WO2007097415A1

WO2007097415A1 - 操作入力装置

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Publication number: WO2007097415A1
Application number: PCT/JP2007/053385
Authority: WO
Inventors: Katsuaki Kawamura
Original assignee: Pioneer Corporation
Priority date: 2006-02-23
Filing date: 2007-02-23
Publication date: 2007-08-30

Abstract

　マルチ画面表示が可能な操作入力装置を備えるナビゲーション装置において、助手席の者が運転者の指示する操作を迅速かつ円滑に行うことを可能とする。　操作入力装置は、例えば左右又は上下に２画面表示が可能な液晶表示装置などのマルチ画面表示装置を備える。また、マルチ画面表示装置の表示領域にはタッチパネルが設けられる。さらに、タッチパネルの周囲には近接センサ部が設けられる。近接センサ部は、複数の近接センサにより構成することができ、操作入力のためにタッチパネルに接近するユーザの指、タッチペンその他の操作入力物体の接近方向を検出する。制御部は、通常、車両の走行中は、運転席以外の方向からの操作入力に対して通常入力環境を提供するとともに、運転席方向からの操作入力に対して前記通常入力環境よりも操作入力が制限された制限入力環境を提供する。但し、制御部は、検出された接近方向が運転席以外の方向である場合、前記運転席以外の方向に対して表示される通常入力環境用画像と同一の画像を前記運転席方向に対して表示させる同一画像表示を実行する。

Description

明細書

操作入力装置

技術分野

[0001] 本発明は、表示装置及びタツチパネルを用いて操作入力を行う装置に関する。

背景技術

[0002] 異なる観察方向に対して異なる画像を表示可能なマルチ画面表示型液晶ディスプレイが製品化されている（例えば特許文献 1を参照)。このような液晶ディスプレイを車両に取り付けた場合、運転席側からの観察方向に対してはナビゲーシヨン装置からの地図画像などを表示し、助手席側からの観察方向に対しては例えば映画などの画像を表示することができる。また、この液晶ディスプレイの表示面にタツチパネルを配置し、接触位置を感知することにより、様々な操作入力を行うことができる操作入力装置を構成することができる。

上記のような 2画面液晶ディスプレイ装置を備える車載用ナビゲーシヨン装置にお V、て、車両の走行中は運転の安全性を担保するために運転席側からの複雑な操作及びそれに関する表示は禁止されており、運転席側からは、例えば現在位置を示す地図表示など、安全と認められた限定的な操作のみが可能となっている。このとき、助手席側に対しては映画などの動画が表示される力、又は、車両の停止中と同じナピゲーシヨン画像が表示される。即ち、助手席側に関しては、車両の走行中でも、制限なく全てのナビゲーシヨン装置の操作が可能であった。

[0003] このように、従来の車載用ナビゲーシヨン装置においては、経路誘導設定変更ゃ詳細な設定変更など、走行中に運転者が操作すると危険であると判断される操作を行うためには運転者は安全な場所に車両を停止する必要がある。このため、運転者は車両の走行中はそのような操作を助手席の者に依頼することが多力つた。しかしその際、助手席の者が見ている操作画面は運転者が見ている画面とは異なり、それは運転者には見えないので、運転者は助手席の者が見ていると思われる操作画面の記憶を頼りに憶測で操作の手順を口頭で説明する必要がある。このため、運転者の思考はそれに集中し、運転に対する注意が疎かになる場合があった。また、運転者は憶測で操作指示するので間違いが多ぐ助手席の者から操作画面の状態を口頭で説明を受けながら再度指示を出すので、目的の操作を実行するまでの時間が長くなる。その結果、運転が疎かになる時間が更に長くなるという問題があつた o

[0004] 特許文献 1 :特開 2005— 78076号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0005] 本発明が解決しょうとする課題としては、上記のものが一例として挙げられる。本発明の目的は、マルチ画面表示が可能な操作入力装置を備えるナビゲーシヨン装置において、助手席の者が運転者の指示する操作を迅速かつ円滑に行うことを可能とすることにめる。

[0006] 本発明の 1つの実施形態では、車載用ナビゲーシヨン装置の操作入力装置は、左右又は上下の異なる方向に対して異なる画像を表示可能なマルチ画面表示装置と、前記マルチ画面表示装置上に設けられたタツチパネルと、前記タツチパネルの周囲に設けられ、操作入力のために前記タツチパネルに接近してきた操作入力物体の接近方向を検出する近接センサ部と、車両の走行中は、運転席以外の方向からの操作入力に対して通常入力環境を提供するとともに、運転席方向からの操作入力に対して前記通常入力環境よりも操作入力が制限された制限入力環境を提供する制御部と、を備え、前記制御部は、検出された接近方向が運転席以外の方向である場合、前記運転席以外の方向に対して表示される通常入力環境用画像と同一の画像を前記運転席方向に対して表示させる同一画像表示を実行する。

[0007] 上記の操作入力装置は、例えば左右又は上下に 2画面表示が可能な液晶表示装置などのマルチ画面表示装置を備える。また、マルチ画面表示装置の表示領域にはタツチパネルが設けられる。さらに、タツチパネルの周囲には近接センサ部が設けられる。近接センサ部は、複数の近接センサにより構成することができ、操作入力のためにタツチパネルに接近するユーザの指、タツチペンその他の操作入力物体の接近及びその接近方向を検出する。制御部は、通常、車両の走行中は、運転席以外の方向からの操作入力に対して通常入力環境を提供するとともに、運転席方向からの操作入力に対して前記通常入力環境よりも操作入力が制限された制限入力環境を提供する。通常入力環境とは、例えばナビゲーシヨン装置の全ての機能に対応する操作入力が可能な環境を指し、制限入力環境とはそれらのうちの一部の操作入力が禁止、無効とされた入力環境を指す。但し、制御部は、検出された接近方向が運転席以外の方向である場合、前記運転席以外の方向に対して表示される通常入力環境用画像と同一の画像を前記運転席方向に対して表示させる同一画像表示を実行する。

[0008] この操作入力装置によれば、車両の走行中は運転者は自らの操作入力が制限されるため、助手席の者に口頭で操作入力を依頼する。その際、助手席の者がタツチパネルに操作入力物体を近づけると、助手席の者に対して表示されているのと同一画像が運転者に対しても表示される。よって、運転者は助手席の者がわ力りやすいように口頭で操作入力に関する説明や指示を行うことができる。好適には、前記制御部は、前記マルチ画面表示装置が前記画像としてナビゲーシヨン画像を表示して、る場合にのみ、前記同一画像表示を実行する。

[0009] 上記の操作入力装置の一態様では、前記マルチ画面表示装置は、前記運転席以外の方向に対して表示するナビゲーシヨン画像に確認要求入力部を含め、前記制御部は、前記運転席以外の方向から前記確認要求入力部が操作されたときのみ、前記同一画像表示を実行する。これにより、助手席の者が自己の意思で操作入力する場合まで同一画像表示がなされることが防止される。

[0010] 上記の操作入力装置の他の一態様では、前記制御部は、前記確認要求入力部が操作されてから所定時間のみ、前記同一画像表示を実行する。これにより、必要以上に長、時間に渡り同一画像表示が継続されることがなくなる。

[0011] 上記の操作入力装置の他の一態様は、前記タツチパネルとは別個の操作部を備え

、前記制御部は、前記車両の走行中は、前記操作部からの操作入力に対して前記制限入力環境を提供する。ナビゲーシヨン装置が、例えばリモコンなどのタツチパネル以外の操作部を備える場合、走行中であっても運転者はそれを操作することができる。よって、車両の走行中はその操作部を制限入力環境に設定し、走行中の運転者による複雑な操作入力を防止する。 [0012] 上記の操作入力装置の他の一態様では、前記制御部は、前記同一画像表示の実行中に運転席方向からの操作入力物体の接近が検出されたときには、前記同一画像表示を中止するか、又は、運転席方向からの操作入力物体の接近が解消するまで、前記タツチパネルに対する入力を無効とする。これにより、運転者と助手席の者がほぼ同時に操作入力を行うなどの不具合が防止できる。

[0013] 上記の操作入力装置の他の一態様では、前記制御部は、前記同一画像表示の実行中は前記運転席方向からの前記タツチパネルに対する操作入力を無効とする。従つて、同一画像表示中に運転者が操作入力を行ったとしても、その入力は無効とされる。

図面の簡単な説明

[0014] [図 1]実施例によるナビゲーシヨン装置の概略構成を示すブロック図である。

[図 2]ディスプレイ装置の外観図である。

[図 3]近接センサの合成指向性特性を示す。

[図 4]操作入力制御処理中の表示画面例を示す。

[図 5]操作入力制御処理のフローチャートである。

符号の説明

[0015] 1 ナビゲーシヨン装置

10 本体ユニット

11 画像再生部

12 ナビゲーシヨンユニット

15 制御部

20 ディスプレイ装置

22 液晶表示装置

24 タツチパネル

26 近接センサ

発明を実施するための最良の形態

[0016] 以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。なお、以下の説明は、本発明を車両用のナビゲーシヨン装置に適用した例を示す。なお、以下のナピゲーシヨン装置は右ハンドル車、即ち、車両前方に向力つて右側が運転席、左側が助手席である車両に搭載されているものとする。なお、本発明を左ハンドル車に適用することはもちろん可能であり、その場合は運転席と助手席の左右の関係が逆になる。

[0017] [装置構成]

図 1に、ナビゲーシヨン装置 1の構成を示す。図 1に示すように、ナビゲーシヨン装置 1は、大別して、本体ユニット 10と、ディスプレイ装置 20とを備える。

[0018] ディスプレイ装置 20は液晶ディスプレイ装置であり、液晶表示装置 22、タツチパネル 24及び近接センサ 26al〜26a3、 26bl〜26b3を備える。図 2 (a)及び図 2 (b)にディスプレイ装置 20の外観を示す。図 2 (a)はディスプレイ装置 20を斜め上方力ゝら見た斜視図であり、図 2 (b)はディスプレイ装置 20の正面図である。

[0019] 液晶表示装置 22は、左右方向から観察したときに、互いに異なる画像を表示することが可能な 2画面同時表示機能を有する。具体的には、図 2 (a)及び図 2 (b)において、矢印 Da、 Dbはそれぞれディスプレイ装置 20に対する観察方向を示している。ディスプレイ装置 20に対して右側、即ち運転席側からの方向 Da (以下、「運転席方向」とも呼ぶ。）から見た場合、ディスプレイ装置 20には画面 Aが表示される。一方、ディスプレイ装置 20に対して左側、即ち助手席側からの方向 Db (以下、「助手席方向」とも呼ぶ。）から見た場合、ディスプレイ装置 20には画面 Bが表示される。本実施例では、運転席方向 Daに対して表示される画面 Aは例えばナビゲーシヨンユニットによるナビゲーシヨン画像であり、助手席方向 Dbに対して表示される画面 Bはナビゲーシヨン画像又は後述の画像再生部により再生される映画などの動画である。

[0020] 液晶表示装置 22の表示画面上には、液晶表示装置 22の表示画面全体を覆うようにタツチパネル 24が取り付けられる。なお、本発明では、タツチパネル 24の接触位置検出方式は問わない。

[0021] 液晶表示装置 22の表示領域の周囲、即ち、タツチパネル 24の周囲には、複数の近接センサ 26al〜26a3、 26bl〜26b3力待設けられる。なお、以下の説明においては、個々の近接センサを区別する必要がない場合、 6個の近接センサを代表して「近接センサ 26」と記す。これら近接センサ 26al〜26a3、 26bl〜26b3により近接センサ部が構成される。具体的に、図 2 (b)の例では、液晶表示装置 22の図中右側には 3つの近接センサ 26al〜26a3が設けられ、これらが右側から（即ち、運転席方向 Da から)タツチパネル 24を操作する物体を検出する機能を有する。なお、タツチパネル 24を操作する物体とは、例えばユーザの指、タツチペンなどである（以下、これを「操作入力物体」とも呼ぶ。 ) o一方、液晶表示装置 22の図中左側には 3つの近接センサ 26bl〜26b3が設けられ、これらが左側から（即ち、助手席方向 Dbから）タツチパネル 24を操作する物体を検出する機能を有する。

[0022] 本実施例では、近接センサ 26は、わゆる静電容量式近接センサである。静電容量式近接センサとは、大気と異なる誘電率を有する物体が一対の電極間に接近すると電極間容量が変化することを利用して物体が接近したことを検出するセンサであるが、これ自体は既知であるので詳細な説明は省略する。なお、本発明では、静電容量式の代わりに、電磁誘導を利用した高周波発振型、磁石を用いた磁気型などの各種の方式の近接センサを適用することが可能である。

[0023] 具体的には、各近接センサ 26は、物体が近づくと、物体との距離に応じた電圧を出力する。よって、基本的には、接近している物体に近い近接センサほど大きな電圧値を出力することになる。なお、検出処理の詳細は後述する。

[0024] 図 3 (a)は、図 2 (b)に示した近接センサ 26の検出感度指向性の概略図であり、ディスプレイ装置 20の上方力も見た斜視図である。また、図 3 (b)は、ディスプレイ装置 2 0の正面方向から見たときの、近接センサ 26の検出感度指向性の概略図である。図 3 (a)、図 3 (b)において、破線 30aがディスプレイ装置 20の右側の指向性を示し、破線 30bが左側の指向性を示す。なお、これらの指向性特性は、各方向を検出するセンサの合成特性となっている。即ち、破線 30aが示すディスプレイ装置 20の右側の指向性は、図 2 (b)に示す近接センサ 26al〜26a3により規定され、破線 30bが示すディスプレイ装置 20の左側の指向性は、図 2 (b)に示す近接センサ 26bl〜26b3により規定される。

[0025] 次に、図 1に戻り、本体ユニット 10の構成について説明する。本体ユニット 10は、画像再生部 11と、ナビゲーシヨンユニット 12と、画像合成部 14と、制御部 15とを備える [0026] 画像再生部 11は、例えば DVDなどの画像ソースから映画などの動画像を再生する。また、画像再生部 11は、 TVチューナなどにより TV信号を再生してもよい。再生された画像信号 S1は、画像合成部 14へ供給される。なお、画像再生部 11は、 DVD 再生機能を備えた既知のナビゲーシヨン装置の DVD再生ユニットと同様の構成とすることがでさる。

[0027] 一方、ナビゲーシヨンユニット 12は、 GPSユニット、地図データ記憶部などを備え、ナビゲーシヨン画像に対応する画像信号 S2を生成して画像合成部 14へ供給する。ナビゲーシヨン画像は、一般的には地図上に車両の現在位置が表示されたものである。なお、 GPSユニットは、それが検出する車両の現在位置の変化に基づいて車両が走行中である力停止中であるかを判定することができる。

[0028] また、本実施例では、ナビゲーシヨン画像は、通常入力環境のナビゲーシヨン画像と、制限入力環境のナビゲーシヨン画像とを含む。「通常入力環境」とは、基本的にナピゲーシヨン装置に対する全ての操作入力が可能な入力環境である。車両が停止している間は、運転席側及び助手席側の両方が通常入力環境に設定される。一方、「制限入力環境」とは、運転手による安全走行の観点から、いくつかの操作入力が制限された入力環境である。なお、通常入力環境及び制限入力環境についてはさらに後述する。

[0029] 画像合成部 14は、助手席方向 Dbに対して画面 Bとしてナビゲーシヨン画像が表示される場合には、ナビゲーシヨンユニット 12から供給された画像信号 S2に含まれる通常入力環境のナビゲーシヨン画像と制限入力環境のナビゲーシヨン画像とを必要に応じて合成し、 2画面表示用のマルチ画像信号 S5を生成し、液晶表示装置 22に供給する。この場合、車両が停止中であれば、上述のように画面 A及び画面 Bは通常入力環境のナビゲーシヨン画像となる。一方、車両の走行中には、運転者方向 Daの画面 Aは制限入力環境のナビゲーシヨン画像となり、助手席方向 Dbの画面 Bは通常入力環境のナビゲーシヨン画像となる。

[0030] また、画像合成部 14は、助手席方向 Dbに対して画面 Bとして映画などの画像が表示される場合には、画像再生部 11から供給された画像信号 S1と、ナビゲーシヨンュニット 12から供給された制限入力画像信号 S2を合成し、 2画面表示用のマルチ画像信号 S5を生成し、ディスプレイ装置 20内の液晶表示装置 22へ供給する。これにより

、運転席方向 Daの画面 Aは、車両の停止中は通常入力環境のナビゲーシヨン画像となり、車両の走行中は制限入力環境のナビゲーシヨン画像となる。一方、助手席方向 Dbの画面 Bは映画などの動画像となる。

[0031] 制御部 15は、本体ユニット 10内の各要素を統括的に制御する。具体的には、制御部 15は、ユーザがタツチパネル 24に対して行った操作入力に応じて、画像再生部 1

1、ナビゲーシヨンユニット 12へ制御信号 S9、 S8を送り、それらを制御する。例えば、ユーザ力 Sタツチパネル ₂₄に対して映画の再生、停止、一時停止などの操作入力を行うと、その操作入力に対応する制御信号 S6が制御部 15に供給される。制御部 15は、これに応じて、制御信号 S 9を画像再生部 11へ供給し、画像再生部 11による映画の再生、停止、一時停止などを指示する。また、ユーザがタツチパネル 24に対してナピゲーシヨンユニットの操作入力を行うと、その操作入力に対応する制御信号 S6が制御部 15へ供給される。制御部 15は、これに応じて、制御信号 S8をナビゲーシヨンユニット 12へ供給し、ナビゲーシヨンユニット 12の動作を制御する。

[0032] また、制御部 15は、複数の近接センサ 26から出力信号 S7を受け取り、操作入力のためにタツチパネル 42に接近してヽる操作入力物体の接近方向を検出する。なお、この処理の詳細については後述する。

[0033] さらに、制御部 15は、検出した操作入力物体の接近方向に基づいて、ナビゲーシヨンユニット 12に制御信号 S8を供給し、液晶表示装置 22に表示される画像に含まれるアイコンの表示、消去を制御する。このアイコンは、液晶表示装置 22に重ねて取り付けられたタツチパネル 24上における操作入力の位置を示す（「操作入力用アイコン」とも呼ぶ。；)。即ち、このアイコンの表示位置に対応するタツチパネル 24上の位置にタツチすること〖こより、当該アイコンに対応する操作入力がなされる。

[0034] [入力環境]

次に、通常入力環境及び制限入力環境について詳しく説明する。ナビゲーシヨンユニット 12は、車両が走行中である場合には、安全走行を確保するため、運転者による操作入力については原則としてナビゲーシヨンユニットの一部の簡易な機能のみを有効とし、他の機能を無効とする。具体的には、運転者による操作入力のうち、所定の簡易な操作以外を無効とする。この入力環境を、通常入力環境よりも機能、操作が制限されているという意味で、制限入力環境と呼ぶ。例えば、通常入力環境においては、タツチパネル 24に対して行われる操作入力として、地図の拡大、縮小、ルート設定、詳細設定などの全ての操作入力を可能とする。一方、制限入力環境においては、地図の拡大、縮小などの 1回の操作入力で完了する機能、その他所定の簡易な操作は実行可能とするが、ルート設定、詳細設定など複数回の操作入力を伴う機能などは実行不可能とする。

[0035] 図 4 (a)は制限入力環境のナビゲーシヨン画像の例を示し、図 4 (b)は通常入力環境のナビゲーシヨン画像の例を示す。図 4 (b)に示すように、通常入力環境では、ナピゲーシヨン画像には地図及び車両の現在位置を示す三角形のマークに加え、複数の操作入力用アイコン 37a〜37eを含む。アイコン 37a〜37cは表示された地図の縮尺変更指示に対応し、アイコン 37dはルート設定指示に対応し、アイコン 37eは詳細設定指示に対応する。一方、図 4 (a)に示すように、制限入力環境では、ルート設定指示に対応するアイコン 37d及び詳細設定指示に対応するアイコン 37eが表示されていない。このように、車両の走行中は、運転者による操作入力が制限される。

[0036] なお、車載用ナビゲーシヨン装置には、操作入力部としてタツチパネルに加えてリモコンなどを備えるものがある。本発明を適用する車載用ナビゲーシヨン装置はリモコンなど、タツチパネルとは別個の操作入力部を備えていてもよい。但し、車両の走行中は、そのような別個の操作入力部からの入力環境は、操作入力を行う者を問わず制限入力環境に設定される。そうしないと、リモコンなどを使用すれば走行中でも運転者がルート設定などの複雑な操作入力を実行可能となってしま!/、、タツチパネル 2 4からの入力環境を制限する意味が薄れてしまうからである。

[0037] [操作制御]

次に、上記のナビゲーシヨン装置 1による操作入力の制御について説明する。上述のように、本実施例では、 2画面表示型の液晶表示装置 22を備えるディスプレイ装置 20において、ユーザが操作入力を行う際にディスプレイ装置 20に接近してくる操作入力物体の接近方向を検出する。そして、車両の走行中に助手席方向 Dbの画面 B にナビゲーシヨン画像が表示されている状態で、助手席方向 Dbから操作入力物体の接近が検出された場合には、同一画像表示を実行し、助手席方向 Dbの画面 Bと同一のナビゲーシヨン画像を運転席方向 Daの画面 Aに表示する。

[0038] 車両の走行中は、上述のように、運転者には制限入力環境が提供され、図 4 (a)に例示する制限入力環境のナビゲーシヨン画像が画面 Aとして表示される。よって、運転者は自らの操作入力により、ルート設定や詳細設定を行うことができず、その操作を助手席の者に頼むことになる。しかし、図 4 (a)から理解されるように、運転者に対する画面 Aにはそれら操作入力に対応するアイコンが表示されて、な、ため、助手席の者に対して円滑に操作入力の指示を行うことは難しい。そこで、本実施例では、運転者の指示に応じて助手席の者が操作入力を行うために操作入力物体をタツチパネル 24に近づけ、近接センサ 26がその接近を検出したときに、助手席方向に表示されている通常入力環境のナビゲーシヨン画像と同一画像を運転手方向にも表示する。即ち、運転者の指示に応じて助手席の者力タツチパネル 24の近傍に操作入力物体を近づけたときに、運転席方向の画面 Aも図 4 (b)に例示する通常入力状態のナビゲーシヨン画像に変更される。これにより、運転者と助手席の者は同一のナビゲーシヨン画像を見ることになるので、運転者は助手席の者に対して操作入力の指示を容易に行うことができるようになる。よって、運転者が安全走行を続けながら、助手席の者が容易かつ迅速に操作入力を行うことができる。

[0039] 次に、操作入力制御処理について説明する。図 5は操作入力制御処理のフローチヤートを示す。この処理は、基本的に本体ユニット 10内の制御部 15が行う。また、この処理は、車両の走行中にディスプレイ装置 20に画面 A及び画面 Bとしてナビゲーシヨン画像が表示されている状態で、定期的に繰り返し実行される。なお、この場合、車両の走行中であるから、画面 Aは制限入力環境のナビゲーシヨン画像であり、画面 Bは通常入力環境のナビゲーシヨン画像である。なお、制御部 15は例えばナビゲーシヨンユニット 12が検出している自車位置の変化に基づいて車両が走行中であるか否かを判定し、走行中である場合にこの処理を実行する。

[0040] まず、制御部 15は、近接センサ 26の出力変化が設定値を超えた力否かを判定する (ステップ Sl l)。近接センサ 26は、操作入力物体の接近により内部の電極間容量が変化すると、それに応じて出力電圧が変化する。制御部 15は、近接センサ 26からの出力信号 S7を監視し、所定の設定値を超える出力電圧の変化を検出した場合、操作入力物体が接近してきたと判断する。所定の設定値と比較している理由は、タツチパネル 24に対する操作入力とは考えられない程度の遠い距離における物体の接近を除外するとともに、温度や湿度などの誤差要因の影響を排除し、安定な検出動作を担保するためである。なお、ステップ S 11の判定は、 6個全ての近接センサ 26の出力変化が設定値を超えた場合に Yesと判定してもよいし、いくつかの近接センサ 2 6の出力変化が設定値を超えた場合に Yesと判定してもよい。

[0041] 各近接センサ 26の出力変化が設定値を超えた場合 (ステップ Sl l ;Yes)、制御部 15は、方向 Da側に配置された近接センサ 26al〜26a3のうち、最大の変化値を Am axとして内部のメモリやレジスタなどに格納する (ステップ S 12)。また、制御部 15は、方向 Db側に配置された近接センサ 26bl〜26b3のうち、最大の変化値を Bmaxとして内部のメモリやレジスタなどに格納する (ステップ S 13)。そして、制御部 15は、最大の変化値 Amaxと Bmaxを比較する（ステップ S 14)。

[0042] 最大の変化値 Amax力 ¾maxより大きい場合 (ステップ S 14 ;Yes)、制御部 15は操作入力物体が運転席方向 Daから接近していると判定し (ステップ S15)、それと反対側である画面 Bについて、操作入力を制限する。具体的には、制御部は、画面 Bについて操作入力を無効とするとともに、操作入力用アイコンを消去する (ステップ S 16 )。これにより、運転者と助手席の者が同時に異なる入力を行うことが防止される。

[0043] 一方、最大の変化値 Amaxが Bmaxより小さい場合 (ステップ S 14 ; No)、制御部 1 5は操作入力物体が助手席方向 Dbから接近していると判定し (ステップ S17)、それと反対側である画面 Aについて操作入力を無効とするとともに、画面 Aを助手席方向 Dbに対して表示されている画面 Bと同一画像とする (ステップ S 18)。即ち、制御部 1 5は同一画像表示を行う。これにより、運転者及び助手席の者の両者が同一の通常入力環境のナビゲーシヨン画像を見ることができる。なお、この場合、運転者に対しても図 4 (b)の如き画像が表示される力画面 Aに対する操作入力は無効化されているので、運転者により例えばルート設定などの複雑な操作入力が実行される恐れはない。

[0044] 次に、制御部 15は、タツチパネル 24に対する操作入力がなされると、それに対応する処理を実行する (ステップ S19)。具体的には、ステップ S 14で操作入力物体が運転席方向から接近していると判断された場合、助手席方向からの操作入力は無効化されるので、ステップ S19では運転者が図 4 (a)に示すような制限入力環境で操作入力を行うことになる。一方、ステップ S14で操作入力物体が助手席方向から接近していると判断された場合、運転席方向からの操作入力は無効化されるので、ステップ S19では助手席の者が図 4 (b)に示すような通常入力環境で操作入力を行うことになる。

[0045] 次に、制御部 15はタツチパネル 24に対する操作入力が継続している力否かを判定し (ステップ S 20)、継続中は対応する処理の実行を継続する。一方、操作入力が終了すると (ステップ S20 ;No)、処理は終了する。これにより、ステップ S16又は S18で実行されていた操作入力の無効化、アイコンの消去及び同一画像表示は終了する。

[0046] このように、本実施例では、近接センサ 26の出力変化に基づいて操作入力物体の接近を検出する。そして、車両の走行中に助手席方向 Dbの画面 Bにナビゲーシヨン画像が表示されている状態で、助手席方向 Dbカゝら操作入力物体の接近が検出された場合には、その画面 Bと同一のナビゲーシヨン画像を運転席方向 Daの画面 Aに表示する。よって、運転者と助手席の者が同一のナビゲーシヨン画像を見ながら、助手席の者が運転者の指示に従って、走行中には運転者が実行できない操作入力を円滑に行うことができる。

[0047] 以上詳述したように、本実施例によれば、車載用ナビゲーシヨン装置の操作入力装置は、左右又は上下の異なる方向に対して異なる画像を表示するディスプレイ装置と、ディスプレイ装置上に設けられたタツチパネルと、前記タツチパネルの周囲に設けられ、操作入力のためにタツチパネルに接近してきた操作入力物体の接近方向を検出する近接センサと、車両の走行中は、運転席以外の方向からの操作入力に対して通常入力環境を提供するとともに、運転席方向力もの操作入力に対して前記通常入力環境よりも操作入力が制限された制限入力環境を提供する制御部と、を備える。制御部は、検出された接近方向が運転席以外の方向である場合、運転席以外の方向に対して表示される通常入力環境用画像と同一の画像を運転席方向に対して表示させる同一画像表示を実行する。 [0048] このように、助手席の者がナビゲーシヨン装置の詳細な操作をしょうとした場合、運転席側にも同一の画面が見えるように構成したので、運転者力もの口頭による操作指示が非常に簡潔に行われる。よって、運転者はナビゲーシヨンの表示に関する操作説明に必要以上に思考を集中する必要が無くなり、また、指示に要する目の移動時間も非常に短くて済むので、結果的に安全な運転が可能となる。

[0049] [変形例]

上記の例では、ステップ S18で同一画像表示が実行された後、助手席の者による操作入力が終了する (ステップ S20 ; Yes)まで同一画像表示が継続される。その代わりに、制御部 15は、同一画像表示を実行した後、所定時間経過後に自動的に終了することとしてもよい。これにより、必要以上長い時間にわたり同一画像表示が継続することが防止される。

[0050] また、図 5に示すように、助手席の者の操作入力の終了による同一画像表示の終了に変えて、又は、それに加えて、同一画像表示の実行中に運転者方向から操作入力物体が接近した場合には、制御部 15は同一画像表示を中止してもよい。これにより、運転者方向のナビゲーシヨン画像は制限入力環境のナビゲーシヨン画像に戻るため、運転者が同一画像表示中の画像を見てルート設定などの複雑な操作入力を行おうとすることが防止できる。

[0051] また、図 5に示すように、助手席の者の操作入力の終了による同一画像表示の終了に変えて、又は、それに加えて、同一画像表示の実行中に運転者方向から操作入力物体が接近した場合には、制御部 15は運転席方向からの操作入力物体の接近が解消するまで、具体的には近接センサ 26による検出がなされなくなるまで、運転者及び助手席の者の両者に対してタツチパネル 24による操作入力を無効としてもよい。これにより、運転者と助手席の者がほぼ同時に操作入力しょうとした場合にはいずれの入力も受け付けな、こととして、誤操作などが生じることを防止することができる。

[0052] また、上記の例では、ステップ S14で助手席方向から操作入力物体が接近した場合には常にステップ S18で同一画像表示を実行しているが、その代わりに、助手席の者が確認要求の入力を行った場合のみ同一画像表示を実行することとしてもよい。例えば、車両の走行中には助手席側に図 4 (c)の如き通常入力環境のナビゲーシヨン画像を表示する。この画像には、確認要求アイコン 37xが含まれている。そして、助手席の者が操作入力物体をタツチパネル 24に接近させるのみでなぐさらに確認要求アイコン _37xを操作した場合に限り、同一画像表示を実行する。これにより、助手席の者が自らの意図で操作入力を行う度に同一画像表示が実行され、運転者が混乱したり運転者の画像が頻繁に変化して見づらくなるなどの弊害を防止することができる。また、この場合、確認要求の入力がなされてカゝら所定時間経過後に自動的に同一画像表示を終了することとしてもよい。

[0053] 上記の実施例では、左右の 2画面表示型ディスプレイ装置に本発明を適用しているが、上下の 2画面表示型ディスプレイ装置に本発明を適用することもできる。その場合には、ディスプレイ装置の上側と下側にそれぞれ所定数の近接センサが配置される。ディスプレイ装置の上側に操作入力物体が接近したことが検出された場合には下側画面への操作入力が制限され、ディスプレイ装置の下側に操作入力物体が接近したことが検出された場合には上側画面への操作入力が制限される。

[0054] また、本発明は、 3画面以上の異なる画像を異なる方向に同時に表示可能なマルチ画面表示装置に適用することも可能である。

産業上の利用可能性

[0055] 本発明は、車両などに代表される移動体のナビゲーシヨン装置に利用することができる。

Claims

請求の範囲

[1] 左右又は上下の異なる方向に対して異なる画像を表示可能なマルチ画面表示装置と、

前記マルチ画面表示装置上に設けられたタツチパネルと、

前記タツチパネルの周囲に設けられ、操作入力のために前記タツチパネルに接近してきた操作入力物体の接近方向を検出する近接センサ部と、

車両の走行中は、運転席以外の方向からの操作入力に対して通常入力環境を提供するとともに、運転席方向からの操作入力に対して前記通常入力環境よりも操作入力が制限された制限入力環境を提供する制御部と、を備え、

前記制御部は、検出された接近方向が運転席以外の方向である場合、前記運転席以外の方向に対して表示される通常入力環境用画像と同一の画像を前記運転席方向に対して表示させる同一画像表示を実行することを特徴とする車載用ナビゲーシヨン装置の操作入力装置。

[2] 前記制御部は、前記マルチ画面表示装置が前記画像としてナビゲーシヨン画像を表示している場合にのみ、前記同一画像表示を実行することを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の操作入力装置。

[3] 前記マルチ画面表示装置は、前記運転席以外の方向に対して表示するナビゲーシヨン画像に確認要求入力部を含め、

前記制御部は、前記運転席以外の方向から前記確認要求入力部が操作されたときのみ、前記同一画像表示を実行することを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の操作入力装置。

[4] 前記制御部は、前記確認要求入力部が操作されて力所定時間のみ、前記同一画像表示を実行することを特徴とする請求の範囲第 3項に記載の操作入力装置。

[5] 前記タツチパネルとは別個の操作部を備え、

前記制御部は、前記車両の走行中は、前記操作部からの操作入力に対して前記制限入力環境を提供することを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の操作入力装置

[6] 前記制御部は、前記同一画像表示の実行中に運転席方向からの操作入力物体の接近が検出されたときには、前記同一画像表示を中止することを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の操作入力装置。

[7] 前記制御部は、前記同一画像表示の実行中に運転席方向からの操作入力物体の接近が検出されたときには、運転席方向からの操作入力物体の接近が解消するまで、前記タツチパネルに対する入力を無効とすることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の操作入力装置。

[8] 前記制御部は、前記同一画像表示の実行中は前記運転席方向からの前記タツチパネルに対する操作入力を無効とすることを特徴とする請求の範囲第 1項に記載の操作入力装置。