WO2007099920A1 - 基地局及びハンドオーバ制御方法 - Google Patents

Abstract

　ハードハンドオーバ方式を採用する移動通信システムにおいて、一定の時間間隔で伝送される下りユーザデータの損失及び遅延増加を減らし、ハンドオーバ元基地局単独で簡易且つ高品質なハンドオーバを行うこと。基地局は下りユーザデータを一定の時間間隔で移動局に送信する。基地局は下りユーザデータを移動局に送信した直後にハンドオーバ指示信号を送信する。

Description

明 細 書

基地局及びハンドオーバ制御方法

技術分野

[0001] 本発明は移動通信システムにおける基地局及びノ、ンドオーバ制御方法に関する。

背景技術

[0002] 移動通信システム設計において、基地局間ハンドオーバの際にユーザデータが欠 落しないようにすることは極めて重要である。特に、音声やテレビ電話のようなリアル タイムアプリケーションでデータの損失があると、パケットの再送によって損失を補償 することは困難であり、音声品質や映像品質の劣化を招くことが懸念される。

[0003] 移動通信システムの国際標準方式の 1つである IMT2000方式では、基地局間のハ ンドオーバにソフトハンドオーバ方式を適用することができる。ソフトハンドオーバ方 式では、端末とネットワークとの間で同時に 2つ以上の基地局を介して通信が行われ るので、ユーザデータの損失は発生しにくぐ高品質なハンドオーバを実現すること ができる。リアルタイムデータを通信して 、る端末にソフトノヽンドオーバ方式を適用す る技術にっ 、ては例えば特許文献 1に記載されて 、る。し力しながらソフトハンドォー バ方式は 1ユーザのハンドオーバに複数の無線チャネルを必要とし、基地局の制御 負担も大きいので、システムアーキテクチャ及び無線制御が複雑ィ匕し、高価なシステ ムになってしまうことが懸念される。

特許文献 1：特開 2002-191064

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] ソフトハンドオーバ方式とは異なり、ハードハンドオーバ方式では、移動局は 1つの 基地局との間でしか無線チャネルを有しな 、。その無線チャネルは或るタイミングで 別の無線チャネルに切り替わるので、送受信が一時的に不通になってしまうことが予 想される。従ってこの方式のハンドオーバの高品質ィ匕を図る観点力 は、不通の期間 (通信断となっている期間）をできるだけ短縮することが望ましい。しかし無線同期を 確保しなければならないことや無線制御を適切に行うこと等の理由により、通信断の 期間を全く無くしてしまうことは困難である。このため、音声等のようなリアルタイム通 信を行っている端末がハードノ、ンドオーバを行う場合に、通信断の期間に起因して ユーザデータが欠落してしまうことが懸念される。

[0005] 図 1はそのような問題点を説明するためのフローチャートである。図示の状況ではリ アルタイム系サービスが提供され、一定の時間間隔でユーザデータ（リアルタイムデ ータ）力 パケット交換機、ハンドオーバ (HO)元又は HO先基地局を介して移動局に 伝送される（101)。ハンドオーバの契機又はトリガとなるイベントが発生すると（102) 、移動局は HO要求信号を HO元基地局に送信する（103)。 HO元基地局は、移動局 力 の HO要求信号を受信したことに応答して HO指示信号を移動局に送信する（ 10 4)。移動局は HO指示信号を受信したことに応答して無線チャネルの切替を開始し、 ある期間の間無線通信が途絶える（105)。無線チャネルの切替が完了すると、それ を示す信号が HO先基地局に報告される（106)。 HO先基地局は、以後のユーザデ ータの転送経路が変更されるべきことを示す経路切替要求信号をパケット交 に 送信する（107)。経路切替要求信号に応答してパケット交換機はその移動局宛のュ 一ザデータの転送経路を変更する（108)。

[0006] この場合にお!/、て、ユーザデータの伝送処理とハンドオーバの処理は別々に独立 になされる。その結果、図示の状況では移動局が通信断になっている期間内に HO 元基地局がユーザデータを送信する力もしれない。そのユーザデータは図中 X印で 示されて!/、るように欠落してしまう。

[0007] このようなデータの欠落を回避するため幾つかの手法が考えられる。第 1の手法は ハンドオーバを行う直前に基地局よりも上位の装置でユーザデータを一時停止する 方法である。第 2の手法は基地局よりも上位の装置で HO元及び HO先の基地局にデ ータを複製して送信する方法である。第 3の手法は HO元基地局で送信できなかった ユーザデータを HO先基地局に転送する方法である。しかしながら第 1及び第 3の手 法では、送信の一時停止やデータ転送に起因してユーザデータの遅延が増加し、こ れはリアルタイムアプリケーションで特に不利になってしまう。また第 1乃至第 3の何れ の手法も HO元基地局以外の装置に対する制御を要するので、新たなシグナリング や制御状態を定義する必要が生じ、制御の複雑ィ匕及びコスト上昇が懸念される。 [0008] 本発明の課題は、ハードハンドオーバ方式を採用する移動通信システムにおいて 、一定の時間間隔で伝送される下りユーザデータの損失及び遅延増加を減らし、 HO 元基地局単独で簡易且つ高品質なハンドオーバを行うことである。

課題を解決するための手段

[0009] 本発明では、下りユーザデータを一定の時間間隔で移動局に送信する基地局が 使用される。基地局は下りユーザデータを移動局に送信した直後にハンドオーバ指 示信号を送信する。

発明の効果

[0010] 本発明によれば、ハードノヽンドオーバ方式を採用する移動通信システムにおいて、 一定の時間間隔で伝送される下りユーザデータの損失及び遅延増加を減らし、 HO 元基地局単独で簡易且つ高品質なハンドオーバを行うことができる。

図面の簡単な説明

[0011] [図 1]従来の基地局間ハンドオーバの手順例を示すフローチャートである。

[図 2]本発明の一実施例による移動通信システムを示す図である。

[図 3]発明の一実施例による基地局間ハンドオーバの手順例を示すフローチャートで ある。

符号の説明

[0012] 201 移動局

202 基地局

203 パケット交棚

204 ノケットネットワーク

発明を実施するための最良の形態

[0013] 図 2は本発明の一実施例による移動通信システムを示す。図 2には移動局 201、基 地局 202、パケット交 «203及びパケットネットワーク 204が示されている。移動局 201は物理レイヤ力 アプリケーションレイヤまでの全レイヤの機能を有する。特に移 動局 201は発着信ゃノ、ンドオーバ等の無線制御機能を有する。本実施例では移動 局 201は 1つの基地局とし力接続できず、ハンドオーバ時にはネットワーク側力も指 示されたタイミングで無線チャネルが切り替えられる。即ちセル又はセクタの切替は ノヽードノヽンドォーノ (hard hand over)で われる。

[0014] 基地局 202も発着信ゃノ、ンドオーバ等の無線制御機能を有することに加えて、基 地局 202は無線側と有線側のプロトコル変換機能、経路切替要求をパケット交換機 に送出する機能等を有する。基地局 202はハンドオーバ指示信号の送信タイミング を、ハンドオーバ要求信号の後に受信された下りユーザデータの送信タイミング直後 まで待機させる機能を有する。

[0015] パケット交 203は下りユーザデータの転送経路を管理する機能を有する。基地 局間ハンドオーバが行われた場合にはその転送経路は更新される。

[0016] パケットネットワーク 204は例えばインターネットプロトコル（IP)を使用するネットヮー クであり、様々なサービスアプリケーションサーバや端末等に接続されている。

[0017] 図 3は本発明の一実施例による基地局間ハンドオーバの手順例を示す。説明の簡 明化のため、本発明に特に関連する信号しか示されていないが、他のシグナリング 用の信号が送受信されてもよい。以下の説明では、移動局及びネットワーク間でコネ クシヨンが確立され、リアルタイム系のサービスが提供され、波線矢印で示されるよう に下りユーザデータが定期的に伝送されているとする（301)。データ伝送間隔はサ 一ビス内容や設定レート等によって異なってよいが、本実施例では一例として 10ミリ 秒間隔で下りユーザデータの送受信がなされて 、る。伝送されるユーザデータは、 音声通信、テレビ電話、ストリーミング等の内容を含んでもよい。

[0018] ハンドオーバ（HO)の契機又はトリガとなるイベントが発生すると（302)、移動局は H 0要求信号を HO元基地局に送信する（303)。本実施例では移動機アシスト型ハン ドオーバ方式が使用される。この方式では移動局は周辺基地局からの信号レベルを 測定し、測定結果をネットワーク側に報告する。 HO先基地局がどれである力、 HOタ イミングがいつであるか等についてはネットワーク側力 指定される。

[0019] HO元基地局は、 HO要求信号を受信しても直ちに HO指示信号を送信するのでは なぐその送信は次の下りユーザデータが移動局に送信されるまで待機させられる (3 04)。この点、 HO要求信号の受信に応答して速やかに HO指示信号が送信されてい た従来の手法と大きく異なる。ある下りユーザデータが移動局に送信され、その移動 局から HO要求信号が受信された後、次の下りユーザデータがその移動局に送信さ れた直後に HO指示信号が移動局に送信される（305)。

[0020] 移動局は HO指示信号を受信したことに応答して無線チャネルの切替を開始し、あ る期間の間無線通信が途絶える（306)。無線チャネルの切替が完了すると、それを 示す信号が HO先基地局に報告される（307)。 HO先基地局は、以後のユーザデー タの転送経路が変更されるべきことを示す経路切替要求信号をパケット交 に送 信する（308)。経路切替要求信号に応答してパケット交換機はその移動局宛のユー ザデータの転送経路を変更する（309)。これにより一連のハンドオーバ手順が完了 する。以後の下りユーザデータは変更後の転送経路で HO先基地局を経て移動局に 伝送される。

[0021] 本実施例によれば、移動局で通信断となる時点力 パケット交 で経路が切り替 えられる時点までの間（ノヽンドオーバに要する期間）に、リアルタイムデータが HO元 基地局から移動局へ伝送されてしまうことを効果的に抑制することができる。言い換 えれば、リアルタイムデータの伝送周期の間に、ハンドオーバの処理を確実に完了さ せることができる。但し、リアルタイムデータの伝送周期がハンドオーバ処理に要する 期間より長いことが前提である。

[0022] 既存の移動通信システムに本発明を適用するのに特に必要なことは、 HO元基地 局が HO指示信号の送信タイミングを、次の下りユーザデータの送信直後まで遅らせ ることである。従って HO元基地局以外のノードとの間でシグナリング等を別途規定す る必要はなぐ単に HO元基地局を改善するだけで高品質なハンドオーバを行うこと ができる。

[0023] なお、上りユーザデータに関しては通信断の間に送信タイミングが訪れることがある 力もしれな 、。し力しながらこの場合は送信できな力つた上りユーザデータを移動局 力 Sバッファリングできるので、データ損失を容易に防止することができる。

[0024] 本国際出願は 2006年 2月 27日に出願した日本国特許出願第 2006— 50435号 に基づく優先権を主張するものであり、その全内容が本国際出願に援用される。

Claims

請求の範囲

[1] 下りユーザデータを一定の時間間隔で移動局に送信する基地局であって、

下りユーザデータを移動局に送信した直後にハンドオーバ指示信号を送信する ことを特徴とする基地局。

[2] 下りユーザデータを一定の時間間隔で移動局に送信する基地局で使用されるハン ドオーバ制御方法であって、

下りユーザデータを移動局に送信した直後にハンドオーバ指示信号を送信する ことを特徴とするハンドオーバ制御方法。