WO2007069468A1 - サイトカイン分泌促進剤 - Google Patents

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Takuji Nakajima
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Abstract

 強い副作用を有し、かつ高価な免疫賦活化剤及びサイトカイン療法に代わって、生体へのサイトカイン供給にあたり安価でかつ安全性の高い剤及び医薬を提供する。  アルギン酸オリゴマーを含有してなる、TNF-αを除くサイトカインの分泌促進剤及びアルギン酸オリゴマーを有効成分として含有してなるコロニー刺激因子又はケモカインの分泌低下に起因する状態を改善するための医薬の使用により、サイトカインの分泌を促進させる。

Description

明 細 書
サイト力イン分泌促進剤
技術分野
[0001] 本発明は、アルギン酸オリゴマーのサイト力イン分泌促進作用に基づぐアルギン酸 オリゴマーの用途に関する。
背景技術
[0002] 近年、高齢化や環境の悪化により、癌、心筋梗塞、糖尿病による閉塞性動脈硬化 症等の様々な疾患を抱える患者が急増して 、る。これらの疾患を抱える患者に対す る有効な治療薬として、各種のサイト力インが注目されている。
[0003] コロニー刺激因子(Colony Stimulating Factor;以下 CSFと表記する)の一種である 顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte- Colony Stimulating Factor ;以下 G— CSFと 表記する)は、単球、マクロファージおよび血管内皮細胞等により分泌される造血因 子であり、生体内での好中球の増殖、分化、機能亢進とその末梢血への放出ならび に血管新生の促進や血管内皮細胞のアポトーシスの抑制等の作用を有することが知 られている(非特許文献 1参照)。一方、ケモカインの一種である Macrophage Inflamm atory Protein— 1 alpha (^λ r MIP— 1 と表己する)および Regulated upon Activation of Normal T cell Expressed and Secreted (以下 RANTESと表記する)は単球、リン パ球、榭状細胞を初めとする様々なエフェクター細胞に作用して遊走活性を示すこと で、免疫反応に多面的に寄与している(非特許文献 2および 3参照)。
[0004] 現在臨床応用されているか、または臨床応用に向けて検討されている免疫療法と しては、非特異的免疫賦活剤を利用した治療法およびサイト力インを利用した治療 法が挙げられる。非特異的免疫賦活剤としてはピシバニール、クレスチンおよびレン チナン等が、サイト力インとしては G— CSFおよび腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Fa ctor ;以下 TNFと表記する) α等が製剤化されて現在使用されている。これらの使 用は、被爆による骨髄障害の治療、抗癌剤の副作用である造血幹細胞の減少に伴う 血液障害、臓器移植による免疫抑制患者の治療および放射線治療後の顆粒球減少 の回復等に効果がある。また、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群 (MDS)および 後天性免疫症候群 (AIDS)等の慢性好中球減少症等に対しても効果が期待されて いる。し力しながら、これらの製剤は一般に高価であり、また過剰投与による間質性肺 炎等の重篤な副作用が報告されている。従って、患者自身のサイト力イン分泌能を高 めることが可能であって、かつ安全性の高い薬剤等の開発が望まれている。
[0005] アルギン酸は、褐藻類の細胞壁構成多糖あるいは細胞間充填物質として存在し、 細胞の保護剤として機能している。アルギン酸は、 β—D—マンヌロン酸 (以下 Μと表 記する)と ex—L グルロン酸 (以下 Gと表記する)の 2種類のゥロン酸力 構成され、 これらが 1 , 4ーグリコシド結合により種々の割合で結合した直鎖状のポリウロニド多糖 である。アルギン酸は、その分子中に Μが連なったポリ— 13—D マンヌロン酸部位 (以下 ΡΜと表記する)、 Gが連なったポリ a Lーグルロン酸部位 (以下 PGと表記 する)ならびに Mおよび Gが交互配列したセグメント部位 (以下 MGランダムと表記す る)を有し、これら 3つのドメインが混在した構造を有する。
[0006] アルギン酸はカルシウム添カ卩によりゲル化することから、アルギン酸ゲルは、生細胞 の固定剤および徐放性医薬品の担体等として幅広く利用されている。またアルギン 酸そのものは、食品の増粘剤、化粧品および繊維加工等の幅広い用途に活用され ている。
[0007] アルギン酸の生理機能としては、整腸作用、血中コレステロール値の低下作用およ び高血圧予防作用等が一般的に知られている。しかしながら、このような機能は「ポリ マーとしてのアルギン酸」に関するものであり、「アルギン酸オリゴマー」の生理機能に つ!ヽてはほとんど知られて 、なかった。
[0008] アルギン酸のサイト力インに関連する生理活性としては、アルギン酸のある試料がヒ トの単球を刺激して、 TNF— a、インターロイキン(Interleukin;以下 ILと表記する) 1 ι8および IL 6の分泌を促進すること (非特許文献 4参照)、マンヌロン酸残基を高 い割合で有するアルギン酸がマクロファージによるサイト力イン分泌のインデューサー として機能する可能性があること (非特許文献 5参照)が報告されて 、る。しかしなが ら、精製された PGおよび PMは、ヒトの単核細胞には何の影響も無ぐ一方で高分子 アルギン酸によるマクロファージからの TNF放出誘導作用には、アルギン酸の分子 量が 5万以上であることが必要との研究報告も存する。最近、本発明者等は、アルギ ン酸オリゴマーが単球 (マクロファージ)の TNF— a分泌を促進することを解明し、ォ リゴマーとしての有用性を見出した (特許文献丄参照)。
[0009] 特許文献 1:特開 2005-145885号公報
非特許文献 1 :Anal.Biochem.l95,38,1991
非特許文献 2 : Blood 100, 2195-2202, 2002
非特許文献 3 Neuropharmacology 39, 2505-2513, 2000
非特許文献 4:J. Immunother., 10, 286-291, 1991
非特許文献 5 : Infect. Immun., 61, 1917-1925, 1993
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0010] 本発明の課題は、サイト力イン療法または感染症予防に用いられる、安価でかつ安 全性の高い剤および医薬等を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0011] 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、酵素分解することで得ら れたアルギン酸オリゴマーが、細胞を活性ィ匕してサイト力インの分泌を促進させること を見出し、本発明を完成するに至った。
[0012] 即ち、本発明は以下のとおりである。
(1)アルギン酸オリゴマーを含有してなる、 TNF— αを除くサイト力インの分泌促進 剤。
(2)サイト力インが、コロニー刺激因子、ケモカイン、インターロイキンおよびインター フエロンからなる群より選ばれるものである、(1)記載の剤。
(3)コロニー刺激因子が G— CSFおよび GM— CSFであり、ケモカインが MIP—l α 、 RANTES、 MCP— 1、 Eotaxinおよび KCである、(2)記載の剤。
(4)インターロイキンが IL— 1 α、 IL— 1 j8、 IL— 2、 IL— 3、 IL— 4、 IL— 5、 IL— 6、 I L— 9、 IL— 10、 IL— 12 (p70)、 IL— 12 (p40)、 IL— 13、 IL— 17であり、インター フエロンが IFN— γである、(2)記載の剤。
(5)アルギン酸オリゴマーが、アルギン酸の酵素分解物またはその精製物である、 (1 )〜(4)の 、ずれかに記載の剤。 (6)アルギン酸オリゴマーがマンヌロン酸単独またはグルロン酸単独力もなるものであ る、(1)〜(5)のいずれかに記載の剤。
(7)アルギン酸オリゴマーの重合度が 3〜9である、 (1)〜(6)の!、ずれかに記載の 剤。
(8)アルギン酸オリゴマーを有効成分として含有してなる、コロニー刺激因子またはケ モカインの分泌低下に起因する状態を改善するための医薬。
(9)アルギン酸オリゴマーがアルギン酸の酵素分解物またはその精製物である(8)記 載の医薬。
(10)アルギン酸オリゴマーがマンヌロン酸単独またはグルロン酸単独力 なるもので ある、(8)または(9)記載の医薬。
(11)アルギン酸オリゴマーの重合度が 3〜9である、 (8)〜(10)の 、ずれかに記載 の医薬。
(12)コロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する状態の改善用医薬 を製造するためのアルギン酸オリゴマーの使用。
(13) (1)〜(7)のいずれか〖こ記載の剤を摂取する工程を含む、 TNF— αを除くサイ トカインの分泌を促進させる方法。
(14) (8)〜(11)の ヽずれかに記載の医薬をそれを必要とする対象に投与する工程 を含む、 TNF— aを除くサイト力インの分泌を促進させる方法。
(15) (8)〜(11)の ヽずれかに記載の医薬をそれを必要とする対象に投与する工程 を含む、コロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する状態を予防また は治療する方法。
(16)サイト力インカ コロニー刺激因子およびケモカインカもなる群より選ばれるもの である、(13)または(14)に記載の方法。
(17) (1)〜(7)のいずれか〖こ記載のサイト力インの分泌促進剤、および当該剤が TN F- αを除くサイト力インの分泌促進に使用することができることまたは使用すべきで あることを記載した当該剤に関する説明を記載した記載物を含む商業用パッケージ。
(18) (8)〜(11)のいずれかに記載の医薬、および当該医薬がコロニー刺激因子ま たはケモカインの分泌低下に起因する状態を予防または治療するために使用するこ とができることあるいは使用すべきであることを記載した当該医薬に関する説明を記 載した記載物を含む商業用パッケージ。
発明の効果
[0013] 本発明のサイト力インの分泌促進剤は、エフェクター細胞に作用し、当該細胞から サイト力インを効率的かつ用量依存的に分泌させることができる。また、本発明の剤 はヒトのみならず各種動物にも用いることができ、その免疫力を高めることができる。
[0014] 本発明の医薬は、サイト力イン療法を必要とする患者に、単独で、または他の薬剤 と併用して用いることにより、サイト力インの分泌を促進することができる。また本発明 の医薬は、免疫力の低下した動物に対する、種々の感染症等への抵抗性を向上さ せるための、感染症予防薬および治療薬としても有用である。
[0015] アルギン酸オリゴマーを使用し、医薬的に許容される担体等と製剤化することにより 、CSFまたはケモカインの分泌低下に起因する状態の改善用医薬を製造することが できる。
[0016] アルギン酸オリゴマーを使用することで、サイト力イン、特に CSFまたはケモカインの 分泌を促進させることができるので、 CSFまたはケモカインの分泌低下に起因する障 害または疾患を予防および Zまたは治療する方法を提供することができる。
[0017] 本発明の剤または医薬および当該剤または医薬に関する説明等を記載した記載 物を含む商業用パッケージを提供することができる。
図面の簡単な説明
[0018] [図 1]マンヌロン酸ポリマーとグルロン酸ポリマーの調製方法を示す図である。
[図 2]酵素消化したアルギン酸オリゴマー(以下、酵素処理アルギン酸オリゴマーと表 記する)をゲルろ過したチャートを示す図である。
[図 3]酵素処理アルギン酸オリゴマー混合物と、酸加水分解アルギン酸オリゴマー混 合物の G— CSF分泌促進活性の比較を示す図である。
[図 4]アルギン酸オリゴマー混合物(黒丸)およびアルギン酸ポリマー(白丸)のマウス 腹腔内投与による、 G— CSF分泌促進活性の経時変化を示す図である。
[図 5]アルギン酸オリゴマー混合物のマウス腹腔内投与による、投与量依存的な G— CSF分泌促進活性を示す図である。 [図 6-1]アルギン酸オリゴマー混合物のマウス腹腔内投与による、各種サイト力イン分 泌促進活性の経時変化を示す図である。
[図 6-2]アルギン酸オリゴマー混合物のマウス腹腔内投与による、各種サイト力イン分 泌促進活性の経時変化を示す図である。
[図 6-3]アルギン酸オリゴマー混合物のマウス腹腔内投与による、各種サイト力イン分 泌促進活性の経時変化を示す図である。
[図 7]マクロファージに対するアルギン酸オリゴマーの G— CSF分泌促進活性を示す 図である。
[図 8]マクロファージに対するアルギン酸オリゴマーの MIP— 1 a分泌促進活性を示 す図である。
[図 9]マクロファージに対するアルギン酸オリゴマーの RANTES分泌促進活性を示 す図である。
[図 10-1]マクロファージに対するアルギン酸オリゴマーの各種サイト力イン分泌活性 を示す図である。
[図 10-2]マクロファージに対するアルギン酸オリゴマーの各種サイト力イン分泌活性 を示す図である。
[図 11]マウス腹腔内マクロファージに対するアルギン酸オリゴマーの G— CSF分泌促 進活性を示す図である。
[図 12]アルギン酸オリゴマーのマウス腹腔内投与による G— CSF分泌促進活性を示 す図である。
[図 13]アルギン酸オリゴマーのマウス腹腔内投与が、濃度依存的な G— CSF分泌促 進活性を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
(ί)サイト力インの分泌 谁剤
本明細書中「サイト力イン」とは、免疫系、造血系などにおいて主要な細胞間情報伝 達を担う一群の液性因子を意味し、公知のサイト力イン、例えばインターロイキン (IL) 、インターフェロン (IFN)、腫瘍壊死因子 (TNF)、コロニー刺激因子(CSF)、トラン スフォーミング成長因子およびケモカインなどの自体公知のサイト力インだけでなぐ 将来発見されうるサイト力インをも意味し、 TNF— αを除く限りにおいて特に限定され ない。
本発明におけるサイト力インとしては、コロニー刺激因子、ケモカイン、インターロイ キンおよびインターフェロン力もなる群より選ばれるサイト力インが好ましい。
[0020] 本明細書中「コロニー刺激因子 (CSF)」とは、単球系細胞 (顆粒球、好中球、単球 など)に特異的に作用してそのコロニー形成を誘導する機能などを有するサイトカイ ンであり、例えば G— CSF、 GM (glanulocyte- macrophage) -CSF, M (macrophage )一 CSFなどが挙げられる。
本発明におけるコロニー刺激因子としては、 G— CSF、 GM— CSFが好ましい。
[0021] 本明細書中「ケモカイン」とは、免疫応答に関与する単球系細胞の遊走作用、活性 化などを制御するサイト力インであり、例えば CXCケモカイン [例、 KC (keratinocyte derived chemokine: CXCL8)等]、 CCケモカイン [例、 MCP (monocyte chemoattrac tant protein) - 1 (CCL2)、 MIP— 1 a (CCL3)、 MIP— 1 β (CCL4)、 RANTES ( CCL5)、 Eotaxin (CCLl l)等]、 Cケモカイン、 CX Cケモカインなどが挙げられる。
3
本発明におけるケモカインとしては、 MIP— 1 α、 RANTES, Eotaxin、 MCP— 1 、KCが好ましい。
[0022] 本明細書中「インターロイキン (IL)」とは、炎症反応、免疫反応の促進、造血、骨代 謝などの様々な生体反応に関与するサイト力インであり、例えば IL— 1 α、 IL— 1 18、 IL— 2、 IL— 3、 IL— 4、 IL— 5、 IL— 6、 IL— 7、 IL— 8、 IL— 9、 IL— 10、 IL— 11、 I L— 12 (ρ70 ;ρ40と ρ35のへテロ 2量体、 p40、 p35)、 IL— 13、 IL— 14、 IL— 15、 I L— 16、 IL— 17などが挙げられる。
本発明においては、 IL— l a、 IL— l j8、 IL— 2、 IL— 3、 IL— 4、 IL— 5、 IL— 6、 I L— 9、 IL— 10、 IL— 12 (p70)、 IL— 12 (p40)、 IL— 13、 IL— 17力 子ましく、 IL— 1 a、 IL- 1 β、 IL— 6、 IL— 9、 IL— 12 (p70)、 IL— 12 (p40)、 IL— 13力 り好ま しい。
[0023] 本明細書中「インターフェロン(Interferon ;以下 IFNと表記する)」とは、抗ウィルス 作用、細胞増殖抑制作用、抗腫瘍作用、免疫細胞活性化作用などの様々な生物活 性を有するサイト力インであり、例えば IFN— a、 IFN- β、 IFN— γなどが挙げられ る。本発明における IFNとしては、 IFN— yが好ましい。
[0024] 本明細書中「腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor ;TNF)」とは、種々の細胞に 対する細胞傷害作用、細胞増殖抑制作用などの様々な生物活性を有するサイトカイ ンであり、例えば TNF— a、 TNF- βなどが挙げられる。
[0025] 本明細書中「トランスフォーミング成長因子(Transforming Growth Factor ;TGF)」と は、細胞に対する増殖抑制作用、分化調節作用、遊走作用、各種細胞外マトリックス の産生促進作用などの様々な生物活性を有するサイト力インであり、 TGF— |8スー パーファミリーを構成する一群のペプチド、例えば TGF— β、ァクチビン、 BMPなど が挙げられる。
[0026] 本発明のアルギン酸オリゴマーは、各種細胞に作用して上記サイト力インの分泌を 促進させることができる。
[0027] 本発明の剤に含まれる「アルギン酸オリゴマー」は、アルギン酸を分解して得られた 重合度 20未満の G、 Mまたはその混合物力 なるオリゴ糖を意味する。
上記アルギン酸オリゴマーは、酵素分解物(すなわち、重合度の異なるアルギン酸 オリゴマーの混合物)そのものであるか、同じ重合度のアルギン酸オリゴマー精製物 であることが好ましい。また、上記アルギン酸オリゴマーは、マンヌロン酸のオリゴマー (以下、 Mオリゴマーと表記する場合がある)およびグルロン酸のオリゴマー(以下、 G オリゴマーと表記する場合がある)の混合物であっても、それぞれ単独であってもよい 力 マンヌロン酸単独またはグルロン酸単独であることが好まし 、。
さらに、本発明の剤においては、アルギン酸オリゴマーの重合度は 20未満、好まし くは 2〜15、特に好ましくは 3〜9である。
[0028] 本発明の剤におけるアルギン酸オリゴマーの含有量は、通常、 0. 01〜: L00重量0 /0 、好ましくは 0. 1〜90重量0 /0、より好ましくは 1〜10重量%である。
[0029] 本発明の剤は、アルギン酸オリゴマーそのものでも良 、が、任意の担体を含んで ヽ ても良い。当該担体としては、例えば、ショ糖、デンプン、マンニット、ソルビット、乳糖 、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の賦形剤、セ ノレロース、メチノレセノレロース、ヒドロキシプロピノレセノレロース、ポリプロピノレピロリドン、 ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、ショ糖、デンプン等の結合剤、デン プン、カノレボキシメチノレセルロース、ヒドロキシプロピノレスターチ、ナトリウムーグリコー ル—スターチ、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、クェン酸カルシウム等の崩壊 剤、ステアリン酸マグネシウム、エア口ジル、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム等の滑剤、 クェン酸、メントール、グリシルリシン-アンモ-ゥム塩、グリシン、オレンジ粉等の芳香 剤、安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン等 の保存剤、クェン酸、クェン酸ナトリウム、酢酸等の安定剤、メチルセルロース、ポリビ -ルピロリドン、ステアリン酸アルミニウム等の懸濁剤、界面活性剤等の分散剤、水、 生理食塩水、オレンジジュース等の希釈剤、カカオ脂、ポリエチレングリコール、白灯 油等のベースワックス等が挙げられる力 S、それらに限定されるものではない。
[0030] 本発明の剤の剤形としては、例えば固形剤 (例、顆粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤 およびトローチ剤等)、ならびに液剤 (例、注射剤、点滴剤および点眼剤等)が挙げら れるが、それらに限定されるものではない。アルギン酸オリゴマーは、低分子化されて おり、水等の溶媒に可溶であるため、上記いずれの剤形を採っても容易に摂取する ことができる。
[0031] 本発明の剤が作用する細胞としては特に限定されることなぐサイト力インを分泌す ることが従来公知な細胞または将来発見され得る細胞全てが含まれる。中でも CSF、 ケモカイン、 ILおよび IFN力 なる群力 選択されるサイト力インを分泌する細胞が好 ましぐ例えば、単球、マクロファージ、血管内皮細胞、好中球、好酸球、好塩基球、 マスト細胞、 Th2細胞、榭状細胞、ミクログリア細胞、 Thl細胞、メモリー T細胞、血管 平滑筋、 T細胞、 NK細胞、未成熟榭状細胞、血小板、上皮細胞、線維芽細胞、軟 骨細胞または肥満細胞等のエフェクター細胞が挙げられる。
また、本発明の剤が適用される生物としても特に限定されることは無ぐ例えば、ヒト を含む動物 (例、哺乳類、鳥類、魚類、爬虫類、両生類等)が挙げられる。
[0032] 本発明の剤は、単独で用いてもよいが、癌の化学療法および放射線療法等の際に 併用することもできる。例えば、抗癌剤、免疫療法剤、抗炎症剤、ビタミン剤等と組み 合わせて用いることができる。また、癌治療に用いる放射線照射前後にも投与するこ とができる。これらの剤を投与することにより発生する副作用により、サイト力インの分 泌が低下する場合に特に有用である。 [0033] 本発明の剤が含有するアルギン酸オリゴマーは、生体に対する毒性を有さず、また 副作用も生じさせない。従って、本発明の剤を一般の飲食品、サプリメント等に配合 することで、サイト力イン分泌促進機能 (免疫機構増強機能)を有する機能性飲食品 等を製造することもできる。アルギン酸オリゴマーを飲食品に配合して用いるには、そ の有効量を直接もしくは上記製剤形態で、飲食品原料の製造段階または飲食品の 製造段階において、添加、配合すればよい。
[0034] 次に、アルギン酸オリゴマーの調製方法について説明する。
アルギン酸オリゴマーの調製に使用されるアルギン酸としては特に限定されず、巿 販されているもの(例、アルギン酸ナトリウム)を用いてもよいし、コンブ、ワカメ、ヒジキ 等の褐藻類カゝら直接抽出したアルギン酸を用いてもよい。また褐藻類からの抽出方 法は特に限定されず、自体公知の抽出方法により行うことができる。
[0035] アルギン酸オリゴマーは、ポリマーのまま分解して製造してもよいが、予めアルギン 酸力も PGまたは PMを分離精製しておき、それらを分解することが好ましい。アルギ ン酸カもの PGまたは PMの分離精製は、 自体公知の方法により行うことができ、例え ば Haugらの不均一酸性加水分解法に準じた方法を好ましく利用することができる (A cta. Chem. Scand., 20, 183—190, 1966; Acta. chem. Scand., 21, 691—704, 1967参照
) o
[0036] 例えば図 1に示すように、アルギン酸ナトリウムを 0. 3M塩酸水溶液に懸濁し、 100 °Cで加熱した後、固形物を遠心分離またはろ過によって酸性溶液から分離する。次 いで得られた固形物 (残渣)を 0. 3M塩酸水溶液で洗浄し、水に懸濁し、希水酸ィ匕 ナトリウム溶液で中和 (pH = 7)して可溶ィ匕した後凍結乾燥して抗分別粉末を得る。さ らに、該粉末を 0. 1Mの塩化ナトリウム水溶液中に溶解し、塩酸水溶液を加え pH2. 85に調整して可溶ィ匕した PMと沈殿した PGに分離する。
[0037] 沈殿した PGは、 pH2〜3の塩酸で洗浄し、水に懸濁した後水酸ィ匕ナトリウム水溶液 で pH7に調整し溶解する。さらにエタノール(PG溶液 Zエタノール = 1Z2, vZv)を 添加して、 PGを沈殿させる。沈殿物をエタノールで 2回洗浄した後水に溶解し、凍結 乾燥することで精製 PG粉末を得ることができる。
[0038] 一方、可溶ィ匕した PMは、水酸ィ匕ナトリウム水溶液で pH7に調整し、エタノール (P M溶液 Zエタノール = 1Z2, vZv)を添加して、 PMを沈殿させる。沈殿物をェタノ ールで 2回洗浄した後水に溶解し、凍結乾燥することで精製 PM粉末を得ることがで きる。
[0039] アルギン酸の分解は、 自体公知の方法、例えば酵素分解または酸加水分解により 行うことができるが、図 3に示すサイト力インの分泌促進活性の点から、酵素分解によ り行うことが好ましい。酵素分解はアルギン酸分解酵素を用いて行うが、特にシユード アルテロモナス sp. No. 272株の産生するアルギン酸リアーゼ(biosci. Biotechnol. B iochem., 65, 133-142, 2001参照)を用いることが好ましい。酵素分解によりアルギン 酸または精製 PGおよび精製 PMを分解し、不飽和結合のゥロン酸を非還元末端とす るアルギン酸オリゴマーを調製することができる。
また、重合度が異なるアルギン酸オリゴマーを精製するためには、ゲルろ過や各種 クロマトグラフィー等の自体公知の分離手段を制限無く用いることができる。
[0040] 本発明の剤は、以上の工程を経て調製されたアルギン酸オリゴマーを含有させ、常 法により製造することができる。
例えば、固形剤 (例、顆粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、軟膏剤および 経皮製剤)は所定量のアルギン酸オリゴマーを固体や顆粒として含有させることで製 造することができる。一方、液剤 (例、注射剤、点滴剤および点眼剤等)は水および生 理食塩水のような希釈液に所定量のアルギン酸オリゴマーを溶解させることで製造す ることがでさる。
[0041] 本発明の剤は、その製剤中に含有させるアルギン酸オリゴマーの種類および配合 量を調整することで、サイト力インの分泌を調節することができる。例えばオリゴマーの 種類については、図 7〜9の各オリゴマーによる G— CSF、 MIP—1 αおよび RANT ESの分泌量にそれぞれ示されるように、より多量のサイト力インの分泌を目的とする 場合は、 G— CSFの場合、 G3、 G8、 G9、 M7または M8を選択し、 RANTESの場 合、 G8、 G9、 M7、 M8または M9を選択する。また MIP— 1 αの場合は、 Gオリゴマ 一に比して相対的に高い分泌活性を有する Μオリゴマーを選択すればよい。さらに 他のサイト力インの場合は、図 10に示される各種サイト力イン分泌量を参考に、アル ギン酸オリゴマーを選択すればよい。ここで、例えば G3とは、グルロン酸のみで構成 され、その重合度が 3であるアルギン酸オリゴマーを表し、例えば M7とは、マンヌロン 酸のみで構成され、その重合度が 7であるアルギン酸オリゴマーを表す。
またオリゴマーの配合量については、図 4、図 6および図 12に示されるサイト力イン 分泌量の経時変化、ならびに図 5に示される投与量依存的な分泌活性を参考に、ァ ルギン酸オリゴマーの配合量および投与間隔を適宜選択すればよい。
[0042] (2)コロニー刺激 早またはケモカインの分泌低下に走 3 する状態を己 善するため の医薬
本発明はまた、アルギン酸オリゴマーを有効成分として含有してなる、コロニー刺激 因子またはケモカインの分泌低下に起因する状態を改善するための医薬を提供する
[0043] 本明細書において「コロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する状 態」とは、生体内の各種細胞が分泌するコロニー刺激因子またはケモカイン量の低 下に端を発する、生体内における好中球の減少および機能低下、造血幹細胞の分 化能低下、末梢血への遊走能の低下、血管新生の減少、血管内皮細胞のアポトー シスの増加ならびにエフェクター細胞の遊走活性の低下等の状態などを 、 、、具体 的には、「コロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する障害および疾 患」、すなわち薬剤投与および放射線治療等の副作用による顆粒球減少、種々の感 染症に伴う慢性好中球減少症、冠動脈硬化等による各種免疫機能の低下、心筋梗 塞および閉塞性動脈硬化症等の障害および疾患などをいう。
これらの障害等はコロニー刺激因子またはケモカインの分泌を促進させることで改 善することができる。
なお、本明細書において、コロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因 する状態を「改善する」とは、上記状態を未然に防止 (予防)すること、治療することお よび上記状態における症状を改善することを含む。すなわち、本発明は、コロニー刺 激因子またはケモカインの分泌低下に起因する障害または疾患を予防または治療 する医薬をも提供する。
[0044] 本発明の医薬が有効成分として含有するアルギン酸オリゴマーは、サイト力イン、特 にコロニー刺激因子またはケモカインの分泌を促進する。従って、本発明の医薬は、 コロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する障害および疾患、例えば 免疫機能低下、動脈硬化症等の予防または治療等に好適に使用され得る。
[0045] 本発明の医薬が有効成分として含有するアルギン酸オリゴマーは、本発明の「(1) サイト力インの分泌促進剤」で説明した通りである。
該アルギン酸オリゴマーは、酵素分解物(すなわち、重合度の異なるアルギン酸ォ リゴマーの混合物)である力、同じ重合度のアルギン酸オリゴマー精製物であることが 好ましい。また、上記アルギン酸オリゴマーは、マンヌロン酸およびグルロン酸の混合 物であっても、それぞれ単独であってもよいが、 Mオリゴマーまたは Gオリゴマーであ ることが好ましい。
さらに、本発明の医薬においては、有効成分として含有するアルギン酸オリゴマー の重合度は 20未満、好ましくは 2〜 15、特に好ましくは 3〜9である。
[0046] 本発明の医薬において、有効成分であるアルギン酸オリゴマーの配合量は、通常、 0. 01〜99. 9重量%、好ましくは 0. 1〜90重量%、より好ましくは 1〜10重量%で ある。
[0047] 本発明の医薬は、医薬上許容される担体を含むことができる。医薬上許容される担 体としては、例えば、ショ糖、デンプン、マンニット、ソルビット、乳糖、グルコース、セ ルロース、タルク、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の賦形剤、セルロース、メチル セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ゼラチン、ァラビ ァゴム、ポリエチレングリコール、ショ糖、デンプン等の結合剤、デンプン、カルボキシ メチノレセノレロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ナトリウムーグリコーノレ スターチ、炭 酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、クェン酸カルシウム等の崩壊剤、ステアリン酸マ グネシゥム、エア口ジル、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム等の滑剤、クェン酸、メントー ル、グリシルリシン'アンモ-ゥム塩、グリシン、オレンジ粉等の芳香剤、安息香酸ナト リウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン等の保存剤、クェン 酸、クェン酸ナトリウム、酢酸等の安定剤、メチルセルロース、ポリビュルピロリドン、ス テアリン酸アルミニウム等の懸濁剤、界面活性剤等の分散剤、水、生理食塩水、ォレ ンジジュース等の希釈剤、カカオ脂、ポリエチレングリコール、白灯油等のベースヮッ タスなどが挙げられる力 それらに限定されるものではない。 [0048] 本発明の医薬の投与剤形としては、例えば経口剤 (例、液剤、顆粒剤、散剤、錠剤 、カプセル剤、トローチ剤等)および非経口剤 (例、注射剤、点眼剤等)が挙げられる 力 それらに限定されるものではない。また本発明の医薬は、その剤形が速放性製 剤または徐放性製剤等の放出制御製剤(例、徐放性マイクロカプセル剤)であっても よい。アルギン酸オリゴマーは、低分子化されており、水等の溶媒に可溶であるため 、上記いずれの剤形を採っても容易に吸収される。
[0049] 「コロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する障害および疾患」、す なわち本発明の医薬を投与することで予防または治療され得る障害および疾患とし ては、例えば、自己免疫疾患 [例、自己免疫性溶血性貧血、造血幹細胞の末梢血中 への動員、造血幹細胞移植時の好中球数の増加促進、がん化学療法による好中球 減少症等]、先天性免疫不全疾患 [例、先天性 ·特発性好中球減少症、 AD (アトピー 性皮膚炎)、 MDS (骨髄異形成症候群)等]、後天性免疫不全疾患 [例、ヒト免疫不 全ウィルス (HIV)感染症の治療に支障を来す好中球減少症、骨髄異形成症候群に 伴う好中球減少症、再生不良性貧血に伴う好中球減少症、リウマチ性関節炎、特発 性肺胞蛋白症等]等が挙げられる。また、神経芽腫、悪性リンパ腫、脳腫瘍、網膜芽 腫、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍等に対して抗癌剤を投与した際の好中球等の減少 に際しても好ましく用いられる。
[0050] 本発明の医薬が有効成分として含有するアルギン酸オリゴマーは、本明細書「(1) サイト力インの分泌促進剤」中で説明した通りであり、そこに記載した方法で調製する ことができる。
[0051] また、本発明の医薬は、医薬の製造法として一般的に用いられている自体公知の 手段に従って、上記アルギン酸オリゴマーを有効成分として、上記医薬的に許容され る担体と混合して製剤化することができる。
例えば、経口投与に好適な医薬は、水または生理食塩水のような希釈液に有効量 のアルギン酸オリゴマーを溶解させて製造する (例、液剤)ことができ、また有効量の アルギン酸オリゴマーを固体や顆粒として含有させて製造する(例、カプセル剤、錠 剤)ことができる。液剤を応用して、噴霧器を用いた吸入療法を行うことも可能である 。一方、非経口的投与 (例、静脈内注射、筋肉注射、局所注入)に好適な医薬 (例、 注射薬)は、例えば水性および非水性の等張な無菌の注射液に有効量のアルギン 酸オリゴマーを溶解させて製造することができる。なお、これらの医薬には抗酸化剤、 緩衝液、制菌剤、等張化剤等が含まれていてもよい。これらの医薬は、アンプルおよ びバイアルのように、単位投与量ある!/ヽは複数回投与量ずつ容器に封入することが できる。
[0052] また、本発明の医薬中に含有させるアルギン酸オリゴマーの種類および配合量を 調整することで、サイト力インの分泌量を調節することができる。オリゴマーの種類に ついては、例えば図 7〜9に示すように、より多量のサイト力インの分泌を目的とする 場合は、 G— CSFの場合、 G3、 G8、 G9、 M7または M8を選択し、 RANTESの場 合、 G8、 G9、 M7、 M8または M9を選択する。また MIP— 1 αの場合は、 Gオリゴマ 一に比して相対的に高い分泌活性を有する Μオリゴマーを選択すればよい。さらに 他のサイト力インの場合は、図 10を参考にアルギン酸オリゴマーを選択すればよい。 またオリゴマーの配合量については、図 4、図 6および図 12のサイト力イン分泌量の 経時変化、ならびに図 5の投与量依存的な分泌活性を参考に、アルギン酸オリゴマ 一の配合量および投与間隔を適宜選択すればょ 、。
本発明の医薬によれば、サイト力インの分泌を促進させるのに有効なアルギン酸ォ リゴマーの投与量を容易に調整することができる。
[0053] 本発明の医薬の投与量は、有効成分の活性、種類または配合量、投与対象、投与 ルート、対象疾患、予防または治療の目的、患者の年齢および体重等により適宜設 定することができる。成人 (体重約 60kg)に経口投与する場合の投与量は、アルギン 酸オリゴマーが混合物の場合は、有効成分であるアルギン酸オリゴマーを 1日あたり 約 0. 1〜: LOOg、好ましくは約 0. 3〜30gとなるように投与することができ、アルギン酸 オリゴマーが重合度ごとに精製されている(例えば重合度 9のグルロン酸オリゴマー) 場合は、有効成分であるアルギン酸オリゴマーを 1日あたり、約 0. 01〜2g、好ましく は約 0. 15〜: L 5gとなるように投与することができる。本発明の医薬は、 1日あたり、 必要に応じて一度に、または数回に分割して投与することができ、また数日に分けて 投与することちでさる。
[0054] また本発明の医薬は、ヒトだけでなぐ動物用医薬としても安全に投与することがで きる。投与対象となる動物としては特に限定されず、例えば、哺乳類、鳥類、魚類、爬 虫類、両生類等が挙げられる。この場合の投与量等は、当業者であれば適切に決定 することが可能である。
[0055] (3)コロニー刺激 W子またはケモカインの分泌低下に走 3闵する状態の己 善用医蓉を 製造するためのアルギン酸オリゴマーの使用
また本発明は、コロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する状態の 改善用医薬を製造するためのアルギン酸オリゴマーの使用を提供する。具体的には 、アルギン酸オリゴマーを使用したコロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に 起因する状態の改善用医薬の製造方法を提供する。
[0056] 本発明で使用されるアルギン酸オリゴマーは、本明細書中「(1)サイト力インの分泌 促進剤」で説明した通りである。またこれは、本明細書中「(1)サイト力インの分泌促 進剤および (2)コロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する状態を改 善するための医薬」に記載した方法で調製することができる。本発明において、「コロ ニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する障害または疾患」とは、本明 細書中「(2)コロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する状態を改善 するための医薬」で説明した通りである。
[0057] 該使用においては、〔1〕コロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する 状態の改善用医薬を製造するために、〔2〕アルギン酸オリゴマーを使用する、限りに おいて特に制限はなぐ本明細書中「(2)コロニー刺激因子またはケモカインの分泌 低下に起因する状態を改善するための医薬」に記載した方法や、自体公知の製造方 法を利用することができる。
[0058] (4)サイト力インの分泌を促進させる方法
さらに本発明は、本発明のサイト力インの分泌促進剤を摂取する工程を含む、 TNF — αを除くサイト力イン、好ましくはコロニー刺激因子またはケモカインカもなる群より 選ばれるサイト力インの分泌を促進させる方法を提供する。
また、本発明は、本発明の医薬をそれを必要とする対象に投与する工程を含む、 Τ NF— αを除くサイト力イン、好ましくはコロニー刺激因子またはケモカインカもなる群 より選ばれるサイト力インの分泌を促進させる方法を提供する。 さらに本発明は、本発明の医薬をそれを必要とする対象に投与する工程を含む、コ 口-一刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する状態を予防または治療する 方法を提供する。
[0059] 本方法の剤または医薬に有効成分として含まれるアルギン酸オリゴマーは、本明細 書中「(1)サイト力インの分泌促進剤」で説明した通りである。またこれは、本明細書 中「(1)サイト力インの分泌促進剤および (2)コロニー刺激因子またはケモカインの分 泌低下に起因する状態を改善するための医薬」に記載した方法で調製することがで きる。
[0060] 本方法の対象となる「サイト力イン」とは、本明細書中「(1)サイト力インの分泌促進 剤」で説明した通りであり、「コロニー刺激因子、ケモカインまたはインターフェロンの 分泌低下に起因する状態」とは、本明細書中「(2)コロニー刺激因子またはケモカイ ンの分泌低下に起因する状態を改善するための医薬」で説明した通りである。
[0061] 本方法が適用される対象、すなわち本発明の医薬を必要とする対象としては特に 限定されない。例えばヒトだけでなぐ哺乳類、鳥類、魚類、爬虫類、両生類等が挙 げられる。この場合の投与量および投与方法は、本明細書中(2)コロニー刺激因子 またはケモカインの分泌低下に起因する状態を改善するための医薬」における記載 に準じて適宜設定することができる。摂取量および摂取方法等も、当業者であれば 適切に決定することが可能である。アルギン酸オリゴマーの毒性は非常に低いので、 個体差に応じて摂取量の加減が容易である。
[0062] (5)本発 S月の剤または医. ¾feよび 該剤または医 に する f 月を f¾した^載 •を含む パッゲージ
本発明は、上記(1)記載のサイト力イン分泌促進剤、および当該サイト力インの分泌 促進剤が TNF— aを除くサイト力インの分泌促進に使用することができることまたは 使用すべきであることを記載した当該サイト力インの分泌促進剤に関する説明を記載 した記載物を含む商業用パッケージを提供する。
[0063] また、本発明の別の実施態様においては、上記(2)記載の医薬、および当該医薬 力 Sコロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する状態を改善するために 使用することができることあるいは使用すべきであることを記載した当該医薬に関する 説明を記載した記載物を含む商業用パッケージを提供する。
実施例
[0064] 以下、実施例を示してさらに具体的に本発明を説明する。以下は代表的な実施例 を示すものでこれらに限定されるものではなぐ本発明の技術的思想を逸脱しな ヽ範 囲内で種々の応用が可能である。
[0065] [試験例 1]細胞の培養
マウス単球由来細胞株(マウスマクロファージ系株化細胞) RAW264. 7 (ATCC N 0. TIB71)を培養した。生育培地としては、 RPMI— 1640培地に抗生物質(Benzyl P enicilin Potassium、 Streptomycin Sulfate)を 100 g/ mlとなるよつに添カロし、 らに 5 6°Cで 30分熱処理した牛胎児血清 (FBS)を 10% (v/v)添加したものを用いた。
[0066] 細胞の培養に際しては、セラムチューブ中の細胞懸濁液(10% DMSOを含む生 育培地中にて 80°Cに保存されているもの)を融解し、 15mlチューブに移し、これ に生育培地をカ卩えて室温にて 2000rpm、 10分間の遠心を行い、上清を除いた。次 いで約 5mlの生育培地をカ卩えて細胞を分散させ、培養フラスコ(ファルコン社製、 25c m2プラスチックフラスコ)に移し、 37°C、 5%COガス培養器にて培養を行った。ー晚
2
放置し、細菌等の混入がないこと、および細胞が培養フラスコの底面に接着している ことを確認して、培地交換および継代培養を行った。
[0067] 該細胞の継代培養に際しては、フラスコ内の生育培地を除き、 0. 2%トリプシン Z0 . 05%EDTA溶液と入れ換え、 37°C、 5%COガス培養器内で細胞が個々に分か
2
れるまで静置後、フラスコ内の溶液を取り除き、再びガス培養器内で約 15分静置した 。フラスコ底面力も細胞が剥がれてきたことを確認してから、生育培地をカ卩え、一部の 細胞を新たなフラスコ内の生育培地に分散させ、再び 37°C、 5%COガス培養器で
2
培養を行った。
[0068] [実施例 1]酵素消化アルギン酸オリゴマーの調製
工程 1 : PG、 PMの調製
市販のアルギン酸ナトリウムより、 Haugらの方法 (Acta, Chem. Scand., 20, 183-190 , 1966, Carbohydr. Res., 32, 217-225)に改良をカ卩えた方法で PGおよび PMを調製 した。調製のフローチャートを図 1に示す。 [0069] 具体的には、アルギン酸 (アルギン酸ナトリウム、ナカライテスタ社製) 20gを 2Lの 0 . 3M HC1溶液に懸濁し、 1. 5時間 100°Cに加熱して部分加水分解を行った。沈殿 を採取して、 0. 3M HC1で洗浄した後、 250mlの水〖こ懸濁し、希 NaOHで pH7に 中和して水に溶解させた後、凍結乾燥して、抗分別粉末を得た。該粉末 5gを 1Lの 0 . 1M NaCl中に溶解し、 1Lの酸性水溶液(300mlの 0. 1M HCl+ 700mlの水) を加え pH2. 85に調整した。沈殿した PGと懸濁した PMとを分離した。沈殿した PG は pH2— 3の HC1で洗浄し、 300mlの水に懸濁させ、 NaOHで pH7に調整し溶解し た。エタノール(PGZエタノール =1Z2, vZv)を加えて、 PGを沈殿させ、沈殿した PGをエタノールで洗浄(2回)した後、沈殿を水に溶解し、凍結乾燥によって、精製さ れた PGの粉末 (約 1. 5g)を得た。一方、懸濁した PMは、 NaOHで pH7に調整し、 エタノール(PMZエタノール =1Z2, vZv)を添加して、 PMを沈殿させた。該沈殿 をエタノールで洗净(2回)した後、水に溶解し、凍結乾燥によって、精製された PM の粉末 (約 3g)を得た。
[0070] 工程 2:酵素処理アルギン酸オリゴマー混合物の調製
不飽和オリゴマーの調製には、アルギン酸リアーゼ(SIGMA社製)を用いた。これ を 10mMリン酸緩衝液(pH7. 0)で lOmgZmlにした。 0. 2%の PGおよび PMを含 む 50mMリン酸緩衝液(pH7. 0) 2. 0mlを 37°Cで 10分間インキュベートし、この基 質溶液に酵素溶液を 0. 2ml添加して、 2分間反応を行った。 235nmにおける吸光 度が 1分間に 0. 1増加する酵素量を 1単位 (unit)として酵素活性を測定した。
[0071] 次!、で、 5gの PGおよび PMを 50mMリン酸緩衝液 (pH7. 0) 50mlに溶解し、アル ギン酸リアーゼ 0. Olm lOmgZml、比活性 7. 24単位 Zmg)を 2時間ごとに 3回 加え、 37°Cで反応させた。このオリゴマー溶液をメンブランろ過した。次いで水を溶 出液としたゲルろ過カラムを用いて脱塩操作を行った。さらに蒸留水で緩衝化した Bi o-Gel P— 2カラム(2. 5 X 95cm)にリン酸塩を含む試料を供し、流速 0. 26ml/ minで溶出した。リン酸塩の定量はモリブデンブルー法にて行った。リン酸塩を含ま ない部分のみをプールし、凍結乾燥後、乾燥標品として各オリゴマーを得た。
[0072] 工程 3:重合度の異なるアルギン酸オリゴマーの調製
重合度の異なる酵素処理アルギン酸オリゴマーを得る場合は、工程 2のメンブレン ろ過の後、予め 50mMのリン酸緩衝液 (pH7. 5)で緩衝ィ匕した Bio— Gel P— 6カラ ム(8. 8 X 95cm)に 1. 3mlZminの流速で各サンプルを供した。重合度の異なるォ リゴマーを含むフラクションをプールし、濃縮した。このゲルろ過の溶出曲線を図 2に 示す。重合度の決定は、ブルーデキストラン 2, 000とガラタツロン酸を用い、 Whitak erの方法に従つて行つた。
[0073] [実施例 2]酸加水分解アルギン酸オリゴマー (混合物)の調製
1%の PGおよび PMを含む溶液(0. IN HC1にて pH4. 0に調整)を 121。Cで 80 分間加水分解した。冷却後、該溶液を 0. IN NaOHで中和した後脱塩操作を行い 、凍結乾燥し、乾燥標品として該アルギン酸オリゴマー混合物を得た。
[0074] [実施例 3]アルギン酸オリゴマーのマクロファージに対する G— CSF分泌促進活性 酵素分解アルギン酸オリゴマーのマクロファージに対する G— CSF分泌促進活性 を、 ELISA法を用いて測定した。
[0075] 工程 1:アルギン酸オリゴマーの調製
細胞に添カ卩するアルギン酸オリゴマーは、 lOmgZmlとなるように RPMI1640無血 清培地もしくは生理食塩水で調製し、ゼータポアフィルターに通したものを使用した。
[0076] 工程 2:アルギン酸オリゴマーの培着系への添加
RAW264. 7細胞を、平底 96ゥエルプレートに 1ゥエルあたりの細胞数が 2 X 104と なるように播種した。細胞が一ヶ所に集まらないように軽く攪拌し、 37°C、 5%COガ
2 ス培養器内で一晩培養した。各ゥエルの細胞数にばらつきが無 ヽことを顕微鏡で確 認し、ここに無血清培地で lmg/mlに調製した上記アルギン酸オリゴマー溶液をそ れぞれ添加した。該細胞は、 37°C、 5%COガス培養器内で一晩培養した後、各培
2
養上清を回収した。
[0077] 工程 3 :ELISAによる G— CSFの検出
次いで、 ELISA用 96ゥエルプレートに滅菌 PBSで 4 gZmlに希釈した一次抗体 (Anti-mouse G-CSF monoclonal antibody, Purified)を 1ゥエルあたり 100 μ 1添カロし た。室温で一晚静置後、洗浄溶液(0. 025% Tween20 in PBS)で 2回洗浄し、 ブロッキング溶液(4% BSA in PBS)を 1ゥエルあたり 200 1添カ卩した。室温で一 晚静置後、洗浄溶液で 2回洗浄し、ブロッキング溶液で 1%に希釈した培養上清を 1 ゥエルあたり 100 /z l添加した。室温で 1時間静置後、洗浄溶液で 5回洗浄し、ブロッ キング溶液で 1000倍希釈した酵素 抗体コンジュゲート(Anti-Rabbit Ig, HRP-link ed Whole Ab Donkey)を 1ゥエルあたり 100 μ 1添カ卩した。室温で 30分間静置し、洗浄 溶液で 5回洗净後、基質溶液(TMB Peroxidase Substrateと PeroxidaseSolution Bを 1: 1で混合したもの)を 100 /z l添加した。室温で 30分間静置した後、反応停止剤として 1Nのリン酸溶液を 50 1添加し、よく攪拌した後マイクロプレートリーダーにより吸光 度 (Abs=450nm)を測定した。なお、標準物質としては既知濃度の組換え G— CS Fを用い、比較として酸加水分解により調製したアルギン酸オリゴマーを用いた。
[0078] アルギン酸 Gオリゴマー混合物に関する、酵素処理アルギン酸オリゴマーと酸加水 分解アルギン酸オリゴマーの比較結果を図 3に示す。酸加水分解で得られたアルギ ン酸 Gオリゴマーには G— CSF分泌促進活性はほとんど認められな力つた力 酵素 処理したアルギン酸 Gオリゴマーにはマクロファージからの高 、G - CSF分泌促進活 性が認められた。また、アルギン酸 Mオリゴマーについても同様の結果が得られた。
[0079] [実施例 4]マウス腹腔へのアルギン酸オリゴマー混合物の投与による、血中 G— CS F量の経時変化
アルギン酸オリゴマー混合物(PBS 1ml中、 700mgZkg)またはアルギン酸ポリ マー(PBS 1ml中、 700mg/kg)を DDYマウス(6週齢、雄性、体重約 30g)腹腔 内に注入し、マウス血清中の G— CSF量を経時的に ELISA法にて測定した。
丁-程 ί:アルギン酸オリゴマー混合物の調製
アルギン酸オリゴマー混合物は、次のように調製した。
すなわち、高純度アルギン酸ナトリウム (キミ力社製)を水に溶解させて 5%水溶液と し、ここに終濃度が 1 g/mlとなるようにアルギン酸リアーゼ (シユードアルテロモナ ス sp. No. 272株の培地力ら、 Biosci. Biotechnol. Biochem. 2003, 67, 1990— 1992記 載の方法で精製したもの)を加え、 40°Cで 3日間インキュベートした。溶液を沸騰水 中で 10分間加熱することで酵素反応を停止させた。アルギン酸オリゴマー混合物は 、エンドトキシンを除去するため、使用前にゼータポアフィルター(和光純薬社から購 人)に通した。
工程 2:マウス血清中の G - CSF量の測定 上記工程 1で調製したアルギン酸オリゴマー混合物をマウス腹腔内に注入し、 0時 間、 0. 5時間、 1時間、 1. 5時間、 2時間、 3時間、 6時間、 9時間または 24時間後に 各マウスから常法により血清を得た。血清中の G— CSF量は、 Iwamoto, M. et al., FE BS Lett. 2005, 579, 4423-4429に記載の方法と同様の方法で、抗マウス G— CSF抗 体(R&D Systems, MN, USA)を用いた ELISA法によって測定した。
[0080] 結果を図 4に示す (なお、実験は 3回行った。図中、それぞれの点は 3回の平均値 を表し、各バーは標準偏差を示す)。血清中の G— CSF量は、アルギン酸オリゴマー 混合物を注入後速やかに増加し、 2時間で最大量に達した。この高濃度は 6時間後 まで維持された。次いで徐々に減少し、 24時間後にはベースライン量に戻った。一 方、アルギン酸ポリマーを注入した場合は、血清中の G— CSF量に何も変化が認め られなかった。
[0081] [実施例 5]マウス腹腔へのアルギン酸オリゴマー混合物の投与量と血中 G— CSF量 との相関
アルギン酸オリゴマー混合物は、実施例 4の工程 1と同様の方法で調製した。種々 の濃度(0. 07mgZkg、 0. 7mgZkg、 7mg/kg, 70mg/kg, 700mgZkg)のァ ルギン酸オリゴマー混合物(PBS 1ml中)をマウス腹腔内に投与して、 3時間後のマ ウス血清中の G— CSF量を ELISA法で測定した。
[0082] 結果を図 5に示す (なお、実験は 3回行った。図中、それぞれの点は 3回の平均値 を表し、各バーは標準偏差を示す)。血清中の G— CSF量は、アルギン酸オリゴマー 混合物の投与量の増加に伴って増加し、 70mgZkgの投与量でプラトーに達した。
[0083] [実施例 6]マウス腹腔へのアルギン酸オリゴマー混合物の投与による各種サイトカイ ン分泌活性
上記実施例 4の工程 1で調製したアルギン酸オリゴマー混合物(PBS 1ml中、 70 Omg/kg)をマウス腹腔内に注入し、マウス血清中の各種サイト力イン量を経時的に Bio Plexシステム(バイオラッド社製)で測定した。 Bio Plexは少量のサンプル量で 複数のサイト力インの同時定量が可能な利点を有する。原理的には通常の ELISAに フローサイトメトリーを組み合わせたものである。すなわち、各種サイト力インに対する 抗体が結合したビーズを試験サンプルにカ卩え、サイト力インと結合したビーズをフロー サイトメトリーで検出し、分析した。
[0084] 結果を図 6— 1〜6— 3に示す (なお、実験は 2回行い、それぞれの値は 2回の平均 値を表す。 2回の測定値の差は 5%以内である)。ピーク値において、 G— CSF、 MC P— 1、 IL— 6、 KC、 RANTESおよび IL— 12 (p40)の分泌量は 5000pg/mUり 高力つた。
また、 IL— 2、 IL— 3、 IL— 10、 IL— 12 (p70)、 IL— 13、 IL— 17、 GM— CSおよ び INF— γは、 24時間以内に 2つのピークを示した。一方、 G— CSF、 GM— CSF、 MCP— 1、 IL— 1 α、 RANTES, KCおよび eotaxinは、 1つのピークを示した。
[0085] [実施例 7]アルギン酸オリゴマーのマクロファージに対する各種サイト力イン分泌促 進活性
重合度の異なる各酵素分解アルギン酸オリゴマーにっき、マクロファージに対する 各種サイト力イン分泌促進活性を ELISA法にて測定した。
[0086] アルギン酸オリゴマーの調製および該オリゴマーの培養細胞への添カ卩は、実施例 3 の工程 1および 2と同様の方法で行った。また、培養上清中のサイト力イン量は Bio Plexシステム (バイオラッド社製)で定量した。
[0087] G— CSF分泌促進活性に関する結果を図 7に示す。アルギン酸オリゴマーの G3、 G8、 G9、 M7および M8に高い G— CSF分泌促進活性を見出すことができた。
[0088] MIP- 1 a分泌促進活性に関する結果を図 8に示す。マンヌロン酸オリゴマーには 分子サイズの影響はあまり見られず、いずれも強い作用が認められた。一方、ダル口 ン酸オリゴマーでは G8および G9に他に比べて強い作用が認められた。
[0089] RANTES分泌促進活性に関する結果を図 9に示す。 MIP— 1 aに比べてオリゴマ 一の構造により活性が異なり、 G8、 G9、 M7、 M8および M9に強い作用が認められ た。なお、 G8、 G9、 M7、 M8および M9は G— CSF分泌促進についても同様に強 い活性が認められ、カゝなり類似した構造活性相関を示した。
[0090] 他のサイト力イン分泌促進活性に関する結果を図 10— 1〜: L0— 2に示す。 G-CS F、 MCP—1、 RANTES, GM— CSFおよび eotaxinについては、特に Mオリゴマ 一による強いサイト力イン放出誘導作用が認められた。また、 IL—1ひ、 IL—l |8、 IL 6、 IL— 9および IL— 13についても当該作用が認められ、さらに IL— 5、 IL—12お よび KCについても、弱いながら当該作用が認められた。
[0091] MIP—1 αおよび RANTESは別名力 それぞれ CCL— 3および CCR—5として知 られており、類似した作用を有する事が知られている。 MIP- Ι αはまた、 HIV感染 を抑制すること等が報告されている。以上の結果から、アルギン酸オリゴマーはこのよ うな複数のサイト力イン放出誘導作用を発現し、多面的に生体の免疫系に影響を与 えるものと推定される。
[0092] [実施例 8]アルギン酸オリゴマーのマウス腹腔内マクロファージに対する G— CSF分 泌促進活性
生体内におけるマクロファージに対しても、本発明のアルギン酸オリゴマーが G— C SF分泌促進活性を有するかを確認した。
[0093] C3HZHeJマウス(5週齢、雌性)を 1週間以上予備飼育し、該マウスに 3%チォダリ コレート培地 (ディフコ社製)をマウス 1匹あたり 3ml腹腔内投与し、 3日後に炭酸ガス で安楽死させ、腹腔浸出細胞を Dulbeccoのリン酸緩衝生理食塩水(PBS、 pH7. 2 )にて採取した。回収した腹腔浸出細胞は、 PBSで洗浄後、基礎培養液中で細胞密 度の調整を行い、 96穴平底プレートの各ゥエルに 100 1ずつ分注した。プレート遠 心(500rpm、 5分間)により細胞を沈降させ、 37°C、 5%COの条件下で 2時間培養
2
した。培養終了後直ちに 37°Cの PBSで洗浄して非付着細胞を除去し、再度培養液 に浸して、腹腔浸出細胞の単層培養を調製した。この腹腔浸出細胞の単層培養に おける、マクロファージの純度は 95%以上であった。培地で lmgZmlに調整した各 アルギン酸オリゴマー溶液を添カ卩した。 37。C、 5%COインキュベーター内でー晚培
2
養後、上清中の G— CSF量を ELISAにて定量した。
[0094] 用いるアルギン酸オリゴマーの調製および該オリゴマーの培養細胞への添カロは、 実施例 3の工程 1および 2と同様の方法で行った。また、 ELISAによる定量は、実施 例 3の工程 3と同様の方法で行った。
[0095] マウス腹腔内マクロファージに対する G— CSF分泌促進活性に関する結果を図 11 に示す。アルギン酸オリゴマーの G3、 G8、 G9、 M7および M8に高い G— CSF分泌 促進活性を見出すことができた。
[0096] [実施例 9]マウス生体に対するアルギン酸オリゴマーの G— CSF分泌促進活性 マウス生体内にアルギン酸オリゴマーを投与することによって、生体中の G— CSF 量が増大するかを調べた。
[0097] DDYマウス(5週齢、雌性)を 1週間以上予備飼育した。該マウスに対し、 1匹あたり
200mgZmlの酵素消化アルギン酸オリゴマー(オリゴマー混合物)または lOmgZ mlのアルギン酸オリゴマー(G3、 G8、 G9、 M7、 M8)各 0. 1mlを腹腔内投与した。 投与後 0、 0. 5、 1、 1. 5、 3、 9時間後に採血し、得られた血液を 10分間、 10, OOOr pmで遠心して血清を採取した。採取した血清中に含まれる G— CSF量を ELIS Aで 里しァこ。
[0098] アルギン酸オリゴマーのマウス腹腔内投与による G— CSF分泌促進活性に関する 結果を図 12に示す。アルギン酸オリゴマーのマウス腹腔内投与により、投与 3時間後 をピークに高 、G - CSF誘導活性を見出すことができた。
[0099] [実施例 10]
生体への適切な投与量を調べる目的で、アルギン酸オリゴマーの濃度依存による G— CSF誘導活性を調べた。
[0100] DDYマウス(5週齢、雌性)を 1週間以上予備飼育した。該マウスに対し、 1匹あたり 0. 02、 0. 2、 2、 20mgZmlの酵素消化アルギン酸オリゴマー(オリゴマー混合物) または 0. 001、 0. 01、 0. 1、 lmgZmlの単独アルギン酸オリゴマー(G3、 G8、 G9 、 M7、 M8)を各 0. 1ml腹腔内に投与した。投与後 3時間後に採血し、得られた血液 を 10分間、 10, OOOrpmで遠心して血清を採取した。採取した血清から、 ELISAに より G— CSF量を定量した。
[0101] アルギン酸オリゴマーの濃度依存的な投与と、 G— CSF分泌活性の関係に関する 結果を図 13に示す。アルギン酸オリゴマーの単独および Zまたは混合物をマウス腹 腔内投与することにより、濃度依存的に高い G— CSF誘導活性を見出した。
産業上の利用可能性
[0102] 本発明の剤または医薬によれば、サイト力イン、特にコロニー刺激因子またはケモ 力インの分泌を促進することができるので、顆粒球および好中球を増殖させ、かつ活 性ィ匕することができる。本発明の医薬は、癌治療、臓器移植、免疫不全等により免疫 機能が低下した患者や、恒常的な自己免疫疾患を有する患者に有用である。また原 材料がアルギン酸であるため、安価で安全な剤または医薬として提供することが可能 である。
本出願は、日本で出願された特願 2005— 361056 (出願日: 2005年 12月 14日 )を基礎としており、その内容は本明細書に全て包含されるものである。

Claims

請求の範囲
[I] アルギン酸オリゴマーを含有してなる、 TNF- aを除くサイト力インの分泌促進剤。
[2] サイト力インが、コロニー刺激因子、ケモカイン、インターロイキンおよびインターフエ ロン力もなる群より選ばれるものである、請求項 1記載の剤。
[3] コロニー刺激因子が G— CSFおよび GM— CSFであり、ケモカインが MIP— 1 a、 R
ANTES, MCP—1、 Eotaxinおよび KCである、請求項 2記載の剤。
[4] インターロイキンが IL—l α、 IL—l j8、 IL— 2、 IL— 3、 IL— 4、 IL— 5、 IL— 6、 IL—
9、 IL- 10、 IL- 12 (p70)、 IL— 12 (p40)、 IL— 13、 IL— 17であり、インターフエ口 ンが IFN— yである、請求項 2記載の剤。
[5] アルギン酸オリゴマー力 アルギン酸の酵素分解物またはその精製物である、請求 項 1〜4のいずれかに記載の剤。
[6] アルギン酸オリゴマーがマンヌロン酸単独またはグルロン酸単独力 なるものである、 請求項 1〜5のいずれかに記載の剤。
[7] アルギン酸オリゴマーの重合度が 3〜9である、請求項 1〜6のいずれかに記載の剤
[8] アルギン酸オリゴマーを有効成分として含有してなる、コロニー刺激因子またはケモ 力インの分泌低下に起因する状態を改善するための医薬。
[9] アルギン酸オリゴマーがアルギン酸の酵素分解物またはその精製物である請求項 8 記載の医薬。
[10] アルギン酸オリゴマーがマンヌロン酸単独またはグルロン酸単独力もなるものである、 請求項 8または 9記載の医薬。
[I I] アルギン酸オリゴマーの重合度が 3〜9である、請求項 8〜 10のいずれかに記載の 医薬。
[12] コロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する状態の改善用医薬を製 造するためのアルギン酸オリゴマーの使用。
[13] 請求項 1〜7のいずれか〖こ記載の剤を摂取する工程を含む、 TNF— aを除くサイト 力インの分泌を促進させる方法。
[14] 請求項 8〜11のいずれかに記載の医薬をそれを必要とする対象に投与する工程を 含む、 TNF ひを除くサイト力インの分泌を促進させる方法。
[15] 請求項 8〜11のいずれかに記載の医薬をそれを必要とする対象に投与する工程を 含む、コロニー刺激因子またはケモカインの分泌低下に起因する状態を予防または 治療する方法。
[16] サイト力インが、コロニー刺激因子およびケモカインカもなる群より選ばれるものであ る、請求項 13または 14に記載の方法。
[17] 請求項 1〜7のいずれかに記載のサイト力インの分泌促進剤、および当該剤が TNF aを除くサイト力インの分泌促進に使用することができることまたは使用すべきであ ることを記載した当該剤に関する説明を記載した記載物を含む商業用パッケージ。
[18] 請求項 8〜11のいずれかに記載の医薬、および当該医薬がコロニー刺激因子また はケモカインの分泌低下に起因する状態を予防または治療するために使用すること ができることあるいは使用すべきであることを記載した当該医薬に関する説明を記載 した記載物を含む商業用パッケージ。
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