WO2007043127A1

WO2007043127A1 - ネジ締め付け作業管理システム

Info

Publication number: WO2007043127A1
Application number: PCT/JP2005/018274
Authority: WO
Inventors: Tetsuhiro Kurashina
Original assignee: Nicki Try System Co., Ltd.
Priority date: 2005-10-03
Filing date: 2005-10-03
Publication date: 2007-04-19
Also published as: WO2007043127A9

Abstract

　ネジ締め付け作業管理システム(１)は、組立作業用の複数のセル(２)に配置されたネジ締め付け装置(３)と、これらのネジ締め付け装置(３)のネジ締め付け作業を管理する管理コンピュータ装置(４)とを有している。ネジ締め付け装置(３)は、コントローラ(６)と、複数台の電動ドライバー装置(５)を備え、電動ドライバー装置(５)は電動ドライバー(８)とカウンタ(９)から構成されている。カウンタ(９)によって電動ドライバー(８)のネジ締め付け状態が監視され、それがコントローラ(６)を介して管理コンピュータ装置(４)に送信される。管理コンピュータ装置(４)は受信したネジ締め付け作業データＤ（作業者名、使用電動ドライバー、ネジ締め付けが行われるワーク、当該ワークに締め付けられるネジ、締め付けの適否の判別結果、作業日時など）に基づき、ネジ締め作業履歴データを構築する。

Description

明細書

ネジ締め付け作業管理システム技術分野

[0001] 本発明は、コンペャ式、セル式などの組立ラインにおいて、複数の箇所で行われるネジの締め付け作業を効率良く管理することのできるネジ締め付け作業管理システムに関するものである。

背景技術

[0002] 各種の製品の組立作業においては、一般に多数本のネジの締め付け作業が伴う。

ベルトコンペャ式の組立ラインでは、組立ラインに沿って複数の箇所にネジ締め付けステーションが配置され、ラインに沿って送られてくる製品に対して電動ドライバーを用いてネジの締め付け作業が行われる。また、近年において広く採用されているセル式の組立ラインにおいても多数本の電動ドライバーが用意されており、一人の作業員によって異なる種類の多数本のネジの締め付け作業が予め定められた順序に従つて行われる。

[0003] ネジ締め付け作業にぉ、ては、本数および種類が多!、ので、ネジの締め忘れ、締め付け不良などが頻発する。そこで、特許文献 1〜3に記載されているように、電動ドライバーによるネジの締め付けトルク、締め付け時間を監視し、ネジの締め付け不良を検出するようにしている。また、適切な締め付けトルクで締め付けられたネジの本数をカウントすることにより、ネジの締め忘れの有無を判別するようにしている。さらに、特許文献 3では、一方のドライバーによる作業が完了しないと他方のドライバーの電源がオンしないようにし、これによつて、ネジ締め作業を予め定めた順序で行わせるようにしている。

特許文献 1 :特開平 9— 155753号公報

特許文献 2：特開平 11 129164号公報

特許文献 3 :特開 2005— 125464号公報

[0004] ここで、製品の組立時におけるネジ締め付け作業にぉ、ては、組立ライン上における異なる複数の場所にぉ、て各製品に対して繰り返し多数本のネジの締め付け作業が行われているのが一般的である。し力しながら、従来においては、組立ラインの各場所において異なる作業員によって行われるネジ締め付け作業を統括して効率良く管理可能なネジ締め付け管理システムは提案されて、な、。

[0005] 例えば、ネジ締め付け不良の発生力主として電動ドライバーのトルク不足などに起因するものなのか、作業員のネジ締め付け作業に対する適性に起因するものなのか等を統計的に知ることができない。

[0006] また、従来においては、ネジの締め付け不良 ·不足を監視してネジ締め付け作業の適否を判別している力電動ドライバーの締め付けトルクの経時変化に起因する締め付け不良などについての対策は講じられてヽな、。

[0007] さらに、組立ライン上の複数の箇所にネジ締め付けステーションがある場合には、組立対象の製品が変わる毎に、各ステーションにおける電動ドライバーのコントローラに対する設定を個別に設定しなおす必要がある。多数台のコントローラに対する設定変更作業は面倒であり、また、操作ミスによって設定誤りが発生する可能性も高い発明の開示

[0008] 本発明の目的は、このような点に鑑みて、多数の箇所で行われるネジ締め付け作業を効率良く管理可能なネジ締め付け作業管理システムを提案することにある。

[0009] 上記の目的を達成するために、本発明のネジ締め付け作業管理システムは、複数のネジ締め付け作業場所に配置されたネジ締め付け装置と、各ネジ締め付け装置からネジ締め付けデータを受け取り、当該データを一元管理する管理コンピュータ装置とを有し、前記ネジ締め付け装置は、少なくとも一組の電動ドライバーユニットと、前記電動ドライバーユニットを制御するコントローラとを備えており、前記電動ドライバーユニットは、電動ドライバーと、前記電動ドライバーのネジ締め付け動作毎にネジが適正に締め付けられた力否かを判別するカウンタとを備えており、前記コントローラは、前記カウンタから前記判別結果を受け取り、締め付けが適正に行われな力つた場合には警告を発生する警告手段を備えており、前記ネジ締め付けデータには、作業者名あるいは作業場所、使用電動ドライバーの番号、ネジ締め付けが行われるヮークの番号、当該ワークに締め付けられるネジの番号、前記判別結果、作業日時のうち、少なくとも 2種類のものが含まれており、前記管理コンピュータ装置は、前記ネジ締め付けデータを順次に記録して、ネジ締め作業履歴データを構築するデータ処理手段を備えて、ることを特徴として、る。

[0010] ここで、前記ネジ締め付け装置は、複数組の前記電動ドライバーユニットを備えており、前記コントローラは、各電動ドライバーユニットの使用順序が記憶された記憶部と、各電動ドライバーユニットによる作業終了毎に、前記使用順序に従って次に使用すべき前記電動ドライバーユニットを指定する指定手段とを備えていることを特徴としている。

[0011] また、前記コントローラは、使用順序とは異なる前記電動ドライバーユニットの使用が開始された場合に警告を発生する警告手段を備えていることを特徴としている。

[0012] さらに、前記管理コンピュータ装置は、一つのワークに対する一連のネジ締め付け作業が完了すると、その旨を表す情報と作業終了日時とを、前記ネジ締め作業履歴データに追加することを特徴として、る。

[0013] さらには、前記管理コンピュータ装置は、前記ネジ締め作業履歴データを表示および Zまたはプリントアウトするための出力部を備えていることを特徴としている。

[0014] 次に、本発明においては、前記電動ドライバーによるネジ締め付け動作が正常に行われな、場合には、次に締め付けられるネジの供給を停止することを特徴としてヽる。

[0015] また、本発明にお、ては、各電動ドライバーのネジ締め付け状態をチェックするためのトルクチェッカーを有しており、当該トルクチェッカ一は、各電動ドライバーによるネジ締め付けトルクを測定し、測定トルク値が目標トルク値に対して許容範囲内であるか否かの合否判定を行い、測定トルク値、合否判定結果および測定時刻を含むトルク測定結果を前記コントローラに供給し、前記コントローラは、測定トルク値が許容範囲を外れてヽる場合に警告を発する警告手段を備えてヽることを特徴としてヽる。

[0016] この場合、前記コントローラは、受け取ったトルク測定結果を前記管理コンピュータ装置に転送し、前記管理コンピュータ装置は、前記トルク測定結果を前記ネジ締め作業履歴データに追加することを特徴として、る。

[0017] 一方、本発明では、前記管理コンピュータ装置を介して、各ネジ締め付け装置の各コントローラに、ネジ締め付け作業の各パラメータを設定可能であり、前記パラメータには、少なくとも、各電動ドライバーユニットの使用順序、各電動ドライバーユニットによって締め付けられるネジの本数、および、各ネジの締め付け時間が含まれていることを特徴としている。

図面の簡単な説明

[0018] [図 1]本発明を適用したネジ締め付け管理システムの全体構成図である。

[図 2]図 1のシステムにおける機器構成を示す説明図である。

[図 3]図 1のシステムによるネジ締め付け動作の概略フローチャートである。

[図 4]図 3のネジ締め付け作業のステップを示す概略フローチャートである。

[図 5]図 1のシステムにおける工程設定の例を示す説明図である。

[図 6]図 1のシステムにおけるネジ締め付け作業履歴データを示す説明図である。発明を実施するための最良の形態

[0019] 以下に、図面を参照して、本発明を適用したネジ締め付け作業管理システムの実施の形態を説明する。

[0020] 図 1は本例のネジ締め付け作業管理システムを示す全体構成図であり、図 2はその機器構成を示す説明図である。ネジ締め付け作業管理システム 1は、セル式の製品組立ラインにおける各セル 2 (2 (1)、 2 (2)、 2 (3) · · · )に配置されたネジ締め付け装置 3 (3 (1)、 3 (2)、 3 (3) · · · )と、これらのネジ締め付け装置 3からネジ締め付けデータ Dを受け取り、各セル 2でのネジ締め付け作業状態を一元管理する管理コンビユータ装置 4とを有している。各セル 2において同一製品を組み立てる場合には各ネジ締め付け装置 3は同一構成とされるが、異なる製品の場合にはそれに対応して装置 3 の構成を異なるものとすればよい。また、本発明は、セル式の組立ラインのみならず、ベルトコンペャ式の組立ラインに対しても同様に適用可能である。

[0021] 各ネジ締め付け装置 3は、複数組の電動ドライバーユニット 5と、これらの電動ドライバーユニット 5を駆動制御するための一台のコントローラ 6とを備えている。例えば、ネジ締め付け装置 3 (1)においては、 3組の電動ドライバーユニット 5 (1)、 5 (2)、 5 (3) 力 Sコントローラ 6に接続されている。コントローラ 6は通信ケーブル 7を介して管理コンピュータ装置 4に接続されて、る。各コントローラ 6と管理コンピュータ装置 4の通信回線は有線に限定されるものではなぐ電波、光などの無線通信を用いることもできる。また、電動ドライバーユニット 5の台数は 3台に限定されるものではなぐ 1台あるいは 2台、または 4台以上であってもよい。電動ドライバーユニット 5は、電動ドライバー 8と、この電動ドライバー 7のネジ締め付け動作毎にネジが適正に締め付けられた力否かなどを判別するカウンタ 9とを備えている。

[0022] 各ネジ締め付け装置 3のコントローラ 6には、ネジ締め付け不良、締め忘れ、作業手順の誤りなどが発生した場合に警告を発生する警報手段、例えば、パトライト 10が接続されている。また、各セル 2にはトルクチェッカー 11が配置されている。トルクチエツカー 11は、電動ドライバーユニット 5のカウンタ 9に接続されており、各電動ドライバー 8によるネジ締め付けトルクを測定し、測定トルク値が目標トルク値に対して許容範囲内であるか否かの合否判定を行い、測定トルク値、合否判定結果および測定時刻を含むトルク測定結果をコントローラ 6に送信するようになっている。コントローラ 6は、測定トルク値が許容範囲を外れてヽる場合に警告を発する警告手段を備えて!/ヽる。本例では、ノ讣ライト 10を用いて警告を発するようになって、る。

[0023] コンローラ 6には、図 2に示すように、動作開始指示を入力するためのスタートボタン 12および動作終了指示を入力するためのエンドボタン 13が取り付けられている。また、締め付け作業を行うために用いる電動ドライバー 8を順次指定するための指定手段、例えば、各電動ドライバー 8に対応して設けた LEDランプが配置されている。電動ドライバーユニット 3 (1)のコントローラ 6では、 3台の電動ドライバー 8が接続されているので、 3個の LEDランプ 14 (1)〜 14 (3)が配置されている。指定手段は、 LED ランプに限らず、液晶表示器などにエラー表示を行うものでもよぐまた、電動ドライバ一自体にランプを取り付けたものでもよい。さらには、ブザーなどの警告音を発生するものであってもよい。さらには、電動ドライバー 8によって締め付けられるネジのストック部に配置したランプなどの指定手段であってもよい。

[0024] ここで、本例においては、各電動ドライバー 8により締め付けられるネジを供給するネジ供給機構 15によるネジ供給動作がコントローラ 6によって制御されるようになっている。例えば、ネジ締め付け装置 3 (1)においては、電動ドライバー 8として 3台の電動ドライバー 8 (1)、 8 (2)および 8 (3)が配置されており、それぞれによって締め付けられるネジを供給するネジ供給機構 15には、電動ドライバー 8 (1)が使用されている場合には、それによつて締め付けられるネジを供給し、この電動ドライバー 8 (1)による作業が終了しないと、次に使用される電動ドライバー 8 (2)によって締め付けられるネジが供給されないようになっている。力かるネジ供給制御は、コントローラ 6における電動ドライバー 8の使用順序を表すための LED駆動信号を用いることにより簡単に実現できる。

[0025] 次に、管理コンピュータ装置 4は、キーボードなどを含む入力部 4aと、液晶表示器 4 bおよびプリンタ 4cを含む出力部とを備えている。管理コンピュータ装置 4には、先に述べたように、各セル 2の各コントローラ 6からネジ締め付けデータ Dが供給される。ネジ締め付けデータ Dには、例えば次の事項を特定するためのデータが含まれて!/、る締め付け作業者

工程 (セル）

電動ドライバー

製品管理番号 (ワーク）

締め付けられるネジ

正規に締め付けを終了したか否かの判定結果

(例えば、規定時間内'規定トルク値内での作業を合格とする）

締め付け実行時間

トルクチェッカ一力もの出力データ（トルク値、チェック時間、合否判定結果）

[0026] 管理コンピュータ装置 4は、受信したネジ締め付けデータ Dから、ネジ締め作業履歴データを構築して、内蔵、あるいは外付けのメモリに順次に記録する。このネジ締め付け作業履歴データは、エタセル (登録商標)などの表計算ソフト、その他のデータ処理ソフトなどを用いて処理され、表示器 4bに表示、あるいは、プリンタ 4cによってプリントアウト可能である。

[0027] また、本例では、管理コンピュータ装置 4から、各セル 2の各コントローラ 6に対して、ネジ締め作業の締め付け制御プログラムをダウンロードして、各コントローラ 6の設定を行うことができるようになって!/、る。 [0028] 次に、図 3、図 4は、ネジ締め付け管理システム 1の管理動作を示すフローチャートである。これらの図を参照して、セル 2 (1)のネジ締め付け装置 3 (1)における動作を中心に説明する。

[0029] 電動ドライバー 8には予め番号が付与されており、この番号順が使用順として定められているものとする。例えば、セル 2 (1)には 3本の電動ドライバー 8 (1)〜8 (3)が配置され、セル 2 (2)には 2本の電動ドライバー 8 (4)、 8 (5)が配置され、セル 2 (3)には 2本の電動ドライバー 8 (6)、 8 (7)が配置されており、括弧内の順番が使用順であるとする。

[0030] まず、電動ドライバー 8の番号に従って、各電動ドライバー 8が接続されて、るカウンタ 9に締め付け時間（最大値および最小値)を設定する（図 3のステップ ST1)。この工程設定は、管理コンピュータ装置 4から、各コントローラ 6を介して一括して行うことができる。例えば、管理コンピュータ装置 4の表示器 4aの画面上に、図 5に示すような一覧表を表示し、締め付け時間の最大値および最小値を設定する（図 3のステップ S Tl l、 12)。

[0031] 図 5において、「手順 Νο」は作業順を表し、「SCOUT No」はカウンタ 9の番号を現している。 SCOUT— 1はセル 2 (1)における電動ドライバー 8 (1)が接続されているカウンタ 9 (1)であり、 SCOUT— 2は電動ドライバー 8 (2)が接続されているカウンタ 9 (2)であり、 SCOUT— 3は電動ドライバー 8 (3)が接続されて!、るカウンタ 9 (3)である。この例の場合には、電動ドライバー 8 (3)によって 3本のネジの締め付け作業が行われ、電動ドライバー 8 (2)によって 2本のネジの締め付け作業が行われる。

[0032] 実際のネジ締め作業の開始に当たっては、作業員がスタートボタン 12を押す。スタートボタン 12が押されると、コントローラ 6は制御を開始し、設定された手順に従ってネジの締め付け作業の管理動作を行う（図 3のステップ ST3、 4)。ネジの締め付け作業が終了する毎に、ネジ締め付け作業データ Dが管理コンピュータ装置 4に送信される。管理コンピュータ装置 4では、ネジ締め付け作業データ Dを受信すると、所定のデータ処理を行って、例えば、表示画面上に、作業状態を表示する (ステップ ST13 、 14)。一工程分のネジ締め付け作業が終了して、エンドボタン 13が押されると（図 3 のステップ ST4)、制御を終了する。 [0033] 次に、ネジ締め付け作業（図 3のステップ ST3)の動作を具体的に説明する。例えば、最初のネジ締め付け作業においては、電動ドライバー 8 (1)に対応する LEDランプ 14 (1)を点灯して、使用すべき電動ドライバーが電動ドライバー 8 (1)であることを表示する（図 4のステップ ST21)。また、コントローラ 6からの指令に基づき、ネジ供給機構 15は、電動ドライバー 8 (1)によって最初に締め付けが行われるネジを供給する (ステップ ST22)。

[0034] 作業員によってネジの締め付け作業が開始されると、使用されている電動ドライバ一が指定されている電動ドライバー 8 (1)である力否かを判別する（図 4のステップ ST 23)。異なる電動ドライバーが使用されている場合には、ノ讣ライト 10によってその旨の警告が発せられる。また、力かる警告情報は管理コンピュータ装置 4の側にも送信される (ステップ ST31)。作業員がリセット処理を行うと、警告が止み、正規の電動ドラィバーを用いたネジ締め付け作業が開始されるのを待つ。

[0035] 正規の電動ドライバーが使用されている場合には、本例の場合には電動ドライバー 8 (1)が使用されて、る場合には、カウンタ 9 (1)がネジ締め付け作業の適否判定を行う（ステップ ST24)。この判定結果も管理コンピュータ装置 4の側に送信される。ネジ締め付け作業が不適切であると判定された場合には、パトライト 10による警告が発せられ、再度、ネジの締め付け作業を行うように、作業員に促す (ステップ ST31、 32

) o

[0036] ネジ締め付け作業が適切に行われたことが判別された場合には次のネジ締め付け作業に進む (ステップ ST25→ST26→ST21)。一連の工程が終了した場合には制御が終了する。

[0037] このようにしてネジ締め付け動作が行われ、管理コンピュータ装置 4には、図 6に示すようなネジ締め付け作業の履歴データが蓄積される。この図において「Work No 」は製品番号である。「SCOUT—l」「SCOUT—2」「SCOUT—3」は図 5の場合と同じくカウンタ 9 (1)〜9 (3)に対応している。これらの下の欄の番号 1〜7· · ·は、図 5 の「手順 Νο」に対応しており、締め付けられたネジの番号を表している。また、「ΟΚ」は締め付けが正常に行われたことであり、 ΟΚ欄に〇印で表示される。「NG」は締め付けが異常終了したことであり、 NG欄に回数が表示される。回数は例えば赤字で表示され、無い場合はスペース表示のままである。「Pass」の欄には、各製品に対して設定された全ての締め付けが正常に完了したときに、二重丸の印が表示される。「D ate」および「Time」の欄には締め付けが完了した時点の日時が表示される。なお、図 6の表示は一例であり、これ以外の表示形態を採用できることは勿論である。また、これらの表示事項の一部のみを表示してもよぐあるいは、追加の事項を合わせて表示するようにしてもよい。例えば、ノ讣ライトによる警告表示回数を表示することができる。

[0038] ここで、本例のネジ締め付け管理システム 1では、各ネジ締め付け装置 3にトルクチエッカー 11が備わっている。トルクチェッカー 11は、コントローラ 6の制御の下で、一定時間毎、所定の工程を終了する毎、あるいは外部からの指令に応じて、管理下の各電動ドライバー 8のトルクチェックを行う割り込み処理を実行する。トルク不足の電動ドライバーが見つ力つたネジ締め付け装置 3においては、パトライト 10によってその旨の警告が発せられる。また、管理コンピュータ装置 4は各ネジ締め付け装置 3からトルクチェック結果を受け取り、これを表示し、また、記録保持する。

[0039] このように、本例のネジ締め付け作業管理システム 1では、複数のネジ締め付け作業ステーションで行われるネジ締め付け作業を一括管理することができる。また、管理コンピュータ装置 4にお、ては、各ステーションでのネジ締め付け作業の作業履歴が一覧表示され、記憶保持される。例えば、図 6から分かるように、管理者は、どのステーシヨン (セル）にお、てどのような作業状況であるのかを一見して理解することができ、履歴に基づき、作業の効率ィ匕などを推進することも可能である。

[0040] また、各ステーションでのネジ締め付け作業の工程設定は、管理コンピュータ装置 4から行うことができる。よって、各コントローラ 6に対して個別に設定する場合に比べて、設定作業を簡単かつ効率良く行うことができる。

[0041] さらに、電動ドライバー 8の使用順序を LEDランプなどの指定手段によって表示あるいは報知するようにしており、異なる電動ドライバー 8が使用された場合にはその旨を警告するようにしている。したがって、熟練した作業員でなくとも、定められた手順に従ってネジ締め付け作業を行うことができ、また、ネジの締め忘れなども防止できる。勿論、使用順とは異なる電動ドライバーへの給電を止めておき、使用できないようにしておいてもよい。

[0042] 特に、本例では、ネジ供給機構 15のネジ供給動作を、電動ドライバーの使用順序と連携させている。したがって、製品の誤った箇所に異なる種類のネジが締め付けられるなどの弊害も防止できる。

[0043] さらに、本例では、トルクチェッカーを用いて、各電動ドライバーのトルクチェックを定期的に、あるいは必要に応じて行うようにしている。したがって、各電動ドライバーの締め付けトルクが経時変化して、締め付け不良などが頻発する事態を未然に回避できるなどの利点がある。

Claims

請求の範囲

[1] 複数のネジ締め付け作業場所に配置されたネジ締め付け装置と、各ネジ締め付け装置力ネジ締め付けデータを受け取り、当該データを一元管理する管理コンビュータ装置とを有し、

前記ネジ締め付け装置は、少なくとも一組の電動ドライバーユニットと、前記電動ドライバーユニットを制御するコントローラとを備えており、

前記電動ドライバーユニットは、電動ドライバーと、前記電動ドライバーのネジ締め付け動作毎にネジが適正に締め付けられた力否かを判別するカウンタとを備えており、

前記コントローラは、前記カウンタから前記判別結果を受け取り、締め付けが適正に行われな力つた場合には警告を発生する警告手段を備えており、

前記ネジ締め付けデータには、作業者名あるいは作業場所、使用電動ドライバーの番号、ネジ締め付けが行われるワークの番号、当該ワークに締め付けられるネジの番号、前記判別結果、作業日時のうち、少なくとも 2種類のものが含まれており、前記管理コンピュータ装置は、前記ネジ締め付けデータを順次に記録して、ネジ締め作業履歴データを構築するデータ処理手段を備えていることを特徴とするネジ締め付け作業管理システム。

[2] 請求項 1において、

前記ネジ締め付け装置は、複数組の前記電動ドライバーユニットを備えており、前記コントローラは、各電動ドライバーユニットの使用順序が記憶された記憶部と、各電動ドライバーユニットによる作業終了毎に、前記使用順序に従って次に使用すべき前記電動ドライバーユニットを指定する指定手段とを備えていることを特徴とするネジ締め付け作業管理システム。

[3] 請求項 2において、

前記コントローラは、使用順序とは異なる前記電動ドライバーユニットの使用が開始された場合に警告を発生する警告手段を備えていることを特徴とするネジ締め付け作業管理システム。

[4] 請求項 3において、前記管理コンピュータ装置は、一つのワークに対する一連のネジ締め付け作業が完了すると、その旨を表す情報と作業終了日時とを、前記ネジ締め作業履歴データに追加することを特徴とするネジ締め付け作業管理システム。

[5] 請求項 1な、し 4のうちの!/、ずれかの項にお!、て、

前記管理コンピュータ装置は、前記ネジ締め作業履歴データを表示および Zまたはプリントアウトするための出力部を備えていることを特徴とするネジ締め付け作業管理システム。

[6] 請求項 1な、し 5のうちの!/、ずれかの項にお!、て、

前記電動ドライバーによるネジ締め付け動作が正常に行われない場合には、次に締め付けられるネジの供給を停止することを特徴とするネジ締め付け作業管理システム。

[7] 請求項 1な、し 6のうちの!/、ずれかの項にお!、て、

各電動ドライバーのネジ締め付け状態をチェックするためのトルクチェッカーを有しており、

当該トルクチェッカ一は、各電動ドライバーによるネジ締め付けトルクを測定し、測定トルク値が目標トルク値に対して許容範囲内である力否かの合否判定を行い、測定トルク値、合否判定結果および測定時刻を含むトルク測定結果を前記コントローラに供給し、

前記コントローラは、測定トルク値が許容範囲を外れて、る場合に警告を発する警告手段を備えていることを特徴とするネジ締め付け作業管理システム。

[8] 請求項 7において、

前記コントローラは、受け取ったトルク測定結果を前記管理コンピュータ装置に転送し、

前記管理コンピュータ装置は、前記トルク測定結果を前記ネジ締め作業履歴データに追加することを特徴とするネジ締め付け作業管理システム。

[9] 請求項 1な、し 8のうちの!/、ずれかの項にお!、て、

前記管理コンピュータ装置を介して、各ネジ締め付け装置の各コントローラに、ネジ締め付け作業の各パラメータを設定可能であり、前記パラメータには、少なくとも、各電動ドライバーユニットの使用順序、各電動ドラィバーユニットによって締め付けられるネジの本数、および、各ネジの締め付け時間が含まれていることを特徴とするネジ締め付け作業管理システム。