新規血小板活性化マーカー及びその測定方法 技術分野
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本発明は、 新規な血小板活性化マーカー、 その測定試薬及び方法、 ならびに 血小板活性化/血管内皮傷害関連疾患の診断等における当該マーカーの新規用 途に関する。
明 背景技術
書
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日本人の死亡原因第一位は悪性新生物、 第二位は心疾患、 第三位は脳血管疾 患である。 そして、 心疾患と脳血管疾患の大部分は心筋梗塞や脳梗塞などの血 栓症が占めており、 この両者を合わせると、 癌での死亡に匹敵する。 それ故、 血栓症の予防 ·治療は、 大きな問題点として残されている。 そして、 血栓症の 予防 '治療においては、 血小板活性をコントロールすることが重要であり、 抗 血小 ¾g薬が積極的に処方されている。 しかしながら、 その臨床効果は決して満 足できるレベルには達していない。
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血小板の機能は、損傷を受けた血管部位の内皮下組織に結合する粘着反応と、 血小板同士がくっつき合う凝集反応の 2つにわけられる。 特に、 後者は血小板 に含まれている顆粒の内容物の放出を伴っている。 また、 血小板の活性化の過 程において、 様々な分子がその機能発現に関与しており、 これらは血小板活性 化マーカーとして利用されている。 そして、 このマーカーを有効に活用するこ とにより、 病的血栓に対する診断がより明確となるうえ、 治療法に関しても、 より適切な選択が可能となる。
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従来、 血小板の活性化の指標として、 血小板の a顆粒に蓄積されている β ト口ンボグロプリンゃ血小板第 4因子の測定が行われてきた。 しかしながら、 これらは腎機能低下時に高値となる点や、 採血手技の影響などを考慮する必要 があり、 必ずしも適切なマーカーとは言いがたい。 また、 /3 トロンボグロプリ ンゃ血小板第 4因子がともに高値の場合は、 in vitroでの血小板活性化による 変化である可能性が高いので注意が必要である。 したがって、 より高感度で特 異性の高レ、血小板活性化マーカーの登場が望まれていた。
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近年、 血小板活性化マーカーとして、 Pセレクチンの検出が利用されつつあ る (Shatti l S. J.ら、 Blood. 、 1987年、 70卷、 ρ· 307-315) (Murakami T. ら、 Eur. J. Cl in. Invest.、 1996年、 26卷、 p. 996-1003) 。 Pセレクチンは、 血小板の α顆粒膜あるいは血管内皮細胞の Weibel-Palade小体に存在する膜タ ンパク質であり、これらの細胞が刺激を受けた際に、細胞表面に移動 .してくる。 現在、 Pセレクチンは膜結合型と可溶型の 2種類のタィプに分類されている。 そして、 膜結合型の Pセレクチンは、 蛍光標識した抗 Pセレクチン抗体とフロ 一サイトメ トリ一を用いて、 直接的に検出される。 しかしながら、 血小板にお ける Pセレクチンの発現は、 試料の取り扱いにより擬陽性となることがあり、 安定した結果を得ることは難しい。 一方、 可溶型 Pセレクチンは、 サンドイツ チ ELISA法にて検出が可能である。 しかしながら、 Pセレクチンは血小板と血 管内皮細胞に由来することから、血漿中の可溶性 Pセレクチンを測定する場合、 その由来が問題となる。 .
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血小板が種々の状況下で活性化されたり、 物理的な刺激を受けると、 微小な 膜小胞体が生成され、 この膜小胞体はマイクロパーティクルと呼ばれている。 血小板マイクロパーティクルはフローサイトメ トリーを用いて測定するのがー 般的であり、 様々な血栓性疾患の病態把握において重要であるが、 (1 ) 機器 間の感度の違い、 (2 ) マイクロパーティクル領域のゲートの囲み方、 (3 ) 測定限界がマイクロパーティクルのサイズと近いこと、 (4 ) 使用する抗体の
種類による施設間差などの問題点が指摘されており、 測定方法の標準化は達成 されていない。
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血小板膜上に存在する糖蛋白質 VI (G PVI) は、 血小板のコラーゲン受容体 であり、 コラーゲン刺激による血小板の活性化に中心的役割を担っていること が明らかにされている (高山博史, 日本血栓止血学会誌, 2003年, 第 14 巻, 第 2号, p. 75— 8 1参照) 。 また、 抗マウス GPVI抗体は、 コラーゲ ン刺激特異的に血小板凝集を抑制し、出血時間の著明な延長をきたすことなく、 抗血栓作用を発揮することが報告されている (NieswandtB.ら、 J. Exp. Med.、 2001年.、 第 194卷、 第 4号、 ρ· 459-469参照) 。 さらに、 抗ヒト GPVI抗体も 出血時間の著明な延長をきたすことなぐ、 抗血小板作用を発揮することが報告 されている (TakayamaH.ら、 Blood、 2005年、 第 106卷、 第 11号、 p612a) (W O 200 5/1 1 108 3A2) 。 したがって、 コラーゲン惹起血小板凝集を 特異的に抑制する薬物、 例えば抗 GPVI抗体は、 安全で有効性の高い抗血小板 薬となり得ることが期待されている。
[0008]
血小板に存在している GPVIを、ウェスタンブロッティングで検出できること が報告されている (Tsuji M.'ら、 J. Biol. Chem. 1997年第 272卷 38号 p.23528- 23531) 。 また、 抗 GPVI抗体を血小板に添加すると、 GPVIが shedding し、 培養上淸中に可溶型 GPVI (sGPVI) が出現することがウェスタンプロッテ イングにより証明されている (Bergmeier W.ら、 Thromb. Haemost. 2004年、 第 91卷、 p.951 - 958) 。 この sGPVIの sheddingはメタ口プロテアーゼの作用に よるものと示唆されている。 しかしながら、 これらの現象は生体外において生 理的にはほとんど起こりえない条件下で人為的に惹起されたものであり、 実際 に生体内において、 生理的又は病態下において、 血小板 GPVIの sheddingが生 じているかは全く不明であった。 また、 ウェスタンブロッティングによる血小 板 GPVIならびに sGPVIの検出自体は、検査に供する試料の調製および検出感度 等、臨床の場において一般化するのには問題が多レ、。さらに、血小板表面の GPVI の存在量は血小板 1個あたり約 3000個と極めて微量と推定されている。 したが
つて、 血栓 ·塞栓症等の診断を目的とした場合、 より簡便で特異性及び検出感 度の高い検查方法の開発が望まれている。 発明の開示
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このように、 血小板活性化/血管内皮傷害関連疾患、 例えば血栓症等の診断 およぴ抗血小板薬のレスポンダーを選別する際において、 信頼性の高い血小板 活性化のバイオマーカー、 及び、 簡便で、 感度が高く、 安定した結果が得られ る当該バイオマーカーの測定方法又は診断方法、 並びにそれらのための試薬又 はキッ小が切望されている。
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本発明の目的は、 新規な血小板活性化マーカー、 その測定試薬及び方法、 な らぴに血小板活性化/血管内皮傷害関連疾患の診断等における当該マーカーの 新規用途を提供するものである。
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本発明者らは、 上記の課題を解決すべく、 GPVIに対する抗体を産生するマウ スハイプリ ドーマを多数樹立し、それらの産生する抗体を組み合わせることで、 血漿中に存在する sGPVIを簡便かつ高感度で測定することを着想した。 この着 想に基づき、銳意研究を重ねた結果、 血小板膜上に存在する GPVI (以下、 mGPVI と記載することがある) ならびに体液中に存在する可溶型 GPVI (以下、 sGPVI と記載することがある) を特異的かつ高感度で測定する方法を確立することに 成功するとともに、 これが血小板活性化マーカーとなり得ることを見出し、 本 発明を完成した。
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以下に本発明を説明する。.
本発明の第 1の態様は、
(1) 1以上の GPVI特異的結合物質を用いる、 試料中の GPVI、 特に生体試料中 の sGPVI又は mGPVIの測定方法、 好ましくは、
(la) 1以上の GPVI特異的結合物質を用いる、 体液、 特にヒ ト体液中の可溶型 GPVI (sGPVI)の測定方法、
(lb) 測定感度が 100pg/ml以下、 好ましくは 30pg/ml以下、 より好ましくは lOpg/ml以下、 さらに好ましくは 3. Opg/ml以下、 特に好ましくは 1. Opg/ml以 下である、 上記何れかの測定方法、
(1-1) GPVI特異的結合物質が抗 GPVI抗体である、 上記何れかの測定方法、
(1 - la) GPVI特異的結合物質が GPVIのドメイン 1、 好ましくは、 ループ 2又 はループ 5、 より好ましくはループ 2に特異的に結合する抗体である、 上記何 れかの測定方法、
(1- lb) GPVI特異的結合物質が GPVIのドメイン 2、 好ましくは、 ループ 9又 はループ 1 1、 より好ましくはループ 9に特異的に結合する抗体である、 上記 何れかの測定方法、
(1-lc) GPVI特異的結合物質が GPVIのループ 2またはループ 9に特異的に結 合する抗体である、 上記何れかの測定方法、
(1-2) GPVI特異的結合物質として、 結合部位の異なる 2以上の抗 GPVI抗体を 用いる、 上記何れかの測定方法、
(1-3) GPVI特異的結合物質として、 少なくとも GPVIのドメイン 1に特異的に 結合'する抗 GPVI抗体及び Z又はドメイン 2に特異的に結合する抗 GPVI抗体を 用いる、 上記何れかの測定方法、
( 1 - 3a)前記 GPVIのドメイン 1に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのルー プ 2又はループ 5、 好ましくはループ 2に特異的に結合する抗体である、 上記 何れかの測定方法、
(1 - 3b)前記 GPVIのドメイン 2に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのルー プ 9又はループ 1 1、 好ましくはループ 9に特異的に結合する抗体である、 上 記何れかの測定方法、
( 1 - 3c)前記 GPVIのドメイン 1に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのルー プ 2又はループ 5、好ましくはループ 2に特異的に結合する抗体であり、かつ、 前記 GPVIのドメイン 2に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのループ 9又は
ループ 1 1、 好ましくはループ 9に特異的に結合する抗体である、 上記何れか の測定方法、
(1-4) GPVI特異的結合物質として、 少なくとも GPVIのループ 2に特異的に結 合する抗体及ぴ Z又はループ 9に特異的に結合する抗体を用いる、 上記何れか の測定方法、
(1 - 4a)少なくとも GPVIのループ 2に特異的に結合する抗体を非固相化抗体と してを用いる、 上記何れかの測定方法、
(l-4b) 少なくとも GPVIのループ 9に特異的に結合する抗 GPVI抗体を固相化 抗体として用いる、 上記何れかの測定方法、
(1- 4c)少なく とも GPVIのループ 2に特異的に結合する抗体を非固相化抗体と して、及ぴ、ループ 9に特異的に結合する抗 GPVI抗体を固相化抗体として用い る、 上記何れかの測定方法、
(l-4d) サンドイッチ免疫測定法である、 上記何れかの測定方法、
(1 - 4e) 非固相化抗体が F (ab' ) 2である、 上記何れかの測定方法、
(1- 4f) ピオチン化非固相化抗体及ぴ poly- HRP標識ストレプトァビジンで検出 する系を用いる、 上記何れかの測定方法、
(1 - 4g) 前記 GPVIのループ 2に特異的に結合する抗体が F1232-10-2抗体であ る、 または、前記 GPVIのループ 9に特異的に結合する抗体が F1232-7- 1抗体で ある、 上記何れかの測定方法、
(1-5)少なくとも GPVIのドメイン 1に特異的に結合する抗 GPVI抗体及び/又 はドメイン 2に特異的に結合する抗 GPVI抗体を用いる、 体液中、 特にヒ ト体液 中の sGPVIの測定方法、
(1- 5a)前記 GPVIのドメイン 1に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのルー プ 2又はループ 5に特異的に結合する抗体である、 上記何れかの sGPVIの測定 方法、
(1- 5b)前記 GPVIのドメイン 2に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのルー プ 9又はループ 1 1に特異的に結合する抗体である、 上記何れかの sGPVIの測 定方法、
(1 - 5c)前記 GPVIのドメイン 1に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのルー プ 2又はループ 5に特異的に結合する抗体であり、 かつ、前記 GPVIのドメイン 2に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのループ 9又はループ 1 1に特異的 に結合する抗体である、 上記何れかの sGPVIの測定方法、
(1-6)少なくとも GPVIのループ 2に特異的に結合する抗 GPVI抗体及び Z又は ループ 9に特異的に結合する抗 GPVI抗体を用いる、上記何れかの sGPVIの測定 方法、
( 1- 6a)少なくとも GPVIのループ 2に特異的に結合する抗体を非固相化抗体と してを用いる、 上記何れかの sGPVIの測定方法、
(1- 6b) 少なくとも GPVIのループ 9に特異的に結合する抗 GPVI抗体を固相化 抗体として用いる、 上記何れかの sGPVIの測定方法、
(l-6c)少なくとも GPVIのループ 2に特異的に結合する抗体を非固相化抗体と して、及ぴ、ループ 9に特異的に結合する抗 GPVI抗体を固相化抗体として用い る、 上記何れかの sGPVIの測定方法、
(l-6d) サンドイッチ免疫測定法である、 上記何れかの測定方法、
( 1 - 6e) 非固相化抗体が F (ab' ) 2である、 上記何れかの測定方法、
( l-6f) ピオチン化非固相化抗体及び poly- HRP標識ストレプトアビジンで検出 する'系を用いる、 上記何れかの測定方法、
( l-6g) 前記 GPVIのループ 2に特異的に結合する抗体が F1232- 10- 2抗体であ る、 または、 前記 GPVIのループ 9に特異的に結合する抗体が F1232- 7- 1抗体で ある、 上記何れかの測定方法、 である。 本発明の第 2の態様は、
(2) 1以上の GPVI特異的結合物質を含有する、 試料中の GPVI、 特に生体試料 中の sGPVI又は mGPVIの測定試薬又はキット、 好ましくは、
(2a) 1以上の GPVI特異的結合物質を含有する、体液、特にヒト体液中の sGPVI の測定試薬又はキット、
(2b) 測定感度が lOOpg/ml以下、 好ましくは 30pg/ml以下、 より好ましくは lOpg/ml以下、 さらに好ましくは 3. Opg/ml以下、 特に好ましくは 1. Opg/ml以 下である、 上記何れかの測定試薬又はキット、
(2-1) GPVI特異的結合物質が抗 GPVI抗体である、 上記何れかの測定試薬又は キット、
(2 - la) GPVI特異的結合物質が GPVIのドメイン 1、 好ましくは、 ループ 2又 はループ 5、 より好ましくはループ 2に特異的に結合する抗体である、 上記何 れかの測定試薬又はキット、
(2-lb) GPVI特異的結合物質が GPVIのドメイン 2、 好ましくは、 ループ 9又 はループ 1 1、 より好ましくはループ 9に特異的に結合する抗体である、 上記 何れかの測定試薬又はキット、
(2-lc) GPVI特異的結合物質が GPVIのループ 2またはループ 9に特異的に結 合する抗体である、 上記何れかの測定試薬又はキット、
(2-2) GPVI特異的結合物質として、 結合部位の異なる 2以上の抗 GPVI抗体を 含有する、 上記何れかの測定試薬又はキット、
(2-3) GPVI特異的結合物質として、 GPVIのドメイン 1に特異的に結合する抗 GPVI抗体及びドメイン 2に特異的に結合する抗 GPVI抗体を含有する、 上記何 れかの測定試薬又はキット、
(2- 3a)前記 GPVIのドメイン 1に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのルー プ 2又はループ 5、 好ましくはループ 2に特異的に結合する抗体である、 上記 何れかの測定試薬又はキット、
(2- 3b)前記 GPVIのドメイン 2に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのルー プ 9又はループ 1 1、 好ましくはループ 9に特異的に結合する抗体である、 上 記何れかの測定試薬又はキット、
(2- 3c)前記 GPVIのドメイン 1に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのルー プ 2又はループ 5、好ましくはループ 2に特異的に結合する抗体であり、かつ、 前記 GPVIのドメイン 2に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのループ 9又は ループ 1 1、 好ましくはループ 9に特異的に結合する抗体である、 上記何れか の測定試薬又はキット、
(2-4) GPVI特異的結合物質として、 GPVIのループ 2に特異的に結合する抗体 及びループ 9に特異的に結合する抗 GPVI抗体を含有する、上記何れかの測定試 薬又はキット、
(2 - 4a)少なくとも GPVIのループ 2に特異的に結合する抗体を非固相化抗体と して含有する、 上記何れかの測定試薬又はキット、
(2-4b) 少なくとも GPVIのループ 9に特異的に結合する抗 GPVI抗体を固相化 抗体として含有する、 上記何れかの測定試薬又はキット、
(2- 4c)少なくとも GPVIのループ 2に特異的に結合する抗体を非固相化抗体と して、及ぴ、ループ 9に特異的に結合する抗 GPVI抗体を固相化抗体として含有 する、 上記何れかの測定試薬又はキット、
(2-4d)サンドィツチ免疫測定法に用いる、上記何れかの測定試薬又はキット、
(2-4e) 非固相化抗体が F (ab' ) 2である、 上記何れかの測定試薬又はキット、
(2- 4f) ピオチン化非固相化抗体及び poly- HRP標識ス トレプトァビジンを含有 する、 上記何れかの測定試薬又はキット、
(2-4g) 前記 GPVIのループ 2に特異的に結合する抗体が F1232- 10- 2抗体であ る、 または、前記 GPVIのループ 9に特異的に結合する抗体が F1232-7- 1抗体で ある、 上記何れかの測定試薬又はキット、
(2-5) 少なくとも GPVIのドメイン 1に特異的に結合する抗体及び/又はドメ イン 2に特異的に結合する抗 GPVI抗体を含有する、体液中、特にヒ ト体液中の sGPVIの測定試薬又はキット、
(2 - 5a)前記 GPVIのドメイン 1に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのルー プ 2又はループ 5に特異的に結合する抗体である、 上記何れかの sGPVIの測定 試薬又はキット、
(2- 5b)前記 GPVIの ドメイン 2に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのルー プ 9又はループ 1 1に特異的に結合する抗体である、 上記何れかの sGPVIの測 定試薬又はキット、
(2- 5c)前記 GPVIのドメイン 1に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのルー プ 2又はループ 5に特異的に結合する抗体であり、 かつ、前記 GPVIのドメイン
2に特異的に結合する抗 GPVI抗体が GPVIのループ 9又はループ 1 1に特異的 に結合する抗体である、 上記何れかの sGPVIの測定試薬又はキット、
(2-6) 少なくとも GPVIのループ 2に特異的に結合する抗体及び/又はループ 9に特異的に結合する抗 GPVI抗体を含有する、 上記何れかの sGPVIの測定試薬 又はキット、
(2-6a)少なくとも GPVIのループ 2に特異的に結合する抗体を非固相化抗体と してを含有する、 上記何れかの' sGPVIの測定試薬又はキット、
(2 - 6b) 少なくとも GPVIのループ 9に特異的に結合する抗 GPVI抗体を固相化 抗体として含有する、 上記何れかの sGPVIの測定試薬又はキット、
(2 - 6c)少なくとも GPVIのループ 2に特異的に結合する抗体を非固相化抗体と して、及び、ループ 9に特異的に結合する抗 GPVI抗体を固相化抗体として含有 する、 上記何れかの sGPVIの測定試薬又はキット、
(2- 6d)サンドィツチ免疫測定法に用いる、上記何れかの測定試薬又はキット、
(2-6e) 非固相化抗体が F (ab' ) 2である、 上記何れかの測定試薬又はキット、 (2-6f) ビォチン化非固相化抗体及び poly- HRP標識ストレプトアビジンを含有 する、 上記何れかの測定試薬又はキット、
(2-6g) 前記 GPVIのループ 2に特異的に結合する抗体が F1232-10- 2抗体であ る、 または、前記 GPVIのループ 9に特異的に結合する抗体が F1232- 7- 1抗体で ある、 上記何れかの測定試薬又はキット、 である。 本発明の第 3の態様は、
(3) sGPVI又は mGPVIからなる血小板活性化マーカー、 である。 本発明の第 4の態様は、
(4) 血小板活性化マーカーとしての sGPVI又は mGPVIの使用、 である。 本発明の第 5の態様は、
(5) 試料中の sGPVI又は mGPVIを検出、 測定又は定量する工程を含む、 血小板 活性化もしくは血管内皮傷害の検出、 測定又は定量するための方法、 又はそれ らの判定方法もしくは評価方法、
(5-1) 上記何れかの GPVI、 特に sGPVIの測定方法、 測定試薬又は測定キット を用いて、 GPVI、 特に sGPVI、 より好ましくはヒ ト体液中の sGPVIを検出、 測 定又は定量する工程を含む、 血小板活性化もしくは血管内皮傷害の検出、 測定 又は定量するための方法、 又はそれらの判定方法もしくは評価方法、 である。 本発明の第 6の態様は、
(6) 試料中の sGPVI又は mGPVIを検出、 測定又は定量する工程を含む、 血小板 活性化もしくは血管内皮傷害関連疾患の診断方法、 罹病性の判定方法又は発症 リスクの評価方法、
(6-1) 上記何れかの GPVI、 特に sGPVIの測定方法、 測定試薬又は測定キット を用いて、 GPVI、 特に sGPVI、 より好ましくはヒ ト体液中の sGPVIを検出、 測 定又は定量する工程を含む、 上記血小板活性化もしくは血管内皮傷害関連疾患 の診断方法、 罹病性の判定方法又は発症リスクの評価方法、
(6-2)前記疾患が、好ましくは血栓性疾患もしくは塞栓性疾患又は動脈硬化性 疾患、 より好ましくは狭心症、 心筋梗塞、 心臓病、 脳梗塞及び痴呆からなる群 から選ばれるいずれかである、 上記何れかの診断方法、 罹病性の判定方法又は 発症リスクの評価方法、 である。 本発明の第 7の態様は、
(7) 試料中の sGPVI又は mGPVIを検出、 測定又は定量する工程を含む、 抗血小 板薬、好ましくはコラーゲン惹起血小板活性化又は凝集を抑制する抗血小板薬、 より好ましくは抗 GPVI抗体が奏効 (著効) する患者の選別方法、
(7-1) 上記何れかの GPVI、 特に sGPVIの測定方法、 測定試薬又は測定キット を用いて、 試料中の GPVI、 特に sGPVI、 より好ましくはヒ ト体液中の sGPVIを 検出、 測定又は定量する工程を含む、 上記抗血小板薬、 好ましくはコラーゲン
惹起血小板活性化又は凝集を抑制する抗血小板薬、より好ましくは抗 GPVI抗体 又は GPVI- Fcが奏効する患者の選別方法、
(7-2) 前記患者の疑われる疾患が、血小板活性化もしくは血管内皮傷害関連疾 患、 好ましくは血栓性疾患もしくは塞栓性疾患又は動脈硬化性疾患、 より好ま しくは狭心症、 心筋梗塞、 心臓病、 脳梗塞及び痴呆からなる群から選ばれるい ずれかである、 上記何れかの選別方法、 である。 本発明の第 8の態様は、
(8) 試料中の sGPVI又は mGPVIを検出、 測定又は定量する工程を含む、 抗血小 板薬、 好ましくはコラーゲン惹起血小板活性化又は凝集を抑制する抗血小板薬 の投与 (開始) 時期を決定する方法、
(8-1) 上記何れかの GPVI、 特に sGPVI、 より好ましくはヒ ト体液中の sGPVIの 測定方法、 測定試薬又は測定キットを用いて、 GPVI、 特に sGPVI、 より好まし くはヒ ト体液中の sGPVIを検出、測定又は定量する工程を含む、上記決定方法、 (8-2) 前記薬剤を投与する患者の疑われる疾患が、血小板活性化もしくは血管 内皮傷害関連疾患、 好ましくは血栓性疾患もしくは塞栓性疾患又は動脈硬化性 疾患、 より好ましくは狭心症、 心筋梗塞、 心臓病、 脳梗塞及び痴呆からなる群 から選ばれるいずれかである、 上記何れかの決定方法、 である。 本発明の第 9の態様は、
(9) 試料中の sGPVI又は mGPVIを検出、 測定又は定量する工程を含む、 抗血小 板薬、 好ましくはコラーゲン惹起血小板活性化又は凝集を抑制する抗血小板薬 の治療効果もしくは副作用発現の予測方法、 モニタリング方法又は予後の判定 方法、
(9-1)上記ヒト体液中の sGPVIの測定方法、測定試薬又は測定キットを用いて、 ヒ ト体液中の sGPVIを検出、 測定又は定量する工程を含む、 上記予測方法、 モ ユタリング方法又は予後の判定方法、
(9-2) 前記患者の疑われる疾患が、血小板活性化もしくは血管内皮傷害関連疾 患、 好ましくは血栓性疾患もしくは塞栓性疾患又は動脈硬化性疾患、 より好ま
しくは狭心症、 心筋梗塞、 心臓病、 脳梗塞及び痴呆からなる群から選ばれるい ずれかである、上記何れかの予測方法、モニタリング方法又は予後の判定方法、 である。 本発明の第 1 0の態様は、
(10) 1以上の GPVI特異的結合物質を含有する、 前記本発明第 5ないし 9の態 様の何れかの方法のための試薬又はキット、 である。 本発明の第 1 1の態様は、
(11) 上記診断方法又は選別方法によって、 診断又は選別された患者に抗血小 板薬、 好ましくはコラーゲン惹起血小板活性化又は凝集を抑制する抗血小板薬 を投与することを特徴とする疾患の予防又は治療方法、
(11-1)上記診断方法又は選別方法によつて、診断又は選別された患者に抗 GPVI 抗体又は GPVI - Fc、 好ましくは抗 GPVI抗体を投与することを特徴とする疾患の 予防又は治療方法、
(11 - 2) 前記疾患が血小板活性化もしくは血管内皮傷害関連疾患、 好ましくは 血栓性疾患もしくは塞栓性疾患又は動脈硬化性疾患、 より好ましくは狭心症、 心筋梗塞、 心臓病、 脳梗塞及び痴呆から選ばれるいずれかである、 上記何れか の予防又は治療方法、 である。 本発明の第 1 2の態様は、
(12) 上記診断方法又は選別方法によって、 診断又は選別された患者の疾患を 予防又は治療するための、 抗血小板薬、 好ましくはコラーゲン惹起血小板活性 化又は凝集を抑制する抗血小板薬を含有することを特徴とする薬剤、
(12-1) 上記診断方法又は選別方法によって、 診断又は選別された患者の疾患 を予防又は治療するための、 抗 GPVI抗体又は GPVI- Fc、 好ましくは抗 GPVI抗 体を含有することを特徴とする薬剤、
(12-2) 前記疾患が血小板活性化もしくは血管内皮傷害関連疾患、 好ましくは 血栓性疾患もしくは塞栓性疾患又は動脈硬化性疾患、 より好ましくは狭心症、
心筋梗塞、 心臓病、 脳梗塞及び痴呆からなる群から選ばれるいずれかである、 上記何れかの薬剤、
ό、ある。 [ 0 0 1 3 ]
本発明の測定方法、 測定試薬またはキットにより、 試料中の GPVI、 特に生体 試料中の sGPVI又は mGPVIが高感度に測定しうる。
また、 本発明の測定方法、 測定試薬またはキットを用いて、 sGPVI又は mGPVI を検出、 測定又は定量することにより、 血小板活性化もしくは血管内皮傷害の 検出、 測定、 定量、 判定もしくは評価、 血小板活性化もしくは血管内皮傷害関 連疾患の診断、 罹病性の判定もしくは発症リスクの評価、 抗血小板薬、 特に抗
GPVI抗体の奏効する患者の選別、 それらの投与 (開始) 時期の決定、 及ぴ、 そ れらの治療効果もしくは副作用発現の予測、 モニタリングもしくは予後の判定 等が可能となる。 図面の簡単な説明
[ 0 0 1 4 ]
図' 1は、 ラット GPVI遺伝子の塩基配列を示す。
図 2は、ヒ ト及ぴラット GPVIのアミノ酸配列のァラインメントならびに各ド メイン及び各ループ (L1〜L14) の位置を示す。
図 3は、ヒ ト及びマウス GPVIのアミノ酸配列のァラインメントならびに各ド メイン及び各ループ (L1〜L14) の位置を示す。
図 4は、 リコンビナント rGPVI- Fcの SDS- PAGEの結果を示す。
図 5は、 F12I39- 6- 1の SDS- PAGEの結果を示す。
図 6は、 抗ラット GPVI抗体の認識領域の解析の結果を示す。
図 7は、 ラット可溶型 GPVI ELISA標準曲線を示す。
図 8は、 ヒ ト可溶型 GPVI ELISA標準曲線を示す。
図 9は、 ラット血小板膜上の GPVIフローサイトメ トリ一解析の結果を示す。
図 1 0は、ラット血小板インビト口 sheddingサンプルにおける上清中の可溶 型 GPVI濃度を示す。
図 1 1は、 サル血小板膜上の GPVIフローサイ トメ トリー解析の結果を示す。 図 1 2は、 サル血小板の GPVI ウェスタン解析の結果を示す。
図 1 3は、サル血小板インビト口 sheddingサンプルにおける上清中の可溶型
GPVI濃度を示す。
図 1 4は、 ヒ ト血小板の GPVI フローサイ トメ トリ一解析の結果を示す。 図 1 5は、 ヒ ト血小板の GPVI ウェスタン解析の結果を示す。
図 1 6は、 ヒ ト血小板インビト口 sheddingサンプルにおける上清中の可溶型 GPVI濃度を示す。
図 1 7は、 ラットェンドトキシン惹起血栓モデル動物を用いた実験結果を示 す。
図 1 8 (A) は、 コラーゲン惹起血栓モデル動物を用いた 30分後の実験結果 を示す。
図 1 8 (B) は、 コラーゲン惹起血栓モデル動物を用いた 15分後の実験結果 を示す。
図 1 9 (A) は、 バルーンカテーテル血管内膜傷害モデルを用いた、 血漿中可 溶型' GPVI量等の測定の実験結果を示す。
図 1 9 (B) は、 バルーンカテーテル血管内膜傷害モデルを用いた、 抗 GPVI 抗体の効果を示す。
図 2 0は、 ラットエンドトキシン惹起血栓モデル動物における尿中の可溶型 GPVIの変化を示す。
図 2 1は、 各種ヒ ト病態血漿の可溶型 GPVIの量を示す。
図 2 2は、 ヒ ト血小板の GPVI ウェスタン解析の結果を示す。 発明を実施するための最良の形態
[ 0 0 1 5 ]
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、測定対象である GPVIの由来動物種は特に限定されず、哺乳 類、 例えば、 マウス、 ラット及びサルであるが、 好ましくはヒト GPVIである。 これらの GPVIのヌクレオチド配列及びアミノ酸配列は公知であり、 マウス、 ラ ット及びヒ ト GPVIのアミノ酸配列は図 1〜3に示されている。 mGPVIは膜貫通 蛋白質として血小板表面に存在し、 通常、 全長の GPVI分子であり、 上述のアミ ノ酸配列からなる。 sGPVIは、 血小板から何らかの原因により遊離したもので あるが、 酵素、 特に血小板由来の酵素、 好ましくは、 プロテアーゼ、 より好ま しくはメタロプロテアーゼにより切断されて可溶型となったものと考えられる。 その分子量は、 例えば、 実施例で示されるように、 還元条件下で SDS- PAGE上約 55kdであり、 抗 GPVI抗体を用いてウェスタンブロッテイング等で検出可^で める。
本発明において試料(以下、検体と記載することがある) 、特に生体試料は、 必ずしも限定されず、 体液、 細胞又は組織が含まれ、 体液としては、 例えば、 血液、 血漿、 多血小板血漿 (PRP) 乏血小板血漿 (PPP) 、 及び尿等、 細胞とし ては例えば血小板である。 mGPVIの場合、 好ましくは血小板を含有する生体試 料であり、特に、血液、多血小板血漿(PRP) 又は血小板である。 sGPVIの場合、 好ましくは体液、 特に、 血液、 血漿、 乏血小板血漿 (PPP) 及び尿等である。 ま た、 '生体試料の由来動物種は、 必ずしも限定されず、 哺乳類、 例えば、 ヒト、 マウス、 ラット、 ゥサギ及びサル等が含まれ、 好ましくはヒトである。
[ 0 0 1 6 ]
本発明の第 1の態様の試料中の GPVIの測定方法は、 1以上の GPVI特異的結 合物質を用いて、 試料中の GPVI、 特に生体試料中の sGPVI又は mGPVIを測定す ることを特徴とする。 また、本発明の第 2の態様の試料中の GPVIの測定試薬又 はキットは、少なくとも 1以上の GPVI特異的結合物質を含有することを特徴と する。本発明において、 GPVI特異的結合物質は、コラーゲン、 CRP及び convulxin 等を含むが、 好ましくは、 抗 GPVI抗体である。 以下、 代表例として抗体を記載 するが、 本発明においては、 適用可能な範囲で、 抗体以外の GPVI特異的結合物 質についても抗体の記載に準ずることができる。
抗 GPVI抗体は、 特異的に GPVI、 特に、 sGPVI又は mGPVIを認識又は結合する 抗体であれば、 必ずしも限定されない。 GPVIとの結合親和性 (Kd) ヽ 10一7 Μ 以下、 好ましくは 3X10— 8Μ以下、 より好ましくは 1Χ1(Γ8Μ以下、 さらに好ましく は 3Χ1(Γ9Μ以下、 特に好ましくは 1Χ10_9Μ以下である。
抗体の由来動物種は必ずしも限定されず、 例えば、 哺乳類、 特にマウス、 ラ ット、 ハムスターもしくはゥサギ等が挙げられ、 また、 遺伝子組換え技術によ り作製される抗体であってもよい。 モノクローナル抗体及ぴポリクローナル抗 体のいずれも適用可能であるが、 特異性等の性状及び物質的な均一性の点では モノクローナノレ抗体は好ましい。
本発明において抗体の形態は、 必ずしも限定されず、 種々のものが適用可能 である。 例えば、 本発明の抗体としては、 その活性、 例えば、 GPVIとの結合能 を有する限りにおいて、抗体の断片もしくは一部又は誘導体でもよレ、。例えば、 断片としては、 Fab (Fragment of antigen binding) 、 Fab' , (Fab,)2等、 誘導 体としては、一本鎖抗体 (scFv) 、 ジスルフィ ド安定化抗体(dsFv) 、 diabody, sc (Fv) 2 (例えば、 Orita T, Blood. 2005; 105: 562- 566参照) 、 nanobody (例 えば、 Cortez-Retamozo V. , Cancer Research 64, 2853-2857, 2004参照) 及 び CDRを含有するぺプチド等が挙げられる。これらは公知の方法で作製しうる。 公知の抗 GPVI抗体、例えば、マウス抗ヒ ト GPVIモノクローナル抗体(W001/810、 W002/80968、 W02005/111083等参照) 、 ラット抗マウス GPVIモノクローナル抗 体 (Nieswandt et al. ) 、 ラット抗ヒト GPVIモノクローナル抗体 hGP5C4
(W02005/54294等参照) 、 ヒトー本鎖抗体 (scFv) (W001/810, W003/54020等 参照)及ぴヒト抗ヒト GPVIモノクローナル抗体(W005/7800)であってもよい。
[ 0 0 1 7 ]
結合領域、結合部位もしくはェピトープが同定されている抗体等が好ましく、 特定のドメイン、 例えば、 ドメイン 1もしくはドメイン 2と結合する抗体、 又 は、 特定のループ、 例えば、 ループ 2もしくはループ 9の少なくとも一部を認 識する抗体が挙げられる。 具体例としては、 実施例に示された抗体ならびに
W02006/117910及ぴ W02006/118350の実施例に記载された抗体等が挙げられる。 そのような抗体の製造方法及び同定方法は種々の方法が適用でき、 公知の方法
を応用することもできるが、 好ましくは、 GPVIの特定部位、 例えば特定のドメ イン、 好ましくは特定のループ領域を他のアミノ酸配列、 具体的には、 他の動 物種の GPVIの対応するアミノ酸配列で置換した変異体を免疫用抗原又は抗体 の同定用抗原として用いる方法が挙げられ、 具体的には本願または
W02006/117910もしくは TO2006/118350の実施例に記載された方法を適用する ことができる。 また、 それらの抗体の認識領域等は、 当該置換変異体と抗体と の結合性及び GPVIと抗体との結合性を公知の方法に準じて測定することによ り推定しうる。 具体的な方法は実施例に示されている。
これらの結合領域等の同定された抗体を 1又は 2以上、 好ましくは結合領域 等の異なる 2種類、好ましくは GPVIとの結合において互いに競合しない抗体の 組合せ、 例えば、 ドメイン 1と結合する抗体及びドメイン 2と結合する抗体、 又は、 ループ 2の少なくとも一部と結合する抗体及びループ 9の少なくとも一 部と結合する抗体の組合せを用いることにより、 特異性、 選択性及ぴ Z又は感 度の高い GPVIの検出又は測定が可能であり、 特に、 複数の GPVI分子種が混在 する場合において、 その内の特定の GPVI分子種、 例えば、 sGPVIを特異的、 選 択的及び/又は高感度に測定することが可能となる。 好適な例は実施例に示さ れている。
[ 0 0 1 8 ]
本発明において、 測定感度は必ずしも限定されないが、 試料中の濃度で示し た場合、 Ing/mL以下、 好ましくは 300pg/ml以下、 より好ましくは 100pg/ml以 下、 さらに好ましくは 30pg/ml以下、 特に好ましくは 10pg/ml以下、 極めて好 ましくは 3. Opg/ml以下、 最も好ましくは 1. 0pg/ml以下である。 また、 検出限 界濃度が、 Ing/mL以下、 好ましくは 300pg/ml以下、 より好ましくは 100pg/ml 以下、 さらに好ましくは 30pg/ml以下、 特に好ましくは 10pg/ml以下、 極めて 好ましくは 3. Opg/ml以下、 最も好ましくは 1. Opg/ml以下である。 すなわち、 検出限界濃度は、 Ing/mL以下、 好ましくは 300pg/ml以下、 より好ましくは
100pg/ml以下、さらに好ましくは 30pg/ml以下、特に好ましくは 10pg/ml以下、 極めて好ましくは 3. Opg/ml以下、 最も好ましくは 1. Opg/ml以下である。 試料 中の濃度は、 標準曲線を作成する標準物質、 例えば、 GPVI- Fcの量として換算
しても良い。 また、 測定前に試料の希釈操作を要する場合は、 希釈後の値であ る。
試料、 特に血漿中の可溶型 GPVIを測定する場合は、 血漿成分の影響を受けず に特異的に血小板より遊離した GPVIを測定することが必要とされる。 したがつ て、 一般的には特異性の高い抗体を用いたサンドイッチ免疫測定法が使用され る。 そこで本発明の測定法において重要となるのは精度よく GPVIを測定するた めに、 できるだけ血漿成分の影響を減らすことであり、 その手段としては第一 に検体の希釈が選択される。 また、 影響を減らす目的で反応液中に界面活性剤 等の成分を添加することも可能であるが、 それらが測定系に影響を及ぼす可能 性がある。 従って、 精度よく GPVIを測定するためには、 検体を希釈して測定す ることが好ましく、 必然的に高感度が要求される。 実施例 8に示した方法を用 いた場合、 正常ヒ ト血漿中の sGPVI濃度は、 hGPVI- hFc量に換算して約 0. 1〜 lOng/mL (中央値 0. 4ng/mL) の範囲である。 検体を精度よく測定するには、 通 常検体を 5倍以上、 好ましくは 10倍以上、 より好ましくは 50倍以上、 さらに 好ましくは 100倍以上希釈して測定することが必要であり、 そのためには測定 系の感度は 30pg/ml以下、 好ましくは 10Pg/ml以下、 より好ましくは数 pg/mL 以下であることが望ましい。 本発明の方法、 具体的には実施例、 特に、 実施例 8で示した方法を用いれば、' 3pg/mLの標準物質で約 40mAbsの吸光度差が得ら れ、 本発明により充分な感度を得ることが可能である。
本発明の測定方法、測定試薬又はキットにおいて、抗 GPVI抗体は標識抗体又 は非標識抗体のいずれでもよいが、 少なくとも 1つの標識抗体を用いることが 好ましい。 この標識において、 標識物質及び標識方法は公知の物質及び方法を 用いることができ、 放射性物質、 酵素、 蛍光物質及び化学発光物質等が用いら れ、 いずれも適用可能である。 これらの内、 酵素標識抗体を用いる方法が特殊 な設備や高価な検出装置を必要とせず取り扱いも簡便である等の点で好ましい。 また、 標識には、 直接法と間接法があり、 いずれも適用可能である。
本発明の測定方法において、 その測定原理等は必ずしも限定されず、 一般的 には免疫測定法であり、 公知の方法、 例えば、 酵素抗体法、 ELISA法、 サンド イッチ免疫測定法、 凝集法、 固相直接法、 固相結合法、 溶液反応法、 競合法、
非競合法、 ィムノクロマト法、 フロースルー法等が挙げられ、 これらを単独又 は組み合わせて、 適用しうる (例えば、 「超高感度酵素免疫測定法」 石川栄治 著、学会出版センター (1993年) 、 「免疫測定法の新しい活用事例と診断試薬 · 治療薬開発への応用」 免疫測定法開発研究会、 経営教育出版、 酵素免疫測定法 (第 3版) 石川栄治等編、 医学書院 (1987年) 等参照) 。 また、 標識の信号を 電気化学的に測定する M E D I A法 (特開平 5 _ 2 6 4 5 5 2 ) による測定、 マイクロチップを使用したィムノアツセィ法 ( 「バイオサイエンスとインダス トリー」 第 61卷 449一 454頁 2003年) 、 時間分解蛍光免疫測定法 「アナリテ イカノレ ノ ィ才ケミス トリー (Analytical biochemistry) 」 (米国) 、 1984 年、 第 137卷、 p. 335- 343) 及びホモジーニアス免疫測定法も適用できる。 これ らの内、 サンドイッチ免疫測定法、 特に、 マイクロウェルプレート等の不溶性 担体を用いたサンドィツチ ELISA法が簡便であり、 感度の面でも好ましい。
[ 0 0 1 9 ]
サンドィツチ免疫測定法は公知の技術を利用することができる。 測定法の原 理、 応用及ぴ改良法については、 例えば、 「超高感度酵素免疫測定法」 石川栄 治著、 学会出版センター (1993年) 、 「免疫測定法の新しい活用事例と診断試 薬 ·治療薬開発への応用」 免疫測定法開発研究会、 経営教育出版、 酵素免疫測 定法 (第 3版) 石川栄治等編、 医学書院 (1987年) に記載されている。
サンドィツチ免疫測定法は、 通常測定する蛋白質を認識する部位の異なる 2 種類以上の抗体を用いて抗体—抗原一抗体複合体を形成させることにより測定 する方法である。 サンドイッチ免疫測定法においては、 通常、 不溶性担体を用 いるが、 その場合、 不溶性担体に結合させる第一の抗体を固相化 (用) 抗体又 はキヤプチヤー抗体と、 第二の抗体を非固相化抗体、 液相抗体もしくは検出用 抗体又は直接的若しくは間接的に標識される場合標識抗体と呼ぶことがある。 まず、 第一の抗体が結合した不溶性担体を用意し、 固相若しくは反応場所とす る。検体を固相の該不溶性担体に添加し、反応させる。一定時間反応させた後、 洗浄して固相に特異的に結合しなかった物質を除去する。 続いて標識した第二 の抗体を添加する。 一定時間反応させた後、 洗浄して複合体を形成しなかった 標識抗体を除去し、 標識物に基づいて固相に特異的に結合した複合体の量を特
異的に定性または定量する。 サンドィツチ法は上記のように 2段階で行う方法 ( 2ステップ法) と抗原及び標識^:体を同時に加える 1段階法(1ステップ法) のいずれを使用することもできる。
本発明において、固相化抗体としては、種々の抗体を用いることができるが、 好ましくはドメイン 2、 より好ましくはループ 9又はループ 1 1、 特にループ 9に特異的に結合する抗体が挙げられる。 また、 非固相化抗体としては、 種々 の抗体を用いることができるが、 好ましくはドメイン 1、 より好ましくはルー プ 2又はループ 5、特にループ 2に特異的に結合する抗体が挙げられる。また、 これらの内、 固相化抗体としてループ 9に特異的に結合する抗体及び非固相化 抗体としてループ 2に特異的に結合する抗体の組合せが好ましい。
サンドイツチ免疫測定法において、 不溶生担体を用いずに、 溶液中で行うこ ともできる。 例えば、 抗原と標識抗体及び第二の標識した第二の結合物質を液 相中で反応させ、 該標識と該第二の標識との相互作用を測定する方法である。 また、 サンドイッチ免疫測定法等において、 別法として競合法により測定する こともできる。 抗原一抗体複合体を形成させる中で、 検体中の抗原と標識した 抗原若しくは標識した抗原類似物質を競合させることにより測定する方法であ る。
また、 サンドイッチ免疫測定法において、 さらに別法として第二の特異結合 を利用して測定することもできる。 抗体一抗原一抗体一第二の特異結合物質の 複合体若しくは抗体一抗原一抗体一第二の特異結合物質一第二の特異結合物質 の特異結合パートナー (以下、 第二の特異結合パートナーと記載することがあ る) の複合体を形成させて測定する方法である。 第二の特異結合物質一第二の 特異結合パートナーの組み合わせとしては、 抗原とその抗体、 リガンドとその レセプター、 糖鎖含有物質とレクチン、 ビォチンとアビジン若しくはストレプ トァビジン等が挙げられる。 さらに、 抗体に対する抗体、 すなわち、 抗ィムノ グロブリン抗体を利用して、 抗体一抗原一抗体—抗ィムノグロプリン抗体の複 合体を形成させて測定する方法、 また、 抗ィムノグロブリン抗体及び第二の特 異結合を利用して、 抗ィムノグロプリン抗体—抗体一抗原一抗体一第二の特異
結合物質一第二の特異結合パートナー等を形成させて測定する方法が例示され る。
[ 0 0 2 0 ]
2種類の結合部位の異なる抗体を用いる本発明の好適な例としては、 第二の 特異結合物質一第二の特異結合パートナーとしてピオチンとアビジン若しくは ストレプトアビジンを用いて、 一方、 特に、 非固相化抗体をピオチン化し、 こ れを標識、特に poly - HRP標識したストレプトアビジンで検出する系が挙げられ る。 具体的な方法は実施例に示されている。
本発明のサンドイッチ免疫測定系で用いる不溶性担体は、 ビーズ、 ラテック ス粒子、 磁性粒子、 プレート、 チューブまたはメンプレン等を用いればよい。 ビーズ、プレートまたはチューブは、その材料としてポリスチレン、ナイ口ン、 ガラス、 シリコンラバー、 ステンレス、 プラスチック等が挙げられる。 メンブ レンは、 セルロース、 セルロース誘導体、 ニトロセルロース、 多孔性合成ポリ マー、 グラスファイバー、 布、 不織布、 濾紙等が挙げられる。 形状としては、 ビーズ、 ラテックス粒子または磁性粒子等は球形として用いることができる。 保存時のスペースの確保の点で有利である。 プレートまたはチューブはゥエル 形として用いることができる。 市販の自動化測定器、 プレートリーダー等に対 応可能な点で有利である。 また、 メンプレンはィムノクロマト法、 フロースル 一法に用いることができる。 抗体、 第二の結合物質、 第二の特異結合物質若し くはそのパートナー、 または抗ィムノグロブリン抗体の不溶性担体への結合は 熱吸着法、 化学結合法等により行うことができる。
また、 非特異的吸着等の反応を低減し、 測定系の特異性もしくは感度を高め る目的で、 不溶性担体に上記物質が結合していない非吸着面に対して、 測定系 に影響しない物質でプロッキング処理することが好ましい。 測定系に影響しな い物質としては、ゥシ血清アルブミン(BSA)、カゼィン等の蛋白質及び Tween20、
NP-40等の界面活性剤等が例示される。
本発明のサンドイッチ免疫測定系キットに用いる標識としては、 ペルォキシ ダーゼ、 特に、 西洋ヮサビペルォキシダーゼ (HRP) 、 アル力リフォスファタ一 ゼ、 β -Ό-ガラク トシダ一ゼ、 ォキシダーゼ及びゥリカーゼ等の酵素、 アタリジ
-ゥム若しくはその誘導体、 またはェクオリン若しくはその改変体等の化学発 光物質、 F I T Cまたはユウ口ピウム (E u ) 若しくはサマリウム (S m) 等 のランタノィ ド等の蛍光物質、 色素、 金コロイ ド、 着色ラテックス、 あるいは アイソトープが挙げられる。
例えば酵素としてペルォキシダーゼを用いる場合は、発色基質として 3, 3 ' , 5, 5 ' —テトラべンジジンまたは 1 , 2—フエ二レンジァミン等が、 アル力 リフォスファターゼを用いる場合は、 発色基質として 4一二トロフエ-ルフォ スフェート等が、 - D-ガラク トシダーゼを用いる場合は、 発色基質として 2— ニトロフエニル . β - D-ガラク トシド等が例示される。
抗体、 第二の結合物質、 第二の特異結合物質若しくはそのパートナー、 また は抗ィムノグロプリン抗体への酵素標識は、 二段階ダルタルアルデヒ ド法、 過 ョ一ソ酸法、 マレイミ ド法、 ピリジル ·ジスルフィ ド法等により行うことがで きる。 酵素以外の標識についても熱吸着法、 化学結合法等の公知の技術を利用 して行うことができる。 ·
酵素標識は、 上記に例示される様な発色基質を用いれば、 通常の吸光度測定 系を用いて測定でき、 また感度も比較的高く好ましい。 化学発光物質、 蛍光物 質、 着色標識若しくはアイソトープを標識として用いる場合は、 その標識に応 じた'測定機器により測定できる。 また、 E u、 例えばクリプテート (E u 3+ ク リブテート) 等の蛍光物質を用いる場合は、 第二の標識として X L 6 6 5等の ァロフィコシァニン誘導体を用いて、 蛍光共鳴エネルギー転移を測定すること もできる。 また、 簡易な測定キット、 例えィムノクロマト法、 フロースルー法 を利用したキットに用いる標識は、 色素、 金コロイ ド若しくは着色ラテックス が視覚的にも観察可能であるので好ましい。 凝集法で不溶性担体として用いら れる粒子としては、 ラテックス、 赤血球 (例えば羊赤血球) 、 ゼラチン、 マイ クロビーズまたはカーボン粒子等、 一般に用いられている粒子を使用すること ができる。
[ 0 0 2 1 ]
本発明の測定試薬又はキットは、 1以上の GPVI特異的結合物質以外に任意の 構成成分又は構成要素を含有してもよい。 例えば、 測定試薬又はキッ トの任意
の構成成分として、 安定化剤、 賦形剤又は保存剤等の添加剤、 また、 キットの 任意の構成要素として、 標準物質、 検体若しくは標識抗体等の緩衝液若しくは 希釈剤、 標識抗体に酵素が使われる場合の酵素に適した発色基質、 ブロッキン グ剤、反応停止剤または洗浄剤等が例示される。希釈剤は、特に限定はないが、 検体に含まれる物質を含む希釈剤が好ましい。 検体が血清であり、 その血清を 入手するための採血を E D T Aやクェン酸存在下で行われた場合、 希釈剤とし ても同量の E D T Aやクェン酸が存在することが好ましい。 例えば、 希釈剤中 に E D T Aを 0 . 2〜 l m g /m 1含むことが好ましい。 標準物質としては、 生体試料から調製した GPVI、 特に、 sGPVIもしくは mGPVI、 又は、 遺伝子工学 的に調製した組換 GPVI、 特に、 sGPVI、 mGPVI、 GPVI細胞外ドメインもしくは GPVI細胞外ドメインとィムノグロブリンの Fc断片との融合蛋白質 (GPVI - Fc) 等である。 これらは公知の方法で調整しうる。
本発明の測定試薬又はキットは、以下の診断方法等において特に有用である。
[ 0 0 2 2 ]
後述の実施例で示されるように、 sGPVI又は mGPVIは生体内及び生体外にお ける種々の血小板刺激による影響、 特に血小板の活性化に伴って変動、 特に量 的な変動を示すことから、 生体内における血小板の活性化、 特に GPVIを介した 活性化の状態を推定するバイオマーカー、 すなわち、 血小板活性化マーカーと して利用しうる。
具体的には、 例えば、 生体試料中の sGPVIが高値である場合、 生体内で何ら かの原因、 特に、 GPVIを介した機序により血小板の活性化が惹起されているこ とが推定される。 また、 例えば、 血小板の mGPVIが高値である場合、 生体内に おける血小板刺激、 特に、 GPVIを介した刺激に対して血小板が活性化されやす い状態にあることが推定される。 これらの原因、 機序又は刺激としては、 血管 内皮傷害による血管内皮下のコラーゲンの露出等が挙げられる。
すなわち、 本発明は、 可溶型 GPVI (sGPVI) 又は血小板膜上に存在する GPVI (mGPVI)からなる血小板活性化マーカー、血小板活性化マーカーとしての sGPVI 又は mGPVIの使用を提供する。 .
[ 0 0 2 3 ]
また、 sGPVI又は mGPVIを検出、 測定又は定量することにより、 血小板活性 化もしくは血管内皮傷害関連疾患の診断等を行なうことができる。 すなわち、 本発明は、
試料中の sGPVI又は mGPVIを検出、 測定又は定量する工程を含む、 血小板活 性化もしくは血管内皮傷害の検出、 測定又は定量するための方法、 又はそれら の判定方法もしくは評価方法 (本発明の第 5の態様) 、
試料中の sGPVI又は mGPVIを検出、 測定又は定量する工程を含む、 血小板活 性化もしくは血管内皮傷害関連疾患の診断方法、 罹病性の判定方法又は発症リ スクの評価方法 (本発明の第 6の態様) 、
試料.中の sGPVI又は mGPVIを検出、 測定又は定量する工程を含む、 抗血小板 薬、 好ましくはコラーゲン惹起血小板活性化又は凝集を抑制する抗血小板薬、 より好ましくは抗 GPVI抗体が奏効する患者の選別方法(本発明の第 7の態様)、 試料中の sGPVI又は mGPVIを検出、 測定又は定量する工程を含む、 上記の薬 剤の投与 (開始) 時期を決定する方法 (本発明の第 8の態様) 、
試料中の sGPVI又は mGPVIを検出、 測定又は定量する工程を含む、 上記の薬 剤の治療効果もしくは副作用発現の予測方法、 モニタリング方法又は予後の判 定方法 (本発明の第 9の態様) 、
1·以上の GPVI特異的結合物質を含有する、前記本発明の第 5ないし 9の態様 の方法のいずれかのための試薬又はキット (本発明の第 1 0の態様) 、 を提供する。
[ 0 0 2 4 ]
上記本発明の第 5〜 9の態様の方法は、 少なくとも試料、 特に生体試料中の sGPVI又は mGPVIを検出、 測定又は定量する工程を含むが、 これは、 少なくと も、 試料と 1以上の GPVI特異的結合物質を接触させる工程を含む。 試料中の sGPVI又は mGPVIの検出、 測定又は定量は、 本発明の測定方法、 測定試薬又は キットを用いて、 上記本発明の第 1及び 2の態様の記载に準じて行なうことが できる。
[ 0 0 2 5 ]
試料が任意の疾患の患者又は疾患の恐れのある個体由来である場合、 健常人 の測定値との比較、 発症前後の測定値との比較、 もしくは、 治療、 特に抗血小 板薬等の薬剤による治療の前後の測定値の比較を行なう工程を伴うことができ る。 例えば、 予め複数の正常人の測定結果を求めておき、 その測定結果の平均 値若しくは範囲をとる等により標準化した正常人の値または正常人の値の範囲 を、 正常人の標準値として、 測定した値と比較する工程である。 例えば、 正常 人の平均値 + 2 S Dまたは 3 S Dをカツトオフ値として正常人の標準値を求め ればよい。 また、 予め疾患、 例えば、 血栓症患者の基準値を求めておいて、 測 定した値と比較する工程を行ってもよい。 この工程を正常人の標準値と比較す る工程の代わりに行ってもよい。 これらの測定及び又は測定値の比較を行なう ことで、 上記した本発明第 5〜 9の態様の方法を効率的に実施することができ る。
[ 0 0 2 6 ]
本発明において、 前記血小板の活性化は、 必ずしも限定されないが、 好まし くは血小板ァゴニス ト、 より好ましくは、 GPVI特異的ァゴニス トによるもので ある。 当該血小板ァゴニス トとしては、 コラーゲン、 特に、 血管内皮障害に伴 う血管内皮下に存在するコラーゲンが挙げられ、 その他に、 血小板活性化作用 を有する抗 GPVI抗体、 CRP及び convulxin等が挙げられる。
[ 0 0 2 7 ]
本発明において、 血小板活性化もしくは血管内皮傷害と関連する疾患は、 血 小板の活性化もしくは凝集、 特にコラーゲンによる血小板の活性化もしくは凝 集、 血管内皮傷害、 又は、 動脈硬化性の反応に起因する、 又はそれらを伴う疾 病及び血液凝固系の異常、 例えば、 血液凝固系の宂進に起因するもしくはそれ を伴う疾患を含む。 特に、 血栓もしくは塞栓又は動脈硬化に起因する又はそれ らを伴う疾患、 すなわち、 血栓性もしくは塞栓性疾患又は動脈硬化性疾患、 例 えば、 血栓症及び塞栓症ならびに動脈硬化症等である。 これらの疾患には、 動 脈性血栓症のみならず、 静脈性血栓症も含まれ、 また、 心房細動に起因する脳 梗塞も含まれる。
具体的には、 狭心症、 心筋梗塞、 血栓溶解療法時、 経皮的冠動脈内腔拡張術 施行時、 ステント施行時、 バイパス手術施行時もしくは人工血管施行時の、 ま たはこれらの後の血管内皮肥厚、 血管再狭窄、 狭心症もしくは心筋梗塞、 等が 挙げられる。さらに、心房細動もしくは心房粗動及ぴこれらに起因する血栓症、 塞栓症、 特に脳梗塞、 等が挙げられる。 その他、 閉塞性血栓性血管炎、 急性動 脈閉塞症、 閉塞性動脈硬化症または深部静脈 栓症等があり、 脳梗塞 (ァテロ ーム性血栓性梗塞、 ラクナ梗塞、 心原性梗塞) 、 一過性脳虚血発作、 くも膜下 出血後の脳血管攣縮、 肺血栓、 肺塞栓症、 血管性紫斑病、 特発性血小板減少性 紫斑病、 血栓性血小板減少性紫斑病、 播種性血管内凝固症候群、 血液体外循環 時 (血液透析) の血液凝固防止、 全身性エリテマトーデス、 多発性動脈炎、 抗 リン脂質抗体症候群、 紫斑病性腎炎、 糖尿病に伴う内皮細胞傷害、 糖尿病性腎 炎、 糖尿病性網膜症、 腎塞栓、 移植治療に伴う合併症 (肝静脈閉塞症、 移植片 対宿主病) 等が挙げられる。 好ましくは、 血栓性もしくは塞栓性疾患又は動脈 硬化性疾患、例えば、血栓症もしくは塞栓症又は動脈硬化症、より好ましくは、 狭心症、 心筋梗塞、 心臓病、 脳梗塞又は痴呆である。
本発明の測定方法、 測定試薬又はキットを用いて、 試料中の GPVI、 特に生体 試料中の sGPVI又は mGPVIを測定することにより、 血小板活性化もしくは血管 内皮傷害の検出、 測定又は定量、 判定もしくは評価、 又は、 血小板活性化もし くは血管内皮傷害関連疾患の診断、 罹病性の判定もしくは発症リスクの評価が 可能である。 それらの実施においては、 健常人の測定値との比較、 発症前後の 測定値との比較、 又は、 治療、 特に抗血小板薬等の薬剤による治療の前後の測 定値の比較を行なう工程を伴うことが好ましい。
本発明において、抗血小板薬は必ずしも限定されず、公知の薬剤が挙げられ、 例えば、 ァスピリ ン、 チタ口ビジン、 G P I I b Z I I I aアンタゴニスト等 が挙げられる。 また、 コラーゲン惹起血小板活性化又は凝集を特異的に抑制す る抗血小板薬としては、 種々のものが適用可能である。 例えば、 コラーゲンに 対する抗体、 コラーゲンペプチド、 その断片及び誘導体 (例えば、 W099/50281 等参照) 、 GPVI、その断片もしくはそれらの誘導体、例えば、 GPVI- Fc (例えば、
W001/810、 W003/104282等参照) などが挙げられる。 好ましくは、 抗 GPVI抗体
または GPVI - Fc、 より好ましくは抗 G P VI抗体である。 抗 GPVI抗体としては、 公知の抗 GPVI抗体、例えば、マウス抗ヒ ト GPVIモノクローナル抗体(W001/810、 W002/80968, W02005/111083等参照) 、 ラット抗マウス GPVIモノクローナル抗 体 (Nieswandt et al. ) 、 ラット抗ヒト GPVIモノクローナル抗体 hGP5C4
(W02005/54294等参照) 、 ヒ トー本鎖抗体 (scFv) (W001/810、 W003/54020等 参照) 及ぴヒ ト抗ヒト GPVIモノクローナル抗体 (W005/7800) を使用しうる。 好ましくは、 コラーゲン惹起血小板凝集を抑制する抗体、 G P VI消失作用を有 する抗体、 GPVIのループ 9を認識する抗体が挙げられる。 具体例としては、 本 願実施例に示された抗体ならびに W02006/117910及ぴ W02006/118350の実施例 に記載された抗体等が挙げられる。
本発明の測定方法等により試料中の sGPVI又は mGPVIを検出、 測定又は定量 することで、 これらの薬剤の奏効する患者の選別、 それらの投与 (開始) 時期 の決定、 及び、 それらの治療効果もしくは副作用発現の予測、 モニタリングも しくは予後の判定等が可能となる。 それらの実施においては、 健常人の測定値 との比較、 または、 治療、 特に抗血小板薬等の薬剤による治療の前後の測定値 の比較を行なう工程を伴うことが好ましい。
[ 0 0 2 8 ]
心筋梗塞や脳梗塞の 2次予防や、 糖尿病に伴う末梢動脈閉塞症において血漿 中および/あるいは尿中の可溶型 GPVIを測定し、 高値を示した患者を選別し、 このような患者に抗 GPVI抗体あるいは可溶型 G P V I - F c を投与すると、 患 者を選別しなかった場合に比べ、 高い有効率を示すと予想される。 すなわち、 血中および Zあるいは尿中の可溶型 GPVI量を測定することにより、 心筋梗塞、 脳梗塞および末梢動脈閉塞症、 等の血栓症の高リスク患者を選別すること、 さ らには抗 GPVI抗体や可溶型 G P V I - F cが有効である患者を選別することが できる。
[ 0 0 2 9 ]
PCI施行後に血漿中および/あるいは尿中の可溶型 GPVI量を測定する。 可溶 型 GPVI量が高値を示している期間、抗血小板療法を継続した場合と継続しなか つた場合を比較すると、 継続した方がしなかった場合に比べ心血管イベントの
発症率は低いと予想される。 すなわち、 血漿中および/あるいは尿中の可溶型 GPVI量を測定することにより、 血栓症発症リスクを評価し、 抗血小板薬の投薬 期間を決めることができる。 実施例
[ 0 0 3 0 ]
以下の実施例により本発明を更に詳述するが、 本発明はこれら実施例に限定 して理解されるべきものではない。 [実施例 1 ]
[ 0 0 3 1 ]
ラット GPVI遺 fe子のクローニング
先ず、 公知であるマウス GPVI遺伝子の情報を基に、 マウス GPVI遺伝子の各 ェクソンをそれぞれ増幅可能なプライマー (6対) を設計した。 これらを用い て、 ラットゲノム DNAを铸型とした PCRを行い、 特異的に増幅された遺伝子断 片をシークェンスし、つなぎあわせることで、 ラット GPVI遺伝子配列を推定し た。 次に、 この配列情報に基づいてラット GPVI用プライマー (ratGPVI- # a, mGPVI-d) を再設計し、 ラット骨髄由来 cDNA (ラット骨髄由来 RNAを、 オリゴ dTプライマーを用いて逆転写して合成) を铸型とした PCRで、 ラット GPVI全 長遺伝子を増幅した。 増幅産物をゲルから抽出し、 pT7 - Blue (T)ベクター (タカ ラバイオ) に TAクローユングした後、 塩基配列を決定した。 推定した配列と同 じことを確認し、 このプラスミ ドを pTK-2478とした。 図 1にラット GPVI遺伝 子の塩基配列を示す。
表 1 第 1 - .クソン rat GPVI- a CCCTCAGCGCATCCTGTTCCTAT (配列番号 1 )
rat GPVI-c TTTCCCAGGTCACCTTCAGGACT (S3列番号 2 )
第 2、 3ェクソン rat GPVI - f TTAAGGGAGTCTCTAGCCTCTG (配列番号 3 )
mGPVI-g GTTTAGCATACACACCTGTAGCAATTAGCT
(配列番号 4 )
第 4ェ ■クソン rat GPVI-j CCTGTTTCCTGTCTTTAATAGAG (配列番 * 5〉
rat GPVI - 1 CCTTGCCCACACCTCTGACTCC (配列番号 6 )
第 5ェ .クソン rat GPVI - m GTCAGAAAATCAAGTCACAGAAATG (配列番号 7 )
rat GPVI-o TTCAGACACATTTGTAGTAGAAC (配列番号 8 )
第 6ェクソン rat GPVI-r GGAGCACTTGGGATGAACTGTCA (配列番号 9 )
rat GPVI-s GAGAAACCCATCCTCTTGCCAC (gB列番号 1 0 )
第 7ェクソン rat GPVI-v GCTTCACAAGCATATGAGCACGTG (配列番号 1 1 )
rat GPVI-w ATTATAGCTCTATAGATTCCATG (配列番号 1 2 )
全長 . rat GPVト fta GGGAATTCCATGTCTCCAGCCTCACTC (配列番号 1 3 )
mflPVI-d CCAAGTTATTTCTAGGCCAGTGG (配列番号 1 4 )
[実施例 2 ]
[ 0 0 3 3 ]
ラット GPVI (D1D2)マウス GPVI (D3) -マウス Fc融合蛋白質 (rGPVI- mFc) 発現プ ラスミ ドの構築
pTK- 2478を錡型とし、 プライマー対 (rat GPVI- # aおよび rat GPVI-# t) で PCRを行うことで、 ラッ ト GPVIの D1および D2 (GPVIの細胞外領域のドメイ ン 1およびドメイン 2 ) をコードする遺伝子断片 Aを増幅した。 同様に、 pTK-2440 (W02006/117910及び W02006/118350に記載) を铸型とし、 プライマ 一対(rat GPVI_# sおよび IgGl- i)で PCRを行うことで、マウス GPVIの D3 (GPVI の細胞外ドメインで、 D1および D2以外の領域) をコードする遺伝子断片 Bを 増幅した。 次に Aおよび Bを混合して铸型とし、 プライマ一対 (rat GPVI-# a および IgGl- i) で再度 PCRを行うことで、 ラッ ト GPVI (D1および D2)とマウス GPVI (D3)が連結された遺伝子断片 Cを得た。 この断片 Cの 5'側を Eco RI、 3, 側を Bam HIで切断後、 マウス Fc領域 (mFc) を EFプロモーターの下流に有す るプラスミ ド (pTK - 2299 : W02006/117910及び W02006/118350に記載) の Eco RI
および Bam HI部位に挿入することで、 ラット GPVI- mFc融合蛋白質を発現可能 な pTK- 2483を構築した。
[ 0 0 3 4 ]
表 2
IgGl-i CCAGGAGTTCAGGTGCTGGGCACGGTGGGC (SB列番号 1 5 )
rat GPVHs GTGGTTACTGGACCCTCTGCCACTCCCAGC (配列番号 1 6 )
rat GPVI- #t GCTGGGAGTGGCAGAGGGTCCAGTAACCAC (配列番号 1 7 )
[ 0 0 3 5 ]
なお、 mFcをヒ ト Fc領域(hFc) に置き換えたラット GPVI- hFc (rGPVI- hFc)、 マウス GPVI— hFc (mGPVI-hFc)、 ヒ ト GPVI— hFc (hGPVI-hFc)、 rGPVI- hL2, 5- hFc (ラッ ト GPVI- hFcのループ 2、 5をヒ ト GPVIの対応する配列で置換した GPVI 変異体蛋白質) 、 rGPVI- hL9, 11- hFc (ラット GPVI- hFcのループ9、 11をヒ ト GPVIの対応する配列で置換した GPVI変異体蛋白質) 、 hGPVI- mL2- hFc (ヒ ト GPVI - hFcのループ 2をマウス GPVIの対応する配列に置換した GPVI変異体蛋白 質) 及び. hGPVI - mL9_hFc (ヒ ト GPVI- hFcのループ 9をマウス GPVIの対応する 配列に置換した GPVI変異体蛋白質) の各発現プラスミ ドを、 公知のヒ ト GPVI 及びマウス GPVIの配列、図 1のラット GPVIの配列ならぴにヒ ト及びラット GPVI のアミノ酸配列のアラインメント (図 2) 又はヒ ト及びマウス GPVIのアミノ酸 配列のアラインメント (図 3) に示された各ループのアミノ酸配列に基づいて、 公知の方法 (W001/810、 W003/54020, W02005/7800等参照) を参考に、 実施例 2と同様の手法で作製した。
[実施例 3 ]
[ 0 0 3 6 ]
rGPVI- mFc融合蛋白質の発現および精製
COS- 1細胞は 10%牛胎児血清入りのダルべッコ MEM培地で継代した。 無血清 のダルべッコ MEM培地にトランスフエクション試薬 (FuGENE6、 ロシュダイァグ
ノスティ ックス)を混和後、 pTK_2483を適量混和し、 Hybridoma - SFM培地(GIBC0) に培地交換した C0S-1細胞に添加した。 37°C、 5% C02存在下で、 3日間培養後 上清を回収し、 新たな培地でさらに 3日間培養し、 それらの上清をプロテイン Aカラム(Prosep - vA、 MILLIPORE)にて精製したものを抗ラッ ト GPVI抗体作製用 の抗原とした。 得られた r GPVI - mFc融合蛋白質を定法にて SDS- PAGEで解析し た。すなわち、 5— 20%のグラジェントゲルにサンプルと分子量マーカー(Bio- Rad、 Precision Plus Protein Unstained Standard) をアプライし、 電気泳動した後、 銀染色した (図 4) 。
なお、 rGPVI-hFc融合蛋白質、 mGPVI-hFc融合蛋白質、 hGPVI-hFc融合蛋白質、 rGPVI-hL2, 5 hFc改変体蛋白質、 rGPVI-hL9, 11- hFc改変体蛋白質および hGPVI-mL9-hFc改変体蛋白質も同様に発現及び精製した。
[実施例 4 ]
[ 0 0 3 7 ]
抗ラット GPVIモノクローナル抗体の作製
Alum (PIERCE) 12. 5 μ Lと CpGアジュバント 1 mgと精製ラッ ト GPVI - mFc融 合蛋白質 を混合し、 lOO w Lとした投与抗原を ddYマウス(メス、 8週令、 SLC) 'の両足のフットパッド内にマイクロシリンジを用いて、 それぞれ 50 L投 与した。 11 日後、 投与抗原 20 /z gを 50 / Lの生理食塩水で希釈し、 フッ トパッ ド内に各 25 Lずつ投与した。 3日後、 腸骨リンパ節よりリンパ球を分離し、 得られたリンパ球を P3 X 63— Ag. 8. U1 (ATTC) と混合した後、 ポリエチレング リコールを用いて安東民衛 ·千葉丈 Z著 「単クローン抗体実験操作入門」 (講 談社) にしたがって細胞融合を行った。 HAT培地によりハイプリ ドーマを選択 し、 1週間後、 目的の抗体を産生しているハイプリ ドーマをスクリーニングし た。 すなわち、 0. 076 Mリン酸緩衝液 (pH 7. 4) (以下 PBSと記載) で精製ラ ット GPVI-hFc融合蛋白質を 3 / g/mLに希釈し、ィムノプレート(Maxisorb、NUNC) に 50 μ L/ゥエル添加した。 4°Cで Over Night反応後、 イオン交換水で 3回洗浄 し、 2% Stabilgurdを含む PBSを各ゥエルに 100 μ L添加しブロッキングを行つ た。次に培養上清を各ゥエルに添加し、 37°Cで 1時間反応させた後、 0. 05% Tween
20を含む生理食塩水で 3回洗浄した。 ペルォキシダーゼ標識抗マウスィムノグ ロブリン抗体 (DAK0) を、 10%ゥサギ血清を含む PBSで 1000倍に希釈し、 各ゥ エルに 50 μ L添加した。 37°Cで 1時間反応後、同様に 5回洗浄し TMB溶液(BioFix) を各ゥエルに添加した。 室温で 10分間反応後、 0. 5 M硫酸溶液で反応を停止し た。 プレート分光光度計 (NJ- 2100、 日本インターメッド) で 450 nmの吸光度 を測定した。 精製ラット GPVI - hFc融合蛋白質と反応した細胞を選択し、 限界希 釈法によりクローニングを行った。 11日後、 同様にスクリ一二ングを行い、 精 製ラット GPVI - hFc融合蛋白質と反応する抗体を産生するハイプリ ドーマを 1ァ クローン取得した (表 3 ) 。
[ 0 0 3 8 ]
表 3
[ 0 0 3 9 ]
ハイプリ ドーマが産生する抗体の調製
以後の操作は特に記載が無い限り 4。Cにて実施した。 マウスハイプリ ドーマ 培養液を、プレフィルタ一として Ι μ πιの孔径を有するカプセルカートリッジフ ィルター (東洋濾紙株式会社) '、 本フィルタ一として 0. 22 μ πιの孔径を有する フルォロダインフィルター (PALL) およびミリパック 200 (MILLIP0RE) をそれ ぞれ用い、室温にて清澄化し培養上清を得た。この培養上清を予め PBS- (Sigma) にて平 fiィ匕したプロテイン A (rmp Protein A Sepharose Fast Flow, GE Healthcare バイオサイエンス) に吸着させ、 非吸着蛋白質を PBS-にて洗浄後、 非特異的に 吸着している蛋白質を 10 X PBS- (Sigma) にて溶出した。 その後、 プロティ A に結合している抗体を、 100 mMグリシン一塩酸バッファー (pH 3. 0) にて溶出 した。 溶出液の容量を測定し、 直ちに 1Z10容量の 2 M Tris-HCl (pH 8. 5) を 添加し、 pHを中性に戻し精製抗体溶液とした。 この精製抗体溶液を、 攪拌式セ ルを用いて、分子量力ット 30, 000のバイォマックス PB限外濾過膜(MILLIP0RE) により濃縮した後、 生理食塩液 (大塚生食注、大塚製薬工場) に対して透析し、 最終的な精製抗体溶液とした。 得られた抗体を定法にて SDS-PAGEで解析した。 すなわち、 5— 20%のグラジェントゲルにサンプルと分子量マーカー (Bio-Rad、 Precision Plus Protein Unstained Standard) をアプライし、 電気泳動した後、 銀染色した (図 5) 。 なお、 以下の実施例では、 全て、 同様の方法で精製した 抗体を使用した。
[実施例 6 ]
[ 0 0 4 0 ]
抗ラット GPVI抗体の認識領域
実施例 4で得られた抗ラット GPVIモノクローナル抗体の認識ドメインの解析 を行った。 すなわち PBSで精製 rGPVI - hFc融合蛋白質を 2 g/mLに希釈し、 ィ ムノプレート (Maxisorb、 NUNC) に 50 L/ゥエル添加した。 37°Cで 1時間反
応後、イオン交換水で5回洗浄し、 2°/。Stabi lgurdを含む PBSを各ゥエルに 100 /i L 添加しプロッキングした。 次に実施例 5で精製したモノクローナル抗体を各種 濃度に調製しポリプロピレンプレート (NUNC) に 50 しノウエルで添加し、 さ らに実施例 3で得られた rGPVI- hFc融合蛋白質、 hGPVI - hFc融合蛋白質、 rGPVI- hL2, 5- hFc改変体蛋白質、 rGPVI-hL9, 11-hFc改変体蛋白質をそれぞれ 50 μ L/ゥエルで添加し混合した。本混合サンプルを rGPVI-hFc融合蛋白質で固 相した上記のィムノプレートに 50 L/ゥエルで添加し、 37°Cで 1時間反応さ せた後、 0. 05% Tween 20を含む生理食塩水で 5回洗浄した。 ペルォキシダーゼ 標識抗マウスカッパ鎖抗体 (Rockland) を 10%ゥサギ血清を含む PBSで 1000倍 に希釈し、 各ゥエルに 50 i L添加した。 37°Cで 1時間反応後、 同様に 5回 ¾浄 し TMB溶液 (BioFix) を各ゥエルに添加した。 室温で 10分間反応後、 0. 5 M硫 酸溶液で反応を停止した。プレート分光光度計(NJ - 2100、 日本ィンターメッド) で 450 nmの吸光度を測定した。 その結果、 rGPVI- hL2, 5 - hFc改変体蛋白質を添 加した時に吸光度が低下しない抗体、 つまりはループ 2及び Z又はループ 5を 認識している抗体が 1種類 (F1239-11 - 1) 、 また rGPVI - hL9, 1卜 hFc改変体蛋白 質を添加した時に吸光度が低下しない抗体、 つまりはループ 9及び Z又はルー プ 11を認識している抗体が 3種類 (F1239- 4- 2、 F1239 - 6- 1、 F1239 - 22- 2) 存在 する事が示された(図 6)。なお、上記の 3種類の抗体(Fl239-4- 2、 F1239-6-1 , F1239-22-2) は、 同様の方法においてマウス GPVI_hFc融合蛋白質とは結合しな かった。 さらに、 ラット GPVIとマウス GPVIのループ 11のアミノ酸配列は同一 であることを併せて考察すると、 ループ 11が重要な認識領域とは考えにくく、 上記の抗体は少なくともラット GPVIのループ 9の一部を含有する構造を認識し ていると推定される。
[実施例 7 ]
[ 0 0 4 1 ]
ラット可溶型 GPVIの ELISA法による測定
実施例 4にて作製したマウス抗ラット GPVI抗体を用いてサンドィツチ ELISA 系を構築した。 すなわち PBSで精製 F1239-
6- 1抗体を 10 g/mLに希釈し、 ィム
ノノププレレーートト ((MMaaxxiissoorrbb、、 NNUUNNCC)) にに 7755 μμ LL//ゥゥエエルルでで添添加加ししたた。。 44°°CCでで OOvveerr NNiigghhtt でで反反応応ししたた後後、、 イイオオンン交交換換水水でで 55回回洗洗浄浄しし、、 55%% SSttaabbiillgguurrdd、、 00.. 11%% TTwweeeenn 2200をを 含含むむ PPBBSSをを各各ゥゥエエルルにに 220000 LL添添加加ししププロロッッキキンンググししたた。。次次ににササンンププルル及及ぴぴススタタ ンンダダーードドととししてて用用いいるる組組換換ええ rrGGPPVVII -- hhFFcc融融合合蛋蛋白白質質をを 00.. 11%% BBSSAA、、 00.. 33 MM塩塩化化ナナ 55 トトリリウウムム、、 00.. 0055%% TTwweeeenn 2200ZZPPBBSSをを用用いいてて稀稀釈釈ししたた。。 ままたた、、 測測定定ササンンププルルととしし てて血血漿漿をを用用いいるる場場合合はは 55倍倍以以上上でで稀稀釈釈しし、、
、、
3377°°CCでで 22時時間間攪攪拌拌ししななががらら反反応応''ささせせたた後後、、 00.. 0055%% TTwweeeenn 2200をを含含むむ生生理理食食塩塩水水でで 55回回洗洗浄浄ししたた。。 BBiioottiinn標標識識ししたた FF11223399-- 77-- 11 FF ((aabb'' )) 22抗抗体体をを 2200%% PPoollyy-- HHRRPP DDIILLUUEENNTT ((FFiittzzggeerraalldd)) 、、 00.. 33 MM塩塩化化ナナトトリリウウムム、、 00.. 0055%% TTwweeeenn 2200をを含含んんだだ PPBBSSににてて稀稀
1100 釈釈しし、、 各各ゥゥエエルルにに 5500 //zz LL添添加加ししたた。。 3377°°CCでで 11時時間間攪攪拌拌ししななががらら反反応応ささせせたた後後、、 同同様様にに 55回回洗洗浄浄ししたた。。 次次いいでで PPOOLLYY-- HHRRPP8800--SSttrreeppttaavvii ddiinn ((FFiittzzggeerraalldd)) をを 2200%% PPoollyy-- HHRRPP DDIILLUUEENNTT,, 00.. 0055%% TTwweeeenn 2200をを含含むむ PPBBSSににてて稀稀釈釈しし、、 各各ウウエエノノレレにに 5500 //zz LL 添添加加ししたた。。 3377°°CCでで 3300分分攪攪拌拌ささせせななががらら反反応応ささせせたた後後、、同同様様のの方方法法でで 66回回洗洗浄浄しし、、 TTMMBB溶溶液液 ((BBiiooFFiixx)) をを各各ゥゥエエルルにに添添加加ししたた。。 室室温温でで 2200分分間間反反応応後後、、 00.. 55 MM硫硫酸酸
1155 溶溶液液でで反反応応をを停停止止ししたた。。 ププレレーートト分分光光光光度度計計 ((NNJJ-- 22110000、、 日日本本イインンタターーメメッッドド)) でで 445500 nnmmのの吸吸光光度度をを測測定定ししたた。。 図図 77にに rrGGPPVVII-- hhFFcc融融合合蛋蛋白白質質をを標標準準品品ととししてて用用 いいてて作作成成ししたた標標準準曲曲線線をを示示すす。。
[[実実施施例例 88 ]]
2200 [[ 00 00 44 22 ]]
ヒヒ トト可可溶溶型型 GGPPVVIIのの EELLIISSAA法法にによよるる測測定定
ママウウスス抗抗ヒヒ トト GGPPVVII抗抗体体をを用用いいててササンンドドィィツツチチ EELLIISSAA系系をを構構築築ししたた。。すすななわわちち PPBBSSでで精精製製 FF11223322--77-- 11抗抗体体をを 1100 gg//mmLLにに希希釈釈しし、、 ィィムムノノププレレーートト ((MMaaxxii ssoorrbb、、 NNUUNNCC)) にに 7755 μμ 11//ゥゥエエルル添添加加ししたた。。 44°°CCでで OOvveerr NNiigghhttでで反反応応後後、、 イイオオンン交交換換水水 2255 でで 55回回洗洗浄浄しし、、 55%% SSttaabbiillgguurrdd,, 00.. 11%% TTwweeeenn 2200をを含含むむ PPBBSSをを各各ウウエエノノレレにに 220000 μμ LL 添添加加ししププロロッッキキンンググししたた。。 次次ににササンンププルル及及びびススタタンンダダーードドととししてて用用いいるる組組換換ええ hhGGPPVVII--hhFFcc融融合合蛋蛋白白質質をを 00.. 11%% BBSSAA、、 00.. 33 MM塩塩化化ナナトトリリウウムム、、 00.. 0055%% TTwweeeenn 2200//PPBBSS をを用用いいてて稀稀釈釈ししたた。。 ままたた測測定定ササンンププルルととししてて血血漿漿をを用用いいるる場場合合はは 55倍倍以以上上でで稀稀 釈釈しし、、 * ''添添加加しし、、 3377°°CCでで 22時時間間攪攪拌拌ささせせななががらら反反応応ささ
せた後、 0. 05% Tween 20を含む生理食塩水で 5回洗浄した。 Biotin標識した F1232-10-2 F (ab,)2抗体を 20% Poly-HRP DILUENT (Fitzgerald) 、 0. 3 M塩化 ナトリゥム、 0. 05% Tween 20を含んだ PBSにて稀釈し、 各ゥエルに 50 ^ L添加 した。 37°Cで 1時間、 攪拌しながら反応させた後、 同様に 5回洗浄した。 次い で POLY- HRP80-Streptavidin (Fitzgerald)を 20% Poly-HRP DILUENT, 0. 05% Tween 20を含んだ PBSにて稀釈し、 各ゥエルに 50 添加した。 37°Cで 30分間、 攪 拌しながら反応させた後、 同様の方法で 6回洗浄し、 TMB溶液 (BioFix) を各 ゥエルに添加した。 室温で 20分間反応後、 0. 5 M硫酸溶液で反応を停止した。 プレート分光光度計 (NJ - 2100、 日本インターメッ ド) で 450 nmの吸光度を測 定した。 図 8に hGPVI- hFc融合蛋白質を標準品として用いて作成した標準'曲線 を示す。 本系では 3Pg/mLの標準品において約 40mAbsの吸光度の差が得られ、 測定感度は少なくとも 3pg/ml以下であった。
[実施例 9 ]
[ 0 0 4 3 ]
ラット PRPの調製および convulxin、 CRPあるいは ADPによる血小板刺激
正常ラットから採血したクェン酸加血を 110 X g、 25° (:、 15分間遠心分離する ことにより多血小板血漿 (Platelet Rich Plasma; PRP) を得た。 引き続き、 PRP に ACD— A (acid-citrate-dextrose) を添カ卩し、 pH 6. 5に調整した後、 830 X g、 25°Cで 10分間遠心分離することにより血小板を回収した。 回収した血小板に ACD-Aで pH 6. 5に調整した HEPES Buffer (137 mM NaCl、 1 mM MgCl2、 5. 5 mM Glucose, 3 mM Na¾P04、 10 mM HEPES, 1 mg/mL BSA) を添加して 2回洗浄した。 洗浄後、 HEPES Buffer (pH 7. 3) を添加して血小板を懸濁し、 洗浄血小板とした。 CaCl2、 MgCl2を 1 mMとなるように添加した洗浄血小板に convulxin (ALEXIS) 、 CRP (ぺ プチド合成品)あるいは ADPを添加し、室温において 1時間反応させ血小板を刺 激した。 25 mM EDTAを含む Protease Inhibitor Cocktail溶液を添加して反応 を終了した後、 18,000 X g、 25°Cで 1分間遠心分離し、 上清画分おょぴ血小板画 分を回収した。
[実施例 1 o ]
[ 0 0 4 4 ]
ラット血小板 GPVI発現のフロサイトメ トリーによる測定
実施例 9に示した方法で、洗浄血小板を convulxin、 CRPあるいは ADPで刺激 した。 対照として洗浄血小板にバッファーのみを添加し、 室温において 1時間 静置した。 25 mM EDTAを含む Protease Inhibitor Cocktail溶液を添加して反 応を終了した後、 0. 5%非働化 FBSならびに 2. 5 mM EDTAを含む PBS (以下、 FACS バッファー) で洗浄後、 蛍光色素 R-Phycoerythrin (以下、 PE) で標識したマ ウス抗ラット GPVI抗体 F1239 - 11- 1を 3 X 105個の血小板に対して 0. 5 / g相当 添加して室温、 遮光下で 30分静置した。 PE標識 F1239- 11 - 1のアイソタイプ対 照として、 PE標識マウス IgG2a K 抗体を同量添加した試料も併せて調製した。 30分後、 FACSバッファーで血小板を洗浄後、 フローサイトメーター CYT0MICS FC500 (BECKMAN COULTER) で血小板の蛍光強度を測定することにより血小板膜 表面上の GPVI発現量について解析した。なお、 GPVI発現量は、 PE標識 F1239- 11- 1 検出結果値から PE標識マウス IgG2a K抗体検出結果値を差し引いて算出した。 図 9に結果を示す。 Convulxin (CVX) および CRP刺激血小板ではバッファーの みを添加した血小板と比較して、 顕著な GPVI発現量の減少が認められた、 ADP 刺激血小板では GPVI発現量の低下は認められなかつた。 [実施例 1 1 ]
[ 0 0 4 5 ]
ラット PRPの可溶型 GPVI量の ELISAによる測定
実施例 9に示した方法で、洗浄血小板を convulxin、 CRPあるいは ADPで刺激 した後、 上清画分を回収した。 さらに、 実施例 7の方法により、 上清中の可溶 型 GPVI量を測定した。 図 10に結果を示す。 Convulxinおよび CRPで刺激した 血小板の上清中において、顕著な可溶型 GPVI量の上昇が認められた。一方、 ADP で刺激した血小板の上清中における可溶型 GPVI量の上昇は微弱であった。
[実施例 1 2 ]
[ 0 0 4 6 ]
サル PRPの調製および Convulxin、 CRPあるいは ADPによる血小板刺激
正常サルから採血したクェン酸加血を 115 X g、 25°C、 15分間遠心分離するこ とにより多血小板血漿 (Platelet Rich Plasma ; PRP) を得た。 、 引き続き、 PRP に ACD- A (acid-citrate-dextrose) を添加し、 pH 6. 5に調整した後、 830 X g、 25°Cで 10分間遠心分離することにより血小板を回収した。 回収した血小板に ACD-Aで pH 6. 5に調整した HEPES Buffer (137 raM NaCl, 1 raM MgCl2, 5. 5 mM Glucose, 3 mM Na¾P04、 10 mM HEPES, 1 mg/mL BSA) を添加して 2回洗浄した。 洗浄後、 HEPES Buffer (pH 7. 3) を添加して血小板を懸濁し、 洗浄血小板とした。 CaCl2、 MgCl2を 1 mMとなるように添加した洗浄血小板に convulxin (ALEXIS) 、 CRP (ぺ プチド合成品)あるいは ADPを添加し、室温において 1時間反応させ血小板を刺 激した。 25 mM EDTAを含む Protease Inhibitor Cocktail溶液を添加して反応 を終了した後、 18,000 X g、 25°Cで 1分間遠心分離し、 上清および血小板画分を 回収した。
[実施例 1 3 ]
[ 0 0 4 7 ]
サル血小板 GPVI発現のフローサイ トメ一ターによる測定
実施例 12に示した方法で、 洗浄血小板を convulxin、 CRPあるいは ADPで刺 激した。 対照として洗浄血小板にバッファーのみを添加し、 室温において 1時 間静置した。 25 raM EDTAを含む Protease Inhibitor Cocktail溶液を添加して 反応を終了した後、 FACSバッファーで洗浄後、 蛍光色素 PEで標識したキメラ 抗ヒト GPVI抗体 F1232-37-2あるいはキメラ抗ヒ ト GPVI抗体 F1232- 10-1を 4 X 105個の血小板に対して l g相当添加して室温、 遮光下で 30分静置した。 PE標識キメラ F1232-37- 2および PE標識キメラ F1232- 10-1のアイソタイプ対 照として PE標識ヒ ト IgG4抗体を同量添加した試料も併せて調製した。 30分後、
FACSバッファーで血小板を希釈後、 フローサイトメーター CYT0MICS FC500
(BECKMAN COULTER) で血小板の蛍光強度を測定することにより血小板膜表面上 の GPVI発現量について解析した。なお、 GPVI発現量は、 PE標識キメラ F1232- 37- 2
あるいは PE標識キメラ F1232 - 10-1検出結果値から PE標識ヒト IgG4抗体検出 結果値を差し引いて算出した。 結果を図 11に示す。 Convulxinおよび CRP刺激 血小板ではバッファーのみを添加した血小板と比較して、 GPVI発現量の減少が 認められたが、 ADP刺激血小板では GPVI発現量の低下は認められなかった。
[実施例 1 4 ]
[ 0 0 4 8 ]
サル血小板 GPVI量のウェスタンプロッティングによる測定
実施例 12に示した方法で、 洗浄血小板を convulxin、 CRPあるいは ADPで刺 激した後、上清画分および血小板画分を回収し、上清画分に含まれる可溶型 GPVI および血小板画分に含まれる GPVI (以下、 血小板 GPVI) を Western Blotting 法により検出した。 すなわち上清画分 12 /z Lに X 4 Sample Buffer
(+ β -mercaptoethanol Protease 丄 nnibitor し ocktail (Roche)、 Phosphatase
Inhibitor Cocktail (PIERCE) ) を 4/i L添加した。 血小板画分は 1. 9 X 106個血 小板相当/ となるように X 1 Sample Buffer (+ β -mercaptoethano Protease
Inhibitor Cocktail (Roche 、 Phosphatase Inhibitor Cocktail (PIERCE) ) ¾r 添加し、 99°Cで 5分間熱処理した。 熱処理したサンプルを 5 - 20%の濃度勾配ポ リアクリルアミ ドゲル (ATT0) に、 1 レーンあたり上清画分は全量、 血小板画 分は 16 i Lアプライした後に、 ゲル一枚につき定電流 30 mAで通電し電気泳動 した。 ブロッテイングは常法に従い、 セミ ドライ法により低蛍光のメンブレン
(Immobilon-FL PVDF, MILLIP0RE) に転写した。 ブロッテイング後、 BlockAce
(大日本製薬株式会社) を用いて 4°Cで一晩ブロッキングした。 さらに、 10%
BlockAce/0. 1% Tween 20を含む PBS (TPBS) で希釈した一次抗体 (ヒ ト GPVI合 成べプチドを抗原としたポリクローナル抗体) を添加し、 室温で 1時間、 反応 させた。 TPBSで洗浄した後、 10% BlockAce/TPBSで希釈した二次抗体
(Anti-Rabbit Igs HRP) を添加し、 室温で 30分間反応させた。 TPBSで洗浄し
7こ後、 ECL Plus (Amershara Biosciences)およぴ Typhoon9410 (Araersham
Biosciences) を用いて可溶型 GPVIおよび血小板 GPVIの検出を行なった。 結果 を図 12に示す。 Convulxinおよび CRPで刺激した血小板では、顕著な血小板 GPVI
の減少が認められた。 また、 Commlxinおよび CRPで刺激した血小板では著明 な可溶型 GPVIの上昇が認められた。一方 ADPで刺激した血小板では血小板 GPVI 発現量に大きな変動は認められず、 可溶型 GPVIも検出されなかった。 [実施例 1 5 ]
[ 0 0 4 9 ]
サル PRPの可溶型 GPVI量の ELISAによる測定
実施例 12に示した方法で、 洗浄血小板を Convulxin、 CRPあるいは ADPで刺 激した後、 上清を回収した。 さらに、 実施例 8の方法により、 上清中の可溶型 G P V I量を測定した。 結果を図 13に示す。 Convulxinおよび CRPで刺激した 血小板の上清中において、顕著な可溶型 GPVI量の上昇が認められた。一方、 ADP で刺激した血小板の上清中における可溶型 GPVIの上昇は極めて微弱であった。
[実施例 1 6 ]
[ 0 0 5 0 ]
ヒト PRPの調製および Collagen、 Convulxin, CRPあるいは ADPによる血小板刺 正常ヒトから採血したクェン酸加血を 170 X g、 25°C、 15分間遠心分離するこ とにより多血小板血漿 (Platelet Rich Plasma ; PRP) を得た。 引き続き、 PRP に ACD— A (acid-citrate-dextrose) を添加し、 pH 6. 5に調整した後、 830 X g、 25°Cで 10分間遠心分離することにより血小板を回収した。 回収した血小板に ACD-Aで pH 6. 5に調整した HEPES Buffer (137 mM NaCl、 1 mM MgCl2、 5. 5 mM Glucose, 3 mM NaH2P04、 10 mM HEPES, 1 mg/mL BSA) を添加して 2回洗浄した。 洗浄後、 HEPES Buffer (pH 7. 3) を添加して血小板を懸濁し、 洗浄血小板とした。 CaCl2 および MgCl2を 1 mMとなるように添加した洗浄血小板に collagen
(collagenreagent' Horm' Nycomed) 、 convulxin (ALEXIS) 、 CRP、ペプチド合 成品)あるいは ADPを添加し、 室温において 1時間反応させ血小板を刺激した。
25 mM EDTAを含む Protease Inhibitor Cocktail溶液を添加して反応を終了し た後、 18, 000 X g、 25°Cで 1分間遠心分離し、上清および血小板画分を回収した。
[実施例 1 7 ]
[ 0 0 5 1 ]
ヒ ト血小板 GPVI発現のフローサイトメ一ターによる測定
実施例 16に示した方法で、 洗浄血小板を collagen、 convulxin, CRPあるい は ADPで刺激した。 対照として洗浄血小板にバッファーのみを添加し、 室温に おいて 1時間静置した。 25 mM EDTAを含む Protease Inhibitor Cocktail溶液 を添加して反応を終了した後、 FACSバッファーで洗浄後、 蛍光色素 PEで標識 したキメラ抗ヒ ト GPVI抗体 F1232- 37 - 2を 4 X 105個の血小板に対して 1 / g相 当添加して室温、 遮光下で 30分静置した。 PE標識キメラ F1232- 37- 2のァイソ タイプ対照として PE標識ヒ ト IgG4抗体を同量添加した試料も併せて調製した。 30分後、 FACSバッファ一で血小板を希釈し、 フローサイ トメーター CYT0MICS FC500 (BECKMAN COULTER) で血小板の蛍光強度を測定することにより血小板膜 表面上の GPVI発現量について解析した。 なお、 GPVI発現量は、 PE標識キメラ F1232- 37- 2検出結果値から PE標識ヒ ト IgG4抗体検出結果値を差し引いて算出 した。 結果を図 14に示す。 Collagen刺激血小板で、 GPVI発現量の減少が認め られた。 Convulxinおよび CRPで刺激した血小板では、 GPVI発現がほとんど消 失していた。 一方、 ADP刺激した血小板では GPVI発現量の低下は認められなか つた。
[実施例 1 8 ]
[ 0 0 5 2 ]
ヒト血小板 GPVI量のウェスタンプロッティングによる測定
実施例 16に示した方法で、 洗浄血小板を collagen, convulxin, CRPあるい は ADPで刺激した後、 上清画分および血小板画分を回収し、 上清画分に含まれ る可溶型 GPVIおよび血小板画分に含まれる GPVI (以下、血小板 GPVI)を Western
Blotting法により検出した。 すなわち上清画分 l2 w Lに X 4 Sample Buffer
(+ β -mercaptoethanolN Protease Inhibitorし ocktail (Rocheノ 、 Phosphatase
Inhibitor Cocktail (PIERCE) ) を 4 // L添加した。 血小板画分は 1. 9 X 106個血
zj、板相当/ i Lとなるように X I Sample Buffer (+ β一 mercaptoethanol Protease Inhibitor Cocktai l (Roche) Phosphatase Inhibitor Cocktai l (PIERCE) ) を添加し、 99°Cで 5分間熱処理した。 熱処理したサンプルを 5- 20%の濃度勾配 ポリアクリルアミ ドゲル (ATT0) に、 1レーンあたり上清画分は全量、 血小板 画分は 16 /i Lアプライした後に、 ゲル一枚につき定電流 30 mAで通電し電気泳 動した。 ブロッテイングは常法に従い、 セミ ドライ法により低蛍光のメンブレ ン (I obi lon-FL PVDF MILLIP0RE) に転写した。 プロッティング後、 BlockAce
(大日本製薬株式会社) を用いて 4°Cでー晚ブロッキングした。 さらに、 10% BlockAce/0. 1% Tween 20を含む PBS (TPBS) で希釈した一次抗体 (ヒ ト GPVI合 成ぺプチドを抗原としたポリク口ーナル抗体) を添加し、 室温で 1時間、 反応 させた。 TPBSで洗浄した後、 10% BlockAce/TPBSで希釈した二次抗体
(Anti-Rabbit Igs HRP) を添加し、 室温で 30分反応させた。 TPBSで洗浄した 後、 ECL Plus (Amersham Biosci ences)およひ Typhoon9410 (Amersnam
Biosci ences) を用いて可溶型 GPVIおよび血小板 GPVIの検出を行った。 結果を 図 15に示す。 Convulxinおよび CRPで刺激した血小板では顕著な血小板 GPVI の減少が認められた。 また、 Col lagen Convulxinおよび CRPで刺激した血小 板では可溶型 GPVIの上昇が認められた。一方 ADPで刺激した血小板では血小板 GPVI'の大きな変動は認められず、 可溶型 GPVIも検出されなかった。 [実施例 1 9 ]
[ 0 0 5 3 ]
ヒ ト PRPの可溶型 GPVI量の ELISAによる測定
実施例 16に示した方法で、 洗浄血小板を Col lagen, Convulxin, CRPあるい は ADPで刺激した後、 上清を回収した。 さらに、 実施例 8の方法により、 上清 中の可溶型 GPVI量を測定した。 結果を図 16に示す。 Col lagen Convulxinお よび CRPで刺激した血小板の上清中において、著明な可溶型 GPVI量の上昇が認 められた。 一方、 ADPで刺激した血小板の上清中における可溶型 GPVIの上昇は 認められなかった。
[実施例 2 0 ]
[ 0 0 5 4 ]
ラットエンドトキシン惹起血栓モデル動物における血漿中可溶型 GPVI量の測 塞
雌性 Wistarラットをペントバルビタールナトリウム (50 mg/kg) で麻酔し、 ^右大腿静脈よりエンドトキシンを 20 mg/kgの用量で2時間、 あるいは 40 mg/kg の用量で 4時間、 持続静脈内投与した。 エンドトキシン投与終了時に、 腹部大 動脈より採血し、 血小板数を自動血球数測定装置 (Sysmex 東亜医用電子) に て測定した、 また、 血液を遠心することにより血漿を分離し、 可溶型 GPVIを実 施例 7に記載した方法で、 可溶型 ICAM- 1は ELISAキット (R&D System, Rat sICAM-1 (CD54) Immunoassay) を用いて測定した。 結果を図 17に示す。 エンド トキシンを投 ·することにより、 血小板数の低下が認められた。 このことは、 エンドトキシンの投与により血小板の活性化が生じていることを示している。 また、 ェンドトキシンを投与することにより、血漿中の可溶型 GPVI量おょぴ可 溶型 ICAM- 1量が上昇した。
[実施例 2 1 ]
[ 0 0 5 5 ]
( 1 )ラットコラーゲン惹起血栓モデル動物における血漿中可溶型 GPVI量の測 塞
雄性 SDラッ トをペントバルビタールナトリウム (50 mg/kg) で麻酔し、 右大 腿静脈よりコラーゲンを 0. 5 mg/kgの用量で 15分間持続静脈内投与した。 コラ 一ゲン投与開始より 30分後に、頸静脈より採血し、血小板数を自動血球数測定 装置 (SySmex、 東亜医用電子) にて測定した。 また、 血液を遠心することによ り血漿を分離し、 可溶型 GPVIを実施例 7に記載した方法で、 可溶型 ICAM-1は
ELISAキット (R&D System、 Rat sICAM - 1 (CD54) Immunoassay) を用いて測定し た。 結果を図 18 (A) に示す。 コラーゲンを投与することにより、 血小板数の 低下が認められた。 このことは、 コラーゲンの投与により血小板の活性化が生 じていることを示している。 また、 コラーゲンを投与することにより、 血漿中
の可溶型 GPVI量ならびに可溶型 ICAM- 1が上昇した。 さらに、 血小板数の低下 の程度と血漿中の可溶型 GPVI量の上昇の程度は一致した。
同様に、 雄性 SDラットをペントバルビタールナトリウム (50 mg/kg) で麻酔 し、 右大腿静脈よりコラーゲンを 0. 1 mg/kgの用量で急速静脈内投与した。 コ ラーゲン投与 15分後、 30分後、 および 60分後に頸静脈より採血し、 血小板数 を自動血球数測定装置 (SysmeX、 東亜医用電子) にて測定した。 また、 血液を 遠心することにより血漿を分離し、可溶型 GPVIを実施例 7に記載した方法で測 定した。 結果を図 18 (B) に示す。 血小板数の低下は軽微であつたが、 血漿中 の可溶型 GPVI量はコラーゲン投与より 15分で速やかに上昇した。
[ 0 0 5 6 ]
( 2 ) ラットコラーゲン惹起血栓モデル動物における GPVI抗体の効果
雄性 SDラットに抗ラット GPVI抗体 (F1239- 6- 1) を投与した。 6日後にコラ 一ゲンを 0. 8 mg/kgの用量で急速静脈内投与した。 コラーゲンを投与してから 15分まで、生死を観察した。結果を表 4に示す。抗ラット GPVI抗体(F1239-6-1) は、 血漿中の可溶型 GPVI量が上昇する血栓モデル動物において、 0. 3 mg/kg以 上の用量で動物の死亡を完全に抑制した。
従って、 本発明の測定方法等により血漿中の sGPVIを測定することで、 疾患 の発症前に、 血小板活性化もしくは血管内皮傷害の検出、 測定又は定量をおこ なうこと、、血栓症等の血小板活性化もしくは血管内皮傷害関連疾患を診断する こと、 及び治療対象患者を選別することが可能であると考えられる。 また、 こ れらの患者に抗 GPVI 抗体等の抗血小板薬を投薬することで高い有効率が得ら れると考えられる。 表 4
群 生存数/例数
生理食塩水 0 1 5
F1239-6- 1 0. 1 mg/kg 7
F1239-6-1 0. 3 mg/kg 7 7
F1239-6-1 1. 0 mg/kg 8 8
[実施例 2 2 ]
[ 0 0 5 7 ]
( 1 ) ラットバルーン傷害モデル動物における血漿中可溶型 GPVI量の測定 雄性 SDラットを 45 mg/kgのペントパルビタールナトリゥムの腹腔内投与に より麻酔し、 頸部および大腿部を切開した。 大腿動脈にバルーンカテーテルを 挿入し、 先端を左頸動脈の内外類動脈分岐部まで導いた。 バルーンカテーテル が頸動脈内にあることを確認した後、 バルーン内に空気を注入してバルーンを 膨らませた。 バルーンを膨らませた状態で、 大動脈弓までバルーンカテーテル を引き抜いた。この作業を 3回繰り返すことにより、血管内膜に傷害を与えた。 翌日、 ペントバルビタールナトリウム 45 mg/kg腹腔内投与麻酔下で腹部大動脈 より、 クェン酸加血液を採取し、 血漿を取得した。 血漿中の可溶型 GPVI量は実 施例 7に記載した方法で、 可溶型 ICAM-1は ELISAキット (R&D System, Rat sICA -1 (CD54) Immunoassay) を用いて測定した。 結果を図 19 (A) に示す。 バ ルーンカテーテルで血管内膜に傷害を与えることにより、 血漿中の可溶型
ICAM-1量が上昇した。 このことは、 バルーンカテーテルにより血管内膜が傷害 を受けたことを示している。 また、 可溶型 GPVI量の上昇も認められた。
[Ό 0 5 8 ]
( 2 ) ラットバルーン傷害モデル動物における抗 GPVI抗体の効果
実施例 22に記載したモデル動物において、 抗ラット GPVI抗体の効果を検討 した。 すなわち、 抗ラットに F1239- 6- 1を 3 mg/kgで皮下投与し、 6 日後に実 施例 22の方法で血管内膜傷害を加えた。 バルーン傷害より 15 日後にペントバ ルビタール麻酔下において左右の頸動脈を採取して 10%中性緩衝ホルマリンで 固定し、 パラフィンブロックを作製した。 次にパラフィンブロックを薄切して スライド標本を作製し、 Hematoxylin- Eos in染色をおこなった後、 顕微鏡を用 いて観察した。'すなわち、 観察した像を CCDカメラを用いてデジタル画像とし て記録し、 これを画像解析ソフト WinROOFを用いて解析し、 内膜および内中膜 の断面積を算出した。結果を図 19 (B) に示す。抗ラット GPVI抗体(F1239-6- 1) は血漿中の可溶型 GPVIの上昇が認められた動脈硬化モデル動物において、内膜
の肥厚を抑制した。
従って、 本発明の測定方法等により血漿中の sGPVIを測定することで、 疾患 の発症前に、 血小板活性化もしくは血管内皮傷害の検出、 測定又は定量をおこ なうこと、 動脈硬化性疾患等の血小板活性化もしくは血管内皮傷害関連疾患を 診断すること、 及び治療対象患者を選別することが可能であると考えられる。 また、これらの患者に抗 GPVI抗体等の抗血小板薬を投薬することで高い有効率 が得られると考えられる。
[実施例 23 ]
[0059]
ラットエンドトキシン惹起血栓モデル動物における尿中可溶型 GPVI量の測定 雌性 Wistarラットをペントバルビタールナトリウム (50 mg/kg) で麻酔し、 右大腿静脈よりエンドトキシンを 40 mg/kgの用量で 4時間、 持続静脈内投与し た。 エンドトキシン投与終了時に、 尿を取得し、 実施例 7の方法を用いて尿中 可溶型 GPVIを測定した。 結果を図 20に示す。 エンドトキシンを投与すること により尿中においても可溶型 GPVI量の上昇が認められた。
[実施例 24]
[0060]
各種ヒト病態血漿の可溶型 GPVI量の測定
各種ヒト病態血漿中の可溶型 GPVI量を、 実施例 8に示した方法で測定した。 結果を図 21に示す。 狭心症、 急性心筋梗塞、 心臓病、 脳梗塞および痴呆の疾患 患者血漿は、 正常ヒ ト血漿に比較して可溶型 GPVIが高値であった。 [実施例 25 ]
[0061]
抗ヒ ト GPVIモノクローナル抗体の作製
精製 hGP V I - mF c 20 μ gをフロインド完全アジュバント (D I F C
O)又は A 1 um(P I ERCE)及ぴオリゴ C p Gと混合し、投与抗原とした。
d dYマウス (メス、 8週令、 S LC) に 2回投与し、 3日後、 リンパ節又は 脾臓より リンパ球を分離した。 得られたリンパ球を P 3 X 6 3—Ag. 8. U 1 (ATT C) と混合した後、 ポリエチレングリコール (PEG 1 50 O、 S i gma) を用いて安東民衛,千葉丈/著 「単クローン抗体実験操作入門」 (講 談社、 p 83) にしたがって細胞融合を行った。 H.AT培地によりハイブリ ド 一マを選択し、 1週間後目的の抗体を産生しているハイプリ ドーマを hGPV I- hFc及び hGP V I— mL9_hFcに対する結合活性を指標としてスクリー二 ングした。 すなわち、 精製 hGP V I— h F cまたは h GP V I— mL9-hFcを D— PB S (p H 7. 4) で 1 μ gZmLに希釈し、 ィムノプレート (Ma x i s o r , NUNC) に 50 μ LZゥヱル添加し、 実施例 6の記載の:^法と 同様にして固相化した。 次に培養上清を各ゥエルに添加し室温で 1時間反応さ せた後、 実施例 6に記載の方法と同様にしてペルォキシダーゼ標識抗マウスィ ムノグロブリン抗体 (DAKO、 P 26 0) を用いて反応を行い、 吸光度を測 定した。 その結果、 精製 hGPV I-hF cと結合し (吸光度 1以上) 、 hGP V I— mL9- hFcとは結合しない (吸光度 0. 5以下) 抗体を産生している細胞 を選択し、 常法に従いクローニングした。 8〜1 0日後、 同様にスクリーニン グを行い、 L9特異的マウス抗ヒト GPV I抗体を産生するハイブリ ドーマを得 た。'実施例 4と同様に、 得られたハイプリ ドーマを培養し、 モノクローナル抗 体を精製した。 各抗体の GPVI結合活性を、 上記 E L I S A法における吸光度が 0. 5以下を一、 0. 5〜: 1. 0までを十、 1. 0〜2. 0を + +、 2. 0以 上を + + +として、 表示した (表 5) 。
同様の手法を用いて、 L2特異的マウス抗ヒ ト G P V I抗体を産生するハイブ リ ドーマ(F1232 - 10- 1及ぴ同一クローン由来と考えられる F1232- 10-2)を得た。
[ 0 0 6 2 ]
表 5
[実施例 2 6 ]
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抗 G P V I抗体の可変領域ァミノ酸配列の決定
常法に従い、ハイブリ ドーマ F1232-37-2及び F1232- 10- 1より一本鎖 cDNAを 合成した。 得られた一本鎖 cDNAを铸型とした Mouse Ig - Primer Set (Novagen) による PCRで抗 GPVI抗体の可変領域をコードする D N Aを増幅し、その塩基配 列を決定した。 各ハイプリ ドーマにより産生されるモノクローナル抗体
F1232-37-2及び F1232- 10-1の重鎖及び軽鎖可変領域の塩基配列及ぴ推定され るアミノ酸配列を配列表に示した (配列番号 1 8— 2 5 ) 。
[実施例 2 7 ]
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抗 GPVI抗体のヒト可溶型 GPVI認識能の確認
実施例 16に示した方法で正常ヒトから調製した洗浄血小板に convulxinも しくは対照としてバッファーのみを添加し、 37°Cにおいて 1時間静置した後、
上清画分を回収した。 実施例 18に示した方法で、 マウス抗ヒト GPVI抗体であ る F1232-7-1 もしくは F1232- 10- 2、 およびヒト GPVI合成べプチドを抗原とし たポリクローナル抗体を一次抗体として Western Blotting法によりヒト可溶化 型 GPVIの検出を行った。 結果を図 22に示す。 F1232- 7- 1および F1232- 10- 2は ヒ ト GPVI合成べプチドを抗原としたポリクローナル抗体と同様に convulxinで 刺激した洗浄血小板の上清画分試料において、ヒ ト可溶型 GPVIの存在を確認す る事が可能であった。 また、 バッファーのみを添加した洗浄血小板の上清画分 試料では、 F1232 - 7- 1、 F1232-10-2ならびにヒ ト GPVI合成べプチドを抗原とし たポリクローナル抗体によってヒ ト可溶型 GPVIは検出されなかった。このこと 力ゝら、ヒ ト可溶型 GPVIの ELISA法で使用している F1232 - 7- 1および F1230- 10-2 はヒト可溶化型 GPVIを認識していると考えられた。 産業上の利用可能性
[ 0 0 6 5 ]
本発明の測定方法、 測定試薬またはキットにより、 試料中の GPVI、 特に生体 試料中の sGPVI又は mGPVIが高感度に測定しうる。 また、 本発明の測定方法、 測定試薬またはキットを用いて、 sGPVI又は mGPVIを検出、 測定又は定量する ことにより、 血小板活性化もしくは血管内皮傷害の検出、 測定、 定量、 判定も しくは評価、 血小板活性化もしくは血管内皮傷害関連疾患の診断、 罹病性の判 定もしくは発症リスクの評価、抗血小板薬、 特に抗 GPVI抗体の奏効する患者の 選別、 それらの投与 (開始) 時期の決定、 及び、 それらの治療効果もしくは副 作用発現の予測、 モニタリングもしくは予後の判定等が可能となる。 配列表フリーテキスト
[ 0 0 6 6 ]
配列番号 1は実施例 1の PCR反応に用いたプライマーの配列である。
配列番号 2は実施例 1の PCR反応に用いたプライマーの配列である。
配列番号 3は実施例 1の PCR反応に用いたプライマーの配列である。
配列番号 4は実施例 1の PCR反応に用いたプライマ一の配列である。
配列番号 5は実施例 1の PCR反応に用いたプライマーの配列である。 配列番号 6は実施例 1の PCR反応に用いたプライマーの配列である。 配列番号 7は実施例 1の PCR反応に用いたプライマーの配列である。 配列番号 8は実施例 1の PCR反応に用いたプライマーの配列である。 配列番号 9は実施例 1の PCR反応に用いたプライマーの配列である。 配列番号 1 0は実施例 1の PCR反応に用いたプライマーの配列である。 配列番号 1 1は実施例 1の PCR反応に用いたプライマーの配列である。 配列番号 1 2は実施例 1の PCR反応に用いたプライマ一の配列である。 配列番号 1 3は実施例 1の PCR反応に用いたプライマーの配列である。 配列番号 1 4は実施例 1の PCR反応に用いたプライマーの配列である。 配列番号 1 5は実施例 2の PCR反応に用いたプライマーの配列である。 配列番号 1 6は実施例 2の PCR反応に用いたプライマーの配列である。 配列番号 1 Ίは実施例 2の PCR反応に用いたプライマーの配列である。