、又は
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
ここで、mが3であり、
前記m個のアミノ酸が、それぞれLysであり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;又は
(c) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Serであり、
AAが、Gly又はD-Hseであり、
ここで、より好ましくは、AAが、Glyであり、
AAが、Asnであり、
AAが、Pro又はβ-homoPro
ここで、より好ましくは、AAが、Pro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
ここで、mが1〜4の整数であり、
前記m個のアミノ酸は、γ-Glu及びLysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、末端がカルボキシ基で置換されているC12−14アルキルカルボニル基で置換されており、
ここで、より好ましくは、前記m個のアミノ酸が、−γ-Glu−及び−γ-Glu−Lys−Lys−Lys−からなる群から選ばれる1つであり、
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基が、末端がカルボキシ基で置換されているC14アルキルカルボニル基で置換されており、
さらに好ましくは、前記m個のアミノ酸が、−γ-Glu−Lys−Lys−Lys−である;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(XI)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(III)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;

該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;
(a) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Lysであり、
該Lysが置換されている前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC12−16アルキルカルボニル基であり、
ここで、より好ましくは、FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC13−16アルキルカルボニル基であり、
AA91が、γ-Gluであり、
AA92が、Adoxであり、
AA93が、Adoxであり、
AA94が、単結合であり、
AAが、Glyであり、
AAが、Asnであり、
AAが、Aib
であるアミノ酸配列を含み、
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず、
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;
(b1) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Serであり、
AAが、Glyであり、
AAが、Lysであって、
該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC13−16アルキルカルボニル基であり、
ここで、より好ましくは、FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC14−16アルキルカルボニル基であり、
さらに好ましくは、FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC14アルキルカルボニル基又はC16アルキルカルボニル基であり、
AA61が、γ-Glu又はLysであり、
AA62が、Adox又はLysであり、
AA63が、Adox又はLysであり、
AA64が、単結合であり、
AAが、β-homoProであり、
ここで、より好ましくは、FAとして表されるLysが置換されている前記式[3]で表される基中の「AA61−AA62−AA63−AA64−」が、γ-Glu−Adox−Adox−単結合−及びLys−Lys−Lys−単結合−からなる群から選ばれる1つ
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;
(b2) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Serであり、
AAが、Glyであり、
AAが、Lysであって、
該Lysが置換されている前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC13−14アルキルカルボニル基であり、
ここで、より好ましくは、FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC14アルキルカルボニル基であり、
AA61が、γ-Gluであり、
AA62が、Lysであり、
AA63が、Lysであり、
AA64が、Lysであり、
AAが、β-homoPro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
ここで、mが3であり、
前記m個のアミノ酸は、それぞれLysであり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;又は
(c) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Serであり、
AAが、Gly又はD-Hseであり、
ここで、より好ましくは、AAが、Glyであり、
AAが、Asnであり、
AAが、Pro又はβ-homoProであり、
ここで、より好ましくは、AAが、Pro
であるアミノ酸配列を含み;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
ここで、mが1〜7の整数であり、
前記m個のアミノ酸は、γ-Glu及びLysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり、
ここで、より好ましくは、前記m個のアミノ酸が、−γ-Glu−、−Lys−Lys−Lys−、−γ-Glu−Lys−Lys−、−γ-Glu−Lys−Lys−Lys−、及び−γ-Glu−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−からなる群から選ばれる1つであり、
さらに好ましくは、前記m個のアミノ酸が、−γ-Glu−Lys−Lys−Lys−であり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、末端がカルボキシ基で置換されているC14アルキルカルボニル基で置換されている;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(XII)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(III)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;
該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
AAが、Serであり、
AAが、Glyであり、
AAが、Asn又はLysであって、
該Lysが置換されている前記式[3]で表される基中の
FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基であり、
ここで、より好ましくは、FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC12−16アルキルカルボニル基であり、
さらに好ましくは、FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC13−16アルキルカルボニル基であり、
AA61が、γ-Glu又はLysであり、
AA62が、Adox又はLysであり、
AA63が、Adox又はLysであり、
AA64が単結合であり、
AAが、Pro又はβ-homoProである;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(XIII)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(XII)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
(i) m個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
ここで、mが1〜7の整数であり、
そして、前記m個のアミノ酸は、γ-Glu及びLysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり;又は
(ii) m個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基又は末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されており、
ここで、より好ましくは、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基又は末端がカルボキシ基で置換されているC8−14アルキルカルボニル基で置換されており、
さらに好ましくは、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基又は末端がカルボキシ基で置換されているC13−14アルキルカルボニル基で置換されている;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(XIV)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(XIII)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
さらに、AAが、Asn又はLysであって、
該Lysが置換されている前記式[3]で表される基中の「AA61−AA62−AA63−AA64−」が、γ-Glu−Adox−Adox−単結合−、Gly−Cys−Gly−単結合−、及びLys−Lys−Lys−単結合−からなる群から選ばれる1つであり;
また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
(i) m個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
ここで、mが1〜7の整数であり、
そして、前記m個のアミノ酸が、−γ-Glu−、−γ-Glu−Lys−Lys−、−Lys−Lys−Lys−、−γ-Glu−Lys−Lys−Lys−、及び−γ-Glu−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−からなる群から選ばれる1つであり;又は
(ii) m個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでいない;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(XV)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(XII)又は(XIV)に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;
(i) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列が、
Ile−Ser−Tyr−Gly−Asn−Asp−Ala−Leu−Met−Pro
であって;
また、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
−γ-Glu−Lys−Lys−Lys−をN末端側にさらに含んでおり;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基がHO2C−(CH2)14−(O=)C−で置換されており;
(ii) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列が、
Ile−Ser−Tyr−Gly−Lys−Asp−Ala−Leu−Met−β-homoPro
であって、
ここで、AAとして表されるLysの側鎖のアミノ基は、HO2C−(CH2)14−(O=)C−Lys−Lys−Lys−で置換されており;
また、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基がアセチル基で置換されており;又は
(iii) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列が、
Ile−Ser−Tyr−Gly−Lys−Asp−Ala−Leu−Met−β-homoPro
であって;
ここで、AAとして表されるLysの側鎖のアミノ基は、HO2C−(CH2)16−(O=)C−γ-Glu−Adox−Adox−で置換されており;
また、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基がアセチル基で置換されている;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(XVI)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(I)〜(XV)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
該糖鎖付加ポリペプチドは、
前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
個のアミノ酸をC末端側にさらに含んでおり;
そして、該糖鎖付加ポリペプチドは、
糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり、
該糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸は、
前記m個のアミノ酸のいずれかに存在し、
ここで、mは1である;
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(XVII)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(I)〜(XVI)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
前記各糖鎖付加アミノ酸が、糖鎖付加Asn又は糖鎖付加Cysであり;
より好ましくは、糖鎖付加Cysである
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(XVIII)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(I)〜(XVII)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
前記各糖鎖付加アミノ酸において、付加する糖鎖が4個以上;
より好ましくは、付加する糖鎖が7個以上;
さらに好ましくは、付加する糖鎖が11個以上;
の糖からなる
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(XIX)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(I)〜(XVIII)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
前記各糖鎖付加アミノ酸において、
糖鎖が下記式[4]
Figure 2021080219

(ここで、前記式[4]中、R及びRは同一に又は異なって、下記式群[5]で表される構造のいずれか
Figure 2021080219

を表し、
は水素原子又はベンジル基を表す。)
で表される糖鎖であることを特徴とする、
糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(XX)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(I)〜(XIX)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
前記各糖鎖付加アミノ酸において、
前記式[4]で表される糖鎖中のR及びRが、同一に下記式[5−1]で表される構造
Figure 2021080219

であることを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(XXI)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(I)〜(XI)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
前記(XVI)に記載の態様との組み合わせである糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であり;
より好ましくは、前記(XVI)及び(XVII)に記載の態様との組み合わせである糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であり;
より好ましくは、前記(XVI)、(XVII)、及び(XVIII)に記載の態様との組み合わせである糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であり;
特に好ましくは、前記(XVI)、(XVII)、及び(XX)に記載の態様との組み合わせである糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
(XXII)本発明の糖鎖付加ポリペプチドの他の好ましい態様は、以下である:
前記(I)〜(XXI)のいずれか1つに記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
MMP2に対する阻害活性を有する
ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
本発明の化合物は、10個のアミノ酸からなるポリペプチドを基本骨格とし、さらに糖鎖が付加されており、必要に応じてカルボキシ基で置換されているアルキルカルボニル基が導入されている化合物であり、その製薬学的に許容される塩でも良い。
製薬学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような鉱酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩のようなスルホン酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、アスコルビン酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、リンゴ酸塩のような有機酸塩等の酸付加塩、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩、又は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のような無機塩若しくはアンモニウム塩、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩のような有機塩基との塩が挙げられる。なお、塩には、含水塩が含まれる。
本発明の化合物は、不斉中心を持つことがあり、その場合種々の光学異性体が存在する。したがって、本発明の化合物は、(R)及び(S)の別々の光学活性体として、及びラセミ体又は(RS)混合物として存在し得る。また、不斉中心を2個以上持つ化合物の場合には、さらにそれぞれの光学異性によるジアステレオマーも存在する。本発明の化合物は、これらすべての型を、任意の割合で含む混合物も含む。たとえば、ジアステレオマーは当業者によく知られた方法、たとえば分別結晶法等によって分離することができ、また、光学活性体はこの目的のためによく知られた有機化学的手法によって得ることができる。また、本発明の化合物には、cis体、trans体などの幾何異性体が存在することがある。さらに、本発明の化合物は、互変異性を有し、種々の互変異性体が存在する。本発明の化合物は、それらの異性体、及びそれらの異性体を任意の割合で含んだ混合物も含む。
さらに、本発明の化合物又はその塩が水和物又は溶媒和物を形成する場合、それらも本発明の化合物又はその塩の範囲内に含まれる。
「マトリックスメタロプロテアーゼ2(MMP2)」とは、亜鉛を活性中心に持つエンドペプチダーゼの1種である。
さて、前述のように、MMP2はコラーゲンやゼラチン等の細胞外マトリックスを分解することから、細胞浸潤・遊走や転移などに関与しており、癌疾患や臓器線維症等の病態に関与している。
したがって、MMP2を阻害することによって、癌疾患及び臓器線維症、並びに癌疾患及び臓器線維症に関連する症状を予防又は治療することができる。
本発明の化合物は、MMP2を阻害する作用を有する。よって、本発明の化合物は、MMP2阻害剤、又は癌疾患及び臓器線維症の予防薬又は治療薬の有効成分として用いることができる。
また、本発明の化合物は、癌疾患及び臓器線維症に関連する症状の予防薬又は治療薬の有効成分として用いることもできる。
ここで、「癌疾患」とは、乳癌、膵臓癌、膀胱癌、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、脳腫瘍、胃癌、肝細胞癌、頭頸部癌、メラノーマ、子宮癌、食道癌、腎細胞癌、肺癌、神経膠腫等が挙げられる。また、「癌疾患に関連する症状」としては、新生細胞増加や腫瘍増殖に伴う痛み、体重減少、腫瘍随伴症候群等が挙げられる。
ここで、「臓器線維症」とは、慢性腎臓病、間質性肺炎、特発性肺線維症等が挙げられる。また、「臓器線維症に関連する症状」としては、慢性腎臓病における蛋白尿や腎機能異常等、間質性肺炎及び特発性肺線維症における労作時呼吸困難や乾性咳嗽等が挙げられる。
なお、本発明の化合物のMMP2を阻害する作用を評価するには、例えば、後述の本明細書の試験例に記載した方法など、公知の手法に従って行うことができる。
本発明に係る医薬について、含有する本発明の化合物であるMMP2を阻害する作用を有する化合物又はその製薬学的に許容される塩は、単独に、又は薬学的或いは薬剤学的に許容される添加剤と共に投与することができる。
添加剤としては、常用の賦形剤又は希釈剤、そして、必要に応じて一般に使用される結合剤、崩壊剤、潤滑剤、被覆剤、糖衣剤、pH調整剤、溶解剤又は水性若しくは非水性溶媒を使用することができる。具体的には、水、乳糖、デキストロース、フラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、デンプン、コーンスターチ、ガム、ゼラチン、アルギネート、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルキルパラヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、寒天、ペクチン、アラビアゴム、グリセリン、ゴマ油、オリーブ油、大豆油カカオバター、エチレングリコール、低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)等やその他常用されるものを挙げることができる。
本発明に係る医薬は、固体組成物、液体組成物及びその他の組成物のいずれの形態でもよく、必要に応じて最適のものが選択される。
本発明に係る医薬は、本発明の化合物に、前述の添加剤を添加し、常用の製剤技術によって、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、散剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤等に調製する事ができる。
また、本発明に係る医薬は、本発明の化合物と、α、β若しくはγ−シクロデキストリン又はメチル化シクロデキストリン等とで包接化合物を形成させて製剤化することができる。
本発明に係る医薬は、本発明の化合物と併用可能な化合物について、単一の製剤(配合剤)、又は別々に製剤化して得られる2種以上の製剤(併用剤)とすることができる。
これらの化合物を別々に製剤化して2種以上の製剤とする場合には、個々の製剤を同時又は一定の時間間隔を空けて投与することが可能である。この場合、どちらを先に投与しても構わない。当該2種以上の製剤は、1日にそれぞれ異なる回数で投与することもできる。また、当該2種以上の製剤は、異なる経路で投与することもできる。
これらの化合物を別々に製剤化して2種の製剤とする場合は、同時に、又は極めて短い間隔で投与する場合もあり、例えば、市販されている医薬の添付文書や販売パンフレット等の文書に、それぞれを併用する旨を記載するのが好ましい。
また、これらの有効成分を別々に製剤化して2種の製剤からなるキットの形態とすることも好ましい。
本発明の化合物をMMP2阻害剤などとして使用する場合は、投与形態は特に制限されず、本発明の化合物をそのまま経口投与又は非経口投与することができる。また、本発明の化合物を有効成分として含む剤として経口投与又は非経口投与してもよい。
また、本発明の化合物を癌疾患及び臓器線維症、並びに癌疾患及び臓器線維症に関連する症状の予防又は改善剤などとして使用する場合も、本発明の化合物をそのまま経口投与又は非経口投与することができる。また、本発明の化合物を有効成分として含む剤として経口投与又は非経口投与してもよい。
ここで、非経口投与としては、静脈内投与、皮下投与、又は経皮投与するのが好ましい。
また、非経口投与する場合の剤型としては、注射剤、点滴用剤、埋め込み剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、貼付剤等が挙げられ、マイクロスフェア製剤であってもよい。
本発明の化合物の投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状などによっても異なるが、例えば、成人の患者に経口投与又は非経口投与する場合、通常1回量として0.1mg〜1000mg、好ましくは1mg〜200mgであり、この量を、1日に1回〜3回、又は2日〜3日に1回投与するのが望ましい。
本発明の化合物の製剤の製造例を以下に示す。
製剤例1
以下の成分を含有する顆粒剤を製造する。
成分:一般式[1]で表される化合物、乳糖、コーンスターチ、HPC−L。
一般式[1]で表される化合物と乳糖をふるいに通す。コーンスターチをふるいに通す。これらを混合機にて混合する。混合末にHPC−L水溶液を添加し、練合、造粒(押し出し造粒)した後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるいで篩過し顆粒剤を得る。
製剤例2
以下の成分を含有するカプセル充填用散剤を製造する。
成分:一般式[1]で表される化合物、乳糖、コーンスターチ、ステアリン酸マグネ
シウム。
一般式[1]で表される化合物と乳糖をふるいに通す。コーンスターチをふるいに通す。これらとステアリン酸マグネシウムを混合機にて混合し、散剤を得る。得られた散剤はカプセルに充填することができる。
製剤例3
以下の成分を含有するカプセル充填用顆粒剤を製造する。
成分:一般式[1]で表される化合物、乳糖、コーンスターチ、HPC−L。
一般式[1]で表される化合物と乳糖をふるいに通す。コーンスターチをふるいに通す。これらを混合機にて混合する。混合末にHPC−L水溶液を添加し、練合、造粒した後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるいで篩過し整粒し、顆粒を得る。得られた顆粒はカプセルに充填することができる。
製剤例4
以下の成分を含有する錠剤を製造する。
成分:一般式[1]で表される化合物、乳糖、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、CMC−Na。
一般式[1]で表される化合物と乳糖と微結晶セルロース、CMC−Naをふるいに通し、混合する。混合末にステアリン酸マグネシウムを添加し、製剤用混合末を得る。本混合末を直打し錠剤を得る。
製剤例5
以下の成分を含有する注射剤を製造する。
成分:一般式[1]で表される化合物、精製卵黄レシチン、オレイン酸、精製大豆油、グリセリン、注射用水。
一般式[1]で表される化合物と精製卵黄レシチンとオレイン酸を精製大豆油に加え、溶解後、グリセリンを混合した注射用水を添加し、乳化機により乳化した。これに注射用水を添加し、アンプルに分注、封入、滅菌して注射剤とした。

本発明の糖鎖付加ポリペプチドは、当業者に公知のペプチド合成方法に、糖鎖付加工程を組み込むことで製造することができる。糖鎖付加に際してはトランスグルタミナーゼに代表される、酵素を利用する方法も用いることができるが、この場合、付加する糖鎖が大量に必要になる、最終工程後の精製が煩雑になる、糖鎖の付加位置及び付加可能な糖鎖が制限される、等の問題がある。
本発明の糖鎖付加ポリペプチドの簡便な製造方法であって、かつ、糖鎖の構造が均一である糖鎖付加ポリペプチドの安定した製造方法の具体例として、以下、糖鎖付加アミノ酸として糖鎖付加アスパラギンを使用し、固相合成、液相合成等の公知のペプチド合成方法を適用することにより、APP−IPの任意のアミノ酸を糖鎖付加アスパラギンに置き換え、糖鎖付加ポリペプチドを製造する方法(後述のC法)を例示する。また、APP−IPの任意のアミノ酸をシステインで置き換えたポリペプチドを公知のペプチド合成方法に従って製造し、その後、該ポリペプチド中のシステインに化学合成により糖鎖を付加し、糖鎖付加ポリペプチドを製造する方法(後述のD法)を例示する。
これらの製造方法を参考に、当業者であれば様々な糖鎖付加ポリペプチドを製造することが可能である。得られる糖鎖付加ポリペプチド及びその製造方法は、特に医薬品製造の分野において、非常に有用である。
なお、これらのC法及びD法は、2つ以上を組み合わせて行うことも可能である。
また、「末端がカルボキシで置換されているC2−16アルキルカルボニル」をポリペプチドに導入する方法としては、アルカンジカルボン酸の一方のカルボキシ基を活性化し、アミノ酸側鎖のアミノ基、ポリペプチドの主鎖のN末端のアミノ基、又は分岐ポリペプチドの側鎖のN末端のアミノ基に脱水縮合することで導入可能である(後述のB法)。
前述のB法につき、C法又はD法を組み合わせることによって、又は両方を組み合わせることによって、糖鎖付加ポリペプチドであって、さらに「末端がカルボキシで置換されているC2−16アルキルカルボニル」によって置換されているポリペプチドを得ることができる。
なお、C末端のカルボキシがカルバモイルで置き換えられたポリペプチドは、例えば「アミノ基で官能化されたRink−Amide−PEGA樹脂」を用いることによって得ることができる。
また、C末端のカルボキシがピロリジンやプロリン等、窒素原子を含む飽和のヘテロシクリルカルボニルで置き換えられたポリペプチドは、樹脂から切り出したC末端がカルボキシであるポリペプチドに対して、液相合成で対応する窒素原子を含む飽和のヘテロ環を、常法に従って縮合(アミド結合)させることによって、得ることができる。
なお、C法は、国際公開第2004/005330号パンフレット(US2005222382)に、D法は、国際公開第2005/010053号パンフレット(US200706543)に、それぞれ記載されており、その開示は全体として本明細書に参照により組み込まれる。また、A法及びB法において用いられる糖鎖構造が均一な糖鎖の製造に関しては、国際公開第2003/008431号パンフレット(US2004181054)、国際公開第 2004/058984号パンフレット(US2006228784)、国際公開第 2004/058824号パンフレット( US2006009421)、国際公開第2004/ 070046号パンフレット(US2006205039)、国際公開第2007/011055号パンフレット等に記載されており、その開示は全体として本明細書に参照により組み込まれる。
さて、本発明の実施例等は模式図を参照しつつ説明される場合があるが、模式図である場合、説明を明確にするために、誇張されて表現されている場合がある。
例えば、化合物の構造を表す際、前述の式[7]で表される糖鎖(ジシアロ糖鎖)は単に「disialo」、前述の式[8]で表される糖鎖(ジベンジル−ジシアロ糖鎖)は単に「diBn−disialo」、前述の式[9]で表される糖鎖(7糖からなるジグルクナック糖鎖)は単に「diGlcNAc」と表記することもある。
ポリペプチドを製造する方法(A法)
通常、ポリペプチドは、例えば、以下に概略を示す固相合成によって製造することができる(スキーム1)。
スキーム1
Figure 2021080219

(スキーム1中、
H−AA−OHは、H−AA−OH〜H−AA10−OHで示されるアミノ酸を表し、
m1は、2〜10の整数を表し、
Mは、1〜9の整数を表す。)
(1) [工程1−1]
脂溶性保護基でアミノ基が保護されたアミノ酸のカルボキシ基を樹脂(レジン)へ結合させ、生成物[1−c]を得ることができる。この場合、アミノ酸のアミノ基を脂溶性保護基で保護しているので、アミノ酸同士の自己縮合は防止され、樹脂とアミノ酸とが反応して結合する。
(2) [工程1−2]
得られた生成物の脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる。
(3) [工程1−3]
この遊離アミノ基と、脂溶性保護基でアミノ基が保護された任意のアミノ酸のカルボキシ基とを、アミド化反応させる。
(4)
上記(2)及び(3)の工程を1回以上繰り返すことにより、任意の数の任意のアミノ酸が連結した、C末端に樹脂を結合し、N末端に脂溶性保護基で保護されたアミノ基を有するポリペプチド[1−e]を得ることができる。
(5) [工程1−4]
得られた生成物の脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる。
本工程は、工程1−2に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(6) [工程1−5]
この遊離アミノ基を、常法に従ってアセチル化する。
(7) [工程1−6]
最後に、酸を用いて樹脂との結合を切断することにより、所望のアミノ酸配列を有するポリペプチド[1−f]を得ることができる。
個のアミノ酸をN末端側にさらに含むポリペプチドは、A法によって、樹脂に、10個のアミノ酸を順次結合させた後、さらに「m個のアミノ酸」を同様の方法にて順次結合させ、樹脂から切り出すことによって得ることができる。
個のアミノ酸をC末端側にさらに含むポリペプチドは、H−AA−OHを樹脂に結合する前に、「m個のアミノ酸」を同様の方法にて順次結合させ、その後に10個のアミノ酸を順次結合させ、樹脂から切り出すことによって得ることができる。
個のアミノ酸をN末端側に、m個のアミノ酸をC末端側にさらに含むポリペプチドは、前述の方法を組み合わせることにより、得ることができる。
「末端がカルボキシで置換されているC2−16アルキルカルボニル」で置換されているポリペプチドを製造する方法(B−1法)
ポリペプチドのN末端が「末端がカルボキシで置換されているC2−16アルキルカルボニル」で置換されているポリペプチドは、例えば、化合物[1−e]を出発物質として、以下に概略を示す固相合成によって製造することができる(スキーム2)。

スキーム2
Figure 2021080219

(スキーム2中、
yは、2〜16の整数を表し、
H−AAm1−OH、及びm1は、前述の定義と同じである。)
(1) [工程2−1]
スキーム1に記載方法又はこれに準ずる方法に従って得ることができる、生成物[1−e]について、脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる。
本工程は、工程1−2に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(2) [工程2−2]
この遊離アミノ基と、アルカンジカルボン酸の1つのカルボン酸を活性エステルとした化合物[2−a]とを縮合する。
(3) [工程2−3]
最後に、酸を用いて樹脂との結合を切断することにより、所望のアミノ酸配列を有する「末端がカルボキシで置換されているC2−16アルキルカルボニル」で置換されているポリペプチド[2−c]を得ることができる。
本工程は、工程1−6に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
分岐ポリペプチドの側鎖のN末端が「末端がカルボキシで置換されているC2−16アルキルカルボニル」で置換されているポリペプチドを製造する方法(B−2法)
分岐ポリペプチドの側鎖のN末端が「末端がカルボキシで置換されているC2−16アルキルカルボニル」で置換されているポリペプチドは、例えば、化合物[1−e’]を出発物質として、以下に概略を示す固相合成によって製造することができる(スキーム3)。

スキーム3
Figure 2021080219
Figure 2021080219

(スキーム3中、
H−AAm2−OHは、存在しないか、H−AA−OH〜H−AA−OHで示されるアミノ酸を表し、
m2は、2〜8の整数を表し、
Linkerは、C1−4アルカンジイルを表し、
FGは、アミノ酸側鎖の官能基を表し、例えば、式−O−(式−OH)、式−S−(式−SH)、式−NH−(式−NH)、式−NH−C(=NH)−NH−(式−NH−C(=NH)−NH)、式−COO−(式−COOH)、式−CONH−(式−CONH)等を表し、
PGは、アミノ酸側鎖の官能基に対する保護基を表し、
H−AA’−OHは、H−AAm1−OHやH−AAm3−OHで示されるアミノ酸を表し、
H−AAm3−OHは、存在しないか、H−AA−OH〜H−AA−OHで示されるアミノ酸を表し、
m3は、3〜9の整数を表し、
M’は、1〜8の整数を表し、
H−AAm1−OH、及びm1は、前述の定義と同じである。)
(1) [工程3−1]
スキーム1に記載方法又はこれに準ずる方法に従って得ることができる、生成物[1−e’]について、そのN末端のアミノ基を保護する脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる。
本工程は、工程1−2に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(2) [工程3−2]
この遊離アミノ基と、保護基・PGによって側鎖の官能基が保護されたアミノ酸[3−a]のカルボキシ基とを、アミド化反応させる。
本工程は、工程1−3に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(3) [工程3−3]
得られた生成物[3−b]の脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる。 本工程は、工程1−2に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(4) [工程3−4]
この遊離アミノ基と、脂溶性保護基でアミノ基が保護された任意のアミノ酸[1−d’]のカルボキシ基とを、アミド化反応させる。
本工程は、工程1−3に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(5)
上記(3)及び(4)の工程を1回以上繰り返すことにより、任意の数の任意のアミノ酸が連結した、C末端に樹脂を結合し、N末端に脂溶性保護基で保護されたアミノ基を有するポリペプチド[3−c]が得ることができる。
(6) [工程3−5]
得られたポリペプチド[3−c]について、ポリペプチド主鎖のN末端のアミノ基を保護する脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる。
本工程は、工程1−2に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(7) [工程3−6]
ポリペプチド主鎖N末端のアミノ基をアセチル化する。
本工程は、工程1−5に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(8) [工程3−7]
側鎖に官能基を有するアミノ酸の、側鎖官能基の保護基・PGを選択的に脱保護する。
(9) [工程3−8]
側鎖に官能基を有するアミノ酸の側鎖官能基と、脂溶性保護基でアミノ基が保護されたアミノ酸[3−e]とを縮合することで、生成物[3−f]を得ることができる。
本工程は、工程1−3に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(10) [工程3−9]
得られた生成物の脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる。
本工程は、工程1−2に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(11) [工程3−10]
この遊離アミノ基と、脂溶性保護基でアミノ基が保護された任意のアミノ酸[1−d”]のカルボキシ基とを、アミド化反応させる。
本工程は、工程1−3に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(12)
必要であれば、上記(10)及び(11)の工程を1回以上繰り返すことにより、任意の数の任意のアミノ酸が連結した、末端に樹脂を結合し、他端に遊離アミノ基を有する分岐ポリペプチド[3−g]を得ることができる。
(13) [工程3−11]
得られた分岐ポリペプチド[3−g]の側鎖のN末端のアミノ基を保護する脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる。
本工程は、工程1−2に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(14) [工程3−12]
この遊離アミノ基と、アルカンジカルボン酸の1つのカルボン酸を、活性エステルとした化合物[2−a]と縮合する。
本工程は、工程2−2に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(15) [工程3−13]
最後に、酸を用いて樹脂との結合を切断することにより、所望のアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、分岐ポリペプチドの側鎖のN末端が「末端がカルボキシで置換されているC2−16アルキルカルボニル」で置換されているポリペプチド[3−i]を得ることができる。
本工程は、工程1−6に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
分岐ポリペプチド中の側鎖を形成するアミノ酸としては、Lys、HN−(CHCHO)−CHCH−COOH、HN−(CHCHO)−CH−COOH、HN−(CHCHO)−CH−COOH(Adоx)等が好ましい。
糖鎖付加ポリペプチドを製造する方法(C法)
糖鎖付加ポリペプチドは、例えば、以下に概略を示す糖鎖付加アスパラギンを用いた固相合成によって製造することができ(スキーム4)。

スキーム4
Figure 2021080219

(スキーム4中、
アミノ酸[4−a]は、アミノ基をFmocによって保護されていて、さらにジシアロ糖鎖(disialo)で置換されているアスパラギンを表し、
H−AAm1−OH、H−AAm2−OH、H−AAm3−OH、H−AA’−OH、m1、m2、及びm3は、前述の定義と同じである。
なお、アミノ酸[4−a]は、下記式[1−h’]で表される構造を有する。)
Figure 2021080219
(1) [工程4−1]
スキーム1に記載方法又はこれに準ずる方法に従って得ることができる、生成物[1−e’]について、N末端のアミノ基を保護する脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる。
本工程は、工程1−2に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(2) [工程4−2]
この遊離アミノ基と、アミノ基をFmocによって保護されていて、さらにジシアロ糖鎖(disialo)で置換されているアスパラギン[4−a]のカルボキシ基とを、アミド化反応させる。
本工程は、工程1−3に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(3) [工程4−3]
得られた生成物[4−b]の脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる。 本工程は、工程1−2に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(4) [工程4−4]
この遊離アミノ基と、脂溶性保護基でアミノ基が保護された任意のアミノ酸[1−d’]のカルボキシ基とを、アミド化反応させる。
(5)
上記(3)及び(4)の工程を1回以上繰り返すことにより、任意の数の任意のアミノ酸が連結した、C末端に樹脂を結合し、N末端に遊離アミノ基を有し、糖鎖で置換されているポリペプチド[4−c]を得ることができる。
(6) [工程4−5]
得られたポリペプチド[4−c]の脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる。
本工程は、工程1−2に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(7) [工程4−6]
この遊離アミノ基を、常法に従ってアセチル化する。
本工程は、工程1−5に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(8) [工程4−7]
そして、酸を用いて樹脂との結合を切断し、続いてシアル酸に結合したBn基を脱保護することにより、所望のアミノ酸配列を有するポリペプチド[4−d]を得ることができる。
また、(3)及び(4)の工程で、脂溶性保護基でアミノ基が保護されたアミノ酸[1−d’]の代わりに、脂溶性保護基でアミノ基が保護された糖鎖付加アスパラギンを用いれば、任意の2ヶ所以上に糖鎖が付加されたポリペプチドを得ることができる。
なお、アミノ酸[4−a]が、H−AA−OHやH−AAm1−OHで示されるアミノ酸に対して置き換わるポリペプチドについても、本方法に準じて所望のアミノ配列のポリペプチドを得ることができる。
また、アミノ酸[4−a]が、分岐ポリペプチドの側鎖を形成するアミノ酸に対して置き換わっているポリペプチドについても、本方法に準じて所望のアミノ配列のポリペプチドを得ることができる。
糖鎖付加ポリペプチドを製造する方法(D法)
糖鎖付加ポリペプチドは、一旦、置換されても良いポリペプチドを合成し、その後で合成したポリペプチド鎖へ糖鎖を付加する方法によっても製造することができる。具体的には、糖鎖を付加したい位置にシステインを含むポリペプチドを、固相合成法、液相合成法により合成して得ることによって製造することができる(スキーム5)。

スキーム5
Figure 2021080219

(スキーム5中、
PGは、チオール基に対する保護基を表し、
アミノ酸[5−a]は、アミノ基をFmocによって保護されていて、さらにチオール基をPGによって保護されているシステインを表し、
は0〜5の整数を表し、
LGは脱離基を表し、
H−AAm1−OH、H−AAm2−OH、H−AAm3−OH、H−AA’−OH、m1、m2、m3、及びdisialoは、前述の定義と同じである。)
(1) [工程5−1]
スキーム1に記載方法又はこれに準ずる方法に従って得ることができる、生成物[1−e’]について、そのN末端のアミノ基を保護する脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる。
本工程は、工程1−2に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(2) [工程5−2]
この遊離アミノ基と、保護基・PGによってチオール基が保護されたシステイン[5−a]のカルボキシ基とを、アミド化反応させる。
本工程は、工程1−3に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(3) [工程5−3]
得られた生成物[5−b]の脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる。 本工程は、工程1−2に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(4) [工程5−4]
この遊離アミノ基と、脂溶性保護基でアミノ基が保護された任意のアミノ酸[1−d’]のカルボキシ基とを、アミド化反応させる。
本工程は、工程1−3に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(5)
上記(3)及び(4)の工程を1回以上繰り返すことにより、任意の数の任意のアミノ酸が連結した、C末端に樹脂を結合し、N末端に脂溶性保護基で保護されたアミノ基を有するポリペプチド[5−c]が得ることができる。
(6) [工程5−5]
得られたポリペプチド[5−c]について、システインの側鎖のチオール基の保護基・PGを選択的に脱保護する。
(7) [工程5−6]
この遊離チオール基に、disialoで置換されている化合物[5−d]を付加させ、任意の数の任意のアミノ酸が連結した、C末端に樹脂を結合し、N末端に脂溶性保護基で保護されたアミノ基を有し、糖鎖で置換されているポリペプチド[5−e]を得ることができる。
(8) [工程5−7]
得られたポリペプチド[5−e]の脂溶性保護基を脱離して遊離アミノ基を形成させる。
本工程は、工程1−2に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(9) [工程5−8]
この遊離アミノ基を、常法に従ってアセチル化する。
本工程は、工程1−5に記載した方法又はこれに準ずる方法により、行うことができる。
(10) [工程5−9]
最後に、酸を用いて樹脂との結合を切断することにより、所望のアミノ酸配列を有するポリペプチド[5−f]を得ることができる。
なお、アミノ酸[5−a]が、H−AA−OHやH−AAm1−OHで示されるアミノ酸に対して置き換わるポリペプチドについても、本方法に準じて所望のアミノ配列のポリペプチドを得ることができる。
また、アミノ酸[5−a]が、分岐ポリペプチドの側鎖を形成するアミノ酸に対して置き換わるポリペプチドについても、本方法に準じて所望のアミノ配列のポリペプチドを得ることができる。
樹脂(レジン)としては、通常、固相合成で使用する樹脂であればよく、例えば、塩素原子で官能化された2−クロロトリチルクロリド樹脂(メルク社製)や、アミノ基で官能化されたAmino−PEGA樹脂(メルク社製)、水酸基を有するNovaSyn TGTアルコール樹脂(メルク社製)、Wang樹脂(メルク社製)、HMPA−PEGA樹脂(メルク社製)等を用いることができる。
また、Amino−PEGA樹脂については、該樹脂とアミノ酸との間にリンカーを存在させてもよく、このようなリンカーとして、例えば、4−ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸(HMPA)、4−(4−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェノキシ)−ブチル酢酸(HMPB)等を挙げることができる。
C末端のアミノ酸が樹脂にあらかじめ結合したH−Cys(Trt)−Trityl NovaPEG樹脂(メルク社製)等も用いることができる。
また、C末端をアミド化する場合には、例えば、アミノ基で官能化されたRink−Amide−PEGA樹脂(メルク社製)を用いることが好ましい。この樹脂とポリペプチドとの結合を酸によって切断することにより、ポリペプチドのC末端アミノ酸をアミド化することができる。
樹脂と脂溶性保護基でアミノ基が保護されたアミノ酸との結合は、例えば、水酸基を有する樹脂や塩素原子で官能化された樹脂を使用するには、アミノ酸のカルボキシ基を樹脂へエステル結合させる。また、アミノ基で官能化された樹脂を使用する場合には、アミノ酸のカルボキシ基を樹脂にアミド結合により結合させる。
なお、2−クロロトリチルクロリド樹脂は、固相合成においてポリペプチド鎖を伸長する際、末端にあるシステインのラセミ化を防止することができる点において、好ましい。
アミノ酸としては全てのアミノ酸を用いることができ、例えば、天然アミノ酸である、L−セリン(Ser)、L−アスパラギン(Asn)、L−バリン(Val)、L−ロイシン(Leu)、L−イソロイシン(Ile)、L−アラニン(Ala)、L−チロシン(Tyr)、L−グリシン(Gly)、L−リジン(Lys)、L−アルギニン(Arg)、L−ヒスチジン(His)、L−アスパラギン酸(Asp)、L−グルタミン酸(Glu)、L−グルタミン(Gln)、L−スレオニン(Thr)、L−システイン(Cys)、L−メチオニン(Met)、L−フェニルアラニン(Phe)、L−トリプトファン(Trp)、L−プロリン(Pro)を挙げることができる。
また、上記天然アミノ酸のD体を使用することもできる。
非天然アミノ酸としては、例えば、β−ホモプロリン(β−Hep又はβ−homoPro)、ホモセリン(Hse又はhomoSer)、ホモシステイン(Hcy又はhomoCys)、2−アミノイソ酪酸(Aib)を挙げることができる。
脂溶性保護基としては、例えば、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)基、ベンジル基、アリル基、アリルオキシカルボニル基、アセチル基等の、カーボネート系又はアミド系の保護基等を挙げることができる。アミノ酸に脂溶性保護基を導入するには、例えば、Fmoc基を導入する場合には9−フルオレニルメチル−N−スクシニジルカーボネートと炭酸水素ナトリウムを加えて反応を行うことにより導入できる。反応は0〜50℃、好ましくは室温で、約1〜5時間程度行うのが良い。
脂溶性保護基で保護したアミノ酸としては、市販のものも使用することができる。例えば、Fmoc−Ser−OH、Fmoc−Asn−OH、Fmoc−Val−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Tyr−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Lys−OH、Fmoc−Arg−OH、Fmoc−His−OH、Fmoc−Asp−OH、Fmoc−Glu−OH、Fmoc−Gln−OH、Fmoc−Thr−OH、Fmoc−Cys−OH、Fmoc−Met−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Trp−OH、Fmoc−Pro−OHを挙げることができる。
また、脂溶性保護基で保護したアミノ酸であって、側鎖に保護基を導入したものとして、例えば、Fmoc−Arg(Pbf)−OH、Fmoc−Asn(Trt)−OH、Fmoc−Asp(OtBu)−OH、Fmoc−Cys(Acm)−OH、Fmoc−Cys(StBu)−OH、Fmoc−Cys(tBu)−OH、Fmoc−Cys(Trt)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Glu(Trt)−OH、Fmoc−His(Trt)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Thr(tBu)−OH、Fmoc−Trp(Boc)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OHを挙げることができる。
2−クロロトリチルクロリド樹脂を用いる場合、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、トリエチルアミン、ピリジン、2,4,6−コリジン等の塩基を用いることでエステル化を行うことができる。また、水酸基を有する樹脂を用いる場合、エステル化触媒として、例えば、1−(メシチレン−2−スルホニル)−3−ニトロ−1,2,4,−トリアゾール(MSNT)、ジシクロへキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)等の公知の脱水縮合剤を用いることができる。アミノ酸と脱水縮合剤との使用割合は、前者1当量に対して、後者が、通常1〜10当量、好ましくは2〜5当量である。
エステル化反応は、例えば、固相カラムに樹脂を入れ、この樹脂を溶剤で洗浄し、その後アミノ酸の溶液を加えることにより行うのが好ましい。洗浄用容剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、2−プロパノール、ジクロロメタン等を挙げることができる。アミノ酸を溶解する溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、DMF、ジクロロメタン等を挙げることができる。エステル化反応は0〜50℃、好ましくは室温で、約10分〜30時間程度、好ましくは15分〜24時間程度行うのが良い。
この時固相上の未反応の水酸基を、無水酢酸等を用いてアセチル化してキャッピングすることも好ましい。
脂溶性保護基の脱離は、例えば、塩基で処理することにより行うことができる。塩基としては、例えば、ピペリジン、モルホリン等を挙げることができる。その際、溶媒の存在下で行うのが好ましい。溶媒としては、例えば、DMSO、DMF、メタノール等を挙げることができる。
遊離アミノ基と、脂溶性保護基でアミノ基が保護された任意のアミノ酸のカルボキシ基とのアミド化反応は、活性化剤及び溶媒の存在下行うのが好ましい。
活性化剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(ジメチルアミノフロピル)カルボジイミド・塩酸塩(WSC/HCl)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジエチルシアノホスホネート(DEPC)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス ピロリジノホスホニウム(DIPCI)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)、ヒドロキシフタルイミド(HOPht)、ペンタフルオロフェノ−ル(Pfp−OH)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3,−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−5−クロロ−1H−ベンソトリアゾリウム 3−オキド ヘキサフルオロホスフェート(HCTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスホネート(HATU)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロジ−4−オキサ−1,2,3−ベンゾトリアジン(Dhbt)等を挙げることができる。
活性化剤の使用量は、脂溶性の保護基でアミノ基が保護された任意のアミノ酸に対して、1〜20当量、好ましくは1〜10当量、さらに好ましくは、1〜5当量とするのが好ましい。
溶媒としては、例えばDMSO、DMF、ジクロロメタン等を挙げることができる。反応は0〜 50℃、好ましくは室温で、約10分〜30時間程度、好ましくは15分〜24時間程度行うのが良い。脂溶性保護基の脱離は、上記と同様に行うことができる。
樹脂からポリペプチド鎖を切断するには酸で処理するのが好ましい酸としては、例えばトリフルオロ酢酸(TFA)、フッ化水素(HF)等を挙げることができる。
このようにして、所望の位置を糖鎖付加アスパラギンで置き換えた糖鎖付加ポリペプチドを得ることができる。
なお、本発明の一実施態様において、固相合成に用いる糖鎖付加アスパラギンにおける糖鎖上の非還元末端にシアル酸を含む場合には、酸処理によりシアル酸が切断されるのを防ぐために、当該シアル酸のカルボキシ基を、保護基により保護していることが好ましい。保護基としては、例えば、ベンジル基、アリル基、ジフェニルメチル基等を挙げることができる。保護基の導入及び保護基の脱離の方法は、公知の方法により行うことができる。また、保護基の脱離は、固相合成により製造された糖鎖付加ポリペプチドを樹脂から切断した後に行うことが好ましい。
また、糖鎖付加ポリペプチド中の複数個のシステインに、異なる糖鎖を付加する場合には、例えば、最初に糖鎖を導入するシステインを無保護とし、次に異なる糖鎖を導入するシステインを、StBu等により保護しておくことで、異なる糖鎖を導入することができる。
具体的には、固相合成等によりポリペプチドを合成する際、第一の糖鎖を導入したいシステインを無保護とし、かつ、第二の糖鎖を導入したいシステインを、例えば、Fmoc−Cys(StBu)−OH等を用いて、保護基を有するシステインとする。その後、StBu等の保護基を保持したまま、無保護のシステインへ糖鎖を導入する。次に、StBu基等を脱保護することで、無保護となったシステインへ異なる糖鎖を導入することができる。なお、第一の糖鎖を導入したいシステイン及び第二の糖鎖を導入したいシステインは、1つ又は複数個とすることができる。
なお、StBu基の脱保護は、トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)、ジチオトレイト―ル(DTT)、トリブチルホスフィン等の還元剤を用いて反応させることにより脱保護することができる。上記反応は、通常0〜80℃、好ましくは5〜60℃、より好ましくは10〜35℃で行うのが良い。反応時聞は、好ましくは、通常30分〜5時間程度である。反応終了後は、適宜、公知の方法(例えば、高速液体カラムクロマトグラフィー(HPLC))で精製するのが良い。
異なる糖鎖を導入する際には、システインの脱保護工程における還元条件やHPLC等の精製工程における酸性条件に対して、より安定な糖鎖から導入することが好ましい。特に、シアル酸含有糖鎖を導入する際には、シアル酸を有さない糖鎖又はシアル酸残基数が少ない糖鎖から、先に導入することが好ましい。
次に、糖鎖で置換されている化合物[5−d]を、上記で得た無保護のシステインを含むポリペプチドと反応させることにより、糖鎖を無保護のシステインのチオール基と反応させ、ポリペプチドに結合させる。上記反応は、リン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液、クエン酸緩衝液、又はこれらの混合溶液中において、通常0〜80℃、好ましくは10〜60℃、より好ましくは15〜35℃で行うのが良い。反応時聞は、通常10〜24時間、好ましくは通常30分〜5時間程度である。反応終了後は、適宜、公知の方法(例えば、HPLC)で精製するのが良い。
具体的には、糖鎖で置換されている化合物[5−d]とシステイン含有ポリペプチドとをリン酸緩衝液中、室温で反応させる。反応終了後、HPLCで精製することにより糖鎖付加システインで置換した糖鎖付加ポリペプチドを得ることができる。
また、DMSO、DMF、メタノール、アセトニトリルといった有機溶媒と、上記の緩衝液との混合溶液中で反応を行うこともできる。このとき、有機溶媒の比率は、0〜99%(v/v)の範囲で、上記緩衝液に添加することができる。緩衝液への溶解性が低い無保護のシステインを含むポリペプチドは、このような有機溶媒を添加することにより反応溶液への溶解性を向上させることができ、好ましい。
また、DMSO、DMF、メタノール、アセトニトリルといった有機溶媒や、それらの混合溶液中で反応を行うこともできる。その際、塩基の存在下で行うのが好ましい。塩基としては、例えば、DIPEA、トリエチルアミン、ピリジン、2,4,6−コリジン等を挙げることができる。
また、グアニジン塩酸塩や尿素を緩衝溶液に加えた混合溶液中においても反応を行うことができる。なお、グアニジン塩酸塩や尿素は、最終濃度が1M〜8Mとなるように上記緩衝液に加えることができる。グアニジン塩酸塩や尿素の添加によっても、緩衝液への溶解性の低いポリペプチドの溶解性を向上させることができ、好ましい。
さらに、無保護のシステインを含むポリペプチドが、ジスルフィド結合を介した2量体を形成することを防止するために、TCEPやDTTを緩衝液に添加して反応させることもできる。TCEPやDTTは、最終濃度が10μM〜10mMとなるように緩衝液に加えることができる。
また、糖鎖を目的のシステインへ結合させた後、Acm等で保護されたシステインへの保護基を脱保護する。保護基がAcm基である場合は、水、メタノール、酢酸、又はこれらの混合溶液中において、ヨウ素、酢酸水銀(II)、硝酸銀(I)、又は、酢酸銀(I)等を用いて反応させることにより脱保護することができる。
上記反応は、通常0〜80℃、好ましくは5〜60℃、より好ましくは10〜35℃で行うのが良い。反応時聞は、好ましくは、通常5分〜24時間程度である。反応終了後は、DTTや塩酸等により処理した後、適宜、公知の方法(例えば、HPLC)で精製するのが良い。
このようにして、所望の位置を糖鎖付加システインで置換した糖鎖付加ポリペプチドを得ることができる。
本発明は、以下の実施例、及び試験例によってさらに詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
MS(マススペクトル)は以下の装置にて測定した。
PlatformLC (Waters)
LCMS−2010EV (Shimadzu)
LCMS−IT−TOF (Shimadzu)
Agilent6130 (Agilent)
Agilent6150 (Agilent)
イオン化法としては、ESI(Electrospray Ionization、エレクトロスプレーイオン化)法、EI(Electron Ionization、電子イオン化法)、又は、ESI及びAPCI(Atmospheric Pressure Chemical Ionization、大気圧化学イオン化)法とのデュアルイオン化法を用いた。データは実測値(found)を記載した。通常、分子イオンピークが観測されるが、tert−ブトキシカルボニル(−Boc)を有する化合物の場合、フラグメントイオンとして、tert−ブトキシカルボニルあるいはtert−ブチルが脱離したピークが観測されることもある。また、テトラヒドロピラニル(THP)を有する化合物の場合、フラグメントイオンとして、テトラヒドロピラニルが脱離したピークが観測されることもある。また、ヒドロキシ(−OH)を有する化合物の場合、フラグメントピークとしてHOが脱離したピークが観測されることもある。塩の場合は、通常、フリー体の分子イオンピークもしくはフラグメントイオンピークが観測される。
実施例におけるLC−MSは以下の条件により測定した。
HPLC:Agilent 1290 Infinity
MS:Agilent 6130 又は 6150

[HPLC条件]
カラム:Acquity UPLC CSH C18、1.7μm、2.1x×50mm(WATERS)
溶媒:A液;0.1%ギ酸含有水、B液;0.1%ギ酸含有アセトニトリル

(方法A)
グラジエント:0.00分(A液/B液=80/20)、1.20分(A液/B液=1/99)、1.40分(A液/B液=1/99)、1.41分(A液/B液=80/20)、1.50分(A液/B液=80/20)
(方法B)
グラジエント:0.00分(A液/B液=95/5)、0.80分(A液/B液=60/40)、1.08分(A液/B液=1/99)、1.38分(A液/B液=1/99)、1.41分(A液/B液=95/5)、1.50分(A液/B液=80/20)
(方法C)
グラジエント:0.00分(A液/B液=70/30)、0.80分(A液/B液=1/99)、1.40分(A液/B液=1/99)、1.42分(A液/B液=70/30)、1.50分(A液/B液=70/30)

注入量:0.5μL、流速:0.8mL/min
検出法:UV210nm、254nm
ELSDが付属する場合 Agilent 385−ELSD
MS条件
イオン化法:ESI 又は ESI/APCIマルチモード

実施例1
Figure 2021080219

(実施例1-1)ペプチド合成
固相合成用カラムにFmoc-NH-SAL樹脂(100 μmol)を取り、DMFで洗浄後、Prelude(商標)ペプチド合成機を用いて、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、樹脂に結合した状態にある保護されたペプチドFmoc-Ile-Ser(tBu)-Tyr(tBu)-(D-Cys(Trt))-Asn(Trt)-Asp(OtBu)-Ala-Leu-Met-Pro-樹脂を合成した。縮合反応は、縮合剤としてHCTUを使用してDMF中で行った。縮合後、Fmoc保護基を、DMF中の20%のピペリジンで処理することにより除去した。その後、DMF:ピリジン:無水酢酸=16:4:1を加え、室温で1時間振盪することによりN末端をアセチル化した。DMF及びジクロロメタンで洗浄後、TFA:水:トリイソプロピルシラン:エタンジチオール(=90:2.5:5:2.5)を加え、3時間室温で振盪した。これにより、アミノ酸側鎖の保護基を脱離させるとともに、ペプチドと樹脂とを切り離した。樹脂をろ過して除き、ろ液に冷却したジエチルエーテルを加え、無保護のCysを持つ粗ペプチド(110.0 mg)を沈殿として得た。

(実施例1-2)糖鎖修飾反応
実施例1-1に記載の方法で得られた粗ペプチド(25.0 mg, 22.2 μmol)と下記式[10]で表される化合物「Disialo-AcBr」(52.0 mg, 22.2 μmol)を22 mMリン酸緩衝液(5.9 mL)に溶解し、室温で4時間反応させた。反応溶液をHPLC[カラム: SHISEIDO CAPCELL PAK C18 UG-120(5 μm)、φ20x250 mm、流速:7.0 mL/分、展開溶媒 A: 0.1%TFA水 B: 0.09%TFA/10%水/90%アセトニトリル、グラジエント: A:B=79:21→75:25 24分、直線濃度勾配溶出]を用いて精製し、前述の式[I−1]で表される化合物を含むフラクションを得た。得られたフラクションを凍結乾燥後、超純水に溶解しHPLC[カラム: SHISEIDO CAPCELL PAK C18 UG-120(5 μm)、φ20x250 mm、流速:7.0 mL/分、展開溶媒 A:10 mM 酢酸アンモニウム水 B: 10 mM 酢酸アンモニウムを含む10%水/90%アセトニトリル、グラジエント: A:B=85:15→70:30 30分、直線濃度勾配溶出]を用いて精製した後、凍結乾燥を行い、前述の式[I−1]で表される化合物(39.0 mg, 11.4 μmol, 収率51%)を得た。
ESI-MS: (m/z) calcd for C136H217N19O78S2: [M+2H]2+ 1715.7, [M+3H]3+ 1144.1, [M+4H]4+ 853.3; found: 1716.2, 1144.1, 858.4.
Figure 2021080219

実施例2
Figure 2021080219

(実施例2-1)シアル酸のカルボキシル基がベンジルエステル化された糖ペプチドの合成
固相合成用カラムにRink Amide PEGA樹脂(100 μmol)を取り、DMFで洗浄後、Prelude(商標)ペプチド合成機を用いて、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、樹脂に結合した状態にある保護されたペプチドFmoc-Asp(OtBu)-Ala-Leu-Met-Pro-樹脂を合成した。縮合反応は、縮合剤としてHCTUを使用してDMF中で行った。Fmoc保護基を、DMF中の20%のピペリジンで処理することにより除去した後、DMFで洗浄した。この樹脂に、下記式[12]で表される化合物「diBn-Disialo-Asn-Fmoc」(411 mg, 150 μmol)のDMF/DMSO(1:1、3.3 mL)溶液を加え、TBTUを縮合剤に用いて終夜縮合反応を行った。DMFで洗浄後、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、樹脂に結合した状態にある保護されたペプチドを合成した。糖鎖縮合後の縮合反応は、縮合剤としてDICを使用してDMF中で行った。縮合後、樹脂をDMF及びジクロロメタンで洗浄し、TFA:水:トリイソプロピルシラン:エタンジチオール(=90:2.5:5:2.5)を加え、室温で3時間振盪した。樹脂をろ過して除き、ろ液に冷却したジエチルエーテルを加え、粗ペプチド(166 mg, 47.3 μmol)を沈殿として得た。得られた粗ペプチドの一部を水に溶解しHPLC[カラム: SHISEIDO CAPCELL PAK C18 UG-120(5 μm)、φ20x250 mm、流速:7.0 mL/分、展開溶媒 A:0.1%TFA水 B:0.09%TFA/10%水/90%アセトニトリル、グラジエント: A:B=75:25→65:35 20分、直線濃度勾配溶出]を用いて精製し、シアル酸のカルボキシル基がベンジルエステル化された糖ペプチド(72.9 mg, 20.8 μmol)を得た。
Figure 2021080219

(実施例2-2)Bn基の脱保護
上記2.1.に記載の方法で得られた糖ペプチド(72.9 mg, 20.8 μmol)を超純水 (5.0 mL)に溶解させ、氷冷した。100 mMの水酸化ナトリウム水溶液(5.0 mL)を添加後、氷冷下、60分間反応させた。反応後、200 mMの酢酸水溶液(4.0 mL)で反応溶液を中和し、この溶液をHPLC[カラム: SHISEIDO CAPCELL PAK C18 UG-120(5 μm)、φ20x250 mm、流速:7.0 mL/分、展開溶媒 A: 10 mM 酢酸アンモニウム水 B: 10 mM 酢酸アンモニウムを含む10%水/90%アセトニトリル、グラジエント: A:B=87:13→80:20 20分 、直線濃度勾配溶出]を用いて精製した。目的物を含むフラクションを凍結乾燥した後、凍結乾燥粉末を超純水(5.0 mL)に溶解し、透析膜(spectra/por7 pre-treated RC Tubing MWCO: 1 kDa)を用いて、24時間水に対して透析を行った。透析膜内液を凍結乾燥し、前述の式[I−2]で表される化合物(41.2 mg, 12.4 μmol, 収率60%)を得た。
ESI-MS: (m/z) calcd for C133H212N18O77S: [M+2H]2+ 1664.2, [M+3H]3+ 1109.8, [M+4H]4+ 832.6; found: 1664.7, 1109.8, 832.6.

実施例3
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−3]で表される化合物(75.6 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C227H364N28O142S3: [M+3H]3+ 1951.7, [M+4H]4+ 1464.0, [M+5H]5+ 1171.4; found: 1952.1, 1464.3, 1171.7.

実施例4
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−4]で表される化合物(158.3 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C314H505N35O204S4: [M+4H]4+ 2041.2, [M+5H]5+ 1633.2, [M+6H]6+ 1361.2; found: 2041.6, 1633.5, 1361.4.

実施例5
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−5]で表される化合物(80.3 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C136H214N18O77S2: [M+2H]2+ 1687.1, [M+3H]3+ 1125.1; found: 1687.1, 1125.0.

実施例6
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−6]で表される化合物(120.8 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C227H364N28O142S3: [M+3H]3+ 1951.7, [M+4H]4+ 1464.0, [M+5H]5+ 1171.4; found: 1952.0, 1464.0, 1171.6.

実施例7
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−7]で表される化合物(103.7 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C227H364N28O142S3: [M+3H]3+ 1951.7, [M+4H]4+ 1464.0, [M+5H]5+ 1171.4; found: 1952.1, 1464.3, 1171.6.

実施例8
Figure 2021080219

固相合成用カラムにWang樹脂(100 μmol)を取り、Fmoc-Aib-OH(162 mg, 0.50 mmol),MSNTを縮合剤に用いて結合させた。この後、(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。次いで(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−8]で表される化合物(52.0 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C142H226N20O81S2: [M+2H]2+ 1787.2, [M+3H]3+ 1191.8, [M+4H]4+ 894.1; found: 1787.7, 1191.8, 894.3.

実施例9
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−9]で表される化合物(56.4 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C142H227N21O80S2: [M+2H]2+ 1786.7, [M+3H]3+ 1191.5, [M+4H]4+ 893.9; found: 1787.2, 1191.4, 894.1.

実施例10
Figure 2021080219

固相合成用カラムに2−クロロトリチルクロリド樹脂(200 μmol)を取り、Fmoc-Cys(Trt)-OH(136 mg, 0.24 mmol)をDIPEA存在下で結合させた。この後、(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。次いで(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−10]で表される化合物(59.5 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C142H226N20O81S2: [M+2H]2+ 1787.2, [M+3H]3+ 1191.8, [M+4H]4+ 894.1; found: 1787.7, 1191.8, 894.3.

実施例11
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−11]で表される化合物(58.0 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C142H227N21O80S2: [M+2H]2+ 1786.7, [M+3H]3+ 1191.5, [M+4H]4+ 893.9; found: 1787.2, 1191.5, 893.8.

実施例12
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−12]で表される化合物(171 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C403H650N42O267S5: [M-4H]4- 2627.4, [M-5H]5- 2101.7; found: 2627.8, 2102.0.

実施例13
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−13]で表される化合物(160.3 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C403H650N42O267S5: [M-4H]4- 2627.4, [M-5H]5- 2101.7; found: 2627.8, 2102.0.

実施例14
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−14]で表される化合物(167 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C492H794N50O330S6: [M-4H]4- 3218.9, [M-5H]5- 2574.9, [M-6H]6- 2145.6, [M-7H]7- 1838.9; found: 3219.5, 2575.2, 2145.8, 1839.1.

実施例15
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−15]で表される化合物(143 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C318H512N36O206S4: [M-3H]3- 2753.0, [M-4H]4- 2064.5, [M-5H]5- 1651.4, [M-6H]6- 1376.0; found: 2753.4, 2064.8, 1651.5, 1376.4.

実施例17
Figure 2021080219

実施例4に記載の方法で得られた無保護のCysを持つペプチド(36.5 mg, 26.6 μmol)と、下記式[12]で表されるDiBn-Disialo-AcBr(129 mg, 51.1 μmol)を65 mMリン酸緩衝液-DMSO(63/37,v/v)混合液(14 mL)に溶解し、室温で3時間反応させた。反応溶液をHPLC[カラム: SHISEIDO CAPCELL PAK C18 UG-120(5 μm)、φ20x250 mm、流速:7.0 mL/分、展開溶媒 A:0.1%TFA水 B:0.09%TFA/10%水/90%アセトニトリル、グラジエント: A:B=74:26→65:35 15分、直線濃度勾配溶出]を用いて精製し、前述の式[I−17]で表される化合物を含むフラクションを得た。このフラクションを凍結乾燥後、10 mM 酢酸アンモニウム水(10 mL)に溶解しHPLC[カラム: SHISEIDO CAPCELL PAK C18 UG-120(5 μm)、φ20x250 mm、流速:7.0 mL/分、展開溶媒 A:10mM 酢酸アンモニウム水 B: 10mM 酢酸アンモニウム水/90%アセトニトリル、グラジエント A:B=74:26→65:35 15分、直線濃度勾配溶出]を用いて精製した後、減圧下濃縮を行った。濃縮液を透析膜(spectra/por dialysis-membrane MWCO:1 kDa)を用いて24時間水に対して透析を行った。透析膜内液を凍結乾燥し、前述の式[I−17]で表される化合物(110 mg,12.6 μmol,収率47%)を得た。
Figure 2021080219

ESI-MS: (m/z) calcd for C356H541N35O204S5: [M+3H]3+ 2901.4, [M+4H]4+ 2176.3,[M+5H]5+ 1741.2,[M+6H]6+ 1451.2; found: 2901.0, 2176.2, 1741.2,1451.1.

実施例18
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。DiBn-Disialo-AcBrの代わりに下記式[13]で表されるDiGlcNAc-BrAcを用いたこと以外は、実施例17と同様の方法で糖鎖修飾を行い、前述の式[I−18]で表される化合物(118 mg)を合成した。
Figure 2021080219

ESI-MS: (m/z) calcd for C267H433N35O163S5: [M+3H]3+ 2300.8, [M+4H]4+ 1725.9,[M+5H]5+ 1380.9; found: 2300.8, 1725.7, 1381.0.

実施例19
Figure 2021080219

DiGlcNAc-BrAcの代わりにDiBn-Disialo-AcBrを用いたこと以外は実施例18と同様にして、前述の式[I−19]で表される化合物(109 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C356H541N35O204S4: [M+4H]4+ 2813.8,[M+5H]5+ 2250.6,[M+6H]6+ 1875.7,[M+7H]7+ 1607.9; found: 2813.9, 2250.9, 1876.1,1608.3.

実施例20
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−20]で表される化合物(94.8 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C350H577N59O210S4: [M+4H]4+ 2275.4,[M+5H]5+ 1820.5,[M+6H]6+ 1517.3,[M+7H]7+ 1300.6; found: 2276.0, 1820.9, 1517.5,1300.7.

実施例21
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−21]で表される化合物(104.9 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C350H577N47O210S4: [M+4H]4+ 2233.4,[M+5H]5+ 1786.9,[M+6H]6+ 1489.3,[M+7H]7+ 1276.6; found: 2234.0, 1787.2, 1489.6,1276.8.

実施例22
Figure 2021080219

(実施例1-1)と同様にFmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例1-2)と同様に、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−22]で表される化合物(45.8 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C350H577N47O210S4: [M+4H]4+ 2233.4,[M+5H]5+ 1786.9,[M+6H]6+ 1489.3,[M+7H]7+ 1276.6; found: 2233.8, 1787.2, 1489.6,1277.0.

実施例23
Figure 2021080219

(実施例23-1)ペプチド合成
固相合成用カラムにRink Amide PEGA樹脂(100 μmol)を取り、DMFで洗浄後、Prelude(商標)ペプチド合成機を用いて、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、樹脂に結合した状態にある保護されたペプチドFmoc-γGlu(OtBu)-Ile-Ser(OtBu)-Tyr(tBu)-Gly-Asn(Trt)-Asp(OtBu)-Ala-Leu-Met-Pro-Cys(Trt)-Rink Amide PEGA樹脂を合成した。縮合反応は、縮合剤としてHCTUを使用してDMF中で行った。縮合後、Fmoc保護基を、DMF中の20%のピペリジンで処理することにより除去した。得られた樹脂に、Sebacic Acid(101.1 mg, 0.50 mmol)、HCTU(196.5 mg, 0.48 mmol)及びDIPEA(130.6 μL、0.75 mmol)のDMF溶液(3.1 mL)を加え10分間振盪した。DMF及びジクロロメタンで洗浄後、TFA:水:トリイソプロピルシラン:エタンジチオール(=90:2.5:5:2.5)を加え、室温で3時間振盪した。樹脂をろ過して除き、ろ液に冷却したジエチルエーテルを加え、無保護のCysを持つ粗ペプチド(99.4 mg, 66.4 μmol)を沈殿として得た。

(実施例23-2)糖鎖修飾反応
(実施例23-1)に記載の方法で得られた粗ペプチド(90.0 mg, 60.2 μmol)とDisialo-AcBr(212 mg,90.3 μmol)を33 mMリン酸緩衝液(15.8 mL)に溶解し、室温で2時間反応させた。反応溶液をHPLC[カラム: SHISEIDO CAPCELL PAK C18 UG-120(5 μm)、φ20x250 mm、流速:7.0 mL/分、展開溶媒 A:0.1%TFA水 B:0.09%TFA/10%水/90%アセトニトリル、グラジエント: A:B=75:25→60:40 20分、直線濃度勾配溶出]を用いて精製し、前述の式[I−23]で表される化合物を含むフラクションを得た。このフラクションを凍結乾燥後、10 mM 酢酸アンモニウム水(10 mL)に溶解しHPLC[カラム: SHISEIDO CAPCELL PAK C18 UG-120(5 μm)、φ20x250 mm、流速:7.0 mL/分、展開溶媒 A:10mM 酢酸アンモニウム水 B: 10mM 酢酸アンモニウム水/90%アセトニトリル、グラジエント A:B=83:17→75:25 20分、直線濃度勾配溶出]を用いて精製した後、減圧下濃縮を行った。濃縮液を透析膜(spectra/por dialysis-membrane MWCO:1 kDa)を用いて24時間水に対して透析を行った。透析膜内液を凍結乾燥し、前述の式[I−23]で表される化合物(46.7 mg, 12.4 μmol, 収率21%)を得た。
ESI-MS: (m/z) calcd for C151H241N21O84S2: [M+2H]2+ 1879.7, [M+3H]3+ 1253.5, [M+4H]4+ 940.4; found: 1880.3, 1253.5, 940.6.

実施例24
Figure 2021080219

(実施例23-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−24]で表される化合物(44.5 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C153H241N21O84S2: [M+2H]2+ 1893.8, [M+3H]3+ 1262.8, [M+4H]4+ 947.4; found: 1894.4, 1263.2, 947.4.

実施例25
Figure 2021080219

(実施例23-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−25]で表される化合物(61.2 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C155H249N21O84S2: [M+2H]2+ 1907.8, [M+3H]3+ 1272.2, [M+4H]4+ 954.4; found: 1908.3, 1272.2, 954.6.

実施例26
Figure 2021080219

(実施例23-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−26]で表される化合物(71.2 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C157H253N21O84S2: [M+2H]2+ 1921.8, [M+3H]3+ 1281.5, [M+4H]4+ 961.4; found: 1922.3, 1281.9, 961.9.

実施例27
Figure 2021080219

(実施例23-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−27]で表される化合物(48.3 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C159H257N21O85S2: [M+2H]2+ 1943.8, [M+3H]3+ 1296.2, [M+4H]4+ 972.4; found: 1943.7, 1296.2, 972.5.

実施例28
Figure 2021080219

(実施例28-1)ペプチド合成
固相合成用カラムにRink Amide PEGA樹脂(100 μmol)を取り、DMFで洗浄後、Prelude(商標)ペプチド合成機を用いて、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、樹脂に結合した状態にある保護されたペプチドFmoc-Ile-Ser(tBu)-Tyr(tBu)-Gly-Lys(ivDde)-Asp(OtBu)-Ala-Leu-Met-(β-homoPro)-Cys(Trt)-Rink Amide PEGA樹脂を合成した。縮合反応は、縮合剤としてHCTUを使用してDMF中で行った。縮合後、Fmoc保護基を、DMF中の20%のピペリジンで処理することにより除去した。DMF及びジクロロメタンで洗浄後、DMF:ピリジン:無水酢酸=16:4:1を加え、室温で1時間撹拌することでN末端をアセチル化した。DMF及びジクロロメタンで洗浄後、ivDde保護基をDMF中の10%のヒドラジンで処理することにより除去した。この後、Fmoc-Adox-OH、Fmoc-Adox-OH、Fmoc-Glu-OtBu、及びTetradecanedioic acidを順次伸長させた。DMF及びジクロロメタンで洗浄後、TFA:水:トリイソプロピルシラン:エタンジチオール(=90:2.5:5:2.5)を加え、室温で3時間振盪した。ろ液に冷却したジエチルエーテルを加え、粗ペプチド(240 mg, 126 μmol)を沈殿として得た。

(実施例28-2)糖鎖修飾反応(実施例28-1)に記載の方法で得られた粗ペプチド(217 mg, 114 μmol)を用いたこと以外は(実施例23-2)と同様の方法で糖鎖修飾反応を行い、前述の式[I−28]で表される化合物(217 mg, 51.9 μmol、収率46%)を得た。
ESI-MS: (m/z) calcd for C172H281N23O90S2: [M+2H]2+ 2087.9, [M+3H]3+ 1392.3, [M+4H]4+ 1044.7; found: 2088.5, 1392.6, 1044.7.

実施例29
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−29]で表される化合物(156 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C172H281N23O90S2: [M+2H]2+ 2087.9, [M+3H]3+ 1392.3, [M+4H]4+ 1044.7; found: 2088.5, 1392.3, 1044.7.

実施例30
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−30]で表される化合物(103 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C261H425N31O153S3: [M+3H]3+ 2180.9, [M+4H]4+ 1635.9, [M+5H]5+ 1308.9; found: 2181.2, 1635.9, 1309.1.

実施例31
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−31]で表される化合物(103 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C348H566N38O215S4: [M+4H]4+ 2213.1, [M+5H]5+ 1770.7,[M+6H]6+ 1475.1; found: 2213.7, 1771.1, 1475.9.

実施例32
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−32]で表される化合物(177 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C172H280N24O90S2: [M+2H]2+ 2094.4, [M+3H]3+ 1396.6, [M+4H]4+ 1047.7; found: 2094.9, 1396.9, 1048.0.

実施例33
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−33]で表される化合物(160 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C170H277N23O89S2: [M+2H]2+ 2065.9, [M+3H]3+ 1377.6, [M+4H]4+ 1033.4; found: 2066.5, 1377.9, 1033.7.

実施例34
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−34]で表される化合物(146 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C259H421N31O152S3: [M+3H]3+ 2166.2, [M+4H]4+ 1624.9, [M+5H]5+1300.1; found: 2166.6, 1625.2, 1300.4.

実施例35
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−35]で表される化合物(167 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C159H258N22O83S2: [M+2H]2+ 1935.3, [M+3H]3+ 1290.5, [M+4H]4+ 968.2; found: 1935.9, 1290.5, 968.5.

実施例36
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−36]で表される化合物(154 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C174H285N23O90S2: [M+2H]2+ 2101.9, [M+3H]3+ 1401.6, [M+4H]4+ 1051.5; found: 2102.5, 1402.0, 1051.7.

実施例37
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−37]で表される化合物(128 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C173H284N24O90S2: [M+2H]2+ 2102.4, [M+3H]3+ 1401.9, [M+4H]4+ 1051.7; found: 2103.0, 1402.3, 1052.0.

実施例38
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−38]で表される化合物(248 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C263H429N31O153S3: [M+3H]3+ 2190.2, [M+4H]4+ 1642.9, [M+5H]5+1314.5; found: 2190.6, 1643.2, 1314.8.

実施例39
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−39]で表される化合物(248 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C260H425N31O152S3: [M+3H]3+ 2171.5, [M+4H]4+ 1628.9, [M+5H]5+1303.3; found: 2172.3, 1629.2, 1303.6.

実施例40
Figure 2021080219

(実施例23-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−40]で表される化合物(172 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C175H289N27O87S2: [M+2H]2+ 2113.9, [M+3H]3+ 1409.6, [M+4H]4+ 1057.5, [M+5H]5+ 846.2; found: 2114.5, 1410.0, 1057.8, 846.4.

実施例41
Figure 2021080219

(実施例23-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−41]で表される化合物(174 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C173H286N26O86S2: [M+2H]2+ 2085.4, [M+3H]3+ 1390.6, [M+4H]4+ 1043.2; found: 2086.0, 1391.0, 1043.5.

実施例42
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−42]で表される化合物(143 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C160H260N22O83S2: [M+2H]2+ 1942.3, [M+3H]3+ 1295.2, [M+4H]4+ 971.7; found: 1942.9, 1295.6, 971.9.

実施例43
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−43]で表される化合物(146 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C173H283N23O90S2: [M+2H]2+ 2094.9, [M+3H]3+ 1396.9, [M+4H]4+ 1047.9; found: 2095.5, 1397.3, 1048.2.

実施例44
Figure 2021080219

(実施例23-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−44]で表される化合物(133 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C170H279N25O86S2: [M+2H]2+ 2056.9, [M+3H]3+ 1371.6, [M+4H]4+ 1028.9; found: 2057.5, 1371.9, 1029.2.

実施例45
Figure 2021080219

(実施例23-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−45]で表される化合物(143 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C168H278N26O84S2: [M+2H]2+ 2035.4, [M+3H]3+ 1357.3, [M+4H]4+ 1018.2; found: 2036.0, 1357.6, 1018.5.

実施例46
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−46]で表される化合物(173 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C175H292N26O84S2: [M+2H]2+ 2084.4, [M+3H]3+ 1390.0, [M+4H]4+ 1042.7; found: 2085.1, 1390.3, 1043.0.

実施例47
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−47]で表される化合物(128 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C171H280N24O90S2: [M+2H]2+ 2088.4, [M+3H]3+ 1392.6, [M+4H]4+ 1044.7; found: 2089.0, 1392.9, 1045.0.

実施例48
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−48]で表される化合物(171 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C161H262N22O83S2: [M+2H]2+ 1949.3, [M+3H]3+ 1299.9, [M+4H]4+ 975.2; found: 1949.9, 1300.2, 975.4.

実施例49
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−49]で表される化合物(130 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C160H261N23O83S2: [M+2H]2+ 1949.8, [M+3H]3+ 1300.2, [M+4H]4+ 975.4; found: 1950.4, 1300.2, 975.7.

実施例50
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−50]で表される化合物(162 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C176H289N23O90S2: [M+2H]2+ 2115.9, [M+3H]3+ 1410.9, [M+4H]4+ 1058.5; found: 2116.5, 1411.3, 1058.7.

実施例51
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−51]で表される化合物(153 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C175H288N24O90S2: [M+2H]2+ 2116.4, [M+3H]3+ 1411.3, [M+4H]4+ 1058.7; found: 2117.0, 1411.6, 1059.0.

実施例52
Figure 2021080219

(実施例23-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−52]で表される化合物(95.5 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C193H325N33O90S2: [M+3H]3+ 1538.0, [M+4H]4+ 1153.8, [M+5H]5+ 923.2; found: 1538.1, 1153.8, 923.3.

実施例53
Figure 2021080219

(実施例23-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−53]で表される化合物(215 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C174H283N27O87S2: [M+3H]3+ 1404.9, [M+4H]4+ 1054.0, [M+5H]5+ 843.4; found: 1405.3, 1054.3, 843.6.

実施例54
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−54]で表される化合物(100 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C198H335N33O90S2: [M+3H]3+ 1561.4,[M+4H]4+ 1171.3,[M+5H]5+ 937.2,[M+6H]6+ 781.2; found: 1561.5, 1171.3, 937.5,781.2.

実施例55
Figure 2021080219

(実施例28-1)と同様に、Fmoc法によるペプチド固相合成法にて、無保護のCysを持つペプチドを合成した。(実施例23-2)と同様の方法で、このペプチドにDisialo-AcBrを反応させることで、前述の式[I−55]で表される化合物(143 mg)を合成した。
ESI-MS: (m/z) calcd for C197H333N33O90S2: [M+3H]3+ 1556.7,[M+4H]4+ 1167.8,[M+5H]5+ 934.4; found: 1556.8, 1167.8, 934.5
以下に、実施例の製造方法と高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析における保持時間を示す。
HPLC 条件A
カラム名:SHISEIDO UG−120 (4.6mmΦ x 250mm)
溶離液A:0.1%TFA含有H
溶離液B:0.09%TFA含有HO/アセトニトリル=1/9
条件A−1:溶離液A/溶離液B=80/20(0分)−65/35(30分)(linear gradient)
条件A−2:溶離液A/溶離液B=85/15(0分)−70/30(30分)(linear gradient)
条件A−3:溶離液A/溶離液B=85/15(0分)−75/25(30分)(linear gradient)
条件A−4:溶離液A/溶離液B=95/5(0分)−50/50(30分)(linear gradient)
条件A−5:溶離液A/溶離液B=90/10(0分)−50/50(30分)(linear gradient)
条件A−6:溶離液A/溶離液B=90/10(0分)−30/70(30分)(linear gradient)
条件A−7:溶離液A/溶離液B=80/20(0分)−50/50(30分)(linear gradient)
条件A−8:溶離液A/溶離液B=90/10(0分)−60/40(30分)(linear gradient)
条件A−9:溶離液A/溶離液B=80/20(0分)−5/95(30分)(linear gradient)
条件A−10:溶離液A/溶離液B=85/15(0分)−35/65(30分)(linear gradient)
条件A−11:溶離液A/溶離液B=90/10(0分)−35/65(30分)(linear gradient)
流速:0.7ml/分
カラム温度:35℃
HPLC 条件B
カラム名:SHISEIDO UG−120 (4.6mmΦ x 250mm)
溶離液C:10mM酢酸アンモニウム含有H
溶離液D:10mM酢酸アンモニウム含有HO/アセトニトリル=1/9
条件B−1:溶離液C/溶離液D=85/15(0分)−70/30(30分)(linear gradient)
条件B−2:溶離液C/溶離液D=90/10(0分)−75/25(30分)(linear gradient)
条件B−3:溶離液C/溶離液D=95/5(0分)−85/15(30分)(linear gradient)
条件B−4:溶離液C/溶離液D=85/15(0分)−30/70(30分)(linear gradient)
条件B−5:溶離液C/溶離液D=95/5(0分)−72.5/27.5(30分)(linear gradient)
条件B−6:溶離液C/溶離液D=95/5(0分)−70/30(30分)(linear gradient)
条件B−7:溶離液C/溶離液D=95/5(0分)−60/40(30分)(linear gradient)
条件B−8:溶離液C/溶離液D=80/20(0分)−60/40(30分)(linear gradient)
条件B−9:溶離液C/溶離液D=90/10(0分)−70/30(30分)(linear gradient)
条件B−10:溶離液C/溶離液D=92/8(0分)−74.5/25.5(30分)(linear gradient)
条件B−11:溶離液C/溶離液D=95/5(0分)−77.5/22.5(30分)(linear gradient)
条件B−12:溶離液C/溶離液D=90/10(0分)−72.5/27.5(30分)(linear gradient)
条件B−13:溶離液C/溶離液D=87/13(0分)−67/33(30分)(linear gradient)
条件B−14:溶離液C/溶離液D=84/16(0分)−64/36(30分)(linear gradient)
条件B−15:溶離液C/溶離液D=80/20(0分)−55/45(30分)(linear gradient)
条件B−16:溶離液C/溶離液D=85/15(0分)−65/35(30分)(linear gradient)
条件B−17:溶離液C/溶離液D=75/25(0分)−55/45(30分)(linear gradient)
条件B−18:溶離液C/溶離液D=85/15(0分)−60/40(30分)(linear gradient)
流速:0.7ml/分
カラム温度:35℃
Figure 2021080219
Figure 2021080219
Figure 2021080219
Figure 2021080219
本発明化合物のMMP2の阻害作用を、以下の試験例1に記載した方法により測定した。
試験例1:本発明の各化合物の、ヒトMMP2に対する阻害作用評価試験
各化合物のヒトMMP2阻害作用を、基質としてMOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を用いた酵素アッセイによって測定した。100 μg/mLのヒトのリコンビナントMMP2酵素と1 mmol/L 4-Aminophenylmercuric acetateを反応液[50 mmol/L Tris-HCl(pH 7.5)、150 mmol/L NaCl、10 mmol/L CaCl2、0.05% Brij L23]中で混和し、37℃で60分間反応させた。反応により活性化したヒトMMP2を最終濃度7 ng/mLとなるよう、96ウェルマイクロプレートに注いだ。更に種々の濃度に希釈した本発明の各化合物を添加し、室温で15分間静置した。次いで、MOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を最終濃度16 μmol/Lとなるよう添加し、酵素反応を開始した。室温で1時間反応させた後、蛍光強度(Ex 320 nm/Em 400 nm)をマイクロプレートリーダーで測定した。測定した蛍光値を用いて酵素阻害率(%)を下記の式に従って算出し、各発明化合物の50%阻害濃度(IC50値)を算出した。
酵素阻害率(%)=[1−(A−B)/(C−B)]*100
A:化合物添加時の蛍光値
B:化合物および酵素非添加時の蛍光値
C:化合物非添加時の蛍光値
各発明化合物のヒトMMP2酵素活性に対する阻害作用の結果を表2に示す。
Figure 2021080219
また、本発明の各化合物のヒトMMP1、3、7、8、9、12、13、又は14に対する阻害作用については、試験例1に記載の方法又はこれに準じる方法にて、測定することができる。
試験例2 血清中の安定性
ジメチルスルホキシドで溶解させた本発明化合物溶液を、ヒト又はマウス血清に添加し、37℃で3時間あるいは4時間インキュベーションした。所定時間後にアセトニトリル/メタノール (9/1)の溶液で反応を停止させ、液体クロマトグラフィー質量分析計(LC-MS/MS)で測定した。
ヒト又はマウスの血清中における、3時間あるいは4時間後の本発明化合物の残存率(%)を表3に示す。
Figure 2021080219
試験例3 薬物動態データ
方法:マウスに被験物質30 mg/kgを単回皮下投与後、所定時間(15、30分、1、2、4、8及び24時間)に尾静脈から約40 μLを採血した。予めEDTA-2K水溶液が添加されたチューブに採取した血液を移し、速やかに氷冷後、遠心分離(5,600×g,4℃,6分)することで血漿を調製した。除タンパク法にて、血漿を前処理し、遠心分離(3,639×g、4℃、10分)後、上清をLC-MS/MSに注入することで、血漿中濃度を測定した。
マウスのおける薬物動態パラメーターを、表4に示す。
Figure 2021080219
本発明の糖鎖付加ポリペプチドは優れてMMP2を選択的に阻害する作用を有し、本発明により癌疾患及び臓器線維症、並びに癌疾患及び臓器線維症に関連する症状の予防又は治療に有効な医薬品を提供するが可能となり、患者の負担を軽減し、医薬品産業の発達に寄与することが期待される。

Claims (17)

  1. 糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
    該糖鎖付加ポリペプチドは、
    下記式[1]
    Figure 2021080219

    (ここで、前記式[1]中、
    AAは、Ser又はLysを表し、
    ここで、該Lysは下記式[2]で表される基で置換されてもよく;
    Figure 2021080219

    AAは、Gly、D-Hse、Cys、D-Cys、Asn、又はLysを表し、
    AAは、Asn、Cys、又はLysを表し、
    ここで、該Lysは下記式[3]で表される基で置換されてもよく;
    Figure 2021080219

    前記式[2]及び[3]中、
    FA及びFAは、独立して末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基を表し、
    AA91及びAA61は、独立してγ-Glu、Gly、Cys、又はLysを表し、
    AA92及びAA62は、独立してAdox、Cys、又はLysを表し、
    AA93及びAA63は、独立してAdox、Gly、Cys、又はLysを表し、
    AA94及びAA64は、独立してLys、Cys、又は単結合を表し、
    AAは、Pro、β-homoPro、又はAibを表す。)
    で表されるアミノ酸配列を含み;

    また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでもよく、また、
    個のアミノ酸をC末端側にさらに含んでもよく、
    ここで、mは1〜7の整数を表し、mは1〜7の整数を表し、
    前記m個のアミノ酸は、γ-Glu、Arg、Lys、及びCysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸を表し、
    前記m個のアミノ酸は、Aib、Arg、Lys、及びCysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸を表し;

    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基、又は末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されてもよく、
    該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられてもよく;

    そして、該糖鎖付加ポリペプチドは、
    糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1〜5個のアミノ酸を含んでおり、
    該糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1〜5個のアミノ酸は、
    前記式[1]で表されるアミノ酸配列中のアミノ酸であるAA、AA、AA、AA
    前記式[2]で表される基中のアミノ酸であるAA91、AA92、AA93、AA94
    前記式[3]で表される基中のアミノ酸であるAA61、AA62、AA63、AA64
    前記m個のアミノ酸;及び
    前記m個のアミノ酸
    のいずれかに存在し、かつ、
    MMP2に対する親和性を有する
    ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
  2. 請求項1に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
    (i) 該糖鎖付加ポリペプチドは、
    糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた2〜5個のアミノ酸を含んでいる;又は
    (ii) 該糖鎖付加ポリペプチドは、
    (a) 前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    AAが、前記式[2]で表される基で置換されているLysである;
    (b) 前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    AAが、前記式[3]で表される基で置換されているLysである;又は
    (c) 該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基が、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されている;
    ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
  3. 請求項2に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
    該糖鎖付加ポリペプチドは、
    (a) 前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    AAが、前記式[2]で表される基で置換されているLysである;
    (b) 前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    AAが、前記式[3]で表される基で置換されているLysである;又は
    (c) 該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基が、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されている;
    ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
  4. 請求項3に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;

    該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    N末端側にさらに含んでもよい前記m個のアミノ酸が、γ-Glu、Lys、及びCysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり、
    C末端側にさらに含んでもよいm個のアミノ酸が、Lys及びCysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり;
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;

    そして、該糖鎖付加ポリペプチドは、
    糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり、
    該糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸が存在するのは、
    前記式[1]で表されるアミノ酸であるAA
    前記式[2]で表される基中のアミノ酸であるAA92
    前記式[3]で表される基中のアミノ酸であるAA62
    前記m個のアミノ酸;及び
    前記m個のアミノ酸
    のいずれかであり;

    ここで、
    (a) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において;
    AAが、Lysであって、
    該Lysが置換されている、前記式[2]で表される基中の
    FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基であり、
    AA91が、γ-Gluであり、
    AA92が、Adoxであり、
    AA93が、Adoxであり、
    AA94が、単結合であり、
    AAが、Glyであり、
    AAが、Asnであり、
    AAが、Pro又はAib
    であるアミノ酸配列を含み;
    また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;

    (b1) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において;
    AAが、Serであり、
    AAが、Glyであり、
    AAが、Lysであって、
    該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
    FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基であり、
    AA61が、γ-Glu又はLysであり、
    AA62が、Adox又はLysであり、
    AA63が、Adox又はLysであり、
    AA64が、単結合であり、
    AAが、β-homoPro
    であるアミノ酸配列を含み;
    また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;

    (b2) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において;
    AAが、Serであり、
    AAが、Glyであり、
    AAが、Lysであって、
    該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
    FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基であり、
    AA61が、γ-Gluであり、
    AA62が、Lys又はAdoxであり、
    AA63が、Lys又はAdoxであり、
    AA64が、Lys又は単結合であり、
    AAが、β-homoPro
    であるアミノ酸配列を含み;
    また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
    ここで、mが1〜3の整数であり、
    前記m個のアミノ酸は、Cys及びLysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり;
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;又は

    (c) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において;
    AAが、Serであり、
    AAが、Gly又はD-Hseであり、
    AAが、Asnであり、
    AAが、Pro又はβ-homoPro
    であるアミノ酸配列を含み;
    また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
    ここで、mが1〜7の整数であり、
    前記m個のアミノ酸は、γ-Glu及びLysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり;
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されている;
    ことを特徴とする、
    糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
  5. 請求項3に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;

    該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
    該糖鎖付加ポリペプチドは、
    糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;

    該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    AAが、Serであり、
    AAが、Gly又はD-Cysであり、
    AAが、Asnであり、
    AAが、Pro又はβ-homoPro
    であるアミノ酸配列を含み;

    また、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノが、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基で置換されている;
    ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
  6. 請求項3に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;

    該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
    該糖鎖付加ポリペプチドは、
    糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;

    (a) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    AAが、Lysであり、
    該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
    FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC16アルキルカルボニル基であり、
    AA91が、γ-Gluであり、
    AA92が、Adoxであり、
    AA93が、Adoxであり、
    AA94が、単結合であり、
    AAが、Glyであり、
    AAが、Asnであり、
    AAが、Aib
    であるアミノ酸配列を含み;
    また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;

    (b) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    AAが、Serであり、
    AAが、Glyであり、
    AAが、Lysであって、
    該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
    FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC14−16アルキルカルボニル基であり、
    AA61が、γ-Glu又はLysであり、
    AA62が、Adox又はLysであり、
    AA63が、Adox又はLysであり、
    AA64が、単結合であり、
    AAが、β-homoPro
    であるアミノ酸配列を含み;
    また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず、又は
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
    ここで、mが3であり、
    前記m個のアミノ酸が、それぞれLysであり;
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;又は

    (c) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    AAが、Serであり、
    AAが、Gly又はD-Hseであり、
    AAが、Asnであり、
    AAが、Pro又はβ-homoPro
    であるアミノ酸配列を含み;
    また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
    ここで、mが1〜4の整数であり、
    前記m個のアミノ酸は、γ-Glu及びLysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり;
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、末端がカルボキシ基で置換されているC12−14アルキルカルボニル基で置換されている;
    ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
  7. 請求項3に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;

    該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
    該糖鎖付加ポリペプチドは、
    糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;

    (a) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    AAが、Lysであり、
    該Lysが置換されている前記式[3]で表される基中の
    FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC12−16アルキルカルボニル基であり、
    AA91が、γ-Gluであり、
    AA92が、Adoxであり、
    AA93が、Adoxであり、
    AA94が、単結合であり、
    AAが、Glyであり、
    AAが、Asnであり、
    AAが、Aib
    であるアミノ酸配列を含み、
    また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず、
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;

    (b1) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    AAが、Serであり、
    AAが、Glyであり、
    AAが、Lysであって、
    該Lysが置換されている、前記式[3]で表される基中の
    FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC13−16アルキルカルボニル基であり、
    AA61が、γ-Glu又はLysであり、
    AA62が、Adox又はLysであり、
    AA63が、Adox又はLysであり、
    AA64が、単結合であり、
    AAが、β-homoPro
    であるアミノ酸配列を含み;
    また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;

    (b2) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    AAが、Serであり、
    AAが、Glyであり、
    AAが、Lysであって、
    該Lysが置換されている前記式[3]で表される基中の
    FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC13−14アルキルカルボニル基であり、
    AA61が、γ-Gluであり、
    AA62が、Lysであり、
    AA63が、Lysであり、
    AA64が、Lysであり、
    AAが、β-homoPro
    であるアミノ酸配列を含み;
    また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
    ここで、mが3であり、
    前記m個のアミノ酸は、それぞれLysであり;
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、アセチル基で置換されており;又は

    (c) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    AAが、Serであり、
    AAが、Gly又はD-Hseであり、
    AAが、Asnであり、
    AAが、Pro又はβ-homoPro
    であるアミノ酸配列を含み;
    また、該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおり、
    ここで、mが1〜7の整数であり、
    前記m個のアミノ酸は、γ-Glu及びLysからなる群から独立してそれぞれ選ばれるアミノ酸であり;
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基は、末端がカルボキシ基で置換されているC14アルキルカルボニル基で置換されている;
    ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
  8. 請求項3に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;

    該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
    該糖鎖付加ポリペプチドは、
    糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;

    該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    AAが、Serであり、
    AAが、Glyであり、
    AAが、Asn又はLysであって、
    該Lysが置換されている前記式[3]で表される基中の
    FAが、末端がカルボキシ基で置換されているC2−16アルキルカルボニル基であり、
    AA61が、γ-Glu又はLysであり、
    AA62が、Adox又はLysであり、
    AA63が、Adox又はLysであり、
    AA64が単結合であり、
    AAが、Pro又はβ-homoProである
    ことを特徴とする、
    糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
  9. 請求項3又は8に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;

    該糖鎖付加ポリペプチドのC末端側のカルボキシ基は、カルバモイル基で置き換えられており;
    該糖鎖付加ポリペプチドは、
    糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり;

    (i) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列が、
    Ile−Ser−Tyr−Gly−Asn−Asp−Ala−Leu−Met−Pro
    であって;
    また、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    γ-Glu−Lys−Lys−Lys−をN末端側にさらに含んでおり;
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基がHOOC−(CH2)14−(O=)C−で置換されており;

    (ii) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列が、
    Ile−Ser−Tyr−Gly−Lys−Asp−Ala−Leu−Met−β-homoPro
    であって、
    ここで、AAとして表されるLysの側鎖のアミノ基は、HOOC−(CH2)14−(O=)C−Lys−Lys−Lys−で置換されており;
    また、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基がアセチル基で置換されており;又は

    (iii) 該糖鎖付加ポリペプチドは、前記式[1]で表されるアミノ酸配列が、
    Ile−Ser−Tyr−Gly−Lys−Asp−Ala−Leu−Met−β-homoPro
    であって;
    ここで、AAとして表されるLysの側鎖のアミノ基は、HOOC−(CH2)16−(O=)C−γ-Glu−Adox−Adox−で置換されており;
    また、前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をN末端側にさらに含んでおらず;
    さらに、該糖鎖付加ポリペプチドのN末端側のアミノ基がアセチル基で置換されている;
    ことを特徴とする、
    糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;

    該糖鎖付加ポリペプチドは、
    前記式[1]で表されるアミノ酸配列において、
    個のアミノ酸をC末端側にさらに含んでおり;

    そして、該糖鎖付加ポリペプチドは、
    糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸を含んでおり、
    該糖鎖付加アミノ酸で置き換えられた1個のアミノ酸は、
    前記m個のアミノ酸のいずれかに存在し、

    ここで、mは1である;
    ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
    前記各糖鎖付加アミノ酸が、糖鎖付加Asn又は糖鎖付加Cysである
    ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
    前記各糖鎖付加アミノ酸において、付加する糖鎖が4個以上の糖からなる
    ことを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
    前記各糖鎖付加アミノ酸において、
    糖鎖が下記式[4]
    Figure 2021080219

    (ここで、前記式[4]中、
    Linkerは、単結合又は式−NH−CO−(CHn1−を表し、
    は、0〜5の整数を表し、
    及びRは同一に又は異なって、下記式群[5]で表される構造のいずれか
    Figure 2021080219

    を表し、
    は水素原子又はベンジル基を表す。)
    で表される糖鎖であることを特徴とする、
    糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であって;
    前記各糖鎖付加アミノ酸において、
    前記式[4]で表される糖鎖中のR及びRが、同一に下記式[5−1]で表される構造
    Figure 2021080219

    であることを特徴とする、糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有するMMP2阻害剤。
  17. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の糖鎖付加ポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する癌疾患及び臓器線維症、並びに癌疾患及び臓器線維症に関連する症状の予防薬又は治療薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024080364A1 (ja) * 2022-10-14 2024-04-18 国立大学法人九州大学 抗線維化剤、線維症治療用医薬組成物、及び筋線維芽細胞を不活性化する方法

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