明 細 書
シングルキャリア伝送システム、通信装置及びそれらに用いるシングルキ ャリア伝送方法
技術分野
[0001] 本発明は伝送システム、通信装置及びそれらに用いる伝送方法に関し、特に無線 アクセス方式に用いるシングルキャリア伝送方式に関する。
背景技術
[0002] Beyond 3G (third generation)の上りリンク無線アクセス方式には、シングルキ ャリア伝送方式が有力である。シングルキヤリ伝送方式については、例えば非特許文 献 1 (Physical Layer Aspects for Evolved UTRA" (3GPP TR25. 814 vO. 5. 0 (2005- 11) , 9. 1章))に記載されている。この非特許文献 1で提案されて V、るシングルキャリア伝送方式の送信機の構成を図 2に示し、またその送信機に対応 する一般的な受信機の構成を図 3に示す。これら図 2及び図 3を参照して従来の送信 機及び受信機の動作の概要を説明する。
[0003] まず、図 2を参照して送信機のデータ処理回路 110及びパイロット処理回路 120に ついて説明する。
[0004] データ処理回路 110において、 DFT (Discrete Fourier Transformation:離 散フーリエ変換)(時間領域信号を周波数領域に変換すること)回路 111は、データ 信号に対して、 Ntx— dポイント (point)の DFT演算を実行することで、データ信号を 周波数領域信号に変換する。ここで、データ信号は、符号化されたデータシンボル 力 S 1ブロックで送信されるデータブロックサイズ(=データ信号の送信フィルタ通過前 サブキャリア数 = Ntx— d)毎に区切られたものであり、 Ntx— dシンボルからなる。
[0005] ロールオフフィルタ回路 112は、周波数領域信号に変換されたデータ信号に対し て周波数領域でロールオフフィルタ処理を実行する。サブキャリアマッピング回路 11 3は、ロールオフフィルタ回路 112を通過したデータ信号を (各ユーザに指定されて いる)サブキャリアにマッピングする。なお、各ユーザに指定されていないサブキャリア には" 0"が挿入され、合計して Ndft—d個のサブキャリアのデータ信号が生成される
[0006] IDFT (Inverse Discrete Fourier Transformation:逆離散フーリエ変換)( 周波数領域信号を時間領域に変換すること)回路 114は、サブキャリアマッピング後 のデータ信号 (Ndft— dサブキャリア力もなる信号)に対して Ndft—dポイントの IDF T演算を実行することで、時間領域信号に戻す。
[0007] サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix)付カ卩回路 115は、 IDFTのブロック毎に サイクリックプレフィックスを付加する。サイクリックプレフィックスは、受信機における周 波数領域等化処理を効果的に実行するために付加される。ここで、サイクリックプレフ イツタスの付加とは、図 1に示すようにブロックの後部をブロックの前部にコピーする処 理を指す。
[0008] 次に、パイロット処理回路 120について説明する。
[0009] パイロット処理回路 120において、 DFT回路 121は、 1ブロックで送信されるパイ口 ット信号シンボル(シンボル数 =パイロット信号の送信フィルタ通過前のサブキャリア 数 =パイロット系列長 =パイロットブロックサイズ =Ntx— p)に対し、 Ntx— pポイント の DFT演算を実行し、パイロット信号を周波数領域信号に変換する。
[0010] この DFT回路 121以降の処理は、上記のデータ信号に対する処理と同様である。
つまり、ロールオフフィルタ回路 122は、周波数領域信号に変換されたパイロット信号 に対してロールオフフィルタ処理を実行する。サブキャリアマッピング回路 123は、口 ールオフフィルタ後のパイロット信号に対してサブキャリアマッピング処理を実行する 。 IDFT回路 124は、サブキャリアマッピング後のパイロット信号(Ndft—pサブキヤリ ァカゝらなる信号)に対して Ndft—pポイントの IDFT演算を実行し、時間領域信号に 戻す。サイクリックプレフィックス付カ卩回路 125は、 IDFT演算後の各ブロックにサイク リツクプレフィックスを付カ卩する。
[0011] 時分割多重回路 130は、サイクリックプレフィックスが付加されたデータ信号及びパ ィロット信号を時分割多重し、受信機に送信する。なお、非特許文献 1では、 Ntx— p = Ntx— dZ2に設定されて!、る。
[0012] 次に、図 3を参照して受信機のデータ処理回路 150及びパイロット処理回路 160に ついて説明する。
[0013] 受信機において、サイクリックプリフィックス除去、データ'パイロット分離回路 140は 、受信信号力もサイクリックプリフィックスを除去し、時分割多重されていた受信データ 部(=受信データ信号)と受信パイロット部(=受信パイロット信号)とを分離する。また 、サイクリックプリフィックス除去、データ'パイロット分離回路 140は、受信データ部を データ処理回路 150に出力し、受信パイロット部をパイロット処理回路 160に出力す る。
[0014] パイロット処理回路 160において、 DFT回路 161は、サイクリックプリフィックス除去 、データ'パイロット分離回路 140で分離された受信ノ ィロット部に対して Ndft—pポ イントの DFT演算を実行して周波数領域の受信ノ ィロット信号に変換する。サブキヤ リアデマッピング回路 162は、周波数領域の受信パイロット信号のサブキャリアをデマ ッビングし、当該ユーザが送信していたサブキャリアのみを取り出す。ロールオフフィ ルタ回路 163は、サブキャリアがデマッピングされた受信ノ ィロット信号にロールオフ フィルタ処理を実行する。伝搬路推定回路 164はロールオフフィルタ回路 163を通過 した受信パイロット信号を用いてサブキャリア毎の伝搬路推定を行う。
[0015] 周波数領域等化回路 165は、伝搬路推定回路 164で得られた伝搬路推定値を用 いて、受信パイロット信号に対して周波数領域等化 (各サブキャリアに重み係数を掛 けて周波数領域の等化を行うこと)処理を行う。 IDFT回路 166は、周波数領域等化 回路 165を通過した受信ノ ィロット信号に対して Ntx—pポイントの IDFT演算を実行 し、時間領域の受信パイロット信号に戻す。振幅推定回路 167は、時間領域に戻さ れた受信パイロット信号にっ 、て振幅推定を行う。この振幅推定値は受信データ信 号の復調に用いられる。
[0016] ここで、時間領域の振幅推定値は、下記(1)式で算出される。
[0017] [数 1] …ひ)
但し、 a (n=0, 1, · · · , Ntx_p— 1)は送信パイロット系列(時間領域)を示し、 * は複素共役であることを示し、 b (n=0, 1, · · · , Ntx— p—l)は等化後の受信パイ
ロット系列を時間領域に戻した値である。
[0018] 一方、データ処理回路 150において、上記のパイロット信号に対する処理同様に、 DFT回路 151は、サイクリックプリフィックス除去、データ'パイロット分離回路 140で 分離された受信データ部に対して Ndft—dポイントの DFT演算を実行して周波数領 域の受信データ信号に変換する。サブキャリアデマッピング回路 152は、周波数領域 の受信データ信号のサブキャリアをデマッピングし、当該ユーザが送信して 、たサブ キャリアのみを取り出す。ロールオフフィルタ回路 153は、サブキャリアがデマッピング された受信データ信号にロールオフフィルタ処理を実行する。周波数領域等化回路 154は、パイロット処理回路 160から得られた伝搬路推定値を用いて、ロールオフフ ィルタ回路 153を通過した受信データ信号の各サブキャリアに周波数領域等化処理 を実行する。 IDFT回路 155は、周波数領域等化回路 154を通過した受信データ信 号に Ntx—dポイントの IDFT演算を実行して時間領域の受信データ信号に戻す。復 調部 156は、時間領域に戻された周波数領域等化処理後の受信データ信号を、パ ィロット処理回路 160から得た振幅推定値を用いて復調する。
[0019] ここで、上記の無線伝送にお!、ては、伝送効率を高めるために多値変調(QAM: Quadrature Amplitude Modulation)が行われている。多値変調された送信信 号には、無線伝搬路において、フ ージングと呼ばれる無線伝搬路特有の振幅変動 及び位相回転が起きる。
[0020] したがって、受信機において受信信号を正しく復調、復号するためには、これらの 変動 (伝搬路推定値や振幅推定値)を正しく推定する必要がある (例えば、特開 200 4 260774号公報参照)。なお、上述した周波数領域等化処理及び復調処理には 、一般的なものが用いられる。
[0021] 一般に、 DFT及び IDFTの演算量は、 DFT演算及び IDFT演算のポイント数に依 存する。すなわち、ポイント数力 s2のべキ乗数(2, 4, 8, · ··, 512, 1024, · · ·)の場合 は演算量が最も小さくなり、逆にポイント数が素数や大きい素数を含むような数の場 合は演算量が大きくなる。したがって、 DFT及び IDFTの演算量を考慮して、送信機 の IDFT演算及び受信機の DFT演算のポイント数 Ndft—d (データ)及び Ndft— p ( ノ ィロット)は、それぞれ 2のべキ乗数に設定されることが望ましい。例えば、非特許
文献 1では、システム帯域が 5MHzの場合、 Ndft— d= 512 ( = 2の 9乗)、 Ndft— p = 256 (2の 8乗)に設定されている。ここで、 Ndft_p=Ndft_dZ2の関係が成り立 つことは、パイロット信号のサブキャリア間隔がデータ信号のサブキャリア間隔の 2倍 であることを意味している。
[0022] なお、非特許文献 1では、パイロット信号のサブキャリア間隔がデータ信号のサブキ ャリア間隔の 2倍であることから、データブロックサイズ Ntx—d及びパイロットブロック サイズ Ntx— pが、 Ntx— p=Ntx— d/2となるように設定されて!、る。
[0023] 一方、パイロット信号としては、" CAZAC (Constant Amplitude Zero Auto
-Correlation)系列"の一つである、 Zadoff—Chu系列が注目されている。
[0024] Zadoff—Chu系列 cは、下記(2)式で表される。
k
(2)式において、 nは 0, 1, · · · , Ntx— p— 1であり、 qは任意の整数である。なお、 Zadoff— Chu系列については、例えば非特許文献 2 (K. Fazel and S. Reiser, 'Multi—じ arrier and Spread spectrum systems (John Wiley and So ns, 2003) )に詳細に記載されている。
[0026] "CAZAC系列"とは、時間領域及び周波数領域にお!ヽて振幅が一定 (Constant
Amplitude)であり、かつ周期的自己相関値力 ^以外の時間ずれに対して常に 0 ( Zero Auto— Correlation)となる信号系列である。この" CAZAC系列"は、時間 領域で振幅が一定であることから、 PAPR (Peak to Average Power Ratio :ピ ーク対平均雑音電力比)を小さくできる。また、 "CAZAC系列"は、周波数領域にお V、ても振幅が一定であることから、周波数領域における伝搬路推定に適する信号系 列である。ここで、 PAPRが小さいことは消費電力が少なくなることを意味し、この性 質は特に移動通信で好まれる。
[0027] さらに、 "CAZAC系列"は、完全な自己相関特性があることから、受信信号のタイミ ング検出が容易である利点を備え、 Bevond 3Gの上りアクセス方式であるシングル
キャリア伝送に適するパイロット系列として注目されて 、る。
[0028] ところで、この" CAZAC系列"をセルラー環境で用いる場合、相互相関特性も重要 となる。すなわち、他セルからの干渉波を抑圧する観点から、相互相関値が小さい系 列の組を、隣接セル間のパイロット信号に割り当てることが望ましい。なお、 "CAZAC 系列"の相互相関特性は、その信号系列に大きく依存する。つまり、系列長に素数や 大きな素数を含む場合は、相互相関特性が非常によい (相互相関値が小さい)。逆 に、小さい素数のみ力 構成される合成数 (例えば、 2や 3のべキ乗数)は、相互相関 特性が大きく劣化する湘互相関値に大きな値が含まれる)。
[0029] 具体的には、 Zadoff—Chu系列の系列長が素数の場合、任意の系列どうしの相 互相関値は、常に 1Z N (Nは系列長で、今は素数)に保たれる (非特許文献 2参 照)。したがって、例えば、系列長 N= 127の場合は、相互相関値が常に 1Z 127 となり、系列長 N= 128の場合は、相互相関値の最悪値 (最大値)が 1Z 2となる。 よって、パイロット信号には、シンボル数 Ntx— pとして、素数や大きな素数を含む数 が望ましぐ 2, 3, 5等の小さい素数のみ力 構成される合成数は望ましくない。
[0030] なお、パイロット信号として、上述した Zadoff—Chu系列のような特性を備えた信号 系列を用い、パイロット信号の相互相関を小さくするために、そのシンボル数として素 数や大きな素数を含む数を選択した場合、パイロット信号に必要な送信機で実行す る DFTや受信機で実行する IDFTの演算量 (complexity)が非常に大きくなると!/ヽぅ 問題がある。つまり、送信機及び受信機の少なくとも一方で行う処理の演算量 (comp lexity)が増大してしまう。これは、上述したように、一般に、 DFT及び IDFTの演算 量は、そのポイント数が素数または大きな素数を含む数である場合に、非常に大きく なるからである。
発明の開示
[0031] そこで、本発明は、パイロット信号の相互相関(crosscorelation)を小さくすること が可能であり、かつ送信機及び受信機の少なくとも一方で行う処理の演算量 (compl exity)を低減できるシングルキャリア伝送システム、通信装置及びそれらに用いるシ ングルキャリア伝送方法を提供することを目的とする。
[0032] なお、パイロット信号の相互相関(crosscorelation)を小さくすることが可能であり、
かつ DFT及び IDFTの演算量を小さくすることができるシングルキャリア伝送システム 、通信装置及びそれらに用いるシングルキャリア伝送方法を提供することも本発明の 目的の一つである。
[0033] また、単に送信機または受信機の少なくとも一方で行う処理の演算量を低減するシ ングルキャリア伝送システム、通信装置及びそれらに用いるシングルキャリア伝送方 法を提供することも本発明の目的の一つである。
[0034] さらに、単に DFT演算または IDFT演算の演算量を小さくすることができるシングル キャリア伝送システム、通信装置及びそれらに用いるシングルキャリア伝送方法を提 供することも本発明の目的の一つである。
[0035] 上記目的を達成するため本発明では、送信機にて、データ信号のデータブロックサ ィズとパイロット信号のパイロットブロックサイズとをそれぞれ独立して設定可能にする
。一方、受信機では、記データ信号の復調に用いる振幅推定値をパイロット信号の 周波数領域の系列に基づいて推定する。
[0036] このような構成では、パイロット信号の相互相関を小さくすることが可能であり、パイ ロット系列長 Ntx— pの値に関わらず、送信機で実行する DFT演算または受信機で 実行する IDFT演算の少なくとも一方の演算量を低減できる。例えばパイロット系列 長 Ntx— pとして素数を選択した場合でも、送信機で実行する DFT演算や受信機で 実行する IDFT演算の演算量 (complexity)を低減できる。
図面の簡単な説明
[0037] [図 1]図 1はサイクリックプレフィックス付加処理を示す模式図である。
[図 2]図 2は従来の送信機の構成を示すブロック図である。
[図 3]図 3は従来の受信機の構成を示すブロック図である。
[図 4]図 4は本発明のシングルキャリア伝送システムの一構成例を示すブロック図であ る。
[図 5]図 5は図 4に示した送信機の第 1実施例の構成を示すブロック図である。
[図 6]図 6は図 4に示した受信機の第 1実施例の構成を示すブロック図である。
[図 7]図 7は図 4に示した送信機の第 2実施例の構成を示すブロック図である。
[図 8]図 8は図 4に示した受信機の第 2実施例の構成を示すブロック図である。
[図 9]図 9は本発明のシングルキャリア伝送システムの第 3実施例で実行するロール オフフィルタ処理を示す模式図である。
[図 10]図 10は本発明の他の実施例の送信機の構成を示すブロック図である。
[図 11]図 11は本発明の他の実施例の受信機の構成を示すブロック図である。
[図 12]図 12は本発明の他の実施例の送信機の構成を示すブロック図である。
[図 13]図 13は本発明の他の実施例の受信機の構成を示すブロック図である。
[図 14]図 14は本発明の他の実施例の効果を示すグラフである。
[図 15]図 15は図 14に示したグラフのシミュレーションに用いたパラメータを示すテー ブノレ図である。
[図 16]図 16は本発明の第 4実施例の送信機の構成を示すブロック図である。
[図 17]図 17は本発明の第 4実施例の受信機の構成を示すブロック図である。
[図 18]図 18は本発明の第 4実施例におけるノ ィロットブロックサイズの選択方法の手 順を示すフローチャートである。
[図 19]図 19は第 4実施例のシミュレーション結果を示すグラフである。
[図 20]図 19に示したグラフのシミュレーションに用 、たパラメータを示すテーブル図 である。
[図 21]図 21は本発明の第 4実施例におけるデータブロックサイズに対するパイロット ブロックサイズの例を示すテーブル図である。
[図 22]図 22は本発明の第 4実施例におけるデータブロックサイズに対するパイロット ブロックサイズの例を示すテーブル図である。
[図 23]図 23は本発明の第 5実施例の送信機の構成例を示すブロック図である。
[図 24]図 24は本発明の第 5実施例の受信機の構成例を示すブロック図である。
[図 25]図 25は本発明の第 6実施例における Zadoff—Chuシーケンス長の選択方法 の一例を示す模式図である。
発明を実施するための最良の形態
[0038] 図 4は本発明のシングルキャリア伝送システムの一構成例を示すブロック図である。
[0039] 図 4に示すように、本発明のシングルキャリア伝送システムは、送信機 101及び受 信機 102を備えた構成である。
[0040] 本発明のシングルキャリア伝送システムは、従来の技術で必要としていたデータブ ロックサイズとパイロットブロックサイズとに関する条件、例えば、 "Ntx_p=Ntx_d Z2"を無くす。そして、データブロックサイズ Ntx— dには、データ信号に対して送信 機で実行する DFT演算及び受信機で実行する IDFT演算による演算量を低減する ために、 DFT演算または IDFT演算のポイント数(例えば、 Ntx— d= 256 = 2の 8乗 等)を Ntx_dに設定する。
[0041] また、本発明のシングルキャリア伝送システムでは、パイロットブロックサイズ Ntx— pに、 Zadoff— Chu系列(非特許文献 2参照)のような特性を備えた信号系列を用い る。
[0042] この信号系列には、低い相互相関値を得られるように、素数または大きい素数を含 む数を設定する。し力し、データブロックサイズ Ntx— d及びパイロットブロックサイズ Ntx— pを設定しただけでは、 Ntx— pが素数または大き ヽ素数を含む数であるから 、パイロット信号に対して送信機で実行する DFT演算及び受信機で実行する IDFT 演算の演算量が増加する問題が残る。これは、 Ntx— pが素数または大きい素数を 含む数だ力もである。この問題は、さらに従来の送信機及び受信機で必要であった ノ ィロット信号に対する DFT演算及び IDFT演算を完全になくすことで解決できる。
[0043] 具体的には、以下に記載する方法を採用することで、パイロット信号に対する送信 機で実行する DFT演算及び受信機で実行する IDFT演算を無くすことができる。
[0044] まず、送信機における解決法、つまり送信機におけるパイロット信号の DFT演算を 無くす方法について説明する。
[0045] 本発明によるシングルキャリア伝送システムでは、パイロット信号の DFT演算後の 系列 (周波数領域のパイロット系列)を事前に計算しておき、その計算値をメモリ等に 格納しておく。これにより送信機におけるパイロット信号に対する DFT演算を実行し なくて済む。このように、周波数領域のノ ィロット系列を事前に用意することは、パイ口 ット信号が既知系列であるために可能である。
[0046] また、パイロット信号の DFT演算後の系列を式によって明示的に表せる場合、その 式さえメモリ等に格納しておけば、送信機においてパイロット信号の DFT演算を実行 する必要がなくなる。例えば、パイロット信号が Zadoff— Chu系列の場合、上記(2)
式を時間系列とみなすと、その周波数領域の系列は、下記(3)式で表される。
[0047] [数 3]
Ck(n) = ck(k-] -n(modNtx_p))-Ck( ) ·'·(3)
(n = 0,\,'--,Ntx_p-l)
Ntx_p-\ , .
但し、 CA(0)= ∑ ck{n) したがって、上記(3)式をメモリ等に格納しておけば、通信時に通知されるパラメ一 タを用いて周波数領域のパイロット系列を (3)式を用いて簡単に計算できる。なお、( 3)式において、 C (n)は Zadoff—Chu系列の周波数領域を表現し、 c (n)は Zadof
k k
f Chu系列の時間領域を表現している。
[0048] 次に、受信機における解決法、つまり受信機におけるパイロット信号の IDFT演算を 無くす方法について説明する。
[0049] 本発明のシングルキャリア伝送システムでは、受信機にも送信機と同様に周波数領 域でのパイロット系列を保持するメモリを備えておく。このように周波数領域のパイロッ ト系列を保持するメモリを備えることは、上記のようにパイロット信号が既知系列である ために可能である。さらに、本発明のシングルキャリア伝送システムでは、従来の時 間領域で推定して!/、た振幅推定を、周波数領域で実現することで受信機の IDFT演 算を完全に無くすことが可能になる。
[0050] 従来の受信機では、復調時に必要な振幅情報を求めるために、受信パイロット信 号を周波数領域で伝搬路等化処理した後、 IDFT演算を実行して時間領域の信号 に戻し、その信号と送信機の時間領域のノ ィロット系列との相関値を求めている。具 体的には、周波数領域での振幅推定値は下記 (4)式で算出される。
[0051] 画 周波数領域での振幅推定値 =一」一 ∑ lAlBn …(
N, "=o この値は上記(1)式で得られる時間領域の振幅推定値と全く等
[0052] 本発明のシングルキャリア伝送システムによれば、パイロット系列長 Ntx— pに関わ らず、送信機で実行する DFT演算または受信機で実行する IDFT演算の少なくとも 一方の演算量を低減できる。例えばパイロット系列長 Ntx— pとして素数が選択され た場合でも、送信機で実行する DFT演算や受信機で実行する IDFT演算の演算量 を低減できる。
[0053] (第 1実施例)
図 5に示すように、第 1実施例の送信機は、データ処理回路 1、ノィロット処理回路 2及び時分割多重回路 3を備えて 、る。
[0054] データ処理回路 1は、不図示のデータ符号化回路、 DFT回路 11、ロールオフフィ ルタ回路 12、サブキャリアマッピング回路 13、 IDFT回路 14及びサイクリックプレフィ ックス(Cyclic Prefix)付カ卩回路 15を備えて!/、る。
[0055] パイロット処理回路 2は、周波数領域でのパイロット系列を保存するメモリ 21、ロー ルオフフィルタ回路 22、サブキャリアマッピング回路 23、 IDFT回路 24及びサイクリツ クプレフィックス付カ卩回路 25を備えている。
[0056] 第 1実施例の送信機において、データ処理回路 1の構成及び動作は図 2に示した 従来の送信機のデータ処理回路 110と同様である。また、パイロット処理回路 2の構 成及び動作は、 DFT回路 121の代わりにメモリ 21を設けた以外は、図 2に示した従 来の送信機のパイロット処理回路 120と同様である。
[0057] つまり、データ処理回路部 1において、 DFT回路 11は、データ信号に対して Ntx — dポイント (point)の DFT演算を実行することで、データ信号を周波数領域信号に 変換する。ここで、データ信号は、符号ィ匕されたデータシンボルが、 1ブロックで送信 されるデータブロックサイズ(= Ntx— d)毎に区切られたものであり、 Ntx— dシンポ ルカらなる。本実施例では、データブロックサイズがロールオフフィルタ回路 12を通 過する前のサブキャリア数と一致する。
[0058] ロールオフフィルタ回路 12は、周波数領域信号に変換されたデータ信号に対して 周波数領域でロールオフフィルタ処理を実行する。サブキャリアマッピング回路 13は 、ロールオフフィルタ回路 12を通過したデータ信号を (各ユーザに指定されている) サブキャリアにマッピングする。なお、各ユーザに指定されていないサブキャリアには
"0"が挿入され、合計して Ndft—d個のサブキャリア分のデータ信号が生成される。
[0059] IDFT回路 14は、サブキャリアマッピング後のデータ信号(Ndft—d個のサブキヤリ ァカもなる信号)に対して Ndft— dポイントの IDFT演算を実行することで、時間領域 信号に戻す。サイクリックプレフィックス付カ卩回路 15は、 IDFT演算後の各ブロックに サイクリックプレフィックスを付加する。サイクリックプレフィックスは、受信機における周 波数領域等化処理を効果的に実行するために付加される。
[0060] 次に、パイロット処理回路 2について説明する。
[0061] パイロット処理回路 2において、メモリ 21には周波数領域のパイロット系列が予め格 納される。ここで、周波数領域のパイロット系列とは、 1ブロックで送信されるパイロット 信号のシンボル(シンボル数 =系列長 =パイロットブロックサイズ =パイロット信号の 送信フィルタ通過前のサブキャリア数 =Ntx— p)に対し、 Ntx— pポイントの DFT演 算を実行して周波数領域信号に変換されたパイロット信号である。本実施例では、パ ィロットブロックサイズがロールオフフィルタ回路 22を通過する前のサブキャリア数と 一致する。
[0062] このメモリ 21で保持されたノ ィロット系列に対して、上記のデータ信号に対する処 理と同様の処理が実行される。つまり、ロールオフフィルタ回路 22は、メモリ 21で保 持されたパイロット系列にロールオフフィルタ処理を実行する。サブキャリアマッピング 回路 23は、ロールオフフィルタ後のパイロット系列にサブキャリアマッピング処理を実 行する。 IDFT回路 24は、サブキャリアマッピング後のパイロット系列に Ndft— pポィ ントの IDFT演算を実行し、時間領域のパイロット系列に変換する。サイクリックプレフ イツタス付カ卩回路 25は、時間領域に変換されたパイロット系列にサイクリックプリフイツ タスの付加処理を実行する。
[0063] 時分割多重回路 3は、サイクリックプレフィックスが付加されたデータ信号及びパイ ロット信号 (パイロット系列)を時分割多重し、受信機に送信する。なお、非特許文献 1 では、 Ntx— p=Ntx— dZ2に設定されている。
[0064] 図 6に示すように、第 1実施例の受信機は、サイクリックプレフィックス除去、データ' パイロット分離回路 4、データ処理回路 5及びパイロット処理回路 6を備えて 、る。
[0065] データ処理回路 5は、 DFT回路 51、サブキャリアデマッピング回路 52、ロールオフ
フィルタ回路部 53、周波数領域等化回路 4、 IDFT回路 55及び復調回路 56を備え ている。また、パイロット処理回路 6は、 DFT回路 61、サブキャリアデマッピング回路 6 2、ロールオフフィルタ回路 63、伝搬路推定回路 64、周波数領域等化回路 65、振幅 推定回路 (周波数領域) 66及び周波数領域でのパイロット系列を保持するメモリ 67 を備えている。
[0066] 第 1実施例の受信機において、データ処理回路 5の構成及び動作は図 3に示した 従来の受信機のデータ処理回路 150と同様である。また、パイロット処理回路 6の構 成及び動作は、 IDFT回路 166の代わりにメモリ 67を設けた以外は、図 3に示した従 来の受信機のパイロット処理回路 160と同様である。
[0067] つまり、サイクリックプレフィックス除去、データ'パイロット分離回路 4は、受信したデ 一タカもサイクリックプリフィックスを除去する。また、サイクリックプレフィックス除去、デ ータ 'パイロット分離回路 4は、時分割多重されていたデータ部とパイロット部とを分離 し、データ部(受信データ信号)をデータ処理回路 5に出力し、パイロット部(受信パイ ロット信号)をパイロット処理回路 6に出力する。
[0068] ノ ィロット処理回路 6において、 DFT回路 61は、入力された受信パイロット信号に Ndft—pポイントの DFT演算を実行して周波数領域の受信パイロット信号に変換す る。サブキャリアデマッピング回路 62は、周波数領域に変換された受信パイロット信 号のサブキャリアをデマッピングし、当該ユーザが送信して!/、たサブキャリアのみを抽 出する。ロールオフフィルタ回路 63はサブキャリアがデマッピングされた受信パイロッ ト信号にロールオフフィルタ処理を実行する。伝搬路推定回路 64はロールオフフィル タ回路 63を通過した受信パイロット信号を用いてサブキャリア毎の伝搬路推定を行う
[0069] 周波数領域等化回路 65は、伝搬路推定回路 64で得られた伝搬路推定値を用い て、受信パイロット信号に対する周波数領域等化 (各サブキャリアに重み係数を掛け て周波数領域の等化を行うこと)処理を実行する。ここで、メモリ 67には、周波数領域 のパイロット系列が予め格納されている。周波数領域のパイロット系列とは、 1ブロック で送信されるパイロット信号シンボル(シンボル数 =系列長 =Ntx— p)に Ntx— pポ イントの DFT演算を実行して周波数領域に変換したものである。振幅推定回路 66は
、メモリ 67に保持された周波数領域のパイロット系列を用いて、受信パイロット信号の 周波数領域における振幅推定を行う。さらに、振幅推定回路 66はその振幅推定値を 、受信データ信号の復調に用いるために、データ処理回路 5の復調回路 56に出力 する。
[0070] データ処理回路 5において、 DFT回路 51は、入力された受信データ信号に Ndft — dポイントの DFT演算を実行し、周波数領域のデータ信号に変換する。サブキヤリ アデマッピング回路 52は、周波数領域に変換した受信データ信号にサブキャリアデ マッピング処理を実行する。ロールオフフィルタ回路 53は、サブキャリアがデマツピン グされた受信データ信号にロールオフフィルタ処理を実行する。
[0071] 周波数領域等化回路 54は、パイロット処理回路 6から得られた伝搬路推定値を用 V、て、ロールオフフィルタ回路 53を通過した受信データ信号に周波数領域等化処理 を実行する。 IDFT回路 55は、周波数領域等化回路 54を通過した受信データ信号 に Ntx—dポイントの IDFT演算を実行して時間領域の受信データ信号に戻す。復調 回路 56は、パイロット処理回路 6から得られる振幅推定値を用いて、時間領域信号に 戻された受信データ信号を復調する。
[0072] 次に、図 5及び図 6を参照して第 1実施例の送信機及び受信機の動作について説 明する。なお、以下では図 2及び図 3に示した従来の送信機及び受信機の動作との 違いにっ 、てのみ説明する。
[0073] 本実施例では、例えばシステム帯域が 5MHzとする。また、本実施例では、データ 信号に対して送信機で実行する IDFT演算及び受信機で実行する DFT演算のボイ ント数 Ndft— dと、ノ ィロット信号に対して送信機で実行する IDFT演算及び受信機 で実行する DFT演算のポイント数 Ndft_pとを、非特許文献 1と同様に Ndft_d= 5 12、 Ndfx— p = 256に設定するものとする。
[0074] さらに、本実施例では、データ信号に対して送信機で実行する DFT演算及び受信 機で実行する IDFT演算のポイント数 Ntx—d (=データブロックサイズ)を、 DFTの 演算量の観点から 2のべキ乗数、例えば Ntx— d= 256 ( = 2の 7乗)に設定する。さ らに、本実施例では、パイロット信号として、上述した Zadoff— Chu系列を用いる。パ ィロットブロックサイズ Ntx— pは相互相関特性の観点から、素数、例えばデータブロ
ックサイズの半分( = 128)に最も近い素数である 127に設定する。
[0075] 本実施例の送信機と従来の送信機の違いは、パイロット処理回路 2において、メモ リ 21に周波数領域でのパイロット系列が予め格納され、サブキャリアマッピング回路 2 3がメモリ 21に格納された周波数領域でのノ ィロット系列をサブキャリアマッピングす る点である。ここで、従来の送信機は、時間領域で定義されたパイロットシンボルに N tx—pポイントの DFT演算を実行することで周波数領域に変換した後、サブキャリア マッピングを行っている。
[0076] 一方、本実施例の受信機と従来の受信機との違いは、上記 (4)式を用いて周波数 領域等化処理後の受信パイロット信号と周波数領域における送信パイロット系列との 相関値を求めることで、周波数領域で振幅推定を行う点である。また、本実施例の受 信機では、周波数領域の振幅推定に用いる周波数領域における送信パイロット系列 を保持するためのメモリ 67を備えた点で従来の受信機と異なる。ここで、従来の受信 機では、 (1)式を用いて Ntx— pポイントの IDFT演算を実行して時間領域に変換し た周波数領域等化処理後の受信パイロット信号と、時間領域のパイロット系列との相 関値を求めることで、時間領域で振幅推定を行う。
[0077] 本実施例では、非特許文献 1と同様に、データとパイロットのサブキャリア間隔の比 が 1: 2の場合を例にして説明したが(データのサブキャリア間隔 = 15kHz、 ノ ィロット = 30kHz)、本発明は、データとパイロットのサブキャリア間隔比がいかなる値であつ ても適用できる。
[0078] また、以下の記述は他の実施例についても同様に適用可能である。
[0079] 例えば、データとパイロットのサブキャリア間隔の比が 1: 1の場合 (例えば、データ のサブキャリア間隔 =パイロットのサブキャリア間隔 = 15kHz)、データブロックサイズ = 256、パイロットブロックサイズ = 257 (256に最も近い素数)と設定することで、同 様の効果が得られる。または、データブロックサイズ = 256、 ノ ィロットブロックサイズ = 251 (256以下で最も近 、素数)と設定しても同様の効果が得られる。
[0080] さらに、データとパイロットのサブキャリア間隔の比が 2 : 1の場合 (例えば、データの サブキャリア間隔 = 30kHz、パイロットのサブキャリア間隔 = 15kHz)、データブロッ クサイズ = 128、パイロットブロックサイズ = 257または 251等に設定することで、同様
の効果が得られる。
[0081] 以下、本実施例における異なるパラメータ設定例を示す。
[0082] 本実施例では、 DFTの演算量の観点からデータブロックサイズ Ntx—dとして 2の べキ乗数を選んでいる力 Ntx—dは 2のべキ乗数のみに制限されない。 DFT演算 の演算量が大きくてもよ ヽ場合等では、データブロックサイズ Ntx—dに 2のべキ乗数 以外を選ぶことも可能である。
[0083] また、本実施例では、 Zadoff— Chu系列の相互相関値の観点力もパイロットブロッ クサイズ Ntx—pとして素数を選択している(Ntx— p = 127の場合、相互相関値が 1 Z 127に抑えられる) 1S Ntx— pは素数のみに制限されない。
[0084] パイロットブロックサイズとして、素数以外の数、例えば大きな素数を含む数を選択 しても、上記と同様の効果湘互相関特性の良い環境)が得られる。
[0085] 例えば、要求される相互相関値に応じて、 Ntx— p= 122 ( = 61 X 2、 61は素数、 この時の相互相関値≤1Z 61)、 Ntx— p = 134 ( = 67 X 2、 67は素数、この時の 相互相関値≤ 1Z 67)、 Ntx—p = 124 ( = 31 X 4、 31は素数、この時の相互相関 値≤1Z 31)等を選択してもよい。さらに、要求される相互相関値によって上記以 外の数値を Ntx— pとして選択することも可能である。
[0086] さらに異なるパラメータの設定例として、システム帯域幅が上述した設定例の半分 の 2. 5MHzである場合がある。
[0087] この場合、データ信号に対して送信機で実行する IDFT演算及び受信機で実行す る DFT演算のポイント数 Ndft— d、並びにパイロット信号に対して送信機で実行する IDFT演算及び受信機で実行する DFT演算のポイント数 Ndft— pは、非特許文献 1 に記載に従うと、 Ndft— d= 256、 Ndft— p= 128 (システム帯域が 5MHzの場合の 半分の値)に設定される。
[0088] ここでは、データ信号に対して送信機で実行する DFT演算及び受信機で実行する IDFT演算のポイント数 Ntx— d (=データブロックサイズ)は、 DFTの演算量の観点 力 2のべキ乗数、例えば Ntx— d= 128 (システム帯域が 5MHzの場合の半分の値 )に設定する。また、パイロット信号として上述した Zadoff— Chu系列を用いる場合、 パイロットブロックサイズ Ntx— pは、相互相関特性の観点から素数を選ぶと、例えば
データブロックサイズの半分( = 64)に最も近い素数である 61または 67に設定しても よい。
[0089] システム帯域が 2. 5MHzの場合、このようなパラメータ設定で上記と同様のシステ ムを実現できる。本実施例では、システム帯域が 5MHz及び 2. 5MHzである場合を 例にして説明した力 システム設計に応じてシステム帯域の値を 5MHz及び 2. 5M Hz以外の値とすることも可能である。
[0090] このように、本実施例では、送信機が備えるメモリ 21によってサブキャリアマッピング する(周波数領域の)パイロット信号を事前に保持しているため、時間領域のパイロッ ト信号に Ntx—pポイントの DFT演算を実行して周波数領域信号に変換する処理、 つまり従来の技術では必須であった処理を省略できる。
[0091] また、本実施例では、受信機が振幅推定を周波数領域で行っているため、周波数 領域等化処理後の受信パイロット信号に Ntx—pポイントの IDFT演算を実行して時 間領域に変換する処理、つまり従来の技術では必須であった処理を省略できる。
[0092] 上記の効果は、送信機及び受信機が備えるパイロット処理回路 2, 6において、 Ntx —pポイントの DFT演算及び IDFT演算が省略可能であることを意味して 、る。すな わち、パイロットブロックサイズとして素数を用 、ると DFT演算及び IDFT演算に要す る演算量が非常に大きくなるが、本実施例では、それらの演算を省略できる。また、 送信機または受信機の少なくとも一方で行う処理の演算量を低減できることも本実施 例の効果の一つである。さらに、単に DFT演算または IDFT演算の少なくとも一方の 演算量を小さくできることも本実施例の効果の一つである。
[0093] (第 2実施例)
図 7に示すように、第 2実施例の送信機は、周波数領域でのパイロット系列を保存 するメモリ 21を、周波数領域でのパイロット系列を表す式 (周波数領域の表現式)か らパイロット系列を計算する回路 26を含むパイロット処理回路 2aに置き換えた以外は 、図 5に示した第 1実施例の送信機と同様の構成である。図 7では、第 1実施例の送 信機と同一の構成要素には同一の符号を付与している。また、第 1実施例の送信機 と同一の構成要素の動作は上述した第 1実施例と同様である。
[0094] 図 8に示すように、第 2実施例の受信機は、周波数領域でのパイロット系列を保存
するメモリ 67を備えるパイロット処理回路 6を、周波数領域でのノ ィロット系列を表す 式 (周波数領域の表現式)からパイロット系列を計算する回路 68を含むパイロット処 理回路 6aに置き換えた以外は、図 6に示した第 1実施例の受信機と同様の構成であ る。図 8では、第 1実施例の受信機と同一の構成要素には同一の符号を付与してい る。また、第 1実施例の受信機と同一の構成要素の動作は上述した第 1実施例と同 様である。
[0095] 第 1実施例では、送信機が備えるメモリ 21により、時間領域のパイロット信号を DFT 演算した信号系列 (周波数領域のパイロット系列)を保持して!/、る。
[0096] 第 2実施例では、パイロット系列に Zadoff—Chu系列のような系列を用いる場合、 その周波数領域を式によって完全に表現できる(具体的には、(3)式で表せる)こと に着目し、送信機では、周波数領域でのパイロット系列ではなぐ周波数領域の表現 式を、その処理を実行する回路を備えることで保持する。
[0097] 本実施例の送信機は、パイロット送信時に(3)式力 周波数領域でのパイロット系 列を直接計算し、算出した周波数領域のパイロット系列を送信する。
[0098] 同様に、本実施例の受信機は、パイロット処理回路 6aにて、周波数領域でのパイ口 ット系列ではなぐ周波数領域の表現式((3)式)を保持している。そして、本実施例 の受信機は、(3)式力も周波数領域でのパイロット系列を直接計算し、算出した周波 数領域のパイロット系列を振幅推定に用いる。
[0099] 本実施例では、パイロット信号を DFT演算した系列 (周波数領域のパイロット系列) をメモリ 21, 67で保持するのではなぐ周波数領域の表現式のみを保持することで、 送信機及び受信機で所要のメモリ容量を低減できる。
[0100] なお、図 7及び図 8では、周波数領域の表現式のみを保持しておき、その表現式か らパイロット系列を計算する回路 26, 68を例示している。し力しながら、これらの回路 を周波数領域の表現式のみを保持するメモリに置き換えることも可能である。その場 合、振幅推定回路 66によりメモリに保持された周波数領域の表現式からパイロット系 列を計算すればよい。
[0101] また、本実施例では、送信機及び受信機の両方に周波数領域の表現式からパイ口 ット系列を計算する回路 26, 68を設けている。しかしながら、送信機または受信機の
いずれか一方に周波数領域の表現式からパイロット系列を計算する回路を備え、他 方に周波数領域のパイロット系列を保持するメモリを備えて 、てもよ 、。
[0102] (第 3実施例)
第 3実施例のシングルキャリア伝送システムは、上述した第 1実施例または第 2実施 例で示した送信機または受信機にぉ ヽて、ロールオフフィルタ回路通過後のデータ 信号とパイロット信号の送信帯域が等しくなるように、データ部のロールオフ率とパイ ロット部のロールオフ率とを調整する処理を実行する例である。
[0103] 例えば、パイロット信号のサブキャリア間隔がデータ信号のサブキャリア間隔の 2倍 である場合 (非特許文献 1参照)、データ信号及びパイロット信号の送信帯域は、 ロールオフフィルタ回路通過後のデータ信号の送信帯域
= Ntx_d XAX (1 +ロールオフ率 α )
ロールオフフィルタ回路通過後のパイロット信号の送信帯域
= Ntx_p X 2AX (1 +ロールオフ率 α )
で表される。但し、 Αはデータ信号のサブキャリア間隔であり、ロールオフ率 αは 0≤ α≤1の範囲で適当な値に設定される。例えば、上記の非特許文献 1では、 A= 15k Hzに設定されている。
[0104] したがって、従来のように (非特許文献 1参照)、データブロックサイズ Ntx— dとパイ ロットブロックサイズ Ntx—pの比を 2 : 1に設定すれば、上記式からロールオフ率 αに 関わらず、データ信号の送信帯域とパイロット信号の送信帯域とが常に等しくなる。こ の場合、データ信号の送信に用いる全てのサブキャリアの帯域でパイロット信号が送 信されるため、データ信号の送信に用いる全てのサブキャリアの伝搬路推定値が得 られる。
[0105] しかしながら、例えば第 1実施例で示した Ntx— d= 128、 Ntx— p = 61 (システム 帯域 = 2. 5MHz)の例では、データ送信帯域とパイロット送信帯域は、
ロールオフフィルタ回路通過後のデータ信号の送信帯域
= 128 X 15 X (1 + 0. 22)
= 2342. 4kHz ( = 2. 3424MHz)
ロールオフフィルタ回路通過後のパイロット信号の送信帯域
= 61 X 30 X (1 + 0. 22)
= 2232. 6kHz ( = 2. 2326MHz)
になり(ロールオフ率ひ =0. 22と設定した場合)、パイロット信号の送信帯域がデー タ信号の送信帯域よりも小さくなる。その結果、データ信号の送信に用いるサブキヤリ ァの一部で伝搬路推定値が得られない問題が生じる。
[0106] そこで、本実施例ではロールオフフィルタ回路通過後のデータ信号の送信帯域 (送 信に用いるサブキャリア数)とパイロット信号の送信帯域とが等しくなるように、データ 信号とパイロット信号を通過させるロールオフフィルタ回路のロールオフ率を独立して 設定することで、このような問題を解決する。すなわち、
ロールオフフィルタ回路通過後のデータ信号の送信帯域
=Ntx— d X A X (1 +データ信号のロールオフ率)
=パイロットの送信帯域
=Ntx_p X 2 X A X (1 +パイロット信号のロールオフ率) の関係が成り立つように、データ信号及びパイロット信号のロールオフ率を設定する
[0107] 上記例では、データ信号のロールオフ率を 0. 22に設定した場合、パイロット信号 のロールオフ率を 0. 28に設定すれば、データ信号とパイロット信号の送信帯域が 2 . 3424MHzとなり、上記式が成り立つ。すなわち、図 9に示すように、データ信号と ノ ィロット信号の送信帯域が等しくなり、データ信号の送信に用いる全ての帯域にお いてパイロット信号が送信されるため、データ信号の送信に用いる全てのサブキヤリ ァの伝搬路推定値が得られる。
[0108] このように、本実施例では、ロールオフフィルタ回路通過後のデータ信号及びパイ ロット信号の送信帯域 (送信に用いるサブキャリア数)が等しくなるように、データ信号 及びパイロット信号のロールオフ率を設定することで、ロールオフフィルタ回路通過前 のパイロット信号の送信帯域がデータ信号の送信帯域よりも小さい場合でも、受信機 ではデータ信号の送信に用いて 、る全てのサブキャリアの伝搬路推定値が得られる
[0109] なお、本発明は上述した各実施例を単独で適用することも可能であり、組み合わせ
て適用することも可能である。また、本発明は、送信機が移動局 (例えば、 UE :User Equipment)であり、受信機が基地局(例えば、 Node— B)である上り伝送だけで なぐ送信機が基地局であり、受信機が移動局である下り伝送にも適用できる。
[0110] また、上述した各実施例で示した送信機のデータ処理回路 1、送信機のパイロット 処理回路 2, 2a、時分割多重回路 3、サイクリックプレフィックス除去、データ'パイロッ ト分離回路 4、受信機のデータ処理回路 5、受信機のノ ィロット処理回路 6, 6a、 DF T回路 11, 51, 61、ロールオフフィルタ回路 12, 22, 53, 63、サブキャリアマツピン グ回路 13, 23、 IDFT回路 14, 24, 55、サイクリックプレフィックス付加回路 15, 25、 周波数領域でのパイロット系列を保存するメモリ 21、周波数領域パイロット系列を表 す式力 パイロット系列を計算する回路 26, 68、サブキャリアデマッピング回路 52, 6 2、周波数領域等化回路 54, 65、復調回路 56、伝搬路推定回路 64、振幅推定回路 (周波数領域) 66及び周波数領域でのパイロット系列を保存するメモリ 67の機能は、 各種の論理回路やメモリ等を備えた LSI等のハードウェア回路によって実現してもよ ぐプログラムにしたがって処理を実行する CPUを備えた処理装置 (コンピュータ)に よって実現してもよ!/、。各実施例で示した回路の機能を処理装置で実現する場合、 処理装置にプログラムを格納するための記録媒体を備え、該プログラムにしたがって CPUにより処理を実行することで、各実施例で示した回路の機能を実現することがで きる。また、これらハードウェア回路と処理装置の組み合わせによって上述した各実 施例で示した回路の機能を実現することも可能である。
[0111] Zadoff-Chu CAZAC系列(sequence)は、例えば非特許文献 3 (R1— 05106 2, "On Uplink Pilot in EUTRA SC-FDMA", Texas Instruments. ) に記載されて ヽるように、シングルキャリア(single— carrier)周波数分割多元接続 ( Frequency Division Multiple Access :FDMA)に適用される候補となってい る。
[0112] これは、 Zadoff— Chu CAZAC系列力 時間領域(time domain)及び周波数 領域(frequency domain)双方にお 、て、振幅(amplitude)が一定であり、また、 完全なゼロ周期的自己相関(perfect zero circular autocorrelation)特性を有 するためである。
[0113] 非特許文献 3は、干渉波を平均化(interference averaging)するために(干渉 波を抑制するために)、異なる Zadoff— Chu CAZAC系列を、隣接する複数の基 地局(neighboring Node B ' s)に割り当てることを提案している。また、系列間相関 (inter - sequence correlation)を抑制し、一つのセルで使用可能な Zadoff— C hu CAZAC系列の数を最大にするために、系列長(sequence length)を素数(p rime number)にすべきであると上記非特許文献 3に記載されている。同様の記載 は、上記非特許文献 2 (K. Fazel and S. Reiser, "Multi Carrier and Sprea d Spectrum Systems", John Wiley and Sons, 2003. )あるいは非特許文 献 4 (Rl— 060059, "Considerations on Uplink Pilot Design Using CA ZAC", NEC Group)にもある。
[0114] データブロックサイズ(data block size)及びパイロットブロックサイズ(pilot bio ck size)を決定する際には、 、くつかの要素(factor)を考慮する必要がある。この 要素とは、つまり、ロールオフファクタ(rolloff factor) , DFTに要する演算量(com plexity)及びパイロット系列の相互相関特'性(crosscorrelation property of pil ot sequences)であ 。
[0115] ロールオフファクタ ocは、周波数効率(spectral efficiency)とピーク対平均雑音 電力比(Peak to average power ratio : PAPR)とのトレードオフ関係(tradeof f relationship)から決定される。
[0116] 非特許文献 5 (Rl— 050702, "DFT— Spread— OFDM with Pulse Shape
Filter in Frequency domain in Evolved UTR/ , NTT DoCoMo, et al. )では、 αを 0. 14にすることが推奨されている(W— CDMAでは α = 0. 22であ る)。
[0117] この推奨値及び W— CDMAで採用されている値を考慮すると、ロールオフファクタ αは 0. 14〜0. 22とするのが最適である。リソースブロックサイズ(resource block size)力 ΜΗζ (データの占有サブキャリア(occupied subcarriers)の数 = 300、 パイロットの占有サブキャリア数 = 150)の場合、 α = 0. 14〜0. 22とすると、データ ブロックサイズは 245〜260 ( = 300/ ( 1 + α ) )付近の値となり、ノィロットブロックサ ィズは 122〜 130 ( = 150/ ( 1 + α ) )付近の値となる。
[0118] したがって、 Zadoff—Chu CAZAC系列間の相互相関特性の観点から、素数で ある" 127"がパイロットブロックサイズとして最適な値となり、データブロックサイズはパ ィロットブロックサイズの 2倍の長さにセットされる(すなわち、データブロックサイズ = 2 54 ( = 127 X 2) )。
[0119] しかし、図 10及び図 11に示す送信機及び受信機の構成から分かるように、このパ ラメータセッティングは、素数ポイントの DFT演算を必要とし、演算量(computation al complexity)が増大してしまう。
[0120] ここでは、素数ポイントの DFTZIDFTを完全に取り除いた送信機 Z受信機につい て説明する。
[0121] まず、パイロット処理(pilot processing)のための素数ポイント DFT演算は無くす ことができる。これは、パイロット系列が予め決定された (predetermined)系列だから である。しかし、この状況において、(例えば、パイロット系列のセルリュース(cell re use of pilot sequence)のために)多数の系列が送信機 Z受信機(例えば、 Use r equipment: UE)で保持されて ヽなければならな 、場合、送信機 Z受信機 (例え ば、 UE)は大きなメモリを必要とする可能性がある。しかし、この問題は解決可能であ る。例えば、パイロット系列として Zadoff—Chu CAZAC系列を使用する場合、下 記(5)式の周波数領域表現(frequency expression)力 下記(6)式のようにクロ ーズドフォームで与えられるからである。
[0122] [数 5] 二 exp jor even lengtn N c
k = exp qn for odd length N · ' · (5)
[0123] [数 6]
Ck = c; {k^ n(mod N))- Ck {0)
全てのパイロット系列自体を保持する代わりに(6)式を用いることにより、送信機 Z 受信機 (例えば UE)内で必要とされるメモリを小さくすることができる。
[0124] 次に、データ処理(data processing)については、送信機受信機から DFTZlD FT演算を無くすことはできない。したがって、演算量 (complexity)を低減するため には、データブロックサイズ:パイロットブロックサイズ = 2 : 1という制限を緩和する必 要がある。すなわち、データブロックサイズとして 2のべき乗(power— of— 2)、若しく は zj、 な 数 (素 )のみ力らなる数 (number composed of only small radi xes)を選ぶべきである。この場合、 DFTZIDFT演算の演算量(complexity)の観 点から、 2のべき乗である 256が最適なデータブロックサイズとなる。
[0125] ここで、 Zadoff—Chu CAZAC系列の相互相関特性(crosscorrelation prope rty)の観点から、パイロットブロックサイズは 127のままにする。
[0126] 図 12及び図 13に示す送信機及び受信機の構成力もわ力るように、このようなパラメ ータセッティングにお 、ては、良好な相互相関特性を有する素数長の Zadoff—Chu CAZAC系列を使用するにも関わらず、送信機/受信機において、素数ポイントの DFTZIDFT演算が必要な!/、。
[0127] 同様に、リソースブロックが 1. 25MHzの場合、データブロックサイズ =64、ノ イロッ トブロックサイズ = 31が最適値となる。
[0128] 上記値を採用した場合、パイロットの送信帯域 (bandwidth used for pilot tra nsmission)はァ ~~タ送信帯域 (bandwidth used for data transmission)より も若干小さくなる。したがって、サブキャリア全体のうちの一部については伝搬路推定 値(channel estimation)を得ることができない。し力し、図 14に示すグラフから分 かるように、この問題はパフォーマンスにほとんど影響しない(例えば、 3GPP TS45 . 005 V5. 4. 0 (2002— 06)参照)。カロえて、ローノレ才フファクタを調整することに よって、両方の帯域を同じサイズにセットすることができる。これにより、パイロット送信 帯域はデータ送信帯域と等しくなる。なお、図 14は、図 15に示すテーブルに記載し たパラメータを用いて求めた、ブロックサイズの違いによる EbZNoに対するブロック エラーレートの関係を示して 、る。
[0129] 以上のように、 Zadoff— Chu CAZC系列をパイロット信号に使用する場合、送信
機 Z受信機における処理の演算量 (complexity)及びパイロット信号の相互相関特 '性 crosscorrelation property of pilot)の観 力ら、データブロックサイズとノヽ ィロットブロックサイズの関係(制限)(例えば、データブロックサイズ:ノ ィロットブロック サイズ = 2: 1)は、緩和(slightly relaxed)されるべきである。受信機や送信機 (例 えば UE)の演算量 (complexity)を低減するためには、周波数領域におけるパイ口 ット糸列の式、 expression oi pilot sequence in the frequency domain) ( 例えば、上記(6)式)が有用である。
[0130] ノ ィロット系列の低相互相関特性を保ちつつ、かつ送受信機における演算量を小 さくするためには、 CAZAC系列長が素数または大きな素因数を含む数であることが 望ましい。カロえて、送信側の DFTに入力されるデータシンボル系列の長さは、 CAZ AC系列の 2倍に近い数であり、かつ 2のべキ乗数または小さい素因数のみ力 構成 される数であることが望まし 、。
[0131] 送信帯域が 5MHzの場合、 CAZAC系列長として望ましいのは 127 (127は素数) であり、データシンボル系列長として望ましいのは 256 (127の 2倍 = 254に近い 2の べキ乗数)である。
[0132] (第 4実施例)
次に本発明の第 4実施例について説明する。
[0133] 第 4実施例では、データブロックサイズが 12の倍数、パイロットブロックサイズ (Refe rence signal block size)が 6または 12の倍数の場合に、通信品質劣化を抑え つつ、相互相関値特性を大きく損なわないように、上記の各実施例におけるパイロッ トブロックサイズの決定方法にっ 、て工夫して 、る。
[0134] 図 16は本発明の第 4実施例の送信機の構成を示すブロック図であり、図 17は本発 明の第 4実施例の受信機の構成を示すブロック図である。
[0135] 第 4実施例の送信機及び受信機は、図 2及び図 3に示した第 1実施例の送信機及 び受信機の構成において、ロールオフフィルタ 12, 22, 53, 63を除去し、ノ ィロット ブロックサイズの選択方法を工夫したものである。
[0136] 図 16に示すように、第 4実施例の送信機は、データ処理回路 laと、パイロット処理 回路 2bと、時分割多重回路 3とを有する。データ処理回路 laは、図示せぬデータ符
号ィ匕回路と、 DFT回路 11と、サブキャリアマッピング回路 13と、 IDFT回路 14と、サ イクリツクプレフィックス付カ卩回路 15とを備えている。パイロット処理回路 2bは、周波数 領域でのパイロット系列を保存するメモリ 21と、サブキャリアマッピング回路 23と、 ID FT回路 24と、サイクリックプレフィックス付カ卩回路 25とを備えている。
[0137] また、図 17に示すように、第 4実施例の受信機は、サイクリックプレフィックス除去、 データ ·パイロット分離回路 4と、データ処理回路 5aと、ノ ィロット処理回路 6bとを有 する。データ処理回路 5aは、 DFT回路 51と、サブキャリアデマッピング回路 52と、周 波数領域等化回路 4と、 IDFT回路 55と、復調回路 56とを備えている。パイロット処 理回路 6bは、 DFT回路 61と、サブキャリアデマッピング回路 62と、伝搬路推定回路 64と、周波数領域等化回路 65と、振幅推定回路 (周波数領域) 66と、周波数領域で のパイロット系列を保存するメモリ 67とを備えている。
[0138] なお、第 4実施例では、周波数領域でのパイロット系列を保存するメモリの代わりに 、周波数領域パイロット系列を表す式からパイロット系列を計算する回路を設けてもよ い。また、第 4実施例の送信機及び受信機の動作は、上述した第 1実施例の送信機 及び受信機の動作と同様であるので、それらの動作の説明については省略する。
[0139] 本実施例では、送信機にお!、て、データ信号のデータブロックサイズに応じてパイ ロット信号のパイロットブロックサイズを設定している。つまり、ノ ィロットブロックサイズ を設定する際に、ノ ィロットブロックサイズに直近の素数において、その素数とデータ ブロックとの差が予め設定された第 1の所定値以下となる場合は当該素数を当該ノ ィ ロットブロックサイズとする。また、その素数とデータブロックとの差が第 1の所定値以 下とならない場合は、データブロックとの差が第 1の所定値以下であり、かつ予め設 定された第 2の所定値以上の素因数を含む数を当該パイロットブロックサイズとする。
[0140] 第 1及び第 2の所定値は、構築されたシステムの要求によって決定される。つまり、 システムの要求する通信品質に応じて決定される。この場合の通信品質は、ビットェ ラーレートまたはブロックエラーレートである。したがって、第 1及び第 2の所定値は、 SZN劣化を予め設定された一定値以下に抑えることで通信品質を満たすように決 定される。
[0141] 図 18は本発明の第 4実施例におけるノ ィロットブロックサイズの選択方法を示すフ
ローチャートである。この図 18を参照して本発明の第 4実施例によるパイロットブロッ クサイズの選択方法について説明する。なお、このパイロットブロックサイズの選択方 法はコンピュータがプログラムを実行することで実現することができる。以下、このコン ピュータをパイロットブロックサイズ選択装置とする。
[0142] パイロットブロックサイズ選択装置は、データブロックサイズが入力されると(図 18ス テツプ S1)、データブロックサイズと等しい帯域を有するパイロットブロックサイズ、また はデータブロックサイズに対応する帯域を有するパイロットブロックサイズ (例えば、デ 一タブロックサイズの 1Z2)を算出し、そのパイロットブロックサイズを Nとする(図 18ス テツプ S2)。
[0143] パイロットブロックサイズ選択装置は、パイロットブロックサイズ N以下で、パイロットブ ロックサイズ Nに最も近い素数 Npを算出し(図 18ステップ S3)、 ノ ィロットブロックサイ ズ Nと素数 Npとの差が予め設定された所定値 (ある一定の差) Rdiff以下であるか否 かを判定する(N—Np≤ Rdiff) (図 18ステップ S4)。
[0144] パイロットブロックサイズ選択装置は、パイロットブロックサイズ Nと素数 Npとの差が 所定値 Rdiff以下であれば、その素数 Npをパイロットブロックサイズとする(パイロット ブロックサイズ =Np) (図 18ステップ S5)。また、パイロットブロックサイズ選択装置は 、パイロットブロックサイズ Nと素数 Npとの差が所定値 Rdiff以下でなければ、 N—Np ,≤Rdiffを満たし、かつ Np'の最大素因数≥ある一定の大きさの素数 Pmin となる数 Np,を算出し、その数 Np,をパイロットブロックサイズとする(図 18ステップ S6
) o
[0145] ノ ィロットブロックサイズ選択装置は、順次、データブロックサイズ (この場合、 12の 倍数)が入力される毎に上記の処理を行い、周波数領域でのノ ィロット系列を保存す るメモリ 21, 67に保存すべきパイロットブロックサイズの選択が終了すると(図 18ステ ップ S7)、処理が終了する。
[0146] このように、本実施例では、データ信号のデータブロックサイズに応じてパイロット信 号のパイロットブロックサイズを選択することで、通信品質劣化を抑えつつ、相互相関 値特性を大きく損なわな 、ようにすることができる。
[0147] 図 19は第 4実施例のシミュレーション結果を示すグラフである。図 19に示すグラフ
は、パイロットブロックサイズ (Reference ブロックサイズ)として、 120, 118, 116, 1 14, 113 (113は 120以下で 120に最も近 、素数)を用 、た時のブロック誤り率特性 を示している。
[0148] 但し、このシミュレーションに用いたパラメータは図 20に示す通りである。図 20にお いて、パラメータは、 Transmission Bandwidth (送信帯域) = 3. 6MHz (DataC Hのサブキャリア数: 240)、 Channel Estimation (伝搬路推定) =Real (実推定) 、 Modulation (変調方式) = 16Q AM (16 Quadrature Amplitude Modulati on) , sub -frame format (サブフレームフォーマット) = 25. 814 v7. 1. 0の Fig ure 9. 1. 1—4及び Table 9. 1. 1— 1 ' 5MHz' case記載のもの、 FEC (誤り 訂正符号)=Rate 1/2 Turbo encoding (ターボ符号,レート 1Z2)、 Channel model (伝搬路モデル) =TU with 6 paths, type (1) (from 3GPP TS 45 . 005 V5. 4. 0 (2002— 06) )、 Doppler rate (ドップラー周波数) = 5. 56Hz ( 3km/h@ 2. 0GHz)、 Number of receive antennas (受信アンテナ数) = 2、 TTI duration (ΤΤΙ長) =0. 5ms、 Transport Block Size (including CRC) ( トランスポートブロックサイズ、 CRC含む) = 2876bits、 Data Multiplexing (デー タ多重法)= Localized FDM (Frequency Division Multiplex)である。
[0149] パイロットブロックサイズをデータブロックサイズ( = 240)と同じ帯域に対応するサイ ズとした場合(ここでは、データブロックサイズの 1Z2= 120の場合)のブロック誤り率 = 10_1を満たすための所要 EbZNoは、図 19から約 5. 7dBである。これに対し、パ ィ pットブ pックサイズ力 S 118, 116, 114, 113の場合の劣ィ匕量は、それぞれ 0. 05, 0. 3, 0. 9, 1. 5dBとなる(但し、ブロック誤り率 = 10— 1を満たすための所要 EbZNo を比較している)。
[0150] したがって、本実施例では、パイロットブロックサイズとして素数(113)を選ぶ時と比 較し、パイロットブロックサイズ = 118 (上記のステップ S6で選択した数 Np, )を選ぶこ とで劣化量を非常に小さく抑えることができ、かつ相互相関値特性も大きく損なうこと はない。なお、上記と同様の効果は、パイロットブロックサイズをデータブロックサイズ と同じ帯域の周辺の値(上記の例では、 240周辺の値)とした場合にも得られる。
[0151] このように、ノ ィロットブロックサイズとして必ず素数長を選択する場合、非常に大き
な特性劣化を受ける場合がある。それを避けるために、上記のように、本実施例では データと同じ帯域に対応するパイロットブロックサイズ (データブロックサイズと同じ、ま たはその 1Z2)と、それ以下で一番近い素数との間に、上記の所定値 Rdiffより大き V、差がある場合、ある一定の大きさの素数 Pmin以上の素数を素因数に含む数で、 差が所定値 Rdiff以上となるような数をパイロットブロックサイズとして選択する。
[0152] 図 21及び図 22は本発明の第 4実施例におけるデータブロックサイズに対するパイ ロットブロックサイズの例を示すテーブル図である。これらの図 21及び図 22において は、素数でな 、数が選択されて 、る箇所に下線を付与して 、る。
[0153] 図 21は所定値 Rdiff =4、ある一定の大きさの素数 Pmin= 11の場合(Data:Refe rence = 2: 1の場合)のデータブロックサイズに対するパイロットブロックサイズの例を 示して ヽる。この ί列にお ヽて、データブロックサイズ力 S 12, 24, 36, 48, 60, 84, 96 , 108, 120, 144, 168, 180, 204, 216, 228, 264, 276, 300の場合、それぞ れパイロットブロックサイズとして 5, 11, 17, 23, 29, 41, 47, 53, 59, 71, 83, 89 , 101, 107, 113, 131, 137, 149の素数力選択される。
[0154] これに対して、データブロックサイズ力 72, 132, 156, 192, 240, 252, 288の場 合、それぞれパイロットブロックサイズとして一番近い素数との差が 5以上となるため、 ある一定の大きさの素数 Pmin= 11以上の素因数を含む 33 (= 11 X 3) , 66 (= 11 X6), 78( = 13X6), 95( = 19X5), 119( = 17X7), 123(=41X3), 143( = 13X11)が選択される。
[0155] 図 22は所定値 Rdiff =3、ある一定の大きさの素数 Pmin= 11の場合(Data:Refe rence= 1: 1の場合)のデータブロックサイズに対するパイロットブロックサイズの例を 示して ヽる。この ί列にお ヽて、データブロックサイズ力 S 12, 24, 48, 60, 72, 84, 10 8, 132, 168, 180, 192, 228, 240, 252, 264の場合、それぞれパイロットブロッ クサイズとして 11, 23, 47, 59, 71, 83, 107, 131, 167, 179, 191, 227, 239, 251, 263の素数力選択される。
[0156] これに対して、データブロックサイズ力 36, 96, 120, 144, 156, 204, 216, 276 , 288, 300の場合、それぞれパイロットブロックサイズとして一番近い素数との差が 4 以上となるため、 33( = 11Χ3), 95( = 19Χ5), 119( = 17Χ7), 143( = 13Χ11
) , 155 ( = 31 X 5) , 203 ( = 29 X 7) , 215 ( = 13 X 11) , 275 ( = 11 X 25) , 287 ( =41 X 7) , 299 ( = 13 X 23)力選択される。
[0157] これら図 21及び図 22に示す値は、周波数領域でのパイロット系列を保存するメモリ 及び時間領域でのパイロット系列を保存するメモリに格納しても、また周波数領域パ ィロット系列を表す式からパイロット系列を計算する回路及び時間領域パイロット系列 を表す式からパイロット系列を計算する回路で計算してもよい。
[0158] このように、本実施例では、データブロックサイズが 12の倍数、ノ ィロットブロックサ ィズが 6または 12の倍数の場合でも、上記のように、パイロットブロックサイズを選択 することで、本発明の第 1実施例と同様の効果を得ることができる。
[0159] (第 5実施例)
図 23は本発明の第 5実施例の送信機の構成例を示すブロック図であり、図 24は本 発明の第 5実施例の受信機の構成例を示すブロック図である。
[0160] 第 5実施例の送信機及び受信機の構成例は、図 7及び図 8に示した従来の送信機 及び受信機の構成にぉ 、てロールオフフィルタを除去し、時間領域でのパイロット系 列を保存するメモリを設けたものである。
[0161] 図 23に示すように、第 5実施例の送信機は、データ処理回路 lbと、ノ ィロット処理 回路 2cと、時分割多重回路 3とを有する。データ処理回路 lbは、図示せぬデータ符 号ィ匕回路と、 DFT回路 11と、サブキャリアマッピング回路 13と、 IDFT回路 14と、サ イクリツクプレフィックス付カ卩回路 15とを備えている。パイロット処理回路 2cは、時間領 域でのパイロット系列を保存するメモリ 21aと、 DFT回路 27と、サブキャリアマッピング 回路 23と、 IDFT回路 24と、サイクリックプレフィックス付カロ回路 25とを備えている。
[0162] また、図 24に示すように、第 5実施例の受信機は、サイクリックプレフィックス除去、 データ'パイロット分離回路 4と、データ処理回路 5aと、ノ ィロット処理回路 6cとを有 する。データ処理回路 5aは、 DFT回路 51と、サブキャリアデマッピング回路 52と、周 波数領域等化回路 4と、 IDFT回路 55と、復調回路 56とを備えている。パイロット処 理回路 6bは、 DFT回路 61と、サブキャリアデマッピング回路 62と、伝搬路推定回路 64と、周波数領域等化回路 65と、 IDFT回路 68と、振幅推定回路 69と、時間領域で のパイロット系列を保存するメモリ 70とを備えている。
[0163] なお、第 5実施例では、時間領域でのパイロット系列を保存するメモリの代わりに、 時間領域パイロット系列を表す式からパイロット系列を計算する回路を設けてもよい。 また、第 5実施例の送信機及び受信機の動作は、パイロット処理回路 2c, 6cに DFT 回路 27, 61を有する以外は、第 1実施例の送信機及び受信機の動作と同様である ので、それらの動作の説明については省略する。
[0164] 本実施例では、 DFTの計算量を少なくする必要がな ヽ場合の構成例を示し、 DFT 後の Zadoff— Chu系列は保持していてもよぐ保持していなくてもよい。さらに、本実 施例では、第 4実施例による ロットブロックサイズの選択方法と同様の処理にてパ ィロットブロックサイズを選択しており、 DFTの計算量を少なくすると 、う効果以外は、 上述した第 4実施例と同様の効果がある。
[0165] 本実施例の送信機には、上記のほかに第 4実施例で示したパイロットブロックサイズ 選択装置を備えることもできる。また、本実施例の送信機には、図 21及び図 22に示 すような、データブロックサイズとパイロットブロックサイズとの対応を表す表を保持す るメモリを備えることもできる。さらに、パイロット信号は、リファレンス信号と呼ぶことも できる。
[0166] (第 6実施例)
次に本発明の第 6の実施例について説明する。
[0167] EUTRAアップリンクのリファレンスシグナルとしては、下記の(7) (8)式で表され る Zadoff— Chu (非特許文献 1参照)シーケンスが想定されている。ここで、 Lはシー ケンス長である。
[0168] [数 7]
L: even
Pk = 0), akひ)),…, ak {L― 1)), ak (") = exp (—ゾ 2 rん - -),
0 = ο ι l)
· ' ·(7)
[0169] [数 8]
L: oad
η(η + 1)/2、
P
k = (a
k (0), a
k
—— -—— ),
(n = 0,\, - - ' , L - l)
-•(8) リファレンスブロックサイズは、ショートブロックまたはロングブロックとして、 6または 1 2の倍数とすることができる。 Zadoff— Chuシーケンス長は、リファレンスブロックサイ ズにフィットするように選ばれる。 Zadoff— Chuシーケンス長を選ぶ 1つの方法は、リ ファレンスブロックサイズよりも短い長さ、またはリファレンスブロックサイズと等しい長さ を選ぶことである。この場合、それぞれ図 25の(a)、 (b)に示すよう〖こ、 Zadoff— Chu シーケンスそのもの、または Zadoff— Chuシーケンスに、最初の N ( =リファレンスシ グナルブロックサイズ L)シンボルのサイクリックコピーを付カ卩したものが使用される
[0170] もう 1つの方法は、図 25の(c)に示すように、リファレンスブロックサイズよりも長ぐト ランケート(Truncate)された Zadoff—Chuシーケンス長を選ぶことである(非特許 文献 6 :R1— 063057、 "EUTRA SC—FDMA Uplink Pilot/Reference Si gnal Design Motorola)。
[0171] 使用可能なシーケンスの数を最大にするためには、 Zadoff— Chuシーケンス長と して素数を選ぶのが好ましい。しかし、必ず素数を選ぶという制限は厳しすぎる。なぜ ならば、 1人のユーザに割り当てられるリーソースブロックの数が大きくなつた場合、リ ファレンスブロックサイズと Zadoff— Chuシーケンス長との差が大きくなることがある 力もである。一例は、リファレンスブロックサイズが 120に等しい場合である。 120前後 の最も近い素数は、それぞれ 113及び 127である。 113の場合、使用可能なシーケ ンスの数は 112であり、クロスコリレーション(cross correlation :相互相関)は 1Z 113以下である。 127の場合、使用可能なシーケンスの数は 126であり、クロスコリレ ーシヨン(相互相関)は 1Z 127以下である。し力し、リファレンスブロックサイズと Za doff—Chuシーケンス長との差が 7になる。この差が大きくなると、図 25の(a)の場合
はチャネルエスティメーシヨン(Channel Estimation:伝搬路推定精度)が劣化し、 図 25の(b)及び(c)の場合は、オートコリレーション (Auto— Correlation:自己相関 )特性やクロスコリレーション (相互相関)特性が劣化し、または PAPR(Peak to Av erage Power Ratio :ピーク対平均電力比)が増加する。したがって、 Zadoff—C huシーケンス長を決定するためのより良いクライテリア(Criteria:規準)が望まれる。
[0172] リファレンスブロック長と Zadoff— Chuシーケンス長との差を小さくするために、以 下のクライテリアを提案する。このクライテリアは、使用可能で、クロスコリレーション( 相互相関)特性が良好なリファレンスシーケンスの数を多く保つことができるシーケン ス長を選ぶためのものである。
オプション 1.大きな最大素因数を含む数を選ぶ。
オプション 2.大きな最大素因数を含み、かつ素因数の数が少ない数を選ぶ。
[0173] これらのクライテリアを使う根拠は以下の通りである。
シーケンス C (n)とシーケンス C (n)との間のクロスコリレーション (相互相関)は、下
k k'
記の(9)式のように表される。
[0174] [数 9]
0 ' ; ior m is NOT multiple ot g.
R [ ck (n) , c,. ,(") ] =
g -JL; for m is multiple of g, where g is g.c.d. of (k- k') & L. 一 ( 9 )
(k k' )と Lとの間の最大公約数(greatest common divisor) gが小さくなると、 クロスコリレーション (相互相関)特性がよくなる。
[0175] ここで、 Lの最大素因数を とすると、 k及び k'が よりも小さい場合、 gは よりも小 さくなる。これは、クロスコリレーション (相互相関)が 1Z L以下となるシーケンスの 数が増えることを意味する。これが、オプション 1の根拠である。しかし、 k及び k'が L よりも小さい場合、素因数の数が増えるにつれて、使用可能なシーケンスの数が減る ことに注意されたい。
[0176] ここで、リファレンスブロックサイズが 120の場合を考える。例えば、 118 (59 X 2)は
素数ではないが、大きな素因数 59を含む。この場合、使用可能なシーケンスの k及 び k'は、下記の(10)式で示すようになる。
[0177] k, k' = { l, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 15, 17, 19, 57, 61, · · · , 115, 117} · · · ( 10)
k及び k'は、 Lに対して互いに素(relatively prime)である必要があるため、 2ま たは 59の倍数を除いている。そして、使用可能なコードの数は 57となっている。この 場合、全ての k及 k'が奇数であり、 k—k'が常に偶数であるため、全てのシーケンス においてクロスコリレーション (相互相関)は 1Z 59以下となる。
[0178] この例では、使用可能で、クロスコリレーション (相互相関)特性が良好なシーケンス の数を多く保ちつつ、リファレンスシグナルブロックサイズと Zadoff—Chuシーケンス 長との差を 7から 2に減らして 、る。
[0179] 上記例では、全ての使用可能なシーケンスが、良いクロスコリレーション (相互相関 )特性を有する。 k及び k'が最大素因数よりも小さい場合、これは常に真である。しか し、最大素因数よりも大きな k及び k'については、常に真ではない。ここで、 177 ( = 5 9 X 3)について考える。この場合、使用可能なシーケンスの k及び k,は、下記の(11 )式で示すようになる。
[0180] k, k' = { l, 2, 4, 5, 7, 8, 10, 11, 13, 14, 58, 61, 62, 64, · · · , 175, 176
} · ' · (ι ι)
59よりも小さい k及び k,については、 k—k,が 59に対して互いに素(relatively pr ime)であるため、クロスコリレーション (相互相関)は 1Z 59以下となる。 59よりも大 きい k及び k,については、全てのシーケンスがこの状況を満たすわけではない。例え ば、 3が使用可能な k及び k'から除かれているため、 62はこの状況を満たす。しかし 、(61— 2)及び(64— 5)が 59となるため、 61及び 64は上記の状況を満たさない。
[0181] 様々なリファレンスブロックサイズに対して、クロスコリレーション (相互相関)特性の 良い全てのシーケンスを探すことも可能である。しかし、素因数の数が増えると、状況 は複雑になる。
[0182] よりシンプルな方法はクライテリアとしてオプション 2を使用することである。少なくと も、最大素因数よりも小さい k及び k,については、良好なクロスコリレーション (相互相
関)特性(≤iZ が得られる。さらに、素因数の数が減るにつれて、最大素因数 よりも小さぐ使用可能な k及び k'の数が増える。
第 6実施例では、 Zadoff— Chuシーケンス長を決定するためのクライテリアを提案 した。また、提案したクライテリアが、使用可能で、クロスコリレーション湘互相関)特 性が良好なシーケンスの数を多く保ちつつ、リファレンスシグナルブロックサイズと Za doff— Chuシーケンス長との差を小さくすることができることを示した。