WO2007004496A1 - ヒンジ構造及びそれを備えた携帯端末並びにヒンジユニット - Google Patents

Abstract

　構造が単純で経時劣化することなくクリック音の発生を抑制できるヒンジ構造及びそれを備えた携帯端末並びにヒンジユニットを提供する。 　胴部及びヒンジヘッド３ａが回転軸を介して所定の角度範囲内で回動自在に連結されたヒンジユニット３と、胴部が固定された表示側筐体１と、ヒンジヘッド３ａが所定の隙間を保持して挿着された操作側筐体２とを有し、表示側筐体１及び操作側筐体２を最も開いた状態でヒンジヘッド３ａと操作側筐体２とが接触する箇所では、ヒンジヘッド３ａと操作側筐体２とが面接触する。

Description

明 細 書

ヒンジ構造及びそれを備えた携帯端末並びにヒンジユニット

技術分野

[0001] 本発明は、二つの部材を回動可能に連結するためのヒンジに関し、特に、開閉時 のクリック音を低減したヒンジに関する。

背景技術

[0002] 近年、携帯電話端末に代表される携帯端末は、上下の各筐体力ヒンジを介して回 動可能に連結された"折りたたみ型"と呼ばれるタイプが主流となっている。

[0003] 巿場において携帯端末は、より高級感のあるものが求められている。すなわち、機 能だけでなく外観の作り込みにもいつそう高級感を出すことが要求されている。

[0004] 視覚的な高級感のみならず聴覚的な高級感も要求されており、開閉時にクリック音 のしな 、端末が高級感のあるものとして好まれて 、る。

[0005] ヒンジユニットの一つとして、フリッパータイプと呼ばれるものがある力 このタイプの ヒンジユニットはその構造上キャッチ音（開閉時のクリック音）がほとんど発生しない。 しかし、フリッパータイプのヒンジユニットは、完全に開いた状態か完全に閉じた状態 にしかならず、開き角を任意の角度とすることはできないため、これを折りたたみ型の 携帯端末に採用すると、ユーザの使い勝手が悪くなつてしまう。

[0006] よって、折りたたみ型の携帯端末には、フリッパータイプのヒンジユニットではなぐ 任意の角度で開くことのできるフリーストップタイプのヒンジが採用されている。

[0007] フリーストップタイプのヒンジユニットは、ヒンジ自体は上下筐体が開閉する角度より も大きく回動するようにして、筐体を完全に開いた時や完全に閉じた状態でトルクが 発生するようにし、開時、閉時に上下筐体がぐらつかないようにしている（以下、これ をヒンジのキャッチと 、う）。

[0008] 図 1に示すように、このとき、ヒンジトップと筐体軸受部との嵌合部分とが衝突しクリツ ク音が発生する。

[0009] このクリック音は、ヒンジトップと筐体軸受部とのクリアランスを小さくすれば低減可能 である。 [0010] しかし、一般的にプラスチックなどの成型品として構成されている筐体やヒンジトップ は、寸法にばらつきがあるため、量産性を考慮するとクリアランスを小さくすることは難 しい。

さらに、ヒンジトップと筐体軸受部とを干渉させた場合 (例えば、圧入のようにタリァラ ンスを 0以下とした場合）は、組み込み時に両者が削れてしまうために組み立て性が 悪くなる。し力も、保守などを目的として解体した後で再度組み立てようとすると、タリ ァランスが変わってしま 、、クリック音が大きくなつてしまう。

[0011] すなわち、従来のフリーストップタイプのヒンジユニットでは、クリック音を低減しようと すると組み立て性が悪くなつたり、ヒンジユニットの再利用が難しいといった問題があ る。

[0012] ヒンジのクリック音の発生を防止する従来技術としては、特許文献 1に開示される「 表示パネルの開閉構造」がある。特許文献 1に開示される発明は、ヒンジ部材に突起 部を形成すると共に、表示ケースには弾性部材に取り付けられたロールを設け、ロー ルが常に突起部又は表示ケースに接触した状態でヒンジを開閉させるものである。 特許文献 1 :実開平 4 13985号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0013] しかし、特許文献 1に開示される発明は、支持ケースと表示ケースとがそれぞれ別 個の支軸を枢軸として回動する構成である。このような構造では、ヒンジの部品点数 が多くなつてしまうだけでなぐ組み立て工数も増加せざるを得ない。すなわち、小型 ィ匕 '軽量ィ匕が困難であるだけでなぐ製造コストも高くなる。

[0014] し力も、弾性体を用いてクリック音の発生を防止しているため、弾性体が劣化すると クリック音の抑制効果が小さくなつてしまう。

[0015] 本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、構造が単純で経時劣化することな くクリック音の発生を抑制できるヒンジ構造及びそれを備えた携帯端末並びにヒンジ ユニットを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0016] 上記目的を達成するため、本発明は、第 1の態様として、胴部及びヘッド部が回転 軸を介して所定の角度範囲内で回動自在に連結されたヒンジユニットと、胴部が固定 された第 1の部材と、ヘッド部が所定の隙間を保持して挿着された第 2の部材とを有 し、第 1及び第 2の部材を最も開いた状態でヘッド部と第 2の部材とが接触する第 1の 接触部では、ヘッド部と第 2の部材とが面接触することを特徴とするヒンジ構造を提供 するものである。

[0017] 本発明の第 1の態様においては、第 1の接触部は、ヘッド部及び第 2の部材が、回 動軸の法線方向に沿った第 1の突き当て面をそれぞれ有し、該第 1の突き当て面同 士が当接することが好ましい。

[0018] 本発明の第 1の態様の上記のいずれの構成においても、第 1及び第 2の部材を最 も閉じた状態でヘッド部と第 2の部材とが接触する第 2の接触部では、ヘッド部と第 2 の部材とが面接触することが好ましぐこれに加えて、第 2の接触部は、ヘッド部及び 第 2の部材が、回動軸の法線方向に沿った第 2の突き当て面をそれぞれ有し、該第 2 の突き当て面同士が当接することがより好ましい。

[0019] また、上記目的を達成するため、本発明は、第 2の態様として、胴部及びヘッド部が 回転軸を介して所定の角度範囲内で回動自在に連結されたヒンジユニットと、胴部が 固定された第 1の部材と、ヘッド部が所定の隙間を保持して挿着された第 2の部材と を有し、第 1及び第 2の部材を最も閉じた状態でヘッド部と第 2の部材とが接触する第 2の接触部では、ヘッド部と第 2の部材とが面接触することを特徴とするヒンジ構造を 提供するものである。

[0020] 本発明の第 2の態様においては、第 2の接触部は、ヘッド部及び第 2の部材が、回 動軸の法線方向に沿った第 2の突き当て面をそれぞれ有し、該第 2の突き当て面同 士が当接することが好ましい。

[0021] また、上記目的を達成するため、本発明は、第 3の態様として、上記本発明の第 1 又は第 2の態様のいずれかの構成にカゝかるヒンジ構造を備えた携帯端末を提供する ものである。

[0022] また、上記目的を達成するため、本発明は、第 4の態様として、胴部及びヘッド部が 回転軸を介して所定の角度範囲内で回動自在に連結され、回動軸の法線方向に沿 つた突き当て面を備えた突き当て部をヘッド部が有することを特徴とするヒンジュ-ッ トを提供するものである。

発明の効果

[0023] 本発明によれば、構造が単純で経時劣化することなくクリック音の発生を抑制できる ヒンジ構造及びそれを備えた携帯端末並びにヒンジユニットを提供できる。

発明を実施するための最良の形態

[0024] 〔第 1の実施形態〕

本発明を好適に実施した第 1の実施形態について説明する。

図 2に本実施形態にかかる携帯電話端末の構成を示す。本実施形態に係る携帯 電話端末は、表示側筐体 1と操作側筐体 2とを有する。

図 3に示すように、表示側筐体 1と操作側筐体 2とはヒンジユニット 3を介して回動可 能に連結されている。また、表示側筐体 1と操作側筐体 2との間には、両筐体内にそ れぞれ配置されている基板などを電気的に接続するためのケーブルなどを引き回す ためのダミーヒンジ 4が設置されて!、る。

[0025] 図 4 (a)、 (b)に、本実施形態に係るヒンジユニット 3の構造を示す。本実施形態に おいて、ヒンジトップ 3aは、軸方向断面が略十文字状となっている。また、操作側筐 体 2は、ヒンジの軸の法線と平行な面である突き当て部 2aを備えている。ヒンジトップ 3aと操作側筐体 2とのクリアランスは、従来構造とほぼ同じ大きさが確保されている。

[0026] 図 5に示すように、表示側筐体 1と操作側筐体 2とを開く場合、ヒンジトップ 3aは表示 側筐体 1と操作側筐体 2とが完全に開ききつて力ももさらに回転し、突き当て部 2aに 衝突する。ヒンジトップ 3a及び突き当て部 2aはともにヒンジの軸の法線方向に接触面 を備えているため、ヒンジのキャッチ時にはこれらが面接触する（図中、点線で囲んだ 部分)。同じトルクであれば、接触面積が大きいほど衝撃力が分散されるため、ヒンジ キャッチの音は小さくなる。

[0027] なお、表示側筐体 1と操作側筐体 2とを閉じる場合には、ヒンジトップ 3aの回転方向 は逆となる力 同様にしてヒンジトップ 3aと操作側筐体 2とがヒンジキャッチ時に面接 触するため、キャッチ音は低減される。

[0028] 〔第 2の実施形態〕

本発明を好適に実施した第 2の実施形態について説明する。図 6に、本実施形態 にかかるフック付きヒンジユニット 5の構成を示す。本実施形態に力かるフック付きヒン ジユニット 5は、第 1の実施形態のヒンジユニット 3とほぼ同様の構成である力 ヒンジト ップ 5aの端部にヒンジフック 5が設けられている。

[0029] 本実施形態においては、ヒンジトップ 5aの端部がフック状となっているため、フック 付きヒンジユニット 5の脱落が防止される。

なお、キャッチ音を低減する動作については第 1の実施形態と同様であるため、重 複する説明は省略する。

[0030] なお、上記各実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれに限定 されることはない。

例えば、上記実施形態においては、ヒンジトップ及び筐体の軸受け部の断面が略 十文字状である場合を例としたが、突き当たり部の数は図示した数に限定されること はなぐ図示した数よりも多くても少なくても良い。

また、上記各実施形態では、端末を開く方向及び閉じる方向の両方に突き当て面 を有するヒンジトップを例とした力 いずれか 1方向のみであっても良い。この場合に は、端末を開く際、又は閉じる際のいずれかの場合にキャッチ音の発生を抑制できる また、上記実施形態では、折りたたみ型携帯電話端末に適用する場合を例に説明 したが、携帯電話端末以外の電子機器 (携帯情報端末 (PDA)、電子手帳、電子辞 書、携帯型ゲーム機)や、電子機器以外の装置に適用することも可能である。

このように、本発明は様々な変形が可能である。

図面の簡単な説明

[0031] [図 1]従来のヒンジの構造及びキャッチ時の状態を示す図である。

[図 2]本発明を好適に実施した第 1の実施形態にカゝかる携帯電話端末の構成を示す 図である。

[図 3]第 1の実施形態に力かる携帯電話端末に適用されたヒンジの構造を示す図で ある。

[図 4]第 1の実施形態に力かる携帯電話端末に適用されたヒンジの断面の形状を示 す図である。 [図 5]第 1の実施形態に力かる携帯電話端末に適用されたヒンジのキャッチ時の状態 を示す図である。

[図 6]本発明を好適に実施した第 2の実施形態にカゝかるヒンジユニットの構成を示す 図である。

符号の説明

1 表示側筐体

2 操作側筐体

2a 突き当て部

3 ヒンジユニット

3a, 5a ヒンジトップ

4 ダミーヒンジ

5 フック付きヒンジユニット

5b

Claims

請求の範囲

[1] 胴部及びヘッド部が回転軸を介して所定の角度範囲内で回動自在に連結されたヒ ンジユニットと、前記胴部が固定された第 1の部材と、前記ヘッド部が所定の隙間を 保持して挿着された第 2の部材とを有し、

前記第 1及び第 2の部材を最も開いた状態で前記ヘッド部と前記第 2の部材とが接 触する第 1の接触部では、前記ヘッド部と前記第 2の部材とが面接触することを特徴 とするヒンジ構造。

[2] 前記第 1の接触部は、前記ヘッド部及び前記第 2の部材が、回動軸の法線方向に 沿つた第 1の突き当て面をそれぞれ有し、

該第 1の突き当て面同士が当接することを特徴とする請求項 1記載のヒンジ構造。

[3] 前記第 1及び第 2の部材を最も閉じた状態で前記ヘッド部と前記第 2の部材とが接 触する第 2の接触部では、前記ヘッド部と前記第 2の部材とが面接触することを特徴 とする請求項 1又は 2記載のヒンジ構造。

[4] 胴部及びヘッド部が回転軸を介して所定の角度範囲内で回動自在に連結されたヒ ンジユニットと、前記胴部が固定された第 1の部材と、前記ヘッド部が所定の隙間を 保持して挿着された第 2の部材とを有し、

前記第 1及び第 2の部材を最も閉じた状態で前記ヘッド部と前記第 2の部材とが接 触する第 2の接触部では、前記ヘッド部と前記第 2の部材とが面接触することを特徴 とするヒンジ構造。

[5] 前記第 2の接触部は、前記ヘッド部及び前記第 2の部材が、回動軸の法線方向に 沿った第 2の突き当て面をそれぞれ有し、

該第 2の突き当て面同士が当接することを特徴とする請求項 3又は 4記載のヒンジ 構造。

[6] 請求項 1から 5の 、ずれか 1項記載のヒンジ構造を備えた携帯端末。

[7] 胴部及びヘッド部が回転軸を介して所定の角度範囲内で回動自在に連結され、前 記回動軸の法線方向に沿った突き当て面を備えた突き当て部を前記ヘッド部が有す ることを特徴とするヒンジユニット。