WO2007020858A1 - ガラス長繊維ケーキの保管・搬送方法及び包装体 - Google Patents

Abstract

　ガラス長繊維ケーキを、エッジ部の損傷を防止できる効率のよいパレット包装で保管及び搬送する。 　パレット上に筒状アタッチメントを介在して載置された複数のケーキによって包装ユニットを形成し、該包装ユニットをパレット上に筒状アタッチメントがケーキの側端外周部に当接した状態で１段乃至板状物を介して複数段を積層して設け、更に必要に応じて最上の包装ユニットの上に保護板を乗載し、また積層されたケーキの集合体を樹脂フィルムで包被してシュリンク加工する。

Description

明 細 書

ガラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法及び包装体

技術分野

[0001] 本発明は、複数個のケーキをパレット上に積み重ねるガラス長繊維ケーキの保管' 搬送方法及び包装体に関する。

背景技術

[0002] 従来より、各種熱硬化性榭脂及び熱可塑性榭脂の強化材として、性能効果とコスト のバランスの良さからガラス繊維が好ましく使用されている。ガラス繊維はこのような 用途に各種形態で使用される。例えば引抜き成形法によって製造されるガラス繊維 強化熱可塑性榭脂ペレットの強化材として使用するガラス長繊維 (以下、単に繊維と もいう）としては、ダイレクトワインドロービング (以下、ロービングとする）やガラス長繊 維ケーキ (以下、ケーキとする)などの回卷体力 引き出された繊維を使用することが 提案されている。例えば、特許文献 3では、熱可塑性榭脂の強化用ガラス繊維として サイジング剤付着量の局所的なばらつきの少な 、繊維を使用するために、ケーキ卷 きにしたガラス繊維束を使用して 、る。

[0003] 上記ロービングは、プッシングより多数本のモノフィラメントを引き出し、このモノフィ ラメントにアプリ一ケータによって集束剤を塗布した後、モノフィラメントを集束部材で 集束してガラス繊維ストランド (以下、ストランドということもある）とし、このストランドを往 復動する案内部材によって綾振りを行いながら円筒状に巻き取り、その後、加熱乾燥 させること〖こよって製造されている（例えば、特許文献 1参照)。

[0004] また、上記ケーキは、例えば特許文献 2、特許文献 3等に開示された公知の方法で 製造することができる。具体的には、プッシングから多数本のモノフィラメントを引き出 し、このモノフィラメントにアプリ一ケータによって集束剤を塗布した後、モノフィラメン トを集束部材で集束してガラス繊維ストランドとし、このストランドをスパイラルワイヤー で綾振りさせながらケーキに巻き取ることにより製造することができる。図 6はチューブ (例えば紙管） 5に巻き取ったケーキを模式的に示したものである。図 6に示すように ケーキ 1は太鼓状の回卷体であり、前記した円筒状のロービングと異なる円錐台状の 側端部を有し、該側端部の先端に尖がつたエッジ部 3を有している。このケーキ 1の 最外層部 4 (斜線部）は、集束剤が多く分布している部分で、ケーキ 1の内側からスト ランドを取り出す内取りでは、不要部分として廃棄される。

[0005] 円筒状のロービングは、複数個を段積みしても底面が安定して 、るため保管ゃ搬 送上で特に問題を生じない。さらに、前記ロービングだけをシュリンクフィルム等で容 易に包被できるため、外的負荷による繊維の傷つきを防止できるとともに、これを積 み重ねた状態で保管や搬送を安定的にできる。

[0006] 一方、前記ケーキは、形状が太鼓状であるため保管や搬送時に安定性が劣る、あ るいはエッジ部が尖がつているため損傷しやすい、という本質的な問題がある。また、 ケーキの保管や搬送時の効率、使用時におけるストランドの引き出し（内取り）などか らは、パレットに積むのが効率的である力 前記エッジ部を下にして積むため、座り安 定性が悪いという本質的な問題があるば力りでなぐ自重や重ね積みしたときの上段 力 の荷重などによってエッジ部が特に損傷を受けやすい。

[0007] ケーキ力も引き出したストランドは、チョップドストランドの製造、引き抜き成形ゃフィ ラメントワインデイング成形、ガラス繊維マット（不織布）の製造などに使用される力 ェ ッジ部の損傷は毛羽立ち、ストランド切れ、もつれなどのトラブルの原因になり、作業 性を著しく悪化させる。特に引き抜き成形のようにストランドを連続的に榭脂浴を通し て、ノズルで引き抜きながら絞り成形する方法では、ケーキのエッジ部に損傷がある 場合はノズル部でフィラメント脱落による毛羽発生やそれによるノズル部での詰まりが 発生する。とりわけ前記樹脂が熱可塑性榭脂の場合は、一般的に榭脂の溶融粘度 が高いため顕著である。このため、保管 ·搬送時におけるケーキのエッジ部保護は重 要である。

[0008] エッジ部を保護するために、ケーキを縦置き（円筒芯部が横の状態）にして専用の ラックに、廃棄する不要な最外層部を接点として置く方法がある。しかし、前記縦置き では専用ラックが必要となるば力りでなぐこの専用ラックでは重ね置きができないた めに、多くのケーキを載せることができず結果として輸送効率等が劣るものであった。

[0009] また、ケーキの芯にチューブを付けたまま横置き（円筒芯部が縦の状態）にすること で、ケーキ幅より突出したチューブによりエッジ部を設置面に当接させずにケーキを チューブで支えることも考えられる力 ケーキ自重に耐えるだけのチューブとケーキと の密着力が無い場合が多ぐケーキがずり落ちて設置面に当接してしまい、結果的 にケーキ下側のエッジ部を傷つけてしまうと 、つた問題を有して 、た。

[0010] 一方、チューブを取り除いた横置きケーキのエッジ部を保管、搬送時に保護する方 法が特許文献 4に記載されている。すなわち、特許文献 4にはチューブを取り除いた ケーキの芯部に、適度の剛性を有する円筒形のアタッチメントをケーキの両端部から アタッチメントの端部が外方に突出するように取り付けたケーキ、あるいはコ-カル円 筒形のアタッチメントを両側端部に被せたケーキを、シュリンクフィルムで全体を外側 力も包んでケーキとアタッチメントとを密着させ、エッジ部を保護した状態でケーキ収 納箱に収納する方法が開示されている。

[0011] 特許文献 1：特開昭 59— 111938号公報

特許文献 2 :特開昭 55— 16851号公報

特許文献 3：特開平 5— 50517号公報

特許文献 4：特開昭 54 - 24187号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0012] 特許文献 4の方法では、ケーキの芯部に挿入されている円筒形のアタッチメント、あ るいは側端部を覆っているコ-カル円筒形のアタッチメントによりエッジ部が保護され るため、ケーキを横置きまたは縦置きしてもエッジ部の損傷は免れる。しかし、ケーキ とアタッチメントとをケーキごとにシュリンクフィルムで密着させて包装し、また多数のケ ーキを搬送する場合は、このようにシュリンクフィルムで密着させたケーキをケーキ収 納箱に積み重ねないで 1つ又は 2つ入れて搬送するため、手間やコストがかかり経済 的でな 、と 、う問題を有して!/ヽた。

[0013] さらに、ケーキごとにシュリンクフィルムとアタッチメントを取り除かなければ、ケーキ からストランドを内取りできないため、包装を解いて使用する際の作業性が悪ィ匕すると いう問題もあった。

[0014] 本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、多数のケーキを搬送する際に、専 用のラックを使う必要がなぐ通常使用されているパレットを用いることを可能とし、ケ ーキの前記エッジ部を保護しつつ荷崩れを生じさせないケーキの保管'搬送方法及 びそのための包装体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、次のガラス長繊維ケー キの保管'搬送方法及び包装体を提供する。

(1) パレット上に筒状アタッチメントを介在して載置された複数のケーキによって包 装ユニットを形成し、該包装ユニットをパレット上に筒状アタッチメントがケーキの側端 外周部に当接した状態で 1段乃至板状物を介して複数段積層して設けることを特徴 とするガラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

(2) パレット上に筒状アタッチメントを介在して載置された複数のケーキによって包 装ユニットを形成し、該包装ユニットをパレット上にケーキの上にも筒状アタッチメント を被冠してケーキの上下に筒状アタッチメントをケーキの側端外周部に当接した状態 で介在させて 1段、又は板状物を介して複数段積層して設けることを特徴とするガラ ス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

(3) 積層された包装ユニットの最上の包装ユニットの上に保護板を乗載する上記（1 )又は（2)のガラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

(4) ノルット上に敷き板を設け、該敷き板上に包装ユニットが積層されている上記（1 )、（2)又は (3)のガラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

(5) ケーキが卷芯用のチューブを備えて!/、る上記（1)〜 (4)の 、ずれかに記載のガ ラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

(6) 筒状アタッチメントが底部のな 、円輪である上記（1)〜（5)の 、ずれかに記載 のガラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

(7) 筒状アタッチメントが紙製である上記（1)〜（6)の 、ずれかに記載のガラス長繊 維ケーキの保管'搬送方法。

(8) パレット上に積み重ねたケーキの集合体を榭脂フィルムで包被する上記（1)〜 (7)の 、ずれかに記載のガラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

(9) ケーキの集合体を榭脂フィルムで包被した後、該榭脂フィルムをシュリンク加工 する上記（1)〜（7)の 、ずれかに記載のガラス長繊維ケーキの保管'搬送方法。 (10) パレット上に積み重ねたケーキの集合体をストレッチフィルムで包被する上記 (1)〜（7)の 、ずれかに記載のガラス長繊維ケーキの保管'搬送方法。

(11) ケーキ内径: A、ケーキ最大外径: B、筒状アタッチメント内径: Cであるとき、 1 . 05 XA≤C≤0. 95 X Bの関係を有している上記（1)〜（ 10)のいずれかに記載の ガラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

( 12) 筒状アタッチメント内径 Cが筒状アタッチメントでケーキのエッジ部を保護でき る寸法である上記（1)〜（11)の 、ずれかに記載のガラス長繊維ケーキの保管 *搬送 方法。

(13) 前記筒状アタッチメントに入れ込んだケーキの浮き代 (ケーキ下端部と筒状ァ タツチメントの下端面との距離）が 5〜40mmである上記（1)〜（12)のいずれかに記 載のガラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

(14) 上記（1)〜（13)のいずれかの方法によって包装されていることを特徴とする ガラス長繊維ケーキの包装体。

発明の効果

[0016] 本発明は、ケーキの側端外周部に筒状アタッチメントが当接した状態で、複数のケ ーキをパレット上に該筒状アタッチメントを介在して載置することにより包装ユニットを 形成し、該包装ユニットをパレット上に 1段乃至板状物を介して複数段を積層して設 けているので、ケーキを横積みしても損傷しやすいエッジ部に外的負荷が力からなく なり、ケーキの保管や搬送時においてエッジ部の損傷を防止できる。これにより、ケー キカも引き出したストランドを、チョップドストランドの製造、引き抜き成形やフィラメント ワインデイング成形、ガラス繊維マット (不織布)の製造、長繊維強化熱可塑性榭脂成 形材料の強化材などに使用したとき、毛羽立ち、ストランド切れ、もつれ、引き抜き成 形におけるノズル詰まりなどのトラブルを減少させることができるので、作業性を向上 できる。

[0017] また、輸送効率のよいパレット包装であるので、多数のケーキを低コストで効率よく 保管又は搬送できる。

[0018] さらにまた、ケーキは横積みされ、かつケーキを個々に榭脂フィルムで包被してい ないので、開梱とケーキ力 のストランドの内取りが容易であり、作業性を向上できる [0019] 本発明の好ましい実施形態によれば、パレット上に積み重ねられたケーキの集合 体を榭脂フィルムで包被することにより、保管や搬送時において前記ケーキの保持を 安定させることができるとともに、外的負荷や粉塵等力もケーキを保護できる。そして 、この榭脂フィルムを更にシュリンク加工することにより、パレット上に積み重ねたケー キの集合体を榭脂フィルムで一体ィ匕できるので、特に搬送時にぉ 、てケーキがパレ ット上において移動するのを防止できる。

図面の簡単な説明

[0020] [図 1]本発明の好ましい実施形態である、ケーキに筒状アタッチメントを当接したとき の正面図。

[図 2]図 1の筒状アタッチメントの断面図。

[図 3]本発明の好ましい実施形態である包装体の断面説明図。

[図 4]本発明の他の実施形態に係わるケーキの正面図。

[図 5]本発明の他の実施形態に係わる包装体の断面説明図。

[図 6]典型的なケーキの正面図。

符号の説明

[0021] 1 :ケーキ、 2 :側端外周部、 3 :エッジ部、

4 :最外層部、 5 :チューブ、 6 :筒状アタッチメント、

7 :パレット、 8 :板状物、 9 :保護板、

10 :榭脂フィルム、 11 :敷き板

発明を実施するための最良の形態

[0022] 本発明は、上記したようにパレット上に筒状アタッチメントを介在して載置された複 数のケーキによって包装ユニットを形成し、該包装ユニットをパレット上に筒状ァタツ チメントがケーキの側端外周部に当接した状態で 1段乃至パレットとほぼ同じ大きさ の板状物を介して複数段積層して設けることを特徴としている。その目的はケーキの 保管や搬送のための包装方法であり、本発明におけるガラス長繊維ケーキの保管' 搬送方法は、該ケーキの保管にも搬送にも適用できる包装方法を指している。

[0023] 本発明において上記ケーキは従来のものと実質同じである。つまり、前記したように プッシングで紡糸し集束剤を塗布した多数本のモノフィラメントを集束部材で集束し てストランドとし、このストランドをスパイラルワイヤーで綾振りさせながらチューブ 5 (図 6参照）に巻き取り、集束剤を乾燥固化させて得られる。チューブ 5にストランドを巻き 取るとき、ストランドはスパイラルワイヤーで左右均等に綾振りされるため、ケーキ 1は 図 6に示すように両端から中央に向力つてストランドの巻き量が漸増するように、すな わち太鼓状に形成される。そのため、ケーキ 1の両側端は略直線状又は湾曲状の傾 斜した側端面によって略円錐台状の外形を示し、該側端面のケーキ 1の芯部 (チュ ーブ 5)近傍部分がエッジ部 3である。したがって、本発明においてケーキ 1の側端外 周部 2は、前記側端面のエッジ部 3に連続しその外側を形成する領域を指す。なお、 図 6には太鼓状に巻き取られたケーキ 1を模式的に示している力 ケーキ 1の形状は 実質太鼓状であればこれに限定されな 、。

[0024] 上記ケーキ 1の最外層部 4は、ケーキ乾燥時の水分蒸発に伴う集束剤の表面移行 等により、集束剤が多く分布している部分である。巻き量の厚さにより程度が異なるも のの、同様にケーキ 1の側端外周部 2にも集束剤が多く分布している。このように過度 の集束剤が分布しているストランドは、種々の用途において不具合を生じるため、前 記したように不要部分として廃棄される。この最外層部 4はチューブ 5にストランドがあ る厚さ以上に巻き取られた部分に生成されるので、ケーキ 1の側端外周部 2にも延在 している。この部分は集束剤が多く分布しているため、エッジ部 3に比べて硬く損傷し 難い特性を有している。

[0025] 上記チューブ 5は外径が約 20〜40cmの円筒で、ケーキ 1の内径に合わせて適当 な外径が選択される。またその長さは、ケーキ 1の巻き幅や 1個のチューブに巻き取 るケーキの数などによって適宜決める。このチューブ 5としては、汎用されている例え ば紙管が好ましく使用されるが、これに限定されない。

[0026] ストランドをチューブ 5に巻き取る場合、図 6では 1本のチューブ 5に 1個のケーキ 1 を巻き取っている力 チューブの交換頻度を減らし作業性の向上を図るために、 1本 のチューブに 2個又は 3個のケーキを巻き取ることもできる。図 4は、 1本の長めのチュ ーブ 5に 2個のケーキ la、 lbを隣接して巻き取ったものである。これら 2個のケーキ la 、 lbは、チューブ 5の芯部を垂直にして横置きすることで、上下に近接して配置され てあたかも一つのケーキのように、保管、運搬において取り扱うことが可能である。通 常、 1本のチューブにはケーキの安定性や取扱性などから 1個又は 2個のケーキを卷 き取ることが好ましい。エッジ部の保護の点から、チューブ 5を抜き取らずに付けたま まのケーキが好ましぐまた開梱後ケーキを取り出してケーキ力もすぐにストランドを内 取りするような場合にはケーキ力もチューブを抜き取った状態が好ましい。したがって 、本発明のケーキは 1本のチューブに巻き取った 1個乃至複数個のケーキでチュー ブを付けた状態のケーキ、及び該ケーキからチューブを抜き取った状態のケーキを 含んでいる。

[0027] 次に、本発明のケーキの保管 ·搬送方法について図面に従って説明するが、図面 は本発明の好ま U、実施の形態を例示するもので、本発明はこれに限定されな 、。

[0028] チューブに 1個のケーキを巻き取った場合のケーキの保管'搬送方法について、図 1乃至図 3を参照して説明する。図 1はケーキ 1の側端外周部 2に筒状アタッチメント 6 を当接した状態を示し、図 2は筒状アタッチメント 6の縦断面図である。図 1において、 筒状アタッチメント 6はケーキ 1の側端外周部 2にチューブ 5と同心的に当接し、ケー キ 1のほぼ最外層部 4までの側端面を保護し、特に損傷しやすいエッジ部 3を保護す る。

[0029] 本発明にお 、て筒状アタッチメント 6は、変形や潰れが生じな!/、程度の剛性を持つ ている厚さと材質の円輪又は底部を有する円輪である。したがって、有底の円輪をも 含んでいるが、通常は図 2に示すような底部のない円輪が用いられる。この筒状ァタ ツチメント 6の材質としては、紙又は軟質のプラスチックなどが例示される力 例えば 段ボールに代表される紙力 軽量とイニシャルコストなど力 好ましい。また、紙は、所 望の剛性を得るのに一定の厚さが必要であるので、内径端部の角がつぶれて自然 に面取り形状となるため、ケーキ接触部に対する損傷を緩和できる利点も持って 、る 。しかし、筒状アタッチメント 6の厚さは上記した適度の剛性が得られればよく限定さ れない。

[0030] 本発明では筒状アタッチメント 6がケーキ 1の少なくともエッジ部 3を保護できるように 側端外周部 2に当接するのが好ましい。このため、筒状アタッチメント 6の大きさ（内径 )はケーキ 1の内径とケーキ 1の最大外径に関連して決めるのが好ましい。これを図 1 に基づいて説明する。図 1に示すようにケーキ内径を A、ケーキ最大外径を Bとし、筒 状アタッチメント 6の内径を Cとしたとき、 A、 B及び Cは、 1. 05 XA≤C≤0. 95 X B の関係を有していることが好ましい。 1. 15 XA≤C≤0. 95 X Bであればより好まし い。 Cく 1. 05 XAでは、筒状アタッチメント 6をケーキ 1の側端外周部 2に当接したと き、筒状アタッチメント 6が損傷しやすいエッジ部 3に接触し、またエッジ部 3を十分に 保護できなくなるために、ケーキ 1の保管中や搬送中にエッジ部 3を筒状アタッチメン ト 6等で損傷するおそれが生じる。また、ケーキ 1を相対的に小さい筒状アタッチメント 6で支承するため、ケーキ 1の座りが悪ぐかつ筒状アタッチメント 6にケーキを入れ込 み難くなる。また、 OO. 95 X Bであると、ケーキ 1の浮き代 (ケーキの下端部と筒状 アタッチメント 6の下端面との距離 H2)を含めた筒状アタッチメント 6の高さが大きくな り、使用後における筒状アタッチメント 6の回収時などの作業効率が悪ィ匕する。

[0031] 本発明は、このように筒状アタッチメント 6の内径 Cを筒状アタッチメント 6でケーキ 1 のエッジ部 3を保護できるように選定するのが好ましぐ特に側端外周部 2の中でも比 較的硬く荷重に対して強い最外層部 4の端部近傍に筒状アタッチメント 6が当接する ように選定するのが好ましい。なお、 Cを筒状アタッチメント 6の内径としたのは、ケー キ 1の側端外周部 2に筒状アタッチメント 6を当接するとき、筒状アタッチメント 6の内 側端部が主体的に接触することによる。

[0032] 筒状アタッチメント 6の高さ HIは、ケーキ 1の大きさ、側端外周部 2の傾斜度、及び チューブ 5の有無などによって変わり限定されないが、前記浮き代 H2が 5〜40mm になるように選定するのが好ましい。 H2が 5mm未満であると、ケーキ 1を筒状ァタツ チメント 6に入れ込んで載せるとき、エッジ部 3が後述の敷き板や板状物に触れやすく なるため損傷するおそれが生じる。また、 H2が 40mm超の場合には、筒状アタッチメ ント 6の高さ HIが過度に大きくなるため、包装作業性が悪化し、更に筒状アタッチメ ント 6の回収時などの作業性も悪化する。 H2としては 10〜20mmがより好ましい。

[0033] 本発明は、図 3に示すように複数のケーキ 1を筒状アタッチメント 6を介在させてパレ ット 7上に載置して包装ユニットを形成し、該包装ユニットをパレット 7の上に 1段乃至 パレットとほぼ同じ大きさの板状物 8を介して複数段積層し、好ましくは最上の包装ュ ニットの上に保護板 9を乗載する。本例では、パレット 7の上に例えば段ボールのよう な敷き板 11を敷設し、その上に複数個のケーキ 1を筒状アタッチメント 6を介在させて 載置し一段目の包装ユニットを形成している。この場合、ケーキ 1は図 1に示すように 筒状アタッチメント 6がケーキ 1の側端外周部 2に当接した状態で載置される。本例で はパレット 7上に 3個 X 3個のケーキを並べて包装ユニットを形成している力 包装ュ ニットを形成するケーキ 1の個数は、ケーキ 1の大きさや種類（1個のチューブに巻き 取るケーキの数)及び包装ユニットの段設数などよつて適宜選択される。通常は包装 ユニットを形成するケーキ 1の個数は 4〜16個程度である。また敷き板 11はパレット 7 の上面がほぼ平坦になっているときは省くことができ、パレット上に直に筒状アタッチ メント 6を介してケーキ 1を載置してもょ 、。

[0034] パレット 7の上に載置されたケーキ 1は、側端外周部 2が筒状アタッチメント 6によつ て敷き板 11との間に浮き代 H2を以つて保持されるため、そのエッジ部 3を敷き板 11 力も隔離させることができる。そして、チューブ 5を付けたままのケーキ 1の場合には、 筒状アタッチメント 6で側端外周部 2を保持しているので、チューブ 5がケーキ 1の芯 部を下方にスライドしても、エッジ部 3が敷き板 11に接触しな 、ようにケーキ 1を敷き 板 11力 隔離させて保持できる。

[0035] 本発明はこのようにパレット 7上に形成した 1段の包装ユニットだけでもよいが、該包 装ユニットの上にパレットとほぼ同じ大きさの板状物 8を介在して更に前記包装ュ-ッ トを段設できる。すなわち、図 3に示すようにパレット 7上に形成した包装ユニットのケ ーキ 1の上に、正確にはケーキ 1のチューブ 5の上に板状物 8を乗載し、該板状物 8 の上に筒状アタッチメント 6を介在させてケーキ 1を載置して 2段目の包装ユニットを 形成し、同様にして包装ユニットを順次に段設する。そして、好ましい実施形態では 最上の包装ユニットの上に保護板 9を乗載する。前記板状物 8としては、例えば段ボ ール、厚紙、合成樹脂板などを使用できるが、低コストで使い勝手がよい段ボールが 優れて 、る。この板状物 8は敷き板 11と保護板 9に転用できる。

[0036] 図示はしな 、が、チューブを抜き取ったケーキを複数段積層する場合には、包装ュ ニットを形成して ヽるケーキの上にも筒状アタッチメント 6を載せ、該筒状アタッチメン ト 6の上に板状物を乗載して、次の包装ユニットをケーキの上下に筒状アタッチメント を介在させて積層することにより段設できる。そして、チューブを抜き取ったケーキの 場合には、最上の包装ユニットのケーキの上にも筒状アタッチメント 6を載せ、保護板 はその上に乗載できる。

[0037] 包装ユニットの段設数としては特に制約はなぐ 1本のチューブに巻き取ったケーキ の個数や、ケーキ自体の巻き幅によって各段の包装ユニットの高さが異なることから、 最上の包装ユニットの高さがケーキの積み下ろしを円滑にできるように設定されること が好ましい。ケーキの積み下ろしの作業性から、段設した包装ユニットの高さすなわ ち包装体の高さとしては 1〜1. 8m程度が好ましぐ 1. 2〜1. 7m程度がより好ましい

[0038] また、パレット上に包装ユニットを複数段積層する場合、筒状アタッチメントには下 段になるにつれ大きな荷重が負荷される為、上部に積層される包装ユニットの段数 に応じて筒状アタッチメントの圧縮強度を選定すること、すなわち筒状アタッチメント の厚さや材質を選定することが好まし 、。

[0039] 本発明の好ましい実施形態では、パレット上に積み重ねたケーキの集合体を図 3に 鎖線で示すように榭脂フィルム 10で包被し、更に該榭脂フィルム 10をシュリンクカロェ することが好ましい。榭脂フィルム 10としては、ポリオレフイン系の熱収縮フィルムが好 ましぐポリオレフインとしてはポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが例示 される。また、榭脂フィルム 10の厚さとしては 30〜250 mが好ましぐより好ましくは 80〜120 mである。保管時におけるケーキの保護と汚染防止を目的としているとき は、パレット上に積み重ねた包装ユニット全体を、つまりケーキの集合体を榭脂フィル ムで包被するだけで目的は達成できる。しかし、ケーキを搬送するときには、ケーキの 集合体を熱収縮性の榭脂フィルムで包被した後、該榭脂フィルムをシュリンク加工し 、収縮する榭脂フィルムでケーキと板状物などを一体ィ匕するのが好ましい。このように 一体ィ匕された包装体は、パレット上におけるケーキの移動を防止できるので、ケーキ を損傷させずに搬送できる。

[0040] 上記榭脂フィルムのシュリンク加工は、従来の熱収縮性榭脂フィルムの熱収縮方法 と同じ方法で行うことができる。具体的には、パレット上に積み重ねたケーキの集合体 を包被して 、る榭脂フィルムに熱風を吹きつける方法、ある 、は榭脂フィルムで包被 したケーキの集合体を、例えば 150°Cの高温室に装入し加熱する方法などによって シュリンクカ卩ェでき、好ましくはパレットごと投入可能な例えば熱風循環式のオーブン 中にて、 150°C X 60〜90秒程度の加熱によりシュリンクさせる。

[0041] また、前記シュリンクカ卩ェ以外の方法でもケーキが移動しな 、ようにケーキ集合体を 固定できる。例えば一般的な伸張性片面微粘着フィルム (ストレッチフィルム）を用い て、所定幅のフィルムを引き伸ばしながら、ケーキ集合体に巻き付けて全体を包被し または部分的に包被することにより、ケーキを動かないように固定できる。前記ストレツ チフィルムとしてはストレッチ包装可能な物であればよぐ例えばポリエチレン、 EVA( エチレン酢酸ビュル共重合体)等のフィルムの片方の面が粘着性処理されたものを 使用することができる。強度と開裂の容易さからフィルム厚さは 10〜50 mが好まし く、 20〜25 μ m力より好まし!/ヽ。

[0042] 図 5は、前記した 1本のチューブに巻き取られた 2個のケーキ la、 lb (図 4参照）を パレット 7の上に板状物 8を介して 3段積層した包装体を示したものである。ケーキ 1 力 のように 2個のケーキ la及び lbからなつている場合でも、前記 1個のケーキと同 様にして包装体を形成できる。

実施例

[0043] 縦 110cm、横 110cmのパレット上にほぼ同じ大きさの段ボールを敷き、内径 28cm 、外径 36cm、卷幅 19cmのケーキを 1本のチューブに 2個卷き取ったものを、内径 33 cm、厚さ 5mm、高さ 5cmの紙製の筒状アタッチメントを介して上記パレット（正確には ノルット上に敷設された段ボール)上に 3個 X 3個並べ、 1段目の包装ユニットを形成 した。この包装ユニットの上に上記段ボールを載置し、その上に同様に前記筒状ァタ ツチメント介して 2段目の包装ユニットを形成し、さらに同様にして前記包装ユニットを 合計で 3段積層した。そして、最上段のユニット上に保護用の段ボールを乗せて全体 をポリエチレンフィルムにて包被し、 150°Cにてシュリンク加工を行って包装体を形成 した。

[0044] この包装体をトラックで約 100km離れたところへ輸送したところ、各ケーキのエッジ 部は元の形状を保っており輸送時における損傷などは見られな力つた。

産業上の利用可能性

[0045] 本発明は、ガラス長繊維ケーキを専用ラック等を用いることなぐパレットを用いて効 率的に包装できるので、ガラス長繊維ケーキの保管及び搬送に適用できる。 なお、 2005年 8月 12曰に出願された日本特許出願 2005— 234129号の明細書 、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開 示として、取り入れるものである。

Claims

請求の範囲

[I] パレット上に筒状アタッチメントを介在して載置された複数のケーキによって包装ュ ニットを形成し、該包装ユニットをパレット上に筒状アタッチメントがケーキの側端外周 部に当接した状態で 1段乃至板状物を介して複数段積層して設けることを特徴とする ガラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

[2] パレット上に筒状アタッチメントを介在して載置された複数のケーキによって包装ュ ニットを形成し、該包装ユニットをパレット上にケーキの上にも筒状アタッチメントを被 冠してケーキの上下に筒状アタッチメントをケーキの側端外周部に当接した状態で 介在させて 1段、又は板状物を介して複数段積層して設けることを特徴とするガラス 長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

[3] 積層された包装ユニットの最上の包装ユニットの上に保護板を乗載する請求項 1又 は 2に記載のガラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

[4] パレット上に敷き板を設け、該敷き板上に包装ユニットが積層されている請求項 1、

2又は 3に記載のガラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

[5] ケーキが卷芯用のチューブを備えている請求項 1〜4のいずれかに記載のガラス長 繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

[6] 筒状アタッチメントが底部のない円輪である請求項 1〜5のいずれかに記載のガラ ス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

[7] 筒状アタッチメントが紙製である請求項 1〜6の 、ずれかに記載のガラス長繊維ケ ーキの保管'搬送方法。

[8] パレット上に積み重ねたケーキの集合体を榭脂フィルムで包被する請求項 1〜7の

V、ずれかに記載のガラス長繊維ケーキの保管'搬送方法。

[9] ケーキの集合体を榭脂フィルムで包被した後、該榭脂フィルムをシュリンク加工する 請求項 1〜8のいずれかに記載のガラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

[10] パレット上に積み重ねたケーキの集合体をストレッチフィルムで包被する請求項 1〜

7の 、ずれかに記載のガラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

[II] ケーキ内径: A、ケーキ最大外径: B、筒状アタッチメント内径: Cであるとき、 1. 05

XA≤C≤0. 95 X Bの関係を有している請求項 1〜10のいずれかに記載のガラス 長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

[12] 筒状アタッチメント内径 Cが筒状アタッチメントでケーキのエッジ部を保護できる寸 法である請求項 11に記載のガラス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

[13] 前記筒状アタッチメントに入れ込んだケーキの浮き代 (ケーキ下端部と筒状アタッチ メントの下端面との距離）が 5〜40mmである請求項 1〜12のいずれかに記載のガラ ス長繊維ケーキの保管 ·搬送方法。

[14] 請求項 1〜13のいずれかに記載の方法によって包装されていることを特徴とするガ ラス長繊維ケーキの包装体。