WO2007020689A1

WO2007020689A1 - 背面サポートとその製造方法

Info

Publication number: WO2007020689A1
Application number: PCT/JP2005/015006
Authority: WO
Inventors: Kazukiyo Hemmi
Original assignee: Nichigen Club Co., Ltd.
Priority date: 2005-08-17
Filing date: 2005-08-17
Publication date: 2007-02-22

Abstract

　頭蓋、頸椎、胸郭及び脊柱の全体をバランス良く支持することができ、しかも、呼吸時の胸郭の拡縮運動を円滑に行えるようにすることができる背面サポートとその製造方法を提供することを課題とする。この課題を解決するため、加熱した熱可塑性樹脂製のサポート原板を使用者の背面に押し当てて、使用者の胸郭背面に対応する形状を有する胸郭サポート(2)と、使用者の頸椎背面に対応する形状を有する頸椎サポート(3)と、使用者の頭蓋背面に対応する形状を有する頭蓋サポート(4)とを形成し、胸郭サポート(2)を形成する際に、サポート原板を使用者の脊柱側に向けて押し込むことによって脊柱押し込み部(5)を脊柱に沿って形成することで背面サポート(1)を得る。

Description

明細書

背面サポートとその製造方法

技術分野

[0001] 本発明は、睡眠時などに使用者の背中から後頭部にかけての背面を支持する背面サポートとその製造方法に関する。

背景技術

[0002] 人間が仰向きに寝たときの姿勢は、図 5の人体の骨格図に現れているように、頭蓋 10、頸椎 20、胸郭 30及び胸郭 30の背面側の中心軸となる脊柱が密接に関係している。したがって、安眠を得るためには、これらの頭蓋、頸椎、胸郭及び脊柱をバランス良く支持して体圧を分散させることが重要である。

[0003] また、安眠を得るためには睡眠時に楽に呼吸をできるようにすることも重要である。

すなわち、呼吸時には胸郭が拡がったり縮んだりするので、その胸郭の拡縮運動を円滑に行えるようにすることが重要である。

[0004] 従来、睡眠時には枕を使用するが、枕は頭蓋背面 (後頭部)の支持を目的としたものが主流であり、最近、頸椎を支持する頸椎サポートを備えた枕も提案されているが、これらの一般的な枕では、頭蓋、頸椎、胸郭及び脊柱の全体をバランス良く支持することはできない。

[0005] これに対して、特許文献 1には人体の後頭部力背中部に沿うように構成された湾曲部を有する枕構造が開示されている。しかし、この枕構造は、単に人体の後頭部力背中部を支持するようにしたもので、呼吸時の胸郭の拡縮運動については全く考慮されていない。

特許文献 1 :実開平 7— 17165号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] 本発明が解決しょうとする課題は、頭蓋、頸椎、胸郭及び脊柱の全体をバランス良く支持することができ、しかも、呼吸時の胸郭の拡縮運動を円滑に行えるようにすることができる背面サポートとその製造方法を提供することにある。課題を解決するための手段

[0007] 本発明の背面サポートは、睡眠時などに使用者の背面を支持する背面サポートであって、使用者の胸郭背面に対応する形状を有する胸郭サポートと、使用者の頸椎背面に対応する形状を有する頸椎サポートと、使用者の頭蓋背面に対応する形状を有する頭蓋サポートとを連続して一体的に設けてなり、胸郭サポートに、使用者の脊柱側に向けて押し込まれた脊柱押し込み部が脊柱に沿って設けられているものである。

[0008] このように、本発明では、胸郭サポートと頸椎サポートと頭蓋サポートとを連続して一体的に設けているので、頭蓋、頸椎、胸郭及び脊柱をバランス良く支持して睡眠時などにおいて使用者の体圧を分散させることができる。したがって、睡眠時に寝違えたり、頸椎の筋肉や靱帯を不用意に引き伸ばしたりする頸椎捻挫などの頸椎のトラブル予防にも役立つ。

[0009] また、本発明では、胸郭サポートに脊柱側に向けて押し込まれた脊柱押し込み部を脊柱に沿って設けているので、呼吸時の胸郭の拡縮運動を円滑に行えるようにすることができる。胸郭 30は、図 6に示すように、正面側の胸骨 31と、脊柱 40に沿う胸椎 32と肋骨 33によって籠状に形成された胸部の骨格であり、これに体壁の筋肉が加わつて胸腔を作り、その中に肺や心臓が入る。呼吸時には、この胸郭 30が拡がったり縮んだりすることで円滑な呼吸が行われる。本発明では、上述のように、脊柱側に向けて押し込まれた脊柱押し込み部を脊柱に沿って設けることで、胸郭が拡がる状態を保とうとし、呼吸時の胸郭の拡縮運動が補助されて円滑に行われるようになる。

[0010] また、胸郭の拡縮運動は一番上の第 1肋骨 33aから上力も 7番目の第 7肋骨 33bの範囲で行われるので、胸郭サポートは第 1肋骨 33aから第 7肋骨 33bまでの範囲を支持する大きさに形成することが好ましい。これ以上の大きさにしても、胸郭サポート及び脊柱押し込み部の効果は向上しないだけでなぐ寝心地が悪くなるという弊害が生じる。

[0011] 本発明の背面サポートは、熱可塑性榭脂製のサポート原板を使用することによって製造できる。すなわち、加熱した熱可塑性榭脂製のサポート原板を使用者の背面に押し当てて、使用者の胸郭背面に対応する形状を有する胸郭サポートと、使用者の頸椎背面に対応する形状を有する頸椎サポートと、使用者の頭蓋背面に対応する形状を有する頭蓋サポートとを形成し、胸郭サポートを形成する際に、サポート原板の脊柱に対応する部分を使用者の脊柱側に向けて押し込むことによって脊柱押し込み部を脊柱に沿って形成する。

[0012] 胸郭サポート及び脊柱押し込み部を形成する際は、立った姿勢で深吸気をして胸を反らし、左右の肩甲骨を近づけるようにした状態で、背中に熱可塑性榭脂製のサポート原板を押し当てるようにすることが好ましい。これによつて、胸郭サポート及び脊柱押し込み部の形状が胸郭の拡がった状態に対応する形状となり、呼吸時の胸郭の拡縮運動を補助でき、睡眠時に呼吸を円滑に行えるようになる。

[0013] また、脊柱押し込み部は、凸曲面状の先端部を有するへらの前記先端部をサポート原板に当てて脊柱側に向けて押し込むことによって形成することができる。

[0014] 上述の方法により成形した熱可塑性榭脂製のサポート原板の表面には、必要に応じてクッション材等を貼着し背面サポートとして使用する。

[0015] なお、本発明の背面サポートは、標準的な使用者の胸郭背面、頸椎背面及び頭蓋背面に対応する形状を有するサポート原板を数種類準備しておき、使用者に最も適合するサポート原板を選択し、そのサポート原板にクッション材等を貼着する等して使用者の胸郭背面、頸椎背面及び頭蓋背面に形状に対応するように微調整することによっても得ることができる。

[0016] 本発明の背面サポートは、睡眠時にベッドや敷布団の上に置いて睡眠時の背面サポートとして使用するほか、椅子やソファーの背もたれ部に設置してリラックス時の背面サポートとして使用することもできる。さらに、背面サポートを使用者の背面に確実に位置させるようにするため、使用者に装着するためのバンド等の装着手段を背面サポートに設けることもできる。

発明の効果

[0017] 本発明の背面サポートによれば、頭蓋、頸椎、胸郭及び脊柱をバランス良く支持して睡眠時などの体圧を分散させることができ、また、呼吸時の胸郭の拡縮運動が補助されて睡眠時に呼吸を円滑に行えるようになる。したがって、睡眠時などの筋肉の緊張が軽減されて血流と呼吸が正常に保たれ安眠や安静を得ることができるとともに、寝違い等の睡眠時の頸椎トラブルを予防できる。

[0018] また、熱可塑性榭脂製のサポート原板を使用した本発明の背面サポートの製造方法によれば、使用者の頭蓋、頸椎、胸郭及び脊柱の形状に正確に適合した背面サポートを容易かつ安価に得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

[0019] 以下、図面に示す実施例により、本発明の実施の形態を説明する。

[0020] 図 1は、本発明の背面サポートの実施例を示す斜視図である。同図に示す背面サポート 1は熱可塑性榭脂からなり、使用者の胸郭背面に対応する形状を有する胸郭サポート 2と、使用者の頸椎背面に対応する形状を有する頸椎サポート 3と、使用者の頭蓋背面に対応する形状を有する頭蓋サポート 4とを連続して一体的に備えている。また、胸郭サポート 2には、使用者の脊柱側に向けて押し込まれた脊柱押し込み部 5が設けられている。

[0021] この背面サポートは、温水加熱して柔ら力べした熱可塑性榭脂製の平板状のサポート原板を使用者の背面に押し当てて、サポート原板を使用者の頭蓋、頸椎及び胸郭の形状に対応するように変形させることによって得られる。脊柱押し込み部 5は、胸郭サポートを形成する際に、サポート原板の脊柱に対応する部分を指や棒によって脊柱側に向けて押し込むことによって形成される。好ましくは、立った姿勢で深吸気をして胸を反らし、左右の肩甲骨を近づけるようにした状態で、背中にサポート原板を押し当てる。また、脊柱押し込み部 5は、図 2に示すような凸曲面状の先端部 6aを有するへら 6を使用し、その先端部 6aを脊柱に対応する部分に当てて押し込むことによつて形成することが好ましい。

[0022] 図 3は、本発明の背面サポートの使用状態を示す縦断面図である。同図に示すように、熱可塑性榭脂製のサポート原板を使用者の背面に押し当てることによって形成された背面サポート 1の胸郭サポート 2、頸椎サポート 3及び頭蓋サポート 4は、それぞれ使用者の胸郭 30、頸椎 20及び頭蓋 10の形状に正確に適合しており、これらをバランス良く支持して睡眠時の体圧を分散させることができる。なお、使用時には、背面サポート 1にクッション材を貼着したり、タオル材等で包んだりしてもよぐまた、頭蓋サポート 4の下にクッション材、そば殻等の敷物を入れて後頭部を確実に支持するようにしてもよい。

[0023] 図 4は、本発明の背面サポートの使用状態を示す胸郭部分の横断面図である。背面サポート 1は、その横断面形状においても使用者の胸郭 30等の形状に正確に適合し、胸郭 30の側面側にも回り込んでその一部も支持するように形成されている。また、上述のように、胸郭サポート 2の脊柱 40に対応する部分は図 4に破線で示すように脊柱 40側に向けて押し込まれ、これによつて、実線で示すように窪み形状の脊柱押し込み部 5が形成されている。この脊柱押し込み部 5によって、胸郭 30が拡がりやすくなり、呼吸時の胸郭 30の拡縮運動が補助されて睡眠時に呼吸を円滑に行えるようになる。

産業上の利用可能性

[0024] 本発明の背面サポートは単独で利用できるほか、従来の枕と連結して利用することちでさる。

図面の簡単な説明

[0025] [図 1]本発明の背面サポートの実施例を示す斜視図である。

[図 2]背面サポートに脊柱押し込み部を形成するために使用するへらの斜視図である

[図 3]本発明の背面サポートの使用状態を示す縦断面図である。

[図 4]本発明の背面サポートの使用状態を示す胸郭部分の横断面図である。

[図 5]人体の骨格図を示す。

[図 6]人体の胸郭を示し、（a)は背面図、（b)は右側面図、（c)は横断面図である。符号の説明

[0026] 1 背面サポート

2 胸郭サポート

3 頸椎サポート

4 頭蓋サポート

5 脊柱押し込み部

6 へら

10 頭蓋頸椎胸郭胸骨胸椎肋骨a 第 1肋骨b 第 7肋骨脊柱

Claims

請求の範囲

[1] 使用者の背面を支持する背面サポートであって、使用者の胸郭背面に対応する形状を有する胸郭サポートと、使用者の頸椎背面に対応する形状を有する頸椎サポートと、使用者の頭蓋背面に対応する形状を有する頭蓋サポートとを連続して一体的に設けてなり、胸郭サポートに、使用者の脊柱側に向けて押し込まれた脊柱押し込み部が脊柱に沿って設けられている背面サポート。

[2] 胸郭サポートが、胸郭を構成する第 1肋骨から第 7肋骨までの範囲を支持する大きさに形成されて!、る請求項 1に記載の背面サポート。

[3] 使用者の背面を支持する背面サポートを製造する方法であって、加熱した熱可塑性榭脂製のサポート原板を使用者の背面に押し当てて、使用者の胸郭背面に対応する形状を有する胸郭サポートと、使用者の頸椎背面に対応する形状を有する頸椎サポートと、使用者の頭蓋背面に対応する形状を有する頭蓋サポートとを形成し、胸郭サポートを形成する際に、サポート原板の脊柱に対応する部分を使用者の脊柱側に向けて押し込むことによって脊柱押し込み部を脊柱に沿って形成する背面サポートの製造方法。

[4] 脊柱押し込み部を、凸曲面状の先端部を有するへらの前記先端部をサポート原板に当てて脊柱側に向けて押し込むことによって形成する請求項 3に記載の背面サボートの製造方法。