明 細 書
光学用セルロースエステルフィルム、該光学用セルロースエステルフィル ムを用いる偏光板及び液晶表示装置
技術分野
[0001] 本発明は、光学用途に利用されるセルロースエステルフィルムに関し、特に、液晶 表示装置等に用いられる偏光板用保護フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィ ルム、プラズマディスプレイに用いられる反射防止フィルム等の各種機能フィルム、ま た、有機 ELディスプレイ等で使用される各種機能フィルム等にも利用することができ る光学用セルロースエステルフィルムとそれに用いる紫外線吸収剤に関するものであ る。さらに詳しくは、特定の構造を有する紫外線吸収剤を含み、不要な着色がなぐ 色再現性に優れ、耐久性、耐光性にも優れた光学用セルロースエステルフィルムと それを用いた偏光板及び液晶表示装置に関する。
背景技術
[0002] 上述の技術分野で用いられて 、る光学フィルムは、紫外線を含む光に晒されると分 解が促進され強度低下を引き起こすと同時に、変色により透明度が低下するという問 題を抱えていた。このため、高い透明性の求められる光学フィルムでは、予めべンゾ トリァゾール系化合物ある!/、はべンゾフエノン系化合物、シァノアクリレート系化合物、 サリチル酸系化合物の紫外線吸収剤を混入させることで紫外線による劣化を防止し ていた。し力しながら、これら従来の紫外線吸収剤の多くは溶解性が低いために、ブ リードアウトが生じやすい、フィルム上で析出しやすい、ヘイズが上昇し透明性が低 下する、さらには、加熱加工時の蒸散により添加量が減少し紫外線吸収能が低下す るとともに、製造工程が汚染されてしまう等、さまざまな問題を有していた。
[0003] 紫外線吸収剤に重合性基を導入し、単独重合もしくは共重合を行って、紫外線吸 収性ポリマーとすることで、それらの欠点を解消しょうとする試みが記載されている( 例えば、特許文献 1〜4参照。 )0また、光学フィルムとして、偏光板用保護フィルムに 紫外線吸収性ポリマーを含有させた例が記載されている(例えば、特許文献 5参照。
) o
[0004] それら記載された紫外線吸収性ポリマーは、確かにブリードアウト及び析出防止、 蒸散防止等にはある程度効果があつたが、紫外線吸収能力が十分ではなぐ所望の 紫外線吸収性能を得るためには多量の添加量が必要であり、それら紫外線吸収性 ポリマーを多量に添加した場合、榭脂との相溶性が十分ではなぐ十分な透明度が 得られない、あるいはフィルム自身が黄色く着色してしまう、あるいは長期間保存した 場合、紫外線吸収能力が低下する等の問題を抱えており、光学フィルムとして実用 化するのは困難であった。
[0005] 光学フィルムに求められる特性としては、 380nm以下の紫外光を十分に遮断する と同時に、 400nmより長波の光を十分に透過することが求められており、さまざまな 紫外線吸収剤が提案されて ヽる。
[0006] 例えば、 2' —ヒドロキシフエ-ルペンゾトリアゾール系紫外線吸収剤にアミド基、力 ルバモイル基、エステル基、ァシルォキシ基が置換した紫外線吸収剤は、例えば、特 開 2003— 113317号公報に記載されており、これら特定の置換基を有するモノマー 力 誘導されるポリマーを用いることによりブリードアウトの抑制、蒸散による工程汚染 の低減等の効果を有したと記載があるが、ビス体、トリス体、テトラ体に関する記載は 一切されていない。また、高分子材料の耐候性を改良する化合物としてべンゾトリア ゾールイ匕合物が知られていた力 特に光学用途に関しては、その詳細は示されてい ない (例えば、特許文献 6参照。 )0
特許文献 1:特開昭 60— 38411号公報
特許文献 2:特開昭 62— 181360号公報
特許文献 3:特開平 3 - 281685号公報
特許文献 4:特開平 7— 90184号公報
特許文献 5:特開平 6— 148430号公報
特許文献 6:特開平 5— 781517号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は光学フィルム用途と しての分光吸収性能に優れ、着色がなく透明性に優れ、十分な紫外線吸収能力を
有し、長期耐光性に優れた紫外線吸収剤を含有する、リタ一デーシヨンの変動が少 な 、光学用セルロースエステルフィルム及びそれを用いて高 、コントラストが維持さ れた偏光板と液晶表示装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
[0009] 1.下記一般式 1、 2、 3で表される化合物を少なくとも一つ含有することを特徴とす る光学用セルロースエステルフィルム。
[0010] [化 1]
一般式 1
(一般式 1〜3において、 R 、 Rは置換基を表し、 Xは— COO—、— OCO—、— NR
1 2 1
CO—、 -CONR 一、 O—、 -NR R 一、 -SO NR 一、 NR SO 一、 S
1 11 12 13 2 14 14 2 一、 SO を表し、 Lは 2価の連結基、 Lは 3価の連結基、 Lは 4価の連結基を表
2 1 2 3
す。 R 、 R 、 R 、 R は水素原子またはアルキル基、ァリール基を表す。 pは 0〜3の
11 12 13 14
整数、 qは 0〜4の整数を表す。 )
2.前記一般式 1、 2、 3で表される化合物力 それぞれ下記一般式 4、 5、 6で表され る化合物であることを特徴とする 1に記載の光学用セルロースエステルフィルム。
[化 2]
(一般式 4〜6において、 R 、 Rは置換基を表し、 Xは— COO—、— OCO—、— NR
1 2
CO—、 -CONR 一、 一 O—、 -NR R 一、 一 SO NR 一、 一 NR SO 一、 一 S
1 11 12 13 2 14 14 2 一、 一 SO —を表し、 Lは 2価の連結基、 Lは 3価の連結基、 Lは 4価の連結基を表
2 1 2 3
す。 R 、 R 、 R 、 R は水素原子またはアルキル基、ァリール基を表す。 pは 0〜3の 整数、 qは 0〜4の整数を表す。 )
3.前記一般式 1〜6において、 Xが— COO—、— OCO—、 -NR CO—、—CO
NR 一であり、 R は水素原子またはアルキル基、ァリール基を表すことを特徴とする
11 11
1または 2に記載の光学用セルロースエステルフィルム。
[0014] 4.前記一般式 1で表される化合物が前記一般式 4で表される化合物であることを 特徴とする 2に記載の光学用セルロースエステルフィルム。
[0015] 5.前記一般式 4において、 Xが— COO—、— OCO—、— NR CO—
11 、— CONR
1 一であり、 R は水素原子またはアルキル基、ァリール基を表すことを特徴とする 4に
1 11
記載の光学用セルロースエステルフィルム。
[0016] 6.前記一般式 1〜5において、 L
1、 L
2、 Lがエーテル結合を含有する連結基である 3
ことを特徴とする 1〜5のいずれか 1項に記載に記載の光学用セルロースエステルフ イノレム。
[0017] 7. 1〜6のいずれか 1項に記載の光学用セルロースエステルフィルムを用いること を特徴とする偏光板。
[0018] 8. 1〜6のいずれか 1項に記載の光学用セルロースエステルフィルムを用いること を特徴とする液晶表示装置。
発明の効果
[0019] 本発明により、光学フィルム用途としての分光吸収性能に優れ、着色がなく透明性 に優れ、十分な紫外線吸収能力を有し、長期耐光性に優れた紫外線吸収剤を含有 する、リタ一デーシヨンの変動が少な 、光学用セルロースエステルフィルム及びそれ を用いて高いコントラストが維持された偏光板と液晶表示装置を提供することができる 発明を実施するための最良の形態
[0020] 本願発明者らは、上記課題を解決することができる紫外線吸収剤を含む光学用セ ルロースエステルフィルムにつ 、て鋭意検討した結果、その詳し ヽ理由は解明されて いないが、特定の構造を有する紫外線吸収剤を用いることにより、分光吸収性能に 優れ、着色がなく透明性に優れる等、十分な紫外線吸収能力を有し、長期耐光性に 優れる光学用セルロースエステルフィルムが得られることを見出した。
[0021] 詳しくは、本発明者らは、鋭意検討の結果、 2—ヒドロキシフエ-ルペンゾトリァゾー ル系紫外線吸収剤のベンゾトリアゾール環からの連結基によりジョイントされてビス体
、トリス体、テトラ体を形成した紫外線吸収剤を使用した場合に、良好な特性、例えば 、ブリードアウトの抑制、蒸散による工程汚染の低減等の効果または液晶表示装置と してのコントラスト向上等を有することを見出し、本発明に至った次第である。
[0022] 以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
[0023] 〔一般式 1〜6で表される化合物〕
本発明は前記一般式 1〜6で表される化合物を少なくとも一つ含有することを特徴 とする光学用セルロースエステルフィルムである。
[0024] 一般式 1〜6において、 R、 Rは置換基を表し、置換基としてはハロゲン原子 (例え
1 2
ば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、アルキル基 (例えば、メチル 基、ェチル基、イソプロピル基、ヒドロキシェチル基、メトキシメチル基、トリフルォロメ チル基、 t ブチル基等)、ァルケ-ル基 (例えば、ビニル基、ァリル基、 3—ブテン 1 ィル基等)、ァリール基(例えば、フエ-ル基、ナフチル基、 p トリル基、 p クロ 口フエ-ル基等)、アルコキシ基 (例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、 n ブトキシ基等)、ァリールォキシ基 (例えば、フエノキシ基等)、ァシルォキシ基 (例え ば、ァセトキシ基、ビバロイルォキシ基、ベンゾィルォキシ基等)、ァシル基 (例えば、 ァセチル基、プロパノィル基、ブチロイル基等)、アルコキシカルボニル基 (例えば、メ トキシカルボ-ル基、エトキシカルボ-ル基等)、ァリールォキシカルボ-ル基(例え ば、フエノキシカルボ-ル基等)、力ルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル基、 ェチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等)、アミノ基、アルキルアミノ基 (例 えば、メチルァミノ基、ェチルァミノ基、ジェチルァミノ基等)、ァ-リノ基 (例えば、了二 リノ基、 N—メチルァ-リノ基等)、ァシルァミノ基 (例えば、ァセチルァミノ基、プロピオ -ルァミノ基等)、ヒドロキシル基、シァノ基、ニトロ基、スルホンアミド基 (例えば、メタ ンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイルァミノ基(例えば、 ジメチルスルファモイルァミノ基等)、スルホ -ル基(例えば、メタンスルホ-ル基、ブタ ンスルホ-ル基、フエ-ルスルホ -ル基等)、スルファモイル基(例えば、ェチルスル ファモイル基、ジメチルスルファモイル基等)、スルホ -ルァミノ基(例えば、メタンスル ホニルァミノ基、ベンゼンスルホ -ルァミノ基等)、ウレイド基 (例えば、 3—メチルウレ イド基、 3, 3 ジメチルウレイド基、 1, 3 ジメチルウレイド基等)、イミド基 (例えば、
フタルイミド基等)、シリル基 (例えば、トリメチルシリル基、トリェチルシリル基、 t プチ ルジメチルシリル基等)、アルキルチオ基 (例えば、メチルチオ基、ェチルチオ基、 n プチルチオ基等)、ァリールチオ基 (例えば、フ -ルチオ基等)等が挙げられるが 、好ましくは、アルキル基、ァリール基である。
[0025] Lは 2価の連結基を表し、例えばアルキレン基 (例えば、メチレン、エチレン、 2, 2
1
ージメチルプロピレン、プロピレン、 1, 4ーシクロへキシレン、ドデシレン、へキサデシ レン、 2—ェチルへキシレン、 2—へキシルデカレン等)、ァリーレン基(例えば、フエ- レン、ナフチレン等)、 O 、 一 S―、 一 NR R またはそれらの組合せ等が挙げら
21 22
れる。 R 、 R は水素原子、アルキル基またはァリール基を表す。
21 22
[0026] Lは 3価の連結基を表し、例えば下記のような構造が挙げられる。式中 *は Xと連
2
結する点である。
[0027] [化 3]
[0028] 式中、 Lは 4価の連結基を表し、例えば下記のような構造が挙げられる。式中 *は
3
Xと連結する点である。
[0029] [化 4]
L、 L、 Lの内、 L、即ち一般式 1、特に一般式 4が本発明では好ましい。連結基と
1 2 3 1
しての L、 L、 Lについては、エーテル結合を含有する連結基が特に好ましい。
以下、本発明の一般式 1〜6で表される化合物を例示するが、これらに限定される ものではない。
[化 5]
[9^ ] [εεοο]
feze/9 ozdf/i3d (H IS9J/.O/ OOZ OAV
Ζ £Ζ£/900Ζάΐ/13ά TS9Z.0/.00Z OAV
[8^ ] [SSOO]
tひ ε / 900Zdf/ェ:) d ZY TS9Z.0/.00Z OAV
[6^ ] [9S00]
Ζ £Ζ£/900Ζάΐ/13ά TS9Z.0/.00Z OAV
[0037] [化 10]
[π¾] [8εοο]
Ζ £Ζ£/900Ζάΐ/13ά 9V TS9Z.0/.00Z OAV
[Zl^ [6S00]
91· TS9Z.0/.00Z OAV
[ετ^] [ο濯]
Ζ £Ζ£/900Ζάΐ/13ά LY TS9Z.0/.00Z OAV
^ [i濯]
[9ΐ^ ] [ε濯]
Ζ £Ζ£/900Ζάΐ/13ά 03 TS9Z.0/.00Z OAV
[0044] 本発明の一般式 1〜6で表される化合物は、他の透明ポリマーに混合する際に、必 要に応じて低分子化合物もしくは高分子化合物、無機化合物等を一緒に用いること もできる。例えば、本発明の一般式 1〜6で表される化合物 (紫外線吸収剤)と他の紫 外線吸収剤または紫外線吸収性ポリマーとを同時に他の透明ポリマーに混合するこ とも好ましい態様の一つである。同様に、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤等の添加剤 を同時に混合することも好ましい態様の一つである。
[0045] セルロースエステルフィルム(光学フィルム)への本発明に係る紫外線吸収剤の添 加方法は、セルロースエステルフィルム中に含有させてもよいし、セルロースエステル フィルム上に塗布してもよい。セルロースエステルフィルム中に含有させる場合、直接
添カロしてちょい。
[0046] 本発明の一般式 1〜6で表される化合物の使用量は、化合物の種類、使用条件等 により一様ではないが、紫外線吸収剤として用いる場合には、セルロースエステルフ イノレム lm2当たり 0. 2〜3. Og力 S好ましく、 0. 4〜2. 0力 Sさらに好ましく、 0. 5〜1. 5 が特に好ましい。さらに、液晶劣化防止の観点から、波長 380nm以下の紫外線吸収 性能に優れ、かつ、良好な液晶表示性の観点から、 400nm以上の可視光吸収が少 ないものが好ましい。本発明においては、特に、波長 380nmでの透過率が 8%以下 であることが好ましぐ 4%以下がさらに好ましぐ 1%以下であることが特に好ましい。
[0047] また、本発明にお 、ては、従来公知の紫外線吸収剤も併せて用いることもできる。
従来公知の紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、サリチル酸系紫 外線吸収剤(フエ-ルサリシレート、 P—tert—ブチルサリシレート等)あるいはベンゾ フエノン系紫外線吸収剤(2, 4 ジヒドロキシベンゾフエノン、 2, 2' ージヒドロキシー 4, 4' —ジメトキシベンゾフエノン等)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(2— {2' ーヒドロキシ 3' —tert—ブチルー 5' —メチルフエニル)ー5—クロ口べンゾトリア ゾール、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' , 5' —ジ一 tert—ブチルフエ-ル)一 5 クロ口 ベンゾトリアゾール、 2— (2' —ヒドロキシ一 3' , 5' —ジ一 tert—アミルーフエ-ル )ベンゾトリアゾール等)、シァノアクリレート系紫外線吸収剤 {2' —ェチルへキシル —2 シァノ 3, 3 ジフエ-ルアタリレート、ェチル 2 シァノ 3— (3' , 4' - メチレンジォキシフエ-ル)一アタリレート等)、トリアジン系紫外線吸収剤、あるいは特 開昭 58— 185677号、同 59— 149350号記載の化合物、ニッケル錯塩系化合物、 無機粉体等が挙げられる。
[0048] 本発明に係る紫外線吸収剤と共に用いられる従来公知の紫外線吸収剤としては、 透明性が高ぐ偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果に優れたべンゾトリアゾール系 紫外線吸収剤やべンゾフエノン系紫外線吸収剤が好ましぐ不要な着色がより少ない ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。
[0049] また、本発明においては、従来公知の紫外線吸収性ポリマーを用いることもできる。
従来公知の紫外線吸収性ポリマーとしては、特に限定されないが、例えば、 RUVA 93 (大塚化学製)を単独重合させたポリマー及び RUVA— 93と他のモノマーとを
共重合させたポリマー等が挙げられる。具体的には、 RUVA—93とメチルメタクリレ ートを 3: 7の比(質量比)で共重合させた PUVA— 30M、 5: 5の比(質量比)で共重 合させた PUVA— 50M等が挙げられる。
[0050] 〔光学用セルロースエステルフィルムの製造方法〕
次 、で、本発明の好まし 、態様である光学用セルロースエステルフィルムの製造方 法について説明する。
[0051] 本発明の光学用セルロースエステルフィルムの製造に用 ヽられる製膜工程としては 、セルロースエステルを溶剤に溶解させた後、各種添加剤と少量のセルロースエステ ルとを溶解した溶液とがインラインで添加、混合、撹拌されて、次いで、混合液が塗 布、製膜される溶液流延法と、溶媒を用いずセルロースエステルを流動性を示す温 度まで加熱溶融し、その後、流動性のセルロースエステルを流延する溶融流延がぁ る。加熱溶融する成形法はさらに詳細には溶融押出成形法、プレス成形法、インフレ ーシヨン法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法等に分類できる。これらの中で 、機械的強度及び表面精度等に優れるセルロースエステルフィルムを得るためには 、溶融押出し法が優れている。ここでフィルム構成材料を加熱し、その流動性を発現 させた後、ドラムまたはエンドレスベルト上に押出し製膜する。好ましい製膜工程とし ては、加熱溶融する成形法である。
[0052] (セルロースエステル)
本発明に用いられるセルロースエステルとしては、セルロースの低級脂肪酸エステ ルが好ましく用いられる。
[0053] セルロースエステルの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪酸とは、炭素原子数 力 以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネー ト、セルロースブチレート等、また特開平 10— 45804号、同 8— 231761号、米国特 許第 2, 319, 052号等に記載されているセルロースアセテートプロピオネート、セル ロースアセテートプチレート等の混合脂肪酸エステル等がセルロースの低級脂肪酸 エステルの例として挙げられる。特に好ましくは、総置換度が 2. 55-2. 85のセル口 ースエステルが好ましく用いられる。
[0054] 上記脂肪酸の中でも、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート
が好ましく用いられる力 本発明に係るセルロースエステルフィルムの場合には、フィ ルム強度の観点から、特に重合度 250〜400のものが好ましく用いられる。
[0055] 本発明の光学用セルロースエステルフィルムは、総置換度が 2. 5〜3. 0のセル口 ースエステルが好ましく用いられる力 S、特に総置換度が 2. 55-2. 85のセルロース エステルが好ましく用いられる。総置換度が 2. 55以上になると本発明に係る一般式 1〜6で表される紫外線吸収剤を含むフィルムの機械強度が増加し、 2. 85以下にな るとセルロースエステルの溶解性が向上したり、異物の発生が低減されるため、より好 ましい。
[0056] セルロースアセテートプロピオネートの場合、ァセチル基置換度を X、プロピオ-ル 基置換度を Yとすると
式(I) 2. 5≤X+Y≤2. 9
式(Π) 0. 1≤Χ≤2. 0
の範囲が好ましく用いられ、中でも 1. 0≤Χ≤2. 5であり、 0. 5≤Υ≤2. 5であるこ とが好ましい。
[0057] セルロースエステルは、綿花リンターから合成されたセルロースエステルと木材パル プから合成されたセルロースエステル、それ以外の原料から合成されたセルロースェ ステルを単独あるいは混合して用いることができる。
[0058] (可塑剤)
本発明の光学用セルロースエステルフィルムには、可塑剤を添加することができる。 一般的に、可塑剤として知られる化合物を添加することは機械的性質向上、柔軟性 を付与、耐吸水性付与、水分透過率の低減等のフィルムの改質の観点において好ま しい。また、溶融流延法においては、用いるセルロースエステル単独のガラス転移温 度よりも、可塑剤の添カ卩によりフィルム構成材料の溶融温度を低下させる目的、また は同じ加熱温度においてセルロースエステルよりも可塑剤を含むフィルム構成材料 の粘度が低下できる目的を含んでいる。ここで、本発明において、フィルム構成材料 の溶融温度とは、該材料が加熱され流動性が発現された状態にお!ヽて材料が加熱 された温度を意味する。
[0059] セルロースエステル単独では、ガラス転移温度よりも低いとフィルム化するための流
動性は発現されない。しカゝしながら、セルロースエステルは、ガラス転移温度以上に おいて熱量の吸収により弾性率あるいは粘度が低下し、流動性が発現される。フィル ム構成材料を溶融させるためには、添加する可塑剤がセルロースエステルのガラス 転移温度よりも低い融点またはガラス転移温度をもつことが上記目的を満たすために 好ましい。さらに多価アルコールと 1価のカルボン酸からなるエステル系可塑剤、多価 カルボン酸と 1価のアルコールからなるエステル系可塑剤はセルロースエステルと親 和性が高ぐより好ましい。
[0060] 本発明においては、多価アルコールと 1価のカルボン酸からなるエステル系可塑剤 、多価カルボン酸と 1価のアルコールからなるエステル系可塑剤の両方またはどちら か一方を用いる。
[0061] 多価アルコールエステル系の一つであるエチレングリコールエステル系の可塑剤と しては、具体的には、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールジブチレ ート等のエチレングリコールアルキルエステル系の可塑剤、エチレングリコールジシク 口プロピルカルボキシレート、エチレングリコールジシクロへキルカルボキシレート等 のエチレングリコールシクロアルキルエステル系の可塑剤、エチレングリコールジベン ゾエート、エチレングリコールジ 4ーメチノレべンゾエート等のエチレングリコーノレアリー ルエステル系の可塑剤が挙げられる。これらアルキレート基、シクロアルキレート基、 ァリレート基は、同一でもあっても異なっていてもよぐさらに置換されていてもよい。ま たアルキレート基、シクロアルキレート基、ァリレート基のミックスでもよぐまたこれら置 換基同志が共有結合で結合していてもよい。さらにエチレングリコール部も置換され ていてもよぐエチレングリコールエステルの部分構造力 ポリマーの一部、あるいは 規則的にペンダントされていてもよぐまた酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等 の添加剤の分子構造の一部に導入されて 、てもよ 、。
[0062] 多価アルコールエステル系の一つであるグリセリンエステル系の可塑剤としては、 具体的にはトリァセチン、トリブチリン、グリセリンジアセテートカプリレート、グリセリン ォレートプロピオネート等のグリセリンアルキルエステル、グリセリントリシクロプロピル カルボキシレート、グリセリントリシクロへキシルカルボキシレート等のグリセリンシクロ アルキルエステル、グリセリントリべンゾエート、グリセリン 4 メチルベンゾエート等の
グリセリンァリーノレエステノレ、ジグリセリンテトラァセチレート、ジグリセリンテトラプロピ ォネート、ジグリセリンアセテートトリカプリレート、ジグリセリンテトララウレート、等のジ グリセリンアルキルエステル、ジグリセリンテトラシクロブチルカルボキシレート、ジグリ セリンテトラシクロペンチルカルボキシレート等のジグリセリンシクロアルキルエステル
、ジグリセリンテトラべンゾエート、ジグリセリン 3—メチルベンゾエート等のジグリセリン ァリールエステル等が挙げられる。これらアルキレート基、シクロアルキルカルボキシ レート基、ァリレート基は同一でもあっても異なっていてもよぐさらに置換されていて もよい。またアルキレート基、シクロアルキルカルボキシレート基、ァリレート基のミック スでもよく、またこれら置換基同志が共有結合で結合していてもよい。さらにグリセリン 、ジグリセリン部も置換されていてもよぐグリセリンエステル、ジグリセリンエステルの 部分構造がポリマーの一部、あるいは規則的にペンダントされていてもよぐまた酸化 防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造の一部に導入されていて ちょい。
[0063] その他の多価アルコールエステル系の可塑剤としては、具体的には特開 2003— 1 2823号公報の段落 30〜33記載の多価アルコールエステル系可塑剤が挙げられる
[0064] これらアルキレート基、シクロアルキルカルボキシレート基、ァリレート基は、同一で もあっても異なっていてもよく、さらに置換されていてもよい。またアルキレート基、シク 口アルキルカルボキシレート基、ァリレート基のミックスでもよぐまたこれら置換基同 志が共有結合で結合して 、てもよ 、。さらに多価アルコール部も置換されて 、てもよ ぐ多価アルコールの部分構造力 ポリマーの一部、あるいは規則的にペンダントさ れていてもよぐまた酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造 の一部に導入されて 、てもよ 、。
[0065] 上記多価アルコールと 1価のカルボン酸からなるエステル系可塑剤の中では、アル キル多価アルコールァリールエステルが好ましぐ具体的には上記のエチレングリコ ールジベンゾエート、グリセリントリべンゾエート、ジグリセリンテトラべンゾエート、特開 2003— 12823号公報の段落 32記載例示化合物 16が挙げられる。
[0066] 多価カルボン酸エステル系の一つであるジカルボン酸エステル系の可塑剤として
は、具体的には、ジドデシルマロネート(C1)、ジォクチルアジペート(C4)、ジブチル セバケート (C8)等のアルキルジカルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、ジシクロ ペンチルサクシネート、ジシクロへキシルアジ一ペート等のアルキルジカルボン酸シク 口アルキルエステル系の可塑剤、ジフエ-ルサクシネート、ジ 4 メチルフエ-ルグル タレート等のアルキルジカルボン酸ァリールエステル系の可塑剤、ジへキシルー 1, 4 ーシクロへキサンジカルボキシレート、ジデシルビシクロ [2. 2. 1]ヘプタン 2, 3— ジカルボキシレート等のシクロアルキルジカルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、 ジシクロへキシルー 1, 2—シクロブタンジカルボキシレート、ジシクロプロピル 1, 2 ーシクロへキシルジカルボキシレート等のシクロアルキルジカルボン酸シクロアルキル エステル系の可塑剤、ジフエ-ルー 1, 1—シクロプロピルジカルボキシレート、ジ 2— ナフチルー 1, 4ーシクロへキサンジカルボキシレート等のシクロアルキルジカルボン 酸ァリールエステル系の可塑剤、ジェチルフタレート、ジメチルフタレート、ジォクチ ルフタレート、ジブチルフタレート、ジ 2—ェチルへキシルフタレート等のァリールジ カルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、ジシクロプロピルフタレート、ジシクロへキ シルフタレート等のァリールジカルボン酸シクロアルキルエステル系の可塑剤、ジフエ -ルフタレート、ジ 4 メチルフエ-ルフタレート等のァリールジカルボン酸ァリールェ ステル系の可塑剤が挙げられる。これらアルコキシ基、シクロアルコキシ基は、同一で もあっても異なっていてもよぐまた一置換でもよぐこれらの置換基はさらに置換され ていてもよい。アルキル基、シクロアルキル基はミックスでもよぐまたこれら置換基同 志が共有結合で結合して 、てもよ 、。さらにフタル酸の芳香環も置換されて 、てよく、 ダイマー、トリマー、テトラマー等の多量体でもよい。またフタル酸エステルの部分構 造力 ポリマーの一部、あるいは規則的にポリマーへペンダントされていてもよぐ酸 化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造の一部に導入されてい てもよい。
多価アルコールと 1価のカルボン酸からなるエステル系可塑剤、多価カルボン酸と 1 価のアルコールからなるエステル系可塑剤の添カ卩量は、セルロースエステル 100質 量部に対して、通常 0. 1〜50質量部、好ましくは 1〜30質量部、さらに好ましくは 3 〜 15質量部である。
その他の多価カルボン酸エステル系の可塑剤としては、具体的にはトリドデシルトリ 力ルバレート、トリブチルー meso ブタン 1, 2, 3, 4ーテトラカルボキシレート等の アルキル多価カルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、トリシクロへキシルトリ力ルバ レート、トリシクロプロピル一 2 ヒドロキシ一 1, 2, 3 プロパントリカルボキシレート等 のアルキル多価カルボン酸シクロアルキルエステル系の可塑剤、トリフエ-ル 2—ヒド ロキシ 1, 2, 3 プロパントリカルボキシレート、テトラ 3 メチルフエ-ルテトラヒドロ フラン 2, 3, 4, 5—テトラカルボキシレート等のアルキル多価カルボン酸ァリールェ ステル系の可塑剤、テトラへキシルー 1, 2, 3, 4ーシクロブタンテトラカルボキシレー ト、テトラプチルー 1, 2, 3, 4ーシクロペンタンテトラカルボキシレート等のシクロアル キル多価カルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、テトラシクロプロピル 1, 2, 3, 4ーシクロブタンテトラカルボキシレート、トリシクロへキシルー 1, 3, 5 シクロへキシ ルトリカルボキシレート等のシクロアルキル多価カルボン酸シクロアルキルエステル系 の可塑剤、トリフエ二ルー 1, 3, 5 シクロへキシルトリカルボキシレート、へキサ 4—メ チルフエ二ルー 1, 2, 3, 4, 5, 6 シクロへキシルへキサカルボキシレート等のシクロ アルキル多価カルボン酸ァリールエステル系の可塑剤、トリドデシルベンゼン 1, 2 , 4 トリカルボキシレート、テトラオクチルベンゼン一 1, 2, 4, 5—テトラカルボキシレ ート等のァリール多価カルボン酸アルキルエステル系の可塑剤、トリシクロペンチル ベンゼン 1, 3, 5 トリカルボキシレート、テトラシクロへキシルベンゼン 1, 2, 3, 5—テトラカルボキシレート等のァリール多価カルボン酸シクロアルキルエステル系の 可塑剤トリフエ-ルベンゼン 1, 3, 5—テトラカルボキシレート、へキサ 4ーメチルフ ェ-ルベンゼン 1, 2, 3, 4, 5, 6 へキサカルボキシレート等のァリール多価カル ボン酸ァリールエステル系の可塑剤が挙げられる。これらアルコキシ基、シクロアルコ キシ基は、同一でもあっても異なっていてもよぐまた 1置換でもよぐこれらの置換基 はさらに置換されていてもよい。アルキル基、シクロアルキル基はミックスでもよぐま たこれら置換基同志が共有結合で結合して!/、てもよ!/、。さらにフタル酸の芳香環も置 換されていてよぐダイマー、トリマー、テトラマー等の多量体でもよい。またフタル酸 エステルの部分構造がポリマーの一部、あるいは規則的にポリマーへペンダントされ ていてもよぐ酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造の一部
に導入されていてもよい。
[0069] 上記多価カルボン酸と 1価のアルコールからなるエステル系可塑剤の中では、アル キルジカルボン酸アルキルエステルが好ましく、具体的には上記のジォクチルアジべ ートが挙げられる。
[0070] 本発明に用いられるその他の可塑剤としては、燐酸エステル系可塑剤、ポリマー可 塑剤等が挙げられる。
[0071] 燐酸エステル系の可塑剤としては、具体的には、トリァセチルホスフェート、トリブチ ルホスフェート等の燐酸アルキルエステル、トリシクロベンチルホスフェート、シクロへ キシルホスフェート等の燐酸シクロアルキルエステル、トリフエ-ルホスフェート、トリク レジノレホスフェート、クレジノレフエ-ノレホスフェート、オタチノレジフエ-ノレホスフェート、 ジフエ-ルビフエ-ノレホスフェート、トリオクチノレホスフェート、トリブチノレホスフェート、 トリナフチルホスフェート、トリキシリルォスフェート、トリスオルトービフエ-ルホスフエ ート等の燐酸ァリールエステルが挙げられる。これらの置換基は同一でもあっても異 なっていてもよく、さらに置換されていてもよい。またアルキル基、シクロアルキル基、 ァリール基のミックスでもよぐまた置換基同志が共有結合で結合していてもよい。
[0072] また、エチレンビス(ジメチルホスフェート)、ブチレンビス(ジェチルホスフェート)等 のァノレキレンビス(ジァノレキノレホスフェート)、エチレンビス(ジフエ二ノレホスフェート)、 プロピレンビス(ジナフチルホスフェート)等のアルキレンビス(ジァリールホスフェート) 、フエ-レンビス(ジブチノレホスフェート)、ビフエ-レンビス(ジォクチノレホスフェート) 等のァリーレンビス(ジァノレキノレホスフェート;)、フエ二レンビス(ジフエ二ノレホスフェート )、ナフチレンビス(ジトルィルホスフェート)等のァリーレンビス(ジァリールホスフエ一 ト)等の燐酸エステルが挙げられる。これらの置換基は同一でもあっても異なっていて もよぐさらに置換されていてもよい。またアルキル基、シクロアルキル基、ァリール基 のミックスでもよく、また置換基同志が共有結合で結合して 、てもよ 、。
[0073] さらに燐酸エステルの部分構造力 ポリマーの一部、あるいは規則的にペンダントさ れていてもよぐまた酸化防止剤、酸掃去剤、紫外線吸収剤等の添加剤の分子構造 の一部に導入されていてもよい。上記化合物の中では、燐酸ァリールエステル、ァリ 一レンビス(ジァリールホスフェート)が好ましぐ具体的にはトリフエ-ルホスフェート、
フエ二レンビス(ジフエ-ルホスフェート)が好まし 、。
[0074] ポリマー可塑剤としては、具体的には、脂肪族炭化水素系ポリマー、脂環式炭化水 素系ポリマー、ポリアクリル酸ェチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系ポリマー、 ポリビュルイソブチルエーテル、ポリ N—ビュルピロリドン等のビュル系ポリマー、ポリ スチレン、ポリ 4ーヒドロキシスチレン等のスチレン系ポリマー、ポリブチレンサクシネー ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリェチ レンォキシド、ポリプロピレンォキシド等のポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ ゥレア等が挙げられる。数平均分子量は 1, 000-500, 000程度が好ましぐ特に 好まし <ίま、 5, 000-200, 000である。 1, 000以下で ίま揮発' 14に 題力 S生じ、 500 , 000を超えると可塑ィ匕能力が低下し、セルロースエステルフィルムの機械的性質に 悪影響を及ぼす。これらポリマー可塑剤は 1種の繰り返し単位カゝらなる単独重合体で も、複数の繰り返し構造体を有する共重合体でもよい。また、上記ポリマーを 2種以上 併用して用いてもよい。
[0075] その他の可塑剤の添力卩量はセルロースエステル 100質量部に対して、通常 0. 1〜
50質量部、好ましくは 1〜30質量部、さらに好ましくは 3〜15質量部である。
[0076] (添加剤)
本発明の光学用セルロースエステルフィルムにおいては、上記可塑剤の他にも可 塑剤と同様の作用を示す添加剤を含有させることができる。これらの添加剤としては 、例えば、セルロースエステルフィルムを可塑ィ匕することのできる低分子有機化合物 であれば、可塑剤と同様の効果を得ることができる。これらの成分は可塑剤に比べ直 接フィルムを可塑化する目的で添加されるものではないが、量に応じて上記可塑剤と 同様の作用を示す。
[0077] また、本発明にお 、ては、フィルムの色味を調整するために、例えば、青色染料等 を添加剤として用いてもよい。好ましい染料として、アンスラキノン系染料が挙げられ る。アンスラキノン系染料は、アンスラキノンの 1位から 8位迄の位置に任意の置換基 を有することができる。好ましい置換基としては、置換されてもよいァ-リノ基、ヒドロキ シル基、アミノ基、ニトロ基、または水素原子が挙げられる。これらの染料のフィルムへ の添加量は、フィルムの透明性を維持するため 0. 1〜: LOOO /z gZm2 好ましくは 10
〜: LOO /z gZm2である。
[0078] 本発明の光学用セルロースエステルフィルムでは、フエノール系安定剤、ヒンダード アミン系安定剤、リン系安定剤、ィォゥ系安定剤、ベンゾフラノン系安定剤の中から選 ばれた少なくとも 1種、あるいは 2種以上の安定剤を追加して添加してもよい。
[0079] 好ましいフエノール系安定剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、 2-t ブチル 6—( 3 t ブチル 2 ヒドロキシ 5 メチルベンジル) 4 メチル フエ-ルアタリレート、 2, 4 ジ一 t ァミル一 6— (1— (3, 5 ジ一 t—ァミル一 2 ヒ ドロキシフエ-ル)ェチル)フエ-ルアタリレート等の特開昭 63— 179953号公報ゃ特 開平 1— 168643号公報に記載されるアタリレート系化合物;ォクタデシル— 3— (3,
5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート、 2, 2' —メチレン一ビ ス(4—メチル 6— t—ブチルフエノール)、 1, 1, 3 トリス(2—メチル 4 ヒドロキ シ一 5— t—ブチルフエ-ル)ブタン、 1, 3, 5 トリメチル 2, 4, 6 トリス(3, 5 ジ —t ブチル 4—ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン一 3— (3' , 5
' —ジ一 t—ブチルー^ —ヒドロキシフエ-ルプロピオネート)メタン)即ち、ペンタエ リスリメチルーテトラキス(3— (3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ルプロピ ォネート))、トリエチレングリコール ビス(3— (3— t—ブチルー 4ーヒドロキシー5— メチルフエ-ル)プロピオネート)等のアルキル置換フエノール系化合物; 6—(4ーヒド ロキシ—3, 5 ジ—tーブチルァニリノ)—2, 4 ビスォクチルチオ—1, 3, 5 トリア ジン、 4 ビスォクチルチオ 1, 3, 5 トリアジン、 2—ォクチルチオ 4, 6 ビス (3, 5 ジ— t—ブチル—4—ォキシァ-リノ)— 1, 3, 5 トリァジン等のトリアジン基 含有フエノール系化合物;等が挙げられる。
[0080] また好ましいヒンダードアミン系安定剤としては、ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ーピペリジル)セバケート、ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル)スクシネ ート、ビス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル一 4 ピペリジル)セバケート、ビス(N—オタ トキシ一 2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)セバケート、ビス(N ベンジルォ キシ一 2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)セバケート、ビス(N シクロへキシ ルォキシ— 2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル)セノ ケート、ビス(1, 2, 2, 6,
6 ペンタメチル一 4 ピペリジル) 2— (3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシベンジ
ル)ー2 ブチルマロネート、ビス(1ーァクロイルー 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピ ペリジル) 2, 2 ビス(3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシベンジル) 2 ブチル マロネート、ビス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル一 4 ピペリジル)デカンジ才エート、 2 , 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジルメタタリレート、 4— [3— (3, 5 ジ— t—ブ チル— 4 ヒドロキシフエ-ル)プロピオ-ルォキシ]— 1— [2— (3— (3, 5 ジ— t— ブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオ-ルォキシ)ェチル ] 2, 2, 6, 6—テトラメ チルピペリジン、 2—メチルー 2—(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル)ァミノ — N— (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2, 2 , 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル) 1, 2, 3, 4 ブタンテトラカルボキシレート、テ トラキス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル— 4 ピペリジル) 1, 2, 3, 4 ブタンテトラ力 ルポキシレート等が挙げられる。
[0081] また好ましいリン系安定剤としては、一般の榭脂工業で通常使用される物であれば 格別な限定はなぐ例えば、トリフエ-ルホスフアイト、ジフエ二ルイソデシルホスフアイ ト、フエ-ルジイソデシルホスフアイト、トリス(ノ -ルフエ-ル)ホスファイト、トリス(ジノ- ルフエ-ル)ホスファイト、トリス(2, 4 ジ— t—ブチルフエ-ル)ホスファイト、 10— (3 , 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシベンジル) 9, 10 ジヒドロ一 9—ォキサ 10 —ホスファフェナントレン一 10—オキサイド、 6— [3— (3— t—ブチル 4 ヒドロキ シ 5 メチルフエ-ル)プロポキシ ] 2, 4, 8, 10—テトラー tーブチルジベンズ [d , f] [l. 3. 2]ジォキサホスフエピンなどのモノホスファイト系化合物; 4, 4' ーブチリ デン—ビス(3—メチル—6— t—ブチルフエ-ルージ—トリデシルホスフアイト)、 4, 4 ' —イソプロピリデン一ビス(フエ-ル一ジ一アルキル(C12〜C15)ホスファイト)など のジホスファイト系化合物などが挙げられる。また、テトラキス(2, 4 ジー t—ブチル —フエ-ル) 4, 4' —ビフエ-レンジホスホナイト、テトラキス(2, 4 ジ一 t—ブチ ノレ 5—メチノレフエ二ノレ) 4, 4' —ビフエ二レンジホスホナイトなどのホスホナイト系 化合物が挙げられる。
[0082] さらに好ましいィォゥ系安定剤としては、例えば、ジラウリル 3, 3 チォジプロピオ ネート、ジミリスチル 3, 3' —チォジプロピオネート、ジステアリル 3, 3—チォジプロピ ォネート、ラウリルステアリル 3, 3—チォジプロピオネート、ペンタエリスリトールーテト
ラキスー(j8—ラウリル チォープロピオネート)、 3, 9 ビス(2 ドデシルチオェチ ル) 2, 4, 8, 10—テトラオキサスピロ [5, 5]ゥンデカン等が挙げられる。
[0083] 好ましいベンゾフラノン系安定剤としては、 3— [4— (2—ァセトキシエトキシ)フエ- ル] 5, 7 ジー t ブチルベンゾフラン 2 オン、 5, 7 ジ—tーブチルー 3— [4 — (2—ステアロイルォキシエトキシ)フエ-ル]ベンゾフラン一 2—オン、 3, 3,一ビス [ 5, 7 ジ一 t—ブチル 3— (4— [2 ヒドロキシエトキシ]フエ-ル)ベンゾフラン一 2 —オン]、 5, 7 ジ一 t—ブチル 3— (4—メトキシフエ-ル)ベンゾフラン一 2—オン 、 5, 7 ジ tーブチルー 3—フエニルベンゾフランー2 オン、 5, 7 ジ tーブチ ル一 4—メチル 3—フエ-ルペンゾフラン一 2—オン、 3— (4 ァセトキシ一 3, 5— ジメチルフエ-ル) 5, 7 ジー t ブチルベンゾフラン 2 オン、 3—(3, 5 ジメ チルー 4ーピバロィルォキシフエニル)—5, 7 ジー t—ブチルベンゾフラン 2—ォ ン、 3—(3, 4 ジメチルフエ-ル)ー 5, 7 ジー t ブチルベンゾフラン 2 オン、 3— (2, 3 ジメチルフエ-ル) 5, 7 ジ— t—ブチル -ベンゾフラン- 2-オン等が挙 げられる。
[0084] これらの化合物の一例を下記に挙げる力 本発明はこれらに限定されるものではな い。
[0085] IRGANOX 1010 :チバスペシャルティケミカルズ社製
TINUVIN 770:チバスペシャルティケミカルズ社製
TINUVIN 144:チバスペシャルティケミカルズ社製
ADK STABLA LA— 52 :旭電化工業 (株)製
Sumilizer GP :住友化学工業社製
PEP 24G:旭電化工業 (株)製
Sumilizer TP— D :住友化学工業社製
PEP— 36 :旭電ィ匕工業 (株)製
IrgafosP-EPQ:チバスペシャルティケミカルズ社製
GSY— P101 :堺ィ匕学工業株式会社
Sumilizer GM :住友化学工業社製
Sumilizer GS :住友化学工業社製
これらの安定剤は前記亜燐酸エステル類に対し、それぞれ 1種あるいは 2種以上を 組み合わせて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損なわれない範囲で 適宜選択される力 セルロースエステル 100質量部に対して、通常 0. 001〜10. 0 質量部、好ましくは 0. 01〜5. 0質量部、さらに好ましくは 0. 1〜3. 0質量部である。
[0086] 加熱溶融によりセルロースエステルフィルムを製造する場合、セルロースエステル の水分含有量は 3. 0質量%以下が好ましい。水分含有量 3. 0質量%以下のセル口 ースエステルは、加熱溶融する前に 1種以上の添加剤を内包して 、ることが好まし ヽ
[0087] 本発明において、添加剤を内包しているとは、添加剤がセルロースエステル内部に 包まれている状態のみならず、内部及び表面に同時に存在することも含むものである
[0088] 添加剤を内包させる方法としては、セルロースエステルを溶媒に溶解した後、これ に添加剤を溶解または微分散させ、溶媒を除去する方法が挙げられる。溶媒を除去 する方法は公知の方法が適用でき、例えば、液中乾燥法、気中乾燥法、溶媒共沈法 、凍結乾燥法、溶液流延法等が挙げられ、溶媒除去後のセルロースエステル及び添 加剤の混合物は、粉体、顆粒、ペレット、フィルム等の形状に調製することができる。 添加剤の内包は前述のようにセルロースエステル固体を溶解して行う力 セルロース
、て析出固化と同時に行ってもょ 、。
[0089] 液中乾燥法は、例えば、セルロースエステル及び添加剤を溶解した溶液にラウリル 硫酸ナトリウム等の活性剤水溶液を加え、乳化分散する。次いで、常圧または減圧蒸 留して溶媒を除去し、添加剤を内包したセルロースエステルの分散物を得ることがで きる。さらに、活性剤除去のため、遠心分離やデカンテーシヨンを行うことが好ましい。 乳化法としては、各種の方法を用いることができ、超音波、高速回転せん断、高圧に よる乳化分散装置を使用することが好ましい。
[0090] 超音波による乳化分散では、所謂バッチ式と連続式の 2通りが使用可能である。バ ツチ式は比較的少量の作製に適し、連続式は大量の作製に適する。連続式では、例 えば、 UH— 600SR (株式会社エスエムテー製)のような装置を用いることが可能で ある。このような連続式の場合、超音波の照射時間は分散室容積 Z流速 X循環回数
で求めることができる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞれの照射時間の 合計として求められる。超音波の照射時間は実際上は 10000秒未満である。また、 1 0000秒以上必要であると工程の負荷が大きぐ実際上は乳化剤の再選択等により 乳化分散時間を短くする必要がある。そのため 10000秒以上は必要でない。さらに 好ましくは 10〜 2000秒である。
[0091] 高速回転せん断による乳化分散装置としては、デイスパーミキサー、ホモミキサー、 ウルトラミキサー等が使用でき、これらの型式は乳化分散時の液粘度によって使い分 けることができる。
[0092] 高圧による乳化分散では LAB2000 (エスエムテ一社製)等が使用できるが、その 乳化'分散能力は試料にかけられる圧力に依存する。圧力は 104〜5 X 105kPaの範 囲が好ましい。
[0093] 活性剤としては、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、高 分子分散剤等を用いることができ、溶媒や目的とする乳化物の粒径に応じて決める ことができる。
[0094] 気中乾燥法は、例えば、 GS310 (ャマト科学社製)のようなスプレードライヤーを用
V、て、セルロースエステル及び添加剤を溶解した溶液を噴霧し乾燥するものである。
[0095] 溶媒共沈法は、セルロースエステル及び添加剤を溶解した溶液をセルロースエス テル及び添加剤に対して貧溶媒であるものに添加し、析出させるものである。貧溶媒 はセルロースエステルを溶解する前記溶媒と任意に混合することができる。貧溶媒は 混合溶媒でも構わない。また、セルロースエステル及び添加剤の溶液中に、貧溶媒 を加えても構わない。
[0096] 析出したセルロースエステル及び添加剤の混合物は、ろ過、乾燥し分離することが できる。
[0097] セルロースエステルと添加剤の混合物において、混合物中の添加剤の粒径は 1 m以下であり、好ましくは 500nm以下であり、さらに好ましくは 200nm以下である。 添加剤の粒径が小さいほど、溶融成形物の機械特性、光学特性の分布が均一にな り好ましい。
[0098] 上記セルロースエステルと添加剤の混合物、及び加熱溶融時に添加する添加剤は
、加熱溶融前または加熱溶融時に乾燥されることが望ましい。ここで乾燥とは、溶融 材料の ヽずれかが吸湿した水分に加え、セルロースエステルと添加剤の混合物の調 製時に用いた水または溶媒、添加剤の合成時に混入して 、る溶媒の 、ずれかの除 去を指す。
[0099] この除去する方法は公知の乾燥方法が適用でき、加熱法、減圧法、加熱減圧法等 の方法で行うことができ、空気中または不活性ガスとして窒素を選択した雰囲気下で 行ってもよい。これらの公知の乾燥方法を行うとき、材料が分解しない温度領域で行 うことがフィルムの品質上好ましい。
[0100] 例えば、前記乾燥工程で除去した後の残存する水分または溶媒は、各々フィルム 構成材料の全体の質量に対して 10質量%以下、好ましくは 5質量%以下、より好まし くは 1質量%以下、さらに好ましくは 0. 1質量%以下にすることである。このときの乾 燥温度は、 100°C以上乾燥する材料の Tg以下であることが好ましい。材料同士の融 着を回避する観点を含めると、乾燥温度はより好ましくは 100°C以上 (Tg— 5) °C以 下、さらに好ましくは 110°C以上 (Tg— 20) °C以下である。好ましい乾燥時間は 0. 5 〜24時間、より好ましくは 1〜18時間、さらに好ましくは 1. 5〜12時間である。これら の範囲よりも低いと乾燥度が低いか、または乾燥時間が力かり過ぎることがある。また 乾燥する材料に Tgが存在するときには、 Tgよりも高い乾燥温度に加熱すると材料が 融着して取り扱いが困難になることがある。
[0101] 乾燥工程は 2段階以上の分離してもよぐ例えば、予備乾燥工程による材料の保管 と、溶融製膜する直前〜 1週間前の間に行う直前乾燥工程を介して溶融製膜しても よい。
[0102] また、本発明の光学用セルロースエステルフィルムには、マット剤として微粒子を加 えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては無機化合物として、例えば、 二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、 炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケィ酸カル シゥム、ケィ酸アルミニウム、ケィ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることが できる。
[0103] 二酸化珪素微粒子の一次粒子平均径としては、 5〜16nmが好ましぐ 5〜12nm
力 り好ましい。一次粒子の平均径が小さい方がヘイズが低く好ましい。また、見かけ 比重は 90〜200gZLが好ましぐ 100〜200gZLがさらに好ましい。見かけ比重が 大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため 好ましい。
[0104] マット剤の添力卩量は lm2当たり 0. 01〜: L Og力 S好ましく、 0. 03〜0. 3gがさらに好 ましく、 0. 10〜0. 18g力特に好まし!/ヽ。
[0105] 二酸化珪素微粒子としては、例えば、 日本ァエロジル (株)製の AEROSIL R972 、 R972V, R974、 R812、 200、 200V, 300、 R202、 OX50、 TT600等力挙げら れ、この中でも、 AEROSIL200V, R972Vは一次平均粒子径が 20nm以下であり、 かつ見かけ比重が 70gZL以上である二酸化珪素の微粒子であり、セルロースエス テルフィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ま しい。
[0106] また、酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、ァエロジル R976及び R811 ( 以上日本ァエロジル (株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。また 、ポリマーの例として、シリコーン榭脂、弗素榭脂及びアクリル榭脂を挙げることができ る。シリコーン榭脂が好ましぐ特に三次元の網状構造を有するものが好ましぐ例え ば、トスノ ール 103、同 105、同 108、同 120、同 145、同 3120及び同 240 (以上東 芝シリコーン (株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
[0107] これら微粒子は、通常平均粒径が 0. 01〜: L 0 mの二次粒子を形成させることが 好ましく、 0. 1〜0. 8 m力さらに好ましく、 0. 2〜0. 5 m力 ^最も好ましい。これら の微粒子はフィルム中では、一次粒子の凝集体として存在しフィルム表面に 0. 01〜 1. 0 mの凹凸を形成させる。これらの微粒子の含有量は、セルロースエステルフィ ノレムに対して 0. 005-0. 3質量0 /0力 S好ましく、 0. 05〜0. 2質量0 /0力 S好ましく、 0. 1 〜0. 2質量%が最も好ましい。
[0108] 本発明の光学用セルロースエステルフィルムにおいて配向膜を形成して液晶層を 設け、セルロースエステルフィルムと液晶層由来のリタ一デーシヨンを複合ィ匕して光 学補償能を付与して、液晶表示品質の向上のためにこのような偏光板加工を行って もよい。リタ一デーシヨンを調節するために添加する化合物は、欧州特許第 911, 65
6A2号明細書に記載されて 、るような、二つ以上の芳香族環を有する芳香族化合物 をリタ一デーシヨン制御剤として使用することもできる。また 2種類以上の芳香族化合 物を併用してもよい。該芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加え て、芳香族性へテロ環を含む。芳香族性へテロ環であることが特に好ましぐ芳香族 性へテロ環は一般に不飽和へテロ環である。中でも 1, 3, 5—トリァジン環が特に好 ましい。
[0109] 本発明の光学用セルロースエステルフィルムは、寸度安定性が 23°C55%RHに 2 4時間放置したフィルムの寸法を基準としたとき、 80°C90%RHにおける寸法の変動 値が ± 1. 0%未満であることが好ましぐさらに好ましくは 0. 5%未満であり、特に好 ましくは 0. 1%未満である。
[0110] 本発明の光学用セルロースエステルフィルムは偏光板の保護フィルムとして用 、る ために、セルロースエステルフィルム自身に上記の範囲以上の変動を有すると、偏光 板としてのリタ一デーシヨンの絶対値と配向角が当初の設定とずれるために、表示品 質の向上能の減少あるいは表示品質の劣化を引き起こすことがある。
[0111] フィルム構成材料中の添加剤の存在は、該セルロースエステル、可塑剤、酸化防 止剤、その他必要に応じて添加する紫外線吸収剤やマット剤、リタ一デーシヨン制御 剤等、フィルムを構成する材料の少なくとも 1種以上に対して、変質や分解による揮 発成分の発生を抑制または防止する観点で優れて 、る。また添加剤自身もフィルム 構成材料の溶融温度領域において、揮発成分を発生しないことが求められる。
[0112] フィルム構成材料が溶融されるときの揮発成分の含有量は 1質量%以下、好ましく は 0. 5質量%以下、好ましくは 0. 2質量%以下、さらに好ましくは 0. 1質量%以下の ものであることが望ましい。本発明においては、示差熱質量測定装置 (セイコー電子 工業社製 TGZDTA200)を用いて、 30°Cから 350°Cまでの加熱減量を求め、その 量を揮発成分の含有量とする。
[0113] 本発明の光学用セルロースエステルフィルムは、延伸操作により屈折率制御を行う ことができる。延伸操作としては、セルロースエステルの 1方向に 1. 0〜2. 0倍及びフ イルム面内にそれと直交する方向に 1. 01-2. 5倍延伸することで好ましい範囲の屈 折率に制御することができる。
[0114] 例えば、フィルムの長手方向及びそれとフィルム面内で直交する方向、即ち幅手方 向に対して、逐次または同時に延伸することができる。このとき少なくとも 1方向に対し ての延伸倍率が小さ過ぎると十分な位相差が得られず、大き過ぎると延伸が困難とな り破断が発生してしまう場合がある。
[0115] 例えば、溶融して流延した方向に延伸した場合、幅方向の収縮が大き過ぎると、フ イルムの厚み方向の屈折率が大きくなり過ぎてしまう。この場合、フィルムの幅収縮を 抑制あるいは、幅方向にも延伸することで改善できる。幅方向に延伸する場合、幅手 で屈折率に分布が生じる場合がある。これは、テンター法を用いた場合にみられるこ とがあるが、幅方向に延伸したことでフィルム中央部に収縮力が発生し、端部は固定 されていることにより生じる現象で、所謂ボーイング現象と呼ばれるものと考えられる。 この場合でも、流延方向に延伸することでボーイング現象を抑制でき、幅手の位相差 の分布を少なく改善できるのである。
[0116] さらに、互いに直行する 2軸方向に延伸することにより、得られるフィルムの膜厚変 動が減少できる。セルロースエステルフィルムの膜厚変動が大き過ぎると位相差のム ラとなり、液晶ディスプレイに用いたとき着色等のムラが問題となることがある。
[0117] セルロースエステルフィルム支持体の膜厚変動は、 ± 3%、さらに ± 1%の範囲とす ることが好ましい。以上のような目的において、互いに直交する 2軸方向に延伸する 方法は有効であり、互いに直交する 2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的には流 延方向に 1. 0〜2. 0倍、幅方向に 1. 01-2. 5倍の範囲とすることが好ましぐ流延 方向に 1. 01〜: L 5倍、幅方向に 1. 05〜2. 0倍に範囲で行うこと力好まし!/ヽ。
[0118] 応力に対して、正の複屈折を得るセルロースエステルを用いる場合、幅方向に延伸 することで、セルロースエステルフィルムの遅相軸が幅方向に付与することができる。 この場合、本発明において、表示品質の向上のためには、セルロースエステルフィル ムの遅相軸力 幅方向にある方が好ましぐ(幅方向の延伸倍率) > (流延方向の延 伸倍率)を満たすことが必要である。
[0119] ウェブを延伸する方法には特に限定はない。例えば、複数のロールに周速差をつ け、その間でロール周速差を利用して縦方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリツ プゃピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げて縦方向に延伸する方
法、同様に横方向に広げて横方向に延伸する方法、あるいは縦横同時に広げて縦 横両方向に延伸する方法等が挙げられる。もちろんこれ等の方法は、組み合わせて 用いてもよい。また、所謂テンター法の場合、リニアドライブ方式でクリップ部分を駆 動すると滑らかな延伸を行うことができ、破断等の危険性が減少できるので好ましい。
[0120] 製膜工程のこれらの幅保持あるいは横方向の延伸はテンターによって行うことが好 ましぐピンテンターでもクリップテンターでもよい。
[0121] 本発明の光学用セルロースエステルフィルムを偏光板保護フィルムとした場合、該 保護フィルムの厚さは 10〜500 /ζ πιが好ましい。特に 20 m以上、さらに 35 m以 上が好ましい。また、 150 /z m以下、さらに 120 m以下が好ましい。特に好ましくは
25〜90 μ mが好ましい。上記領域よりもセルロースエステルフィルムが厚いと偏光板 加工後の偏光板が厚くなり過ぎ、ノート型パソコンやモノィル型電子機器に用いる液 晶表示においては、特に薄型軽量の目的には適さない。一方、上記領域よりも薄い とリタ一デーシヨンの発現が困難となること、フィルムの透湿性が高くなり偏光子に対 して湿度力 保護する能力が低下してしまうために好ましくな!/、。
[0122] 本発明の光学用セルロースエステルフィルムの遅相軸または進相軸がフィルム面 内に存在し、製膜方向とのなす角を 0 1とすると 0 1は一 1〜+ 1° であることが好ま しく、 0. 5〜+ 0. 5° であることがより好ましい。この θ 1は配向角として定義でき、 θ 1の測定は、 自動複屈折計 KOBRA— 21ADH (王子計測機器)を用いて行うこと ができる。
[0123] θ 1が各々上記関係を満たすことは、表示画像において高い輝度を得ること、光漏 れを抑制または防止することに寄与でき、カラー液晶表示装置においては忠実な色 再現を得ることに寄与できる。
[0124] 本発明の光学用セルロースエステルフィルムはセルロースエステル以外の高分子 材料やオリゴマーを適宜選択して混合してもよ ヽ。前述の高分子材料やオリゴマー はセルロースエステルと相溶性に優れるものが好ましぐフィルムにしたときの透過率 力 ¾0%以上、さらに好ましくは 90%以上、さらに好ましくは 92%以上であることが好 ましい。セルロースエステル以外の高分子材料やオリゴマーの少なくとも 1種以上を 混合する目的は、加熱溶融時の粘度制御やフィルム加工後のフィルム物性を向上す
るために行う意味を含んでいる。この場合は、上述のその他添加剤として含むことが できる。
[0125] 本発明に係るセルロースエステル及び添加剤の混合物を熱風乾燥または真空乾 燥した後、溶融押出し、 T型ダイよりフィルム状に押出して、静電印加法等により冷却 ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸フィルムを得る。冷却ドラムの温度は 90〜1 50°Cに維持されて 、ることが好まし!/、。
[0126] 溶融押出しは一軸押出し機、二軸押出し機、さらに二軸押出し機の下流に一軸押 出し機を連結して用いてもよいが、得られるフィルムの機械特性、光学特性の点から 、一軸押出し機を用いることが好ましい。さらに原料タンク、原料の投入部、押出し機 内といった原料の供給、溶融工程を、窒素ガス等の不活性ガスで置換、あるいは減 圧することが好ましい。
[0127] 前記溶融押出し時の温度は、通常 150〜300°Cの範囲、好ましくは 180〜270°C 、さらに好ましくは 200〜250°Cの範囲である。
[0128] 本発明の光学用セルロースエステルフィルムを偏光板保護フィルムとして偏光板を 作製した場合、該セルロースエステルフィルムは、幅手方向もしくは製膜方向に延伸 製膜されたフィルムであることが特に好まし 、。
[0129] 前述の冷却ドラム力 剥離され、得られた未延伸フィルムを複数のロール群及び Z または赤外線ヒーター等の加熱装置を介してセルロースエステルのガラス転移温度( Tg)から Tg+ 100°Cの範囲内に加熱し、一段または多段縦延伸することが好ましい 。次に、上記のようにして得られた縦方向に延伸されたセルロースエステルフィルムを 、 Tg〜Tg— 20°Cの温度範囲内で横延伸し、次いで熱固定することが好ましい。
[0130] 横延伸する場合、 2つ以上に分割された延伸領域で温度差を 1〜50°Cの範囲で順 次昇温しながら横延伸すると、幅方向の物性の分布が低減でき好ましい。さらに横延 伸後、フィルムをその最終横延伸温度以下で Tg— 40°C以上の範囲に 0. 01〜5分 間保持すると幅方向の物性の分布がさらに低減でき好まし ヽ。
[0131] 熱固定は、その最終横延伸温度より高温で、 Tg— 20°C以下の温度範囲内で通常 0. 5〜300秒間熱固定する。この際、 2つ以上に分割された領域で温度差を 1〜: LO o°cの範囲で順次昇温しながら熱固定することが好ましい。
[0132] 熱固定されたフィルムは通常 Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部 分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、 Tg以上の温度範囲内で、 横方向及び Zまたは縦方向に 0. 1〜10%弛緩処理することが好ましい。また冷却は 、最終熱固定温度から Tgまでを、毎秒 100°C以下の冷却速度で徐冷することが好ま しい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなぐ従来公知の手段で行えるが、特 に複数の温度領域で順次冷却しながらこれらの処理を行うことがフィルムの寸法安定 性向上の点で好ましい。尚、冷却速度は、最終熱固定温度を Tl、フィルムが最終熱 固定温度から Tgに達するまでの時間を tとしたとき、 (Ti— Tg) Ztで求めた値である
[0133] これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成する セルロースエステルにより異なるので、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、 好ま 、特性を有するように適宜調整することにより決定すればょ ヽ。
[0134] 本発明の光学用セルロースエステルフィルム製造に際し、延伸の前及び Zまたは 後で帯電防止層、ハードコート層、反射防止層、易滑性層、易接着層、防眩層、バリ ァ一層、光学補償層等の機能性層を塗設してもよい。特に、帯電防止層、ハードコー ト層、反射防止層、易接着層、防眩層及び光学補償層から選ばれる少なくとも 1層を 設けることが好ましい。この際、コロナ放電処理、プラズマ処理、薬液処理等の各種 表面処理を必要に応じて施すことができる。
[0135] また、本発明に光学用セルロースエステルフィルムにおいて、セルロースエステル の種類、あるいは添加剤の種類は含有量の異なる層を共押出しして、積層構造を有 するセルロースエステルフィルムとしてもよ!/、。
[0136] 例えば、スキン層 Zコア層 Zスキン層といった構成のセルロースエステルフィルムを 作ることができる。例えば、マット剤等の微粒子は、スキン層に多ぐまたはスキン層の みに入れることができる。また、スキン層には、けん化が容易なジァセチルセルロース による溶融押出し層を形成してもよい。ジァセチルセルロースの溶融押出しは、公知 の方法に従って達成することができる。また、スキン層に低揮発性の可塑剤及び Zま たは紫外線吸収剤を含ませ、コア層に可塑性に優れた可塑剤、あるいは紫外線吸収 性に優れた紫外線吸収剤を添加することもできる。スキン層とコア層のガラス転移温
度が異なっていてもよぐスキン層のガラス転移温度よりコア層のガラス転移温度を低 くしてもよい。また、溶融流延時のセルロースエステルを含む溶融物の粘度もスキン 層とコア層で異なっていてもよぐスキン層の粘度 >コア層の粘度でも、コア層の粘度 ≥スキン層の粘度でもよいが、薄い方の層(通常スキン層)の粘度が高いほうが、均 一な膜厚の積層体を得ることができる。
[0137] 〔偏光板、液晶表示装置〕
液晶表示装置に本発明の光学用セルロースエステルフィルムを偏光板保護フィル ムとして偏光板を形成し用いる場合、少なくとも一方の面の偏光板が本発明の偏光 板であることが好ましぐ両面が本発明の偏光板であることがより好ましい。
[0138] なお、従来の偏光板保護フィルムとしては、コ-カミノルタタック KC8UX、 KC4UX 、 KC5UX、 KC8UYゝ KC4UYゝ KC8UCR— 3、 KC8UCR— 4、 KC12URゝ KC8 UXW— H、 KC8UYW— HA、 KC8UX— RHA (コ-力ミノルタォプト(株)製)等の セルロースエステルフィルムが用いられる。
[0139] 本発明の偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することがで きる。得られた偏光板保護フィルムをアルカリ処理し、ポリビュルアルコールフィルム を沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全鹼ィ匕ポリビニルアルコ ール水溶液を用いて、偏光子の両面に偏光板保護フィルムを貼り合わせることがで きる。この方法は、少なくとも片面に本発明の偏光板保護フィルムを偏光子に直接貼 合できる点で好ましい。
[0140] また、上記アルカリ処理の代わりに特開平 6— 94915号、同 6— 118232号に記載 されて 、るような易接着加工を施して偏光板加工を行ってもょ 、。
[0141] 偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、さらに該 偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構 成することができる。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、輸 送時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルム は、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶セルへ貼合する面の 反対面側に用いられる。また、セパレートフィルムは粘着層をカバーする目的で用い られる。
[0142] 液晶表示装置には通常 2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、 本発明のセルロースエステルフィルムを適用した偏光子保護フィルムは寸法安定性 が高いため、どの部位に配置しても優れた表示性が得られる。液晶表示装置の表示 側最表面の偏光子保護フィルムには、クリアハードコート層、防眩層、反射防止層等 が設けられた偏光子保護フィルムをこの部分に用いることが好まし 、。また光学補償 層を設けた偏光子保護フィルムや、延伸操作等によりそれ自身に適切な光学補償能 を付与した偏光子保護フィルムの場合には、液晶セルと接する部位に配置すること で、優れた表示性が得られる。特にマルチドメイン型の液晶表示装置、より好ましくは 複屈折モードによってマルチドメイン型の液晶表示装置に使用することが本発明の 効果をより発揮することができる。
[0143] マルチドメイン化とは、 1画素を構成する液晶セルをさらに複数に分割する方式であ り、視野角依存性の改善 ·画像表示の対称性の向上にも適しており、種々の方式が 報告されている「置田、山内:液晶, 6 (3) , 303 (2002)」。該液晶表示セルは、「山 田、山原:液晶, 7 (2) , 184 (2003)」にも示されており、これらに限定される訳では ない。
[0144] 表示セルの表示品質は、人の観察において左右対称であることが好ましい。従って 、表示セルが液晶表示セルである場合、実質的に観察側の対称性を優先してドメイ ンをマルチ化することができる。ドメインの分割は、公知の方法を採用することができ 、 2分割法、より好ましくは 4分割法によって、公知の液晶モードの性質を考慮して決 定できる。
[0145] 本発明の偏光板は垂直配向モードに代表される MVA (Multi— domein Vertic al Alignment)モード、特に 4分割された MVAモード、電極配置によってマルチド メイン化された公知の PVA (Patterned Vertical Alignment)モード、電極配置 とカイラル能を融合した CPA (Continuous Pinwheel Alignment)モードに効果 的に用いることができる。また、 OCB (Optical Compensated Bend)モードへの 適合においても光学的に二軸性を有するフィルムの提案が開示されており(T. Miya shita, T. Uchida:J. SID, 3 (1) , 29 (1995) )、本発明の偏光板によって表示品 質において、本発明の効果を発現することもできる。本発明の偏光板を用いることに
よって本発明の効果が発現できれば、液晶モード、偏光板の配置は限定されるもの ではない。
[0146] 該液晶表示装置はカラー化及び動画表示用の装置としても高性能であるため、本 発明のセルロースエステルフィルムを用いた液晶表示装置、特に大型の液晶表示装 置の表示品質は、眼が疲れに《忠実な動画像表示が可能となる。
[0147] 〔合成例〕
以下、本発明の化合物の合成法を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限 定されるものではない。
[0148] 合成例 1
〈例示化合物 2の合成〉
化合物 A 2gをトルエン 10mlに懸濁させ、 DMF 0. lml、塩化チォ-ル 1. 14g を加えて 60°Cに加熱して 30分撹拌した。反応が進行するにつれて溶解し始め、反 応終了後均一溶液になった。反応混合液の溶媒を減圧除去した。残渣にァセトニトリ ル 80mlをカ卩えて懸濁させた。別容器にジエチレングリコール 0. 34g、ピリジン 0. 76gをァセトニトリルで溶解して、 75°Cに加熱して撹拌した。その中へ先ほどのァセト 二トリル懸濁液を素早く加えて 75°Cを保持したまま 2時間撹拌した。反応終了後、冷 却した後ァセトニトリルを減圧除去して酢酸ェチルと水を加えて抽出した。有機層を 減圧除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、さらに酢酸ェチ ルから再結晶を行い、例示化合物 2を 0. 4g (収率 18%)得た。構造は NMRと Mass スペクトルにより確認した。
[0149] lH-NMR (d-DMSO): σ 1. 28 (s, 18H) ; 3. 92 (m, 4H) ;4. 51 (m, 4H); 7. 09 (d, J = 8. 8Hz, 2H) ; 7. 49 (dd, J = 2. 4Hz, 8. 5Hz, 2H) ; 7. 71 (d, J = 2 . 4Hz, 2H) ; 7. 93 (d, J = 8. 8Hz, 2H) ; 7. 99 (d, J = 8. 8Hz, 2H) ; 8. 60 (s, 2 H) ; 10. 2 (s, 2H)
[0150] [化 17]
〈例示化合物 3の合成〉
化合物 A 2gをトルエン 10mlに懸濁させ、 DMF 0. lml、塩化チォニル 1. 14g を加えて 60°Cに加熱して 30分撹拌した。反応が進行するにつれて溶解し始め、反 応終了後均一溶液になった。反応混合液の溶媒を減圧除去した。残渣にァセトニトリ ル 80mlをカ卩えて懸濁させた。別容器に 2, 2—ジメチルプロパンジオール 0. 33g、
ピリジン 0.76gをァセトニトリルで溶解して、 75°Cに加熱して撹拌した。その中へ先 ほどのァセトニトリル懸濁液を素早く加えて 75°Cを保持したまま 2時間撹拌した。反応 終了後、冷却した後ァセトニトリルを減圧除去して酢酸ェチルと水をカ卩えて抽出した 。有機層を減圧除去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、さら に酢酸ェチルカも再結晶を行い、例示化合物 3を 0.4g (収率 18%)得た。構造は N MRと Massスペクトルにより確認した。
[0152] lH-NMR(d-DMSO): σ 0.97(s, 6H) ;1.31 (s, 18H) ;4.34 (s, 4H) ;7.
12 (d, d=8.8Hz, 2H) ;7.51 (dd, J = 2.4Hz, 8.8Hz, 2H) ;7.74(d, J = 2. 4Hz, 2H) ;8.04 (dd, J=l.4Hz, 9.0Hz, 2H) ;8.18(d, J = 9.0Hz, 4H);8 .71 (s, 2H) ;10.3(s, 2H)
[0153] [化 18]
[0154] 例示した他の化合物も同様にして合成できる。
実施例
[0155] 以下、実施例により本発明の態様を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限 定されるものではない。なお、以下に記載の「部」は「質量部」を表す。
[0156] 実施例 1
〔光学用セルロースエステルフィルム試料 1 1の作製〕
セルロースエステル C—l (イーストマンケミカル社製、 CAP— 482— 20)を、空気 中、常圧下で 130°C、 2時間乾燥し、室温まで放冷した。このセルロースエステルに 比較ィ匕合物 1をセルロースエステルに対して 1. 2質量部添カ卩し、この混合物を 230 °Cの溶融温度に加熱溶融した後、 T型ダイより溶融押出成形し、さらに 160°Cにおい て 1. 2 X 1. 2の延伸比で延伸し、膜厚 80 mの光学用セルロースエステルフィルム 試料 1—1を得た 0
[0157] 〔光学用セルロースエステルフィルム試料 1 2〜1 35の作製〕
光学用セルロースエステルフィルム試料 1 1の作製において、セルロースエステ ルの種類、紫外線吸収剤を表 1のように変更した以外は同様にして、光学用セル口 ースエステルフィルム試料 1 2〜 1 35 ( 、ずれも膜厚 80 μ m)を作製した。
[0158] [化 19] 比較化合物 1 比較化合物 2
[0159] [表 1]
試料 セ ロース 紫外線吸収剤
備考
No. エステル 種類 量 (質量部)
1一 1 C-1 比較化合物 1 1.2 比較例
1一 W 2 o C一 1 比較化合物 2 1.2 比較例
1-3 C-2 比較化合物 1 1.2 比較例
1-4 C一 2 比較化合物 2 1.2 比較例
1- 5 C一 3 比較化合物 1 1.2 比較例
1 6 C一 3 比較化合物 2 1.2 比較例
1- 7 C一 4 比較化合物 1 1.2 比較例
1一 8 C-4 比較化合物 2 1.2 比較例
1-9 C一 1 2 1.2 本発明
1— 10 C一 1 3 1.2 本発明
1一 11 C-1 5 1.2 本発明
1一 12 C-1 22 1.2 本発明
1-13 C-1 28 1.2 本発明
1一 14 C 1 32 1.2 本発明
1 15 C一 2 2 1.2 本発明
1一 16 C一 2 3 1.2 本発明
1-17 C一 2 18 1.2 本発明
1—18 C-2 22 1.2 本発明
1-19 C-2 29 1.2 本発明
C-2 32 1.2 本発明
1-21 C 3 2 1.2 本発明
1-22 C 3 3 1.2 本発明
1-23 C 3 18 1.2 本発明
1-24 C一 3 21 1.2 本発明
1一 25 C一 3 25 1.2 本発明
1-26 C一 3 29 1.2 本発明
1一 27 C一 4 2 1.2 本発明
1-28 C-4 3 1.2 本発明
1-29 C-4 8 1.2 本発明
C-4 21 1.2 本発明
1-31 C-4 29 1.2 木発明
1一 32 C一 4 32 1.2 本発明
1一 33 C一 3 37 1.2 本発明
1-34 C一 3 39 1.2 本発明
1一 35 C一 3 41 1.2 本発明 C— 1:セルロースアセテートプロピオネート CAP482— 20 (イーストマンケミカル 社製)
C— 2:セルロースアセテートブチレート CAB 171—15 (イーストマンケミカル社製
)
C— 3 :セルロースアセテートプロピオネート(ァセチル基置換度 1. 9、プロピオ-ル 基置換度 0. 8、分子量 Mn= 70, 000、分子量 Mw= 220, 000、 Mw/Mn= 3)
C— 4 :セルローストリアセテート(ァセチル置換度 2. 88、分子量 Mn= 148000、 分子量 Mw= 310000、 Mw/Mn= 2. 1)
〔光学用セルロースエステルフィルムの評価〕
以上のように作製した光学用セルロースエステルフィルム試料について、以下のよ うな評価を行った。
[0161] (UV吸収性能)
Spectrophotometer U— 3200 (日立製作所製)を用い、セルロースエステルフ イルムの分光吸収スペクトルを測定し、 400nmと 380nmにおける透過率を求め、以 下のようにランク分けを行った。各ランクにおいて、 400nmの透過率は高い程優れて おり、 380nmの透過率は低い程優れている。
[0162] 〈400nm透過率〉
A:透過率 80%以上
B:透過率 70%以上 80%未満
C:透過率 60%以上 70%未満
D:透過率 60%未満
〈380nm透過率〉
A:透過率 5%未満
B:透過率 5%以上 8%未満
C :透過率 8%以上 10%未満
D:透過率 10%以上
(耐久性:ブリードアウト)
セルロースエステルフィルムを、 80°C、 90%RHの高温高湿雰囲気下で 1000時間 放置後、セルロースエステルフィルム表面のブリードアウト (結晶析出)の有無を目視 観察し、下記に記載の基準に従って評価を行った。
[0163] ◎:表面にブリードアウトの発生が全く認められない
〇:表面で、部分的なブリードアウトが僅かに認められる
△:表面で、全面に亘りブリードアウトが僅かに認められる
X:表面で、全面に亘り明確なブリードアウトが認められる
(リタ一デーシヨンの変動係数 (CV) )
成形されたフィルムから表層を剥離して、得られたセルロースエステルフィルムの幅 手方向に lcm間隔でリタ一デーシヨンを測定し、下記式より得られたリタ一デーシヨン の変動係数 (CV)で表したものである。測定には自動複屈折計 KOBURA' 21ADH (王子計測器 (株)製)を用いて、 23°C、 55%RHの環境下で、波長が 590nmにおい て、試料の幅手方向に lcm間隔で 3次元複屈折率測定を行い測定値を次式に代入 して求めた。
[0164] 面内リタ一デーシヨン Ro= (nx-ny) X d
厚み方向リタ一デーシヨン Rt= ( (nx+ny) Z2— nz) X d
式中、 dはフィルムの厚み(nm)、屈折率 nx (フィルムの面内の最大の屈折率、遅相 軸方向の屈折率ともいう)、 ny (フィルム面内で遅相軸に直角な方向の屈折率)、 nz ( 厚み方向におけるフィルムの屈折率)である。得られた面内及び厚み方向のリターデ ーシヨンをそれぞれ (n— 1)法による標準偏差を求めた。リタ一デーシヨン分布は以下 で示される変動係数 (CV)を求め、指標とした。実際の測定にあたっては、 nとしては 130〜140に設定した。
[0165] 変動係数 (CV) =標準偏差 Zリタ一デーシヨン平均値
◎:ばらつきが(CV)が 1. 5%未満
〇:ばらつき(CV)が 1. 5%以上 5%未満
△:ばらつき(CV)が 5%以上、 10%未満
X:ばらつき(CV)が 10%以上
(ヘイズ)
ヘイズ計(1001DP型、 日本電色工業 (株)製)を用いて測定した結果から、試料の 厚さが 80 mの場合のヘイズの値に換算して表示した。評価は、ヘイズが 0. 5%未 満を◎、 0. 5〜1. 0%未満を〇、 1. 0〜1. 5%未満を△、 1. 5%以上を Xとした。
[0166] (耐光性)
以下に記載の方法に従 、、セルロースエステルフィルムのアルカリケン化処理を行 つた後、偏光板を作製し、未処理試料の平行透過率 (HO)と直行透過率 (H90)を測 定し、下式に従って偏光度を算出した。その後、各々の偏光板をサンシャインゥェザ 一メーター 500時間、 UVカットフィルター無しでの条件で強制劣化処理を施した後、 再度、劣化処理後の平行透過率 (ΗΟ' )と直行透過率 (Η90' )を測定し、下式に 従って偏光度 Ρ0、 Ρ500を算出し、偏光度変化量を下記式により求めた。
[0167] 〈アルカリケンィ匕処理〉
ケン化工程: 2モル ZLNaOH 50°C 90秒
水洗工程 : 水 30°C 45秒
中和工程 :10質量%HC1 30°C 45秒
水洗工程 : 水 30°C 45秒
上記条件で各試料を、ケン化、水洗、中和、水洗の順に行い、次いで 80°Cで乾燥 を行った。
[0168] 〈偏光板の作製〉
厚さ 120 mのポリビュルアルコールフィルムを、沃素 lkg、ホウ酸 4kgを含む水溶 液 100kgに浸漬し、 50°Cで 6倍に延伸して偏光膜を作製した。この偏光膜の両面に 、上記アルカリケンィ匕処理を行った試料を、完全ケンィ匕型ポリビュルアルコール 5% 水溶液を粘着剤として各々貼り合わせ偏光板を作製した。
[0169] 〈偏光度 P0、 P500の算出〉
偏光度 P0 =〔 (H0 -H90) / (H0 +H90)〕 1/2 X 100
偏光度 Ρ500 =〔(Η0' -H90' ) / (Η0' +H90' ) ] 1/2 X 100
偏光度変化量 = Ρ0 - Ρ500
Ρ0 :強制劣化前の偏光度
Ρ500:強制劣化処理 500時間後の偏光度
〈耐光性の判定〉
以上のようにして求めた偏光度変化量を、以下の基準に則り判定し、耐光性の評価 を行った。
[0170] ◎:偏光度変化量 10%未満
〇:偏光度変化量 10%以上 25%未満
X:偏光度変化量 25%以上
以上により得られた結果を表 2に示す。
2] 試料 UV吸収性能 ブリ一ド リターデーションの
ヘイズ 耐光性 備考
No. 400nm透過率 380 nm透過率 ァゥト 変動係数 (CV)
1一 1 A C X Δ ◎ X 比較例
1一 2 A B Δ 〇 ◎ 〇 比較例
1 3 A C X Δ ◎ X 比較例
1- 4 A B Δ 〇 ◎ 〇 比較例
1- 5 A C X Δ ◎ X 比較例
1- 6 A B Δ 〇 ◎ 〇 比較例
1一 7 A C X Δ ◎ X 比較例
1-8 A A Δ 〇 ◎ 〇 比較例
1 9 A A ◎ ◎ ◎ 本発明
1— 10 A A ◎ ◎ ◎ 本発明
1 11 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1 12 A A ◎ 〇 〇 ◎ 本発明
1 13 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1-14 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1-15 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1-16 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1-17 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1—]8 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1-19 A A ◎ 〇 〇 ◎ 本発明
1 20 A A ◎ ◎ ◎ © 本発明
1 21 A A © ◎ ◎ ◎ 本発明
1一 22 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1-23 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1 -24 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1-25 A A ◎ ◎ ◎ 本発明
1-26 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1 27 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1-28 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1-29 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1-30 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1 31 A A ◎ 〇 〇 ◎ 本発明
1— 32 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1 33 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1— 34 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
1-35 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
[0172] 表 2より明らかなように、本発明に係る紫外線吸収剤を含有した本発明の光学用セ ルロースエステルフィルム試料は、比較例に対し、 UV吸収性能、ヘイズ特性、耐久 性及び耐光性の 、ずれにお!、ても優れて 、ることが分かる。
[0173] 実施例 2
実施例 1と同様にして、セルロースエステルの種類、紫外線吸収剤及び各種添カロ 剤を表 3、 4のように変えた以外は同様にして、光学用セルロースエステルフィルム試 料 ( 、ずれも膜厚 80 μ m) 2— 1〜 2— 35を作製した。
[0174] [化 20]
[0175] [表 3]
〔〕
[0177] 作製した光学用セルロースエステルフィルムを用いて、実施例 1と同様な評価を行 い、その結果を表 5に示す。
[0178] [表 5]
試料 吸収性能 ブリ一ド リターデーションの
ヘイズ 耐光性 備考
No. 400mn透過率 380nin透過率 ァゥト 変動係数 (CV)
2— 1 A C X Δ ◎ X 比較例
2— 2 A B Δ 〇 ◎ 〇 比較例
2— 3 A C X Δ ◎ X 比較例
2- 4 A B Δ O ◎ 〇 比較例
2— 5 A C X Δ ◎ X 比較例
2— 6 A B Δ 〇 ◎ 〇 比較例
2 - 7 A C X Δ ◎ X 比較例
2- 8 A B X 〇 ◎ X 比較例
2- 9 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2— 10 A A ◎ ◎ ◎ 本発明
2-11 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2— 12 A A ◎ 〇 © ◎ 本発明
2— 13 A A ◎ ◎ @ ◎ 本発明
2-14 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2-15 A A ◎ ◎ ◎ 本発明
2-16 A A ◎ ◎ ◎ 本発明
2— 17 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2-18 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2-19 A A ◎ 〇 ◎ ◎ 本発明
2-20 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2-21 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2-22 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2— 23 A A ◎ ◎ ◎ © 本発明
2— 24 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2— 25 A A ◎ ◎ ◎ 本発明
A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2-27 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2— 28 A A ◎ ◎ © ◎ 本発明
2-29 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2— 30 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2— 31 A A ◎ 〇 ◎ ◎ 本発明
A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2-33 A A ◎ ◎ ◎ ◎ 本発明
2-34 A A ◎ ◎ ◎ 本発明
2— 35 A A ◎ ◎ ◎ 本発明
[0179] 表 5より明らかなように、本発明に係る紫外線吸収剤を含有した本発明の光学用セ ルロースエステルフィルム試料は、比較例に対し、 UV吸収性能、ヘイズ特性、耐久 性及び耐光性の 、ずれにぉ 、ても優れて 、ることが分かる。
[0180] 実施例 3
実施例 2と同様にして、セルロースエステルの種類、紫外線吸収剤及び各種添カロ
剤を表 6、 7のように変えた以外は同様にして、光学用セルロースエステルフィルム試 料 (いずれも膜厚 80 ;ζ ΐη) 3— 1〜3— 35を作製して、偏光板を作製した。次に、反射 型 TFTカラー液晶表示装置を搭載した市販の携帯機器 (シャープ製 パーソナルモ バイルツール Zaurus 型名: MI— L1)の偏光板を注意深く剥離し、ここに作製した 偏光板を、偏光方向を合わせて液晶表示パネルに張り付けた。
[0182] [表 6]
^〕〕〔〔70183
それぞれの液晶表示パネルについて、目視にてコントラストを評価した結果、本発 明の偏光板を用いた液晶表示パネルは、比較例の偏光板を用いた液晶表示パネル に対し長期間に渡って、高いコントラストが維持され、不自然な黄色みもなぐ色再現 性に優れてレヽることが確認された。