WO2007058250A1 - 電流検出型熱電対等の校正方法、演算増幅器のオフセットの校正方法、電流検出型熱電対、赤外線センサおよび赤外線検出装置 - Google Patents

電流検出型熱電対等の校正方法、演算増幅器のオフセットの校正方法、電流検出型熱電対、赤外線センサおよび赤外線検出装置 Download PDF

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Abstract

 熱電対の校正は、検出用熱電対と同一の熱電対材料で形成した校正用熱電対を用い、校正用熱電対の絶対熱電能Eroを求めておく。検出用熱電対も同一のEroを有すると見做す。検出用熱電対の内部抵抗rsを求め、演算増幅器で被測定温度差△Tsによる短絡電流値Isを計測して被測定温度差△Tsを求める。演算増幅器のオフセット校正も行う。熱電対とスイッチを演算増幅器の反転入力端子に接続し、センサの選択も可能とする。また、これらを非反転入力端子に接続し、小さな抵抗rを反転入力端子に接続した等価的な電流検出型熱電対を用い、複数の熱電対を切り替え可能にする。これにより、カンチレバやダイアフラム上に温接点や冷接点が形成されても、容易に精密な温度校正や補正ができるようにする。

Description

電流検出型熱電対等の校正方法、演算増幅器のオフセットの校正方法、 電流検出型熱電対、赤外線センサおよび赤外線検出装置
技術分野
[0001] 本発明は、熱電対を用いて温度差を検出するに当たり、熱起電力の開放電圧の大 きさから求めるのではなぐ熱電対を含む閉回路を構成して、そこを流れる電流から 被検出温度差を求める、所謂、電流検出型熱電対において、その電流検出型熱電 対の校正方法、その電流検出型熱電対の短絡電流を計測するための演算増幅器の オフセットの校正方法および電流検出型熱電対、等価的な電流検出型熱電対及び これを応用した赤外線センサと赤外線検出装置に関するものである。
背景技術
[0002] 従来、温度差を検出するのに、ある基準温度に対して被検出温度差を有する箇所 に熱電対の温接点と冷接点となる二つの接合部間に温度差を形成して、その開放 熱起電力から温度差を求めて 、た。
[0003] また、本発明者は、先に「温度差の検出方法、温度センサおよびこれを用いた赤外 線センサ」(特願 2004-026247)を発明して、熱電対の温接点と冷接点となる二つの接 合部間の温度差による熱起電力を開放電圧で測定するのではなぐ短絡電流を計 測して温度差を計測する方法を提案し、これを電流検出型熱電対と名づけ、実験的 にその優位性を示してきた。
[0004] この電流検出型熱電対の基本原理は、次のようなことに基づくものである。半導体 のゼーベック係数 αは、抵抗率 ρに関し、次の数式 1で表現されることが分力つてい る。
[0005] [数 1] mk T p
s =—— In—
q Po ここで、 kはボルツマン定数、 qは電荷素量であり、 Siでは、 p = 5x10— 6Ω πι、 m= 2
o
. 6である。従来は、上式力 抵抗率 pが大きい方がゼーベック係数 aも大きくなる ので、抵抗率 pの大きい半導体を使用して、熱電対やサーモパイルを作成する傾向 にあった。しかし、余り大きな抵抗率の半導体を使用すると、内部抵抗の極めて大き なサーモパイルになり、その妥協点を探していた。しかし、上式数 1は、次のことも意 味していることに本発明者が気づいた。すなわち、抵抗率 pが 3〜4桁下がっても、 ゼーベック係数 αは、 3〜9分の 1程度しか下がらないことを意味する。抵抗率の逆 数である導電率は、熱電対 (サーモカップル)を短絡するとそこを流れる電流に比例 するので、抵抗率の極めて小さい熱電対を作成し、何らかの方法でその短絡電流が 計測できれば、従来のサーモカップルやサーモパイルなどの開放電圧を計測するよ り極めて高!、感度と SZNが得られると予想される。
[0006] しかし、電流検出型熱電対はその形状により内部抵抗が異なり、同一の熱起電力 があっても流れる電流が異なること、カンチレパ、マイクロエアブリッジやダイアフラム 上に温接点が形成されている場合などは、精密な温度変化を検出するための校正 法が確立して 、な力つたので、その単純な構成で容易にできる校正方法とこれを用 V、た電流検出型熱電対が求められて!/、た。
[0007] また、耳式体温計などの放射温度計に用いる赤外線センサでは、熱電対を直列接 続して同一の温度差があっても開放起電力が大きくできるサーモパイルを用いてい た。し力し、極めて細い(2 m程度)熱電対を 100本近く直列接続しているので、極 めて内部抵抗が大きいために S/Nが小さくなつてしまうと共に、感度が小さぐ更に、 製作にお ヽても高度の技術を必要として 、た。
[0008] 複数個の熱電対のそれぞれの出力が独立に取り出せるようにするには、それぞれ の熱電対にそれぞれ演算増幅器を取り付ければ簡単であるが、個数が多くなるとそ の分、多くの演算増幅器を用意する必要がある。例えば、 1個の演算増幅器を用い て複数個の熱電対のそれぞれの出力が独立に取り出せるようにするには、スィッチを 用いて切り替えて演算増幅器に接続するようにすれば良 、が、一般にスィッチのオン 抵抗が巿販のアナログスィッチの場合には 5 Ω程度もある。この大き ヽスィッチのオン 抵抗が熱電対に直列接続になると、熱電対の内部抵抗が大きく見えて、このスィッチ のオン抵抗によって電流検出型熱電対の短絡電流が制限されてしまうという問題が あり、 1個の演算増幅器を用いて複数個の熱電対のそれぞれの出力が独立に取り出 せる簡便な方法が求められていた。
[0009] 特許文献 1:特願 2004- 026247号(特開 2005 - 221238号公報)
非特許文献 1 : P. M. SARROら、 Sensors and Actuators, Vol. 10, 1986 , pp. 321 - 346
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0010] 本発明は、カンチレバ、マイクロエアブリッジやダイアフラム上に温接点や冷接点が 形成されている場合でも、その単純な構造で容易に、精密な温度校正や補正ができ るような電流検出型熱電対の校正方法及び電流検出型熱電対の短絡電流を計測す るために用いる演算増幅器の主に温度ドリフトなどによるオフセットを補正し、校正す るための校正方法を提供すると共に、校正に必要な部品を備えた電流検出型熱電 対と、等価的に内部抵抗が小さくできる電流検出型熱電対、複数の熱電対から特定 の熱電対を選択する方法、およびこれらの熱電対を用いる高感度で安価な赤外線セ ンサと赤外線検出装置を提供すること目的としている。
課題を解決するための手段
[0011] 上記の目的を達成するために、本発明の請求項 1に係わる電流検出型熱電対の校 正方法は、熱電対の短絡電流を利用して温度差を検出する電流検出型熱電対の校 正方法において、検出用熱電対と同一の熱電対材料で形成した校正用熱電対を用 い、加熱手段により校正用熱電対の温接点と冷接点となる二つの接合部間に任意の 温度差 ATrを発生させて、この前記温度差 ATrを測定して、そのときの校正用熱電 対の開放起電力 Vrから校正用熱電対の絶対熱電能 Eを求めておくこと、検出用熱 ro
電対も同一の絶対熱電能 Eを有すると見做すこと、検出用熱電対を含む系の被測 ro
定温度付近における内部抵抗 rを測定すること、検出用熱電対に発生している被測 s
定温度差 ATsによる短絡電流値 Iを計測し、上記の校正用熱電対の絶対熱電能 E s ro と内部抵抗 rを使用して被測定温度差 ATsを求めるようにしたものである。
s
[0012] なお、演算増幅器は、電流検出手段の測定器の内部抵抗が等価的に打ち消され てゼロになるような測定器であれば良ぐここでは、この作用を持つ電流検出手段の 代表として演算増幅器 (OPアンプ)と表現して!/ヽる。 [0013] 熱電対は、一般には、異なる 2つの導体、例えば、金属同士、半導体同士 (p型と n 型との組み合わせ)、半金属同士、または、金属と半導体との組み合わせなどを接合 して、接合部を形成し、例えば、この接合部を温接点とし、異なる 2つの導体の他端 を基準温度としての冷接点として用い、この冷接点にあるこれら 2個の導体間の開放 熱起電力を計測して、温接点と冷接点との温度差に対応させて、計測するものである 。また、冷接点は、ヒートシンクに形成されることが多い。
[0014] 本発明に係わる電流検出型熱電対における温度差の検出は、従来の開放熱起電 力を計測する方式の場合とは異なり、熱電対を電流検出型として用いるようとしてい るために、電流検出手段を用いるが、演算増幅器 (OPアンプ)のように、電流検出手 段の測定器の内部抵抗が等価的に打ち消されてゼロになるような測定器にする方が 良ぐ熱電対に流れる短絡電流を容易に計測できるようにしている。また、熱電対の 内部抵抗は、熱電対を構成する二つの導体の材料、寸法や形状などにより異なり、 同一の熱起電力に対して大きな電流が流れるように可能な限り内部抵抗が小さくなる 導体材料の組み合わせとする必要があり、その中でも熱起電力が大きい熱電対、す なわち、絶対熱電能 Eに相当するゼーベック係数の大きな材料を用いた方が良い。
[0015] 本発明に係わる電流検出型熱電対の校正方法では、加熱手段により発生させた校 正用熱電対の二つの接合部間の温度差 ATr、そのときの校正用熱電対の開放起電 力 Vrから校正用熱電対の絶対熱電能 E は、 Vr/ATr
ro
として求めることができる。検出用熱電対も同一の絶対熱電能 Eを有すると見做すの ro
で、検出用熱電対自体とそのリード線などを含めた検出用熱電対を含む系の被測定 温度付近における測定した内部抵抗 rを利用すれば、検出用熱電対に発生している s
被測定温度差 ATsによる測定した短絡電流値 Iを用いて、被測定温度差 ATsは、 s
次のように表される。なお、ここで、テブナンの定理により、検出用熱電対に被測定温 度差 ATsにより発生した開放起電力(AT E )を、検出用熱電対を含む系の内部 ro
抵抗 rで除した値が短絡電流値 Iとなることを利用する。
s s
[0016] [数 2]
ATs = ils [0017] 本発明の請求項 2に係わる電流検出型熱電対の校正方法は、校正用熱電対と検 出用熱電対とは、同一の基板に形成した薄膜熱電対である場合で、両熱電対は近 接配置ができるので、校正精度を上げることができるという利点がある。
[0018] 本発明の請求項 3に係わる電流検出型熱電対の校正方法は、加熱手段としてヒー タを用いた場合である。レーザ光などを照射して基板の一部を熱して温度差 ATrを 生じさせることもできる力 ジュール熱によるヒータを利用した方が便利である。
[0019] ヒータを基板に形成した場合、ヒータが最初力 設けてあるので、温度差 ATrの発 生の再現性が良ぐ校正が容易である。
[0020] 本発明の請求項 4に係わる電流検出型熱電対の校正方法は、校正用熱電対の二 つの接合部間の温度差 ATrを、少なくとも校正用熱電対と同一基板に形成した一対 の温度センサで計測する場合である。一対の温度センサが校正用熱電対と同一基 板に形成してあるので、校正が容易である。
[0021] 一対の温度センサとして、 pn接合ダイオードやトランジスタなどの pn接合を用いると 、半導体基板に形成する場合は、ヒータや熱電対などと同一工程で、しかもフォトリソ グラフィ一で高精度、かつ大量に形成できるという利点がある。
[0022] 一対の温度センサとして、熱電対を用いた場合には、熱電対として、例えば、純粋 な金属から成る、たとえば、金とニッケル薄膜からなる既知の薄膜熱電対を用いること ができる。この場合、温度差 ATrは、例えば、 1°C程度の大きな値にできるので、この 既知の薄膜熱電対でも十分な精度が得られるから、従来の熱電対のようにして開放 熱起電力から温度差を求めると良い。
[0023] 本発明の請求項 5に係わる電流検出型熱電対の校正方法は、熱電対を構成する 導体のうち、少なくとも一方の導体を、縮退する程度に高い密度の不純物を添加して 、低抵抗ィ匕した半導体を用いた場合である。一般にシリコン半導体では、 p型よりも移 動度が大き 、多数キャリアが電子である n型の方が低抵抗ィ匕できるので、縮退した n 型半導体を用いる方が良い。他方の導体は、熱起電力が小さくとも抵抗率の小さい 金属薄膜を用いた方が得策である。
[0024] 本発明の請求項 6に係わる電流検出型熱電対の校正方法は、検出用薄膜熱電対 の接合部 (例えば、温接点)を基板から熱分離した薄膜に形成し、熱電対の他端であ る接合部 (例えば、冷接点)を基板上に形成した場合である。基板から熱分離した薄 膜とは、カンチレバ、マイクロエアブリッジやダイァフラムなどの基板力もの薄膜の梁 などを用いた支持により宙に浮いた薄膜で基板力も熱抵抗を大きくして、熱伝導が起 こり難 、構造にした薄膜のことである。
[0025] 本発明の請求項 7に係わる演算増幅器のオフセットの校正方法は、熱電対の短絡 電流を利用して温度差を検出する電流検出型熱電対の短絡電流検出用の演算増 幅器のオフセットの校正方法において、熱起電力が無視できる所定の抵抗を備え、 この抵抗を電流検出型の熱電対と同一もしくは異なる演算増幅器の入力段に接続で きるようにしてあり、この熱電対による演算増幅器の出力と、この抵抗による演算増幅 器の出力とを比較できるように構成して、これらの比較データを基にして演算増幅器 のオフセットを校正するようにしたことを特徴とするものである。
[0026] 赤外線センサとして電流検出型熱電対を用いた場合など、温度差が極めて小さ!/、 場合は、電流検出型の熱電対の短絡電流は極めて小さぐ短絡電流検出用の演算 増幅器の温度ドリフトなどに伴う入力段のオフセット電流と同程度になることが多い。 また、温度ドリフトなどに伴う入力段のオフセット電圧に基づく回路電流とも区別し難く なることがある。チヨツバ入りの演算増幅器を使用するとその必要がないことが多いが 、必要に応じて、周囲温度の変化や演算増幅器内の自己発熱などによる温度ドリフト を補正するなどして校正する必要がある。
[0027] 二個の演算増幅器を用意し、一方の演算増幅器の入力段には、電流検出型の熱 電対を接続し、他方の演算増幅器の入力段には、所定の抵抗を接続しておき、これ らの差動回路により演算増幅器のオフセットを校正するようにすることができる。この 場合、二個の演算増幅器は、同一の半導体チップに形成されたものを利用した方が 、ほぼ同一の温度特性を有すること、ほぼ同一の温度環境に晒されること、などから 好都合である。また、所定の抵抗の値も電流検出型の熱電対の内部抵抗に等しい方 が好適である。さらに、周囲力もの誘導ノイズに晒され方もほぼ同一とするために、所 定の抵抗も電流検出型の熱電対が形成されている領域に形成しておくと良い。
[0028] 本発明の請求項 8に係わる演算増幅器のオフセットの校正方法は、上述の請求項 7の演算増幅器のオフセットの校正方法のうち、一つの演算増幅器を用い、その入力 段に接続して 、る電流検出型の熱電対の代わりに所定の抵抗に切り替えることがで きるように構成してあり、所定の抵抗に切り替えたときのデータを基にして校正するよ うにした場合である。
[0029] 本発明の請求項 9に係わる電流検出型熱電対の短絡電流検出用の演算増幅器の オフセットの校正方法は、同一の被測定温度差 ATsが生じる箇所に、二対の熱電対 が互いに逆向きの接続できるよう形成してあり、一方の熱電対で被測定温度差 ATs を計測し、熱起電力が互いに打ち消し合うように互いに逆向きの接続したときに演算 増幅器のオフセットが校正できるようにしたことを特徴とするものである。
[0030] 二対の熱電対は、全く独立の熱電対同士でも良いが、熱電対を構成する二つの導 体のうちの一方を共通にして利用できるように構成した方が良い。特に二つの導体が 、半導体と金属である場合には、抵抗率が大きいために断面積を大きくして低抵抗 化した 、方の導体である半導体を共通にすると良 、。
[0031] 本発明の請求項 10に係わる電流検出型熱電対は、電流検出型の熱電対が形成さ れている同一基板に、加熱手段を備えた場合である。電流検出型熱電対自体の校 正や温度ドリフトなどによる演算増幅器のオフセットの校正がし易ぐまた、コンパクト な電流検出型熱電対が提供できる。
[0032] 本発明の請求項 11に係わる電流検出型熱電対は、熱電対の短絡電流を利用して 温度差を検出する電流検出型熱電対において、基板から熱分離した薄膜にこの熱 電対の一端となる接合部が形成されて ヽること、この熱電対の他端は基板に形成し てあること、この熱電対を構成する導体は、 5χ10"2 Ω 'cm以下の低抵抗率を有する 導体であること、この熱電対を構成する二つの導体は、絶縁膜を挟んだサンドイッチ 構造であること、このサンドイッチ構造の複数の梁で上記接合部を有する薄膜を支持 する構造とした場合である。
[0033] 製作するごとに異なる内部抵抗や絶対熱電能も校正できるので、精度の高い電流 検出型熱電対が提供できると 、う利点がある。複数の梁で熱電対の接合部を有する 薄膜を支持しているので、熱電対としてはその内部抵抗が並列接続になり内部抵抗 力 S小さくなるので、同一の温度差に対して熱電対に大きな電流が流れることになり、 その分 SZNが向上する。また、熱電対を構成する二種類の導体は、絶縁膜を挟ん だサンドイッチ構造であるので、高感度で極めてコンパクトな温度センサが提供でき る。
[0034] 本発明の請求項 12に係わる電流検出型熱電対は、熱電対に流れる短絡電流を利 用して温度差を検出する電流検出型熱電対であって、複数個のそれぞれの熱電対 にそれぞれ直列接続したスィッチを用いて、それぞれの熱電対の出力が独立に取り 出せるように構成したこと、これらの熱電対が演算増幅器 (OPアンプ)の反転入力端 子に接続されて ヽること、熱電対に流れる短絡電流が計測できるように演算増幅器の 仮想短絡が利用できるように構成したこと、を特徴とする場合である。
[0035] 熱電対に直列接続するスィッチとしては、 FETなどを利用したアナログスィッチでも 良いし、機械的な MEMS型の接触式スィッチでも良い。熱電対に直列に接続されるの で、可能な限り小さなオン抵抗のスィッチが望ましい。各ピクセルに熱電対を一次元 や二次元に配列して、赤外線イメージセンサなどに使用することが出来る。なお、電 流検出型熱電対を形成する半導体基板に FETなどのアナログスィッチを特別に形 成すると、本センサでは耐圧が小さくて済むので、市販のアナログスィッチよりもオン 抵抗が極めて小さ!/ヽスィッチを設計製作できる。
[0036] 本発明の請求項 13に係わる電流検出型熱電対は、一対の熱電対、もしくは複数の 熱電対を直列接続した熱電対を演算増幅器の非反転入力端子に接続し、抵抗 rを 演算増幅器の反転入力端子に接続してあること、この演算増幅器の仮想短絡を利用 して、この抵抗 rには、この熱電対の被測定温度差 ATsに基づく開放熱起電力 Vsが 直接印加され、この開放熱起電力 Vsに基づく短絡電流 Isが流れ、更に、その短絡電 流 Isの値は、この開放熱起電力 Vsを等価内部抵抗 rsとしての抵抗 rの値で除した値 となるようにしたこと、この演算増幅器の反転入力端子と出力端子間に接続した帰還 抵抗 Rfにもこの短絡電流 Isが流れるように構成したこと、これらのことがら〖こ基づくこ の演算増幅器の出力電圧力も被測定温度差 ATsが算出できるようにしたこと、を特 徴とする等価的な電流検出型熱電対である。
[0037] この熱電対の開放熱起電力 Vsは、別に用意した校正用熱電対を用いて、その開 放熱起電力 Vrと温度差との校正データと検出用熱電対の系の内部抵抗とを利用し て、被測定温度差 ATsを算出することができる。校正用熱電対として、熱電対 (検出 用の熱電対)と不純物濃度のレベルも含めた同一の材料で作成したものを用いると 良い。
[0038] 詳述すると、次のようになる。電流検出型熱電対では、熱電対の実際の内部抵抗 r s0 を可能な限り小さくする方が良いし、その値は製作する毎に異なるので、計測してお いて使用する必要がある。しかし、本発明の請求項 13に係わる電流検出型熱電対で は、演算増幅器の非反転入力端子に、熱電対 (サーモパイル)を接続する回路構成 にしているので、実際にはここに電流は流れず、非反転入力端子には、熱電対 (サー モパイルも含む)の被測定温度差 ATsに基づく開放熱起電力 Vsに相当する電位の みを与えることになる。したがって、演算増幅器の反転入力端子に抵抗 rを接続する と、演算増幅器の仮想短絡 (ィマージナリショート)ために、抵抗!:に直接、熱電対の 被測定温度差 ATsに基づく開放熱起電力 Vsが印加されるように回路構成している。 このとき抵抗 rには、開放熱起電力 Vsを抵抗 rの値で除した短絡電流 Isが流れるから 、抵抗 rは熱電対の等価内部抵抗 rsと言える、すなわち、抵抗 rは、熱電対の等価内 部抵抗 rsとして作用する。演算増幅器の反転入力端子と出力端子間に帰還抵抗 Rf を接続しておくと、この帰還抵抗 Rfにもこの短絡電流 Isが流れるので、演算増幅器の 出力には、被測定温度差 ATsに基づく開放熱起電力 Vsに比例する出力電圧成分 が現れるから、被測定温度差 ATsが算出できるようになる。予め用意してある熱電対 の開放熱起電力 Vs、もしくは別に用意した校正用熱電対の開放熱起電力 Vrと温度 差との校正データを利用して被測定温度差 ATsを推定するものである。
[0039] このことから、熱電対の実際の内部抵抗 r が大きくとも、所望の小さな抵抗 rを採用 s0
して演算増幅器の反転入力端子に接続することにより、抵抗 rを熱電対の実際の内 部抵抗 r を等価的な小さな等価内部抵抗 rsとして扱うことができるし、所定の小さな s0
値〖こすることができる。したがって、熱電対の開放熱起電力 VSを抵抗!:の値で除した 短絡電流 Isが、熱電対の等価内部抵抗 rsである抵抗 rに流れるから、短絡電流 Isは、 熱電対の実際の内部抵抗 r に依らず、抵抗 rの値に依存し、熱電対の開放熱起電力 s0
Vsに比例した値となる。ただし、演算増幅器の入力端子間を極端に小さな抵抗で短 絡する、または、これに等価的な回路にすると、演算増幅器が動作しなくなるので、 抵抗 rを小さくさせるには限界がある。 [0040] 演算増幅器の非反転入力端子に接続する熱電対は、一対の熱電対でも良いし、 必要に応じて複数の熱電対を直列接続した熱電対であるサーモパイルでも良 、。し かし、サーモノィルとした場合には、一般にその内部抵抗が大きいために大きな内 部抵抗を有する信号源となるので、 SZNが小さくなつてしまう。特に、演算増幅器か ら長いリード線で内部抵抗が大きいサーモパイルを接続したときに問題になる。した がって、可能な限り小さな内部抵抗にする方が良い。
[0041] 本発明の請求項 14に係わる電流検出型熱電対は、請求項 13記載の電流検出型 熱電対において、抵抗 rが、熱電対の実際の内部抵抗 rより小さくなるようにした場合 s0
である。抵抗 rを小さくすることにより、同一の熱電対に発生した熱起電力により大きな 短絡電流 Isが抵抗!:に流れるので、その分、大きな感度の電流検出型熱電対が提供 できる。ただし、演算増幅器では、その入力端子間に小さな信号でもその内部抵抗 力 S小さすぎると演算増幅器が飽和するなど、その機能が達成できなくなることがある ので、極端に抵抗 rを小さくすることはできないことに注意を要する。
[0042] 本発明の請求項 15に係わる電流検出型熱電対は、請求項 13または 14のいずれ かに記載の電流検出型熱電対において、熱電対を複数個備えてあり、これらの複数 個のそれぞれの熱電対にそれぞれ直列接続したスィッチを用いて、これらの複数個 のそれぞれの熱電対の出力が独立に取り出せるように構成した場合である。
[0043] 1個の演算増幅器を用いて複数個の熱電対のそれぞれの出力が独立に取り出せ るようにするには、スィッチを用いて切り替えて演算増幅器に接続するようにすれば 良いが、一般にスィッチとしてアナログスィッチを用いた場合には、そのオン抵抗が 5 Ω程度もある。このスィッチの大きいオン抵抗が熱電対に直列接続になると、熱電対 の内部抵抗が大きく見えて、このスィッチのオン抵抗によって電流検出型熱電対の 短絡電流が制限されたり、また、スィッチをオン、オフした場合のオン抵抗値の再現 性が無視できな 、と 、う問題が生じる場合がある。
[0044] そこで、本発明の請求項 15に係わる電流検出型熱電対では、請求項 13に記載し たように、固定の抵抗 rを演算増幅器の反転入力端子に接続し、複数個の熱電対を 演算増幅器の非反転入力端子に接続するに当たり、それぞれの熱電対に直列に接 続したスィッチを通して行うものである。このように各熱電対を演算増幅器の非反転 入力端子に接続すると、この各熱電対には電流が流れない (極めて小さく無視できる )ので、ここでの電圧降下が無視できる。したがって、各熱電対に直列接続した比較 的大きな抵抗を有するアナログスィッチなどのスィッチでも電圧降下が無視できるの で、スィッチの内部抵抗には関係なぐ演算増幅器の仮想短絡のために、熱電対で 発生した開放熱起電力 Vsは、演算増幅器の反転入力端子に接続された抵抗 rに直 接印加されることになる。このようにして、スィッチのオン、オフによりスィッチの内部抵 抗には無関係に所望の熱電対を選択することができる。マトリックス状やアレー状に 接続した多くの熱電対をそれぞれに接続したスィッチを通して、任意に選択すること ができる。各熱電対の温接点に赤外線吸収膜を形成して、熱電対をマトリックス状に 配置した構造の非冷却イメージセンサなどに利用するのに好適である。なお、スイツ チをオフにするときには、極めて高抵抗になるので、演算増幅器が不安定になるから 、スィッチをオフにすると同時に、小さな抵抗に切替えられるようにする方が良い。
[0045] 本発明の請求項 16に係わる電流検出型熱電対は、演算増幅器の仮想短絡を利 用して、一対の熱電対に流れる短絡電流を検出して温度差を検出できるようにした 電流検出型熱電対を、 1つのユニットとして用いること、このユニットを複数個備えてあ ること、この複数個のそれぞれのユニットにそれぞれ直列接続したスィッチを用いて、 それぞれのユニットの出力が独立に取り出せるように構成したこと、を特徴とした場合 である。なお、 1つのユニットの出力端子は、このユニットを構成している演算増幅器( OPアンプ)の出力端子と同一である。
[0046] この場合、ユニット毎に OPアンプを必要とするので、多くのユニットを配列するには 困難なことがあるが、個数が少ないときには極めて有効である。スィッチとしては、ァ ナログスィッチでも、例えば、 MEMS型の機械的な接触式でも良い。
[0047] 複数のユニットからのスィッチを通して、別に設けた演算増幅器の入力端に接続す ることができる。この場合、請求項 12に記載した熱電対の代わりに、各ユニットの出力 端子を、この別に設けた演算増幅器の反転入力端子に接続して良いし、または、請 求項 13に記載した熱電対のように、各ユニットの出力端子をこの別に設けた演算増 幅器の非反転入力端子に接続して良い。
[0048] 本発明の請求項 17に係わる電流検出型熱電対は、基板から熱分離した薄膜に熱 電対の接合部が形成されている請求項 12から 16に記載されている電流検出型熱電 対の場合である。基板から熱分離した薄膜に形成された熱電対の接合部は温接点と して、熱電対の他端は、基板上に形成し、冷接点とすると良い。また、基板から熱分 離した薄膜は、熱容量が小さぐ熱コンダクタンスも小さいので、小さな熱量で大きな 温度変化が得られることになり、高速で高感度の温度センサとなる。赤外線吸収膜を 熱分離した薄膜に形成して、熱型赤外線センサとして利用することができるし、また、 熱せられたガスや液体などの流れの検出、気体や液体の熱伝導率の変化に伴う放 熱状態の変化力 種々の物理量を求めるセンサとしても利用できる。
[0049] 本発明の請求項 18に係わる電流検出型熱電対は、請求項 11または 17のいずれ 力に記載の電流検出型熱電対において、薄膜を支持している複数の梁を通して基 板に導かれたこれらの二種類の導体は、基板上において 5x10— 2 Ω 'cm以下の低抵 抗率を有する導体を用いて、それぞれ一括されて二端子となるように構成された場合 である。
[0050] 詳述すると、次のようである。基板力 熱分離した薄膜 (宙に浮いている薄膜)は、 例えば、熱型赤外線センサの受光部として利用する場合は、 SZNの向上からその 面積を大きくしたい場合が多い。この薄膜を基板力も支持するには、複数の梁で支 持した方が、強度の強い構造となるので都合が良い。しかし、受光部とした宙に浮い た薄膜からの基板への熱の逃げを考慮すると、細い複数の梁で支持する方が好適 である。しかし、それぞれの梁は細く長いので、その電気抵抗は大きくならざるを得な い。そこで、本発明は、これらの梁の抵抗が並列接続となるようにして、更に電気抵抗 の小さ ヽ導体で、基板上でそれぞれ一括されて二端子となるように接続して構成した 場合である。
[0051] 本発明の請求項 19に係わる電流検出型熱電対は、基板に形成された薄膜の複数 のカンチレバのそれぞれに、少なくとも一対の熱電対が搭載していること、これらの複 数のカンチレバのそれぞれに形成されている熱電対が、さらに並列に接続されて一 括して二端子となるように構成していること、演算増幅器の仮想短絡を利用して、前 記二端子間の熱電対に流れる短絡電流を検出して温度差を検出できるようにしてい ること、を特徴とするものである。 [0052] 熱型赤外線センサの受光部として熱電対を搭載した薄膜のカンチレバを利用する と、その熱時定数はカンチレバの寸法に大きく依存する。高速動作の熱型赤外線セ ンサでは、その受光部である薄膜のカンチレバの面積を小さくせざるを得ない。しか し、受光部は大きくしたい場合が多い。本発明は、特にこのような目的のためになさ れたもので、例えば、極めて小型の薄膜のカンチレバ型赤外線受光部を、二次元ァ レー状に形成しておき、これらを並列接続することにより、受光面積を等価的に大きく なるようにすると共に、熱時定数はそれぞれのカンチレバの寸法に依存するので、高 速に動作するようにしたものである。特に、テラへルツ波のように波長が長い電磁波 の受信や波長の長い赤外線受光には有効である。カンチレバの長さを 5 m程度に すると、その厚みにも依る力 その熱時定数を 1マイクロ秒程度にすることができる。
[0053] 本発明の請求項 20に係わる電流検出型熱電対は、請求項 11、もしくは 17から 19 の!ヽずれかに記載の電流検出型熱電対にお!ヽて、熱電対が形成されて!ヽる薄膜を 支持して!/ヽる基板に絶対温度センサを設けて、基板温度が計測できるようにした場 合である。電流検出型熱電対は、温度差だけしか計測しないので、基準となる基板 の絶対温度を計測しておく必要がある場合が多 、。
[0054] 絶対温度センサとしては、サーミスタ、白金抵抗体、 pn接合を利用したダイオードサ 一ミスタゃトランジスタサーミスタなど既存の絶対温度センサが使用できる。ダイォー ドサ一ミスタゃトランジスタサーミスタなどのように、同一の半導体基板に成熟したフォ トフアプリケーションなどで作成できる方が好適である。
[0055] 本発明の請求項 21に係わる熱型赤外線センサは、請求項 10から 20のいずれかに 記載の電流検出型熱電対を用いた熱型赤外線センサにおいて、少なくとも熱電対の 接合部付近に、赤外線吸収膜を形成して受光部としたものである。この赤外線吸収 膜を形成した領域である受光部は、基板から熱分離した薄膜上に形成した方が、熱 容量と熱コンダクタンスが小さくできるので高感度で高速応答の熱型赤外線センサと なる。
[0056] 本発明の請求項 22に係わる熱型赤外線センサは、熱電対の接合部が形成されて いる基板から熱分離した薄膜の下部に位置する基板の領域に、熱型赤外線センサ の周辺回路の少なくとも一部を形成した請求項 21の熱型赤外線センサである。特に 、薄膜に形成した熱電対をマトリックス状に配置した構造の非冷却イメージセンサな どにお \、ては、特定の熱電対を選択するためのスィッチ(アナログスィッチなど)など の集積回路である周辺回路の一部をそれぞれの熱電対に接続させる必要がある。熱 電対の接合部が形成されている赤外線の薄膜受光部の下部に、このような熱型赤外 線センサの周辺回路の一部である集積回路を形成するとセンサチップの面積に対し て受光部の占める割合が大きく形成できるので、 SZNが大きくなり好都合である。
[0057] また、非冷却イメージセンサなどへの適用の際、赤外線の薄膜の受光部をピクセル として二次元アレー化が必要である。このときに、アレー化した受光部の全体に対す る各ピクセルとなる薄膜受光部の面積の割合を大きくするために、薄膜の受光部を基 板力 支持する梁などの熱抵抗の大きい支持部を薄膜の受光部と基板との間に形 成するようにすると良い。すなわち、支持部が入射赤外線に対して、薄膜の受光部の 陰に隠れるような構造にすると良い。
[0058] 本発明の請求項 23に係わる赤外線検出装置は、請求項 21または 22のいずれか に記載の熱型赤外線センサの出力を基にして、フィルタを通した赤外線の絶対量や ターゲットの温度表示などの種々の演算結果が表示できるように、少なくとも、熱型赤 外線センサと演算回路部及び表示部を備えたものである。
発明の効果
[0059] 本発明の電流検出型熱電対の校正方法では、校正用熱電対を備えており、加熱 手段により校正用熱電対に大きな温度差 ATrを発生させることができるので、容易 に校正用熱電対の絶対熱電能 E を求めることができる。検出用熱電対も校正用熱 ro
電対と同一の条件で製作できるので、容易に高い精度で検出用熱電対を校正できる という利点がある。
[0060] 本発明の電流検出型熱電対の校正方法では、校正用熱電対と検出用熱電対とが
、同一の基板に薄膜熱電対として形成でき、しかも近接配置ができるので、校正精度 を上げることができるという利点がある。
[0061] 本発明の電流検出型熱電対の校正方法では、加熱手段としてジュール熱を利用 するヒータを用いて基板の一部を熱し、温度差 ATrを生じさせることもできるので、簡 便な校正方法となる。 [0062] 本発明の電流検出型熱電対の校正方法では、校正用熱電対の二つの接合部 (温 接点と冷接点)間の温度差 ATrを、校正用熱電対と同一基板に形成した一対の温 度センサで計測するので、高精度の校正が容易にできるという利点がある。
[0063] 本発明の電流検出型熱電対の校正方法では、熱電対を構成する導体のうち、少な くとも一方の導体を、縮退する程度に高い密度の不純物を添加して、低抵抗化した 半導体を用いると、高抵抗の半導体よりは熱起電力が一般に小さくなるが、それでも 数分の一程度であるのに対して、抵抗は例えば 4桁も小さくできるので、高感度の温 度センサが提供できる。また、低抵抗化した半導体は、一般に金属よりは内部抵抗が 大きいので、金属配線は抵抗が小さいので、熱電対の内部抵抗をほぼ低抵抗ィ匕した 半導体の部分の抵抗 (せいぜい 10 Ω程度)として取り扱うことができる。従って、金属 配線を用いてもこの部分の抵抗が小さいので、校正時に配線抵抗が無視できると言 う利点がある。また、演算増幅器 (OPアンプ)を用いて電流変化を検出する際には、 演算増幅器への入力抵抗を余り小さくできないので、この点力もも低抵抗ィ匕した半導 体を用いることは好都合である。
[0064] 本発明の電流検出型熱電対の校正方法では、基板力 熱分離した薄膜 (例えば、 宙に浮 、た薄膜)であるカンチレノ 、マイクロエアブリッジやダイァフラムなどに熱電 対の一方の接合部(例えば、温接点)を形成した場合でも校正が容易である。
[0065] 本発明の電流検出型熱電対の短絡電流検出用の演算増幅器のオフセットの校正 方法により、電流検出型熱電対による微小短絡電流であっても、演算増幅器の温度 ドリフトに基づくオフセットの変動を、マイクロヒータの加熱手段 (電流検出型の熱電対 自体をヒータとして利用してもよい)による既知の温度上昇分も利用できること、電流 検出型の熱電対と同等な熱電対を新たに形成して差動動作をさせること、また、電流 検出型の熱電対の内部抵抗と同等な抵抗を用いるなどして、補正し、更には校正す ることができる力 、高精度の温度差検出センサが提供できる。
[0066] 本発明の電流検出型熱電対では、同一基板に検出用熱電対と校正用熱電対およ び校正用熱電対の温度差検出用の一対の温度センサとを備えることができ、更にヒ ータも同様に形成できるから電流検出型熱電対の形状効果による内部抵抗の違いも 補正して校正できるので、信頼性が高ぐ高感度で高精度の温度センサが提供でき る。更に、 MEMS技術を利用した大量生産性があり、小型で低コストの高感度、高精 度の熱型の熱型赤外線センサなどへの応用も期待できる。
[0067] 本発明の電流検出型熱電対では、複数個の熱電対のそれぞれに直列接続したス イッチを用いて、演算増幅器の反転入力端子に接続し、演算増幅器の仮想短絡 (ィ マージナリショート)を利用して、それぞれの熱電対の出力を独立に取り出すことが出 来るので、センサアレーである高感度の赤外線イメージセンサなどが提供できると言 ぅ禾 IJ点がある。
[0068] 本発明の電流検出型熱電対では、演算増幅器の非反転入力端子に熱電対 (サー モノ ィルも含む)を接続する回路構成にでき、反転入力端子に抵抗 rを接続すると、 演算増幅器の仮想短絡 (ィマージナリショート)ために、抵抗!:は熱電対の等価内部 抵抗 rsと見做すことができる。従って、抵抗 rを 10 Ω程度の小さな抵抗に選べば、こ の小さな抵抗 rが等価的に熱電対の等価内部抵抗 rsとなり、実際の熱電対の内部抵 抗 r が大きくとも所望の等価的な小さな内部抵抗 rsとして扱うことができるので、高感 s0
度の電流検出型熱電対が提供できると言う利点がある。
[0069] 本発明の電流検出型熱電対では、熱電対に直列接続したスィッチを演算増幅器の 反転入力端子に接続した回路を 1つのユニットとして用い、さらに複数のユニットを備 えて、それぞれの出力を独立に取り出すことが出来るようにし、これらの出力を更に別 に設けた演算増幅器の仮想短絡を利用して、各熱電対に流れる電流を出力電圧と して取り出すことが出来るので、センサアレーなどの高感度の温度差検出ができると 言う利点がある。
[0070] 本発明の電流検出型熱電対では、熱電対を搭載した薄膜の複数の小さなカンチレ バを二次元アレー状に配列して、これを等価的に大面積の赤外線受光部とすること ができる。これらの熱電対を並列接続して、電流を大きくなるようにすると共に、各受 光部は小型であるから高速応答となり、二次元アレー配列により等価的に大面積の 赤外線受光部を有する高速応答の熱型赤外線センサが提供できるという利点がある
[0071] 本発明の電流検出型熱電対の接合部を基板から熱分離した薄膜に形成できるの で、熱容量と、熱コンダクタンスが小さくできる。したがって、微少の熱量で温度上昇 が大きくできるので、高速で高感度の電流検出型熱電対が提供できる。
[0072] 本発明の電流検出型熱電対を用いると、ヒータ力 の熱量を気体や液体の流れに よる温度変化を高感度で、しかも高速で計測できるので、気体や液体のフローセンサ 、周囲気体による放熱を計測する真空センサ、更には気体や液体の組成分析、発熱 反応、赤外線や放射線の検出など、高感度で、高速応答の種々の熱型センサが提 供できる。
図面の簡単な説明
[0073] [図 1]図 1は、本発明の電流検出型熱電対とその校正方法を説明するための電流検 出型熱電対を搭載したセンサチップの一実施例の斜視概略図である。(実施例 1) [図 2]図 2は、図 1における検出用熱電対 20を通る断面の概略図である。(実施例 1) [図 3]図 3は、本発明の電流検出型熱電対の測定回路の一実施例を示す図である。( 実施例 1)
[図 4]図 4は、本発明の電流検出型熱電対の測定回路の他の一実施例を示す図であ る。(実施例 1)
[図 5]図 5は、本発明の電流検出型熱電対とその校正方法を説明するための電流検 出型熱電対を搭載したセンサチップの他の一実施例の斜視概略図である。(実施例 2)
[図 6]図 6は、本発明の電流検出型熱電対を熱型赤外線センサとして実施した場合 のセンサチップの一実施例の平面概略図を示す図である。(実施例 4)
[図 7]図 7は、図 6における A— A線における横断面図の概略図を示す図である。(実 施例 4)
[図 8]図 8は、本発明の電流検出型熱電対を高速で大受光面積となる熱型赤外線セ ンサとしての一実施例を示す図である。(実施例 5)
[図 9]図 9は、本発明の電流検出型熱電対の一実施例を示す概略回路図である。(実 施例 6)
[図 10]図 10は、本発明の等価的な電流検出型熱電対の一実施例の回路構成で熱 型赤外線センサに応用した場合を示す図である。(実施例 7)
[図 11]図 11は、本発明の等価的な電流検出型熱電対の他の一実施例の回路構成 で、熱型赤外線センサに応用した場合を示す図である。(実施例 8)
[図 12]図 12は、本発明の等価的な電流検出型熱電対の一実施例で、熱型赤外線セ ンサに応用した場合を示す図である。(実施例 9)
[図 13]図 13は、熱電対 120と演算増幅器 (OPアンプ)との組み合わせによるユニット の概略図である。(実施例 10)
[図 14]図 14は、本発明の電流検出型熱電対を熱型赤外線センサに応用した場合の 一実施例を示す断面概略図である。(実施例 11)
[図 15]図 15は、本発明の電流検出型熱電対の短絡電流検出用の演算増幅器のォ フセットの校正方法を説明するための電流検出型の熱電対を搭載したセンサチップ の一実施例の平面概略図と回路の概略図を示す図である。(実施例 12)
[図 16]図 16は、本発明の電流検出型熱電対の短絡電流検出用の演算増幅器のォ フセットの校正方法を説明するための他の一実施例におけるセンサチップの平面概 略図を示す図である。(実施例 13)
[図 17]図 17は、本発明の電流検出型熱電対の短絡電流検出用の演算増幅器のォ フセットの校正方法の他の一実施例の回路概略図を示す図である。(実施例 14) [図 18]図 18は、本発明の電流検出型熱電対を用いた赤外線検出装置の一実施例 を示すブロック回路図を示す図である。(実施例 15)
符号の説明
1 センサチップ
5 薄膜
10 基板
11 SOI層
12 BOX層
15 下地基板
16 カンチレバ支持部
20 検出用熱電対
20R 参照用熱電対
20A, 20B 20R 導体 校正用熱電対
A, 21B 導体
n型拡散領域
接合部
温接点
冷接点
カンチレバ
空洞
、 51、 51、 52 絶縁薄膜 犠牲層
、60A、60B 電極
合金層
才ーム '性コンタクト 、 70A、 70B、 70R 電極ノ ッド 、 80A、 80B 電極ノッド 、 90A、 90B 電極ノッド0 絶対温度センサ
1、 102 温度センサ
5 pn接合ダイオード
0 配線
1 垂直配線
2 水平配線
5A、 115B 端子
熱電対
A, 120B 導体
カンチレバアレー 150 ヒータ
170 抵抗
200 赤外線吸収膜
210 受光部
300 集積回路
310 スィッチ
発明を実施するための最良の形態
[0075] 以下、本発明の電流検出型熱電対等の校正方法、電流検出型熱電対、熱型赤外 線センサおよび赤外線検出装置の実施例について、検出用熱電対を基板力 熱分 離した薄膜構造であるカンチレバ型ゃマイクロエアブリッジ型とした場合にっ 、て、そ れらの図面を参照して詳細に説明する。
実施例 1
[0076] 図 1は、本発明の電流検出型熱電対とその校正方法を説明するための電流検出型 熱電対を搭載したセンサチップ 1の一実施例の斜視概略図である。ここでは、検出用 熱電対 20を利用した熱型赤外線センサとして実施する場合で、校正用熱電対 21、 校正のための一対の温度センサ 101, 102および自己発熱のヒータ 150を搭載して いる。 p型の SOI層 11を有する基板 10 (SOI基板)を用い、その SOI層 11に縮退す る程度に高密度のリンなどの n型不純物を添加した n型拡散領域 22を検出用熱電対 20と校正用熱電対 21の一方の導体 20Aとし、他方の導体 20Bを、例えば、ニッケル (Ni)にした場合で、 SOI層 11を主体して、薄膜のカンチレバ 30状に検出用熱電対 2 0を形成したときの例を示している。なお、熱電対の一方の導体 21Aである縮退した n型半導体薄膜と他方の導体 21Bである Niとは、それぞれ温接点 26が正と負に帯 電すること、更に単純な材料で、しかも縮退した n型半導体薄膜は電気抵抗が小さい にもかかわらず熱起電力が大きいので、本実施例では、熱電対材料として採用し、互 いの熱起電力が相加わり大きくなるようにしている。また、図 2は、図 1における検出用 熱電対 20を通る断面の概略図である。
[0077] 本発明の電流検出型熱電対の検出用熱電対 20を利用して、これを熱型赤外線セ ンサとして実施する場合は、次のようにして作成される。 SOI基板の薄い p型の SOI 層 11 (例えば、厚み 2 m)を細長いカンチレバとして残して、 MEMS技術でその下 部に空洞 40を形成してあり、このカンチレバ 30にはリン不純物を 1021cm— 3程度の高 密度に熱拡散して添加した縮退した n型半導体の n型拡散領域 22にしてあり、この上 に形成してある薄い SiO膜である絶縁薄膜 50を介して、その上には温接点 26が負
2
に帯電する導体 20Bである Ni (ニッケル)薄膜を形成しておく。したがって、熱電対を 構成する導体 20A, 20Bとして、それぞれ Siの縮退した n型半導体薄膜と Ni薄膜を 用いており、カンチレバ 30の主材料にもなつている。基板 10としての SOI基板の BO X層 12である SiO膜のうち、薄膜のカンチレバ 30の下部の空洞 40部分に対応する
2
箇所は、むしろ、一度エッチング除去して、その後、保護膜として、薄い SiO膜を形
2 成しておいた方が、熱伝導と熱容量を可能な限り小さくする観点力も好ましい。熱電 対 (検出用熱電対 20と校正用熱電対 21)の温接点 26となる接合部 25は、カンチレ バ 30の先端付近に形成しておく。熱電対の他端の冷接点 27は、 Siの基板 10 (ヒート シンクとしての役目もする)上に形成したアルミニウム (A1)力もなる電極 60や配線 11 0を利用する。基板 10には、必要に応じ、演算増幅器などの周辺回路の一部を形成 して、信号処理、増幅や温度センサとしての駆動などが行えるようにすると良い。
[0078] 熱型の赤外線センサとして実施しているので、薄膜のカンチレバ 30の先端付近に ある検出用熱電対 20の温接点 26に対応の接合部 25をカバーする領域に赤外線を 吸収する赤外線吸収膜 200を薄膜状に形成して、赤外線の受光部 210として 、る。
[0079] ここでは、図示していないが、検出用熱電対 20の温接点 26付近に赤外線の受光 部 210としての赤外線吸収膜 200を有するカンチレバゃ橋架構造、更にはダイァフ ラムをアレー状にして、それぞれを画素とするイメージセンサとして利用しても良い。
[0080] 本発明の電流検出型熱電対の校正用熱電対 21は、例えば、検出用熱電対 20と同 一の SOIを有する基板 10の薄い SOI層に検出用熱電対 20と同一の寸法、もしくは、 少し長めの寸法にして、し力も検出用熱電対 20と同一工程で、リン不純物を 1021cm 3程度の高密度に熱拡散して添加した縮退した n型半導体と Ni (ニッケル)薄膜を形 成して作成する。ただし、校正用熱電対 21は、検出用熱電対 20のようなカンチレバ とはせずに、すなわち下地基板 15を空洞化しないで SOI基板に直に形成しておくと 良い。 また、図 1では、本発明の電流検出型熱電対の校正用の一対の温度センサ 101, 1 02として、それぞれ、 pn接合ダイオードをダイオードサーミスタとして使用した場合を 示している。この一対の温度センサ 101, 102と校正用熱電対 21および自己発熱の ヒータ 150を利用して、検出用熱電対 20を校正する仕方について述べる。まず、 pn 接合ダイオードをダイオードサーミスタとして使用するために、例えば、それぞれの温 度センサ 101, 102としての pn接合ダイオードの順方向電圧 0.60Vにおける順方向 電流 Ifの温度依存性を計測しておき (Ifは、絶対温度 Tの逆数 1/Tに対して指数関数 的な依存性を示す)、その Ifの計測力も温度センサ 101, 102の温度が分力るようにし ておく。次に、ヒータ 150にその電極パッド 90A, 90Bを通して電流を流し、加熱して 温度センサ 101, 102の温度差 ATrを計測する。温度センサ 101, 102は、ヒータ 1 50からの熱の流れに対して校正用熱電対 21の温接点 26と冷接点 27の位置に対応 した箇所に形成してあるので、校正用熱電対 21の開放熱起電力 Vrから校正用熱電 対の絶対熱電能 Eを、 Vr/ATrとして求める。このとき温度センサ 101, 102の温度 ro
差 ATrは、例えば、 3°C程度の大きな値にしておくと、校正用熱電対 21の開放熱起 電力 Vrも誤差が少なく計測できる。次に、検出用熱電対 20の被測定温度付近にお ける測定した内部抵抗 rを検出用熱電対 20の電極パッド 70 (70A、 70B)を通して計 s
測しておく。また、検出用熱電対 20も校正用熱電対 21と同時に作成しているので同 一の絶対熱電能 Eを有すると見做す。熱型赤外線センサとしてのカンチレバ 30の ro
先端に形成してある赤外線吸収膜 200に、被測定赤外線を照射したときにその吸収 熱による基板 10に対する温度上昇分 (温接点 26と冷接点 27の温度差)である被測 定温度差 ATsにより検出用熱電対 20に流れる短絡電流 Isを計測する。短絡電流 Is は、図 3に示すように、演算増幅器 (OPアンプ)の入力端子は、ィマージナリショート として動作することを利用して計測することが出来る。短絡電流 Isが帰還抵抗 Rfに流 れると、演算増幅器の出力電圧 Vsoは短絡電流 Isと帰還抵抗 Rfの積 (Is 'Rf)として 観測される。帰還抵抗 Rfは既知で、出力電圧 Vsoは観測可能であるから短絡電流 Is を求めることが出来る。上述の (数 1)を利用して、赤外線受光による検出用熱電対 2 0の被測定温度差 ATsを求めることが出来る。なお、図 3では、演算増幅器の非反転 入力端子が直接アースに直結しているが、アースとこの非反転入力端子との間に図 4のように抵抗 Rcを入れると出力電圧 Vsoを大きくすると共に、 OPアンプのオフセット 電圧調整が容易となる。抵抗 Rcと帰還抵抗 Rfが等しい値のときは、抵抗 Rcにも熱電 対の短絡電流 Isが流れるので、出力電圧 Vsoは、図 3に示した非反転入力端子が直 接アースに直結している場合の 2倍の出力が得られる。ただし、抵抗 Rcが大きいと S/ Nが悪くなるので注意を要する。
[0082] 実験によると、 SOI層 11に形成した導体 21 Aとしての縮退した n型拡散領域 22と導 体 21Bとしての Ni薄膜の校正用熱電対 21における絶対熱電能 E は、約 200 μ V/K ro
であり、検出用熱電対 20の内部抵抗 rは、約 30 Ωであった。帰還抵抗 Rfを 100ΚΩ s
としたときに、演算増幅器の出力電圧 Vsoが約 80mVであったので、短絡電流 Isは、 80 μ Αであり、検出用熱電対 20の赤外線照射による温度上昇分である被測定温度 差 ATsは、上述の数式 2から 0. 12°Cとなる。
[0083] 熱電対の一方の導体として、上述のように金属(例えば、 Ni)薄膜や半金属を用い た時には、金属や半金属の電気抵抗が、縮退した半導体薄膜に比べ、一般に極め て小さいので、縮退した半導体薄膜よりも薄ぐ且つ、細く形成しても良い。
実施例 2
[0084] 図 5は、本発明の電流検出型熱電対とその校正方法を説明するための電流検出型 熱電対を搭載したセンサチップ 1の他の一実施例の斜視概略図であって、上述の図 1と同様であるが、異なる点は、校正用熱電対 21の温度差を検出するための温度セ ンサ 101として異なる導体 120Aと導体 120B力もなる熱電対を利用した場合である。 導体 120Aと導体 120Bを、例えば、金 (Au)とニッケル (Ni)などとしてこの熱電対を 形成することができる。
実施例 3
[0085] 上述の実施例 1 (図 1)及び実施例 2 (図 5)における基板に形成したヒータ 150の代 わりに、ここでは図示しないが、ヒータ 150を別に作製しておき、このヒータ 150を基 板に近接させて用いるか、または、基板に接触させるかなどして、校正用熱電対 21と 一対の温度センサ 101, 102 (場合により温度センサ 101のみ用いる)を利用して、上 述の方法で検出用熱電対 20を校正することができる。
実施例 4 [0086] 図 6には、本発明の電流検出型熱電対を熱型赤外線センサとして実施した場合の センサチップの平面概略図を示す。また、図 7には、図 6における A— A線における 横断面図の概略図を示す。この熱型赤外線センサでは、基板 10から空洞 40と溝 41 により熱分離されてあり、 4本の梁 31で支持された薄膜 5に形成された受光部 210に 赤外線吸収膜 200を形成してあり、この下に電流検出型熱電対 (熱電対 120)の接 合部 25があり、そこが温接点 26となっている。 4本の梁 31は、それぞれ熱電対 120と なっており、実施例では、 p型の SOI層 11に縮退するほど高濃度に不純物を添加し て n型にした n型拡散領域 22を形成して、この領域を熱電対 120の一方の導体 120 Aとし、シリコン (Si)の熱酸ィ匕膜などの絶縁薄膜 50を介して他方の導体 120Bが形 成された構造にしている。すなわち、 4本の梁 31と受光部 210の直ぐ下の領域は、 0 . 3 m程度の厚みの絶縁薄膜 50を一方の導体 120Aと他方の導体 120Bとでサン ドイッチにした構造になっている。このため、構造が簡単であると共に、薄く熱容量が 小さい赤外線の受光部 210が達成できる。また、熱電対 120の冷接点 27となる基板 10上の電極 60では、熱電対 120の導体 120Aと導体 120Bが、それぞれ並列に接 続となるように配線 110を介して一括して二端子 (電極パッド 70A、 70B)となるように 構成している。導体 120Aとしての n型拡散領域 22はできるだけ低抵抗になるように、 少なくとも 5χ10—2 Ω 'cm以下の低抵抗率になるようにすると良いし、 n型拡散領域 22 とは、反対の符号のゼーベック係数の材料を選ぶ方が良いが、電気抵抗を小さくした いので、電気抵抗が大きくなつてしまう p型半導体よりも、むしろ、ゼーベック係数がそ れほど大きくなくともニッケル (Ni)などの金属の電気抵抗が小さ!/ヽ材料を選択した方 が良いことがある。
[0087] 図 6では、更に、絶対温度センサ 100として、 pn接合ダイオード 105を基板 10上に 形成して、基板 10を基準温度とし、赤外線受光による受光部 210の温度上昇分を検 出できるようにしている。
実施例 5
[0088] 図 8は、本発明の電流検出型熱電対を高速で大受光面積となる小型の薄膜のカン チレバアレー 130からなる熱型赤外線センサとしての一実施例で、熱電対 120を搭 載した極めて小さいカンチレバ 30が二次元アレー状に形成してあり、各熱電対 120 は並列に接続されて一括して二端子となるように構成している場合である。なお、この 熱電対 120を構成する二種類の導体 120A、 120Bは、図 5に示した赤外線受光用 のカンチレバ型薄膜上に形成された検出用熱電対センサ 20と同様に、絶縁膜を挟 んだサンドイッチ構造の場合である。なお、図 8に示す薄膜の各カンチレバ 30は、実 際は絶縁膜を挟んだサンドイッチ構造であるが、二種類の導体 120A、 120Bだけを 示し、単純化して図示している。
[0089] このように、極めて小型の薄膜のカンチレバアレー 130は、カンチレバ状の赤外線 受光部を、二次元アレー状に形成しておき、これらを並列接続することにより、受光 面積を等価的に大きくなるようにすると共に、熱時定数はそれぞれのカンチレバの寸 法に依存するので、高速に動作するようにしている。
[0090] 各熱電対 120は、共有する垂直配線 111と水平配線 112を介して並列に接続され て、さらに一括して二つの端子 115A、 115Bとなるように構成した二端子の赤外線受 光による出力は、演算増幅器の仮想短絡を利用して、二端子間の各熱電対に流れ る短絡電流の総和を検出して温度差を検出できるようにしているので、高感度で高速 の熱型赤外線センサとなる。演算増幅器 (OPアンプ)は、カンチレバアレー 130が形 成されて!/、る基板と同一の基板 1に形成すれば好都合である。
実施例 6
[0091] 図 9は、本発明の電流検出型熱電対の一実施例を示す概略回路図であり、熱型赤 外線センサに応用した場合を示すものである。赤外線吸収膜を形成した受光部 210 に形成している熱電対 120を複数備えてあり、各熱電対 120には、スィッチ 310を直 列接続してあり、それぞれスィッチ 310により選択されて演算増幅器(同図では、 OP Ampと記載している)の反転入力端子に接続している。受光部 210は、カンチレバな どの基板力 熱分離した薄膜に形成した方が良い。
[0092] スィッチ 310として、 FETなどのアナログスィッチを用いても良いし、機械的な MEM S型の接触式のスィッチなどを用いても良い。これらのスィッチ 310との組み合わせで マトリックス状に形成したカンチレバなどの受光部とした赤外線イメージセンサが提供 できる。赤外線イメージセンサの受光部と同一の基板に、スィッチや OPアンプや集 積回路などを形成しておくと良い。 実施例 7
[0093] 図 10は、本発明の等価的な電流検出型熱電対の一実施例を示す概略回路図で あり、熱型赤外線センサに応用した場合を示すものである。熱電対 120を演算増幅 器(同図では、 OPAmpと記載して ヽる)の非反転入力端子に接続するように構成し た場合である。この構成では、実際には、熱電対 120に電流がほとんど流れず、熱起 電力のみ与えることになる。この回路構成では、熱電対 120としては、ここには電流が ほとんど流れず、熱起電力のみ与えることになるので、一対の熱電対ば力りでなぐ 熱電対を直列接続した熱電対 (サーモパイル)を用いてもょ ヽ。
[0094] 本実施例では、熱電対 120を利用した熱型赤外線センサに応用した場合で、受光 部 210となる赤外線吸収膜 200の下に熱電対 120の温接点 26を有している。このよ うな回路構成により抵抗 rには、この熱電対 120の被測定温度差 ATsに基づく開放 熱起電力 Vsを抵抗 rの値で除した短絡電流 Isが流れるようになる。演算増幅器の帰 還抵抗 Rfにもこの短絡電流 Isが流れるように構成してあるので、演算増幅器の出力 電圧 V は、 Vs (l +RfZr)で表現できるから、この出力電圧 V と、この熱電対 (検出 用熱電対)の予め用意してある開放熱起電力 Vsもしくは、別に用意した校正用熱電 対の開放熱起電力 Vrと温度差との校正データを利用して利用して、被測定温度差 △Tsが算出できるようにしたものである。なお、校正用熱電対としては、検出用熱電 対と不純物レベルも含めて同一熱電材料で形成してあるものを用いる力、少なくとも これに換算できるものを用いる。
[0095] 更に詳述すると、このような回路構成にすることにより、熱電対 120に発生した被測 定温度差 ATsに基づく開放熱起電力 Vsが、演算増幅器の仮想短絡 (ィマージナリ ショート)のためと、非反転入力端子には実質的に電流が流れないために熱電対 12 0での電圧降下が無視できるから、熱電対 120の本当の内部抵抗 rの大きさによら ず、反転入力端子に接続した抵抗 rに全て印加されることになる。したがって、演算増 幅器の入力側の熱電対 120と抵抗!:とアースとを含む閉回路 (等価的な短絡回路)を 考えると、抵抗 rは等価的に熱電対 120の等価内部抵抗 rsのように見做すことができ る。このようなことで、抵抗 rを小さな値に選択することにより、等価的に小さな内部抵 抗の熱電対 120が達成できたことにより、同一の熱起電力 Vsに対して大きな短絡電 流 Isが流れ、適当な帰還抵抗 Rfの選択により大きな出力電圧 V が取り出されるので
、このような回路構成は、等価的な電流検出型熱電対と呼ぶにふさわしいと考えられ る。
[0096] 抵抗 rは、固定抵抗として、例えば、 10 Ωとしておくと、熱電対 120の実際の内部抵 抗 r の大きさ力 例えば、 100 Ωあつたとしても、熱電対 120の等価内部抵抗 rsは抵 抗 rの値である 10 Ωとなる。もし、赤外線を受光して熱型赤外線センサとしての熱電 対 120の熱起電力 Vsが、 lmVであるならば、短絡電流 Isは VsZr= 100 Aとなる 。帰還抵抗 Rf= 10k Qに選ぶと、演算増幅器の出力電圧 V は、 1. 0Vとなる。ここ で注意を要するのは、抵抗 rに対して帰還抵抗 Rfが大きすぎると、演算増幅器の出 力電圧 V が演算増幅器の直流電源電圧よりも大きくなり、演算増幅器が飽和してし まうことである。また、熱電対 120の実際の内部抵抗 r が大きいと、ノイズが大きくなり
、 SZNが小さくなる。特に、熱電対 120として、熱電対を直列接続したサーモパイル を用いても良 、が、内部抵抗が大きくなるので注意を要する。
実施例 8
[0097] 図 11は、本発明の等価的な電流検出型熱電対の一実施例で、実施例 7における 図 10と同様であるが、複数の熱電対を一個の演算増幅器を用いて、それぞれの熱 電対 120の出力をスィッチ 310により選択して演算増幅器の出力電圧 V として取り 出す場合を示している。ここでは、熱電対 120を熱型赤外線センサ(赤外線の受光部 210を有している)に応用して、例えば、非冷却イメージセンサに応用した場合の回 路構成図を示している。非冷却イメージセンサでは、極めて多数の受光部 210を小さ い面積に集積して形成するので、実際のセンサチップに形成する場合、基板上の配 線を可能な限り共有して、配線の混雑を避けるようにすると良い。
[0098] 一般に、スィッチ 310としてアナログスィッチを使用すると、このアナログスィッチの 内部抵抗が 100 Ω程度と比較的大きいので、このアナログスィッチの内部抵抗を無 視できるような回路にするために、熱電対 120とこれに直列接続したスィッチ 310とを 演算増幅器の非反転入力端子に接続したものである。各スィッチ 310のうち、オン状 態のスィッチ 310に接続された熱電対 120の開放熱起電力 Vsが選択されて、その開 放熱起電力 Vsが抵抗 rに印加されて、短絡電流 Isが上述の実施例 7の図 10の場合 と同様にして流れることになる。
実施例 9
[0099] 図 12は、本発明の等価的な電流検出型熱電対の一実施例で、実施例 6における 図 9における構成回路を、実施例 8における図 11に適用した場合を示している。ここ では、上述の実施例 8における図 11と同様に熱型赤外線センサのアレー、例えば、 非冷却イメージセンサに応用できるようにした場合の回路構成の概略図を示している 実施例 10
[0100] 図 13は、熱電対 120と演算増幅器(OPアンプ)との組み合わせによるユニットの概 略図である。すなわち、一対の熱電対 120と、仮想短絡を利用する演算増幅器 (OP アンプ)により熱電対 120に流れる熱起電力に基づく短絡電流を電圧に変換する回 路を、ユニットとして取り扱うもので、熱型赤外線センサのユニットとして受光部 210に 熱電対の温接点を形成している場合である。もちろん、受光部 210は、基板から熱分 離した薄膜上に形成した方が良い。このユニットを更に演算増幅器 (OPアンプ)の反 転入力端子や非反転入力端子に接続して、上述の実施例の熱電対の代わりにこの ユニットを用いると良い。
実施例 11
[0101] 図 14は、本発明の電流検出型熱電対を熱型赤外線センサに応用した場合の一実 施例を示す断面概略図である。熱電対 120を同一の基板 10上に複数個形成し、熱 型赤外線センサレーにしたもので、しかも、犠牲層 55の部分的なエッチング除去によ る空洞部 40で基板 10から熱分離した受光部 210となる薄膜 5を形成している。更に 、この空洞部 40の下部に当たる領域の基板 10にスィッチ 310などを含む熱型赤外 線センサの周辺回路の一部である集積回路 300を設けてある場合の例である。熱型 赤外線センサレーの受光部 210には、赤外線吸収膜 200が形成されてあり、この部 分は熱電対 120の温接点 26となっている。また、各熱電対の冷接点 27はヒートシン クの役目を果たす基板 10上に形成されている。熱電対 120の一方の導体 120Aは、 n型の縮退するほどの高不純物濃度の多結晶シリコン薄膜とし、他方の導体 120Bに は、例えば、 n型半導体 (この場合、多結晶シリコン薄膜)とは、ゼーベック係数の符 号が異なるニッケル (Ni)薄膜を用いると良い。図中使用した符号は、上述の他の実 施例における符号と同様であること、また、公知の単結晶シリコンの基板 10を用いた MEMS技術のプロセスでセンサチップ 1が作成できることから、ここでは説明を省略 する。
[0102] 図 14に示す実施例では、熱電対 120の一方の導体 120Aと他方の導体 120Bは、 架橋構造の薄膜 5で、互いに反対側に延びている場合の例であるが、図 1や図 6に 示したように、絶縁膜を一方の導体 120Aと他方の導体 120Bとで挟むサンドイッチ 構造にし、受光部 210を支持する梁も同様にサンドイッチ構造にしても良い。
[0103] 熱型赤外線センサレーを非冷却イメージセンサに応用するときなどは、各赤外線受 光部 210が一般に 1個のピクセルになるので、これらの選択のためのスィッチや抵抗 、コンデンサを含む集積回路 300が各ピクセルに近傍に形成し、し力も大きな赤外線 量のための受光部の面積の割合を大きくさせる必要がある。このためには、本発明の この実施例のように赤外線受光部 210の裏側に位置する箇所に集積回路 300を形 成することが有効である。
実施例 12
[0104] 図 15は、本発明の電流検出型熱電対の短絡電流検出用の演算増幅器のオフセッ トの校正方法の一実施例を説明するための電流検出型の熱電対を搭載したセンサ チップ 1の平面概略図とその演算増幅器の回路の概略を示したものである。同一の 被測定温度差 ATsが生じる箇所であるカンチレバ 30に、二対の熱電対 20、 120を 互 ヽに熱起電力が逆向きに接続できるように形成してあり、スィッチ SWを一方の熱電 対 20側に切り替えたときに、カンチレバ 30の先端部と支持側に生じている被測定温 度差 ATsを計測できるようにしている。また、スィッチ SWを他方の熱電対 120の電極 ノ ッド 70R側に切り替えたときには、二対の熱電対 20、 120の熱起電力が互いに打 ち消し合うように逆向きに接続しているので、本来短絡電流が流れない。したがって、 演算増幅器のオフセットがゼロになるべきであり、これを基準に演算増幅器(OP Am P)の温度ドリフトなどに基づくオフセット分を校正するものである。
[0105] なお、図 15では、 SOI基板力もなる基板 10の SOI層 11の全面に深ぐ高濃度の n型 拡散領域 22を形成してあり、この SOI層 11からなるカンチレバ 30に、二対の熱電対 2 0、 120を形成している。それぞれの熱電対 20、 120では、熱電対を形成する 1つの 導体 20Aである n型拡散領域 22の縮退した低抵抗の半導体層を、共通の導体として 使用している。この温接点 26は、カンチレバ 30の先端部に位置する熱電対の接合 部 25である電極 60のところであり、冷接点 27は、電極パッド 70Aの箇所である(基板 10は同一温度とみなしており、基板 10も冷接点 27と考えることができる)。熱電対 20 、 120を構成している他方の導体 20B,20Rは、例えば、ニッケル (Ni)薄膜やアルミ -ゥム (A1)薄膜などで形成できる。高温に晒すときには、白金や金などの酸化され難 い金属薄膜が好適である。また、図 15では、絶対温度センサ 100としての pn接合ダ ィオードも基板 10に形成してあり、カンチレバ 30に形成した電流検出型の熱電対の 冷接点 27の温度を計測できるようにして 、る。
[0106] 図 15では、図示しなかったが、カンチレバ 30を赤外線センサの受光部として利用 することができる。この場合、カンチレバ 30の全面または先端部付近に金黒などの赤 外線吸収膜を形成しておくと良い。もちろん、マイクロヒータと組み合わせて反応熱や 流体検出用の各種の熱型センサとして使用することができる。
実施例 13
[0107] 図 16には、本発明の電流検出型熱電対の短絡電流検出用の演算増幅器のオフ セットの校正方法の他の一実施例を示している。熱起電力が無視できる所定の抵抗 170を備え、この抵抗 170を同一もしくは異なる演算増幅器の入力段に接続できるよ うにしてあり、この電流検出型熱電対による演算増幅器の出力と、この抵抗による演 算増幅器の出力とを比較できるように構成して、これらの比較データを基にして演算 増幅器のオフセットを校正するようにした場合である。実施例 12の図 15と同様に、 S 01層 11からなるカンチレバ 30に電流検出型の (検出用)熱電対 20を形成した場合 である。
[0108] ここでは、演算増幅器を図示しなかった力 実施例 12の図 15に示すように、一つの 演算増幅器 (OP Amp)を用い、スィッチ SWを使用して、演算増幅器の入力段に電 流検出型の熱電対を接続する場合と、所定の抵抗 170を電流検出型の熱電対の代 わりに接続する場合とに切り替えるように回路を構成する。所定の抵抗 170を接続し た場合は、オフセット分がゼロになるはずであるから、これを基準に短絡電流検出用 の演算増幅器のオフセットの校正をする場合である。この図 16では、抵抗 170を基 板 10に形成した場合であるが、電流検出型の (検出用)熱電対 20が形成してある力 ンチレバ 30上に抵抗温度係数が極めて小さぐ酸ィ匕され難い-クロムなどの金属抵 抗薄膜で形成しても良い。なお、抵抗 170の大きさは、電流検出型の (検出用)熱電 対 20の電極パッド 70A、 70Bを含む系の内部抵抗に等しい抵抗値にする方が回路 のバランス上、好適である。
実施例 14
[0109] 図 17は、本発明の電流検出型熱電対の短絡電流検出用の演算増幅器のオフセッ トの校正方法の他の一実施例を説明するための測定回路の概略図を示すものであ る。実施例 13の図 16の場合と同様に、熱起電力が無視できる所定の抵抗 Rを使用し て、演算増幅器 (OP Ampl)のオフセットを校正する場合であるが、この抵抗 Rを異 なる演算増幅器 (OP Amp2)の入力段に接続して、電流検出型の熱電対 TCによる 演算増幅器(OP Ampl)の出力と、この抵抗 Rによる演算増幅器(OP Amp2)の出 力とを差動増幅回路(OP Amp3)で比較できるように構成して、これらの比較データ を基にして演算増幅器のオフセットを校正するようにした場合である。なお、これらの 3つの演算増幅器(OP Ampl, OP Amp2、 OP Amp3)は、同一の半導体チップ の IC素子内に形成されているものが望ましいが、少なくとも、熱電対 TC用の演算増 幅器(OP Ampl)と抵抗 R用の演算増幅器(OP Amp2)とは、同一の半導体チップ に形成されているものが望ましい。また、抵抗 Rも、実施例 13の図 16に図示したよう に電流検出型の熱電対 TCが形成されている基板 10に形成した場合でも良いが、可 能ならば、熱電対 TCが作成してあるカンチレバ 30などの領域に一緒に形成すること がノイズの除去の点からも望まし 、。
実施例 15
[0110] 図 18は、本発明の電流検出型熱電対を用いた赤外線検出装置の一実施例を示 すブロック回路図であり、赤外線検出装置の基本部には、電流検出型熱電対を利用 した熱型赤外線センサ、演算回路部及び表示部を備えている。この例では、これらに 電力供給のための電源回路部や赤外線検出装置として動作させるための駆動回路 を含む各種の制御を行う制御回路部も備えた場合の例を示している。 [0111] 本発明の電流検出型熱電対、熱型赤外線センサ、赤外線検出装置および電流検 出型熱電対の校正方法は、本実施例に限定されることはなぐ本発明の主旨、作用 および効果が同一でありながら、種々の変形が許容される。
産業上の利用可能性
[0112] 熱型赤外線センサを用いた体温計である鼓膜温度センサや放射温度計では、被 測定物体の温度を小型で安価に計測するために、チヨツバ無しで測定した 、と 、う要 望がある。この場合、熱電対は、基本的に温度差のみを検出できるので、熱電対に 赤外線吸収膜を備えた熱型赤外線センサとして利用すれば、その赤外線量を温度 上昇分として検出してターゲットの温度を計測するのに好都合である。もちろん、温 度センサの基準となる冷接点の絶対温度を知る必要がある力 この基準温度は、サ 一ミスタを用いて絶対温度として検出しておき、この基準温度力もの赤外線受光によ る温度上昇のみ (温度差のみ)を検出した方が、絶対温度だけを計測するサーミスタ だけを用いるよりも、各種の校正において有利である。これは、サーミスタでは、温度 差を検出するのに必ず補償素子を必要とするからである。
[0113] 従来、このために 1本の熱電対では、感度が極めて小さいので、熱電対を多数直列 接続し、それぞれの開放熱起電力が足し算になり、出力電圧の増加が見込めるサー モパイルを用いていた。し力し、サーモパイルは、極めて細い熱電対のパターン(例 えば、 2 m幅)を形成する必要があり、そのラインとスペースの幅が精度を要求し、 高度な技術と高価な設備を必要として 、た。
[0114] これに対し、本願発明に係わる温度差の検出方法では、熱電対を電流検出型とし て利用するので、可能な限り内部抵抗の小さい材料で構成された熱電対を用い、ゼ 一ベック係数が大きぐ熱伝導率が小さな材料の薄膜で熱電対を構成し、この熱電 対に流れる電流の内部抵抗が無視できる電流検出手段を用いて計測するものであ るから、小さな熱起電力でも大きな電流が流れるので、高感度になる。し力しながら、 特に半導体を利用した熱電対では、そのゼーベック係数が、不純物濃度とその分布 及び不純物の種類などにより微妙に異なり、更に、内部抵抗が異なるので、何らかの 校正が必要となった。
[0115] 本発明の電流検出型熱電対とその校正方法では、校正用熱電対と検出用熱電対 とは、同一の基板に、かつ同時に形成した薄膜熱電対を用いることができるので、ヒ ータなどでの温度差形成により検出用熱電対と同一の性質を有する校正用熱電対を 用いて高精度で校正することができるという利点があり、更に、検出用熱電対単体で は校正が困難な耳式体温計などの赤外線を利用した放射温度計などが、上述の校 正用熱電対を具備した高精度なセンサチップを用いることにより安価に提供できる。
[0116] 高精度の演算増幅器を用いるとそれほど問題にならな 、が、安価な演算増幅器を 使用するときには、温度ドリフトなどに基づくオフセットの変動が生じ、極めて微小な 入力電流を検出するときには、その補正と校正が必要になる。しかしながら、本願発 明に係わる電流検出型熱電対の短絡電流検出用の演算増幅器のオフセットの校正 方法では、別に形成した熱電対や所定の抵抗を用いて高精度に補正し、校正できる ので、高精度な温度差計測用のセンサが提供できる。
[0117] 温度差の検出方法では、熱電対を電流検出型として利用するので、可能な限り内 部抵抗の小さい材料で構成された熱電対を用い、ゼーベック係数が大きぐ熱伝導 率が小さな材料の薄膜で熱電対を構成し、この熱電対に流れる電流の内部抵抗が 無視できる電流検出手段を用いて計測するものであるから、小さな熱起電力でも大き な電流が流れるので、高感度になる。し力しながら、特に半導体を利用した熱電対で
[0118] また、熱電対を複数備えた熱型赤外線センサのアレーとして用いる、例えば、ィメー ジセンサなどにお 、ては、各熱電対をスィッチで切り替えて時系列で選択してそれぞ れの出力を表示する必要がある。本発明の電流検出型熱電対において、熱電対を 演算増幅器の反転入力側に取り付ける構成でも、その各熱電対にスィッチを直列接 続して用いてもよいが、スィッチの内部抵抗が大きい場合に問題となるので、各熱電 対とこれに直列接続したスィッチを演算増幅器の非反転入力側に取り付けること、所 望の小さい抵抗値の抵抗 rを熱電対の代わりに演算増幅器の反転入力側に取り付け ることによるスィッチの内部抵抗を無視できるように回路構成する、所謂、抵抗 rを熱 電対の等価的な内部抵抗に見えるようにする等価的な電流検出型熱電対を提案し た。この等価的な電流検出型熱電対により、熱電対の内部抵抗が多少大きくなつて も、また、スィッチの内部抵抗も多少大きくとも、それらの内部抵抗は、演算増幅器の 反転入力側に取り付けた小さな抵抗 rの値として取り扱うことができるので、好都合で ある。
[0119] 本発明の電流検出型熱電対では、熱型赤外線センサとして利用したときにその受 光部の下に熱型赤外線センサのスィッチなどを含む周辺回路を集積回路として備え ることにより、受光部のセンサチップの実質的な面積割合を大きくできるので、高感度 で SZNの大き 、熱型赤外線センサが提供できる。
[0120] 本発明の電流検出型熱電対では、基板に絶対温度センサも組み込むことができる こと、また、この絶対温度センサも、ダイオードやトランジスタなどの半導体接合を用い たものにすることに好適であるので、全て、成熟した半導体微細加工技術で、し力も、 現在の集積回路の主流であるシリコン単結晶を利用できるので、高精度なセンサチッ プが安価に提供できる。

Claims

請求の範囲
[1] 一対の熱電対の短絡電流を利用して温度差を検出する電流検出型熱電対の校正 方法において、検出用熱電対と同一の熱電対材料で形成した校正用熱電対を用い 、加熱手段により校正用熱電対の温接点と冷接点となる二つの接合部間に任意の温 度差 ATrを発生させて、この前記温度差 ATrを測定して、そのときの校正用熱電対 の開放起電力 Vrから校正用熱電対の絶対熱電能 Eを求めておくこと、検出用熱電 ro
対も同一の絶対熱電能 Eを有すると見做すこと、検出用熱電対を含む系の被測定 ro
温度付近における内部抵抗 rを測定すること、検出用熱電対を演算増幅器の反転入 s
力端子に接続し、該演算増幅器の仮想短絡を利用して、検出用熱電対に発生して いる被測定温度差 ATsによる短絡電流値 Iを計測し、上記の校正用熱電対の絶対 熱電能 E と内部抵抗 rを使用して被測定温度差 ATsを求めるようにしたこと、を特徴 ro s
とする電流検出型熱電対の校正方法。
[2] 校正用熱電対と検出用熱電対とは、同一の基板に形成した薄膜熱電対である請求 項 1に記載の電流検出型熱電対の校正方法。
[3] 加熱手段としてヒータを用いた請求項 1または 2に記載の電流検出型熱電対の校 正方法。
[4] 校正用熱電対の二つの接合部間の温度差 ATrを、少なくとも校正用熱電対と同一 基板に形成した一対の温度センサで計測した請求項 1から 3のいずれか一つに記載 の電流検出型熱電対の校正方法。
[5] 熱電対を構成する導体のうち、少なくとも一方の導体を、縮退する程度に高い密度 の不純物を添加して、低抵抗ィ匕した半導体を用いた請求項 1から 4のいずれか一つ に記載の電流検出型熱電対の校正方法。
[6] 検出用薄膜熱電対の接合部を基板から熱分離した薄膜に形成し、熱電対の他端 を基板上に形成した請求項 1から 5のいずれか一つに記載の電流検出型熱電対の 校正方法。
[7] 熱電対の短絡電流を利用して温度差を検出する電流検出型熱電対の短絡電流検 出用の演算増幅器のオフセットの校正方法において、熱起電力が無視できる所定の 抵抗を備え、該抵抗を電流検出型の熱電対と同一もしくは異なる演算増幅器の入力 段に接続できるようにしてあり、該熱電対による演算増幅器の出力と、該抵抗による 演算増幅器の出力とを比較できるように構成して、これらの比較データを基にして演 算増幅器のオフセットを校正するようにしたことを特徴とする演算増幅器のオフセット の校正方法。
[8] 演算増幅器のオフセットの校正方法において、一つの演算増幅器を用い、その入 力段に接続して 、る熱電対の代わりに所定の抵抗に切り替えることができるように構 成してあり、所定の抵抗に切り替えたときのデータを基にして校正するようにした請求 項 7記載の演算増幅器のオフセットの校正方法。
[9] 熱電対の短絡電流を利用して温度差を検出する電流検出型熱電対の短絡電流検 出用の演算増幅器のオフセットの校正方法において、同一の被測定温度差 ATsが 生じる箇所に二対の熱電対が互いに逆向きの接続できるよう形成してあり、一方の熱 電対で被測定温度差 ATsを計測し、熱起電力が互いに打ち消し合うように互いに逆 向きの接続したときに演算増幅器のオフセットが校正できるようにしたことを特徴とす る演算増幅器のオフセットの校正方法。
[10] 熱電対に流れる短絡電流を利用して温度差を検出する電流検出型熱電対におい て、電流検出型の熱電対が形成されている同一基板に、加熱手段を備えたことを特 徴とする電流検出型熱電対。
[11] 熱電対の短絡電流を利用して温度差を検出する電流検出型熱電対において、基 板から熱分離した薄膜に該熱電対の一端となる接合部が形成されて ヽること、該熱 電対の他端は基板に形成してあること、該熱電対を構成する導体は、 5x10— 2 Ω -cm 以下の低抵抗率を有する導体であること、該熱電対を構成する二つの導体は、絶縁 膜を挟んだサンドイッチ構造であること、該サンドイッチ構造の複数の梁で上記接合 部を有する薄膜を支持する構造であることを特徴とする電流検出型熱電対。
[12] 熱電対に流れる短絡電流を利用して温度差を検出する電流検出型熱電対であつ て、複数個のそれぞれの熱電対にそれぞれ直列接続したスィッチを用いて、それぞ れの熱電対の出力が独立に取り出せるように構成したこと、これらの熱電対が演算増 幅器の反転入力端子に接続されて ヽること、熱電対に流れる短絡電流が計測できる ように演算増幅器の仮想短絡が利用できるように構成したこと、を特徴とする電流検 出型熱電対。
[13] 一対の熱電対、もしくは複数の熱電対を直列接続した熱電対を演算増幅器の非反 転入力端子に接続し、抵抗 rを演算増幅器の反転入力端子に接続してあること、該 演算増幅器の仮想短絡を利用して、該抵抗 rには、該熱電対の被測定温度差 ATs に基づく開放熱起電力 Vsが直接印加され、該開放熱起電力 Vsに基づく短絡電流 Is が流れ、更に、その短絡電流 Isの値は、等価内部抵抗 rsとしての抵抗 rの値で該開 放熱起電力 Vsを除した値となるようにしたこと、該演算増幅器の反転入力端子と出 力端子間に接続した帰還抵抗 Rfにも該短絡電流 Isが流れるように構成したこと、これ らのことがらに基づく該演算増幅器の出力電圧力も被測定温度差 ATsが算出できる ようにしたこと、を特徴とする等価的な電流検出型熱電対。
[14] 抵抗 rが、熱電対の実際の内部抵抗 rより小さくなるようにした請求項 13記載の電 s0
流検出型熱電対。
[15] 熱電対を複数個備えてあり、該複数個のそれぞれの熱電対にそれぞれ直列接続し たスィッチを用いて、それぞれの熱電対の出力が独立に取り出せるように構成した請 求項 13または 14に記載の電流検出型熱電対。
[16] 演算増幅器の仮想短絡を利用して、一対の熱電対に流れる短絡電流を検出して 温度差を検出できるようにした電流検出型熱電対を、 1つのユニットとして用いること、 該ユニットを複数個備えてあること、該複数個のそれぞれのユニットにそれぞれ直列 接続したスィッチを用いて、それぞれのユニットの出力が独立に取り出せるように構成 したこと、を特徴とする電流検出型熱電対。
[17] 基板から熱分離した薄膜に該熱電対の接合部が形成されている請求項 12から 16 のいずれか一つに記載の電流検出型熱電対。
[18] 熱電対を構成している二種類の導体であって、薄膜を支持している複数の梁を通 して基板に導かれたこれらの二種類の導体は、基板上において 5x10— 2 Ω ' cm以下 の低抵抗率を有する導体を用いて、それぞれ一括されて二端子となるように構成した 請求項 11または 17に記載の電流検出型熱電対。
[19] 基板に形成された薄膜の複数のカンチレバのそれぞれに、少なくとも一対の熱電 対が搭載して ヽること、これらの複数のカンチレバのそれぞれに形成されて ヽる熱電 対が、さらに並列に接続されて一括して二端子となるように構成していること、演算増 幅器の仮想短絡を利用して、前記二端子間の熱電対に流れる短絡電流を検出して 温度差を検出できるようにしていること、を特徴とする電流検出型熱電対。
[20] 熱電対が形成されて 、る薄膜を支持して 、る基板に絶対温度センサを設けて、基 板温度が計測できるようにした請求項 11、もしくは 17から 19のいずれか一つに記載 の電流検出型熱電対。
[21] 請求項 10から 20のいずれか一つに記載の電流検出型熱電対を用いる赤外線セ ンサにおいて、少なくとも熱電対の接合部付近に、赤外線吸収膜を設けた赤外線セ ンサ。
[22] 熱電対の接合部が形成されている薄膜の下部に位置する基板領域に赤外線セン サの周辺回路の少なくとも一部を形成した請求項 21記載の赤外線センサ。
[23] 請求項 21または 22に記載の赤外線センサの出力を基にした演算結果が表示でき るように、少なくとも、赤外線センサと演算回路部及び表示部を備えたことを特徴とす る赤外線検出装置。
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